以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。
<スロットマシンの構成>
図1は、遊技用装置の一例となるユニットおよび遊技機の一例となるスロットマシンを示す正面図である。
図1を参照して、遊技場内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、スロットマシン(以下、S台と略称する)2Sが併設されており、そのS台2Sの所定側の側方位置に該S台2Sに対して遊技用装置の一例のユニット(以下CUと略称する)3が1対1に対応設置されている。
S台2Sの内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が透視窓10から見えるように配置されている。
図2は、リール2L、2C、2Rに配列された図柄を示す図である。リール2L、2C、2Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「黒チェリー」、「白チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓10において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図3参照)によって回転する。これにより、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓10に連続的に変化しつつ表示される。また、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓10に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33R(図3参照)と、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED(図示せず)と、が設けられている。また、リールLEDは、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
透視窓10よりも下方の所定位置からは奥から手前側へと緩やかに傾斜する傾斜面14が形成され、そこからさらに手前側に張り出すように操作部9が形成されている。操作部9の上面には1BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、メダル点使用スイッチ12、コイン投入口13が設けられ、操作部9の手前側側面にはスタートスイッチ7(スタートレバー)、ストップスイッチ8L,8C,8R、および貸出スイッチ321、持点スイッチ324、再プレイスイッチ319、クレジット精算スイッチ11a、メダル点精算スイッチ11bが設けられている。コイン投入口13は、遊技者がここから後述するコインを投入するものであり、投入指示表示部(図示せず)が点灯しているときにコインの投入がコイン認識基板331(図3参照)によって検出されると、コインに記録されている残高や持点が特定され貸出スイッチ321、持点スイッチ324などの操作が可能となる。
傾斜面14には第1表示器54が取り付けられている。この第1表示器54の表示面は正面から見て奥行き方向に傾斜しており、その奥行き方向を有効活用して、画面サイズが大きい第1表示器54を取付けられるように工夫されている。また、画面が傾斜しているため、遊技者がその画面を見易くなるという効果も奏される。第1表示器54はタッチパネル式の液晶表示装置である。第1表示器54の表示画面には、表示面に対する遊技者からの指示(たとえば、タッチ操作)を検出し、当該位置(たとえば、タッチ操作された位置)を特定するためのタッチパネル(図示省略)が設けられている。第1表示器54には、ゲームにおいて設定されたメダル点の賭数、入賞発生時に獲得したメダル点である獲得点数、その他の各種の情報が表示される。
操作部9の下方には、第2表示器55が設けられている。第2表示器55も第1表示器54と同様にタッチパネル式の液晶表示装置が採用されている。メダルを用いて遊技が行なわれるメダル払出し方式のスロットマシンの場合には、第2表示器55に対応する箇所にその機種のキャラクタなどのデザインが施された前面パネルが取り付けられている。第2表示器55には、そのような前面パネルに表示されるキャラクタなどの他、その機種の入賞役の説明、ゲーム方法、あるいは攻略情報など、様々な情報が表示される。
S台2Sは、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターコイン(一般コインとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員コインをコイン投入口13に投入することで受付ける。ビジターコインや会員コインはICが埋め込まれたコイン型のカードで構成されている。コイン投入口13に投入された会員コインやビジターコインがリーダライタ(図示省略)に受付けられ、そのコインに記録されている情報を、リーダライタを介してコイン認識基板331(図3参照)が読取る。コインの記録情報には、コインIDが含まれる。払出制御部171は、コイン認識基板331が読取ったコインIDを遊技終了まで記憶する。投入されたコインの記録情報(コインID、残高、持点など)をコイン認識基板331が読取って、その読取り情報を払出制御部171のRAMに記憶させる。逆に、コイン認識基板331は、払出制御部171から投入されているコインに書込むデータ(更新後の残高、更新後の持点など)が伝送されたときに、そのデータを、リーダライタを介して投入されているコインに書込む。なお、本実施の形態では、コイン投入口13にコインを投入する例を説明したが、コイン投入口13に代えてカード挿入口とし、当該カード挿入口にICが埋め込まれた長方形型のカードを挿入する構成などでもよい。
それらのコインを受け付けたS台2Sは、コインの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえば残高、持点、あるいは貯メダル等)を“メダル点”に変換する機能を有する。具体的に、払出制御部171は、コインから読出した残高の全部または一部を所定の交換レートでメダル点に変換しRAMに記憶する。コインから読出した遊技価値が持点、あるいは貯メダルの場合、読出した持点、あるいは貯メダルをメダル点として払出制御部171のRAMに記憶する。つまり、コインから読出した持点をメダル点とする場合、コインから読出した持点をS台2Sで記憶する点数と読み替えたに過ぎない。S台2Sでは、メダル点から変換されたクレジットを用いてゲームが行なわれる。ただし、S台2Sでは、クレジットがなく賭数も設定されていない場合、メダル点を用いて直接賭数が設定されゲームが行なわれる。また、メダル点からクレジットへの変換は、単にメダル点の点数をクレジットの点数として記憶する場合も含まれる。
そこで、本実施の形態では、メダル払出し方式ではなく得点付与式を採用することによって不要となったメダル払出関連の構造部分のスペースを有効活用し、前面パネル部分に第2表示器55を設け、ただし、第2表示器55は、図示した位置以外の任意の箇所に設けてもよい。たとえば、第2表示器55を上方のスピーカ52、53の間に設けてもよい。ここで、メダル払出し方式のスロットマシンとは、従来からあるスロットマシンで、物理的に存在するメダルをスロットマシンに投入して賭数を設定し、入賞発生時にメダルが払出される遊技機である。そのため、メダル払出し方式のスロットマシンの場合には、筐体内部にメダルを払い出すためのホッパーが設ける必要がある。一方、得点付与式のスロットマシンとは、物理的に存在するメダルに代えて仮想的なメダル点を用いて賭数を設定し、入賞発生時にメダル点が加算される遊技機である。そのため、メダルを払い出さない得点付与式のS台2Sは、ホッパーが不要であり、また、前面側にメダル投入口やメダル払出し口を設ける必要もない。それゆえ、メダル投入口からホッパー、あるいはホッパーからメダル払出し口へとメダルを案内するための流路構造を設ける必要もない。
操作部9に設けられた各種の操作手段について説明する。1枚BETスイッチ5は、メダル1枚分に相当する「クレジット=1」を用いて賭数を設定する際に操作されるスイッチである。MAXBETスイッチ6は、遊技状態に応じて定められた最大の賭数(たとえば、BB発生前の通常遊技状態およびリプレイの当選確率が高確率となるRT(Replay Time)においては「クレジット=3」、ボーナスにおいては「クレジット=2」)を設定する際に操作されるスイッチである。
スタートスイッチ7は、賭数設定後にリールを回転開始させるためのスイッチである。ストップスイッチ8L、8C、8Rは、回転中のリールを停止操作するためのスイッチであり、8Lが左、8Cが中、8Rが右のそれぞれのリールに対応する。
メダル点使用スイッチ12は、メダル点を使用する際に操作されるスイッチである。クレジット精算スイッチ11aは、クレジットを計数してメダル点に変換する際に操作されるスイッチである。メダル点精算スイッチ11bは、メダル点を計数して持点に変換する際に操作されるスイッチである。なお、払出制御部171のRAMに記憶されている持点が更新される度に、投入されたコインの記録も更新される。しかしながら、これに代えてメダル点を計数して持点に変換した場合に、払出制御部171のRAMに記憶されている持点が更新されるだけで投入されたコインに記録されず、後述する返却スイッチ322が押下されたときに投入されたコインに記録されてもよい。
操作部9の手前側側面には、さらに、貸出スイッチ321と返却スイッチ322とが設けられている。貸出スイッチ321は、投入されたコインに記録されている残高を引落としてメダル点を得るための操作(メダル点への変換操作)を行なうスイッチである。返却スイッチ322は、遊技者が遊技を終了するときに操作され、投入されているコインに遊技終了時の確定した持点数(コイン投入時の持点数−持点からメダル点(遊技点)への変換数+精算操作によって計数された点数)を記憶させて排出するための操作スイッチである。返却スイッチ322の操作により、投入されているコインをコイン投入口13から排出してもよいが、S台2Sの下部に設けた返却口(図示せず)から投入されているコインを排出してもよい。
持点スイッチ324を操作した場合、投入されたコインに記録されている持点数の一部または全部が引落とされてメダル点に変換される。なお、コイン投入時に、コインに記録されている持点数の一部または全部を自動的にメダル点に変換してもよい。
再プレイスイッチ319を操作した場合、ホール用管理コンピュータ等に記録されている貯メダルの一部が引落とされてメダル点に変換される。
ここで、「メダル点」とは、賭数設定に使用可能であるとともに、「クレジット」および「持点」に変換可能なデータである。「メダル点」は、コインの残高、持点、あるいは貯メダルを引落とすことと引き換えにして生成される。
「持点」とは、遊技者が遊技機により遊技を行なった結果遊技者の所有となったメダル点数を計数変換したものである。この「持点」は、遊技者のコインによって特定可能に記録される。なお、持点数を遊技場に設定された持点数管理用の管理装置で管理してもよい。
「貯メダル」とは、遊技場に預入れられた持点である。遊技者が遊技で獲得した持点は、当日中は持点として管理されるが、獲得した翌日以降は「貯メダル」として管理される。すなわち、遊技場において当日遊技者が獲得して計数したメダル点数を「持点」と言い、前日以前に遊技者が獲得して遊技場に預入れられた持点を「貯メダル」と言う。この「貯メダル」は、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
以上の「残高」、「貯メダル」、「持点」、「メダル点」、「クレジット」の各データの変換可能方向を矢印で表すと、「『残高、貯メダル、持点』→『メダル点』→『クレジット』→『メダル点』→『持点』→『貯メダル』」となる。このため、たとえば、「残高、貯メダル、持点」と「クレジット」との間での直接変換はできない。なお、「クレジット」を設けずに、「メダル点」から直接、賭数設定を行う構成であってもよい。
本実施形態では、貯メダルデータは会員コインに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の上位サーバに会員コイン番号と対応付けて記憶させ、会員コイン番号に基づいて対応する貯メダルを検索できるように構成されている。一方、持点は、コインに直接記録している。
しかし、両者ともに上位サーバにコイン番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターコインの場合も、持点は、ビジターコインに直接記録している。しかし、持点を上位サーバにコイン番号と対応させて記憶させてもよい。この上位サーバにコイン番号と対応させて記憶させる際に、上位サーバに記憶させた時刻を特定できるデータをコイン(会員コイン、ビジターコイン)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残高についてはコイン(会員コイン、ビジターコイン)に直接書込んで排出する。
なお、持点を、コイン(会員コイン、ビジターコイン)、または上位サーバに記憶させるタイミングは、たとえば、メダル点精算スイッチ11bが操作されて計数処理が行なわれるタイミングである。しかしながら、これに代えて、コインを返却するときに一括して記録させるようにしてもよい。なお、コインは、使用できる店舗または店舗グループに限定してもよい。例えば、コインに使用可能な鍵情報(店舗コードなど)を記憶させておき、当該コインをS台2Sに投入するとS台2Sに予め記憶してある鍵情報(店舗コードなど)と一致するか否か、または所定の関係(同じ店舗グループなど)であるか否かを判断して遊技可能にするようにしてもよい。
以上、説明したように、本実施の形態に係るS台2Sによれば、コインで特定される持点を用いてメダル点が付与され、そのメダル点をクレジットに変換し、さらにはクレジットを用いて賭数設定が可能となるため、メダルの貸し出しを受けて、そのメダルを投入してクレジットを確保し、そのクレジットを用いて賭数設定が行なわれるような旧来のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、メダルを用いることがない新たなスロットマシンによる遊技を提供できる。
次に、S台2Sにおけるゲームの流れについて説明する。S台2Sにおいてゲームを行なう場合には、まず、コイン投入口13に投入したコイン(会員コイン、ビジターコイン)からメダル点を確保する。貸出スイッチ321または持点スイッチ324を操作してメダル点を確保する操作は、メダル払出し方式のスロットマシンにおいて、現実のメダルの貸出を受けることに対応する操作である。つまり、メダル払出し方式のスロットマシンにおいて貸し出される現実のメダルが、本実施の形態におけるメダル点に対応する。
メダル点を用いて賭数を設定するためには、メダル点使用スイッチ12を1回押圧する。すると主制御部161は、賭数を1追加し、メダル点を1減算させる。賭数が上限に達してからさらにメダル点使用スイッチ12を操作すると、操作の度にメダル点が1減算されてクレジットが1加算される。
本実施の形態では、メダル点およびクレジットの上限が定められており、メダル点は10万点まで、クレジットは50点までそれぞれ保持可能で、クレジット数が50に達してからメダル点使用スイッチ12を押してもクレジット数およびメダル点は変化しない。なお、クレジットの上限を50としてあるのは、旧来のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることなく遊技を行えるようにするためであり、クレジットの上限を設けなくてもよい。
クレジットが存在する状態で1BETスイッチ5を操作すると賭数が1追加されてクレジットが1減算される。また、クレジットが存在する状態でMAXBETスイッチ6を操作すると、クレジットの範囲で賭数が最大数になるように追加設定され、クレジットがその追加設定分だけ減算される。
賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5のうち賭数および遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
ここで、入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓10に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。なお、入賞ラインは、L1〜L5に示すラインに限らず、他のラインであってもよい。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓10に表示結果が導出表示される。
全てのリール2L、2C、2Rが停止することで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。
入賞が発生すると、その入賞に応じて定められた点数が遊技者に対して付与される。この点数は、クレジットが上限値に達するまではクレジットに加算される。クレジットが上限値に達して以降は、メダル点に加算される。本実施の形態では、そのような態様で点数の加算動作を行なうため、上限値に達するまでクレジット加算してそれ以降はメダルを払い出すメダル払出し式のスロットマシンの動作に対応する動作を実現できる。
クレジットは、クレジット精算スイッチ11aを操作することによって、その一部または全部を計数し、メダル点に変換することができる。メダル点に変換することによって、メダル点の一部を他の遊技者に分け与えるようなメダル点共有処理や、メダル点をジュースなどと交換できるワゴンサービスを受けることが可能となる。
クレジット精算スイッチ11aを長押し操作(たとえば、3秒以上の操作)すると、全クレジットが計数されてメダル点に変換される。一方、クレジット精算スイッチ11aを長押し操作検出時間に満たない時間だけ操作(以下、これを“短押し操作”と称する)すると、1回の操作でクレジット1点のみが計数されてメダル点1点に変換される。なお、短押し操作1回で2点あるいはそれ以上の複数点が計数されるようにしてもよい。
メダル点は、メダル点精算スイッチ11bを操作することによって、その一部または全部を計数し、持点に変換することができる。持点に変換することによって、遊技終了時にはその持点をコイン(会員コイン、ビジターコイン)に記録することが可能となる。
メダル点精算スイッチ11bを長押し操作(たとえば、3秒以上の操作)すると、全メダル点が計数されて持点に変換される。一方、メダル点精算スイッチ11bを長押し操作の検出時間に満たない時間だけ操作(以下、これを“短押し操作”と称する)すると、1回の操作でメダル点1点のみが計数されて持点1点に変換される。なお、短押し操作1回で2点あるいはそれ以上の複数点が計数されるようにしてもよい。
<ユニットの構成>
次に、引き続き図1を参照して、本実施の形態に係るユニットの構成を説明する。このCU3は、S台2Sの払出制御基板17(図3参照)とセキュリティを確保しながら通信を行なうためのセキュリティ基板325(図3参照)が設けられている。そして、S台2Sの払出制御基板17と主制御基板16との相互認証に必要な相互認証情報を払出制御基板17に提供する。さらに、CU3は、入金金額を書込んだコイン(会員コイン、ビジターコイン)払出すコイン払出機333(図3参照)を含んでいる。コイン払出機333は、入金金額をビジターコインの残高として書込んで払出すか、遊技者が所有している会員コインをコイン挿入/排出口に挿入して会員コインの残高に書込んで払出す。なお、コイン払出機333をCU3に設けず、1つの遊技島に対してコイン払出機333を1台設ける構成でも、ホールの所定の場所にコイン払出機333を複数台設ける構成でもよい。
CU3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部305、会員コインの挿入、会員コインやビジターコインを排出するためのコイン挿入/排出口309などが設けられている。このコイン挿入/排出口309に挿入された会員コインがリーダライタ(図示省略)に受付けられ、紙幣挿入口302に紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額の情報が会員コインに書込まれて、コイン挿入/排出口309から会員コインが排出される。一方、ビジターコインの場合、紙幣挿入口302に紙幣が挿入されると、挿入された紙幣の金額の情報が予め用意されている空のビジターコイン(情報が記録されていないビジターコイン)に書込まれて、コイン挿入/排出口309から書込まれたビジターコインが排出される。
