JP2013146913A - 段ボールシートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表裏ライナ及び中芯の収縮の大きさが変動したとしても、切断や印刷などの加工が施される位置が、最終的な段ボールシートにおいて要請される位置となるように、高い精度で調整することができる、段ボールシートの製造方法を提供する。
【解決手段】段ボールシート5の製造方法は、裏ライナ2及び波形に成形された中芯をそれぞれ加熱した後、貼合して片面段ボールシートとする工程と、表ライナ及び一層以上の片面段ボールシートをそれぞれ加熱した後、加熱圧着により貼合して段ボールシート5とする工程とを具備し、シート材としての裏ライナ2、中芯、表ライナ、片面段ボールシート、及び、段ボールシート5について、二箇所以上の検出点で幅方向の両端部を検出し、両端部間の距離としてシート材の幅寸法を算出し、二箇所の検出点間の幅寸法の差に基づき、シート材の収縮率を算出する。
【選択図】図4
【解決手段】段ボールシート5の製造方法は、裏ライナ2及び波形に成形された中芯をそれぞれ加熱した後、貼合して片面段ボールシートとする工程と、表ライナ及び一層以上の片面段ボールシートをそれぞれ加熱した後、加熱圧着により貼合して段ボールシート5とする工程とを具備し、シート材としての裏ライナ2、中芯、表ライナ、片面段ボールシート、及び、段ボールシート5について、二箇所以上の検出点で幅方向の両端部を検出し、両端部間の距離としてシート材の幅寸法を算出し、二箇所の検出点間の幅寸法の差に基づき、シート材の収縮率を算出する。
【選択図】図4
Description
本発明は、段ボールシートの製造方法に関するものである。
段ボールシートは、一般的にコルゲータと称される装置で製造される。コルゲータでは、シングルフェーサにおいて、波形に成形された中芯と裏ライナとの貼合により片面段ボールシートが製造され、ダブルフェーサにおいて、片面段ボールシートと表ライナとの貼合、または複数の片面段ボールシートと表ライナとの貼合が行われ、両面段ボールシート、複両面段ボールシート等の段ボールシートが製造される。製造された段ボールシートは、スリッタスコアラにおいて走行方向と平行に罫線入れ及び切断が行われた後、所定の長さで流れ方向と直交する方向に裁断される。
上記の工程において、シングルフェーサで貼合される前の中芯及び裏ライナはプレヒータで加熱され、ダブルフェーサで貼合される前の片面段ボールシート及び表ライナもプレヒータで加熱される。また、ダブルフェーサでは貼合に際して、高温に保持された熱盤とベルトとの間に片面段ボールシート及び表ライナを挟み込み、加熱しながら圧着する。このように加熱されることにより、段ボールシートを構成する裏ライナ、中芯、及び表ライナは、水分含有率の低下により収縮する。収縮の大きさは、段ボールシートを製造する環境の温度や湿度によっても影響を受け、季節、気候、時刻によって変動する。また、表裏ライナ及び中芯の原紙の保存期間の長さによって、上記の製造工程に供される前の原紙の水分含有率が相違すれば、加熱条件が同一であっても収縮の大きさが相違する。従って、段ボールシートの収縮の大きさを一定とすることは困難であり、製造される段ボールシートの幅寸法にばらつきが生じる。
ここで、段ボールシートの製造では、シングルフェーサに供給される前の段階で、裏ライナにミシン目が形成されることがある。これは、ライナーカットと称される、段ボール箱を開梱するための切り込み線を予め形成する加工であり、飲料を収容する箱用の段ボールシートに多く施される加工である。このような加工を行う場合、ミシン目の形成より後の工程で段ボールシートが収縮することとなるため、収縮の大きさが変動すると、ライナーカットの位置が要請された位置からずれた段ボールシートが、製造されてしまうという問題がある。
また、段ボールシートの製造では、予め印刷が施されたライナが原紙として用いられることがある(プレプリントのライナ)。この場合も、段ボールシートの収縮の大きさが変動すると、印刷の位置が要請された位置からずれた段ボールシートが製造されてしまうことになる。
