JP2013135035A - 電子線励起型光源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 半導体発光素子から放射される光の利用効率が高く、高い光出力を実現することのできる電子線励起型光源装置を提供すること。
【解決手段】 この電子線励起型光源装置は、光取出し窓を有する真空容器を具え、当該真空容器の内部に、電子線源と、紫外光を放射する半導体発光素子とを配置し、当該電子線源から放射される電子線が入射する表面と前記光取出し窓とが離間して対向するよう配置されてなる構成のものにおいて、前記半導体発光素子の側面から放射される光を前記光取出し窓に向けて反射する反射鏡が設けられた構成とされている。この電子線励起型光源装置においては、反射鏡が金属よりなり、当該反射鏡に、半導体発光素子の裏面を支持する金属よりなる高熱伝導部材に対して負の電位状態となるよう電圧を印加する電圧印加手段が接続された構成とされていることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子線を半導体発光素子に照射することにより当該半導体発光素子を発光させる電子線励起型光源装置に関する。
電子線を半導体発光素子に照射することにより当該半導体発光素子を発光させる電子線励起型光源装置は、小型で出力の高い紫外線を放射する光源として期待されている。例えば特許文献1には、光透過窓を有する真空容器を具え、この真空容器内において、光透過窓の内面に、半導体発光素子の両面に光反射部材が配置されてなるレーザー構造体が配置されると共に、当該真空容器の底壁の内面に、半導体発光素子に電子線を照射する電子線源がレーザー構造体に対向するよう配置され、半導体発光素子および電子線源が、真空容器の外部に設けられた、加速電圧を印加するための電子加速手段に電気的に接続された構成の電子線励起型光源装置が記載されている。
この電子線励起型光源装置においては、電子線源から放出された電子は、半導体発光素子と電子線源との間に印加された加速電圧によって加速されて電子線が形成され、この電子線が光反射部材を介して半導体発光素子に入射されることにより、半導体発光素子から光が放射され、この光は、光反射部材によって共振されることにより、レーザー光として光透過窓を介して外部に放射される。
また、例えば特許文献2には、電子銃によって半導体発光素子の一面に対してその斜めの方向から電子線を入射することにより、当該半導体発光素子における電子線が入射された一面から光が出射される電子線励起型光源装置が提案されている。
特開平09−214027号公報 特許第3667188号公報
しかしながら、上記のような電子線励起型光源装置においては、いずれのものも、半導体発光素子から放射される光の一部しか外部に取り出されておらず、発光した光が効率よく利用されていないことが明らかになった。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、半導体発光素子から放射される光の利用効率が高く、高い光出力を実現することのできる電子線励起型光源装置を提供することにある。
本発明の電子線励起型光源装置は、光取出し窓を有する真空容器を具え、当該真空容器の内部に、電子線源と、紫外光を放射する半導体発光素子とを配置し、
当該電子線源から放射される電子線が入射する当該半導体発光素子の表面と前記光取出し窓とが離間して対向するよう配置されてなる電子線励起型光源装置において、
前記半導体発光素子の側面から放射される光を前記光取出し窓に向けて反射する反射鏡が設けられていることを特徴とする。
また、本発明の電子線励起型光源装置においては、前記反射鏡が金属よりなることが好ましい。
このような構成の電子線励起型光源装置においては、前記半導体発光素子は、前記表面に対向する裏面が金属よりなる高熱伝導部材によって支持されており、
前記反射鏡には、当該高熱伝導部材に対して負の電位状態となるよう電圧を印加する電圧印加手段が接続された構成とされていることが好ましい。
さらにまた、前記反射鏡における反射面には、前記半導体発光素子から放射される紫外光に対して透光性を有する誘電体からなる保護層が形成された構成とされていることが好ましい。
