JP2013135551A - スイッチング電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】交流電源からの電源供給が遮断される電源遮断時においてアクロス・ザ・ライン・コンデンサに蓄えられた電荷を安全かつ確実に放電せるとともに、通常の電源供給時における電力損失を低減することで省電力化を図る。
【解決手段】電源遮断時放電回路34を構成する放電動作用トランジスタQ3がオン状態になると、1次側整流・平滑回路30を構成するコンデンサC2に蓄えられている電荷と、交流電源2からの交流電圧Vinが印加される電源ラインへの帰還ノイズを低減するにあたりアクロス・ザ・ライン・コンデンサ33に蓄えられている電荷とがそれぞれ、放電抵抗R1の作用により消費されるため、アクロス・ザ・ライン・コンデンサの残留電圧を安全な電圧レベルまで低下させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、スイッチング電源装置に係り、特に、負荷への過電圧保護機能を有するスイッチング電源装置に関する。
従来から、この種のスイッチング電源装置として、図2の回路ブロック図に示す構成のスイッチング電源装置が提案されている。
図2に示すスイッチング電源装置には、家電機器等の負荷101と、交流電源(商用電源)102と、交流電源102から電源供給される交流電圧Vinが印加され、この交流電圧Vinを直流電圧に変換するための電源入力制御部103と、負荷101を動作させるための出力電圧Voutを生成する電源出力制御部104と、1次側である電源入力制御部103及び2次側である電源出力制御部104の間を絶縁し、1次側の直流電圧を2次側に伝達するためのスイッチングトランス105と、負荷1が接続される2つの端子(以下、それぞれ出力端子、GND端子という。)P101、P102とが設けられている。
このスイッチング電源装置において、スイッチングトランス105には、1次側である電源入力制御部103からの直流電圧を2次側である電源出力制御部104に伝達するための1次巻線150及び2次巻線151と、1次巻線150へのスイッチング動作を制御するための動作電圧を電源供給する補助巻線152とが備えられている。
また、電源入力制御部103には、交流電源102から電源供給される交流電圧Vinを整流・平滑するための1次側整流・平滑回路130と、スイッチングトランス150の補助巻線152からの電源供給に基づいて当該スイッチングトランス(を構成する1次巻線150)のスイッチング動作を行うための(電界効果型の)トランジスタ131と、電源出力制御部104の後述する定電圧制御回路141からのフィードバック制御によりトランジスタ131のスイッチング動作、すなわち、オン(オン状態)/オフ(オフ状態)を切り換えるためのスイッチング制御回路132と、交流電源102からの交流電圧Vinが印加される電源ラインへの帰還ノイズを低減するためのアクロス・ザ・ライン・コンデンサ133と、アクロス・ザ・ライン・コンデンサ133に並列接続され、このコンデンサ133に蓄えられた電荷を放電するための放電抵抗134とが備えられている。
さらに、電源出力制御部104には、スイッチングトランス150の1次巻線150から誘起された後、2次巻線151にて受電される直流電圧を整流・平滑して出力電圧Voutを生成し、負荷101に電源供給するための2次側整流・平滑回路140と、2次側整流・平滑回路140の出力電圧Voutを、電源入力制御部103のスイッチング制御回路132を経由して一定に保つ制御を行うための定電圧制御回路141とが備えられている。
このように構成された従来例のスイッチング電源装置によれば、交流電源102からの電源供給が遮断されると、電源入力制御部103を構成するアクロス・ザ・ライン・コンデンサ133に蓄えられた電荷が、放電抵抗134の作用により消費されるため、コンデンサ133の残留電圧を安全な電圧レベルまで低下させることができる。
なお、アクロス・ザ・ライン・コンデンサ133に放電抵抗134が並列接続されるスイッチング電源装置として、例えば、特許文献1記載の当該装置が開示されている。
特開2011−211283号公報
