JP2013143556A - コンデンサ用リード端子及びその製造方法 - Google Patents

コンデンサ用リード端子及びその製造方法 Download PDF

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【課題】基板に実装されたコンデンサに、振動が継続的に加えられても破断が起こりづらいコンデンサ用リード端子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】コンデンサ用リード端子1は、アルミニウム線の丸棒部2aと平坦部2bとの境界部2cにショットピーニング処理を行い、境界部2cの表層の内部圧縮応力は、丸棒部2aや平坦部2bの内部圧縮応力よりも大きくなる。これにより振動時にリード端子1の前記境界部に加わる応力を低減し、金属疲労を弱めてリード端子1の破断を防止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンデンサ素子に接続されるコンデンサ用リード端子及びその製造方法に関する。
近年、自動車の電子化が進み、コンデンサが車載装置に使用される機会が増えている。車載装置では、走行時の路面からの振動及びエンジンの回転による振動等が継続的に基板に加えられ、基板に実装されたコンデンサにも継続的な振動が加えられる。その結果、コンデンサのリード端子が破断するといった不具合が生じることがある。
このような不具合により、コンデンサはオープン状態となり本来の機能を果たせなくなる。従って、耐振動性能に優れたコンデンサが求められている。
振動に強いコンデンサとしては、コンデンサのケース開口部を封口するための封口体とコンデンサ素子の密着性を高めて、コンデンサ素子の移動を防止する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、封口体と基板の間に突片を設け、コンデンサ自体の振動を抑えるといった提案もされている(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−277748号公報 特開2003−257799号公報
ここで、コンデンサ用リード端子が振動のストレスによって破断に至るメカニズムについて、図4を参照して説明する。図4は、基板及び基板に実装された電解コンデンサの断面図である。
電解コンデンサ10は、アルミニウム等で形成された陽極および陰極の電極箔をセパレータを介して巻回又は積層したコンデンサ素子9を、駆動用電解液とともに有底筒状の外装ケースに収納し、この外装ケースに形成された開口を封口体8で密封するとともに、コンデンサ素子9から導いたリード端子1を封口体8に貫通させて外部に導出させている。
リード端子1は、金属線3とアルミニウム線2とから構成されており、この金属線3とアルミニウム線2はアーク溶接等で接着されている。このアルミニウム線2は、略円柱形状の丸棒部2aと、この丸棒部2aがプレス加工等されて形成された平坦部2bとからなる。尚、図示していないが平坦部2bには、コンデンサ素子9の電極箔が接続されている。
図4に示すように、電解コンデンサ10は、2本のリード端子1が基板6のスルーホールに挿入され、基板6の裏面から半田7で固定されている。この基板6が基板表面と平行な矢印Fの方向に振動した場合、リード端子1の金属線3は、基板6に半田7で固定されているため、同様に矢印Fの方向に振動する。よって、金属線3にアーク溶接等で溶着されている前記アルミニウム線2の丸棒部2aも同様に矢印Fの方向に振動することとなる。一方、コンデンサ素子9の振動は、基板6の振動とタイミングがずれることになる。その為、コンデンサ素子9の電解箔に接続されている前記アルミニウム線2の平坦部2bは、丸棒部2aと平坦部2bの境界部2cを起点に、矢印fの方向に振動する。
その結果、振動の起点となる境界部2cは、引っ張り応力と圧縮応力が曲げモーメントとして交互に働き、継続的な振動によっては金属疲労を起こし、疲労破壊による破断を引き起こす場合がある。
本発明はこのような課題を解決するために提案されたものであり、基板に実装されたコンデンサに振動が継続的に加えられても、破断が起こりづらいコンデンサ用リード端子及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の態様では、丸棒部と平坦部とを有するアルミニウム線と、該アルミニウム線の丸棒部に溶接された金属線とからなるコンデンサ用リード端子において、少なくとも前記アルミニウム線の丸棒部と平坦部の境界部の表層に内部圧縮応力を付与させたことを特徴とする。