従来は、製造される段ボールシートの水分含有率をセンサで測定しながら、加熱の制御や水分の付与によって、段ボールシートの水分含有率が所定の範囲内となるように調整していた。これは、水分含有率が既知であれば、経験値として段ボールシートの幅寸法が分かるため、この値を基準としてライナーカットやプレプリントの位置を設定するという考え方に基づいている。しかしながら、このような従来方法では、収縮後の段ボールシートの幅寸法は、あくまでも水分含有率を介した推定値である。そのため、実際に製造された段ボールシートの幅寸法が推定値と異なるおそれがあり、ライナーカットの位置や印刷位置の精度が不十分であった。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、表裏ライナ及び中芯の収縮の大きさが変動したとしても、切断や印刷などの加工が施される位置が、最終的な段ボールシートにおいて要請される位置となるように、高い精度で調整することができる、段ボールシートの製造方法の提供を課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかる段ボールシートの製造方法は、「裏ライナ及び波形に成形された中芯をそれぞれ加熱した後、貼合して片面段ボールシートとする工程と、表ライナ及び一層以上の前記片面段ボールシートをそれぞれ加熱した後、加熱圧着により貼合して段ボールシートとする工程とを具備し、シート材としての前記裏ライナ、前記中芯、前記表ライナ、前記片面段ボールシート、及び、前記段ボールシートについて、二箇所以上の検出点で幅方向の両端部を検出し、両端部間の距離として前記シート材の幅寸法を算出し、二箇所の前記検出点間の前記幅寸法の差に基づき前記シート材の収縮率を算出する」ものである。
「裏ライナ及び波形に成形された中芯を、貼合して片面段ボールシートとする工程」は、シングルフェーサで行われる工程を指しており、「表ライナ及び一層以上の前記片面段ボールシートを、加熱圧着により貼合して段ボールシートとする工程」は、ダブルフェーサで行われる工程を指している。
「段ボールシート」は、一層の片面段ボールシートが表ライナと貼合された両面段ボールシートの他、複数層の片面段ボールシートが表ライナと貼合された複両面段ボールシートや複々両面段ボールシート等を含む。また、「シート材」は、裏ライナ、中芯、表ライナ、片面段ボールシート、及び、段ボールシートを総称する語として用いている。
シート材について、幅方向の両端部を検出する「検出点」としては、裏ライナ及び中芯を、貼合に先立ってそれぞれを加熱する前、加熱する後、片面段ボールシート及び表ライナを、貼合に先立ってそれぞれ加熱する前、加熱する後、片面段ボールシート及び表ライナが貼合されて段ボールシートとなった後を例示することができる。なお、「幅方向」とは、シート材の長手方向(走行する方向)に直交する方向を指している。
シート材の両端部の検出は、CCDカメラやCMOSカメラ等のエリアカメラや、ラインセンサカメラを用いて行うことができる。
「収縮率」は、二箇所の検出点間の幅寸法の差の上流側の検出点における幅寸法に対する割合として、算出することができる。すなわち、上流側の検出点における幅寸法をx、下流側の検出点における幅寸法をyとすると、収縮率z(%)は以下の式で算出される。
z=((y−x)/x)×100
z=((y−x)/x)×100
上記構成の本発明によれば、シート材の幅寸法の実測に基づいて、実際の収縮率を正確に把握することができる。これにより、実際の収縮率をフィードバックして、切断等の加工が行われる位置を調整することが可能となる。或いは、リアルタイムで収縮率を測定しつつ、収縮率が予め定めた所定の範囲となるように、シート材を加熱する条件を変化させることにより、実際の収縮率が、加工のために予め想定した範囲内となるように調整することができる。従って、季節、気候、時刻、原紙の保存期間などに起因して、シート材の収縮の大きさが変動したとしても、最終的な段ボールシートに要請される位置からのずれを低減して、切断や印刷等の加工を施すことができる。そして、本発明では、シート材の収縮率の直接的な測定に基づいて加工の位置が定まるため、水分含有率を介して間接的に加工位置を調整していた従来法に比べ、加工位置を高い精度で調整することができる。
