JP2013233701A - 積層フィルム、ハードコートフィルム、タッチパネル、および積層フィルムの製造方法 - Google Patents

積層フィルム、ハードコートフィルム、タッチパネル、および積層フィルムの製造方法 Download PDF

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龍一 中山
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健司 勝田
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Abstract

【課題】ハードコート層のとの密着性に優れた積層フィルムの提供。
【解決手段】ポリエステルフィルムと、該ポリエステルフィルムの少なくとも一方の表面上に設けられた、バインダーとしてのポリオレフィンと微粒子を含む第1層と、第1層の上に設けられた、バインダーを含む第2層を有する、積層フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、積層フィルム、および積層フィルムを含むハードコートフィルムに関する。特に、タッチパネル用積層フィルムおよびハードコートフィルムに関する。さらに、かかる積層フィルムまたはハードコートフィルムを用いたタッチパネルに関する。加えて、積層フィルムの製造方法に関する。
特に、本発明は、タッチパネルセンサー付表示装置を搭載する電子デバイス、例えば、携帯電話、タッチパネル型PCディスプレイ、デジタルスチルカメラなどに用いるタッチパネルに関する。
従来から、各種用途において、支持体としてポリエステルフィルムが用いられている。ポリエステルフィルムは、各種用途に合わせ、ハードコート層などの機能層が設けられる。そのため機能層に対する優れた密着性(易接着性)が必要となる。しかしポリエステルフィルムと機能層とは、異なる成分から構成されることから、互いを直接的に充分な強度で接着することは難しい。そこで、ポリエステルフィルムの上に易接着層と呼ばれる層を設けて積層フィルムとする方法が用いられている。
ここで、機能層の厚さが厚い場合や、より強固な接着性が求められる場合には、ポリエステルフィルムと易接着層との界面や、易接着層と機能層との界面での接着性が十分に強固にされていないと、ポリエステルフィルムと易接着層、易接着層と機能層との間で剥離を生じてしまう。そこで、例えば、特許文献1では、易接着層を2層とすることによって密着性を高めている。
特開2007−203635号公報
ここで、特許文献1について、本発明者が検討を行ったところ、易接着層を2層とする方法では密着性が不十分であることが分かった。本発明は、かかる従来技術の問題点を解決することを目的としたものであって、機能性層、特にハードコート層との密着性に優れた積層フィルムを提供することを目的とする。
かかる状況のもと、本発明者が検討を行った結果、特許文献1では、バインダーとしてポリアクリルやポリエステルを使用しており、これらのバインダーではポリエステルフィルムと易接着層との密着性が不十分であることが分かった。さらに本発明者が検討を行った結果、ポリエステルフィルムの表面に設ける易接着層としてポリオレフィンを用いることにより、この点を解決し得ることを見出した。このメカニズムは、ポリオレフィンの低い弾性率が、積層フィルムを変形しようとする力を吸収し、界面に生じる力を低減するという作用を奏して、密着性を高めたためであると考えられる。
<1>ポリエステルフィルムと、該ポリエステルフィルムの少なくとも一方の表面上に設けられた、バインダーとしてのポリオレフィンと微粒子を含む第1層と、第1層の上に設けられた、バインダーを含む第2層を有する、積層フィルム。
<2>ポリエステルフィルム、第1層、第2層の屈折率を、それぞれ、nPE、n1、n2としたとき、nPE≧n1≧n2を満たす、<1>に記載の積層フィルム。
<3>第1層の表面に第2層が設けられている、<1>または<2>に記載の積層フィルム。
<4>第1層に含まれるバインダーの90質量%以上がポリオレフィンである、<1>〜<3>のいずれかに記載の積層フィルム。
<5>第2層に含まれるバインダーとして、ポリアクリル、ポリウレタンおよびポリエステルから選択される少なくとも1種を含む、<1>〜<4>のいずれかに記載の積層フィルム。
<6>微粒子が、酸化錫、酸化ジルコニウムおよび酸化チタンから選択される1種以上の微粒子である、<1>〜<5>のいずれかに記載の積層フィルム。
<7>第2層に含まれるバインダーの50質量%以上がポリアクリル、ポリウレタンおよびポリエステルから選択される、<1>〜<6>のいずれかに記載の積層フィルム。
<8><1>〜<7>のいずれかに記載の積層フィルムの第2層の表面に、ハードコート層を有する、ハードコートフィルム。
<9><8>に記載のハードコートフィルムと透明導電層を有する、タッチパネル。
<10>ポリエステルフィルムの表面に、バインダーとしてのポリオレフィンと微粒子を含む第1層組成物を適用する工程、第1層組成物を適用した側の上にバインダーを含む第2層組成物を適用する工程を含む、積層フィルムの製造方法。
本発明により、易接着層とハードコート層等の機能性層との密着性に優れた積層フィルムを提供可能になった。
本発明のハードコートフィルムの層構成を示す概略図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートの両方を含む意味で使われる。
本発明の積層フィルムは、ポリエステルフィルムと、該ポリエステルフィルムの少なくとも一方の表面上に設けられた、バインダーとしてのポリオレフィンと微粒子を含む第1層と、第1層の上に設けられた、バインダーを含む第2層を有することを特徴とする。
ポリオレフィンは、弾性率がポリエステルフィルムや、易接着層のバインダーとして従来から使われているポリエステルやポリアクリルに比べ低い。このため、積層フィルムを変形しようとする力を吸収し、界面に生じる力を低減するという理由により、高い密着性を達成できる。
さらに、本発明の構成とすることにより、得られる積層フィルムの欠陥を減らすことができる。これは、ポリオレフィンの弾性率が低いため、仮に製造工程中の第1層組成物適用後から第2層組成物適用前に異物や搬送ロール傷等が接触したとしても、得られる積層フィルムやハードコートフィルムに欠陥を生じにくくなるためである。これは高い透明性や極めて良好な面状が性能として求められるタッチパネル用途に用いるには、大きな利点である。
本発明の積層フィルムは、第2層の表面にハードコート層を設けたハードコートフィルムとして好ましく用いられる。
図1は、本発明のハードコートフィルムの層構成を示す概略図であって、1はポリエステルフィルムを、2は第1層を、3は第2層を、4はハードコート層を、それぞれ、示している。本発明では、第1層はポリエステルフィルムの表面に設けられ、ハードコート層は第2層の表面に設けられる。しかしながら、第2層は第1層の表面に設けられる必要はなく、他の層を介していてもよい。この場合の他の層は、易接着層であることが好ましく、通常、第1層または第2の層に相当する層である。また、第1層、第2層およびハードコート層は、ポリエステルフィルムの片面のみに設けられていてもよいし、両面に設けられていてもよい。以下に本発明の好ましい層構成を記載するが本発明はこれらに限定されるものではないことは言うまでもない。
ポリエステルフィルム/第1層/第2層/ハードコート層
ポリエステルフィルム/第1層/第1層/第2層/ハードコート層