上記態様において、少なくとも前記アルミニウム線の丸棒部と平坦部の境界部にショットピーニング処理を施すことで、内部圧縮応力を付与させてもよいし、前記アルミニウム線の丸棒部と平坦部との境界部に曲面が形成されるようにしてもよい。また、本発明は上記態様のコンデンサ用リード端子の製造方法として捉えることもできる。
ショットピーニング処理によって、リード端子は、次のような状態となると考えられる。ショットピーニング処理では、少なくとも前記アルミニウム線の丸棒部と平坦部の境界部に外部からの機械的応力が加わる。この際、ショットピーニング処理された部位は、ショット材の圧力を受けて塑性変形を起こし、ショットピーニング処理された部位には残留応力(圧縮内部応力)が蓄積された状態となる。
なお、ショットピーニング処理によって内部圧縮応力が蓄積されるのは、リード端子の表層部分のみが好ましい。
ショットピーニング処理によりリード端子に内部圧縮応力を蓄積させることができるが、ショットピーニング処理では、ショット材の衝突により、リード端子が加熱される。この加熱によってリード端子に時効硬化が起こり、リード端子を構成するアルミニウム材の強度が低下する場合もある。一般にリード端子は、純度99%以上のアルミニウム材からなり、特別な加熱処理等は行っていない(JIS規格H0001で規定する調質がF、以下JISで規定する調質記号に基づいて「調質記号+材」で表現する)。このため、ショットピーニング処理をリード端子に施す場合、リード端子の深さ方向の深い位置までショットピーニング処理を施すと、ショットピーニング処理されないアルミニウム材の残部が薄くなるとともに、時効硬化によるアルミニウム材の強度の低下とあいまって、リード端子の曲げモーメントに対する機械的強度が低下する。
さらに、ショットピーニング処理により、リード端子の表面は加工硬化を起こす。このようなリード端子は、表面が加工硬化を起こして硬度が高くなった場合には、曲げモーメントに対して強度が高くなる場合と低くなる場合の二つの場合がある。一般に、アルミニウムの調質としては、加熱処理をしていないF材、加工硬化を施したH材、焼きなましを行ったO材がある。このような材料のうち曲げモーメントに対しての強度は、焼きなましを行ったO材が最も強度が高い。
しかし、表面に加工硬化を起こした場合には、このような結果と異なる場合がある。母材をO材とし、ショットピーニング処理を行って表面を加工硬化させた材料では、O材であるアルミニウム母材は曲がりやすいものの、その曲げモーメントは硬度の高い部分に応力集中する。従って、加工硬化した表層部分に応力が集中し、表面でクラックが発生しやすくなる。これは、母材表面から加工硬化を起こした深さが深ければ深いほど、その現象は顕著となる。
一方で、母材をF材とし、ショットピーニング処理を行って、表面が加工硬化を起こした材料では、曲げモーメントの応力が、母材と加工硬化を起こした表層部位に応分に加わる。ここで、加工硬化を起こした表層部位が、母材表面から加工硬化を起こした深さが深ければ、前述したメカニズムと同様に、加工硬化を起こした部位にクラックが発生しやすくなる。しかし、加工硬化を起こした部位が表層のみであれば、曲げモーメントの応力は、母材が負担することとなり、曲げモーメントに対して、強度が高い材料となる。
従って、ショットピーニング処理による内部圧縮応力が蓄積されるのは、リード端子の表層部分のみが好ましい。この表層部分とは、母材の表面から、50μm程度の深さまでである。
このようなリード端子を電解コンデンサに採用し、振動が加わる状態でコンデンサを使用した場合には、次のようなメカニズムとなると考えられる。
振動に伴う引っ張り応力や圧縮応力は、前述したように境界部に加わる。この際に加わる引っ張り応力や圧縮応力は、境界部に蓄積された内部圧縮応力と相殺するエネルギーとして消費される。このような内部圧縮応力を消費する過程では、金属疲労は進行しない。つまり、ショットピーニング処理をしたリード端子は金属疲労の進行が遅れることになる。
