JP2013136492A - セメント系増厚材用プライマー及び増厚工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】下地とセメント系増厚材との接着をより確実にすることが可能なセメント系増厚材用プライマーを提供すること。また、下地とセメント系増厚材との接着をより確実にすることが可能な増厚工法を提供すること。
【手段】単位ポリマー量、水セメント及びポリマーセメント比が特定範囲のポリマーセメント混練物からなるセメント系増厚材用プライマー。細骨材セメント比が特定数値以下となる量の細骨材を含有すると好適である。また、フロー値が、特定範囲であると好適である。また、上記セメント系増厚材用プライマーモルタルがを下地に塗布し、塗布したセメント系増厚材用プライマーが硬化する前に、該プライマー表面にセメント系増厚材を積層する。
【選択図】図3

Description

本発明は、セメント系増厚材用プライマー及び増厚工法に関する。
コンクリート製の床、天井、壁、柱及び梁等の厚み又は大きさを増すため等の目的で、これらの部材の厚みを増すために、部材の下地にモルタルやコンクリート等のセメント系増厚材を打継ぐ、増厚工法が行われている。下地となる元の部材のコンクリートにセメント系増厚材を打継ぐとき、下地の打ち継ぎ面に予め水を塗布して湿らせたり、接着剤を塗布することで、下地とセメント系増厚材との接着強度を高めることが行われている(例えば特許文献1参照。)。しかし、下地とセメント系増厚材との接着をより確実にする技術が求められていた。
また、樹脂の含有率が高い接着剤を用いる場合、施工現場において引火による火災の虞があるため、溶接作業やアスファルト舗装敷設作業のように火炎や高温のものを取り扱う作業を増厚工法の施工現場近傍で行うことはできなかった。また、有機溶剤を含む接着剤を用いる場合、換気作業が必要であったり防毒マスクが必要であったため、トンネルや地下空間等の閉塞空間が施工現場には適用し難かった。
また、超速硬セメントを結合材として用いた鋼繊維補強コンクリート(SFRC)のように乾燥収縮率が500μ程度と比較的大きなセメント系増厚材を下地に増厚すると、セメント系増厚材の剥離が起こり易いという問題もあった。
特開平11−081673号公報
本発明は、下地とセメント系増厚材との接着をより確実にすることが可能なセメント系増厚材用プライマーを提供することを目的とする。また、本発明は、下地とセメント系増厚材との接着をより確実にすることが可能な増厚工法を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題解決のため鋭意検討した結果、本発明は、単位ポリマー量、水セメント及びポリマーセメント比が特定範囲とすることにより、前記課題を解決することを見出し本発明を完成させた。本発明は、以下の(1)〜(4)で表すセメント系増厚材用プライマー、並びに(5)で表す増厚工法である。
(1)セメント、セメント用ポリマー、及び水を含有し、単位ポリマー量が100〜200kg/m、水セメント比が26〜35%、ポリマーセメント比が10〜30%であるポリマーセメント混練物からなるセメント系増厚材用プライマー。
(2)更に、細骨材セメント比が2以下となる量の細骨材を含有する上記(1)のセメント系増厚材用プライマー。
(3)JIS A 1171「ポリマーセメントモルタルの試験方法」に規定されるフロー値が140以上である上記(1)又は(2)のセメント系増厚材用プライマー。
(4)JIS A 1171「ポリマーセメントモルタルの試験方法」に規定されるフロー値測定前のフローコーンを引き抜いた直後の落下運動前のフロー値が150以下である上記(3)のセメント系増厚材用プライマー。
(5)上記(1)〜(4)何れかのセメント系増厚材用プライマーを下地に塗布し、塗布したセメント系増厚材用プライマーが硬化する前に、該プライマー表面にセメント系増厚材を積層することを特徴とする増厚工法。