本発明の電子線励起型光源装置によれば、半導体発光素子の側面から放射される光を光取出し窓に向けて反射する反射鏡が設けられた構成とされていることにより、半導体発光素子の側面から放射される光を光取出し窓を介して出射させることができるので、光取出し効率を向上させることができて高い出力を得ることができる。
また、反射鏡が金属よりなり、半導体発光素子を支持する高熱伝導部材に対して負の電位状態となるよう電圧を反射鏡に印加する電圧印加手段が接続された構成とされていることにより、反射鏡の反射面付近に形成される負の電界の作用によって、電子線を半導体発光素子の表面に向かって集束させることができるので、半導体発光素子への電子到達率を向上させることができ、これにより、半導体発光素子の励起効率を向上させることができて高い発光強度を得ることができる。さらに、半導体発光素子に電子が入射した際に放出される二次電子が反射鏡に入射されることを回避することができるので、反射鏡の帯電やスパッタリングによる表面損傷の発生による反射鏡の本来の機能が低下することを抑制することができる。
本発明の電子線励起型光源装置の一例における構成の概略を示す側面断面図である。 図1に示す電子線励起型光源装置の、光取出し窓を取り外した状態を示す平面図である。 半導体発光素子と反射鏡の位置関係を示す概略図である。 反射鏡用電源によって負の電圧が反射鏡に印加された状態を示す観念図である。 半導体発光素子から放射されるDUV光の光線追跡線を示す観念図である。 電子線の軌跡が電界制御用電極のみによって制御される構成の電子線励起型光源装置の一例を示す側面断面図である。 本発明の電子線励起型光源装置の他の例における構成の概略を示す側面断面図である。 本発明の電子線励起型光源装置のさらに他の例における構成の概略を示す側面断面図である。 本発明の電子線励起型光源装置のさらに他の例における構成の概略を、光取出し窓を取り外した状態で示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の電子線励起型光源装置の一例における構成の概略を示す側面断面図、図2は、図1に示す電子線励起型光源装置の、光取出し窓を取り外した状態を示す平面図である。なお、図2においては、便宜上、電子線源に斜線が付してある。
この電子線励起型光源装置は、内部が負圧の状態で密閉された外形が直方体状の真空容器10を有し、この真空容器10は、一面(図1において上面)に開口を有する容器基体11と、この容器基体11の開口に配置されて当該容器基体11に気密に封着された光取出し窓15とによって構成されている。
真空容器10内には、半導体発光素子20が、電子線源から放射される電子線が入射される表面(図1において上面、以下、「主表面」という。)20aが光取出し窓15と離間して対向するよう配置され、その裏面20bが金属よりなる高熱伝導部材(ヒートシンク)16によって支持されており、高熱伝導部材16を介して、真空容器10における容器基体11の底壁に固定されている。
この半導体発光素子20の周辺領域には、面状の電子線放出部32が形成されてなる電子線源30が、当該半導体発光素子20を取り囲むよう配置されている。具体的には、電子線源30は円環状の帯状体として構成されており、電子線放出部32における電子線が放射される表面が半導体発光素子20における主表面20aと同方向を向いた姿勢すなわち真空容器10の光取出し窓15を向いた姿勢で、半導体発光素子20を取り囲むよう配置され、この状態で、支持部材34を介して真空容器10における容器基体11の底壁に固定されている。
半導体発光素子20を支持する高熱伝導部材16および電子線源30の両者は、真空容器10の内部から外部に引き出された導電線(図1において一点鎖線で示す。)を介して、真空容器10の外部に設けられた、加速電圧を印加するための電子加速手段Vaに電気的に接続されている。ここに、電子加速手段Vaによって印加される電子線の加速電圧は、例えば−7〜−9kVであることが好ましい。加速電圧が過小である場合には、高い光の出力を得ることが困難となる。一方、加速電圧が過大である場合には、半導体発光素子20からX線が発生しやすくなり、また、電子線のエネルギーにより、半導体発光素子20がダメージを受けやすくなるため、好ましくない。
