JP2013144037A - 情報伝達システム並びにこの情報伝達システムを有する遊技機及び遊技システム - Google Patents

情報伝達システム並びにこの情報伝達システムを有する遊技機及び遊技システム Download PDF

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Abstract

【課題】複数の通信経路を用いて情報を伝達することによりセキュリティを向上させた情報伝達システム、並びに、遊技機及び遊技システムを提供する。
【解決手段】発信部であるメイン制御基板100から着信部である演出制御基板300に対して所定の情報である制御コマンドを伝達する情報伝達システム700は、メイン制御基板100と演出制御基板300との間を接続する複数の通信経路741,742を有し、これらの通信経路のうちの少なくとも2つは、異なる種類の通信媒体で構成されている通信手段740と、通信経路の数の解読情報で制御コマンドを暗号化し、暗号化情報と解読情報とを組みにして通信経路741,742に送出する第1の伝送手段であるI/F回路105と、これらを受信して復号及び比較することにより異常を検出する第2の伝送手段であるI/F回路350と、から構成される。
【選択図】図15

Description

本発明は、発信部から着信部に対して所定の情報を伝達するための情報伝達システムに関し、特に詳細には複数の通信経路を用いて情報を伝達することによりセキュリティを向上させた情報伝達システムと、この情報伝達システムを有する遊技機及び遊技システムと、に関する。
遊技機やこの遊技機を管理する遊技システムでは、遊技機内のメイン制御基板とサブ制御基板の間や、遊技機とこの遊技機を管理するホールコンピュータとの間で各種情報の送受信が行われている。そのため、例えば送受信の途中で情報が改竄されると、不正な遊技が行われる可能性がある。このような情報への不正操作の対応として、例えばメイン制御基板からサブ制御基板に対して制御コマンドを送る際に、コマンド1とこのコマンド1を暗号化したコマンド2とを同時に送り、サブ制御基板でコマンド2を復号してコマンド1と比較することにより、これらの整合性が取れなかったときに異常と判定する遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−100949号公報
しかしながら、従来の遊技機では、コマンド1とこのコマンドを暗号化したコマンド2とは同一の通信経路で送信されるため、2つのコマンドを容易に取得することができるので、暗号化されたコマンド2の解読が容易になってしまうという課題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、複数の通信経路を用いて情報を伝達することによりセキュリティを向上させた情報伝達システム、並びに、この情報伝達システムを有する遊技機及び遊技システムを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る情報伝達システムは、発信部から着信部に対して所定の情報を伝達する情報伝達システムであって、前記発信部と前記着信部との間を接続する複数の通信経路を有し、当該複数の通信経路のうちの少なくとも2つは、異なる種類の通信媒体で構成されている通信手段と、前記発信部に設けられ、前記通信手段の前記通信経路の数と同じ数の異なる解読情報を生成する解読情報生成手段、前記解読情報の各々で前記所定の情報を暗号化することにより、前記通信経路の数と同じ数の暗号化情報を生成する暗号化手段、及び、前記暗号化情報の各々を、当該暗号化情報を生成するために用いた前記解読情報とは異なる解読情報と対応付けるとともに、前記通信経路のいずれかであって、前記暗号化情報毎に異なる前記通信経路に対して、前記暗号化情報及び前記解読情報の組を送出する送信手段からなる第1の伝達手段と、前記着信部に設けられ、前記通信経路の各々に送出された前記暗号化情報及び前記解読情報の組の各々を受信する受信手段、前記暗号化情報の各々を、当該暗号化情報を生成するために用いられた前記解読情報により復号して、前記通信経路の数と同じ数の前記所定の情報を取得する復号手段、及び、前記通信経路の数と同じ数の前記所定の情報を互いに比較して、全てが同じ場合は当該所定の情報が正しい情報であると判断し、少なくも一つが他と異なる場合は当該所定の情報が不正な情報であると判断する判断手段からなる第2の伝達手段と、を有することを特徴とする。
本発明に係る情報伝達システムを以上のように構成すると、発信部において異なる解読情報で暗号化した所定の情報を複数の経路で伝達し、着信部でこれらの情報が一致するか否かを判定するため、一部の経路の情報にのみ変更が加えられた場合には着信部において異常と判定することができる。また、暗号化に用いられた解読情報は、別の解読情報で暗号化された情報と組にされて伝送されるため、不正な手段でこれらの情報が取得されたとしても復号を困難にすることができる。さらに、複数の通信経路のうちの少なくとも2つは異なる通信媒体で構成されているため、これらの通信経路で伝送される情報を同時に取得することを困難にするため、セキュリティをさらに向上させることができる。
また、本発明に係る情報伝達システムにおいて、前記複数の通信経路のうち、少なくとも一つの通信経路は有線の通信媒体であり、残りの通信経路の少なくとも一つは無線の通信媒体であることが好ましい。
このように通信経路の媒体として有線及び無線を混在させることにより、これらの通信経路から同時に情報を取得することを困難にすることができ、本情報伝達システムにおけるセキュリティをさらに向上させることができる。特に通信媒体として無線を用いると、発信部と着信部との間に通信線が存在しないため、不正を行う者にこの通信経路を気づかせないようにすることができる。
また、本発明に係る情報伝達システムにおいて、前記送信手段は、前記複数の通信経路のうち予め決められた少なくとも2つの通信経路に対して前記暗号化情報及び前記解読情報の組の各々を略同時に送出し、前記判断手段は、前記受信手段が前記予め決められた少なくとも2つの通信経路において、前記暗号化情報及び前記解読情報の組を略同時に受信しなかったときは、前記所定の情報が不正な情報であると判断するように構成されていることが好ましい。
あるいは、本発明に係る情報伝達システムにおいて、前記送信手段は、前記複数の通信経路のうち予め決められた少なくとも2つの通信経路に対して前記暗号化情報及び前記解読情報の組を異なる送出開始時刻となるように所定の順序で送出し、前記判断手段は、前記受信手段が前記予め決められた少なくとも2つの通信経路において、前記暗号化情報及び前記解読情報の組を前記所定の順序で受信しなかったときは、前記所定の情報が不正な情報であると判断するように構成されていることが好ましい。
あるいは、本発明に係る情報伝達システムにおいて、前記送信手段は、前記複数の通信経路のうちの予め決められた少なくとも2つの通信経路に対して前記暗号化情報及び前記解読情報の組を所定の繰り返し回数となるように送出し、前記判断手段は、前記受信手段が前記予め決められた少なくとも2つの通信経路において、前記繰り返し回数の前記暗号化情報及び前記解読情報の組を受信しなかったときは、前記所定の情報が不正な情報であると判断するように構成されていることが好ましい。
このように発信部から通信経路に対して暗号化した情報を送出するタイミングや信号の繰り返し数を変化させ、着信部において受信したタイミング又は繰り返し数を判定することにより、伝送される情報の内容そのものだけでなく、伝送されるタイミング等からも不正な操作を検出することができるので、本情報伝達システムにおけるセキュリティをさらに向上させることができる。
また、本発明に係る情報伝達システムは、前記発信部と前記着信部との間に復号部を有し、前記第2の伝達手段のうち前記復号手段は、前記復号部に設けることも可能である。
解読情報を用いて暗号化情報を復号する処理を着信部とは異なる復号部で行うように構成することにより、着信部における処理の負荷を軽減することができる。
また、本発明に係る情報伝達システムは、前記発信部と前記着信部との間に配置された中継部に設けられ、前記複数の通信経路のうちの少なくとも2つの通信経路から前記暗号化情報及び前記解読情報の組を受信し、前記暗号化情報及び前記解読情報を異なる組み合わせにした後、各々の前記暗号化情報及び前記解読情報の組を前記通信経路に送出する組み合わせ変更手段を有することが好ましい。
さらに、本発明に係る情報伝達システムは、前記中継部に設けられた前記組み合わせ変更手段を複数有するように構成することも可能である。
このように、発信部から着信部に対して所定の情報を伝達する複数の通信経路の途中で、暗号化情報と解読情報の組み合わせを入れ替えることにより、これらの対応関係をさらに複雑にすることができるため、本情報伝達システムのセキュリティをさらに向上させることができる。
また、本発明に係る遊技機は、遊技の制御を行うメイン制御手段と、前記遊技に対する演出を行うサブ制御手段と、前記メイン制御手段を前記発信部とし、前記サブ制御手段を前記受信部として、前記メイン制御手段から前記サブ制御手段に対して所定の情報を送信する上述の情報伝達手段のいずれかと、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る遊技システムは、遊技機と、前記遊技機を管理するホールコンピュータと、前記ホールコンピュータ及び前記遊技機のいずれか一方を前記発信部とし、他方を前記受信部として、前記一方から前記他方に対して所定の情報を伝達する上述の情報伝達手段のいずれかと、を有することを特徴とする。
遊技機におけるメイン制御手段とサブ制御手段との間の情報の伝達や、遊技システムにおけるホールコンピュータと遊技機との間の情報の伝達に、上述の情報伝達システムを用いることにより、これらの間で送受信される情報に対する不正な操作を防止することができ、セキュリティを向上させることができる。
本発明を以上のように構成すると、複数の通信経路を用いて情報を伝達することによりセキュリティを向上させた情報伝達システム、並びに、この情報伝達システムを有する遊技機及び遊技システムを提供することができる。
スロットマシンの正面図である。 スロットマシンの制御の概略を示すブロック図である。 リール外周面の図柄配列の一例を示す説明図である。 役と図柄の組み合わせを示す説明図である。 スロットマシンにおける制御システムを示すブロック図である。 操作手段の操作とリールの作動のタイミングを示す説明図である。 最小遊技時間を説明するための説明図である。 ストップボタンの押し順と入賞との関係を示す説明図である。 スロットマシンの遊技状態の各々に対して設定された役抽選テーブルの当選確率を示す説明図である。 スロットマシンにおける遊技状態の遷移を示す説明図である。 遊技開始時に遊技者がベット操作及びスタートレバー操作をするまでの処理の流れを示すフローチャートである。 リールの回転から停止までの処理の流れを示すフローチャートである。 リール停止後の処理の流れを示すフローチャートである。 1回の単位遊技において、メイン制御基板からサブ制御基板の演出制御基板に送信される制御コマンドの流れの一例を示す説明図である。 第1の実施形態に係る情報伝達システムの構成を説明するためのブロック図である。 第1の実施形態の第1の変形例において、送信手段から送出される信号のタイミングを示す説明図であって、(a)は2つの通信経路に対して同時に信号を送出する場合を示し、(b)は2つの通信経路に対して時刻を変えて信号を送出する場合を示し、(c)は信号を繰り返し送出する場合を示す。 第1の実施形態の第2の変形例に係る情報伝達システムの構成を説明するためのブロック図である。 第2の実施形態に係る情報伝達システムの構成を説明するためのブロック図である。 遊技システムの構成を示す説明図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1〜図10を用いて本発明に係る遊技機の一例であるスロットマシン1の構成について説明する。ここで、図1はスロットマシン1の正面図であり、図2はスロットマシン1の制御の概略を示すブロック図であり、図3はリール外周面の図柄配列の一例を示す説明図であり、図4は役と図柄の組み合わせを示す説明図であり、図5はこのスロットマシン1における制御システムを示すブロック図であり、図6は操作手段の操作とリールの作動のタイミングを示す説明図であり、図7は最小遊技時間を説明するための説明図であり、図8はストップボタンの押し順と入賞との関係を示す説明図であり、図9は各遊技状態に対して設定された役抽選テーブルの当選確率を示す説明図であり、図10はこのスロットマシン1における遊技状態の遷移を示す説明図である。
