JP2013146888A - 記録装置、記録装置の制御方法、及び、プログラム - Google Patents

記録装置、記録装置の制御方法、及び、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】記録媒体に記録された位置検出用マークの検出用の光センサーを備える記録装置について、位置検出用マークの有無を検出するための閾値の設定を、専門的な知識を有していない者でも行えるようにする。
【解決手段】プリンター26の閾値設定部50は、サーマルヘッド37により無地ロール紙に設定用マークを記録し、記録した設定用マークが、ブラックマークセンサー51の設置位置に対応する位置に至るように、搬送機構39により無地ロール紙を搬送し、ブラックマークセンサー51の検出値を取得し、取得した検出値に基づいて、設置位置におけるブラックマークの有無を検出するための閾値を設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、用紙位置検出用マークの検出用の光センサーを備える記録装置、当該記録装置の制御方法、及び、当該記録装置を制御するためのプログラムに関する。
従来、所定間隔で位置検出用マーク(マーキング)が形成された記録媒体に記録する記録装置(印字位置ずれ防止機能内蔵プリンター)であって、位置検出用マークの検出用の光センサーの検出値を利用して、記録媒体の位置を調整するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−326408号公報
上述した記録装置のように、位置検出用マークの検出用の光センサーを備えるものでは、光センサーの検出値と閾値との比較結果に基づいて、当該光センサーが設置された位置における位置検出用マークの有無を検出する。従って、光センサーの検出値との関係で閾値を適切に設定する必要がある。しかしながら、各光センサーの検出値には個体差があり、また、同じ光センサーでも経年劣化、光センサーのカバーの汚れの状況等により、同一条件における検出値が変動することがある等の事情により、適切な閾値を定めるのは容易ではない。そして、従来は、閾値を適切な値とするため、記録装置の機構を熟知した者が、閾値を設定するための専用の記録媒体を利用した所定の手段で、適宜、閾値を設定していた。つまり、従来は、閾値の設定に係る作業の困難性が高く、閾値の設定を行うためには専門的な知識が必要であった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、前記位置検出用マークの有無を検出するための閾値の設定を、専門的な知識を有していない者でも行えるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、記録媒体に記録する記録部と、搬送経路上で前記記録媒体を搬送する搬送部と、前記記録媒体に記録された位置検出用マークの有無の検出用に、前記搬送経路上の所定の設置位置に設けられた光センサーと、前記記録部により前記記録媒体に前記位置検出用マークを記録し、記録した前記位置検出用マークが、前記設置位置に対応する位置に至るように、前記搬送部により前記記録媒体を搬送し、前記光センサーの検出値を取得し、取得した前記光センサーの検出値に基づいて、前記設置位置における前記位置検出用マークの有無を検出するための閾値を設定する閾値設定部と、を備えることを特徴とする。
ここで、光センサーの実際の検出値との関係で、閾値を適切に定めるためには、光センサーに位置検出用マークを実際に読み取らせたときの検出値に基づいて、閾値を設定する必要がある。
そして、上記構成によれば、記録媒体に位置検出用マークが記録された後、記録した位置検出用マークが、光センサーの設置位置に対応する位置に至るように搬送され、光センサーの検出値が取得され、取得された検出値に基づいて、位置検出用マークの有無を検出するための閾値が設定される。すなわち、記録装置の既存の機構を利用して、閾値を設定するための一連の処理が自動で行われる。このため、専門的な知識を有していない者でも、専用の記録媒体を用意することなく、また、特別な作業を行うことなく、閾値の設定を行うことが可能となる。
また、本発明は、前記閾値設定部は、前記記録部による前記記録媒体への前記位置検出用マークの記録、前記搬送部による前記記録媒体の搬送、及び、前記光センサーの検出値の取得を複数回行い、取得した複数の前記光センサーの検出値に基づいて、前記設置位置における前記位置検出用マークの有無を検出するための閾値を設定することを特徴とする。
