以下に、本発明の実施の形態に係る遊技システムについて、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
[遊技システムの概要]
図1に示すように、本実施の形態に係る遊技システムは、遊技者が遊技に興じる遊技機としての封入式パチンコ遊技機1と、封入式パチンコ遊技機1に用いられる遊技球(遊技媒体)に関わるデータの管理を行う遊技媒体管理装置2と、遊技場内に設置された遊技場管理装置としてのホールコンピュータ3と、遊技場以外の第三者機関(例えばカード会社等)に設置された管理装置としての第三者管理サーバ4と、を含んで構成されている。
この遊技システムは、遊技者が遊技媒体管理装置2に現金などの有価価値を挿入して封入式パチンコ遊技機1から払出された遊技球で遊技を行う際に、消費された遊技球と大当りなどで獲得された払出情報をホールコンピュータ3で一旦保管した後、第三者管理サーバ4で管理するようにしたシステムである。これにより、遊技球のIN・OUTを明確に管理することが可能となる。
また、この遊技システムでは、遊技者が所有する遊技用のカード(記憶媒体)に記憶された持球数情報は第三者管理サーバ4で保管されるようになっており、これにより遊技者の持球数が保障されるようになっている。遊技用のカードとしては、例えば遊技場が個別に発行する貯球機能が付いた会員カードや、非会員用のビジターカードなど、遊技者の持球数情報が記憶可能な種々のカードを用いることが可能である。
封入式パチンコ遊技機1は、遊技者が遊技を行うことが可能な、いわゆる封入式遊技機であり、自遊技機内で一定数の遊技球を循環させ、遊技に用いる遊技球や遊技者に遊技球を直接払出すことを不要としたものである。
具体的には、封入式パチンコ遊技機1は、遊技の進行等を管理制御する遊技制御装置(図9参照)を備え、遊技機本体内に一定数(例えば、50個)の遊技球を封入しておき、遊技媒体貸出装置としての機能を有する遊技媒体管理装置2より入力された有価価値の情報(球貸度数)に基づいた遊技球を基に、封入された遊技球を遊技領域内に発射して遊技を行うようになっている。また、封入式パチンコ遊技機1は、その遊技結果が所定の利益状態あるいはそれ以外の状態であるか否かの判定を行い、所定の利益状態の場合には所定数の賞球数に対応させて遊技者の利益である持球数(遊技価値)を増加させ、かつ遊技領域を経た遊技球を回収して発射位置に導くことにより、封入された遊技球を循環使用してパチンコ遊技を行う機構となっている。封入式パチンコ遊技機1の詳細については、後述する。
遊技媒体管理装置2は、封入式パチンコ遊技機1に付設又は内蔵され、封入式パチンコ遊技機1との間で通信を行い遊技用のカードに記憶される持球数情報の読み出し及び書き込みを行うようになっている。本実施の形態では、遊技媒体管理装置2は、封入式パチンコ遊技機1に対して付設されている。遊技媒体管理装置2の詳細については、後述する。
ホールコンピュータ3は、封入式パチンコ遊技機1が複数設置された遊技場内に設置され、かつ暗号化処理を施したLANで遊技場内の複数の遊技媒体管理装置2と接続され、これら遊技媒体管理装置2との間で通信を行うようになっている。また、ホールコンピュータ3は、広域ネットワークNWを介して第三者管理サーバ4と通信可能に接続されている。
ホールコンピュータ3は、広域ネットワークNWにより第三者管理サーバ4と暗号化された認証情報を送受信するようになっている。ホールコンピュータ3は、暗号化された封入式パチンコ遊技機1と遊技媒体管理装置2の認証情報を受信し、第三者管理サーバ4に認証情報を送信するとともに、暗号化された認証結果を第三者管理サーバ4から受信し、これを遊技媒体管理装置2に送信するようになっている。
ここで、認証情報とは、封入式パチンコ遊技機1の起動時に送信される情報であって、例えば封入式パチンコ遊技機1のメインCPU116の固有ID、サブCPU141の固有ID、遊技機メーカーコード、セキュリティチップメーカーコード、封入式パチンコ遊技機1の型式コード等を含む情報である。封入式パチンコ遊技機1の電源投入時は、最低限、上述の各項目について判定を行い、それら各項目の情報が正常な情報であると判定された場合に封入式パチンコ遊技機1が起動されるようになっている。
また、ホールコンピュータ3は、遊技者が所有する遊技用のカード(記憶媒体)に記憶された持球数情報を遊技媒体管理装置2から受信し、第三者管理サーバ4に送信したり、持球数情報に関する認証を行うようになっている。例えば、ホールコンピュータ3は、遊技用のカードのカードID及び遊技媒体管理装置2の固有IDとともに、暗号化された持球数情報(第1の情報)を遊技媒体管理装置2から受信し、これを復号化して第三者管理サーバ4に送信するようになっている。ホールコンピュータ3の詳細については、後述する。
第三者管理サーバ4は、遊技場以外の第三者機関(例えば、遊技用のカードを発行するカード会社等)に設置されている。第三者管理サーバ4は、広域ネットワークNWを介してホールコンピュータ3と通信可能に接続され、遊技場以外の第三者機関によって管理されている。
第三者管理サーバ4は、上述の認証情報をホールコンピュータ3に送信したり、ホールコンピュータ3で復号化された情報(第1の情報)をホールコンピュータ3から受信するようになっている。また、第三者管理サーバ4は、遊技媒体管理装置2によって遊技用のカードのカードID及び遊技媒体管理装置2の固有IDとともに、暗号化された持球数情報(第2の情報)を、ホールコンピュータ3を介して遊技媒体管理装置2から受信し、これを復号化するようになっている。
また、第三者管理サーバ4は、ホールコンピュータ3から受信した第1の情報と遊技媒体管理装置2から受信し復号化した第2の情報とを照合するようになっている。第三者管理サーバ4の詳細については、後述する。
[封入式パチンコ遊技機の構成]
次に、図2〜図5を参照して、封入式パチンコ遊技機1の構成について説明する。
図2に示すように、封入式パチンコ遊技機1は、上述した通り封入式遊技機で構成されており、遊技者の操作に応じて発射された遊技球が転動する遊技領域10が設けられている。遊技領域10には、図示していないが、始動口、一般入賞口、大入賞口などの遊技球が入賞可能な入賞領域が設けられている。
また、封入式パチンコ遊技機1の正面右下には、遊技球を遊技領域10に向けて発射する際に遊技者によって操作される発射ハンドル11が設けられている。遊技者は、発射ハンドル11を把持して、例えば時計回り方向に回転させることで遊技球の発射強度を調節可能となっている。
封入式パチンコ遊技機1では、遊技者による発射ハンドル11の操作に応じて発射された遊技球が遊技領域10上を転動し、各種入賞領域に入賞することによって、以下に説明するパチンコゲームが行われるようになっている。
パチンコゲームは、遊技者による発射ハンドル11の操作に応じて遊技球が遊技領域10に発射され、その遊技球が各種入賞領域に入賞することで、遊技球の払出制御が行われるゲームである。このパチンコゲームには、特別図柄の変動・停止を行う特別図柄ゲーム、普通図柄の変動・停止を行う普通図柄ゲームが含まれる。これら特別図柄ゲームにおいて大当りとなったときや、普通図柄ゲームにおいて当りとなったときには、相対的に遊技球が入賞する可能性が増大し、遊技球の払出制御が行われ易くなる。
また、各種入賞には、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示が行われる1つの条件である特別図柄始動入賞や、普通図柄ゲームにおいて普通図柄の可変表示が行われる1つの条件である普通図柄始動入賞も含まれている。
特別図柄始動入賞があった場合には、大当り判定用のカウンタ、図柄決定用のカウンタから乱数値が抽出され、抽出された各乱数値が記憶されることとなる。一方、普通図柄始動入賞があった場合には、当り判定用のカウンタから乱数値が抽出され、抽出された乱数値が記憶されることとなる。
特別図柄ゲームにおいては、最初に特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この場合において、上述した特別図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを1つの条件として、特別図柄の可変表示を開始すると判定される。
そして、大当り判定用のカウンタから抽出された乱数値が参照され、大当りとするか否かの大当り判定が行われる。次に、図柄決定用のカウンタから抽出された乱数値と、上述した大当り判定結果とが参照され、停止表示させる特別図柄を決定する停止図柄決定処理が行われる。
次いで、変動パターン決定用のカウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述の大当り判定結果と、上述の停止図柄とが参照され、特別図柄の変動パターンが決定される変動パターン決定処理が行われる。次に、演出パターン決定用のカウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述の大当り判定結果と、上述の停止図柄と、上述の変動パターンとが参照され、特別図柄の可変表示に伴って実行する演出パターンが決定される。
そして、上述したように決定された大当り判定の結果、停止表示させる特別図柄、特別図柄の変動パターン、特別図柄に伴う演出パターンが参照され、特別図柄の可変表示の表示制御を行う可変表示制御、所定の演出を行う演出制御が実行される。
ここで、大当り判定の結果が大当りであると判定された場合には、可変表示制御、演出制御が終了した後に、通常遊技に比べて遊技球の獲得が容易となる大当り遊技を行う大当り遊技制御が実行される。この大当り遊技制御においては、上述した各種入賞の可能性が増大することとなる。一方、大当りとならないと判定された場合には、前述の大当り遊技制御は実行されない。
大当り遊技制御が終了した場合には、遊技状態を移行させるための遊技状態移行制御が行われる。この遊技状態移行制御においては、大当り遊技状態とは異なる通常時における遊技状態の管理が行われる。例えば、上述の大当り判定において、大当りと判定される確率が相対的に高くなる確変状態や、特別図柄や普通図柄の可変表示において、その可変表示時間を短縮させるとともに普通図柄の当り確率が相対的に高くなる時短状態など、各種遊技状態に移行させることが可能である。そして、再度、特別図柄の可変表示を開始させるか否かが繰り返し判定されることとなる。
一方、普通図柄ゲームにおいては、最初に普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この場合において、上述した普通図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを1つの条件として普通図柄の可変表示を開始すると判定される。
そして、当り判定用のカウンタから抽出された乱数値が参照され、当りとするか否かの当り判定が行われる。次に、上述の当り判定結果が参照され、普通図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定処理が行われる。
上述の当り判定の結果、普通図柄の変動パターンが参照され、普通図柄の可変表示の表示制御を行う可変表示制御、所定の演出を行う演出制御が実行される。
そして、可変表示制御、演出制御が終了した場合には、当りとなるか否かが判定され、当りと判定された場合には、当り遊技を行う当り遊技制御が実行される。この当り遊技制御においては、上述した各種入賞の可能性、特に特別図柄ゲームにおける特別図柄始動入賞の可能性が相対的に高くなるよう各種制御が行われる。例えば、特別図柄ゲームをスタートさせる契機となる始動入賞口への遊技球の入賞が容易となるよう、始動入賞口に設けられた普通電動役物(例えばチューリップ)を閉鎖状態から開放状態に制御する。
一方、普通図柄ゲームにおいて当りとならないと判定された場合には、前述の当り遊技は実行されない。そして、再度、普通図柄の可変表示を開始させるか否かが繰り返し判定されることとなる。
なお、本実施の形態では、各種の乱数値の抽出は、プログラムを実行することにより乱数値を生成するソフト乱数方式を用いているが、これに限らず、例えば所定周期で乱数が更新される乱数発生器を備え、その乱数発生器におけるカウンタ(いわゆるリングカウンタ)から乱数値を抽出するハード乱数方式を用いてもよい。この場合、所定周期と異なるタイミングで乱数値の初期値を決定することによって、所定周期で同じ乱数値が抽出されることを防止することができる。
また、封入式パチンコ遊技機1は、遊技領域10の下方において遊技機正面側に張り出すようにして形成された張り出し部1a上に、遊技球数表示装置12及び計数スイッチ13が設けられている。遊技球数表示装置12は、例えば最大6桁の数値が表示可能な7セグメント表示からなり、遊技者の持ち球の数(所有数)を表示するようになっている。なお、遊技球数表示装置12は、7セグメント表示に限らず、液晶表示等、種々の表示構成を用いることができるとともに、表示桁数も6桁に限定されない。
計数スイッチ13は、遊技者の持ち球を計数して遊技媒体管理装置2に送信するためにスイッチであり、遊技者がこのスイッチを操作(例えば押下)すると、当該操作されている間に遊技球数表示装置12に表示されている所有数が順次減っていき、減った分の球数のデータが計数された球数のデータとして封入式パチンコ遊技機1から遊技媒体管理装置2に送信されるようになっている。
さらに、上述の張り出し部1aの下方には、遊技媒体管理装置2が有するタッチパネル式液晶表示器22(図9参照)が配置されるスペース1bが設けられている。このスペース1bには、封入式パチンコ遊技機1に対して遊技媒体管理装置2を付設した場合に、遊技媒体管理装置2のタッチパネル式液晶表示器22が配置される。これにより、遊技媒体管理装置2のタッチパネル式液晶表示器22が封入式パチンコ遊技機1と一体となったような外観を形成することができ、意匠上の美的外観を得ることが可能となる。
図3〜図5に示すように、封入式パチンコ遊技機1は、前面ガラスを有するガラスドア101、ベースドア102、外枠103、遊技領域10を有する遊技盤104、遊技球を発射する発射装置105、球磨き装置106、遊技価値としての遊技球を循環させるための揚送装置107などから構成されている。遊技盤104は、ベースドア102に固定されている。
ガラスドア101は、複数の蝶番を介してベースドア102に対して開閉自在に取り付けられている。このガラスドア101には、透過性を有する保護ガラス101aが配設されている。また、ベースドア102は、複数の蝶番を介して外枠103に対して回動自在に取り付けられている。さらに、このベースドア102には、上述した発射ハンドル11が配設されている。
発射ハンドル11が遊技者によって把持され、かつ時計回り方向に回動操作されたときには、その回動角に応じて発射装置105の発射モータに電力が供給され、その電力に応じた発射強度で当該発射装置105から遊技球が遊技盤104に順次発射される。
遊技盤104は、保護ガラス101aの後方に位置するように、ベースドア102の前方に配設されている。遊技盤104は、その前面に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域10を有している。発射装置105によって発射された遊技球は、遊技領域10に設けられた複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤104の下方に向かって落下するようになっている。
なお、遊技盤104には、上述した各種入賞口に加えて、特別図柄を可変表示可能な特別図柄表示装置126(図9参照)、普通図柄表示装置127(図9参照)、装飾図柄表示装置としての遊技盤用液晶表示器150(図9参照)などの各種表示装置が設けられている。特別図柄表示装置126、普通図柄表示装置127の表示態様としては、例えばLEDランプや7セグメント表示などの各種態様を用いることができる。
発射装置105は、遊技領域10の遊技機正面左上部に配置され、遊技領域10に対して上方から遊技球を発射するようになっている。このため、一度発射した遊技球が再度、発射装置105側に戻ってしまう、いわゆる戻り球の発生を回避することができる。
球磨き装置106は、遊技領域10を転動した後に遊技領域10から各種入賞口及びアウト口を介して排出された遊技球を研磨して、つまり遊技球の汚れを自動的に磨いて揚送装置107に搬送するようになっている。球磨き装置106としては、例えば内部に研磨布を設け、遊技球が研磨布と擦られながら搬送されることで研磨される構成を用いることができる。具体的には、球磨き装置106は、研磨布を搭載したカセットを使用し、図示しない研磨モータを動作させて遊技球を研磨布に押し付けるように動かすことにより、遊技球の研磨を行うようになっている。研磨布は、カセットに搭載した構造で交換可能であり、図示しないカセットモータによって一定周期で巻き取るよう動かされる。
また、球磨き装置106に併設して電源装置108が配置されている。電源装置108は、例えば停電などにより一時的に電力の供給が停止した場合、電力の回復時には遊技状態を復元させる機能を有する。
揚送装置107は、遊技機裏面右側、すなわち発射装置105が設けられる側に配置され、球磨き装置106で研磨された遊技球を上方へと搬送し、発射装置105に導くようになっている。揚送装置107は、内部に図示しない揚送モータによって回転可能な螺旋形状のスクリューを備えており、そのスクリューは装置下部から装置上部まで連続的に設けられている。したがって、揚送装置107に導入された遊技球は、スクリューが回転することで装置下部から装置上部に向かって搬送される。その後、遊技球は、揚送装置107の上部に設けられた図示しない排出口から発射装置105へと受け渡される。
このように、封入式パチンコ遊技機1において、遊技球は封入式パチンコ遊技機1の外部に排出されずに、一定数(例えば、50個)の遊技球が遊技機内部の一連の経路を循環するように構成されている。封入式パチンコ遊技機1では、前述のように遊技球が外部に排出されないため、従来のように遊技機外部に排出された遊技球を一時的に保持するための上皿や下皿は設けられていない。ここで、上述の一連の経路は、発射装置105、遊技領域10、球磨き装置106、揚送装置107によって形成される。
本実施の形態の封入式パチンコ遊技機1では、遊技球が外部に排出されないことから、遊技者の手元に遊技球が実際にあるわけではなく、遊技を行うことにより遊技球が現実に増減するわけではない。封入式パチンコ遊技機1において、遊技者は遊技媒体管理装置2からの貸出により持ち球を得てから遊技を開始する。そして、発射装置105から遊技球が発射されることにより遊技者の持ち球である所有数が消費され、当該所有数が減少する。この減少した所有数を表す情報を減算情報と呼ぶ。また、遊技球が遊技領域10に設けられた各種入賞口に入賞することにより、その入賞口に応じて設定された条件に従った数の遊技球の払出が行われ、所有数が増加する。この増加した所有数を表す情報を加算情報と呼ぶ。さらに、所有数は、遊技媒体管理装置2からの貸出によっても増加する。
また、図4に示すように、封入式パチンコ遊技機1の裏面には、図5で示した球磨き装置106及び電源装置108を覆うようにして裏カバー109が設置されている。また、この裏カバー109の上部には、主制御基板110が配置されている。さらに、裏カバー109上には、払出制御基板160、サブ接続基板170及び遊技媒体管理装置接続端子板180が配置されている。
主制御基板110には、詳しくは後述するが、例えば遊技領域10に設けられた各種入賞口を遊技球が通過(入賞)したこと検出する各種検出センサが接続されている。主制御基板110は、前述の各種検出センサからの入力に基づき入賞球の検出を行い、払出制御基板160にコマンドデータを送信するようになっている。また、主制御基板110は、封入式パチンコ遊技機1において例えば磁石エラー、電波エラーあるいは不正入賞エラー等の不正を検出した際にも同様にコマンドデータの送信を行うようになっている。磁石エラー及び電波エラーは、例えば主制御基板110に接続された不正検知用の磁石センサ、電波センサ等によって構成された不正検出センサ124(図9参照)検出することができる。また、不正入賞エラーは、大当り時以外に遊技球が大入賞口に入賞した場合に検出されるエラーである。
払出制御基板160は、詳しくは後述するが、主制御基板110と接続され、遊技者の持ち球の数である所有数を管理する機能を有する。例えば、遊技球が各種入賞口に入賞した場合には、その入賞による遊技球の払出個数を(賞球数)を所有数に加算する(賞付与処理)。また、遊技球が発射装置105から発射されると、発射した遊技球数に応じて所有数を減算する。また、払出制御基板160は、遊技者の球貸しや計数操作により所有数に関するデータを遊技媒体管理装置2に送信する機能を有する。例えば、球貸し操作が行われた場合には、遊技用のカードに記憶された有価価値(球貸度数)が減額更新されるとともに、遊技価値が増加する。
このように、払出制御基板160は、遊技媒体管理装置2に受け付けられている遊技用のカードに記憶された有価価値(球貸度数)が減額更新されることに対応して遊技価値(ここでは所有数)を増加させる加算処理、及び遊技者の遊技に応じて所有数を増加させる賞付与処理を実行するようになっている。本実施の形態における払出制御基板160は、本発明に係る制御手段を構成する。
遊技媒体管理装置接続端子板180は、払出制御基板160と遊技媒体管理装置2とを接続する端子板である。
[減算・加算情報送信処理]
次に、図6を参照して、封入式パチンコ遊技機1の払出制御基板160で実行される減算・加算情報送信処理について、説明する。
図6に示すように、払出制御基板160は、遊技者が計数操作を行ったか否か、つまり遊技者により計数スイッチ13が押下されたか否かを判定する(ステップS1)。払出制御基板160は、遊技者が計数操作を行っていないと判定した場合には、ステップS3に処理を移す。
一方、払出制御基板160は、遊技者が計数操作を行ったと判定した場合には、その計数操作に基づいて遊技球数表示装置12に表示されている所有数、つまり払出制御基板160が管理している所有数を減算更新し、この減算情報を遊技媒体管理装置2に送信する(ステップS2)。
次いで、払出制御基板160は、貸出操作に基づいた貸出情報を受信したか否かを判定する(ステップS3)。具体的には、払出制御基板160は、遊技媒体管理装置2のタッチパネル式液晶表示器22(図9参照)において球貸表示(球貸ボタン)が遊技者によって押下されたことに基づき遊技媒体管理装置2で管理する遊技価値から持ち球への変換(球貸し)の要求(貸出情報)が遊技媒体管理装置2から送信され、当該要求(貸出情報)を受信したか否かを判定する。
