JP2015210454A - 振動素子、光走査装置、画像形成装置、画像投影装置および読み取り装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】共振周波数の補正が可能な振動素子を提供する。【解決手段】振動素子は、導電性部材を有する複数の振動部(例:ミラー部21、第1振動部31、第2振動部32)と、複数の振動部を同一の回転軸に対して回転振動可能に支持し、かつ、導電性を有する1本または複数の梁(例:第1の捻り梁101、第2の捻り梁102、第3の捻り梁103、第4の捻り梁104)により構成された複数の捻りばねと、複数の捻りばねの温度を調整して複数の捻りばねのばね定数を調整する熱源(例:第1の捻り梁101、第2の捻り梁102、第3の捻り梁103、第4の捻り梁104の電気抵抗やヒータなど)とを有している。【選択図】図1A
Description
本発明は、光の走査などに用いられる振動素子に関する。
近年、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの振動素子が実用化され、レーザービームプリンターやレーザープロジェクターなどに応用されている。振動素子は、ミラーをトーションバー(捻り梁)で支持するように構成された振動子を有しており、ミラーの慣性モーメントと捻り梁のばね定数で決まる共振周波数の近傍の駆動周波数(走査周波数)で駆動される。走査光の角度変化または角速度変化はサイン関数となる。これに対して、走査周波数の振動に、走査周波数の2倍や3倍などの整数倍の周波数の振動を加えることで、走査光の角速度の等速性を改善する提案がなされている(特許文献1)。特許文献1では、それぞれ異なる共振周波数の2つの回転振動モードを持つ振動素子において、一方の共振周波数が走査周波数に設定され、他方の共振周波数が走査周波数の偶数倍に設定されている。
簡易なプロセスで作製することができ、また、耐衝撃性に優れるという利点から、各種の金属材料を用いて振動素子を作成することができる。しかし、金属材料はシリコンなどの材料に比べてヤング率の温度依存性が大きいため、使用環境の変動により共振周波数が大きく変化するという問題がある。駆動周波数と共振周波数が大きく乖離すると、消費電力が増大してしまう。共振周波数の変動に合わせて駆動周波数を変化させると、特に画像形成などにおいて画像の歪みが生じる。
そこで、本発明は、共振周波数の補正が可能な振動素子を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、環境に依らず安定した光走査が可能な光走査装置を提供することにある。
本発明は、たとえば、
導電性部材を有する複数の振動部と、
前記複数の振動部を同一の回転軸に対して回転振動可能に支持し、かつ、導電性を有する1本または複数の梁により構成された複数の捻りばねと、
前記複数の捻りばねの温度を調整して前記複数の捻りばねのばね定数を調整する熱源と
を有することを特徴とする振動素子を提供する。
導電性部材を有する複数の振動部と、
前記複数の振動部を同一の回転軸に対して回転振動可能に支持し、かつ、導電性を有する1本または複数の梁により構成された複数の捻りばねと、
前記複数の捻りばねの温度を調整して前記複数の捻りばねのばね定数を調整する熱源と
を有することを特徴とする振動素子を提供する。
本発明によれば、複数の捻りばねの温度を調節して複数の捻りばねのばね定数を調整する熱源が設けられているため、共振周波数(ばね定数)の補正が可能となる。
[光走査装置]