また、仮に、シート材の幅方向の両端部の内の一方のみを検出して収縮率を算出した場合は、シート材における幅方向の収縮が不均一であった場合に、実際の収縮率と算出された収縮率との間に差異が生じる。これに対し、本発明では、シート材の幅方向の両端部を共に検出して収縮率を算出するため、正確な収縮率に基づいて、加工位置を高い精度で調整することができる。
本発明にかかる段ボールシートの製造方法は、上記構成に加え、「前記中芯との貼合に先立ち、前記裏ライナにミシン目を形成する工程を更に具備し、前記幅寸法として、少なくとも加熱される前の前記裏ライナについて算出された上流側幅寸法、及び、加熱圧着後の前記段ボールシートについて算出された下流側幅寸法を取得し、前記上流側幅寸法と前記下流側幅寸法から算出された前記収縮率、及び、前記段ボールシートに要請される前記ミシン目の位置に基づき、前記裏ライナに前記ミシン目を形成する位置を決定する」ものとすることができる。
「前記中芯との貼合に先立ち、前記裏ライナにミシン目を形成する工程」は、いわゆる“ライナーカット”を施す工程を指している。この工程を含む段ボールシートの製造工程では、シングルフェーサ及びダブルフェーサにより行われる工程より前の段階、すなわち、シート材が大きく収縮する工程より前の段階で、シート材に加工(切断)が行われる。そのため、シート材の収縮の大きさが変動した場合は、最終的な段ボールシートにおけるライナーカットの位置が、要請される位置からずれるおそれがある。
これに対し、本発明では、シート材の幅寸法の実測に基づき算出した収縮率をフィードバックして、裏ライナにミシン目を形成する位置を決定する。加えて、収縮率を算出するために用いる幅寸法として、収縮を開始する前のシート材である「加熱される前の前記裏ライナ」の幅寸法と、最終的な段ボールシートの幅寸法にほぼ等しい「加熱圧着後の前記段ボールシート」の幅寸法を選択している。従って、本構成の本発明によれば、最終的な段ボールシートにおけるライナーカットの位置を、高い精度で調整することができる。
本発明にかかる段ボールシートの製造方法は、上記構成に加え、「二箇所の前記検出点間の前記収縮率を目標値と対比し、前記シート材を加熱する条件を変化させる」ものとすることができる。
上記構成の本発明によれば、シート材の実際の収縮率を、加工に際して想定した収縮率の範囲内となるように調整することができる。これにより、例えば、ライナーカットを施す工程を含む場合に、ミシン目を形成する刃部の位置を変えることなく、最終的な段ボールシートにおけるライナーカットの位置を、要請された位置となるように調整することが可能となる。また、プレプリントされたライナを用いて段ボールシートを製造する場合に、季節、気候、時刻、原紙の保存期間など種々の要因がシート材の収縮率に及ぼす影響を相殺して、最終的な段ボールシートにおける印刷位置を、要請された位置となるように調整することが可能となる。
以上のように、本発明の効果として、表裏ライナ及び中芯の収縮の大きさが変動したとしても、切断や印刷などの加工が施される位置が、最終的な段ボールシートにおいて要請される位置となるように、高い精度で調整することができる、段ボールシートの製造方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態である段ボールシートの製造方法(以下、単に「製造方法」と称することがある)、及び、本実施形態の製造方法を使用するコルゲータ50の構成について、図1乃至図4を用いて説明する。