この構成によれば、複数の光センサーの検出値に基づいて、閾値が設定されるため、何らかのイレギュラーな要因により、取得された複数の検出値のうちのいずれかが、想定された条件での読み取り結果に基づく値とはなっていない場合であっても、当該検出値が、閾値の値に与える影響を低減することが可能である。
また、本発明は、前記閾値設定部は、前記記録部により前記記録媒体に前記位置検出用マークを記録した後、搬送量を管理しつつ、前記記録部の位置と、前記設置位置との離間距離に対応する距離分、前記搬送部によって前記記録媒体を搬送することにより、記録した前記位置検出用マークが前記設置位置に対応する位置に至るようにすることを特徴とする。
この構成によれば、特別な機構等を用いることなく、また、人為的な手段を介することなく、自動で、記録媒体に位置検出用マークを記録した後、当該位置検出用マークを、光センサーの設置位置に対応する位置に至るようにすることができる。
また、本発明は、前記閾値設定部は、設定した閾値が、異常値である場合は、その旨警告することを特徴とする。
この構成によれば、閾値が異常値のまま設定されることを防止でき、また、ユーザーに閾値が異常値であることを報知し、その原因の究明を促すことができる。
また、本発明は、前記閾値設定部は、記録した前記位置検出用マークが、前記設置位置に対応する位置に至っていないときの前記光センサーの検出値と、至っているときの前記光センサーの検出値との差が、所定の値よりも小さい場合、その旨警告することを特徴とする。
ここで、記録装置は、記録媒体に記録するという性質上、記録媒体に付着した塵埃や、記録に供した材料(インク)等の影響で、光センサーにおける発光部の出力が低下する場合がある。そして、上記構成によれば、このような光センサーにおける発光部の出力の低下を報知することができ、さらに、その原因の究明を促すことができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、記録媒体に記録する記録部と、搬送経路上で前記記録媒体を搬送する搬送部と、前記記録媒体に記録された位置検出用マークの有無の検出用に、前記搬送経路上の所定の設置位置に設けられた光センサーと、を備える記録装置の制御方法であって、前記記録部により前記記録媒体に前記位置検出用マークを記録し、記録した前記位置検出用マークが、前記設置位置に対応する位置に至るように、前記搬送部により前記記録媒体を搬送し、前記光センサーの検出値を取得し、取得した前記光センサーの検出値に基づいて、前記設置位置における前記位置検出用マークの有無を検出するための閾値を設定することを特徴とする。
ここで、光センサーの実際の検出値との関係で、閾値を適切に定めるためには、光センサーに位置検出用マークを実際に読み取らせたときの検出値に基づいて、閾値を設定する必要がある。
そして、上記制御方法によれば、記録媒体に位置検出用マークが記録された後、記録した位置検出用マークが、光センサーの設置位置に対応する位置に至るように搬送され、光センサーの検出値が取得され、取得された検出値に基づいて、位置検出用マークの有無を検出するための閾値が設定される。すなわち、記録装置の既存の機構を利用して、閾値を設定するための一連の処理が自動で行われる。このため、専門的な知識を有していない者でも、専用の記録媒体を用意することなく、また、特別な作業を行うことなく、閾値の設定を行うことが可能となる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、記録媒体に記録する記録部と、搬送経路上で前記記録媒体を搬送する搬送部と、前記記録媒体に記録された位置検出用マークの有無の検出用に、前記搬送経路上の所定の設置位置に設けられた光センサーと、を備える記録装置を制御する制御部により実行されるプログラムであって、前記制御部を、前記記録部により前記記録媒体に前記位置検出用マークを記録し、記録した前記位置検出用マークが、前記設置位置に対応する位置に至るように、前記搬送部により前記記録媒体を搬送し、前記光センサーの検出値を取得し、取得した前記光センサーの検出値に基づいて、前記設置位置における前記位置検出用マークの有無を検出するための閾値を設定する閾値設定部として機能させることを特徴とする。
ここで、光センサーの実際の検出値との関係で、閾値を適切に定めるためには、光センサーに位置検出用マークを実際に読み取らせたときの検出値に基づいて、閾値を設定する必要がある。
そして、上記プログラムによれば、記録媒体に位置検出用マークが記録された後、記録した位置検出用マークが、光センサーの設置位置に対応する位置に至るように搬送され、光センサーの検出値が取得され、取得された検出値に基づいて、位置検出用マークの有無を検出するための閾値が設定される。すなわち、記録装置の既存の機構を利用して、閾値を設定するための一連の処理が自動で行われる。このため、専門的な知識を有していない者でも、専用の記録媒体を用意することなく、また、特別な作業を行うことなく、閾値の設定を行うことが可能となる。
