JP2013138539A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定電力充電等を行う際に生じうる電力入出力の頻繁な切り替わりを抑制する。
【解決手段】電力変換回路20aは、蓄電装置3、発電装置4及び電力系統5間の送電及び受電を行う。制御部23は、充電定量制御において、発電装置4の発電電力を用い一定電力量で蓄電装置3を充電する。この際、発電電力量が不足している際には不足分を電力系統5から電力変換回路20aに入力し、発電電力量が余っている場合には余剰分を電力変換回路20aから電力系統5に出力する。発電装置4の発電電力量が上記一定電力量付近にあるとき、電力変換回路20a及び電力系統5間で電力入出力の切り替えが繰り返して発生する。この切り替えが検出又は予測された場合、蓄電装置3a及び電力変換回路20a間で電力の入出力を行うことで上記切り替えを抑制する。
【選択図】図18

Description

本発明は、電力変換装置に関する。
電力変換を介して蓄電装置、発電装置及び電力系統間における送電及び受電を行う電力変換装置がある。或る従来方法では、太陽光発電装置の出力を最大限に利用しながら一定の電流値(充電指令量)で蓄電装置を充電すべく、電力系統に接続された双方向コンバータの入出力制御を行って充電電力値を制御している(例えば下記特許文献1参照)。
特開平6−78473号公報
しかしながら、上記従来方法では、太陽光発電装置の発電電力量が充電指令量付近にあるとき、双方向コンバータから成る電力変換回路と電力系統との間で電力の入出力が頻繁に切り替わる現象が発生しうる。このような現象は、電力系統の安定性にとって好ましくない。同様の現象が、一定条件下で蓄電装置を放電させるときにも発生しうる。また、一定条件下で電力系統へ電力出力を行うとき又は電力系統から電力を入力するときには、上記現象に類似する現象として、電力変換回路及び蓄電装置間の入出力の頻繁な切り替わりが発生しうる。このような現象は、蓄電装置にとって好ましいものではない。
そこで本発明は、上述のような現象の抑制に寄与する電力変換装置を提供することを目的とする。
本発明に係る第1の電力変換装置は、充電及び放電が可能な第1蓄電装置に接続される第1蓄電側回路、充電及び放電が可能な第2蓄電装置に接続される第2蓄電側回路、発電を行って発電電力を出力する発電装置に接続される発電側回路及び電力系統に接続される系統側回路を有し、電力変換を介して前記第1蓄電装置、前記第2蓄電装置、前記発電装置及び前記電力系統間における送電及び受電を行う電力変換回路と、前記電力変換回路を制御することで前記送電及び受電を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記発電電力の不足分又は余剰分を前記電力変換回路及び前記電力系統間の電力の入出力にて吸収しつつ、前記発電装置の発電電力を用いて前記第1蓄電装置を一定の第1基準条件下で充電する、又は、前記発電装置の発電電力及び前記第1蓄電装置の放電電力を用いて前記電力変換回路に接続された負荷及び二次電池の少なくとも一方に電力供給を行うべく前記第1蓄電装置を一定の第2基準条件下で放電させる定量制御を実行し、前記定量制御において、前記電力変換回路及び前記電力系統間の電力の入出力の切り替えが所定時間内に所定回数以上検出されたとき、或いは、前記発電装置の発電電力量又は前記発電電力量に応じた値と前記第1基準条件又は前記第2基準条件とに基づいて前記切り替えの発生が予測されたとき、前記制御部は、前記電力変換回路から前記第2蓄電装置への電力出力又は前記第2蓄電装置から前記電力変換回路への電力入力を行うことで前記切り替えを抑制する抑制制御を実行することを特徴とする。
本発明に係る第2の電力変換装置は、充電及び放電が可能な第1蓄電装置に接続される第1蓄電側回路、充電及び放電が可能な第2蓄電装置に接続される第2蓄電側回路、発電を行って発電電力を出力する発電装置に接続される発電側回路及び電力系統に接続される系統側回路を有し、電力変換を介して前記第1蓄電装置、前記第2蓄電装置、前記発電装置及び前記電力系統間における送電及び受電を行う電力変換回路と、前記電力変換回路を制御することで前記送電及び受電を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記発電電力の不足分又は余剰分を前記第1蓄電装置の充電又は放電にて吸収しつつ、前記発電装置の発電電力を用いて前記電力変換回路から前記電力系統へ一定の第1基準条件下で電力を出力する、又は、前記発電電力と前記電力系統から前記電力変換回路への入力電力とを用いて前記電力変換回路に接続された負荷及び二次電池の少なくとも一方に電力供給を行うべく前記電力系統から前記電力変換回路へ一定の第2基準条件で電力を入力する定量制御を実行し、前記定量制御において、前記電力変換回路及び前記第1蓄電装置間の電力の入出力の切り替えが所定時間内に所定回数以上検出されたとき、或いは、前記発電装置の発電電力量又は前記発電電力量に応じた値と前記第1基準条件又は前記第2基準条件とに基づいて前記切り替えの発生が予測されたとき、前記制御部は、前記電力変換回路から前記第2蓄電装置への電力出力又は前記第2蓄電装置から前記電力変換回路への電力入力を行うことで前記切り替えを抑制する抑制制御を実行することを特徴とする。
本発明によれば、上述のような現象の抑制に寄与する電力変換装置を提供することが可能である。
本発明の第1実施形態に係る電力供給システムの概略全体構成図である。 充電定量制御における電力入出力状態を示す図である。 発電電力量の時間推移を表す図であって、且つ、系統側ハンチング現象を説明するための図である。 発電電力量の時間推移を表す図であって、且つ、ハンチング抑制制御を説明するための図である。 本発明の第1実施形態に係り、充電定量制御に対応するハンチング抑制制御を説明するための図である。 本発明の第1実施形態に係り、ハンチング抑制制御の解除条件を説明するための図である。 放電定量制御における電力入出力状態を示す図である。 本発明の第1実施形態に係り、放電定量制御に対応するハンチング抑制制御を説明するための図である。 系統出力定量制御における電力入出力状態を示す図である。 本発明の第1実施形態に係り、系統出力定量制御に対応するハンチング抑制制御を説明するための図である。 系統入力定量制御における電力入出力状態を示す図である。 本発明の第1実施形態に係り、系統入力定量制御に対応するハンチング抑制制御を説明するための図である。 本発明の第1実施形態に係る電力変換装置の動作フローチャートである。 本発明の第2実施形態に係り、発電装置の出力電流と発電電力の関係を示す図である。 本発明の第2実施形態に係り、電流指令値の伝達の様子を示す図である。 本発明の第2実施形態に係り、ハンチング抑制制御の解除条件を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る電力変換装置の動作フローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る電力供給システムの概略全体構成図である。 本発明の第3実施形態に係り、充電定量制御における電力入出力状態を示す図である。 本発明の第3実施形態に係り、放電定量制御における電力入出力状態を示す図である。 本発明の第3実施形態に係り、系統出力定量制御における電力入出力状態を示す図である。 本発明の第3実施形態に係り、系統入力定量制御における電力入出力状態を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る電力変換装置の動作フローチャートである。 電力供給システムの部分的な変形構成図である。
以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量、状態量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量、状態量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。
<<第1実施形態>>
本発明の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る、蓄電池システムとも呼ぶことができる電力供給システム1の概略全体構成図である。電力供給システム1は、図1に示されるブロックの全て又は一部を備えている。例えば、電力供給システム1は、少なくとも電力変換装置2、蓄電装置3、発電装置4、表示部9及び操作部10を備えている。表示部9及び操作部10は、電力変換装置2の構成要素であっても良い。蓄電装置3には、1以上の二次電池から成る電池部(不図示)が設けられている。蓄電装置3の電池部を形成する二次電池は、任意の種類の二次電池であり、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池である。本実施形態において、放電及び充電とは、特に記述なき限り蓄電装置3の放電及び充電(より詳細には、蓄電装置3の電池部内の各二次電池の放電及び充電)を意味する。
電力変換装置2は、電力変換回路20及び制御部23を有する。電力変換回路20は、電力端子TB1及びTB2を有し、蓄電装置3に接続される蓄電装置用の電力変換部21Bと、電力端子TG1及びTG2を有し、発電装置4に接続される発電装置用の電力変換部21Gと、電力端子TS1及びTS2を有し、電力系統5に接続される系統用の電力変換部21Sと、電力変換部21B、21G及び21Sを共通接続する中間配線22と、を備える。
蓄電装置3は、電力端子TB1にて電力変換部21Bに接続され、自身の放電電力を電力変換部21Bに出力することができると共に、電力変換部21Bから充電電力の供給を受けたときには充電される。発電装置4は、任意のエネルギに基づく発電を行って発電電力を出力する発電装置であり、当該エネルギの例として自然エネルギ(太陽光、風力、水力、地熱等)が挙げられる。ここでは、発電装置4が太陽光に基づく発電を行って発電電力を出力する太陽光発電装置であるとする。発電装置4は、電力端子TG1にて電力変換部21Gに接続され、発電装置4の発電電力は電力変換部21Gに出力される。電力系統5は、商用交流電力を生成及び出力する商用電源6に接続され、商用交流電力を送電する。電力系統5は、電力端子TS1にて電力変換部21Sに接続され、電力端子TS1を介して電力変換部21S及び電力系統5間の送電及び受電が行われる。電力端子TB2、TG2及びTS2は、中間配線22によって電力変換回路20内で共通接続されている。
系統負荷7及び直流負荷8は、例えば、電力供給システム1が導入される工場、店舗、ビル又は一般家屋等における工業機器又は電化製品等である。系統負荷7は、電力端子TS1及び電力系統5に接続され、直流負荷8は中間配線22に接続される。電力変換回路20から電力系統5に出力された電力の全部又は一部は系統負荷7にて消費されることもあるが、ここでは、電力変換回路20から系統負荷7に向かう電力は、電力変換回路20から電力系統5への出力電力の一部であると考える(即ち、系統負荷7の電力消費は本発明の本質と関係がないため、以下の説明では、系統負荷7の存在を無視する)。尚、直流負荷8及び中間配線22間に電力変換部を設けるようにしても良い。
電力変換回路20は、制御部23による制御の下、蓄電装置3、発電装置4及び電力系統5間における送電及び受電を行い、この送電及び受電の際、必要な電力変換を行う。
具体的には、電力変換部21Bは、電力端子TB1を介して蓄電装置3から受けた直流の放電電力を他の直流電力に変換して該他の直流電力を電力端子TB2から出力する放電用電力変換と、電力端子TB2を介して受けた直流電力を他の直流電力に変換して該他の直流電力を電力端子TB1を介し充電電力として蓄電装置3に出力する充電用電力変換と、を実行可能である。放電用電力変換によって電力端子TB2から出力された電力は、中間配線22を介して直流負荷8に送られる、又は、中間配線22及び電力変換部21Sを介して電力系統5に送られる。充電用電力変換において、電力変換部21Bが電力端子TB2を介して受ける直流電力は、電力変換部21G及び中間配線22を介して供給された発電装置4の発電電力に基づく電力、若しくは、電力変換部21S及び中間配線22を介して供給された電力系統5からの商用交流電力に基づく電力、又は、それらの組み合わせである。
電力変換部21Gは、電力端子TG1を介して発電装置4から受けた直流の発電電力を他の直流電力に変換して該他の直流電力を電力端子TG2から出力する発電用電力変換を実行可能である。発電用電力変換によって電力端子TG2から出力された電力は、中間配線22を介して直流負荷8に送られる、中間配線22及び電力変換部21Sを介して電力系統5に送られる、又は、中間配線22及び電力変換部21Bを介して蓄電装置3に送られる。
電力変換部21Sは、電力端子TS1を介して電力系統5から受けた商用交流電力を直流電力に変換して該直流電力を電力端子TS2から出力する系統入力用電力変換と、電力端子TS2を介して受けた直流電力を交流電力に変換して該交流電力を電力端子TS1を介して電力系統5に出力する系統出力用電力変換と、を実行可能である。系統入力用電力変換によって電力端子TS2から出力された電力は、中間配線22を介して直流負荷8に送られる、又は、中間配線22及び電力変換部21Bを介して蓄電装置3に送られる。系統出力用電力変換において、電力変換部21Sが電力端子TS2を介して受ける直流電力は、蓄電装置3から電力変換部21B及び中間配線22を介して供給された蓄電装置3の放電電力に基づく直流電力、若しくは、発電装置4から電力変換部21G及び中間配線22を介して供給された発電装置4の発電電力に基づく直流電力、又は、それらの組み合わせである。
制御部23は、各種センサを用いて、電力変換回路20の各部における電圧値、電流値及び電力量を表す入出力電力情報を取得する。具体的には、制御部23は、電流センサを用いて、電力端子TB1、TG1、TS1、TB2、TG2、TS2を介して流れる電流の値I、I、I、IBINT、IGINT、ISINTを個別に取得すると共に、電圧センサを用いて、電力端子TB1、TG1、TS1に加わる電圧の値V、V、Vを個別に取得する。また、制御部23は、電圧センサを用いて、電力端子TB2、TG2及びTS2に加わる共通の電圧の値VINTを取得する。入出力電力情報は、電流値I、I、I、IBINT、IGINT及びISINT並びに電圧値V、V、V及びVINTを含み、下記式(1a)〜(1f)によって表される電力量P、P、P、PBINT、PGINT及びPSINTも含みうる。
=V×I …(1a)
=V×I …(1b)
=V×I …(1c)
BINT=VINT×IBINT …(1d)
GINT=VINT×IGINT …(1e)
SINT=VINT×ISINT …(1f)
、V及びPは、夫々、蓄電装置3から電力変換部21Bに入力される蓄電装置3の放電電力における電流値、電圧値及び電力量又は電力変換部21Bから蓄電装置3に出力される蓄電装置3の充電電力における電流値、電圧値及び電力量である。I、V及びPは、夫々、発電装置4から電力変換部21Gに入力される発電装置4の発電電力における電流値、電圧値及び電力量である。I、V及びPは、夫々、電力系統5から電力変換部21Sに入力される商用交流電力における電流値、電圧値及び電力量又は電力変換部21Sから電力系統5に出力される交流電力における電流値、電圧値及び電力量である。IBINT、INTは、I及びVに対応する、電力変換部21Bにおける電力変換前又は後の電流値及び電圧値である。IGINT、INTは、I及びVに対応する、電力変換部21Gにおける電力変換後の電流値及び電圧値である。ISINT、INTは、I及びVに対応する、電力変換部21Sにおける電力変換前又は後の電流値及び電圧値である。
制御部23は、入出力電力情報に基づき、電力変換部21B、21G及び21Sの各電力変換の動作を含む電力変換回路20の動作を制御し、電力変換回路20の動作の制御を介して、蓄電装置3、発電装置4及び電力系統5間の送電及び受電を制御する。また、制御部23は、液晶ディスプレイ等から成る表示部9を制御することで、表示部9に所望の映像を表示させることができる。操作部10は、電力供給システム1の操作者からの様々な指示及び情報を受け、その指示及び情報を制御部23に伝達する。操作者は、例えば、電力供給システム1の所有者、使用者又は保守管理者(所謂サービスマン等)である。操作部10は、表示部9上のタッチパネルを含みうる。