しかしながら、背景技術に記載した図2に示すスイッチング電源装置によれば、電源入力制御部103を構成するアクロス・ザ・ライン・コンデンサ133に並列接続される放電抵抗134に常時、電圧が印加されるため、この放電抵抗134において常時、電力損失が発生することになる。
ここで、交流電源102からの電源供給を遮断して一定時間後におけるアクロス・ザ・ライン・コンデンサ133の残留電圧には、安全規格に基づく制限があるため、特に、コンデンサ133の容量が大きい大容量の当該電源を用いるにあたっては、放電抵抗134の抵抗値を小さくせねばならず、放電抵抗134における電力損失が大きくなるため、欧州のErP指令等の省エネルギー規制により制限される無負荷時電力や待機時電力に適合させることが困難であった。
本発明は、このような難点を解消するためになされたもので、交流電源からの電源供給が遮断される電源遮断時においてアクロス・ザ・ライン・コンデンサに蓄えられた電荷を安全かつ確実に放電せるとともに、通常の電源供給時における電力損失を低減することで省電力化を図ることができるスイッチング電源装置を提供することを目的としている。
前述の目的を達成するため、本発明の第1の態様であるスイッチング電源装置は、交流電源から電源供給される交流電圧を直流電圧に変換するための1次側整流・平滑回路と、1次側整流・平滑回路にて生成される1次側の直流電圧の電力を2次側に伝達するための1次巻線及び2次巻線並びに1次巻線へのスイッチング動作を制御するための動作電圧を電源供給するための補助巻線を有するスイッチングトランスと、補助巻線の出力電圧に基づいてスイッチングトランスを駆動させるためのトランジスタと、トランジスタのスイッチング動作を制御して負荷への過電圧保護を行うための制御ICを有するスイッチング制御回路と、スイッチングトランスの2次巻線の電圧を整流・平滑して負荷に電源供給するための2次側整流・平滑回路と、2次側整流・平滑回路の出力電圧を、制御ICを経由して一定に保つ制御を行うための定電圧制御回路と、交流電源からの交流電圧が印加される電源ラインへの帰還ノイズを低減するためのアクロス・ザ・ライン・コンデンサと、1次側整流・平滑回路のダイオードブリッジの出力電圧を監視し、出力電圧が所定の閾値レベル以下になったとき、交流電源からの電源供給が遮断されたことを検出してアクロス・ザ・ライン・コンデンサに蓄えられた電荷を放電するための電源遮断時放電回路とを備えるものである。
本発明の第1の態様によれば、出力電圧の定電圧制御が可能となるばかりでなく、安全かつ確実に過電圧の発生から負荷が保護され、さらには、交流電源からの電源供給が遮断されたことを検出し、アクロス・ザ・ライン・コンデンサに蓄えられた電荷を放電することで残留電圧を安全な電圧レベルまで低下させることができる。
また、本発明の第2の態様であるスイッチング電源装置は、本発明の第1の態様において、電源遮断時放電回路は、電源遮断のための所定の閾値レベルの電圧を設定する電源遮断用設定抵抗と、アクロス・ザ・ライン・コンデンサの両端電圧が電源遮断用設定抵抗にて設定される電圧レベル以下となったときにオフ状態からオン状態に切り換わる状態遷移トランジスタと、状態遷移トランジスタがオン状態のとき、アクロス・ザ・ライン・コンデンサに蓄えられた電荷を放電させる放電動作を行うための放電動作用トランジスタとを有するものである。
本発明の第2の態様によれば、交流電源からの電源供給が遮断されたことを電源遮断時放電回路にて検出し、この電源遮断時放電回路の制御により、アクロス・ザ・ライン・コンデンサに蓄えられた電荷を放電することができる。
また、本発明の第3の態様であるスイッチング電源装置は、本発明の第1の態様又は第2の態様において、1次側整流・平滑回路は、逆流防止用ダイオードを介在して一対のコンデンサが並列接続されるものである。
本発明の第3の態様によれば、1次側整流・平滑回路を構成するダイオードブリッジの出力電圧を平滑するためのコンデンサとして、逆流防止用ダイオードを介在して並列接続される一対のコンデンサを適用することができる。
また、本発明の第4の態様であるスイッチング電源装置は、本発明の第3の態様において、一対のコンデンサのうち一方のコンデンサは、1次側整流・平滑回路のダイオードブリッジの出力電圧を平滑し、逆流防止用ダイオードを経由して放電が阻止されるものである。