前述の突出部305には、遊技者と対向する面に表示器312が設けられ、突出部305の上側には、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力するIR感光ユニット320が設けられている。
表示器312は、コイン払出機333の表示器として必要な情報を表示可能で、かつS台2S側の第1表示器54と同様に、コイン投入口13に投入された遊技用記録媒体(コイン)に記録されているプリペイド残高(コイン残高または単に残高とも言う)や、メダル点、クレジット、その他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されている。表示器312の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器334(図3参照)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
<ユニットとスロットマシンとの構成>
図3は、CU3とS台2Sとの構成を示すブロック図である。図3を参照して、CU3とS台2Sとの制御回路の概略を説明する。
CU3にはS台2S側への接続部327が設けられており、S台2SにはCU3側への接続部328が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタ等で構成されている。CU3とS台2Sとは、接続部327−328間を接続する通信ケーブル329で接続されている。
CU3とS台2Sとでは、この通信ケーブル329を介して、S台2Sの払出制御基板17と主制御基板16との相互認証に必要な相互認証情報を払出制御基板17に提供する。また、CU3とS台2Sとでは、この通信ケーブル329を介して、第1表示器54および第2表示器55の情報が表示制御部350に送信される。
CU3には、マイクロコンピュータ等から構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323には、S台2Sの払出制御基板17とセキュリティを確保しながら通信を行なうため、およびS台2Sの払出制御基板17と主制御基板16との相互認証に必要な相互認証情報を払出制御基板17に提供するためにセキュリティ基板325が設けられている。CU3側のセキュリティ基板325とS台2S側の払出制御基板17とは、接続部327,328および通信ケーブル(接続配線)329を介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325には、セキュリティ基板325と払出制御基板17との通信を制御するための通信制御IC325aと、S台2Sのセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bとが設けられている。
前述した貨幣識別器334により紙幣の真贋および種類が識別されてその識別結果信号がCU制御部323に入力される。CU制御部323は、貨幣識別器334からの識別結果信号に基づき、コイン払出機333に対して入金金額をコインに書込むように制御する。コイン払出機333は、CU制御部323の制御に基づき、入金金額をコインに書込みコイン挿入/排出口309からコインを排出する。また、遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320が受光すれば、その受光信号がCU制御部323に入力される。
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の各種の遊技データを払出制御基板17から受信してもよい。また、第1表示器54から残高、持点、メダル点、クレジット等のデータが表示制御部350に出力され、表示制御部350で表示用データに変換される。CU側の表示器312に対し、表示制御部350で変換した表示用データが出力され、その出力された表示用データを表示器312が表示する。その結果、可変表示装置(リール2L,2C,2R)と操作部9との間に設けられた第1表示器54に表示された残高、持点、メダル点、クレジット等のデータが、CU側の表示器312にも表示される。また、表示器312の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力され、S台2Sに送信されてもよい。S台2Sは、受信した操作信号に基づき所定の操作が実行されてもよい。
CU制御部323には、通信制御装置であるT−BOX(ターミナルボックス)400を介して、ホールに設置されたホール用管理コンピュータやホールの外部で各ホールを集中管理する管理サーバ800と通信を行なうための通信制御部326が設けられている。
T−BOX400と管理サーバ800とは、インターネットを介して接続されている。管理サーバ800は、機種関連情報を記憶しており、CU制御部323が払出制御基板17から受信した、遊技者の各種の遊技データを収集することができる。さらに、管理サーバ800は、CU3内部の電子部品のシリアルID(SIDとも言う)毎に対応付けて、CU制御部323のSIDと認証鍵とを記憶している鍵の管理サーバとしても機能する。
CU制御部323は、貸出操作に伴う残高の使用額を特定可能な残高使用情報を管理サーバ800あるいはホール用管理コンピュータへ送信してもよい。CU制御部323は、持点使用操作に伴う持点の使用数を特定可能な持点使用情報を管理サーバ800あるいはホール用管理コンピュータへ送信してもよい。CU制御部323は、貯メダル使用操作に伴う貯メダルの使用数を特定可能な貯メダル使用情報を管理サーバ800あるいはホール用管理コンピュータへ送信してもよい。
S台2Sには、S台2Sの遊技の進行制御を行なう主制御基板16と、メダル点およびクレジットを記憶する払出制御基板17と、受付けたコインから残高および持点を読出し、メダル点に変換するコイン認識基板331と、第1表示器54と、第2表示器55と、各種操作スイッチと、各リール4L,4C,4Rを駆動するためのリールモータ32L,32C,32Rと、各リール4L,4C,4Rの停止位置を特定するためのリールセンサ33L,33C,33Rと、スピーカ52、53となどが設けられている。
第1表示器54、第2表示器55は、ともにS台2Sに設けた表示制御部(図示せず)に表示されるとともに、CU3側の表示制御部350に表示信号を送信することができる。なお、これに代えて、S台2Sが第1表示器54、第2表示器55の双方または一方を表示制御するものとしてもよい。
主制御基板16には主制御部161である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。主制御部161は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
主制御部161には、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、リールセンサ33L,33C,33R、および設定スイッチ56の検出信号が入力される。
さらに、主制御部161には、メダル点使用スイッチ12と、クレジット精算スイッチ11aと、メダル点精算スイッチ11bとが接続されている。主制御部161には、これらのメダル点使用スイッチ12、クレジット精算スイッチ11a、およびメダル点精算スイッチ11bの検出信号が入力される。主制御部161は、これらの検出信号を払出制御部171へ送信する。
設定スイッチ56は、係員が鍵を用いてS台2Sの前面扉を開けないと操作できないよう、S台2Sの内部に設けられている。この設定スイッチ56を操作することによって、ビッグボーナス後の自動精算の有無、ビッグボーナス後の打止の有無を設定できる。
ビッグボーナス後の自動精算とは、ビッグボーナスが終了した際に自動的に全クレジットをメダル点に計数変換の上、さらには自動的に全メダル点を持点に計数変換する機能である。打止機能との相違は、自動精算後、再び同じ遊技者が遊技を行なうことが許容されている点である。再度遊技を行ないたい遊技者は、持点を引き落とすなどしてメダル点を入手すればよい。このような自動精算機能をONにすることによって、遊技者に対して遊技の一区切りを示し、その台での遊技を終える契機を遊技者に与えることができる。
ビッグボーナス後の打止とは、ビッグボーナスが終了した後に、その台を遊技ができない遊技禁止状態にすることである。本実施の形態では、ビッグボーナス終了後の自動精算が終わり、遊技者のコインを排出した後、打止状態となる。この打止機能をONにすることによって、ビッグボーナス終了後に遊技者が同じ台で続けて遊技することを禁止できる。
打止状態の解除は、設定スイッチ56の操作により行なうことが可能である。係員がS台2Sの設定スイッチ56の操作により打止の解除操作をすると、その信号が主制御部161に入力される。すると、主制御部161は、打止状態(遊技禁止状態)を解除するとともに、解除を通知する信号を払出制御部171へ送信する。払出制御部171はこれを受けて、再度コインを受付可能となる。なお、打止状態の解除操作を行なうための解除操作スイッチを別個にS台2Sに設けてもよい。
主制御部161は、スタートスイッチ7より検出信号が入力されると、リールモータ32L,32C,32Rを回転駆動させるとともに、入賞役の抽選を行なう。
入賞役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役(リプレイ)とがある。
主制御部161は、入賞役の抽選をし、リールを回転駆動させた後、遊技者によるリールの停止操作を待つ。主制御部161は、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転を停止させる。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計で5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に引込んで停止表示させることができる。このようなリールの制御を引込み制御と称する。
このように主制御部161は、停止操作時を基準にして、所定のコマ数範囲に当選役に対応する図柄があればそれを引き込み、なければ、他の図柄を引込む制御を行ない、3つの図柄を停止させ、入賞の有無を判定する。主制御部161は、入賞と判定した場合には、入賞の種類に応じた点数をクレジットまたはメダル点として遊技者に付与する。
主制御部161は、メダル点の加算時に、スピーカ52、53からメダルの払出音を出力する。さらに、メダル点使用スイッチ12が操作されてメダル点が減算される時にはスピーカ52、53からメダルの投入音を出力する。また、主制御部161は、メダル点精算スイッチ11bが操作されてメダル点が計数される際には、スピーカ52、53からメダルの精算音(計数音)を出力する。これらの払出し音、投入音、および精算音は、たとえば、メダル点1点の変動に対して1つの音が出力されるものである。これにより、点数というデータを用いながらも、あたかもメダルの投入・払出し・精算が行なわれているような感覚を遊技者に与えることができる。
払出制御基板17には、払出制御部171である払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御部171は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
払出制御部171には、コイン認識基板331と、再プレイスイッチ319と、貸出スイッチ321と、返却スイッチ322と、持点スイッチ324とが接続されている。払出制御部171は、コイン認識基板331を制御して投入されたコインから記録情報を読出したり、コインに情報を書込ませたりする。
払出制御部171にはメダル点とクレジットとが記憶されており、さらには、メダル点の精算に伴う持点の加算数も記憶されている。主制御部161から払出制御部171へは1枚BETスイッチ5やMAXBETスイッチ6、メダル点使用スイッチ12、クレジット精算スイッチ11a、メダル点精算スイッチ11b、再プレイスイッチ319、貸出スイッチ321、返却スイッチ322、持点スイッチ324などの操作手段の操作を示す情報などが送信される。さらに、主制御部161から払出制御部171へは遊技状態(リール回転開始、リール停止、入賞発生、ビッグボーナス終了など)を示す情報も送信される。
払出制御部171は、主制御部161を介してメダル点使用スイッチ12から入力される検出信号に基づいて、メダル点を減算しクレジット数を加算する、またはメダル点を減算し主制御部161へ賭数設定を指示する情報を送信する。払出制御部171は、主制御部161を介してクレジット精算スイッチ11aから入力される検出信号に基づいて、クレジットを減算し、メダル点を加算する。払出制御部171は、主制御部161を介してメダル点精算スイッチ11bから入力される検出信号に基づいて、メダル点を減算し、その分を持点に加算する。
図4は、第2表示器55に機種関連情報を表示するための制御の概要を説明するための図である。第2表示器55には、S台2Sの機種関連情報が表示される。
この機種関連情報は、S台の各機種に対応する情報である。CU3は、S台2Sから送信されてくる遊技機チップ情報に基づいてS台の機種を特定する。さらに、CU3は、ネットワークによって接続されている管理サーバ800から機種に応じた各種の機種関連情報を受信し、その機種関連情報をS台2Sの第2表示器55に表示する。
以下、図4に基づいて、機種関連情報を表示するためのCU3、S台2S、および管理サーバ800の間での制御について説明する。S台2Sの主制御部161は主制御チップ情報を記憶し、払出制御部171は払出制御チップ情報を記憶している。主制御チップ情報および払出制御チップ情報を併せて遊技機チップ情報という。主制御チップ情報および払出制御チップ情報の各々は、図4に示されるように、チップIDと遊技台メーカコードと遊技台型式コードとを含んでいる。
CU3のセキュリティチップ325bは、電源投入時あるいは任意のタイミングにおいて、通信制御IC325aを介してS台2Sへ遊技機チップ情報を要求する。S台2Sの払出制御部171はCU3からの要求を受けて主制御部161へ主制御チップ情報を要求する。主制御部161は、これを受けて払出制御部171へ主制御チップ情報を送信する。払出制御部171は、主制御部161より受信した主制御チップ情報および自ら記憶している払出制御チップ情報をCU3へ送信する。
CU3のセキュリティチップ325bは、通信制御IC325aを介して遊技機チップ情報(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)を受信し、その遊技機チップ情報をCU制御部323へ送信する。CU制御部323は、受信した遊技機チップ情報を記憶する。
これにより、CU制御部323は、CU3に接続されているS台2Sの機種等(遊技台メーカー、遊技台型式)を特定可能となる。さらに、CU制御部323は、その機種に応じた機種関連情報の送信を管理サーバ800に対して要求する。図3に示したように、CU3には、T−BOX400を介して管理サーバ800と通信するための通信制御部326が設けられており、この通信制御部326を介して管理サーバ800と接続されている。
この管理サーバ800は、たとえば、各社のスロットマシンの機種関連情報を機種別に管理する管理装置でもある。本サーバは、たとえば、スロットマシンのメーカ各社の管理コンピュータと接続されており、各社から機種関連情報を収集して記憶している。あるいは、管理サーバ800は、スロットマシンのメーカ各社に設置された複数台のサーバであってもよい。
図4に示したように、管理サーバ800には、機種のキャラクタ画像のデータ、機種紹介用の動画のデータ、入賞図柄の説明用データ、攻略方法など、様々な機種関連情報が記憶されており、メーカ各社からの情報提供によって、その情報の内容が日々更新されている。管理サーバ800は、CU3からの要求に応じた機種の機種関連情報をCU3へ送信する。
CU制御部323は、通信制御部326を介して機種関連情報を受信する。CU制御部323は受信した機種関連情報を表示制御部350へ送信する。表示制御部350は、この機種関連情報の表示制御情報を、接続部327を介してS台2Sに送信する。S台2Sは、この表示制御情報を、接続部328を介して受信し、その受信情報は第2表示器55に入力される。第2表示器55は、その受信情報に従い、機種関連情報を画面に表示する。このように、第2表示器55は、CU3で表示制御するため、表示制御に関するS台2S側の処理負担を軽減できる。もちろん、表示制御部350は、S台2Sの表示制御部に表示制御情報を送信し、S台2Sの表示制御部が受信した当該表示制御情報に基づき第2表示器55の表示制御を行ってもよい。
なお、第2表示器55の表示画面にはタッチパネルが設けられているため、タッチパネルを利用して、機種関連情報に対する遊技者の応答を入力できるようにしてもよい。たとえば、機種に関するアンケートなどの入力受付画面に表示し、入力受付画面への遊技者の入力結果を、表示制御部350を介してCU制御部323が収集できるようにする。この場合、CU制御部323は、遊技者の入力結果を管理サーバ800へ送信するものとし、管理サーバ800はこれを集計できるようにしてもよい。
以上のように構成することで、CU3は、T−BOX400を介した管理サーバ800との通信に用いる通信制御部326を利用して、サーバから機種関連情報を入手できるため、CU3の通信制御部326を有効利用して、S台2Sに様々な機種関連情報を表示可能となる。
また、S台2Sは、通信により得られる数多くの機種関連情報を表示できるために、特定の機種関連情報が予め描かれた表示パネルを前面に設けた場合よりも多種多様な機種関連情報を遊技者に知らせることができる。しかも、機種関連情報は、CU3に設けられたT−BOX400との通信部、およびS台2SとCU3との接続部327、328間の既存の接続構成を利用して取得できるため、外部の装置と通信して機種関連情報を得るための専用の通信部をS台2Sに設ける必要がなく、S台2Sのコストダウンを図ることができる。
さらに、S台2Sは、CU3に対して払出制御部171および主制御部161に記憶されたチップ情報を送信することによって、機種をCU3に特定させるため、S台2Sの機種をわざわざホールの係員などがCU3に入力するなどの手間を省くことができる。
なお、上記の構成では、機種を特定するためのチップ情報は、払出制御部171および主制御部161の夫々に記憶しているが、一方のみに記憶させてもよい。あるいは、双方に記憶しつつも、機種特定のためにはいずれか一方の情報のみをCU3へ送信するようにしてもよい。
<ユニットおよびスロットマシンに発生した異常の通知処理>
図5は、相互認証の結果、異常を検知した場合の通知処理を説明するための説明図である。
図5を参照して、CU制御部323、セキュリティ基板325、払出制御部171、あるいは主制御基板16において異常が発生した場合には、図5の矢印で示す方向に対して通知が行なわれる。ここで言う異常には、CU制御部323、セキュリティ基板325、払出制御部171、あるいは主制御基板16を、不正に製造された他のものに差し替えるとか、あるいはノイズ等により誤作動したり故障したりした場合や、断線等によるオフライン状態などが含まれる。図5に示される管理サーバ800は、CU3内部の電子部品のシリアルID(SIDとも言う)毎に対応付けて、CU通信制御部のSIDと認証鍵とを記憶している鍵の管理サーバである。また、管理サーバ800は、主制御基板16と互いに通信可能なサーバである。
まず、CU3のセキュリティ基板325により異常が発生した場合には、前述したCU制御部323とセキュリティ基板325との間で行なわれる相互認証の結果、CU制御部323が異常を検知する。この相互認証では、後述するシリアルID認証と機器認証の他に、セッション鍵による機器認証も含まれている。
シリアルIDは、セキュリティ基板325のシリアルID(基板シリアルID)であり、セキュリティ基板325のセキュリティチップ325bを製造する段階において、該セキュリティチップ325bのROMに記憶されている。また、CU3が遊技場に搬入された後、ホールサーバ801に接続されたときに、管理センタの管理サーバ800からホールサーバ801経由で基板シリアルIDがダウンロードされてCU制御部323に記憶される。