尚、蓄電装置3と同様の他の1以上の蓄電装置が更に電力供給システム1に設けられていても良く、この場合、その他の1以上の蓄電装置に対する電力変換部を電力変換回路20に追加すると良い(後述の他の実施形態においても同様)。また、発電装置4と同様の他の1以上の発電装置が更に電力供給システム1に設けられていても良く、この場合、他の1以上の発電装置に対する電力変換部を電力変換回路20に追加すると良い(後述の他の実施形態においても同様)。また、制御部23は、複数の制御部にて形成されていても良い(後述の他の実施形態においても同様)。
制御部23は、入出力電力情報に基づき、充電定量制御、放電定量制御、系統出力定量制御及び系統入力定量制御を実行することができる。以下、それらの制御について個別に説明する。
[充電定量制御]
まず、充電定量制御を説明する。充電定量制御において、制御部23は、発電装置4の発電電力を用いて蓄電装置3が一定の充電基準条件下で充電されるように電力変換回路20を制御する。この充電定量制御において、発電装置4の発電電力量が蓄電装置3の充電に必要な電力量よりも少ないときには、それらの差分に相当する不足電力が電力系統5から電力変換回路20に入力されるように、且つ、発電装置4の発電電力量が蓄電装置3の充電に必要な電力量よりも多いときには、それらの差分に相当する余剰電力が電力変換回路20から電力系統5に出力されるように、入出力電力情報に基づき制御部23は電力変換回路20を制御する。充電定量制御を考える場合、直流負荷8の存在は無視される(直流負荷8の有無は問わない)。
充電基準条件は、蓄電装置3の充電電力量又は該充電電力量に依存する電流値及び電圧値等を指定する条件であり、制御部23は充電基準条件を自由に定めることができる。充電基準条件は、蓄電装置3の充電電力量に依存する電流値及び電圧値の一方のみを指定する条件であっても良い。ここでは、充電基準条件が蓄電装置3を一定の蓄電用基準電力量(充放電基準電力量)PBREFで充電することを指定しているものとする。
制御部23は、電力変換部21Bから蓄電装置3に供給される充電電力量を指定する充電指令量P を生成して電力変換部21Bに与えることができる。電力変換部21Bは、充電指令量P にて指定された充電電力量を蓄電装置3に供給するべく、電圧値V及び電流値Iの制御を含めた充電用電力変換を行う。充電指令量P は、電圧値V及び電流値Iを指定する電圧指令量及び電流指令量から形成されていても良い。充電定量制御において、制御部23は、充電指令量P に蓄電用基準電力量PBREFの値を代入することで蓄電装置3を一定の蓄電用基準電力量PBREFで充電させることができる。
今、説明の具体化のため、PBREF=10であることを考え、且つ、充電指令量等を含む任意の電力量に関する数値の単位はkW・s(キロワット・秒)であると統一して考える。また、説明の簡略化上、特に記述無き限り、電力変換回路20内における電力損失はゼロであると考える(即ち、電力変換回路20内の各電力変換における電力変換効率を100%であると仮定する)。
充電定量制御において、PBREF=10である場合、制御部23は充電指令量P に10を代入することができる。
この場合において例えば、図2(a)に示す如く、発電装置4の発電電力量が6kW・sであるならば、発電装置4の発電電力量が蓄電装置3の充電に必要な電力量10kW・s(=P )よりも少ないため、それらの差分に相当する不足電力量4kW・sが電力系統5から電力変換回路20に入力されるように、制御部23は電力変換部21Sを制御する。
一方例えば、図2(b)に示す如く、発電装置4の発電電力量が13kW・sであるならば、発電装置4の発電電力量が蓄電装置3の充電に必要な電力量10kW・s(=P )よりも多いため、それらの差分に相当する余剰電力量3kW・sが電力変換回路20から電力系統5に出力されるように、制御部23は電力変換部21Sを制御する。
図3において、実線曲線311は発電装置4の発電電力量の時間推移を表し、タイミングtA1が図2(a)の状態に対応し、タイミングtA2が図2(b)の状態に対応する。
このように、充電定量制御では、発電装置4の発電電力の不足分又は余剰分を電力変換回路20及び電力系統5間の電力の入出力にて吸収しつつ、発電装置4の発電電力を用いて蓄電装置3を一定の充電基準条件下で充電する。
―――系統側ハンチング現象―――
ところが、充電定量制御において、仮に図2(c)に示す如く、発電装置4の発電電力量が蓄電用基準電力量PBREF付近の値を持っていたとき、発電電力の不足状態及び余剰状態間の行き来に伴う、電力変換回路20及び電力系統5間の電力の入出力の切り替わりが比較的短期間で繰り返して発生する(図3も参照)。充電定量制御の実行時における、このような切り替わりを系統側ハンチング現象と呼ぶ。系統側ハンチング現象が発生すると電力系統5が不安定になるおそれがある。特に、電力変換装置2、蓄電装置3及び発電装置4を導入した機器が、多数、電力系統5に接続されている状態において、各機器において系統側ハンチング現象が生じたとき、電力系統5の安定性が損なわれるおそれがある。
―――系統側ハンチング検出処理HD1A―――
充電定量制御の実行期間中において、制御部23は、入出力電力情報に基づく系統側ハンチング検出処理HD1Aを行うことで、系統側ハンチング現象の発生を検出することができる。系統側ハンチング検出処理HD1Aにおいて、制御部23は、入出力電力情報に含まれる電流値I又はISINTに基づき、電力変換部21S及び電力系統5間の電力の入出力の切り替えが所定時間内に所定回数以上検出されたとき、系統側ハンチング検出判定を成す。所定回数は1以上の任意の回数であって良いが、2以上が望ましい。系統側ハンチング検出判定とは、現在、系統側ハンチング現象が発生していると判断することを意味する。
―――系統側ハンチング予測処理HP1A―――
また、充電定量制御の実行期間中において、制御部23は、入出力電力情報に基づく系統側ハンチング予測処理HP1Aを行うことで、系統側ハンチング現象の発生を予測しても良い(即ち、未来において系統側ハンチング現象が発生しそうであるかを予測しても良い)。
例えば、系統側ハンチング予測処理HP1Aにおいて、制御部23は、電流値I及び電圧値Vに基づき(即ち発電電力量Pに基づき)又は電流値IGINT及び電圧値VINTに基づき発電電力量Pに対応する充電電力量P’を求めて、充電電力量P’と充電基準条件にて規定されている蓄電用基準電力量PBREFとを比較する。そして、制御部23は、それらの差の絶対値|P’−PBREF|が所定の正の閾値TH1A以下である場合に、或いは、絶対値|P’−PBREF|が閾値TH1A以下である状態が所定時間以上継続して観測された場合に、系統側ハンチング予測判定を成す。系統側ハンチング予測判定とは、近い将来において系統側ハンチング現象が発生しそうであると判断することを意味する。発電電力量Pに対応する充電電力量P’とは、発電装置4の発電電力量Pに基づく蓄電装置3に対する充電電力量を指し、電力変換部21G及び21Bの電力変換効率と積“I×V”を用いて、或いは、電力変換部21Bの電力変換効率と積“IGINT×VINT”を用いて充電電力量P’を求めることができる。電力変換部21G及び21Bの電力損失量をゼロと仮定すれば、P’=Pである。
―――ハンチング抑制制御CNT1A―――
充電定量制御の実行期間中において、系統側ハンチング検出判定又は系統側ハンチング予測判定を成したとき、制御部23は、蓄電装置3の充電電力量を充電基準条件に従った蓄電用基準電力量PBREFから変化させるハンチング抑制制御CNT1Aを実行する。ハンチング抑制制御CNT1Aでは、充電電力量を変化させることで、電力変換回路20及び電力系統5間の入出力電力量の絶対値を増大させ、これによって系統側ハンチング現象を抑制する。電力変換回路20及び電力系統5間の入出力電力量とは、電力系統5から電力変換回路20への入力電力量又は電力変換回路20から電力系統5への出力電力量を指す。系統側ハンチング検出判定又は系統側ハンチング予測判定を成したタイミングを、系統側ハンチング認知タイミングとも呼ぶ。制御部23は、系統側ハンチング認知タイミングから抑制制御CNT1Aを開始することができる(後述のハンチング抑制制御CNT1Bについても同様)。抑制制御CNT1Aは、充電定量制御の中で行われる制御であり、抑制制御CNT1Aの実行期間中には、充電定量制御の内容に修正が加えられる。
抑制制御CNT1Aの第1実現例を説明する。系統側ハンチング認知タイミング前においては、上述の如く、制御部23は充電指令量P に蓄電用基準電力量PBREFを代入しており、これによって蓄電装置3の充電電力量は蓄電用基準電力量PBREF(=10)と一致している(図2(a)、(b)及び(c)参照)。但し、系統側ハンチング検出判定又は系統側ハンチング予測判定が成されると、抑制制御CNT1Aの第1実現例において、制御部23は、充電指令量P を所定量ΔP だけ蓄電用基準電力量PBREFから増大又は減少させる(即ち、系統側ハンチング認知タイミング前を基準として充電指令量P を変化させる)。ここで、“ΔP >0”である。所定量ΔP は蓄電用基準電力量PBREFに依存する量(例えばPBREFと係数kとの積)であっても良い。
図4に、充電指令量P を減少させたときの例を示す。破線折れ線312は充電指令量P の時間推移を表しており、タイミングtA3が系統側ハンチング認知タイミングである。図5(a)は、タイミングtA3の直後に対応し、発電装置4の発電電力量が10kW・sであるときに抑制制御CNT1Aにより充電指令量P が8に減少されたときの電力入出力状態を表している。この状態において、制御部23は、それらの差分に相当する余剰電力量2kW・sが電力変換回路20から電力系統5に出力されるように電力変換部21Sを制御する。即ち、抑制制御CNT1Aによる充電電力量の減少によって、その減少前を基準として(図2(c)の状態を基準として)、電力変換回路20及び電力系統5間の入出力電力量の絶対値が増大する。結果、系統側ハンチング現象が適切に抑制される。充電指令量P を蓄電用基準電力量PBREFから増大させた場合も同様である。
抑制制御CNT1Aの第2実現例を説明する。上述の説明では特に意識していなかったが、制御部23は、電力変換回路20及び電力系統5間の入出力電力量を指定する系統入出力指令量P を生成して電力変換部21Sに与えることができ、これによって該入出力電力量を制御することができる。電力変換部21Sは、系統入出力指令量P と一致する電力量を持った電力の入出力が電力変換回路20及び電力系統5間で行われるように、電圧値V及び電流値Iの制御を含めた系統入力用電力変換又は系統出力用電力変換を行う。指令量P は、電圧値V及び電流値Iを指定する電圧指令量及び電流指令量から形成されていても良い。系統側ハンチング検出判定又は系統側ハンチング予測判定が成されると、抑制制御CNT1Aの第2実現例を行う制御部23は、系統側ハンチング認知タイミング前を基準として、系統入出力指令量P を所定量ΔP だけ変化させ、その変化分を蓄電装置3の充電電力量の変化に割り当てることで抑制制御CNT1Aを実現する。ここで、“ΔP >0”である。所定量ΔP は蓄電用基準電力量PBREFに依存する量(例えばPBREFと係数kとの積)であっても良い。
例えば、図2(c)の状態、即ち発電装置4の発電電力量及び蓄電装置3の充電電力量が共に10kW・sである状態は、図5(b)に示す如く指令量P にゼロが代入されている状態に相当する。この状態において、系統側ハンチング検出判定又は系統側ハンチング予測判定が成されると、制御部23は、例えば、系統入出力指令量P をゼロから2へと変化させる抑制制御CNT1Aを実行することができる(ここでは、P >0である状態が、電力変換部21Sから電力系統5への電力出力状態に相当すると考える)。抑制制御CNT1Aの第2実現例において、制御部23は、系統入出力指令量P を充電指令量P よりも優先する、或いは、充電指令量P を電力変換部21Bに与えない。何れにせよ、抑制制御CNT1Aにおいて、制御部23は、発電装置4の発電電力量と電力変換回路20及び電力系統5間の入出力電力量とで定まる余剰電力分にて蓄電装置3が充電されるように電力変換部21Bを制御する。結果、図5(c)に示す如く、蓄電装置3には8kW・s分しか充電電力が向かわなくなる。この状態は、図5(a)に示した状態と等価なものである。図5(c)は、電力変換回路20から電力系統5への電力出力が行われるように指令量P を変化させたときの例であるが、電力系統5から電力変換回路20への電力入力が行われるように指令量P を変化させてもよく、その場合には、蓄電装置3の充電電力量は10kW・sから増大する。
抑制制御CNT1Aの第1実現例では、充電指令量P の制御によって充電電力量を直接制御しているのに対し、抑制制御CNT1Aの第2実現例では、系統入出力指令量P の制御によって(電力変換回路20及び電力系統5間の入出力電力量の制御によって)充電電力量を間接的に制御している。
―――抑制制御CNT1Aに対応する解除可否判定処理J1A―――
制御部23は、抑制制御CNT1Aの実行期間中において、所定の解除条件の成否判定を介して、抑制制御CNT1Aの実行を解除するか否かを判定する解除可否判定処理J1Aを行うことができる。例えば、解除可否判定処理J1Aにおいて、制御部23は、電流値I及び電圧値Vに基づき(即ち発電電力量Pに基づき)又は電流値IGINT及び電圧値VINTに基づき、上述の充電電力量P’を求めて、充電電力量P’と充電基準条件にて規定されている蓄電用基準電力量PBREFとを比較する(上述したように、電力変換の電力損失量をゼロとみなせばP’=P)。そして、判定処理J1Aにおいて、制御部23は、それらの差の絶対値|P’−PBREF|が所定の正の閾値TH2A以上である場合に(図6(a)参照)、或いは、絶対値|P’−PBREF|が閾値TH2A以上である状態が所定時間以上継続して観測された場合に、或いは、絶対値|P’−PBREF|が正である状態が所定時間以上継続して観測された場合に(図6(b)参照;図6(b)においてTが所定時間に対応)、判定処理J1Aにおける解除条件が満たされると判断し(抑制制御CNT1Aの実行を解除しても系統側ハンチング現象は発生しない又は発生しにくいと判断し)、抑制制御CNT1Aの実行を解除する。抑制制御CNT1Aの実行の解除によって、蓄電装置3の充電電力量が蓄電用基準電力量PBREF(=10)に復帰する。
或いは例えば、抑制制御CNT1Aにより充電指令量P を所定量ΔP だけ蓄電用基準電力量PBREFから減少させている場合には、制御部23は差(P’−P )を判定対象に設定してもよく、抑制制御CNT1Aにより充電指令量P を所定量ΔP だけ蓄電用基準電力量PBREFから増大させている場合には、制御部23は差(P −P’)を判定対象に設定してもよい。判定対象において、P を、実測された充電電力量P(即ちI×V)に置き換えても良い。そして、判定対象が所定の正の閾値TH2A’以上である場合に、或いは、判定対象が閾値TH2A’以上である状態が所定時間以上継続して観測された場合に、制御部23は、判定処理J1Aにおける解除条件が満たされると判断して抑制制御CNT1Aの実行を解除しても良い(TH2A’>ΔP )。
[放電定量制御]
次に、放電定量制御を説明する。制御部23は、発電装置4の発電電力及び蓄電装置3の放電電力を用いて直流負荷8に電力供給を行うことができるが、放電定量制御では、この際、蓄電装置3が一定の放電基準条件下で放電されるように電力変換回路20を制御する。この放電定量制御において、発電装置4の発電電力量と蓄電装置3の放電電力量の合計電力量が直流負荷8の消費電力量よりも少ないときには、それらの差分に相当する不足電力が電力系統5から電力変換回路20に入力されるように、且つ、上記合計電力量が直流負荷8の消費電力量よりも多いときには、それらの差分に相当する余剰電力が電力変換回路20から電力系統5に出力されるように、入出力電力情報に基づき制御部23は電力変換回路20を制御する。
