JP2013138373A - ディスク振動子及び電子部品 - Google Patents

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Takahiro Otsuka
隆宏 大塚
Tomotaka Kuroda
智孝 黒田
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Abstract

【課題】製造工程が比較的簡素で、周波数調整が容易なディスク振動子を提供する。
【解決手段】ディスク振動子1は、ベース基板9上に支持部20を介して支持されるるディスク状の振動板2を有し、入力電極3は振動板2をワイングラスモードで振動させるために、当該振動板2を介して互いに対向するように一対配置され、出力電極3は、振動板2の振動に基づく出力信号を取り出すために、入力電極3が対向する方向と交叉する方向に一対配置される。これら一対の入力電極3または出力電極4を対向電極と呼ぶとき、梁部37はこれら対向電極を同電位とするために振動板2の上方側に架け渡されてこれら対向電極同士を接続する。このとき、梁部37は、平面的に見て振動板2の中央部を避けるように配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディスク状の振動板がワイングラスモードで振動するように構成された輪郭振動型のディスク振動子(ディスクレゾネータ)及びこのディスク振動子を備えた電子部品に関する。
MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の一種であるディスク振動子として、例えばシリコン基板の上方に、支持部(アンカ)を介して円板状の振動板(ディスク)を保持し、振動板を励振させるための入力電極(駆動電極)や信号の出力を行うための出力電極(検出電極)を当該振動板の周囲の4箇所に配置した構造が知られている(例えば特許文献1参照。括弧内の単語は特許文献1にて使用されている単語である)。
これらの入力電極や出力電極は、ディスク振動子を平面的に見たとき、同種の電極同士が振動板を介して互いに対向するように設けられ、入力電極の対と出力電極の対とは互いに交叉する方向に配置される。そして、入力電極には入力用の共通の信号線が接続される一方、出力電極には出力用の共通の信号線が接続される。
ところが、このように振動板を介して交叉するように配置された入力電極と出力電極の各々に、入力用、出力用の信号線を接続する構造を基板上に形成しようとすると、信号線同士が交叉する部位が発生する。このため、絶縁層を介して両信号線を上下に積み重ねたり、基板に貫通孔を形成して一方側の信号線を基板の裏面側まで引き回したりするなど特種な構造が必要となり、製造工程が複雑化する。
このような問題を回避するため、振動板の上方側に、入力電極同士、または出力電極同士を電気的に繋ぐ梁状の部材(以下、梁部という)を架け渡し、当該電極と信号線との接続点を一つにまとめることにより、信号線同士の交叉を避ける構造が採用されることがある。ところが、ディスク振動子の製造工程においては、周波数調整のために振動板の上面をレーザーで削る場合があり、その上方側に梁部が設けられていると周波数調整が困難になるおそれがある。
特表2006−518119号公報:段落0038、図3
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、製造工程が比較的簡素で、周波数調整が容易なディスク振動子を提供することにある。
本発明に係るディスク振動子は、ベース基板上に支持部を介して支持されると共にバイアス電圧が印加されるディスク状の振動板を有する輪郭振動型のディスク振動子において、
前記振動板をワイングラスモードで振動させるために、平面的に見て当該振動板を介して互いに対向するように配置された一対の入力電極と、
前記振動板の振動に基づく出力信号を取り出すために、平面的に見て前記一対の入力電極同士が対向する方向と交叉する方向に、前記振動板を介して互いに対向するように配置された一対の出力電極と、
前記一対の入力電極または出力電極を対向電極と呼ぶとき、これらの対向電極を同電位とするために、前記振動板の上方側に架け渡されて対向電極同士を接続する梁部と、を備え、
この梁部は、平面的に見て前記振動板の中央部を避けるように配置されていることを特徴とする。
上述のディスク振動子は、以下の特徴を備えていてもよい。