そして、半導体発光素子20に対して電子線源30より外方の位置には、電子線源30から放射された電子線の軌道を半導体発光素子20における主表面20aに向かって指向させる電界制御用電極50が配置されている。具体的には、電界制御用電極50は、電子線源30の外径より大きい内径を有する胴部51と、この胴部51に連続して形成された、先端(図1において上端)に向かって小径となるテーパ部52とよりなる円筒体により構成されている。この電界制御用電極50は、電子線源30の外周を取り囲むよう配置されており、当該電界制御用電極50の基端が、真空容器10における容器基体11の底壁に固定されている。電界制御用電極50は、真空容器10の内部から外部に引き出された導電線(図1において一点鎖線で示す。)を介して、真空容器10の外部に設けられた電界制御用電源Veに電気的に接続されている。ここに、電界制御用電源Veによって電界制御用電極50に印加される電圧は、例えば−7〜−10kVである。
真空容器10の内部において、光取出し窓15の内面には、光取出し窓15に電荷が蓄積されることを防止するためのチャージアップ防止部材55が設けられている。この例においては、チャージアップ防止部材55は、例えば互いに電気的に接続された複数本の線材が例えば等間隔毎に離間して並んだ位置に並設されて構成されている。チャージアップ防止部材55および半導体発光素子20を支持する高熱伝導部材16の両者は、真空容器10の内部から外部に引き出された導電線(図1において一点鎖線で示す。)を介して、真空容器10の外部に設けられたチャージアップ防止部材用電源Vwに電気的に接続されている。ここに、チャージアップ防止部材用電源Vwによってチャージアップ防止部材55に印加される電圧は、例えば−0.01〜−1kVである。
真空容器10における容器基体11を構成する材料としては、石英ガラス等のガラス、アルミナ等のセラミックスなどの絶縁材料を用いることができる。
また、真空容器10における光取出し窓15を構成する材料としては、半導体発光素子20からの光を透過し得るものが用いられ、例えば石英ガラス、サファイアなどを用いることができる。
また、真空容器10の内部の圧力は、例えば10-4〜10-6Paである。
高熱伝導部材16を構成する金属材料としては、銅などを用いることができる。
半導体発光素子20は、例えばサファイアよりなる基板21と、この基板21の一面上に形成された例えばAlNよりなるバッファ層22と、このバッファ層22の一面上に形成された、単一量子井戸構造または多重量子井戸構造を有する活性層25とにより構成されている(図5参照。)。
この例における半導体発光素子20は、活性層25が真空容器10における光取出し窓15に対向した状態で、基板21が高熱伝導部材16にロウ付け等で接合されている。
基板21の厚みは、例えば10〜1000μmであり、バッファ層22の厚みは、例えば100〜1000nmである。
また、半導体発光素子20における活性層25と電子線源30との離間距離は、例えば5〜15mmである。
また、半導体発光素子20における主表面20aと光透過窓15の内面との距離は、例えば3〜25mmである。
活性層25は、それぞれInx Aly Ga1-x-y N(0≦x<1,0<y≦1,x+y≦1)からなる単一量子井戸構造または多重量子井戸構造であり、単一または複数の量子井戸層と単一または複数の障壁層とが、バッファ層22上にこの順で交互に積層されて構成されている。
量子井戸層の各々の厚みは、例えば0.5〜50nmである。また、障壁層はその禁制帯幅が量子井戸層のそれよりも大きくなるように組成を選択され、一例としては、AlNを用いればよく、各々の厚みは量子井戸層の井戸幅より大きく設定され、具体的には、例えば1〜100nmである。
活性層25を構成する量子井戸層の周期は、量子井戸層、障壁層および活性層25全体の厚みや、用いられる電子線の加速電圧などを考慮して適宜設定されるが、通常、1〜100である。
