JP2013135526A - 水中モータ用電線 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境に優しく、高強度かつ耐水性に優れた水中モータ用電線を提供する。
【解決手段】導体の外周に、被覆層を有する水中モータ用絶縁電線であって、該被覆層が架橋ポリオレフィン樹脂組成物層からなり、該架橋ポリオレフィン樹脂組成物中の架橋前のポリオレフィン樹脂の比重が0.925以下であって、かつメルトフローレートが2g/10min以下である水中モータ用絶縁電線。
【選択図】なし

Description

本発明は水中モータ用電線に関し、詳しくは、高強度で耐水性に優れた水中モータ用電線に関するものである。
従来、水中用モータとしては、コイルがある機内に水等を充満して使用する封水構造のものがある。このコイルに使用する電線は、巻き付け時にかかる負荷に耐える強度、および高温水中での長期信頼性が求められる。水中モータ用電線は、このような高強度かつ耐水性をもつ電線であることが必要とされている。
このような電線としては、従来は、鉛安定剤を配合された高重合度ポリ塩化ビニル(PVC)が用いられてきている。しかし、近年、環境対応のため、安定剤を非鉛化することが求められてきているが、鉛安定剤を使用しないPVCで被覆された電線では耐水性を長期的に維持することが困難であった。
一方、水中モータ用電線としてはポリエチレンを用いることも検討されてきた(特許文献1、2参照)。しかし、これらの文献に記載の電線は、実際に使用するとコイル作製時の強度不足、水中での絶縁抵抗の低下、残留応力によるクラックが発生してしまい信頼性が保てないものであった。また、ポリエチレン以外の材料として、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やフッ素樹脂を用いることも考えられてきたが(特許文献3、4参照)、いずれも、価格、加工性、装置導入などの点で、現実の使用には問題の多いものであった。
実開昭55−059405号公報 実開昭58−107515号公報 特開昭59−040409号公報 特開平05−325653号公報
本発明は、環境に優しく、高強度かつ耐水性、特に高温での耐水性に優れた水中モータ用電線を提供することを目的とする。
本発明者は、導体の外周に、架橋ポリオレフィン樹脂組成物層からな被覆層を有する水中モータ用絶縁電線において、特定のポリオレフィン樹脂の架橋前の比重とメルトフローレートの関係が、高強度かつ耐水性、特に高温での耐水性に優れることを見出した。この知見に基づき、さらに検討を行った結果、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は、
(1)導体の外周に、被覆層を有する水中モータ用絶縁電線であって、該被覆層が架橋ポリオレフィン樹脂組成物層からなり、該架橋ポリオレフィン樹脂組成物中の架橋前のポリオレフィン樹脂の比重が0.925以下であって、かつメルトフローレートが2g/10min以下であることを特徴とする水中モータ用絶縁電線、
(2)前記架橋ポリオレフィン樹脂組成物が、JIS C 3005の加熱変形試験(温度160℃)に基づく変形率が50%以下であることを特徴とする(1)に記載の水中モータ用絶縁電線、
(3)前記導体の外周に前記被覆層を形成後に、前記被覆層が、前記ポリオレフィン樹脂の融点以上の温度で熱処理されてなることを特徴とする(1)または(2)に記載の水中モータ用絶縁電線、
を提供するものである。
本発明により、被覆材にPVCを使用せず、高強度かつ耐水性に優れ、特に高温における耐水性に優れた水中モータ用絶縁電線を提供することができる。
本発明の水中モータ用電線は導体の外周に、被覆層を有する水中モータ用絶縁電線であって、該被覆層が架橋ポリオレフィン樹脂組成物層からなり、該架橋ポリオレフィン樹脂組成物中の架橋前のポリオレフィン樹脂の比重が0.925以下であって、かつメルトフローレート(以下、「MFR」ともいう。)が2g/10min以下である。
<導体>
導体としては、絶縁電線に用いられる導体を用いることができる。例えば、裸銅あるいはめっきを施した銅導体や、10〜100μmの皮膜厚のエナメルで被覆されたエナメル被覆線を挙げることができる。エナメル被覆線としては、例えば、油性エナメル被覆線(EW)、ホルマール被覆線(PVF)、ポリウレタン被覆線(UEW)、ポリエステル被覆線(PEW)、ポリエステルイミド被覆線(EIW)、ポリアミドイミド被覆線(AIW)、ポリイミド被覆線(PIW)を挙げることができる。導体の直径に特に限定はないが、0.6〜3.5mmが好ましい。本明細書において、上記のエナメル被覆線も導体というものとする。