(a)前記振動板の半径をr、この振動板の中心からの距離をdとしたとき、前記中央部は、d/rの値が0.395以下となる範囲内の領域であること。
(b)前記梁部は、平面的に見て前記振動板の中央部を避けるように互いに間隔をおいて2本設けられていること。
また、他の発明に係わる電子部品は、上述のディスク振動子を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、ディスク振動子は周波数調整を行う際の感度が振動板の中央部において高くなるので、対向電極を同電位にするための梁部を振動板の上方側に架け渡すにあたって、前記中央部を避けるようにして梁部を配置することにより周波数調整を行いやすいディスク振動子を得ることができる。
発明のディスク振動子の要部の概略構成を電気的結線と共に示す平面図である。 前記ディスク振動子の斜視図である。 基板上に設けられた導電膜を示す斜視図である。 前記ディスク振動子が振動する様子を模式的に示す平面図である。 振動板の削り位置と周波数変化との関係を示す説明図である。 前記ディスク振動子の製造工程を示す第1の説明図である。 前記ディスク振動子の製造工程を示す第2の説明図である。 前記ディスク振動子の製造工程を示す第3の説明図である。 前記ディスク振動子の製造工程を示す第4の説明図である。 前記ディスク振動子の製造工程を示す第5の説明図である。 前記ディスク振動子の製造工程を示す第6の説明図である。 他の実施の形態に係わるディスク振動子の平面図である。
本発明の実施の形態に係るディスク振動子1は図1、2に示すように、ディスク状の振動体である振動板2と、この振動板2の周囲に周方向に等間隔に配置された4つの電極30とを備えている。ここで本発明では板状の振動子を総称してディスク振動子としており、円板状に限らず四角形や楕円状も含むものとする。この振動板2は、振動板2の周囲の4箇所に設けられた後述の支持部20を介して、基板9(ベース基板)上に隙間を空けて支持されている。前記電極30をコルピッツ回路などの発振回路に接続して周波数信号を印加すると、所定の共振周波数にてワイングラスモード(compound(2,1)mode)で共振(振動)するように構成されている。
基板9は下層よりシリコン(Si)基板11、リン(P)をドープしたシリコン膜(シリコン膜12)、酸化シリコン膜13、窒化シリコン膜14が積層されている。
振動板2は、直径寸法が、例えば76μmの円板状の部材であり、例えばポリシリコンを堆積させて構成されている。また、当該基板9上には、振動板2の側面に対して隙間を空けて離れた位置に4つの電極30が設けられている。これらの電極30は、振動板2の周方向に沿って等間隔で配置されており、言い替えると振動板2を中心にして、四方に電極30が配置された状態となっている。これら4つの電極30は、振動板2を介して対向する電極30同士が対をなしており、一対の電極30が入力電極3を構成し、これら入力電極3と交叉する方向に配置された一対の電極30が出力電極4を構成している。
図3は振動板2及び電極30の下方側における基板9の表面の構造を示しており、当該面には導電膜17がパターニングされている。導電膜17は、電極30への周波数信号を入出力が行われる信号線や振動板2にバイアス電圧を印加するバイアス電圧印加部38をこれら電極30や振動板2に接続する役割を果たす。
導電膜17は、振動板2の投影領域に形成された円形部31と、各電極30の下方位置に形成された電極配置部32と、これら4つの電極配置部32の間に配置され、夫々円形部31の外周から外方へ延びだすように形成された延びだし部33と、を備えている。また、延びだし部33の内の1つには、引き出し用の導電路39が接続されている。
円形部31、電極配置部32、延びだし部33及び導電路39は例えばシリコン膜などからなる導電材料により構成されている。引き出し用の導電路39は基板9上を引き回された後、ワイヤ等の導電体を介して基板9の外部に設けられたバイアス電圧印加部38と接続されている。
図2に示すように前述の4つの電極配置部32からは、垂直上方に伸ばされるように概略箱型形状の電極30が形成されている。電極30は、電極配置部32から垂直上方に、振動板2より僅かに高い位置まで多結晶シリコンを堆積させることなどにより形成され、当該電極30の振動板2側の面は振動板2の周縁に沿った形状に婉曲している。また電極30の上端部には、振動板2の周縁部側へ向けて逆L字状に張り出した張り出し部分が形成されている。