上記の半導体発光素子20は、例えばMOCVD法(有機金属気相成長法)によって形成することができる。具体的には、水素および窒素からなるキャリアガスと、トリメチルアルミニウムおよびアンモニアからなる原料ガスとを用い、サファイアよりなる基板21の(0001)面上に気相成長させることにより、所要の厚みを有するAlNからなるバッファ層22を形成した後、水素ガスおよび窒素ガスからなるキャリアガスと、トリメチルアルミニウム、トリメチルガリウム、トリメチルインジウムおよびアンモニアからなる原料ガスとを用い、バッファ層22上に気相成長させることにより、所要の厚みを有するInx Aly Ga1-x-y N(0≦x<1,0<y≦1,x+y≦1)からなる単一量子井戸構造または多重量子井戸構造を有する活性層25を形成し、以て、半導体発光素子20を形成することができる。
上記のバッファ層22、量子井戸層および障壁層の各形成工程において、処理温度、処理圧力および各層の成長速度などの条件は、形成すべきバッファ層22、量子井戸層および障壁層の組成や厚み等に応じて適宜に設定することができる。
また、InAlGaNよりなる量子井戸層を形成する場合には、原料ガスとして、上記のものに加えてトリメチルインジウムを用い、処理温度をAlGaNよりなる量子井戸層26を形成する場合よりも低く設定すればよい。
また、半導体多層膜の形成方法は、MOCVD法に限定されるものではなく、例えばMBE法(分子線エピタキシー法)なども用いることができる。
電子線源30における電子線放出部32は、多数のカーボンナノチューブが支持基板31上に支持されることによって形成されている。また、電子線源30における電子線放出部32の上方には、当該電子線放出部32から電子を放出するための網状の引き出し電極35が当該電子線放出部32に離間して対向するよう配置されている。支持基板31および引き出し電極35は、真空容器10の内部から外部に引き出された導電線(図1において一点鎖線で示す)を介して、真空容器10の外部に設けられた、電子線制御用電源Vgに電気的に接続されている。ここに、電子線制御用電源Vgによって電子線源30と引き出し電極35との間に印加される電圧は、例えば−5〜−7kVである。
支持基板31を構成する材料としては、鉄、ニッケル、コバルト、クロムのいずれかを含む金属材料などを用いることができる。
支持基板31上にカーボンナノチューブよりなる電子線放出部32を形成する方法としては、特に限定されず公知の方法を用いることができ、例えば表面に金属触媒層が形成された支持基板31を加熱し、COやアセチレン等のカーボンソースガスを供給することにより、支持基板31の表面に形成された金属触媒層上にカーボンを堆積してカーボンナノチューブを形成する熱CVD法、アーク放電法等によって形成されたカーボンナノチューブの粉体および有機バインダーが液状媒体中に含有されてなるペーストを調製し、このペーストをスクリーン印刷によって支持基板31の表面に塗布して乾燥するスクリーン印刷法などを好適に用いることができる。
また、引き出し電極35を構成する材料としては、鉄、ニッケル、コバルト、クロムのいずれかを含む金属材料などを用いることができる。
電界制御用電極50を構成する材料としては、鉄、ニッケル、コバルト、クロム、アルミニウム、銀、銅、チタン、ジルコニウムのいずれかを含む金属材料などを用いることができる。
チャージアップ防止部材55を構成する材料としては、鉄、ニッケル、コバルト、クロム、アルミニウム、銀、銅、チタン、ジルコニウムのいずれかを含む金属材料などを用いることができる。
而して、上記の電子線励起型光源装置においては、真空容器10の内部における半導体発光素子20と電子線源30との間の位置であって、放電の発生が回避される十分な大きさの電極間距離が確保されながら、半導体発光素子20に可及的に近接した位置に、少なくとも半導体発光素子20の側面20cから放射される光を光取出し窓15に向けて反射する反射構造体40が設けられている。
この例における反射構造体40は、例えば凹面状の反射面Rを有する外形形状が円筒状のものであって、例えば容器基体11にフリットガラスを用いて固着された例えばガラスまたはセラミックスなどからなる支持体41と、この支持体41の内表面に例えば蒸着によって形成された金属膜とにより構成されており、当該金属膜により反射鏡42が形成されている。なお、支持体41は、容器基体11と一体物として形成されていてもよい。