本発明の第4の態様によれば、1次側整流・平滑回路のダイオードブリッジの出力電圧を平滑するコンデンサに蓄えられている電荷は、逆流防止用ダイオードの作用によりその放電を阻止することができる。
また、本発明の第5の態様であるスイッチング電源装置は、本発明の第3の態様において、一対のコンデンサのうち他方のコンデンサは、放電動作用トランジスタに並列接続され、電源遮断時に放電されるものである。
本発明の第5の態様によれば、電源遮断時において、放電動作用トランジスタに並列接続されたコンデンサとアクロス・ザ・ライン・コンデンサにそれぞれ蓄えられている電荷を放電することで、それらの残留電圧を安全な電圧レベルまで低下させることができる。
本発明のスイッチング電源装置によれば、交流電源からの交流電源の電源供給が遮断されると、1次側整流・平滑回路のコンデンサに蓄えられている電荷と、交流電源からの交流電圧が印加される電源ラインへの帰還ノイズを低減するにあたりアクロス・ザ・ライン・コンデンサに蓄えられている電荷とがそれぞれ、電源遮断時放電回路を構成する放電抵抗に作用により消費されるため、アクロス・ザ・ライン・コンデンサの残留電圧を安全な電圧レベルまで低下させることができる。また、通常の電源供給時によれば、放電抵抗における電力損失を低減することができるため、欧州のErP指令等の省エネルギー規制により制限される無負荷時電力や待機時電力に容易に適合可能となり、省電力化が図られる。
本発明の実施例によるスイッチング電源装置の具体的な構成を示す回路ブロック図。 従来例によるスイッチング電源装置の具体的な構成を示す回路ブロック図。
以下、本発明のスイッチング電源装置を適用した実施の形態例について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例によるスイッチング電源装置の具体的な構成を示す回路ブロック図である。このスイッチング電源装置には、家電機器等の負荷1と、交流電源(商用電源)2と、交流電源2から電源供給される交流電圧Vinが印加され、この交流電圧Vinを直流電圧に変換するための電源入力制御部3と、負荷1を動作させるための出力電圧Voutを生成する電源出力制御部4と、1次側である電源入力制御部3及び2次側である電源出力制御部4の間を絶縁し、1次側の直流電圧を2次側に伝達するためのスイッチングトランス5と、負荷1が接続される2つの端子(以下、それぞれ出力端子、GND端子という。)P1、P2とが設けられている。
このスイッチング電源装置において、スイッチングトランス5には、1次側である電源入力制御部3からの直流電圧を2次側である電源出力制御部4に伝達するための1次巻線50及び2次巻線51と、1次巻線50へのスイッチング動作を制御するための動作電圧を電源供給する補助巻線52とが備えられている。
次に、電源入力制御部3には、交流電源2から電源供給される交流電圧Vinを整流・平滑して直流電圧に変換するための1次側整流・平滑回路30と、スイッチングトランス5を構成する補助巻線52からの電源供給に基づいて当該スイッチングトランス(を構成する1次巻線50)のスイッチング動作を駆動させるための(電界効果型の)トランジスタ31と、トランジスタ31のスイッチング動作、すなわち、オン(オン状態)/オフ(オフ状態)の切り換えを制御するための制御IC320を有するスイッチング制御回路32と、交流電源2からの交流電圧Vinが印加される電源ラインへの帰還ノイズを低減するためのアクロス・ザ・ライン・コンデンサ33と、1次側整流・平滑回路30の後述するダイオードブリッジDBの出力電圧を監視し、この出力電圧が所定の閾値レベル以下となったとき、交流電源2からの電源供給が遮断されたことを検出してアクロス・ザ・ライン・コンデンサ33に蓄えられた電荷を放電するための電源遮断時放電回路34とが備えられている。