放電基準条件は、蓄電装置3の放電電力量又は該放電電力量に依存する電流値及び電圧値等を指定する条件であり、制御部23は放電基準条件を自由に定めることができる。放電基準条件は、蓄電装置3の放電電力量に依存する電流値及び電圧値の一方のみを指定する条件であっても良い。ここでは、放電基準条件が蓄電装置3を一定の蓄電用基準電力量PBREFで放電することを指定しているものとする。
放電定量制御を考える場合、上述の記号P を放電指令量の記号として参照する。制御部23は、蓄電装置3から電力変換部21Bに供給される放電電力量を指定する放電指令量P を生成して電力変換部21Bに与えることができる。電力変換部21Bは、放電指令量P にて指定された放電電力量が蓄電装置3から出力されるように、電圧値V及び電流値Iの制御を含めた放電用電力変換を行う。放電指令量P は、電圧値V及び電流値Iを指定する電圧指令量及び電流指令量から形成されていても良い。放電定量制御において、制御部23は、放電指令量P に蓄電用基準電力量PBREFの値を代入することで蓄電装置3を一定の蓄電用基準電力量PBREFで放電させることができる。
ここでも、説明の具体化のため、PBREF=10であることを考える。また、直流負荷8の消費電力量は変動しうるが、ここでは、直流負荷8の消費電力量が常に20kW・sであると仮定する。放電定量制御においてPBREF=10である場合、制御部23は放電指令量P に10を代入することができ、これによって放電電力量は10kW・sとなる。
この場合において例えば、図7(a)に示す如く、発電装置4の発電電力量が6kW・sであるならば、上記合計電力量が直流負荷8の消費電力量20kW・sよりも少ないため、それらの差分に相当する不足電力量4kW・sが電力系統5から電力変換回路20に入力されるように、制御部23は電力変換部21Sを制御する。
一方例えば、図7(b)に示す如く、発電装置4の発電電力量が13kW・sであるならば、上記合計電力量が直流負荷8の消費電力量20kW・sよりも多いため、それらの差分に相当する余剰電力量3kW・sが電力変換回路20から電力系統5に出力されるように、制御部23は電力変換部21Sを制御する。
このように、放電定量制御では、発電装置4の発電電力の不足分又は余剰分を電力変換回路20及び電力系統5間の電力の入出力にて吸収しつつ、発電装置4の発電電力及び蓄電装置3の放電電力を用いて直流負荷8に電力供給を行うべく、蓄電装置3を一定の放電基準条件下で放電させる。
ところが、放電定量制御において、仮に図7(c)に示す如く、上記の合計電力量が直流負荷8の消費電力量付近の値を持っていたとき、発電電力の不足状態及び余剰状態間の行き来に伴う、電力変換回路20及び電力系統5間の電力の入出力の切り替わりが比較的短期間で繰り返して発生する。放電定量制御の実行時における、このような切り替わりも系統側ハンチング現象である。
―――系統側ハンチング検出処理HD1B―――
放電定量制御の実行期間中において、制御部23は、系統側ハンチング検出処理HD1Bを実行することができる。系統側ハンチング検出処理HD1Bは、上述の系統側ハンチング検出処理HD1Aと同じである。
―――系統側ハンチング予測処理HP1B―――
また、放電定量制御の実行期間中において、制御部23は、入出力電力情報に基づく系統側ハンチング予測処理HP1Bを行うことで、系統側ハンチング現象の発生を予測しても良い。
例えば、系統側ハンチング予測処理HP1Bにおいて、制御部23は、電流値I及び電圧値Vに基づき(即ち発電電力量Pに基づき)又は電流値IGINT及び電圧値VINTに基づき発電電力量Pに対応する電力量P’を求めて、電力量P’と放電基準条件にて規定されている蓄電用基準電力量PBREFとの合計電力量(P’+PBREF)を直流負荷8の消費電力量と比較する。電力量P’は電力変換部21Gから出力される電力量であって、積(IGINT×VINT)と等しいと考えることができる。また、ここでは、放電定量制御により電力変換部21Bから蓄電用基準電力量PBREF(=10)の放電電力が直流負荷8に供給されていると考える。故に、合計電力量(P’+PBREF)は、発電装置4の発電電力及び蓄電装置3の放電電力に基づく、電力変換部21G及び21Bから出力される合計電力量である(電力変換回路20の電力損失を無視すれば、P’+PBREF=P+P)。そして、制御部23は、合計電力量(P’+PBREF)と直流負荷8の消費電力量との差の絶対値が所定の正の閾値TH3A以下である場合に、或いは、その絶対値が閾値TH3A以下である状態が所定時間以上継続して観測された場合に、系統側ハンチング予測判定を成す。
―――ハンチング抑制制御CNT1B―――
放電定量制御の実行期間中において、系統側ハンチング検出判定又は系統側ハンチング予測判定を成したとき、制御部23は、蓄電装置3の放電電力量を放電基準条件に従った蓄電用基準電力量PBREFから変化させるハンチング抑制制御CNT1Bを実行する。ハンチング抑制制御CNT1Bでは、放電電力量を変化させることよって、電力変換回路20及び電力系統5間の入出力電力量の絶対値を増大させ、これによって系統側ハンチング現象を抑制する。抑制制御CNT1Bは、放電定量制御の中で行われる制御であり、抑制制御CNT1Bの実行期間中には、放電定量制御の内容に修正が加えられる。
抑制制御CNT1Bの第1実現例を説明する。系統側ハンチング認知タイミング前においては、上述の如く、制御部23は放電指令量P に蓄電用基準電力量PBREFを代入しており、これによって蓄電装置3の放電電力量は蓄電用基準電力量PBREF(=10)と一致している(図7(a)、(b)及び(c)参照)。但し、系統側ハンチング検出判定又は系統側ハンチング予測判定が成されると、抑制制御CNT1Bの第1実現例において、制御部23は、放電指令量P を所定量ΔP だけ蓄電用基準電力量PBREFから増大又は減少させる(即ち、系統側ハンチング認知タイミングの前を基準として放電指令量P を変化させる)。
図8(a)に、放電指令量P を蓄電用基準電力量PBREF(=10)から2だけ増大させたときの電力入出力状態を示す。この状態では、発電装置4の発電電力量及び蓄電装置3の放電電力量に余剰電力量2kW・sが含まれることになるため、制御部23は、余剰電力量2kW・sが電力変換回路20から電力系統5に出力されるように電力変換部21Sを制御する。即ち、抑制制御CNT1Bによる放電電力量の増大によって、その増大前を基準として(図7(c)の状態を基準として)、電力変換回路20及び電力系統5間の入出力電力量の絶対値が増大する。結果、系統側ハンチング現象が適切に抑制される。放電指令量P を蓄電用基準電力量PBREFから減少させた場合も同様である。
抑制制御CNT1Bの第2実現例を説明する。系統側ハンチング検出判定又は系統側ハンチング予測判定が成されると、抑制制御CNT1Bの第2実現例を行う制御部23は、系統側ハンチング認知タイミング前を基準として、系統入出力指令量P を所定量ΔP だけ変化させ、その変化分を蓄電装置3の放電電力量の変化に割り当てることで抑制制御CNT1Bを実現する。
例えば、図7(c)の状態、即ち発電装置4の発電電力量及び蓄電装置3の放電電力量の合計が直流負荷8の消費電力量と一致している状態は、図8(b)に示す如く指令量P にゼロが代入されている状態に相当する。この状態において、系統側ハンチング検出判定又は系統側ハンチング予測判定が成されると、制御部23は、例えば、系統入出力指令量P をゼロから2へと変化させる抑制制御CNT1Bを実行することができる(ここでは、P >0である状態が、電力変換部21Sから電力系統5への電力出力状態に相当すると考える)。抑制制御CNT1Bの第2実現例において、制御部23は、系統入出力指令量P を放電指令量P よりも優先する、或いは、放電指令量P を電力変換部21Bに与えない。何れにせよ、抑制制御CNT1Bにおいて、制御部23は、発電装置4の発電電力量と、電力変換回路20及び電力系統5間の入出力電力量と、直流負荷8の消費電力とで定まるとで不足電力分(直流負荷8に供給すべき電力の不足分)が蓄電装置3から放電されるように電力変換部21Bを制御する。結果、図8(c)に示す如く、蓄電装置3から12W・s分の放電電力が出力されることになる。この状態は、図8(a)に示した状態と等価なものである。図8(c)は、電力変換回路20から電力系統5への電力出力が行われるように指令量P を変化させたときの例であるが、電力系統5から電力変換回路20への電力入力が行われるように指令量P を変化させてもよく、その場合には、蓄電装置3の放電電力量は10kW・sから減少する。
抑制制御CNT1Bの第1実現例では、放電指令量P の制御によって放電電力量を直接制御しているのに対し、抑制制御CNT1Bの第2実現例では、系統入出力指令量P の制御によって(電力変換回路20及び電力系統5間の入出力電力量の制御によって)放電電力量を間接的に制御している。
―――抑制制御CNT1Bに対応する解除可否判定処理J1B―――
制御部23は、抑制制御CNT1Bの実行期間中において、所定の解除条件の成否判定を介して、抑制制御CNT1Bの実行を解除するか否かを判定する解除可否判定処理J1Bを行うことができる。例えば、解除可否判定処理J1Bにおいて、制御部23は、上述の方法によって合計電力量(P’+PBREF)を求め、合計電力量(P’+PBREF)と直流負荷8の消費電力量との差の絶対値を求める(電力変換回路20の電力損失を無視すれば、P’+PBREF=P+P)。そして、判定処理J1Bにおいて、制御部23は、その絶対値が所定の正の閾値TH4A以上である場合に、或いは、その絶対値が閾値TH4A以上である状態が所定時間以上継続して観測された場合に、或いは、その絶対値が正である状態が所定時間以上継続して観測された場合に、判定処理J1Bにおける解除条件が満たされると判断し(抑制制御CNT1Bの実行を解除しても系統側ハンチング現象は発生しない又は発生しにくいと判断し)、抑制制御CNT1Bの実行を解除する。抑制制御CNT1Bの実行の解除によって、蓄電装置3の放電電力量が蓄電用基準電力量PBREF(=10)に復帰する。
或いは例えば、抑制制御CNT1Bにより放電指令量P を所定量ΔP だけ蓄電用基準電力量PBREFから減少させている場合には、制御部23は差(PC8−(P’+P ))を判定対象に設定してもよく、抑制制御CNT1Bにより放電指令量P を所定量ΔP だけ蓄電用基準電力量PBREFから増大させている場合には、制御部23は差((P’+P )−PC8)を判定対象に設定してもよい。判定対象において、P を、実測された放電電力量P(即ちI×V)に置き換えても良い。PC8は、直流負荷8の消費電力量を表す。そして、判定対象が所定の正の閾値TH4A’以上である場合に、或いは、判定対象が閾値TH4A’以上である状態が所定時間以上継続して観測された場合に、制御部23は、判定処理J1Bにおける解除条件が満たされると判断して抑制制御CNT1Bの実行を解除しても良い(TH4A’>ΔP )。
[系統出力定量制御]
次に、系統出力定量制御を説明する。系統出力定量制御において、制御部23は、発電装置4の発電電力を用いて電力変換回路20から電力系統5へ一定の系統出力基準条件下で電力が出力されるように電力変換回路20を制御する。この系統出力定量制御において、発電装置4の発電電力量が電力系統5への出力に必要な電力量よりも少ないときには、それらの差分に相当する不足電力が蓄電装置3から放電されるように、且つ、発電装置4の発電電力量が電力系統5への出力に必要な電力量よりも多いときには、それらの差分に相当する余剰電力にて蓄電装置3が充電されるように、入出力電力情報に基づき制御部23は電力変換回路20を制御する。系統出力定量制御を考える場合、直流負荷8の存在は無視される(直流負荷8の有無は問わない)。
系統出力基準条件は、電力変換回路20から電力系統5に対する出力電力量又は該出力電力量に依存する電流値及び電圧値等を指定する条件であり、制御部23は系統出力基準条件を自由に定めることができる。系統出力基準条件は、電力変換回路20から電力系統5に対する出力電力量に依存する電流値及び電圧値の一方のみを指定する条件であっても良い。ここでは、電力変換回路20が電力系統5へ一定の系統用基準電力量(系統入出力基準電力量)PSREFで電力出力を行うことを、系統出力基準条件が指定しているものとする。
系統出力定量制御では、電力変換回路20及び電力系統5間の電力の流れは電力変換回路20から電力系統5に限定されるため、系統入出力指令量P を系統出力指令量P とも言う。系統出力定量制御において、制御部23は、系統用基準電力量PSREFの値を代入した系統出力指令量P を電力変換部21Sに与えることで、電力変換部21Sから電力系統5に系統用基準電力量PSREFの電力を出力させることができる。
今、説明の具体化のため、PSREF=10であることを考える。系統出力定量制御において、PSREF=10である場合、制御部23は系統出力指令量P に10を代入することができる。
この場合において例えば、図9(a)に示す如く、発電装置4の発電電力量が6kW・sであるならば、発電装置4の発電電力量が電力系統5への出力に必要な電力量10kW・s(=P )よりも少ないため、それらの差分に相当する不足電力量4kW・sが蓄電装置3から放電されるように、制御部23は電力変換部21Bを制御する。
一方例えば、図9(b)に示す如く、発電装置4の発電電力量が13kW・sであるならば、発電装置4の発電電力量が電力系統5への出力に必要な電力量10kW・s(=P )よりも多いため、それらの差分に相当する余剰電力量3kW・sにて蓄電装置3が充電されるように、制御部23は電力変換部21Bを制御する。
このように、系統出力定量制御では、発電装置4の発電電力の不足分又は余剰分を蓄電装置3の充電又は放電にて吸収しつつ、発電装置4の発電電力を用いて電力変換回路20から電力系統5へ一定の系統出力基準条件下で電力を出力する。
―――蓄電側ハンチング現象―――
ところが、系統出力定量制御において、仮に図9(c)に示す如く、発電装置4の発電電力量が系統用基準電力量PSREF付近の値を持っていたとき、発電電力の不足状態及び余剰状態間の行き来に伴う、電力変換回路20及び蓄電装置3間の電力の入出力の切り替わり(充電及び放電間の切り替わり)が比較的短期間で繰り返して発生する。系統出力定量制御の実行時における、このような切り替わりを蓄電側ハンチング現象と呼ぶ。蓄電側ハンチング現象に伴う切り替わりは、蓄電装置3にとって好ましいものではなく、蓄電装置3の劣化を促進させうる。
―――蓄電側ハンチング検出処理HD1C―――
系統出力定量制御の実行期間中において、制御部23は、入出力電力情報に基づく蓄電側ハンチング検出処理HD1Cを行うことで、蓄電側ハンチング現象の発生を検出することができる。蓄電側ハンチング検出処理HD1Cにおいて、制御部23は、入出力電力情報に含まれる電流値I又はIBINTに基づき、電力変換部21B及び蓄電装置3間の電力の入出力の切り替えが所定時間内に所定回数以上検出されたとき、蓄電側ハンチング検出判定を成す。所定回数は1以上の任意の回数であって良いが、2以上が望ましい。蓄電側ハンチング検出判定とは、現在、蓄電側ハンチング現象が発生していると判断することを意味する。
―――蓄電側ハンチング予測処理HP1C―――
また、系統出力定量制御の実行期間中において、制御部23は、入出力電力情報に基づく蓄電側ハンチング予測処理HP1Cを行うことで、蓄電側ハンチング現象の発生を予測しても良い(即ち、未来において蓄電側ハンチング現象が発生しそうであるかを予測しても良い)。
例えば、蓄電側ハンチング予測処理HP1Cにおいて、制御部23は、電流値I及び電圧値Vに基づき(即ち発電電力量Pに基づき)又は電流値IGINT及び電圧値VINTに基づき発電電力量Pに対応する系統出力電力量P’を求めて、系統出力電力量P’と系統出力基準条件にて規定されている系統用基準電力量PSREFとを比較する。そして、制御部23は、それらの差の絶対値|P’−PSREF|が所定の正の閾値TH5A以下である場合に、或いは、絶対値|P’−PSREF|が閾値TH5A以下である状態が所定時間以上継続して観測された場合に、蓄電側ハンチング予測判定を成す。蓄電側ハンチング予測判定とは、近い将来において蓄電側ハンチング現象が発生しそうであると判断することを意味する。発電電力量Pに対応する系統出力電力量P’とは、発電装置4の発電電力量Pに基づく電力系統5に対する出力電力量を指し、電力変換部21G及び21Sの電力変換効率と積“I×V”を用いて、或いは、電力変換部21Sの電力変換効率と積“IGINT×VINT”を用いて系統出力電力量P’を求めることができる。電力変換部21G及び21Sの電力損失量をゼロと仮定すれば、P’=Pである。