反射構造体40としては、反射鏡42の反射面Rの受光角度が、半導体発光素子20への電子到達率および半導体発光素子20の主表面20aから直接的に光取出し窓15を介して放射される光の光取出し効率を低下させない範囲内で、可及的に大きく設定されたものが用いられており、反射鏡42における上端部(頂部)が電界制御用電極50による電界の作用によって反発される電子軌道を遮ることのないよう半導体発光素子20の主表面20aのレベル位置よりも高いレベル位置に位置されると共に反射鏡42における下端部が半導体発光素子20の主表面20aのレベル位置よりも低いレベル位置に位置される状態で、半導体発光素子20の周囲を取り囲むよう配置されている。
具体的には、図3に示すように、反射鏡42の上端部が半導体発光素子20の主表面20aにおける中央位置(形状中心位置)と電界制御用電極50の上端内縁位置とを結ぶ直線L1上に位置されると共に反射鏡42の下端部が半導体発光素子20の主表面20aの上端外縁と高熱伝導部材16の上端外縁とを結ぶ直線L2上に位置されており、半導体発光素子20の主表面20aにおける中央位置において主表面20aに垂直な方向(法線N方向)をθ=0°,半導体発光素子20の主表面20aから直接的に光取出し窓15を介して放射される光の最大放射角が例えばθ=54°であるとき、半導体発光素子20の主表面20aから放出される光のうち、θ=54〜90°の範囲内に含まれる光、および、半導体発光素子20の側面20cから放射される光を反射して光取出し窓15から取り出すことができるものとして構成されている。
反射鏡42を形成する金属材料としては、例えばアルミニウム、銅、銀、金、あるいはこれらの金属の合金等を例示することができ、これらのうちでも、波長200〜300nmの深紫外領域の光(以下、「DUV光」という。)について高い反射率、具体的には、波長240nmのDUV光について90%以上の反射率が得られることから、アルミニウムまたはその合金が用いられることが好ましい。
反射鏡42の反射面Rには、DUV光に対して透光性を有する誘電体からなる保護層(図示せず)が形成されていることが好ましい。このような構成とされていることにより、電子衝突や表面酸化などによる反射鏡42の本来の機能が低下することを抑制することができる。
保護層は、例えばSiO2 、SiO、MgF2 などよりなる単層の保護膜、あるいは、複数の保護膜を積層した多層膜により構成することができる。
また、反射鏡42には、半導体発光素子20を支持する高熱伝導部材16に対して負の電位状態となるよう電圧を印加する電圧印加手段が接続された構成とされていることが好ましい。この例においては、反射鏡42および半導体発光素子20を支持する高熱伝導部材16の両者は、真空容器10の内部から外部に引き出された導電線(図1において一点鎖線で示す。)を介して、真空容器10の外部に設けられた、電圧印加手段としての反射鏡用電源Vmに電気的に接続されている。ここに、反射鏡用電源Vmによって反射鏡42と高熱伝導部材16との間に印加される電圧は、例えば−5〜−8kVであることが好ましい。当該電圧が過小である場合には、半導体発光素子20の主表面20aへの電子線の集束性能が低下し、半導体発光素子20への電子到達率および半導体発光素子20の励起効率が減少し、発光強度も低下する。一方、当該電圧が過大である場合には、反射鏡42と高熱伝導部材16との間の電位差あるいは電界強度が増大し、絶縁破壊あるいは異常放電が発生する可能性があり、反射鏡42と高熱伝導部材16との距離を拡げる必要があり、デバイスの小型化には不利になる。
上記の電子線励起型光源装置においては、電子線源30と引き出し電極35との間に電圧が電子線制御用電源Vgによって印加されると、当該電子線源30における電子線放出部32から引き出し電極35に向かって電子が放出され、この電子は、電子加速手段Vaによって半導体発光素子20と電子線源30との間に印加された加速電圧によって、半導体発光素子20に向かって加速されて電子線e- が形成される(図1において破線で示す。)。この電子線e- の軌道は、加速電圧および電界制御用電源Veにより反射鏡42と電界制御用電極50との間に印加される電圧によって、半導体発光素子20における主表面20aに向かって指向されると共に、図4に示すように、反射鏡用電源Vmによって負の電圧が反射鏡42に印加されて例えば接地電位状態(GND)に維持された高熱伝導部材16に対して負の電位状態とされることにより形成される負の電界Emの作用によって、半導体発光素子20における主表面20aに向かって集束され、その結果、当該電子線e- は、反射鏡42に衝突することなく半導体発光素子20の主表面20aすなわち活性層25の表面に入射される。