CU制御部323がセキュリティ基板325の異常を検知した場合、CU制御部323はホールサーバ801にその旨を通知するとともに、CU3の表示制御部350に異常報知コマンドを送信する。CU制御部323は、表示器312に異常発生した旨の表示を行なう制御を表示制御部350に行なわせるとともに、異常報知ランプ(図示せず)を点灯または点滅させて異常報知を行なう。さらに、CU制御部323は、外部通信部からホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
CU3のCU制御部323により異常が発生した場合には、前述した相互認証によりセキュリティ基板325が異常発生を検知し、その旨を示す信号(異常通知信号)を払出制御部171に通知する。払出制御部171はそれを受けて異常発生した旨を主制御基板16へ通知する。主制御基板16は、前述と同様に、異常報知ランプを作動させる制御を行なうとともにホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
セキュリティ基板325が払出制御部171の異常を検知した場合には、その旨をCU制御部323へ通知し、CU制御部323がその旨をホールサーバ801へ通知する。
このように、セキュリティ基板325は、CU制御部323の異常を検知したときにはその旨を払出制御部171へ通知する一方、払出制御部171の異常を検知したときには、その旨をCU制御部323へ通知するものであり、セキュリティ基板325による異常発生の通知先がそれぞれ異なる。その理由は、異常が発生した制御部に対して異常が発生した旨を通知しても、何ら異常報知のための制御が行なわれず、異常防止対策にはならないためである。しかも、セキュリティ基板325は、通信制御の機能は有しているものの異常報知制御の機能は有していない。よって、自ら異常報知の制御が行なえず、そのために必ず異常が発生した制御部とは反対側の制御部の方向に異常発生した旨の通知を行なうのである。なお、セキュリティ基板325からの異常発生の通知を受けた払出制御部171は、その旨を主制御基板16へ通知する。主制御基板16はその通知を受けて、前述と同様の異常報知のための制御を行なう。
払出制御部171に異常が発生した場合には、その旨がセキュリティ基板325により検知され、異常が発生した旨がCU制御部323へ通知され、CU制御部323は前述した異常報知制御を行なうとともにホールサーバ801へ異常が発生した旨を通知する。また、払出制御部171に異常が発生した場合には、主制御基板16が異常発生した旨を検知し、その通知を受けて前述した異常発生報知用の制御を行なう。
払出制御基板17は、前述したように、セキュリティ基板325に異常が発生した場合にはそれを検知して主制御基板16へ通知する一方、主制御基板16に異常が発生した場合にはそれを検知してセキュリティ基板325へ異常が発生した旨を通知する。この払出制御基板17も、前述したセキュリティ基板325と同様に、異常が発生した旨を検知した場合にはその異常が発生した制御部に対して通知を行なっても異常報知用の制御が行なわれないために、異常が発生した制御部とは反対側の制御部あるいは制御基板に通知を行なう。なお、セキュリティ基板325と払出制御基板17とは、異常報知ランプや異常報知用表示器等の異常報知手段が接続されておらず、異常を検知しても自ら異常報知制御する機能を有していない。なお、上記の説明では、セキュリティ基板325と払出制御基板17とは、異常報知ランプや異常報知用表示器等の異常報知手段が接続されておらず、異常を検知しても自ら異常報知制御する機能を有していないこととして説明したが、セキュリティ基板325と払出制御基板17とに異常報知の機能を設け、直接異常を発生した旨を通知させてもよい。
<ユニット側とスロットマシン側との送受信態様>
次に、図6は、CU3側とS台2S側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図6を参照して、CU(ユニット)3側とS台(スロットマシン)2S側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施の形態においては、S台2S側において遊技点数(メダル点数)の変動を算出して現在の最新の遊技点数を記憶・管理している。一方、持点数(コイン持点数)や貯メダル数、コイン残額(残額)も、S台2S側において管理・記憶している。
図6では、CU3側のCU制御部323に設けられているRAMの記憶データと、S台2S側の払出制御基板17に搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、S台2SとCU3とが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、S台2S側の払出制御基板17は、主制御基板16からメインチップID(主制御チップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3側に送信するとともに、払出制御基板17自体が記憶している払出チップID(払出制御チップID)をCU3側へ送信する。
CU3側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちCU3側とS台2S側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがCU3側からS台2S側へ送信され、S台2S側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
この状態で、メインチップID、払出チップIDおよびCU3側で識別された接続時刻の3つの情報がCU3側とS台2S側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、S台2S側からCU3側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
CU3側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じS台2Sが接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にCU3側とS台2S側との通信が開始された新たな接続時刻データがCU3側からS台2S側へ送信されてその新たな接続時刻データをS台2S側において記憶することとなる。
CU3およびS台2Sの双方は、電文に「通番(シーケンスナンバー)」を付加して送信する。また、CU3およびS台2Sの双方は、相手から受信した「通番」を記憶する。「通番」には、「通常通番(通常シーケンスナンバー)」、「加算通番(加算シーケンスナンバー)」および「計数通番(計数シーケンスナンバー)」の3種類がある。「通常通番」は、電文のシーケンス番号を示す。「通常通番」は、CU3側(一次局側)が初期値を「1」として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、「通常通番」をカウントアップしない。S台2S側(二次局側)は受信した通番をそのまま送信する。なお、通番の連続性が成立しない場合は無応答となる。「加算通番」はCU3がS台2Sに対してデータの加算を要求する際に用いられる通番である。「計数通番」は、S台2SがCU3に対してデータの計数を要求する際に用いられる通番である。
通常通番の更新権はCU3のみが有する。CU3は、送信した通常通番と同じ通常通番が返信されてきたときに、通常通番をバックアップ記憶した上で、更新した通常通番を送信する。加算通番の加算更新権はCU3のみが有する。CU3は、加算要求をする場合には、それまで通信に用いていた加算通番に+1した加算通番をS台2Sへ送信する。S台2Sは、要求を承諾するときには、同じ加算通番を返信する。要求を拒否するときには、前回、受信した加算通番(今回受信した加算通番−1)を返信する。計数通番の加算更新権はS台2Sのみが有する。S台2Sは、計数要求をする場合には、それまで通信に用いていた計数通番に+1した計数通番をCU3へ送信する。CU3は、要求を承諾するときには、同じ計数通番を返信する。要求を拒否するときには、受信した計数通番(今回受信した計数通番−1)を返信する。
以下では、「通常通番」について、CU3が送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する構成について説明する。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、S台2SおよびCU3のそれぞれが、またはS台2Sが送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信し、他方は受信した通番をそのまま送信する構成であってもよい。
また、「加算通番」および「計数通番」は、それぞれ、加算要求の処理および計数要求の処理においてカウントアップされる特別な通番である。以下では、この「加算通番」および「計数通番」がカウントアップされる際、「通常通番」もカウントアップする構成について説明する。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、「加算通番」および「計数通番」がカウントアップされる際に「通常通番」のカウントアップを停止する構成であってもよい。なお、以下では、「通常通番」を単に「通番」と称する。また、「加算通番」および「計数通番」を併せて「要求通番」とも称する。
S台2S側では、主制御部161と払出制御部171との間で最新遊技台情報(カウント中の遊技台情報)が送信される。この最新遊技台情報は、S台2S側の主制御部161(図3参照)のRAMの最新遊技台情報記憶領域に記憶されている。具体的には、加算数カウンタの情報と、減算数カウンタの情報と、計数遊技持点数カウンタの情報とが含まれる。なお、遊技点(メダル点)数は、最新遊技台情報に含まれず、後述するように遊技点数カウンタのカウント値として主制御部161側から払出制御部171側へ送信している。しかし、これに代えて、あるいは遊技点数カウンタに加えて、遊技点数も最新遊技台情報に含めてもよい。
これらのカウンタの情報が、まとめてレスポンスとして払出制御部171側へ送信される。加算数カウンタは、遊技点(メダル点)に加算する加算数をカウントするカウンタである。加算数は、入賞の発生により払い出された(入賞の発生により遊技点数に加算された)「払出点数」である。つまり、加算数とは、加算数カウンタが遊技点数に加算すべき数を示す。減算数カウンタは、遊技点(メダル点)から減算する減算数をカウントするカウンタである。減算数は、「賭数」である。つまり、1BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作することで賭数として追加された数である。なお、「減算数」には、「計数遊技持点数」は含まれない。計数遊技持点数カウンタは、遊技点(メダル点)から持点へ精算する計数遊技持点数をカウントするカウンタである。計数遊技持点数は、「計数操作(メダル精算操作)によって遊技点から持点に変換された点数」である。ここで、「払出点数」は、入賞の種類に応じた数の遊技点数である。
たとえば、主制御部161が入賞と判定した場合には、その入賞情報に基づいて遊技点を加算すべき加算数を加算数カウンタがカウントし、その加算数カウンタの値(加算数)を主制御部161側から払出制御部171側へ送信する。また、1BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作したことに基づいて減算数カウンタが賭数を減算数としてカウントし、その減算数カウンタの値(減算数)を主制御部161側から払出制御部171側へ送信する。
あるいは、払出制御部171は、メダル点精算スイッチ11bの押下により、遊技点数を計数遊技持点数としてカウントし、その計数遊技持点数カウンタの値(計数遊技持点数)を主制御部161側から払出制御部171側へ送信する。
主制御部161側においては、加算数カウンタ、減算数カウンタ、および計数遊技持点数カウンタの値を払出制御部171側へ送信する毎に、それらカウント値を前回遊技台情報記憶領域(主制御部161のRAM等)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、最新遊技台情報としての加算数カウンタ、減算数カウンタ、および計数遊技持点数カウンタの値を0クリアする(遊技点数カウンタを除く)。なお、本実施の形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技台情報(直前に送信した遊技台情報)の記憶エリアに、直前に払出制御部171側に送信した遊技台情報である、加算数、減算数、および計数遊技持点数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、主制御部161側から払出制御部171側へ最新遊技台情報が送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。この前回遊技台情報に、直前に送信した遊技点数をさらに加えて記憶するようにしてもよい。
また、主制御部161は、入賞の発生、賭数の設定、および計数遊技持点数の発生(遊技点から持点への変換)に応じて、遊技点数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技点数カウンタの値を遊技点数として払出制御部171側に送信する。
払出制御部171側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技点数、コイン持点数(単に、持点数とも言う)、貯メダル数、残額、総加算数(加算数累計)、総減算数(減算数累計)、およびコイン投入時持点数を記憶している。なお、コイン持点数は、コイン投入時持点数から持点払出数(コイン持点数から遊技点数に変換した点数)を減算し、計数遊技持点数を加算した点数である。つまり、コイン持点数は、現時点でコインに記録され遊技者が所有している持点数である。
主制御部161側から送信されてきた加算数カウンタの値(加算数)に基づいて総加算数を加算して点数を更新する。また、主制御部161側から送信されてきた減算数カウンタの値(減算数)に基づいて総減算数を減算して点数を更新する。さらに、主制御部161から送信されてきた計数遊技持点数カウンタの値に基づいてコイン持点数を加算して更新する。このように、払出制御部171は、主制御部161より逐一送信されてくる最新遊技台情報によって総加算数、総減算数、コイン持点数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
払出制御部171は、図示のとおり、遊技点を記憶する領域を備えているとともに、主制御部161側から遊技点数カウンタのカウント値(遊技点数または遊技点トータル個数情報とも言う)も受信している。払出制御部171は、遊技点を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、払出制御部171は、主制御部161側から送信されてきた加算数カウンタの値(加算数)、減算数カウンタの値(減算数)、および計数遊技持点数カウンタの値に基づいて、記憶している遊技点数を更新するとともに、同じタイミングで主制御部161側から送信されてきた遊技点数カウンタのカウント値と、更新後の遊技点数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行なう。
その結果、たとえば、異常報知ランプや第1表示器54によりエラー報知が行なわれ、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、主制御部161側で記憶している遊技点数を払出制御部171側から送信されてきた遊技点数カウンタのカウント値に置き換えるようにしてもよい。または、それに代えて、主制御部161側で管理している遊技点数と、払出制御部171側で記憶している遊技点数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施の形態では、払出制御部171側にも遊技点数を記憶させているが、その遊技点数が主制御部161側で管理記憶している遊技点数と整合するか否かの判定を行なえるようにしている(払出制御部171側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、主制御部161側で記憶している遊技点数が払出制御部171側で記憶している遊技点数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、払出制御部171側にその判定機能を設けたが、たとえば、払出制御部171と接続されるホールサーバ801またはホール用管理コンピュータによって、払出制御部171側で記憶している遊技点数と主制御部161側で記憶している遊技点数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行なうものとしてもよい。
図6に示すように、払出制御部171は、コイン持点数、貯メダル数を記憶する記憶領域と、受付けた(投入された)コインの残額を記憶する記憶領域と、総加算数(加算数累計)、総減算数(減算数累計)およびコイン投入時持玉を記憶する記憶領域をさらに有する。払出制御部171は、貯メダルの使用を要求する入力(たとえば、S台2Sに設けられた再プレイスイッチ319の押圧入力(ただし、持玉無しのとき))に応じて貯メダルを記憶する記憶領域から所定数の貯メダルを減算する。
払出制御部171は、持点の使用を要求する入力(たとえば、持点有のときの払出制御部171に設けられた持点スイッチ324の押圧入力(ただし、持点有のとき))に応じて持点を記憶する記憶領域から所定数の持玉を減算する。さらに、払出制御部171は、残額の使用を要求する入力(たとえば、貸出スイッチ321の押圧入力)に応じて残額を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の遊技用価値(たとえば残額、持点数、あるいは貯メダル数)から価値を引き落として遊技に使用する操作を遊技者が行なった場合に、引き落とされる価値に応じてS台2Sの遊技点数が加算される。S台2Sは、払出制御部171から加算数の情報を受け取ることで、引き落とし分の玉数を遊技点数カウンタに加算更新することができる。
本実施の形態に係る遊技システムでは、一方、遊技者所有の遊技用価値を引き落としてドリンク等に交換するといういわゆるワゴンサービスのオーダ等を受付けることが可能である。ただし、遊技点やクレジットでワゴンサービスを受けることが制限されており、持点でしかワゴンサービスを受けることができない。これは、メダルが払出される従来のスロットマシンにおいて、皿に残っている計数前のメダルを手で掴み出してワゴンサービスに用いることを禁止するようなイメージである。
このため、本実施の形態では、ワゴンサービスを行なう操作が実行されたときに、持点数がワゴンサービスの希望メニューに対応する玉数に満たない場合、遊技者に精算操作(クレジット精算スイッチ11aまたはメダル点精算スイッチ11bの操作)を促すように構成されている。その際に遊技者が精算操作を実行すると、その操作に基づく計数遊技持点数が主制御部161側から払出制御部171側へ送信される。払出制御部171側では、それを受けて、遊技点数を減算し、コイン持点数を加算して更新する。
<通信で用いられるフレーム構成>
次に、本実施の形態に係る主制御部161と払出制御部171との間での通信、CU3とS台2Sとの間での通信について、さらに詳しく説明する。当該通信で用いられる電文は、所定のフォーマットからなるフレームで構成されている。送信データ(電文)は、必ず1フレーム単位で送信される。つまり、電文の分割送信は行なわない。また、連続で電文を送信する場合は、1ミリ秒以上の間隔をあける。
1フレームの送信データは、データ長、通常通番、加算通番、計数通番、コマンド、データ部を含む。「データ長」は、送信データのデータ長(通番〜データ部(業務電文範囲))を示す。「コマンド」は、電文のコマンドコードである。「データ部」は、電文のデータである。
<電源投入>