このスロットマシン1は、図1に示すように、3個のリール21a〜21cに表示されている図柄を所定のライン上に揃えることにより、所定の枚数の遊技メダルを獲得する遊技を提供するものであり、図2に示すように、リール21a〜21cにより図柄を表示する図柄表示手段20と、遊技者の操作を受け付ける操作手段30と、遊技の制御を行うメイン制御基板100と、遊技に対する演出を行う演出手段40と、この演出手段40を制御するサブ制御基板200と、から構成されている。
(メイン制御基板100)
メイン制御基板100は、スロットマシン1における遊技の進行や演出等を含む全体を統括制御する手段であり、役の抽選を行う役抽選手段110、図柄表示手段20の駆動(回転及び停止)制御を行うリール制御手段120、図柄表示手段20が停止したときの図柄の判定を行う停止図柄判定手段130、入賞時の遊技メダルの払出し等を制御する払出し制御手段140、出玉率に関する設定値を設定する設定値設定手段150、役抽選手段110の抽選結果等を記憶するフラグ情報記憶手段160、役抽選手段110で特別役に当選したときに、後述する有効ライン上に対応する図柄の組み合わせが停止するまで(入賞するまで)当選した状態を保持する特別役持ち越し手段170、及び、遊技の進行や状態を制御する遊技状態制御手段180を有して構成されている。このメイン制御基板100は、図5に示すように、演算等を行うメインCPU101と、役の抽選を行うための乱数発生器102と、メインCPU101が各種制御を行うときに、取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM103と、遊技の進行等に必要なプログラムを記憶しておくROM104と、サブ制御基板200と通信を行うI/F回路105と、を有しており、これらはバス106で接続されてデータの送受信が可能に構成されている。このメイン制御基板100において、メインCPU101は、ROM104に記録された遊技用制御プログラムをRAM103に展開して実行し、遊技の制御を行うように構成されている。
このメイン制御基板100の出力側(図2中、右側)には、図柄表示手段20が電気的に接続されている。この図柄表示手段20は、円筒外周面に沿って多種の図柄が描かれた回転可能な3個のリール(左リール21a、中リール21b、右リール21c)、リール駆動手段(左リール駆動手段22a、中リール駆動手段22b、右リール駆動手段22c)、及び、リール位置検出手段(左リール位置検出手段23a、中リール位置検出手段23b、右リール位置検出手段23c)を有して構成されている。3個のリール21a〜21cは、左右方向に並列に設けられており、スロットマシン1の前扉3に形成されたリール表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、これらのリール21a〜21cは、スロットマシン1のリール表示窓11からは、合計9個の図柄が見えるように配置されている。このリール21a〜21cの各々には、例えば、図3に示すように0番から20番までの21個の図柄が表示されており、番号が増加する順で変動表示される。なお、この図3において、赤7、青7、及び、特別図柄は、このスロットマシン1の後述する特別役に特に関係する図柄である。また、ブランクは役を構成しない図柄である。また、リール駆動手段22a〜22cは、ステッピングモータ等で構成され、リール21a〜21cの各々の回転中心部に連結され、その作動はメイン制御基板100のリール制御手段120により制御される。さらに、リール位置検出手段23a〜23cは、各々のリール21a〜21cの停止位置を検出し、有効ライン上に表示されている図柄を判定するためのものであり、このリール位置検出手段23a〜23cによる検出値はメイン制御基板100により読み出され停止図柄判定手段130に渡される。また、このメイン制御基板100の出力側には、遊技メダルを払出すホッパー装置50が接続されており、その動作は払出し制御手段140により制御される。
また、メイン制御基板100の入力側(図2中、左側)には、操作手段30が電気的に接続されており、この操作手段30はベットボタン31(1ベットボタン31a及びMAXベットボタン31b)、スタートレバー32、ストップボタン33(左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33c)、及び、精算ボタン34を有している。スタートレバー32は、図柄表示手段20として設けられたリール21a〜21cを始動させるときに操作するレバーであって、始動手段としての機能を有している。また、ストップボタン33(33a〜33c)は、回転しているリール21a〜21cの各々を停止させるときに遊技者が操作するボタンであって、停止手段としての機能を有している。また、ベットボタン31は、遊技者が貯留メダル(クレジット)をスロットマシン1に投入する(ベットする)ときに操作するスイッチであって、その操作によって図柄組み合わせラインが有効化される。なお、図1に示すメダル投入口51は、ベットボタン31と同様に、有効ラインを有効化するために遊技メダルを投入する部分であり、このメダル投入口51からの遊技メダルの投入は、ベットボタン31の操作に含まれるものである。なお、1回の単位遊技にベット可能な枚数を超えて遊技メダルが投入された場合には、所定の枚数の範囲内でこのスロットマシン1の内部(遊技媒体貯留手段141)に貯留されるように構成されている。また、精算ボタン34は、スロットマシン1の内部に貯留された遊技メダル及びベットされた遊技メダルを払い出すためのボタンである。
(役抽選手段110)
役抽選手段110は、乱数値を発生させる乱数発生手段111と、この乱数発生手段111から乱数値を抽出する乱数抽出手段112と、複数の役の各々の当選確率が乱数値の取り得る範囲に対応して定義された役抽選テーブルを記憶する役抽選テーブル記憶手段114と、乱数抽出手段112により取得された乱数値及び役抽選テーブルにより役に当選したか否かを判定する乱数判定手段113と、を有して構成されている。ここで、役としては、図4に示すように、複数種類の特別役、複数種類の小役、及び、リプレイが設けられている。この役抽選手段110は、何らかの役に当選したときは、後述するフラグ情報記憶手段160に対して当選した役のフラグをオンにする。
ここで、特別役とは、その役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止(入賞)すると、遊技メダルは払い出されないが、特別遊技状態(通常遊技以上に遊技メダルの獲得が期待できる、遊技者にとって有利となる特別遊技が実行される状態)に移行されるという役であり、BB(ビックボーナス)や、MB(ミドルボーナス)が設けられている。BBは、特別遊技の1つであるBB遊技(いわゆる、第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する遊技)に移行させる役であり、MBは特別遊技の他の1つであるMB遊技(いわゆる、第二種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する遊技)に移行させる役である。例えば、本実施形態に係るスロットマシン1においては、遊技メダルが3枚投入されて遊技が行われた場合には、図4に示す特別役の何れかに対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止(入賞)すると、BB遊技若しくはMB遊技に移行するように構成されている。なお、BB遊技は、一般遊技と所定小役が高確率で当選するボーナスゲームとを、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば、345枚)を超えるまで繰り返し行うことができる遊技である。また、MB遊技は、全ての小役が、抽選が行われることなく当選した状態となり、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば、253枚)を超えるまで繰り返し行うことができる遊技である。なお、このMB遊技においては、後述するリール制御手段120は、3つのリール21a〜21cのうちの少なくとも1つのリールに対して、ストップボタン33(33a〜33c)が押されたときから、1コマ分以内で、そのリール21a〜21cの回転を停止させるよう定められている(本実施形態に係るスロットマシン1では、左リール21aが該当する)。
また、小役とは、その図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、予め定められた枚数の遊技メダルが払い出される役であり、小役の種類に応じて、その役に対応する図柄の組み合わせ及び払出される遊技メダルの枚数が異なるように設定されている。本実施形態に係るスロットマシン1においては、図4に示すように小役1〜小役3が設定されている。なお、小役3における「any」とは、任意の図柄を意味する。このスロットマシン1において、小役1の図柄が有効ライン上に揃うと、後述する通常遊技中に入賞したときは4枚の遊技メダルが払い出され、特別遊技中に入賞したときは8枚の遊技メダルが払い出される。また、小役2の図柄が有効ライン上に揃うと6枚の遊技メダルが払い出され、小役3の図柄が有効ライン上に揃うと2枚の遊技メダルが払い出される。さらに、リプレイとは、再遊技役であって、当該遊技で投入したメダル枚数を維持して再度遊技が行えるようにした役である。本実施形態に係るスロットマシン1においては、図4に示すようにリプレイ1〜リプレイ4が設定されている。
(リール制御手段120)
リール制御手段120は、操作手段30のスタートレバー32及びストップボタン33が操作されたタイミングに応じて、リール21a〜21cの回転の開始及び停止の制御を行う。より具体的には、図6に示すように、リール制御手段120は、時刻t0においてスタートレバー32が操作されると、リール21a〜21cを回転させ、その後、時刻t1〜t3においてストップボタン33a〜33cが操作される毎に、後述する遊技状態制御手段180で管理されている遊技状態(例えば、通常遊技状態、特別遊技状態等)、役抽選手段110による抽選の結果、並びに、ストップボタン33(左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33c)が操作されたタイミングに基づいて、当該操作がされたストップボタン33a〜33cに対応するリール21a〜21cの停止位置を決定すると共に、リール駆動手段(ステッピングモータ)22a〜22cの駆動を制御して、その決定した位置でリール21a〜21cの各々の回転を停止させる。