<被覆層>
本発明の水中モータ用絶縁電線は、導体の外周に、被覆層が架橋ポリオレフィン樹脂組成物層からなる。この被覆層は少なくとも1層であり、2層以上有することが好ましく、さらに好ましくはこの被覆層の少なくとも2層以上が架橋ポリオレフィン樹脂組成物層である。
架橋ポリオレフィン樹脂組成物層を構成する架橋ポリオレフィン樹脂組成物中の架橋前のポリオレフィン樹脂は、本発明においては、比重が0.925以下であって、かつメルトフローレートが2g/10min以下である。
ポリオレフィン樹脂の比重は0.860〜0.925が好ましい。ポリオレフィン樹脂の比重を0.925g/cm以下とすることで、材料の成形ひずみが低減できる。なお、比重は真比重の比重であり、JIS K7112に基づき測定された値である。
一方、架橋前のポリオレフィン樹脂のMFRは2g/10min以下であり、0.5〜0.05g/10minが好ましい。MFRが2g/10min以下であると、ポリオレフィンの分子鎖が長いため、耐環境応力亀裂性(ESCR)を向上させことができる。なお、本発明においてMFRはJIS K6922−2に基づき測定された値である。
被覆層に用いられる架橋ポリオレフィン樹脂組成物層を構成するベース樹脂のポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂が挙げられ、本発明においてはポリエチレン樹脂が好ましい。
なお、本願明細書において、ポリプロピレン樹脂とは、プロピレン成分が85質量%以上のものをいう。
また、ポリエチレン樹脂とは、上記ポリプロピレン樹脂以外で、少なくともエチレン成分を有する樹脂をいう。
ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂は、ポリエチレンホモポリマー、ポリプロピレンホモポリマー以外に、上記のように共重合体も含む。これらの共重合体における共重合させるモノマーとしては、α−オレフィン(炭素−炭素二重結合をα位に有するアルケン化合物)、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等のエチレン性不飽和基を有する化合物、また、エチレン性不飽和基を2個有するジエン化合物、例えば、エチリデンノルボルネン(好ましくは、5−エチリデン−2−ノルボルネン)、シクロペンタジエン、ブタジエン、1,4−ヘキサジエン、を第三成分として含むものも挙げられる。なお、共重合させるモノマーは2種類以上であっても構わない。
ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂は酸変性されていてもよく、変性される酸としては不飽和カルボン酸またはその無水物が好ましい。不飽和カルボン酸の代表例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸が挙げられ、酸無水物としては無水マレイン酸が挙げられる。ここで、変性量は、0.1〜20質量%が好ましい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸」と「メタクリル酸」の両方を含むものである。
(ポリエチレン樹脂)
ポリエチレン樹脂としては、ポリエチレンホモポリマー、エチレン共重合体およびこれらの酸変性されたポリマーが挙げられる。ポリエチレン樹脂は、エチレン成分が30質量%以上のものが好ましく、エチレン共重合体が好ましい。
エチレン共重合体としては、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましく、なかでもエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。
ここで、α−オレフィンとしては、炭素数3〜12のα−オレフィン(炭素−炭素二重結合をα位に有するアルケン化合物)が好ましく、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。
