JP2013139915A - 熱交換用扁平管及び熱交換器 - Google Patents

熱交換用扁平管及び熱交換器 Download PDF

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継紅 劉
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Abstract

【課題】耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化を達成する。
【解決手段】冷媒が通る複数の流路穴hoが並んで形成される熱交換用扁平管41,42,43,・・・である。流路穴hoの輪郭は、第2方向Zにのびる1対の直線L1及びL2、直線L1の一方の端点P1と点P1に対向する直線L2の端点P3とを結ぶ曲線C1、及び直線L1の他方の端点P2と点P2に対向する直線L2の端点P4とを結ぶ曲線C2からなる。曲線C2は、曲線C1と同一形状である。第2方向Zは、複数の流路穴hoの並び方向である第1方向Xに直交する。仕切り部160の厚さt1を直線L1及びL2それぞれの寸法hで無次元化した値をt1/hとし、かつ、外周厚さt2を寸法hで無次元化した値をt2/hとした場合において、0.4≦(t2/h)/(t1/h)≦1.5の関係が成り立つ。
【選択図】図6

Description

本発明は、冷媒が通る複数の貫通孔が並んで形成される熱交換用扁平管及び当該熱交換用扁平管を備えた熱交換器に関する。
従来より、空調機の蒸発器などにおいて、特許文献1(特開2011−153814号公報)に示されるような熱交換用扁平管が用いられている。このような扁平管は、アルミニウム合金等を押出成形等することによって一体成形され、多数の貫通孔が一列または複数列並んで配置されている。貫通孔内部を通る冷媒と扁平管の外周を通る空気などの媒体との間で熱交換が行われる。
しかし、貫通孔を流れる冷媒の圧力に耐える扁平管を設計する場合、耐圧強度を満たすように貫通孔周囲の肉厚を厚くすることが要求され、扁平管の外周の平面から貫通孔までの厚さである外周厚さを薄くすることが難しく、その結果、扁平管全体の薄型化及び省材料化を達成することが困難であった。扁平管全体の薄型化は、熱交換性能を向上させる。省材料化は、扁平管のコストを低減することができる。
本発明の課題は、耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化を達成した熱交換用扁平管及びそのような熱交換用扁平管を備えた熱交換器を提供することにある。
本発明の第1観点に係る熱交換用扁平管は、冷媒が通る複数の貫通孔が並んで形成される熱交換用扁平管である。貫通孔の輪郭は、第2方向にのびる1対の直線L1及びL2、直線L1の一方の端点P1と点P1に対向する直線L2の端点P3とを結ぶ曲線C1、及び直線L1の他方の端点P2と点P2に対向する直線L2の端点P4とを結ぶ曲線C2からなる。曲線C2は、曲線C1と同一形状である。第2方向は、複数の貫通孔の並び方向である第1方向に直交する。第1方向に隣り合う2つの貫通孔の間の寸法t1を直線L1及びL2それぞれの寸法hで無次元化した値をt1/hとし、かつ、扁平管の外周の平面から貫通孔までの第2方向の最小距離である寸法t2を寸法hで無次元化した値をt2/hとした場合において、0.4≦(t2/h)/(t1/h)≦1.5 (式1)の関係が成り立つ。
本発明の第1観点に係る熱交換用扁平管では、上記関係式(式1)が成り立つことにより、耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化が可能となる。
本発明の第2観点に係る熱交換用扁平管は、第1観点に係る熱交換用扁平管であって、0.5≦(t2/h)/(t1/h)≦1.3 (式2)の関係が成り立つ。
本発明の第2観点に係る熱交換用扁平管では、上記関係式(式2)が成り立つことにより、耐圧強度を確保できるとともに、さらに薄型化及び省材料化が可能となる。
本発明の第3観点に係る熱交換用扁平管は、第1観点又は第2観点に係る熱交換用扁平管であって、寸法haと、直線L3の寸法wとの間に、0.1≦β=ha/(w/2)≦0.9 (式3)の関係が成り立つ。寸法haは、点P1と点P3とを結ぶ直線L3と曲線C1との最大距離である。
本発明の第3観点に係る熱交換用扁平管では、上記関係式(式3)が成り立つことにより、耐圧強度を確保できるとともに、さらに薄型化及び省材料化が可能となる。
本発明の第4観点に係る熱交換用扁平管は、第1観点〜第3観点のいずれかに係る熱交換用扁平管であって、0.1≦β=ha/(w/2)≦0.6 (式4)の関係が成り立つ。
本発明の第4観点に係る熱交換用扁平管では、上記関係式(式4)が成り立つことにより、耐圧強度を確保できるとともに、さらに薄型化及び省材料化が可能となる。
本発明の第5観点に係る熱交換用扁平管は、第1観点〜第4観点のいずれかに係る熱交換用扁平管であって、0.1≦β=ha/(w/2)≦0.5 (式5)の関係が成り立つ。
本発明の第5観点に係る熱交換用扁平管では、上記関係式(式5)が成り立つことにより、耐圧強度を確保できるとともに、さらに薄型化及び省材料化が可能となる。
本発明の第6観点に係る熱交換用扁平管は、第1観点〜第5観点のいずれかに係る熱交換用扁平管であって、0.2≦β=ha/(w/2)≦0.4 (式6)の関係が成り立つ。
本発明の第6観点に係る熱交換用扁平管では、上記関係式(式6)が成り立つことにより、耐圧強度を確保できるとともに、さらに薄型化及び省材料化が可能となる。
本発明の第7観点に係る熱交換用扁平管は、第1観点〜第6観点に係る熱交換用扁平管であって、曲線C1及び曲線C2は、円弧である。
これにより、曲げ応力ではなく、主に膜応力が作用するようになり、耐圧強度を確保できるとともに、さらに薄型化及び省材料化が可能となる。
本発明の第8観点に係る熱交換用扁平管は、第1観点〜第6観点に係る熱交換用扁平管であって、曲線C1及び曲線C2は、楕円弧である。
これにより、曲げ応力ではなく、主に膜応力が作用するようになり、耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化が可能となる。