ここで、スロットマシン1のリール表示窓11を含む部分には、図示しないが、図柄組み合わせラインが設けられている。この「図柄組み合わせライン」とは、リール21a〜21cの停止時における図柄の並びラインであって、図柄の組み合わせを形成させるラインである。本実施形態では、上述のようにリール表示窓11に表示される3×3の図柄に対して、水平方向の中段、上段及び下段にそれぞれ設けられたラインと、右下がり及び左下がりの斜め方向の各ラインの合計5本から構成されている。そして、各リール21a〜21cの上下に連続する3図柄は、それぞれ1以上の図柄組み合わせライン上に位置している。なお、この図柄組み合わせラインの構成は一例であって、本発明がこの構成に限定されることはない。
さらに、5本の図柄組み合わせラインのうち、遊技者によって投入された遊技メダルの枚数に応じて、図柄組み合わせラインの中から、有効ラインと無効ラインとが設定される。「有効ライン」とは、本実施形態では、いずれかの役に対応する図柄の組み合わせがそのライン上に停止したときに、入賞と判定されその役に応じた利益が遊技者に付与されるラインである。一方、「無効ライン」とは、図柄組み合わせラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組み合わせがそのライン上に停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(遊技メダルの払い出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組み合わせの成立対象となっていないラインである。
このリール制御手段120は、回転しているリール21a〜21cに対してストップボタン33a〜33cが押されると、その時点から所定の範囲内で対応するリール21a〜21cを停止するように構成されている。具体的には、ストップボタン33a〜33cの各々が押されると、対応するリール21a〜21cの回転を所定の時間Ts内で停止させるように構成されている。この時間Tsは、例えば0.19秒であって、これは、リール21a〜21cに表示されている図柄の4コマ分に相当する。すなわち、リール制御手段120は、ストップボタン33a〜33cが操作された時点で、その操作がされたストップボタン33a〜33cに対応するリール21a〜21cを、当該リールの有効ライン上に位置する図柄を含めて5図柄以内に停止させることができる。そのため、リール制御手段120は、役抽選手段110による抽選の結果、いずれの役にも当選していないときは、いずれかの役を構成する図柄が有効ライン上にあるときにストップボタン33a〜33cが押されたとしても、有効になっている図柄組み合わせライン(有効ライン)上にどの役の図柄の組み合わせも停止しないように、各リール21a〜21cの停止位置を定める。一方、何らかの役に当選している場合には、リール制御手段120は、上記所定の範囲内において、対応する図柄がある場合には有効になっている図柄組み合わせライン(有効ライン)上に当選した役の図柄の組み合わせが停止するように、各リール21a〜21cの停止位置を定める。
また、リール制御手段120は、特別役に当選し、後述する特別役持ち越し手段170によりその特別役が持ち越されている遊技において、小役やリプレイに当選しているときは、これらの小役やリプレイを優先して有効ライン上に停止させるようにリール21a〜21cの作動を制御するように構成されている。なお、このようなリール21a〜21cを停止させる際の制御は、リール制御用のテーブルを用いて行ってもよい。
また、リール制御手段120は、前の遊技と次の遊技との間隔が所定の時間(最小遊技時間)T0以上になるようにリール21a〜21cの作動を制御するように構成されている。すなわち、図6に示すように、時刻t0においてスタートレバー32が操作されてリール21a〜21cが回転を開始したときから最小遊技時間T0が経過した後に次の遊技が開始されたとき(時刻t0から時間T0が経過した時刻t4よりも後の時刻t5において再びスタートレバー32が操作されたとき)は、そのスタートレバー32の操作に応じてリール21a〜21cの回転を開始させる(時刻t5にリール21a〜21cの回転を開始させる)。しかし、図7に示すように、最小遊技時間T0が経過する時刻t4より前の時刻t5′においてスタートレバー32が操作されたときは、リール制御手段120は、スタートレバー32が操作された時点(時刻t5′)ではリール21a〜21cの回転は開始させず、最小遊技時間T0が経過した時点(時刻t4)においてリール21a〜21cの回転を開始させる。なお、この最小遊技時間T0としては、例えば、4.1秒が設定される。
ここで、上述した小役1は、6つの小役1A〜小役1Fから構成されている。この小役1A〜1Fは、その図柄の組み合わせはすべて共通であるが、3つのストップボタン33a〜33cの押し順により、図柄の組み合わせの停止位置が異なるように設定されている。図8(a)に示すように、例えば小役1A当選時には、リール制御手段120は、ストップボタン33の押し順が「左中右」であるときは、有効ライン上にベルの図柄が表示されるようにリール33の停止制御を行い(図8(a)の「○」印)、それ以外の押し順では、有効ライン上にベルの図柄が停止しないように制御を行う(図8(a)の「×」印)。小役1B〜小役1Fについても同様である。
また、リプレイ2(2A〜2F)、リプレイ3(3A〜3F)及びリプレイ4(4A〜4F)も、それぞれの図柄の組み合わせは共通であるが、ストップボタン33の押し順により、図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うか揃わないかが制御されるように構成されている。例えば、図8(b)に示すように、リプレイ2A当選時には、リール制御手段120は、ストップボタン33の押し順が、「左中右」であるときは、有効ライン上にリプレイ2の図柄の組み合わせが停止するように制御を行い(図8(b)の「○」印)、それ以外の押し順では、リプレイ2の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃わないように制御を行う(図8(b)の「×」印)。
また、図9には、後述する各遊技状態における役の当選確率も示している。ここで、特別役はBB及びMB毎の合算の当選確率を示している。また、各役に示される「−」は、その遊技状態では当該役の抽選は行われないことを示している。なお、MBが当選して入賞したときの特別遊技状態においては、役の抽選は行われず、全ての小役が当選した状態で遊技が行われる。さらに、どの役にも当選しない確率(いわゆる「ハズレ」の場合の確率)は、特別役、小役及びリプレイ(再遊技役)の当選確率の合計を1から引いた確率である。
また、この図9において、例えば「リプレイ1+リプレイ2A」は、「リプレイ1」と「リプレイ2A」が同時に当選するように構成されていることを示している。ここで、上述したように、リール制御手段120は、ストップボタン33a〜33cの各々が操作されると、対応するリール21a〜21cを、その操作がされたときに有効ライン上に位置する図柄を含めて5図柄以内に停止するように構成されている。図3に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1では、リール21a〜21cの何れにおいても、リプレイの図柄は、互いの間隔が5コマ以内になるように配置されている。そのため、リール21a〜21cの各々がどのような回転位置にあったとしても、ストップボタン33a〜33cの操作がされると、リール制御手段120は、有効ライン上にリプレイの図柄を引き込むことができる。同様に、リール制御手段120は、リール21a〜21cのベルの図柄もストップボタン33a〜33cの操作タイミングに関わらず、有効ライン上に引き込むことができる。また、右リール21cのチェリーの図柄も同様である。そのため、これらの図柄で構成されたリプレイ1〜4が当選すると、リール制御手段120は、これらの図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えるように制御する。なお、リール制御手段120は、押し順が設定されたリプレイの図柄の組み合わせを優先して有効ライン上に揃えるように制御を行う。すなわち、リール制御手段120は、「リプレイ1+リプレイ2A」が当選したときは、ストップボタン33a〜33cの押し順が「左右中」のときはリプレイ2Aの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うように制御を行い、それ以外の押し順の時はリプレイ1の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うように制御を行う。また、「リプレイ1+リプレイ3A+リプレイ4A」が当選したときは、リール制御手段120は、ストップボタン33a〜33cの押し順が「左中右」のときはリプレイ3Aの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うように制御を行い、「中左右」、「中右左」、「右左中」及び「右中左」のときはリプレイ4Aの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うように制御を行い、それ以外の押し順(「左右中」)のときはリプレイ1の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うように制御を行う。
(停止図柄判定手段130)
停止図柄判定手段130は、リール21a〜21cの全てが停止したときに、上述の有効ライン上のいずれかに役の図柄の組み合わせが並んでいるか否かを判定し、並んでいるものがあれば当該遊技でその役が成立した(入賞した)と判定する。このとき、停止図柄判定手段130は、リール位置検出手段23a〜23cを用いて、例えばステッピングモータの停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上に位置する図柄を判定し、これに基づいて、役の成立(入賞)の有無を判定する。なお、リール21a〜21cを停止させる際の制御にテーブルを用いている場合には、リール21a〜21cが実際に停止してから停止図柄判定手段130が図柄の組み合わせを判定するのではなく、リール制御手段120によってテーブルを用いてリール21a〜21cの停止位置が定められた時に、有効ライン上に停止する図柄の組み合わせを判定するようにしてもよい。
(払出し制御手段140)
払出し制御手段140は、停止図柄判定手段130による判定の結果、成立(入賞)している役(本実施形態に係るスロットマシンにおいては小役1〜3)に応じたメダルの払出しを行う。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1においては、払出し制御手段140に設けられた遊技媒体貯留手段141により、内部に所定の枚数(例えば50枚)の遊技メダルを貯留することができる(以下、このスロットマシン1の内部に貯留されている遊技メダルを「クレジット」と呼ぶ)。メダル投入口51から最大のベット数(本実施の形態では3枚)以上の遊技メダルが投入されるか、若しくは、遊技メダルが払い出される役に入賞すると、払出し制御手段140は、その遊技メダルを遊技媒体貯留手段141に記憶(内部に貯留)する。なお、貯留されている遊技メダル(クレジット)の枚数が所定の枚数(上述の場合50枚)を超えると、払出し制御手段140は、超えた枚数の遊技メダルの払出しを、ホッパー装置50に行わせるように構成されている。また、払出し制御手段140は、精算ボタン34が操作されると、ベットされている遊技メダル及び貯留されている遊技メダル(クレジット)の払出しを、ホッパー装置50に行わせるように構成されている。このとき、ベットされている遊技メダル及び遊技媒体貯留手段141の貯留数は0になる。