本発明によれば、下地とセメント系増厚材との接着をより確実にすることが可能なセメント系増厚材用プライマーが得られる。本発明によれば、下地とセメント系増厚材との接着力を材齢3日において2.0N/mm以上と、より確実にすることが可能なセメント系増厚材用プライマー及び増厚工法が得られる。また、本発明によれば、塗布する下地面が垂直面や下面或いは傾斜している面でっても、3mm程度の厚みで塗布することができる。また、超速硬セメントを結合材として用いたSFRCのように、乾燥収縮率が500μ(即ち、500×10−6)程度と比較的大きなセメント系増厚材用のプライマーとして用いても、セメント系増厚材の剥離が起こり難い。また、本発明のセメント系増厚材用プライマーは引火し難いことから、溶接作業やアスファルト舗装敷設作業のように火炎や高温のものを取り扱う作業を、本発明のセメント系増厚材用プライマーを用いる増厚工法の施工現場近傍で行うことができ、工事全体が効率よく行うことができる。
引張り治具(アタッチメント)の模式的な平面図である。 引張り治具(アタッチメント)の模式的な側面図である。 引張り治具(アタッチメント)を取り付けた付着強度試験用試験体の模式的な縦断面図である。
本発明に使用するセメントとは、水硬性セメントであればよく、例えば普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱の各種ポルトランドセメント、エコセメント、並びにこれらのポルトランドセメント又はエコセメントに、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカフューム又は石灰石微粉末等を混合した各種混合セメント、太平洋セメント社製「スーパージェットセメント」(商品名)や住友大阪セメント社製「ジェットセメント」(商品名)等の超速硬セメント、アルミナセメント等が挙げられる。工期を短くできることから、本発明に用いるセメントとしては、超速硬セメント、或いは他の水硬性セメントに急硬成分が内在する急硬性セメントが好ましい。
本発明に使用するセメント用ポリマーとしては、ポリマーセメントモルタルやポリマーセメントコンクリートの結合材として用いられるものであればよく、例えば、スチレン・ブタジエン共重合体,クロロプレンゴム,アクリロニトリル・ブタジエン共重合体又はメチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の合成ゴム、天然ゴム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリクロロピレン、ポリアクリル酸エステル、スチレン・アクリル共重合体、オールアクリル共重合体、ポリ酢酸ビニル,酢酸ビニル・アクリル共重合体,酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合体,変性酢酸ビニル,エチレン・酢酸ビニル共重合体,エチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体,酢酸ビニルビニルバーサテート共重合体,アクリル・酢酸ビニル・ベオバ(t-デカン酸ビニルの商品名)共重合体等の酢酸ビニル系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂及びエポキシ樹脂等の合成樹脂、アスファルト,ゴムアスファルト及びパラフィン等の瀝青質等が好ましい例として挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。下地及びセメント系増厚材との接着が良いという理由から、本発明に使用するセメント用ポリマーとしては、ポリ酢酸ビニル,酢酸ビニル・アクリル共重合体,酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合体,変性酢酸ビニル,エチレン・酢酸ビニル共重合体,エチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体,酢酸ビニルビニルバーサテート共重合体,アクリル・酢酸ビニル・ベオバ(t-デカン酸ビニルの商品名)共重合体等の酢酸ビニル系樹脂;ポリアクリル酸エステル,ポリメタクリル酸エステル,アクリル酸エステル・スチレン共重合体,スチレン・アクリル共重合体,オールアクリル共重合体等のアクリル系樹脂;ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;スチレン・ブタジエン共重合体,クロロプレンゴム,アクリロニトリル・ブタジエン共重合体又はメチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の合成ゴムから選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。本発明に使用するセメント用ポリマーの状態は、液体、エマルション又はエマルションを粉末状にした再乳化型粉末樹脂の何れでもよい。
本発明のセメント系増厚材用プライマー中におけるセメント用ポリマーの含有量は、105℃における不揮発性分(以下「固形分」という。)換算で単位ポリマー量(P)が100〜200kg/m且つポリマーセメント比(P/C、質量比)が10〜30%とする。ここで、Cは、単位セメント量である。単位ポリマー量が100kg/m未満では、付着強度が不足する。また、単位ポリマー量が200kg/mを超えると、プライマーの粘性が高くなり過ぎる為塗布し難く、セメント用ポリマーが液体又はエマルションの場合は塗布したプライマーが垂れ易く又材料分離が起こり易い。塗布する下地面が垂直面や下面或いは傾斜している面であっても、3mm程度の厚みで塗布することができることから、固形分換算で単位ポリマー量が126〜200kg/mとすることが好ましい。
また、ポリマーセメント比(P/C)が10%未満では、セメント系増厚材用プライマーの付着強度が不足し易く、超速硬セメントを結合材として用いたSFRCのような乾燥収縮率が500μ程度と比較的大きなセメント系増厚材用のプライマーとして用いた場合に長期材齢において剥離が起こる虞がある。ポリマーセメント比が30%を超えると、プライマーの粘性が高くなり過ぎる為塗布し難く、セメント用ポリマーが液体又はエマルションの場合は塗布したプライマーが垂れ易く又材料分離が起こり易い。より好ましいポリマーセメント比(P/C)は、10〜26%とする。
本発明のセメント系増厚材用プライマーは、水セメント比(W/C、質量比)26〜35%となる量の水を含有する。このときの水量は、水性の液状混和材料(例えば混和剤水溶液やエマルション状のセメント用ポリマー。)を添加する場合は、セメント系増厚材用プライマーに添加する水性の液状混和材料に含まれる水の量も考慮する。水セメント比26%未満では流動性が低いため施工性が悪く付着強度も不足し、35%を超えると塗布したプライマーが垂れ易く、材料分離が起こり易く又付着強度が不足する。より好ましくは、水セメント比(W/C)26〜32%となる量の水を含有する。尚、Wは、セメント系増厚材用プライマー中の単位水量である。
本発明のセメント系増厚材用プライマーには、更に、細骨材セメント比が2以下となる量の細骨材を含有することが好ましい。即ち、本発明のセメント系増厚材用プライマーは、細骨材を含有するセメントポリマー混練物である、ポリマーセメントモルタルからなることが好ましい。細骨材セメント比は、セメント系増厚材用プライマー1mに含まれる細骨材の質量(単位細骨材量、S)を、セメント系増厚材用プライマー1mに含まれるセメントの質量(単位セメント量、C)で除した質量比(S/C)である。細骨材セメント比が2を超えると、セメント系増厚材用プライマーの流動性が低下するため付着強度が不足する虞がある。塗布する下地面が垂直面や下面或いは傾斜している面であっても、3mm程度の厚みで塗布することができることから、細骨材セメント比が0.5〜2.0となる量の細骨材を含有することが更に好ましく、細骨材セメント比が0.8〜1.9となる量の細骨材を含有することが最も好ましい。本発明において用いることのできる細骨材としては、例えば砕砂、陸砂、川砂、海砂、人工細骨材、セメントクリンカ粒(セメントとして市販されているセメントクリンカ粉末よりも粗い粒状のもの)、スラグ細骨材等が好ましい例として挙げられる。