本発明によれば、位置検出用マークの有無を検出するための閾値の設定を、専門的な知識を有していない者でも行えるようになる。
本実施形態に係る記録システムの機能的構成を示すブロック図である。 プリンターの内部の構造を模式的に示す図である。 プリンターの動作を示すフローチャートである。 プリンターの動作の説明のため、その内部の構造を模式的に示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る記録システム10の機能的構成を示すブロック図である。
記録システム10は、ホストコンピューター11の制御の下、プリンター26(記録装置)が記録媒体たる感熱ロール紙に画像を記録し、所定の位置で切断することにより、チケットや、富くじ、レシート等の紙片を発行する機能を有するシステムである。
ホストコンピューター11は、ホスト側制御部28と、ホスト側表示部29と、ホスト側入力部30と、インターフェイス部31(I/F)と、ホスト側記憶部32と、を備えている。
ホスト側制御部28は、ホストコンピューター11の各部を中枢的に制御するものであり、CPUや、ROM、RAM、その他の周辺回路等を備えている。
ホスト側表示部29は、液晶表示パネル等の表示パネルを備え、ホスト側制御部28の制御の下、表示パネルに各種情報を表示する。
ホスト側入力部30は、キーボードや、マウス等の入力デバイスに接続され、これら入力デバイスに対する操作を検出し、ホスト側制御部28に出力する。
ホスト側記憶部32は、EEPROM等の不揮発性メモリーを備え、上述したプリンタードライバーや、その他のプログラム、各種データを書き換え可能に記憶する。
一方、プリンター26は、ロール状に巻かれた感熱ロール紙(記録媒体)を、搬送機構39(搬送部)により搬送し、この感熱ロール紙の記録面に接するサーマルヘッド37(記録部)により画像を記録した上で、カッターユニット38により所定の位置でロール紙を切断することにより、チケットや、富くじ、レシート等の紙片を発行する記録装置である。
図1に示すように、プリンター26は、プリンター側制御部40と、プリンター側表示部41と、プリンター側入力部42と、プリントエンジン43と、プリンター側記憶部44と、インターフェイス部45(I/F)と、を備えている。
プリンター側制御部40は、プリンター26を中枢的に制御するものであり、CPUやROM、RAM、その他の周辺回路等を備えている。プリンター側制御部40は、閾値設定部50を備えているが、これらについては後述する。
プリンター側表示部41は、プリンター26の動作状態等の各種情報を表示する液晶表示パネル等の表示パネルを備え、プリンター側制御部40の制御の下、当該表示パネルに各種情報を表示する。また、プリンター側表示部41は、LEDを備え、このLEDを点灯/消灯して、プリンター26の状態を報知する。
プリンター側入力部42は、プリンター26に設けられた操作スイッチに接続され、操作スイッチに対する操作を検出し、プリンター側制御部40に出力する。
プリントエンジン43は、プリンター側制御部40の制御の下、用紙端センサーや用紙残量センサー等の各種センサーの検出値を監視しながら、上述したサーマルヘッド3のほか、搬送機構39(搬送部)や、カッターユニット38等の各種機構、装置を動作させて、適切に感熱ロール紙を搬送しつつ、感熱ロール紙に画像を記録し、画像を記録した感熱ロール紙を切断することによりチケットや、富くじ、レシート等の紙片を発行する。
搬送機構39は、サーマルヘッド37に対向して設けられたプラテンローラーや、他のローラー、これらローラーを駆動するためのローラー駆動モーター、その他の感熱ロール紙を搬送するための機構、装置を備えている。ローラー駆動モーターや、他のローラーは、ステッピングモーターにより構成されており、プリンター側制御部40は、ステッピングモーターのステップ数により、感熱ロール紙の搬送量を管理しつつ、感熱ロール紙を搬送する。
インターフェイス部45は、プリンター側制御部40の制御の下、プリンター26との間で通信規格に準拠した通信を行う。本実施形態では、プリンター側制御部40と、インターフェイス部45とが協働して、後述する制御コマンドを受信する受信部として機能する。
プリンター側記憶部44は、EEPROM等の不揮発性メモリーを備え、各種データ、プログラム(ファームウェアを含む)を書き換え可能に記憶する。
また、プリンター26には、ブラックマークセンサー51(光センサー)を備えている。