本発明の第9観点に係る熱交換用扁平管は、第1観点〜第8観点に係る熱交換用扁平管であって、貫通孔は、内側にインナフィンを有する。
これにより、内側にインナフィンを有する貫通孔が形成された熱交換用扁平管の耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化が可能となる。
本発明の第10観点に係る熱交換用扁平管は、第1観点〜第9観点のいずれかに係る熱交換用扁平管であって、0.4≦α=w/h≦1.4 (式7)の関係が成り立つ。
本発明の第10観点に係る熱交換用扁平管では、上記関係式(式7)が成り立つことにより、耐圧強度を確保できるとともに、さらに薄型化及び省材料化が可能となる。
本発明の第11観点に係る熱交換器は、第1観点〜第10観点に係る熱交換用扁平管を有する。
これにより、耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化が可能となった熱交換用扁平管を備えた熱交換器を提供できる。
本発明の第1観点から第10観点のいずれかに係る熱交換用扁平管では、耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化が可能となる。
本発明の第11観点に係る熱交換器では、耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化が可能となった熱交換用扁平管を備えた熱交換器を提供できる。
本実施形態に係る熱交換器の外観図。 図1においてAで示す部分の拡大図。 本実施形態に係る熱交換器の概略斜視図。 図2においてIV−IVで示す面で切断した場合の横断面であって、図3の熱交換器を右側から見た場合の側面図。 本実施形態に係る扁平管を長手方向から観た外観平面図。 本実施形態に係る扁平管を長手方向から観た外観の一部を拡大した模式平面図。 図6の扁平管の耐圧強度の等圧線を示すグラフであって、流路穴hoの胴部のアスペクト比α=w/hが0.8、アーチ度β=ha/(w/2)=0.1である場合のグラフ。 図6の扁平管の耐圧強度の等圧線を示すグラフであって、流路穴hoの胴部のアスペクト比α=w/hが0.8、アーチ度β=ha/(w/2)=0.2である場合のグラフ。 図6の扁平管の耐圧強度の等圧線を示すグラフであって、流路穴hoの胴部のアスペクト比α=w/hが0.8、アーチ度β=ha/(w/2)=0.3である場合のグラフ。 図6の扁平管の耐圧強度の等圧線を示すグラフであって、流路穴hoの胴部のアスペクト比α=w/hが0.8、アーチ度β=ha/(w/2)=0.4である場合のグラフ。 図6の扁平管の耐圧強度の等圧線を示すグラフであって、流路穴hoの胴部のアスペクト比α=w/hが0.8、アーチ度β=ha/(w/2)=0.5である場合のグラフ。 図6の扁平管の耐圧強度の等圧線を示すグラフであって、流路穴hoの胴部のアスペクト比α=w/hが0.8、アーチ度β=ha/(w/2)=0.6である場合のグラフ。 図6の扁平管の耐圧強度の等圧線を示すグラフであって、流路穴hoの胴部のアスペクト比α=w/hが0.8、アーチ度β=ha/(w/2)=0.9である場合のグラフ。 胴部のアスペクト比α=w/hが0.8、アーチ度β=ha/(w/2)=0.1である場合の、内部圧力Pの各値(10.0MPa〜40.0MPa)における外周厚さt2と仕切り部の厚さt1との比率(t2/h)/(t1/h)、及び扁平管の横断面積Aに占める流路穴の横断面積Aoの割合(Ao/A)を表すグラフ。 胴部のアスペクト比α=w/hが0.8、アーチ度β=ha/(w/2)=0.2である場合の、内部圧力Pの各値(10.0MPa〜40.0MPa)における外周厚さt2と仕切り部の厚さt1との比率(t2/h)/(t1/h)、及び扁平管の横断面積Aに占める流路穴の横断面積Aoの割合(Ao/A)を表すグラフ。 胴部のアスペクト比α=w/hが0.8、アーチ度β=ha/(w/2)=0.3である場合の、内部圧力Pの各値(10.0MPa〜40.0MPa)における外周厚さt2と仕切り部の厚さt1との比率(t2/h)/(t1/h)、及び扁平管の横断面積Aに占める流路穴の横断面積Aoの割合(Ao/A)を表すグラフ。 胴部のアスペクト比α=w/hが0.8、アーチ度β=ha/(w/2)=0.4である場合の、内部圧力Pの各値(10.0MPa〜40.0MPa)における外周厚さt2と仕切り部の厚さt1との比率(t2/h)/(t1/h)、及び扁平管の横断面積Aに占める流路穴の横断面積Aoの割合(Ao/A)を表すグラフ。 胴部のアスペクト比α=w/hが0.8、アーチ度β=ha/(w/2)=0.5である場合の、内部圧力Pの各値(10.0MPa〜40.0MPa)における外周厚さt2と仕切り部の厚さt1との比率(t2/h)/(t1/h)、及び扁平管の横断面積Aに占める流路穴の横断面積Aoの割合(Ao/A)を表すグラフ。 胴部のアスペクト比α=w/hが0.8、アーチ度β=ha/(w/2)=0.6である場合の、内部圧力Pの各値(10.0MPa〜40.0MPa)における外周厚さt2と仕切り部の厚さt1との比率(t2/h)/(t1/h)、及び扁平管の横断面積Aに占める流路穴の横断面積Aoの割合(Ao/A)を表すグラフ。 胴部のアスペクト比α=w/hが0.8、アーチ度β=ha/(w/2)=0.9である場合の、内部圧力Pの各値(10.0MPa〜40.0MPa)における外周厚さt2と仕切り部の厚さt1との比率(t2/h)/(t1/h)、及び扁平管の横断面積Aに占める流路穴の横断面積Aoの割合(Ao/A)を表すグラフ。 変形例に係る扁平管を長手方向から観た外観の一部を拡大した模式平面図。
以下、本発明に係る熱交換器用の扁平管について、図面を参照しつつ詳述する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(1)熱交換器の構成
図1は、本実施形態に係る扁平管41,42,43,・・・を含む熱交換器10の外観図である。図1の熱交換器10は、空気調和装置の室外ユニット内部や、給湯装置の熱源ユニット内部に設けられ、冷媒の蒸発器または放熱器として機能する。
熱交換器10は、図1に示すように、主として、分流ヘッダ20、合流ヘッダ30、扁平管群40、及びフィン50を備えており、いわゆる積層型のマイクロチャンネル熱交換器の構成を有している。
