JP2013146901A - 積層フィルム、ハードコートフィルムおよびタッチパネル - Google Patents

積層フィルム、ハードコートフィルムおよびタッチパネル Download PDF

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Abstract

【課題】ハードコート層との密着性に優れたポリエステルフィルムの提供。
【解決手段】 ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面上に、少なくとも1層の易接着層を有し、該易接着層が、ゴム系樹脂バインダと微粒子を含有する積層フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、積層フィルム、該積層フィルムの上にハードコート層を設けたハードコートフィルム、および、該ハードコートフィルムを含むタッチパネルに関する。
ポリエステルフィルム上にハードコート層を設けたタッチパネル用のハードコートフィルムが知られている。このようなタッチパネル用ハードコートフィルムは、ポリエステルフィルムとハードコート層の間に強固な接着が必要である。そこで、ポリエステルフィルムとハードコート層の間の良好な接着性を確保するため、ポリエステルフィルム上に易接着層を設ける技術が知られている。例えば、特開文献1にはアンモニウム塩基含有ポリマー、ポリエチレングリコール含有アクリレートポリマーおよび架橋剤を含有する易接着層の例が開示されている。この技術により、通常の条件下では良好な接着性が得られる。
特開2011−62949号公報
しかしながら、本願発明者が検討したところ、特許文献1に記載の技術では、高湿雰囲気の経時等の過酷な条件の下では接着性は不充分であった。
本発明の目的は、ハードコート層の間の良好な接着性が良好な積層フィルムを提供することである。本発明の第二の目的は、高湿雰囲気等の過酷な条件の下でも、ハードコート層との密着性が良好な積層フィルムを提供することである。本発明の第三の目的は、前記積層フィルムとこの上に設けたハードコート層の間の良好なタッチパネルを提供することである。
かかる状況のもと、本願発明者が検討した結果、以下の手段<1>により、好ましくは、<2>〜<10>により上記課題を解決しうることを見出した。
<1> ポリエステルフィルムの少なくとも一方の上に、少なくとも1層の易接着層を有し、該易接着層が、ゴム系樹脂バインダと微粒子を含有する積層フィルム。
<2>前記易接着層が、さらに、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリオレフィン樹脂から選ばれる1種以上のバインダを含有する、<1>に記載の積層フィルム。
<3>前記ゴム系樹脂バインダがスチレン−ブタジエン系ゴム樹脂である、<1>または<2>に記載の積層フィルム。
<4>前記微粒子が、酸化錫、酸化ジルコニウム、および、酸化チタンから選ばれる1種以上の微粒子である。<1>〜<3>のいずれか1項に記載の積層フィルム。
<5>前記易接着層の波長550nmにおける屈折率が1.55〜1.78の範囲である、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の積層フィルム。
<6>前記易接着層がバインダ全量に対して、3〜35質量%の架橋剤を含有する、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の積層フィルム。
<7>前記積層フィルムを150℃で30分間熱処理した時の熱収縮率が1〜−1%の範囲である、<1>〜<6>のいずれか1項に記載の積層フィルム。
<8>前記易接着層の上にさらに屈折率が1.50〜1.78の範囲である第2の易接着層を有する、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の積層フィルム。
<9><1>〜<8>のいずれか1項に記載の積層フィルムの前記易接着層の上にハードコート層を有する、ハードコートフィルム。
<10><9>に記載のハードコートフィルムと透明導電層を有するタッチパネル。
本発明により、ハードコート層の間の良好な接着性が良好な積層フィルムを提供可能になった。さらに、高湿雰囲気等の過酷な条件の下でもハードコート層の間の良好な接着性が良好な積層フィルムを提供可能になった。さらに、前記積層フィルムとこの上に設けたハードコート層の間の良好なタッチパネルを提供可能になった。
本発明のハードコートフィルムの構成の一例を示す断面概略図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明における屈折率は、特に述べない限り、波長550nmにおける屈折率をいう。
本発明の積層フィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面上に、少なくとも1層の易接着層を有し、該易接着層が、ゴム系樹脂バインダと微粒子を含有することを特徴とする。本発明のハードコートフィルムは、前記積層フィルムにおいて、さらに、ハードコート層を設けたフィルムである。
図1は、本発明のハードコートフィルムを示したものであって、1はポリエステルフィルムを、2は易接着層を、3はハードコート層を、4は積層フィルムを示している。
本発明では、ポリエステルフィルム1の少なくとも一方の上に易接着層2を有する。ここで、ポリエステルフィルムの上とは、ポリエスエルフィルムの表面であってもよいし、他の層を介した上面であってもよい。この場合の他の層としては、下塗り層が好ましい例として挙げられる。易接着層は、ポリエステルフィルムの一方の面上に、1層のみ設けられていてもよいし、2層以上設けられていてもよい。また、易接着層は、ポリエステルフィルムの一方の上にのみ設けられていてもよいし、両面の上に設けられていてもよい。