以下、ブラックマークセンサー51、及び、当該センサーの検出値に基づいて行われる動作について説明する。
図2は、プリンター26において、感熱ロール紙が搬送される搬送経路W上に設けられた各種部材について、各種部材の位置関係が明確となるよう模式的に示す図である。図2では、図中上へ向かう方向が、感熱ロール紙の搬送方向YJ1である。
図2に示すように、搬送経路W上には、サーマルヘッド37が設けられている。このサーマルヘッド37の搬送方向YJ1の下流の設置位置P1には、ブラックマークセンサー51が設けられている。サーマルヘッド37と、ブラックマークセンサー51との離間距離は、距離L1である。このブラックマークセンサー51の搬送方向YJ1の下流には、カッターユニット38が設けられている。
ブラックマークセンサー51は、感熱ロール紙に記録されたブラックマークBM(位置検出用マーク)の読み取り用に設けられたセンサーである。
詳述すると、図2に示すように、感熱ロール紙には、予め、長手方向に所定間隔でブラックマークBMが記録されたものがある。そして、ブラックマークセンサー51は、ブラックマークBMが予め記録された感熱ロール紙を搬送する際に、ブラックマークBMが通過する位置である設置位置P1に設けられている。ブラックマークセンサー51は、反射型の光センサーであり、感熱ロール紙に対して光を照射し、所定のサンプリング周期で、その反射光の光量を検出し、図示せぬ信号処理回路に出力する。サンプリング周期ごとのブラックマークセンサー51の出力値は、A/D変換されて、検出値として、プリンター側制御部40に出力される。
プリンター側制御部40は、ブラックマークセンサー51の検出値に基づいて、設置位置P1に対応する位置に、ブラックマークBMが位置しているか否かを検出する。すなわち、ブラックマークBMは、黒又は黒に類する色によって形成されており、設置位置P1に対応する位置にブラックマークBMが位置している場合、位置していない場合と比して、反射型センサーであるブラックマークセンサー51の検出値が低い値となる。そして、位置しているか否かを判別するための基準となる閾値Tが後述する手段により設定されており、プリンター側制御部40は、ブラックマークセンサー51の検出値が閾値Tを下回る場合は、設置位置P1に対応する位置にブラックマークBMが位置していると判別し、一方、上回る場合は位置していないと判別する。
以下の説明では、ブラックマークBMが予め記録された感熱ロール紙を「専用ロール紙」と表現し、ブラックマークBMが記録されていない感熱ロール紙を「無地ロール紙」と表現し、これらを明確に区別する。
さて、ブラックマークセンサー51の検出値との比較対象となる閾値Tは、ブラックマークBMが設置位置P1に位置しているか否かを判別する基準となる値であるため、適切な値とする必要がある。
一方で、ブラックマークセンサー51の検出値には個体差があり、また、同じブラックマークセンサー51でも経年劣化、光センサーのカバーの汚れの状況等により、同一条件における検出値が変動することがある。このため、適宜、閾値Tを実情に合わせて再設定する必要がある。
従来は、閾値Tの設定は、プリンター26の機構を熟知した者が、閾値Tを設定するための専用のロール紙を利用した所定の手段で行っていた。
一方で、本実施形態に係るプリンター26では、既存の機構、装置を利用して、閾値Tの再設定を自動化し、専門的な知識を有さない者でも、適宜のタイミングで閾値Tを設定できる構成となっている。
以下、閾値Tを設定する際のプリンター26の動作について説明する。
図3は、閾値Tを設定する際のプリンター26の動作を示すフローチャートである。また、図4は、図3のフローチャートで示すプリンター26の動作を説明するために、搬送経路Wの様子を模式的に示す図である。
以下の説明において、閾値設定部50の機能は、プリンター側制御部40のCPUがファームウェアを読み出して実行する等、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。
また、以下の説明では、プリンター26の適切な位置に、無地ロール紙がセットされているものとする。閾値Tの設定にあたって、ユーザーは、閾値T設定用の専用の感熱ロール紙を用意する必要はなく、通常の業務で使用する汎用の無地ロール紙を用意し、プリンター26にセットすればよい。
図3に示すように、プリンター26のプリンター側制御部40の閾値設定部50は、閾値Tの設定の指示があったか否かを監視する(ステップSA1)。本実施形態では、閾値Tの設定の指示は、ホストコンピューター11の入力デバイスを利用して、また、プリンター26に設けられた操作スイッチを利用して、実行できる構成となっている。