図1Aは光走査装置1を例示している。図1Bは振動素子11の構成を例示している。振動素子11は、振動部としても機能するミラー部21と、ミラー部21の両側に配置された第1振動部31および第2振動部32を有している。ミラー部21は、導電性を有する第1の捻り梁101、第2の捻り梁102、第3の捻り梁103および第4の捻り梁104によって揺動(回転振動)可能に支持されている。第1の捻り梁101の一端はミラー部21の一部を構成する第1導電性部材201に接続されており、第1の捻り梁101の他端は第1振動部31の一部を構成する第2導電性部材202に接続されている。第2の捻り梁102の一端も第2導電性部材202に接続されており、第2の捻り梁102の他端は光走査装置1の筐体などに固定されている。第3の捻り梁103の一端は第1導電性部材201に接続されており、第3の捻り梁103の他端は第2振動部32の一部を構成する第3導電性部材203に接続されている。第4の捻り梁104の一端も第3導電性部材203に接続されており、第4の捻り梁104の他端は光走査装置1の筐体などに固定されている。第2導電性部材202の第1面側には第1磁石601が固定されており、第2導電性部材202の第2面側には第2磁石602が固定されている。第3導電性部材203の第1面側には第3磁石603が固定されており、第3導電性部材203の第2面側には第4磁石604が固定されている。なお、第2導電性部材202、第3導電性部材203、第1磁石601、第2磁石602、第3磁石603および第4磁石604の各形状は同一形状である。これにより量産効果を高めることができる。ミラー部21に接合された第1の捻り梁101および第3の捻り梁103は同一のばね定数を有している。第2の捻り梁102および第4の捻り梁104も同一のばね定数を有している。
図1Aは光走査装置1を例示している。図1Bは振動素子11の構成を例示している。振動素子11は、振動部としても機能するミラー部21と、ミラー部21の両側に配置された第1振動部31および第2振動部32を有している。ミラー部21は、導電性を有する第1の捻り梁101、第2の捻り梁102、第3の捻り梁103および第4の捻り梁104によって揺動(回転振動)可能に支持されている。第1の捻り梁101の一端はミラー部21の一部を構成する第1導電性部材201に接続されており、第1の捻り梁101の他端は第1振動部31の一部を構成する第2導電性部材202に接続されている。第2の捻り梁102の一端も第2導電性部材202に接続されており、第2の捻り梁102の他端は光走査装置1の筐体などに固定されている。第3の捻り梁103の一端は第1導電性部材201に接続されており、第3の捻り梁103の他端は第2振動部32の一部を構成する第3導電性部材203に接続されている。第4の捻り梁104の一端も第3導電性部材203に接続されており、第4の捻り梁104の他端は光走査装置1の筐体などに固定されている。第2導電性部材202の第1面側には第1磁石601が固定されており、第2導電性部材202の第2面側には第2磁石602が固定されている。第3導電性部材203の第1面側には第3磁石603が固定されており、第3導電性部材203の第2面側には第4磁石604が固定されている。なお、第2導電性部材202、第3導電性部材203、第1磁石601、第2磁石602、第3磁石603および第4磁石604の各形状は同一形状である。これにより量産効果を高めることができる。ミラー部21に接合された第1の捻り梁101および第3の捻り梁103は同一のばね定数を有している。第2の捻り梁102および第4の捻り梁104も同一のばね定数を有している。
第1導電性部材201の第1面側には第1ミラー部材301が固定されており、第2面側には第2ミラー部材302が固定されている。この例ではミラー部21は両面にミラー面を有している。駆動回路801から供給される駆動信号によって磁界発生部701が磁界を発生する。この磁界が4つの磁石に作用することで、4本の梁によって構成された捻り梁に捻り変形が発生する。これによってミラー部21の方向(第1ミラー部材301および第2ミラー部材302の各ミラー面の法線方向)が変化し、光走査が行われる。
図1Cが示すように第1振動部31と第2振動部32は絶縁部材100で接続されて一体となっていてもよい。これにより第1振動部31と第2振動部32とが同期して回転振動しやすくなろう。
