JP2013143669A - デジタル同報無線システム - Google Patents

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Abstract

【課題】拡声子局2とFM再送信子局3とでアンテナを共用した場合のFM再送信子局3からのFM信号の回り込みを防止すること。
【解決手段】図2のように、拡声子局2とFM再送信子局3とでアンテナ6が共用されている。FM再送信子局3は、図2のように、フィルタ30、31、増幅器32、分配器33、デジタル受信機34、音声起動機35、FM送信機36を有している。フィルタ30、増幅器32、フィルタ31の順に直列に接続されており、フィルタ30の入力側は、アンテナ6に接続されている。フィルタ31の出力側は分配器33に接続されていて、分配器33の出力側の一端は、拡声子局2のデジタル受信機20に接続され、他端はデジタル受信機34に接続されている。フィルタ30、31は、FM再送信子局3が送信するFM信号の周波数帯域を阻止するフィルタである。
【選択図】図2

Description

本発明は、親局とデジタル方式により通信を行う拡声子局と、デジタル方式をFM方式に変換して再送信するFM再送信子局とを有したデジタル同報無線システムに関する。
従来のデジタル同報無線システムでは、親局からのデジタル変調された電波を各地区の屋外の柱などに設置された拡声子局で直接、あるいは再送信子局を介して間接に受信し、屋外スピーカーで周辺の家屋の住人などに、音声により防災情報等を知らせている。
また、家屋内では音声が聞こえにくいこと、家屋がまばらな地区では拡声子局の世帯当たりの建設費がたかくなること、などを理由に、宅内に戸別受信機を配備する場合もある。その場合、住宅の遮蔽などにより受信不能となる確率が高く、屋外アンテナを設置して受信環境を改善することが行われている。
しかし、このような受信環境の改善にかかるコストは、戸別受信機よりも高価となっている。また、受信環境の悪い住宅数は予測しにくく、その受信環境の悪い住宅数の割合が20%を越えることも多く、その対策費の予算化が困難で、事後の対策費が予想外に大きくなることもしばしばであった。アナログ方式の場合、このような受信環境の悪い場合であっても、ノイズの混じった音声を前後の文脈から意味を類推して判別できることもあったが、デジタル方式の場合、受信環境が悪いと音声自体が途切れてしまうため、そのような判別はできず、受信環境の改善は必須である。
低コストで受信環境を改善する方法として、FM方式による再送信が検討されている(非特許文献1)。屋外の拡声子局の近傍に、別途デジタル変調された電波を受信して音声信号を復調する受信機を設け、搬送波をその音声信号でFM変調して出力するFM送信機を設け、各家庭にはFM受信機を設けることにより、安価にデジタル同報無線システムの受信環境の改善を図ることができる。また、拡声子局側の受信機とは別にFM再送信側にも受信機を設けるため、拡声子局近傍の屋外スピーカーからの音声出力による情報伝達と、拡声子局配下の各家庭のFM受信機からの音声出力による情報伝達とを、それぞれ独立して行うことができる。
東亜株式会社のウェブサイトに掲載された記事,"60MHz 帯アナログFM再送信戸別受信システム",http://www.toa-inc.jp/70mhz/60mhztop.html ,(参照2011-09-20)
上記FM方式による再送信では、拡声子局側の送受信アンテナとは別に、FM再送信側にも受信アンテナが必要となり、また、FM変調された信号を送信するための送信アンテナも必要となる。しかし、防災無線で用いる60MHz帯ではアンテナが物理的に大きく、拡声子局を設置する柱に、回り込みや干渉を生じないように、拡声子局側の送受信アンテナとFM再送信側の受信アンテナの2つのアンテナを取り付けるのは困難である。
また、FM変調された電波が、親局からのデジタル変調された電波の周波数に近いため、FM変調された電波の回り込みにより受信不良を引き起こしてしまう問題もある。
さらに、親局からのデジタル変調された電波では、FM再送信側の受信機や送信機を制御することはできないため、音声信号の頭切れや音量を制御できないなどの問題がある。
これらの問題のため、FM再送信によりデジタル同報無線システムの受信環境を改善する方法は、実用化が困難であった。
そこで本発明の目的は、FM再送信を用いたデジタル同報無線システムにおいて、アンテナ間の干渉や、FM送信機から拡声子局側の受信機への回り込みを防止することである。また、FM受信機からの音声出力の頭切れを防止し、FM受信機の音量制御をできるようにすることである。
第1の発明は、親局からの音声信号でデジタル変調されたデジタル信号を受信し、第1受信機により前記音声信号を復調して、スピーカにより周囲に音声を出力する拡声子局と、親局からのデジタル信号を受信し、第2受信機により音声信号を復調し、FM送信機により音声信号をFM変調してFM信号を生成し、各家庭に配備されたFM受信機にFM信号を再送信するFM再送信子局と、を有したデジタル同報無線システムにおいて、デジタル信号を受信するアンテナを拡声子局とFM再送信子局とで共用し、前記アンテナからの前記デジタル信号が入力され、FM信号の周波数帯を遮断するフィルタと、フィルタからのデジタル信号を2分配し、一方を拡声子局の第1受信機へ、他方をFM再送信子局の第2受信機へと出力する分配器と、を有する、ことを特徴とするデジタル同報無線システムである。
分配器による分配損失を補うため、分配器の前段に、あるいは後段に増幅器を設けることが望ましい。フィルタおよび分配器は、拡声子局に組み込まれていてもよいし、FM再送信子局に組み込まれていてもよいし、それらとは別に設けられていてもよい。