本実施形態の製造方法は、裏ライナ2及び波形に成形された中芯1をそれぞれ加熱した後、貼合して片面段ボールシート4とする工程と、表ライナ3及び一層の片面段ボールシート4をそれぞれ加熱した後、加熱圧着により貼合して段ボールシート5とする工程とを具備し、シート材としての裏ライナ2、中芯1、表ライナ3、片面段ボールシート4、及び、段ボールシート5について、二箇所以上の検出点で幅方向の両端部を検出し、両端部間の距離としてシート材の幅寸法を算出し、二箇所の検出点間の幅寸法の差に基づきシート材の収縮率を算出するものである。
また、本実施形態の製造方法は、中芯1との貼合に先立ち、裏ライナ2にミシン目を形成する工程を更に具備し、幅寸法として、少なくとも加熱される前の裏ライナ2について算出された上流側幅寸法、及び、加熱圧着後の段ボールシート5について算出された下流側幅寸法を取得し、上流側幅寸法と下流側幅寸法から算出された収縮率、及び、段ボールシート5に要請されるミシン目の位置に基づき、裏ライナ2にミシン目を形成する位置を決定するものである。
かかる製造方法に使用されるコルゲータ50は、ミルロールスタンド11から供給された中芯1を波形に成形し、ミルロールスタンド12から供給された裏ライナ2と貼合して片面段ボールシート4とするシングルフェーサ52と、シングルフェーサ52で形成された片面段ボールシート4を、ミルロールスタンド13から供給された表ライナ3と貼合し段ボールシート5(両面段ボールシート)とするダブルフェーサ55と、段ボールシート5に対して走行方向Fに平行に切断線及び罫線入れをするスリッタスコアラ57と、段ボールシート5を所定長さで裁断するカッタ58とを具備している。
また、コルゲータ50は、シングルフェーサ52に導入される前の裏ライナ2にミシン目を形成するライナーカット装置51と、スリッタスコアラ57に導入される前の段ボールシート5において、箱の内側となる面にテープを貼りつけるカットテープ装置56を備えている。なお、シングルフェーサ52とダブルフェーサ55との間には、片面段ボールシート4がダブルフェーサ55に送られるタイミングを調整するためのブリッジ53と、片面段ボールシート4の中芯1の山に糊付けするグルーマシン54が設けられている。
更に、コルゲータ50は、シングルフェーサ52に導入される前の中芯1を加熱するプレヒータ21a,21b、シングルフェーサ52に導入される前の裏ライナ2を加熱するプレヒータ22a,22b、ダブルフェーサ55に導入される前の表ライナ3を加熱するプレヒータ23a,23b、ダブルフェーサ55に導入される前の片面段ボールシート4を加熱するプレヒータ24a,24bを具備している。また、ダブルフェーサ55は、片面段ボールシート4を表ライナ3と加熱圧着して貼合するヒーティングパート55aと、ヒーティングパート55aで形成された段ボールシート5を冷却するクーリングパート55bとからなり、ヒーティングパート55aは、内部に高温蒸気が供給されて高温に保持された熱盤25と、片面段ボールシート4及び表ライナ3を熱盤25との間に挟み熱盤25に押圧するベルト35とを備えている。
更に、本実施形態では、上記構成のコルゲータ50において、シート材の幅方向の両端部を検出する検出点を10箇所設けている。具体的には、裏ライナ2のプレヒータ22a,22bの入口に第1検出点P1を、その出口に第2検出点P2を、中芯1のプレヒータ21a,21bの入口に第3検出点P3を、その出口に第4検出点P4を、シングルフェーサ52の出口に第5検出点P5を、片面段ボールシート4のプレヒータ24a,24bの入口に第6検出点P6を、その出口に第7検出点P7を、表ライナ3のプレヒータ23a,23bの入口に第8検出点P8を、その出口に第9検出点P9を、スリッタスコアラ57の入口に第10検出点P10を設けている。
各検出点P1〜P10には、シート材の幅方向の両端部を検出するために、ラインセンサカメラ31と、ラインセンサカメラ31と対向してシート材に光を投射する照明32が設けられている。
また、コルゲータ50は、主記憶装置、主記憶装置に記憶されたプログラムに従って処理を行う中央処理装置(CPU)、及び、補助記憶装置を備えるコンピュータ(図示しない)を具備している。コンピュータは、ラインセンサカメラ31から受信した信号に基づき、プログラムに従って、シート材の幅方向の両端部間の距離として、各検出点におけるシート材の幅寸法を算出する。また、コンピュータは、二箇所の検出点間の幅寸法の差に基づき、シート材の収縮率を算出する。
