JP2013136473A - 防火複層ガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】防火複層ガラスにおいて、火災時に一次シール材から可燃性ガスが発生したとしても、このガスが非加熱面側で発火しないようにして、炎を遮断し防火性能を向上させる。
【解決手段】対向する少なくとも二枚のガラス板がスペーサを介して隔置されるとともに、二枚のガラス板と対向するスペーサの各側面が一次シール材によって二枚のガラス板にそれぞれ接着されて二枚のガラス板間に中空層が形成され、一次シール材の外側が二次シール材によって封止された複層ガラスであって、少なくとも一枚の耐熱防火性ガラス板と少なくとも一枚の非耐熱防火性ガラス板とを含んで構成された防火複層ガラスにおいて、前記非耐熱防火性ガラス板のエッジ部に対してエッジ処理を施して前記非耐熱防火性ガラス板のエッジ強度を50MPa以上とした防火複層ガラスを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、防火複層ガラスに関する。
複層ガラスのうち、防火複層ガラスと称されるものは、防火複層ガラスを構成するガラス板の少なくとも一枚に網入りガラス、耐熱強化ガラス、低膨張強化ガラス、透明結晶化ガラス等の耐熱防火性ガラス板が使用されたものをいう。
また、一般的な複層ガラスは、対向する少なくとも二枚のガラス板を、スペーサを介して隔置し、これらの二枚のガラス板と対向するスペーサの各側面を一次シール材によって二枚のガラス板にそれぞれ接着し二枚のガラス板の間に中空層を形成し、一次シール材の外側を二次シール材によって封止することにより構成される。
この一次シール材は、複層ガラスの中空層の乾燥状態を保つ上で不可欠な構成部材であり、ガラス板との接着性が良好で、かつ透湿抵抗が高い有機系のブチル系シーリング材(ブチルゴム)が一般的に使用される。また、上述した防火複層ガラスにおいても、同様のブチル系シーリング材が一次シール材として使用されている。
このように防火複層ガラスは、少なくとも一枚が耐熱防火性ガラス板で、他は通常のガラス板からなり、これらのガラス板をスペーサで隔置することにより所定の空気層を設け、その周辺部をシール材で密封している。
ところで、火災時に、防火複層ガラスを構成するガラス板のうち、耐熱防火ガラス板が火災発生側(以下、加熱面側とする)で、通常のガラス板が火災発生側でない側(以下、非加熱面側とする)にある場合、非加熱面側のガラス板が高熱によって割れたり脱落したりすると、空気に晒されて、高温になった一次シール材から発生した可燃性ガスや一次シール材自身が燃焼する場合があり、非加熱面側に火災が生じるというおそれがあった。
そこで、特許文献1の防火複層ガラスは、一次シール材の内側に内面シール材層を形成し、内面シール材層によって耐火難燃性能を高めている。
また、特許文献2の防火複層ガラスは、難燃性テープの層からなる一次シール材と難燃性の二次シール材層との間に、防湿性シール材を介在させることによって耐火難燃性能を高めている。
さらに、特許文献3の防火複層ガラスは、複数枚のガラスをその間に空気層が得られるように隔置しその周辺部を密封するシール部分の空気層と接触する内周面の一部もしくは全部に熱膨張部材あるいは不燃材からなる防火被覆材を配置して、火災時にシール部分が加熱されたときシール材あるいはシール材から発生するガスが燃焼するのをこの防火被覆材によって防ぐようにしている。
特開平7−237941号公報 特開2001−12157号公報 特開平8−67536号公報
しかしながら、特許文献1、2、3の防火複層ガラスは、一次シール材、二次シール材の他にそれぞれ、内面シール材層や、防湿性シール材や、防火被覆材を備えなければならず部品点数が増えるとともに、製造が困難であるという問題があった。
また、これらの封着部分では、一般の複層ガラスと比較して封着部分が広くなることがあり、意匠性に問題を起こすこともあった。
