JP2013134467A - 振動装置、光走査装置、映像投影装置および画像形成装置 - Google Patents

振動装置、光走査装置、映像投影装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】梁部を効率よく加熱できるようにしつつ、振動子が静止状態から駆動開始されるときにおける共振周波数を安定的に制御する。
【解決手段】振動体12、13を振動させるために駆動部20が発生する熱を利用してねじり梁11を加熱するため、専用の発熱部が不要となる。これにより、振動体12、13が静止状態から駆動開始されるときにおける共振周波数を安定的に制御できるようになる。
【選択図】図2

Description

本発明は、振動装置、光走査装置、映像投影装置および画像形成装置に関する。
振動素子を備えた光走査装置は、少ない電力で大きな振幅の光走査を行える利点がある。このような共振現象を利用した光走査装置は、振動素子の駆動を開始してから駆動を停止するまでの間、一定の周波数で振動子が振動することが要求される。しかし、環境温度が変化すると振動子の共振周波数も変化してしまう。
特許文献1によれば、一対の弾性ねじり梁で可動板を弾性支持した振動系に発熱部を設けることで、弾性ねじり梁の温度を調整するこが提案されている。特許文献2によれば、駆動手段であるコイルを発熱部としても兼用することで、ねじり梁の温度を調整するこが提案されている。とりわけ、コイルには、振動系が有する固有振動モードの周波数と異なる周波数の加熱用電流が通電される。
特開2004−069731号公報 特開2007−171930号公報
特許文献1では、発熱部を追加する必要があるため、コストの増加と発熱部を設置するスペースが別途で必要になってしまう。一方、特許文献2では、特許文献1と比較して有利であるものの、加熱用電流が追加的に必要となる課題がある。また、特許文献2では、ねじり梁の片面側にコイルが配置されているため、一方向からしかねじり梁を加熱できない。つまり、特許文献2の発明は、加熱効率の点でも改良の余地がある。
そこで、本願発明は、ねじり梁を効率よく加熱できるようにしつつ、振動子が静止状態から駆動開始されるときにおける共振周波数を安定的に制御することを目的とする。
本発明は、たとえば、
梁部と、
前記梁部の一部に取り付けられた振動体と、
前記振動体が振動するように当該振動体を駆動する駆動部と
を備え、
前記梁部は、前記駆動部が発生する熱が当該梁部の軸の外周に伝達するように当該駆動部に対して近接配置されていることを特徴とする振動装置を提供する。
本発明では、振動体を振動させるために駆動部が発生する熱を利用して梁部を加熱するため、専用の発熱部が不要となる。つまり、本願発明は、製造コストやスペース効率に関して従来よりも有利である。これにより、振動子が静止状態から駆動開始されるときにおける共振周波数を安定的に制御できるようになる。
本実施形態にかかる振動装置の一例を示す斜視図 本実施形態にかかる振動装置の一例を示す概略図 実施形態にかかる振動部を示す概略図 比較例にかかる振動装置の一例を示す概略図 (A)は駆動開始直後における周波数の変動量を示す図、(B)は雰囲気温度と周波数との関係を示す図 雰囲気温度とねじり梁の上昇温度との関係を示す図 画像形成装置の概略図 映像投影装置の概略図
<振動装置の構成>
図1は、実施形態にかかる振動装置を示す斜視図である。振動装置1は、振動部10とそれを駆動する駆動部20を備えている。振動部10の振動体は、ねじり梁11によって片持ち支持されている。
図2(A)は、駆動部20の平面図である。駆動部20は、磁界を発生する鉄心などのコア部21、22と、コア部を保持する保持部23を備えている。保持部23の中央には挿通孔24が設けられている。挿通孔24には、振動部10の梁部であるねじり梁11の一端が挿通される。図2(A)では、振動部10がまだ駆動部20に取り付けられていない。
図2(B)は、駆動部20の平面図である。図2(B)では、振動部10がすでに駆動部20に取り付けられている。ねじり梁11の一端は、挿通孔24の底部に支持される。なお、ねじり梁11の外径と挿通孔24との内径との差を必要最小限の差とすることで、駆動部20が発生する熱がねじり梁11の外周へと均一に伝達しやすくなる。
図2(C)は、振動装置1の側面図である。図2(C)からわかるように、ねじり梁11は、駆動部20によって包囲されている。つまり、ねじり梁11は、駆動部20の内部または内側に取り付けられていることになる。よって、駆動部20で発生する熱がねじり梁11に対して効率よく伝達される。図2(D)は、コア部21、22に対してコイル25が取り付けられている。コイル25に通電される電流の周波数に応じてコア部21、22には交番磁界が発生する。このように、コイル25は、磁石31、32が発生する磁界に対して平行な交番磁界を発生する磁界発生手段として機能する。なお、コイル25に電流が通電されることでジュール熱が発生する。このジュール熱によってねじり梁11が加熱される。