ハードコート層3は、積層フィルム4の易接着層の上に設けられる。易接着層の上とは、積層フィルムの表面であってもよいし、他の層を介した上面であってもよい。この場合の他の層としては、接着層等があげられる。ハードコート層は、積層フィルムの一方の上に設けられていてもよいし、図1に示すように、易接着層が両方の面に設けられている場合は、両方の面の上に設けられていてもよい。
以下、これらの構成要素について、詳細に説明する。
<ポリエステルフィルム>
本発明で用いるポリエステルフィルムは、二塩基酸又はそのエステル形成性誘導体とジオール又はそのエステル形成性誘導体とから合成されるポリエステルからなるフィルムである。ポリエステルの種類には特に制限はなく、公知のものを使用することができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等が挙げられる。中でも、コストや機械的強度の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いることが特に好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルムは2軸延伸されていることが好ましい。2軸延伸とは、フィルムの幅方向及び長手方向をそれぞれ1軸とみなして両方向に延伸させることである。このように2軸延伸されたポリエステルフィルムは、2軸での分子配向が十分に制御されているため非常に優れた機械強度を有する。延伸倍率は特に制限されるものではないが、一方向に対する延伸倍率が1.5〜7倍であることが好ましく、より好ましくは2〜5倍である。特に、1軸方向あたりの延伸倍率を2〜5倍として2軸延伸させたポリエステルフィルムは、分子配向がより効率良くかつ効果的に制御されているので、非常に優れた機械強度を備え、ポリエステルフィルムとして好適である。ポリエステルフィルムの延伸倍率を1.5倍以上にすることにより、1.5倍未満の場合に比べて充分な機械的強度が得られる。また、延伸倍率を7倍以下とすることにより、7倍を超える場合に比べて均一な厚みを得ることができる。 ポリエステルフィルムの厚さは、30〜400μmであるのが好ましく、100〜250μmであるのがより好ましい。厚みが30μm未満の場合は機械強度が不足したり、取り扱い性が劣る場合がある。また、400μmを超える場合は重量が大きくなりすぎたり、コスト上不利になる場合がある。
ポリエステルフィルムの屈折率は、1.63〜1.71であるのが好ましく、1.62〜1.68であるのがより好ましい。ポリエステルフィルムのオリゴマー含量は2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。オリゴマーが2質量%を超えると、オリゴマーが積層フィルムの表面に析出して外観を損なう場合がある。
ポリエステルフィルムは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で酸化防止剤、紫外線吸収剤、フィラー等の公知の添加剤を含んでいてもよい。
<易接着層>
<<バインダ>>
本発明の易接着層はバインダとしてゴム系樹脂を含む。本発明のゴム系樹脂とはジエン化合物と他のこれと共重合可能な化合物が共重合したポリマーである。ジエン化合物の具体例としては例えばブタジエン、イソプレン、クロロプレン等がある。
ジエン化合物と共重合可能な化合物の具体例としては、スチレン、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ビニルピリジン、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等がある。
本発明で用いられるゴム系樹脂中のジエン化合物の割合は20〜60mol%、より好ましくは25〜55mol%の範囲が好ましい。ゴム系樹脂中のジエン化合物の割合が20mol%未満の場合、充分な接着性が得られない場合がある。逆にジエン化合物の割合が60mol%を超える場合、易接着層の膜強度が低下する場合がある。
本発明のゴム系樹脂としては、例えば、SBR系ゴム樹脂(スチレン−ブタジエン系ゴム樹脂)、CRゴム樹脂(クロロプレン系ゴム樹脂)、NBRゴム樹脂(ニトリル系ゴム樹脂)、IRゴム樹脂(イソプレン系ゴム樹脂)、BRゴム樹脂(ブタジエン系ゴム樹脂)が挙げられるが、接着性の観点からはSBRゴム樹脂が好ましい。SBR系樹脂におけるスチレンのモノマー単位由来の構造単位とブタジエンのモノマー単位由来の構造単位との共重合比率(モル比)は、40:60〜80: 20であることが好ましく、45:55〜75:60であることがより好ましい。スチレン比率が80mol%を超えると第一のポリマー層が固くなり過ぎて接着性が低下する場合があり、逆に40mol%未満になると第一のポリマー層の膜強度が低くなるため耐傷性が低下する場合がある。
また、3種類以上のモノマーが重合したSBR系樹脂において、スチレンのモノマー単位由来の構造単位とブタジエンのモノマー単位由来の構造単位との合計が、該共重合体全体に対して、60〜99mol%の割合で占めることが好ましく、85〜99mol%の割合で占めることがより好ましく、90〜99mol%の割合で占めることが特に好ましい。
前記SBR系樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸またはイタコン酸を、スチレンとブタジエンの含有量の和に対して1〜6質量%含有させたモノマー類を重合させたものであることが好ましく、より好ましくはアクリル酸、メタクリル酸またはイタコン酸を0.2〜5質量%含有させて重合させたものである。