(設定値設定手段150)
設定値設定手段150は、図示しない設定スイッチの操作により、本実施形態に係るスロットマシン1における役の抽選や払い出しに関する設定等を行うものである。例えば、1〜6までの6段階の設定値を設定することができ、役抽選手段110は、当該設定値に応じて役の当選確率を変化させ、これにより、払い出される遊技メダルの出玉率(払出し率)を変化させるように構成されている。
(フラグ情報記憶手段160)
フラグ情報記憶手段160は、役抽選手段110によって何らかの役に対するフラグがオンになった場合に、当選した役の種類及びそのフラグがオンになったことを記憶する。なお、後述するように、フラグ情報記憶手段160に記憶されている情報が消去されるタイミング(当選フラグがオフとなるタイミング)は、特別役とそれ以外の役とで異なっている。すなわち、特別役の場合、フラグ情報記憶手段160に記憶されている情報は、特別遊技の図柄が有効ライン上に揃ったことを条件として消去され、特別役の図柄が有効ライン上に揃わなければ次遊技以降、当該図柄が有効ライン上に揃うまで持ち越されるのに対し、それ以外の役の場合には、その役に対する図柄が有効ライン上に揃うか否かに関わらず、当該遊技の終了の際に消去され、次遊技まで持ち越されることはない。
(特別役持ち越し手段170)
特別役持ち越し手段170は、役抽選手段110により特別役に当選し、フラグ情報記憶手段160に、この特別役に対するフラグが立てられると、当選した特別役の図柄が有効ライン上に揃うまで、その当選役を持ち越し(フラグが立てられた状態を維持し)、特別役の図柄が有効ライン上に揃うと特別役の持ち越しを終了する(フラグが下げられる)。なお、その他の役は、当選した遊技で図柄を揃えることができないと、フラグは下げられる(次遊技に持ち越すことはできない)。
(遊技状態制御手段180)
遊技状態制御手段180は、このスロットマシン1における遊技状態を制御するものであり、通常遊技制御手段181、特別遊技制御手段182、及び、再遊技確率変動遊技制御手段183を有して構成される。図10に示すように、このスロットマシン1の電源が投入されたときやリセットされたとき(「RAMクリア」とも呼ばれる)のような初期状態において、遊技状態制御手段180は、通常遊技制御手段181を実行し、このスロットマシン1は、通常遊技状態(非内部中)RT0になる。ここで、「非内部中」とは、電源投入やRAMクリア時のように特別役に当選していない状態のことを指す。
そして、この通常遊技状態RT0において、役抽選手段110により小役1A〜1Fのいずれかに当選し、当選した役に対応する押し順以外の操作がされると、小役1A〜1Fの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃わない状態、言い換えると、操作が一致しなかったときの図画の組み合わせ(これを「ベルこぼし目」と呼ぶ)が有効ライン上に揃うと、遊技状態制御手段180は、再遊技確率変動遊技制御手段183を起動し、このスロットマシン1は、第1再遊技確率変動遊技状態RT1になる。再遊技確率変動遊技とは、リプレイ(再遊技役)の当選確率が通常遊技状態RT0とは異なるように構成された遊技である。図8に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1では、通常遊技状態RT0のときも、第1再遊技確率変更遊技状態RT1のときも、リプレイ(リプレイ1及びリプレイ1+リプレイ2A〜2F)の当選確率はほぼ同じである。
このスロットマシン1においては、再遊技確率変動遊技制御手段183は、図10に示すように、リプレイの当選確率が異なる4つの遊技状態を有している。この図10に示すように、第1再遊技確率変動遊技状態RT1のときに、リプレイ2A〜2Fの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、再遊技確率変動遊技制御手段183は、遊技状態を第2再遊技確率変動遊技状態RT2に移行させる。また、第2再遊技確率変動遊技状態RT2のときに、リプレイ3A〜3Fの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、再遊技確率変動遊技制御手段183は、遊技状態を第3再遊技確率変動遊技状態RT3に移行させ、リプレイ4A〜4Fの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、第1再遊技確率変動状態RT1に移行させる。また、第2及び第3再遊技確率変動遊技状態RT2,RT3において、上述のベルこぼし目が有効ライン上に揃うと、再遊技確率変動遊技制御手段183は、遊技状態を第1再遊技確率変動遊技状態RT1に移行させる。なお、第2及び第3再遊技確率変動遊技状態RT2,RT3のように、リプレイ(再遊技役)の当選確率が通常遊技状態よりも高く設定されている遊技状態を「リプレイタイム(RT)」とも呼ぶ。
一方、通常遊技状態RT0及び第1〜第3再遊技確率変動遊技状態RT1〜RT3において、役抽選手段110により特別役に当選すると、ボーナス内部中状態RT4に移行する。ここで、「内部中」とは、特別役に当選はしているが、有効ライン上にこの特別役に対応する図柄を揃えていない状態のことである。本実施形態に係るスロットマシン1の遊技状態制御手段180においては、再遊技確率変動遊技制御手段182が実行される。なお、ボーナス内部中状態RT4に移行すると、特別役持ち越し手段170により、当選した特別役の図柄が有効ライン上に揃うまで当選役が持ち越される(すなわち、ボーナス内部中状態RT4が継続される)。
ボーナス内部中状態RT4において、有効ライン上に当選した特別役に対応する図柄を揃えると、遊技状態制御手段180は特別遊技制御手段182を実行し(作動させ)、このスロットマシン1は、特別遊技状態Bになる。特別遊技状態Bに移行すると、所定の終了条件を満たすまで通常遊技以上の遊技メダルの獲得を期待できる遊技者にとって有利な遊技(特別遊技)が実行される。ここで、所定の終了条件とは、例えば、その特別遊技状態において、遊技者に対して所定の枚数以上の遊技メダルが払い出された場合である。この特別遊技状態Bにおいて所定の終了条件が満たされると、特別遊技制御手段182の作動が終了し、通常遊技制御手段181が実行されて通常遊技状態RT0に移行する。
なお、いずれの遊技状態においても、小役に当選して対応する図柄を有効ライン上に揃える(入賞する)と払出し制御手段140により所定の枚数の遊技メダルが払い出され(若しくは貯留され)、リプレイ(再遊技役)に当選して対応する図柄を有効ライン上に揃えると再遊技が実行されるように構成されている。また、以上の遊技状態の説明は一例であり、本発明がこの遊技状態の遷移に限定されることはない。
(サブ制御基板200)
このようなスロットマシン1においては、遊技の結果に外部からの影響を加えることができないように、遊技を制御するメイン制御基板100とその遊技に対する演出を制御するサブ制御基板200とは分離して構成されている。そのため、メイン制御基板100は、サブ制御基板200で実行される演出を制御するために、上述の当選結果や遊技状態等の遊技に関する情報(制御状態)を含む制御コマンドをサブ制御基板200に送信するように構成されており、サブ制御基板200の演出制御基板300は、この制御コマンドを受信してその演出の態様を決定し、演出手段40を構成する画像表示装置41、各種演出用ランプ42、及び、放音部(スピーカー)43により映像、光及び音響効果を用いて演出を行うように構成されている。
このサブ制御基板200において演出制御基板300と画像音響生成基板400は、図5に示すように、バス210に接続されている。演出制御基板300には、サブCPU310、乱数発生器320、RAM330、ROM340及びI/F回路350が設けられており、これらはバス210に接続されている。一方、画像音響生成基板400には、上述のバス210に接続された画像制御IC410及び音源IC440が設けられている。さらに、画像制御IC410には、ビデオRAM420及び画像ROM430と、画像表示装置41が接続されている。また、音源IC440には音源ROM450及びアンプ460が接続され、アンプ460には上部及び下部スピーカー43(43a,43b)が接続されている。また、バス210には、上述の各種演出用ランプ42(42a,42b)も接続されてその点灯・消灯動作が演出制御基板300により制御される。
サブCPU310は、ROM340に記録された演出用制御プログラムをRAM330に展開して実行し、画像音響生成基板400に設けられた画像制御IC410及び音源IC440を制御して、画像表示装置41やスピーカー43(43a,43b)を用いて映像や音響効果による遊技の演出を行うように構成されている。なお、画像表示装置41に表示される映像は、画像制御IC410が、画像ROM430に記憶された画像情報をビデオRAM420に展開して実行することにより表示され、また、スピーカー43(43a,43b)から出力される音響効果(音楽、音声、効果音等)は、音源IC440が音源ROM450から取り出した音響情報から再生され、アンプ460を介してスピーカー43(43a,43b)から出力される。
なお、このサブCPU310で実行される演出は、上述のように、メイン制御基板100から送信される制御コマンドを、サブCPU310がI/F回路350を介して受信し、この制御コマンドに応じて決定・制御されるが、この演出の態様(パターン)の一部は、演出制御基板300に設けられた乱数発生器320で発生された乱数値を用いて決定されるように構成されている。
(メイン制御基板100での処理)
次に、図11〜図14を合わせて用いてメイン制御基板100で制御される各遊技における処理について説明する。ここで、図11は遊技開始時に遊技者がベット操作及びスタートレバー操作をするまでの処理の流れを示すフローチャートであり、図12はリールの回転から停止までの処理の流れを示すフローチャートであり、図13はリール停止後の処理の流れを示すフローチャートであり、図14は、1回の単位遊技において、メイン制御基板100からサブ制御基板200(演出制御基板300)に送信される制御コマンドの流れの一例を示す説明図である。なお、以降の説明において、メイン制御基板100のメインCPU101で実行される遊技用制御プログラムによる機能を「メイン制御手段」と呼ぶ。
遊技が開始されると、メイン制御手段は、遊技状態制御手段180により、遊技状態を管理する(ステップS600)。すなわち、現在の遊技状態が特別遊技状態Bで、前の遊技において特別遊技の終了条件を満たしていれば通常遊技状態RT0に移行し、現在の遊技状態が通常遊技状態RT0で、前の遊技において再遊技確率変動遊技状態RT1への移行条件を満たしていれば再遊技確率変動遊技状態RT1に移行する。そして、メイン制御手段は、遊技の実行が可能になると、現在の遊技状態及び遊技メダルの受付(ベット)が可能になったことを示す遊技状態コマンドC500をサブ制御基板200に送信する(ステップS601)。