図2(E)は、振動装置1の側面図である。ねじり梁11には、磁石31、32と振動体12、13が取り付けられている。また、磁石31、32が発生する磁界の方向は、コア部21、22が発生する交番磁界の方向と概ね平行になっている。駆動部20がコイル25に通電する電流の周波数を制御することで、振動部10の振動体12、13は共振現象によって振動する。また、図2(E)によれば、ねじり梁11の上部は、駆動部20に含まれているコア部21、22によって包囲されている。図2(E)によれば、コア部21、22が対向する方向と直交する方向は何の囲いも設けられていないが、囲いを設けてもよい。この場合、ねじり梁11の上部の全外周も包囲できるようになる。
図3は、振動部10の構成部品を示す図である。ねじり梁11は、金属合金などで構成されている。上述したようにねじり梁11の一端は挿通孔24に挿通される。具体的には、ねじり梁11のうち下部15までが挿通孔24に挿通される。一方で、ねじり梁11の他端は磁石31、32、振動体12、13が取り付けられる。振動体12、13はねじり梁11の一部に取り付けられた揺動体として機能する。磁石32は、振動体13よりもねじり梁11の近くに配置される。これは、振動体13にはミラー面が取り付けられるか、形成されるためである。また、磁石32はコア部22に対向して取り付けられる必要もあるからである。なお、磁石31、32は、ねじり梁11に取り付けられてもよいし、振動体12、13の上に取り付けられてもよい。
このように、本実施形態は、ねじり梁11は、駆動部20の熱が伝わる程度の間隔で当該駆動部20に対して近接配置されている。振動体12、13を振動させるために駆動部20が発生する熱を利用してねじり梁11を加熱するため、専用の発熱部が不要となる。つまり、本実施形態は、製造コストやスペース効率に関して従来よりも有利である。また、駆動部20の内側にねじり梁11を固定して収納しているため、振動装置1の小型化を実現できる。さらに、本実施形態では、ねじり梁11は、駆動部20によって少なくとも2方向から包囲されるように配置されている。たとえば、ねじり梁11のうち挿通孔24に挿通されている部分は、全外周を挿通孔24によって包囲されている。また、ねじり梁11のうち挿通孔24から露出している部分は、コア部21、22によって2方向から包囲されている。そのため、駆動部20が発生する熱がねじり梁11の軸の外周に効率よく伝達する。このように、ねじり梁11が加熱されるため、振動部10が静止状態から駆動開始されるときにおける共振周波数を安定的に制御できるようになる。
なお、本実施形態では、振動体12、13は、ねじり梁11によって片持ち支持されているが、複数のねじり梁11によって両持ち支持されてもよい。この場合、もう一方のねじり梁11をねじるためにもう一つの駆動部20が追加されてもよい。
<比較例の構成>
図4(A)、図4(B)は、比較例として振動装置の側面図である。比較例の振動装置では、ねじり梁11が駆動部20によって支持されていない点で実施形態とは異なっている。
振動装置が静止している状態で、駆動部20のコイル25に電流を流すと、磁石31、32と駆動部20との間に電磁力が発生し、振動部10が振動を開始する。駆動部20の駆動回路が電流の大きさを可変することにより振動部10の振れ角を制御できる。駆動回路が電流を一定に維持することにより振れ角も一定に維持される。比較例について、振動部10の固有振動モードの周波数f0を2kHzとして実験したところ、図5(A)が示すように、振動部10が振動を開始してから最初の数分の間は、共振周波数が最大で0.5Hz前後にわたって変動することがわかった。このような現象が映像投影装置や画像形成装置に搭載された振動装置(光走査装置)に生じると、走査線にバラツキが生じる。その結果、スクリーンへ投影された映像が乱れたり、像担持体上の画像が乱れたりする。
比較例について、25℃・45℃・60℃それぞれの温度雰囲気で実験を行い、共振周波数を検証した。図5(B)が示すように、共振周波数は、25℃で2226Hz、45℃で2221Hz、60℃で2217Hzであった。よって、比較例では0.26Hz/℃の関係があることが確認できた。また、25℃の条件下で実験したところ、振動装置を静止状態から駆動を開始してから、共振周波数の変動が起こらなくなるまでで、−0.52Hzの周波数変動があることがわかった(図5(A))。この結果から、比較例のねじり梁11には2℃程度の温度上昇が起きていると推測できる(−0.52/−0.26=2.00)。