払出制御基板160は、貸出操作に基づいた貸出情報を受信していないと判定した場合には、本処理を終了する。一方、払出制御基板160は、貸出操作に基づいた貸出情報を受信したと判定した場合には、受信した貸出情報に基づいて遊技球数表示装置12に表示されている所有数、つまり払出制御基板160が管理している所有数を加算更新し、この加算情報を遊技媒体管理装置2に送信して(ステップS4)、本処理を終了する。
[遊技情報送信処理]
次に、図7を参照して、封入式パチンコ遊技機1の主制御基板110及び払出制御基板160によって実行される遊技情報送信処理について、説明する。
図7に示すように、払出制御基板160は、減算センサ202(図9参照)の検出結果に基づき、発射装置105から遊技球が発射されたか否かを判定する(ステップS11)。払出制御基板160は、遊技球が発射されていないと判定した場合には、ステップS13に処理を移す。
一方、払出制御基板160は、遊技球が発射されたと判定した場合には、その遊技球の発射に基づいて所有数を減算更新し、この減算情報を遊技媒体管理装置2に送信する(ステップS12)。
次いで、主制御基板110は、例えば一般入賞球センサ120や始動入賞球センサ122(図9参照)などの各入賞球センサの検出結果に基づき、各種入賞口に遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS13)。主制御基板110は、各種入賞口に遊技球が入賞していないと判定した場合には、ステップS15に処理を移す。
一方、主制御基板110は、各種入賞口に遊技球が入賞したと判定した場合には、その入賞した入賞口に対応して設定されている払出個数(賞球数)の要求を払出制御基板160に送信し、払出制御基板160が、受信した当該払出個数(賞球数)の要求に基づいて所有数を加算更新し、この加算情報を遊技媒体管理装置2に送信する(ステップS14)。
次いで、主制御基板110は、特別図柄表示装置126(図9参照)によって特別図柄の変動(可変表示)が開始されたか否かを判定する(ステップS15)。主制御基板110は、特別図柄の変動(可変表示)が開始されていないと判定した場合には、本処理を終了する。
一方、主制御基板110は、特別図柄の変動(可変表示)が開始されたと判定した場合には、特別図柄表示装置126による特別図柄の変動開始に基づいて、スタート情報を遊技媒体管理装置2に送信する(ステップS16)。
次いで、主制御基板110は、上述の特別図柄の変動開始の契機となった始動入賞口への遊技球の入賞に基づき大当り判定用のカウンタから抽出された乱数値を参照し、大当りとするか否かの大当り判定を行い、当該大当り判定において大当りが決定されたか否かを判定する(ステップS17)。主制御基板110は、大当りが決定されていない、つまりハズレであると判定した場合には、特別図柄表示装置126においてハズレ用の特別図柄の表示を行う(ステップS18)。
一方、主制御基板110は、大当りが決定されたと判定した場合には、特別図柄表示装置126において大当り用の特別図柄の表示を行い、遊技状態を大当り遊技状態に移行する(ステップS19)。このとき、主制御基板110は、遊技状態が大当り遊技状態に移行したことを示す情報として、特賞発生情報を遊技媒体管理装置2に送信する。
次いで、主制御基板110は、例えば大当り遊技終了を示す情報や、大当り遊技終了後の遊技状態を確変状態とするか時短状態とするかといった遊技状態に関する情報等の他の遊技情報を遊技媒体管理装置2に送信して(ステップS20)、本処理を終了する。
[遊技媒体管理装置の構成]
次に、図8を参照して、遊技媒体管理装置2の構成について説明する。
図8に示すように、遊技媒体管理装置2は、ユニット本体21を含んで構成されている。また、遊技媒体管理装置2は、図示しないタッチパネル式液晶表示器22(図9参照)を備えている。
ユニット本体21には、紙幣を挿入可能な紙幣挿入口23と、遊技用のカードを挿入可能なカード挿入口24とが設けられている。すなわち、遊技媒体管理装置2は、これら紙幣挿入口23及びカード挿入口24を介して、遊技価値として紙幣あるいは遊技用のカードを受け付け可能に構成されている。なお、紙幣以外に貨幣を投入可能な貨幣投入口を別途設けてもよい。
ここで、遊技価値とは、紙幣、貨幣、遊技用のカード(会員カード及びビジターカード等)、プリペイドカード、トークン、電子マネーなどであり、遊技媒体管理装置2によって持ち球に変換可能な媒体である。
タッチパネル式液晶表示器22(図9参照)は、ユニット本体21に対してヒンジ機構を介して回動自在に設けられており、例えば封入式パチンコ遊技機1のベースドア102を開放する際にその開放の妨げとならないようになっている。このタッチパネル式液晶表示器22は、主として遊技台情報等を表示する機能と、球貸し(球貸出)機能・返却機能とを有する。
タッチパネル式液晶表示器22の表示画面上には、球貸表示(球貸ボタン)や返却表示(精算ボタン)、残高表示などが表示されるようになっている。なお、本実施の形態では、返却表示を精算ボタンとして用いたが、これに限らず、返却表示とは別に精算ボタン表示を設けてもよい。
タッチパネル式液晶表示器22は、前述の球貸表示や返却表示が遊技者によりタッチされたことに基づき、遊技媒体管理装置2で管理する遊技価値から持ち球への変換(球貸し)や、持ち球の計数(返却)の要求を受け付ける。遊技媒体管理装置2は、これらの要求を払出制御基板160に送信し、払出制御基板160が現在の所有数に関するデータを遊技媒体管理装置2に対して送信するように指示する。
具体的には、球貸表示が遊技者によりタッチされると、遊技媒体管理装置2から貸球数の個数情報が払出制御基板160に送信され、払出制御基板160はその個数情報と遊技球数を加算した個数を遊技球数として遊技球数表示装置12に表示する。
一方、返却表示が遊技者によりタッチされると、遊技媒体管理装置2から遊技終了の情報が払出制御基板160に送信され、払出制御基板160は遊技球数の情報を遊技媒体管理装置2に送信する。
また、本実施の形態では、遊技媒体管理装置2で受け付けた遊技価値を「残高」といい、この残高が残高表示としてタッチパネル式液晶表示器22の表示画面に表示されるようになっている。
なお、遊技媒体管理装置2が遊技用のカードとして貯球機能が付いた会員カードを受け付けた際には、タッチパネル式液晶表示器22は遊技価値として貯球を利用するための再プレイ表示を、球貸表示とは別に表示させるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、遊技球のIN・OUTを正確に管理するため、また不正監視するために封入式パチンコ遊技機1と遊技媒体管理装置2は、例えばセキュリティ担保に必要な認証行為にのみ双方向通信を行うようになっている。また、封入式パチンコ遊技機1と遊技媒体管理装置2は、遊技球に関わるデータ(特に持球数情報等)を暗号化通信するようになっている。
[遊技システムの電気的構成]
次に、図9を参照して、遊技システムの電気的構成、特に封入式パチンコ遊技機1の電気的構成を中心に説明する。
図9に示すように、封入式パチンコ遊技機1は、主制御基板110と、演出制御基板140と、払出制御基板160とを含んで構成されている。
主制御基板110は、払出制御コマンド送信回路111と、入賞表示データ送信回路112と、センサ検出回路113と、リセット用クロックパルス発生回路114と、初期リセット回路115と、メインCPU116と、認証・通信制御回路117と、メインROM118と、メインRAM119とを有している。
リセット用クロックパルス発生回路114は、メインCPU116が所定の周期ごとにシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)ごとにクロックパルスを発生する回路である。初期リセット回路115は、電源投入時においてリセット信号を生成する。
また、主制御基板110には、一般入賞球センサ120、通過球センサ121、始動入賞球センサ122、カウントセンサ123、不正検出センサ124、入賞表示装置125、特別図柄表示装置126、普通図柄表示装置127、特別図柄保留表示装置128、普通図柄保留表示装置129、普通電動役物ソレノイド130、大入賞口ソレノイド131、バックアップクリアスイッチ132が接続されている。バックアップクリアスイッチ132は、電断時などにおけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする。
一般入賞球センサ120、始動入賞球センサ122及びカウントセンサ123は、それぞれ一般入賞口、始動入賞口及び大入賞口に対応して設けられ、これら入賞口を遊技球が通過(入賞)したことを検出して検出信号を出力するものである。
不正検出センサ124は、上述した通り、磁石センサ及び電波センサによって構成されている。磁石センサは、封入式パチンコ遊技機1における異常な磁気を検出する。これにより、磁石を利用して遊技球を操作するといった不正行為を防止することができる。電波センサは、封入式パチンコ遊技機1における異常な電波を検出する。これにより、封入式パチンコ遊技機1に対して電波を照射したり放電させたりすることにより、封入式パチンコ遊技機1の誤動作を誘発させるといった不正行為を防止することができる。
入賞表示装置125は、各入賞口に遊技球が入賞した場合に入賞口ごとに設定された獲得遊技球数を表示するための表示装置である。
特別図柄表示装置126は、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示を行うものである。この特別図柄表示装置126において、特別図柄の導出表示が行われ、導出表示された特別図柄が特定の表示態様になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な大当り遊技状態に移行することとなる。
普通図柄表示装置127は、遊技領域10上に設けられた図示しない通過領域(スルーチャッカー)を遊技球が通過したことを通過球センサ121が検出した場合に、普通図柄の変動表示を行うものである。この普通図柄が所定の図柄で停止表示されたときには、始動入賞口に設けられた普通電動役物が閉鎖状態から開放状態となるよう普通電動役物ソレノイド130が制御され、始動入賞口に遊技球が入賞し易くなる。
また、主制御基板110のセンサ検出回路113は、一般入賞球センサ120、始動入賞球センサ122及びカウントセンサ123などの各入賞口センサや不正検出センサ124から出力される信号に基づいて検出結果を判別する回路である。
主制御基板110の払出制御コマンド送信回路111は、センサ検出回路113において得られた各入賞口センサの検出結果に基づいて、払出制御コマンドを払出制御基板160に送信する回路である。
主制御基板110の入賞表示データ送信回路112は、センサ検出回路113において得られた各入賞口センサの検出結果に基づいて、入賞表示データを入賞表示装置125に送信する回路である。
主制御基板110の認証・通信制御回路117は、正規な遊技機の判定及び通信データの整合性を確認するための認証及び通信を行うもので、メインCPU116に記憶された固有のID情報を払出制御基板160に送信する回路である。払出制御基板160に送信されたID情報は、遊技媒体管理装置2の通信網を経由して遊技場以外の第三者機関に送信され、その第三者機関に登録されたID情報と照合される。これにより、正規な遊技機であるか否かの判定が行われる。この認証に失敗した場合には、封入式パチンコ遊技機1は動作することなく、その情報が遊技媒体管理装置2に出力される。なお、認証時の情報は、全て暗号化にて送受信される。
こうした認証が行われることで、不正改造された遊技機の発見が容易となり、また遊技媒体管理装置2とのインターフェイスを狙った不正も不可能となる。なお、主制御基板110のメインCPU116と払出制御基板160のCPU167と遊技媒体管理装置2の通信用ICで使用する暗号化用の鍵は接続する度に自動生成される。したがって、生成した鍵は遊技機ごとに異なることとなり、電文内容がユニークとなりデータの解析や改ざんを不可能とすることができる。
演出制御基板140は、サブCPU141と、表示制御回路142と、音声制御回路143と、ランプ制御回路144と、プログラムROM145と、ワークRAM146とを有している。
表示制御回路142は、遊技盤用液晶表示器150における表示制御を行うものである。音声制御回路143は、スピーカ151から発生させる音声に関する制御を行うものである。ランプ制御回路144は、演出用のランプ152における点灯態様等の制御を行うものである。
また、演出制御基板140には、遊技盤用液晶表示器150、演出ボタン153及びその他の演出装置154が接続されている。演出制御基板140のサブCPU141は、主制御基板110から受信した、各入賞口における入賞結果や特別図柄ゲームの結果などに応じた演出指示コマンドに基づいて、遊技盤用液晶表示器150、スピーカ151、ランプ152、演出ボタン153及びその他の演出装置154を制御することにより、演出を行うようになっている。
払出制御基板160は、払出制御コマンド受信回路161と、通信制御回路162と、発射制御回路163と、認証・通信制御回路164と、モータ制御回路165と、センサ回路166と、CPU167と、ROM168と、RAM169とを含んで構成されている。
また、払出制御基板160には、球磨き装置中継基板200、内枠中継基板204、操作部中継基板208、主制御基板110及び遊技媒体管理装置接続端子板180が接続されている。
払出制御コマンド受信回路161は、主制御基板110の払出制御コマンド送信回路111から送信される払出制御コマンドを受信し、当該コマンドに応じて遊技球の払出制御を行うようになっている。ここで、払出制御とは、各種入賞口への入賞といった遊技の結果に応じて遊技者に付与する遊技球数を加算情報として遊技媒体管理装置2に送信する処理を意味する。遊技媒体管理装置2では、払出制御基板160から送信された加算情報に基づいて遊技者の所有数を加算する加算処理を行う。
通信制御回路162は、主制御基板110や遊技媒体管理装置2、遊技球数貸出装置接続端子板180及び各種中継基板との間の通信を制御するようになっている。
発射制御回路163は、操作部中継基板208を介して発射ハンドル11と接続されるとともに、球磨き装置中継基板200及び発射中継基板201を介して発射装置105に接続されている。発射制御回路163は、発射ハンドル11が遊技者によって把持され、かつ時計回り方向に回動操作されたときには、その回動角に応じて発射装置105の発射モータ(図示省略)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行うようになっている。
また、発射制御回路163は、発射装置105の球送りソレノイド(図示省略)を動作させて遊技球を発射位置に送り出す制御も行う。このとき、減算センサ202により発射可能な遊技球数が1減算される。払出制御基板160は、減算センサ202から検出結果を受信し、これを減算情報として遊技媒体管理装置2に送信する。遊技媒体管理装置2では、払出制御基板160から送信された減算情報に基づいて現在の遊技者の所有数を減算する。これにより、遊技媒体管理装置2において管理される所有数が更新される。また、その更新結果は、遊技媒体管理装置2から払出制御基板160及び操作部中継基板208を介して遊技球数等表示装置12に送信され、遊技球数等表示装置12に表示される持ち球数が更新される。
払出制御基板160の認証・通信制御回路164は、正規な遊技機の判定及び通信データの整合性を確認するための認証及び通信を行うもので、主制御回路110のメインCPU116に記憶された固有のID情報を遊技媒体管理装置2の通信網を経由して遊技場以外の第三者機関に送信する。送信されたID情報は、第三者機関に登録されたID情報と照合される。これにより、正規な遊技機であるか否かの判定が行われる。この認証に失敗した場合には、封入式パチンコ遊技機1は動作することなく、その情報が遊技媒体管理装置2に出力される。なお、認証時の情報は、全て暗号化にて送受信される。
こうした認証が行われることで、不正改造された遊技機の発見が容易となり、また遊技媒体管理装置2とのインターフェイスを狙った不正も不可能となる。なお、主制御基板110のメインCPU116と払出制御基板160のCPU167と遊技媒体管理装置2の通信用ICで使用する暗号化用の鍵は接続する度に自動生成される。したがって、生成した鍵は遊技機ごとに異なることとなり、電文内容がユニークとなりデータの解析や改ざんを不可能とすることができる。
モータ制御回路165は、球磨き装置中継基板200及び揚送中継基板203を介して揚送装置107の揚送モータ(図示省略)に接続されるとともに、球磨き装置中継基板200を介して球磨き装置106のカセットモータ及び研磨モータ(図示省略)に接続され、これら各種モータの駆動を制御するようになっている。
センサ回路166は、各種中継基板を介して適正量センサ205及び満タンセンサ206を含む各種センサと接続されている。適正量センサ205は、封入式パチンコ遊技機1内を循環する遊技球の数が適正な量であるか否かを検出する。満タンセンサ206は、封入式パチンコ遊技機1内を循環する遊技球が過剰となっていないか、つまり満タンか否かを検出する。したがって、払出制御基板160は、適正量センサ205及び満タンセンサ206の検出結果に基づき、循環に必要な遊技球数を管理し、過不足時にその旨の報知を行う。
また、払出制御基板160には、内枠中継基板204を介して監視センサ207が接続されている。監視センサ207は、バックアップ電源を搭載し、当該バックアップ電源により封入式パチンコ遊技機1の電源OFF時におけるベースドア102の開放を監視するものである。これにより、例えば夜間時の扉開放に伴う不正を防止することができる。
払出制御基板160のCPU167は、ROM168に記憶されているプログラムにしたがって払出制御などの各種制御処理を実行するとともに、制御処理の実行に必要な情報をRAM169に記憶させる。
また、払出制御基板160には、操作部中継基板208を介して計数スイッチ13が接続されている。計数スイッチ13は、上述した通り、遊技者の持ち球を計数して遊技媒体管理装置2に送信するためにスイッチである。払出制御基板160は、計数スイッチ13が押下された場合には、計数球数を遊技球数(所有数)から減算し、遊技媒体管理装置2に計数球数を送信する。減算後の遊技球数は、遊技球数等表示装置12に表示される。
また、遊技者の遊技上の利益である遊技価値としての所有数は、払出制御基板160のRAM169に記憶されている。本実施の形態における払出制御基板160のRAM169は、本発明に係る遊技価値記憶手段を構成する。
遊技媒体管理装置2は、メイン基板25と、パチンコ機接続基板26と、暗号処理回路30と、暗号鍵記憶部31とを含んで構成されており、封入式パチンコ遊技機1の払出制御基板160と直接、あるいは遊技媒体管理装置接続端子板180を介して通信可能に接続されている。
メイン基板25は、通信制御回路27を有しており、通信制御回路27はパチンコ機接続基板26を介して封入式パチンコ遊技機1の払出制御基板160と通信を行うようになっている。メイン基板25は、遊技媒体管理装置2において受け付けた遊技価値の残高や、遊技者の持ち球である所有数を管理するようになっている。
パチンコ機接続基板26は、認証・通信制御回路28と、通信制御回路29とを有している。認証・通信制御回路28は、正規な遊技機の判定及び通信データの整合性を確認するための認証及び通信を行うもので、主制御回路110から送信されてくるID情報を遊技場以外の第三者機関に送信する。送信されたID情報は、第三者機関に登録されたID情報と照合される。なお、認証・通信制御回路28を介して行われる認証は、上述した通りであるので、ここでは説明を省略する。通信制御回路29は、メイン基板25の通信制御回路27と同様の機能を有しており、封入式パチンコ遊技機1の払出制御基板160と通信を行うようになっている。
暗号処理回路30は、遊技用のカードに記憶される持球数情報に関して暗号化を行うものである。また、暗号鍵記憶部31は、情報の暗号化を行う際に暗号方式の定めた計算手順に与えるパラメータである暗号鍵として、第1暗号鍵と、第1暗号鍵とは異なる第2暗号鍵とを記憶するものである。暗号方式としては、例えばDES(Data Encryption Standard)やAES(Advanced Encryption Standard)等の共通鍵暗号方式を用いることができる。本実施の形態における暗号鍵記憶部31は、本発明に係る暗号鍵記憶手段を構成する。
例えば、暗号処理回路30は、暗号鍵記憶部31に記憶された第1暗号鍵を用いて遊技者が所有する遊技価値に関する情報である持球数情報を暗号化するようになっている。また、暗号処理回路30は、暗号鍵記憶部31に記憶された第2暗号鍵を用いて遊技者が所有する遊技価値に関する情報である持球数情報を暗号化するようになっている。本実施の形態における暗号処理回路30は、後述する第1の暗号化手段301及び第2の暗号化手段302としての機能を有する。つまり、本実施の形態における暗号処理回路30は、本発明に係る第1の暗号化手段及び第2の暗号化手段を構成する。
ここで、第1暗号鍵を用いて暗号化された持球数情報を第1の情報といい、第2暗号鍵を用いて暗号化された持球数情報を第2の情報という。
暗号処理回路30は、上述のように暗号化された第1の情報及び第2の情報を、遊技用のカードのカードID及び遊技媒体管理装置2の固有IDとともにメイン基板25の通信制御回路27に送信する。メイン基板25の通信制御回路27は、第1暗号鍵を用いて暗号化された第1の情報と、第2暗号鍵を用いて暗号化された第2の情報とをホールコンピュータ3に送信するようになっている。本実施の形態における通信制御回路27は、後述する送信手段271としての機能を有する。つまり、本実施の形態における通信制御回路27は、本発明に係る送信手段を構成する。なお、第1暗号鍵及び第2暗号鍵は、それぞれ後述するように更新されてもよい。
また、タッチパネル式液晶表示器22は、上述した通りであり、遊技者によるタッチ操作に基づいて、遊技媒体管理装置2で管理する遊技価値から持ち球への変換(球貸し)や、持ち球の計数(返却)の要求を受け付けるようになっている。遊技媒体管理装置2は、これらの要求を払出制御基板160に送信するようになっている。