遊技の開始時には、遊技者は、メダル投入ロ51から遊技メダルを投入するか、若しくは、ベットボタン31(1ベットボタン31a又はMAXベットボタン31b)を操作して遊技者の望む遊技メダルの数のベットを行う。メイン制御手段は、このベット操作が行われることを監視し(ステップS602)、ベット操作が行われると、メダル投入口51から投入された遊技メダルの枚数か若しくはベットボタン31の操作によりベットされた遊技メダルの枚数等の情報を含むベット情報をベットコマンドC501としてサブ制御基板200に送信する(ステップS603)。なお、前の遊技でリプレイ(再遊技役)の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったときは、遊技メダルが自動投入されたことを示すベットコマンドC501が送信される。
さらに、メイン制御手段は、遊技者によりスタートレバー32が操作されたか否かを監視する(ステップS604)。そして、スタートレバー32が操作されると、役抽選手段110により役の抽選を行う(ステップS605)。この役抽選手段110による役の抽選が行われると、メイン制御手段は、スタートレバー32が操作された情報(始動操作情報)をスタートレバー受付コマンドC502としてサブ制御基板200に送信し(ステップS606)、また、例えば、スタートレバー32が操作されたときに、所定時間だけリール21a〜21cの少なくとも一部の回転開始を遅らせる制御(フリーズ制御)が行われる場合には、メイン制御手段はサブ制御基板200に対して待機演出コマンドC503を送信し(ステップS607)、さらに役の抽選結果である当選情報を含み演出態様の決定を指示するための条件装置状態番号コマンドC504をサブ制御基板200に送信する(ステップS608)。
遊技機の操作手段30の機能を一時停止状態にする「フリーズ演出」としては、例えば、遊技媒体の受け付け、または予めクレジットされた遊技媒体のベット数を定めるためのベットボタン31の操作を一時停止状態にすることも考えられるし、遊技を開始するためのスタートレバー32の操作を一時停止状態にすることも考えられるし、ストップボタン33a〜33cによるリール21a〜21cの停止操作を一時停止状態にすることも考えられる。ここで、操作手段30の機能を一時停止状態にする態様としては、遊技者の操作に基づく信号(例えば、遊技媒体の投入を感知するセンサからの信号、ベットボタン31、スタートレバー32またはストップボタン33a〜33cの操作に基づき操作手段30から送信される信号)の受け付けを所定期間行なわない場合があり得る。この場合、所定期間以内に遊技者の操作に基づいて送信された信号を受け付けたときは、受け付けた信号を無効にする制御処理を行なうことも考えられるし、所定期間以内に遊技者の操作に基いて送信された信号を検知したときであっても、受け付け処理自体を行わないことも考えられる。また、所定期間以内に遊技者の操作に基いて送信された信号を受け付けたときは、遊技者の操作に基づく信号の受け付けは行なうが、受け付けた信号に基づいて実施する操作手段30の制御処理を所定期間実行せずに、所定期間経過後に受け付けた信号に基づいた制御処理を開始させる場合もあり得る。なお、スタートレバー32のフリーズに関しては、スタートレバー32を操作しても、所定期間リール21a〜21cの回転が開始されない場合や、所定期間、役抽選が開始されない場合を例示することができる。
続いて、メイン制御手段は、リール制御手段120により、リール駆動手段22a〜22cを駆動制御して、すべてのリール21a〜21cを回転させるように制御するが、まず、前の遊技の開始(リール21a〜21cの回転開始)から最小遊技時間が経過しているかを監視し(ステップS609)、最小遊技時間を経過しているときはこの最小遊技時間のカウントを0にセットして再度計時を開始する(ステップS610)とともに、全てのリール21a〜21cを回転させる(ステップS611)。なお、このステップS611においてリール制御手段120は、各リール21a〜21cの回転を開始させると、変動開始情報である第1〜第3回胴回転開始コマンドC505〜C507をサブ制御基板200に送信する。ここで、3つのリール21a〜21cのうち、左リール21aの回転が開始すると第1回胴回転開始コマンドC505が送信され、中リール21bの回転が開始すると第2回胴回転開始コマンドC506が送信され、右リール21cの回転が開始されると第3回胴回転開始コマンドC507が送信される。そのため、第1〜第3回胴回転開始コマンドC505〜C507は、必ずしも図14に示される順番で送信されるわけではない。このようにして、リール21a〜21cがリール駆動手段22a〜22cによって回転されることで、リール21a〜21c上の図柄は、所定の速度でリール表示窓11内において上下方向に変動表示される。
遊技者が、各ストップボタン33a〜33cを操作すると、そのときに発生する操作信号がメイン制御基板100に入力される。リール21a〜21cが変動表示されている状態で、メイン制御手段は、遊技者のストップボタン33a〜33cに対する停止操作によりこの操作信号が入力されるのを監視し(ステップS612)、この操作信号を受信すると、リール制御手段120により、役の抽選結果とストップボタン33a〜33cが操作されたときのリール21a〜21c上の図柄の位置(受付位置)により、一意の停止位置を決め、ストップボタン33a〜33cに対応するリール駆動手段22a〜22cを駆動制御することにより、そのリール駆動手段22a〜22cに係るリール21a〜21cの停止制御を行う(ステップS613)。ここで、回転する3つのリール21a〜21cに対する停止操作のうち、3つのストップボタン33a〜33cがどの順序で操作されたとしても、最初の操作を第1停止と呼び、次の操作を第2停止と呼び、最後の操作を第3停止と呼ぶ。また、メイン制御手段は、3つのストップボタン33a〜33cが遊技者により押されて、対応するリール21a〜21cの回転が停止される毎に、ストップボタン33a〜33cの操作情報として、第1停止受付コマンドC508及び回胴回転停止コマンドC509、第2停止受付コマンドC510及び回胴回転停止コマンドC511、並びに、第3停止受付コマンドC512及び回胴回転停止コマンドC513をサブ制御手段に送信する(ステップS614)。これらの制御コマンドのうち、第1〜第3停止受付コマンドC508,C510,C512は、ストップボタン33a〜33cの操作を受け付けたことを示すコマンドであり、また、(第1〜第3)回胴回転停止コマンドC509,C511,C513は、リール21a〜21cが停止したこと示すコマンドである。また、このストップボタン33a〜33cの操作情報には、中段に停止した図柄の情報(停止位置)や、ストップボタン33a〜33cが押されたときのリール21a〜21c各々の位置の情報であって、リール表示窓11の中段にある図柄に関する情報(図柄受付位置情報)も含まれる。このステップS612〜S614の処理は、全てのリール21a〜21cの回転が停止するまで繰り返される(ステップS615)。
次に、メイン制御手段は、停止図柄判定手段130により、有効ライン上にいずれかの役(抽選により当選した役)に対応する図柄が停止したか否かを判定し(ステップS616)、リール21a〜21cに停止した図柄に応じた演出の開始を指示するための、表示されている図柄の組み合わせに関する情報を示す作動図柄表示コマンドC514をサブ制御基板200に送信する(ステップS617)。この作動図柄表示コマンドC514は、例えば、特別役やリプレイの図柄が有効ライン上に揃った場合に、対応する演出の実行をサブ制御基板200に指示するためのコマンドであり、図柄に応じた演出が無い場合も送信される。また、メイン制御手段は、遊技メダルの払出しが開始されたことを示す情報をメダル払出開始コマンドC515としてサブ制御基板200に送信する(ステップS618)。このメダル払出開始コマンドC515には、払出されるメダルの枚数が設定されており、遊技メダルが払出される小役以外の図柄が有効ライン上に揃っているときは0枚が設定される。そして、以上の判定の結果、有効ライン上に特別役に対応する図柄(ボーナス図柄)が表示されていると判定したときは(ステップS619)、メイン制御手段は、遊技状態制御手段180により特別遊技制御手段182を実行し、特別遊技状態B(上述の場合、BB遊技若しくはMB遊技)に移行する(ステップS620)。また、有効ライン上にボーナス図柄が揃っていない場合に、小役1〜3に対応する図柄(小役図柄)が揃っている(入賞している)と判定したときは(ステップS621)、メイン制御手段は、払出し制御手段140により入賞した小役に対応する遊技メダルの払い出しを行い(ステップS622)、遊技メダルの払出しが終了するとメダル払出終了コマンドC516をサブ制御基板200に送信する(ステップS623)。さらに、有効ライン上に小役図柄が揃っていない場合に、有効ライン上にリプレイ1〜4(再遊技役)に対応する図柄(リプレイ図柄)が揃っていると判定したときは(ステップS624)、メイン制御手段は、再遊技を実行する制御を行う(ステップS625)。こうして、一回の遊技に対する処理が終了すると、メイン制御手段はその情報を作動終了コマンドC517としてサブ制御基板200に送信する(ステップS626)。
なお、図14には図示していないが、このスロットマシン1においてエラーが発生したことをメイン制御基板100が検知すると、サブ制御基板200に対してエラー通知コマンドが送信される。例えば、前扉3が開放されたことを検知すると、その旨を通知する制御コマンドとしてエラー通知コマンドがサブ制御基板200に対して送信される。また、エラー状態から正常な状態に復帰したことを検知すると、その旨を通知する制御コマンドとしてエラー解除コマンドがサブ制御基板200に対して送信される。例えば、前扉3が閉じられるとその旨を通知するエラー解除コマンドが送信される。また、メイン制御基板100は、ホッパー装置50において、遊技メダルが詰まったり、払い出す遊技メダルが無いために、遊技メダルの払出しに所定の時間以上を要していることを検知すると、このホッパー装置50に異常がある旨を通知するエラー通知コマンドをサブ制御基板200に送信し、異常状態が解除されてエラー前の状態に戻ると、その旨を通知するエラー解除コマンドが送信される。また、遊技中に何らかの理由により電源が切断された場合には、再度電源が投入されたときに、その旨を通知するエラー解除コマンドがサブ制御基板200に対して送信される。さらに、前回の遊技が終了してから次の遊技のスタートレバー32が操作されるまでの間に精算ボタン34が操作されると、精算が開始されたことを精算が終了したことを示す制御コマンドがメイン制御基板100からサブ制御基板200に送信される。
(演出制御基板300による演出)
本実施形態のスロットマシン1では、図10を用いて説明したメイン制御基板100の遊技状態のうち、所定の遊技状態のときに、演出制御基板300の演出によりART遊技を行うように構成されたものがある。ここで、ART遊技とは、AT遊技とRT遊技とが組み合わされたものであり、本実施形態ではメイン制御基板100での遊技状態が第2及び第3再遊技確率変動遊技状態RT2,RT3のときに行われる。AT遊技とは、上述した小役1A〜1Fのようにストップボタン33a〜33cの押し順を伴う役が当選したときに、その押し順を上述の画像表示装置41等を用いて遊技者に報知することにより(これを「アシスト演出」と呼ぶ)、遊技者に有利な遊技を提供するものである。また、RT遊技とは、遊技状態制御手段180により制御される再遊技確率変動遊技状態のうち、とくに、リプレイ(再遊技役)の当選確率が通常遊技状態よりも高く設定されている遊技状態(第2及び第3再遊技確率変動遊技状態RT2,RT3)において行われる遊技である。なお、AT遊技として、ストップボタン33a〜33cの押し順を報知するのではなく、当選した小役の種類を報知するように構成することも可能である。