図6に示すように共振周波数の変動を生じない雰囲気温度を実験結果より導き出すと120℃以上が必要であることが判明した。そこで、本実施例のように、駆動開始直後においては、ねじり梁11の周囲温度を高い温度に維持すればよいことが分かる。
<ねじり梁部の加熱方法>
停止状態から振動部10の振動を開始する際の加熱方法として、駆動周波数fcよりも高い周波数で、かつ固有振動モードの周波数f0とは異なる周波数の電流を流すことで、駆動部20の温度を調節する方法が考えられる。もちろん、これは一例であり、別の加熱方法が採用されてもよい。
図1、図3に示したように、本実施形態では、加熱機構を追加する訳ではないため、振動部10を駆動する際に発生する可能性がある動作障害に関する懸念も小さく、容易で安定的な振動部10を駆動できるといえる。
<振動装置の駆動原理および周波数調整原理>
固有振動モードの周波数f0は、ねじり梁11の温度上昇に伴って減少する性質を有している。したがって、駆動部20の駆動回路がコイル25へ通電する電流の振幅を通常動作時よりも増加させることで、駆動開始時の発熱量を増加させてもよい。通常動作時とは、振動装置1の振動が安定した状態である。駆動開始時はねじり梁11の温度が低くなっている(雰囲気温度に等しくなっている)ため、駆動部20の発熱量を増加させることで、ねじり梁11を高い温度に維持する。これにより、振動部10の駆動周波数が目標の駆動周波数fcに近づくようになる。
本実施形態について、比較例に適用した条件と同様の条件で実験を行った。つまり、温度雰囲気を25℃・45℃・60℃と変化させたときの本実施形態についての共振周波数の変化は、0.01Hz/℃以下であった。よって、本実施形態では、比較例に対して、大幅に変動を改善できていることが確認できた。
<振動部の材料>
ねじり梁11を構成する材料としては、たとえば加工硬化処理および時効硬化処理が施された加工硬化および時効硬化型のコバルト(Co)−ニッケル(Ni)基合金を採用できる。ここで言うCo−Ni基合金とは、CoおよびNiを含有する合金である。この合金には、たとえば、積層欠陥エネルギーを低下させるクロム(Cr)と、マトリクスの固溶強化や、偏析により転位を固着して時効および加工硬化能の向上に寄与する溶質元素としてモリブデン(Mo)、鉄(Fe)などが含まれてもよい。より具体的な合金の例としては、Co−Ni−Cr−Mo合金やCo−Ni−Fe−Cr合金などがあげられる。また、これらの合金は、ニオブ(Nb)、マンガン(Mn)、タングステン(W)、チタン(Ti)、ボロン(B)およびマグネシウム(Mg)、炭素(C)などをさらに含むことができる。Nbは溶質元素として上述したMo、鉄同様の働きをする。Mnは面心立方格子相を安定化させて積層欠陥エネルギーを低下させる機能を有する。Wはマトリクスの強化と積層欠陥エネルギーの低下に寄与する。また、Tiは鋳塊組織の微細化や強度向上に寄与する。BおよびMgは熱問加工性を改善する。Cはマトリクスに固溶してCr、Mo、Nbなどと炭化物を形成し、粒界を強化する機能を発揮する。先のCo−Ni−Cr−Mo合金を用いた場合、その主要組成の重量比は、たとえば、Co:20.0〜50.0%、Ni:20.0〜45.0%、Cr/Mo:20.0〜40.0%(Cr:18〜26%、Mo:3〜11%)である。特に、Co:31.0〜37.3%、Ni:31.4〜33.4%、Cr:19.5〜20.5%、Mo:9.5〜10.5%としてもよい。
より具体的には、溶製後に熱間鍛造や均質化熱処理などの工程を経て得られた少なくともCoおよびNiを含むマトリクスに置換型の溶質元素を含有する出発原料から、冷問圧延による加工硬化処理を経てCo−Ni−Cr−Mo合金材料を得る。この合金材料は、通常、圧延方向に集合組織が形成され、圧延方向と直交する方向に集合組織が形成されることとなる。このため、本実施形態のねじり梁11として用いる場合には、プレス加工、レーザー加工、ワイヤーカット加工などによって圧延方向と直交する方向がねじり梁11の長手方向となるように切り出す。あるいは、超塑性加工によって製品形状に加工し、これらの加工に伴って硬化処理を施して内部残留歪みを与えた後、真空中または還元雰囲気にて時効硬化処理を施すことによって所望のねじり梁11を得ることができる。この時効硬化処理は、400℃〜700℃の温度で数十分から数時間程度(たとえば550℃で2時間)行うのが最適であるが、処理時間を短縮するためにたとえば強磁場中での熱処理を用いることも有効である。