[遊技システムの概要]
次に、図10を参照して、遊技システムの概要について説明する。
図10では、特に、遊技用のカードに記憶された持球数情報の保障に関する遊技システムの構成を示している。
図10に示すように、本実施の形態に係る遊技システムにおいて、遊技媒体管理装置2は、第1の暗号化手段301と、第2の暗号化手段302と、送信手段271とを含んで構成されている。また、遊技媒体管理装置2は、図10では図示を省略しているが、第1暗号鍵及び第2暗号鍵を記憶する暗号鍵記憶手段としての暗号鍵記憶部31(図9参照)を備えている。この暗号鍵記憶部31としては、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの書き換え可能な不揮発メモリを用いるこ
とができる。
第1の暗号化手段301は、第1暗号鍵を用いて遊技用のカードに記憶された持球数情報を暗号化するものである。第2の暗号化手段302は、第2暗号鍵を用いて遊技用のカードに記憶された持球数情報を暗号化するものである。
送信手段271は、第1の暗号化手段301及び第2の暗号化手段302によって暗号化された第1の情報及び第2の情報をそれぞれ遊技用のカードのカードID及び遊技媒体管理装置2の固有IDとともにホールコンピュータ3に送信するものである。本実施の形態では、持球数情報の保障に関して遊技媒体管理装置2からホールコンピュータ3に送信される送信情報であるカードID、固有ID及び持球数情報のうち、持球数情報のみを暗号化しているが、これに限らず、例えばカードID、固有ID及び持球数情報の全てを暗号化してもよいし、あるいはカードID、固有IDのいずれかを持球数情報と併せて暗号化してもよい。つまり、必要最低限、持球数情報が暗号化されていれば、他の情報(カードIDや固有ID)を暗号化するか否かは任意である。
また、本実施の形態において、持球数情報を遊技媒体管理装置2からホールコンピュータ3に送信するタイミングは、遊技終了時(精算ボタン押下時)としている。なお、持球数情報を送信するタイミングは、前述のタイミングに限らず、例えば定期的であってもよいし、持球数情報が更新される度であってもよい。
ホールコンピュータ3は、第1暗号鍵記憶手段330と、第1の復号化手段331と、情報送信手段332と、情報転送手段333とを含んで構成されている。
第1暗号鍵記憶手段330は、第1暗号鍵を記憶するものである。この第1暗号鍵記憶手段330に記憶された第1暗号鍵は、遊技媒体管理装置2の暗号鍵記憶部31(図9参照)に記憶された第1暗号鍵と共通である。第1暗号鍵記憶手段330としては、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの書き換
え可能な不揮発メモリを用いることができる。
ここで、第1暗号鍵記憶手段330は、第1暗号鍵が遊技媒体管理装置2ごとに異なる場合には、個々の遊技媒体管理装置2を特定可能な固有IDと対応させて、各固有IDごとに第1暗号鍵を記憶する。これにより、複数の遊技媒体管理装置2からそれぞれ異なる第1の情報が送信されてきた場合であっても、第1の復号化手段331によって第1の情報を復号化する際に必要な暗号鍵を特定することができる。
第1の復号化手段331は、遊技媒体管理装置2の送信手段271から送信されてくる第1の情報を第1暗号鍵記憶手段330に記憶された第1暗号鍵を用いて復号化するものである。
情報送信手段332は、第1の復号化手段331によって復号化された第1の情報を、遊技用のカードのカードID及び遊技媒体管理装置2の固有IDとともに第三者管理サーバ4に送信するものである。
情報転送手段333は、遊技媒体管理装置2の送信手段271から送信されてくる第2の情報を第三者管理サーバ4に転送するものである。なお、本実施の形態では、第2の情報をホールコンピュータ3の情報転送手段333が転送する構成としたが、これに限らず、例えば第2の情報を、ホールコンピュータ3を介さずに別途設けられたサーバ装置を介して第三者管理サーバ4に転送する構成としてもよい。
第三者管理サーバ4は、第2暗号鍵記憶手段401と、第2の復号化手段402と、照合手段403とを含んで構成されている。
第2暗号鍵記憶手段401は、第2暗号鍵を記憶するものである。この第2暗号鍵記憶手段401に記憶された第2暗号鍵は、遊技媒体管理装置2の暗号鍵記憶部31(図9参照)に記憶された第2暗号鍵と共通である。第2暗号鍵記憶手段401としては、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの書き換
え可能な不揮発メモリを用いることができる。
ここで、第2暗号鍵記憶手段401は、第2暗号鍵が遊技媒体管理装置2ごとに異なる場合には、個々の遊技媒体管理装置2を特定可能な固有IDと対応させて、各固有IDごとに第2暗号鍵を記憶する。これにより、複数の遊技媒体管理装置2からホールコンピュータ3を介してそれぞれ異なる第2の情報が転送されてきた場合であっても、第2の復号化手段402によって第2の情報を復号化する際に必要な暗号鍵を特定することができる。
照合手段403は、第1の復号化手段331によって復号化された第1の情報と第2の復号化手段402によって復号化された第2の情報とを照合する照合処理を実行するものである。この照合手段403は、第三者管理サーバ4のCPUによって構成されており、当該CPUが、図示しないROMに予め記憶した照合プログラムに基づきRAMを作業領域として上述の照合処理を実行する。
[遊技カード挿入時の認証処理]
図11は、本実施の形態の遊技システムで行われる、遊技カード挿入時の認証処理の流れを示したものである。なお、このような認証処理は、実際には遊技媒体管理装置2やホールコンピュータ3の各通信制御回路等を通じて実行されるものであるが、以下の説明においては、説明の便宜上、処理の実行主体をそれぞれ遊技媒体管理装置2、ホールコンピュータ3及び第三者管理サーバ4として説明するものとする。
図11に示すように、まず、遊技媒体管理装置2のカード挿入口24に遊技用のカードが挿入されると、遊技媒体管理装置2は、その挿入された遊技用のカードのカードIDを読み取る(ステップS101)。
次いで、遊技媒体管理装置2は、ステップS101で読み取られたカードID、遊技媒体管理装置2の固有IDとともに、持球数情報要求信号をホールコンピュータ3に送信する(ステップS102)。
ホールコンピュータ3では、遊技媒体管理装置2から送信されてきた持球数情報要求信号を受信し、これを第三者機関(例えばカード会社)に転送する(ステップS103)。このとき、ホールコンピュータ3は、持球数情報要求信号とともにカードID及び固有IDも受信し、これらも持球数情報要求信号と併せて第三者機関に転送する。
一方、ホールコンピュータ3は、持球数情報要求信号とともに受信したカードIDに基づいて、ホールコンピュータ3に記憶されている、つまりホールコンピュータ3の記憶手段に記憶されている持球数情報の呼び出しを行う(ステップS107)。
第三者管理サーバ4では、ステップS103でカードID及び固有IDとともに送信されてきた持球数情報要求信号を受信する(ステップS104)。そして、第三者管理サーバ4は、持球数情報要求信号とともに受信したカードIDに基づいて第三者管理サーバ4に記憶されている、つまり第三者管理サーバ4の記憶手段に記憶されている持球数情報の呼び出しを行う(ステップS105)。
次いで、第三者管理サーバ4は、カードIDに基づいて持球数情報(例えば、カードに記憶されている貯球数情報:以下、「貯球」という)をホールコンピュータ3に対して送信する(ステップS106)。
ホールコンピュータ3では、ステップS106で第三者管理サーバ4から送信されてきた持球数情報を受信し、受信した持球数情報と、ステップS107で呼び出した持球数情報とを照合する(ステップS108)。
次いで、ホールコンピュータ3は、ステップS108で行った照合の結果(照合結果)が正常か否かを判定する(ステップS109)。ホールコンピュータ3は、照合結果が正常でないと判定した場合には、遊技媒体管理装置2に照合結果が正常でないとしてエラー情報を送信する(ステップS110)。
一方、ホールコンピュータ3は、ステップS109において照合結果が正常であると判定した場合には、カードID及び固有IDとともに持球数情報を遊技媒体管理装置2に送信する(ステップS114)。
遊技媒体管理装置2では、ホールコンピュータ3からエラー情報を受信したか否かを判定する(ステップS111)。つまり、遊技媒体管理装置2は、ステップS110でホールコンピュータ3から送信されたエラー情報があるか否かを判定する。
遊技媒体管理装置2は、エラー情報を受信したと判定した場合には、封入式パチンコ遊技機1及び遊技媒体管理装置2の機能を制限して(ステップS112)、本処理を終了する。ここで、封入式パチンコ遊技機1及び遊技媒体管理装置2の機能の制限としては、例えば遊技場の管理者がエラーを解除しない限り当該カードによる遊技球の貸出を行えないようにしたり、当該カードの抜き出しや挿入が行えないようにしたり、あるいは遊技球の発射を制限する等が挙げられる。なお、本実施の形態では、遊技媒体管理装置2が封入式パチンコ遊技機1及び遊技媒体管理装置2の機能を制限したが、これに限らず、ホールコンピュータ3が遊技媒体管理装置2の機能を制限するようにしてもよい。また、上記のような機能の制限を行う際に、顔認識可能な撮像手段(例えばCCDカメラ等)等で、照合結果が正常でないカードを使用して遊技を行おうとしている遊技者の顔を撮像し、その撮像データをホールコンピュータ3に送信して顔認証を行うようにしてもよい。これにより、不正の疑いのあるカードを使用しようとする遊技者を遊技場側で把握することができ、以降、同一人物が遊技を行う場合にこれを制限する等の対策をとることができる。
一方、遊技媒体管理装置2は、ステップS111においてエラー情報を受信していないと判定した場合には、上述のステップS114でホールコンピュータ3から送信される持球数情報を受信する(ステップS115)。
その後、遊技媒体管理装置2は、当該カードを用いた遊技球の貸出(球貸出)を許可して(ステップS116)、本処理を終了する。
[精算ボタン押下時の照合処理]
図12は、本実施の形態の遊技システムで行われる、返却表示押下時、すなわち精算ボタン押下時の照合処理の流れを示したものである。なお、このような照合処理は、実際には遊技媒体管理装置2やホールコンピュータ3の各通信制御回路等を通じて実行されるものであるが、以下の説明においては、説明の便宜上、処理の実行主体をそれぞれ遊技媒体管理装置2、ホールコンピュータ3及び第三者管理サーバ4として説明するものとする。
図12に示すように、まず、封入式パチンコ遊技機1において計数スイッチ13が押下されると、遊技球数表示装置12に表示されている所有数が順次減っていき、減った分の球数のデータが計数された球数のデータとして封入式パチンコ遊技機1から遊技媒体管理装置2に送信される(ステップS121)。このとき、遊技球数表示装置12に表示されている所有数が「0」となるまで計数スイッチ13が押下されると、全ての所有数が計数され、遊技終了となる。また、遊技媒体管理装置2の返却表示を押下後、所定時間(例えば10秒)以内に計数スイッチ13が押下された場合にも全ての所有数が計数され、遊技終了となる。なお、計数スイッチ13を押下せずに遊技媒体管理装置2の返却表示を押下した場合に、全ての所有数が計数され、遊技終了となるようにしてもよい。
その後、遊技媒体管理装置2では、返却表示すなわち精算ボタンが押下されると、持球数情報(例えば貯球)を確定する(ステップS122)。
次いで、遊技媒体管理装置2は、持球数情報を第1の暗号化手段301によって暗号化した第1の情報を作成する(ステップS123)。つまり、遊技媒体管理装置2は、第1の暗号化手段301が第1暗号鍵を用いて遊技用のカードに記憶された持球数情報を暗号化することにより、第1の情報を生成する。
そして、遊技媒体管理装置2は、持球数情報を第2の暗号化手段302によって暗号化した第2の情報を作成する(ステップS124)。つまり、遊技媒体管理装置2は、第2の暗号化手段302が第2暗号鍵を用いて遊技用のカードに記憶された持球数情報を暗号化することにより、第2の情報を生成する。
次いで、遊技媒体管理装置2は、カード挿入時に読み取られたカードIDと遊技媒体管理装置2の固有IDとともに、第1の情報と第2の情報をホールコンピュータ3に送信する(ステップS125)。
ホールコンピュータ3では、ステップS125で送信されてきた第1の情報を受信し、受信した第1の情報を、第1暗号鍵を用いて第1の復号化手段331によって復号化し、これをカードID及び固有IDとともに図示しない記憶手段に記憶する(ステップS126)。
そして、ホールコンピュータ3は、第1の情報を復号化した情報(以下、「第1の情報(復号後)」という)を、カードID及び固有IDとともに第三者管理サーバ4に送信する(ステップS127)。また、ホールコンピュータ3は、ステップS125で送信されてきた第2の情報を受信し、これをカードID及び固有IDとともに第三者管理サーバ4に転送する(ステップS128)。
第三者管理サーバ4では、ステップS127で送信されてきた第1の情報(復号後)を受信し、これをカードID及び固有IDとともに図示しない記憶手段に記憶する(ステップS129)。
次いで、第三者管理サーバ4は、ステップS128で送信されてきた第2の情報を受信し、受信した第2の情報を、第2暗号鍵を用いて第2の復号化手段402によって復号化し、これをカードID及び固有IDとともに図示しない記憶手段に記憶する(ステップS130)。
その後、第三者管理サーバ4は、第1の情報と第2の情報とを照合する(ステップS131)。そして、第三者管理サーバ4は、ステップS131で行った照合の結果(照合結果)が整合性ありか否かを判定する(ステップS132)。
第三者管理サーバ4は、照合結果が整合性ありでないと判定した場合、つまり整合性がとれない場合には、照合結果が正常でないことを示すエラー情報を、カードID及び固有IDとともにホールコンピュータ3に送信する(ステップS133)。そして、ホールコンピュータ3は、ステップS133で第三者管理サーバ4から送信されてきたエラー情報をカードID及び固有IDとともに受信し、受信した固有IDで特定される遊技媒体管理装置2にカードIDとともにエラー情報を送信する(ステップS134)。
一方、第三者管理サーバ4は、ステップS132において、照合結果が整合性ありと判定した場合、つまり整合性がとれた場合には、照合結果が正常であることを示す正常情報を、カードID及び固有IDとともにホールコンピュータ3に送信する(ステップS135)。そして、ホールコンピュータ3は、ステップS135で第三者管理サーバ4から送信されてきた正常情報をカードID及び固有IDとともに受信し、受信した固有IDで特定される遊技媒体管理装置2にカードIDとともに正常情報を送信する(ステップS136)。
遊技媒体管理装置2では、エラー情報を受信したか否かを判定する(ステップS137)。つまり、遊技媒体管理装置2は、第三者管理サーバ4による照合結果の整合性判定(ステップS132)に基づき、ステップS133及びステップS134を介してホールコンピュータ3からエラー情報が送信されてきたか否かを判定する。
遊技媒体管理装置2は、エラー情報を受信したと判定した場合には、封入式パチンコ遊技機1及び遊技媒体管理装置2の機能を制限して(ステップS138)、本処理を終了する。ここで、封入式パチンコ遊技機1及び遊技媒体管理装置2の機能の制限としては、例えば遊技場の管理者がエラーを解除しない限り当該カードによる遊技球の貸出を行えないようにしたり、当該カードの抜き出しや挿入が行えないようにしたり、あるいは遊技球の発射を制限する等が挙げられる。なお、本実施の形態では、遊技媒体管理装置2が封入式パチンコ遊技機1及び遊技媒体管理装置2の機能を制限したが、これに限らず、ホールコンピュータ3が遊技媒体管理装置2の機能を制限するようにしてもよい。また、エラー情報を1度受信しただけで直ちに封入式パチンコ遊技機1及び遊技媒体管理装置2の機能を制限するのではなく、例えばエラー情報を受信した段階で第1の情報及び第2の情報を所定回数(例えば3回)だけ再送信し、全ての再送信においてエラー情報を受信した場合に、上述のような機能の制限を行うようにしてもよい。これにより、不正による持球数情報のエラーと、そうでないエラー(例えば通信上の弊害によりたまたまエラーとなった場合)とを区別して、不正によるエラー発生時のみ機能の制限を行うことができる。したがって、不正行為の介在しないエラーの場合には、遊技者に煩わしさを与えることを抑制できる。
一方、遊技媒体管理装置2は、ステップS137においてエラー情報を受信していないと判定した場合、つまり第三者管理サーバ4による照合結果の整合性判定(ステップS132)に基づき、ステップS135及びステップS136を介してホールコンピュータ3から正常情報が送信されてきた場合には、カードの抜出しを許可して(ステップS139)、本処理を終了する。
[各種データテーブル]
図13は、本実施の形態の遊技システムにおける各種データテーブルの構成を示したものである。
図13では、遊技媒体管理装置Aと、遊技媒体管理装置Bとがそれぞれ別々の遊技場に設置されている場合について説明する。また、図13では、遊技媒体管理装置Aの持球数情報を「300」、貯球数を「1000」とし、遊技媒体管理装置Bの持球数情報を「400」、貯球数を「1200」とした例について説明する。ここで、図13に示す持球数情報は、遊技者が当日に遊技を終了した時点での持球数情報である。また、図13に示す貯球数は、遊技者が前日までに貯めた持球数情報を合算したものである。
図13に示すように、遊技媒体管理装置A及び遊技媒体管理装置Bは、それぞれ暗号鍵テーブル及び持球数情報テーブルを備えている。
遊技媒体管理装置Aの暗号鍵テーブルには、遊技媒体管理装置Aを特定するための固有IDとして「A」、第1暗号鍵として「X1」、第2暗号鍵として「Y1」が規定されている。また、遊技媒体管理装置Aの持球数情報テーブルには、カードIDとして「H0001」、持球数情報として「300」、第1の情報(復号前)として「第1の情報A」、第2の情報(復号前)として「第2の情報A」、貯球数として「1000」がそれぞれ規定されている。
遊技媒体管理装置Aは、暗号鍵テーブルに規定されている第1暗号鍵「X1」及び第2暗号鍵「Y1」を用いて持球数情報「300」を暗号化して、それぞれ第1の情報「A」、第2の情報「A」として持球数情報テーブルに登録する。
一方、遊技媒体管理装置Bの暗号鍵テーブルには、遊技媒体管理装置Bを特定するための固有IDとして「B」、第1暗号鍵として「X2」、第2暗号鍵として「Y2」が規定されている。また、遊技媒体管理装置Bの持球数情報テーブルには、カードIDとして「H0002」、持球数情報として「400」、第1の情報(復号前)として「第1の情報B」、第2の情報(復号前)として「第2の情報B」、貯球数として「1200」がそれぞれ規定されている。
遊技媒体管理装置Bは、暗号鍵テーブルに規定されている第1暗号鍵「X2」及び第2暗号鍵「Y2」を用いて持球数情報「400」を暗号化して、それぞれ第1の情報「B」、第2の情報「B」として持球数情報テーブルに登録する。
また、ホールコンピュータA及びホールコンピュータBは、それぞれ暗号鍵テーブル及び遊技者情報テーブルを備えている。
ホールコンピュータAの暗号鍵テーブルには、遊技媒体管理装置Aを特定するための固有IDとして「A」、第1暗号鍵として「X1」が規定されている。この暗号鍵テーブルには、第2暗号鍵は規定されていない。したがって、ホールコンピュータAは、暗号鍵テーブルに規定されている第1暗号鍵「X1」を用いて第1の情報「A」を復号化し、遊技者情報テーブルに第1の情報(復号後)として「300」を登録する。
ホールコンピュータAの遊技者情報テーブルには、カードIDとして「H0001」、遊技者として「太郎」、第1の情報(復号後)として「300」、第2の情報(復号前)として「第2の情報A」、貯球数(更新前)として「1000」、貯球数(更新後)として「1300」がそれぞれ規定されている。貯球数(更新後)は、第1の情報「300」に基づき、貯球数(更新前)の「1000」に「300」を加算したものである。
また、ホールコンピュータBの暗号鍵テーブルには、遊技媒体管理装置Bを特定するための固有IDとして「B」、第1暗号鍵として「X2」が規定されている。この暗号鍵テーブルには、第2暗号鍵は規定されていない。したがって、ホールコンピュータBは、暗号鍵テーブルに規定されている第1暗号鍵「X2」を用いて第1の情報「B」を復号化し、遊技者情報テーブルに第1の情報(復号後)として「400」を登録する。
ホールコンピュータBの遊技者情報テーブルには、カードIDとして「H0002」、遊技者として「花子」、第1の情報(復号後)として「400」、第2の情報(復号前)として「第2の情報B」、貯球数(更新前)として「1200」、貯球数(更新後)として「1600」がそれぞれ規定されている。貯球数(更新後)は、第1の情報「400」に基づき、貯球数(更新前)の「1200」に「400」を加算したものである。
さらに、第三者管理サーバ4は、暗号鍵テーブル及び持球数情報テーブルを備えている。
第三者管理サーバ4の暗号鍵テーブルには、遊技媒体管理装置A及びBを特定するための固有IDに対応付けて、第2の暗号鍵として「Y1」、「Y2」がそれぞれ規定されている。したがって、第三者管理サーバ4は、暗号鍵テーブルに規定されている第2暗号鍵「Y1」、「Y2」を用いて第2の情報A、Bをそれぞれ復号し、持球数情報テーブルに第2の情報(復号後)として「300」、「400」をそれぞれ登録する。
第三者管理サーバ4の持球数情報テーブルには、カードIDとして「H0001」、「H0002」、第1の情報(復号後)として「300」及び「400」、第2の情報(復号後)として「300」及び「400」、貯球数(更新前)として「1000」及び「1200」、貯球数(更新後)として「1300」及び「1600」がそれぞれ規定されている。
第三者管理サーバ4は、この持球数情報テーブルに登録されている、第1の情報(復号後)と第2の情報(復号後)とを比較照合することによって、これら2つの情報の整合性がとれているか否かを判定する。図13の例では、カードID「H0001」においては「300」と「300」であり、整合性がとれている。また、カードID「H0002」においても「400」と「400」であり、整合性がとれている。