本実施の形態での通信について、電源投入時のCU3とS台2Sとの間で行われる通信を一例として説明する。図7は、電源投入時におけるユニットとスロットマシンとでの処理の一例を示す図である。図7に示すシーケンス処理は、CU3とS台2Sとの通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。具体的には、S台2Sにコインが投入されていない待機中において、CU3の電源をONにした後に通信が再開される場合の処理である。典型例は、遊技場において1日の営業が終了して電源を立下げ、翌日営業開始時に電源を立上げる場合である。
まず、電源を投入する。電源投入時においては、S台2Sではリールモータ32L,32C,32Rを停止させて遊技を停止させてから通信を開始する。その後、認証シーケンスが開始され、S台2SからCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。なお、主制御部161と払出制御部171との間での通信では、メインチップIDと払出チップIDとが正規で適正な認証結果であるとの情報がCU3からS台2Sに提供された場合に相互認証を行い、通信を行う構成としてもよい。
認証シーケンス後、CU3は、前回最終送信通番および前回最終送信計数通番を含むリカバリ要求をS台2Sへ送信し、S台2Sに対してリカバリ情報を要求する。S台2Sは、CU3より通知された前回最終送信計数通番を参照して、計数リカバリ処理を実行する。具体的に、S台2Sは、前回最終送信計数通番を参照して、CU3が計数処理を実施していなかった場合、計数処理がなかったものとし、CU3が計数処理を実施済の場合、計数データをリカバリ処理する。
計数リカバリ処理の実行後、S台2Sは、S台2S内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしている遊技情報リカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。リカバリ情報としては、前回最終送信通番、前回投入中コインID、前回コイン投入時刻、前回最終送信加算通番および前回遊技台情報などが含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報に含まれる前回最終送信加算通番の処理を実行していなかった場合、リカバリ情報に含まれる前回遊技台情報を使用してCU3の加算リカバリ処理を実施する。CU3は、加算リカバリ処理を実施する場合、S台2Sに対して、リカバリ要求2をS台2Sへ送信し、S台2Sに対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータには、前回最終送信通番、および加算データが含まれている。
それを受けたS台2Sでは、受信したリカバリデータに基づいて加算リカバリ処理を実行し、その結果をレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答2)。なお、S台2Sが加算データを受けられない状態の場合はリカバリ結果としてリカバリ処理NGを応答する。
このリカバリ処理は、CU3とS台2Sとの間での互いのデータの整合性を回復するための処理であり、電源起動時に実行されるばかりでなく、トラブルが発生し復旧したときにも、実行される。
CU3は、リカバリ要求などのコマンドを送信する度に通番をカウントアップする。ただし、コマンドの再送時の際にはカウントアップしない。S台2Sは、前回受信した通番と同じ通番のコマンドを受信した場合には、通信不良が発生してCU3がコマンドを再送したと判断する。CU3はコマンドの送信し、同じ通番のレスポンスがS台2Sから通知された時に通番をバックアップする。S台2Sは、受信したコマンドに対応するレスポンスを送信する際に、受信した通番をそのままCU3に通知する。S台2Sはレスポンスの送信時に通番をバックアップする。
CU3は、認証シーケンスが終了した後、通番を“1”としてリカバリ要求のコマンドをS台2Sに送信する。S台2Sは、受信した通番“1”をそのままリカバリ応答のレスポンスとしてCU3に返信する。さらに、CU3は、通番を“2”としてリカバリ要求2のコマンドをS台2Sに送信する。S台2Sは、受信した通番“2”をそのままリカバリ応答2のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3は、通番をカウントアップして“3”として、通信開始要求のコマンドをS台2Sへ送信する。なお、CU3は、リカバリ要求2を送信しなかった場合、通番は1カウントダウン(−1)した“2”となる。S台2Sでは、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、S台2Sは、受信した通番“3”のまま、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。これ以降、CU3とS台2Sとの間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
CU3は、通番をカウントアップして“4”として、状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。S台2Sは、それを受けて、遊技台情報(一例として、持点、コイン残額、貯メダル、その他、玉数情報など)、遊技情報(一例として、リール位置、遊技状態(AT中など)、大当り、異常の報知、入賞回数、メダル点数など)および前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの送信毎にバックアップする。そして、S台2Sは、受信した通番“4”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、S台2Sは、遊技台情報を更新することで、遊技中の点数を把握し、最新の点数の情報を管理することが可能となる。また、S台2Sは、例えば遊技情報を外部に出力することで、当該情報を集計して遊技状態を把握し、管理させることができる。
CU3は、それを受けて、前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの受信毎にバックアップする。
その後、CU3は、通番をカウントアップして“5”として、状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信し、S台2Sは、受信した通番“5”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
<管理サーバから通信制御ICまでの間の通信に使用される暗号鍵>
次に、管理サーバ800から通信制御ICまでの間の通信に使用される暗号鍵について説明する。まず、管理サーバ800から通信制御IC325aまでの間の通信に使用される暗号鍵には、主に基板出荷鍵、基板初期鍵、基板認証鍵、本認証鍵、仮認証鍵、有効鍵(商用)、通信鍵1(セッション鍵)および通信鍵2(セッション鍵)がある。基板出荷鍵は、CU制御部−SCの間の通信に利用され、出荷以前での通信テスト電文の暗号にのみ使用される。基板初期鍵は、CU制御部−SCの通信に利用され、ホールサーバとの最初の通信時にCU制御部323が受信し、CU制御部323のRAMに記憶される。SC325bは、製造時の埋め込み情報から基板初期鍵を生成してRAMに記憶する。基板初期鍵を用いた認証用通信(基板初期鍵モード)は限られた期間のみ許容(時限的運用)される。ここで、基板初期鍵モードは、前述したように、ホールサーバと少なくとも1回は正常に通信して、基板初期鍵を取得する必要があるため、セキュリティ性は担保されている。
ここで、「限られた期間」とは、たとえば、2日間という限定的期間である。このように、時限的運用を可能にすることによって、ホールにシステムを導入した段階ですぐに管理サーバ800との鍵交換ができない場合であっても、システムの導入直後からホールは営業を開始することが可能となる。なお、限定的期間としては、たとえば、毎朝9時〜17時までの間という具合に、1日の中での定めた期間を設定してもよい。
なお、前述の基板初期鍵モードは、基板初期鍵を用いた認証用通信を限られた期間可能にする制限を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、使用できる金額(カード残額、あるいは現金)を制限してもよい。あるいは、可変表示装置における図柄の変動回数が一定回数に達した場合にゲームを強制終了させて遊技機を不能動化状態に制御してもよい。または、大当たりの累積回数が一定回数に達した場合にゲームを強制終了させて遊技機を不能動化状態に制御してもよい。その他、現金を投入することによる遊技のみを許容してカード残額を使用した遊技ができないようにしてもよく、持玉を使用した遊技のみに制限するようにしてもよい。
基板認証鍵は、CU制御部−SCの間の通信に利用され、管理サーバ800より基板セキュリティ情報の一部として受信する暗号鍵である。基板認証鍵を用いた認証用通信を行なうことで、基板初期鍵を用いた時限的運用から恒久的運用(通常運用)に通信モード(基板認証鍵モード)が切換わる。この基板認証鍵は、CU制御部のRAMとSCのRAMとに記憶される。
基板初期鍵を用いた時限的運用および基板認証鍵を用いた恒久的運用のいずれについても、ホールサーバに記憶された有効鍵をCU制御部323が受信し、SC325bがその有効鍵を通信制御IC325aに対して設定することによりS台とCUとの間の通信が可能となることで実現される。
本認証鍵は、SC−通信制御ICの間の通信に利用され、管理サーバ800から受信した更新情報から、SC325bにより生成されてSC325bのRAMに記憶されるとともに、通信制御IC325aにおいてもSC325bと同様に更新情報から生成されて通信制御IC325aのRAMに記憶される。なお、この本認証鍵は、管理サーバ800などから本認証鍵そのものを取得するようにしてもよい。また、管理サーバ800などから更新情報を受信することなくCU制御部323と通信制御IC325aとが自ら生成してもよい。さらに、管理サーバ800などから所定の第1データを取得するとともにCU制御部323と通信制御IC325aとが自ら所定の第2データを生成し、それら第1データと第2データとから本認証鍵を生成するようにしてもよい。
仮認証鍵は、SC−通信制御ICの間の通信に利用され、本認証鍵が生成されるまでの間(又は設定された許容時間(たとえば2日)が経過するまでの間)、SC325bと通信制御IC325aとの間での暗号通信に使用される。この仮認証鍵による暗号通信(仮認証鍵モード)は限られた期間(たとえば2日)のみ許容(時限的運用)される。SC325bおよび通信制御IC325aは、製造段階から仮認証鍵をそれぞれのROMに記憶している。有効鍵(商用)は、ホールサーバとの最初の通信時にCU制御部323経由でSC325bが受信し、通信制御IC325aに対して送信(設定)する鍵である。有効鍵が設定されることによってS台との通信が可能になる。なお、有効鍵は、通信制御IC325a活性化用のデータである。換言すると、有効鍵は、CUとS台との間の通信を許可するための許可情報である。
通信鍵1(セッション鍵)は、CU制御部−SCの間の通信に利用され、対遊技機用の業務電文通信に用いられ、SC325bが何らかの変数を用いて、毎営業日作成している。該変数として、たとえば、カウンタ値(乱数)や日時情報などを用いてもよい。通信鍵2(セッション鍵)は、SC−通信制御ICの間の通信に利用され、対遊技機用の業務電文通信に用いられる。
なお、前述に説明した鍵は、鍵のデータがそれぞれの部分にそのまま埋込まれている構成であっても、鍵のデータを生成するための情報がそれぞれの部分に記憶されていて、該情報を利用いて鍵のデータを生成する構成であってもよい。
次に、暗号鍵の取得方法と、取得した暗号鍵を用いて暗号通信を行なう方法について説明する。まず、SC325bは、ホールサーバとの最初の通信時にCU制御部323経由で有効鍵を取得する。SC325bは、取得した有効鍵を通信制御IC325aに対して送信(設定)することで、S台との通信が可能になる。CU制御部323はホールサーバとの最初の通信時に基板初期鍵を受信し、CU制御部323のRAMに記憶される。SC325bは、製造時の埋め込み情報から基板初期鍵を生成してRAMに記憶する。SC325bは、取得した基板初期鍵を用いてCU制御部323と暗号認証を行ない、該基板初期鍵を用いて時限的にCU制御部323と暗号通信を行なう。また、電源投入時にCU制御部323から送られてきた接続要求を受信したホールサーバは、当該ホールサーバが設置されている遊技場を識別するための統一店舗コードをCU制御部323へ返信する。具体的には、ホールサーバのCPUの制御にしたがってホールサーバの入出力インターフェイスからCU制御部323へ統一店舗コードが送信される。
一方、CU制御部323とSC325bとの間では、両者に初期情報として記憶されている基板メーカコードを用いた認証が行なわれる。基板メーカコードとは、セキュリティ基板325を製造したメーカを特定するコードのことである。基板メーカコードを用いた認証に成功したことを条件として、基板接続要求と基板接続応答とのやり取りが行なわれる(図11参照)。CU制御部323からSC325bへ送信される基板接続要求の中に上記統一店舗コードが含まれており、基板接続要求を受信することによりSC325bが統一店舗コードを取得する。
次に、CU制御部323は、管理サーバ800に対して基板セキュリティ情報を要求し、管理サーバ800がホールサーバを介して送信してきた基板セキュリティ情報を受信することで、該基板セキュリティ情報に含まれる基板認証鍵を取得する。CU制御部は、取得した基板認証鍵を用いてSCと暗号認証を行ない、該基板認証鍵を用いてSCと暗号通信を行なう。なお、CU制御部323は、基板認証鍵を取得後すぐに基板初期鍵から基板認証鍵に鍵を変更するのではなく、後述するように遊技機が非稼動状態になっていることを条件にして鍵を変更する。
この基板認証鍵は、管理サーバ800などから取得する代わりに、CU制御部323が自ら生成してもよく、また、管理サーバ800などから所定の第1データを取得するとともにCU制御部323が自ら所定の第2データを生成し、それら第1データと第2データとから基板認証鍵を生成するようにしてもよい。
次に、SC325bは、記憶してある仮認証鍵を用いて通信制御IC325aと暗号通信を行なう。そして、SCは、基板認証鍵を用いてCU制御部と暗号通信を行なうことで管理サーバ800から取得した更新情報を仮認証鍵で復号し、基板問合せ番号を照会する。SCは、照会した基板問合せ番号が一致した場合、更新情報から本認証鍵を生成し、生成した本認証鍵を用いて通信制御IC325aと暗号通信を行なう。なお、本認証鍵は、通信制御IC325aにおいても出荷時から記憶されているものではなく、SC325bと同様に更新情報から生成される。
次に、SCは、CU制御部に対して通信鍵1を通知し、以降のCU制御部との間の通信を、通信鍵1を用いて行なうことで、遊技機との業務電文通信が可能となる。また、SCは、通信制御ICに対して有効鍵を設定することで、通信制御ICから通信鍵2の通知を受け、以降の通信制御ICとの間の通信を、通信鍵2を用いて行なうことで、遊技機との業務電文通信が可能となる。
<CU制御部とSCとの通信における主なシーケンス>
次に、図8〜図18に基づいて、CU3内において、CU制御部323のCPUで実行される処理と、セキュリティチップ(SC)325bとの間で実行される処理とを説明する。
まず、図8を参照して、CU制御部323の電源投入・ホール設置時の立上の処理を説明する。この図8は、CU3が遊技場に設置されて最初に電源を立上げたときのシーケンスであり、特に、基板初期鍵を用いたホール設置時の立上シーケンスについて説明する。
まず、CU3の電源を投入すると、CU制御部323およびSC325bが起動される。CU3が遊技場に設置されて最初に電源を立上げたときに、CU制御部323は、上位装置より(具体的にはホールサーバや管理サーバ800などより)基板初期鍵A、基板初期鍵AのMAC鍵、有効鍵(商用/S台出荷用)を取得する。ここで、基板初期鍵Aは、遊技場に納入されてから最初に上位装置へ通信する時、ホールサーバからダウンロードしてCU制御部323に記憶する暗号鍵であり、管理センタに設置された管理サーバ800に記憶されている基板情報(基板シリアルIDと基板認証鍵)が取得されるまで、CU制御部323とSC325bとの通信に利用する暗号鍵である。なお、基板初期鍵Aは、基板メーカコードを用いて復号され、一方、基板初期鍵AのMAC鍵も同様に、基板メーカコードを用いて復号される。これらの復号は、AES(Advanced Encryption Standard)の暗号方式に則った復号方式で行なわれる。
その後、CU制御部323およびSC325bは、基板メーカコード認証シーケンス、基板初期鍵認証シーケンス、セキュリティ基板情報問合せシーケンスを実行する。
基板メーカコード認証シーケンスは、チャレンジ/レスポンス方式を用いて、CU制御部323とSC325bとの間で基板メーカコードを認証する。基板メーカコード認証シーケンスの処理後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵にホールサーバより取得した基板初期鍵を用い、基板初期鍵認証シーケンスを行ない、基板初期鍵認証が完了した場合に認証OKとなる。なお、基板初期鍵認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵にホールサーバより取得した基板初期鍵を用い、セキュリティ基板情報問合せシーケンスを行ない、セキュリティ基板情報を取得することができた場合に取得OKとなる。セキュリティ基板情報は、管理センタの管理サーバ800から取得し、基板シリアルIDや基板認証鍵などを含んでいる。なお、セキュリティ基板情報問合せシーケンスの詳細な処理については、後述する。基板認証鍵は、管理センタに設置された管理サーバ800からダウンロードしてCU制御部323とSC325bとの通信に利用する暗号鍵である。管理サーバ800は、基板シリアル番号等に対応付けて基板認証鍵を記憶している。
セキュリティ基板情報問合せシーケンスでセキュリティ基板情報を取得することができた場合、SC325bは、通信制御IC325aとの間で認証を実行する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵にホールサーバより取得した基板初期鍵を用い、通信鍵交換シーケンスを行ない、業務電文通信用の通信鍵を交換する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に基板初期鍵を用い、通信鍵交換シーケンスを行ない、通信鍵を生成する。通信鍵交換シーケンスでは、基板情報取得シーケンスで基板情報を取得できた場合、基板認証鍵を暗号鍵に用いるが、基板情報を取得できなかった場合、基板初期鍵を時限的に暗号鍵に用いる。通信鍵の生成方法は、具体的には、乱数と現在時刻のデータとを用いて生成する。この通信鍵(セッション鍵)の生成方法は、乱数と現在時刻のデータとに限らず、暗号通信を行なう装置間での相互認証に用いた鍵以外の可変データであれば、いかなるものを用いてもよい。なお、通信鍵交換シーケンスは、遊技機による遊技を可能にするために遊技機との暗号通信に用いる鍵(通信化鍵)を交換するものであり、その詳細な処理については、後述する。
通信鍵交換シーケンスで通信鍵を生成できた場合、SC325bは、通信制御IC325aから遊技機チップ情報を取得する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に通信鍵交換シーケンスより取得した通信鍵を用い、遊技機チップ情報問合せシーケンスを行ない、遊技機チップ情報を問合せ/通知する。遊技機チップ情報には、主制御チップ番号や払出制御チップ番号などが含まれている。なお、遊技機チップ情報認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
以上の処理を行なうことで、CU制御部323およびSC325bは、遊技機と業務電文通信が可能となる。この遊技機と業務電文通信を行なうことにより遊技機において遊技が可能となる。この遊技機との業務電文通信には、通信鍵(セッション鍵)を利用して運用される。このときの通信は、前述したように、時限的な通信であり、一定期間(たとえば、2日)のみ許容される。以上の処理を経て行なわれる通信モードが制限通信モード(基板初期鍵モード(基板初期鍵運用))である。この時限運用のまま一定期間(たとえば、2日)がオーバーした場合には仮運用が停止されるとともに、オーバーしたことがSC325bからCU制御部323、ホールサーバを経由して管理サーバ800へ通知される。