ポリエステルフィルム/第1層/第2層/第2層/ハードコート層
ポリエステルフィルム/第1層/第1層/第2層/第2層/ハードコート層
ポリエステルフィルム/第1層/易接着層/第2層/ハードコート層
ハードコート層/第2層/第1層/ポリエステルフィルム/第1層/第2層/ハードコート層
第1層および/または第2層を2層以上有するとき、それぞれの第1層および第2層は同じであってもよいし、異なる層でもよい。
タッチパネル用ハードコートフィルムとして用いる場合、ポリエステルフィルム、第1層、第2層の屈折率を、それぞれ、nPE、n1、n2としたとき、nPE≧n1≧n2を満たすことが好ましい。さらに、ハードコート層の屈折率をnHCとしたとき、nPE≧n1≧n2≧nHCを満たすことが好ましい。
以下、各構成層について詳細に説明する。
<ポリエステルフィルム>
本発明におけるポリエステルフィルムとは、主成分がポリエステルであるフィルムをいい、通常、樹脂成分の98質量%以上がポリエステルであるフィルムをいい、好ましくは、ポリエステルフィルムを構成する成分の90質量%がポリエステルであるフィルムをいう。ポリエステルは特に制限されるものではなく、ポリエステルとして公知のものを使用することができる。具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等が挙げられる。中でも、コストや機械的強度の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)を用いることが特に好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルムは2軸延伸されていることが好ましい。2軸延伸とは、フィルムの幅方向および長手方向をそれぞれ1軸とみなして両方向に延伸させることである。このように2軸延伸されたポリエステルフィルムは、2軸での分子配向が十分に制御されているため非常に優れた機械強度を有する。延伸倍率は特に制限されるものではないが、一方向に対する延伸倍率が1.5〜7倍であることが好ましく、より好ましくは2〜5倍である。特に、1軸方向あたりの延伸倍率を2〜5倍として2軸延伸させたポリエステルフィルムは、分子配向がより効率良くかつ効果的に制御されているので、非常に優れた機械強度を備え、ポリエステルフィルムとして好適である。ポリエステルフィルムの延伸倍率を1.5倍以上にすることにより、1.5倍未満の場合に比べて充分な機械的強度が得られる。また、延伸倍率を7倍以下とすることにより、7倍を超える場合に比べて均一な厚さを得ることができる。
ポリエステルフィルムは、表面処理をされていてもよい。この場合の表面処理としては、コロナ処理、火炎処理、真空プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、グロー放電処理などが挙げられる。
ポリエステルフィルムの厚さは、30〜400μmであるのが好ましく、100〜250μmであるのがより好ましい。本発明におけるポリエステルフィルムは1層のみからなっていてもよいし、2層以上のポリエステルフィルムの積層体(例えば、共流涎フィルム、共押出しフィルムなど)であってもよい。本発明におけるポリエステルフィルムが2層以上からなる場合、その合計厚さが上記範囲となる。
ポリエステルフィルムの屈折率は、1.63〜1.71であるのが好ましく、1.62〜1.68であるのがより好ましい。
ポリエステルフィルムは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の添加剤を含んでいてもよく、酸化防止剤や紫外線防止剤が例示される。
<第1層>
第1層は、ポリエステルフィルムの表面上に設けられる。但し、ポリエステルフィルムの表面が表面処理されている場合、かかる表面処理層の表面に設けられることも本発明の範囲に含まれる。第1層は、ポリエステルフィルムに対する接着性を良好なものにするために、バインダーとしてポリオレフィンを含有する。
本発明における第1層は、ポリオレフィン以外のバインダーを含んでいてもよい。ポリオレフィン以外のバインダーとしては、ポリアクリル、ポリウレタンおよびポリエステルが例示され、これらの詳細は、後述する第2層のバインダーと同じであり、好ましい範囲も同じである。第1層のバインダーは、30質量%以上がポリオレフィンであることが好ましく、50質量%以上がポリオレフィンであることが好ましく、90質量%以上がポリオレフィンであることがさらに好ましく、実質的にポリオレフィンのみからなることが特に好ましい。このような範囲とすることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される傾向にある。
第1層の弾性率は、50MPa〜5GPaが好ましく、100MPa〜1GPaがより好ましい。
ポリオレフィンは、極性基を有するポリオレフィンのアイオノマーとして、カルボキシル基等の極性基を有するものが好ましい。有機溶剤に溶解して用いても良いし、水分散物を用いてもよい。ただし、環境負荷が小さいことから、水分散物を用いて水系と付することが好ましい。水分散物としては市販のものを用いればよく、特に限定されるものではないが、本発明に好ましく用いることができるものとしては、例えば、ケミパールS75N(三井化学(株)製)、アローベースSE1200、アローベースSB1200(以上ユニチカ(株)製)、ハイテックS3111、S3121(以上東邦化学(株)製)等が挙げられる。
ポリオレフィンは1種類のみ含まれていてもよいし、2種類以上含まれていてもよい。
第1層の厚さは、ポリエステルフィルムに対する易接着性をより発現させるために、30〜150nmであることが好ましく、65〜110nmであることがより好ましい。第1層の膜厚を30nm以上とすることにより、ポリエステルフィルムと第1層との接着性がより向上する傾向にある。第1層の厚さを150nm以下とすることにより、第1層の面状がより向上する傾向にある。また、本発明の積層フィルムをハードコートフィルムとして用いる場合、虹ムラの効果的な抑制の観点から、その厚さは70〜100nmがさらに好ましい。
第1層は、微粒子を含む。微粒子を含むことによって、第1層の屈折率を調整できる。本発明の積層フィルムやハードコートフィルムは、タッチパネル用途に好ましく用いられるが、タッチパネル用途では、屈折率の調整は極めて重要である。
第1層の屈折率n1は、ポリエステルフィルムの屈折率をnPEとしたとき、nPE≧n1を満たすことが好ましい。第1層の屈折率は1.50〜1.68が好ましく、1.57〜1.62がより好ましい。
第1層に配合される微粒子としては、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化チタンのいずれかひとつ以上を主成分とする微粒子を含ませることが好ましい。ここで主成分とは、微粒子に含まれる配合量が最も多い成分をいい、通常は80質量%以上であることをいう。
例えば、酸化錫としては、SnO2の組成を持つ酸化錫(IV)が好ましい。この酸化錫にアンチモン等をドープしたものを使用すると、導電性を有するために積層フィルムの表面抵抗率を低下させてゴミ等の不純物が付着するのを防止する効果が得られるので好ましい。このようなアンチモンをドープした酸化錫の具体的例示としては、市販されているFS−10D、SN−38F、SN−88F、SN−100F、TDL−S、TDL−1(いずれも、石原産業(株)製)等が挙げられ、本発明でも好適に用いることができる。