尚、以下の説明においては、「上」「下」「右」、「左」「鉛直」、「水平」等の方向を示す表現を適宜用いているが、これらは、熱交換器10が図1の状態で設置された状態での各方向を表す。また、図1に示されるように、熱交換器10が見える側を「正面側」とし、「上面側」および「下面側」は、正面側を基準として把握されるものとする。
また、本実施形態に係る冷媒の種類としては、HFC等の低圧冷媒の他、CO2等の高圧冷媒が挙げられる。
分流ヘッダ20及び合流ヘッダ30は、その長手方向がともに鉛直方向となっており、扁平管群40が連結されている。具体的には、分流ヘッダ20及び合流ヘッダ30は、互いに所定距離離れて並列に延びており、その長手方向に沿って扁平管群40における各扁平管41,42,43・・・が配列するようにして連結されている。
分流ヘッダ20には、図1における方向R1から、液状態の冷媒や気液二相状態の冷媒が送り込まれる。分流ヘッダ20に供給された冷媒は、各扁平管41,42,43,・・・が有する複数の流路穴hoに別れて、合流ヘッダ30まで流れる。
合流ヘッダ30は、分流ヘッダ20とともにフィン50を挟むようにして設けられており、複数の扁平管41,42,43,・・・が有する複数の流路穴hoから流れてきた冷媒を合流させ、図1における方向R2に冷媒を送り出す。
扁平管群40は、複数の扁平管(熱交換器用扁平管に相当)41,42,43,・・・によって構成されている。扁平管41,42,43,・・・は、図3及び図4に示すように、それぞれ鉛直方向に所定距離離れて並んで配置されているが、本実施形態に係る扁平管41,42,43の詳細については、「(2)扁平管の構成」にて説明する。
フィン50は、図2〜4に示すように、少なくとも隣接する扁平管41,42,43,・・・の間において、隣接する扁平管41,42,43,・・・の少なくともいずれかに接合されて配置されている。
より具体的には、フィン50は、隣接する扁平管41,42の間、隣接する扁平管42,43の間のように、それぞれ隣接する扁平管41,42,43,・・・の間において、互いに分離して設けられている第1フィン51及び第2フィン52等を有する。第1フィン51及び第2フィン52は、それぞれ、図1における熱交換器10の正面視において山部分と谷部分とが繰り返して形成された、いわゆる波形状を有しており、アルミニウムまたはアルミニウム合金などによって形成されている。
第1フィン51は、扁平管41,42に挟まれるようにして配置されており、扁平管41の下面側である扁平面141bに対して山部分の上面側が、扁平管42の上面側である扁平面142aに対して谷部分の下面側が、それぞれ接している。第2フィン52は、扁平管42,43に挟まれるようにして配置されており、扁平管42の下面側である扁平面142bに対して山部分の上面側が、扁平管43の上面側である扁平面143aに対して谷部分の下面側が、それぞれ接している。そして、扁平管群40とフィン50とが上述のようにして接している各部分は、ロウ付け溶接によって固着されている。これにより、扁平管群40内を流れる冷媒の熱は、扁平管群40の表面だけではなく、フィン50の表面にも伝熱されるようになる。従って、熱交換器10の伝熱面積を増大させ、熱交換効率を向上させて、熱交換器10自体をコンパクト化させることができている。また、本実施形態に係る熱交換器10は、扁平管群40とフィン50とが鉛直方向に交互に積み重ねられている。そのため、各扁平管41,42,43,・・・の間隔は、介在するフィン50によって容易に確保することができ、熱交換器10の組立作業性を向上させることができる。
また、第1フィン51及び第2フィン52は、平面部から突出する複数のルーバ60が形成されている。ルーバ60は、板状のアルミニウムまたはアルミニウム合金などから切り起こし形成されており、フィン50を空気とより接触しやすくさせる役割を担っている。
(2)扁平管の構成
扁平管41,42,43,・・・は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの弾塑性変形可能な材料を押出成形することで製造されている。扁平管41,42,43,・・・はいずれも、水平方向において、通風により生じる空気流れ方向Fに交差(具体的には、略直交)する方向に延びている。そして、各扁平管41,42,43,・・・における扁平管本体141,142,143,・・・は、その長手方向に略直交する断面が鉛直方向から押しつぶされたような扁平形状を有しており、図3に示すように、空気流れ方向Fに対して略平行な水平面状に広がっている扁平面141a,141b,142a,142b,143a,143b・・・を有している。扁平面141a,141b,142a,142b,143a,143b・・・は、鉛直上側及び鉛直下側において水平方向に広がっており、扁平面141aと141b、扁平面142aと142b、扁平面143aと143bは、それぞれ対応する扁平管本体141,142,143,・・・において対向している。このように、扁平面141a,141b,142a,142b,143a,143b・・・が水平に広がっているため、扁平管41,42,43,・・・は、当該管が水平方向から傾斜して配置される場合に比して、水平方向に沿って流れている空気流れFに対する通風抵抗を小さく抑えることができる。
そして、図5に示すように、扁平管本体141,142,143,・・・の外周には、当該本体141,142,143,・・・を覆うようにして耐食層150が形成されている。耐食層150は、扁平管本体141,142,143,・・・の表面にアルミニウムまたはアルミニウム合金よりもイオン化傾向の小さい亜鉛を溶射することによって約0.05〜0.1mmの厚さに形成されためっき層であり、扁平管本体141,142,143,・・・の防食を目的として当該本体141,142,143,・・・の表面に施されている。
このような各扁平管41,42,43,・・・は、図3及び図4に示すように、扁平管本体141,142,143,・・・の内部において、空気流れ方向Fに略直交する方向に冷媒が流れるための複数の流路穴hoを有しており、いわゆる多穴管と呼ばれる伝熱管となっている。複数の流路穴hoは、図3に示すように、扁平管41,42,43,・・・の長手方向Yに沿って延びるとともに、図4に示すように、扁平管本体141,142,143,・・・内において空気流れ方向Fに沿って並んで形成されている。即ち、複数の流路穴hoは、扁平管本体141,142,143,・・・を貫通するようにして、図5に示すように扁平管本体141,142,143,・・・の横断面の水平方向Xに並んで形成されている。