このように、第1の情報と第2の情報との照合の結果、整合性がとれている場合には、持球数情報テーブルに照合結果として「正常」を登録する。なお、第1の情報と第2の情報との整合性だけでなく、第三者管理サーバ4で持球数情報テーブルに登録されている貯球数(更新前)と貯球数(更新後)とを参照することによって、ホールコンピュータが管理する貯球数(更新前)及び貯球数(更新後)に関しても保障するようにしてもよい。
ここで、ホールコンピュータ及び第三者管理サーバが有する暗号鍵テーブルを図14に示すような構成としてもよい。
図14に示すように、例えば、ホールコンピュータAの暗号鍵テーブルに、遊技媒体管理装置の固有ID「A」、第1暗号鍵「X1」に加えて、ホールコンピュータAを特定するためのホールコンピュータIDとして「ホールA」を登録する。同様に、ホールコンピュータBの暗号鍵テーブルにも、ホールコンピュータIDとして「ホールB」を登録する。
一方、第三者管理サーバ4の暗号鍵テーブルには、上述の各ホールコンピュータID「ホールA」、「ホールB」に対応付けて、固有ID「A」及び「B」、第2暗号鍵「Y1」及び「Y2」をそれぞれ登録しておく。
これにより、第三者管理サーバ4では、ホールコンピュータから第三者管理サーバ4に送信されてきた情報(例えば、第1の情報、第2の情報、貯球数など)が、当該ホールコンピュータが管理する遊技場に設置されている遊技媒体管理装置から送信されてきた情報であることを保障することができる。
以上のように、本実施の形態に係る遊技システムは、遊技媒体管理装置2から送信される持球数情報を暗号化することによってセキュリティの向上を図ることができる。
また、ホールコンピュータ3が管理する持球数情報があった場合に、遊技媒体管理装置2から送信される持球数情報をホールコンピュータ3に送信するとともに、第三者機関が管理する第三者管理サーバ4にも送信しており、この第三者管理サーバ4において持球数情報の照合を行っているため、たとえホールコンピュータ3が管理する持球数情報に不整合があったとしても、第三者管理サーバ4によって持球数情報を保障することができる。
また、ホールコンピュータ3は、第1の情報を復号できるものの、第2の情報を復号することができないため、第1の情報を元に独自に持球数情報の管理を行うことができる。これは、遊技媒体管理装置2から送信される情報を直接扱うもので、例えば一度第三者機関の第三者管理サーバ4に送信された第2の情報を元に管理を行うよりも処理が軽減され、よりリアルタイムに持球数情報の管理を行うことができることを意味する。
さらに、ホールコンピュータ3において不正(例えば、持球数情報が50球であるはずのところ、49球として送信するなど、復号化された第1の情報に手を加えること)が働かれた場合であっても、第三者機関の第三者管理サーバ4では、遊技媒体管理装置2から送信される、ホールコンピュータ3で復号できない第2の情報を元に第1の情報との照合を行うため、持球数情報を保障することができる。
このように、本実施の形態に係る遊技システムは、第三者機関の第三者管理サーバ4によって持球数情報を保障しつつも、ホールコンピュータ3の処理に負荷を掛けないような構成を実現でき、かつ遊技媒体管理装置2から送信される持球数情報に対するセキュリティを向上させることができる。
なお、本実施の形態では、図12に示した精算ボタン押下時の照合処理において第三者管理サーバ4による照合の結果が正常な場合、つまり整合性がとれている場合にのみ遊技用のカードの抜出しを許可する構成としたが、これに限らず、例えば図15に示すように、照合結果の如何に関わらず遊技用のカードの抜出しを許可する構成としてもよい。ただし、この場合、カードの抜出し禁止のペナルティに代えて他のペナルティを加えることとしている。
以下、本実施の形態の照合処理の変形例について説明する。なお、以下の変形例においては、本実施の形態の図12に示す照合処理とは、ステップS140とステップS141が異なるのみで、他のステップは本実施の形態と同様である。したがって、以下においては、図12に示す照合処理と異なるステップのみについて説明する。
図15に示すように、本変形例に係る遊技媒体管理装置2では、ステップS122において持球数情報(例えば貯球)が確定すると、カードの抜出しを許可し(ステップS140)、ステップS123に処理を移行する。本変形例では、上述のようにステップS140においてカードの抜出しが許可されるので、その後判断される第三者管理サーバ4による照合の結果に関わらず、カードの抜出しを行うことができる。
また、本変形例に係る遊技媒体管理装置2では、ホールコンピュータ3からエラー情報を受信する(ステップS137でYES)と、封入式パチンコ遊技機1及び遊技媒体管理装置2の機能を制限した(ステップS138)後、当該カードによる景品交換を不可にして(ステップS141)、本処理を終了する。例えば、遊技媒体管理装置2は、ステップS137で受信したエラー情報をカードIDとともに、ホールコンピュータ3に接続されたPOS端末に送信し、POS端末側で当該エラー情報を有するカードIDを無効としたり、あるいはそのIDカードの登録を行う。これにより、当該エラー情報を有するカードがPOS端末のカードリーダ等に通されると、そのカードIDが無効であると認識され、あるいはカードIDからエラー情報を有するカードであると認識され、POS端末による景品交換処理が行われないようにすることができる。このとき、併せてPOS端末の表示画面等にエラーメッセージ等が表示されてもよい。これにより、遊技場の店員等もエラー情報を有するカードであると容易に認識可能となり、その後の対処を取り易いという利点がある。
一方、本変形例に係る遊技媒体管理装置2は、ホールコンピュータ3から正常情報と受信する(ステップS137でNO)と、本処理を終了する。このとき、遊技媒体管理装置2は、ステップS137で受信した正常情報をカードIDとともにPOS端末に送信するようにしてもよい。これにより、POS端末側で正常情報とともに受信したカードIDと、景品交換時にカードリーダに通されたカードのカードIDとの照合を行うことで、よりセキュリティを強化することができる。
(第2の実施の形態)
次に、図16〜図18を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る遊技システムについて説明する。
なお、本実施の形態においては、本発明の第1の実施の形態とは、特に、持球数情報の保障に関して用いられる第1暗号鍵及び第2暗号鍵が定期的に更新される点で異なるが、他の構成は、略同様に構成されている。したがって、以下においては、第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、特に第1の実施の形態との相違点についてのみ説明する。
[遊技システムの概要]
図16に示すように、本実施の形態に係る遊技システムにおいて、遊技媒体管理装置2は、第1の暗号化手段301と、第2の暗号化手段302と、送信手段271と、暗号鍵更新手段303と、エラー情報受信手段304と、機能制限手段305とを含んで構成されている。また、遊技媒体管理装置2は、図16では図示を省略しているが、第1暗号鍵及び第2暗号鍵を記憶する暗号鍵記憶手段としての暗号鍵記憶部31(図9参照)を備えている。
第1の暗号化手段301、第2の暗号化手段302及び送信手段271は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
暗号鍵更新手段303は、暗号鍵記憶部31(図9参照)に記憶されている第1暗号鍵と第2暗号鍵とを、後述する第1暗号鍵更新手段335によって更新された第1暗号鍵と、後述する第2暗号鍵更新手段404によって更新された第2暗号鍵とにそれぞれ更新するものである。
エラー情報受信手段304は、第三者管理サーバ4の後述するエラー情報送信手段406から送信されたエラー情報及びカードIDを受信するものである。
機能制限手段305は、上述のエラー情報受信手段304がエラー情報を受信したことを条件に、封入式パチンコ遊技機1と遊技媒体管理装置2の機能を制限するものである。ここで、機能制限手段305による機能の制限としては、例えば遊技場の管理者がエラーを解除しない限り当該カードによる遊技球の貸出を行えないようにしたり、当該カードの抜き出しや挿入が行えないようにしたり、あるいは遊技球の発射を制限する等が挙げられる。
なお、本実施の形態では、遊技媒体管理装置2が封入式パチンコ遊技機1及び遊技媒体管理装置2の機能を制限したが、これに限らず、ホールコンピュータ3が遊技媒体管理装置2の機能を制限するようにしてもよい。また、エラー情報を1度受信しただけで直ちに封入式パチンコ遊技機1及び遊技媒体管理装置2の機能を制限するのではなく、例えばエラー情報を受信した段階で第1の情報及び第2の情報を所定回数(例えば3回)だけ再送信し、全ての再送信においてエラー情報を受信した場合に、上述のような機能の制限を行うようにしてもよい。これにより、不正による持球数情報のエラーと、そうでないエラー(例えば通信上の弊害によりたまたまエラーとなった場合)とを区別して、不正によるエラー発生時のみ機能の制限を行うことができる。したがって、不正行為の介在しないエラーの場合には、遊技者に煩わしさを与えることを抑制できる。
ホールコンピュータ3は、第1暗号鍵記憶手段330と、第1の復号化手段331と、情報送信手段332と、情報転送手段333と、正常情報受信手段334と、第1暗号鍵更新手段335と、第1暗号鍵送信手段336とを含んで構成されている。
第1暗号鍵記憶手段330、第1の復号化手段331、情報送信手段332及び情報転送手段333は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
正常情報受信手段334は、第三者管理サーバ4の後述する正常情報送信手段405から送信された正常情報を、遊技用のカードのカードID及び遊技媒体管理装置2の固有IDとともに受信するものである。正常情報受信手段334は、正常情報送信手段405から受信した正常情報を、受信した固有IDで特定される遊技媒体管理装置2の暗号鍵更新手段303にカードIDとともに送信する。
第1暗号鍵更新手段335は、上述の正常情報受信手段334が正常情報を受信したことを条件に、第1暗号鍵記憶手段330に記憶された第1暗号鍵を更新するものである。
第1暗号鍵送信手段336は、上述の第1暗号鍵更新手段335によって更新された第1暗号鍵を第1暗号鍵記憶手段330から読み出し、これを遊技媒体管理装置2の暗号鍵更新手段303に送信するものである。
第三者管理サーバ4は、第2暗号鍵記憶手段401と、第2の復号化手段402と、照合手段403と、第2暗号鍵更新手段404と、正常情報送信手段405と、エラー情報送信手段406とを含んで構成されている。
第2暗号鍵記憶手段401及び第2の復号化手段402は、第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
照合手段403は、第1の復号化手段331によって復号化された第1の情報と第2の復号化手段402によって復号化された第2の情報とを照合する照合処理を実行し、その照合結果を第2暗号鍵更新手段404及びエラー情報送信手段406に送信するようになっている。ここで、送信される照合結果には、後述する正常情報又はエラー情報の他、カードID及び固有IDが含まれる。したがって、照合手段403は、その照合結果が正常である場合には、照合結果が正常であることを示す正常情報を、カードID及び固有IDとともに第2暗号鍵更新手段404に送信する。一方で、照合手段403は、その照合結果が正常でない場合には、照合結果が正常でないことを示すエラー情報を、カードID及び固有IDとともにエラー情報送信手段406に送信する。
第2暗号鍵更新手段404は、照合手段403による照合結果が正常であると判定した場合、つまり照合手段403から正常情報を受信した場合には、第2暗号鍵記憶手段401に記憶された第2暗号鍵を更新するものである。第2暗号鍵記憶手段401は、第2暗号鍵が更新されると、この更新した第2暗号鍵を正常情報送信手段405に送信する。
正常情報送信手段405は、照合手段403による照合結果が正常であると判定した場合、つまり照合手段403から正常情報を受信した場合には、受信した正常情報を、カードID及び固有IDとともにホールコンピュータ3の正常情報受信手段334に送信するものである。
このとき、正常情報送信手段405は、第2暗号鍵記憶手段401から受信した更新後の第2暗号鍵、すなわち第2暗号鍵更新手段404によって更新された第2暗号鍵を、上述の正常情報とともにホールコンピュータ3の正常情報受信手段334に送信し、さらにはその正常情報受信手段334を介して固有IDで特定される遊技媒体管理装置2の暗号鍵更新手段303にカードIDとともに送信するようになっている。本実施の形態における正常情報送信手段405は、本発明に係る第2暗号鍵送信手段を構成する。
エラー情報送信手段406は、照合手段403からエラー情報を受信すると、受信したエラー情報を、カードIDで特定される遊技媒体管理装置2のエラー情報受信手段304に固有IDとともに送信するものである。
[精算ボタン押下時の照合処理]
図17は、本実施の形態の遊技システムで行われる、返却表示押下時、すなわち精算ボタン押下時の照合処理の流れを示したものである。なお、このような照合処理は、実際には遊技媒体管理装置2やホールコンピュータ3の各通信制御回路等を通じて実行されるものであるが、以下の説明においては、説明の便宜上、処理の実行主体をそれぞれ遊技媒体管理装置2、ホールコンピュータ3及び第三者管理サーバ4として説明するものとする。
図17に示すように、まず、封入式パチンコ遊技機1において計数スイッチ13が押下されると、遊技球数表示装置12に表示されている所有数が順次減っていき、減った分の球数のデータが計数された球数のデータとして封入式パチンコ遊技機1から遊技媒体管理装置2に送信される(ステップS221)。このとき、遊技球数表示装置12に表示されている所有数が「0」となるまで計数スイッチ13が押下されると、全ての所有数が計数され、遊技終了となる。また、遊技媒体管理装置2の返却表示を押下後、所定時間(例えば10秒)以内に計数スイッチ13が押下された場合にも全ての所有数が計数され、遊技終了となる。なお、計数スイッチ13を押下せずに遊技媒体管理装置2の返却表示を押下した場合に、全ての所有数が計数され、遊技終了となるようにしてもよい。
その後、遊技媒体管理装置2では、返却表示すなわち精算ボタンが押下されると、持球数情報(例えば貯球)を確定する(ステップS222)。
次いで、遊技媒体管理装置2は、持球数情報を第1の暗号化手段301によって暗号化した第1の情報を作成し、これをホールコンピュータ3に送信する(ステップS223)。具体的には、遊技媒体管理装置2は、第1の暗号化手段301が第1暗号鍵を用いて遊技用のカードに記憶された持球数情報を暗号化することにより、第1の情報を生成する。そして、遊技媒体管理装置2は、カード挿入時に読み取られたカードIDと遊技媒体管理装置2の固有IDとともに、第1の情報をホールコンピュータ3に送信する。
次いで、遊技媒体管理装置2は、持球数情報を第2の暗号化手段302によって暗号化した第2の情報を作成し、これをホールコンピュータ3に送信する(ステップS224)。具体的には、遊技媒体管理装置2は、第2の暗号化手段302が第2暗号鍵を用いて遊技用のカードに記憶された持球数情報を暗号化することにより、第2の情報を生成する。そして、遊技媒体管理装置2は、カード挿入時に読み取られたカードIDと遊技媒体管理装置2の固有IDとともに、第2の情報をホールコンピュータ3に送信する。
ホールコンピュータ3では、ステップS223で送信されてきた第1の情報をカードID及び固有IDとともに受信し、受信した第1の情報を、第1暗号鍵を用いて第1の復号化手段331によって復号化する(ステップS226)。
そして、ホールコンピュータ3は、第1の情報を復号化した情報(第1の情報(復号後))を、カードID及び固有IDとともに第三者管理サーバ4に送信する(ステップS227)。また、ホールコンピュータ3は、ステップS224で送信されてきた第2の情報を受信し、これをカードID及び固有IDとともに第三者管理サーバ4に転送する(ステップS228)。
第三者管理サーバ4では、ステップS227で送信されてきた第1の情報(復号後)を受信し、これをカードID及び固有IDとともに図示しない記憶手段に記憶する(ステップS229)。
次いで、第三者管理サーバ4は、ステップS228で送信されてきた第2の情報を受信し、受信した第2の情報を、第2暗号鍵を用いて第2の復号化手段402によって復号化し、これをカードID及び固有IDとともに図示しない記憶手段に記憶する(ステップS230)。
その後、第三者管理サーバ4は、第1の情報と第2の情報とを照合する(ステップS231)。そして、第三者管理サーバ4は、ステップS231で行った照合の結果(照合結果)が整合性ありか否かを判定する(ステップS232)。
第三者管理サーバ4は、照合結果が整合性ありでないと判定した場合、つまり整合性がとれない場合には、照合結果が正常でないことを示すエラー情報を、カードID及び固有IDとともにホールコンピュータ3に送信する(ステップS233)。そして、ホールコンピュータ3は、ステップS233で第三者管理サーバ4から送信されてきたエラー情報をカードID及び固有IDとともに受信し、受信した固有IDで特定される遊技媒体管理装置2にカードIDとともにエラー情報を送信する(ステップS234)。
一方、第三者管理サーバ4は、ステップS232において、照合結果が整合性ありと判定した場合、つまり整合性がとれた場合には、第2暗号鍵記憶手段401に記憶されている第2暗号鍵を更新する(ステップS235)。ここで、第2暗号鍵を更新する方法としては、例えば第2暗号鍵更新手段404が暗号鍵生成に必要な素数と乱数発生ツールを備え、これらを用いてステップS232で整合性がとれるごとに新たな第2暗号鍵を生成する方法や、新たな第2暗号鍵=現在の暗号鍵+1といった式にて更新するといった簡単な更新方法、あるいは更に複雑な演算式を用いて更新する方法など、種々の更新方法を採用することが可能である。
次いで、第三者管理サーバ4は、更新前の第2暗号鍵と更新後の第2暗号鍵を図示しない記憶手段に記憶する(ステップS236)。
その後、第三者管理サーバ4は、照合結果が正常であることを示す正常情報を、カードID及び固有IDとともにホールコンピュータ3に送信する(ステップS237)。このとき、第三者管理サーバ4は、正常情報、カードID及び固有IDとともに、更新後の第2暗号鍵も一緒に送信する。つまり、第三者管理サーバ4は、正常情報、カードID及び固有IDを含む照合結果として、更新後の第2暗号鍵を含めた形で当該照合結果を送信する。
そして、ホールコンピュータ3は、ステップS237で第三者管理サーバ4から送信されてきた正常情報をカードID及び固有IDとともに受信し、受信した固有IDで特定される遊技媒体管理装置2にカードIDとともに正常情報を送信する(ステップS238)。このとき、ホールコンピュータ3は、正常情報及びカードIDとともに、更新後の第2暗号鍵も一緒に送信する。つまり、ホールコンピュータ3は、正常情報及びカードIDを含む照合結果として、更新後の第2暗号鍵を含めた形で当該照合結果を送信する。
次いで、ホールコンピュータ3は、ステップS238で正常情報を受信したことを条件に、第1暗号鍵記憶手段330に記憶されている第1暗号鍵を更新する(ステップS239)。第1暗号鍵を更新する方法としては、上述の第2暗号鍵の更新方法と同様の方法を用いることができる。
その後、ホールコンピュータ3は、更新前の第1暗号鍵と更新後の第1暗号鍵を第1暗号鍵記憶手段330に記憶する(ステップS240)。
そして、ホールコンピュータ3は、第1暗号鍵記憶手段330に記憶された更新後の第1暗号鍵を、正常情報とともに第三者管理サーバ4から受信した固有IDで特定される遊技媒体管理装置2にカードIDとともに送信する(ステップS241)。
遊技媒体管理装置2では、エラー情報を受信したか否かを判定する(ステップS242)。つまり、遊技媒体管理装置2は、第三者管理サーバ4による照合結果の整合性判定(ステップS232)に基づき、ステップS233及びステップS234を介してホールコンピュータ3からエラー情報が送信されてきたか否かを判定する。
遊技媒体管理装置2は、エラー情報を受信したと判定した場合には、封入式パチンコ遊技機1及び遊技媒体管理装置2の機能を制限して(ステップS243)、本処理を終了する。封入式パチンコ遊技機1及び遊技媒体管理装置2の機能の制限としては、第1の実施の形態と同様の制限を課すことができ、その制限方法や制限条件の変形例も第1の実施の形態と同様である。
一方、遊技媒体管理装置2は、ステップS242においてエラー情報を受信していないと判定した場合、つまり第三者管理サーバ4による照合結果の整合性判定(ステップS232)に基づき、ステップS237及びステップS238を介してホールコンピュータ3から正常情報が送信されてきた場合には、カードの抜出しを許可する(ステップS245)。
次いで、遊技媒体管理装置2は、ステップS238で正常情報とともに送信されてきた更新後の第2暗号鍵を受信し、受信した更新後の第2暗号鍵で遊技媒体管理装置2の暗号鍵記憶部31に記憶されている第2暗号鍵を更新する(ステップS246)。つまり、遊技媒体管理装置2は、遊技媒体管理装置2の暗号鍵記憶部31に記憶されている現在の第2暗号鍵を更新後の第2暗号鍵に書き換える。
その後、遊技媒体管理装置2は、ステップS241で送信されてきた更新後の第1暗号鍵を受信し、受信した更新後の第1暗号鍵で遊技媒体管理装置2の暗号鍵記憶部31に記憶されている第1暗号鍵を更新して(ステップS247)、本処理を終了する。つまり、遊技媒体管理装置2は、遊技媒体管理装置2の暗号鍵記憶部31に記憶されている現在の第1暗号鍵を更新後の第1暗号鍵に書き換える。
以上のように、本実施の形態に係る遊技システムは、ホールコンピュータ3で復号された第1の情報と第三者管理サーバ4で復号された第2の情報との照合結果が正常である場合には、第1の暗号鍵と第2の暗号鍵とを更新することができ、よりセキュリティの高い情報管理を行うことができる。