上記の酸化ジルコニウムは、ZrO2の組成を持ち、例えば、NZS−20A、NZS−30A(いずれも、日産化学(株)製)やSZR−CW(堺化学工業(株)製)が挙げられ、これらも本発明に好適に用いることができる。
酸化チタンとしては、TiO2の組成を持つ酸化チタン(IV)を用いることが好ましい。酸化チタンは、結晶構造の違いによりルチル型(正方晶高温型)やアナターゼ型(正方晶低温型)等が存在するが、特に限定されるものではない。また、表面処理が施された酸化チタンであっても良い。本発明に好適に用いることができる酸化チタンとしては、例えば、IT−S、IT−O、IT−W(いずれも、出光興産(株)製)、TTO−W−5(石原産業(株)製)等が挙げられる。
なお、上記のような微粒子の平均粒子サイズは、5〜200nmであることが好ましい。微粒子の平均粒子サイズを200nm以下とすると、光が微粒子で散乱される影響が小さくなり、障害物となりにくく、平均粒子サイズが5nm以上とすると、微粒子同士が凝集して巨大化しにくくなるため好ましい。なお、本発明における微粒子の平均粒子サイズとは、微粒子を走査型電子顕微鏡で撮影した時の微粒子と同面積の円の直径とを粒子サイズとしたとき、任意の50個の微粒子について求めた粒子サイズの平均値をいう。
第1層における微粒子の配合量は、屈折率に応じて定められるが、バインダー成分100質量部に対し、例えば、20〜400質量部とすることができ、20〜250質量部とすることが膜の脆性維持上、好ましい。第1層に配合される微粒子は1種のみであってもよいし、2種類以上であってもよい。本発明における第1層は、バインダーと微粒子で第1層の構成成分の80質量%以上を占めることが好ましい。
第1層は、上記バインダーおよび微粒子に加え、必要に応じて、架橋剤、マット剤、界面活性剤、帯電防止剤、すべり剤等を含有してもよい。
架橋剤
架橋剤の例としては、エポキシ系、イソシアネート系、メラミン系、カルボジイミド系、オキサゾリン系等の架橋剤を挙げることができる。これらの中でも、カルボジイミド系架橋剤およびオキサゾリン系架橋剤が好ましい。
カルボジイミド系架橋剤としては、分子内にカルボジイミド構造を複数個有する化合物が好ましい。このような化合物を含むことにより、ハードコート層を設けたときの、ハードコート層と易接着層の密着性が向上する傾向にある。分子内に複数のカルボジイミド基を有する化合物は、特に制限なく使用することができる。ポリカルボジイミドは、通常、有機ジイソシアネートの縮合反応により合成されるが、この合成に用いられる有機ジイソシアネートの有機基は特に限定されず、芳香族系、脂肪族系のいずれか、あるいはそれらの混合系も使用可能である。ただし、反応性の観点から脂肪族系が特に好ましい。合成原料としては、有機イソシアネート、有機ジイソシアネート、有機トリイソシアネート等が使用される。
有機イソシアネートの例としては、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、および、これらの混合物が使用可能である。具体的には、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート等が用いられ、また、有機モノイソシアネートとしては、イソホロンイソシアネート、フェニルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等が使用される。また、本発明に用いうるカルボジイミド系化合物は、例えば、カルボジライトV−02−L2(商品名:日清紡(株)製)等の市販品としても入手可能である。
オキサゾリン系架橋剤の具体例として、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン、2,2'−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2'−メチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2'−エチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2'−トリメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2'−テトラメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2、2'−ヘキサメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2'−オクタメチレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2'−エチレン−ビス−(4,4'−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2'−p−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2'−m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、2,2'−m−フェニレン−ビス−(4,4'−ジメチル−2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾリニルシクロヘキサン)スルフィド、ビス−(2−オキサゾリニルノルボルナン)スルフィド等が挙げられる。さらに、これらの化合物の(共)重合体も好ましく利用することができる。また、オキサゾリン基を有する化合物として、エポクロスK2010E、同K2020E、同K2030E、同WS500、同WS700(いずれも日本触媒化学工業(株)製)等も利用できる。
本発明における架橋剤は、架橋剤を含む場合、バインダーの合計量に対して1〜200質量%の範囲で添加することが好ましく、より好ましくは5〜100質量%の範囲で添加することである。添加量を1質量%以上とすることにより、微粒子剥落の防止が効果的となる。一方で、添加量を200質量以下とすると、面状がより向上する傾向にある。架橋剤は2種類以上を含んでいてもよく、2種類以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
マット剤
マット剤としては、有機または無機微粒子のいずれも使用することができる。例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のポリマー微粒子や、シリカ、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム等の無機微粒子を用いることができる。これらの中で、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、シリカは、すべり性改良効果やコストの観点から好ましい。
マット剤の平均粒子サイズは、0.03〜1μmが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5μmである。マット剤の平均粒子サイズを0.03μm以上とすることにより、すべり性改良効果が効果的に発揮され、平均粒子サイズを1μm以下とすることにより、表示装置の表示品位の低下を抑制できる傾向にある。マット剤を含む場合の、該マット剤の添加量は、平均粒子サイズによっても異なるが、0.1〜30mg/m2であることが好ましく、より好ましくは0.5〜20mg/m2である。微粒子の添加量を0.1mg/m2以上とすることにより、すべり性改良効果がより効果的に発揮され、添加量を30mg/m2以下とすることにより、透明性が低下して表示装置の表示品位の低下をより効果的に抑制できる。マット剤は、2種類以上含んでいてもよく、2種類以上含む場合、合計量が上記範囲となることが好ましい。