また防火ガラスについては、火災時に炎が窓を破って出て行ったり侵入してきたりするまでの時間を稼ぎ、その間の消火活動で延焼を防ぐことを目的として防火関係法規が定められており、特に建築基準法施行令第109条の2には、防火設備に通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後20分間当該加熱面以外の面に火炎を出さないものであることが規定されている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、従来の防湿性、製造の容易性、意匠性を維持しつつ、防火関係法規を満たす防火複層ガラスを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、対向する少なくとも二枚のガラス板がスペーサを介して隔置されるとともに、二枚のガラス板と対向するスペーサの各側面が一次シール材によって二枚のガラス板にそれぞれ接着されて二枚のガラス板間に中空層が形成され、一次シール材の外側が二次シール材によって封止された複層ガラスであって、少なくとも一枚の耐熱防火性ガラス板と少なくとも一枚の非耐熱防火性ガラス板とを含んで構成された防火複層ガラスにおいて、前記非耐熱防火性ガラス板のエッジ部に対してエッジ処理を施して前記非耐熱防火性ガラス板の端部表面の強度(以下「エッジ強度」という)を50MPa以上とした防火複層ガラスを提供する。なお、エッジ強度とは、ガラス板の端部の破壊時に端部表面に発生した引っ張り応力をいう。
これにより、防火複層ガラスの非耐熱防火性ガラス板のエッジ強度を高めたので、火災時に高温となっても割れ難くし、非耐熱防火性ガラス板が火炎に晒されても、割れるまでの時間が長くなる。その結果、非耐熱防火性ガラス板が割れた際に割れたガラスの隙間から一次シール材から発生した可燃性ガスが火災の発生側とは異なる他方側の空間へ流出するまでの時間が掛かり、防火性能を向上させることが可能となる。
また、前記エッジ処理は、所定寸法にガラス板を切断した後にガラス板切断端面の両端部を研磨加工する、いわゆる面取りであることが好ましい。
非耐熱防火性ガラス板に対して熱強化(物理強化)することなく面取りすることのみでエッジ強度を高め割れ難くしたので、低コストで防火性能を向上させた防火複層ガラスを生産することができる。
また、前記面取りを行う面取用砥石は、#500番以上(平均砥粒径45μm以下)であることが好ましい。
このような細かい砥石を使用することで、エッジ強度を高めることができる。
また、前記エッジ処理は、エッジコーティング処理であることが好ましい。
また、前記エッジコーティングのコーティング剤は接着剤であることが好ましい。なお、ここでは接着剤とはガラスに接着能力のある材料のことをいう。
また、前記エッジコーティングは機能性膜であることが好ましい。
また、前記機能性膜は、熱反射膜、反射防止膜、光触媒又はLow−E膜のいずれかであることが好ましい。
これにより、非耐熱防火性ガラス板に対して熱強化することなくコーティングによりエッジ強度を高めて割れ難くしたので、低コストで防火性能を向上させた防火複層ガラスを生産することができる。
以上説明したように、本発明によれば、防火複層ガラスの非耐熱防火性ガラス板のエッジ強度を高めたので、火災時に高温となっても割れ難く、防火関係法規の規格を満たすことが可能となる。また、従来の防湿性、製造の容易性、意匠性を維持しつつ、熱強化処理を行わないので低コストで生産することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る防火複層ガラスの要部拡大断面図 図2(A)は、非耐熱防火性ガラス板のエッジにエッジ処理を施していない防火複層ガラスを示す断面図であり、図2(B)は、前記非耐熱防火性ガラス板の底面を正面とした斜視図 非耐熱防火性ガラス板の底面のエッジを面取りした様子を示す斜視図 図4(A)は、C面取り用の砥石を示す断面図、図4(B)は、R面取り用の砥石を示す断面図 非耐熱防火性ガラス板の底面のエッジにエッジコーティングを行った様子を示す斜視図
以下、添付図面を参照して、本発明に係る防火複層ガラスについて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る防火複層ガラスの要部拡大断面図である。
図1の断面図に示す本実施の形態の防火複層ガラス10は、対向する二枚のガラス板12、14がスペーサ16を介して隔置されるとともに、二枚のガラス板12、14と対向するスペーサ16の各側面16A、16Bが一次シール材18A、18Bによって二枚のガラス板12、14にそれぞれ接着されている。これにより、二枚のガラス板12、14間に中空層20が形成される。また、一次シール材18A、18Bの外側(中空層20でない側、すなわち図1において、一次シール材18A、18B及びスペーサ16の下側)が二次シール材22によって封止されている。
スペーサ16としては、アルミニウムを主材質とする金属製のスペーサが用いられる場合が多いが、ステンレス材や硬質樹脂からなるものも使用される場合がある。スペーサ16はその内部に中空部24を有し、中空部24には粒状ゼオライト等の乾燥剤26が充填されている。スペーサ16には、中空部24を中空層20に連通させる貫通孔28が開口されており、この貫通孔28を介して中空層20の空気が乾燥される。