そして、半導体発光素子20においては、図5に示すように、電子線e- が入射されることによって活性層25の電子が励起され(図5におけるドットは発光点を示す。)、当該半導体発光素子20における電子線e- が入射された主表面20aからDUV光を含む光が放射されてその一部が真空容器10における光取出し窓15を介して直接的に当該真空容器10の外部に出射されると共に(DUV直接光)、主表面20aから放射されるDUV光を含む光の他の一部、および、各層の境界面において透過あるいは反射して多重反射を繰り返して半導体発光素子20の側面20cから放出されるDUV光を含む光が反射鏡42によって反射されて光取出し窓15を介して当該真空容器10の外部に出射される(DUV反射光)。なお、半導体発光素子20の内部において多重反射を繰り返す光の一部は熱エネルギーに変換されることとなるが、当該熱エネルギーは、電子線励起の際に発熱する半導体発光素子20の熱と共に高熱伝導部材16を介して排熱される。
而して、上記の電子線励起型光源装置によれば、凹面状の反射面Rを有する反射鏡42を具えた反射構造体40が、反射鏡42における上端部が電界制御用電極50による電界の作用によって反発される電子軌道を遮ることのないよう半導体発光素子20の主表面20aのレベル位置よりも高いレベル位置に位置されると共に反射鏡42における下端部が半導体発光素子20の主表面20aのレベル位置よりも低いレベル位置に位置される状態で、半導体発光素子20の周囲を取り囲むよう配置された構成とされていることにより、例えば1μm程度の厚みの半導体発光素子20の側面20cから放射されるDUV光を含む従来利用できなかった光が光取出し窓15を介して出射されるので、光取出し効率を向上させることができて高い出力を得ることができる。具体的には、反射鏡42の上端部が半導体発光素子20の主表面20aにおける中央位置(形状中心位置)と電界制御用電極50の上端内縁位置とを結ぶ直線L1上に位置されると共に反射鏡42の下端部が半導体発光素子20の主表面20aの上端外縁と高熱伝導部材16の上端外縁とを結ぶ直線L2上に位置された状態で配置された構成とされていることにより、DUV直接光の最大放射角の大きさと、DUV反射光の最小放射角の大きさを一致させることができるので、半導体発光素子の主表面20aから放射される光および半導体発光素子20の側面20cから放射される光を光取出し窓15を介して出射させることができて、一層高い出力を得ることができる。
また、半導体発光素子20の裏面20bから高熱導電部材16を介して排熱して半導体発光素子20を効率よく冷却することができるので、半導体発光素子20の発光効率が低下することがなくて高い出力の光が維持される。
さらにまた、反射鏡42の反射面Rの形状を適宜変更することにより、半導体発光素子20から放射されるDUV光を集光して出射する構成のものとすることも可能である。
さらにまた、金属膜により形成されてなる反射鏡42に、高熱伝導部材16に対して負の電位状態となるよう電圧を印加する反射鏡用電源Vmが接続された構成とされていることにより、半導体発光素子20の励起効率を向上させることができて高い発光強度を得ることができる。すなわち、電界制御用電極50のみによって電子線の軌道を制御する構成のものであれば、図6に示すように、電子線源30から放出された電子線e- の軌道は、電界制御用電極50付近に形成される負電界の作用によって半導体発光素子20における主表面20aに向かって指向されることとなるが、電子線e- の拡がりによって半導体発光素子20の主表面20aへの電子到達率が低下し、半導体発光素子20の励起効率が低下することとなる。