なお、本発明におけるマット剤の平均粒子サイズは、前述の微粒子の平均粒子サイズと同様の方法により測定される値である。詳細な説明に関しては、前述の説明において微粒子をマット剤に置き換えたものであるため、ここでは詳細の記載を割愛する。
界面活性剤
界面活性剤としては、公知のアニオン系、ノニオン系、カチオン系のものが挙げられる。界面活性剤については、例えば、「界面活性剤便覧」(西 一郎、今井 怡知一郎、笠井 正蔵編 産業図書(株) 1960年発行)に記載されている。また、界面活性剤を含む場合、該界面活性剤の添加量としては0.1〜30mg/m2であることが好ましく、より好ましくは0.2〜10mg/m2である。界面活性剤を2種類以上含む場合、合計量が上記範囲内であることが好ましい。界面活性剤の添加量を0.1mg/m2以上とすることによりハジキを効果的に抑制することが可能であり、30mg/m2以下とすることにより、面状が向上する傾向にある。
帯電防止剤
帯電防止剤の種類等は特に限定されるものではないが、例えば、ポリアニリン、ポリピロール等の電子伝導系のポリマー、分子鎖中にカルボキシル基やスルホン酸基を有するイオン伝導系ポリマー、導電性微粒子等が挙げられる。これらのうち、特に特開昭61−20033号公報に記載されている導電性酸化錫微粒子は、導電性と透明性の観点から好ましく用いることができる。帯電防止剤の添加量は、25℃30%RH雰囲気で測定した易接着層の表面抵抗率が、1×105Ω以上1×1013Ω以下となるように添加することが好ましい。表面抵抗率を1×105Ω以上とすると帯電防止剤の添加量を低く抑えることができ、積層フィルムの透明性が向上する傾向にあり、1×1013Ω以下とすることにより、ゴミがより付着しにくくなる傾向にある。
すべり剤
第1層には脂肪族ワックスを含有させることがフィルム表面の滑性を得られるので好ましい。脂脂肪族ワックスを配合する場合の配合量は、好ましくは0.5〜30質量%、さらに好ましくは1質量%〜10質量%である。この含有量を0.5質量%以上とすることにより、積層フィルムの滑性が向上する傾向にある。30質量%以下とすることにより、ポリエステルフィルムへの密着やハードコート層や粘着剤等に対する易接着性がより向上する傾向にある。
脂肪族ワックスの具体例としては、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、パームワックス、ロジン変性ワックス、オウリキュリーワックス、サトウキビワックス、エスパルトワックス、バークワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、イボタロウ、セラックワックス等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシンワックス等の鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス、フィッシャートロプッシュワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス等の合成炭化水素系ワックスを挙げることができる。この中でも、ハードコートや粘着剤等に対する易接着性と滑性が良好なことから、カルナバワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスが特に好ましい。これらは環境負荷の低減が可能であることおよび取扱のし易さから水分散体として用いることが好ましい。
<第2層>
第2層は、第1層の上に設けられる層である。すなわち、第1層の表面に設けられていてもよいし、第1層の表面に他の層を介して設けられていてもよい。本発明では、第1層の表面に第2層を設けることが好ましい。
第2層は、バインダーを含む。バインダーは1種類でもよいし、2種類以上でもよい。バインダーは、ポリアクリル、ポリウレタン、ポリエスエル、ポリオレフィン、ゴム系樹脂から選択され、ポリアクリル、ポリウレタンおよびポリエステルから選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
第2層のバインダーは、30質量%以上がポリアクリル、ポリウレタンおよびポリエステルのいずれか1種以上であることが好ましく、50質量%以上がポリアクリル、ポリウレタンおよびポリエステルのいずれか1種以上であることがより好ましく、90質量%以上がポリアクリル、ポリウレタンおよびポリエステルのいずれか1種以上であることがさらに好ましい。
ポリアクリルとしては、以下に例示されるモノマーを共重合することで得られる。即ち、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等);2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸およびその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等のカルボキシ基またはその塩を有するモノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、N−アルコキシアクリルアミド、N−アルコキシメタクリルアミド、N,N−ジアルコキシアクリルアミド、N,N−ジアルコキシメタクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド等のアミド基を有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物のモノマー;2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有モノマー;メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アルキルイタコン酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエンである。
ポリアクリルは、ガラス転移温度が−50〜120℃であることが好ましく、−30〜100℃であることがより好ましい。ポリアクリルの重量平均分子量は3000〜1000000のものが好ましい。
ポリウレタンとしては、ポリオール、ポリイソシアネート、鎖長延長剤、架橋剤等で構成される。ポリオールの例としては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールのようなポリエ−テル、ポリエチレンアジペート、ポリエチレン−ブチレンアジペート、ポリカプロラクトンなどを含むグリコールとジカルボン酸との脱水反応により製造されるポリエステル、カ−ボネート結合を有するポリカ−ボネート、アクリル系ポリオール、ひまし油等がある。ポリイソシアネートの例としては、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。鎖延長剤あるいは架橋剤の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジシクロヘキシルメタン、水等が挙げられる。