閾値Tの設定の指示があった場合(ステップSA1:YES)、閾値設定部50は、プリントエンジン43のサーマルヘッド37、その他の機構を制御して、無地ロール紙にブラックマークBMを記録する(ステップSA2)。このステップSA2で記録されたブラックマークBMは、ブラックマークセンサー51により読み取り可能な位置に設けられた所定の形状のマークであって、予め定められた所定の濃度で記録されたものである。つまり、閾値Tの設定用に無地ロール紙に記録されるブラックマークBMのそれぞれは、共通する濃度で記録された同一の形状のマークである。以下、閾値Tの設定用に無地ロール紙に記録されるブラックマークBMを、専用ロール紙に予め記録されたブラックマークBMと区別するため、「設定用マークYM」と表現する。
設定用マークYMを記録した後、閾値設定部50は、プリントエンジン43の搬送機構39、その他の機構を制御して、記録した設定用マークYMが、ブラックマークセンサー51が設けられている設置位置P1に対応する位置に至るまで、無地ロール紙を搬送する(ステップSA3)。これにより、図4のAに示すように、サーマルヘッド37によって記録された設定用マークYMが、図4のBに示すように、設置位置P1に対応する位置に至る。
ステップSA3の搬送は、以下のようにして行われる。すなわち、閾値Tの設定の機能を提供するプログラム上には、ステップSA3において無地ロール紙を搬送すべき搬送量に対応するプラテンローラーを駆動するための駆動モーターのステップ数が事前に定義されている。当該ステップ数は、サーマルヘッド37と、設置位置P1との離間距離である距離L1をステップ数に換算した値に、事前の実験、シミュレーションの結果の下、適切なマージン、誤差が反映された値とされている。そして、閾値設定部50は、プログラム上に定義されたステップ数分、無地ロール紙を搬送することにより、設定用マークYMを、設置位置P1に至らせる。
設定用マークYMが、ブラックマークセンサー51に対応する位置に至った後、閾値設定部50は、ブラックマークセンサー51の検出値を取得し、RAM等の所定の記憶領域に記憶する(ステップSA4)
次いで、閾値設定部50は、ステップSA2〜ステップSA4の一連の動作を所定の回数(本実施形態では3回)行ったか否かを判別する(ステップSA5)。閾値設定部50は、所定の回数行っていない場合は処理手順をステップSA2に戻し、所定の回数行っている場合は処理手順をステップSA6へ移行する。つまり、本実施形態では、ステップSA2〜ステップSA4の一連の処理は、合計3回行われ、それぞれの処理について、ブラックマークセンサー51の検出値が取得され、一時的に記憶される。
なお、本実施形態では、ステップSA2〜ステップSA4の一連の処理を、順次、行う構成であるが、各処理の少なくとも一部を並行して行い、処理に要する時間の短縮化、無地ロール紙の使用量の抑制を図ってもよい。
ステップSA6において、閾値設定部50は、取得した複数のブラックマークセンサー51の検出値の平均を算出する。
次いで、閾値設定部50は、ステップSA6で算出した検出値の平均と、設定用マークYMがブラックマークセンサー51の設置位置P1に対応する位置に位置していないときの検出値との差を算出する(ステップSA7)。設定用マークYMがブラックマークセンサー51の設置位置P1に対応する位置に位置していないときの検出値は、ステップSA7の前の適切なタイミングで、閾値設定部50により取得され、RAMに記憶される。例えば、閾値設定部50は、ステップSA3において無地ロール紙を搬送する際に、設定用マークYMがブラックマークセンサー51の設置位置P1に至る前の所定のタイミングで、ブラックマークセンサー51の検出値を取得し、RAMに記憶する。
次いで、閾値設定部50は、ステップSA7で算出した検出値の差が示す値が、予め定められた所定の値を下回るか否かを判別する(ステップSA8)。
ステップSA7で算出した検出値の差が示す値が、予め定められた所定の値を下回る場合(ステップSA8:YES)、閾値設定部50は、プリンター側表示部41を制御して、その旨警告する(ステップSA9)。なお、ホストコンピューター11に当該警告に係るステータスを送信し、ホストコンピューター11がホスト側表示部29を制御してその旨警告する構成であってもよい。
この警告は、以下の目的をもって行われる。