上述の構成を備えることにより、各電極30の側面と振動板2の外周面、及び電極30の張り出し部分の下面と振動板2の周縁部の上面が、夫々隙間を介して対向した状態となる。なお、図2に示した各電極30に形成されている凹部は、電極30を堆積させる際に形成されるものである。
上述の二対の電極30のうち、例えば入力電極3同士は、振動板2の上方に隙間を空けて架け渡された梁部37により接続されており、互いに同電位となっている。例えばこの梁部37は電極30と同様に多結晶シリコンなどにより構成される。この梁部37により互いに接続された入力電極3の一方側が信号線を介して入力ポート34に接続される。梁部37によって接続された入力電極3は、本実施の形態の対向電極に相当する。
一方、上述の入力電極3と交叉する方向に配置された出力電極4は、各々信号線を介して出力ポート35に接続される。既述のように入力電極3と入力ポート34との接続部が一つにまとまっていることにより、入力電極3に接続される信号線と出力電極4に接続される信号線との交叉を回避することができる。そして、入力ポート34、出力ポート35を発振回路に接続することにより、予め調整された共振周波数でディスク振動子1が共振する。
このとき振動板2は、図4に示すように当該振動板2を挟んで配置された入力電極3との静電結合により、夫々の入力電極3の配置方向に沿って、半径方向に伸縮振動を繰り返し、ワイングラスモードで振動する。また入力電極3を結ぶと共に振動板2の中心を通る直線と45°の角度をなす位置には、振動の節(ノード)Nが当該振動板2の半径方向に沿って各々形成される。
各々の振動の節Nの位置には、振動板2の外周端から半径方向に向かって、4本の支持梁22が突出するように伸び出している。基板9上にて円形部32の外周から延び出している既述の延びだし部33(図3参照)はこれら支持梁22の下方投影領域に位置している。支持梁22は振動板2と一体に構成され、その先端部は支持梁22の長さ方向に対して、横に少し膨らんだ角型部分として形成されると共にこの角型部分の中央に角形の貫通孔28が形成されている。この角形部分は、当該支持梁22を固定するための固定部23としての役割を果たす。
前記貫通孔28には基板9表面の延びだし部33に設けられた固定柱24が密合した状態で貫通していると共に、固定柱24は貫通孔28よりも上方位置にて拡大している。この固定柱24も多結晶シリコンなどで構成されていることから、支持梁22は固定柱24を介して既述の引き出し用の導電路39に電気的に接続されていることになる。
以上に説明した支持梁22と、固定部23と、固定柱24とは、本実施の形態の支持部20を構成し、振動板2はこれら支持部20により四方から支持されることにより、基板9の表面上に設けられた導電膜17である円形部31に対して隙間を空けて対向するように保持されている。支持梁22の途中に設けられている21は、支持梁22の伸縮を吸収するためのダンパーであり、27はダンパー21に設けられた開口部である。
また振動板2や電極30などから離れた位置には、基板9を構成する酸化シリコン膜13及び窒化シリコン膜14をエッチングして形成された凹部を介して、下層側のシリコン膜12に接続される接地ポート36が設けられている(図11参照)。このシリコン膜12は図示しない接地電極を介して接地されており、例えばディスク振動子1を製造した後、当該ディスク振動子1の共振周波数などの特性を評価する時に用いられるアース端子などがこの接地ポート36に接続される。
以上に説明した構成を備える本発明のディスク振動子1において、振動板2の上方に架け渡され、入力電極3同士を電気的に接続する梁部37は、平面的に見て振動板2の中央部を避けるように配置されている。図1、2に示した本例のディスク振動子1では、振動板2の中央部の上方位置から側方にずれた位置に、2本の梁部37が架け渡されている。
このように振動板2の中央部を避けて梁部37が設けられていることにより、ディスク振動子1を製造した後の周波数調整の際などにおいて、当該中央部にレーザーを当てて振動板2を削るトリム作業が行い易くなる。
例えば図5は、図4に示すディスク振動子1において、振動板2を削る位置を変化させたときの周波数変化の様子を示している。横軸は、図1に示した振動板2の中心O点から削り位置までの半径方向への距離d[μm]、縦軸は相対的な周波数変化Δf/f[ppm]である。ここでfはトリム作業を行う前の基準の共振周波数[MHz]、Δfはトリム作業後の共振周波数f[MHz]と基準の共振周波数fとの周波数差「f−f」である。また、振動板2は、直径76μm、厚さ2μmのポリシリコン円板を用い、各削り位置における削り量(レーザーの強度、照射時間)は一定とした。