さらに前記SBR系樹脂は、ヒドロキシエチルアクリレート、メチルメチクリレート、エチルアクリレート、アクリロニトリルなどの共重合可能なモノマーを、スチレンとブタジエンの含有量の和に対して1〜10質量%程度共重合したものであってもよい。
本発明の易接着層はバインダとしてゴム系樹脂に加え、ゴム系樹脂以外の樹脂を含んでいることが好ましい。ゴム系樹脂以外の樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂を含有してもよく、アクリル樹脂を含むことがより好ましい。
アクリル樹脂としては、以下に例示されるモノマーを共重合することで得られる。即ち、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等);2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸及びその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等のカルボキシ基またはその塩を有するモノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、N−アルコキシアクリルアミド、N−アルコキシメタクリルアミド、N,N−ジアルコキシアクリルアミド、N,N−ジアルコキシメタクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド等のアミド基を有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物のモノマー;2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有モノマー;メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アルキルイタコン酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエンである。 アクリル樹脂は1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。
具体例として例えば、水性アクリル樹脂 ダイセルファインケム(株)製、AS563 固形分27.5%、Tg:47℃等がある。
ポリエステル樹脂として、下記の多塩基酸成分とジオール成分から得られるポリエステルを用いることができる。すなわち、多価塩基成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を例示することができる。高分子バインダを構成するポリエステル樹脂としては、2種以上のジカルボン酸成分を用いた共重合ポリエステルを用いることが好ましい。ポリエステル樹脂には、若干量であればマレイン酸、イタコン酸等の不飽和多塩基酸成分が、或いはp−ヒドロキシ安息香酸等の如きヒドロキシカルボン酸成分が含まれていてもよい。
ポリエステル樹脂のジオール成分としては、エチレングリコール、1、4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1、6−ヘキサンジオール、1、4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジメチロールプロパン等や、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを例示することができる。
具体例として例えば、水性ポリエステル樹脂 28質量部 互応化学(株)製、プラスコートZ−687 固形分25%、Tg:110℃ や 水性ポリエステル樹脂 大日本インキ化学工業(株)製 ファインテックスES−650 固形分29%、Tg:30℃ がある。
ポリウレタン樹脂としては、ポリオール、ポリイソシアネートから得られるポリウレタンを使用することができる。ポリオールの例としては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールのようなポリエ−テル、ポリエチレンアジペート、ポリエチレン−ブチレンアジペート、ポリカプロラクトンなどを含むグリコールとジカルボン酸との脱水反応により製造されるポリエステル、カ−ボネート結合を有するポリカ−ボネート、アクリル系ポリオール、ひまし油等がある。ポリイソシアネートの例としては、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。鎖延長剤あるいは架橋剤の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジシクロヘキシルメタン、水等が挙げられる。ポリウレタン樹脂は鎖長延長剤、架橋剤等を含むものでもよい。
ポリオレフィン樹脂としては、エチレン又はプロピレンと、これらと共重合可能なモノマーを共重合したポリオレフィンを使用することができる。エチレン又はプロピレンと共重合可能なモノマーの例として、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸などがあるが、エチレン又はプロピレンとアクリル酸、メタクリル酸のようなカルボキシル基含有モノマーが共重合したアイオノマーは特に好ましい。
具体例として例えば、水性ポリオレフィン樹脂 ユニチカ(株)製、アローベースSE1013N、固形分20%がある。
本発明で用いるアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂はガラス転移温度(Tg)が−30〜50℃程度のものが好ましい。
本発明におけるゴム系樹脂以外の樹脂の配合量は、易接着層における全バインダ成分に対し、0 〜90質量%が好ましく、0〜60質量%がより好ましい。90質量%を越えると密着が低下することがある。