更に、コンピュータは、算出された収縮率に基づき、裏ライナ2にミシン目が形成されるべき位置を算出し、ライナーカット装置51を制御してミシン目を形成する刃部の位置を移動させる。かかるミシン目の形成位置の算出について、図4を用いて説明する。まず、図4(a)に示すように、シート材が収縮していない第1検出点P1(裏ライナ2のプレヒータ22a,22bの入口)の幅寸法がX(mm)であり、図4(b)に示すように、シート材が収縮した後の最終的な段階である第10検出点P10(スリッタスコアラ57の入口)の幅寸法がY(mm)であったとする。そして、最終的な段ボールシート5には、仕上げ寸法として、中央線Nから走行方向(図示、矢印F方向)に対して左側にa(mm)の位置のミシン目L1と、中央線Nから走行方向に対して右側にb(mm)の位置のミシン目L2が要請されているとする。ここで、第1検出点P1におけるシート材の幅寸法が、本発明の「上流側幅寸法」に相当し、第10検出点P10における幅寸法が、本発明の「下流側幅寸法」に相当する。
なお、最終的な段ボールシート5に要請されるミシン目の位置のデータは、コンピュータの補助記憶装置に記憶させることができ、かかるデータを、段ボールシート5の製造ラインの生産管理装置との通信により取得する構成とすることができる。
第1検出点P1から第10検出点P10の間におけるシート材の収縮率Z(%)は、次の式により算出される。
Z=((Y−X)/X)×100
例えば、X=2000(mm)、Y=1990(mm)のとき、収縮率は−5%である。
Z=((Y−X)/X)×100
例えば、X=2000(mm)、Y=1990(mm)のとき、収縮率は−5%である。
次に、コンピュータは、第1検出点P1における両端部の位置から第1検出点P1における中心線Nの位置を決定し、中心線Nを基準としてミシン目L1,L2を形成すべき位置を決定する。すなわち、ライナーカット装置51によって、図4(a)に示すように、中心線Nから走行方向に対して左側c(mm)の位置のミシン目L1と、中央線Nから走行方向に対して右側にd(mm)の位置のミシン目L2を形成することとすると、c及びdは次の式で算出される。
c=(100×a)/(Z+100)
d=(100×b)/(Z+100)
例えば、a=700(mm)、b=300(mm)で、Z=−5(%)のとき、c=703.517(mm)、d=301.507(mm)となる。
c=(100×a)/(Z+100)
d=(100×b)/(Z+100)
例えば、a=700(mm)、b=300(mm)で、Z=−5(%)のとき、c=703.517(mm)、d=301.507(mm)となる。
従って、cの位置にミシン目L1が、dの位置にミシン目L2が形成されるよう、ライナーカット装置51を制御して刃部を移動させることにより、最終的な段ボールシート5におけるミシン目L1,L2の位置が、それぞれ要請されているa,bの位置に調整される。なお、ライナーカットは、通常、近接して平行に形成された二本のミシン目が一単位となる。上記では、中央線Nの両側にそれぞれ一本のミシン目が形成される場合を説明したが、二本目のミシン目を形成すべき位置も、上記と同様に決定することができる。
上記では、最終的な段ボールシート5におけるミシン目L1,L2の位置が要請された位置となるように、ライナーカット装置51の刃部を移動させる場合を例示したが、これに替えて、或いは、これに加えて、二箇所の検出点間の収縮率を目標値と対比し、シート材を加熱する条件を変化させることにより、最終的な段ボールシート5におけるミシン目L1,L2の位置を調整することができる。具体的には、第1検出点P1と第10検出点P10間の収縮率を算出し、算出された収縮率と目標値との差が予め定めた所定値以上である場合は、実際の収縮率が目標値となるよう、プレヒータ21a等や熱盤25による加熱条件を変化させる制御を行う。ここでの「目標値」とは、ライナーカット装置51の刃部の位置を設定する際に基準とした、シート材の収縮率の想定値である。この目標値は、最終的な段ボールシート5において許容されるミシン目の位置の範囲を考慮した上で、ある程度の範囲を有する数値とすることができる。