―――ハンチング抑制制御CNT1C―――
系統出力定量制御の実行期間中において、蓄電側ハンチング検出判定又は蓄電側ハンチング予測判定を成したとき、制御部23は、電力変換回路20から電力系統5への出力電力量を系統出力基準条件に従った系統用基準電力量PSREFから変化させるハンチング抑制制御CNT1Cを実行する。ハンチング抑制制御CNT1Cでは、電力変換回路20から電力系統5への出力電力量を変化させることで、電力変換回路20及び蓄電装置3間の入出力電力量の絶対値を増大させ、これによって蓄電側ハンチング現象を抑制する。電力変換回路20及び蓄電装置3間の入出力電力量とは、蓄電装置3から電力変換回路20への入力電力量(即ち蓄電装置3の放電電力量)又は電力変換回路20から蓄電装置3への出力電力量(即ち蓄電装置3の充電電力量)を指す。蓄電側ハンチング検出判定又は蓄電側ハンチング予測判定を成したタイミングを、蓄電側ハンチング認知タイミングとも呼ぶ。制御部23は、蓄電側ハンチング認知タイミングから抑制制御CNT1Cを開始することができる(後述のハンチング抑制制御CNT1Dについても同様)。抑制制御CNT1Cは、系統出力定量制御の中で行われる制御であり、抑制制御CNT1Cの実行期間中には、系統出力定量制御の内容に修正が加えられる。
尚、以下の説明において、電力変換回路20から電力系統5への出力電力又は出力電力量を、単に電力系統5への出力電力又は出力電力量と言うことがあり、電力系統5から電力変換回路20への入力電力又は入力電力量を、単に電力系統5からの入力電力又は入力電力量と言うことがある。
抑制制御CNT1Cの第1実現例を説明する。蓄電側ハンチング認知タイミング前においては、上述の如く、制御部23は系統出力指令量P に系統用基準電力量PSREFを代入しており、これによって電力系統5への出力電力量は系統用基準電力量PSREF(=10)と一致している(図9(a)、(b)及び(c)参照)。但し、蓄電側ハンチング検出判定又は蓄電側ハンチング予測判定が成されると、抑制制御CNT1Cの第1実現例において、制御部23は、系統出力指令量P を所定量ΔP だけ系統用基準電力量PSREFから増大又は減少させる(即ち、蓄電側ハンチング認知タイミング前を基準として系統出力指令量P を変化させる)。ここで、“ΔP >0”である。所定量ΔP は系統用基準電力量PSREFに依存する量(例えばPSREFと係数kとの積)であっても良い。
図10(a)に、系統出力指令量P を系統用基準電力量PSREF(=10)から2だけ増大させたときの電力入出力状態を示す。この状態において、制御部23は、発電装置4の発電電力量と系統出力指令量P との差分に相当する不足電力量2kW・sが蓄電装置3から放電されるように電力変換部21Bを制御する。即ち、抑制制御CNT1Cによる電力系統5への出力電力量の増大によって、その増大前を基準として(図9(c)の状態を基準として)、電力変換回路20及び蓄電装置3間の入出力電力量の絶対値が増大する。結果、蓄電側ハンチング現象が適切に抑制される。系統出力指令量P を系統用基準電力量PSREFから減少させた場合も同様である。
抑制制御CNT1Cの第2実現例を説明する。蓄電側ハンチング検出判定又は蓄電側ハンチング予測判定が成されると、抑制制御CNT1Cの第2実現例を行う制御部23は、蓄電側ハンチング認知タイミング前を基準として、電力変換部21Bに対する充電指令量又は放電指令量P を所定量ΔP だけ変化させ、その変化分を、電力変換回路20から電力系統5への出力電力量の変化に割り当てることで抑制制御CNT1Cを実現する。ここで、“ΔP >0”である。所定量ΔP は系統用基準電力量PSREFに依存する量例えばPSREFと係数kとの積)であっても良い。
例えば、図9(c)の状態、即ち発電装置4の発電電力量及び電力系統5への出力電力量が共に10kW・sである状態は、図10(b)に示す如く指令量(充電又は放電指令量)P にゼロが代入されている状態に相当する。この状態において、蓄電側ハンチング検出判定又は蓄電側ハンチング予測判定が成されると、制御部23は、例えば、放電指令量P をゼロから2へと変化させる抑制制御CNT1Cを実行することができる。抑制制御CNT1Cの第2実現例おいて、制御部23は、放電指令量(又は充電指令量)P を系統出力指令量P よりも優先する、或いは、系統出力指令量P を電力変換部21Sに与えない。何れにせよ、抑制制御CNT1Cにおいて、制御部23は、発電装置4の発電電力量と蓄電装置3の放電電力の合計電力量が電力系統5に出力されるように電力変換部21Sを制御する。結果、図10(c)に示す如く、電力変換回路20から12kW・sの電力が電力系統5に出力される。この状態は、図10(a)に示した状態と等価なものである。図10(c)は、蓄電装置3の放電が行われるように指令量P を変化させたときの例であるが、蓄電装置3の充電が行われるように指令量P を変化させてもよく、その場合には、電力系統5への出力電力量が10kW・sより減少する。
抑制制御CNT1Cの第1実現例では、系統出力指令量P の制御によって電力系統5への出力電力量を直接制御しているのに対し、抑制制御CNT1Cの第2実現例では、充電又は放電指令量P の制御によって(電力変換回路20及び蓄電装置3間の入出力電力量の制御によって)電力系統5への出力電力量を間接的に制御している。
―――抑制制御CNT1Cに対応する解除可否判定処理J1C―――
制御部23は、抑制制御CNT1Cの実行期間中において、所定の解除条件の成否判定を介して、抑制制御CNT1Cの実行を解除するか否かを判定する解除可否判定処理J1Cを行うことができる。例えば、解除可否判定処理J1Cにおいて、制御部23は、電流値I及び電圧値Vに基づき(即ち発電電力量Pに基づき)又は電流値IGINT及び電圧値VINTに基づき、上述の系統出力電力量P’を求めて、系統出力電力量P’と系統出力基準条件にて規定されている系統用基準電力量PSREFとを比較する(電力変換部21G及び21Sの電力損失を無視すれば、P’=Pである)。そして、判定処理J1Cにおいて、制御部23は、それらの差の絶対値|P’−PSREF|が所定の正の閾値TH6A以上である場合に、或いは、絶対値|P’−PSREF|が閾値TH6A以上である状態が所定時間以上継続して観測された場合に、或いは、絶対値|P’−PSREF|が正である状態が所定時間以上継続して観測された場合に、判定処理J1Cにおける解除条件が満たされると判断し(抑制制御CNT1Cの実行を解除しても蓄電側ハンチング現象は発生しない又は発生しにくいと判断し)、抑制制御CNT1Cの実行を解除する。抑制制御CNT1Cの実行の解除によって、電力系統5への出力電力量が系統用基準電力量PSREF(=10)に復帰する。
或いは例えば、抑制制御CNT1Cにより系統出力指令量P を所定量ΔP だけ系統用基準電力量PSREFから減少させている場合には、制御部23は差(P’−P )を判定対象に設定してもよく、抑制制御CNT1Cにより系統出力指令量P を所定量ΔP だけ系統用基準電力量PSREFから増大させている場合には、制御部23は差(P −P’)を判定対象に設定してもよい。判定対象において、P を、実測された出力電力量P(即ちI×V)に置き換えても良い。そして、判定対象が所定の正の閾値TH6A’以上である場合に、或いは、判定対象が閾値TH6A’以上である状態が所定時間以上継続して観測された場合に、制御部23は、判定処理J1Cにおける解除条件が満たされると判断して抑制制御CNT1Cの実行を解除しても良い(TH6A’>ΔP )。
[系統入力定量制御]
次に、系統入力定量制御を説明する。制御部23は、発電装置4の発電電力と電力系統5から電力変換回路20への入力電力を用いて直流負荷8に電力供給を行うことができるが、系統入力定量制御では、この際、電力系統5から電力変換回路20へ一定の系統入力基準条件で電力が入力されるように電力変換回路20を制御する。この系統入力定量制御において、発電装置4の発電電力量と電力系統5から電力変換回路20への入力電力量の合計電力量が直流負荷8の消費電力量よりも少ないときには、それらの差分に相当する不足電力が蓄電装置3から放電されるように、且つ、上記合計電力量が直流負荷8の消費電力量よりも多いときには、それらの差分に相当する余剰電力にて蓄電装置3が充電されるように、入出力電力情報に基づき制御部23は電力変換回路20を制御する。
系統入力基準条件は、電力系統5から電力変換回路20に対する入力電力量又は該入力電力量に依存する電流値及び電圧値等を指定する条件であり、制御部23は系統入力基準条件を自由に定めることができる。系統入力基準条件は、電力系統5から電力変換回路20に対する入力電力量に依存する電流値及び電圧値の一方のみを指定する条件であっても良い。ここでは、電力系統5から電力変換回路20に対して一定の系統用基準電力量(系統入出力基準電力量)PSREFで電力入力を行うことを、系統入力基準条件が指定しているものとする。
系統入力定量制御では、電力変換回路20及び電力系統5間の電力の流れは電力系統5から電力変換回路20に限定されるため、系統入出力指令量P を系統入力指令量P とも言う。系統入力定量制御において、制御部23は、系統用基準電力量PSREFの値を代入した系統入力指令量P を電力変換部21Sに与えることで、電力系統5から電力変換部21Sに対して系統用基準電力量PSREFの電力を入力させることができる。
ここでも、説明の具体化のため、PSREF=10であることを考える。また、直流負荷8の消費電力量は変動しうるが、ここでは、直流負荷8の消費電力量が常に20kW・sであると仮定する。系統入力定量制御においてPSREF=10である場合、制御部23は系統入力指令量P に10を代入することができ、これによって電力系統5からの入力電力量は10kW・sとなる。
この場合において例えば、図11(a)に示す如く、発電装置4の発電電力量が6kW・sであるならば、上記合計電力量が直流負荷8の消費電力量20kW・sよりも少ないため、それらの差分に相当する不足電力量4kW・sが蓄電装置3から放電されるように、制御部23は電力変換部21Bを制御する。
一方例えば、図11(b)に示す如く、発電装置4の発電電力量が13kW・sであるならば、上記合計電力量が直流負荷8の消費電力量20kW・sよりも多いため、それらの差分に相当する余剰電力量3kW・sにて蓄電装置3が充電されるように、制御部23は電力変換部21Bを制御する。
このように、系統入力定量制御では、発電装置4の発電電力の不足分又は余剰分を蓄電装置3の充電又は放電にて吸収しつつ、発電装置4の発電電力と電力系統5から電力変換回路20への入力電力とを用いて直流負荷8に電力供給を行うべく、電力系統5から電力変換回路20へ一定の系統入力基準条件で電力を入力させる。
ところが、系統入力定量制御において、仮に図11(c)に示す如く、上記の合計電力量が直流負荷8の消費電力量付近の値を持っていたとき、発電電力の不足状態及び余剰状態間の行き来に伴う、電力変換回路20及び蓄電装置3間の電力の入出力の切り替わり(充電及び放電の切り替わり)が比較的短期間で繰り返して発生する。系統入力定量制御の実行時における、このような切り替わりも蓄電側ハンチング現象である。
―――蓄電側ハンチング検出処理HD1D―――
系統入力定量制御の実行期間中において、制御部23は、蓄電側ハンチング検出処理HD1Dを実行することができる。蓄電側ハンチング検出処理HD1Dは、上述の蓄電側ハンチング検出処理HD1Cと同じである。
―――蓄電側ハンチング予測処理HP1D―――
また、系統入力定量制御の実行期間中において、制御部23は、入出力電力情報に基づく蓄電側ハンチング予測処理HP1Dを行うことで、蓄電側ハンチング現象の発生を予測しても良い。
例えば、蓄電側ハンチング予測処理HP1Dにおいて、制御部23は、電流値I及び電圧値Vに基づき(即ち発電電力量Pに基づき)又は電流値IGINT及び電圧値VINTに基づき発電電力量Pに対応する電力量P’を求めて、電力量P’と系統入力基準条件にて規定されている系統用基準電力量PSREFとの合計電力量(P’+PSREF)を直流負荷8の消費電力量と比較する。電力量P’は電力変換部21Gから出力される電力量であって、積(IGINT×VINT)と等しいと考えることができる。また、ここでは、系統入力定量制御により電力変換部21Sから系統用基準電力量PSREF(=10)の電力が直流負荷8に供給されていると考える。故に、合計電力量(P’+PSREF)は、発電装置4の発電電力及び電力系統5からの商用交流電力に基づく、電力変換部21G及び21Sから出力される合計電力量である(電力変換回路20の電力損失を無視すれば、P’+PSREF=P+P)。そして、制御部23は、合計電力量(P’+PSREF)と直流負荷8の消費電力量との差の絶対値が所定の正の閾値TH7A以下である場合に、或いは、その絶対値が閾値TH7A以下である状態が所定時間以上継続して観測された場合に、蓄電側ハンチング予測判定を成す。
―――ハンチング抑制制御CNT1D―――
系統入力定量制御の実行期間中において、蓄電側ハンチング検出判定又は蓄電側ハンチング予測判定を成したとき、制御部23は、電力系統5から電力変換回路20への入力電力量を系統入力基準条件に従った系統用基準電力量PSREFから変化させるハンチング抑制制御CNT1Dを実行する。ハンチング抑制制御CNT1Dでは、電力系統5から電力変換回路20への入力電力量を変化させることで、電力変換回路20及び蓄電装置3間の入出力電力量の絶対値を増大させ、これによって蓄電側ハンチング現象を抑制する。抑制制御CNT1Dは、系統入力定量制御の中で行われる制御であり、抑制制御CNT1Dの実行期間中には、系統入力定量制御の内容に修正が加えられる。
抑制制御CNT1Dの第1実現例を説明する。蓄電側ハンチング認知タイミング前においては、上述の如く、制御部23は系統入力指令量P に系統用基準電力量PSREFを代入しており、これによって電力系統5からの入力電力量は系統用基準電力量PSREF(=10)と一致している(図11(a)、(b)及び(c)参照)。但し、蓄電側ハンチング検出判定又は蓄電側ハンチング予測判定が成されると、抑制制御CNT1Dの第1実現例において、制御部23は、系統入力指令量P を所定量ΔP だけ系統用基準電力量PSREFから増大又は減少させる(即ち、蓄電側ハンチング認知タイミング前を基準として系統入力指令量P を変化させる)。
図12(a)に、系統入力指令量P を系統用基準電力量PSREF(=10)から2だけ増大させたときの電力入出力状態を示す。この状態において、制御部23は、発電装置4の発電電力量と系統入力指令量P との差分に相当する余剰電力量2kW・sにて蓄電装置3が充電されるように電力変換部21Bを制御する。即ち、抑制制御CNT1Dによる電力系統5からの入力電力量の増大によって、その増大前を基準として(図11(c)の状態を基準として)、電力変換回路20及び蓄電装置3間の入出力電力量の絶対値が増大する。結果、蓄電側ハンチング現象が適切に抑制される。系統入力指令量P を系統用基準電力量PSREFから減少させた場合も同様である。
抑制制御CNT1Dの第2実現例を説明する。蓄電側ハンチング検出判定又は蓄電側ハンチング予測判定が成されると、抑制制御CNT1Dの第2実現例を行う制御部23は、蓄電側ハンチング認知タイミング前を基準として、電力変換部21Bに対する充電指令量又は放電指令量P を所定量ΔP だけ変化させ、その変化分を、電力系統5から電力変換回路20への入力電力量の変化に割り当てることで抑制制御CNT1Dを実現する。