複数の流路穴hoは、それぞれ隣の流路穴hoから所定の間隔(最小距離)をあけて位置しており、本実施形態では、扁平管本体141,142,143,・・・のうち当該間隔に該当する箇所を、「仕切り部160」、所定間隔を「仕切り部160の厚さt1」と言う。即ち、隣り合う2つの流路穴hoの間隔の寸法(最小距離)は、t1であり、隣り合う2つの流路穴hoの間は、仕切り部160によって仕切られている(図6参照)。
また、複数の流路穴hoは、扁平管本体141,142,143,・・・における各扁平面141a,141b,142a,142b,143a,143b・・・から所定の寸法(最小距離)t2だけ離れて位置している。特に、本実施形態では、当該寸法t2は、各扁平面141a,141b,142a,142b,143a,143b・・・上に形成された耐食層150を含まない厚さを言う。即ち、当該寸法t2は、耐食層150を除く扁平管本体141,142,143,・・・の扁平面141a,141b,142a,142b,143a,143b・・・(即ち、外周の平面)から各流路穴hoまでの最小の厚さである。以下では、当該寸法t2を、「外周厚さt2」と言う。
流路穴hoの輪郭は、図6に示すとおり、複数の流路穴hoの並び方向である第1方向(水平方向X)に直交する第2方向(鉛直方向Z)にのびる1対の直線L1及びL2、曲線C1、及び曲線C1と同一形状の曲線C2からなっている。曲線C1及び曲線C2の形状は、円弧又は楕円弧である。ここで、曲線C1は、直線L1の一方の端点P1と点P1に対向する直線L2の端点P3とを結ぶ曲線である。曲線C2は、直線L1の他方の端点P2と点P2に対向する直線L2の端点P4とを結ぶ曲線である。ここで、直線L1及びL2それぞれの寸法は、hとする。また、以下では、流路穴hoの直線L1及びL2に縁取られた部分、即ち点P1、P2、P3、及びP4に囲まれた部分を胴部とする。
他方で、流路穴ho1,ho2は、長手方向Yに略直交する断面が扁平形状の扁平管本体141,142,143,・・・の端部に沿って膨らんだD型形状となっている。具体的に、流路穴ho1は、図5の左側に膨らんだD型形状となっており、流路穴ho2は、図5の右側に膨らんだD型形状となっている。
このように、扁平管41,42,43,・・・は、その断面に多数形成された流路穴hoの輪郭が上下側において滑らかな曲線となっているために、耐圧強度を強くすることができる。これは、流路穴の形状が上下側において直線となる場合は、主に曲げ応力が作用するのに対し、流路穴hoのような形状にすると、曲げ応力ではなく、主に膜応力が作用するようになるからである。その結果、耐圧強度をなるべく保ちながら省材料化及び熱交換性能の向上を実現することができている。
特に、本実施形態に係る扁平管41,42,43,・・・では、第1方向(水平方向X)に隣り合う2つの流路穴hoの間の寸法t1を直線L1及びL2それぞれの寸法hで無次元化した値をt1/hとし、かつ、扁平管41,42,43,・・・の扁平面141a,141b,142a,142b,143a,143b・・・から流路穴hoまでの第2方向(鉛直方向Z)の最小距離である寸法t2を寸法hで無次元化した値をt2/hとした場合において、
0.4≦(t2/h)/(t1/h)≦1.5 (式1)
の関係が成り立つようになっていることが好ましい。
これにより、扁平管41,42,43,・・・の耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化が可能となる。
さらに詳細には、
0.5≦(t2/h)/(t1/h)≦1.3 (式2)
の関係が成り立つようになっていることが好ましい。
これにより、扁平管41,42,43,・・・の耐圧強度を確保できるとともに、さらに薄型化及び省材料化が可能となる。
さらには、上記(式1)又は(式2)とともに、図6に示されているように、点P1と点P3とを結ぶ直線L3とし、直線L3と曲線C1との最大距離である寸法を寸法haとすると、当該寸法haと直線L3の寸法wとの間に、
0.1≦β=ha/(w/2)≦0.9 (式3)
の関係が成り立つことが好ましい。なお、β=ha/(w/2)を「アーチ度」と言う。
これにより、扁平管41,42,43,・・・の耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化をより向上させることができる。
さらに詳細には、アーチ度βについて
0.1≦β=ha/(w/2)≦0.6 (式4)
の関係が成り立つことが好ましい。
これにより、扁平管41,42,43,・・・の耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化をより向上させることができる。
さらに詳細には、アーチ度βについて
0.1≦β=ha/(w/2)≦0.5 (式5)
の関係が成り立つことが好ましい。
これにより、扁平管41,42,43,・・・の耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化をより向上させることができる。
さらに詳細には、アーチ度βについて
0.2≦β=ha/(w/2)≦0.4 (式6)
の関係が成り立つことが好ましい。
これにより、扁平管41,42,43,・・・の耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化をより向上させることができる。
さらには、上記(式1)〜(式6)のいずれかにおいて、胴部のアスペクト比α=w/hについて
0.4≦α=w/h≦1.4 (式7)
の関係が成り立つことが好ましい。さらに詳細には、0.6≦α=w/h≦1.2の関係が成り立つことが好ましい。
これにより、扁平管41,42,43,・・・の耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化をより向上させることができる。