本実施形態に係るスロットマシン1に電源が投入されたときは、上述のように遊技状態は通常遊技状態RT0であり、小役1の押し順を報知しない限り、小役1A〜1Fが当選してこの小役1A〜1Fのこぼし目が有効ライン上に揃うと、第1再遊技確率変動遊技状態RT1に移行する。このスロットマシン1における通常の演出は、この第1再遊技確率変動遊技状態RT1で行われる。そして、所定の条件が揃うと(例えば、所定の小役に当選したときに行われる抽選に当選した場合や、演出の一例であるミッション演出で、与えられたミッションを達成した場合等)、演出制御基板300で実行される演出制御手段311は、所定の遊技数の間、ART遊技を実行し、各遊技においてアシスト可能な役に当選するとアシスト演出を行う。ここで、アシストできる役とは、本実施形態に係るスロットマシン1では、小役1A〜1Fと、図13の遊技状態の遷移に示すように、第1再遊技確率変動遊技状態RT1から第2再遊技確率変動遊技状態RT2を経て第3再遊技確率変動遊技状態RT3に遊技状態を移行させる役である、リプレイ2A〜2F及びリプレイ3A〜3Fとである。
なお、上述したように、ART遊技を実行する前の遊技状態は、第1再遊技確率変動遊技状態RT1である。また、ART遊技の実行を開始した時点での遊技状態も第1再遊技確率変動遊技状態RT1である。そのため、リプレイ2A〜2Fが当選したときに、演出制御手段311によりこのリプレイ2A〜2Fの押し順を報知することで、有効ライン上にリプレイ2A〜2Fの図柄の組み合わせが揃い、遊技状態が第2再遊技確率変動遊技状態RT2に移行し、さらに、この第2再遊技確率変動遊技状態RT2においてリプレイ3A〜3Fに当選したときに、演出制御手段311によりこのリプレイ3A〜3Fの押し順を報知することで、有効ライン上にリプレイ3A〜3Fの図柄の組み合わせが揃って遊技状態が第3再遊技確率変動遊技状態RT3に移行し、この第3再遊技確率変動遊技状態RT3でART遊技が実行される。なお、第3再遊技確率変動遊技状態RT3においてART遊技が実行されているときは、アシストできる役は小役1A〜1Fである。そのため、遊技者が押し順を報知されたのにも関わらずその押し順で操作をしないと、小役1(ベル)のこぼし目が有効ライン上に揃い第1再遊技確率変動遊技状態RT1に移行してしまうが、上述のアシストを繰り返すことにより、ART遊技においては、第3再遊技確率変動遊技状態RT3で遊技を行うことができる。ところで、ART遊技が実行されていない場合でも、第1再遊技確率変動遊技状態RT1において当選したリプレイ2A〜2Fの押し順で遊技者がストップボタン33を操作してしまうと、第2再遊技確率変動遊技状態RT2に移行してしまうが、この演出状態では(ART状態以外の状態では)、リプレイ3A〜3F及びリプレイ4A〜4Fの押し順は報知されない。図8(b)に示すように、6通りの押し順のうち4通りの押し順がリプレイ4Aに割り当てられているため、これらの押し順が操作されたときにリプレイ4A〜4Fの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃い、第1再遊技確率変動遊技状態RT1に戻すことができる。もちろん、リプレイ4A〜4Fに当選したときにその押し順を遊技者に報知して、第1再遊技確率変動遊技状態RT1に戻すように構成することも可能である。また、小役1に当選したときも、当選した押し順で操作できないと、ベルのこぼし目が有効ライン上に揃い、第1再遊技確率変動遊技状態RT1に戻すことができる。さらに、ART遊技が実行されていないときに、偶然押し順が一致して第3再遊技確率変動遊技状態RT3に移行してしまった場合も同様である。このように、本実施形態に係るスロットマシン1では、ART遊技でないときに、メイン制御手段の遊技状態が、第2及び第3再遊技確率変動遊技状態RT2,RT3で継続して実行されることはない。
このような演出制御基板300による演出の態様は、上述したようにメイン制御基板100で行われている遊技の状態(当選役や遊技状態等)で決定されるため、このメイン制御基板100から送信されている制御コマンドに基づいて制御される。そのため、メイン制御基板100からサブ制御基板200(演出制御基板300)に制御コマンドが送信される経路の途中で不正が行われる(例えば、メイン制御基板100から送信される制御コマンドを他の不正な制御コマンドに置き換えてサブ制御基板200に送信する等が行われる)と、条件が揃っていないにも拘わらずART遊技が行われ、この遊技者に不当な利益を与えることになる。以下、このような不正操作を防止するための情報伝達システム700をメイン制御基板100とサブ制御基板200との間に設けた場合について説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態として、情報伝達システム700を発信部であるメイン制御基板100と着信部であるサブ制御基板200を構成する演出制御基板300との間の通信のために用いた場合について図15を参照して説明する。ここで、図15は、第1の実施形態に係る情報伝達システム700の構成を説明するためのブロック図である。
この情報伝達システム700は、メイン制御基板100に設けられた第1の伝達手段であるI/F回路105と、演出制御基板300に設けられた第2の伝達手段であるI/F回路350と、これらのI/F回路105,350を接続して情報の送受信を行う通信手段740と、から構成されている。なお、この第1の実施形態においては、通信手段740が、無線により情報の伝達を行う第1の通信経路741と、有線により情報の伝達を行う第2の通信経路742とからなる2つの通信経路で構成されている場合について説明する。
メイン制御基板100のI/F回路105には、メインCPU101で実行されているメイン制御手段101aから渡された所定の情報である制御コマンドを暗号化するための解読情報であって、通信手段740の通信経路の数(上述のように、本第1の実施形態では2)の互いに異なる解読情報を生成する解読情報生成手段710と、これらの解読情報の各々で上述の制御コマンドを暗号化することにより、通信経路の数と同じ数の暗号化情報を生成する暗号化手段720と、暗号化情報の各々を、当該暗号化情報を生成するために用いた解読情報とは異なる解読情報と対応付けるとともに、第1及び第2の通信経路741,742のいずれかであって、暗号化情報毎に異なる通信経路に対して、これらの暗号化情報及び解読情報の組を送出する送信手段730と、から構成されている。なお、この第1の実施形態においては、暗号化手段720及び送信手段730は、通信経路の数(暗号化情報の数)に対応して、それぞれ、第1及び第2の暗号化手段721,722と、第1及び第2の送信手段731,732とから構成されている場合について示している。また、第1の送信手段731には第1の通信経路741が接続されており、第2の送信手段732には第2の通信経路742が接続さているものとする。
また、演出制御基板300のI/F回路350には、通信手段740の第1及び第2の通信経路741,742の各々に送出された暗号化情報及び解読情報の組の各々を受信する受信手段750と、受信手段750で受信された暗号化情報の各々を、当該暗号化情報を生成するために用いられた解読情報により復号して、通信経路の数と同じ数の制御コマンド(復号情報)を取得する復号手段760と、通信経路の数と同じ数の制御コマンド(復号情報)を互いに比較して、全てが同じ場合は当該制御コマンドが正しい情報である(メイン制御基板100で実行されているメイン制御手段101aから送信された制御コマンドである)と判断し、このれらの復号情報のうち、少なくも一つが他と異なる場合は当該制御コマンドが不正な情報である(この制御コマンドが送信される経路上で、何らかの不正な操作を受けた)と判断する判断手段770と、から構成されている。なお、受信手段750及び復号手段760も、通信経路の数(暗号化情報の数)に対応して、それぞれ、第1及び第2の受信手段751,752と、第1及び第2の復号手段761,762とから構成されている場合について示している。また、第1の受信手段751には第1の通信経路741が接続されており、第2の受信手段752には第2の通信経路742が接続さているものとする。さらに、判断手段770は、メイン制御基板100から送信された情報が、正しい情報であると判断したときは、復号した制御コマンドを、又、不正な情報であると判断したときはエラー情報を、演出制御基板300のサブCPU310で実行されている演出制御手段(サブ制御手段)310aに渡すように構成されている。
このような構成の情報伝達システム700において、メイン制御基板100のI/F回路105は、メイン制御手段101aから制御コマンドが渡されると、まず、解読情報生成手段710により、通信手段740の通信経路と同じ数の(2つの)、互いに異なる解読情報を生成する。そして、暗号化手段720の第1の暗号化手段721により、第1の解読情報を用いて制御コマンドを暗号化して第1の暗号化情報を生成し、第2の暗号化手段722により、第2の解読情報を用いて第1の解読情報で暗号化したものと同じ制御コマンドを暗号化して第2の暗号化情報を生成する。さらに、第1の暗号化手段721は、第1の暗号化情報を送信手段730の第1の送信手段731に渡し、第1の解読情報を第2の送信手段732に渡す。また、第2の暗号化手段722は、第2の暗号化情報を第2の送信手段732に渡し、第2の解読情報を第1の送信手段731に渡す。そして、第1の送信手段731は、第1の暗号化情報及び第2の解読情報を組にして第1の通信経路741にこれらの情報を送出し、第2の送信手段732は、第2の暗号化情報及び第1の解読情報を組にして第2の通信経路742にこれらの情報を送出する。なお、このように暗号化して送出する制御コマンドは、メイン制御基板100からサブ制御基板200(演出制御基板300)に送信される全ての制御コマンドを対象としても良いし、その一部の制御コマンド(例えば、役の抽選結果を示す制御コマンド)を対象としても良い。
一方、演出制御基板300のI/F回路350において、受信手段750を構成する第1及び第2の受信手段751,752は、通信手段740の第1及び第2の通信経路741,742から、上述の暗号化情報及び解読情報の組を受信すると、第1の受信手段751は、第1の暗号化情報を復号手段760の第1の復号手段761に渡し、第2の解読情報を第2の復号手段762に渡す。また、第2の受信手段752は、第2の暗号化情報を第2の復号手段762に渡し、第1の解読情報を第1の復号手段761に渡す。さらに、復号手段760の第1の復号手段761は、第1の解読情報を用いて第1の暗号化情報を復号し、第1の復号情報として判断手段770に渡し、第2の復号手段762は、第2の解読情報を用いて第2の暗号化情報を復号し、第2の復号情報として判断手段770に渡す。そして、判断手段770は、第1及び第2の復号情報が一致するときは、メイン制御基板100で実行されているメイン制御手段101aから送信された制御コマンドであると判断してこの復号情報を制御コマンドとして演出制御手段310aに渡す。一方、第1及び第2の復号情報が異なる場合は、制御コマンドが送信される経路上で、何らかの不正な操作を受けたと判断してエラー情報を演出制御手段310aに渡す。なお、復号手段760(第1及び第2の復号手段761,762の少なくとも一方)で、暗号化情報が解読情報を用いて復号できないときも、判断手段770は、エラー情報を演出制御手段310aに渡すように構成されている。