その後、CU3は、S台2Sに対して、リカバリ要求を行ない、S台2Sは、前回最終送信通番、前回投入中コインID、前回コイン投入時刻を含むリカバリ応答のレスポンス(リカバリ応答)をCU3に返信する。
次に、図9を参照して、CU制御部323の電源投入・通常立上の処理を説明する。この図9は、CU3が遊技場に設置された後、通常に電源を立上げたときのシーケンスであり、特に、基板認証鍵を用いた立上シーケンスについて説明する。
まず、CU3の電源を投入すると、CU制御部323およびSC325bが起動される。CU3が遊技場に設置されて最初に電源を立上げたときに、CU制御部323は、上位装置より(具体的には管理サーバ800より、ホールサーバを経由して)基板シリアルID鍵、基板認証鍵バージョン、基板認証鍵A、基板認証鍵AのMAC鍵を取得する。なお、基板シリアルID鍵は、基板初期鍵で復号され、基板初期鍵Aは、基板シリアルIDを用いて復号され、さらに、基板初期鍵AのMAC鍵も同様に、基板シリアルIDを用いて復号される。これらの復号は、AESの暗号方式に則った復号方式で行なわれる。
その後、CU制御部323およびSC325bは、基板メーカコード認証シーケンス、基板認証鍵認証シーケンス、セキュリティ基板情報問合せシーケンスを実行する。
基板メーカコード認証シーケンスは、チャレンジ/レスポンス方式を用いて、CU制御部323とSC325bとの間で基板メーカコードを認証する。基板メーカコード認証シーケンスの処理後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に管理サーバ800より取得した基板認証鍵を用い、基板認証鍵認証シーケンスを行なう。なお、基板認証鍵認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、鍵の更新が有る場合にのみ、暗号鍵に管理サーバ800より取得した基板認証鍵を用い、セキュリティ基板情報問合せシーケンスを行なう。
基板認証鍵認証シーケンスで基板認証鍵を認証でき鍵更新が無かった場合や、鍵更新が有り、セキュリティ基板情報問合せシーケンスで認証ができると、SC325bは、通信制御IC325aとの間で認証を実行する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に基板認証鍵を用い、通信鍵交換シーケンスを行ない、通信鍵を生成する。通信鍵の生成方法は、具体的には、乱数と現在時刻のデータとを用いて生成する。この通信鍵(セッション鍵)の生成方法は、乱数と現在時刻のデータとに限らず、暗号通信を行なう装置間での相互認証に用いた鍵以外の可変データであれば、いかなるものを用いてもよい。なお、通信鍵交換シーケンスは、遊技機による遊技を可能にするために遊技機との暗号通信に用いる鍵(通信化鍵)を交換するものであり、その詳細な処理については、後述する。
通信鍵交換シーケンスで通信鍵を生成することができた場合、SC325bは、通信制御IC325aから遊技機チップ情報をさらに取得する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に通信鍵交換シーケンスより取得した通信鍵を用い、遊技機チップ情報問合せシーケンスを行ない、遊技機チップ情報を問合せ/通知する。遊技機チップ情報には、主制御チップ番号や払出制御チップ番号などが含まれている。なお、遊技機チップ情報認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
以上の処理を行なうことで、CU制御部323およびSC325bは、遊技機と業務電文通信が可能となる。この遊技機と業務電文通信を行なうことにより遊技機において遊技が可能となる。この遊技機との業務電文通信には、通信鍵(セッション鍵)が利用される。このときの通信は、制限通信モードのような制限のない通常通信モード(基板認証鍵モード(基板認証鍵運用))である。
次に、図10を参照して、CU制御部323の電源投入・工場出荷時立上の処理を説明する。この図10は、CU3が遊技場に出荷される前の工場出荷時のシーケンスを示し、特に、基板出荷鍵を用いた工場出荷立上シーケンスについて説明する。当該シーケンスは、工場出荷時、上位装置に接続していない状態のCU制御部323およびSC325bにおける処理である。
まず、CU3の電源を投入すると、CU制御部323およびSC325bが起動される。CU制御部323およびSC325bは、基板メーカコード認証シーケンス、基板初期鍵認証シーケンスを実行する。
基板メーカコード認証シーケンスは、チャレンジ/レスポンス方式を用いて、CU制御部323とSC325bとの間で基板メーカコードを認証する。基板メーカコード認証シーケンスの処理後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に基板初期鍵を用い、基板初期鍵認証シーケンスを行なう。しかし、工場出荷時の段階のため未だ遊技場にCU3が設置されていないため、遊技場のホールサーバより基盤初期鍵をCU制御部323が取得できておらず、その結果、基板初期鍵認証の結果がNGとなる。
その後、CU制御部323は、基板初期鍵認証シーケンスが認証NGとなったため、CU制御部323は、SC325bにセキュリティ基板325のテストに用いる基板出荷鍵を要求する、基板出荷鍵要求のコマンドをSC325bに送信する。SC325bは、CU制御部323から基板出荷鍵要求のコマンドを受信後、基板出荷鍵を含む基板出荷鍵応答のレスポンスをCU制御部323に送信する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵にSC325bより取得した基板出荷鍵を用い、基板出荷鍵認証シーケンスを行なう。なお、基板出荷鍵認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
基板出荷鍵認証シーケンスで基板出荷鍵を認証できた場合、SC325bは、通信制御IC325aとの間で認証を実行する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に基板出荷鍵を用い、通信鍵交換シーケンスを行ない、通信鍵を生成する。通信鍵の生成方法は、具体的には、乱数と現在時刻のデータとを用いて生成する。この通信鍵(セッション鍵)の生成方法は、乱数と現在時刻のデータとに限らず、暗号通信を行なう装置間での相互認証に用いた鍵以外の可変データであれば、いかなるものを用いてもよい。なお、通信鍵交換シーケンスは、遊技機による遊技を可能にするために遊技機との暗号通信に用いる鍵(通信化鍵)を交換するものであり、その詳細な処理については、後述する。
通信鍵交換シーケンスで通信鍵を生成できた場合、SC325bは、通信制御IC325aから遊技機チップ情報を取得する。
その後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に通信鍵交換シーケンスより取得した通信鍵を用い、遊技機チップ情報問合せシーケンスを行ない、遊技機チップ情報を問合せ/通知する。遊技機チップ情報には、主制御チップ番号や払出制御チップ番号などが含まれている。なお、遊技機チップ情報認証シーケンスの詳細な処理については、後述する。
その後、CU3は、S台2Sに対して、通信テスト要求を行ない、S台2Sは通信テスト応答をCU3に送信する。
以上の処理を行なうことで、CU制御部323およびSC325bは、遊技機と通信テスト電文のみの通信が可能となる。この通信テスト電文の通信を行なうことにより工場出荷時の通信テストが行われる。この工場出荷時の通信テストに合格したCU3が遊技場に納入されて最初の電源立上時のシーケンスが図8で説明したホール設置立上シーケンスであり、その後基板認証鍵の取得後に実行されるシーケンスが図9で説明した通常立上シーケンスである。
次に、図11を参照して、基板メーカコードの認証シーケンスの処理を説明する。図11は、基板メーカコードの認証シーケンスの処理を説明するための図である。まず、CU制御部323は、SC325bに対して、基板メーカコードの認証を要求する基板メーカコード認証要求1のコマンドを送信する。なお、基板メーカコード認証は、チャレンジ/レスポンス方式を用いて行なうため、CU制御部323は、SC325bに対して、チャレンジコードを要求する。
基板メーカコード認証要求1のコマンドを受信したSC325bは、基板メーカコードに基づくチャレンジコードを生成し、生成したチャレンジコードを基板メーカコード認証応答1のレスポンスでCU制御部323に通知する。
基板メーカコード認証応答1のコマンドを受信したCU制御部323は、チャレンジコードに基づくレスポンスコードを生成し、生成したレスポンスコードを基板メーカコード認証要求2のコマンドでSC325bに通知する。具体的には、基板メーカコードを鍵として受信したチャレンジコードを暗号化してレスポンスコードを生成する。
基板メーカコード認証要求2のコマンドを受信したSC325bは、レスポンスコードをチェックして(具体的には基板メーカコードを鍵としてレスポンスコードを復号してチャレンジコードを抽出して)チャレンジコードが一致すればチェック結果がOKであるとする。そして、当該チェック結果を基板メーカコード認証応答2のレスポンスでCU制御部323に通知する。このとき、CU制御部323は、基板メーカコード認証結果などの認証ログ情報をSC325bから取得する。
一方、チャレンジコードが一致しなければチェック結果がNG(不適正)であるとする。その場合に、n回際認証を繰り返し、n回連続でNGの場合にSC325bが無応答状態(HALT)となり、基板認証鍵と本認証鍵とがクリアされる(図24参照)。この無応答状態(HALT)となった後には、SC325bが通信制御IC325aと認証を行なうことはなく、工場で修理を行なうこととなる。
CU制御部323は、SC325bにCU制御部固有情報(統一店舗コード、台番、現在時刻)を通知して、遊技機との接続を要求する基板接続要求のコマンドを送信する。
SC325bは、CU制御部323からの基板接続要求のコマンドを受信後、統一店舗コード、台晩、現在時刻の情報を保持し、前回の統一店舗コードが一致しているときは、CU制御部323に対して接続要求を受付けた(OK)ことを通知する基板接続応答のレスポンスを返信する。
一方、前回の統一店舗コードと不一致であるときは、CU制御部323に対して接続要求を受付けていない(NG)ことを通知する基板接続応答のレスポンスを返信し、RAMに記憶されている基板認証鍵をクリアするとともに、基板初期鍵を暗号鍵として処理を進めるモードである基板初期鍵モード(図8参照)に遷移する。このとき、CU制御部323は、基板接続要求結果などの認証ログ情報をSC325bから取得する。
次に、図12を参照して、基板初期鍵または基板出荷鍵の認証シーケンスの処理を説明する。図12は、基板初期鍵または基板出荷鍵の認証シーケンスの処理を説明するための図である。
まず、図12に示すように、基板初期鍵を暗号鍵として処理を進めるモードである基板初期鍵モードの状態の場合には、図12において基盤初期鍵を用いた認証が行われるが、基板出荷鍵を暗号鍵として処理を進めるモードである基板出荷鍵モードの状態の場合には、図12において基盤出荷鍵を用いた認証が行われることになる。よって、図12の「/」はいずれか一方を表す記号である。CU制御部323は、SC325bに対して、認証情報を要求する基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求1のコマンドを送信する。なお、基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求1のコマンドは暗号化していないが、暗号鍵に基板初期鍵/基板出荷鍵を用いて、暗号化してもよい。
基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求1のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対して、基板初期鍵または基板出荷鍵で認証情報の乱数Aを暗号化し、MAC鍵でH−MACを算出して、基板初期鍵/基板出荷鍵認証応答1のレスポンスで返信する。
基板初期鍵/基板出荷鍵認証応答1のコマンドを受信したCU制御部323は、基板初期鍵または基板出荷鍵を検証するため、認証情報の乱数Aを復号化し、MACをチェックする。
その後、CU制御部323は、SC325bに対して、基板初期鍵または基板出荷鍵で認証情報の乱数Bを暗号化し、MAC鍵でH−MACを算出して、基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求2のコマンドで送信する。なお、基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求2のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板出荷鍵を用いて、暗号化してある。
基板初期鍵/基板出荷鍵認証要求2のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対して、基板初期鍵または基板出荷鍵を検証するため、認証情報の乱数Bを復号化し、MACをチェックする。そして、SC325bは、CU制御部323に対して、認証結果を基板初期鍵/基板出荷鍵認証応答2のレスポンスで返信する。このとき、CU制御部323は、基板初期鍵認証結果、基板出荷鍵認証結果などの認証ログ情報をSC325bから取得する。
次に、図13を参照して、基板シリアルIDおよび基板認証鍵の認証シーケンスの処理を説明する。図13は、基板シリアルIDおよび基板認証鍵の認証シーケンスの処理を説明するための図である。
まず、CU制御部323とSC325bとの通信は、基板認証鍵を暗号鍵として処理を進めるモードである基板認証鍵モードの状態において、CU制御部323は、SC325bに対して、基板シリアルIDの認証を要求する基板シリアルID認証要求1のコマンドを送信する。なお、基板シリアルID認証は、チャレンジ/レスポンス方式を用いて行なうため、CU制御部323は、SC325bに対して、チャレンジコードを要求する。
基板シリアルID認証要求1のコマンドを受信したSC325bは、基板シリアルIDに基づくチャレンジコードを生成し、生成したチャレンジコードを基板シリアルID認証応答1のレスポンスでCU制御部323に通知する。
基板シリアルID認証応答1のコマンドを受信したCU制御部323は、チャレンジコードに基づくレスポンスコードを生成し(具体的には基板メシリアルIDを鍵としてチャレンジコードを暗号化してレスポンスコードを生成し)、生成したレスポンスコードを基板シリアルID認証要求2のコマンドでSC325bに通知する。
基板シリアルID認証要求2のコマンドを受信したSC325bは、レスポンスコードをチェックして(具体的には基板メシリアルIDを鍵としてレスポンスコードを復号してチャレンジコードを抽出して)、チャレンジコードが一致すればチェック結果がOKであるとする。そして、当該チェック結果を基板シリアルID認証応答2のレスポンスでCU制御部323に通知する。なお、チェック結果がNGの場合、SC325bは、CU制御部323に対してチェック結果を、基板認証結果通知および基板認証結果応答での認証結果に含め、NGを通知する。このとき、CU制御部323は、基板シリアルID認証結果などの認証ログ情報をSC325bから取得する。
その後、CU制御部323は、SC325bに対して、基板認証鍵のバージョン情報を通知するためにバージョン情報通知のコマンドを送信する。なお、バージョン情報通知のコマンドは、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してある。
バージョン情報通知のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対して基板認証鍵のバージョン情報を受信したことを通知するために、バージョン情報応答のレスポンスを返信する。なお、バージョン情報応答のレスポンスは暗号化していないが、暗号鍵に基板認証鍵を用いて暗号化してもよい。
その後、CU制御部323は、SC325bに対して、認証情報を要求する基板認証鍵認証要求1のコマンドを送信する。なお、基板認証鍵認証要求1のコマンドは暗号化していないが、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してもよい。
基板認証鍵認証要求1のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対して、基板認証鍵で認証情報の乱数Aを暗号化し、MAC鍵でH−MACを算出して、基板認証鍵認証応答1のレスポンスで返信する。
基板認証鍵認証応答1のコマンドを受信したCU制御部323は、基板認証鍵を検証するため、認証情報の乱数Aを復号化し、MACをチェックする。
その後、CU制御部323は、SC325bに対して、基板認証鍵で認証情報の乱数Bを暗号化し、MAC鍵でH−MACを算出して、基板認証鍵認証要求2のコマンドで送信する。なお、基板認証鍵認証要求2のコマンドは、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してある。
基板認証鍵認証要求2のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対して、基板認証鍵を検証するため、認証情報の乱数Bを復号化し、MACをチェックする。そして、SC325bは、CU制御部323に対して、認証結果を基板認証鍵認証応答2のレスポンスで返信する。
その後、CU制御部323は、SC325bに対して、基板認証結果を通知するために、基板認証結果通知のコマンドを送信する。なお、基板認証結果通知のコマンドは、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してある。基板認証結果通知のコマンドは、基板シリアルID認証と基板認証鍵の認証結果をSC325bに対して通知する。
基板認証結果通知のコマンドを受信したSC325bは、CU制御部323に対して、基板シリアルID認証と基板認証鍵の認証結果を通知するために、基板認証結果応答のコマンドを送信する。なお、基板認証結果応答のコマンドは、暗号鍵に基板認証鍵を用いて、暗号化してある。このとき、CU制御部323は、基板認証結果などの認証ログ情報をSC325bから取得する。
次に、図14は、セキュリティ基板情報の問合せを行なう場合の処理を説明するための図である。図14を参照して、まず、CU制御部323は、SC325bに対して上位装置に問合せる情報を要求するために、セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信するセキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化してある。
セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bは、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で管理サーバ800)に問合せる情報(基板シリアル番号および問合せ情報)をCU制御部323に通知するために、セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスをCU制御部323に返信する。なお、返信するセキュリティ基板問合せ指示通知のレスポンスは、基板シリアル番号を暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化しているとともに、CU制御部323とホールサーバとが復号できない鍵(以下「秘匿用鍵」と言う)で問合せ情報を暗号化している。その結果、問合せ情報は管理サーバ800のみが復号して解読できる。
セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスを受信したCU制御部323は、基板シリアル番号および問合せ情報に基づき、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で管理サーバ800)にセキュリティ基板325の情報(基板シリアル番号および問合せ情報)を問合せ、上位装置からの応答を待つ。セキュリティ基板情報を問合せ中、CU制御部323およびSC325bは、上位装置からの応答を待たずに、次のステップの処理(たとえば、通信制御ICの認証処理、遊技機チップ情報の認証処理、遊技機との業務電文処理等)を実行し、セキュリティ基板情報を受信したときに必要な処理を実施する。
その後、CU制御部323は、上位装置からセキュリティ基板情報の問合せ結果(基板シリアルIDおよび基板認証鍵)を受信すると、セキュリティ基板情報をSC325bに通知する。具体的に、CU制御部323は、問合せ結果である基板シリアルIDおよび基板認証鍵を含むセキュリティ基板情報通知のコマンドをSC325bに送信する。なお、送信するセキュリティ基板情報通知のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化してある。
SC325bは、セキュリティ基板情報通知のコマンドを受信後、問合せ番号を確認して、セキュリティ基板情報通知のコマンドを正常に受信したことをCU制御部323に通知するために、セキュリティ基板情報結果のレスポンスを返信する。なお、鍵更新情報は、次回リセット時に使用される。返信するセキュリティ基板情報結果のレスポンスは、暗号化しなくてもよいが、暗号化する場合、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用いる。
その後、CU制御部323は、受信結果がOKの場合には、基板シリアルID鍵および基板認証鍵Aを保存して、次回リセット時に認証鍵情報として使用する。また、CU制御部323は、基板情報問合せおよび基板情報通知の認証ログ情報を取得する。
次に、図15を参照して、遊技機チップ情報問合せシーケンスの処理を説明する。図15は、遊技機チップ情報問合せシーケンスの処理を説明するための図である。まず、CU制御部323は、SC325bに対して遊技機チップ情報を問合せる遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信する遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドは、暗号化しなくてもよいが、暗号化する場合、暗号鍵に通信鍵を用いる。
一方、SC325bは、通信制御ICから遊技機チップ情報を取得する。その後、遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bは、遊技機チップ情報の取得を完了しているので、遊技機チップ問合せ結果=OKの情報を含む遊技機チップ問合せ結果のレスポンスをCU制御部323に返信する。遊技機チップ情報には、主制御チップID、払出制御チップIDなどが含まれている。なお、返信する遊技機チップ問合せ結果のレスポンスは、主制御チップIDと払出制御チップIDとが秘匿用鍵で暗号化され、その他の情報は暗号鍵に通信鍵を用いて、暗号化してある。
その後、CU制御部323は、返信された遊技機チップ問合せ結果のレスポンスを受信した場合、上位装置(管理サーバ800またはホールサーバ:図5参照)に、主制御チップ番号および払出制御チップ番号を含む遊技機チップ情報を問合せ、上位装置からの応答を待つ。遊技機チップ情報問合せ中、CU制御部323およびSC325bは、上位装置からの応答を持たずに、次のステップの処理(遊技機との業務電文処理)を実行する。遊技機チップ情報の問合せには時間(たとえば2時間程度)がかかるため、その間遊技機の稼働を停止しておくわけにはいかないために、上位装置からの応答を持たずに次のステップの処理(遊技機との業務電文処理)を実行する。なお、遊技機チップ情報問合せ中は、リセット動作(たとえば、リセットボタン(図示省略)の操作や電源再投入など)が行なわれても、再度遊技機チップ問合せ指示通知の要求は出されない。
その後、CU制御部323は、上位装置から遊技機チップ情報の照合結果を受信すると、当該照合結果をSC325bに通知する。具体的に、CU制御部323は、照合結果を含む遊技機チップ情報通知のコマンドをSC325bに送信する。なお、送信する遊技機チップ照合結果通知のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用いて、暗号化してある。
SC325bは、遊技機チップ情報通知のコマンドを受信後、照合結果がOKのとき、遊技機メーカコードおよび型式コードをCU制御部323に通知するため、遊技機チップ情報結果のレスポンスを返信する。なお、返信する遊技機チップ情報結果のレスポンスは、暗号鍵に通信鍵を用いて、暗号化してある。
同時に、CU制御部323は、SC325bからの遊技機チップ情報結果に含まれる遊技機チップ情報問合せ、遊技機チップ情報照合結果などの認証ログを取得する。
次に、図16を参照して、図16は、基板認証鍵認証異常のシーケンスの処理を説明するための図である。基板認証鍵認証異常のシーケンスの処理を説明する。まず、CU3の電源を投入すると、CU制御部323およびSC325bが起動される。
その後、CU制御部323およびSC325bは、基板メーカコード認証シーケンス、基板認証鍵認証シーケンスを実行する。
基板メーカコード認証シーケンスは、チャレンジ/レスポンス方式を用いて、CU制御部323とSC325bとの間で基板メーカコードを認証する。基板メーカコード認証シーケンスの処理後、CU制御部323およびSC325bは、暗号鍵に管理サーバ800より取得した基板認証鍵を用い、基板認証鍵認証シーケンスを行なう。ここで、基板認証鍵認証が認証NGとなった場合には、SC325bは、認証異常として、基板認証鍵情報をクリアする。
その後、CU制御部323およびSC325bは、基板初期鍵認証シーケンスを実行する。このとき、基板初期鍵認証シーケンスの通信は、暗号鍵として基板初期鍵を用いて、
暗号化してある。
この基板初期鍵認証シーケンスの認証が認証OKのときは、その後は図8に示したホール設置時立上シーケンスの処理と同様に、セキュリティ基板情報問合せシーケンス、通信鍵交換シーケンス、遊技機チップ情報問合せシーケンスなどの処理が行われ、遊技機と業務電文通信が可能となる。以後の通信は、暗号鍵として、通信鍵を用いて、暗号化してある。
なお、SC325bは、基板認証鍵シーケンスの認証が認証NGになったことを示す「基板認証鍵更新異常」のアラームを管理サーバ800に通知する。
次に、図17は、セキュリティ基板情報の問合せタイムアウトシーケンスの処理を説明する図である。
まず、CU制御部323は、SC325bに対して上位装置に問合せる情報を要求するために、セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信するセキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化してある。
セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bは、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で管理サーバ800)に問合せる情報(基板シリアル番号および問合せ情報)をCU制御部323に通知するために、セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスをCU制御部323に返信する。なお、返信するセキュリティ基板問合せ指示通知のレスポンスは、基板シリアル番号を暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化しているとともに、秘匿用鍵で問合せ情報を暗号化している。その結果、問合せ情報は管理サーバ800のみが復号して解読できる。
セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスを受信したCU制御部323は、基板シリアル番号および問合せ情報に基づき、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で管理サーバ800)にセキュリティ基板325の情報(基板シリアル番号および問合せ情報)を問合せ、上位装置からの応答を待つ。セキュリティ基板情報を問合せ中、CU制御部323およびSC325bは、上位装置からの応答を待たずに、次のステップの処理(たとえば、通信制御ICの認証処理、遊技機チップ情報の認証処理、遊技機との業務電文処理等)を実行する。
その後、CU制御部323は、上位装置からセキュリティ基板情報の問合せ結果(基板シリアルIDおよび基板認証鍵)を受信する前に、セキュリティ基板情報問合せの待ち時間がタイムアウトした場合には、CU3はS台2Sの状態に関する情報を要求する状態情報要求のコマンドを送信する。なお、この状態情報要求のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。態情報要求のコマンドを受信したSC325bは通信制御IC325a経由でS台2Sの遊技機チップ情報を取得する。
そしてSC325bは、CU3に対して、状態情報応答のレスポンスを返信する。このとき、SC325bは、セキュリティ基板情報を管理センタに問合せを要求する旨の「基板問合せ有」を含む状態情報応答を返信する。
上記のセキュリティ基板問合せに対して、CU制御部323は、SC325bに対して上位装置に問合せる情報を要求するために、セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信するセキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドは、暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化してある。
セキュリティ基板問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bは、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で管理サーバ800)に問合せる情報(基板シリアル番号および問合せ情報)をCU制御部323に通知するために、セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスをCU制御部323に再度返信する。なお、返信するセキュリティ基板問合せ指示通知のレスポンスは、基板シリアル番号を暗号鍵に基板初期鍵または基板認証鍵を用い、暗号化しているとともに、秘匿用鍵で問合せ情報を暗号化している。その結果、問合せ情報は管理サーバ800のみが復号して解読できる。
セキュリティ基板問合せ結果のレスポンスを受信したCU制御部323は、基板シリアル番号および問合せ情報に基づき、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で管理サーバ800)にセキュリティ基板325の情報(基板シリアル番号および問合せ情報)を問合せ、上位装置からの応答を待ち続ける。
次に、図18は、遊技機チップ情報の問合せ(照合)タイムアウトシーケンスの処理を説明する図である。
まず、CU制御部323は、SC325bに対して上位装置に問合せる情報(具体的には遊技機チップ情報)を要求するために、遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信する遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。
一方、SC325bは、通信制御ICから遊技機チップ情報を取得し、その後、遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bは、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で管理サーバ800)に問合せる情報(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)をCU制御部323に通知するために、遊技機チップ問合せ結果(認証OK)のレスポンスをCU制御部323に返信する。なお、返信する遊技機チップ問合せ指示通知のレスポンスは、主制御チップIDと払出制御チップIDとが秘匿用鍵で暗号化され、その他の情報は暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。
遊技機チップ問合せ結果のレスポンスを受信したCU制御部323は、主制御チップ情報および払出制御チップ情報に基づき、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で管理サーバ800)に遊技機チップ情報(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)を問合せ、上位装置からの応答を待つ。遊技機チップ情報を問合せ中、CU制御部323およびSC325bは、上位装置からの応答を待たずに、次のステップの処理(たとえば、通信制御ICの認証処理、セキュリティ基板情報の認証処理、遊技機との業務電文処理等)を実行し、遊技機チップ情報を受信したときに必要な処理を実施する。
しかしながら、その後、CU制御部323は、上位装置から遊技機チップ情報の問合せ結果(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)を受信する前に、遊技機チップ情報問合せの待ち時間がタイムアウトした場合には、CU3はS台2Sの状態に関する情報を要求する状態情報要求のコマンドを送信する。なお、この状態情報要求のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。状態情報要求のコマンドを受信したSC325bは通信制御IC325a経由でS台2Sの遊技機チップ情報を取得する。
そしてSC325bは、CU3に対して、状態情報応答のレスポンスを返信する。このとき、SC325bは、遊技機チップ情報の管理センタへの問合せを要求する旨の「チップ情報問合せ有」を含む状態情報応答を返信する。
上記の遊技機チップ情報問合せに対して、CU制御部323は、SC325bに対して上位装置に問合せる情報を要求するために、遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを送信する。なお、送信する遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドは、暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。
遊技機チップ問合せ指示通知のコマンドを受信したSC325bは、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で管理サーバ800)に問合せる情報(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)をCU制御部323に通知するために、遊技機チップ問合せ結果のレスポンスをCU制御部323に再度返信する。なお、返信する遊技機チップ問合せ指示通知のレスポンスは、主制御チップIDと払出制御チップIDとが秘匿用鍵で暗号化され、その他の情報は暗号鍵に通信鍵を用い、暗号化してある。
遊技機チップ問合せ結果のレスポンスを受信したCU制御部323は、主制御チップ情報および払出制御チップ情報に基づき、上位装置(具体的にはホールサーバ経由で管理サーバ800)に遊技機チップ情報(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)を問合せ、上位装置からの応答を待ち続ける。
以上の図8〜図18に基づいて説明したCU制御部323とSC325bとの間でのシーケンスにおいて、特徴的な部分を以下にまとめて説明する。
CU3が遊技場に入荷されて設置された後に実行されるシーケンスとして、「基板初期鍵認証シーケンス」がある(図8参照)。この「基板初期鍵認証シーケンス」は、遊技場に搬入されて設置された最初の電源投入時においては、上位装置(ホールサーバ)から基板初期鍵をダウンロード取得し、その基板初期鍵を用いて認証されるシーケンスである。この基板初期鍵認証シーケンスの認証結果がOKであることを条件として、この基板初期鍵を用いて「セキュリティ基板情報問合せシーケンス」が実行される(図8参照)。このセキュリティ基板情報問合せシーケンスにより基板認証鍵が上位装置(管理サーバ800)からダウンロード記憶され、以降、この基板認証鍵を利用して各種認証シーケンスや通信鍵交換シーケンス等が実行されてその通信鍵を用いて遊技機と業務電文通信が実行される(図9参照)。
一方、基板初期鍵を用いてのセキュリティ基板情報問合せシーケンス(図8参照)を実行した結果、基板認証鍵を取得できない場合がある。この基板認証鍵は、CUメーカがCU3を遊技場に出荷するときにそのCU3の基板認証鍵を管理サーバ800へ送信して管理サーバ800に記憶してもらい、遊技場に搬入されたCUがその事前に管理サーバ800に記憶されている基板認証鍵をダウンロード記憶するのであるが、CUメーカから管理サーバ800への基板認証鍵の送信が何らかの理由により遅れている場合がある。また、遊技場に搬入されて設置されたCU3がセキュリティ基板情報問合せシーケンスを実行して基板認証鍵をダウンロードしようとしたときに管理サーバ800とCU3との間で不測の事態が発生して通信不能のオフライン状態となっている場合もある。このような場合には、基板認証鍵をダウンロードすることができない。
基板認証鍵をダウンロードできない場合に、それ以降の遊技機との業務電文通信等の実稼動の運用が一切できないとなれば、遊技場における稼動率の低下等の運用上の問題が生じる。そこで、このような不測の事態が発生した場合には、仮の認証鍵である基板初期鍵を利用して実稼動の仮運用ができるように制御される。具体的には、上位装置(具体的にはホールサーバ)より取得済の基板初期鍵を用いて、通信鍵交換シーケンスを実行し、乱数と時刻データとを用いて通信鍵(セッション鍵)を生成し、CU制御部323とSC325bとの間でその通信鍵(セッション鍵)を共有し、その通信鍵(セッション鍵)を使用して業務電文通信を行なって実稼動制御が行なわれる。この基板初期鍵を利用して交換した通信鍵による実稼動制御は、あくまで基板初期鍵が仮の鍵であり基板認証鍵が取得できない不安定な状態であるために、一定の期間だけ許容される仮運用の制御がなされる。具体的には、2日間のみこの基板初期鍵を用いた実稼動制御を許容し、3日目の電源立上げ時においても基板認証鍵を取得できなかったときには、それ以降の制御を停止させ、異常が発生した旨を報知するとともにホールサーバやホール用管理コンピュータへ異常発生した旨の通知を行なうように制御する。なお、基板初期鍵での一定の期間(たとえば2日)だけ許容される仮運用の時限制御は、基板初期鍵がホールサーバに記憶されているものであるため、少なくともCU制御部323がホールサーバに接続されていることが担保されている状態で許容される。
また、前述の「基板初期鍵/出荷鍵認証シーケンス」は、図12に示した工場出荷時すなわち未だ遊技場に搬入されていない段階でも実行される。この段階で基板初期鍵認証シーケンスを実行した場合には、未だ基板初期鍵が取得されていないために、基板初期鍵を用いたこの基板初期鍵認証シーケンスの実行の結果NGの認証結果が導出される。すると、図12に示した基板出荷鍵要求、基板出荷鍵応答以降の各シーケンスが実行され、遊技機と通信テスト電文の通信が実行される状態となる。すなわち、「基板初期鍵/出荷鍵認証シーケンス」により、基板初期鍵が取得されている段階かあるいは取得されていない工場出荷時の段階かを判断しているのであり、本来相互認証を行なう機器認証シーケンスを、基板初期鍵が取得された段階かあるいは取得されていない工場出荷時の段階かの判別にも有効利用している。
<通信制御ICとセキュリティチップとの通信における主なシーケンス>
次に、図19は、SC325bと通信制御IC325aとの間の業務電文シーケンスの処理を説明する図である。図19を参照して、CU3の電源投入後のSC325bおよび通信制御IC325aの処理について説明する。
まず、CU3の電源を投入すると、SC325bおよび通信制御IC325aが起動される。SC325bは、起動するとCU制御部323と認証が実施され、通信制御IC325aは、起動すると遊技機と認証が実施される。