これにより、高強度かつ振動減衰能が低く、しかも弾性限界の高い良好な振動特性を持つねじり梁11を得ることができる。このような非磁性で加工硬化および時効硬化型のCo−Ni−Cr−Mo合金の一例として、セイコーインスツル株式会社のSPRON510(商品名:SPRONは登録商標)を挙げることができる。このSPRON510は、Co:35%、Ni:32%、Cr:20%、Mo:10%の組成を有する。
このようにして、共振周波数が尖鋭かつ振動が共振周波数に対して線対称となるような特性、すなわちQ値が高く(たとえば1000以上)かつばね特性の非線形性が非常に小さなねじり梁11を得ることができる。このようなねじり梁11は、振動変形による最大歪みが3×10−3mm程度まで大きくなっても不安定とはならず、消費電力が少ない振動装置1を実現することができる。
なお、本実施形態では非磁性を示すCo−Ni基合金にてねじり梁11を形成した。これは振動体12、13をねじり梁11と共に揺動させる手段として、磁石31、32と交番磁界とを用いた場合に安定した駆動を実現することができるからである。したがって、素子駆動部として交番磁界以外の手段、たとえば圧電素子などを利用した場合には、ねじり梁11の材料として非磁性金属以外の一般的なばね用材料を用いることができる。より具体的には、SUS301、302、304、316、631、632などのステンレス鋼、ばね鋼(SUP)、ピアノ線(SWP)、ばね用炭素鋼のオイルテンパー線(SWO)採用することができる。この他、ばね用シリコンクロム鋼のオイルテンパー線(SWOSC)、ばね用ベリリウム銅合金(C1700、C1720)、ばね用チタン銅合金(C1990)、ばね用リン青銅(C5210)、ばね用洋白(C7701)などを採用することも可能である。
また、振動体12、13と共にねじり梁11に取り付けられる磁石31、32は、できるだけ小型軽量であって高い保磁力を有することが好ましい。たとえば、Nd−Fe−B系やSm−Co系の希土類磁石などが磁石31、32として好適である。また、アルニコ磁石、Fe−Co−V合金磁石、Cu−Ni−Fe合金磁石、Cu−Ni−Co合金磁石、Fe−Cr−Co磁石、Pt−Co磁石、ハードフェライト(BaフェライトやSrフェライト)などの焼結磁石を採用してもよい。この他、ボンド磁石やスパッター法などで形成した薄膜磁石であってもよく、材質や製造方法または形状などで特に制限されるものはない。
振動体12、13の材料としては、アルミナ、ジルコニア、ベリリウム、チッ化ケイ素、チッ化アルミニウム、サファイヤ、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、ガラス、樹脂などの非磁性体を利用できる。また、これらの表面を鏡面化することによって光反射面(ミラー面)として利用できる。
<画像形成装置>
図7は、本実施形態の振動装置1により構成された光走査装置30を備えた画像形成装置200の概略図である。画像形成装置200は、光走査装置30によって走査された光によって像担持体である感光体204上に画像を形成する。光走査装置30は、上述した振動装置1を応用したものであって、振動体12、13の少なくとも一方にミラー面が形成されている。画像形成装置200は、いわゆるレーザービームプリンター(LBP)である。なお、画像形成装置200は、プリンタ、複写機、複合機、ファクシミリ装置などであってもよい。
レーザーなどの光源201が射出した光は射出光学系202を通り光走査装置30のミラー面で反射され、結像光学系203を通過して、像担持体である感光体204上に照射される。ミラー面が揺動することで、光の反射方向が連続的に変化する。これにより、光の走査が実現される。感光体204の両端には、ビーム検知センサ205が設けられている。ビーム検知センサ205が光を検知すると検知信号を制御回路206に出力する。制御回路206は、ビーム検知センサ205からの検知信号に応じた制御信号を光走査装置30の駆動回路207にフィードバックする。つまり、1つ目のビーム検知センサ205が検知信号を出力したタイミングから2つ目のビーム検知センサ205が検知信号を出力したタイミングまでの時間が一定となるように、駆動回路207は、コイル25に通電する電流の周波数を調整する。これにより、光走査装置30の走査周期(駆動周波数)が所望の目標値に維持されるようになる。
本実施形態の画像形成装置200は、上述した振動装置1を応用した光走査装置30を有している。そのため、温度変動に対しても走査線のずれを抑制でき、画像の品質を維持できるようになる。また、振動装置1が製造コストやスペース効率に関して従来よりも有利であるため、光走査装置30や画像形成装置200も製造コストやスペース効率に関して従来よりも有利である。また、振動装置1の小型化によって、光走査装置30や画像形成装置200も小型化しやすくなる。