なお、冷媒が流れる際の流路穴hoにおける内部圧力は、30MPaより低いことが好ましく、さらには25MPa以下であることが、またさらには20MPa以下であることが好ましい。冷媒は、HFCであることが好ましい。
(3)実施例
(3−1)解析手法
ここで、上記関係式(式1)〜(式7)について詳述する。
流路穴hoにおいて内部圧力が作用する扁平管41,42,43,・・・の耐圧強度は、弾塑性解析を行うことによって求めることができる。ここで、耐圧強度とは、内部圧力の作用により流路穴hoが破壊されずに耐えることのできる、最大の強度を言う。扁平管41,42,43,・・・では、扁平管本体141,142,143,・・・の横断面における水平方向Xの長さ及び鉛直方向Zの長さに比べて、扁平管本体141,142,143,・・・の長手方向Yの長さが十分に長いため、本実施形態では、長手方向Yの変形を無視して、いわゆる平面ひずみ問題として捉えることができる。そこで、流路穴hoの横断面における胴部のアスペクト比α=w/hが0.4〜1.4、アーチ度β=ha/(w/2)が0.1〜0.9となるように、流路穴hoの寸法h、w、及びhaを変化させつつ、流路穴hoの内部圧力Pを10.0MPa〜40.0Maの範囲内で変化させ、仕切り部160の厚さt1と外周厚さt2とが同時に破裂する場合の、破裂直前における各値t1/h,t2/h等を解析した。その結果、図7のような等圧線図を得ることができる。図7は、横軸にt1/h、縦軸にt2/hをとった場合における内部圧力Pの等圧線のうち、特に胴部のアスペクト比α=w/hが0.8、アーチ度β=ha/(w/2)が0.1である場合を、コンピュータシミュレーションにより数値解析して求め、これを示したグラフである。
図7によると、各内部圧力Pに対応するグラフは、t1/hが最も低い値でほぼ一定となりつつ、t2/hの値が縦軸に沿うようにして高くなっている部分を有する。逆に、図7の各グラフは、t2/hが最も低い値でほぼ一定となりつつ、t1/hの値が横軸に沿うようにして高くなっている部分を有する。更に、図7の各グラフは、t1/h及びt2/hの両方の値が最も低くなる変曲点を有している。この変曲点は、t1/hとt2/hとがそれぞれ一番小さくなる点であり、t1/h及びt2/hの各値が変曲点付近となるようにして仕切り部160の厚さt1及び外周厚さt2が決定されることで、同じ耐圧強度を有する中では一番流路穴hoの面積が大きく取れることとなる。従って、変曲点付近、特に変曲点においては、扁平管41,42,43,・・・を構成する材料(具体的には、アルミニウムまたはアルミニウム合金など)が一番少なくて済むこととなる。
また、図7では、各内部圧力P(具体的には、10.0MPa〜40.0MPa)における変曲点それぞれを結ぶと、図7の一点鎖線で示しているように、t1/hの値が大きくなるにつれてt2/hの値も大きくなる、いわゆる右肩上がりのカーブを描くグラフとなる。
なお、ここでは、扁平管41,42,43,・・・の材料として、純アルミニウム系であるA1100−OまたはA1050−Oを用いて解析を行っている。A1100−OまたはA1050−Oの材料物性を、表1に表す。
表1.A1100−OまたはA1050−Oの材料物性
Figure 2013139915
なお、A1100−OとA1050−Oとでは、引張強度及び降伏応力等の詳細な値に若干の違いはあるが、物性の傾向としては同様であるといった性質がある。そのため、上記表1では、A1100−O及びA1050−Oの材料物性の各値を、ほぼ同じ値を有するものとして、表1にまとめている。
このように、アルミニウム等の弾塑性変形可能な材料では、弾性限界である降伏応力と比較して、弾塑性変形後についには塑性破壊したときの引張強度がはるかに大きいため、弾塑性変形を考慮した耐圧設計をすれば、扁平管41,42,43,・・・・の寸法をはるかにコンパクトにでき、更なる薄型化及び省材料化を図ることができる。
図8〜図13は、図7と同様にして、胴部のアスペクト比αが0.8と一定の場合に、他のアーチ度β(具体的には、βが0.2〜0.9の範囲)についての等圧線を求めたものである。即ち、図8〜図13は、内部圧力Pの各値(ここでは、10.0MPa,20.0MPa,30.0MPa,40.0MPa)における等圧線それぞれの結果である。図14〜図20は、図7〜図13の等圧線それぞれの結果を、横軸を「外周厚さt2と仕切り部160の厚さt1との比(具体的には、“(t2/h)/(t1/h)”)」、縦軸を「扁平管41,42,43,・・・の横断面積Aに占める流路穴hoの横断面積Aoの割合(つまり、“Ao/A”)」として、胴部のアスペクト比α=w/hを0.8と一定にし,各アーチ度β=ha/(w/2)の値0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.9毎にまとめて表したグラフである。ここで、本実施形態に係る流路穴hoの横断面積Aoは、1つの横断面中に含まれる複数の流路穴ho全ての横断面積を、合計した値である。
なお、アーチ度βの値が1.0である場合、曲線C1は、半円となるが、アーチ度βの値が1.0より小さくなるにつれ、曲線C1は扁平状の円弧または楕円弧となっていく。アーチ度が0.0の場合、曲線C1は直線になる。曲線C2は、曲線C1と同じ形状である。
図14〜図20における各グラフの頂点は、図7〜図13それぞれの等圧線における変曲点に対応しており、いずれの頂点においても、扁平管41,42,43,・・・の横断面積Aに占める流路穴hoの横断面積Aoの割合Ao/Aは、一番高くなっている。つまり、仕切り部160の厚さt1及び外周厚さt2が、それぞれ各グラフの変曲点となる値を有することによって、各内部圧力Pに対する耐圧強度を確保できるとともに、流路穴hoの横断面積Aoも一番大きくなる。
また、図14〜図20の各グラフにおける頂点によると、アーチ度βが一定値の場合には、内部圧力Pが低い程、扁平管41,42,43,・・・の横断面積Aに占める流路穴hoの横断面積Aoの割合Ao/Aが高くなることがわかる。特に、内部圧力Pが20MPa以下である場合は、内部圧力Pが30MPa以上である場合と比べて、Ao/Aの値が顕著に高いことがわかる。更に、図14〜図20の各グラフにおける頂点によると、アーチ度βが一定値の場合には、内部圧力Pが大きい程、グラフの頂点に係る外周厚さt2と仕切り部160の厚さt1との比(t2/h)/(t1/h)は小さくなる方向にある。