その後、SC325bおよび通信制御IC325aは、暗号鍵に本認証鍵または仮認証鍵を用い、通信制御IC認証シーケンスを行なう。仮認証鍵モードの場合には仮認証鍵を用い、本認証鍵が生成され後の本認証鍵モードの場合には本認証鍵を用いる。
ここで、仮認証鍵は、SC−通信制御ICの間の通信に利用され、本認証鍵が生成されるまでの間(又は設定された許容時間(たとえば2日)が経過するまでの間)、SC325bと通信制御IC325aとの間での暗号通信に使用される。この仮認証鍵による暗号通信(仮認証鍵モード)は限られた期間(たとえば2日)のみ許容(時限的運用)される。SC325bおよび通信制御IC325aは、製造段階から仮認証鍵をそれぞれのROMに記憶している。有効鍵(商用)は、ホールサーバとの最初の通信時にCU制御部323経由でSC325bが受信し、通信制御IC325aに対して送信(設定)する鍵である。有効鍵が設定されることによってS台との通信が可能になる。なお、有効鍵は、通信制御IC325a活性化用のデータである。換言すると、有効鍵は、CU3とS台2Sとの間の通信を許可するための許可情報である。
その後、SC325bおよび通信制御IC325aは、暗号鍵に本認証鍵または仮認証鍵を用い、セキュリティ情報更新シーケンスを行なう。さらに、SC325bおよび通信制御IC325aは、暗号鍵に本認証鍵または仮認証鍵を用い、遊技機チップ情報認証シーケンスを行なう。
その後、SC325bは、通信制御IC325aに対して通信鍵を要求する通信鍵要求のコマンドを送信する。通信鍵要求のコマンドは、暗号鍵に本認証鍵または仮認証鍵を用いて、暗号化してある。
通信鍵要求のコマンドを受信した通信制御IC325aは、遊技機と業務電文を通信するための通信鍵(セッション鍵)を生成し、生成した通信鍵を通信鍵応答のレスポンスでSC325bに通知する。なお、返信する通信鍵応答のレスポンスは、暗号鍵に本認証鍵または仮認証鍵を用いて、暗号化してある。通信鍵(セッション鍵)の生成方法は、具体的には、乱数と現在時刻のデータとを用いて生成する。この現在時刻のデータは、通信制御IC325a自ら生成してもよくまた他の装置からもらい受けてもよい。この通信鍵(セッション鍵)の生成方法は、乱数と現在時刻のデータとに限らず、前述の相互認証に用いた鍵以外の可変データであれば、いかなるものを用いてもよい。
なお、上記の処理終了以降、遊技機と業務電文通信が可能となる。図20は、「基板認証鍵による認証」の具体的制御を説明するためのフローである。図20を参照して、以下説明する一連の処理は、CU制御部323とSC325bとの間において行なわれる。
ステップS201において、チャレンジレスポンス方式を用い、基板シリアルIDを使用した認証処理(単体認証)が行なわれる(図13の基板シリアルID認証要求/応答1,2参照)。
そして、ステップS201の単体認証が完了すると、次のステップS202において鍵バージョンのチェックが行なわれる(図13のバージョン情報通知/応答参照)。
そして、ステップS202の鍵バージョンのチェックが完了すると、次のステップS203において、基板認証鍵を使用した機器認証が行なわれる(図13の基板認証鍵認証要求/応答1,2参照)。
そして、ステップS203の機器認証処理が完了すると、次のステップS204において、ステップS201〜S203の認証結果を相互に通知を行ない、次のステップS205に処理が進む(図13の基板認証結果通知/応答参照)。
ステップS205において、通知された認証結果が正常か否かを判断され、認証結果が正常である場合にはステップS206に処理が進み、認証結果が正常でない場合にはステップS207に処理が進む。
ステップS206において、CU制御部323がSC325bから取得するセキュリティ基板情報を有しているか否かがさらに判断され、取得するセキュリティ基板情報を有している場合には、ステップS209に処理が進み、取得するセキュリティ基板情報を有していない場合には、ステップS210に処理が進む。
ステップS209においては、CU制御部323−SC325b間の基板認証鍵の認証処理について、さらにセキュリティ基板情報の問合せ処理へ遷移し、処理が終了する。一方、ステップS210は、基板認証鍵モードの認証を正常に終了し、処理が終了する。なお、この場合には、CU制御部323−SC325b間は遊技機チップ情報の照合の処理が行なわれる。
一方、ステップS205において、認証結果が正常でない場合には、ステップS206に処理が進み。このステップS206においてこのリトライ回数が3回目か否かが判断され、リトライ回数が3回目である場合には、ステップS208に処理が進み、リトライ回数が3回目でない(リトライ回数が1回目か2回目である)場合には、処理がステップS201に戻り、再度認証処理が行なわれる。
ステップS208において、SC325b基板認証異常として、リセット動作(たとえば、リセットボタン(図示省略)の操作や電源再投入など)まで待機状態となる。リセット動作後において、再度基板初期鍵を暗号鍵として認証処理を行なうモード(基板初期鍵モード)で起動され、各認証処理が行なわれ、処理が終了する。この場合には、その日の営業は1日中この基板初期鍵モードで運用され、翌日の電源立上時に再度管理サーバ800に対しセキュリティ基板情報取得要求を出し、セキュリティ基板情報の取得を試みる(図17)。また、ステップS208aに示したように、翌日の電源立上を待つことなくこの時点でセキュリティ基板情報の問合せ処理を再度実行してもよい。この場合には、基板初期鍵モードでの運用により遊技を進行させつつセキュリティ基板情報の問合せ処理も並行して進行させる。
図21は、通信モードの切替処理を説明するためのフローチャートの一例である。図21(a)は、CU制御部−SC間での通信モードの切替処理を説明するためのフローチャートの一例である。図21(a)を参照して、ステップS211において、CU制御部323は管理サーバ800に基板認証鍵の要求を行ない、次のステップS212に処理が進む。
そして、ステップS212において、CU制御部323は管理サーバ800から送られてきたセキュリティ基板情報の中から基板認証鍵を取得するとともに、セキュリティ基板情報中の更新情報をSC325bへ送信し、次のステップS213に処理が進む。
ステップS213において、CU制御部323は遊技機が非稼動状態か否かの判定を行なう。次のステップS214のモード切替処理を行なったときにはその切替処理の実行中遊技機との加減算玉数の通信処理ができなくなるため、ステップS214のモード切替処理を行なう前に遊技機が非稼動状態か否かの判定を行なうのである。遊技機が非稼動状態か否かは、S台2Sに遊技者のコインが投入されていないか投入されているかで判断する。コインが投入されていない場合には遊技機が非稼働状態と判断する一方、コインが投入されている場合には遊技機が稼働状態と判断する。CU制御部323に対応する遊技機が非稼動状態である場合には、ステップS214に処理が進み、CU制御部323に対応する遊技機が非稼動状態でない場合には、遊技機が非稼動状態になるまでステップS213の処理が行なわれる。
ステップS214において、CU制御部323は、ステップS212において取得した基板認証鍵に基づいて、基板初期鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(基板初期鍵モード)から基板認証鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(基板認証鍵モード)へ通信モードを切替て、処理が終了する。
図21(b)は、SC−通信制御IC間での通信モードの切替処理を説明するためのフローチャートの一例である。図21(b)を参照して、ステップS216において、SC325bがCU制御部323からの更新情報を取得する。前述したようにCU制御部323はステップS212により更新情報をSC325bへ送信する。それを受けたSC325bは、その更新情報を取得する。次に、ステップS217においてSC325bは、取得した更新情報から本認証鍵を生成する。次に、前述のステップS213と同様に、ステップS218においてSC325bは、遊技機が非稼動状態か否かの判定を行ない、非稼動状態であることを条件として、ステップS219の処理を実行する。ステップS219においてSC325bは、生成した本認証鍵に基づいて、SC325bと通信制御IC325aとの通信モードについて仮認証鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(仮認証鍵モード)から本認証鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(本認証鍵モード)へ切替える。
このような実施の形態によれば、CUの正当性が管理サーバ800に登録された基板認証鍵によって認証される前に通常の通信モードとなって残額等を用いたS台2Sでの遊技が可能となることを防止できる。さらに、管理サーバ800に登録された基板認証鍵を受信できないときでも、制限通信モードとなり、S台2Sでの遊技が許容されるため、柔軟な運用が可能となる。しかも、その場合には通常通信モードに比べて所定の制限の下で遊技が許容されるものとなるため、管理サーバ800に記憶された基板認証鍵での認証が必要とされることなく運用が続けられてしまうことを防止できる。
図22は、通信モードの切替処理を説明するためのフローチャートの他の例である。CU制御部−SC間での通信モードの切替処理を示す図22(a)を参照して、ステップS221において、CU制御部323は管理サーバ800にセキュリティ基板情報の要求を行ない、次のステップS222に処理が進む。
そして、ステップS222において、CU制御部323が管理サーバ800に要求したセキュリティ基板情報をホールサーバが管理サーバ800から取得し、そのセキュリティ基板情報の中から基板認証鍵をホールサーバが取得する。次に、ステップS223においてホールサーバは、前述のステップS213と同様の趣旨より、セキュリティ基板情報を要求したCU制御部323に対応する遊技機が非稼動状態か否か判定する。遊技機が非稼動状態になったときにホールサーバはステップS224において、取得した基板認証鍵をCU制御部323へ送信し、それを受けたCU制御部323はセキュリティ基板情報中の更新情報をSC325bへ送信する。次に、ステップS225においてCU制御部323は、ステップS2224において取得した基板認証鍵に基づいて、基板初期鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(基板初期鍵モード)から基板認証鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(基板認証鍵モード)へ通信モードを切替て、処理が終了する。
次に、SC−通信制御IC間での通信モードの切替処理を示す図22(b)を参照して、ステップS226において、SC325bがCU制御部323からの更新情報を取得する。前述したようにCU制御部323はステップS224により更新情報をSC325bへ送信する。それを受けたSC325bは、その更新情報を取得する。次に、ステップS227においてSC325bは、取得した更新情報から本認証鍵を生成する。次に、ステップS228においてSC325bは、生成した本認証鍵に基づいて、SC325bと通信制御IC325aとの通信モードについて仮認証鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(仮認証鍵モード)から本認証鍵を暗号鍵として処理を進めるモード(本認証鍵モード)へ切替える。
このような実施の形態によれば、制限通信モードにおいてホールサーバが管理サーバ800から基板認証鍵を受信したときでも、S台2Sが稼動中のときには、即座にその基板認証鍵がCUに送信されて通常通信モードに切り換わるのではなく、遊技機が非稼働状態になったことを条件にして基板認証鍵がホールサーバからCUに送信されて通常通信モードに切り換わるため、制限通信モードにおいて提供されていた遊技に何らかの影響を与えてしまい、遊技者が不利益を被ることを防止できる。
<SC325bとCU制御部323との認証動作>
次に、統一店舗コードのチェック、基板メーカコードの認証についてさらに詳しく説明する。
まず、図23を参照して、SC325bによる統一店舗コードのチェック処理を説明する。図23は、統一店舗コードのチェックの認証動作を説明するためのフローチャートである。この処理は、SC325bが、基板接続要求時に通知される統一店舗コードと前回通知された統一店舗コードをチェックして、不一致の場合に設置された店舗が変わったと判断する認証動作である。SC325bは、記憶している前回の統一店舗コードがダミーコードであるか否かを判断する(ステップS1101)。なお、統一店舗コードのダミーコードは、たとえば、すべてのデータが“0xFF”である。このダミーコードは、CU3が遊技場(店舗)に設置される前の出荷時の段階で通常の統一店舗コードの代わりに用いられるものであり、出荷時の段階でSC325bに既に記憶されている。そして出荷時にダミーコードをCU制御部323経由でSC325bに入力して、SC325bがその入力されたダミーコードと記憶しているダミーコードとを一致判定して認証する。また、ダミーコードは、新装開店の遊技場(ホール)のため未だ統一店舗コードを取得していない場合に仮の店舗コードとして当該遊技場のホールサーバにデフォルトとして記憶されている。そして、新装開店の遊技場に設置されたCU3にホールサーバからダミーコードをダウンロードさせてSC325bがそのダウンロードされたダミーコードと記憶しているダミーコードとを一致判定して認証し、S台2Sによる遊技を可能にする。
正規の統一店舗コードを取得したホールサーバはCU制御部323へその統一店舗コードを送信する。それを受けたCU制御部323は、次の電源投入時における基板接続要求時にその統一店舗コードをSC325bへ送信する。それを受けたSC325bは、記憶している前回の統一店舗コードがダミーコードであると判断した場合(ステップS1101:YES)、基板接続要求時にホールサーバから通知された統一店舗コードに記憶を更新するが、基板認証鍵、本認証鍵情報を初期化しないで、前回の各認証モードを引継いで動作する。その後、SC325bは、認証ログ情報を保存する(ステップS1106)。基板認証鍵、本認証鍵情報の初期化は、或る遊技場に設置されていたCU3が他の遊技場に移設されたときに必要となる処理であるが、SC325bに記憶されているダミーコードを統一店舗コードに更新する場合には、前述した新装開店の遊技場が正規に統一店舗コードを取得してその統一店舗コードをCU3にダウンロードした場合であり、店舗が代わったわけではなく、基板認証鍵、本認証鍵情報の初期化は不要である。逆にこのような場合に基板認証鍵、本認証鍵情報の初期化すると、再度基板認証鍵の取得要求が必要となり、1営業日での基板初期鍵運用(時限運用)が多くなり、時限運用猶予期間が少なくなる不都合が生じる。このような不都合を回避するために基板認証鍵、本認証鍵情報の初期化を行なわないように制御している。
一方、SC325bは、記憶している前回の統一店舗コードがダミーコードでないと判断した場合(ステップS1101:NO)、基板接続要求時にホールサーバから通知された統一店舗コードと、記憶している前回の統一店舗コードとが一致しているか否かを判断する(ステップS1102)。
SC325bは、基板接続要求時にホールサーバから通知された統一店舗コードと、記憶している前回の統一店舗コードとが一致していると判断した場合(ステップS1102:YES)、認証処理を基板初期鍵認証シーケンスへ遷移、あるいは、基板認証鍵認証シーケンスへ遷移する(ステップS1103)。なお、SC325bは、前回の認証モードが基板認証鍵モードである場合、基板認証鍵認証シーケンスへ遷移し、前回の認証モードがそれ以外の認証モードである場合、基板初期鍵認証シーケンスへ遷移する。
一方、SC325bは、基板接続要求時にホールサーバから通知された統一店舗コードと、記憶している前回の統一店舗コードとが一致していないと判断した場合(ステップS1102:NO)、基板認証鍵情報、および本認証鍵情報を初期化(クリア)する(ステップS1104)。このような統一店舗コードの不一致は、或る遊技場に設置されていたCU3が他の遊技場に移設されたときに生じる。CU3が他の遊技場に移設されたため、前の遊技場で使用していた基板認証鍵情報および本認証鍵情報を初期化(クリア)してセキュリティを担保するのである。なお、SC325bは、CU制御部323から通知される統一店舗コードが変更になった場合、本認証鍵の初期化(クリア)を通信制御IC325aに設定して、仮認証鍵による認証を開始する。なお、SC325bが本認証鍵情報を初期化(クリア)した場合に、通信制御IC325aも本認証鍵情報を初期化(クリア)するように制御してもよく、また、特にそのような制御を行なうことなく次回の通信制御IC325aとの認証のときにSC325bが本認証鍵でないため仮認証鍵での認証に戻るようにしてもよい。
また、SC325bは、ステップS1104で基板認証鍵情報、および本認証鍵情報を初期化(クリア)した後、認証処理を基板初期鍵認証シーケンスおよび仮認証鍵シーケンスへ遷移する(ステップS1105)。
SC325bは、ステップS1103で認証処理を基板初期鍵認証シーケンスへ遷移、あるいは、基板認証鍵認証シーケンスへ遷移した後、ステップS1104で認証処理を基板初期鍵認証シーケンスへ遷移した後、認証ログ情報を保存する(ステップS1106)。
図24は、基板メーカコードの認証動作を説明するためのフローチャートである。基板メーカコードの認証は、SC325bとCU制御部323とが、それぞれ初期情報として記憶している基板メーカコードを使用した認証を行なう認証動作である。図24を参照して、まず、SC325bとCU制御部323とは、記憶している基板メーカコードを使用したチャレンジ/レスポンス方式による単体認証を行なう。(ステップS1201)。なお、単体認証時に生成するレスポンスコードは、たとえば、記憶している基板メーカコードを鍵にしてチャレンジコードをブロック暗号化した後にハッシュ関数でハッシュ化することで生成される。
SC325bは、生成したチャレンジコードに対してCU制御部323が生成したレスポンスコードをチェックした認証結果が正常か否かの判断を行なう(ステップS1202)。SC325bは、認証結果が正常であると判断した場合(ステップS1202:YES)、既に基板認証鍵で認証済みであるか否かを判断する(ステップS1203)。一方、SC325bは、認証結果が正常でない(異常)と判断した場合(ステップS1202:NO)、n回(たとえば3回)連続して異常であるか否かを判断する(ステップS1204)。
SC325bは、既に基板認証鍵で認証済みであると判断した場合(ステップS1203:YES)、基板認証鍵の認証処理へ遷移し、基板認証鍵認証シーケンスを維持する(ステップS1205)。一方、SC325bは、既に基板認証鍵で認証済みでないと判断した場合(ステップS1203:NO)、基板初期鍵の認証処理へ遷移する(ステップS1206)。
SC325bは、n回連続して異常でないと判断した場合(ステップS1204:NO)、処理をステップS1201に戻す。一方、SC325bは、n回連続して異常であると判断した場合(ステップS1204:YES)、セキュリティを担保するために基板認証鍵情報および本認証鍵情報を初期化(クリア)する(ステップS1207)。これにより、基板認証鍵情報および本認証鍵情報が盗用される不都合を防止できる。その後、SC325bは、基板初期鍵の認証処理へ遷移する(ステップS1208)。
SC325bは、ステップS1205で基板認証鍵認証シーケンスを維持、またはステップS1206、S1208で基板初期鍵の認証処理へ遷移した後、認証ログ情報を保存する(ステップS1209)。
<ヘルスチェック>
次に、本実施の形態に係る遊技用システムでは、たとえばCU3またはS台2Sと管理サーバ800との通信が不通となった場合であっても、安定してCU3またはS台2Sを稼働させるために時限運用機能を利用して稼働を継続することが可能である。しかし、時限運用機能を意図的に利用して、管理サーバ800と通信を行なうことなくCU3やS台2Sを稼働させて不正な営業が行なわれる可能性があった。そこで、本実施の形態では、時限運用機能を利用して稼働しているCU3またはS台2Sが、管理サーバ800との通信が不通となった状態が所定の期間継続した場合、当該時限運用機能を無効にするように構成している。また、本実施の形態では、CU3またはS台2Sの時限運用機能が無効にされても、管理サーバ800との通信が回復し所定の条件を満たせば再び時限運用機能の設定を有効にする構成にしてある。