< <微粒子> >
本発明における易接着層は微粒子を含む。微粒子は、その種類は特に定めるものではなく、無機微粒子であっても、有機微粒子であっても、有機無機ハイブリッド微粒子であってもよい。本発明では、無機微粒子が好ましい。 無機微粒子としては、金属酸化物が例示され、酸化アンチモン、酸化イットリウム、酸化錫、酸化ランタン、酸化インジウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の金属酸化物やATO、ITOといった、2種以上の金属を含む金属酸化物が好ましく、酸化錫、酸化インジウム、酸化ジルコニウム、酸化チタンが好ましい。これらの金属酸化物を2種以上使用しても良い。
酸化錫としては、SnO 2の組成を持つ酸化錫(IV)が好ましい。更に、この酸化錫にドーピング剤としてアンチモン等をドープしたものを使用することが好ましい。このようにドープさせた酸化錫は導電性を有するために、積層フィルムの表面抵抗率を低下させてゴミ等の不純物が付着するのを防止することができる。アンチモンをドープさせた酸化錫としては、例えば、FS−10D、SN−38F、SN−88F、SN−100F、TDL−S、TDL−1(いずれも、石原産業(株)製)等が挙げられ、本発明において好適に用いることができる。なお、ドーピング剤としてリンを用いた酸化錫も好適に用いることができる。
酸化ジルコニウムとしては、ZrO 2の組成を持つ酸化ジルコニウム(IV)を用いることが好ましい。例えば、NZS−20A、NZS−30A(いずれも、日産化学(株)製)等が挙げられる。
酸化チタンは、TiO 2の組成を持つ酸化チタン(IV)を用いることが好ましい。酸化チタンは、結晶構造の違いにより、正方晶高温型であるルチル型や正方晶低温型であるアナターゼ型等が存在するが、特に限定されるものではない。また、表面処理が施された酸化チタンを用いることもできる。好適に用いることができる酸化チタンとしては、例えば、IT−S、IT−O、IT−W(いずれも、出光興産(株)製)TTO-W-5(石原産業(株)製)等が挙げられる。
易接着層を構成する微粒子は平均一次粒子径が5〜100nmであることが好ましい。平均一次粒子径が100nmを超えると光学散乱が発生し、塗布層の透明性が悪くなる傾向にあり、5nm未満であると微粒子同士の凝集が多くなり、二次粒子径が大きくなり、光学散乱が発生し、塗布層の透明性が悪くなる傾向にある。
微粒子には、屈折率が1.70〜3.00金属酸化物を用いることが好ましい。屈折率が1.70未満であるとバインダに対する微粒子の体積分率が高くなり塗布層の凝集力が下がる傾向にある。屈折率が3.00を越えると非常に特殊な物質なり、工業的に用いるのは難しい場合がある。
本発明における易接着層は、全バインダと微粒子との体積分率を、それぞれ、Vb、VgとしたときVg/(Vb+Vg)が0.07〜0.35程度であることが好ましい。Vg/(Vb+Vg)の値をこの範囲とすることにより、ハードコート層を設けたときの虹ムラを防止して、かつ良好な接着を得ることができる。
本発明における微粒子の配合量は、易接着層における全バインダ成分に対し、通常、0.1〜30質量%の割合で添加される。
<<架橋剤>>
本発明における易接着性層は、架橋剤の少なくとも1種を含有することができる。架橋剤の例としては、エポキシ系、イソシアネート系、メラミン系、カルボジイミド系、オキサゾリン系等の架橋剤を挙げることができる。これらの中でも、カルボジイミド系架橋剤およびオキサゾリン系架橋剤が好ましい。
カルボジイミド系架橋剤としては、分子内にカルボジイミド構造を複数個有する化合物が好ましい。このような化合物を含むことにより、ハードコート層を設けたときの、ハードコート層と易接着層の密着性が向上する傾向にある。分子内に複数のカルボジイミド基を有する化合物は、特に制限なく使用することができる。ポリカルボジイミドは、通常、有機ジイソシアネートの縮合反応により合成されるが、この合成に用いられる有機ジイソシアネートの有機基は特に限定されず、芳香族系、脂肪族系のいずれか、あるいはそれらの混合系も使用可能である。ただし、反応性の観点から脂肪族系が特に好ましい。合成原料としては、有機イソシアネート、有機ジイソシアネート、有機トリイソシアネート等が使用される。
有機イソシアネートの例としては、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、及び、それらの混合物が使用可能である。具体的には、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート等が用いられ、また、有機モノイソシアネートとしては、イソホロンイソシアネート、フェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等が使用される。また、本発明に用いうるカルボジイミド系化合物は、例えば、カルボジライトV−02−L2(商品名:日清紡(株)製)等の市販品としても入手可能である。