また、本発明のセメント系増厚材用プライマーのJIS A 1171「ポリマーセメントモルタルの試験方法」に規定されるフロー値(15回の落下運動後のフロー値、以下「JISフロー値」という。)が140以上であると、下地面に塗布し易く、付着強度も高いことから好ましい。更に、JISフロー値が200以下であると塗布する下地面が垂直面や下面或いは傾斜している面であっても、3mm程度の厚みで塗布することができることから好ましい。セメント系増厚材用プライマーは、JISフロー値が145〜180であるとより好ましい。また、JISフロー値測定前のフローコーンを引き抜いた直後の落下運動前のフロー値(以下「引き抜きフロー値」という。)が110以上であると、下地面に塗布し易く、付着強度も高いことから好ましい。更に、引き抜きフロー値が150以下であると塗布する下地面が垂直面や下面或いは傾斜している面であっても、3mm程度の厚みで塗布することができることから好ましい。セメント系増厚材用プライマーは、引き抜きフロー値が110〜140であるとより好ましい。
本発明のセメント系増厚材用プライマーには、セメント、セメント用ポリマー、細骨材以外に、その他の混和材料或いは粗骨材の一種又は二種以上を本発明の効果を損なわない範囲で併用することができる。このような混和材料としては、例えば高性能減水剤や高性能AE減水剤等の減水剤、凝結遅延剤、発泡剤、起泡剤、防水材(剤)、防錆剤、収縮低減剤、増粘剤、顔料、消泡剤、膨張材、繊維、撥水剤、白華防止剤、急結剤(材)、硬化促進剤(材)、強度促進剤(材)、高炉スラグ微粉末、フライアッシュやシリカフューム等のポゾラン粉末、石粉、表面硬化剤等が挙げられる。ガラス繊維を併用すると、垂直面に塗布したときに垂れ難くなることから好ましい。ガラス繊維を併用するときは、セメント系増厚材用プライマーの体積に対し2.0体積%以下の量とすることが好ましく、より好ましくは0.1〜1.0体積%の量とする。
本発明のセメント系増厚材用プライマーは、材料を混合して製造する。混合に用いる器具や混合装置も特に限定されないが、ミキサを用いることが量を多く且つ短時間で混合できることから好ましい。用いることのできるミキサとしては連続式ミキサでもバッチ式ミキサでも良く、例えばパン型コンクリートミキサ、パグミル型コンクリートミキサ、重力式コンクリートミキサ、グラウトミキサ、ハンドミキサ、左官ミキサ等が挙げられる。
本発明のセメント系増厚材用プライマーは、部材の下地にモルタルやコンクリート等のセメント系増厚材を打継ぐときに、下地に塗布して用いる。
本発明の増厚工法は、上記のセメント系増厚材用プライマーを下地に塗布し、塗布したセメント系増厚材用プライマーが硬化する前に、該プライマー表面にセメント系増厚材を積層することを特徴とする。セメント系増厚材用プライマーを下地に塗布する方法は特に限定されない。例えば、刷毛塗り、噴霧、鏝塗り、ローラー塗り等が好適な例として挙げられる。塗布したセメント系増厚材用プライマーが硬化後に、該プライマー表面にセメント系増厚材を積層すると、付着強度が充分得られないことがある。
塗布するセメント系増厚材用プライマーの厚みとしては、塗布直後の当該プライマーが未硬化のときのもので、1.0mm以上の厚みとすることが好ましい。セメント系増厚材用プライマーの厚みを1.0mm以上とすること、乾燥収縮率が500μ程度と比較的大きなセメント系増厚材用のプライマーとして用いても、セメント系増厚材の剥離が起こり難い。より好ましいセメント系増厚材用プライマーの厚みは、1.5〜5.4mmとする。
本発明の増厚工法に用いるセメント系増厚材は、特に限定されないが、収縮を抑制でき且つ硬化時の発熱を抑制できることから、骨材を含有するものが好ましい。本発明の増厚工法に用いるセメント系増厚材としては、ポリマーセメントモルタル、セメントモルタル、セメントコンクリート又はポリマーセメントコンクリートが好ましい。また、これらのセメント系増厚材には、混和材料を目的に応じて混和してもよい。混和材料としては、例えば、凝結遅延剤、発泡剤、起泡剤、消泡剤、防水材(剤)、防錆剤、収縮低減剤、増粘剤、保水剤、顔料、ガラス繊維や鋼繊維等の繊維、撥水剤、白華防止剤、急結剤(材)、硬化促進剤(材)、強度促進剤(材)、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカフューム等が挙げられる。