また、図14〜図20のグラフによると、各グラフの頂点は、外周厚さt2と仕切り部160の厚さt1との比(t2/h)/(t1/h)の値が、0.4〜1.5の範囲内にある。
もう少し具体的な数値で示すと、例えば、α=0.8、β=0.2の場合は、Ao/Aが最も高い頂点に係る(t2/h)/(t1/h)の値は、次の表2のようになっており、0.53〜0.86の範囲にある。即ち、0.4〜1.5の範囲内にある。
Figure 2013139915
また、例えば、α=0.8、β=0.4の場合は、Ao/Aが最も高い頂点に係る(t2/h)/(t1/h)の値は、次の表3のようになっており、0.52〜0.87の範囲にある。即ち、0.4〜1.5の範囲内にある。
Figure 2013139915
また、例えば、α=0.8、β=0.6の場合は、Ao/Aが最も高い頂点に係る(t2/h)/(t1/h)の値は、次の表4のようになっており、0.55〜0.90の範囲にある。即ち、0.4〜1.5の範囲内にある。
Figure 2013139915
また、図示していないが、例えば、α=0.4、β=0.4の場合は、Ao/Aが最も高い頂点に係る(t2/h)/(t1/h)の値は、次の表5のようになっており、0.75〜1.23の範囲にある。即ち、0.4〜1.5の範囲内にある。
Figure 2013139915
また、図示していないが、例えば、α=0.6、β=0.2の場合は、Ao/Aが最も高い頂点に係る(t2/h)/(t1/h)の値は、次の表6のようになっており、0.58〜1.00の範囲にある。即ち、0.4〜1.5の範囲内にある。
Figure 2013139915
また、図示していないが、例えば、α=1.2、β=0.8の場合は、Ao/Aが最も高い頂点に係る(t2/h)/(t1/h)の値は、次の表7のようになっており、0.52〜0.81の範囲にある。即ち、0.4〜1.5の範囲内にある。
Figure 2013139915
また、図示していないが、例えば、α=1.4、β=0.8の場合は、Ao/Aが最も高い頂点に係る(t2/h)/(t1/h)の値は、次の表8のようになっており、0.50〜0.75の範囲にある。即ち、0.4〜1.5の範囲内にある。
Figure 2013139915
また、さらに各内部圧力Pについてみると、内部圧力Pの値が10.0MPaの場合は、アーチ度βが0.1から0.5まで変化するにつれ、つまりは、寸法haが大きくなるにつれ、即ち曲線C1、C2により縁取られたアーチになった部分(以下、アーチ部とする)が大きくなるにつれ、グラフの頂点にあたるAo/A値が小さくなる傾向にある。アーチ度βが0.6であると、グラフの頂点にあたるAo/A値はさらに低くなっている。さらにアーチ度βが0.6から0.9に変化しても、グラフの頂点にあたるAo/A値は、あまり変化していない。
また、内部圧力Pの値が20.0MPaの場合も、アーチ度βが0.1から0.5まで変化するにつれ、グラフの頂点にあたるAo/A値が微減する傾向にある。アーチ度βが0.6であると、グラフの頂点にあたるAo/A値はさらに低くなっている。さらにアーチ度βが0.6から0.9に変化しても、グラフの頂点にあたるAo/A値は、あまり変化していない。
他方、内部圧力Pの値が30.0MPaの場合は、アーチ度βが0.1から0.2まで変化するにつれ、グラフの頂点にあたるAo/A値が微増し、さらにアーチ度βが0.2から0.4まで変化すると、グラフの頂点にあたるAo/A値は、ほとんど変わらない傾向にある。アーチ度βが0.4から0.5に変化すると、グラフの頂点にあたるAo/A値は微減する傾向にある。アーチ度βが0.5から0.6に変化すると、グラフの頂点にあたるAo/A値はさらに低くなっている。さらにアーチ度βが0.6から0.9に変化しても、グラフの頂点にあたるAo/A値は、あまり変化していない。
また、内部圧力Pの値が40.0MPaの場合は、同じく、アーチ度βが0.1から0.2まで変化するにつれ、グラフの頂点にあたるAo/A値が微増し、さらにアーチ度βが0.2から0.4まで変化すると、グラフの頂点にあたるAo/A値は、ほとんど変わらない傾向にある。アーチ度βが0.4から0.5に変化すると、グラフの頂点にあたるAo/A値は微減する傾向にある。アーチ度βが0.5から0.6に変化すると、グラフの頂点にあたるAo/A値はさらに低くなっている。さらにアーチ度βが0.6から0.9に変化しても、グラフの頂点にあたるAo/A値は、あまり変化していない。
特に、内部圧力Pの値が30.0MPa或いは40.0MPaの場合は、アーチ度βが0.2〜0.4の範囲にある場合、グラフの頂点にあたるAo/A値が他のアーチ度βの値の場合よりも高い傾向にある。すなわち、アーチ度βが0.2〜0.4の範囲にある場合に、グラフの頂点にあたるAo/A値がピークとなっていると言える。
(3−2)解析結果のまとめ
上述の解析結果をまとめると、以下のことが確認できる。
まず、流路穴hoの横断面における胴部のアスペクト比α=w/hが0.8、アーチ度β=ha/(w/2)が0.1〜0.9となるように、流路穴hoの寸法h、w、及びhaを変化させつつ、流路穴hoの内部圧力Pを10.0MPa〜40.0Maの範囲内で変化させ、仕切り部160の厚さt1と外周厚さt2とが同時に破裂する場合の、破裂直前における各値t1/h,t2/h等を解析した結果をグラフ化した図14〜図20において扁平管41,42,43,・・・の横断面積Aに占める流路穴hoの横断面積Aoの割合Ao/Aが一番高くなる頂点は、外周厚さt2と仕切り部160の厚さt1との比(t2/h)/(t1/h)の値が、0.4〜1.5の範囲内にある。したがって、上記(式1)0.4≦(t2/h)/(t1/h)≦1.5の関係が成り立つように扁平管41,42,43,・・・を構成することが好ましい。
さらには、表2〜表8から、上記(式2)0.5≦(t2/h)/(t1/h)≦1.3の関係が成り立つように扁平管41,42,43,・・・を構成することが好ましいことが分かる。