一方で、ショットピーニング処理をしていないリード端子(内部圧縮応力を蓄積していないリード端子)では、振動による外部応力が加わり始めた時点で、金属疲労を起こしうる状態となる。この金属疲労の進行状態の違いにより、ショットピーニング処理をしたリード端子では金属疲労による疲労破壊の時期(リード端子が破断する時期)が遅れることととなり、コンデンサの耐振動性の向上に効果をもたらすものと考えられる。
本発明によれば、ショットピーニング処理により、前記アルミニウム線の丸棒部と平坦部との境界部は少なくとも次のいずれかの状態となる。
(1)ショットピーニング処理を施した箇所の内部圧縮応力が、ショットピーニング処理が施されてない箇所よりも大きくなっている。
(2)ショットピーニング処理を施した箇所が、ショットピーニング処理が施されてない箇所よりも加工硬化している。
(3)ショットピーニング処理によって、アルミニウム線の丸棒部と平坦部との境界部に曲面が形成されている。
これらにより、コンデンサに振動が加わり、リード端子を構成するアルミニウム線の丸棒部と平坦部との境界部に引っ張り応力や圧縮応力が加わったとしても、境界部に蓄積された内部圧縮応力との相殺作用により、金属疲労が進行しない。境界部に蓄積された内部圧縮応力の消費によって、初めて金属疲労が進行しうる状態となるため、疲労破壊、すなわちリード線の破断に至るまでの時間が延びる。このために、従来のリード線に比べて、破断の起きづらい、耐振動性にすぐれた、リード端子を得ることができる。
第1の実施形態に係るコンデンサ用リード端子を示すもので、(a)はその斜視図、(b)は前記斜視図のA−A’断面図である。 第1の実施形態に係るコンデンサ用リード端子の製造方法を示す模式図である。(a)はプレス加工前のアルミニウム線と金属線を、(b)は溶接前のアルミニウム線と金属線を、(c)は溶接後のアルミニウム線と金属線を、(d)はショットピーニング処理の状態をそれぞれ示す。 第2の実施形態に係るコンデンサ用リード端子の長さ方向の断面図である。 基板及び基板に実装された電解コンデンサの断面図である。
以下、本発明に係るコンデンサ用リード端子及びその製造方法の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1の実施形態)
(構成)
図1(a)(b)に示すように、本実施形態に係るコンデンサ用リード端子1は、アルミニウム線2と金属線3とから構成されている。金属線3としては、一般的に鉛や錫等で表面をメッキされた銅被覆鋼線(CP線)が使用される。
アルミニウム線2は、丸棒部2aと平坦部2b、該丸棒部2aと該平坦部2bとの境界部にあたる境界部2cとからなる。平坦部2bは、アルミニウム線2の一端がプレス加工等で所定の長さ圧縮変形されることで形成される。一方、前記プレス加工等がされていない部分が丸棒部2aとなる。平坦部2bは丸棒部2aよりも薄く、幅広な形状を有している。この平坦部2bは、コンデンサの電極箔が接続される部分である。
境界部2cは、丸棒部2aと平坦部2bの境界線近くの所定の範囲をいうものであって、本実施形態では、傾斜面2dとその傾斜面2dと平坦部2bが接触して形成された角部2eとを有している。傾斜面2dは、丸棒部2aから平坦部2bにかけて、徐々に幅が広がるように形成されている。本実施形態では、この境界部2cの全域にショットピーニング処理が施されている。
丸棒部2aの、平坦部2bが形成された方と逆の一端からは、金属線3が所定の長さ延びている。丸棒部2aの端面と金属線3の端面は当接しており、両者はアーク溶接等で溶着されている。
(製造方法)
次に、本実施形態に係るコンデンサ用リード端子の製造方法について、図2を参照しつつ説明する。図2(a)は、コンデンサ用リード端子1の原材料となるアルミニウム線2と金属線3であり、それぞれ所定の長さに切断されている。
先ず、アルミニウム線2にプレス加工等を行い、丸棒部2aと平坦部2bを形成する。図2(b)はプレス加工後を示しており、丸棒部2aと平坦部2bが形成され、その間には、傾斜面2dと角部2eからなる境界部2cが形成されている。次に、丸棒部2aの平坦部2bと反対側の端面に金属線3を当接し、アーク溶接等によって溶着する。図2(c)は溶着後の状態を示している。
この状態のコンデンサ用リード端子1に、ショットピーニング処理を施す。ショットピーニングは、ショット材と呼ばれる硬質な粒子を圧縮空気流等で被処理部品に打ち付けることにより、被処理部材の表面に内部圧縮応力等を付与する技術である。図2(d)に示すように、ノズル4からショット材5を噴射させ、境界部2cにショットピーニング処理を行う。