すなわち、上述したようにブラックマークセンサー51は、光センサーである。そして、プリンター26は、感熱ロール紙に記録するという性質上、感熱ロール紙に付着した塵埃や、記録の際に発生する塵埃等の影響で、発光部を覆うガラスのカバーに汚れが付着する等して、発光部の出力が低下する場合がある。このような発光部の出力の低下が起こった場合、ブラックマークBM(設定用マークYM)が、設置位置P1に対応する位置に至っているときと、至っていないときの、ブラックマークセンサー51の検出値の差が、一定の検出精度を担保できない程度に小さくなり、ブラックマークセンサー51を用いた正常な検出が阻害される可能性がある。以上のことに基づき、本実施形態に係るプリンター26は、ステップSA7で算出した検出値の差が示す値が、予め定められた所定の値を下回る場合は、何らかの原因でブラックマークセンサー51の発光部の出力が低下しているとして、その解消を促すべく、警告を行う。
なお、ステップSA9における警告の後は、プリンター26は、閾値Tの設定を中断し、何らかの指示があるまで待機する。
一方、ステップSA8において、ステップSA7で算出した検出値の差が示す値が、予め定められた所定の値を上回る場合(ステップSA8:NO)、閾値設定部50は、ステップSA6で算出した平均値に、予め定められた係数を乗じることにより、閾値Tの候補を算出する(ステップSA10)。この係数は、光センサーの特性や、プリンター26の特性、サーマルヘッド37によって記録される設定用マークYMの特性を鑑み、事前の実験やシミュレーションの結果に基づいて、事前に適切に定められている。
このように、本実施形態では、設定用マークYMの記録、及び、記録した設定用マークYMに対するブラックマークセンサー51の読み取り結果に係る検出値の取得を複数回行い、複数の検出値の平均値を算出し、算出した平均値に基づいて、閾値Tの候補を算出している。これにより、例えば、ステップSA2〜ステップSA4の処理時に、設定用マークYMの偶発的なドット抜け、搬送中の軽微な搬送エラー、その他のイレギュラーな事象に起因して、取得された複数の検出値のうちのいずれかが、想定された条件下での読み取り結果に基づく値とはなっていない場合であっても、閾値Tの設定にあたり、当該検出値が、その閾値Tの値に与える影響を低減することが可能である。
なお、ステップSA10で算出された閾値Tは、確定されたものではないため、「閾値Tの候補」と表現する。
閾値Tの候補を設定した後、閾値設定部50は、現時点で設定されている閾値Tの値と、ステップSA10で算出した閾値Tの候補の値とを比較する(ステップSA11)。
比較の結果、それぞれの値が同一の場合(ステップSA11:YES)、閾値設定部50は、現時点で設定されている閾値Tを変更する必要はないので処理を終了する。
一方、比較の結果、それぞれの値が異なる場合(ステップSA11:NO)、閾値設定部50は、現時点で設定されている閾値Tの値と、ステップSA10で算出した閾値Tの候補の値との差が、予め定められた所定の値よりも大きいか否かを判別する(ステップSA12)。
それぞれの値の差が、所定の値よりも小さい場合(ステップSA12:NO)、閾値設定部50は、ステップSA10で算出した閾値Tの候補の値を、閾値Tの値として確定し、必要な設定に係る処理を行う(ステップSA13)。例えば、閾値設定部50は、閾値Tの値を示すデータがプリンター側記憶部44の所定の記憶領域に記憶されている場合は、ステップSA10で算出した閾値Tの候補の値を示すデータにより、当該記憶領域のデータを上書き更新する。
一方、それぞれの値の差が、所定の値よりも大きい場合(ステップSA12:YES)、閾値設定部50は、算出した閾値Tの候補の値が異常値である旨の警告を行う(ステップSA14)。当該警告は、プリンター側表示部41によりその旨の表示、出力をして行うようにしてもよく、また、ホストコンピューター11に対して、当該警告に係るステータスを送信し、当該ホストコンピューター11の機能により行うようにしてもよい。
この警告は、以下の目的をもって行われる。
すなわち、上述したように、同一条件下におけるブラックマークセンサー51の検出値は、経年劣化、出力部を覆うカバーの汚れの状況等に起因して変動するため、同様に、適切な閾値Tの値も変動する。しかしながら、ブラックマークセンサー51、その他のセンサーに関連する機構に重大なエラーが発生していない場合は、適切な閾値Tの値が、想定される範囲を超えて変動することはない。このことに基づき、本実施形態では、閾値設定部50は、現時点で設定されている閾値Tの値と、ステップSA10で算出した閾値Tの候補の値との差が、予め定められた所定の値よりも大きい場合は、何らかの重大なエラーが発生している可能性があるものとして、その解消を促すべく、警告を行う。
なお、ステップSA14における警告の後は、プリンター26は、閾値Tの設定を中断し、何らかの指示があるまで待機する。