図2(a)は振動素子11が静止した状態を示している。図2(b)は振動素子11のミラー部21と第1振動部31および第2振動部32とが同相で回転振動する同相モードを示している。図2(c)はミラー部21と第1振動部31および第2振動部32とが逆相で回転振動する逆相モードを示している。通常、逆相モードの共振周波数(第2共振周波数)のほうが同相モードの共振周波数(第1共振周波数)よりも高くなる。このように振動素子11は2つの共振周波数(回転振動モード)を有している。振動素子11では、同相モードの共振周波数が光走査周波数近傍に設定される。逆相モードの共振周波数は同相モードの共振周波数の整数倍となるように設定される。つまり、振動素子11は、これらの共振周波数を持つように、ミラー部21、第1振動部31および第2振動部32の各慣性モーメントと捻り梁のばね定数が調整される。駆動回路801は、光走査周波数に一致した周波数の信号と光走査周波数の整数倍の周波数の信号とを適当な振幅比率で重畳することで駆動信号を生成し、磁界発生部701に印加する。これにより、振動素子11の振動状態は、同相モードの振動に逆相モードの振動が重畳したものとなる。
第2の捻り梁102、第1の捻り梁101、第3の捻り梁103および第4の捻り梁104は第2導電性部材202、第1導電性部材201および第3導電性部材203を通じて電気的に直列に接続されている。駆動回路802は温度などの環境変化に応じて駆動信号を調整する。駆動回路802は環境温度を測定するセンサを有していてもよい。この場合、測定された温度に対応する電流値(駆動信号の振幅)は予め関数化されていてもよいし、テーブル化されていてもよい。これらを利用して駆動回路802は測定温度に対応した駆動信号の振幅を決定してもよい。第1の捻り梁101、第2の捻り梁102、第3の捻り梁103および第4の捻り梁104はいずれも同じ断面積を有している。断面とは、xy平面と平行な、つまり、z軸と直交する断面である。4本の梁は全域(長さ方向の一端から他端まで)で同じ断面積を有しているため、4本の梁の各部の抵抗(梁自身の抵抗)で発生する熱量も等しい。よって、4本の梁の各部の温度上昇もほぼ等しくなる。上述したようにヤング率は温度依存性を有している。よって、4本の梁の各部での温度上昇が等しければ、ヤング率の低下量も等しくなる。また、4本の梁についてはばね定数も等しく変化する。つまり、4本の梁に流れる電流を制御することにより、4本の梁の各ばね定数を同時に調整することができる。これにより、同相モードの共振周波数と逆相モードの共振周波数は同じ比率を保ったままこれらの共振周波数が補正される。
4本の梁の各断面形状は同じ断面積を持てば特に限定されるものではない。4本の梁の素材の電気抵抗率が等しければ、抵抗は断面積によって決定されるからである。なお、断面形状は、正方形または円形に近い方が異常振動などを生じ難い。一方で、断面形状を偏平な形状にした方が同じばね定数でも表面に加わる最大応力を下げることができる。そのため、捻り梁の耐久性を重視する場合は、第2の捻り梁102の断面形状と第4の捻り梁104の断面形状を偏平な形状(例:長方形やひし形、楕円形など)としてもよい。ただし、断面を構成する2つの辺の比(縦サイズと横サイズとの比)が3倍を超えると異常振動が発生しやすくなることがわかっている。そのため、縦横比は3倍以下に抑えるのが好ましい。
4本の梁に共通の電流を流して4本の梁の各温度変化を均一にすることで、金属材料を用いても環境変化に応じた共振周波数補正が実現可能となる。つまり、雰囲気温度に依存せずに4本の梁の温度を一定温度に維持できれば、ばね定数が一定値に維持される。よって、4本の梁にヒータ(熱線)を這わせて4本の梁の温度が一定に維持されてもよい。
[振動素子]