チレン−α−オレフィン共重合体としては、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン、LDPE(低密度ポリエチレン)、VLDPE(超低密度ポリエチレン)、シングルサイト触媒存在下に合成されたエチレン−α−オレフィン共重合体が挙げられる。
また、ポリエチレン樹脂として、エチレン成分を含み、ゴムに分類される樹脂(例えば、EPMとして知られているエチレン−プロピレン共重合体ゴム、EPT若しくはEPDMとして知られているエチレン−プロピレンと第3成分の共重合体ゴム(EPMとEPDM若しくはEPTの総称としてEPRとも称す)、EBRとして知られているエチレン−1−ブテン共重合体ゴムも挙げられる。これらのゴム類はエチレン成分を30〜95%含むものが好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体は、酸変性されたものも好ましく、なかでも(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸で変性されたものが好ましい。
ポリエチレン樹脂のうち、好ましくは、VLDPE、LDPE、LLDPE、エチレン−酢酸ビニル共重合体である。
(ポリプロピレン樹脂)
ポリプロピレン樹脂としては、プロピレンの単独重合体(ホモポリプロピレン)、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、プロピレンと他の少量のα−オレフィン(例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等)との共重合体、構成成分としてアタクチックのプロピレンを含むポリプロピレン、プロピレンとエチレン系共重合体ゴムとのブロック共重合体等が挙げられる。
また、プロピレン成分を85質量%以上含有したゴム類も挙げられる。
ポリプロピレン樹脂においても酸変性されたものも好ましく、なかでも(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸で変性されたものが好ましい。
<水中モータ用絶縁電線と製造方法>
水中モータ用絶縁電線は、通常、不凍液であるプロピレングリコール水溶液に浸された状態で使用される。また水中モータ用絶縁電線は、コイル巻き付け時には被覆層がこすれるため、傷(ノッチ)が付く可能性があるが、上記の比重およびMFRを有するポリオレフィン樹脂により被覆層を形成することで、プロピレングリコール水溶液中において、傷がついた状態でも、耐圧性などの信頼性が高いものとすることができる。
本発明の水中モータ用絶縁電線において、高温時の溶融を抑え、耐摩耗性および強度を向上させるため、架橋ポリオレフィン樹脂組成物層を用いてなる。架橋ポリオレフィン樹脂組成物層は、電子線架橋もしくは化学架橋で製造されたものが好ましく、電子線照射で架橋したものがより好ましい。電子線照射量は20Mrad以上が好ましく、25Mrad以上がさらに好ましい。
また、本発明においては、電子線照射による架橋は、架橋剤、架橋助剤等の添加剤をしないでポリオレフィン樹脂そのものを架橋させるのが好ましい。架橋させることで、強度、加熱変形、磨耗性等が向上する。
水中モータ用絶縁電線において、架橋ポリオレフィン樹脂組成物が、JIS C 3005の加熱変形試験(温度160℃)で、変形率が50%以下であることが好ましい。変形率をこの範囲内とすることにより、高温時の溶融を抑える効果を効果的に奏することができる。変形率は、好ましくは、5〜40%、さらに好ましくは、5〜30%である。
電子線架橋または化学架橋により、変形率をこの範囲内にすることができる。
電線の被覆表面に小さな傷(ノッチ)が発生した場合、高温にさらされるとクラックが進展しやすくなる。通常の使用温度下であれば、上記の架橋度を有することでクラックの進展を防ぐことができる。しかし、例えば110℃を超えるような高温にさらすと上記の架橋度を有していてもクラックが進展する場合がある。これは、被覆層の成形時に成形歪みが発生し、成形後前記のような高温にさらすと歪みを解消するために収縮し、ノッチを起点としてクラックが進展するためと考えられる。この問題を解決するために、導体の上に形成した被覆層を加熱処理することが好ましい。この加熱処理により、樹脂の成形時に発生した成形歪みを緩和(応力緩和)させることができると考えられるためである。加熱処理の温度は、低すぎると応力緩和に時間がかかるため、ポリオレフィン樹脂の融点以上が好ましく、より好ましくは融点より10℃以上高い温度、さらに好ましくは融点より20℃以上高い温度である。また、具体的には、加熱処理は、140〜250℃がより好ましく、140〜180℃で行うことがさらに好ましい。加熱処理時間は特に限定はないが、上記の好ましい加熱温度においては1〜120秒の加熱処理が好ましい。