図5によれば、振動板2の中心部O点を削り位置としたときの周波数変化が最も大きく、周縁部に近づくに従って変化が小さくなっていることが分かる。中心部O点からの距離dが15μm以内、より好適には7μm以内の領域に削り位置を設定することにより、その周縁部側を削り位置とする場合に比べて短時間で周波数調整を行うことができる。このような理由により、本例のディスク振動子1は、単位削り量あたりの周波数変化の感度が高い振動板2の中央部の上方領域を避けて、2本の梁部37を設けている。
ここで削り量を一定としたとき、削り位置が振動板2の中心部O点から離れる程、周波数変化(Δf/f)が小さくなるという現象は、上述の実験例に対して振動板2の半径を変化させた場合にも発生する。そして、振動板2の半径をr[μm]、中心O点から削り位置までの半径方向への距離をd[μm]としたとき、d/rの値が同じであれば、周波数変化(Δf/f)はほぼ一致することを確認している。従って、半径rの振動板2の場合について、中心からの相対的な距離d/rの値は、0.395(=15/(76/2))以内、より好適には0.184(=7/(76/2))以下となる範囲内の領域に削り位置を設定することが好ましいといえる。
また、図11に示すように梁部37は、振動板1との間に隙間を介して配置されているところ、後述の製造工程の説明にて述べるように、当該隙間は梁部37の下方側に形成された犠牲膜をウェットエッチングにより除去することなどにより形成される。一方、従来のディスク振動子に設けられていた梁部は、図1に示した2本の梁部37や両梁部37の間の隙間に跨がって形成される太いものであった。
このような太い梁部を振動板2の上方に配置すると、ウェットエッチングに用いたエッチング液を乾燥させる際の表面張力の影響により、梁部が振動板2に付着するスティッキングが発生するおそれが高くなる。一方、スティッキングの発生を避けるために梁部を細くしていくと、多結晶シリコンは通常の信号線に比べて導電率が小さいため、梁部で接続された入力電極3同士が同電位になるまでの応答が遅くなり、周波数特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
そこで本例のディスク振動子1は、スティッキングが発生しない程度の太さの梁部37を複数本、本例では2本設けることにより、入力電極3同士が同電位となる応答を悪化させないようにしている。従って、本発明のディスク振動子1に設ける梁部37の本数は2本に限定されるものではなく、振動板2の中央部の上方位置を避けて配置されていれば、3本以上の梁部37を設けてもよい。また、スティッキングが発生しにくい梁部37の太さとして10〜20μm程度の寸法を例示することができる。
以上説明したディスク振動子1を製造する方法の一例について、以下の図6〜8を参照して説明する。初めに図6(a)に示すようにシリコン基板11に対してリンイオンを打ち込むと共に当該シリコン基板11を加熱して、その表面にリンを拡散させて、リンをドープしたシリコン膜12の層を形成する。次いで、酸化シリコン膜13、さらに窒化シリコン膜14とを下側からこの順番で積層することにより基板9を作成する。
続いて、図6(b)に示すように、窒化シリコン膜14の上面にフォトレジスト膜R1を形成して、既述の接地ポート36が設けられる領域が開口するようにパターニングを行った後、窒化シリコン膜14及び酸化シリコン膜13をドライエッチングして凹部36aを形成し、シリコン膜12を露出させる。なおフォトレジストマスクを形成するにあたり、実際にはレジストの塗布、露光処理及び現像処理などが行われるが、ここでは省略している、以降において説明するレジスト膜の形成工程についても同様にこれらの処理の説明を省略する。
次に、図7に示すように、窒化シリコン膜14上に多結晶シリコンからなる第1のポリシリコン膜10を形成し、次いでこの第1のポリシリコン膜10にリンを拡散させる。接地ポート36を形成する領域においては、当該第1のポリシリコン膜10は、既述の凹部36aの内壁面に沿って形成されシリコン膜12に接触している。