第2の発明は、第1の発明において、FM再送信子局は、第2受信機に接続し、FM送信機の起動を制御する音声起動機を有し、音声起動機は、親局から放送開始信号でデジタル変調されたデジタル信号が送信されて第2受信機において受信し、放送開始信号を復調して出力したときに生じるクリック音に基づき、FM送信機を起動する、ことを特徴とするデジタル同報無線システムである。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、第2受信機は、ランプを点灯する機能を有し、FM送信機は、ランプの点灯の有無を感知して、その有無に基づきFM受信機の出力する音量を制御する制御信号を生成し、制御信号でFM変調してFM信号を生成し、FM受信機は、制御信号に基づき音量を制御する、ことを特徴とするデジタル同報無線システムである。
第4の発明は、第2の発明において、FM送信機は、所定の周波数未満の前記音声信号をカットしたのち搬送波を音声信号でFM変調して送信する送信手段を有し、第2受信機は、親局からの所定の周波数未満の試験放送信号でデジタル変調されたデジタル信号を受信し、試験放送信号を復調して音声起動機に出力し、音声起動機は、試験放送信号の入力に基づきFM送信機を起動し、FM送信機は、送信手段により試験放送信号をカットして搬送波のみを送信し、FM受信機におけるFM送信機からの搬送波の受信状態により、FM受信機の動作確認を行う、ことを特徴とするデジタル同報無線システムである。所定の周波数は、たとえば300Hzである。
本発明によると、拡声子局とFM再送信子局とで受信するアンテナを共用した場合であっても、FM再送信子局からのFM信号が回り込み、受信障害を生じてしまうことを抑制することができる。
また、第2の発明によると、音声放送の音声の頭切れを防止することができる。
また、第3の発明によると、FM変調して再送信するシステムにおいても、FM受信機の音量を制御することができる。
また、第4の発明によると、FM受信機から音声を出力させずに、FM受信機の動作確認を行うことができる。
実施例1のデジタル同報無線システムの構成を示した図。 拡声子局2およびFM再送信子局3の構成を示した図。
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
図1は、実施例1のデジタル同報無線システムの構成を示した図である。デジタル同報無線システムは、図1のように、親局1と、拡声子局2と、FM再送信子局3と、FM受信機4と、によって構成されている。
親局1は、防災情報などの音声放送の開始を知らせる放送開始信号や、音声放送の音声信号や、拡声子局2の動作を制御する制御信号などで搬送波をデジタル変調し、そのデジタル信号を複数の拡声子局2へと伝送する。放送信号の周波数は60MHzであり、変調方式はたとえば16QAMである。親局1はたとえば市町村の防災センターなどに設置される。
拡声子局2は、図1のように、電柱や電話支柱などの柱5に取り付けられており、同じく柱5に取り付けられたアンテナ6により受信した親局1からのデジタル信号が入力される。アンテナ6は、たとえば指向性を親局1側へ向けた八木アンテナである。拡声子局2は、受信したデジタル信号から音声信号を復調し、音声信号に基づき柱5に取り付けられたスピーカ7より周囲に音声を出力する。また、拡声子局2は、自身の動作状況を示す情報であるステータス信号などをデジタル変調して、変調された電波をアンテナ6から親局1へと送信する。
図2は、拡声子局2およびFM再送信子局3の構成を示した図である。拡声子局2は、デジタル受信機20、デジタル送信機21、スイッチ22で構成されている。アンテナ6とデジタル受信機20との接続、およびアンテナ6とデジタル送信機21との接続は、スイッチ22によって動的に切り換えられるようになっている。また、スイッチ22とデジタル受信機20との間には、FM受信機3が接続されている。また、デジタル受信機20の音声出力側はスピーカ7に接続されている。デジタル受信機20は、受信したデジタル信号から放送開始信号や制御信号、音声信号を復調し、制御信号に基づき音声信号を出力する。デジタル送信機21は、拡声子局2の動作状況を示す情報であるステータス信号で搬送波をデジタル変調してアンテナ6より親局1へ送信する。デジタル送信機21は、ステータス信号を送信するだけでなく、デジタル送信機21に雨量計や風向風速計などの気象観測機器等を接続し、スイッチ22を随時デジタル送信機21側に接続して、親局1へ気象観測データを随時送信するようにしてもよい。
FM再送信子局3は、図1のように、拡声子局2に隣接して柱5に取り付けられている。FM再送信子局3は、アンテナ6により受信した親局1からのデジタル変調された電波を、FM変調された電波に変換して、柱5に取り付けられたアンテナ8により再送信する。
また、FM再送信子局3は、図2のように、フィルタ30、31、増幅器32、分配器33、デジタル受信機34、音声起動機35、FM送信機36、電源供給機37、バッテリ38、によって構成されている。フィルタ30、増幅器32、フィルタ31の順に直列に接続されており、フィルタ30の入力側は、拡声子局2のスイッチ22とデジタル受信機20間に挿入されている。フィルタ31の出力側は分配器33に接続されていて、分配器33の出力側の一端は、拡声子局2のデジタル受信機20に接続され、他端はデジタル受信機34に接続されている。フィルタ30、31は、59.0〜65.5MHzの帯域を透過させ、FM再送信子局3が送信するFM信号の周波数帯域である68.0〜69.0MHzの帯域を阻止するフィルタであり、たとえばバンドパスフィルタとノッチフィルタとの組み合わせによって構成されている。
デジタル受信機34は、従来のデジタル同報無線システムにおいて戸別に設けられていたデジタル受信機を流用することができる。デジタル受信機34は、受信したデジタル信号から放送開始信号、制御信号、音声信号を復調し、制御信号に基づき音声信号を出力する。また、デジタル受信機34は、LEDランプ340を有しており、親局1からの音声信号が緊急情報である場合には、LEDランプ340が点灯する。また、デジタル受信機34の音声信号出力側は音声起動機35に接続されている。音声起動機35の出力側はFM送信機36に接続されている。