一方、表ライナ3の原紙として、予め印刷が施された原紙が使用される場合がある。この場合、表ライナ3に印刷がなされる位置は、シート材の収縮率をある値に想定した上で設定されている。従って、実際のシート材の収縮率が想定値から乖離した場合は、最終的な段ボールシート5における印刷の位置が、要請される位置からずれてしまうことになる。このような問題に対しても、二箇所の検出点間の収縮率を目標値と対比し、シート材を加熱する条件を変化させることにより、最終的な段ボールシート5における印刷位置を調整することができる。具体的には、第1検出点P1と第10検出点P10間の収縮率を算出し、算出された収縮率と目標値との差が予め定めた所定値以上である場合は、実際の収縮率が目標値となるよう、プレヒータ21a等や熱盤25による加熱条件を変化させる制御を行う。ここでの「目標値」とは、表ライナ3の原紙に予め印刷を施す際に基準とした、シート材の収縮率の想定値である。この目標値は、最終的な段ボールシート5において許容される印刷位置の範囲を考慮した上で、ある程度の範囲を有する数値とすることができる。
上記のように、第1検出点P1と第10検出点P10との間の収縮率が、最終的な目標値となるようにシート材の加熱条件を制御するに当たり、段ボールシート5の製造工程を複数に区分し、収縮率の目標値を段階的に設定し、段階的な目標値に基づいてプレヒータ21a等や熱盤25による加熱条件を変化させる制御を、コンピュータに行わせることができる。例えば、コンピュータは、第1検出点P1と第10検出点P10との間の収縮率を最終的な目標値Zfとするために、第1検出点P1と第2検出点P2との間(裏ライナ2を加熱する前後)の収縮率の目標値をZ1と設定し、第3検出点P3と第4検出点P4との間(中芯1を加熱する前後)の収縮率の目標値をZ2と設定し、第6検出点P6と第7検出点P7との間(片面段ボールシート4を加熱する前後)の収縮率の目標値をZ3と設定し、第8検出点P8と第9検出点P9との間(表ライナ3を加熱する前後)の収縮率の目標値をZ4と設定し、第7検出点P7と第10検出点P10との間(ダブルフェーサ55の前後)の収縮率の目標値をZ5と設定する。
そして、第1検出点P1と第2検出点P2との間の収縮率(実測値)を目標値Z1と対比しつつ、プレヒータ22a,22bによる裏ライナ2の加熱条件を調整し、第3検出点P3と第4検出点P4との間の収縮率(実測値)を目標値Z2と対比しつつ、プレヒータ21a,21bによる中芯1の加熱条件を調整し、第6検出点P6と第7検出点P7との間の収縮率(実測値)を目標値Z3と対比しつつ、プレヒータ24a,24bによる片面段ボールの加熱条件を調整し、第8検出点P8と第9検出点P9との間の収縮率(実測値)を目標値Z4と対比しつつ、プレヒータ23a,23bによる表ライナ3の加熱条件を調整し、第7検出点P7と第10検出点P10との間の収縮率(実測値)を目標値Z5と対比しつつ、熱盤25による片面段ボール及び表ライナ3の加熱条件を調整する。
ここで、プレヒータによるシート材の加熱条件は、シート材がプレヒータに接触している時間、換言すれば、シート材がプレヒータのロールに巻き付いている角度(巻き付き角)を変化させることによって調整することができる。或いは、プレヒータに供給する熱量を変化させることによって、シート材の加熱条件を調整することができる。また、熱盤25による加熱条件は、熱盤25に供給する高温蒸気の温度を変化させることによって調整することができる。
以上のように、本実施形態の製造方法によれば、シート材の幅寸法の実測に基づいて実際の収縮率を正確に把握し、これをフィードバックしてライナーカットの位置を決定するため、季節、気候など種々の要因によりシート材の収縮率が変動したとしても、ライナーカットが施される位置を、最終的な段ボールシート5において要請される位置となるように、高い精度で調整することができる。