然るに、反射鏡42に適正な大きさに制御された負電圧が印加される構成とされていることにより、上記の電子線励起型光源装置によれば、反射鏡42の反射面R付近に形成される負の電界Emの作用によって、今まで半導体発光素子20に到達していなかった電子線を半導体発光素子20の主表面20aに向かって集束させて半導体発光素子20の主表面20a以外の箇所、例えば高熱伝導部材16への電子線の入射を確実に防止することができるので、半導体発光素子20への電子到達率を向上させることができ、これにより、半導体発光素子20の励起効率を向上させることができて高い発光強度を得ることができる。さらに、半導体発光素子20に電子が入射した際に放出される二次電子が反射鏡42に入射されることを回避することができるので、反射鏡42の帯電やスパッタリングによる表面損傷の発生による反射鏡42の本来の機能が低下することを抑制することができる。
図1乃至図3に示す構成に従って、本発明に係る電子線励起型光源装置を作製した。この電子線励起型光源装置の具体的な仕様は次に示す通りである。
〔真空容器(10)〕
容器基体(11):外形の寸法;40mm×40mm×20mm、肉厚;2mm、開口;36mm×36mm、
光取出し窓(15):40mm×40mm×2mm、
〔半導体発光素子(20)〕
主表面(20a)のサイズ;3mm角、厚み;0.5mm、
〔電子線源(30)〕
支持基板(31):外径;25mm、内径;19mm、厚み;0.1mm、
電子線放出部(32):外径;24mm、内径;20mm、厚み;0.02mm、電子線が放射される面の面積;138mm2
〔電界制御用電極(50)〕
胴部(51):内径;34mm、軸方向の長さ;12mm、肉厚;0.3mm
テーパ部(52):先端における内径;28mm、軸方向の長さ;3mm、胴部に対する傾き;45°、肉厚;0.3mm、
〔チャージアップ防止部材(55)〕
線材の線径;φ0.12mm,配設ピッチ(隣接する線材の離間距離);0.45mm、長さ;40mm、
〔反射構造体(40)〕
反射鏡(42):材質;アルミニウム蒸着膜、下端部の円周半径;4.5mm、上端部の円周半径;8mm、
反射鏡の下端部のレベル位置と半導体発光素子の主表面のレベル位置との差;1.5mm、反射鏡の上端部のレベル位置と半導体発光素子の主表面のレベル位置との差;5.8mm、高熱伝導部材(16)の外周縁位置と反射構造体の内周縁位置との離間距離;2mm、反射構造体の外周縁位置と支持部材(34)の幅中心位置との離間距離;4mm、
上記の電子線励起型光源装置を下記の動作条件で動作させたところ、半導体発光素子への電子到達率が実質的に100%程度であり、反射鏡を有さないことの他は同一の構成を有する比較用の光源装置に比して出力が2.2倍程度向上することが確認された。
一方、比較用の光源装置における半導体発光素子への電子到達率は70%程度であることが確認された。この理由は、電子線軌道の拡がりによって電子線が半導体発光素子の主表面以外の箇所、例えば高熱伝導部材に入射されるためであると考えられる。そして、比較用の光源装置においては、例えば半導体発光素子の主表面のレベル位置に対して電子線源のレベル位置を変化させても、電子線の拡がりは抑制することができず、半導体発光素子への電子到達率は向上しないことが確認された。
〔動作条件〕
電子加速手段(Va)によって高熱伝導部材(GND)と電子線源との間に印加される加速電圧:−8kV、
電界制御用電源(Ve)によって電界制御用電極に印加される電圧:−9kV、
チャージアップ防止部材用電源(Vw)によって高熱伝導部材(GND)とチャージアップ防止部材との間に印加される電圧:−1kV、
電子線制御用電源(Vg)によって電子線源と引き出し電極との間に印加される電圧:−5kV、
反射鏡用電源(Vm)によって反射鏡と高熱伝導部材との間に印加される電圧:−5kV、
反射鏡の反射面付近に形成される負の電界:平均で2.5kV/mm、
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、電子線源の配置位置は、半導体発光素子の周辺であって、当該半導体発光素子の主表面に電子線を入射することができる位置であれば、特に限定されるものではなく、例えば図7に示すように、電子線源30における面上の電子線放出部32が半導体発光素子20の主表面20aのレベル位置より低いレベル位置に位置されるよう配置された構成とされていてもよい。