ポリエステルとして、下記の多塩基酸成分とジオール成分から得られるポリエステルを用いることができる。すなわち、多価塩基成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を例示することができる。高分子バインダーを構成するポリエステルとしては、2種以上のジカルボン酸成分を用いた共重合ポリエステルを用いることが好ましい。ポリエステルには、若干量であればマレイン酸、イタコン酸等の不飽和多塩基酸成分が、或いはp−ヒドロキシ安息香酸等の如きヒドロキシカルボン酸成分が含まれていてもよい。
ポリエステルのジオール成分としては、エチレングリコール、1、4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1、6−ヘキサンジオール、1、4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジメチロールプロパン等や、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを例示することができる。
ポリオレフィンの例としては、上記第1層で述べたポリオレフィンと同じであり、好ましい範囲も同じである。
第2層の厚さには特に制限はないが、易接着性をより実現させるために、10〜500nmであることが好ましく、20〜200nmであることがより好ましい。第2層の厚さを10nm以上とすることにより、上層(通常は、ハードコート層)との密着性をより向上させることができ、厚さを500nm以下とすることにより、面状が向上する傾向にある。また、上層としてハードコート層を設けた際の虹ムラの効果的な抑制の観点からは、60〜100nmであることがさらに好ましい。
第2層は、微粒子を含んでいてもよい。微粒子を配合することによって、第2層の屈折率を調整できる。本発明の積層フィルムやハードコートフィルムは、タッチパネル用途に好ましく用いられるが、タッチパネル用途では、屈折率の調整は極めて重要である。第2層の屈折率n2は、第1層の屈折率n1との関係で、n1≧n2をを満たすことが好ましく、上層として形成されるハードコート層の屈折率nHCとの関係で、n2≧nHCを満たすことが好ましい。第2層の屈折率は1.50〜1.68が好ましく、1.52〜1.59がより好ましい。
第2層における微粒子の配合量は屈折率に応じて定められるが、バインダー成分100質量部に対し、0〜400質量部とすることができ、0〜250質量部とすることが膜の脆性維持上好ましい。本発明における第2層は、バインダーと微粒子で第1層の構成成分の80質量%以上を占めることが好ましい。
その他微粒子については、第1層に配合される微粒子と同じであり、好ましい範囲も同じである。
第2層は、さらに、必要に応じて、架橋剤、マット剤、界面活性剤、帯電防止剤、すべり剤等を含有してもよい。これらの詳細も、第1層と同じであり、好ましい範囲も同じである。
ハードコート層
本発明の積層フィルムは、第2層の表面に、ハードコート層を設けたハードコートフィルムとして好ましく用いることができる。このハードコート層としては、耐薬品性、耐傷性に強い硬化性樹脂であれば特に限定しない。このような硬化性樹脂としては、電離放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂などあるが、好ましくは、積層フィルムに対して、膜形成作業が容易で且つ鉛筆硬度を所望の値に容易に高めやすい電離放射線硬化型樹脂である。
ハードコート層の形成に用いる電離放射線硬化型樹脂としては、アクリレート系官能基を持つものが好ましく、特にポリエステルアクリレートまたはウレタンアクリレートが好ましい。ポリエステルアクリレートは、ポリエステル系ポリオールのオリゴマーの(メタ)アクリレートから構成される。また、前記ウレタンアクリレートは、ポリオール化合物とジイソシアネート化合物からなるオリゴマーをアクリレート化したものから構成される。なお、アクリレートを構成する単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートなどがある。
ハードコート層の硬度をさらに高めたい場合は、多官能モノマーを併用することができる。具体的な多官能モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなど例示できる。
ハードコート層の形成に使用するポリエステル系オリゴマーとしては、アジピン酸とグリコール(エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリブチレングリコールなど)やトリオール(グリセリン、トリメチロールプロパンなど)セバシン酸とグリコールやトリオールとの縮合生成物であるポリアジペートトリオールや、ポリセバシエートポリオールなどが例示できる。なお、上記脂肪族のジカルボン酸の一部または全てを他の有機酸で置換してもよい。この場合、他の有機酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸または無水フタル酸などが、ハードコート層に高度の硬度を発現することから、好ましい。
ハードコート層の形成に使用するポリウレタン系オリゴマーは、ポリイソシアネートとポリオールとの縮合生成物から得ることができる。具体的なポリイソシアネートとしては、メチレン・ビス(p―フェニレンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート・ヘキサントリオールの付加体、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートトリメチロ―ルプロパンのアダクト体、1,5―ナフチレンジイソシアネート、チオプロピルジイソシアネート、エチルベンゼン―2,4―ジイソシアネート、2,4―トリレンジイソシアネート二量体、水添キシリレンジイソシアネート、トリス(4―フェニルイソシアネート)チオフォスフエートなどが例示でき、また、具体的なポリオールとしては、ポリオキシテトらメチレングリコールなどのポリエーテル系ポリオール、ポリアジペートポリオール、ポリカーボネートポリオールなどのポリエステル系ポリオール、アクリル酸エステル類とヒドロキシエチルメタアクリレートとのコポリマーなどが例示できる。
さらに、上記の電離放射線硬化型樹脂として、紫外線硬化型樹脂を使用するときは、これらの樹脂中にアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミフィラベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステルまたはチオキサントン類などを光重合開始剤として、また、n―ブチルアミン、トリエチルアミン、トリn−ブチルホスフィンなどを光増感剤として混合して使用するのが好ましい。
なお、ウレタンアクリレートは、弾性や可撓性に富み、加工性(折り曲げ性)に優れる反面、表面硬度が不足し、2H以上の鉛筆硬度のものが得難い。これに対して、ポリエステルアクリレートは、ポリエステルの構成成分の選択により、極めて高い硬度のハードコート層を形成することができる。そこで、高硬度と可撓性とを両立しやすいことから、ウレタンアクリレート60〜90質量部に対して、ポリエステルアクリレート40〜10質量部を配合させたハードコート層が好ましい。
ハードコート層には、紫外線吸収剤を含有させてもよい。これによって、積層フィルムおよび着色剤(特に染料系)の紫外線劣化を防止し、長期間視認性と防爆性を保持することができる。紫外線吸収剤の種類は特定されない。添加量は、ハードコート層を形成する樹脂に対し、0.1〜10質量%が好ましい。0.1質量%以上とすることにより、紫外線劣化防止効果が十分に発揮され、10質量%以下とすることにより、耐摩耗性や耐擦傷性の低下をより効果的に抑制できる。