この電源入力制御部3において、1次側整流・平滑回路30は、ダイオードブリッジDB、一対の(電解)コンデンサC1、C2を有している。また、スイッチング制御回路32は、ダイオードD1、(電解)コンデンサC3、フォトカプラPCを構成する(NPN型の)トランジスタ(以下、スイッチング制御用トランジスタという。)Q1及び制御IC320を有している。さらに、電源遮断時放電回路34には、ダイオードD2、ダイオード(以下、逆流防止用ダイオードという。)D3、放電抵抗R1、第1の分圧抵抗(以下、電源遮断用設定抵抗という。)R2、R3、第2の分圧抵抗(以下、放電動作用設定抵抗という。)R4、R5、安定抵抗R6、(PNP型の)トランジスタ(以下、状態遷移トランジスタ)Q2及び(電界効果型の)トランジスタ(以下、放電動作用トランジスタという。)Q3を有している。
電源入力制御部3の具体的な接続の態様として、1次側整流・平滑回路30を構成するダイオードブリッジDBの整流側の一方及び他方間には、交流電源2が並列接続されているとともに、アクロス・ザ・ライン・コンデンサ33の両端が接続されている。また、ダイオードブリッジDBの(+)端子及び(−)端子の両端子間には、一対のコンデンサC1、C2がそれぞれ、電源遮断時放電回路34を構成する逆流防止用ダイオードD3を介在するように並列接続されている。また、ダイオードブリッジDBの(+)端子には、逆流防止用ダイオードD3、スイッチングトランス5を構成する1次巻線50(の両端)を経由して、トランジスタ31のドレインが接続されており、このトランジスタ31のゲートには、スイッチング制御回路32を構成する制御IC320の制御端子P320aが接続されている。また、トランジスタ31のソースには、基準電位点が接続されている。また、ダイオードブリッジDBの(+)端子と逆流防止用ダイオードD3(のアノード)との間には、電源遮断時放電回路34を構成する放電抵抗R1を経由して放電動作用トランジスタQ3のドレインと、電源遮断用設定抵抗R2、R3を順次経由して基準電位点とがそれぞれ接続されている。
スイッチング制御回路32を構成する制御IC320において、フィードバック端子P320bには、フォトカプラPCを構成するスイッチング制御用トランジスタQ1を経由して基準電位点が接続されている。また、電源端子P320cには、ダイオードD1、スイッチングトランス5を構成する補助巻線52(の両端)を順次経由して基準電位点が接続されている。さらに、電源端子P320cとダイオードD1のカソードとの間であって当該電源端子と基準電位点との間には、コンデンサC3が並列接続されており、他端側が基準電位点に接続されたコンデンサC3の一端側には、電源遮断時放電回路34を構成する状態遷移トランジスタQ2のエミッタが接続されている。
電源遮断時放電回路34において、状態遷移トランジスタQ2のベース−エミッタ間には、安定抵抗R6が接続されている。また、状態遷移トランジスタQ2のコレクタには、放電動作用設定抵抗R4、R5を順次経由して基準電位点が接続されており、直列接続された抵抗R4、R5の間には、放電動作用トランジスタQ3のゲートが接続されている。また、放電動作用トランジスタQ3のソースには、基準電位点が接続されている。さらに、電源遮断用設定抵抗R2、R3の間には、ダイオードD2を経由して状態遷移トランジスタQ2のベースが接続されている。
なお、電源入力制御部3において、逆流防止用ダイオードD3は、前述のような電源遮断時放電回路34の構成部として設ける態様に限定されるものではなく、例えば、1次側整流・平滑回路30の構成部として設けることもできる。
次に、電源出力制御部4には、スイッチングトランス5を構成する1次巻線50から誘起された後、2次巻線51にて受電される直流電圧を整流・平滑して出力電圧Voutを生成し、負荷1に電源供給するための2次側整流・平滑回路40と、2次側整流・平滑回路40の出力電圧Voutを、電源入力制御部3のスイッチング制御回路32を構成する制御IC320を経由して一定に保つ制御を行うための定電圧制御回路41とが備えられている。
この電源出力制御部4において、2次側整流・平滑回路40は、ダイオードD4、(電解)コンデンサC4を有している。また、定電圧制御回路41は、抵抗(分圧抵抗を含む。)R7〜R10、フォトカプラPCを構成するダイオード(以下、スイッチング制御用ダイオードという。)D5及びシャントレギュレータSRを有している。
電源出力制御部4の具体的な接続の態様として、2次側整流・平滑回路40を構成するダイオードD4のアノードには、スイッチングトランス5を構成する2次巻線51(の両端)を経由して基準電位点が接続されており、このダイオードD4のカソードには、出力端子P1が接続されている。また、ダイオードD4のカソード及び出力端子P1の間には、コンデンサC4が並列接続されているとともに、定電圧制御回路41を構成する分圧抵抗R9、R10を順次経由して基準電位点が接続されている。さらに、2次巻線51の他端及びGND端子P2間には、基準電位点が接続されている。
定電圧制御回路41において、フォトカプラPCを構成するスイッチング制御用ダイオードD5のアノードは、抵抗R7を経由して、2次側整流・平滑回路40を構成するダイオードD4のカソード及び出力端子P1の間に接続されている。また、スイッチング制御用ダイオードD5のカソード及びシャントレギュレータSRのカソード間は、抵抗R8を経由して、ダイオードD4のカソード及び出力端子P1の間に接続されている。また、シャントレギュレータSRのリファレンスは、直列接続された分圧抵抗R9、R10の間に接続されており、出力端子P1の電位を分圧して当該シャントレギュレータのリファレンスに供給している。さらに、シャントレギュレータSRのアノードには、基準電位点が接続されている。
このように構成された本発明の実施例によるスイッチング電源装置において、以下、具体的な動作について説明する。
図1において、電源入力制御部3の1次側整流・平滑回路30を構成するダイオードブリッジDBの整流側の一方及び他方の両端間に、交流電源2からの交流電圧Vinが印加されると、この交流電圧Vinは、ダイオードブリッジDBを経由して整流された後、(一対のコンデンサのうち一方の)コンデンサC1を経由して平滑されることにより、直流電圧が生成される。また、前述の直流電圧は、スイッチングトランス5を構成する1次巻線50に印加されるため、スイッチング制御回路32を構成する制御IC320の電源端子P320cの端子電圧は所定の最低動作電圧が確保されることにより、この制御IC320が駆動して動作状態となる。また、動作状態の制御IC320は、制御端子P320aからトランジスタ31にゲート電流を供給することにより、このトランジスタ31がオフ状態からオン状態に切り換えられる。さらに、前述のように1次巻線50に直流電圧が印加されると、この1次巻線50から誘起された(+)電圧が補助巻線52にて受電されるとともに、同様に誘起された(−)電圧が2次巻線51にて受電される。なお、コンデンサC1を経由して平滑される直流電圧は、電源遮断時放電回路34を構成する逆流防止用ダイオードD3の作用により、当該コンデンサの放電動作に基づくコンデンサC2への電流の流れ込みが防止されるように、所謂、放電が阻止されている。
ここで、スイッチングトランス5を構成する補助巻線52にて受電された(+)電圧は、電源入力制御部3のスイッチング制御回路32を構成するダイオードD1、コンデンサC3を順次経由して整流・平滑された後、制御IC320の電源端子P320cに印加されることにより、この電源端子P320cの端子電圧は、当該制御ICを駆動させて動作状態とする最低動作電圧の電圧レベルよりも十分に高い一方、後述する負荷1への過電圧保護に必要な閾値電圧(以下、スレッシュ電圧という。)の電圧レベルよりも十分に低い値で確保される。このような電源供給が行われると、制御IC320は、制御端子P320aからのゲート電流の供給に基づいて、トランジスタ31をオン状態のまま保持することができる。
一方、スイッチングトランス5を構成する2次巻線51にて受電された(−)電圧は、電源出力制御部4の2次側整流・平滑回路40を構成するダイオードD4に逆方向の電圧で印加されるため、出力電圧Voutが生成されることはなく、これと同時に、補助巻線52に接続された(電源入力制御部3の)スイッチング制御回路32を構成する制御IC320の電源端子P320cまでの電源供給路が形成され、形成された電源供給路上のコンデンサC3を充電させて電荷を蓄える。このとき、制御IC320は、制御端子P320aからのゲート電流の供給を遮断し、トランジスタ31をオン状態からオフ状態に切り換えることで1次巻線50に逆起電力が発生する。これにより、1次巻線50から誘起された(−)電圧が補助巻線52にて受電されるとともに、同様に誘起された(+)電圧が2次巻線51にて受電される。