オキサゾリン系架橋剤の具体例として、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン、2,2'−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2'−メチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2'−エチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2'−トリメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2'−テトラメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2、2'−ヘキサメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2'−オクタメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2'−エチレン−ビス−(4,4'−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2'−p−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2'−m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2'−m−フェニレン−ビス−(4,4'−ジメチル−2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィド、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィド等が挙げられる。さらに、これらの化合物の(共)重合体も好ましく利用することができる。また、オキサゾリン基を有する化合物として、エポクロスK2010E、同K2020E、同K2030E、同WS500、同WS700(いずれも日本触媒化学工業(株)製)等も利用できる。
本発明における架橋剤は、バインダに対して3〜35質量%の範囲で添加することが好ましく、より好ましくは5〜25質量%の範囲で添加することである。添加量が3質量%より少ないと、微粒子剥落の防止が不充分になる場合がある。一方で、添加量が35質量%を超えると、面状が悪化する場合がある。
<<各種添加剤>>
易接着層には、界面活性剤等の各種添加剤を用いることもできる。界面活性剤としては、例えば、公知のアニオン系、ノニオン系、カチオン系のものが挙げられる。本発明で用いることができる界面活性剤については、例えば、「界面活性剤便覧」(西一郎、今井 怡知一郎、笠井 正蔵編 産業図書(株) 1960年発行)に記載されている。界面活性剤を用いる場合、その添加量は0.1mg/m2〜30mg/m2とすることが好ましく、より好ましくは0.2mg/m2〜10mg/m2とすることが好ましい。界面活性剤の添加量を0.1mg/m2以上とすることにより、界面活性剤による効果が得られ、ハジキの発生が抑えられる。また、その添加量を30mg/m2以下とすることにより、易接着層の面状の悪化を抑えることができる。
易接着層には、帯電防止を目的として帯電防止剤を用いることもできる。帯電防止剤の種類等は特に限定されるものではないが、例えば、ポリアニリン、ポリピロール等の電子伝導系のポリマー、分子鎖中にカルボキシル基やスルホン酸基を有するイオン伝導系ポリマー、導電性微粒子等が挙げられる。導電性微粒子としては、前述の酸化錫、酸化インジウムを主成分とする微粒子と共通の微粒子でも良い。例えば、特開昭61−020033号公報に記載されている導電性酸化錫微粒子は、導電性と透明性の観点から好ましく用いることができる。
易接着層には脂肪族ワックスを含有させることがフィルム表面の滑性を得られるので好ましく、含有量は好ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは1重量%〜10重量%である。この含有量が0.5重量%未満では積層フィルムの滑性が得られないことがある。30重量%を超えるとポリエステルフィルムへの密着やハードコート層や粘着剤等に対する易接着性が不足する場合がある。脂肪族ワックスの具体例としては、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、パームワックス、ロジン変性ワックス、オウリキュリーワックス、サトウキビワックス、エスパルトワックス、バークワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、イボタロウ、セラックワックス等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシンワックス等の鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス、フィッシャートロプッシュワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス等の合成炭化水素系ワックスを挙げることができる。就中、ハードコートや粘着剤等に対する易接着性と滑性が良好なことから、カルナバワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスが特に好ましい。これらは環境負荷の低減が可能であることおよび取扱のし易さから水分散体として用いることが好ましい。
易接着層には、フィラーを添加することが、屈折率調整の観点から好ましい。フィラーとしては、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化錫が例示できる。フィラーの含有量は、バインダ成分の0.1〜50質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。
上述のとおり本発明の易接着層は必要に応じて2層にしてもよい。この場合、第2の易接着層は、前記易接着層と同じバインダ、微粒子、架橋剤、添加剤は前述の素材を用いることができる。第2の易接着層の屈折率は1.50〜1.78の範囲であることが好ましく、1.52〜1.75の範囲がより好ましい。屈折率が1.50未満の場合、ハードコート層を設けたあとの面状が悪化する場合があり、1.78を超えると微粒子の含率が多くなるため、膜強度が低下する場合がある。