FM送信機36は、フォトダイオードなどによってLEDランプ340の点灯の有無を検出する手段を有する。また、FM送信機36には、音声起動機35を介してデジタル受信機34からの音声信号が入力される。FM送信機36は、搬送波を制御信号と音声信号でFM変調し、FM信号を出力する。FM信号の周波数は65.000〜68.9875MHzであり、制御信号、音声信号の周波数は300〜3400Hzである。
増幅器32、デジタル受信機34、FM送信機36は、商用電源に接続された電源供給機37によって電力が供給され、駆動される。また、商用電源の停電時に電源供給機37を介して増幅器32、デジタル受信機34、FM送信機36に電力を供給するためのバッテリ38が設けられている。
なお、上記実施例1では、フィルタ30、31、増幅器32、分配器33は、FM再送信子局3側に設けたが、拡声子局2側に設ける構成としてもよく、さらにはFM再送信子局3とも拡声子局2とも独立して設ける構成としてもよい。
FM受信機4は、各家庭の家屋9内に配置されていて、アンテナ8からのFM変調されたFM信号を受信し、制御信号、音声信号を復調して、制御信号に基づき音声を出力する。
次に、実施例1のデジタル同報無線システムの動作について、より詳細に説明する。
親局1は、まず音声放送の開始を知らせる放送開始信号で搬送波をデジタル変調してデジタル信号を送信し、続いて音声放送のための音声信号および制御信号で搬送波をデジタル変調してデジタル信号を送信し、最後に音声放送の終了を知らせる放送終了信号で搬送波をデジタル変調してデジタル信号を送信する。制御信号は、どの拡声子局2、FM再送信子局3で音声放送を行うかを決める拡声子局2のデジタル受信機20、およびFM再送信子局3のデジタル受信機34の固有識別番号の情報を含む。デジタル信号は、たとえば60MHzであり、防災行政無線に使われる周波数である。また、制御信号は、300Hz未満(たとえば280Hz)の周波数であり、放送開始信号、放送終了信号、音声信号は300Hz〜3400Hzである。
親局1からのデジタル信号はアンテナ6によって受信され、スイッチ22がFM再送信子局3側に接続されている場合にFM再送信子局3へと入力される。
FM再送信子局3に入力されたデジタル信号は、フィルタ30、31を通過し、増幅器32によって増幅されたのち、分配器33によって2分配されて一方は拡声子局2のデジタル受信機20に、他方はFM再送信子局3のデジタル受信機34に入力される。増幅器32は2分配することによる損失を回復させるためのものである。フィルタ30、31の役割については後述する。
拡声子局2のデジタル受信機20では、放送開始信号の受信によりデジタル受信機20自身が駆動され、その後に到着するデジタル信号を受信し、デジタル信号から音声信号と制御信号を復調する。そして、制御信号により指定されている固有識別番号と、自己の固有識別番号とを比較し、自己の固有識別番号が含まれている場合には音声信号をスピーカ7に出力して音声放送を拡声子局2の周囲に伝える。自己の固有識別番号を含まない場合には音声信号をスピーカ7に出力せず、音声放送は行わない。また、制御信号に基づき、音声放送の音量が制御される。音声放送ののち、デジタル受信機20が放送終了信号を受信すると、自身の駆動を停止し音声放送を終了する。
FM再送信子局3のデジタル受信機34でも同様に、放送開始信号の受信によりデジタル受信機20自身が駆動され、その後に到着するデジタル信号を受信し、デジタル信号から音声信号と制御信号を復調する。そして、制御信号により指定されている固有識別番号と、自己の固有識別番号とを比較し、自己の固有識別番号が含まれている場合には音声信号を音声起動機35に出力し、自己の固有識別番号を含まない場合には音声信号を音声起動機35に出力しない。ここで、デジタル受信機34に放送開始信号が入力された場合にはクリック音が出力される。また、制御信号に緊急放送である旨の情報が含まれている場合には、デジタル受信機34のLEDランプ340を点灯する。また、デジタル受信機34は、300〜3400Hzの音声信号だけでなく、300Hz未満の制御信号もそのまま出力する。
音声起動機35は、クリック音が入力されるとFM送信機36を駆動する。そして、デジタル受信機34からの音声信号を音声起動機35を介して受信する。このように、先にクリック音によってFM送信機36が駆動されたのちに音声信号がFM送信機36に入力されるため、音声放送の頭切れを防止することができる。また、音声放送ののち、デジタル受信機34が放送終了信号を受信すると、デジタル受信機34は同様にクリック音を出力し、音声起動機35に入力される。この2度目のクリック音が入力されると、FM送信機36の駆動を停止して音声放送を終了する。
FM送信機36は、フォトダイオードなどによってLEDランプ340の点灯の有無を検出する。LEDランプ340が点灯している場合には、FM受信機4の音量を強制的に最大とする制御信号を生成する。また、FM送信機36自身の固有識別番号の情報を含む制御信号を生成する。そして、これら制御信号とデジタル受信機34からの音声信号で搬送波をFM変調してアンテナ8より配下のFM受信機4へ送信する。また、LEDランプ340が点灯していない場合には、音量を制御する信号は生成せず、音声信号を規定のレベルまで増幅したのち、FM送信機36自身の固有識別番号の情報を含む制御信号と音声信号で搬送波をFM変調してFM受信機4へ送信する。なお、FM送信機36にはデジタル受信機34から音声起動機35を介して300Hz未満の制御信号も入力されるが、この信号はカットして搬送波をFM変調しないようにする。300Hz未満の信号のカットはたとえばフィルタを用いてカットする。搬送波の周波数は、たとえば68.0〜69.0MHzであり、隣接するエリアの周波数と重ならないよう設定されている。また、制御信号は音声信号と同様の300〜3400Hzである。
ここで、アンテナ8から送信されるFM信号は、回り込んでアンテナ6で受信してしまう場合がある。この場合であっても、フィルタ30、31がFM信号の周波数帯である68.0〜69.0MHzの周波数を阻止するため、拡声子局2のデジタル受信機20やFM再送信子局3のデジタル受信機34にFM信号が入力されてしまうことはなく、受信障害を生じてしまうことを防止することができる。