また、本発明の電子線励起型光源装置においては、電界制御用電極を有する構成とされている必要はない。このような場合には、例えば図8に示すように、矩形の支持基板31上に矩形の面状の電子線放出部32が形成されてなる複数(図示の例では2つ)の電子線源30が、各支持基板31が半導体発光素子20に対して反射構造体40より外方の位置に配置された円筒体よりなる支持部材34Aの内面における半導体発光素子20を挟んだ位置において固定されて電子線放出部32が半導体発光素子20の主表面20aに向くよう配置された構成とすることができる。このような構成のものにおいては、電子線源30から放出される電子線(図8において破線で示す。)e- は、反射鏡用電源Vmによって負の電圧が印加されることにより形成される負の電界の作用によって、反射鏡42に入射させること(衝突すること)なく半導体発光素子20の主表面20aに入射させることができて、図1に示す構成のものと同様の効果を得ることができる。
さらにまた、電子線源は、面状の電子線放出部を有するものであれば、その具体的な形状は特に限定されず、例えば図9に示すように、それぞれ支持基板上に面状の電子線放出部32が形成されてなる複数の電子線源30が半導体発光素子20を中心とする円環に沿って周方向に離間して配置されてなる構成とされていてもよい。
さらにまた、反射鏡における反射面の形状は特に限定されるものではなく、球面、楕円面、放物面のいずれでもよく、また、反射鏡は、半導体発光素子の周囲の全周を取り囲むよう設けられた構成とされている必要はなく、半導体発光素子の側面の少なくとも一部の領域から放射される光を反射する構成とされていれば、出力向上効果を得ることができ、このような構成のものにおいては、平面鏡を用いることもできる。
また、反射構造体は、金属製の基体の表面が研磨によって鏡面処理されて反射鏡が形成されてなるものであってもよい。
10 真空容器
11 容器基体
15 光取出し窓
16 高熱伝導部材
20 半導体発光素子
20a 表面(主表面)
20b 裏面
20c 側面
21 基板
22 バッファ層
25 活性層
30 電子線源
31 支持基板
32 電子線放出部
34,34A 支持部材
35 引き出し電極
40 反射構造体
41 支持体
42 反射鏡
R 反射面
50 電界制御用電極
51 胴部
52 テーパ部
55 チャージアップ防止部材
Va 電子加速手段
Ve 電界制御用電源
Vw チャージアップ防止部材用電源
Vg 電子線制御用電源
Vm 反射鏡用電源
Em 反射面付近に形成される電界
- 電子線

Claims (4)

  1. 光取出し窓を有する真空容器を具え、当該真空容器の内部に、電子線源と、紫外光を放射する半導体発光素子とを配置し、
    当該電子線源から放射される電子線が入射する当該半導体発光素子の表面と前記光取出し窓とが離間して対向するよう配置されてなる電子線励起型光源装置において、
    前記半導体発光素子の側面から放射される光を前記光取出し窓に向けて反射する反射鏡が設けられていることを特徴とする電子線励起型光源装置。
  2. 前記反射鏡が金属よりなることを特徴とする請求項1に記載の電子線励起型光源装置。
  3. 前記半導体発光素子は、前記表面に対向する裏面が金属よりなる高熱伝導部材によって支持されており、
    前記反射鏡には、当該高熱伝導部材に対して負の電位状態となるよう電圧を印加する電圧印加手段が接続されていることを特徴とする請求項2に記載の電子線励起型光源装置。
  4. 前記反射鏡における反射面には、前記半導体発光素子から放射される紫外光に対して透光性を有する誘電体からなる保護層が形成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の電子線励起型光源装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015106596A (ja) * 2013-11-29 2015-06-08 株式会社トクヤマ 光取出装置
JP2016201198A (ja) * 2015-04-08 2016-12-01 Dowaホールディングス株式会社 紫外線発光装置
US9640717B2 (en) 2014-11-03 2017-05-02 Samsung Electronics Co., Ltd. Ultraviolet light emitting apparatus

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