次に、易接着層の形成方法について述べる。
易接着層を形成する際には、塗布により設けることが好ましい。ただし、易接着層を形成する方法は特に制限はなく、バーコーター塗布、スライドコーター塗布等の公知の方法を用いることができる。
易接着層を塗布により形成する際には溶媒(塗布溶媒)を用いることができる。塗布溶媒としては、水、トルエン、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン等、及びこれらの混合系等の水系、有機溶剤系の塗布溶剤を用いることができる。これらのうちで水を塗布溶媒として用いる方法はコスト、製造の簡便さを考えると好ましい。また、塗布は、一軸方向に延伸した後に行ってもよいし、2軸延伸した後に行ってもよい。
本発明における易接着層の屈折率は、1.55〜1.78が好ましく、1.57 〜 1.75がより好ましい。屈折率が1.55未満の場合、ハードコート層を設けたあとの面状が悪化する場合があり、1.78を超えると微粒子の含率が多くなるため、膜強度が低下する場合がある。
本発明における易接着層は、ポリエステルフィルムの屈折率をη1とし、前記易接着層の屈折率をη2としたとき、|η1−η2|が、0.06以下であることが好ましく、0.03以下であることがより好ましく、0.02以下であることがさらに好ましい。このような範囲とすることにより、ハードコート層を設けたときの虹ムラを効果的に抑制することができる。
本発明における易接着層の厚さは、特に定めるものではないが、通常、0.01〜1μmである。
本発明の積層フィルムは、150℃で30分間熱処理した時の熱収縮率が1〜−1%の範囲であることが好ましい。ただし、熱収縮率の負の値は膨張を示す。
<<ハードコート層>>
本発明の積層フィルムは、少なくとも一層の易接着層の上に、好ましくは易接着層の表面上に、ハードコート層を設けたハードコートフィルムとして好ましく用いることができる。このハードコート層としては、耐薬品性、耐傷性に強い硬化性樹脂であれば特に限定しない。このような硬化性樹脂としては、電離放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂などあるが、好ましくは、積層フィルムに対して、膜形成作業が容易で且つ鉛筆硬度を所望の値に容易に高めやすい電離放射線硬化型樹脂である。
ハードコート層の形成に用いる電離放射線硬化型樹脂としては、アクリレート系官能基を持つものが好ましく、特にポリエステルアクリレートまたはウレタンアクリレートが好ましい。ポリエステルアクリレートは、ポリエステル系ポリオールのオリゴマーのアクリレート及び/又はメタアクリレート(以下、アクリレートとメタアクリレートとを含めて(メタ)アクリレートと称することがある)から構成される。また、前記ウレタンアクリレートは、ポリオール化合物とジイソシアネート化合物からなるオリゴマーをアクリレート化したものから構成される。なお、アクリレートを構成する単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートなどがある。
前記ハードコート層の硬度をさらに高めたい場合は、多官能モノマーを併用することができる。具体的な多官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなど例示できる。
ハードコート層の形成に使用するポリエステル系オリゴマーとしては、アジピン酸とグリコール(エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリブチレングリコールなど)やトリオール(グリセリン、トリメチロールプロパンなど)セバシン酸とグリコールやトリオールとの縮合生成物であるポリアジペートトリオールや、ポリセバシエートポリオールなどが例示できる。なお、上記脂肪族のジカルボン酸の一部又は全てを他の有機酸で置換してもよい。この場合、他の有機酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸または無水フタル酸などが、ハードコート層に高度の硬度を発現することから、好ましい。
ハードコート層の形成に使用するポリウレタン系オリゴマーは、ポリイソシアネートとポリオールとの縮合生成物から得ることができる。具体的なポリイソシアネートとしては、メチレン・ビス(p―フェニレンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート・ヘキサントリオールの付加体、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートトリメチロ―ルプロパンのアダクト体、1,5―ナフチレンジイソシアネート、チオプロピルジイソシアネート、エチルベンゼン―2,4―ジイソシアネート、2,4―トリレンジイソシアネート二量体、水添キシリレンジイソシアネート、トリス(4―フェニルイソシアネート)チオフォスフエートなどが例示でき、また、具体的なポリオールとしては、ポリオキシテトらメチレングリコールなどのポリエーテル系ポリオール、ポリアジペートポリオール、ポリカーボネートポリオールなどのポリエステル系ポリオール、アクリル酸エステル類とヒドロキシエチルメタアクリレートとのコポリマーなどが例示できる。
更に、上記の電離放射線硬化型樹脂として、紫外線硬化型樹脂を使用するときは、これらの樹脂中にアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミフィラベンゾイルベンゾエート、α―アミロキシムエステルまたはチオキサントン類などを光重合開始剤として、また、n―ブチルアミン、トリエチルアミン、トリn―ブチルホスフィンなどを光増感剤として混合して使用するのが好ましい。