添加方法は溶剤に分散して使用することが好ましい。
ハードコート層の厚さは特に限定されないが、1〜15μmの範囲が好ましい。
本発明におけるハードコート層の屈折率は、1.50〜1.85が好ましく、1.50〜1.68がより好ましく、さらに好ましくは1.51〜1.53である。ハードコート層の屈折率nHCは、第2層の屈折率をn2としたとき、n2≧nHCを満たすことが好ましい。
本発明の積層フィルムおよびハードコートフィルムは、さらに、他の構成層を有していてもよい。具体的には、ガスバリア層、ITO電極等の透明電極層、プリズム層、反射防止層、光拡散層等が例示される。これらの詳細は、特開2004−9362号公報の段落番号0059〜0072の記載、特開2008−183882号公報の段落番号0051等の記載を参酌できる。
本発明の積層フィルムは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRTディスプレイ、電子ペーパー、タッチパネル、PDP電磁波シールドフィルム等に好ましく用いることができる。また、太陽電池用保護シートや窓貼り用フィルムとしても好ましく用いることができる。
本発明のハードコートフィルムは、タッチパネルのハードコートフィルムとして用いることが好ましい。タッチパネルについては、特開2002−48913号公報等の記載を参酌できる。
次に、本発明の積層フィルムおよびハードコートフィルムの製造方法について述べる。
本発明の積層フィルムの製造方方法は、ポリエステルフィルムの表面に、バインダーとしてのポリオレフィンと微粒子を含む第1層組成物を適用する工程、第1層組成物を適用した側の上にバインダーを含む第2層組成物を適用する工程を含む。
本発明のハードコートフィルムは、ポリエステルフィルムの表面に、バインダーとしてのポリオレフィンと微粒子を含む第1層組成物を適用する工程、第1層組成物を適用した側の上にバインダーを含む第2層組成物を適用する工程、第2層組成物を適用した表面にハードコート層組成物を適用する工程を含む。
ポリエステルフィルムは、第1層を設ける前に、表面処理してもよい。表面処理としては、コロナ処理、火炎処理、真空プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、グロー放電処理などが挙げられる。
また、第1層組成物の適用は、ポリエステルフィルムを一軸方向に延伸した後に行ってもよいし、2軸延伸した後に行ってもよいし、全く延伸しない状態で適用してもよい。しかし、横延伸後のベース耳部の回収を可能にするために、2軸延伸後に塗布して形成することが好ましい。
第1層組成物は、ポリエステルフィルムの表面に適用する。第1層組成物は、通常は、塗布によりポリエステルフィルムの表面に形成される。塗布方法としては、特に制限はなく、バーコーター塗布、スライドコーター塗布等の公知の方法を用いることができる。
第1層組成物を塗布する際には溶媒(塗布溶媒)を用いることができる。塗布溶媒としては、水、トルエン、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン等、およびこれらの混合系等の水系、有機溶剤系の塗布溶剤を用いることができる。これらのうちで水を塗布溶媒として用いる方法はコスト、製造の簡便さを考えると好ましい。
第1層組成物は、ポリエステルフィルム上に層状に適用した後、または、第2層組成物も層状に適用した後に硬化する。硬化方法としては乾燥が挙げられる。
第2層組成物は、第1層組成物を設けた側の上に適用する。また、第2層を形成する際には、第1層と同時に適用してもよいし、第1層を適用して硬化させた後、第2層を形成してもよい。さらに、第1層を設けた後、他の層(例えば、易接着層)を設けた表面に第2層を形成してもよい。第2層組成物の適用方法は、第1層組成物の適用方法と同じであり、好ましい範囲も同じである。第1層と第2層とを形成する際には、同じ方法を用いても良いし、異なる方法を用いても良い。
ハードコート層は、ハードコート層組成物を第2層の表面に適用して形成する。ハードコート層組成物は、硬化性樹脂を含む組成物が例示される。この場合、ハードコート層組成物の固形分濃度は30〜70質量%、さらには40〜60質量%が好ましい。
ハードコート層組成物の第2層表面への適用方法としては、ハードコート層組成物の特性や適用量に応じて、従来それ自体公知の方法を適宜選択できる。具体的には、ロールコート法、グラビアコート法、バーコート法、押出しコート法などが挙げられる。
ハードコート層は、通常、ハードコート層組成物を層状に適用した後硬化させる。硬化方法としては、ハードコート層組成物の材料に応じた硬化方法を採用でき、例えば、電離放射線硬化型樹脂であれば、電離放射線照射によって硬化させる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
実施例1:積層フィルムの作成
<ポリエステルフィルムの作成>
Geを触媒として重縮合した固有粘度0.66(dl/g)のポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記載)樹脂を含水率50ppm以下に乾燥させ、ヒーター温度を280〜300℃に設定し、押し出し機内で溶融させた。溶融させたPET樹脂をダイ部より静電印加されたチルロール上に吐出させ、非結晶ベースを得た。得られた非結晶ベースをベース進行方向に3.3倍に延伸した後、幅方向に対して3.8倍に延伸し、厚さ100μmのPETフィルムを得た。屈折率は、1.65であった。
上記により形成したPETフィルムを搬送速度80m/分で搬送しながら、両面に対して730J/m2の条件でコロナ放電処理を行った後、この両面に塗布量が7.1cm3/m2となるように第1塗布液をバーコート法により塗布した。そして、これを160℃で1分乾燥して第1層を形成した後、続けて双方の第1層の両面に塗布量7.1cm3/m2として第2塗布液をバーコート法により塗布した後、150℃で1分乾燥することにより、PETフィルムの両面に易接着層が塗布された積層フィルムを得た。なお、積層フィルムを、透過型電子顕微鏡(JEM2010(日本電子化(株))製)を用いて倍率200000倍で観察することにより、易接着層の膜厚を測定した。
〔第1層塗布液〕
上記の第1層塗布液は、以下の処方を用いた。
・ポリオレフィンバインダー(樹脂バインダー) 43.7質量部
(ユニチカ(株)製、アローベースSE1013N、固形分20%)
・オキサゾリン構造を複数個有する化合物(架橋剤) 26.5質量部
(日本触媒化学工業(株)製、WS700 固形分10%水溶液)
・界面活性剤A 10質量部
(ナトリウム=1.2−{ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ナノフルオロヘキシルカルボニル)}エタンスルホナート 0.1%)
・界面活性剤B 10質量部
(三洋化成工業(株)、ナロアクティーCL−95 1%)
・酸化ジルコニウム水分散物(微粒子) 28.6質量部
(堺化学工業(株)製、SZR−CW、固形分30%)
・蒸留水 合計が1000質量部になるように添加
なお上記処方は塗布乾燥後の第1層の屈折率が1.58となるように調整したものである。
〔第2層塗布液〕
上記の第2層塗布液は、以下の処方を用いた。
・ポリアクリルバインダー(樹脂バインダー) 38.0質量部