以上説明したように、本実施形態に係るプリンター26の閾値設定部50は、サーマルヘッド37(記録部)により、無地ロール紙に設定用マークYM(位置検出用マーク)を記録し、記録した設定用マークYMが、設置位置P1に対応する位置に至るように、搬送機構39により無地ロール紙を搬送し、ブラックマークセンサー51の検出値を取得し、取得した検出値に基づいて、設置位置P1におけるブラックマークBMの有無を検出するための閾値Tを設定する。
この構成によれば、無地ロール紙に設定用マークYMが記録された後、記録した設定用マークYMが、ブラックマークセンサー51の設置位置P1に対応する位置に至るように搬送され、ブラックマークセンサー51の検出値が取得され、取得された検出値に基づいて、ブラックマークBMの有無を検出するための閾値Tが設定される。すなわち、プリンター26の既存の機構を利用して、閾値Tを設定するための一連の処理が自動で行われる。このため、専門的な知識を有していない者でも、専用の記録媒体を用意することなく、また、特別な作業を行うことなく、閾値Tの設定を指示するだけで閾値Tの設定を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、閾値設定部50は、図3のステップSA2〜ステップSA4の一連の処理を複数回行うことにより、ブラックマークセンサー51の検出値を複数回取得し、取得した複数の検出値に基づいて、閾値Tを設定する。
この構成によれば、例えば、ステップSA2〜ステップSA4の処理時に、設定用マークYMの偶発的なドット抜け、搬送中の軽微な搬送エラー、その他のイレギュラーな事象に起因して、取得された複数の検出値のうちのいずれかが、想定された条件下での読み取り結果に基づく値とはなっていない場合であっても、閾値Tの設定にあたり、当該検出値が、その閾値Tの値に与える影響を低減することが可能である。
また、本実施形態では、閾値設定部50は、サーマルヘッド37により無地ロール紙に設定用マークYMを記録した後、ステッピングモーターによって構成された反訴モーターのステップ数により搬送量を管理しつつ、サーマルヘッド37の位置と、設置位置P1との離間距離である距離L1に対応する距離分、搬送機構39によって無地ロール紙を搬送することにより、記録した設定用マークYMが設置位置P1に対応する位置に至るようにする。
この構成によれば、特別な機構等を用いることなく、また、人為的な手段を介することなく、自動で、無地ロール紙に設定用マークYMを記録した後、当該設定用マークYMを、ブラックマークセンサー51の設置位置P1に対応する位置に至るようにすることができる。
また、本実施形態では、閾値設定部50は、算出した閾値Tの候補の値が、異常値である場合は、その旨警告する。
この構成によれば、閾値Tが異常値のまま設定されることを防止でき、また、ユーザーに閾値Tが異常値であることを報知し、その原因の究明を促すことができる。
また、本実施形態では、閾値設定部50は、無地ロール紙に記録した設定用マークYMが、設置位置P1に対応する位置に至っていないときのブラックマークセンサー51の検出値と、至っているときのブラックマークセンサー51の検出値との差が、所定の値よりも小さい場合、その旨警告する。
この構成によれば、ブラックマークセンサー51の発光部におけるカバーの汚れ等に起因した発光部の出力の低下を報知することができ、さらに、その原因の究明を促すことができる。
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば上述した実施形態では、ブラックマークセンサー51は、反射型の光センサーであったが、透過光が検出可能な記憶媒体の場合、透過型の光センサーであっても勿論よい。透過型の光センサーであっても、閾値Tを適切に設定する必要があり、さらに、本発明を適用すれば、プリンター26の実態に即して、閾値Tを適切に設定することが可能である。
また、例えば、上述した実施形態では、プリンター26において、サーマルヘッド37(記録部)の搬送方向YJ1の下流に、ブラックマークセンサー51が設けられている構成であったが、これとは逆に、サーマルヘッド37の上流に、ブラックマークセンサー51が設けられている構成であってもよい。このような構成の場合、閾値Tを設定する際は、無地ロール紙に設定用マークYMを記録した後、無地ロール紙をバックフィードして、設定用マークYMを設置位置P1に至るようにすればよい。
また、上述した実施形態では、プリンター26は、感熱ロール紙の記録面に接するサーマルヘッド37により画像を記録する方式であったが、感熱ロール紙でないロール紙にインクジェット方式によりロール紙の記録面にインクを吐出する構成であってもよい。