例えば、図11(c)の状態、即ち発電装置4の発電電力量及び電力系統5からの入力電力量が共に10kW・sである状態は、図12(b)に示す如く指令量(充電又は放電指令量)P にゼロが代入されている状態に相当する。この状態において、蓄電側ハンチング検出判定又は蓄電側ハンチング予測判定が成されると、制御部23は、例えば、充電指令量P をゼロから2へと変化させる抑制制御CNT1Dを実行することができる。抑制制御CNT1Dの第2実現例おいて、制御部23は、充電指令量(又は放電指令量)P を系統入力指令量P よりも優先する、或いは、系統入力指令量P を電力変換部21Sに与えない。何れにせよ、抑制制御CNT1Dにおいて、制御部23は、発電装置4の発電電力量、蓄電装置3の充電電力量及び直流負荷8の消費電力量で定まる不足電力量(直流負荷8に供給すべき電力の不足分)が電力系統5から入力されるように電力変換部21Sを制御する。結果、図12(c)に示す如く、電力系統5から電力変換回路20へ12kW・sの電力が入力される。この状態は、図12(a)に示した状態と等価なものである。図12(c)は、蓄電装置3の充電が行われるように指令量P を変化させたときの例であるが、蓄電装置3の放電が行われるように指令量P を変化させてもよく、その場合には、電力系統5からの入力電力量が10kW・sより減少する。
抑制制御CNT1Dの第1実現例では、系統入力指令量P の制御によって電力系統5からの入力電力量を直接制御しているのに対し、抑制制御CNT1Dの第2実現例では、充電又は放電指令量P の制御によって(電力変換回路20及び蓄電装置3間の入出力電力量の制御によって)電力系統5からの入力電力量を間接的に制御している。
―――抑制制御CNT1Dに対応する解除可否判定処理J1D―――
制御部23は、抑制制御CNT1Dの実行期間中において、所定の解除条件の成否判定を介して、抑制制御CNT1Dの実行を解除するか否かを判定する解除可否判定処理J1Dを行うことができる。例えば、解除可否判定処理J1Dにおいて、制御部23は、上述の方法によって合計電力量(P’+PSREF)を求め、合計電力量(P’+PSREF)と直流負荷8の消費電力量との差の絶対値を求める(電力変換回路20の電力損失を無視すれば、P’+PSREF=P+P)。そして、判定処理J1Dにおいて、制御部23は、その絶対値が所定の正の閾値TH8A以上である場合に、或いは、その絶対値が閾値TH8A以上である状態が所定時間以上継続して観測された場合に、或いは、その絶対値が正である状態が所定時間以上継続して観測された場合に、判定処理J1Dにおける解除条件が満たされると判断し(抑制制御CNT1Dの実行を解除しても蓄電側ハンチング現象は発生しない又は発生しにくいと判断し)、抑制制御CNT1Dの実行を解除する。抑制制御CNT1Dの実行の解除によって、電力系統5からの入力電力量が系統用基準電力量PSREF(=10)に復帰する。
或いは例えば、抑制制御CNT1Dにより系統入力指令量P を所定量ΔP だけ系統用基準電力量PSREFから減少させている場合には、制御部23は差(PC8−(P’+P ))を判定対象に設定してもよく、抑制制御CNT1Dにより系統入力指令量P を所定量ΔP だけ系統用基準電力量PSREFから増大させている場合には、制御部23は差((P’+P )−PC8)を判定対象に設定してもよい。判定対象において、P を、実測された入力電力量P(即ちI×V)に置き換えても良い。上述したように、PC8は直流負荷8の消費電力量を表す。そして、判定対象が所定の正の閾値TH8A’以上である場合に、或いは、判定対象が閾値TH8A’以上である状態が所定時間以上継続して観測された場合に、制御部23は、判定処理J1Dにおける解除条件が満たされると判断して抑制制御CNT1Dの実行を解除しても良い(TH8A’>ΔP )。
[動作フローチャート]
次に、図13を参照して電力変換装置2の動作の流れを説明する。図13は、上述の各種定量制御に注目した、電力変換装置2の動作フローチャートである。まず、ステップS11において、制御部23は、上述の充電定量制御、放電定量制御、系統出力定量制御又は系統入力定量制御の実行を開始する(以下、充電定量制御、放電定量制御、系統出力定量制御又は系統入力定量制御を単に定量制御ともいう)。その後、ステップS12において、制御部23は、入出力電力情報に基づき、上述の系統側若しくは蓄電側ハンチング検出処理(HD1A、HD1B、HD1C、HD1D)又は系統側若しくは蓄電側ハンチング予測処理(HP1A、HP1B、HP1C、HP1D)を行う。続くステップS13において、制御部23は、系統側若しくは蓄電側ハンチング検出判定、又は、系統側若しくは蓄電側ハンチング予測判定を成したかをチェックし、それらの何れの判定も成していない場合にはステップS13からステップS12へ戻ってステップS12及びS13の処理を繰り返すが、それらの何れかの判定を成した場合にはステップS14への移行を発生させて、ハンチング抑制制御(CNT1A、CNT1B、CNT1C、CNT1D)の実行を開始する。
ハンチング抑制制御の実行開始後、制御部23は、ハンチング抑制制御の解除可否判定処理(J1A、J1B、J1C、J1D)を行う(ステップS15)。制御部23は、所定の解除条件が満たされるまでハンチング抑制制御の実行を継続し(ステップS15及びS16)、解除条件の充足が確認されるとハンチング抑制制御の実行を解除して(ステップS17)ステップS12に戻る。上述したように、ハンチング抑制制御は、定量制御の中で行われる、定量制御の内容に修正を加える制御であり(例えば、充電定量制御の実行中にハンチング抑制制御が成されると、充電電力量が蓄電用基準電力量PBREFから上方又は下方修正された上で充電定量制御が行われる)、ハンチング抑制制御の実行が解除されると、その修正も解除されて、基本通りの定量制御が再開される。但し、ハンチング抑制制御の実行中には定量制御の実行が停止され、ハンチング抑制制御が解除されると定量制御が再開される、という考え方もできる(この場合、ステップS17にてハンチング抑制制御が解除されるとステップS11に戻る)。また、ハンチング抑制制御の実行中に基準電力量PBREF又はPSREFが変更される可能性がある場合においては、ハンチング抑制制御を解除する際に、基準電力量PBREF又はPSREFを最新のものへと更新すると良い。或いは、任意のタイミングにおいて基準電力量PBREF又はPSREFが変更された場合には、基準電力量PBREF又はPSREFを最新のものへと更新した上でステップS11に戻るようにしても良い。
また、制御部23は、解除可否判定処理J1A、J1B、J1C又はJ1Dを以下のように実行しても良い。即ち、抑制制御CNT1A又はCNT1Bの実行期間中において、制御部23は、系統側ハンチング検出処理HD1Aを実行し、系統側ハンチング現象の発生が所定回数(1以上の任意の回数)以上観測されたときに解除条件が充足したと判断して、抑制制御CNT1A又はCNT1Bの実行を解除するようにしても良い。同様に、抑制制御CNT1C又はCNT1Dの実行期間中において、制御部23は、蓄電側ハンチング検出処理HD1Cを実行し、蓄電側ハンチング現象の発生が所定回数(1以上の任意の回数)以上観測されたときに解除条件が充足したと判断して、抑制制御CNT1C又はCNT1Dの実行を解除するようにしても良い。抑制制御の実行中に発電電力量の増大等が発生すると逆にハンチング現象が発生することもある。このような場合には、抑制制御の解除がハンチング現象の回避に資する。
上述したように、本実施形態に係るハンチング抑制制御によれば、電力系統5の安定性に影響を与えるような系統側ハンチング現象又は蓄電装置3に悪影響を与えかねない蓄電側ハンチング現象を適切に抑制することが可能である。ハンチング抑制制御の実現に際し、上述の第1及び第2実現例(例えば図5(a)及び(c))参照)のどちらを用いても同様のハンチング抑制効果が得られる。また、ハンチング抑制制御の実行時に解除条件の充足有無を監視し、その実行を解除してもハンチング現象が発生しない又は発生しにくいと判断されたときにハンチング抑制制御を解除する方法を採用することにより、ハンチング現象を極力回避しながら、なるだけ本来の電力量で充電等を行うことができる。
尚、ハンチング予測処理を用いずにハンチング検出処理を用いる場合は、ハンチング現象の発生を検出した後にハンチング抑制制御が実行されるため、多少のハンチング現象の発生を許容することになる。これに対し、ハンチング予測処理を用いるようにすれば、ハンチング現象の発生を完全に或いは殆ど完全に回避することができる。但し、ハンチング予測処理を用いる場合は、ハンチング検出処理を用いる場合と比べて、本来の電力量で充電等を行う時間が短くなる。ハンチング現象抑制と、本来の電力量での充電等の、どちらを優先するかに応じて、ハンチング検出処理及び予測処理のどちらを実行するかを設定すれば良い。
<<第2実施形態>>
本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態及び後述の第3実施形態は、第1実施形態を基礎とする実施形態であり、第2及び第3実施形態において特に記述しない事項に関しては、矛盾なき限り、第1実施形態の記載が第2及び第3実施形態にも適用される。
第2実施形態に係る電力供給システム1の構成は、第1実施形態のそれ(図1)と同じである。第1実施形態では特に意識していなかったが、第2実施形態、上述の第1実施形態及び後述の第3実施形態において、制御部23は、発電装置4に対する最大電力点追従制御(Maximum Power Point Tracking Control;以下、MPPT制御という)を成すことができる。
図14の曲線400は、発電装置4の出力電流と発電電力の関係を表している。発電装置4の出力電流の値は上述の電流値Iであり、発電装置4の発電電力の量は上述の電力量P(=I×V)ある(図1参照)。発電装置4において、発電電力は出力電流に依存して変化する。出力電流値Iが電流値IMPPと一致するときに発電電力量Pは最大となり(即ち、最大電力量PMPPとなり)、絶対値|I−IMPP|が増大するにつれて、発電電力量Pは最大電力量PMPPから減少する。発電装置4の発電電力量を定める、曲線400上の点は電力点(又は動作点)と呼ばれる。電力点401は、発電装置4の発電電力量を最大電力量PMPPに一致させる電力点である。一方、電力点402及び403は、発電装置4の発電電力量を最大電力量PMPPよりも小さな電力量Pと一致させる電力点である。電力点402及び403において、電流値Iは、それぞれ値IQ1及びIQ2をとるものとする。ここで、“0<IQ1<IMPP<IQ2”である。また、“PMPP−P=ΔP”が成立するものとする(ΔP>0)。
図15に示す如く、制御部23は、電流値Iを指定する電流指令値I を生成して電力変換部21Gに与えることができ、これによって電流値Iを制御することができると共に、電流値Iの制御を通じて電圧値V及び電力量Pを制御することができる。電力変換部21Gは、電流値Iが電流指令値I と一致するように発電用電力変換を行う。MPPT制御を行う際、制御部23は、入出力電力情報に含まれる電流値I及び電圧値Vに基づき、発電装置4の発電電力量が最大となるように電流指令値I を設定及び調整する。即ち、MPPT制御の実行時において、制御部23は、電流指令値I に値IMPPを代入することになる。MPPT制御の実現法は公知であるため説明を割愛する。
他方、第2実施形態においても、制御部23は、第1実施形態で述べた充電定量制御、放電定量制御、系統出力定量制御及び系統入力定量制御を個別に実行可能である。この際、制御部23は、MPPT制御を行いながら、充電定量制御、放電定量制御、系統出力定量制御又は系統入力定量制御を実行することができる(第1及び第3実施形態においても同様)。
第2実施形態においても、定量制御の実行中に上述の系統側又は蓄電側ハンチング現象が発生しうる。制御部23は、各定量制御の実行期間中に第1実施形態で述べたものと同様のハンチング検出処理又は予測処理を行うことができる。後述の第3実施形態でも同様である。即ち、第2及び第3実施形態に係る制御部23は、
MPPT制御及び充電定量制御の実行期間中に、上述のハンチング検出処理HD1A又は予測処理HP1Aを行うことができ、
MPPT制御及び放電定量制御の実行期間中に、上述のハンチング検出処理HD1B又は予測処理HP1Bを行うことができ、
MPPT制御及び系統出力定量制御の実行期間中に、上述のハンチング検出処理HD1C又は予測処理HP1Cを行うことができ、
MPPT制御及び系統入力定量制御の実行期間中に、上述のハンチング検出処理HD1D又は予測処理HP1Dを行うことができる。
―――ハンチング抑制制御CNT―――
MPPT制御と充電定量制御又は放電定量制御とを実行している期間中において系統側ハンチング検出判定又は系統側ハンチング予測判定を成したとき、或いは、MPPT制御と系統出力定量制御又は系統入力定量制御とを実行している期間中において蓄電側ハンチング検出判定又は蓄電側ハンチング予測判定を成したとき、制御部23は、発電装置4の電力点の変更を介して発電装置4の発電電力量を変化させるハンチング抑制制御CNTを実行する。充電定量制御又は放電定量制御に適用されるハンチング抑制制御CNTでは、発電装置4の発電電力量を変化させることによって、電力変換回路20及び電力系統5間の入出力電力量の絶対値を増大させ、これによって系統側ハンチング現象を抑制する。系統出力定量制御又は系統入力定量制御に適用されるハンチング抑制制御CNTでは、発電装置4の発電電力量を変化させることによって、電力変換回路20及び蓄電装置3間の入出力電力量の絶対値を増大させ、これによって蓄電側ハンチング現象を抑制する。抑制制御CNTは各定量制御の中で行われる制御であって、抑制制御CNTの実行は各定量制御の内容に影響を与えないが、抑制制御CNTの実行期間中にはMPPT制御が停止される。
抑制制御CNTの具体的方法を説明する。また、第2実施形態の以下の説明では、特に記述なき限り、充電定量制御、放電定量制御、系統出力定量制御又は系統入力定量制御が継続して実行されている状態を想定している。
系統側ハンチング認知タイミング又は蓄電側ハンチング認知タイミング前においては、制御部23は、値IMPPを代入した電流指令値I を電力変換部21Gに与えることでMPPT制御を実現する。この状態では、発電装置4の電力点は電力点401(図14参照)と一致しており、発電装置4からは最大電力量PMPPが発電電力量Pとして電力変換部21Gに出力される。但し、系統側ハンチング検出判定、系統側ハンチング予測判定、蓄電側ハンチング検出判定又は蓄電側ハンチング予測判定が成されると、抑制制御CNTにおいて、制御部23は、電力変換部21Gに供給する電流指令値I を値IMPPから値IQ1又はIQ2へと変更し、これによって発電装置4の電力点を電力点401から電力点402又は403へと変化させる(図14参照)。結果、発電装置4の発電電力量が電力量PMPPから電力量Pへと減少する。
第1実施形態の説明から容易に理解されるように、系統側ハンチング現象の発生時において発電装置4の発電電力量が減少すると、電力変換回路20及び電力系統5間の入出力電力量の絶対値が増大するため、系統側ハンチング現象が適切に抑制される。同様に、蓄電側ハンチング現象の発生時において発電装置4の発電電力量が減少すると、電力変換回路20及び蓄電装置3間の入出力電力量の絶対値が増大するため、蓄電側ハンチング現象が適切に抑制される。
―――抑制制御CNTに対応する解除可否判定処理J―――
制御部23は、抑制制御CNTの実行期間中において、所定の解除条件の成否判定を介して、抑制制御CNTの実行を解除するか否かを判定する解除可否判定処理Jを行うことができる。充電定量制御が成されている状態を想定して解除可否判定処理Jの例を説明する。解除可否判定処理Jにおいて、制御部23は、例えば下記の第1〜第4解除条件の何れかが満たされるとき、抑制制御CNTの実行を解除してMPPT制御を再開することができる。
図16(a)及び(b)を参照して、第1及び第2解除条件について説明する。図16(a)及び(b)において、実線曲線411及び411’は発電装置4の発電電力量の時間推移の第1例及び第2例を表している。今、充電定量制御が成されている状態を想定しているため、制御部23は充電指令量P に蓄電用基準電力量PBREFを代入しており、これによって蓄電装置3の充電電力量は蓄電用基準電力量PBREFと一致している。タイミングtB1に至るまでは、MPPT制御が継続して実行されている。タイミングtB1は系統側ハンチング認知タイミングであり、タイミングtB1において、制御部23は抑制制御CNTの実行を開始し、これによってタイミングtB1を境に発電電力量PがΔPだけ減少する。タイミングtB2及びtB2’はタイミングtB1よりも後のタイミングである。