また、本実施の形態に係る遊技システムは、ホールコンピュータ3で復号された第1の情報と第三者管理サーバ4で復号された第2の情報との照合結果が正常でない場合(例えば、第1の情報は50球を示しているのに第2の情報は49球を示している場合など)、封入式パチンコ遊技機1を含め、遊技媒体管理装置2の機能を制限する(例えば、遊技場の管理者がエラーを解除しない限り、遊技球の貸出や遊技用の記憶媒体の抜き出し・挿入を行えないようにしたり、遊技球の発射を制限するなど)ことができる。こうした機能を設けることで、問題のあった遊技媒体管理装置の不具合(例えば、不正な装置が取り付けられたりした場合など)による被害を最小限にとどめることが可能となる。また、持球数情報に関して不正を働くような遊技者に対して、ペナルティを課すことができる。
なお、本実施の形態では、第三者管理サーバ4が照合結果として正常情報とともに更新後の第2暗号鍵をホールコンピュータ3に送信するようにしたが、これに限らず、例えば封入式パチンコ遊技機1の起動時に、第三者管理サーバ4からホールコンピュータ3に認証結果とともに更新後の第2暗号鍵を送信するようにしてもよい。
すなわち、図18に示すように、封入式パチンコ遊技機1の起動時は、封入式パチンコ遊技機1から遊技媒体管理装置2、ホールコンピュータ3を介して第三者管理サーバ4に認証情報要求信号が送信され、第三者管理サーバ4にて封入式パチンコ遊技機1の認証が行われる。図18では、図示していないが、認証情報要求信号とともに封入式パチンコ遊技機1から認証情報が送信される。ここで、認証情報とは、上述した通り、封入式パチンコ遊技機1の起動時に送信される情報であって、例えば封入式パチンコ遊技機1のメインCPU116の固有ID、サブCPU141の固有ID、遊技機メーカーコード、セキュリティチップメーカーコード、封入式パチンコ遊技機1の型式コード等を含む情報である。
第三者管理サーバ4では、認証情報要求信号を受信すると、最低限、認証情報要求信号とともに受信した上記各項目について判定を行い、つまり受信した各項目と第三者管理サーバ4に予め登録されているID情報との認証を行い、その認証の結果(認証結果)をホールコンピュータ3、遊技媒体管理装置2を介して封入式パチンコ遊技機1に送信する。このとき、第三者管理サーバ4は、上述の認証結果とともに更新後の第2暗号鍵をホールコンピュータ3に送信する。これにより、第2暗号鍵は認証結果の一部として送信されるため、ホールコンピュータ3側で第2暗号鍵であるとの認識がなされないこととなり、セキュリティを維持することができる。
ホールコンピュータ3では、認証結果とともに更新後の第2暗号鍵を受信すると、第1暗号鍵を更新する。また、ホールコンピュータ3は、受信した認証結果とともに更新後の第2暗号鍵を遊技媒体管理装置2に送信する。遊技媒体管理装置2は、認証結果とともに受信した更新後の第2暗号鍵にて遊技媒体管理装置2の暗号鍵記憶部31に記憶されている第2暗号鍵を更新する。遊技媒体管理装置2における第1暗号鍵の更新は、本実施の形態と同様である。
遊技媒体管理装置2から受信した認証結果が正常である場合には、封入式パチンコ遊技機1が起動される。
(第3の実施の形態)
次に、図19〜図26を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る遊技システムについて説明する。
なお、本実施の形態においては、本発明の第1の実施の形態とは、特に、複数の第1の情報、及び複数の第2の情報をそれぞれ結合して取り扱う点で異なり、本発明の第2の実施の形態とは、特に、封入式パチンコ遊技機1の認証結果とともに更新後の第2暗号鍵を送信する点で異なるが、他の構成は、略同様に構成されている。したがって、以下においては、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略し、特に第1の実施の形態及び第2の実施の形態との相違点についてのみ説明する。
[遊技システムの概要]
図19、図20は、本実施の形態に係る遊技システムの概要を示したものである。
なお、図19、図20では、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と概ね同様の構成については図示を省略し、特に、暗号化された第1の情報及び第2の情報の流れを中心に説明を行う。
また、図19は、遊技場の営業開始時刻(例えば、10:00)から営業時間終了後の所定時刻(例えば、3:00)までの各情報の流れを示している。図20は、営業時間終了後の所定時刻(例えば、3:00)から営業開始時刻(例えば、10:00)までの各情報の流れを示している。なお、本実施の形態では、遊技場の営業時間を10:00〜23:00とした例について説明する。また、ホールコンピュータAとホールコンピュータCとは、互いに異なる遊技場に設置され、封入式パチンコ遊技機A、Bは、いずれもホールコンピュータAが設置された遊技場に設置されているものとする。
図19に示すように、遊技場の営業時間中(10:00〜23:00)は、遊技者の遊技終了時(例えば、遊技用のカードが抜き出された時)に、遊技媒体管理装置Aから第1暗号鍵A、第2暗号鍵Aを用いてそれぞれ暗号化された第1の情報A及び第2の情報Aが、遊技媒体管理装置Bから第1暗号鍵B、第2暗号鍵Bを用いてそれぞれ暗号化された第1の情報B及び第2の情報BがホールコンピュータAに送信される。このとき、第1の情報A及び第2の情報A、第1の情報B及び第2の情報Bとともに、固有ID及びカードIDも送信される。第1暗号鍵A、第2暗号鍵A、第1暗号鍵B、第2暗号鍵Bは、各遊技媒体管理装置A、Bの固有IDに対応付けられてそれぞれ記憶されている。
ホールコンピュータAは、第1の情報A及び第2の情報Aと、第1の情報B及び第2の情報Bとを受信し、カードIDをユニークな検索キーとして、各遊技媒体管理装置A、Bを特定可能な固有IDと各カードに記憶される持球数情報を集計、すなわち図示しない記憶手段に記憶しておく。第1の情報A、B及び第2の情報A、Bは、各遊技媒体管理装置A、Bにおいて暗号化処理を施された少なくとも持球数情報を含む各カードに記憶された持球数情報と同等の情報である。
そして、遊技場の営業時間が終了すると、ホールコンピュータAは、営業時間中に集計した第1の情報A、Bを、固有IDに基づき記憶されている第1暗号鍵A、Bを用いて復号化し、これらを結合する。復号化して結合された情報は、第1の情報AB(復号後)として取り扱われる。こうした復号化や結合は、第1の復号化手段331(図16参照)によって実行される。すなわち、第1の復号化手段331は、遊技媒体管理装置A、Bの各送信手段271(図16参照)から送信されてくる複数の第1の情報A、Bを第1暗号鍵A、Bを用いて復号化して結合するようになっている。したがって、本実施の形態における第1の復号化手段331は、本発明に係る第1の結合化手段を構成する。
また、ホールコンピュータAは、第1の復号化手段331によって結合された第1の情報AB(復号後)を第三者管理サーバ4に送信する。このとき、ホールコンピュータAは、ホールコンピュータAを特定するための情報としてホールコンピュータIDを第1の情報AB(復号後)とともに送信するのが好ましい。こうした第1の情報AB(復号後)の送信は、情報送信手段332(図16参照)によって実行される。したがって、本実施の形態における情報送信手段332は、本発明に係る結合情報送信手段を構成する。
さらに、ホールコンピュータAは、遊技媒体管理装置A、Bの各送信手段271(図16参照)から送信されてくる複数の第2の情報A、Bを情報転送手段333によって第三者管理サーバ4に送信するようになっている。このとき、ホールコンピュータAは、ホールコンピュータIDを第2の情報A、Bとともに送信するのが好ましい。
第三者管理サーバ4は、ホールコンピュータAの情報転送手段333から転送されてくる複数の第2の情報A、Bを第2暗号鍵A、Bを用いて復号化して結合するようになっている。復号化して結合された情報は、第2の情報AB(復号後)として取り扱われる。また、上述のような復号化及び結合は、ホールコンピュータごとに行われる。こうした復号化や結合は、第2の復号化手段402(図16参照)によって実行される。したがって、本実施の形態における第2の復号化手段402は、本発明に係る第2の結合化手段を構成する。
また、図20に示すように、第三者管理サーバ4は、各ホールコンピュータごとに送信されてきた第1の情報AB(復号後)と第2の情報AB(復号後)とを照合するようになっている。こうした照合は、照合手段403(図16参照)によって実行される。こうした照合は、前日の営業時間終了後、翌日の営業時間開始前までの例えば夜間等に一括して実行される。
また、第三者管理サーバ4は、照合手段403による照合の結果(照合結果)が正常であれば、第2暗号鍵記憶手段401に記憶された現在の第2暗号鍵A、Bを新たな第2暗号鍵A、Bに更新する。
そして、第三者管理サーバ4は、照合手段403の照合結果を遊技場の営業時間開始前までにホールコンピュータAを含む各遊技場のホールコンピュータに送信する。この照合結果には、照合手段403の照合結果が正常であることを示す正常情報、あるいは照合結果が正常でないことを示すエラー情報が含まれる。
ホールコンピュータAは、照合結果を受信し、受信した照合結果が正常であれば、つまり照合結果に正常情報が含まれている場合には、第1暗号鍵記憶手段330に記憶された現在の第1暗号鍵A、Bを新たな第1暗号鍵A、Bに更新する。こうした第1暗号鍵A、Bの更新は、第1暗号鍵更新手段335によって実行される。
なお、受信した照合結果が異常であれば、つまり照合結果にエラー情報が含まれている場合には、第1暗号鍵A、Bを更新せずに、再度、第三者管理サーバ4に第1の情報AB(復号後)及び第2の情報A、Bを送信あるいは転送し、照合結果が正常となるか、又はそれら情報の補正が完了した際に第1暗号鍵A、Bを更新するのが好ましい。
そして、ホールコンピュータAは、更新された第1暗号鍵A、Bを各遊技媒体管理装置A、Bにそれぞれ送信する。こうした第1暗号鍵A、Bの送信は、第1暗号鍵送信手段336によって実行される。
その後、遊技場の営業開始に先立ち、封入式パチンコ遊技機A、Bがそれぞれ電源投入(起動)されると、各封入式パチンコ遊技機A、Bの認証が行われる。この認証については、図18で説明した通りである。このとき、第三者管理サーバ4は、各封入式パチンコ遊技機A、Bの認証結果と一緒に、つまり認証結果の一部として更新後の第2暗号鍵A、BをホールコンピュータAに送信する。これにより、ホールコンピュータAは、第三者管理サーバ4から送信されてきた情報が更新後の第2暗号鍵A、Bであると認識することはない。したがって、ホールコンピュータAは、更新後の第2暗号鍵A、Bを用いて第2の情報A、Bを復号化することはできない。こうした更新後の第2暗号鍵A、Bの送信は、正常情報送信手段405によって実行される。
ホールコンピュータAは、受信した認証結果と一緒に更新後の第2暗号鍵A、Bを遊技媒体管理装置A、Bにそれぞれ送信する。遊技媒体管理装置A、Bは、各暗号鍵記憶部31(図9参照)に記憶されている第1暗号鍵A、Bと第2暗号鍵A、Bとを、受信した更新後の新たな第1暗号鍵A、Bと新たな第2暗号鍵A、Bとにそれぞれ更新する。こうした更新は、暗号鍵更新手段303によって実行される。
また、遊技媒体管理装置A、Bは、受信した認証結果を各封入式パチンコ遊技機A、Bにそれぞれ送信する。封入式パチンコ遊技機A、Bは、認証結果を受信し、当該認証結果が正常である場合には、起動される。ここで、「起動される」とは、封入式パチンコ遊技機において遊技を行うことが可能な状態となることを意味する。
なお、図19、図20では、ホールコンピュータCが管理する遊技媒体管理装置は1つのみ図示しているが、実際には複数の遊技媒体管理装置を管理しており、当該ホールコンピュータCが行う処理についてはホールコンピュータAと同様であるので説明を省略する。
[復号化及び結合化処理]
図21は、本実施の形態の遊技システムのホールコンピュータ及び第三者管理サーバで行われる、第1の情報及び第2の情報の復号化と結合化の処理の流れを示したものである。当該処理は、遊技場の営業時間終了後、翌日の営業時間開始前までの間に実行される。
なお、図21では、説明の便宜上、ホールコンピュータAと第三者管理サーバ4との間で行われる処理について説明するが、例えばホールコンピュータC等、他のホールコンピュータについても同様である。
図21に示すように、ホールコンピュータAは、遊技場の営業時間中に遊技媒体管理装置A、Bから第1の情報A、Bを受信すると、これをカードIDと対応付けて記憶する(ステップS301)。
その後、営業時間が終了する(ステップS302)と、ホールコンピュータAは、第1の情報Aと第1の情報Bとをそれぞれ対応する第1暗号鍵A又はBを用いて復号化する(ステップS303)。
次いで、ホールコンピュータAは、復号化した第1の情報Aと第1の情報Bとを1つの第1の情報AB(復号後)として結合する(ステップS304)。そして、ホールコンピュータAは、第1の情報AB(復号後)をホールコンピュータIDとともに第三者管理サーバ4に送信する(ステップS305)。
ここで、仮に、第1の情報A、第1の情報Bのような情報を個別に送信すると、遊技システムは、例えば、情報A、情報B、情報C、・・・、とデータの種類が多い場合等、データ量が多ければ多い程、ホールコンピュータAから送信された情報と、第3者管理サーバ4が受信した情報とを把握するために各コンピュータのリソースを確保しなければならないため、各コンピュータの処理を行うパフォーマンスが落ちることも考えられるとともに、送信又は受信できなかった場合に、情報ごとに原因を把握しなければならず、責任の所在及び原因の究明に多大な時間を要することとなる。
そこで、本実施の形態に係る遊技システムは、復号化した第1の情報Aと第1の情報Bとを1つの第1の情報AB(復号後)に結合して送信するよう構成されている。このように構成することで、本実施の形態に係る遊技システムは、復号化した第1の情報Aと第2の情報Bとを1つの第1の情報AB(復号後)に結合して送信するために、復号化した第1の情報Aと第1の情報Bとが予め揃えることで、復号化した第1の情報Aと第1の情報Bとを送信するタイミングを合わせることができる。
このため、本実施の形態に係る遊技システムでは、例えば、遊技システム全体の運用として営業時間終了後の所定時刻(例えば、3:00)までに復号化した第1の情報Aと第1の情報Bとを送信する必要があるような場合に、集計するデータ量が多く第1の情報AB(復号後)として結合した情報を送信できなかったような状況であれば、責任の所在として、送信できなかった側、つまり、この場合ではホールコンピュータA側に責任が生じたものとして明確な運用及び容易な原因の究明が可能となる。
なお、本実施の形態において、遊技システムは、復号化した第1の情報Aと第1の情報Bとを結合して送信するよう構成されているが、これに限らず、例えば、運用によって個別に随時送信する必要がある場合には、各第1の情報を結合して送信する場合と、各第1の情報を個別に随時送信する場合とを切り替える手段を、ホールコンピュータA又は第3者サーバ4が備えるように構成してもよく、もしくは、ホールコンピュータA及び第3者サーバ4とは異なる外的手段によって切り替え可能に構成されていてもよい。
一方、ホールコンピュータAは、遊技媒体管理装置A、Bから送信されてきた第2の情報A、BをそれぞれホールコンピュータIDとともに第三者管理サーバ4に転送する(S306)。
第三者管理サーバ4は、ステップS305でホールコンピュータAから送信された第1の情報AB(復号後)を受信する(ステップS307)。また、第三者管理サーバ4は、ステップS306でホールコンピュータAから転送された第2の情報A、Bを受信する(ステップS308)。
その後、第三者管理サーバ4は、第2の情報A、Bをそれぞれ対応する第2暗号鍵A又はBを用いて復号化する(ステップS309)。
次いで、第三者管理サーバ4は、復号化した第2の情報Aと第2の情報Bとを1つの第2の情報AB(復号後)として結合する(ステップS310)。
[整合性チェック処理]
図22は、本実施の形態の遊技システムで行われる、第1の情報及び第2の情報の整合性チェックの処理(照合処理)の流れを示したものである。当該処理は、遊技場の営業時間終了後、翌日の営業時間開始前までの間に実行される。
なお、図22では、説明の便宜上、ホールコンピュータAと第三者管理サーバ4との間で行われる処理について説明するが、例えばホールコンピュータC等、他のホールコンピュータについても同様である。
図22に示すように、第三者管理サーバ4は、各遊技場ごとにまとめられた第1の情報AB(復号後)と第2の情報AB(復号後)とを比較し、整合性がとれているか否かを判定する(ステップS311)。つまり、第三者管理サーバ4は、営業時間中に集計した第1の情報AB(復号後)と第2の情報AB(復号後)とを照合する。
次いで、第三者管理サーバ4は、ステップS311で整合性がとれていると判定した場合には、照合結果として「正常情報」をホールコンピュータAに送信し、整合性がとれていないと判定した場合には、「エラー情報」を送信する(ステップS312)。
また、第三者管理サーバ4は、ステップS311の判定において整合性がとれていると判定されている場合には、封入式パチンコ遊技機の起動時に送信する認証結果の一部として更新後の第2暗号鍵A、BをホールコンピュータAに対して送信する(ステップS313)。
一方、ホールコンピュータAは、照合結果を受信する(ステップS314)と、その受信した照合結果が「正常」か否か、つまり受信した照合結果に正常情報が含まれるか否かを判定する(ステップS315)。
ホールコンピュータAは、受信した照合結果が「正常」でないと判定した場合には、異常と認定されたカードIDを照合結果に含まれるカードIDから特定する(ステップS316)。その後、ホールコンピュータAは、特定されたカードIDに関する持球数情報を修正するとともに、再度、照合を行うため修正した持球数情報を第三者管理サーバ4に送信する(ステップS317)。
一方、ホールコンピュータAは、ステップS315において、受信した照合結果が「正常」であると判定した場合には、第1暗号鍵記憶手段330に記憶された第1暗号鍵A、Bの更新を行う(ステップS319)。
次いで、ホールコンピュータAは、封入式パチンコ遊技機A、Bに対してそれぞれ更新後の第1暗号鍵A、Bを送信する(ステップS320)。
その後、ホールコンピュータAは、封入式パチンコ遊技機A、Bの電源投入に伴って第三者管理サーバ4で認証が行われると、その認証の結果(認証結果)とともに、すなわち認証結果の一部として更新後の第2暗号鍵A、Bを受信する(ステップS321)。ただし、この場合、更新後の第2暗号鍵A、Bは認証結果の一部として受信するため、ホールコンピュータAが更新後の第2暗号鍵A、Bを認識することはない。
次いで、ホールコンピュータAは、認証結果とともに、すなわち認証結果の一部として更新後の第2暗号鍵A、Bを遊技媒体管理装置A、Bにそれぞれ送信する(ステップS322)。
以上のように、本実施の形態に係る遊技システムは、複数の封入式パチンコ遊技機1、遊技媒体管理装置2ごとに送信される、持球数情報を結合してホールコンピュータ3から第三者管理サーバ4に送信するとともに、当該第三者管理サーバ4側で持球数情報の照合を行って、照合結果が正常である場合には各暗号鍵(第1暗号鍵、第2暗号鍵)の更新を
行うことができる。このため、持球数情報を一括して処理することができるとともに、各暗号鍵の更新も行うことができ、遊技システムの処理の効率化を図ることができる。
また、本実施の形態に係る遊技システムは、遊技場の営業時間開始前までに各暗号鍵の更新がなされているので、例えば営業時間開始に先立ち、封入式パチンコ遊技機1が立ち上げられた(電源投入)場合に封入式パチンコ遊技機1に送信される認証結果の一部として更新後の第1暗号鍵、第2暗号鍵をホールコンピュータ3及び遊技媒体管理装置2に送
信することができ、更なる遊技システムの処理の効率化を図ることができる。
[各種データテーブルの変形例]
図23は、本発明の各実施の形態に係る遊技システムにおける各種データテーブルの変形例を示す図である。
例えば、第1の実施の形態では、図13に示したように、遊技媒体管理装置Aと遊技媒体管理装置Bとで互いに異なる遊技者の場合について説明したが、同一の遊技者が異なる遊技媒体管理装置でそれぞれ遊技を行った場合については、例えば以下のようなデータテーブル構成とすることが好ましい。
図23に示す各種データテーブルは、ホールコンピュータAが管理する遊技場に遊技媒体管理装置Aと遊技媒体管理装置Bとが設置されていた場合に、遊技者「太郎」が遊技媒体管理装置Aの管理する封入式パチンコ遊技機で遊技を行った後、遊技媒体管理装置Bの管理する封入式パチンコ遊技機で遊技を行い退店した場合の例である。また、図23では、遊技媒体管理装置Aの持球数情報を「300」、貯球数を「1000」とし、遊技媒体管理装置Bの持球数情報を「400」、貯球数(球単価=4)を「1000」、貯球数(球単価=1)を「1200」とした例について説明する。
図23に示すように、遊技媒体管理装置A及び遊技媒体管理装置Bは、それぞれ暗号鍵テーブル及び持球数情報テーブルを備えている。
遊技媒体管理装置Aの暗号鍵テーブルには、遊技媒体管理装置Aを特定するための固有IDとして「A」、第1暗号鍵として「X1」、第2暗号鍵として「Y1」が規定されている。また、遊技媒体管理装置Aの持球数情報テーブルには、カードIDとして「H0001」、持球数情報として「300」、球単価として「4」、第1の情報(復号前)として「第1の情報A」、第2の情報(復号前)として「第2の情報A」、貯球数(球単価=4)として「1000」、貯球数(球単価=1)として「1200」、遊技終了時間として「2013/8/1 11:00」がそれぞれ規定されている。
遊技媒体管理装置Aは、暗号鍵テーブルに規定されている第1暗号鍵「X1」及び第2暗号鍵「Y1」を用いて持球数情報「300」を暗号化して、それぞれ第1の情報「A」、第2の情報「A」として持球数情報テーブルに登録する。
一方、遊技媒体管理装置Bの暗号鍵テーブルには、遊技媒体管理装置Bを特定するための固有IDとして「B」、第1暗号鍵として「X2」、第2暗号鍵として「Y2」が規定されている。また、遊技媒体管理装置Bの持球数情報テーブルには、カードIDとして「H0002」、持球数情報として「400」、球単価として「1」、第1の情報(復号前)として「第1の情報B」、第2の情報(復号前)として「第2の情報B」、貯球数(球単価=4)として「1000」、貯球数(球単価=1)として「1200」、遊技終了時間として「2013/8/1 12:00」がそれぞれ規定されている。