(ダイセルファインケム(株)製、AS563、固形分27.5%)
・カルボジイミド構造を複数個有する化合物(架橋剤) 20.9質量部
(日清紡(株)製、カルボジライトV−02−L2 固形分10%水溶液)
・界面活性剤A 30質量部
(ナトリウム=1.2−{ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ナノフルオロヘキシルカルボニル)}エタンスルホナート 0.1%)
・界面活性剤B 50質量部
(三洋化成工業(株)、ナロアクティーCL−95 1%)
・添加剤(カルナバワクス) 22.5質量部
(中京油脂(株)製、セロゾール524、固形分3%水溶液)
・添加剤(フィラー) 1.5質量部
(日本アエロジル(株)製、アエロジルOX−50、固形分10%)
・酸化ジルコニウム水分散物(微粒子) 6.6質量部
(堺化学工業(株)製、SZR−CW、固形分30%)
・蒸留水 合計が1000質量部になるように添加
なお上記処方は塗布乾燥後の第2層の屈折率が1.52となるように調整したものである。
ハードコートフィルムの作製
上記実施例および比較例の積層フィルムにハードコート層を設けたハードコートフィルムを作成した。
〔ハードコート層〕
積層フィルムの両表面に、紫外線硬化樹脂(DIC(株)製、ユニディック17−806、屈折率1.52)を膜厚が約6μmとなるように塗布して塗布層を設けた後、この塗布層を70℃で1分間乾燥させた。次に、乾燥した塗布層に対して高圧水銀灯を用いて紫外線を照射して樹脂を硬化させることにより厚さが3μmのハードコート層を形成した。なお、塗布層に対する紫外線の照射量は1000mJ/cm2とした。ハードコート層の屈折率は、1.52であった。
得られたハードコートフィルムについて、密着性を評価した。
〔積層フィルムとハードコート層との密着性〕
ハードコート層を塗布したサンプルの表面に片刃カミソリを用いて縦、横それぞれ6本のキズをつけて25個の桝目を形成した。次いで、この上にセロハンテープ(ニチバン(株)製405番、24mm幅)を貼り付けて、その上からケシゴムでこすって完全に付着させた後、90度方向に剥離させて、剥離した桝目の数を求めることにより、下記のランク付けを行ってハードコート層と積層フィルムの接着性を評価した。なお、上記のキズの幅は、縦、横とも3mmとした。
Aランク: 剥れなしの場合
Bランク: 剥離した桝目数が1未満の場合
Cランク: 剥離した桝目数が1以上3未満の場合
Dランク: 剥離した桝目数が3以上20未満の場合
Eランク: 剥離した桝目数が20以上の場合
実施例2
第2層塗布液に用いるバインダーの種類と配合量を下記のとおりに変え、微粒子の処方量を0とした以外は実施例1と同様にして、実施例2の積層フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
・ポリウレタンバインダー(樹脂バインダー) 24.9質量部
(第一工業製薬(株)製、スーパーフレックスSF150HS、固形分43%)
なお上記処方量は塗布乾燥後の第2層の屈折率が1.52となるように調整したものである。
実施例3
第2層塗布液に用いるバインダーの種類と配合量を下記のとおりに変え、微粒子の処方量を0とした以外は実施例1と同様にして、実施例3の積層フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
・ポリエステルバインダー(樹脂バインダー) 39.8質量部
(大日本インキ化学工業(株)製、ファインテックスES650、固形分30.0%)
なお上記処方量は塗布乾燥後の第2層の屈折率が1.52となるように調整したものである。
実施例4
第1層および第2層塗布液に用いる微粒子の種類と配合量を下記のとおりに変えた以外は実施例1と同様にして、実施例4の積層フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
・酸化チタン水分散物(微粒子) 第1層塗布液 13.0質量部
第2層塗布液 3.1質量部
(石原産業(株)製、TTO−W−5、固形分30%)
なお上記処方量は塗布乾燥後の第1層の屈折率が1.58、第2層の屈折率が1.52となるように調整したものである。
実施例5
第1層および第2層塗布液に用いる微粒子の種類と配合量を下記のとおりに変えた以外は実施例1と同様にして、実施例5の積層フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
・酸化錫水分散物(微粒子) 第1層塗布液 60.2質量部
第2層塗布液 14.0質量部
(石原産業(株)製、FS−10D、固形分20%)
なお上記処方量は塗布乾燥後の第1層の屈折率が1.58、第2層の屈折率が1.52となるように調整したものである。
実施例6
第1層塗布液に用いる架橋剤の種類を、オキサゾリンから第2層塗布液に用いているカルボジイミド(日清紡(株)製、カルボジライトV−02−L2)と同じものに変えた以外は実施例1と同様にして、実施例6の積層フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
実施例7
実施例7では、後述の処方で調製した第1層塗布液を用いる以外は、全て実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。そして、実施例1と同様に評価を行った結果を表1に示す。
〔第1層塗布液〕
・ポリオレフィンバインダー(樹脂バインダー) 21.9質量部
(ユニチカ(株)製、アローベースSE1013N、固形分20%)
・ポリアクリルバインダー(樹脂バインダー) 15.9質量部
(ダイセルファインケム(株)製、AS563、固形分27.5%)
なお上記処方量は塗布乾燥後の第1層の屈折率が1.58となるように調整したものである。
実施例8
実施例8では、後述の処方で調製した第1層および実施例3で使用した第2層塗布液を用いる以外は、全て実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。そして、実施例1と同様に評価を行った結果を表1に示す。
〔第1層塗布液〕
バインダーの種類と配合量および微粒子の種類と配合量を以下のとおりに変えた以外は、実施例1の第1層塗布液と同様にした。
・ポリオレフィンバインダー(樹脂バインダー) 24.1質量部
(ユニチカ(株)製、アローベースSE1013N、固形分20%)
・ポリエステルバインダー(樹脂バインダー) 16.2質量部
(大日本インキ化学工業(株)製、ファインテックスES650、固形分30.0%)
・酸化ジルコニウム水分散物(微粒子) 20.8質量部
(堺化学工業(株)製、SZR−CW、固形分30%)
なお上記処方量は塗布乾燥後の第1層の屈折率が1.58となるように調整したものである。
実施例9
実施例8で使用した第1層塗布液と、後述の処方で調製した第2層塗布液を用いる以外は、全て実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。そして、実施例1と同様に評価を行った結果を表1に示す。
〔第2層塗布液〕
バインダーの種類と配合量を以下のとおりに変え、微粒子の処方量を0とした以外は実施例1の第2層塗布液と同様にした。
・ポリアクリルバインダー(樹脂バインダー) 19.2質量部
(ダイセルファインケム(株)製、AS563、固形分27.5%)
・ポリエステルバインダー(樹脂バインダー) 17.6質量部
(大日本インキ化学工業(株)製、ファインテックスES650、固形分30.0%)