ショット材5としては、ステンレスやスチール等の鋼製粒子等も選択できるが、ショットピーニング処理後に被処理箇所近傍に鋼製粒子が残存して、リード端子間がショートする恐れを回避するため、本実施形態ではガラス若しくはセラミックスの粒体を使用する。尚、このショット材の平均粒径としては、0.4μm〜100μmの範囲であることが望ましい。
(作用)
上記ショットピーニング処理により、無数のショット材5が高速に境界部2cに衝突する。その結果、境界部2cの表面はショット材5で押し固められて変形する。この境界部2cの変形により、境界部2cの表層には内部圧縮応力が蓄積されることになる。
さらに、上記境界部2cの表面は、変形により圧縮されて加工硬化を起こすため、ショットピーニング処理を行っていない前記丸棒部2aや前記平坦部2bの表面よりも硬くなる。
尚、このショットピーニング処理によって得られる内部圧縮応力及び表面硬化の大きさや、それらのバランスについては、ショットピーニング処理の方法によってコントロールすることが可能である。具体的には、ショット材の比重及び粒径、投射速度、また投射時間等によってコントロールできる。
(効果)
以上のように、第1の実施形態のコンデンサ用リード端子1では、ショットピーニング処理を施した境界部2cの表層部に内部圧縮応力が蓄積される。また、ショットピーニング処理により、境界部2cの表層部が加工硬化を起こし、表面の硬度が高くなる。一方で、コンデンサ用リード端子1の内部では、ショットピーニング処理による内部圧縮応力の蓄積や、加工硬化は発生しない。
これにより、振動時にリード端子1の境界部2cに外部から曲げモーメントとして応力が加わったとしても、曲げモーメントの応力がリード端子1の境界部2cに蓄積された内部圧縮応力と相殺され、金属疲労の発生を遅延させる。このため、リード端子1の疲労破壊による破断を遅らせることができる。
同時に、ショットピーニング処理を施した境界部2cの表面が、ショットピーニング処理が施されてない箇所の表面よりも硬くなる。これにより、振動時にリード端子1の境界部2c表層部での初期亀裂の発生を抑えることにもなる。この作用によっても、表層部での亀裂発生、ストライエーション、最終破断という、金属材料における破断の進行を遅らせることができ、リード端子1の破断を遅らせることができる。
なお、ショットピーニング処理は、前記境界部2cの部分にのみ行うことが好ましい。このような実施形態によると、ショットピーニング処理による残留応力の蓄積及び加工硬化は、境界部2cにのみ起こることになる。従って、リード端子1全体を硬化したりすることが無い。これゆえ、電解コンデンサの組み立てにおいては、従来の技術になんら変更することなく、電解コンデンサを作製することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るコンデンサ用リード端子1について、図3を参照しつつ説明する。構成および製造方法について第1の実施形態と同様な箇所については、同一の符号を付し、説明は省略する。
(構成)
図3に示すように、本実施形態に係るコンデンサ用リード端子1も、第1の実施形態同様にアルミニウム線2と金属線3とから構成されている。このアルミニウム線2の丸棒部2aから平坦部2bにかけては、境界部2fが形成されている。この境界部2fは、丸棒部2aから平坦部2cにかけてできた傾斜面2dと、その傾斜面2dが平坦部2bにかけてなだらかに繋がり形成された曲面Rとからなる。
前記曲面Rは、境界部2fにおける傾斜面2dと平坦部2bの接触部近傍の表面にショット材5を衝突させて均すことにより形成する。この曲面Rは、ショットピーニング処理における、ショット材5の比重及び粒径、投射速度、また投射時間等をコントロールし形成することが可能である。
(作用効果)
以上のように、第2の実施形態のコンデンサ用リード端子1では、境界部2fに曲面Rを形成した。これにより第1の実施形態の作用効果に加えて、振動時に境界部2fに加えられる曲げモーメントとしての応力を分散することができ、振動による疲労破壊をさらに遅らせることができる。
(他の実施形態)
上記の実施形態では、アルミニウム線2と金属線3の溶着後にショットピーニング処理を行ったが、このようなタイミングに限るものではない。例えば、金属線3の溶着する前のアルミニウム線2にショットピーニング処理を施してもよい。