図3ないし図6を用いて振動素子の他の実施形態について説明する。図3(a)および図3(b)に示した振動素子12では、第1の捻り梁101と第3の捻り梁103と並行するように配置されている。同様に、第2の捻り梁102と第4の捻り梁104と並行するように配置されている。なお、第1の捻り梁101と第3の捻り梁103はx軸方向で並んでおり、第2の捻り梁102と第4の捻り梁104もx軸方向で並んでいる。第1の捻り梁101と第3の捻り梁103とが一体で捻りばねとして機能する。同様に、第2の捻り梁102と第4の捻り梁104とが一体で捻りばねとして機能する。回転振動の中心軸は並行する2本の梁の中間に位置する。第1振動部31は、第1の捻り梁101と第2の捻り梁102とにより保持された第2導電性部材202と、第3の捻り梁103と第4の捻り梁104とにより保持された第3導電性部材203と、第2導電性部材202および第3導電性部材203の第1面側に取り付けられた第1磁石601と第2面側に取り付けられた第2磁石602とにより構成されている。なお、第2導電性部材202と、第3導電性部材203とはx軸方向において離間している。
図3ないし図6を用いて振動素子の他の実施形態について説明する。図3(a)および図3(b)に示した振動素子12では、第1の捻り梁101と第3の捻り梁103と並行するように配置されている。同様に、第2の捻り梁102と第4の捻り梁104と並行するように配置されている。なお、第1の捻り梁101と第3の捻り梁103はx軸方向で並んでおり、第2の捻り梁102と第4の捻り梁104もx軸方向で並んでいる。第1の捻り梁101と第3の捻り梁103とが一体で捻りばねとして機能する。同様に、第2の捻り梁102と第4の捻り梁104とが一体で捻りばねとして機能する。回転振動の中心軸は並行する2本の梁の中間に位置する。第1振動部31は、第1の捻り梁101と第2の捻り梁102とにより保持された第2導電性部材202と、第3の捻り梁103と第4の捻り梁104とにより保持された第3導電性部材203と、第2導電性部材202および第3導電性部材203の第1面側に取り付けられた第1磁石601と第2面側に取り付けられた第2磁石602とにより構成されている。なお、第2導電性部材202と、第3導電性部材203とはx軸方向において離間している。
振動素子12でも振動素子11と同様に、第2の捻り梁102、第1の捻り梁101、第3の捻り梁103および第4の捻り梁104は第2導電性部材202、第1導電性部材201および第3導電性部材203を通じて電気的に直列に接続されている。よって、この直列回路に駆動回路802から温度調節(共振周波数補正)用の電流が印加される。
図4(a)および図4(b)は、振動素子13を例示している。第1の捻り梁101と第3の捻り梁103と並行するように配置されている。同様に、第2の捻り梁102と第4の捻り梁104と並行するように配置されている。なお、第1の捻り梁101と第3の捻り梁103はy軸方向で離間しつつ並んでおり、第2の捻り梁102と第4の捻り梁104もy軸方向で離間しつつ並んでいる。第1の捻り梁101と第3の捻り梁103とが一体で捻りばねとして機能する。同様に、第2の捻り梁102と第4の捻り梁104とが一体で捻りばねとして機能する。回転振動の中心軸は並行する2本の梁の中間に位置する。第1振動部31は、第1の捻り梁101と第2の捻り梁102とにより保持された第2導電性部材202と、第3の捻り梁103と第4の捻り梁104とにより保持された第3導電性部材203と、第2導電性部材202および第3導電性部材203によって挟持された第1磁石601ととにより構成されている。ミラー部21は、第1の捻り梁101に接続された第1導電性部材201と、第1導電性部材201の第1面側に設けられた第1ミラー部材301と、第1導電性部材201の第2面側に設けられた第4導電性部材204と、第3の捻り梁103に接続された第5導電性部材205と、第5導電性部材201の第2面側に設けられた第2ミラー部材302とにより構成されている。なお、第4導電性部材204は、第1導電性部材201と第5導電性部材205とによって挟持されている。また、これらは導通している。なお、第2導電性部材202と、第3導電性部材203とはx軸方向において離間している。