上記プライマー表面にセメント系増厚材を積層する方法は、特に限定されない。例えば、刷毛塗り、噴霧、鏝塗り又はローラー塗り等でセメント系増厚材を塗布する方法、プライマー表面を覆うように型枠を組んでその型枠内にセメント系増厚材を投入(打設)する方法等が好適な例として挙げられる。
[実施例1]
表1に示す配合割合のポリマーセメントモルタルを12800gを作製した。作製に当たり各材料を金属製円筒容器(容量:18L)に全量投入した後、90秒間ハンドミキサ(回転数:300r.p.m.)で混合した。尚、このときの使用材料を以下に示した。供試体作成、及び練り混ぜは、全て、20℃で行い、使用材料の温度も20℃とした上で試験を行った。
<ポリマーセメントモルタルの使用材料>
セメント:超速硬セメント(太平洋セメント株式会社製、商品名「スーパージェットセメント」) (単位セメント量:C)
セメント用ポリマー:エチレン・酢酸ビニル共重合体エマルション(太平洋マテリアル株式会社製、不揮発性分量;45質量%) (単位ポリマー量(固形分換算):P)
ガラス繊維:繊維長;10mm、繊維径;14μm
細骨材:珪砂(比重;2.63、F.M.:2.89) (単位細骨材量:S)
水:水道水 (単位水量:W)
Figure 2013136492
作製したポリマーセメントモルタルの品質試験として、以下に示す通り、コンシステンシー試験、塗布試験及び付着強さ試験を行い、各ポリマーセメントモルタルの評価を行った。
<品質試験方法>
・コンシステンシー試験
JIS A 5201−1171「セメントの物理試験方法」に規定されるフロー試験に従って、練り混ぜ直後のフロー値(15回の落下運動後のフロー値、JISフロー値)を測定した。合わせて、フローコーンを引き抜いた直後の落下運動前のフロー値(引き抜きフロー値)を測定した。その結果を表2に示した。
Figure 2013136492
・塗布試験
セメント平板(300×300×50mm)を垂直に取り付け、作製したポリマーセメントモルタルを3.0mmの厚みに塗布した。塗布した方法は、モルタルガンによる吹付けにより行った。
塗布試験の評価は以下の通りとした。また、塗布試験の結果を表3に示した。
[塗り付け性]
良好:3.0mmの厚みに塗り付けることができた。
不良:3.0mmの厚みに塗り付けることができなかった。
[形状維持性]
良好:塗布したポリマーセメントが垂れなかった。
不良:塗布したポリマーセメントに垂れが生じた。
Figure 2013136492
・付着強度試験
ワイヤブラシで目粗ししたコンクリート平板(JIS規格品:300×300×60mm)に、内径100mm,長さ40mmの円筒状紙製管(藤森産業社製、商品名「フジボイド」)を取り付け、紙製管内のコンクリート平板に作製したポリマーセメントモルタルをプライマーとして5mmの厚みに刷毛で塗り付け、ポリマーセメントモルタルが硬化する前に(塗付けからおよそ15分後に)セメント系増厚材を円筒状紙製管内に打設した。このとき、セメント系増厚材内に定着用ボルト(直径16mm)3本を紙製管の中心から等距離且つ各ボルトの距離が同じ距離となる位置に30mmの深さまで埋め込み付着強度試験の試験体とした。セメント系増厚材の打設3日後に、図1及び図2に示した引張り治具(アタッチメント)を、付着強度試験の試験体に林立する3本の定着用ボルトにナットとワッシャーで固定した後、引張り治具を引張り試験器で試験体が破断するまで引張り、このときの最大引張り荷重を測定し、付着強度を次式(1)により求めた。
付着強度=最大引張り荷重/((100÷2)×3.142) (1)
用いた引張り治具(アタッチメント)の模式的な平面図を図1に、模式的な側面図を図2に示した。また、引張り治具を固定した付着強度試験の試験体の定着用ボルトのうち2本の中心線を通る面で切断したときの断面図(模式的な縦断面図)を図3に示した。図1〜図3において、螺子山は省略してある。