また、上記解析結果のとおり、内部圧力Pが10MPaや20MPaの範囲では、アーチ度βが0.1から増加するにつれてAo/Aが一番高くなる頂点が徐々に低くなる傾向にある。内部圧力Pが30MPaの範囲では、アーチ度βが0.1から0.2へ変化するにつれAo/Aの頂点が高くなり、アーチ度βが0.2から0.4へ変化するにつれAo/Aの頂点は、ほぼ一定の高さにある。アーチ度βが0.4から0.5へ変化するにつれAo/Aの頂点は、少し低くなる。内部圧力Pが40MPaのでは、アーチ度βが0.1から0.2へ変化するにつれAo/Aの頂点が高くなり、アーチ度βが0.2から0.4へ変化するにつれAo/Aの頂点は、ほぼ一定の高さにある。アーチ度βが0.4から0.5へ変化するにつれAo/Aの頂点は、少し低くなる。そして、いずれの内部圧力値であってもアーチ度βが0.5から0.6に変化すると、Ao/Aの頂点はさらに低くなる。また、いずれの内部圧力値であってもアーチ度βが0.6から0.9に変化しても、Ao/Aの頂点はあまり変わらない。
このことから、内部圧力Pが10MPa〜40MPaの範囲にある場合には、アーチ度βの値が0.1〜0.9の範囲にあることが好ましいことが分かる。したがって、上記(式1)又は(式2)において、さらに、上記(式3)0.1≦β=ha/(w/2)≦0.9の関係が成り立つように扁平管41,42,43,・・・を構成することが好ましい。
また、さらには、内部圧力Pが10MPa〜40MPaの範囲にある場合には、アーチ度βの値が0.1〜0.6の範囲にあることが好ましいことが分かる。したがって、上記(式1)又は(式2)において、さらに、上記(式4)0.1≦β=ha/(w/2)≦0.6の関係が成り立つように扁平管41,42,43,・・・を構成することが好ましい。
また、さらには、内部圧力Pが10MPa〜40MPaの範囲にある場合には、アーチ度βの値が0.1〜0.5の範囲にあることが好ましいことが分かる。したがって、上記(式1)又は(式2)において、さらに、上記(式5)0.1≦β=ha/(w/2)≦0.5の関係が成り立つように扁平管41,42,43,・・・を構成することが好ましい。
また、上記解析結果からは、さらにアーチ度βの値が0.2〜0.4の範囲にあると、特に内部圧力Pが30MPaや40MPaの場合、他のアーチ度βの値の場合よりもAo/Aの頂点が比較的高くなり、好ましいことが分かる。したがって、上記(式1)又は(式2)において、さらに、上記(式6)0.2≦β=ha/(w/2)≦0.4の関係が成り立つように扁平管41,42,43,・・・を構成することが好ましい。
また、上記解析結果から、上記(式1)〜(式6)のいずれかにおいて、さらに、上記(式7)0.4≦α=w/h≦1.4の関係が成り立つように扁平管41,42,43,・・・を構成することが好ましいことが分かる。さらに詳細には、0.6≦α=w/h≦1.2の関係が成り立つように扁平管41,42,43,・・・を構成することが好ましいことが分かる。
また、さらには、上記解析結果から、内部圧力Pの値が低いほど好ましいことが分かる。具体的には、内部圧力Pの値は、30MPaより低いことが好ましく、さらには、25MPa以下であることが、またさらには20MPa以下であることが好ましいことが分かる。冷媒は、低圧冷媒であるHFC等を用いることが好ましいことが分かる。
(4)特徴
(4−1)
上記実施形態では、扁平管41,42,43,・・・は、冷媒が通る複数の流路穴hoがその断面に多数並んで形成されており、流路穴hoの輪郭は、複数の流路穴hoの並び方向である第1方向(水平方向X)に直交する第2方向(鉛直方向Z)にのびる1対の直線L1及びL2、曲線C1、及び曲線C1と同一形状の曲線C2からなっている。ここで、曲線C1は、直線L1の一方の端点P1と点P1に対向する直線L2の端点P3とを結ぶ曲線である。曲線C2は、直線L1の他方の端点P2と点P2に対向する直線L2の端点P4とを結ぶ曲線である。これにより、扁平管41,42,43,・・・の耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化が可能となっている。
特に、扁平管41,42,43,・・・は、第1方向(水平方向X)に隣り合う2つの流路穴hoの間の寸法t1を直線L1及びL2それぞれの寸法hで無次元化した値をt1/hとし、かつ、扁平管41,42,43,・・・の扁平面141a,141b,142a,142b,143a,143b・・・から流路穴hoまでの第2方向(鉛直方向Z)の最小距離である寸法t2を寸法hで無次元化した値をt2/hとした場合において、
0.4≦(t2/h)/(t1/h)≦1.5 (式1)
の関係が成り立つように構成されている。
これにより、扁平管41,42,43,・・・の耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化が可能となっている。
(4−2)
また、さらに詳細には、
0.5≦(t2/h)/(t1/h)≦1.3 (式2)
の関係が成り立つように扁平管41,42,43,・・・が構成されている。
これにより、扁平管41,42,43,・・・の耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化をより向上させることが可能となっている。
(4−3)
さらには、上記(式1)又は(式2)とともに、図6に示されているように、点P1と点P3とを結ぶ直線L3とし、直線L3と曲線C1との最大距離である寸法を寸法haとすると、当該寸法haと直線L3の寸法wとの間に、
0.1≦β=ha/(w/2)≦0.9 (式3)
の関係が成り立つように扁平管41,42,43,・・・が構成されている。
これにより、扁平管41,42,43,・・・の耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化をより向上させることが可能となっている。
(4−4)
また、さらに詳細には、アーチ度βについて
0.1≦β=ha/(w/2)≦0.6 (式4)
の関係が成り立つように扁平管41,42,43,・・・が構成されている。
これにより、扁平管41,42,43,・・・の耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化をより向上させることが可能となっている。
(4−5)
また、さらに詳細には、アーチ度βについて
0.1≦β=ha/(w/2)≦0.5 (式5)
の関係が成り立つように扁平管41,42,43,・・・が構成されている。