駆動回路802からの電流は、第2の捻り梁102⇒第2導電性部材202⇒第1の捻り梁101⇒第1導電性部材201⇒第4導電性部材204⇒第5導電性部材205⇒第3の捻り梁103⇒第3導電性部材203⇒第4の捻り梁104の順番(またはこの逆)で流れる。これにより、共振周波数が補正される。
振動素子11はいわゆる両持ち支持構造を採用しているが、振動素子12や振動素子13は片持ち支持構造を採用している。片持ち支持構造は両持ち支持構造と比較して、振動素子を小型化できる利点がある。その反面、片持ち支持構造は、捻り梁の撓み剛性が低いとミラー部21がy方向に振動する撓みモードの共振周波数が低くなりやすい。その場合、外部からの衝撃などで回転振動モードに撓み振動モードが加わった振動状態が生じ、走査線の副走査方向への変動や異常振動が発生しうる。一方、振動素子12や振動素子13では、2本の梁が並べられているため、撓み剛性が向上し、撓み振動の共振周波数を高くすることができる。その結果、衝撃によっても変動し難く、かつ、仮に変動しても短時間で減衰させることが可能となる。
図5(a)は振動素子12、13が静止した状態を示している。図5(b)は振動素子12、13の同相モードを示している。図5(c)は振動素子12、13の逆相モードを示している。振動素子12、13についても逆相モードの共振周波数のほうが同相モードの共振周波数よりも高くなる。
図6は、振動素子12を変形して構成された振動素子14を例示している。振動素子14では、第1磁石601が第1絶縁部材621に置換され、第2磁石602が第2絶縁部材622に置換されている。その代わりに、第2の捻り梁102の近傍に磁石605が配置され、第4の捻り梁104の近傍に磁石606が配置されている。駆動回路803は、回転振動を励起するための駆動回路801と共振周波数を補正するための駆動回路802とを一体化したものである。駆動回路803は、同相モードの共振周波数を持つ信号とそれの整数倍の周波数を持つ信号を重畳して生成した駆動信号を第2の捻り梁102および第4の捻り梁104に印加する。2体の捻り梁に流れる電流と磁石605、606から磁界とが作用することで、2体の捻り梁に捻りトルクが発生し、振動素子14に回転振動が励起される。
捻り梁に対して回転振動を励起するための駆動信号が印加されると、通電量に応じて捻り梁のばね定数が変化してしまう。しかしながら、振動素子14では、各捻り梁の断面積が等しいため、各部での発熱量が一定となり、同相モードの共振周波数と逆相モードの共振周波数の比率を維持しやすくなる。なお、駆動回路802と同様に、駆動回路803は、共振周波数を補正するための電流も供給する。
図6が示すように、振動素子14では、磁石605、606の磁界が第1の捻り梁101と第3の捻り梁103に及びにくくするためのシールド部材631、632が配置されている。振動素子14では第1の捻り梁101と第3の捻り梁103へも通電が行われるため、ここに磁界が加わると同相モードの振動を励起するように磁界が作用してしまう。シールド部材631、632を配置することで、磁石605、606からの磁界が軽減され、逆相モードの励起に対して磁界の影響が及びにくくなる。
駆動回路803は、共振周波数を補正するための電流を供給するが、この電流の周波数としては回転振動モードに影響を及ぼしにくい周波数が選択される。つまり、2つの共振周波数とは異なる周波数の信号を振動素子14に通電することにより、同相モードと逆相モードの共振周波数の比率を保ったまま共振周波数が補正される。
[材料など]