遊技媒体管理装置Bは、暗号鍵テーブルに規定されている第1暗号鍵「X2」及び第2暗号鍵「Y2」を用いて持球数情報「400」を暗号化して、それぞれ第1の情報「B」、第2の情報「B」として持球数情報テーブルに登録する。
上記各テーブルからも明らかなように、遊技者は、遊技媒体管理装置Aが管理する球単価「4」の封入式パチンコ遊技機で遊技を行った後、遊技媒体管理装置Bが管理する球単価「1」の封入式パチンコ遊技機で遊技を行っている。したがって、遊技媒体管理装置Aの持球数情報テーブルに登録されている持球数情報「300」は、球単価が「4」の持球数を示しており、遊技媒体管理装置Bの持球数情報テーブルに登録されている持球数情報「400」は、球単価が「1」の持球数を示している。
また、ホールコンピュータAは、暗号鍵テーブル及び遊技者情報テーブルを備えている。
ホールコンピュータAの暗号鍵テーブルには、遊技媒体管理装置Aを特定するための固有IDとして「A」、遊技媒体管理装置Bを特定するための固有IDとして「B」、これら固有IDに対応する第1暗号鍵として「X1」及び「X2」がそれぞれ規定されている。この暗号鍵テーブルには、第2暗号鍵は規定されていない。
したがって、ホールコンピュータAは、暗号鍵テーブルに規定されている第1暗号鍵「X1」及び「X2」を用いて第1の情報「A」及び「B」をそれぞれ復号化し、遊技者情報テーブルに第1の情報(復号後)として「300」、「400」を登録する。
ホールコンピュータAの遊技者情報テーブルには、カードIDとして「H0001」、遊技者として「太郎」、球単価として「4」及び「2」、第1の情報(復号後)として「300」及び「400」、第2の情報(復号前)として「第2の情報A」及び「第2の情報B」、球単価=4の貯球数(更新前)として「1000」、球単価=1の貯球数(更新前)として「1200」、球単価=4の貯球数(更新後)として「1300」、球単価=1の貯球数(更新後)として「1600」がそれぞれ規定されている。
球単価=4の貯球数(更新後)は、球単価=4に対応する第1の情報「300」に基づき、球単価=4の貯球数(更新前)の「1000」に「300」を加算したものである。球単価=1の貯球数(更新後)は、球単価=1に対応する第1の情報「400」に基づき、球単価=1の貯球数(更新前)の「1200」に「400」を加算したものである。
さらに、第三者管理サーバ4は、暗号鍵テーブル及び持球数情報テーブルを備えている。
第三者管理サーバ4の暗号鍵テーブルには、遊技媒体管理装置A及びBを特定するための固有IDに対応付けて、第2の暗号鍵として「Y1」、「Y2」がそれぞれ規定されている。したがって、第三者管理サーバ4は、暗号鍵テーブルに規定されている第2暗号鍵「Y1」、「Y2」を用いて第2の情報A、Bをそれぞれ復号し、持球数情報テーブルに第2の情報(復号後)として「300」、「400」をそれぞれ登録する。
第三者管理サーバ4の持球数情報テーブルには、カードIDとして「H0001」、第1の情報(復号後)として「300」及び「400」、第2の情報(復号後)として「300」及び「400」、球単価=4の貯球数(更新前)として「1000」、球単価=1の貯球数(更新前)として「1200」、球単価=4の貯球数(更新後)として「1300」、球単価=1の貯球数(更新後)として「1600」がそれぞれ規定されている。
第三者管理サーバ4は、この持球数情報テーブルに登録されている、第1の情報(復号後)と第2の情報(復号後)とを球単価ごとに比較照合することによって、これら2つの情報の整合性がとれているか否かを判定する。図23の例では、球単価「4」及び球単価「1」のいずれにおいても整合性がとれている。
このように、球単価ごとの第1の情報と第2の情報との照合の結果、整合性がとれている場合には、持球数情報テーブルに照合結果として「正常」を登録する。なお、第1の情報と第2の情報との整合性だけでなく、第三者管理サーバ4で持球数情報テーブルに登録されている貯球数(更新前)と貯球数(更新後)とを参照することによって、ホールコンピュータが管理する貯球数(更新前)及び貯球数(更新後)に関しても保障するようにしてもよい。
[暗号化情報の変形例]
上述した本発明の各実施の形態では、図24(a)に示すように、遊技媒体管理装置2によって第1暗号鍵、第2暗号鍵を用いて持球数情報をカードIDごとに暗号化して、第1の情報(復号前)、第2の情報(復号前)とした例について説明した。つまり、この場合の暗号化される情報は、持球数情報である。
これに対し、図24(b)に示すように、持球数情報に加えて、球単価、貯球数(球単価=4)、貯球数(球単価=1)、遊技終了時間を暗号化して、第1の情報(復号前)、第2の情報(復号前)としてもよい。ここで、遊技終了時間とは、遊技媒体管理装置2から送信する持球数情報が決定した時間を意味する。なお、球単価が固定の場合(例えば、球単価=4のみの営業を行っている遊技場の場合)には、持球数情報、貯球数、遊技終了時間のみを暗号化の対象としてもよい。
また、図24(c)に示すように、遊技媒体管理装置2によって持球数情報を暗号化し、カードID及び球単価とともにホールコンピュータ3に送信し、ホールコンピュータ3が球単価及び貯球数を第3の情報として、上述の持球数情報を暗号化した第1の情報及び第2の情報とは別に、第三者管理サーバ4に送信する構成としてもよい。この場合、第三者管理サーバ4は、ホールコンピュータ3から送信されてきた第1の情報、第2の情報及び第3の情報から整合性の判定(照合)を行う。
[各種データテーブルの他の変形例]
図23では、球単価が異なる場合に、球単価ごとに持球数情報や貯球数を管理する構成としたが、これに限らず、例えば図25に示すように、球単価が異なる場合でも貯球数としては1つの値で管理する構成としてもよい。
すなわち、図25に示すように、ホールコンピュータAの遊技者情報テーブルにおいて、貯球数(更新前)及び貯球数(更新後)の値がそれぞれ同一の球単価に換算されて登録されている。図25の例では、球単価=4の貯球数(更新前)及び貯球数(更新後)が球単価=1に換算されて登録されている。具体的には、貯球数(更新後)「2200」は、球単価「4」×持球数「300」+貯球数(更新前)「1000」となっている。なお、球単価=1の貯球数を球単価=4に換算してもよい。
また、ホールコンピュータAは、例えば第2の情報A、Bと貯球数(更新後)の最終結果だけを第三者管理サーバ4に送信する情報としてもよい。
第三者管理サーバ4は、送信されてきた第2の情報A、Bに基づき、球単価×持球数+貯球数(更新前)=貯球数(更新後)を再度、計算し、ホールコンピュータAから送信されてきた貯球数(更新後)と比較することで、整合性がとれているか否かを判定してもよい。
[図25の例における暗号化情報の変形例]
上述した図25の例では、本発明の各実施の形態と同様、図25(a)に示すように、遊技媒体管理装置2によって第1暗号鍵、第2暗号鍵を用いて持球数情報をカードIDごとに暗号化して、第1の情報(復号前)、第2の情報(復号前)とした例について説明した。つまり、この場合の暗号化される情報は、持球数情報である。
これに対し、図25(b)に示すように、持球数情報と球単価とを暗号化して、第1の情報(復号前)、第2の情報(復号前)としてもよい。
また、図25(c)に示すように、持球数情報×球単価を計算した値を暗号化し、第1の情報(復号前)、第2の情報(復号前)としてもよい。
[封入式パチンコ遊技機1の変形例]
上述した各実施の形態においては、遊技機として封入式パチンコ遊技機1を用いる場合について説明したが、これに限らず、例えば、遊技機として封入式パチスロ遊技機1000を用いてもよい。以下に、封入式パチスロ遊技機1000を用いる場合について説明する。
[封入式パチスロ遊技機による遊技システム概要]
封入式パチスロ遊技機1000に係る遊技システムは、図27に示すように、封入式パチスロ遊技機1000に対して遊技媒体管理装置2000をデータ通信可能に接続し、遊技に用いられる遊技媒体の消費や付与に関係する全ての処理をデータ通信により遊技媒体管理装置2000において実行するシステムである。
具体的に説明すると、遊技システムは、図27に示すように、封入式パチスロ遊技機1000と、封入式パチスロ遊技機1000に対して各種のデータ及び信号を送受信可能に接続された遊技媒体管理装置2000とを有している。
封入式パチスロ遊技機1000は、主制御回路1071を搭載した主基板と、サブ制御回路1072を搭載したサブ基板と、リールユニット1074と、外部集中端子板1014と、遊技機側接続端子板1015と、遊技者が操作可能な操作スイッチであるベットボタン1056a、1056b、1056cと、精算ボタン1057と、スタートレバー1058と、ストップボタン1059a、1059b、1059cと、操作スイッチが操作されたことを検出し遊技に反映させる入力スイッチユニット1073と、を有している。
これらの各部1071、1072、1074、1014、1015、1073は、遊技者等が外部から器具等を用いても触れることができないように、密封状態のキャビネット1051内に収容されている。すなわち、封入式パチスロ遊技機1000は、封入式の構造にされている。
主基板は、サブ基板に対して光ファイバ1044を介してデータ通信可能に接続されている。データ通信は、主基板からベット処理部に対して光信号を一方向にだけ出力するように設定されている。また、主基板は、外部集中端子板1014及び遊技機側接続端子板1015に対してそれぞれ双方向にデータ通信可能にされている。各部1011、1012、1074、1014、1015、1073の詳細については後述する。
主基板は、図32のマイクロコンピュータ7711を主要な構成部品として有している。マイクロコンピュータ7711は、メインROM7112やメインRAM7113に格納された処理プログラムをメインCPU7111に実行させることによって、各種の処理部(処理機能)を封入式パチスロ遊技機1000に備えさせている。
具体的に説明すると、封入式パチスロ遊技機1000は、遊技者によるベット数の指定を受け付けるベット数指定部を有しているとともに、主基板(のマイクロコンピュータ7711)に備えられたベット処理部と、遊技処理部と、払出処理部と、を有している。
ベット処理部は、ベット数指定部において指定されたベット数による遊技媒体データのベットの受け付けを遊技媒体管理装置2000において可能にする。遊技処理部は、遊技媒体データのベットの受け付けを前提条件として遊技を実行する。払出処理部は、遊技の結果に基づいて遊技媒体データの払出数を決定する。
なお、ベット数指定部は、遊技者により押下操作されるベットボタン1056a、1056b、1056cから機械的に隔離された入力スイッチユニット1073と、メインCPU7111の処理動作と、で実現されている。また、ベットボタン1056a、1056b、1056cをベット数指定部とする場合もある。
一方、遊技媒体管理装置2000は、マイクロコンピュータからなる図33の制御部2250を筐体2201内に有している。制御部2250は、RAM2272やROM2273に格納された処理プログラムをCPU2271に実行させることによって、各種の処理部(処理機能)を遊技媒体管理装置2000に備えさせている。
具体的に説明すると、遊技媒体管理装置2000は、封入式パチスロ遊技機1000のベット処理部における遊技媒体データのベット数と、封入式パチスロ遊技機1000の払出処理部における遊技媒体データの払出数と、に基づいて、遊技媒体データの貸出数を管理する貸出処理部2023と、ベット数指定部において指定されたベット数が貸出数以下である場合に、ベット処理部における遊技媒体データのベットを受け付けるメダル情報処理部2022と、遊技者の入金を遊技媒体データの貸出数に加算可能に受け付ける入金処理部2024と、を有している。
さらに、遊技媒体管理装置2000は、図29に示すように、異常処理部2027や各種の情報記憶部2281〜2284、自動貸出補充機能のオンオフ状態を切替え可能にする自動貸出選択部2291、自動クレジット補充機能のオンオフ状態を切替え可能にする自動クレジット補充選択部2292、自動貯メダル再プレイ機能のオンオフ状態を切替え可能にする自動貯メダル再プレイ選択部2293を有している。これらの各部2027、2281〜2284、2291、2292、2293の詳細については後述する。
ここで、封入式パチスロ遊技機1000及び遊技媒体管理装置2000が通信可能であるとは、有線及び無線の何れであってもよく、好ましくは、光ファイバからなる有線による光信号のデータ通信である。なお、光ファイバによるデータ通信の詳細については後述する。
また、遊技媒体データとは、遊技媒体を電子データ化したものであり、現実世界の事象に対する客観的な事実を表現し、潜在的な価値のみを持っている。例えば、遊技媒体としてのメダルが1枚、2枚等である。遊技媒体データは、遊技関連データに含まれている。遊技関連データは、遊技媒体データを含む他、一般遊技状態やBB遊技状態等の遊技状態データを含み、さらに、遊技に関連する全てのデータを意味する。
封入式の封入式パチスロ遊技機1000としては、外部から閉鎖された空間内に各種の処理部を備えた構成であれば、遊技者が実際に遊技媒体に触れることなく遊技できる構成、すなわち、封入式パチスロ遊技機1000の内部に封入された遊技媒体を用いて遊技を行う構成であってもよい。
上記の構成によれば、封入式パチスロ遊技機1000における遊技のベットや遊技の結果に基づく払出しが実体を伴わない遊技媒体データにより行われるとともに、遊技媒体データのベット数及び払出数に伴って増減する貸出数の管理及びベットの受け付けが、封入式パチスロ遊技機1000から隔離された遊技媒体管理装置2000において行われる。
これにより、封入式パチスロ遊技機1000は、従来のように貸出数の管理及びベットの受け付けをパチスロ遊技機において行う遊技システムよりも、封入式パチスロ遊技機1000に対する不正行為を防止することができる。
また、上記の構成によれば、主基板やサブ基板、リールユニット1074等は、封入式パチスロ遊技機1000に備えられることによって、ベット数指定部とベット処理部と遊技処理部と払出処理部とが外部から閉鎖されたキャビネット1051内(空間内)に備えられている。
これにより、遊技システムは、ベット数指定部とベット処理部と遊技処理部と払出処理部に対して外部から不正に操作する不正行為を行い難いものにしている。
また、遊技システムは、封入式パチスロ遊技機1000及び遊技媒体管理装置2000間におけるデータ通信が光ファイバ1041により実現されている。具体的に説明すると、封入式パチスロ遊技機1000は、主基板におけるベット処理部及び払出処理部に接続され、データを光信号として送受信する遊技機側接続端子板1015を有している。また、遊技媒体管理装置2000は、貸出処理部に接続され、データを光信号として送受信する管理装置側接続端子板2021を有している。遊技機側接続端子板1015と管理装置側接続端子板2021とは、光ファイバ1041により各種のデータからなる遊技関連データ及び信号を送受信可能に接続されている。
これにより、遊技システムは、遊技機側接続端子板1015や管理装置側接続端子板2021に対する光ファイバ1041の接続作業が半田による接続作業よりも困難であるため、接続状態を変更することによる不正行為を困難にすることができる。
詳細に説明すると、銅線等の信号線の接続は、電気信号の伝送を可能にすればよいものであるため、いずれの位置及び接続方向で半田付けを行っても、導通状態になった時点で接続作業を完了することができる。これに対し、光ファイバ1041の接続作業は、光信号の伝送であるため、光ファイバの接合面同士を正確に位置決めするように所定の冶具で固定して接合しないと、光強度の減衰量が過大となって伝送することができないものとなる。この結果、光ファイバ1041の接続作業は、半田による信号線の接続作業よりも正確な位置決め精度や冶具の設置等の作業を伴うことになる。これにより、光ファイバ1041を信号線として使用すると、接続状態を変更することによる不正行為を困難にすることができる。
さらに、遊技システムは、封入式パチスロ遊技機1000とホールコンピュータ3000との間に中継接続端子板2025を配置し、各通信経路を光ファイバ1043、1042で構成している。すなわち、封入式パチスロ遊技機1000の外部集中端子板1014は、光ファイバ1042を介して遊技媒体管理装置2000の中継接続端子板2025に対して一方向にデータ通信可能に接続されている。
中継接続端子板2025は、光ファイバ1043を介してホールコンピュータ3000に接続されており、外部集中端子板1014からのデータを外部のホールコンピュータ3000に対して一方向に送信可能にしている。これにより、封入式パチスロ遊技機1000は、外部集中端子板1014から遊技媒体管理装置2000の中継接続端子板2025を介してホールコンピュータ3000にデータ送信するようになっている。
上記の構成によれば、遊技システムは、封入式パチスロ遊技機1000における主基板の遊技処理部から外部集中端子板1014を介して送信される各種のデータを遊技媒体管理装置2000におけるベットの管理に用いることができるようになっている。また、遊技システムは、遊技媒体管理装置2000の中継接続端子板2025を介して外部のホールコンピュータ3000に一方向にデータや情報、信号を送信するため、封入式パチスロ遊技機1000においてベット管理を行ったり、封入式パチスロ遊技機1000から直接的にホールコンピュータ3000に対してデータ送信を行う場合よりも不正行為が困難になっている。
なお、外部集中端子板1014及び遊技機側接続端子板1015が主基板に対してデータを送受信可能にされている理由は、封入式パチスロ遊技機1000が封入式であるため、外部から不正に操作される可能性が非常に低いからである。また、封入式パチスロ遊技機1000の遊技機側接続端子板1015が遊技媒体管理装置2000の管理装置側接続端子板2021に対してデータを送受信可能にされている理由は、これらのデータ通信が不正の困難な光ファイバ1041により行われているとともに、封入式パチスロ遊技機1000のキャビネット1051と遊技媒体管理装置2000の筐体201とが接合されることによって、外部からの光ファイバ1041、42に対する不正行為が困難になっているからである。したがって、外部集中端子板1014と中継接続端子板2025とが光ファイバ1042を介して双方向にデータ通信可能に接続されていてもよい。
[遊技の実行環境の判定]
また、本遊技システムは、上述の構成に加えて、遊技状態と払出数とに基づいて遊技の実行環境が正常及び異常の何れであるかを遊技媒体管理装置2000において判定する構成を備えている。
具体的に説明すると、封入式パチスロ遊技機1000は、遊技媒体データのベットの受け付けを前提条件として各種の遊技状態の下で遊技を実行する遊技処理部を有しており、遊技媒体管理装置2000は、遊技状態データの遊技状態と払出数とに基づいて、遊技の実行環境が正常及び異常の何れであるかを判定する遊技監視部2026を有している。ここで、各種の遊技状態とは、例えば、ボーナスゲーム状態(BB遊技状態、RB遊技状態等)や通常ゲーム状態である。
上記の構成によれば、遊技の異常の発生を即座に発見することが可能になる。すなわち、遊技状態と払出数との関係は、遊技状態の種類毎に遊技数や最大の払出数等が決まっている。したがって、例えば、各遊技状態毎に払出数の最大総数やベース値等が理論的に計算され得る。これにより、遊技状態と払出数とに基づいて遊技の実行環境が正常及び異常の何れであるかを判定することができることから、遊技の異常の発生を即座に発見することが可能になる。
また、遊技媒体管理装置2000は、遊技監視部2026において遊技の実行環境が異常であると判定された場合に、遊技の実行を制限する異常処理部2027を有している。異常処理部2027は、遊技の異常が発生したときに、人手を介さずに遊技の実行を制限する処置を採ることができるため、異常環境下における遊技の継続による損害の拡大を容易に防止することを可能にしている。
ここで、遊技の実行を制限する処置としては、異常処理部2027からホールコンピュータ3000への異常報知処置、封入式パチスロ遊技機1000や遊技媒体管理装置2000の光や音声、映像による警報発生処置、封入式パチスロ遊技機1000や遊技媒体管理装置2000の動作停止処置、ホール内の音声呼び出し処置等を例示することができる。
遊技の実行を制限する処置を具体例に説明すると、例えば、メダル投入要求受付状態信号として3枚投入可能信号が遊技媒体管理装置2000から封入式パチスロ遊技機1000に送信されている場合において、MAXベット操作しても、3枚投入要求信号を遊技媒体管理装置2000に送信しない処理を行う。或いは、3枚投入可能信号の代わりに0枚投入可能信号を遊技媒体管理装置2000から封入式パチスロ遊技機1000に送信する処理を行う。
上記の異常処理部2027は、遊技監視部2026において遊技の実行環境が異常であると判定された場合、貸出処理部2023における遊技媒体データの貸出数の管理を停止するようになっている。これにより、遊技の異常が発生したときに、貸出処理部2023における遊技媒体データの貸出数の管理を停止することによって、異常環境下における遊技の継続による損害の拡大を容易に防止することができる。
また、遊技監視部2026は、各遊技状態における払出数の最大総数を有し、現在の遊技状態における遊技で払い出された払出数の総数が最大総数を超えた場合に、遊技の実行環境が異常であると判定するようになっている。これにより、各遊技状態における遊技の実行環境が異常であることを容易に判定することができる。
なお、遊技監視部2026は、各遊技状態における払出数の最大総数に基づいて異常の有無を判定しているが、これに限定されるものではない。例えば、遊技監視部2026は、当籤確率に基づく理論値に基づいて異常の有無を判定してもよいし、入賞することでBB遊技状態やRB遊技状態等に遊技状態を移行させる役が所定時間内に成立する回数に基づいて異常の有無を判定してもよい。
さらに、遊技監視部2026は、入賞することでBB遊技状態等に移行させる役やリプレイの繰り返し回数に基づいて異常の有無を判定してもよいし、ベット操作に対応した上限の払出数に基づいて異常の有無を判定してもよい。
また、異常処理部2027は、遊技の実行環境の異常レベルとして複数段階の異常レベルを判定可能であり、異常レベルのうち相対的に低レベルである低レベル異常であると判定したときには外部集中端子板1014に接続されたホールコンピュータ3000に対して実行環境が異常である旨のデータを送信し、異常レベルのうち相対的に高レベルである高レベル異常であると判定したときには遊技の実行制限として、ベット処理部への遊技媒体データの送信を停止するようになっていてもよい。