<映像投影装置>
図8は、本実施形態の振動装置1により構成された光走査装置30を備えた映像投影装置300の概略図である。映像投影装置300は、光走査装置30によって走査された光によってスクリーン303に映像を投影する。
光源301は、3原色(RGB)の光をそれぞれ射出する。光走査装置30によって水平方向に走査(偏向)された光は、さらに、垂直走査装置302によって垂直方向に走査され、スクリーン303に映像として投影される。垂直走査装置302の走査速度は光走査装置30の走査速度よりも遅い。垂直走査装置302には、たとえば、非共振駆動で高精度な位置決めができるガルバノミラーが用いられてもよい。
光走査装置30の走査角は、制御回路304から出力される制御信号に基づいて駆動回路305が制御する。また、垂直走査装置302の走査角も同様に、制御回路304から出力された制御信号に基づいて制御される。制御回路304は、入力回路306からは、投射画角や投射サイズが設定される。距離測定装置307は、映像投影装置300からスクリーン303までの距離を測定する。制御回路304は、これらの情報に基づいて映像のサイズや縦横比を決定し、決定した映像のサイズや縦横比が実現されるように、光走査装置30と垂直走査装置302の走査角を制御する。映像の投射サイズは、走査角を変更しなくても、光源301のON/OFF制御で可能である。しかし、走査角を変更することにより光源301のOFF時間を減らすことできるため、光を有効に利用することができる。
本実施形態の映像投影装置300は、上述した振動装置1を応用した光走査装置30を有している。そのため、温度変動に対しても走査線のずれを抑制でき、投影画像の品質を維持できるようになる。また、振動装置1が製造コストやスペース効率に関して従来よりも有利であるため、映像投影装置300も製造コストやスペース効率に関して従来よりも有利である。また、振動装置1の小型化によって、映像投影装置300も小型化しやすくなる。

Claims (9)

  1. 梁部と、
    前記梁部の一部に取り付けられた振動体と、
    前記振動体が振動するように当該振動体を駆動する駆動部と
    を備え、
    前記梁部は、前記駆動部が発生する熱が当該梁部の軸の外周に伝達するように当該駆動部に対して近接配置されていることを特徴とする振動装置。
  2. 前記梁部は、前記駆動部によって少なくとも2方向から包囲されるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の振動装置。
  3. 前記振動体または前記梁部に取り付けられた磁石と、
    前記駆動部に含まれ、前記磁石が発生する磁界に対して平行な交番磁界を発生する磁界発生手段と
    をさらに備え、
    前記梁部は、前記駆動部に含まれている前記磁界発生手段によって包囲されていることを特徴とする請求項1または2に記載の振動装置。
  4. 前記駆動部は、前記梁部の少なくとも一部が挿通される挿通孔を備え、
    前記梁部の一端は前記挿通孔に挿通されて支持されており、前記梁部の他端は前記振動体に取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の振動装置。
  5. 前記振動体は、前記梁部によって片持ち支持されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の振動装置。
  6. 前記振動体は、複数の前記梁部によって両持ち支持されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の振動装置。
  7. 梁部と、
    前記梁部の一部に取り付けられた振動体と、
    前記振動体に設けられたミラー面と、
    前記ミラー面に光を照射する光源と、
    前記振動体が振動するように当該振動体を駆動することで、前記光を前記ミラー面によって走査させる駆動部と
    を備え、
    前記梁部は、前記駆動部が発生する熱が当該梁部の軸の外周に伝達するように当該駆動部に対して近接配置されていることを特徴とする光走査装置。
  8. 請求項7に記載の光走査装置を備え、当該光走査装置によって走査された光によってスクリーンに映像を投影することを特徴とする映像投影装置。
  9. 請求項7に記載の光走査装置と、像担持体とを備え、当該光走査装置によって走査された光によって当該像担持体に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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