捻り梁に用いられる材料としては、金属材料の他、カーボンを混合した樹脂材料など導電性材料であれば特に限定されるものではないが、繰り返し耐久性や耐衝撃性の観点から、SUS301やSUS631等のステンレスや銅合金、Co(コバルト)−Ni(ニッケル)基合金などの金属材料が採用されてもよい。その中でもSPRON(登録商標)510に代表されるCo−Ni−Cr(クロム)−Mo(モリブデン)合金などの時効硬化型Co−Ni基合金は特に疲労限が高く、繰り返し応力が加わる光走査装置には都合がよい。また、Co−Ni基合金は耐熱性や耐食性も高いため、通電やそれによる発熱が材料特性に影響を与えることは小さく、その点においても捻り梁に通電を行う光走査装置には適切であろう。さらに、Co−Ni基合金は内部摩擦が小さいという特徴もあり、振動素子11〜14を共振させて回転振動させる際のQ値が高く、駆動に要する消費電力を低減できる利点もある。Co−Ni−Cr−Mo合金を用いる場合には、加工率50%以上、より好ましくは90%以上の圧延加工、または、線引き加工により加工硬化処理を施した後、形状加工を行い、500〜600℃程度の温度で時効硬化処理が施されてもよい。最終的なヤング率や硬度は、加工率と時効熱処理の温度および時間で調整も可能である。形状加工には、エッチング加工やプレス加工、レーザー加工、ワイヤー放電加工等を用いることができる。加工硬化処理や形状加工において、その仕上がり具合によっては表面付近の内部摩擦が増加し、振動素子のQ値が低下してしまうことがある。そのような場合には、時効硬化処理前にエッチング処理を行うのが良く、目標寸法に対して大きめに形状加工を施したのち、硝酸系のエッチャントなどを用いて仕上げの形状加工を施すのが好ましい。また、加工硬化処理や形状加工時に生じた微少なクラックや表面の荒れがある場合にも、振動素子のQ値低下や耐久性低下の問題が生じる。そのような場合には、時効硬化処理前に電界研磨処理を行うのが良く、リン酸系やエチレングリコール系の液を用いた電界研磨処理によって表面を平滑化するのが好ましい。
捻り梁に用いられる材料としては、金属材料の他、カーボンを混合した樹脂材料など導電性材料であれば特に限定されるものではないが、繰り返し耐久性や耐衝撃性の観点から、SUS301やSUS631等のステンレスや銅合金、Co(コバルト)−Ni(ニッケル)基合金などの金属材料が採用されてもよい。その中でもSPRON(登録商標)510に代表されるCo−Ni−Cr(クロム)−Mo(モリブデン)合金などの時効硬化型Co−Ni基合金は特に疲労限が高く、繰り返し応力が加わる光走査装置には都合がよい。また、Co−Ni基合金は耐熱性や耐食性も高いため、通電やそれによる発熱が材料特性に影響を与えることは小さく、その点においても捻り梁に通電を行う光走査装置には適切であろう。さらに、Co−Ni基合金は内部摩擦が小さいという特徴もあり、振動素子11〜14を共振させて回転振動させる際のQ値が高く、駆動に要する消費電力を低減できる利点もある。Co−Ni−Cr−Mo合金を用いる場合には、加工率50%以上、より好ましくは90%以上の圧延加工、または、線引き加工により加工硬化処理を施した後、形状加工を行い、500〜600℃程度の温度で時効硬化処理が施されてもよい。最終的なヤング率や硬度は、加工率と時効熱処理の温度および時間で調整も可能である。形状加工には、エッチング加工やプレス加工、レーザー加工、ワイヤー放電加工等を用いることができる。加工硬化処理や形状加工において、その仕上がり具合によっては表面付近の内部摩擦が増加し、振動素子のQ値が低下してしまうことがある。そのような場合には、時効硬化処理前にエッチング処理を行うのが良く、目標寸法に対して大きめに形状加工を施したのち、硝酸系のエッチャントなどを用いて仕上げの形状加工を施すのが好ましい。また、加工硬化処理や形状加工時に生じた微少なクラックや表面の荒れがある場合にも、振動素子のQ値低下や耐久性低下の問題が生じる。そのような場合には、時効硬化処理前に電界研磨処理を行うのが良く、リン酸系やエチレングリコール系の液を用いた電界研磨処理によって表面を平滑化するのが好ましい。
導電性部材201〜204は、生産性の観点から、夫々捻り梁と同一材料で一体構造であるのが好ましい。しかしこれに限定されるものではなく、金属材料など導電性材料で形成して捻り梁と接合しても良い。接合する際には、形状加工を簡素化できることから捻り梁に線材を用いるのが好ましく、また、接合部の耐久性向上のために接合する線材の端部に鍛造などによって接合面を形成するのが好ましい。