そして、図3に示した導電膜17(円形部31、電極配置部32、延びだし部33、導電路39)、及び接地ポート36の輪郭形状に対応してパターニングされた第2のレジスト膜R2を形成し、図7に示すように、当該第2のレジスト膜R2の周囲の第1のポリシリコン膜10をドライエッチングする。その後、第2のレジスト膜R2を除去する。
続いて、図8に示すように、第1のポリシリコン膜10の上層側に、例えば酸化シリコンからなる第1の犠牲膜51と、多結晶シリコンからなる第2のポリシリコン膜(詳しくは多結晶シリコン膜を形成した後、リンをドープさせた膜)15と例えば酸化シリコン膜からなる第2の犠牲膜52とを下側からこの順番で積層する。
この時、第1の犠牲膜51及び第2の犠牲膜52とは、互いに同じ膜厚となるように形成される。そして、この第2の犠牲膜52の上層側に、固定部23、貫通孔28、支持梁22及びダンパー21を備えた振動板2の形状に対応するようにパターニングした第3のレジスト膜R3を成膜する。次いで、この第3のレジスト膜R3を介して第2の犠牲膜52及び第2のポリシリコン膜15をドライエッチングした後、第3のレジスト膜R3を除去する。
しかる後、図9に示すように、第2の犠牲膜52の上層側に酸化シリコンからなる第3の犠牲膜53をギャップ酸化膜として成膜する。この第3の犠牲膜53は、固定部23の貫通孔28やダンパー21の開口部27の内部に入り込むように形成される。次に、第3の犠牲膜53上に第4のレジスト膜R4を形成した後、支持梁22の固定部23の上方側において当該固定部23よりも僅かに大きく開口する開口28aが形成され、また各電極30に対応する領域に開口30aが形成されるように第4のレジスト膜R4をパターニングする。その後、この第4のレジスト膜R4を介して下方側の第3の犠牲膜53をドライエッチングし、開口28a、30aを形成する。このエッチングにより貫通孔28の周囲の第2のポリシリコン膜15の上面側の領域が露出する。
なお、図8、9において、第2、第3の擬制膜52、53は、説明の便宜上、その厚さを誇張して記載してあるが、実際にはこれらの擬制膜52、53の積層高さが振動板2と梁部37との間の隙間の寸法に対応するように積層される(図10参照)。またこのとき、第3の擬制膜53の上面側を削るエッチングを行い、これらの擬制膜52、53の積層高さを調節してもよい。
また、このドライエッチングにより表面に露出した第1の犠牲膜51及び第2の犠牲膜52に対して、第4のレジスト膜R4を介してドライエッチングが行われる。このエッチングにより、開口28a、30aの下端部において第1のポリシリコン膜10が各々露出する。その後、第4のレジスト膜R4を除去する。
そして、図10に示すように、第3の擬制膜53の上面側に多結晶シリコンからなる第3のポリシリコン膜16を形成して、この第3のポリシリコン膜16にリンをドープする。この結果、貫通孔28及びその上部の開口28a内にポリシリコンが埋め込まれる。
しかる後、各電極30や梁部37、固定柱24及び導電路39以外の領域が開口する第5のレジスト膜R5を形成し、図10に示すように、第3のポリシリコン膜16をドライエッチングする。そして、第5のレジスト膜R5を残したまま、例えばフッ酸水溶液などのエッチング液に基板9上に形成された構造物を基板9と共に浸漬すると、このエッチング液が第3のポリシリコン膜16の下方側に回り込み、第2、第3の犠牲膜52、53が除去される。このウェットエッチングにより、第2、第3の犠牲膜52、53の積層高さに対応する分だけ振動板2と梁部37との間に隙間が形成される。
そしてさらにウェットエッチングを継続すると、第1の擬制膜51が除去され、振動板2や支持梁22と導電膜17(円形部31、延びだし部33)との間に隙間が形成される(図11)。この結果、振動板2及び支持梁22は、貫通孔28内に形成した固定柱24(支持部20)に支持された状態となる。最後に第5のレジスト膜R5を除去することにより、本実施の形態のディスク振動子1が完成する。
本実施の形態に係わるディスク振動子1によれば以下の効果がある。振動ディスク1は、その表面を削って周波数調整の際の感度が振動板2の中央部において高くなる。このため、対向電極(上述の例では入力電極3)を同電位にするための梁部37を振動板2の上方側に架け渡すにあたって、前記中央部を避けるようにして梁部37を配置することにより周波数調整を行いやすいディスク振動子1を得ることができる。
また、比較的細い梁部37を複数本設けることにより、製造時における梁部37と振動板2との間のスティッキングを防止すると共に対向電極間の十分な導電性を確保できる。