また、本実施形態の製造方法では、シート材の実際の収縮率(実測値)が目標値となるように、プレヒータ21a等や熱盤25による加熱条件を変化させる制御が可能であるため、ミシン目を形成する刃部の位置を変えることなく、最終的な段ボールシート5におけるライナーカットの位置を調整することができる。また、シート材の実際の収縮率が目標値となるように、プレヒータや熱盤25による加熱条件を変化させることにより、ライナの原紙としてプレプリントされた原紙を使用した場合に、シート材の収縮率が変動したとしても、最終的な段ボールシート5において要請される位置から、印刷の位置がずれるおそれを低減することができる。
加えて、本実施形態の製造方法では、シート材の収縮率は、シート材の幅方向の両端部の検出に基づいて算出しているため、シート材において幅方向の収縮率が不均一であったとしても、収縮率を正確に把握することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、シングルフェーサ52を一つ備え、ダブルフェーサ55において一層の片面段ボールシート4と表ライナ3を貼合して両面段ボールシート(段ボールシート5)を製造する場合を、例示した。これに限定されず、同様の構成のシングルフェーサ52を複数備え、ダブルフェーサ55において複数層の片面段ボールシート4と表ライナ3を貼合して、複両面段ボールシートや複々両面段ボールシートを製造する製造方法に、本発明を適用することができる。
1 中芯
2 裏ライナ
3 表ライナ
4 片面段ボールシート
5 段ボールシート
21a,21b 中芯のプレヒータ
22a,22b 裏ライナのプレヒータ
23a,23b 表ライナのプレヒータ
24a,24b 片面段ボールシートのプレヒータ
25 熱盤
31 ラインセンサカメラ
52 シングルフェーサ
55 ダブルフェーサ
P1 第1検出点
P10 第10検出点
2 裏ライナ
3 表ライナ
4 片面段ボールシート
5 段ボールシート
21a,21b 中芯のプレヒータ
22a,22b 裏ライナのプレヒータ
23a,23b 表ライナのプレヒータ
24a,24b 片面段ボールシートのプレヒータ
25 熱盤
31 ラインセンサカメラ
52 シングルフェーサ
55 ダブルフェーサ
P1 第1検出点
P10 第10検出点
Claims (3)
- 裏ライナ及び波形に成形された中芯をそれぞれ加熱した後、貼合して片面段ボールシートとする工程と、
表ライナ及び一層以上の前記片面段ボールシートをそれぞれ加熱した後、加熱圧着により貼合して段ボールシートとする工程とを具備し、
シート材としての前記裏ライナ、前記中芯、前記表ライナ、前記片面段ボールシート、及び、前記段ボールシートについて、二箇所以上の検出点で幅方向の両端部を検出し、両端部間の距離として前記シート材の幅寸法を算出し、
二箇所の前記検出点間の前記幅寸法の差に基づき、前記シート材の収縮率を算出する
ことを特徴とする段ボールシートの製造方法。 - 前記中芯との貼合に先立ち、前記裏ライナにミシン目を形成する工程を更に具備し、
前記幅寸法として、少なくとも加熱される前の前記裏ライナについて算出された上流側幅寸法、及び、加熱圧着後の前記段ボールシートについて算出された下流側幅寸法を取得し、
前記上流側幅寸法と前記下流側幅寸法から算出された前記収縮率、及び、前記段ボールシートに要請される前記ミシン目の位置に基づき、前記裏ライナに前記ミシン目を形成する位置を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の段ボールシートの製造方法。 - 二箇所の前記検出点間の前記収縮率を目標値と対比し、前記シート材を加熱する条件を変化させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の段ボールシートの製造方法。
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