ミラー部材301は、シリコンウエハや薄板ガラスなどの表面平坦性の良い基材に反射膜や増反射膜を形成したものの他、導電性部材201に直接形成された反射膜等であってもよい。反射膜としては、蒸着等で形成されるAu、Ag、Al等の膜が挙げられる。また、必要に応じてその上に増反射膜が形成される。また、導電性部材201の研磨によって鏡面を形成することも可能であり、この場合には、導電性部材201がミラー部材301としても機能する。
磁石601〜606は、特に限定されるものではないが、捻り振動に係わる慣性モーメントを小さくするために出来るだけ小型で磁力の強いものが好ましい。よって、磁力の強いNd−Fe−B系磁石やSm−Co系磁石等や、小型形状形成が可能な加工性に優れたFe−Cr−Co系磁石などが好適に用いられうる。
[画像形成装置]
図7に光走査装置の実施例である画像形成装置7を示す。振動素子10は上述した振動素子11〜14のいずれか1つであり、振動部周辺の構成は省略してある。光源971は、画像データに応じて制御回路970が出力した駆動信号に基づき強度変調した光を射出する。射出された光は射出光学系972を通って振動素子10のミラー部材301で反射され、像担持体の一例である感光体975上を走査する。走査された光は、BDセンサ973、974で検出される。制御回路970は、BDセンサ973、974が出力する検出信号を基に走査角を制御するための制御信号を生成して出力する。制御信号は振動素子10の駆動回路870の駆動回路801にフィードバックされる。これにより駆動回路801は振動素子10の最大走査角を安定的に適切な値に維持する。
図7に光走査装置の実施例である画像形成装置7を示す。振動素子10は上述した振動素子11〜14のいずれか1つであり、振動部周辺の構成は省略してある。光源971は、画像データに応じて制御回路970が出力した駆動信号に基づき強度変調した光を射出する。射出された光は射出光学系972を通って振動素子10のミラー部材301で反射され、像担持体の一例である感光体975上を走査する。走査された光は、BDセンサ973、974で検出される。制御回路970は、BDセンサ973、974が出力する検出信号を基に走査角を制御するための制御信号を生成して出力する。制御信号は振動素子10の駆動回路870の駆動回路801にフィードバックされる。これにより駆動回路801は振動素子10の最大走査角を安定的に適切な値に維持する。
このように振動素子11〜14のいずれかを用いた画像形成装置は、環境温度の変化に応じて共振周波数を補正できるため、安定した光走査を実現できる。これにより高精度な画像形成が可能である。
[画像形成装置]
図8(a)に光走査装置の実施例である画像投影装置8を示す。振動素子10は上記の振動素子11〜14のいずれか1つである。RGB3原色を含む光源装置981は、画像データに基づいて制御回路980から出力された信号にしたがって強度変調した光を射出する。振動素子10および垂直走査装置982により光は2次元走査され、スクリーン983に映像として投射される。垂直走査装置982の走査速度は振動素子10よりも遅い。垂直走査装置982には、たとえば、非共振駆動で高精度な位置決めができるガルバノミラーが用いられる。制御回路980から出力される制御信号に基づいて駆動回路880に含まれる駆動回路801は振動素子10の走査角を制御する。また、垂直走査装置982も同様に、制御回路980からの出力に基づいて走査角が制御される。さらに、駆動回路880の駆動回路802がミラー曲率制御信号(駆動信号)を出力することで、スクリーン983上でのビームスポット径がほぼ一定の大きさに維持される。また、制御回路980は、入力部984を通じて画像の台形補正が設定されると、垂直走査装置982の駆動信号の変化に応じてミラー曲率制御信号を変化させる。これにより、図8(b)のように斜め投影を行う際にも、スクリーン上部の走査では焦点距離を長く、下部では焦点距離を短くしてスクリーン上のビームスポット径をほぼ一定の大きさに維持することができる。