この場合には、不正であるか否かが微妙なレベルの低レベル異常であれば、封入式パチスロ遊技機1000を停止させずにホールコンピュータ3000を操作する遊技場側のみで監視し、動向を監視することが可能であり、不正が明らかな高レベル異常であれば、直ちに遊技の実行を不可能とするため、精度の高い不正防止が可能となる。
すなわち、上記の構成によれば、遊技の異常レベルを複数段階で備えていることから、例えば不正行為であるか封入式パチスロ遊技機1000のエラーに起因する異常状態かを判別困難な1回又は数回の異常である低レベル異常であれば遊技媒体データの送信を停止することなくホールコンピュータ3000側にのみ異常データである旨のデータを送信し、遊技者に秘密裏に遊技場側で監視することが可能となる。
これにより、不正行為を行っていない遊技者に不信感を与えることなく異常状態を察知することが可能となる。一方、例えば異常回数が10回を超えるような異常である場合のように、不正行為であることが明らかな高レベル異常のときには遊技媒体データの送信を停止し、遊技自体を実行不可能とすることが可能となる。この結果、精度の高い不正防止が可能となる。
[データ通信及び記憶部を用いた情報処理]
上記の遊技システムにおける各種のデータ及び信号の送受信の処理内容について説明する。
図29に示すように、封入式パチスロ遊技機1000は、図32のマイクロコンピュータ7711におけるメインROM7112やメインRAM7113に格納された処理プログラムをメインCPU7111が実行することによって、遊技者によるベット数の指定を受け付けるベット数指定部と、ベット数指定部で指定されたベット数が遊技媒体管理装置2000からのメダル投入要求受付状態信号が示す投入可能数以下である場合に、指定されたベット数を示すメダル投入要求信号を遊技媒体管理装置2000に送信することによって、指定されたベット数で遊技媒体データのベットを可能にするベット処理部と、遊技媒体管理装置2000からのメダル投入信号による遊技媒体データのベットの受け付けを前提条件として遊技を実行する遊技処理部と、遊技の結果に基づいて遊技媒体データの払出数を決定し、当該払出数を示すメダル払出信号を送信する払出処理部と、を備えている。
一方、遊技媒体管理装置2000は、図33の制御部2250におけるRAM2272やROM2273に格納された処理プログラムをCPU2271が実行することによって、封入式パチスロ遊技機1000からのメダル投入要求信号が示す遊技媒体データのベット数と、封入式パチスロ遊技機1000からのメダル払出信号が示す遊技媒体データの払出数とに基づいて、遊技媒体データの貸出数を管理する貸出処理部2023と、遊技者の入金を遊技媒体データの貸出数に加算可能に受け付ける入金処理部2024と、下記の処理を実行するメダル情報処理部2022と、を有している。
すなわち、メダル情報処理部2022は、投入設定数及び貸出数の中から何れか少ない方を投入可能数として選択し、選択した投入可能数を示すメダル投入要求受付状態信号を封入式パチスロ遊技機1000に送信するメダル投入要求受付処理と、封入式パチスロ遊技機1000からのメダル投入要求信号により遊技媒体データのベットを受け付け、当該ベットの受け付けを示すメダル投入信号を封入式パチスロ遊技機1000に送信するメダル投入処理と、を実行する。
ここで、メダル投入要求受付状態信号は、遊技媒体管理装置2000から封入式パチスロ遊技機1000に送信されるものであり、投入設定数及び貸出数の中から何れか少ない方を選択したものを投入可能数として示すものである。ベットボタン1056a、1056b、1056cは、メダル投入要求受付状態信号を封入式パチスロ遊技機1000が受信したときであって非遊技中に応じて点灯する。また、後述するように遊技中であっても所定条件を満たした場合にも点灯する。
上記の構成によれば、遊技媒体管理装置2000から封入式パチスロ遊技機1000に対して、投入設定数及び貸出数の何れか少ない方がメダル投入要求受付状態信号として送信されるようになっているめ、遊技媒体データの貸出数の管理が封入式パチスロ遊技機1000から隔離された遊技媒体管理装置2000で行われていても、封入式パチスロ遊技機1000において、ベットが受け付けられるベット数を把握することができる。
これにより、封入式パチスロ遊技機1000は、指定されたベット数が遊技媒体管理装置2000の貸出数より少ないか否かを即座に判断でき、指定されたベット数が貸出数より少ない場合には、そのベット数の指定を即座に無効にすることができる。その結果、封入式パチスロ遊技機1000と遊技媒体管理装置2000とが分離されていても、通信によるタイムラグなどに起因する遊技者へのストレスを軽減することができる。
また、図29に示すように、遊技媒体管理装置2000は、図28の構成に加えて、遊技媒体データのベットに用いられるクレジット数を遊技準備状態メダル情報として記憶する遊技準備状態メダル情報記憶部2281を有している。そして、貸出処理部2023は、封入式パチスロ遊技機1000からのメダル投入要求信号が示す遊技媒体データのベット数をクレジット数から減算するクレジット減算処理と、封入式パチスロ遊技機1000からのメダル払出信号が示す遊技媒体データの払出数をクレジット数に加算するクレジット加算処理と、を実行することによって、遊技媒体データの貸出数を管理している。
上記の構成によれば、遊技媒体データの貸出数の管理が遊技準備状態メダル情報記憶部2281におけるクレジット数により行われるため、電子データの形態で貸出数を管理することが容易になっている。
さらに、遊技媒体管理装置2000は、遊技準備状態メダル情報記憶部2281に記憶されるクレジット数の上限値を超えた超過数が合算された持ちメダル数を持ちメダル情報として記憶する持ちメダル情報記憶部2282を有している。
貸出処理部2023は、上記のクレジット減算処理とクレジット加算処理とに加えて、クレジット数の上限値を超えた超過数を持ちメダル情報記憶部2282の持ちメダル数に加算する持ちメダル加算処理とを実行することによって、遊技媒体データの貸出数を管理する。
上記の構成によれば、遊技媒体データの貸出数の管理が遊技準備状態メダル情報記憶部2281におけるクレジット数及び持ちメダル情報記憶部2282における持ちメダル数により行われるため、実際のメダルを用いた構成に近似した動作を実現できるとともに、電子データの形態で貸出数を管理することが容易になる。
さらに、遊技媒体管理装置2000は、遊技準備状態メダル情報記憶部2281及び持ちメダル情報記憶部2282に加えて、入金処理部2024で入金された入金額の残高数を残高情報として記憶する残高情報記憶部2284を有している。
貸出処理部2023は、ベット減算処理及び払出加算処理に加えて、クレジット数の上限値を超えた超過数を持ちメダル情報記憶部2282の持ちメダル数に加算する持ちメダル加算処理を実行する。上記の構成によれば、遊技媒体データの貸出数の管理が遊技準備状態メダル情報記憶部2281におけるクレジット数、持ちメダル情報記憶部2282における持ちメダル数及び残高情報記憶部2284における残高数により行われるため、電子データの形態で貸出数を管理することがより一層容易になる。
さらに、遊技媒体管理装置2000は、遊技準備状態メダル情報記憶部2281、持ちメダル情報記憶部2282及び残高情報記憶部2284に加えて、景品交換せずにホールに預けたメダル数である貯メダル数を貯メダル情報として記憶する貯メダル情報記憶部2283を有している。
貸出処理部2023は、ベット減算処理と払出加算処理と持ちメダル加算処理とに加えて、残高情報における残高数の一部又は全部を所定の換算値で遊技媒体データに換算し、換算数を遊技準備状態メダル情報記憶部2281におけるクレジット数に加算する残高貸出処理と、貯メダル情報記憶部2283における貯メダル数の一部又は全部をクレジット数に加算する貯メダル再プレイ処理と、を実行することによって、遊技媒体データの貸出数を管理する。
なお、貯メダルとは、前日以前に遊技者が獲得した持ちメダル又は当日獲得した持ちメダルを変換したものであり、図示しない貯メダルサーバが管理する。貯メダルサーバは、会員カードIDごとに持ちメダル、貯メダル、残高を記憶し、日付を跨ぐことにより持ちメダルを自動的に貯メダルに変換する機能を有する。また、持ちメダルが記憶されている会員カードを遊技者又は遊技場管理者がPOS上又は遊技媒体管理装置2000にて操作を行い持ちメダルを貯メダルに変換することも可能である。
上記の構成によれば、遊技媒体データの貸出数の管理が遊技準備状態メダル情報記憶部2281におけるクレジット数、持ちメダル情報記憶部2282における持ちメダル数、残高情報記憶部2284における残高数及び貯メダル情報記憶部2283における貯メダル数により行われるため、電子データの形態で貸出数を管理することが容易になるとともに、貯メダルもクレジットにすることができるため、貸出数が無くなることによる遊技の停止を可能な限り防止することができる。
[メダル自動補充処理:自動貸出処理、自動クレジット補充処理、自動貯メダル再プレイ処理]
さらに、上記の構成を備えた遊技システムは、遊技準備状態メダル補充情報をクレジット数に加算する遊技準備状態メダル補充処理である各種のメダル自動補充処理を実行可能に構成されている。これにより、遊技者の選択により遊技準備状態メダル補充処理を自動で行うことが可能になるため、遊技者の負担を軽減することが可能になる。
すなわち、遊技媒体管理装置2000は、遊技媒体データのベットに用いられるクレジット数を遊技準備状態メダル情報として記憶する遊技準備状態メダル情報記憶部と、遊技準備状態メダル情報となり得る遊技準備状態メダル補充情報を記憶する遊技準備状態メダル補充情報記憶部と、封入式パチスロ遊技機1000からのメダル投入要求信号が示す遊技媒体データのベット数をクレジット数から減算するベット減算処理と、封入式パチスロ遊技機1000からのメダル払出信号が示す遊技媒体データの払出数をクレジット数に加算する払出加算処理と、遊技準備状態メダル補充情報記憶部における遊技準備状態メダル補充情報を遊技準備状態メダル情報記憶部におけるクレジット数に加算する遊技準備状態メダル補充処理とを実行することによって、遊技媒体データの貸出数を管理する貸出処理部と、所定の貸出条件が成立したときに、遊技準備状態メダル補充処理を自動で実行させるか否かを遊技者の操作により選択可能にする自動貸出選択部と、投入設定数及び貸出数の中から何れか少ない方を投入可能数として選択し、当該投入可能数を示すメダル投入要求受付状態信号を遊技機に送信するメダル投入要求受付処理と、封入式パチスロ遊技機1000からのメダル投入要求信号により遊技媒体データのベットを受け付け、当該ベットの受け付けを示すメダル投入信号を封入式パチスロ遊技機1000に送信するメダル投入処理とを実行するメダル情報処理部と、を有している。
ここで、遊技準備状態メダル補充情報は、クレジットに補充可能な持ちメダル情報、残高情報及び貯メダル情報を含む。また、遊技準備状態メダル補充情報記憶部は、持ちメダル情報記憶部2282、残高情報記憶部2284及び貯メダル情報記憶部2283を含む。
具体的には、遊技媒体管理装置2000は、遊技媒体データのベットに用いられるクレジット数を遊技準備状態メダル情報として記憶する遊技準備状態メダル情報記憶部2281と、遊技者の入金を受け付ける入金処理部2024と、入金処理部2024で入金された入金額の残高数を残高情報として記憶する残高情報記憶部2284と、遊技準備状態メダル情報記憶部2281に記憶されるクレジット数の上限値を超えた超過数である持ちメダル数を持ちメダル情報として記憶する持ちメダル情報記憶部2282と、クレジット数及び持ちメダル数の清算前の貯メダル数を貯メダル情報として記憶する貯メダル情報記憶部2283と、を有している。
また、遊技媒体管理装置2000における貸出処理部2023は、封入式パチスロ遊技機1000からのメダル投入要求信号が示す遊技媒体データのベット数をクレジット数から減算するベット減算処理と、封入式パチスロ遊技機1000からのメダル払出信号が示す遊技媒体データの払出数をクレジット数に加算する払出加算処理と、残高情報における残高数の一部又は全部を所定の換算値で遊技媒体データに換算し、換算数を遊技準備状態メダル情報記憶部2281におけるクレジット数に加算する残高貸出処理と、持ちメダル情報記憶部2282における持ちメダル数の一部又は全部を、遊技準備状態メダル情報記憶部2281におけるクレジット数に加算するクレジット補充処理と、貯メダル情報記憶部2283における貯メダル数の一部又は全部を、遊技準備状態メダル情報記憶部2281におけるクレジット数に加算する貯メダル再プレイ処理と、を実行することによって、遊技媒体データの貸出数を管理するようになっている。
さらに、遊技媒体管理装置2000は、所定の貸出条件が成立したときに、残高貸出処理を自動で実行させるか否かを遊技者の操作により選択可能にする自動貸出選択部2291と、所定のクレジット補充条件が成立したときに、クレジット補充処理を自動で実行させるか否かを遊技者の操作により選択可能にする自動クレジット補充選択部2292と、所定の貯メダル再プレイ条件が成立したときに、貯メダル再プレイ処理を自動で実行させるか否かを遊技者の操作により選択可能にする自動貯メダル再プレイ選択部2293と、を有している。
自動貸出選択部2291は、残高貸出処理を自動で実行する機能である自動貸出補充機能のオンオフ状態を切替え可能にする。自動クレジット補充選択部2292は、クレジット補充処理を自動で実行する機能である自動クレジット補充機能のオンオフ状態を切替え可能にする。自動貯メダル再プレイ選択部2293は、貯メダル再プレイ処理を自動で実行する機能である自動貯メダル再プレイ機能のオンオフ状態を切替え可能にする。オンオフ状態の切替えは、スイッチやタッチパネル等により設定可能である。
また、メダル情報処理部2022は、投入設定数及び貸出数の中から何れか少ない方を投入可能数として選択し、当該投入可能数を示すメダル投入要求受付状態信号を封入式パチスロ遊技機1000に送信するメダル投入要求受付処理と、封入式パチスロ遊技機1000からのメダル投入要求信号により遊技媒体データのベットを受け付け、当該ベットの受け付けを示すメダル投入信号を封入式パチスロ遊技機1000に送信するメダル投入処理と、を実行するようになっている。
上記の構成によれば、遊技システムは、オンオフ状態を切替え可能な自動貸出補充機能を有することから、残高情報の残高数の一部又は全部を所定の換算値で遊技媒体データに換算し、換算数をクレジット数に加算する残高貸出処理を、遊技者の選択により自動で行うことが可能になる。これにより、残高情報の残高貸出処理に要する遊技者の負担を軽減することが可能になる。
さらに、遊技システムは、オンオフ状態を切替え可能な自動クレジット補充機能を有することから、持ちメダル情報記憶部における持ちメダル数の一部又は全部を、遊技準備状態メダル情報記憶部2281におけるクレジット数に加算するクレジット補充処理を、遊技者の選択により自動で行うことが可能になる。これにより、クレジット補充処理に要する遊技者の負担を軽減することが可能になる。
さらに、遊技システムは、オンオフ状態を切替え可能な自動貯メダル再プレイ機能を有することから、貯メダル情報記憶部2283における貯メダル数の一部又は全部を、遊技準備状態メダル情報記憶部2281におけるクレジット数に加算する貯メダル再プレイ処理を、遊技者の選択により自動で行うことが可能になる。これにより、貯メダル再プレイ処理に要する遊技者の負担を軽減することが可能になる。
さらに、遊技システムは、換算数をクレジット数に加算したときに、クレジット数の上限値を超えて超過数が発生した場合には、この超過数である持ちメダル数が持ちメダル情報として持ちメダル情報記憶部2282に記憶されることによって、クレジット数の上限値を超える残高貸出処理が行われた場合でも、電子データの遊技媒体データとして貸出数を管理することが可能になる。
なお、遊技システムは、自動貸出選択部2291と、自動クレジット補充選択部2292と、自動貯メダル再プレイ選択部2293と、の少なくとも一つを有していてもよい。換言すれば、遊技システムは、オンオフ状態を切替え可能な自動貸出補充機能、オンオフ状態を切替え可能な自動貯メダル再プレイ機能及びオンオフ状態を切替え可能な自動貯メダル再プレイ機能の中から選択した1以上の機能を有していてもよい。
また、遊技システムは、自動貸出選択部2291と、自動クレジット補充選択部2292と、自動貯メダル再プレイ選択部2293と、に代えて、遊技者の手動により補充を行うようになっていてもよい。この場合には、遊技者の好みのタイミングで補充を行うことができる。自動及び手動の切替えは、スイッチやタッチパネル等により設定可能である。さらに、遊技システムは、自動補充と手動補充との両方が可能にされていてもよい。
[封入式パチスロ遊技機1000のベット表示]
上記の遊技システムは、各種のベット表示が可能に構成されている。具体的には、遊技システムにおける封入式パチスロ遊技機1000は、ベットボタン1056a、1056b、1056c(ベット数指定部)に対応付けられており、複数の表示態様で表示可能な投入可能数表示部と、遊技の実行開始後に成立した所定条件及び遊技の実行開始後に受信したメダル投入要求受付状態信号が示す投入可能数に応じた表示態様の表示を遊技の実行終了まで前記投入可能数表示部に行わせる投入可能数表示制御部と、を有している。
なお、MAXベットボタン1056cだけがベット数指定部とされてもよい。また、投入可能数表示部は、各種ベットボタン1056a、1056b、1056c内部に内蔵された1ベット用ボタンランプ1075a、2ベット用ボタンランプ1075b、3ベット用ボタンランプ1075cである。
なお、各種ベット用ボタンランプ1075a、1075b、1075cは、フルカラーLEDで構成されており、メイン制御回路からコマンドを受信するサブ制御回路により制御され、状態に応じて点灯色を変化させる。例えば、非遊技中であってベット可能な場合は赤で点灯され、遊技中であって前述の所定条件を満たして演出用に用いる場合には青で点灯される。また、点灯色はこれらに限定されず、色種別に応じてボーナス当籤となる期待度を変化させてもよい。また、点灯と点滅とで期待度を変化させてもよい。また、当然のことながら、単色のランプとして、非遊技中であってベット可能な場合と遊技中であって前述の所定条件を満たして演出用に用いる場合とで同様の点灯を行うようにしてもよい。
また、遊技媒体管理装置2000は、上述のように、封入式パチスロ遊技機1000からのメダル投入要求信号が示す前記遊技媒体データのベット数と、封入式パチスロ遊技機1000からのメダル払出信号が示す遊技媒体データの払出数とに基づいて、遊技媒体データの貸出数を管理する貸出処理部2023と、遊技者の入金を遊技媒体データの貸出数に加算可能に受け付ける入金処理部2024と、投入設定数及び貸出数の中から何れか少ない方を投入可能数として選択し、当該投入可能数を示すメダル投入要求受付状態信号を封入式パチスロ遊技機1000に送信するメダル投入要求受付処理及び封入式パチスロ遊技機1000からのメダル投入要求信号により遊技媒体データのベットを受け付け、当該ベットの受け付けを示すメダル投入信号を封入式パチスロ遊技機1000に送信するメダル投入処理を実行するメダル情報処理部2022と、を有している。
上記の構成によれば、ベットボタン1056a、1056b、1056cに対して遊技者の操作がなされることによって、ベット数が指定され、スタートレバー1058が操作されることにより遊技が開始されると、この遊技の実行開始後に成立した所定条件に応じた表示態様の表示が投入可能数表示部において行われる。
そして、投入可能数表示部がベット数指定部に対応付けられていることから、投入可能数表示部の表示を見た遊技者に対してベット数指定部に対して注意を喚起することができる。
この結果、遊技期間中において、通常はベット操作としては受け付けられないが、それ以外の何らかの演出があることを連想させ、遊技者に対してベットボタン1056a、1056b、1056cの操作を促すことが可能になる。
加えて、封入式パチスロ遊技機1000では、液晶表示装置1054において遊技者に対してベットボタン1056a、1056b、1056cの押下操作を促すような演出表示が行われる。例えば、液晶表示装置1054上においてMAXベットボタン1056cを模した画像を表示し、さらに『押せ!!』の表示を行うものが考えられる。その際、上述した期待度により色種別、点灯態様が異なる封入式パチスロ遊技機1000の構成である場合にはMAXベットボタン1056c画像や文字表示の態様を合わせて変更する。
また、遊技システムにおける封入式パチスロ遊技機1000において、ベット処理部は、遊技処理部が所定のベット数に限定される特別な遊技状態(RB遊技状態等)で遊技を実行する場合、ベット数指定部において最大ベット数(MAXベット数)の指定が行われたときに、所定のベット数を示すメダル投入要求信号を送信してもよい。
この構成によれば、特別な遊技状態となってベット数が所定ベット数に限定された場合において、具体的なベット数を示さない最大ベット数が指定されたときに、ベット数を自動的に所定ベット数に変更することによりベットの受け付けを有効にすることができる。
また、遊技システムにおける封入式パチスロ遊技機1000において、ベット処理部は、投入可能数が投入設定数未満である場合、ベット数指定部において最大ベット数の指定が行われたときに、投入可能数とされたベット数を示すメダル投入要求信号を送信してもよい。
この構成によれば、貸出数が投入可能数未満にまで減少した結果、投入可能数が投入設定数未満になった場合において、具体的なベット数を示さない最大ベット数が指定されたときに、ベット数を自動的に投入可能数に変更することによりベットの受け付けを有効にすることができる。なお、ベット数を自動的に投入可能数に変更する自動ベット数変更機能を作動(オン状態)させるか否かを切り替える切替えスイッチが設けられていることが好ましい。
[封入式パチスロ遊技機1000の構造]
次に、パチスロ装置が適用された封入式パチスロ遊技機1000の構造について説明する。図30は、封入式パチスロ遊技機1000の外部構造を示す。
[リール1053a、1053b、1053cと表示窓1055a、1055b、1055c]
封入式パチスロ遊技機1000は、リールや回路基板等を収容するキャビネット1051と、キャビネット1051に対して開閉可能に取り付けられるフロントドア1052と、を備える。