加熱処理の方法としては、アニーリングや被覆層の多数回押出などが挙げられる。
加熱処理により応力緩和させることで、高温環境下でのクラックの進展を防ぐことができる。しかし、短時間で応力緩和させるため、ポリオレフィン樹脂の融点以上で加熱処理すると、電線被覆の変形や電線同士の融着が発生しやすくなる。このような問題を回避する加熱処理方法として、多数回押出が挙げられる。
本発明の水中モータ用絶縁電線は、導体の外周に被覆層を形成後に、ポリオレフィン樹脂の融点以上の温度で熱処理して製造することが好ましい。例えば、上記のポリオレフィン樹脂組成物からなる被覆層をn回押出(nは2以上の整数を表す)により形成し、n回目の押出により、n−1回目の押出で形成された被覆層を、ポリオレフィン樹脂組成物中のポリオレフィン樹脂の融点以上の温度で熱処理する工程で製造することができる。押出しは、温度を上記の好ましい温度に設定して、常法により行うことができる。
本発明において被覆層の厚さは、特に限定はないが、0.2〜0.6mmが好ましい。また、被覆層が複数層からなる場合の各層の厚さも特に限定はないが、例えば、被覆層を2回押出で形成した場合、1回目の押出で形成される内層の厚さは前記被覆層全体の厚さの3分の1以下が好ましく、2回目の押出で形成される外層の厚さは前記被覆層全体の厚さの3分の2以上であって下限が100μmであることが好ましい。
以下に、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1、2、比較例1〜6
直径1.6mmのポリアミドイミド被覆線(AIW)の導体に、下記表1に示す比重およびMFRを有するポリエチレン樹脂を押出被覆機により160℃で、厚さ0.2mmの2回の押し出しにより0.4mm厚に被覆した。その後、下記表1に記載の線量の電子線を照射することによりポリエチレン樹脂を架橋し、実施例1、2、比較例1〜6の絶縁電線を得た。ここで、比較例6は電子線を照射していない(照射量が0Mrad)ため、ポリエチレン樹脂は架橋されていない。
(試験例1)
実施例1、2、比較例1〜6の電線について、下記(1)〜(5)の引張試験、耐圧試験、ESCR試験、耐摩耗性の試験およびノッチ付き巻き付け試験を行った結果を下記表1に併せて示す。なお、MFRは、JIS K6922−2に基づき測定された値である。
(使用した材料)
下記表1で使用したポリエチレン樹脂は以下のとおりである。融点は、示差走査熱量測定(DSC)により、測定した値である。
(a)ノバテックZF33(商品名、日本ポリエチレン(株)製)、融点 108℃
(b)ノバテックSF240(商品名、日本ポリエチレン(株)製)、融点 120℃
(c)ノバテックHB130R(商品名、日本ポリエチレン(株)製)、融点 130℃
(d)ノバテックHJ560(商品名、日本ポリエチレン(株)製)、融点 135℃
(e)ノバテックHJ580(商品名、日本ポリエチレン(株)製)、融点 123℃
(f)ルミタック54−1(商品名、東ソー(株)製)、融点 115℃
(g)ニポロンM55(商品名、東ソー(株)製)、融点 122℃
(1)引張試験
JIS C3005 4.16に基づき、引張強度及び引張伸びを測定した。引張強度が10MPa以上で引張伸び250%以上を「○」、引張強度が9MPa以上10MPa未満で引張伸び250%以上を「△」とし、引張強度が9MPa未満であるか、または、引張強度が9MPa以上でかつ引張伸びが250%未満を「×」とした。○と△の評価が合格であり、×の評価が不合格である。
(2)耐圧試験
電線を自己径巻き(2.4mm)で巻き付けた。次いで、カミソリにより電線表面に約深さ0.1mmの傷をつけた後、50℃の50%プロピレングリコール水溶液に1000時間浸漬し、溶液浸漬後、JIS 3005 4.6に基づく10kVの耐圧試験を実施した。絶縁破壊しない場合を合格「○」、絶縁破壊した場合を不合格「×」とした。
(3)ESCR試験