なお、以上の説明は、通信手段740が2つの通信経路(第1及び第2の通信経路741,742)を有する場合について説明したが、この通信手段740は3つ以上の通信経路を有して構成されていても良い。その場合、判断手段770は、3つ以上の復号情報のうち、いずれか1つでも他の復号情報と異なる場合には、何らかの不正な操作を受けたと判断してエラー情報を演出制御手段310aに渡すように構成される。また、暗号化手段720は、送信手段730に渡す暗号化情報と解読情報の組を、予め決められた組み合わせで構成しても良いし、ランダムに組み合わせるように構成しても良い。ランダムに組み合わせる場合には、受信手段750が正しい暗号化情報と解読情報の組を判断できるように、送信手段730により、識別情報を付加したり、他の通信経路により組み合わせを通知したりすることが必要である。
このような第1の実施形態に係る情報伝達システム700によると、メイン制御基板100において異なる解読情報で暗号化した同一の制御コマンドを複数の通信経路で伝達し、演出制御基板300でこれらの情報が一致するか否かを判定するため、一部の通信経路の情報にのみ変更を加えた場合には演出制御基板300において不正な操作がされたと判定することができる。また、暗号化に用いられた解読情報は、別の解読情報で暗号化された暗号化情報と組にされて異なる通信経路で伝送されるため、不正な手段でこれらの情報が取得されたとしても復号を困難にすることができる。さらに、複数の通信経路のうちの少なくとも2つは異なる通信媒体(上述の例では、無線及び有線)で構成されているため、これらの通信経路で伝送される情報を同時に取得することが困難になるため、セキュリティをさらに向上させることができる。特に無線を用いると、メイン制御基板100と演出制御基板300との間に通信線が存在しないため、不正を行う者にこの通信経路を気づかせないようにすることができる。
なお、上述の説明では、複数の通信経路の各々に送出される暗号化情報は、この暗号化情報を生成するために用いられた解読情報とは異なる解読情報と組み合わされて送出されるように構成されていたが、暗号化情報と、この暗号化情報を生成するために用いられた解読情報とを組み合わせて送出するように構成することも可能である。また、解読情報をメイン制御基板100のI/F回路105に設けられた解読情報生成手段710で生成するのではなく、このI/F回路105に設けられた暗号化手段720及び演出制御基板300のI/F回路350に設けられた復号手段760に予め記憶させておき、この記憶されている解読情報を用いて暗号化及び復号を行うように構成することも可能である。この場合、複数の通信経路の各々にはそれぞれの通信経路に対応する解読情報により暗号化された暗号化情報のみが送出される。このような構成においても、一部の通信経路の情報に対して不正行為が行われた場合にこの不正を検出することができる。
(第1の実施形態の第1の変形例)
次に、第1の実施形態の変形例を図16を合わせて用いて説明する。ここで、図16は、送信手段730から送出される情報のタイミングを示す説明図である。上述のように、一つの情報(制御コマンド)を異なる解読情報で暗号化して複数の暗号化情報とし、さらにこれらの暗号化情報を異なる通信経路を用いて送信することにより、セキュリティを向上させることができるが、さらに、図16に示すように、複数の通信経路の各々に対して暗号化情報及び解読情報の組を送出するタイミングを変化させることにより、さらにセキュリティを向上させることができる。なおここでは、通信経路に対して送出される暗号化情報及び解読情報の組を「信号」と呼ぶ。
図16(a)は、送信手段730を構成する第1及び第2の送信手段731,732のそれぞれが、略同時に信号を送出するように構成した場合を示している。判断手段770は、受信手段750から、第1及び第2の受信手段751,752で、略同時にこれらの信号を受信したか否かの情報を受け取ることにより、上述のように復号情報を比較してこれらの情報が一致したときでも、受信タイミングが一致しないときは不正なデータであると判断することができる。そのため、通信経路の途中で何らかの不正な操作が行われたとしても、これらの信号の受信タイミングがずれると不正な操作を検出することができる。
また、送信手段730による信号の送出タイミングは、上述のように略同時にする構成に限定されない。例えば、図16(b)に示すように、送出するタイミングを通信経路毎にずらし、予め決められた順序でこれらの信号の送出を行うことにより、判断手段770は、受信手段750において信号を受信する順序が、予め決められた順序のときは正しいデータと判断し、順序が異なる場合は不正なデータであると判断することができる。
また、図16(c)に示すように、通信経路毎に同一の信号を予め決められた回数だけ繰り返して送出するように構成し、判断手段770が、受信手段750でこれらの信号が予め決められた回数だけ繰り返して受信されたか否かにより正しいデータか不正なデータかを判断するように構成することも可能である。このとき、少なくとも2つの通信経路において、繰り返し回数が異なるように構成することにより、さらに、セキュリティを向上させることができる。あるいは、正しい信号とダミー信号とを組み合わせ、通信経路毎に、何番目に送信される信号が正しいデータであるかを決めておき、受信手段750は、予め決められた順番のデータだけを取り出して復号手段760に渡すように構成することにより、さらにセキュリティを向上させることができる。ここで、「正しい信号」とは上述の処理により生成された暗号化情報及び解読情報の組のことであり、「ダミー信号」とは、例えばデータ長は上述の暗号化情報及び解読情報の組みと同じであるが、データ自体に何らの意味も持たないものや、送信しようとしている制御データとは異なる制御データを暗号化したもののことである(復号等の処理をしても正しい制御データは得られない)。なお、この場合も、少なくとも2つの通信経路において、正しいデータが挿入される順番を変えるように構成することにより、不正を行う者に、何番目の信号が正しいデータであるかの特定を困難にさせるので、さらに、セキュリティを向上させることができる。
(第1の実施形態の第2の変形例)
また、第1の実施形態の他の変形例を図17を合わせて用いて説明する。ここで、図17は、第1の実施形態の第2の変形例に係る情報伝達システム700′の構成を説明するためのブロック図である。なお、第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
この第2の変形例に係る情報伝達システム700′は、メイン制御基板100から送信された暗号化情報の復号を、演出制御基板300とは別の基板(復号部であって、以下、中継基板780′とする)で行う構成である。そのため、図17に示すよう、通信手段740に接続される受信手段750及び復号手段760は、中継基板780′に設けられる。また、この中継基板780′で復号された復号情報を演出制御基板300に設けられた判断手段770に渡すために、第2の通信手段790′が設けられている。ここで、第2の通信手段790′は、中継基板780′に設けられ、復号手段760の第1及び第2の復号手段761,762で復号された第1及び第2の復号情報の各々を送出する第1及び第2の送信手段791′,792′と、演出制御基板300のI/F回路350に設けられ、上述の第1及び第2の復号情報を受信する第1及び第2の受信手段795′,796′と、第1の送信手段791′及び第1の受信手段795′を接続する第1の通信経路793′と、第2の送信手段792′及び第2の受信手段796′を接続する第2の通信経路794′と、から構成される。なお、図17に示すよう、中継基板780′と演出制御基板300との間も、暗号化情報の数に対応した複数の通信経路であって、当該複数の通信経路のうちの少なくとも2つは、異なる種類の通信媒体で構成することにより、セキュリティを向上させることができる。
このように、着信部側の処理のうち、復号処理を演出制御基板300とは別の基板である中継基板780′で実行させることにより、演出制御基板300は従来からある構成を用いることができ、中継基板780′を追加することでこの情報伝達システム700′をスロットマシン1に容易に実装することができる。なお、中継基板780′と演出制御基板300との間の通信経路は、例えば、これらの距離が非常に近い場合などは、必ずしも異なる通信媒体で構成しなくても良い。その場合、第2の通信手段790′の構成が簡単になるので、この情報伝達システム700′の実装をさらに容易にすることができる。もちろん、この第2の変形例に、上述の第1の変形例で示した信号の送出タイミングによる判断を適用しても良いことは言うまでもない。
(第2の実施形態)
次に、図18を用いて、第2の実施形態に係る情報伝達システム700″について説明する。ここで、図18は、第2の実施形態に係る情報伝達システム700″の構成を説明するためのブロック図である。また、この第2の実施形態においても、第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
この第2の実施形態に係る情報伝達システム700″は、第1の実施形態における通信手段740をの途中に、組み合わせ変更手段790″を有する中継部である中継基板780″を配置し、組み合わせ変更手段790″で暗号化情報と解読情報の組み合わせを変更するように構成した場合を示している。また、この第2の実施形態では、通信手段740が3つの通信経路を有している場合について説明する。
具体的には、図18に示すように、通信手段740は、メイン制御基板100と中継基板780″とをつなぐ前段側の通信手段740aと、中継基板780″と演出制御基板300とをつなぐ後段側の通信手段740bとから構成され、それぞれが、第1の通信経路741a,741b、第2の通信経路742a,742b及び第3の通信経路743a,743bを有して構成されている。
このように、通信手段740の途中で暗号化情報と解読情報との組み合わせを変更することにより、暗号化情報とこの暗号化情報を生成する際に用いられた解読情報とを同時に取得することが困難になるため、暗号化情報の復号や、不正な制御コマンドを暗号化して不正な暗号化情報を生成することが困難になり、セキュリティを向上させることができる。なお、図18では、全ての通信経路の暗号化情報及び解読情報の組み合わせを変更しているが、少なくとも2つの通信経路において入れ替えるように構成すれば良い。また、図18では、1つの中継基板780″を設けた構成にしているが、複数の中継基板780″を直列に接続して設け、メイン制御基板100から演出制御基板300までの間において、中継基板780″毎に暗号化情報及び解読情報の組み合わせの変更を行うことにより、これらの変更を複数回行うように構成しても良い。このとき、各中継基板780″において全ての通信経路の暗号化情報及び解読情報の組み合わせの変更を行う必要はない。例えば、3つの通信経路に対して2つの中継基板780″が設けられているときに、最初の(前段側の)中継基板780″では第1の通信経路及び第2の通信経路の暗号化情報及び解読情報の組み合わせの変更を行い、次の(後段側の)中継基板780″では第2の通信経路及び第3の通信経路の暗号化情報及び解読情報の組み合わせの変更を行うように構成することも可能である。あるいは、前段側の中継基板780″では全ての通信経路の暗号化情報及び解読情報の組み合わせの変更を行い、後段側の中継基板780″では第1及び第3(若しくは第1及び第2)の通信経路の暗号化情報及び解読情報の組み合わせの変更を行うように構成することも可能である。また、この第2の実施形態に係る情報伝達システム700″に、上述の第1の実施形態で示した第1及び第2の変形例の構成を適用しても良い。