制御部23は、抑制制御CNTの実行期間中、電流値I及び電圧値Vに基づき(即ち発電電力量Pに基づき)又は電流値IGINT及び電圧値VINTに基づき、上述の充電電力量P’を求める。上述したように、充電電力量P’は、発電電力量Pに基づく充電電力量であり、電力変換の電力損失量をゼロとみなせば(即ち電力変換効率を100%とみなせば)、P’=Pである。
第1解除条件は、下記不等式(A1)を満たす充電電力量P’が観測されたときに充足する。図16(a)の例では、タイミングtB1及びtB2間の各タイミングにおいて充電電力量P’が不等式(A1)を満たさないためタイミングtB1及びtB2間で抑制制御CNTが継続実行されているが、タイミングtB2における充電電力量P’が不等式(A1)を満たすため、制御部23は、タイミングtB2において抑制制御CNTの実行を解除してMPPT制御を再開する。式(A1)の左辺は、電力変換損失を無視すれば(PBREF−P)又は(P −P)と一致する。即ち、式(A1)の成立は、充電基準条件に規定される蓄電用基準電力量PBREF(=充電指令量P )と発電電力量Pとの差が十分に縮まり、MPPT制御を再開した時に系統側ハンチング現象が再度発生しないほど、発電電力量Pが大きくなったことを表している。THB1は、0以上の所定の閾値であるが、ΔPの値よりは小さい(仮に、THB1=ΔPであると、MPPT制御の再開時に、直ちに系統側ハンチング現象が発生するおそれがあるため)。THB1の値の設定等を行うべく、制御部23はΔPの値を保持しておくことができる。
BREF−P’≦THB1 …(A1)
第2解除条件は、下記不等式(A2)を満たす充電電力量P’が観測されたときに充足する。図16(b)の例では、タイミングtB1及びtB2’間の各タイミングにおいて充電電力量P’が不等式(A2)を満たさないためタイミングtB1及びtB2’間で抑制制御CNTが継続実行されているが、タイミングtB2’における充電電力量P’が不等式(A2)を満たすため、制御部23は、タイミングtB2’において抑制制御CNTの実行を解除してMPPT制御を再開する。式(A2)の左辺は、電力変換損失を無視すれば(PBREF−P)又は(P −P)と一致する。即ち、式(A2)の成立は、充電基準条件に規定される蓄電用基準電力量PBREF(=充電指令量P )と発電電力量Pとの差が十分に広がり、MPPT制御を再開した時に系統側ハンチング現象が再度発生しないほど、発電電力量Pが小さくなったことを表している。THB2は、ΔPより大きな所定の閾値である(仮に、THB2=ΔPであると、MPPT制御の再開時に、直ちに系統側ハンチング現象が発生するおそれがあるため)。
BREF−P’≧THB2 …(A2)
次に、第3解除条件を説明する。第3解除条件の成否を確認するため、制御部23は、抑制制御CNTの実行期間中において、電流値I及び電圧値Vに基づき又は電流値IGINT及び電圧値VINTに基づき、充電電力量P’’を求める。充電電力量P’’は、MPPT制御を行ったならば得られたであろう仮想発電電力量に電力変換部21G及び21Bの各電力変換効率を乗じたものに相当する。仮想発電電力量は、抑制制御CNTの実行時における発電電力量PにΔPを加算することで得られる(各電力変換効率が100%であると仮定すれば、P’’は仮想発電電力量(P+ΔP)と一致する)。そして、制御部23は、絶対値|P’’−PBREF|が正である状態が所定時間以上継続して観測された場合に、第3解除条件が充足したと判断する。その観測が成される状況下においてMPPT制御を再開しても、系統側ハンチング現象は発生しないと予想されるからである。
次に、第4解除条件を説明する。制御部23は、抑制制御CNTの実行期間中において、系統側ハンチング検出処理HD1Aを実行し、系統側ハンチング現象の発生が所定回数以上観測されたときに第4解除条件が充足したと判断する。所定回数は1以上の任意の回数であって良い。抑制制御CNTを実行しているのにもかかわらず系統側ハンチング現象が発生する場合、MPPT制御を再開に伴う発電電力量の増大によって、系統側ハンチング現象が回避されるからである。
充電定量制御以外の定量制御が成されている場合において、抑制制御CNTが実行されているときにも上述の解除可否判定処理Jを実行できる。但し、充電定量制御以外の定量制御が成されている場合には、解除可否判定処理Jの内容が以下のように修正される。まず、系統出力又は系統入力定量制御の実行時においては、上述のタイミングtB1は蓄電側ハンチング認知タイミングに相当する。
放電定量制御に対しては、第1〜第3解除条件を以下のように変更すると良い。
放電定量制御に対応する第1及び第2解除条件では、上述の式(A1)及び(A2)が夫々下記式(B1)及び(B2)に変更され、抑制制御CNTの実行期間中に式(B1)又は(B2)を満たす電力量P’ が観測されたときに、制御部23は、第1又は第2解除条件が充足したと判断する(P’の定義については第1実施形態を参照)。Qは、直流負荷8の消費電力量を表す。
’+PBREF−Q≦THB1 …(B1)
’+PBREF−Q≧THB2 …(B2)
また、放電定量制御に関し、制御部23は、抑制制御CNTの実行期間中において、電流値I及び電圧値Vに基づき又は電流値IGINT及び電圧値VINTに基づき、電力量P’’を求める。電力量P’’は、上記仮想発電電力量に電力変換部21Gの電力変換効率を乗じたものに相当する(電力変換効率が100%であると仮定すれば、P’’は仮想発電電力量(P+ΔP)と一致する)。そして、制御部23は、絶対値|P’’+PBREF−Q|が正である状態が所定時間以上継続して観測された場合に、放電定量制御に対応する第3解除条件が充足したと判断する。
放電定量制御に対応する第4解除条件は、充電定量制御について上述した第4解除条件と同じである。
系統出力定量制御に対しては、第1〜第3解除条件を以下のように変更すると良い。
系統出力定量制御に対応する第1及び第2解除条件では、上述の式(A1)及び(A2)が夫々下記式(C1)及び(C2)に変更され、抑制制御CNTの実行期間中に式(C1)又は(C2)を満たす電力量P’ が観測されたときに、制御部23は、第1又は第2解除条件が充足したと判断する(P’の定義については第1実施形態を参照)。
SREF−P’≦THB1 …(C1)
SREF−P’≧THB2 …(C2)
また、系統出力定量制御に関し、制御部23は、抑制制御CNTの実行期間中において、電流値I及び電圧値Vに基づき又は電流値IGINT及び電圧値VINTに基づき、電力量P’’を求める。電力量P’’は、上記仮想発電電力量に電力変換部21G及び21Sの各電力変換効率を乗じたものに相当する(各電力変換効率が100%であると仮定すれば、P’’は仮想発電電力量(P+ΔP)と一致する)。そして、制御部23は、絶対値|P’’−PSREF|が正である状態が所定時間以上継続して観測された場合に、系統出力定量制御に対応する第3解除条件が充足したと判断する。
系統入力定量制御に対しては、第1〜第3解除条件を以下のように変更すると良い。
系統入力定量制御に対応する第1及び第2解除条件では、上述の式(A1)及び(A2)が夫々下記式(D1)及び(D2)に変更され、抑制制御CNTの実行期間中に式(D1)又は(D2)を満たす電力量P’ が観測されたときに、制御部23は、第1又は第2解除条件が充足したと判断する。
’+PSREF−Q≦THB1 …(D1)
’+PSREF−Q≧THB2 …(D2)
また、系統入力定量制御に関し、制御部23は、抑制制御CNTの実行期間中において、電流値I及び電圧値Vに基づき又は電流値IGINT及び電圧値VINTに基づき、上述の電力量P’’を求める。そして、制御部23は、絶対値|P’’+PSREF−Q|が正である状態が所定時間以上継続して観測された場合に、系統入力定量制御に対応する第3解除条件が充足したと判断する。
系統出力定量制御又は系統入力定量制御の実行時において抑制制御CNTが実行された際、制御部23は、蓄電側ハンチング検出処理HD1Cを実行し、蓄電側ハンチング現象の発生が所定回数以上観測されたときに第4解除条件が充足したと判断すると良い。所定回数は1以上の任意の回数であって良い。
[動作フローチャート]
次に、図17を参照して電力変換装置2の動作の流れを説明する。図17は、上述の各種定量制御に注目した、電力変換装置2の動作フローチャートである。ステップS22及びS23は、図13のステップS12及びS13と同じものである。まず、ステップS21において、制御部23は、何れかの定量制御を実行開始すると共にMPPT制御も実行開始する。その後、ステップS22において、制御部23は、入出力電力情報に基づき、上述のハンチング検出処理又は予測処理を行う。続くステップS23において、制御部23は、ハンチング検出判定又は予測判定を成したかをチェックし、何れかの判定を成した場合にはステップS24への移行を発生させて、ハンチング抑制制御CNTの実行を開始する(即ちMPPT制御が停止される)。
ハンチング抑制制御CNTの実行開始後、制御部23は、ハンチング抑制制御CNTの解除可否判定処理Jを行う(ステップS25)。制御部23は、第1〜第4解除条件の何れかが満たされるまでハンチング抑制制御CNTの実行を継続し(ステップS25及びS26)、解除条件の充足が確認されるとハンチング抑制制御CNTの実行を解除して(ステップS27)ステップS22に戻る。上述したように、ハンチング抑制制御CNTの実行の解除によってMPPT制御が再開される。
第2実施形態に係るハンチング抑制制御によっても、第1実施形態と同様、電力系統5の安定性に影響を与えるような系統側ハンチング現象又は蓄電装置3に悪影響を与えかねない蓄電側ハンチング現象を適切に抑制することが可能である。また、第2実施形態におけるハンチング抑制制御は定量制御に影響を与えないため、ハンチング抑制制御の実行期間中も所望通りの定量制御を継続できる。但し、第2実施形態のハンチング抑制制御は、発電電力量の低下を伴う。この点、ハンチング抑制制御の実行時に解除条件の充足有無を監視し、その実行を解除してもハンチング現象が発生しない又は発生しにくいと判断されたときにハンチング抑制制御を解除する方法を採用することにより、ハンチング現象を極力回避しながら、なるだけ多くの発電電力量を発電装置4から引き出すことができる。
尚、ハンチング予測処理を用いずにハンチング検出処理を用いる場合は、ハンチング現象の発生を検出した後にハンチング抑制制御が実行されるため、多少のハンチング現象の発生を許容することになる。これに対し、ハンチング予測処理を用いるようにすれば、ハンチング現象の発生を完全に或いは殆ど完全に回避することができる。但し、ハンチング予測処理を用いる場合は、ハンチング検出処理を用いる場合と比べて、MPPT制御を行う時間が短くなる。ハンチング現象抑制と発電電力量の、どちらを優先するかに応じて、ハンチング検出処理及び予測処理のどちらを実行するかを設定すれば良い。
また、制御部23は、電流指令値I の代わりに電圧値Vを指定する電圧指令値V を電力変換部21Gに与えるようにしても良い。この場合、制御部23は、電力点401に対応する電圧指令値V を電力変換部21Gに与えることでMPPT制御を実現可能であり、抑制制御CNTを行う場合には、電力点402又は403に対応する電圧指令値V を電力変換部21Gに与えればよい。
<<第3実施形態>>
本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る電力供給システム1には、2つの蓄電装置3が設けられており、これに対応して、第3実施形態に係る電力変換回路20には蓄電装置用の電力変換部21Bが2つ設けられている。蓄電装置の特性、構成及び動作を2つの蓄電装置3間で異ならせることも可能であると共に、電力変換部の特性、構成及び動作を2つの電力変換部21B間で異ならせることも可能であるが、ここでは、説明の簡略化上、2つの蓄電装置3の夫々が、第1実施形態で述べた蓄電装置3と同じ特性及び構成を有すると共に第1実施形態で述べた蓄電装置3と同じ動作を実現し、且つ、2つの電力変換部21Bの夫々が、第1実施形態で述べた電力変換部21Bと同じ特性及び構成を有すると共に第1実施形態で述べた電力変換部21Bと同じ動作を実現するものとする。制御部23は、2つの電力変換部21Bの夫々に対して、第1実施形態で述べた電力変換部21Bに対する制御を成すことができる。
2つの蓄電装置3を備えた第3実施形態に係る電力供給システムを符号1aによって参照し、2つの電力変換部21Bを備えた第3実施形態に係る電力変換回路を符号20aによって参照し、電力変換回路20aを備えた第3実施形態に係る電力変換装置を符号2aによって参照する。図18は、第3実施形態に係る電力供給システム1aの概略全体構成図である。以下では、上記2つの蓄電装置3を蓄電装置3及び3aと呼ぶと共に、上記2つの電力変換部21Bを電力変換部21B及び21Baと呼ぶ。図1の電力変換回路20及び電力変換装置2に電力変換部21Baを追加することで図18の電力変換回路20a及び電力変換装置2aが形成される。電力変換部21Baは、電力変換回路20a内に設けられる。図1の電力供給システム1において、電力変換装置2を電力変換装置2aに置き換え且つ蓄電装置3aを追加することで電力供給システム1aが形成される。第1又は第2実施形態の記載を第3実施形態に適用する場合、第1又は第2実施形態の説明文中における符号“1”、“2”及び“20”は、夫々、“1a”、“2a”及び“20a”に読み替えられる。
電力変換部21Baは、電力変換部21Bの電力端子TB1及びTB2に対応する、電力端子TB1a及びTB2aを有する。蓄電装置3aは、電力端子TB1aにて電力変換部21Baに接続され、自身の放電電力を電力変換部21Baに出力することができると共に、電力変換部21Baから充電電力の供給を受けたときには充電される。電力端子TB2a、TB2、TG2及びTS2は、中間配線22によって電力変換回路20a内で共通接続されている。
電力変換回路20aは、制御部23による制御の下、蓄電装置3、蓄電装置3a、発電装置4及び電力系統5間における送電及び受電を行い、この送電及び受電の際、必要な電力変換を行う。電力変換部21Baは、電力端子TB1aを介して蓄電装置3aから受けた直流の放電電力を他の直流電力に変換して該他の直流電力を電力端子TB2aから出力する放電用電力変換と、電力端子TB2aを介して受けた直流電力を他の直流電力に変換して該他の直流電力を電力端子TB1aを介し充電電力として蓄電装置3aに出力する充電用電力変換と、を実行可能である。電力変換部21B、21G及び21Sの動作は、第1実施形態で述べた通りである。但し、蓄電装置3a及び電力変換部21Baの追加に伴い、蓄電装置3、発電装置4又は電力系統5からの電力は蓄電装置3aに送られることもあるし、蓄電装置3aからの電力は蓄電装置3、電力系統5又は直流負荷8に送られることもある。
また、第3実施形態において、制御部23が取得する入出力電力情報は、第1実施形態で述べた各値に加えて、電流センサ及び電圧センサの測定結果に基づく電流値IBa、電圧値VBa及び電流値IBINTaを含み、下記式(1g)及び(1h)によって表される電力量PBa及びPBINTaを含みうる。IBa、VBa及びPBaは、夫々、蓄電装置3aから電力変換部21Baに入力される蓄電装置3aの放電電力における電流値、電圧値及び電力量又は電力変換部21Baから蓄電装置3aに出力される蓄電装置3aの充電電力における電流値、電圧値及び電力量である。IBINTa、INTaは、IBa及びVBaに対応する、電力変換部21Baにおける電力変換前又は後の電流値及び電圧値である。
Ba=VBa×IBa …(1g)
BINTa=VINT×IBINTa …(1h)
制御部23は、入出力電力情報に基づき、電力変換部21B、21Ba、21G及び21Sの各電力変換の動作を含む電力変換回路20aの動作を制御し、電力変換回路20aの動作の制御を介して、蓄電装置3、蓄電装置3a、発電装置4及び電力系統5間の送電及び受電を制御する。