FM受信機4は、FM再送信子局3からのFM信号を受信し、制御信号と音声信号を復調する。制御信号に含まれるFM再送信子局3のFM送信機36の固有識別番号から、自身がその配下のFM受信機4であるかどうかを判定し、自身がその配下である場合には音声信号に基づき音声放送を出力し、その配下でない場合には音声を出力しない。また、制御信号が音量を最大とする旨を含む場合には、FM受信機4の音量ボリュームの設定がどのような場合であっても、最大音量で音声放送を行う。これにより、緊急放送は常に最大音量で放送することができる。なお、制御信号に音量制御の情報を含まない場合には、FM受信機4の音量ボリュームの設定通りに音声放送を行う。隣接するエリアとは搬送波の周波数を変えているため、隣接するエリアに対するFM信号を受信してしまうことはない。また、隣接していない他のエリアに対する同一周波数のFM信号を受信したとしても、制御信号により上記のように識別を行うため、同一周波数の他のエリアに対する音声放送を混信して出力してしまうことはない。
以上のように、実施例1のデジタル同報無線システムでは、拡声子局2とFM再送信子局3とでアンテナ6を共用しているため、共用せずに独立して2つ設けた場合のようにアンテナ間に相互干渉を生じる問題は発生しない。また、フィルタ30、31を設けてFM再送信周波数帯域を遮断し、分配器33を設けて一方を拡声子局2側のデジタル受信機20に戻す構成としたため、アンテナ8からアンテナ6に電波が回り込んで受信障害を生じてしまうのを防止することができる。
また、デジタル受信機34を起動させるための放送開始信号がデジタル受信機34に入力されたときに出力されるクリック音を音声起動機35によって検知して、音声放送がFM送信機36に到達する前にFM送信機36を起動させることができる。そのため、音声放送の頭切れを防止することができる。また、FM送信機36によりデジタル受信機34のLEDランプ340の点灯の有無を検出することで、FM送信機36は音量を制御する制御信号を生成することができ、FM受信機4の出力する音声の制御を行うことができる。
次に、実施例1のデジタル同報無線システムにおいて、FM受信機4の動作確認をする方法について説明する。
従来、FM受信機4の動作確認を行うためには、試験放送を行って音声を実際に発生させたり、定時の告知放送などを待ってその告知放送を利用して行っていた。FM再送信子局3は、多数のエリアに配置されるため、FM送信機36の出力するFM信号の周波数は、隣接していない他のエリアのFM送信機36の出力するFM信号の周波数と同一である場合がある。したがって、FM受信機4の動作確認においては、受信レベルの確認のみならず、同一周波数の混信状態の確認も行う必要がある。よって試験放送は全エリアに対して行う必要がある。しかし、従来の試験放送を行う方法では、動作確認のために用もなく全エリアで音声を発生させることになり、無関係なエリアの住人からの苦情の種となってしまう。また、定時の告知放送を利用する方法では、動作確認を行う時間帯に制約が生じてしまうことが問題であった。しかし、実施例1のデジタル同報無線システムを用いて以下の方法を実行すれば、そのような問題を解決できる。
まず、親局1は試験放送の信号として300Hz未満、具体的にはたとえば280Hzの信号で搬送波をデジタル変調してデジタル信号を送信する。また、試験放送の信号には、試験放送を行いたいエリアのデジタル受信機34を指定する固有識別番号の情報が含まれている。このデジタル信号はデジタル受信機34に入力され、試験放送の信号に含まれる固有識別番号と一致するデジタル受信機34は試験放送の信号を復調して音声起動機35に出力する。なお、試験放送の信号は、分配器33を介してデジタル受信機20にも入力されるが、試験放送の信号にはデジタル受信機20を指定する固有識別番号は含まれないため、デジタル受信機20からは試験放送の信号は出力されない。
音声起動機35は試験放送の信号が入力されるとFM送信機36を起動する。FM送信機36は、300Hz未満の信号はカットして搬送波をFM変調して送信する。そのため、試験放送の信号はカットされて搬送波のみが送信される。FM受信機4は、FM送信機36からの搬送波を受信して、その受信レベルの確認や、混信状態の確認を行う。受信するのが搬送波のみであるため、FM受信機4からは音声が出力されない。このような方法によりFM受信機4の動作確認を行えば、動作確認の時間帯に制約はなく、音に対する苦情が生じることもない。
なお、実施例1のデジタル同報無線システムでは、拡声子局2およびFM再送信子局3を柱5に取り付けて設置したが、ビルや家屋の高所に設置してもよい。また、実施例1では親局1と拡声子局2との間で直接通信する構成としたが、再送信子局や中継局を設け、再送信子局や中継局を介して親局1と拡声子局2とが間接的に通信する構成としてもよい。
本発明のデジタル同報無線システムは、デジタル防災行政無線などに利用することができる。
1:親局
2:拡声子局
3:FM再送信子局
4:FM受信機
5:柱
6、8:アンテナ
7:スピーカ
9:家屋
20、34:受信機
21:送信機
22:スイッチ
30、31:フィルタ
32:増幅器
33:分配器
35:音声起動機
36:FM送信機
本発明は、親局とデジタル方式により通信を行う拡声子局と、デジタル方式をFM方式に変換して再送信するFM再送信子局とを有したデジタル同報無線システムに関する。
従来のデジタル同報無線システムでは、親局からのデジタル変調された電波を各地区の屋外の柱などに設置された拡声子局で直接、あるいは再送信子局を介して間接に受信し、屋外スピーカーで周辺の家屋の住人などに、音声により防災情報等を知らせている。
また、家屋内では音声が聞こえにくいこと、家屋がまばらな地区では拡声子局の世帯当たりの建設費がたかくなること、などを理由に、宅内に戸別受信機を配備する場合もある。その場合、住宅の遮蔽などにより受信不能となる確率が高く、屋外アンテナを設置して受信環境を改善することが行われている。