また、スイッチングトランス5を構成する補助巻線52にて受電された(−)電圧は、前述の(+)電圧の電源供給時と同様、電源入力制御部3のスイッチング制御回路32を構成するダイオードD1、コンデンサC3を順次経由して整流・平滑された後、制御IC320の電源端子P320cに印加される。このような電源供給が行われると、制御IC320は、制御端子P320aからのゲート電流の供給遮断に基づいて、トランジスタ31をオフ状態のまま保持することができる。
さらに、スイッチングトランス5を構成する2次巻線51にて受電された(+)電圧は、電源出力制御部4の2次側整流・平滑回路40を構成するダイオードD4に順方向の電圧で印加されるため、コンデンサC4に電荷が蓄えられるとともに放電状態となって出力電圧Voutを生成する。この後、2次巻線51のエネルギーが放出され、当該2次巻線の(−)電圧及び補助巻線52の(+)電圧がそれぞれ「0V」になると、電源入力制御部3を構成するトランジスタ31はオフ状態から反転して、再びオン状態に切り換えられる。
したがって、前述までの動作が繰り返されることで、電源入力制御部3を構成するトランジスタ31のオン状態/オフ状態が切り換えられるようなスイッチング動作が継続する。
次に、電源出力制御部4の定電圧制御回路41を構成する分圧抵抗R9、R10を順次経由して分圧された出力電圧Voutにより、シャントレギュレータSRに流れるシャント電流が所定の閾値(電流量)を超えると、このシャントレギュレータSRはオフ状態からオン状態に切り換えられ、抵抗R7を経由してフォトカプラPCを構成するスイッチング制御用ダイオードD5にアノード電流が流れる。また、この動作に連動するフィードバック制御によって、(電源入力制御部3の)スイッチング制御回路32のフォトカプラPCを構成するスイッチング制御用トランジスタQ1は、オフ状態からオン状態に切り換えられる。
ここで、出力電圧Voutが上昇した場合には、電源出力制御部4の定電圧制御回路41を構成するシャントレギュレータSRが電流を引き込み、フォトカプラPCを構成するスイッチング制御用ダイオードD5に電流を流すことにより、これに連動するフィードバック制御によって、(電源入力制御部3の)スイッチング制御回路32のフォトカプラPCを構成するスイッチング制御用トランジスタQ1のインピーダンスを下げることで、出力電圧Vout(の電圧レベル)を低下させて定電圧制御を行うことができる。一方、出力電圧Voutが低下した場合には、シャントレギュレータSRが電流を引き込まず、スイッチング制御用ダイオードD5に電流を流さないことにより、これに連動するフィードバック制御によって、スイッチング制御用トランジスタQ1のインピーダンスを上げることで、出力電圧Vout(の電圧レベル)を上昇させて定電圧制御を行うことができる。
次に、前述のような電源入力制御部3を構成するトランジスタ31のスイッチング動作が継続している状態において、出力端子P1及びGND端子P2にそれぞれ接続された負荷1にて例えば、破損又は故障が発生し、出力電圧Voutが異常上昇して(例えば、軽度の)過電圧が発生すると、この過電圧は、スイッチングトランス5を構成する2次巻線51から誘起された後、補助巻線52にて受電される。なお、補助巻線52にて受電された過電圧の電圧レベルは、当該補助巻線の巻数及び2次巻線51の巻数に対応して、当該2次巻線に発生した(+)電圧の電圧レベルよりも低い値であり、電源入力制御部3のスイッチング制御回路32を構成するダイオードD1を導通させ、このダイオードD1、コンデンサC3を経由して整流・平滑された後、制御IC320の電源端子P320cに印加される。
また、電源入力制御部3のスイッチング制御回路32を構成する制御IC320は、電源端子P320cの端子電圧が、負荷1への過電圧保護に必要なスレッシュ電圧よりも高いことを検出し、制御端子P320aにゲート接続されたトランジスタ31へのスイッチング動作を制御、すなわち、制御端子P320aからのゲート電流の供給を遮断することで、その動作をオン状態からオフ状態に切り換えてラッチ停止させることができる。これにより、安全かつ確実に過電圧の発生から負荷1が保護される。