このように構成された防火複層ガラス10は、一方のガラス板12が耐熱防火性ガラス板である網入りガラス板であり、他方のガラス板14は一般的なソーダライムガラスに代表される非耐熱防火性ガラス板である。なお、ガラス板12として網入りガラスの他、耐熱強化ガラス、低膨張強化ガラス、透明結晶化ガラス等の別の耐熱防火性ガラス板を使用してもよい。
なお、本実施形態においては、この非耐熱防火性ガラス板である熱強化処理されていないガラス板14のエッジに対してエッジ処理を施すことにより、エッジ強度を高めて、ガラス板14を高温に対して割れ難くしたものである。また万一ガラス板14が火災時の高熱によって割れたり脱落したりしても、エッジ強度を高めることで破損に到るまでの時間を遅らせることができるので、延焼を防ぐための消火活動に大きく寄与できる。
ところで火災時にガラス板14が割れる原因としては、火災発生時に、ガラス板14の端部に発生する引っ張り応力が挙げられる。この引っ張り応力は、サッシ枠中に嵌め込まれたガラス板14の端部と炎に晒される面部との温度差等に起因する。
またガラス板14を切断して製造したとき、エッジが切断されたままの状態だと切断の際に生じたクラックがエッジに残っていることがある。そして、ガラス板14に対して引っ張り応力が働くと、このクラックに応力が集中し破壊が起きる。
図2(A)に、ガラス板14のエッジが切断されたままの状態にした防火複層ガラス10を示す。また、図2(B)に、ガラス板14の底面14aが正面を向くように配置して示す。
ガラス板14のエッジを切りっぱなしにすると、図2(B)に示すように、ガラス板14の底面14aのエッジ部30には、ガラス板14を切断した際に生じたクラック32が残っている。
このとき、火災によりガラス板14が加熱されると、ガラス板14の面部がサッシ枠(図示せず)に嵌め込まれているエッジより高温となって膨張し、これにより引っ張り応力がエッジに働き、エッジ部30のクラック32を起点として、ここからガラス板14が割れて行く。なお、図ではクラック32を分かりやすく強調して書いてあるが、実際には目に見えない程度の大きさのクラックのことである。
そこで、ガラス板14の火災による破損を防ぐには、ガラスエッジの許容応力であるエッジ強度を高めることが効果的である。
すなわち、本実施形態は、防火複層ガラスを構成する二枚のガラス板のうち耐熱防火性ガラス板でない方のガラス板14をエッジ処理してエッジ強度を高め、火災時に高熱が加わっても割れ難くすることにより、一次シール材18A、18Bから可燃性ガスが発生しても、このガスが外へ流出するのを抑え、炎を遮断することにより、防火複層ガラス10の防火性能を向上させたものである。
本発明は、耐熱防火性ガラス板であるガラス板12とともに防火複層ガラス10を構成する、一般的なソーダライムガラスに代表される熱強化処理の施されていない非耐熱防火性ガラス板であるガラス板14をエッジ処理してエッジ強度を高めたものである。エッジ処理としては、ここでは面取りとエッジコーティングの2種類が考えられている。
まず、エッジ部の面取りについて説明する。
図3に、図2(B)に示すガラス板14の底面14aのエッジを面取りしてエッジ部30のクラック32を除去した様子を示す。
図3に示すように、ガラス板14の底面14aのエッジに対して面取り(この図ではC面取り)を行い、エッジを斜めに研削して面取り部34を形成する。
面取りすることによって、ガラス板14のエッジ部30のクラック32(図2(B)参照)を除去する。これは、ガラスが割れる原因となるクラック32を除去することが目的であり、単にガラス板14のエッジ(特にエッジ部30)を研削するだけでもよい。
また、面取りとしては、通常はC面取りが行われるが、クラック32の大きさによっては、糸面取りでもよい。また面取りは、このようなC面取りに限らず、R面取りであってもよい。
いずれにせよ、ガラス板14のエッジを面取りすることにより、火災時の破損の原因となるエッジ部30のクラック32を除去することでガラス板14のエッジ強度を高め、火災発生時の高熱に対してもガラス板14を割れ難くすることができる。
図4に、面取り装置の面取用砥石の例を示す。図4(A)は、C面取りを行う場合であり、面取用砥石36は、研削面36aの断面が直交する2直線で構成されている。面取用砥石36は図示を省略した回転軸の回りを砥石回転装置のスピンドルモータにより回転する。
ガラス板14の底面14aの中心は、面取用砥石36の研削面36aの中心と一致するように配置される。そしてガラス板14と面取用砥石36との一方が相対的に接近するように移動し、ガラス板14の底面14aのエッジが面取用砥石36の研削面36aに接触する。すると研削面36aによってガラス板14の底面14aのエッジが研削され、面取りが行われる。