しかし、このような受信環境の改善にかかるコストは、戸別受信機よりも高価となっている。また、受信環境の悪い住宅数は予測しにくく、その受信環境の悪い住宅数の割合が20%を越えることも多く、その対策費の予算化が困難で、事後の対策費が予想外に大きくなることもしばしばであった。アナログ方式の場合、このような受信環境の悪い場合であっても、ノイズの混じった音声を前後の文脈から意味を類推して判別できることもあったが、デジタル方式の場合、受信環境が悪いと音声自体が途切れてしまうため、そのような判別はできず、受信環境の改善は必須である。
低コストで受信環境を改善する方法として、FM方式による再送信が検討されている(非特許文献1)。屋外の拡声子局の近傍に、別途デジタル変調された電波を受信して音声信号を復調する受信機を設け、搬送波をその音声信号でFM変調して出力するFM送信機を設け、各家庭にはFM受信機を設けることにより、安価にデジタル同報無線システムの受信環境の改善を図ることができる。また、拡声子局側の受信機とは別にFM再送信側にも受信機を設けるため、拡声子局近傍の屋外スピーカーからの音声出力による情報伝達と、拡声子局配下の各家庭のFM受信機からの音声出力による情報伝達とを、それぞれ独立して行うことができる。
東亜株式会社のウェブサイトに掲載された記事,"60MHz 帯アナログFM再送信戸別受信システム",http://www.toa-inc.jp/70mhz/60mhztop.html ,(参照2011-09-20)
上記FM方式による再送信では、拡声子局側の送受信アンテナとは別に、FM再送信側にも受信アンテナが必要となり、また、FM変調された信号を送信するための送信アンテナも必要となる。しかし、防災無線で用いる60MHz帯ではアンテナが物理的に大きく、拡声子局を設置する柱に、回り込みや干渉を生じないように、拡声子局側の送受信アンテナとFM再送信側の受信アンテナの2つのアンテナを取り付けるのは困難である。
また、FM変調された電波が、親局からのデジタル変調された電波の周波数に近いため、FM変調された電波の回り込みにより受信不良を引き起こしてしまう問題もある。
さらに、親局からのデジタル変調された電波では、FM再送信側の受信機や送信機を制御することはできないため、音声信号の頭切れや音量を制御できないなどの問題がある。
これらの問題のため、FM再送信によりデジタル同報無線システムの受信環境を改善する方法は、実用化が困難であった。
そこで本発明の目的は、FM再送信を用いたデジタル同報無線システムにおいて、アンテナ間の干渉や、FM送信機から拡声子局側の受信機への回り込みを防止することである。また、FM受信機からの音声出力の頭切れを防止し、FM受信機の音量制御をできるようにすることである。
第1の発明は、親局からの音声信号でデジタル変調されたデジタル信号を受信し、第1受信機により前記音声信号を復調して、スピーカにより周囲に音声を出力する拡声子局と、親局からのデジタル信号を受信し、第2受信機により音声信号を復調し、FM送信機により音声信号をFM変調してFM信号を生成し、各家庭に配備されたFM受信機にFM信号を再送信するFM再送信子局と、を有したデジタル同報無線システムにおいて、デジタル信号を受信するアンテナを拡声子局とFM再送信子局とで共用し、前記アンテナからの前記デジタル信号が入力され、FM信号の周波数帯を遮断するフィルタと、フィルタからのデジタル信号を2分配し、一方を拡声子局の第1受信機へ、他方をFM再送信子局の第2受信機へと出力する分配器と、を有し、第2受信機は、親局からの音声信号が緊急情報であるか否かによって点灯・消灯するランプを有し、FM送信機は、ランプの点灯の有無を感知して、その有無に基づきFM受信機の出力する音量を制御する制御信号を生成し、制御信号でFM変調してFM信号を生成し、FM受信機は、制御信号に基づき音量を制御する、ことを特徴とするデジタル同報無線システムである。
分配器による分配損失を補うため、分配器の前段に、あるいは後段に増幅器を設けることが望ましい。フィルタおよび分配器は、拡声子局に組み込まれていてもよいし、FM再送信子局に組み込まれていてもよいし、それらとは別に設けられていてもよい。
第2の発明は、第1の発明において、FM再送信子局は、第2受信機に接続し、FM送信機の起動を制御する音声起動機を有し、音声起動機は、親局から放送開始信号でデジタル変調されたデジタル信号が送信されて第2受信機において受信し、放送開始信号を復調して出力したときに生じるクリック音に基づき、FM送信機を起動する、ことを特徴とするデジタル同報無線システムである。
第3の発明は、第2の発明において、FM送信機は、所定の周波数未満の前記音声信号をカットしたのち搬送波を音声信号でFM変調して送信する送信手段を有し、第2受信機は、親局からの所定の周波数未満の試験放送信号でデジタル変調されたデジタル信号を受信し、試験放送信号を復調して音声起動機に出力し、音声起動機は、試験放送信号の入力に基づきFM送信機を起動し、FM送信機は、送信手段により試験放送信号をカットして搬送波のみを送信し、FM受信機におけるFM送信機からの搬送波の受信状態により、FM受信機の動作確認を行う、ことを特徴とするデジタル同報無線システムである。所定の周波数は、たとえば300Hzである。
本発明によると、拡声子局とFM再送信子局とで受信するアンテナを共用した場合であっても、FM再送信子局からのFM信号が回り込み、受信障害を生じてしまうことを抑制することができる。
また、本発明によると、FM変調して再送信するシステムにおいても、FM受信機の音量を制御することができる。
また、第2の発明によると、音声放送の音声の頭切れを防止することができる。
また、第3の発明によると、FM受信機から音声を出力させずに、FM受信機の動作確認を行うことができる。
実施例1のデジタル同報無線システムの構成を示した図。 拡声子局2およびFM再送信子局3の構成を示した図。
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