なお、ウレタンアクリレートは、弾性や可撓性に富み、加工性(折り曲げ性)に優れる反面、表面硬度が不足し、2H以上の鉛筆硬度のものが得難い。これに対して、ポリエステルアクリレートは、ポリエステルの構成成分の選択により、極めて高い硬度のハードコート層を形成することができる。そこで、高硬度と可撓性とを両立しやすいことから、ウレタンアクリレート60〜90重量部に対して、ポリエステルアクリレート40〜10重量部を配合させたハードコート層が好ましい。
ハードコート層には、紫外線吸収剤を含有させてもよい。これによって、積層フィルム及び着色剤(特に染料系)の紫外線劣化を防止し、長期間視認性と防爆性を保持することができる。紫外線吸収剤の種類は特定されない。添加量は、ハードコート層を形成する樹脂に対し、0.1〜10重量%が好ましい。0.1重量%未満では紫外線劣化防止効果が小さい場合があり、10重量%を超えると耐摩耗性や耐擦傷性が低下することがある。添加方法は溶剤に分散して使用することが好ましい。
ハードコート層を形成するための塗工方法は、ロールコート、グラビアコート、バーコート、押出しコートなど、塗液の特性や塗工量に応じて、従来それ自体公知の方法を適宜選択すればよい。ハードコート層の厚みは特に限定されないが、1〜15μmの範囲が好ましい。塗液の固形分濃度は30〜70重量%、さらには40〜60重量%が好ましい。
本発明におけるハードコート層の屈折率は、1.60〜1.70が好ましく、1.63〜1.68がより好ましい。
本発明の積層フィルムおよびハードコートフィルムは、さらに、他の構成層を有していてもよい。具体的には、ガスバリア層、TIO電極等の透明電極層、プリズム層、反射防止層、光拡散層等が例示される。これらの詳細は、特開2004−9362号公報の段落番号0059〜0072の記載、特開2008−183882号公報の段落番号0051等の記載を参酌できる。
本発明の積層フィルムは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRTディスプレイ、電子ペーパー、タッチパネル、PDP電磁波シールドフィルム等に好ましく用いることができる。また、太陽電池用保護シートや窓貼り用フィルムとしても好ましく用いることができる。タッチパネルについては、特開2002-48913号公報等の記載を参酌できる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<比較例1>
<<PETフィルムの作成>>
Geを触媒として重縮合した固有粘度0.66(dl/g)のポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記載)樹脂を含水率50ppm以下に乾燥させ、ヒーター温度を280〜300℃に設定し、押し出し機内で溶融させた。溶融させたPET樹脂をダイ部より静電印加されたチルロール上に吐出させ、非結晶ベースを得た。得られた非結晶ベースをベース進行方向に3.3倍に延伸した後、幅方向に対して3.8倍に延伸し、厚さ188μmのPETフィルムを得た。オリゴマーの含有量は、特開平8−245811号公報に記載の方法で測定したところ、0.70重量%であった。屈折率は、1.65であった。
上記により形成したPETフィルムを搬送速度80m/分で搬送し、両面に対して730J/m2の条件でコロナ放電処理を行った後、この両面に塗布量を4.4cm3/m2として下記に示す組成の易接着層用塗布液をバーコート法により塗布した。そして、これを160℃で1分乾燥して易接着層を形成することで、PETフィルムの両面に易接着層が塗布された積層フィルムを得た。なお、積層シートを、透過型電子顕微鏡(JEM2010(日本電子化(株))製)を用いて倍率200000倍で観察することにより、易接着層の膜厚を測定した。
<<易接着層用塗布液の処方>>
以下の処方の易接着層用塗布液を用いた。
・水性ポリエステル樹脂液、28質量部(固形分25質量%)(互応化学(株)製、プラスコートZ−687 Tg:110℃)
・水性ポリエステル樹脂、24質量部(固形分29質量%)(大日本インキ化学工業(株)製、ファインテックスES−650 固形分29%、Tg:30℃)
・オキサゾリン基含有ポリマー、27質量部(固形分10質量%)(日本触媒製、エポクロスWS−700)
・界面活性剤A、13 質量部 (日本油脂(株)製、ラピゾールB−90 アニオン性 1%)
・界面活性剤B、28質量部(三洋化成工業(株)、ナロアクティーCL−95 ノニオン性 1%)
・添加剤(フィラー)、3質量部(日本アエロジル(株)製、アエロジルOX−50、固形分10%)
・添加剤(フィラー)、3質量部(日産化学(株)製、スノーテックスXL、固形分40%)
・添加剤(カルナバワクス)、25質量部 (中京油脂(株)製、セロゾール524、固形分3%水溶液)
・二酸化錫−アンチモン複合針状金属酸化物水分散物、125質量部(石原産業(株)製、FS−10D、長軸長/短軸長で求める比=25、酸化アンチモン含有率3.5%、固形分20%)
・蒸留水 合計が1000重量部になるように添加
<<他の実施例・比較例>>
比較例1においてバインダ、架橋剤の種類を下記表に記載のとおりに変更し、550nmにおける屈折率が1.66となるように微粒子を加える以外は比較例1と同様に易接着層液を作製し、積層フィルムを作成した。
下記表の材料は以下のものを用いた。
ポリアクリルバインダ(樹脂バインダ) :東亜合成化学(株)製、ジュリマーET−410、固形分30%
ポリオレフィンバインダ(樹脂バインダ) :ユニチカ(株)製、アローベースSE1013N、固形分20%
ゴム系樹脂バインダ(SBRゴム樹脂)構造単位がモル比でSt58−Bu40−HEA1−AA1の水系ラテックス、固形分濃度40質量%(Stはスチレンモノマー由来の構造単位、Buはブタジエン由来の構造単位、HEAはヒドロキシエチルアクリレート由来の構造単位、AAはアクリル酸由来の構造単位をそれぞれ表す)