図25は、本実施の形態に係る遊技用システムにおいて時限運用機能を無効にする処理を説明するための図である。図25を参照して、時限運用機能を無効にする処理について説明する。時限運用機能を無効にする処理は、管理サーバ800−ホールサーバ801間、ホールサーバ801−CU制御部323間、CU制御部323−SC325b間において所定の処理が行なわれる。
まず、CU制御部323およびSC325bを含むCU3がS台2Sと通信を行なうことで、遊技者がS台2Sで遊技を行なうことが可能となっている。このとき、たとえばCU制御部323−SC325b間の通信では、秘匿鍵Aに基づく暗号通信が行なわれており、CU制御部323からの状態情報要求のコマンドも、SC325b間からの状態情報応答のレスポンスも秘匿鍵Aに基づいて暗号化されている。
この秘匿鍵Aは、管理サーバ800からのヘルスチェックにより定期的に更新することで、正常にCU制御部323−SC325b間の通信を行なうことが可能となる。図25に示す管理サーバ800は、CU制御部323−SC325b間で正常に通信を行なっているときに、CU制御部323およびSC325bに対してヘルスチェックを行なうべくヘルスチェック要求のコマンドを送信しているが、管理サーバ800−ホールサーバ801間の通信が不通のため当該ヘルスチェック要求のコマンドがCU制御部323に到達していない。
管理サーバ800からのヘルスチェックは、たとえば1日1回行なわれ、管理サーバ800−ホールサーバ801間の通信が不通のため送信したヘルスチェック要求に対するヘルスチェック応答が得られない場合であっても再送信せずに次の日にヘルスチェック要求を送信することになる。
CU制御部323−SC325b間の通信は、管理サーバ800からのヘルスチェックが行なわれず秘匿鍵Aが更新されない場合であっても、時限運用機能のため何ら制限を受けることなく継続して通信を行なうことができる。そのため、CU3とS台2Sとの通信も正常に行なうことができ、CU3やS台2Sを正常に稼働させてS台2Sでの営業を可能にすることができる。
しかし、管理サーバ800がヘルスチェック要求のコマンドを送信してもCU制御部323に到達しない状態が、たとえば10日間(1日1回ヘルスチェックを行なう場合であれば10回)継続した場合、ヘルスチェック要求時限オーバーと判断される。ヘルスチェック要求時限オーバーと判断されると、SC325bは時限運用機能を無効にして、秘匿鍵Aを用いたCU制御部323−SC325b間の通信を行なうことができなくなる。CU制御部323−SC325b間の通信において秘匿鍵Aを利用できない場合、通信内容が大幅に制限され、CU3とS台2Sとの通信も制限される。そのため、CU3やS台2Sの稼働を不可にさせたり、大幅に制限を加えて稼働させたりすることができる。
CU制御部323−SC325b間の通信では、秘匿鍵Aに基づく暗号通信が行なわれておらず、CU制御部323からの状態情報要求のコマンドも、SC325b間からの状態情報応答のレスポンスも秘匿鍵Aに基づいて暗号化されていない。その代わりに、たとえばCU制御部323またはSC325bに保持されている初期鍵Aに基づいて暗号して通信を行なってもよい。その場合、たとえばCU制御部323−SC325b間で通信できるコマンドが大幅に制限される。
以上のように、本実施の形態では、管理サーバ800との通信が不通となった状態が所定の期間継続してヘルスチェックできない場合、時限運用機能を無効にするので、時限運用機能を利用して不正にS台2Sを稼働させて営業することを防止することができる。なお、時限運用機能を無効にする無効条件は、ヘルスチェックできない期間が10日間あることを条件としたが、これに限られずヘルスチェック要求のコマンドを送信してヘルスチェック応答のレスポンスが受信できなかった回数が所定回数になったことを条件にしてもよい。
次に、時限運用機能を無効にした遊技用システムに対して、時限運用機能を有効にするための処理について説明する。図26は、本実施の形態に係る遊技用システムにおいて時限運用機能を有効にする処理を説明するための図である。図26を参照して、時限運用機能を有効にする処理について説明する。時限運用機能を有効にする処理は、管理サーバ800−ホールサーバ801間、ホールサーバ801−CU制御部323間、CU制御部323−SC325b間において所定の処理が行なわれる。
まず、CU制御部323およびSC325bを含むCU3がS台2Sと通信を行ない、CU制御部323から状態情報要求のコマンドをSC325bに送信し、それを受けてSC325b間から状態情報応答のレスポンスをCU制御部323に送信している。なお、このときCU制御部323およびSC325bは、管理サーバ800−ホールサーバ801間の通信が不通のため送信したヘルスチェック要求に対するヘルスチェック応答が得られない状態で無効条件が成立して時限運用機能が無効にされている。
その後、管理サーバ800−ホールサーバ801間の回線が復旧して通信可能となった場合、管理サーバ800から送信したヘルスチェック要求に対するヘルスチェック応答が得られる。このような管理サーバ800からのヘルスチェックが可能となった状態が3日間経過し、4日目のヘルスチェック要求を管理サーバ800が行なう。なお、ヘルスチェックが可能となった状態であれば、CU制御部323−SC325b間の通信では、秘匿鍵Aに基づく暗号通信が行なわれている。
具体的に、管理サーバ800は、ホールサーバ801に対してヘルスチェック要求のコマンドを送信し、当該コマンドを受けたホールサーバ801がCU制御部323に対してヘルスチェック要求のコマンドを送信する。さらに、CU制御部323は、ホールサーバ801からのコマンドを受けて、付加情報としてヘルスチェック要求を含む基板状態要求のコマンドをSC325bに送信する。
SC325bは、CU制御部323から基板状態要求のコマンドを受けると、回線が復旧して正常にヘルスチェックが3日間行なわれたので、無効にしてある時限運用機能を有効にする。時限運用機能を有効にすることで、今後、管理サーバ800−ホールサーバ801間の通信が不通となりヘルスチェックが行なえなくなっても、CU制御部323およびSC325bは、時限運用機能を利用して秘匿鍵Aに基づく通信を行なうことが可能となる。これにより、CU3およびS台2Sは、管理サーバ800との通信断などの障害が生じたとしても安定して稼働させることができる。
さらに、SC325bは、基板状態要求のコマンドを受けて、付加情報としてヘルスチェック応答を含む基板状態応答のレスポンスをCU制御部323に送信する。ヘルスチェック応答には、SC325bの状態情報が含まれるとともに、S台2Sから受信したS台2Sの状態情報が含まれている。なお、SC325bがS台2Sに対してヘルスチェック要求を行ない、S台2Sからヘルスチェック応答を受信することで、S台2Sの状態情報を取得する。
CU制御部323は、SC325bから基板状態応答のレスポンスを受けて、ホールサーバ801に対してヘルスチェック応答のレスポンスを送信する。当該ヘルスチェック応答のレスポンスには、たとえばCU制御部323−SC325b間の認証状態の情報が含まれている。さらに、ホールサーバ801が、CU制御部323からヘルスチェック応答のレスポンスを受けて、管理サーバ800に対してヘルスチェック応答のレスポンスを送信する。
以上のように、本実施の形態では、管理サーバ800との回線が復旧し通信が可能となった状態が所定の期間継続してヘルスチェックを行なうことができる場合、無効である時限運用機能を有効にするので、時限運用機能を利用して遊技場の営業を妨げない安定した稼働が可能となる。また、無効である時限運用機能を有効にするために店員が各CU3やS台2Sを操作する必要が無いため、店員の作業を軽減することができる。なお、時限運用機能を有効にする復帰条件は、ヘルスチェックが可能となった期間が3日間あることを条件としたが、これに限られずヘルスチェック要求のコマンドを送信してヘルスチェック応答のレスポンスが受信できた回数が所定回数になったことを条件にしてもよい。また、時限運用機能を無効にする無効条件であるヘルスチェックできない期間(たとえば10日間)は、時限運用機能を有効にする復帰条件であるヘルスチェックが可能となった期間(たとえば3日間)に比べて長くすることで、時限運用機能の不正利用を防止しつつ、遊技場の営業を妨げない安定したCU3およびS台2Sの稼働が可能になる。
<変形例や特徴点など>
次に、以上、説明した本実施の形態の変形例や特徴点などを列挙する。
(1)本実施の形態では、図3に示すようにS台2Sに通信可能に接続するCU3(遊技用装置)を備える遊技用システムについて説明したが、これに限定されない。例えば、CU3の構成をS台2Sに含め、S台2SがT−BOX400を介して管理サーバ800に接続する遊技用システムであってもよい。具体的に、図27は、変形例のS台2Sとの構成を示すブロック図である。図27に示すS台2Sは、図3に示す払出制御基板17、CU制御部323、セキュリティ基板325の機能を主制御基板16に含めた構成である。図27に示す主制御基板16には、特に払出制御基板17、CU制御部323、セキュリティ基板325の構成を図示していないが、それぞれの機能は含んでおり、例えば図27で払出制御基板17に接続されていたコイン認識基板331が直接接続されている。また、図27に示す主制御基板16は、外部接続端子332を介してT−BOX400に接続され、当該T−BOX400を介して管理サーバ800に接続されている。そのため、主制御基板16は、管理サーバ800と通信可能であり、前述したCU制御部323、セキュリティ基板325の機能を実現することが可能であり、同様の効果を得ることができる。なお、図27に示すS台2Sは、図3に示すCU3の構成をすべて含んでいるのではなく、コイン払出機333、貨幣識別器334は含んでいない。この場合、コイン払出機333は、1つの遊技島に対してコイン払出機333を1台設ける構成、またはホールの所定の場所にコイン払出機333を複数台設ける構成となる。
(2)本実施の形態では、図3に示すようにS台2SにCU3が通信可能に接続され、CU3を介して管理サーバ800と通信する共に、外部接続端子332を介して管理サーバ800と通信することが可能である。そのため、S台2Sは、管理サーバ800などの外部に遊技情報(例えば、リール位置、遊技状態(AT中など)、大当り、異常の報知、入賞回数、メダル点数など)を出力する場合、CU3を介して管理サーバ800に出力しても、外部接続端子332を介して管理サーバ800に出力してもよい。もちろん、S台2Sは、同じ遊技情報を、CU3を介する経路と、外部接続端子332を介する経路との両方を利用して主力してもよい。
(3)本実施の形態では、リーダライタで受付けたコイン(記録媒体)に記録された持点をS台2Sの持点記憶手段である払出制御部171のRAMに読み出した場合、読み出した持点をメダル点として記憶し、メダル点使用スイッチ12を押下することで当該メダル点を遊技への使用のためのクレジットとして変換されると説明した。さらに、本実施の形態では、クレジットの上限を設け、上限以上はメダル点がクレジットに変換されないようにして、メダル払出し方式のスロットマシンに慣れた遊技者に違和感を与えないような構成について説明した。しかし、これに限定されるものではなく、リーダライタで受付けたコインに記録された持点を払出制御部171のRAMに読み出した場合、S台2Sの持点であるメダル点としてではなく、クレジットして記憶してもよい。なお、この場合クレジットには上限を設けずにコインに記録された持点の全部を変換できるようにする。
(4)本実施の形態では、主制御部161と払出制御部171との間で相互認証を行う。相互認証に必要な認証情報は、予め主制御部161および払出制御部171に記憶してあってもよいが、SC325bから必要な認証情報を得るようにしてもよい。具体的な認証シーケンスとしては、前述したように主制御部161および払出制御部171のチップIDが管理サーバ800により認証され、主制御部−払出制御部間の通信が認証されたことがそれぞれの認証ステータスレジスタに書込まれる。さらに、当該認証シーケンスにより、主制御部161と払出制御部171との暗号通信に用いる暗号鍵および復号鍵を生成する処理を行なう。当該処理を行なった以降の主制御部161と払出制御部171との通信には、生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信が行なわれる。
(5)本実施の形態では、コイン残高を消費することによって、メダル点が加算される。あるいは、貯メダルを消費することによって、メダル点が加算される。つまり、コイン残高あるいは貯メダルからメダル点に変換される。一方、コイン残高および貯メダルから持点には変換されない。しかしながら、コイン残高および貯メダルから一旦、持点に変換されるようにしてもよい。
(6)持点を特定可能に記録するための記録媒体は、スマートフォンなどの携帯端末を利用したものとしてもよい。この場合、S台2Sに携帯端末と通信するための通信部を設けて、携帯端末を通信部にかざすことによって、携帯端末内に記憶されているIDをS台2Sが認識し、後は本実施の形態に記載したような手順で遊技を可能とする。一方、遊技終了時には、再度、携帯端末を通信部にかざすことによって、遊技終了時の持点がIDを通じて遊技者の持点に加算されるようにする。
(7)S台2Sが遊技中の精算操作を無効とする場合の「遊技中」とは、たとえば、リール2L、2C、2Rが回転開始してから停止するまでの期間である。あるいは、スタート操作が検出されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでの期間である。
(8)本実施の形態では、CU3とS台2Sとの間の通信において、CU3を一次局、S台2Sを二次局とするコマンド−レスポンス方式が採用され、CU制御部323とSC325bとの間の通信において、CU制御部323を一次局、SC325bを二次局とするコマンド−レスポンス方式が採用されているが、一次局と二次局との関係を逆にしてもよい。あるいは、このような主従の関係がある通信方式を採用するのではなく、通信すべき要求が生じたときに双方が相手にデータを送信するような方式を採用してもよい。
(9)本実施の形態では、S台2S側のみでメダル点を記憶するようにしているが、メダル点はS台2S側およびCU3側の双方で記憶してもよい。また、本実施の形態では、主制御部161側のみでメダル点を記憶するようにしているが、メダル点は主制御部161側および払出制御部171側の双方で記憶してもよい。一方、持点は、払出制御部171側のみでメダル点を記憶するようにしているが、持点は主制御部161側および払出制御部171側の双方で記憶してもよい。また、メダル点は主制御部161側のみで記憶し、一方、持点は、払出制御部171側でのみ記憶するようにして、データの記憶管理の役割分担を明確にしてもよい。
(10)本実施の形態に係る遊技用システムは、持点を使用した所定の持点使用処理を実行するための持点使用操作手段を含む。ここで、所定の持点使用処理とは、ワゴンサービスを実行するための処理や、あるいは、持点(持玉)を分割して共有する処理(持点を他人に分割譲渡する処理)を含む概念である。また、持点使用操作手段は、たとえば、タッチパネルである。あるいは、持点使用操作手段は、CU又は遊技機に対して持点使用処理の実行を指令するために遊技店の係員に与えられるリモコンであってもよい。
(11)本実施の形態では、コインIDにより遊技者の同一性の判別を行なっているが、それに代えてまたはそれに加えて、遊技者の指紋や網膜等のバイオマスにより遊技者の同一性の判別を行なってもよい。
(12)本実施の形態では、遊技者所有の有価価値(プリペイド残額、持玉、貯玉)の範囲内で価値を引落して該引落し相当分の遊技点を加算するにおいて、引落した価値と同じ価値の遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、たとえば、実際に引落した価値に対し消費税相当額分少ない遊技点を加算するように制御してもよい。
(13)本実施の形態では、遊技場から離れた管理センタに管理サーバ800を設置した。しかしながら、管理サーバ800は遊技場内に設置してもよい。これにより、遊技場外に管理サーバ800を設置する場合と比較すると、CU3と管理サーバ800との通信を高速化し易く、また、通信障害の発生率を低減できる。
(14)本実施の形態では、遊技情報の一例として、リール位置、遊技状態(AT中など)、大当り、異常の報知、入賞回数、メダル点数などを挙げて説明した。しかしながら、遊技情報は、持点、コイン残額、貯メダル、その他、玉数情報、遊技台情報など遊技に関連したその他の情報を含んでもよい。たとえば、遊技者が選択あるいはカスタマイズした遊技者の好みのキャラクタを第1表示器54や第2表示器55などに表示可能にした場合には、そのキャラクタを特定可能な情報も遊技情報に含まれる。このような遊技者の嗜好に合うキャラクタを含む画面デザインの情報は、たとえば、遊技者のコインIDと対応付けて遊技の終了時にサーバに送信して記憶させ、新たに遊技を開始する際には管理サーバ800などからS台2Sへダウンロードするようにしてもよい。
(15)持点またはメダル点の数の変化の有無をS台2Sでチェックし、所定期間、持点またはメダル点の数が変化しない場合には、S台2Sでその旨を報知するようにしてもよい。あるいは、報知のための信号を外部装置(ホールコンピュータ、S台2S上の呼び出しランプ)に出力してもよい。これにより、たとえば、残り僅かな玉が放置されたままで遊技放棄された台を店員が把握しやすくする。
(16)コインがS台2Sに投入されていないにも関わらず、遊技者のメダル点が変化した場合には、S台2Sでその旨を報知するようにしてもよい。あるいは、報知のための信号を外部装置(ホールコンピュータ、S台2S上の呼び出しランプ)に出力してもよい。これにより、たとえば、遊技を終えてコインを排出した後に、メダル点が払い出されたまま放置されているような台を店員が把握しやすくする。
(17)本実施の形態では、遊技者が貸出スイッチ321を押下することでコインに記録されている残高の全部または一部を引落としてメダル点に変換し、遊技者が持点スイッチ324を押下することでコインに記録されている持点の全部または一部を引落としてメダル点に変換する構成を説明した。しかし、これに限定されず、例えばコインをコイン投入口13に投入すると、コインに記録されている残高または持点の全部または一部が自動的に引落とされてメダル点に変換する構成でもよい。
(18)本実施の形態では、遊技者が貸出スイッチ321を押下することでコインに記録されている残高の全部または一部を引落したり、遊技者が持点スイッチ324を押下することでコインに記録されている持点の全部または一部を引落したりした場合、引落したタイミングで引落した残高または持点をコインに記録している。しかしながら、これに代えて、返却スイッチ322が押下されコインを返却するときに一括して引落した残高または持点をコインに記録させるようにしてもよい。また、本実施の形態では、メダル点精算スイッチ11bが操作されて計数処理が行なわれるタイミングで計数された持点がコインに記録されている。しかしながら、これに代えて、返却スイッチ322が押下されコインを返却するときに一括して計数された持点をコインに記録させるようにしてもよい。
(19)本実施の形態では、S台2Sの持点記憶手段として払出制御部171のRAMにメダル点およびクレジットを記憶される構成を説明した。しかし、これに限定されず、例えば、払出制御部171のRAMにメダル点、主制御部161のRAMにクレジットを記憶させてもよい。また、例えばクレジットを記憶させる領域を設けずに、メダル点から直接賭数を設定できるようにしてもよい。さらに、払出制御部171のRAMにメダル点およびクレジットを記憶させる領域を設けずに、リーダライタで受付けたコインに記録された持点を直接読み出して賭数の設定に利用できるようにしてもよい。つまり、S台2Sは、メダル点やクレジットを介することなく、コインに記録された持点を直接使用して遊技を行ってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。