また、図1に示す各機能ブロックはハードウェアとソフトウェアの協働により任意に実現可能であり、特定のハードウェア構成を示唆するものではない。
また例えば、プリンター26の閾値設定部50の機能を、プリンター26に外部接続される別の装置に持たせるようにしてもよい。
また、外部接続される記憶媒体に記憶させたプログラムを実行することにより、図3を用いて説明した動作を実行するようにしてもよい。
10…記録システム、11…ホストコンピューター、26…プリンター(記録装置)、37…サーマルヘッド(記録部)、39…搬送機構(搬送部)、40…プリンター側制御部(制御部)、50…閾値設定部、51…ブラックマークセンサー(光センサー)、BM…ブラックマーク(位置検出用マーク)、W…搬送経路、YM…設定用マーク(位置検出用マーク)。

Claims (7)

  1. 記録媒体に記録する記録部と、
    搬送経路上で前記記録媒体を搬送する搬送部と、
    前記記録媒体に記録された位置検出用マークの有無の検出用に、前記搬送経路上の所定の設置位置に設けられた光センサーと、
    前記記録部により前記記録媒体に前記位置検出用マークを記録し、記録した前記位置検出用マークが、前記設置位置に対応する位置に至るように、前記搬送部により前記記録媒体を搬送し、前記光センサーの検出値を取得し、取得した前記光センサーの検出値に基づいて、前記設置位置における前記位置検出用マークの有無を検出するための閾値を設定する閾値設定部と、
    を備えることを特徴とする記録装置。
  2. 前記閾値設定部は、
    前記記録部による前記記録媒体への前記位置検出用マークの記録、前記搬送部による前記記録媒体の搬送、及び、前記光センサーの検出値の取得を複数回行い、取得した複数の前記光センサーの検出値に基づいて、前記設置位置における前記位置検出用マークの有無を検出するための閾値を設定することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記閾値設定部は、
    前記記録部により前記記録媒体に前記位置検出用マークを記録した後、搬送量を管理しつつ、前記記録部の位置と、前記設置位置との離間距離に対応する距離分、前記搬送部によって前記記録媒体を搬送することにより、記録した前記位置検出用マークが前記設置位置に対応する位置に至るようにすることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録装置。
  4. 前記閾値設定部は、
    設定した閾値が、異常値である場合は、その旨警告することを特徴とする請求項1又は3に記載の記録装置。
  5. 前記閾値設定部は、
    記録した前記位置検出用マークが、前記設置位置に対応する位置に至っていないときの前記光センサーの検出値と、至っているときの前記光センサーの検出値との差が、所定の値よりも小さい場合、その旨警告することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の記録装置。
  6. 記録媒体に記録する記録部と、
    搬送経路上で前記記録媒体を搬送する搬送部と、
    前記記録媒体に記録された位置検出用マークの有無の検出用に、前記搬送経路上の所定の設置位置に設けられた光センサーと、を備える記録装置の制御方法であって、
    前記記録部により前記記録媒体に前記位置検出用マークを記録し、記録した前記位置検出用マークが、前記設置位置に対応する位置に至るように、前記搬送部により前記記録媒体を搬送し、前記光センサーの検出値を取得し、取得した前記光センサーの検出値に基づいて、前記設置位置における前記位置検出用マークの有無を検出するための閾値を設定することを特徴とする記録装置の制御方法。
  7. 記録媒体に記録する記録部と、
    搬送経路上で前記記録媒体を搬送する搬送部と、
    前記記録媒体に記録された位置検出用マークの有無の検出用に、前記搬送経路上の所定の設置位置に設けられた光センサーと、を備える記録装置を制御する制御部により実行されるプログラムであって、
    前記制御部を、
    前記記録部により前記記録媒体に前記位置検出用マークを記録し、記録した前記位置検出用マークが、前記設置位置に対応する位置に至るように、前記搬送部により前記記録媒体を搬送し、前記光センサーの検出値を取得し、取得した前記光センサーの検出値に基づいて、前記設置位置における前記位置検出用マークの有無を検出するための閾値を設定する閾値設定部として機能させることを特徴とするプログラム。
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