ゴム系樹脂バインダ(NBRゴム樹脂):日本ゼオン製、Nipol1561、固形分20%
架橋剤(カルボジイミド):カルボジイミド構造を複数個有する化合物 日清紡(株)製、カルボジライトV−02−L2 固形分10%水溶液)
微粒子(酸化ジルコニウム):日産化学(株)製、NZS−20A、NZS−30A
微粒子(酸化チタン):石原産業(株)製、TTO-W-5
<<易接着層が2層からなる実施例>>
実施例1の試料の易接着層の上に以下のポリマー層(易接着層上層)を設けた。
バインダ、架橋剤、微粒子を下記表に記載のとおり、比較例1と同様に易接着層液を作製し、積層フィルムを作成した。
<<熱収縮率>>
得られた積層フィルムについて、150℃で30分間熱処理した時の熱収縮率(%)を測定した。結果を下記表に示した。
<<ハードコート層の形成>>
続いて 上記実施例および比較例の積層フィルムにハードコート層を設けたハードコート層付積層フィルムを作成した。
積層フィルムの易接着層の両面に、紫外線硬化樹脂(JSR(株)製、Z7410B、屈折率1.65)を膜厚が約9μmとなるように塗布して塗布層を設けた後、この塗布層を70℃で1分間乾燥させた。次に、乾燥した塗布層に対して高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して樹脂を硬化させることにより厚さが3μmのハードコート層を形成した。なお、塗布層に対する紫外線の照射量は1000mJ/cm2とした。ハードコート層の屈折率は、1.65であった。
得られたハードコート層付積層フィルムについて、接着性を評価した。
<<ハードコート層との接着性〕>>
・条件A
ハードコート層を塗布したサンプルの表面に片刃カミソリを用いて縦、横それぞれ6本のキズをつけて25個の桝目を形成した。次いで、この上にセロハンテープ(ニチバン(株)製405番、24mm幅)を貼り付けて、その上からケシゴムでこすって完全に付着させた後、90度方向に剥離させて、剥離した桝目の数を求めることにより、下記のランク付けを行ってハードコート層と易接着層の間での接着性を評価した。なお、上記のキズの幅は、縦、横とも3mmとした。
Aランク: 剥れなしの場合
Bランク: 剥離した桝目数が1未満の場合
Cランク: 剥離した桝目数が1以上3未満の場合
Dランク: 剥離した桝目数が3以上20未満の場合
Eランク: 剥離した桝目数が20以上の場合
・条件B
条件Aで作製した上層塗布品を95℃の温水中に2時間入れた後、試料表面に付着している水滴を紙(キムワイプS−200)とガーゼでしっかり拭き取り、表面が乾いた状態で条件Aと同様に片刃カミソリで桝目を付けて、セロハンテープでの剥離テストを行った。ランク付けは、条件Aと同様とした。
・条件C
条件Aで作製した上層塗布品を95℃の温水中さらに、10時間入れた後、試料表面に付着している水滴を紙(キムワイプS−200)とガーゼでしっかり拭き取り、表面が乾いた状態で条件Aと同様に片刃カミソリで桝目を付けて、セロハンテープでの剥離テストを行った。ランク付けは、条件Aと同様とした。
Figure 2013146901
上記表に記載のバインダの配合量は、合計を100としたときの質量比で示している。
Figure 2013146901
上記表に記載のバインダの配合量は、合計を100としたときの質量比で示している。
1 ポリエステルフィルム
2 易接着層
3 ハードコート層
4 積層フィルム

Claims (10)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも一方の上に、少なくとも1層の易接着層を有し、該易接着層が、ゴム系樹脂バインダと微粒子を含有する積層フィルム。
  2. 前記易接着層が、さらに、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂およびポリオレフィン樹脂から選ばれる1種以上のバインダを含有する、請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記ゴム系樹脂バインダがスチレン−ブタジエン系ゴム樹脂である、請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 前記微粒子が、酸化錫、酸化ジルコニウム、および、酸化チタンから選ばれる1種以上の微粒子である。請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  5. 前記易接着層の波長550nmにおける屈折率が1.55〜1.78の範囲である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  6. 前記易接着層がバインダ全量に対して、3〜35質量%の架橋剤を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  7. 前記積層フィルムを150℃で30分間熱処理した時の熱収縮率が1〜−1%の範囲である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  8. 前記易接着層の上にさらに屈折率が1.50〜1.78の範囲である第2の易接着層を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層フィルムの前記易接着層の上にハードコート層を有する、ハードコートフィルム。
  10. 請求項9に記載のハードコートフィルムと透明導電層を有するタッチパネル。
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