キャビネット1051の内部には、3つのリール1053a、1053b、1053cが横並びに設けられている。各リール1053a、1053b、1053cは、円筒状のフレームの周面に帯状のシートを貼り付けた構成にされている。帯状のシートは、複数の図柄(例えば21個)を有している。これらの図柄は、リール1053a、1053b、1053cの回転方向に沿って連続的に配置されている。
フロントドア1052の中央には、液晶表示装置1054が配置されている。液晶表示装置1054は、図柄表示領域1054a、1054b、1054cを含む表示画面を備えている。
液晶表示装置1054は、正面から見て3つのリール1053a、1053b、1053cに重畳する手前側に位置するように配置されている。図柄表示領域1054a、1054b、1054cは、3つのリール1053a、1053b、1053cのそれぞれに対応して配置されている。
図柄表示領域1054a、1054b、1054cは、その背後に設けられたリール1053a、1053b、1053cを透過することが可能になっている。
つまり、図柄表示領域1054a、1054b、1054cは、表示窓1055a、1055b、1055cとしての機能を果たすものであり、その背後に設けられたリール1053a、1053b、1053cの回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。また、封入式パチスロ遊技機1000では、図柄表示領域1054a、1054b、1054cを含めた表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
図柄表示領域1054a、1054b、1054c(以下、表示窓1055a、1055b、1055c)は、その背後に設けられたリール1053a、1053b、1053cの回転が停止されたとき、リール1053a、1053b、1053cの表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。
また、各表示窓1055a、1055b、1055cが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ライン)として定義する。
本実施の形態では、各表示窓1055a、1055b、1055cの上段を組合せてなるトップライン、各表示窓1055a、1055b、1055cの中段を組合せてなるセンターライン、各表示窓1055a、1055b、1055cの下段を組合せてなるボトムライン、左表示窓55aの上段、中表示窓55bの中段及び右表示窓55cの下段を組合せてなるクロスダウンライン、左表示窓1055aの下段、中表示窓1055bの中段及び右表示窓1055cの上段を組合せてなるクロスアップラインの5つを入賞判定ラインとして設けている。
[操作装置]
フロントドア1052には、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。ベットボタン1056a、1056b、1056cは、1回の遊技にベットする枚数を指定するためのものである。1ベットボタン1056aは1ベットを指定し、2ベットボタン1056bは2ベットを指定し、MAXベットボタン1056cは3ベット等の最大ベット数をMAXベットとして指定する。
これらのベットボタン1056a、1056b、1056cは、図32のベット用ボタンランプ1076a〜1076cを内蔵している。精算ボタン1057は、遊技媒体管理装置2000に預けられている電子データ化されたメダル(遊技媒体データ)を外部に引き出すためのものである。
なお、メダルの引き出しは、遊技カード等により行われる。また、精算ボタン1057は、遊技媒体管理装置2000に設けられていてもよい。スタートレバー1058は、全てのリール1053a、1053b、1053cの回転を開始するために設けられる。ストップボタン1059a、1059b、1059cは、3つのリール1053a、1053b、1053cのそれぞれに対応付けられ、対応するリール1053a、1053b、1053cの回転を停止するためのものである。
[その他装置]
7セグ表示器1060は、7セグメントLEDからなり、今回の遊技においてベットされたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、電子データ化されたメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。なお、クレジット枚数は、例えば、50枚、100枚、200枚、クレジット無しである。
表示ランプ1061(LED等)は、演出内容に応じた点消灯のパターンにて光を出力する。2つのスピーカ1062は、フロントドア1052の下部両側に配置されており、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。2つのスピーカ1062の上方には、光を透過する材質で形成されたパネル板1063が設けられている。パネル板1063には、遊技に登場するキャラクター等の絵柄が形成されている。
[内部構造]
次に、封入式パチスロ遊技機1000の内部構造を説明する。図31は、封入式パチスロ遊技機1000の内部構造を示す。フロントドア1052が開放され、フロントドア1052の裏面側の構造及びキャビネット1051内の構造が現れた状態が示されている。
キャビネット1051内の上部には、主制御回路を構成する基板(以下、主基板)が配置されている。主制御回路は、内部当籤役の決定、リール1053a、1053b、1053cの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロにおける遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路の具体的な構成は後述する。
キャビネット1051内の中央部には、3つのリール1053a、1053b、1053cが配置されている。各リール1053a、1053b、1053cのそれぞれには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータが接続されている。
3つのリール1053a、1053b、1053cの左側には、サブ制御回路を構成する基板(以下、サブ基板)が設けられている。サブ制御回路は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。サブ制御回路の具体的な構成は後述する。キャビネット1051内の下部には、各装置に対して必要な電力を供給する電源装置1067が設けられている。
このように、封入式パチスロ遊技機1000は、従来のメダルを使用する封入式パチスロ遊技機1000において必須の構成となっていたメダルセレクターやメダルホッパー、オーバーフローバケット、自動補給穴、下皿トレイをはじめとしたメダル払出機構が不要になるとともに、メダル払出に関わる機構(クレジット機構、メダル投入検出、メダル払出検出等)が不要になっている。
この結果、封入式パチスロ遊技機1000は、部品点数の減少により大幅なコストダウンが可能になっている。さらに、主基板の側方であってリール1053a、1053b、1053cの下方において、大きなスペース1511を確保することが可能になっている。
これにより、封入式パチスロ遊技機1000は、スペース1511を削減して小型化することができる。或いは、サブ系装置の新たな発想が可能になる。例えば、封入式パチスロ遊技機1000は、遊技結果の履歴を示すデータ表示装置等の表示装置をスペース1511に配置することができる。この場合には、表示装置の表示内容がパネル板1063を介して外部に露光するため、表示内容を遊技者に目視させることが可能になる。
また、表示装置は、キャビネット1051内に封入され、外部から操作不能にされているため、主基板に対して信号線を直結することが可能になる。この結果、表示装置と主基板との接続において、外部集中端子板1014が不要であるため、配線の作業性が良好であるとともに、外部集中端子板1014の端子数に余裕を持たせることができ、さらには、データの齟齬を無くすことができる。
また、封入式パチスロ遊技機1000は、主基板の機能がスリム化されるので、ROM容量に余裕を持たせることが可能になる。さらに、メダルセレクター自体が削減されるため、封入式パチスロ遊技機1000に対する所謂クレマンゴトを撲滅できる。また、封入式パチスロ遊技機1000と遊技媒体管理装置2000とが光通信の形態で接続されることによって、遊技媒体管理装置2000の接続部を狙ったゴトに対しても高いセキュリティ性を確保できる。さらに、封入式パチスロ遊技機1000におけるホッパーの消滅によりホッパーゴトも撲滅できる。
[封入式パチスロ遊技機1000の回路構成]
次に、封入式パチスロ遊技機1000の回路構成について説明する。図32に示すように、封入式パチスロ遊技機1000は、主制御回路1071、サブ制御回路1072及びこれらと電気的に接続された周辺装置(アクチュエータ等)を備える。
[主制御回路1071]
主制御回路1071は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ7711を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ7711は、CPU(以下、メインCPU7111)、ROM(以下、メインROM7112)及びRAM(以下、メインRAM7113)により構成される。
メインROM7112には、メインCPU7111により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、サブ制御回路1072に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM7113には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU7111には、クロックパルス発生回路7712、分周器7713、乱数発生器7714及びサンプリング回路7715が接続されている。
クロックパルス発生回路7712及び分周器7713は、クロックパルスを発生する。メインCPU7111は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器7714は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路7715は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
マイクロコンピュータ7711のI/Oポート7716には、入力スイッチユニット1073のスイッチ等が接続されている。メインCPU7111は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ1731L、1731C、1731Rは、3つのストップボタン1059a、1059b、1059cのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。これらのストップスイッチ1731L、1731C、1731Rは、リール停止信号回路1735を介してI/Oポート1716に接続されている。
また、スタートスイッチ1732は、スタートレバー1058が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。1ベットスイッチ1733aは、1ベットボタン1056aが遊技者により押下操作されたことを検出する。2ベットスイッチ1733bは、2ベットボタン1056bが遊技者により押下操作されたことを検出する。MAXベットスイッチ1733cは、MAXベットボタン1056cが遊技者により押下操作されたことを検出する。また、精算スイッチ1734は、精算ボタン1057が遊技者により押下操作されたことを検出する。
[周辺装置及び回路]
マイクロコンピュータ7711により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータや7セグ表示器等がある。また、マイクロコンピュータ7711のI/Oポート7716の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
モータ駆動回路1741は、各リール1053a、1053b、1053cに対応して設けられたステッピングモータ1742a、1742b、1742cの駆動を制御する。リール位置検出回路1743は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール1053a、1053b、1053cが一回転したことを示すリールインデックスを各リール1053a、1053b、1053cに応じて検出する。
ステッピングモータ1742a、1742b、1742cは、運動量がパルスの出力数に比例し、指定された角度で回転軸を停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ1742a、1742b、1742cの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール1053a、1053b、1053cに伝達される。ステッピングモータ1742a、1742b、1742cに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール1053a、1053b、1053cは一定の角度で回転する。
メインCPU7111は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ1742a、1742b、1742cに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール1053a、1053b、1053cの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール1053a、1053b、1053cの表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
I/Oポート7716は、ランプ駆動回路7717に接続されている。ランプ駆動回路7717は、各種ランプや7セグ表示器の動作を制御する。ランプ駆動回路7717は、1ベット用ボタンランプ1076a、2ベット用ボタンランプ1076b、3ベット用ボタンランプ1076cを点灯及び消灯させる。
なお、これらのランプ1076a〜1076c(投入可能表示部)は、遊技開始のために必要な数をベットしてスタートレバー1058を操作する前である遊技開始前において遊技媒体管理装置2000から投入可能信号が送信されているときには投入可能状態として赤色の点灯を行い、遊技開始のために必要な数のベットが行われスタートレバー1058が操作された後から全てのリール1053a、1053b、1053cが停止して払出信号が送信されるまでの間である遊技中には基本的に投入不可能状態として消灯し、遊技中であっても上述した所定条件充足時には例外的に対応する点灯色(例えば青、緑等)で点灯を行う。
さらに、上記のように構成された主制御回路1071は、外部集中端子板1014及び遊技機側接続端子板1015に対してデータ及び信号を送受信可能に接続されている。外部集中端子板1014は、遊技媒体管理装置2000内の中継接続端子板2025に対してデータ及び信号を送受信可能に接続されている。中継接続端子板2025は、ホールコンピュータ3000に対してデータ及び信号を一方向に送信可能に接続されている。
すなわち、外部集中端子板1014は、中継接続端子板2025を介してホールコンピュータ3000に接続されている。なお、外部集中端子板1014は、ホールコンピュータ3000に対してデータ及び信号を一方向に送信可能に接続されていてもよい。
一方、遊技機側接続端子板1015は、遊技媒体管理装置2000内の遊技媒体管理装置20001にデータ及び信号を送受信可能に接続されている。遊技媒体管理装置2000の詳細については後述する。また、主制御回路1071は、サブ制御回路1072に接続されている。サブ制御回路1072は、スピーカ62及び液晶表示装置1054に接続されている。
サブ制御回路1072は、主制御回路1071から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。サブ制御回路1072は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)、ROM(以下、サブROM)、RAM(以下、サブRAM)、レンダリングプロセッサ、描画用RAM、ドライバ、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、オーディオRAM及びA/D変換器及びアンプを含んで構成されている。
[遊技媒体管理装置2000の構造]
次に、封入式パチスロ遊技機1000に光ファイバ1041、1042を介して接続された遊技媒体管理装置2000について説明する。遊技媒体管理装置2000は、図27及び図30に示すように、筐体2201を外壁として有している。
筐体2201は、略直方体状で封入式パチスロ遊技機1000の幅よりも狭い幅に設定されている。筐体2201は、封入式パチスロ遊技機1000の側面に当接状態で設置可能及び固定可能にされている。
遊技媒体管理装置2000の筐体2201の前面には、紙幣投入口2202と、硬貨投入口2203と、カード挿入口2204と、が配置されている。紙幣投入口2202の上方には、貸出ボタン2206と、計数ボタン2207と、貯メダル再プレイボタン2208と、持メダル再プレイボタン2209と、が配置されている。
また、筐体2201内部には、図33に示すように、制御部2250と、入金処理装置2268と、カード装置2267と、管理装置側接続端子板2021と、中継接続端子板2025と、が設けられている。入金処理装置2268は、紙幣投入口2202及び硬貨投入口2203に連絡されており、紙幣や貨幣が搬入されるようになっている。また、カード装置2267は、カード挿入口2204に連絡されており、カード(貯メダルカードやビジターカード)が搬入されるようになっている。ここで、貯メダルカード及びビジターカードは、メダル数と、金額と、を記録可能になっている。
[遊技媒体管理装置2000の電気的構成]
遊技媒体管理装置2000の制御部2250は、サンドCPU2271、RAM2272、ROM2273等を有するマイクロコンピュータからなっている。制御部2250は、管理装置側接続端子板2021、入金処理装置2268及びカード装置2267に接続されている。ROM2273は、プログラム領域等を有している。RAM2272は、プログラムのデータ処理等に使用されるデータや封入式パチスロ遊技機1000から送信されるデータ等を一時的に格納する。
RAM2272は、図29の遊技準備状態メダル情報記憶部2281、持ちメダル情報記憶部2282、貯メダル情報記憶部2283及び残高情報記憶部2284等の各種の記憶部を記憶領域の一部を用いてそれぞれ形成している。これにより、RAM2272は、残高情報や遊技準備状態メダル情報、持ちメダル情報、貯メダル情報及び払出メダル情報等を記憶可能になっている。
ここで、残高情報は、貸出された度数の残高を示す情報である。度数は、現金をメダル数に置き換えたものである。例えば、換算値が20円/枚の条件下においては、"50"の度数、すなわち、50枚のメダル数であると、"1000円"分の現金を残高情報として有することと同じことになる。遊技準備状態メダル情報(以下、クレジットと記載)は、遊技のための投入に使われるメダル数の情報であり、所謂、メダルクレジットと同等である。持ちメダル情報は、遊技準備状態メダルの数量上限(例えば"50")から溢れた分のメダルとして記録される情報である。メダル払出方式のパチスロ遊技機において、クレジット超過時に下皿に払い出されたメダルに相当する。
貯メダル情報は、前日以前に遊技者が獲得した持ちメダル又は当日獲得した持ちメダルを変換したものである。なお、遊技準備状態のメダル数に上限を持たせているが、上限を持たなくてもよい。その場合には持ちメダル情報を別途記載する必要がなく、記憶領域の削減となる。
CPU2271は、ROM2273に格納されたプログラムを実行することで、図28のメダル情報処理部2022、貸出処理部2023、入金処理部2024及び異常処理部2027等の各処理機能を遊技媒体管理装置2000に備えさせている。
また、遊技媒体管理装置2000は、不図示の第1の暗号化手段と、第2の暗号化手段と、送信手段と、を含んで構成されている。遊技媒体管理装置2000は、第1の暗号化手段と、第2の暗号化手段と、送信手段と、を用いて、ホールコンピュータ3000に暗号化された情報を送信するよう構成されている。なお、ホールコンピュータ3000における各種処理は、上述した封入式パチンコ遊技機1におけるホールコンピュータ3の各種処理と同様のため、説明を省略する。
なお、上述した各実施の形態において、封入式パチンコ遊技機1における遊技媒体管理装置2にあっては、第1の暗号化手段と、第2の暗号化手段とを用いて、持球数情報や、球単価等の情報を暗号化したが、これに限らず、例えば、認証情報や、カードIDといった情報に関しても暗号化することができるよう構成してもよい。
また、遊技機として封入式パチスロ遊技機1000を用いる場合において、遊技媒体管理装置2000は、第1の暗号化手段と、第2の暗号化手段とを用いることで、RAM2272が記憶する残高情報、遊技準備状態メダル情報、持ちメダル情報、貯メダル情報及び払出メダル情報等の情報を暗号化可能に構成されているが、これに加えて、遊技監視部2026が判定する封入式パチスロ遊技機1000の各種の遊技状態、異常の有無を判定する各種の判定要素及び異常または正常である旨のデータと、貸出処理部2023が処理する換算数と、遊技準備状態メダル情報記憶部2281が記憶するクレジット数と、貯メダルカード及びビジターカードの各カードが記憶するメダル数と、金額等とも暗号化可能に構成してもよい。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、遊技者の所有する遊技価値に関する情報をセキュリティの高い通信を行いつつ保障することができる遊技システムを提供することを目的とする。
本発明によれば、遊技者の所有する遊技価値に関する情報をセキュリティの高い通信を行いつつ保障することができる遊技システムを提供することができる。