これにより、扁平管41,42,43,・・・の耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化をより向上させることが可能となっている。
(4−6)
また、さらに詳細には、アーチ度βについて
0.2≦β=ha/(w/2)≦0.4 (式6)
の関係が成り立つように扁平管41,42,43,・・・が構成されている。
これにより、扁平管41,42,43,・・・の耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化をより向上させることが可能となっている。
(4−7)
また、さらには、上記(式1)〜(式6)のいずれかにおいて、胴部のアスペクト比α=w/hについて
0.4≦α=w/h≦1.4 (式7)
の関係が成り立つように扁平管41,42,43,・・・が構成されている。
これにより、扁平管41,42,43,・・・の耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化をより向上させることが可能となっている。
(4−8)
上記実施形態では、曲線C1及び曲線C2は、円弧又は楕円弧である。
これにより、曲げ応力ではなく、主に膜応力が作用するようになり、扁平管41,42,43,・・・の耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化をより向上させることが可能となっている。
(4−9)
上記実施形態では、熱交換器10は、扁平管41,42,43,・・・を備えている。これにより、耐圧強度を確保できるとともに薄型化及び省材料化が可能となった扁平管41,42,43,・・・を備えた熱交換器を提供できている。
(5)変形例
(5−1)変形例1
他の実施形態においては、図21に示すように、扁平管244の流路穴ho3の内壁面に、インナフィンFを設けてもよい。インナフィンFは、流路穴ho3の内壁面に形成された突起物である。この場合、仕切り部の厚さt1及び外周厚さt2は、インナフィンFを含まない寸法である。そして、このように流路穴ho3の内壁面にインナフィンFが設けてあっても、上記(式1)若しくは(式2)、又は、(式1)若しくは(式2)及び(式3)〜(式7)のいずれかが成り立つように扁平管244を構成する。これにより、流路穴ho3の内壁面にインナフィンFを設けた場合でも、扁平管244の耐圧強度を確保できるとともに、より薄型化及び省材料化が可能となる。
本発明は、空気調和装置等の熱交換器、特にマイクロチャネル熱交換器に有用である。
41,42,43,・・・,244 扁平管
141a,141b,142a,142b,143a,143b・・・ 扁平面(平面)
ho、ho1 流路穴(貫通孔)
L1、L2、L3 直線
P1,P2,P3,P4 点
C1,C2 曲線
h 直線L1、L2それぞれの寸法
ha 直線L3と曲線C1との最大距離
t1 仕切り部の厚さ
t2 外周厚さ
w 直線L3の寸法
α 胴部のアスペクト比
β アーチ度
F インナフィン
特開2011−153814号公報

Claims (11)

  1. 冷媒が通る複数の貫通孔(ho)が並んで形成される熱交換用扁平管(41,42,43,・・・)であって、
    前記貫通孔の輪郭は、前記複数の貫通孔の並び方向である第1方向(X)に直交する第2方向(Z)にのびる1対の直線L1及びL2、直線L1の一方の端点P1と前記点P1に対向する直線L2の端点P3とを結ぶ曲線C1、及び直線L1の他方の端点P2と前記点P2に対向する直線L2の端点P4とを結び曲線C1と同一形状の曲線C2からなり、
    前記第1方向に隣り合う2つの前記貫通孔の間の寸法t1を前記直線L1及びL2それぞれの寸法hで無次元化した値をt1/hとし、
    かつ、前記扁平管の外周の平面(141a,141b,142a,142b,143a,143b・・・)から前記貫通孔までの前記第2方向の最小距離である寸法t2を前記寸法hで無次元化した値をt2/hとした場合において、
    0.4≦(t2/h)/(t1/h)≦1.5 (式1)
    の関係が成り立つ熱交換用扁平管(41,42,43,・・・,244)。
  2. 0.5≦(t2/h)/(t1/h)≦1.3 (式2)
    の関係が成り立つ請求項1に記載の熱交換用扁平管(41,42,43,・・・,244)。
  3. 前記点P1と前記点P3とを結ぶ直線L3と前記曲線C1との最大距離である寸法haと、前記直線L3の寸法wとの間に、
    0.1≦β=ha/(w/2)≦0.9 (式3)
    の関係が成り立つ請求項1又は2に記載の熱交換用扁平管(41,42,43,・・・,244)。
  4. 0.1≦β=ha/(w/2)≦0.6 (式4)
    の関係が成り立つ請求項1〜3のいずれかに記載の熱交換用扁平管(41,42,43,・・・,244)。
  5. 0.1≦β=ha/(w/2)≦0.5 (式5)
    の関係が成り立つ請求項1〜4のいずれかに記載の熱交換用扁平管(41,42,43,・・・,244)。
  6. 0.2≦β=ha/(w/2)≦0.4 (式6)
    の関係が成り立つ請求項1〜5のいずれかに記載の熱交換用扁平管(41,42,43,・・・,244)。
  7. 前記曲線C1及び曲線C2は、円弧である、
    請求項1〜6のいずれかに記載の熱交換用扁平管(41,42,43,・・・,244)。
  8. 前記曲線C1及び曲線C2は、楕円弧である、
    請求項1〜6のいずれかに記載の熱交換用扁平管(41,42,43,・・・,244)。
  9. 前記貫通孔は、内側にインナフィン(F)を有する、
    請求項1〜8のいずれかに記載の熱交換用扁平管(244)。
  10. 0.4≦α=w/h≦1.4 (式7)
    の関係が成り立つ請求項1〜9のいずれかに記載の熱交換用扁平管(41,42,43,・・・,244)。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の熱交換用扁平管(41,42,43,・・・,244)を有する、
    熱交換器(10)。
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