用いた引張り治具(アタッチメント)は、肉厚の鋼製円形平板(鋼製円盤)に、定着ボルト貫通用孔を3箇所開けてあり、鋼製円形平板中央にボルトを該平板に垂直に固定してる。このボルトに、カプラーを螺合してある。該カップラーは、鋼製の四角柱で、中央部に螺子孔が貫通している。カプラーの螺子孔のもう一方側には、テンションロッド(鋼製の長尺ボルト)を試験時には螺合し、鋼製の台座(ラムチェア)を試験体のコンクリート平板との間に挟んだ上で、引張り試験器の油圧によりテンションロッドを引き上げ、カプラーを介してアタッチメントを引張った。
付着強度試験(材齢3日の付着強度)の評価は以下の通りとした。
良好:付着強度2.0N/mm以上
不良:付着強度2.0N/mm未満

付着強度試験で用いたセメント系増厚材として、配合No.1のポリマーセメントモルタルの他、表4に示した配合の超速硬セメントを結合材として用いた鋼繊維補強コンクリート(SFRC)も用いた。また、プライマーとして、上記の各ポリマーセメントモルタルを使用した試験の他、2液硬化型エポキシ樹脂製プライマーを使用した試験、並びにプライマーを使用しなかった試験(プライマーの種類:無し)も行った。
付着強度試験の結果を表5に示した。
SFRCに使用した材料は、以下のものを用いた。
<SFRCの使用材料>
セメント:超速硬セメント(太平洋セメント株式会社製、商品名「スーパージェットセメント」) (記号:C)
鋼繊維:繊維長;50mm、繊維径;0.7mm (記号:Fs)
細骨材:砕砂(比重;2.65、F.M.2.59) (記号:Sc)
粗骨材:砕石(比重;2.60、F.M.:6.26、最大骨材粒径:13mm)(記号:G)
減水剤:花王社製高性能減水剤(商品名「マイティ150」)
水:水道水 (記号:W)
Figure 2013136492
Figure 2013136492
比較例に当たる試験No.1〜3は、何れも、材齢3日の付着強度が1.2〜1.7N/mmであったが、本発明の実施例に当たる試験No.4〜9は、材齢3日の付着強度が2.6〜2.7N/mmであり、優れた付着性能を示した。
本発明のセメント系増厚材用プライマー及び増厚工法は、鉄筋コンクリート製ピット、鉄筋コンクリート製タンク、鉄筋コンクリート製道路橋、鉄筋コンクリート製鉄道橋、鉄筋コンクリート製タービン建屋、鉄筋コンクリート製水路又は鉄骨鉄筋コンクリート製ビル等のコンクリート構造物の補修工事、補強工事等に使用することができる。
1 鋼製円盤
2 カプラー
3 定着ボルト貫通用孔
4 定着ボルト
5 ボルト
6 平ワッシャ
7 筒状紙製管
8 コンクリート平板
9 プライマー
10 ナット
11 付着強度試験の試験体
12 セメント系増厚材
13 引張り治具(アタッチメント)

Claims (5)

  1. セメント、セメント用ポリマー、及び水を含有し、単位ポリマー量が100〜200kg/m、水セメント比が26〜35%、ポリマーセメント比が10〜30%であるポリマーセメント混練物からなるセメント系増厚材用プライマー。
  2. 更に、細骨材セメント比が2以下となる量の細骨材を含有する請求項1記載のセメント系増厚材用プライマー。
  3. JIS A 1171「ポリマーセメントモルタルの試験方法」に規定されるフロー値が140以上である請求項1又は2記載のセメント系増厚材用プライマー。
  4. JIS A 1171「ポリマーセメントモルタルの試験方法」に規定されるフロー値測定前のフローコーンを引き抜いた直後の落下運動前のフロー値が150以下である請求項3記載のセメント系増厚材用プライマー。
  5. 請求項1〜4何れかに記載のセメント系増厚材用プライマーを下地に塗布し、塗布したセメント系増厚材用プライマーが硬化する前に、該プライマー表面にセメント系増厚材を積層することを特徴とする増厚工法。
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