次に、前述のような電源入力制御部3を構成するトランジスタ31のスイッチング動作が継続している状態であり、安全かつ確実に過電圧の発生から負荷1が保護されるような状態で当該装置が使用されているとき、電源入力制御部3の1次側整流・平滑回路30を構成する(一対のコンデンサのうち他方の)コンデンサC2には、ダイオードブリッジDBからの出力電圧を平滑する目的で、電荷が蓄えられている。
ここで、交流電源2からの交流電源Vinの電源供給が遮断されると、電源入力制御部3の1次側整流・平滑回路30を構成するコンデンサC2に蓄えられている電荷は、電源遮断時放電回路34を構成する、直列接続された電源遮断用設定抵抗R2、R3の作用により消費されるため、このコンデンサC2の両端電圧にかかる電圧レベル(以下、両端電圧「V1」という。)は低下する。ここで、直流電圧を「Vcc」、状態遷移トランジスタQ2のベース−エミッタ電圧を「Vbe」、ダイオードD2の順方向電圧を「Vf」と仮定すると、電源遮断用設定抵抗R2、R3により設定される閾値レベルの電圧(以下、閾値電圧という。)「V0」は、式(1)で表される。
Figure 2013135551
前述のような閾値電圧「V0」とコンデンサC2の両端電圧「V1」との比較において、「V1≦V0」の関係のような、両端電圧「V1」が閾値電圧「V0」以下になると、状態遷移トランジスタQ2はオフ状態からオン状態に切り換わり、エミッタ−コレクタ間が導通することによって、スイッチング制御回路32の電源端子P320cから状態遷移トランジスタQ2にエミッタ電流が流れる。この後、直列接続された放電動作用設定抵抗R4、R5を経由して分圧されたゲート電流が放電動作用トランジスタQ3に流れるため、状態遷移トランジスタQ2のスイッチング状態に対応して、放電動作用トランジスタQ3についてもオフ状態からオン状態に切り換わる。
また、電源入力制御部3において、電源遮断時放電回路34を構成する放電動作用トランジスタQ3がオン状態になると、1次側整流・平滑回路30構成するコンデンサC2に蓄えられている電荷と、交流電源2からの交流電圧Vinが印加される電源ラインへの帰還ノイズを低減するにあたりアクロス・ザ・ライン・コンデンサ33に蓄えられている電荷とがそれぞれ、放電抵抗R1の作用により消費されるため、アクロス・ザ・ライン・コンデンサ33の残留電圧を安全な電圧レベルまで低下させることができる。
なお、交流電源2からの交流電源Vinの電源供給が正常に行われている通常の電源供給時において、電源入力制御部3の1次側整流・平滑回路30を構成するコンデンサC2に蓄えられている電荷は、電源遮断時放電回路34を構成する、直列接続された電源遮断用設定抵抗R2、R3の作用により消費されることはなく、前述の「V1≦V0」の関係のような、両端電圧「V1」が閾値電圧「V0」以下になることはなく、「V1>V0」の関係を有しているため、状態遷移トランジスタQ2、放電動作用トランジスタQ3はそれぞれオフ状態で保持されるため、放電抵抗R1が作用することはない。
したがって、通常の電源供給時によれば、放電抵抗R1における電力損失を低減することができるため、欧州のErP指令等の省エネルギー規制により制限される無負荷時電力や待機時電力に容易に適合可能となり、省電力化が図られる。
なお、本発明のスイッチング電源装置においては、特定の実施の形態をもって説明してきたが、この形態に限定されるものでなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成のスイッチング電源装置であっても採用できるということはいうまでもないことである。
具体的に、本発明の実施例によれば、スイッチングトランス5を構成する補助巻線52の出力電圧に基づいて当該スイッチングトランスを駆動させるためのトランジスタとして、電界効果型のトランジスタ31を適用したが、この態様に限定されるものではない。例えば、ベースがスイッチング制御回路32を構成する制御IC320の制御端子P320aに、コレクタがスイッチングトランス5を構成する1次巻線50に、エミッタが基準電位点に、それぞれ接続されるNPN型の当該トランジスタを適用することもできる。