図1は、実施例1のデジタル同報無線システムの構成を示した図である。デジタル同報無線システムは、図1のように、親局1と、拡声子局2と、FM再送信子局3と、FM受信機4と、によって構成されている。
親局1は、防災情報などの音声放送の開始を知らせる放送開始信号や、音声放送の音声信号や、拡声子局2の動作を制御する制御信号などで搬送波をデジタル変調し、そのデジタル信号を複数の拡声子局2へと伝送する。放送信号の周波数は60MHzであり、変調方式はたとえば16QAMである。親局1はたとえば市町村の防災センターなどに設置される。
拡声子局2は、図1のように、電柱や電話支柱などの柱5に取り付けられており、同じく柱5に取り付けられたアンテナ6により受信した親局1からのデジタル信号が入力される。アンテナ6は、たとえば指向性を親局1側へ向けた八木アンテナである。拡声子局2は、受信したデジタル信号から音声信号を復調し、音声信号に基づき柱5に取り付けられたスピーカ7より周囲に音声を出力する。また、拡声子局2は、自身の動作状況を示す情報であるステータス信号などをデジタル変調して、変調された電波をアンテナ6から親局1へと送信する。
図2は、拡声子局2およびFM再送信子局3の構成を示した図である。拡声子局2は、デジタル受信機20、デジタル送信機21、スイッチ22で構成されている。アンテナ6とデジタル受信機20との接続、およびアンテナ6とデジタル送信機21との接続は、スイッチ22によって動的に切り換えられるようになっている。また、スイッチ22とデジタル受信機20との間には、FM受信機3が接続されている。また、デジタル受信機20の音声出力側はスピーカ7に接続されている。デジタル受信機20は、受信したデジタル信号から放送開始信号や制御信号、音声信号を復調し、制御信号に基づき音声信号を出力する。デジタル送信機21は、拡声子局2の動作状況を示す情報であるステータス信号で搬送波をデジタル変調してアンテナ6より親局1へ送信する。デジタル送信機21は、ステータス信号を送信するだけでなく、デジタル送信機21に雨量計や風向風速計などの気象観測機器等を接続し、スイッチ22を随時デジタル送信機21側に接続して、親局1へ気象観測データを随時送信するようにしてもよい。
FM再送信子局3は、図1のように、拡声子局2に隣接して柱5に取り付けられている。FM再送信子局3は、アンテナ6により受信した親局1からのデジタル変調された電波を、FM変調された電波に変換して、柱5に取り付けられたアンテナ8により再送信する。
また、FM再送信子局3は、図2のように、フィルタ30、31、増幅器32、分配器33、デジタル受信機34、音声起動機35、FM送信機36、電源供給機37、バッテリ38、によって構成されている。フィルタ30、増幅器32、フィルタ31の順に直列に接続されており、フィルタ30の入力側は、拡声子局2のスイッチ22とデジタル受信機20間に挿入されている。フィルタ31の出力側は分配器33に接続されていて、分配器33の出力側の一端は、拡声子局2のデジタル受信機20に接続され、他端はデジタル受信機34に接続されている。フィルタ30、31は、59.0〜65.5MHzの帯域を透過させ、FM再送信子局3が送信するFM信号の周波数帯域である68.0〜69.0MHzの帯域を阻止するフィルタであり、たとえばバンドパスフィルタとノッチフィルタとの組み合わせによって構成されている。
デジタル受信機34は、従来のデジタル同報無線システムにおいて戸別に設けられていたデジタル受信機を流用することができる。デジタル受信機34は、受信したデジタル信号から放送開始信号、制御信号、音声信号を復調し、制御信号に基づき音声信号を出力する。また、デジタル受信機34は、LEDランプ340を有しており、親局1からの音声信号が緊急情報である場合には、LEDランプ340が点灯する。また、デジタル受信機34の音声信号出力側は音声起動機35に接続されている。音声起動機35の出力側はFM送信機36に接続されている。
FM送信機36は、フォトダイオードなどによってLEDランプ340の点灯の有無を検出する手段を有する。また、FM送信機36には、音声起動機35を介してデジタル受信機34からの音声信号が入力される。FM送信機36は、搬送波を制御信号と音声信号でFM変調し、FM信号を出力する。FM信号の周波数は65.000〜68.9875MHzであり、制御信号、音声信号の周波数は300〜3400Hzである。
増幅器32、デジタル受信機34、FM送信機36は、商用電源に接続された電源供給機37によって電力が供給され、駆動される。また、商用電源の停電時に電源供給機37を介して増幅器32、デジタル受信機34、FM送信機36に電力を供給するためのバッテリ38が設けられている。
なお、上記実施例1では、フィルタ30、31、増幅器32、分配器33は、FM再送信子局3側に設けたが、拡声子局2側に設ける構成としてもよく、さらにはFM再送信子局3とも拡声子局2とも独立して設ける構成としてもよい。
FM受信機4は、各家庭の家屋9内に配置されていて、アンテナ8からのFM変調されたFM信号を受信し、制御信号、音声信号を復調して、制御信号に基づき音声を出力する。
次に、実施例1のデジタル同報無線システムの動作について、より詳細に説明する。
親局1は、まず音声放送の開始を知らせる放送開始信号で搬送波をデジタル変調してデジタル信号を送信し、続いて音声放送のための音声信号および制御信号で搬送波をデジタル変調してデジタル信号を送信し、最後に音声放送の終了を知らせる放送終了信号で搬送波をデジタル変調してデジタル信号を送信する。制御信号は、どの拡声子局2、FM再送信子局3で音声放送を行うかを決める拡声子局2のデジタル受信機20、およびFM再送信子局3のデジタル受信機34の固有識別番号の情報を含む。デジタル信号は、たとえば60MHzであり、防災行政無線に使われる周波数である。また、制御信号は、300Hz未満(たとえば280Hz)の周波数であり、放送開始信号、放送終了信号、音声信号は300Hz〜3400Hzである。
親局1からのデジタル信号はアンテナ6によって受信され、スイッチ22がFM再送信子局3側に接続されている場合にFM再送信子局3へと入力される。