また面取用砥石36によってガラス板14のエッジが研削されるとき、図示を省略した散水管から、ガラス板14のエッジと面取用砥石36の研削面36aとが接触する位置に研削液が散水される。
図4(B)に、R面取りを行う場合を示す。面取用砥石38は、研削面38aの断面が所定の曲率半径の円弧状に形成されている。この場合も、上述したC面取りの場合と同様に、面取用砥石38は図示を省略した回転軸の回りを砥石回転装置のスピンドルモータにより回転する。
ガラス板14の底面14aの中心は、面取用砥石38の研削面38aの中心と一致するように配置される。そしてガラス板14と面取用砥石38との一方が相対的に接近するように移動し、ガラス板14の底面14aのエッジが面取用砥石38の研削面38aに接触して、研削面38aによってガラス板14の底面14aのエッジが研削され、面取りが行われる。
また面取用砥石38によってガラス板14のエッジが研削されるとき、図示を省略した散水管から、ガラス板14のエッジと面取用砥石38の研削面38aとが接触する位置に研削液が散水される。
また、上記面取りに用いる(C面取りの)面取用砥石36あるいは(R面取りの)面取用砥石38は#500番以上(平均砥粒径45μm以下)であることが好ましい。
以上のようにしてガラス板14のエッジを面取りすることによりエッジ部30のクラック32を除去して、ガラス板14のエッジ強度を50MPa以上に高めることができる。
このエッジ強度50MPa以上というのは、火災高温となっても、この非耐熱防火性ガラス板であるガラス板14が、この高温によって生じる引っ張り応力に抗して所定時間割れずに耐えることができ、あるいは万一所定時間内に割れたり脱落したりしても、破損に至るまでの時間を遅らせることができ、防火関係法規(例えば、建築基準法施行令第109条の2等)の規格を満たすことができるようにしたものである。
これにより、ガラス板14が火災時に高温に熱せられても所定時間割れ難いエッジ強度を確保することが可能となった。
従って、本実施形態によれば、耐熱防火性ガラス板でない方のガラス板14が火災時の高熱に耐えることができ、割れ難いので、非加熱側に炎が出るのを防止することが可能となる。
また、このガラス板14は、熱強化処理していないので、ガラス面の歪みがなく、ガラス板14に映った反射映像が優れている。さらに、ガラス板14は、熱強化処理していないため、比較的安価であり、全体として生産コストを抑制することが可能となる。
なお、このガラス板14としては、Low−E(Low-emissivity)ガラス(金属及びその酸化物で構成された低放射率の薄膜(熱線遮蔽積層体(Low−E膜ともいう))を表面にコーティングしたガラス、熱線遮断ガラス)などの表面処理が施されたガラスを使用してもよい。ガラス板14としてLow−Eガラスを用いて、これのエッジ部を面取りした場合には、より割れ難くなるのでより有効である。また、ガラス板14として、Low−Eガラスだけでなく、その他の表面処理を施したガラスを用いてもよい。
次に、その他のエッジ処理の具体例としてエッジコーティングについて説明する。
図5に、ガラス板14の底面14aのエッジ部30にエッジコーティングを行った様子を示す。図5は、図2(B)と同様にガラス板14の底面14aのエッジ部30に生じたクラック32を示している。
このとき、クラック32を含むエッジ部30に対して、クラック32を埋めるようにコーティング部40を設ける。すなわち、エッジ部30にコーティング部40を設けることでクラック32を塞ぎ、エッジ強度を高め、火災時の高温に対してもガラス板14が割れないようにするものである。なお、クラック32を埋める場合、クラックが形成する空間全体を埋めなくても、クラックの表面をコーティングしても効果は発現できる。
コーティング部40としては、例えば、エポキシ等の接着剤が例示される。また、コーティング部40を二次シール材と共用するようにしてもよい。あるいは、コーティング部40として、コーティング用のシリコーン樹脂を用いることもできる。
またさらに、ガラス板14の表面に対して、熱反射膜、反射防止膜や光触媒あるいはLow−E膜等の機能性の膜をコーティングする際、その膜でエッジ部30も覆うように塗り広げることでその機能性膜でエッジコーティングするようにしてもよい。
なお、コーティング部40は、図5に示すように、少なくともクラック32が存在する部分に対してのみ行うことで充分なエッジ強度が得られるが、エッジ全体に対して行ってもよい。また、コーティング部40を施す前にガラス板14に対して面取り(例えば、糸面取り)を行い、その後コーティング部40を設けるようにしてもよい。