また、交流電源2と電源入力制御部3の1次側整流・平滑回路30を構成するダイオードブリッジDBの整流側の一方との間には、交流電源2からの交流電圧Vinが過電流となるのを防止するためのヒューズ(過電圧保護部)を接続することもできる。この態様によれば、スイッチング制御回路32を構成する制御IC320の制御によるラッチ停止以外にも、異常電流が流れたときにヒューズを溶断させることでスイッチング動作をラッチ停止させることができる。
1……負荷
2……交流電源
Vin……交流電圧
5……スイッチングトランス
50……1次巻線
51……2次巻線
52……補助巻線
30……1次側整流・平滑回路
DB……ダイオードブリッジ
C1……一対のコンデンサのうち一方のコンデンサ
C2……一対のコンデンサのうち他方のコンデンサ
31……トランジスタ
32……スイッチング制御回路
320……制御IC
33……アクロス・ザ・ライン・コンデンサ
34……電源遮断時放電回路
D3……逆流防止用ダイオード
R2、R3……電源遮断用設定抵抗
Q2……状態遷移トランジスタ
Q3……放電動作用トランジスタ
40……2次側整流・平滑回路
41……定電圧制御回路

Claims (5)

  1. 交流電源(2)から電源供給される交流電圧(Vin)を直流電圧に変換するための1次側整流・平滑回路(30)と、
    前記1次側整流・平滑回路にて生成される1次側の直流電圧の電力を2次側に伝達するための1次巻線(50)及び2次巻線(51)並びに前記1次巻線へのスイッチング動作を制御するための動作電圧を電源供給するための補助巻線(52)を有するスイッチングトランス(5)と、
    前記補助巻線の出力電圧に基づいて前記スイッチングトランスを駆動させるためのトランジスタ(31)と、
    前記トランジスタのスイッチング動作を制御して負荷(1)への過電圧保護を行うための制御IC(320)を有するスイッチング制御回路(32)と、
    前記スイッチングトランスの前記2次巻線の電圧を整流・平滑して前記負荷に電源供給するための2次側整流・平滑回路(40)と、
    前記2次側整流・平滑回路の出力電圧を、前記制御ICを経由して一定に保つ制御を行うための定電圧制御回路(41)と、
    前記交流電源からの前記交流電圧が印加される電源ラインへの帰還ノイズを低減するためのアクロス・ザ・ライン・コンデンサ(33)と、
    前記1次側整流・平滑回路のダイオードブリッジ(DB)の出力電圧を監視し、前記出力電圧が所定の閾値レベル以下になったとき、前記交流電源からの電源供給が遮断されたことを検出して前記アクロス・ザ・ライン・コンデンサに蓄えられた電荷を放電するための電源遮断時放電回路(34)とを備えることを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 前記電源遮断時放電回路は、電源遮断のための前記所定の閾値レベルの電圧を設定する電源遮断用設定抵抗(R2、R3)と、前記アクロス・ザ・ライン・コンデンサの両端電圧が前記電源遮断用設定抵抗にて設定される電圧レベル以下となったときにオフ状態からオン状態に切り換わる状態遷移トランジスタ(Q2)と、前記状態遷移トランジスタがオン状態のとき、前記アクロス・ザ・ライン・コンデンサに蓄えられた電荷を放電させる放電動作を行うための放電動作用トランジスタ(Q3)とを有することを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
  3. 前記1次側整流・平滑回路は、逆流防止用ダイオード(D3)を介在して一対のコンデンサ(C1、C2)が並列接続されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスイッチング電源装置。
  4. 前記一対のコンデンサのうち一方のコンデンサ(C1)は、前記1次側整流・平滑回路の前記ダイオードブリッジの出力電圧を平滑し、前記逆流防止用ダイオードを経由して放電が阻止されることを特徴とする請求項3記載のスイッチング電源装置。
  5. 前記一対のコンデンサのうち他方のコンデンサ(C2)は、前記放電動作用トランジスタに並列接続され、電源遮断時に放電されることを特徴とする請求項3記載のスイッチング電源装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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