ASTM D1693に基づいて評価し、1000時間以上を合格「○」、1000時間未満を不合格「×」とした。
(4)耐摩耗性
日本自動車規格JASO D611(10)に基づき、耐摩耗性を測定し、150回以上を合格「○」、100〜149回以下を合格「△」、99回以下を不合格「×」とした。
(5)ノッチ付き巻き付け試験
各絶縁電線を自己径巻き後、表面に0.1mmノッチ形成し、100℃、24時間熱処理実施後、表面にクラックの有無を観察し、クラックが発生しない場合を合格「○」、クラックが発生したが導体まで到達していないものを合格「△」、クラックが発生して導体まで到達した場合を不合格「×」とした。
Figure 2013135526
表1で示されるように、比較例1〜5では、耐圧試験が不合格で、比較例6は引張試験と耐磨耗性が不合格であった。これに対し、実施例1および2では、全ての試験で合格であった。
また、導体としてポリアミドイミド被覆線(AIW)に換えて、油性エナメル被覆線(EW)、ホルマール被覆線(PVF)、ポリウレタン被覆線(UEW)、ポリエステル被覆線(PEW)、ポリエステルイミド被覆線(EIW)、ポリイミド被覆線(PIW)を用いた場合にも同様の結果が得られた。
(試験例2)
実施例11〜13
直径1.6mmのポリアミドイミド被覆線(AIW)の導体に、ノバテックZF33を用い、2回の押出しにより0.4mm厚ポリエチレン被覆層を形成した。次いで、下記表2に記載の線量の電子線を照射することにより2層のポリエチレン被覆層を架橋して、実施例11〜13の絶縁電線を作製した。得られた絶縁電線について、試験例1の上記(1)〜(5)の試験を行い、その性能を評価した。また、JIS C 3005の加熱変形試験(温度160℃)における変形率についても評価した。変形率が50%以下の絶縁電線を合格とした。
ここで、実施例1で作製した絶縁電線についても、加熱変形試験を行い、下記表2にまとめて記載した。
Figure 2013135526
表2からわかるように、JIS C 3005の加熱変形試験(温度160℃)における変形率が50%を越える絶縁電線は、引張試験が△レベルとなるのに対し、50%以下の絶縁電線は、これより優れた○レベルの効果を奏することがわかった。
(試験例3)
実施例21〜24
直径1.6mmのポリアミドイミド被覆線(AIW)の導体に、ノバテックZF33(融点108℃)を用い、2回の押出しにより0.4mm厚のポリエチレン被覆層を形成した。ついで、35Mradの電子線を照射して、2層のポリエチレン被覆層を架橋した。その後、下記表3に示す加熱処理を、高温槽を用いて行い、実施例21〜27の絶縁電線を作製した。
作製した実施例21〜24の絶縁電線を、自己径巻き後、表面に0.1mmノッチ形成し、その後、下記表3の加熱温度と加熱時間で熱処理を行い、熱処理後の表面のクラックの進展の有無を目視により観察した。結果を下記表3に併せて示す。
Figure 2013135526
表3に示されるように実施例21〜24では、加熱時間が1分にもかかわらずノッチ付き巻き付け加熱試験でクラックの進展を実質的に抑制できた。

Claims (3)

  1. 導体の外周に、被覆層を有する水中モータ用絶縁電線であって、該被覆層が架橋ポリオレフィン樹脂組成物層からなり、該架橋ポリオレフィン樹脂組成物中の架橋前のポリオレフィン樹脂の比重が0.925以下であって、かつメルトフローレートが2g/10min以下であることを特徴とする水中モータ用絶縁電線。
  2. 前記架橋ポリオレフィン樹脂組成物が、JIS C 3005の加熱変形試験(温度160℃)に基づく変形率が50%以下であることを特徴とする請求項1に記載の水中モータ用絶縁電線。
  3. 前記導体の外周に前記被覆層を形成後に、前記被覆層が、前記ポリオレフィン樹脂の融点以上の温度で熱処理されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の水中モータ用絶縁電線。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016178750A (ja) * 2015-03-19 2016-10-06 株式会社荏原製作所 液封式モータ、および、液封式モータの製造方法

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