第3実施形態においても、制御部23は、第1実施形態で述べた充電定量制御、放電定量制御、系統出力定量制御及び系統入力定量制御を個別に実行可能である。各定量制御を成す際、蓄電装置3aの充電又は放電状態は問わないが、ここでは、説明の具体化上、後述のハンチング抑制制御CNTが成されていない期間中では、蓄電装置3aの充電及び放電電力はゼロであるとする。また、第2実施形態の説明文でも述べたように、制御部23は、各定量制御の実行期間中に、実行している定量制御に対応するハンチング検出処理(HD1A、HD1B、HD1C、HD1D)又はハンチング予測処理(HP1A、HP1B、HP1C、HP1D)を実行可能である。
―――ハンチング抑制制御CNT―――
充電定量制御又は放電定量制御を実行している期間中において系統側ハンチング検出判定又は系統側ハンチング予測判定を成したとき、或いは、系統出力定量制御又は系統入力定量制御を実行している期間中において蓄電側ハンチング検出判定又は蓄電側ハンチング予測判定を成したとき、制御部23は、電力変換回路20a及び蓄電装置3a間の電力入出力を行うハンチング抑制制御CNTを実行する。電力変換回路20a及び蓄電装置3a間の電力入出力とは、電力変換回路20aから蓄電装置3aへの電力出力又は蓄電装置3aから電力変換回路20aへの電力入力を意味する。電力変換回路20aから蓄電装置3aへの電力出力は、電力変換部21Baから蓄電装置3aへ充電電力を供給することを意味し、蓄電装置3aから電力変換回路20aへの電力入力は、蓄電装置3aの放電電力を電力変換部21Baへ供給することを意味する。
充電定量制御又は放電定量制御に適用されるハンチング抑制制御CNTでは、電力変換回路20a及び蓄電装置3a間の電力入出力によって、電力変換回路20及び電力系統5間の入出力電力量の絶対値を増大させ、これによって系統側ハンチング現象を抑制する。系統出力定量制御又は系統入力定量制御に適用されるハンチング抑制制御CNTでは、電力変換回路20a及び蓄電装置3a間の電力入出力によって、電力変換回路20及び蓄電装置3間の入出力電力量の絶対値を増大させ、これによって蓄電側ハンチング現象を抑制する。抑制制御CNTは各定量制御の中で行われる制御であって、抑制制御CNTの実行は各定量制御の内容に影響を与えない。
図19(a)及び(b)は、充電定量制御の実行期間中に行うことのできる抑制制御CNTの概念図である。図20(a)及び(b)は、放電定量制御の実行期間中に行うことのできる抑制制御CNTの概念図である。図2(c)又は図7(c)の例のような系統側ハンチング現象が検出又は予測されたとき、制御部23は、抑制制御CNTにおいて、図19(a)又は図20(a)に示す如く、電力変換部21Baから所定電力量の充電電力が蓄電装置3aに供給されるように電力変換部21Baを制御する、或いは、図19(b)又は図20(b)に示す如く、蓄電装置3aから所定電力量の放電電力が電力変換部21Baに出力されるように電力変換部21Baを制御する。
図19(a)及び図20(a)の例において、蓄電装置3aの充電電力の全部又は一部は、電力系統5から供給されていると考えることもできるし、発電装置4又は蓄電装置3から供給されていると考えることもできる。
図19(b)及び図20(b)の例において、蓄電装置3aの放電電力の全部又は一部は、電力系統5へ出力されていると考えることもできるし、蓄電装置3又は直流負荷8へ出力されていると考えることもできる。
何れにせよ、このような蓄電装置3aの充電又は放電により電力変換回路20a及び電力系統5間に一定方向の継続的な電力の流れが生まれ、系統側ハンチング現象が抑制される。
図21(a)及び(b)は、系統出力定量制御の実行期間中に行うことのできる抑制制御CNTの概念図である。図22(a)及び(b)は、系統入力定量制御の実行期間中に行うことのできる抑制制御CNTの概念図である。図9(c)又は図11(c)の例のような蓄電側ハンチング現象が検出又は予測されたとき、制御部23は、抑制制御CNTにおいて、図21(a)又は図22(a)に示す如く、電力変換部21Baから所定電力量の充電電力が蓄電装置3aに供給されるように電力変換部21Baを制御する、或いは、図21(b)又は図22(b)に示す如く、蓄電装置3aから所定電力量の放電電力が電力変換部21Baに出力されるように電力変換部21Baを制御する。
図21(a)及び図22(a)の例において、蓄電装置3aの充電電力の全部又は一部は、蓄電装置3から供給されていると考えることもできるし、発電装置4又は電力系統5から供給されていると考えることもできる。図21(b)及び図22(b)の例において、蓄電装置3aの放電電力の全部又は一部は、蓄電装置3へ出力されていると考えることもできるし、電力系統5又は直流負荷8へ出力されていると考えることもできる。何れにせよ、このような蓄電装置3aの充電又は放電により電力変換回路20a及び蓄電装置3間に一定方向の継続的な電力の流れが生まれ、蓄電側ハンチング現象が抑制される。
ハンチング抑制制御CNTの実行期間中に成すことのできる解除可否判定処理は、第1実施形態で述べたものと同様である。即ち、充電定量制御、放電定量制御、系統出力定量制御又は系統入力定量制御を成している場合において抑制制御CNTが実行されたとき、抑制制御CNTの実行期間中において、制御部23は、夫々、上述の解除可否判定処理J1A、J1B、J1C又はJ1Dを成すことができる。解除可否判定処理J1A、J1B、J1C又はJ1Dについての第1実施形態の説明文を第3実施形態に適用する際、第1実施形態における符号“CNT1A”、“CNT1B”、“CNT1C”及び“CNT1D”を全て符号“CNT”に読み替えると良い。
充電定量制御及び抑制制御CNTの実行中に判定処理J1Aにおける解除条件が満たされたとき、放電定量制御及び抑制制御CNTの実行中に判定処理J1Bにおける解除条件が満たされたとき、系統出力定量制御及び抑制制御CNTの実行中に判定処理J1Cにおける解除条件が満たされたとき、又は、系統入力定量制御及び抑制制御CNTの実行中に判定処理J1Dにおける解除条件が満たされたとき、制御部23は抑制制御CNTの実行を解除する、即ち、電力変換回路20a及び蓄電装置3a間の電力入出力を停止する(結果、蓄電装置3aの充電電力及び放電電力はゼロに戻る)。
また、第1実施形態で述べたのと同様、充電定量制御又は放電定量制御と抑制制御CNTの実行期間中において、制御部23は、系統側ハンチング検出処理HD1Aを実行し、系統側ハンチング現象の発生が所定回数(1以上の任意の回数)以上観測されたときに解除条件が充足したと判断して、抑制制御CNTの実行を解除するようにしても良い。同様に、系統出力定量制御又は系統入力定量制御と抑制制御CNTの実行期間中において、制御部23は、蓄電側ハンチング検出処理HD1Cを実行し、蓄電側ハンチング現象の発生が所定回数(1以上の任意の回数)以上観測されたときに解除条件が充足したと判断して、抑制制御CNTの実行を解除するようにしても良い。抑制制御の実行中に発電電力量の増大等が発生すると逆にハンチング現象が発生することもある。このような場合には、抑制制御の解除がハンチング現象の回避に資する。
[動作フローチャート]
次に、図23を参照して電力変換装置2aの動作の流れを説明する。図23は、上述の各種定量制御に注目した、電力変換装置2aの動作フローチャートである。ステップS31〜S33、S35及びS36は、夫々、図13のステップS11〜S13、S15及びS16と同じものである。まず、ステップS31において、制御部23は、何れかの定量制御を実行開始する。その後、ステップS32において、制御部23は、入出力電力情報に基づき、上述のハンチング検出処理又は予測処理を行う。続くステップS33において、制御部23は、ハンチング検出判定又は予測判定を成したかをチェックし、何れかの判定を成した場合にはステップS34への移行を発生させて、ハンチング抑制制御CNTの実行を開始する(即ち、ハンチング抑制用の充放電を蓄電装置3aに行わせる)。
ハンチング抑制制御CNTの実行開始後、制御部23は、ハンチング抑制制御CNTの解除可否判定処理(J1A、J1B、J1C又はJ1D)を行う(ステップS35)。制御部23は、所定の解除条件の何れかが満たされるまでハンチング抑制制御CNTの実行を継続し(ステップS35及びS36)、解除条件の充足が確認されるとハンチング抑制制御CNTの実行を解除して(ステップS37)ステップS32に戻る。上述したように、ハンチング抑制制御CNTの実行の解除によってハンチング抑制用の充放電(蓄電装置3aの充放電)が停止される。
第3実施形態に係るハンチング抑制制御によっても、第1実施形態と同様、電力系統5の安定性に影響を与えるような系統側ハンチング現象又は蓄電装置3に悪影響を与えかねない蓄電側ハンチング現象を適切に抑制することが可能である。また、第3実施形態におけるハンチング抑制制御は定量制御に影響を与えないため、ハンチング抑制制御の実行期間中も所望通りの定量制御を継続できる。但し、第3実施形態のハンチング抑制制御では、本来必要の無い充放電を蓄電装置3aに行わせることになる。この点、ハンチング抑制制御の実行時に解除条件の充足有無を監視し、その実行を解除してもハンチング現象が発生しない又は発生しにくいと判断されたときにハンチング抑制制御を解除する方法を採用することにより、ハンチング現象を極力回避しながら、不必要な充放電をなるだけ抑制することができる。
尚、ハンチング予測処理を用いずにハンチング検出処理を用いる場合は、ハンチング現象の発生を検出した後にハンチング抑制制御が実行されるため、多少のハンチング現象の発生を許容することになる。これに対し、ハンチング予測処理を用いるようにすれば、ハンチング現象の発生を完全に或いは殆ど完全に回避することができる。但し、ハンチング予測処理を用いる場合は、ハンチング検出処理を用いる場合と比べて、上記不必要な充放電の実行時間が多くなり、システム全体の効率が低下する(不必要な充放電に伴う電力変換損失がシステム全体の効率を低下させる)。ハンチング現象抑制とシステムの効率の、どちらを優先するかに応じて、ハンチング検出処理及び予測処理のどちらを実行するかを設定すれば良い。
また、電力供給システム1aに設けられた2つの蓄電装置の内、どちらを蓄電装置3に設定し、どちらを蓄電装置3aに設定するのかは自由である。2つの蓄電装置の内の任意の一方を蓄電装置3として選択すると共に他方を蓄電装置3aとして選択する選択処理を制御部23が成すようにしてもよい。制御部23は、2つの蓄電装置の夫々の劣化度合い(例えば、SOH(State Of Health))を求め、劣化度合いに応じて上記選択処理を行うようにしても良い。また、ハンチング抑制制御CNTにおいて、蓄電装置3aに充電と放電のどちらを行わせるのかを予め固定的に定めておくようにしても良いし、制御部23が蓄電装置3aの残容量に応じて決定するようにしてもよい。
<<変形等>>
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。上述の実施形態に適用可能な注釈事項として、以下に、注釈1〜注釈8を記す。各注釈に記載した内容は、矛盾なき限り、任意に組み合わせることが可能である。
[注釈1]
上述の各実施形態では、蓄電装置3の充電電力量を一定することを充電基準条件が指定していると想定し、これに伴い、充電定量制御が蓄電装置3の充電電力量を一定に保つ制御であることを想定した。しかしながら、充電定量制御が蓄電装置3を一定の充電基準条件下で充電させるものである限り、充電定量制御は各実施形態で例示したものに限定されない。即ち例えば、充電定量制御は、蓄電装置3を一定の電流値で充電させる制御(定電流充電制御)であっても良いし、蓄電装置3を一定の電圧値で充電させる制御(定電圧充電制御)であっても良い。同様に、放電定量制御が蓄電装置3を一定の放電基準条件下で放電させるものである限り、放電定量制御は各実施形態で例示したものに限定されず、例えば、放電定量制御は、蓄電装置3を一定の電流値で放電させる制御(定電流放電制御)であっても良い。
同様に、系統出力定量制御が電力変換回路(20又は20a)から電力系統5へ一定の系統出力基準条件下で電力出力させるものである限り、系統出力定量制御は各実施形態で例示したものに限定されず、例えば、系統出力定量制御は、電力変換回路(20又は20a)から電力系統5への出力電流値(実効値)を一定に保つ制御であっても良い。同様に、系統入力定量制御が電力系統5から電力変換回路(20又は20a)へ一定の系統入力基準条件下で電力入力させるものである限り、系統入力定量制御は各実施形態で例示したものに限定されず、例えば、系統入力定量制御は、電力系統5から電力変換回路(20又は20a)への入力電流値(実効値)を一定に保つ制御であっても良い。
[注釈2]
注釈1の記載からも理解されるように、充電定量制御において、制御部23は、電力についての充電指令量P の代わりに、電力変換部21Bから蓄電装置3に供給される充電電流の電流値Iを指定する充電指令量I を生成して電力変換部21Bに与えても良く、電力変換部21Bは、充電指令量I にて指定された電流値を持つ充電電流を蓄電装置3に供給するべく充電用電力変換を行っても良い。充電定量制御において、制御部23は、充電指令量I に蓄電用基準電流量IBREFの値を代入することで蓄電装置3を一定の蓄電用基準電流量IBREFで充電させることができる。この場合、充電基準条件は蓄電装置3を一定の蓄電用基準電流量IBREFで充電することを指定していることになる。尚、本明細書において、用語“電流値”と用語“電流量”は同義であり、用語“電圧値”と用語“電圧量”は同義である。
同様に、放電定量制御において、制御部23は、電力についての放電指令量P の代わりに、蓄電装置3の放電電流の電流値Iを指定する放電指令量I を生成して電力変換部21Bに与えても良く、電力変換部21Bは、放電指令量I にて指定された電流値を持つ放電電流が蓄電装置3から出力されるように放電用電力変換を行っても良い。放電定量制御において、制御部23は、放電指令量I に蓄電用基準電流量IBREFの値を代入することで蓄電装置3を一定の蓄電用基準電流量IBREFで放電させることができる。この場合、放電基準条件は蓄電装置3を一定の蓄電用基準電流量IBREFで放電させることを指定していることになる。
同様に、系統出力定量制御において、制御部23は、電力についての系統出力指令量P の代わりに、電力変換部21Sから電力系統5への出力電流の電流値Iを指定する系統出力指令量I を生成して電力変換部21Sに与えても良く、電力変換部21Sは、系統出力指令量I にて指定された電流値を持つ電流が電力変換部21Sから電力系統5へ出力されるように系統出力用電力変換を行っても良い。系統出力定量制御において、制御部23は、系統出力指令量I に系統用基準電流量ISREFの値を代入することで電力変換部21Sから電力系統5へ一定の電流量ISREFで電流出力を行わせることができる。この場合、系統出力基準条件は電力変換回路(20又は20a)から電力系統5に対して一定の系統用基準電流量ISREFで電流出力を行うことを指定していることになる。
同様に、系統入力定量制御において、制御部23は、電力についての系統入力指令量P の代わりに、電力系統5から電力変換部21Sへの入力電流の電流値Iを指定する系統入力指令量I を生成して電力変換部21Sに与えても良く、電力変換部21Sは、系統入力指令量I にて指定された電流値を持つ電流が電力系統5から電力変換部21Sへ入力されるように系統入力用電力変換を行っても良い。系統入力定量制御において、制御部23は、系統入力指令量I に系統用基準電流量ISREFの値を代入することで電力系統5から電力変換部21Sへ一定の電流量ISREFで電流入力を行わせることができる。この場合、系統入力基準条件は電力系統5から電力変換回路(20又は20a)に対して一定の系統用基準電流量ISREFで電流入力を行うことを指定していることになる。
[注釈3]
発電装置4の発電電力量に依存する電圧値と電流値の双方を用いた予測処理HP1A及びHP1B並びに解除可否判定処理J1A及びJ1Bを上述した。しかしながら、電圧値V及び電圧値V間の比、電圧値VINT及び電圧値V間の比、又は、電圧値V、V及びVINTが制御部23にとって既知であるならば、制御部23は、発電装置4の発電電力量に応じた電流値の情報のみを用いて、即ち電流値I又はIGINTのみを用いて予測処理HP1A及びHP1B並びに解除可否判定処理J1A及びJ1Bを成すこともできる。この際、上述の処理HP1A、HP1B、J1A及びJ1Bにおいて、既知の電圧の情報を用いて任意の“電力量”及び“電力量を表す記号”を“電流値”及び“電流値を表す記号”に変換すれば良く、この変換を介して実現される処理は、上述の処理HP1A、HP1B、J1A及びJ1Bと等価である。