(第3の実施形態)
上述の第2の実施形態ではメイン制御基板100から演出制御基板300までの間に少なくとも1段の中継基板780″を設け、組み合わせ変更手段790″により暗号化情報及び解読情報の組み合わせの変更を行うように構成した場合について説明したが、この組み合わせ変更手段790″の代わりに、第1の実施形態で示したI/F回路105の構成を設けても良い。すなわち、前段から送信された暗号化情報及び解読情報の組を用いて通信経路の数と同じ数の復号情報(制御コマンド)を取得し、新たな解読情報を生成して(前段から送信された解読情報とは異なる解読情報を再度生成して)、これらの解読情報を用いてそれぞれの制御コマンドを暗号化し、暗号化情報とこの暗号化情報を生成するために用いた解読情報とは異なる解読情報とを組みにして後段に送出するように構成することも可能である。このとき、中継基板780″で復号した時点で通信経路の数と同じ数の復号情報(制御コマンド)を比較し、一致しない場合はエラーとして以降の処理を省略する(エラーを演出制御基板300に通知する)ように構成しても良い。また、第2の実施形態と同様に、全ての通信経路に対して新たな解読情報及び暗号化情報を生成するのではなく、少なくとも2つの通信経路において再生成を行うように構成しても良いし、上述の第1の実施形態で示した第1及び第2の変形例の構成を適用しても良い。
(遊技システムへの適用)
以上の説明では、本発明に係る情報伝達システム700,700′,700″を、スロットマシン1のメイン制御基板100と演出制御基板300(サブ制御基板200)との間の通信に適用した場合について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されることはない。そこで、ホールに設定された遊技機を管理する遊技システム900に、この情報伝達システムを適用する場合について、図19を用いて説明する。ここで、図19は、遊技システムの構成を示す説明図である。
図19は、遊技機の一例であるスロットマシン1が複数台並んで配置されたいわゆる遊技島を構成し、これらのスロットマシン1をホールに設置されたホールコンピュータ910で管理する遊技システム900を示している。ここで、この遊技システム900に本発明に係る情報伝達システムを適用する場合、ホールコンピュータ910からスロットマシン1に制御情報を送信するときは、ホールコンピュータが発信部に相当し、スロットマシン1が着信部に相当する。反対に、スロットマシン1の情報をホールコンピュータに送信するときは、スロットマシン1が発信部に相当し、ホールコンピュータが着信部に相当する。
ホールコンピュータ910と遊技機1との間には、従来の有線(例えば、光通信)が用いられた第1の通信経路920と、無線(例えば無線LAN)が用いられた第2の通信経路930と、が設けられている。また、第1の通信経路920は、スロットマシン1側から順に、信号線921を介してこのスロットマシン1に接続されたE/O変換器922、光ファイバーケーブル923を介してこのE/O変換器922に接続された中継器924、及び、光ファイバーケーブル925を介してこの中継器924に接続されたO/E変換器926を有し、O/E変換器926は信号線927を介してホールコンピュータ910に接続されている。ここで、E/O変換器922及びO/E変換器926は、電気信号と光信号との間の変換を行う装置であり、中継器924は、光ファイバーケーブル923,925を流れる光信号の強度を補償するものである。また、第2の通信経路930は、ホールコンピュータ910に接続された無線LAN親機931と、スロットマシン1の各々に接続された無線LAN子機932とから構成されており、無線によりホールコンピュータ910とスロットマシン1との間で情報の送受信を行うものである。
このような遊技システム900においても、ホールコンピュータ910とスロットマシン1との間に設けられた第1及び第2の通信経路920,930を用いることにより、第1及び第2の実施形態で説明した情報伝達システム700,700′,700″を適用することができる。これにより、ホールコンピュータ910とスロットマシン1の間の情報の伝達のセキュリティを向上させることができる。これらの情報伝達システム700,700′,700″を用いて伝達される情報としては、例えば、スロットマシン1からこのスロットマシン1での遊技の結果をホールコンピュータ910に送信する場合に用いても良いし、スロットマシン1毎に割り当てられた固有の識別情報をホールコンピュータ910に送信する場合に用いても良い。また、ホールコンピュータ910からスロットマシン1を操作するコマンドを送信する場合に用いても良い。なお、第1の実施形態では、メイン制御基板100から演出制御基板300に対して一方向に情報を伝達する構成について説明したが、発信部と着信部の機能を、ホールコンピュータ910及びスロットマシン1のそれぞれに設けることにより、双方向で情報の伝達が可能となる。この場合、通信経路を構成する通信媒体が双方向通信可能なときは、通信手段は共通して使用することができる。また、上述した遊技島には、隣接して配置されているスロットマシン1の間に、遊技媒体を遊技者に貸し出す装置(台間機又はサンドと呼ばれる)が配置されており、上述の中継基板780′,780″の機能をこの台間機に設けることも可能である。
1 スロットマシン
100 メイン制御基板(発信部)
105 I/F回路(第1の伝達手段)
200 サブ制御基板
300 演出制御基板(着信部)
350 I/F回路(第2の伝達手段)
700,700′,700″ 情報伝達システム
710 解読情報生成手段
720 暗号化手段
730 送信手段
740 通信手段
741 第1の通信経路
742 第2の通信経路
750 受信手段
760 復号手段
770 判断手段
780′,780″ 中継基板(復号部,中継部)
790″ 組み合わせ変更手段
900 遊技システム
910 ホールコンピュータ
920 第1の通信経路
930 第2の通信経路

Claims (10)

  1. 発信部から着信部に対して所定の情報を伝達する情報伝達システムであって、
    前記発信部と前記着信部との間を接続する複数の通信経路を有し、当該複数の通信経路のうちの少なくとも2つは、異なる種類の通信媒体で構成されている通信手段と、
    前記発信部に設けられ、
    前記通信手段の前記通信経路の数と同じ数の異なる解読情報を生成する解読情報生成手段、
    前記解読情報の各々で前記所定の情報を暗号化することにより、前記通信経路の数と同じ数の暗号化情報を生成する暗号化手段、及び、
    前記暗号化情報の各々を、当該暗号化情報を生成するために用いた前記解読情報とは異なる解読情報と対応付けるとともに、前記通信経路のいずれかであって、前記暗号化情報毎に異なる前記通信経路に対して、前記暗号化情報及び前記解読情報の組を送出する送信手段からなる第1の伝達手段と、
    前記着信部に設けられ、
    前記通信経路の各々に送出された前記暗号化情報及び前記解読情報の組の各々を受信する受信手段、
    前記暗号化情報の各々を、当該暗号化情報を生成するために用いられた前記解読情報により復号して、前記通信経路の数と同じ数の前記所定の情報を取得する復号手段、及び、
    前記通信経路の数と同じ数の前記所定の情報を互いに比較して、全てが同じ場合は当該所定の情報が正しい情報であると判断し、少なくも一つが他と異なる場合は当該所定の情報が不正な情報であると判断する判断手段からなる第2の伝達手段と、を有することを特徴とする情報伝達システム。
  2. 前記複数の通信経路のうち、少なくとも一つの通信経路は有線の通信媒体であり、残りの通信経路の少なくとも一つは無線の通信媒体であることを特徴とする請求項1に記載の情報伝達システム。
  3. 前記送信手段は、前記複数の通信経路のうち予め決められた少なくとも2つの通信経路に対して前記暗号化情報及び前記解読情報の組の各々を略同時に送出し、
    前記判断手段は、前記受信手段が前記予め決められた少なくとも2つの通信経路において、前記暗号化情報及び前記解読情報の組を略同時に受信しなかったときは、前記所定の情報が不正な情報であると判断するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報伝達システム。
  4. 前記送信手段は、前記複数の通信経路のうち予め決められた少なくとも2つの通信経路に対して前記暗号化情報及び前記解読情報の組を異なる送出開始時刻となるように所定の順序で送出し、
    前記判断手段は、前記受信手段が前記予め決められた少なくとも2つの通信経路において、前記暗号化情報及び前記解読情報の組を前記所定の順序で受信しなかったときは、前記所定の情報が不正な情報であると判断するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報伝達システム。
  5. 前記送信手段は、前記複数の通信経路のうちの予め決められた少なくとも2つの通信経路に対して前記暗号化情報及び前記解読情報の組を所定の繰り返し回数となるように送出し、
    前記判断手段は、前記受信手段が前記予め決められた少なくとも2つの通信経路において、前記繰り返し回数の前記暗号化情報及び前記解読情報の組を受信しなかったときは、前記所定の情報が不正な情報であると判断するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報伝達システム。
  6. 前記発信部と前記着信部との間に復号部を有し、
    前記第2の伝達手段のうち前記復号手段は、前記復号部に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報伝達システム。
  7. 前記発信部と前記着信部との間に配置された中継部に設けられ、
    前記複数の通信経路のうちの少なくとも2つの通信経路から前記暗号化情報及び前記解読情報の組を受信し、前記暗号化情報及び前記解読情報を異なる組み合わせにした後、各々の前記暗号化情報及び前記解読情報の組を前記通信経路に送出する組み合わせ変更手段を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の情報伝達システム。
  8. 前記中継部に設けられた前記組み合わせ変更手段を複数有することを特徴とする請求項7に記載の情報伝達システム。
  9. 遊技の制御を行うメイン制御手段と、
    前記遊技に対する演出を行うサブ制御手段と、
    前記メイン制御手段を前記発信部とし、前記サブ制御手段を前記受信部として、前記メイン制御手段から前記サブ制御手段に対して所定の情報を送信する請求項1〜8のいずれか一項に記載の情報伝達手段と、を有することを特徴とする遊技機。
  10. 遊技機と、
    前記遊技機を管理するホールコンピュータと、
    前記ホールコンピュータ及び前記遊技機のいずれか一方を前記発信部とし、他方を前記受信部として、前記一方から前記他方に対して所定の情報を伝達する請求項1〜8のいずれか一項に記載の情報伝達手段と、を有することを特徴とする遊技システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015054165A (ja) * 2013-09-13 2015-03-23 株式会社三洋物産 遊技機
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