なお上記処方量は塗布乾燥後の第2層の屈折率が1.52となるように調整したものである。
実施例10
実施例7で使用した第1層塗布液と、後述の処方で調製した第2層塗布液を用いる以外は、全て実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。そして、実施例1と同様に評価を行った結果を表1に示す。
〔第2層塗布液〕
バインダーの種類と配合量を以下のとおりに変えた以外は実施例1の第2層塗布液と同様にした。
・ポリオレフィンバインダー(樹脂バインダー) 25.7質量部
(ユニチカ(株)製、アローベースSE1013N、固形分20%)
・ポリアクリルバインダー(樹脂バインダー) 18.9質量部
(ダイセルファインケム(株)製、AS563、固形分27.5%)
なお上記処方量は塗布乾燥後の第2層の屈折率が1.52となるように調整したものである。
実施例11
第2層塗布液に用いるバインダーの種類を、第1層塗布液に用いているポリオレフィンバインダーと同じもの(ユニチカ(株)製、アローベースSE1013N)に変えた以外は実施例1と同様にして、実施例11の積層フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
実施例12
第1層塗布液をバーコート法により塗布量が4.2cm3/m2となるように塗布したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例12の積層フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
Figure 2013233701
比較例1
後述の処方で調製した第1層塗布液を用いる以外は、全て実施例1と同様にして比較例1の積層フィルムを作製した。実施例1と同様に評価を行った結果を表2に示す。
・ポリエステルバインダー(樹脂バインダー) 36.2質量部
(大日本インキ化学工業(株)製、ファインテックスES650、固形分30.0%)
・オキサゾリン構造を複数個有する化合物(架橋剤) 32.6質量部
(日本触媒化学工業(株)製、WS700 固形分10%水溶液)
・界面活性剤A 10質量部
(ナトリウム=1.2−{ビス(3,3,4,4,5,5,6,6,6−ナノフルオロヘキシルカルボニル)}エタンスルホナート 0.1%)
・界面活性剤B 10質量部
(三洋化成工業(株)、ナロアクティーCL−95 1%)
・酸化ジルコニウム水分散物(微粒子) 11.2質量部
(堺化学工業(株)製、SZR−CW、固形分30%)
・蒸留水 合計が1000質量部になるように添加
なお上記処方は塗布乾燥後の第1層の屈折率が1.58となるように調整したものである。
比較例2
第1層塗布液に用いるバインダーの種類と配合量、微粒子の種類と配合量を後述のとおり変更した以外は実施例1と同様にして、比較例2の積層フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行った結果を表2に示す。
・ポリエステルバインダー(樹脂バインダー) 16.5質量部
(大日本インキ化学工業(株)製、ファインテックスES650、固形分30.0%)
・ポリアクリルバインダー(樹脂バインダー) 18.0質量部
(ダイセルファインケム(株)製、AS563、固形分27.5%)
・酸化ジルコニウム水分散物(微粒子) 20.4質量部
(堺化学工業(株)製、SZR−CW、固形分30%)
なお上記処方は塗布乾燥後の第1層の屈折率が1.58となるように調整したものである。
比較例3
第1層に用いるバインダーをポリエステルから実施例2の第2層塗布液に使用したポリウレタンに置き換えた以外は比較例1と同様にして、比較例3の積層フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行った結果を表2に示す。
比較例4
第1層に用いるバインダーの種類を下記の通り変更した以外は比較例1と同様にして、比較例4の積層フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行った結果を表2に示す。
・NBRゴム系バインダー(樹脂バインダー)
(日本ゼオン(株)製、Nipol1561、固形分20.0%)
比較例5
比較例1の第1層塗布液と、実施例2の第2層塗布液を用いる以外は実施例1と同様にして、比較例5の積層フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行った結果を表2に示す。
比較例6
比較例1の第1層塗布液を用い、PETフィルム上に実施例1と同様にして第1層を形成し、第2層は設けずにこれを易接着層とした比較例6の積層フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行った結果を表2に示す。
比較例7
実施例1の第1層塗布液を用い、PETフィルム上に実施例1と同様にして第1層を形成し、第2層は設けずにこれを易接着層とした比較例7の積層フィルムを作製した。実施例1と同様の評価を行った結果を表2に示す。
Figure 2013233701
上記の結果から明らかな通り、本発明の積層フィルムは、種々の比較例の積層フィルムに対して、密着性に優れたものであった。
1 ポリエステルフィルム
2 第1層
3 第2層
4 ハードコート層

Claims (10)

  1. ポリエステルフィルムと、該ポリエステルフィルムの少なくとも一方の表面上に設けられた、バインダーとしてのポリオレフィンと微粒子を含む第1層と、第1層の上に設けられた、バインダーを含む第2層を有する、積層フィルム。
  2. ポリエステルフィルム、第1層、第2層の屈折率を、それぞれ、nPE、n1、n2としたとき、nPE≧n1≧n2を満たす、請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 第1層の表面に第2層が設けられている、請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 第1層に含まれるバインダーの90質量%以上がポリオレフィンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  5. 第2層に含まれるバインダーとして、ポリアクリル、ポリウレタンおよびポリエステルから選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  6. 微粒子が、酸化錫、酸化ジルコニウムおよび酸化チタンから選択される1種以上の微粒子である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  7. 第2層に含まれるバインダーの50質量%以上がポリアクリル、ポリウレタンおよびポリエステルから選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層フィルムの第2層の表面に、ハードコート層を有する、ハードコートフィルム。
  9. 請求項8に記載のハードコートフィルムと透明導電層を有する、タッチパネル。
  10. ポリエステルフィルムの表面に、バインダーとしてのポリオレフィンと微粒子を含む第1層組成物を適用する工程、第1層組成物を適用した側の上にバインダーを含む第2層組成物を適用する工程を含む、積層フィルムの製造方法。
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