FM再送信子局3に入力されたデジタル信号は、フィルタ30、31を通過し、増幅器32によって増幅されたのち、分配器33によって2分配されて一方は拡声子局2のデジタル受信機20に、他方はFM再送信子局3のデジタル受信機34に入力される。増幅器32は2分配することによる損失を回復させるためのものである。フィルタ30、31の役割については後述する。
拡声子局2のデジタル受信機20では、放送開始信号の受信によりデジタル受信機20自身が駆動され、その後に到着するデジタル信号を受信し、デジタル信号から音声信号と制御信号を復調する。そして、制御信号により指定されている固有識別番号と、自己の固有識別番号とを比較し、自己の固有識別番号が含まれている場合には音声信号をスピーカ7に出力して音声放送を拡声子局2の周囲に伝える。自己の固有識別番号を含まない場合には音声信号をスピーカ7に出力せず、音声放送は行わない。また、制御信号に基づき、音声放送の音量が制御される。音声放送ののち、デジタル受信機20が放送終了信号を受信すると、自身の駆動を停止し音声放送を終了する。
FM再送信子局3のデジタル受信機34でも同様に、放送開始信号の受信によりデジタル受信機20自身が駆動され、その後に到着するデジタル信号を受信し、デジタル信号から音声信号と制御信号を復調する。そして、制御信号により指定されている固有識別番号と、自己の固有識別番号とを比較し、自己の固有識別番号が含まれている場合には音声信号を音声起動機35に出力し、自己の固有識別番号を含まない場合には音声信号を音声起動機35に出力しない。ここで、デジタル受信機34に放送開始信号が入力された場合にはクリック音が出力される。また、制御信号に緊急放送である旨の情報が含まれている場合には、デジタル受信機34のLEDランプ340を点灯する。また、デジタル受信機34は、300〜3400Hzの音声信号だけでなく、300Hz未満の制御信号もそのまま出力する。
音声起動機35は、クリック音が入力されるとFM送信機36を駆動する。そして、デジタル受信機34からの音声信号を音声起動機35を介して受信する。このように、先にクリック音によってFM送信機36が駆動されたのちに音声信号がFM送信機36に入力されるため、音声放送の頭切れを防止することができる。また、音声放送ののち、デジタル受信機34が放送終了信号を受信すると、デジタル受信機34は同様にクリック音を出力し、音声起動機35に入力される。この2度目のクリック音が入力されると、FM送信機36の駆動を停止して音声放送を終了する。
FM送信機36は、フォトダイオードなどによってLEDランプ340の点灯の有無を検出する。LEDランプ340が点灯している場合には、FM受信機4の音量を強制的に最大とする制御信号を生成する。また、FM送信機36自身の固有識別番号の情報を含む制御信号を生成する。そして、これら制御信号とデジタル受信機34からの音声信号で搬送波をFM変調してアンテナ8より配下のFM受信機4へ送信する。また、LEDランプ340が点灯していない場合には、音量を制御する信号は生成せず、音声信号を規定のレベルまで増幅したのち、FM送信機36自身の固有識別番号の情報を含む制御信号と音声信号で搬送波をFM変調してFM受信機4へ送信する。なお、FM送信機36にはデジタル受信機34から音声起動機35を介して300Hz未満の制御信号も入力されるが、この信号はカットして搬送波をFM変調しないようにする。300Hz未満の信号のカットはたとえばフィルタを用いてカットする。搬送波の周波数は、たとえば68.0〜69.0MHzであり、隣接するエリアの周波数と重ならないよう設定されている。また、制御信号は音声信号と同様の300〜3400Hzである。
ここで、アンテナ8から送信されるFM信号は、回り込んでアンテナ6で受信してしまう場合がある。この場合であっても、フィルタ30、31がFM信号の周波数帯である68.0〜69.0MHzの周波数を阻止するため、拡声子局2のデジタル受信機20やFM再送信子局3のデジタル受信機34にFM信号が入力されてしまうことはなく、受信障害を生じてしまうことを防止することができる。
FM受信機4は、FM再送信子局3からのFM信号を受信し、制御信号と音声信号を復調する。制御信号に含まれるFM再送信子局3のFM送信機36の固有識別番号から、自身がその配下のFM受信機4であるかどうかを判定し、自身がその配下である場合には音声信号に基づき音声放送を出力し、その配下でない場合には音声を出力しない。また、制御信号が音量を最大とする旨を含む場合には、FM受信機4の音量ボリュームの設定がどのような場合であっても、最大音量で音声放送を行う。これにより、緊急放送は常に最大音量で放送することができる。なお、制御信号に音量制御の情報を含まない場合には、FM受信機4の音量ボリュームの設定通りに音声放送を行う。隣接するエリアとは搬送波の周波数を変えているため、隣接するエリアに対するFM信号を受信してしまうことはない。また、隣接していない他のエリアに対する同一周波数のFM信号を受信したとしても、制御信号により上記のように識別を行うため、同一周波数の他のエリアに対する音声放送を混信して出力してしまうことはない。
以上のように、実施例1のデジタル同報無線システムでは、拡声子局2とFM再送信子局3とでアンテナ6を共用しているため、共用せずに独立して2つ設けた場合のようにアンテナ間に相互干渉を生じる問題は発生しない。また、フィルタ30、31を設けてFM再送信周波数帯域を遮断し、分配器33を設けて一方を拡声子局2側のデジタル受信機20に戻す構成としたため、アンテナ8からアンテナ6に電波が回り込んで受信障害を生じてしまうのを防止することができる。
また、デジタル受信機34を起動させるための放送開始信号がデジタル受信機34に入力されたときに出力されるクリック音を音声起動機35によって検知して、音声放送がFM送信機36に到達する前にFM送信機36を起動させることができる。そのため、音声放送の頭切れを防止することができる。また、FM送信機36によりデジタル受信機34のLEDランプ340の点灯の有無を検出することで、FM送信機36は音量を制御する制御信号を生成することができ、FM受信機4の出力する音声の制御を行うことができる。