例えば、説明の簡略化上、電力変換部21G及び21Bの電力変換効率を100%とみなせば、|P’−PBREF|=|I・V−IBREF・V|=|IGINT・VINT−IBREF・V|である(予測処理HP1A参照)。故に、比“V/V”又は比“VINT/V”が既知であるならば、予測処理HP1Aにおいて、絶対値|P’−PBREF|の代わりに絶対値|I・V/V−IBREF|又は|IGINT・VINT/V−IBREF|を用い(これが上記変換に相当する)、絶対値|I・V/V−IBREF|又は|IGINT・VINT/V−IBREF|を上記閾値TH1Aと比較すればよい。
同様に、電圧値V及び電圧値(実効値)V間の比、電圧値VINT及び電圧値(実効値)Vの比、又は、電圧値V、V及びVINTが制御部23にとって既知であるならば、制御部23は、電流値I又はIGINTのみを用いて予測処理HP1C及びHP1D並びに解除可否判定処理J1C及びJ1Dを成すこともできる。この際、上述の処理HP1C、HP1C、J1C及びJ1Dにおいて、既知の電圧の情報を用いて任意の“電力量”及び“電力量を表す記号”を“電流値”及び“電流値を表す記号”に変換すれば良く、この変換を介して実現される処理は、上述の処理HP1C、HP1C、J1C及びJ1Dと等価である。
同様に、第2実施形態において、電圧値V及び電圧値V間の比、電圧値VINT及び電圧値V間の比、電圧値V及び電圧値(実効値)V間の比、電圧値VINT及び電圧値(実効値)Vの比、電圧値V、V及びVINT、又は、電圧値V、V及びVINTが制御部23にとって既知であるならば、制御部23は、電流値I又はIGINTのみを用いて解除可否判定処理Jを成すこともできる。この際、上述の解除可否判定処理Jにおいて、既知の電圧の情報を用いて任意の“電力量”及び“電力量を表す記号”を“電流値”及び“電流値を表す記号”に変換すれば良く、この変換を介して実現される処理は、上述の解除可否判定処理Jと等価である。
[注釈4]
上述したように、充電定量制御では蓄電装置3の充電の条件(以下、充電条件という)が充電基準条件にて指定され、放電定量制御では蓄電装置3の放電の条件(以下、放電条件という)が放電基準条件にて指定され、系統出力定量制御では電力変換回路(20又は20a)から電力系統5への電力の出力条件(以下、系統出力条件という)が系統出力基準条件にて指定され、系統入力定量制御では電力系統5から電力変換回路(20又は20a)への電力の入力条件(以下、系統入力条件という)が系統入力基準条件にて指定されている。
第1実施形態では、充電基準条件が蓄電用基準電力量PBREFを定めていることを想定した上で、充電条件を充電基準条件から変化させるハンチング抑制制御CNT1Aの具体的方法を説明したが、上述の方法は、充電条件を充電基準条件から変化させるための一手法に過ぎない。
即ち、抑制制御CNT1Aは、蓄電装置3の充電条件(充電における電力量、電流値又は電圧値の条件)を充電基準条件から変化させることのできる任意の方法によって実現可能である。例えば、充電定量制御において、制御部23が電流値Iを指定する電流指令量I を電力変換部21Bに与えている場合、即ち制御部23が電流値Iの制御を介して充電定量制御を実現している場合においてハンチング抑制制御CNT1Aを成すとき、制御部23は、電流指令量I を充電基準条件に従う電流値(IBREF)から変化させることで充電条件を充電基準条件から変化させてもよい。或いは例えば、充電定量制御において、制御部23が電圧値Vを指定する電圧指令量V を電力変換部21Bに与えている場合、即ち制御部23が電圧値Vの制御を介して充電定量制御を実現している場合においてハンチング抑制制御CNT1Aを成すとき、制御部23は、電圧指令量V を充電基準条件に従う電圧量VBREFから変化させることで充電条件を充電基準条件から変化させてもよい(PBREF=IBREF×VBREF)。何れにせよ、抑制制御CNT1Aによる充電条件の変化は蓄電装置3の充電電力量の変化(例えば、PBREFからの変化)を伴う。
同様に、抑制制御CNT1Bは、蓄電装置3の放電条件(放電における電力量、電流値又は電圧値の条件)を放電基準条件から変化させることのできる任意の方法によって実現可能である。例えば、放電定量制御において、制御部23が電流値Iを指定する電流指令量I を電力変換部21Bに与えている場合、即ち制御部23が電流値Iの制御を介して放電定量制御を実現している場合においてハンチング抑制制御CNT1Bを成すとき、制御部23は、電流指令量I を放電基準条件に従う電流値(IBREF)から変化させることで放電条件を放電基準条件から変化させてもよい。或いは例えば、放電定量制御において、制御部23が電圧値Vを指定する電圧指令量V を電力変換部21Bに与えている場合、即ち制御部23が電圧値Vの制御を介して放電定量制御を実現している場合においてハンチング抑制制御CNT1Bを成すとき、制御部23は、電圧指令量V を放電基準条件に従う電圧量VBREFから変化させることで放電条件を放電基準条件から変化させてもよい。何れにせよ、抑制制御CNT1Bによる放電条件の変化は蓄電装置3の放電電力量の変化(例えば、PBREFからの変化)を伴う。
、I 及びV は、何れも、充電条件又は放電条件を指定する指令量(充放電指令量)の一種である。PBREF、IBREF及びVBREFは、何れも、充電基準条件又は放電基準条件に従った基準量(充放電基準量)の一種である。
同様に、抑制制御CNT1Cは、系統出力条件(電力変換回路(20又は20a)から電力系統5への電力出力における電力量、電流値又は電圧値の条件)を系統出力基準条件から変化させることのできる任意の方法によって実現可能である。例えば、系統出力定量制御において、制御部23が電流値Iを指定する電流指令量I を電力変換部21Sに与えている場合、即ち制御部23が電流値Iの制御を介して系統出力定量制御を実現している場合においてハンチング抑制制御CNT1Cを成すとき、制御部23は、電流指令量I を系統出力基準条件に従う電流値(ISREF)から変化させることで系統出力条件を系統出力基準条件から変化させてもよい。或いは例えば、系統出力定量制御において、制御部23が電圧値Vを指定する電圧指令量V を電力変換部21Sに与えている場合、即ち制御部23が電圧値Vの制御を介して系統出力定量制御を実現している場合においてハンチング抑制制御CNT1Cを成すとき、制御部23は、電圧指令量V を系統出力基準条件に従う電圧量VSREFから変化させることで系統出力条件を系統出力基準条件から変化させてもよい(PSREF=ISREF×VSREF)。何れにせよ、抑制制御CNT1Cによる系統出力条件の変化は電力変換回路(20又は20a)から電力系統5への出力電力量の変化(例えば、PSREFからの変化)を伴う。
同様に、抑制制御CNT1Dは、系統入力条件(電力系統5から電力変換回路(20又は20a)への電力入力における電力量、電流値又は電圧値の条件)を系統入力基準条件から変化させることのできる任意の方法によって実現可能である。例えば、系統入力定量制御において、制御部23が電流値Iを指定する電流指令量I を電力変換部21Sに与えている場合、即ち制御部23が電流値Iの制御を介して系統入力定量制御を実現している場合においてハンチング抑制制御CNT1Dを成すとき、制御部23は、電流指令量I を系統入力基準条件に従う電流値(ISREF)から変化させることで系統入力条件を系統入力基準条件から変化させてもよい。或いは例えば、系統入力定量制御において、制御部23が電圧値Vを指定する電圧指令量V を電力変換部21Sに与えている場合、即ち制御部23が電圧値Vの制御を介して系統入力定量制御を実現している場合においてハンチング抑制制御CNT1Dを成すとき、制御部23は、電圧指令量V を系統入力基準条件に従う電圧量VSREFから変化させることで系統入力条件を系統入力基準条件から変化させてもよい。何れにせよ、抑制制御CNT1Dによる系統入力条件の変化は電力系統5から電力変換回路(20又は20a)への入力電力量の変化(例えば、PSREFからの変化)を伴う。
、I 及びV は、何れも、系統出力条件又は系統入力条件を指定する指令量(系統入出力指令量)の一種である。PSREF、ISREF及びVSREFは、何れも、系統出力基準条件又は系統入力基準条件に従った基準量(系統入出力基準量)の一種である。
[注釈5]
制御部23が取得すべき入出力電力情報に電圧値、電流値及び電力量を表す情報が全て含まれている必要は必ずしも無い。第1〜第3実施形態において、入出力電力情報は、電圧値を表す電圧情報(即ち、V、V、V及びVINT、又は、V、VBa、V、V及びVINT)、電流値を表す電流情報(即ち、I、I、I、IBINT、IGINT及びISINT、又は、I、IBa、I、I、IBINT、IBINTa、IGINT及びISINT)、及び、電力量を表す電力情報(即ち、P、P、P、PBINT、PGINT及びPSINT、又は、P、PBa、P、P、PBINT、PBINTa、PGINT及びPSINT)の内、少なくとも1つの情報を含んでいれば良い。
[注釈6]
電力変換部21B、21Ba、21G及び21Sは、夫々、蓄電装置3、蓄電装置3a、発電装置4及び電力系統5に接続される第1蓄電側回路、第2蓄電側回路、発電側回路及び系統側回路の例であり、第1蓄電側回路、第2蓄電側回路、発電側回路又は系統側回路に、電力変換部21B、21Ba、21G又は21Sを形成する回路以外の回路が更に含まれていても良い。
[注釈7]
第1〜第3実施形態の夫々において、図24(a)に示す如く、中間配線22に対し直流負荷8と二次電池8aが接続されていても良い。二次電池8aは、任意の種類の1以上の二次電池(例えばリチウムイオン電池、ニッケル水素電池)から成る。二次電池8aは、例えば、電気自動車等の電動車両に搭載される電池である。中間配線22に対し直流負荷8と二次電池8aが接続される場合、第1〜第3実施形態の説明文を含む上述の各説明文において、直流負荷8へ送られる電力を直流負荷8及び二次電池8aへ送られる電力とみなせば良く、即ち例えば、直流負荷8の消費電力を直流負荷8の消費電力及び二次電池8aの充電電力との合計とみなすと共に直流負荷8への供給電力を直流負荷8及び二次電池8aへの供給電力とみなせば良い。尚、中間配線22に対し直流負荷8と二次電池8aが接続される場合、中間配線22と直流負荷8及び二次電池8aとの間に1以上の電力変換部を介在させても良い。
或いは、第1〜第3実施形態の夫々において、図24(b)に示す如く、中間配線22に対し直流負荷8の代わりに二次電池8aが接続されていても良い。図24(b)に示す構成では、中間配線22に直流負荷8が接続されていない。中間配線22に対し直流負荷8が接続されずに二次電池8aが接続される場合、第1〜第3実施形態の説明文を含む上述の各説明文において、直流負荷8へ送られる電力を二次電池8aへ送られる電力とみなせば良く、即ち例えば、直流負荷8の消費電力を二次電池8aの充電電力とみなすと共に直流負荷8への供給電力を二次電池8aへの供給電力とみなせば良い。尚、中間配線22に対し直流負荷8が接続されずに二次電池8aが接続される場合、中間配線22と二次電池8aとの間に電力変換部を介在させても良い。
[注釈8]
制御部23を、ハードウェア、或いは、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって構成することができる。ソフトウェアを用いて実現される機能をプログラムとして記述し、該プログラムをプログラム実行装置(例えばコンピュータ)上で実行することによって、その機能を実現するようにしてもよい。具体的には例えば、制御部23にCPU(Central Processing Unit)を設けておき、図示されないフラッシュメモリに格納されたプログラムを当該CPUに実行させることで、必要な機能を実現することができる。
1、1a 電力供給システム
2、2a 電力変換装置
3、3a 蓄電装置
4 発電装置
5 電力系統
8 直流負荷
20、20a 電力変換回路
21B、21Ba、21G、21S 電力変換部
22 中間配線
23 制御部

Claims (4)

  1. 充電及び放電が可能な第1蓄電装置に接続される第1蓄電側回路、充電及び放電が可能な第2蓄電装置に接続される第2蓄電側回路、発電を行って発電電力を出力する発電装置に接続される発電側回路及び電力系統に接続される系統側回路を有し、電力変換を介して前記第1蓄電装置、前記第2蓄電装置、前記発電装置及び前記電力系統間における送電及び受電を行う電力変換回路と、
    前記電力変換回路を制御することで前記送電及び受電を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記発電電力の不足分又は余剰分を前記電力変換回路及び前記電力系統間の電力の入出力にて吸収しつつ、前記発電装置の発電電力を用いて前記第1蓄電装置を一定の第1基準条件下で充電する、又は、前記発電装置の発電電力及び前記第1蓄電装置の放電電力を用いて前記電力変換回路に接続された負荷及び二次電池の少なくとも一方に電力供給を行うべく前記第1蓄電装置を一定の第2基準条件下で放電させる定量制御を実行し、
    前記定量制御において、前記電力変換回路及び前記電力系統間の電力の入出力の切り替えが所定時間内に所定回数以上検出されたとき、或いは、前記発電装置の発電電力量又は前記発電電力量に応じた値と前記第1基準条件又は前記第2基準条件とに基づいて前記切り替えの発生が予測されたとき、前記制御部は、前記電力変換回路から前記第2蓄電装置への電力出力又は前記第2蓄電装置から前記電力変換回路への電力入力を行うことで前記切り替えを抑制する抑制制御を実行する
    ことを特徴とする電力変換装置。
  2. 充電及び放電が可能な第1蓄電装置に接続される第1蓄電側回路、充電及び放電が可能な第2蓄電装置に接続される第2蓄電側回路、発電を行って発電電力を出力する発電装置に接続される発電側回路及び電力系統に接続される系統側回路を有し、電力変換を介して前記第1蓄電装置、前記第2蓄電装置、前記発電装置及び前記電力系統間における送電及び受電を行う電力変換回路と、
    前記電力変換回路を制御することで前記送電及び受電を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記発電電力の不足分又は余剰分を前記第1蓄電装置の充電又は放電にて吸収しつつ、前記発電装置の発電電力を用いて前記電力変換回路から前記電力系統へ一定の第1基準条件下で電力を出力する、又は、前記発電電力と前記電力系統から前記電力変換回路への入力電力とを用いて前記電力変換回路に接続された負荷及び二次電池の少なくとも一方に電力供給を行うべく前記電力系統から前記電力変換回路へ一定の第2基準条件で電力を入力する定量制御を実行し、
    前記定量制御において、前記電力変換回路及び前記第1蓄電装置間の電力の入出力の切り替えが所定時間内に所定回数以上検出されたとき、或いは、前記発電装置の発電電力量又は前記発電電力量に応じた値と前記第1基準条件又は前記第2基準条件とに基づいて前記切り替えの発生が予測されたとき、前記制御部は、前記電力変換回路から前記第2蓄電装置への電力出力又は前記第2蓄電装置から前記電力変換回路への電力入力を行うことで前記切り替えを抑制する抑制制御を実行する
    ことを特徴とする電力変換装置。
  3. 前記制御部は、前記抑制制御の実行期間中において、前記発電装置の発電電力量又は前記発電電力量に応じた値と、前記第1基準条件又は前記第2基準条件とに基づき、所定の解除条件が満たされると判断した場合に、前記抑制制御の実行を解除する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記制御部は、前記抑制制御の実行期間中において、前記切り替えが検出されたとき前記抑制制御の実行を解除する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。
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