このようなエッジコーティングによって得られるエッジ強度としては、前述した面取りの場合と同様に、50MPa以上であることが好ましい。
エッジ処理として、このようなエッジコーティングを施す場合も、ガラス板14は、熱強化していないガラスであるので低コストで生産することができる。
以上説明したように、面取り及びエッジコーティングというエッジ処理をガラス板14のエッジに施すことにより、エッジ強度を高めることができ(具体的には、エッジ強度50MPa以上)、火災による高温に対しても耐熱防火性ガラス板でない方のガラス板14が割れ難くなり、防火性能を向上させることが可能となる。
以上、本発明に係る防火複層ガラスについて詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
[実施例]
以下本発明のさらに具体的な実施例について説明する。
[実施例1]
呼称厚8mmのフロートガラスに対し、#500番(平均砥粒径45μm)のカップ形砥石を利用してガラス板の切断端面の両端部(稜部)のみ研磨仕上げし、強度評価のために加工辺を長辺とした長さ1000mm、高さ100mmのガラスを60枚用意し、加工辺の中央300mm部分に均一な引っ張り応力を載荷できる荷重スパン300mm、支持スパン900mmの4点曲げ試験を行った。その結果、平均破壊応力が67.8MPa、破壊応力の3σn-1下限値が50.5MPaであった。
[比較例1]
ガラスエッジに研磨及び研削を施していない切り放しのフロートガラス(呼称厚8mm)に対し、同様に4点曲げ試験を行った結果、平均破壊応力は49.7MPa、破壊応力の3σn-1下限値は41.9MPaであった。
[実施例2]
ユニットフレームに防火複層ガラスを組み付けた試験体を、鉄及び耐火材からなる枠体で保持し、国土交通大臣に認可を受けた性能評価機関が定める「防耐火性能試験・評価業務方法書」に規定される「遮炎・準遮炎性能試験・評価方法」に準拠した防火試験(加熱試験)を実施した。加熱面は、耐熱強化ガラス側とした。
下記の表1に試験体である実施例品と比較例品の防火複層ガラスの仕様を示す。
また、合格の判断は、ISO834による加熱曲線で20分間加熱し、非加熱面へ10秒を超えて継続する火炎の噴出がないこと、非加熱面側で10秒を超えて継続する発炎がないこと、火炎が通る亀裂等の損傷及び隙間を生じないことである。
Figure 2013136473
上記試験結果が示すように、比較例品はLow−Eガラスが加熱途中で破損・脱落して非加熱面側で発炎し不合格であったのに対し、実施例品は試験の最後までLow−Eガラスが破損せず試験は合格であった。
10…防火複層ガラス、12…ガラス板(耐熱防火性ガラス)、14…ガラス板(非耐熱防火性ガラス)、14a…ガラス板14の底面、16…スペーサ、18A、18B…一次シール材、20…中空層、22…二次シール材、24…中空部、26…乾燥剤、28…貫通孔、30…エッジ部、32…クラック、34…面取り部、36…面取用砥石、36a…研削面、38…(R面取り用)面取用砥石、38a…(R面取り用)研削面、40…コーティング部

Claims (7)

  1. 対向する少なくとも二枚のガラス板がスペーサを介して隔置されるとともに、二枚のガラス板と対向するスペーサの各側面が一次シール材によって二枚のガラス板にそれぞれ接着されて二枚のガラス板間に中空層が形成され、一次シール材の外側が二次シール材によって封止された複層ガラスであって、少なくとも一枚の耐熱防火性ガラス板と少なくとも一枚の非耐熱防火性ガラス板とを含んで構成された防火複層ガラスにおいて、
    前記非耐熱防火性ガラス板のエッジ部に対してエッジ処理を施して前記非耐熱防火性ガラス板のエッジ強度を50MPa以上とした防火複層ガラス。
  2. 前記エッジ処理は、面取り処理である請求項1に記載の防火複層ガラス。
  3. 前記面取りを行う面取用砥石は#500番以上である請求項2に記載の防火複層ガラス。
  4. 前記エッジ処理は、エッジコーティング処理である請求項1に記載の防火複層ガラス。
  5. 前記エッジコーティングのコーティング剤は接着剤である請求項4に記載の防火複層ガラス。
  6. 前記エッジコーティングは機能性膜である請求項4に記載の防火複層ガラス。
  7. 前記機能性膜は、熱反射膜、反射防止膜、光触媒又はLow−E膜のいずれかである請求項6に記載の防火複層ガラス。
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