また、上記実施形態では、内部圧縮応力を付与させる手段として、ショットピーニング処理を施したが、これに限らない。例えば、ショットピーニング処理の代わりに、レーザーピーニング処理を施してもよい。
次に、この発明の実施例1について説明する。
(実施例1)
純度99%、調質F材のアルミニウムからなる直径2mmの丸棒を用意し、プレス加工を施して、幅3mm、厚さ300μmの平坦部を形成した。プレス加工されない部分が丸棒部となり、丸棒部と平坦部との境界部が形成される。
次に、この境界部にショットピーニング処理を施した。
ショットピーニング処理における条件は、ショット材として、石炭灰の粒径0.4〜100μm(平均0.28μm)の微細粉末を用い、ショット加工圧力0.05、0.10、0.20MPaの圧力とした。
このショットピーニング処理の後、まずX線応力測定法によって、内部圧縮応力を測定したところ、0.05MPaでのショット圧力のときに、約25MPaの内部圧縮応力を得られたことが確認され、ショット圧力が高くなるほど、内部圧縮応力の値が低くなることが確認された。
さらに、外観形状を観察したところ、プレス加工時には角状であった境界部が、ショット材によってつぶされ、なだらかな曲面となっていることが確認された。
また、プレス加工時には角状であった境界部では、曲げモーメントに対して局所的に応力集中していたのに対し、ショットピーニング処理によって、曲面となった境界部では、曲面全体に曲げモーメントの応力が分散され、その最大応力も30%程度軽減されていることが確認された。
ショットピーニング処理前のリード端子の内部圧縮応力が0MPaであり、真破断応力が42MPaであった。これに対して、この内部圧縮応力が約25MPa蓄積したこと、また境界部に曲面を形成し応力分散が可能な構造としたことにより、ショットピーニング処理の後では、真破断応力が50MPaまで向上させることができることが確認された。
実施例1のリード端子を用いたコンデンサとショットピーニング処理を施していないリード端子を用いたコンデンサで振動試験を行なった。製品サイズがφ18×35.5Lmmのコンデンサを用いて、振動試験(周波数10〜2000Hz、加速度20G、掃引時間0.5oct/分、3方向各22時間)を行ない、リード端子の破断の有無を判定した。実験の結果、ショットピーニング処理を施していないリード端子を用いたコンデンサは、丸棒部と平坦部の境界部に破断が認められたが、ショットピーニング処理を施したリード端子を用いたコンデンサについては、丸棒部と平坦部の境界部に破断が認められなかった。
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
1 コンデンサ用リード端子
2 アルミ線
2a 丸棒部
2b 平坦部
2c 境界部
2d 傾斜面
2e 角部
2f 境界部
3 金属線
4 ノズル
5 ショット材
6 基板
7 半田
8 封口体
9 コンデンサ素子
10 電解コンデンサ

Claims (5)

  1. 丸棒部と平坦部とを有するアルミニウム線と、該アルミニウム線の丸棒部に溶接された金属線と、からなるコンデンサ用リード端子において、
    少なくとも前記アルミニウム線の丸棒部と平坦部の境界部の表層に内部圧縮応力を付与させたこと、
    を特徴とするコンデンサ用リード端子。
  2. 少なくとも前記アルミニウム線の丸棒部と平坦部の境界部にショットピーニング処理を施すことで内部圧縮応力を付与させることを特徴とする請求項1記載のコンデンサ用リード端子。
  3. 前記ショットピーニング処理によって、前記アルミニウム線の丸棒部と平坦部との境界部に曲面が形成されていること、
    を特徴とする請求項2に記載のコンデンサ用リード端子。
  4. 丸棒部と平坦部を有するアルミニウム線と、該アルミニウム線の丸棒部に溶接された金属線と、からなるコンデンサ用リード端子の製造方法において、
    少なくとも前記アルミニウム線の丸棒部と平坦部の境界部にショットピーニング処理を施すこと、
    を特徴とするコンデンサ用リード端子の製造方法。
  5. 前記ショットピーニング処理のショット材に非金属製の粒体を使用すること、
    を特徴とする請求項4に記載のコンデンサ用リード端子の製造方法。

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