次に、実施例1のデジタル同報無線システムにおいて、FM受信機4の動作確認をする方法について説明する。
従来、FM受信機4の動作確認を行うためには、試験放送を行って音声を実際に発生させたり、定時の告知放送などを待ってその告知放送を利用して行っていた。FM再送信子局3は、多数のエリアに配置されるため、FM送信機36の出力するFM信号の周波数は、隣接していない他のエリアのFM送信機36の出力するFM信号の周波数と同一である場合がある。したがって、FM受信機4の動作確認においては、受信レベルの確認のみならず、同一周波数の混信状態の確認も行う必要がある。よって試験放送は全エリアに対して行う必要がある。しかし、従来の試験放送を行う方法では、動作確認のために用もなく全エリアで音声を発生させることになり、無関係なエリアの住人からの苦情の種となってしまう。また、定時の告知放送を利用する方法では、動作確認を行う時間帯に制約が生じてしまうことが問題であった。しかし、実施例1のデジタル同報無線システムを用いて以下の方法を実行すれば、そのような問題を解決できる。
まず、親局1は試験放送の信号として300Hz未満、具体的にはたとえば280Hzの信号で搬送波をデジタル変調してデジタル信号を送信する。また、試験放送の信号には、試験放送を行いたいエリアのデジタル受信機34を指定する固有識別番号の情報が含まれている。このデジタル信号はデジタル受信機34に入力され、試験放送の信号に含まれる固有識別番号と一致するデジタル受信機34は試験放送の信号を復調して音声起動機35に出力する。なお、試験放送の信号は、分配器33を介してデジタル受信機20にも入力されるが、試験放送の信号にはデジタル受信機20を指定する固有識別番号は含まれないため、デジタル受信機20からは試験放送の信号は出力されない。
音声起動機35は試験放送の信号が入力されるとFM送信機36を起動する。FM送信機36は、300Hz未満の信号はカットして搬送波をFM変調して送信する。そのため、試験放送の信号はカットされて搬送波のみが送信される。FM受信機4は、FM送信機36からの搬送波を受信して、その受信レベルの確認や、混信状態の確認を行う。受信するのが搬送波のみであるため、FM受信機4からは音声が出力されない。このような方法によりFM受信機4の動作確認を行えば、動作確認の時間帯に制約はなく、音に対する苦情が生じることもない。
なお、実施例1のデジタル同報無線システムでは、拡声子局2およびFM再送信子局3を柱5に取り付けて設置したが、ビルや家屋の高所に設置してもよい。また、実施例1では親局1と拡声子局2との間で直接通信する構成としたが、再送信子局や中継局を設け、再送信子局や中継局を介して親局1と拡声子局2とが間接的に通信する構成としてもよい。
本発明のデジタル同報無線システムは、デジタル防災行政無線などに利用することができる。
1:親局
2:拡声子局
3:FM再送信子局
4:FM受信機
5:柱
6、8:アンテナ
7:スピーカ
9:家屋
20、34:受信機
21:送信機
22:スイッチ
30、31:フィルタ
32:増幅器
33:分配器
35:音声起動機
36:FM送信機

Claims (4)

  1. 親局からの音声信号でデジタル変調されたデジタル信号を受信し、第1受信機により前記音声信号を復調して、スピーカにより周囲に音声を出力する拡声子局と、前記親局からの前記デジタル信号を受信し、第2受信機により前記音声信号を復調し、FM送信機により前記音声信号をFM変調してFM信号を生成し、各家庭に配備されたFM受信機に前記FM信号を再送信するFM再送信子局と、を有したデジタル同報無線システムにおいて、
    前記デジタル信号を受信するアンテナを前記拡声子局と前記FM再送信子局とで共用し、
    前記アンテナからの前記デジタル信号が入力され、前記FM信号の周波数帯を遮断するフィルタと、前記フィルタからの前記デジタル信号を2分配し、一方を拡声子局の第1受信機へ、他方をFM再送信子局の第2受信機へと出力する分配器と、を有する、
    ことを特徴とするデジタル同報無線システム。
  2. 前記FM再送信子局は、前記第2受信機に接続し、前記FM送信機の起動を制御する音声起動機を有し、
    前記音声起動機は、前記親局から放送開始信号でデジタル変調されたデジタル信号が送信されて前記第2受信機において受信し、前記放送開始信号を復調して出力したときに生じるクリック音に基づき、前記FM送信機を起動する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のデジタル同報無線システム。
  3. 前記第2受信機は、ランプを点灯する機能を有し、
    前記FM送信機は、前記ランプの点灯の有無を感知して、その有無に基づき前記FM受信機の出力する音量を制御する制御信号を生成し、前記制御信号でFM変調してFM信号を生成し、
    前記FM受信機は、前記制御信号に基づき音量を制御する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のデジタル同報無線システム。
  4. 前記FM送信機は、所定の周波数未満の前記音声信号をカットしたのち搬送波を音声信号でFM変調して送信する送信手段を有し、
    前記第2受信機は、親局からの前記所定の周波数未満の試験放送信号でデジタル変調されたデジタル信号を受信し、前記試験放送信号を復調して前記音声起動機に出力し、
    前記音声起動機は、前記試験放送信号の入力に基づき前記FM送信機を起動し、
    前記FM送信機は、前記送信手段により前記試験放送信号をカットして搬送波のみを送信し、
    前記FM受信機における前記FM送信機からの搬送波の受信状態により、前記FM受信機の動作確認を行う、
    ことを特徴とする請求項2に記載のデジタル同報無線システム。
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