ここで、梁部37が設けられる対向電極は、図1、2に示した入力電極3に限られるものではなく、出力電極4同士を梁部37にて接続し、当該梁部37が振動板2の中央部を避けて配置されるようにしてもよい。
また、振動板2の中央部を避けて梁部37を形成する手法は、当該領域を避けて直棒状の梁部37を複数本配置する場合に限定されない。例えば図12のディスク振動子1aに示すように、平面的に見て上記中央部を避けるように湾曲した1本の梁部37aを設けてもよい。また、振動板2の中央部の上方領域を避けて直棒状の1本の梁部37を配置する場合も本発明の技術的範囲に含まれる。このように1本の梁部37a、37を設ける場合にも、スティッキングの発生を抑え、十分な導電性を確保可能な太さに調節するとよい。
本発明のディスク振動子1は小型で高いQ値を実現できる。それゆえフィルタに用いた場合には、低損失で減衰特性が良くなるため、ラダー型フィルタなどの帯域通過フィルタにこのディスク振動子1を用いるなど、電子部品に適用することができる。
更に図2等には、シリコン基板11の上に、シリコン膜12、酸化シリコン膜13及び窒化シリコン膜14の計4層を積層した基板9の例を示したが、この構造に代えて、シリコン基板11の上に、PE−NSG膜(酸化シリコン膜)及びLP−SiN膜(窒化シリコン膜)を下側から順番で形成した3層構造にしてもよい。
また、入力電極3に対して信号の入力を行うにあたり、既述の例ではワイヤなどの導電路を用いたが、入力電極3の下方側における第1のポリシリコン膜10から水平に伸びる導電膜を形成し、この導電膜を介して周波数信号を入出力してもよい。
また正円形の振動板2について説明したが、振動板2は楕円や四角形状などであってもよい。このとき振動板2の中央部は、例えば振動板2の重心の位置を中心として、この中心から距離dの範囲内の領域が選択される。
1 ディスク振動子
2 振動板
22 支持梁
3 入力電極
30 電極
37、37a
梁部
4 出力電極

Claims (4)

  1. ベース基板上に支持部を介して支持されると共にバイアス電圧が印加されるディスク状の振動板を有する輪郭振動型のディスク振動子において、
    前記振動板をワイングラスモードで振動させるために、平面的に見て当該振動板を介して互いに対向するように配置された一対の入力電極と、
    前記振動板の振動に基づく出力信号を取り出すために、平面的に見て前記一対の入力電極同士が対向する方向と交叉する方向に、前記振動板を介して互いに対向するように配置された一対の出力電極と、
    前記一対の入力電極または出力電極を対向電極と呼ぶとき、これらの対向電極を同電位とするために、前記振動板の上方側に架け渡されて対向電極同士を接続する梁部と、を備え、
    この梁部は、平面的に見て前記振動板の中央部を避けるように配置されていることを特徴とするディスク振動子。
  2. 前記振動板の半径をr、この振動板の中心からの距離をdとしたとき、前記中央部は、d/rの値が0.395以下となる範囲内の領域であることを特徴とする請求項1に記載のディスク振動子。
  3. 前記梁部は、平面的に見て前記振動板の中央部を避けるように互いに間隔をおいて2本設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のディスク振動子。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一つに記載のディスク振動子を備えたことを特徴とする電子部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20150046169A1 (en) * 2013-08-08 2015-02-12 Lenovo (Beijing) Limited Information processing method and electronic device

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US20150046169A1 (en) * 2013-08-08 2015-02-12 Lenovo (Beijing) Limited Information processing method and electronic device

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