図8(a)に光走査装置の実施例である画像投影装置8を示す。振動素子10は上記の振動素子11〜14のいずれか1つである。RGB3原色を含む光源装置981は、画像データに基づいて制御回路980から出力された信号にしたがって強度変調した光を射出する。振動素子10および垂直走査装置982により光は2次元走査され、スクリーン983に映像として投射される。垂直走査装置982の走査速度は振動素子10よりも遅い。垂直走査装置982には、たとえば、非共振駆動で高精度な位置決めができるガルバノミラーが用いられる。制御回路980から出力される制御信号に基づいて駆動回路880に含まれる駆動回路801は振動素子10の走査角を制御する。また、垂直走査装置982も同様に、制御回路980からの出力に基づいて走査角が制御される。さらに、駆動回路880の駆動回路802がミラー曲率制御信号(駆動信号)を出力することで、スクリーン983上でのビームスポット径がほぼ一定の大きさに維持される。また、制御回路980は、入力部984を通じて画像の台形補正が設定されると、垂直走査装置982の駆動信号の変化に応じてミラー曲率制御信号を変化させる。これにより、図8(b)のように斜め投影を行う際にも、スクリーン上部の走査では焦点距離を長く、下部では焦点距離を短くしてスクリーン上のビームスポット径をほぼ一定の大きさに維持することができる。
このように振動素子11〜14のいずれかを用いた画像投影装置8は、環境温度の変化に応じて共振周波数を補正できるため、安定した光走査を実現できる。これにより高精度な画像投影が可能である。
[光学パターン読み取り装置]
図9に光走査装置の実施例である光学パターン読み取り装置9を示す。振動素子10は振動素子11〜14のいずれか1つである。光源991から射出された光は射出光学系992を通って振動素子10のミラー部材301で反射され、光学パターン上を走査する。光学パターンに応じて強度が変化する反射光は、振動素子10で再び反射された後に検出光学系994によって集光され、光センサ995で検出される。デコーダ996は、光センサ995が出力する検出信号を2値化する。これにより光学パターンの情報が読み取られる。駆動回路890は制御回路990からの信号に基づいて振動素子10の回転振動の駆動信号およびミラー曲率制御信号を出力する。これにより、光学パターンのある投射面上でビームスポット径がほぼ一定の大きさに維持される。
図9に光走査装置の実施例である光学パターン読み取り装置9を示す。振動素子10は振動素子11〜14のいずれか1つである。光源991から射出された光は射出光学系992を通って振動素子10のミラー部材301で反射され、光学パターン上を走査する。光学パターンに応じて強度が変化する反射光は、振動素子10で再び反射された後に検出光学系994によって集光され、光センサ995で検出される。デコーダ996は、光センサ995が出力する検出信号を2値化する。これにより光学パターンの情報が読み取られる。駆動回路890は制御回路990からの信号に基づいて振動素子10の回転振動の駆動信号およびミラー曲率制御信号を出力する。これにより、光学パターンのある投射面上でビームスポット径がほぼ一定の大きさに維持される。
このように振動素子11〜14のいずれかを用いた光学パターン読み取り装置9は、環境温度の変化に応じて共振周波数を補正できるため、安定した光走査を実現できる。これにより高精度な画像の読み取りが可能である。
[まとめ]
図1Aないし図6を用いて説明したように、振動素子11〜14は、導電性部材を有する複数の振動部(例:ミラー部21、第1振動部31、第2振動部32)と、複数の振動部を同一の回転軸に対して回転振動可能に支持し、かつ、導電性を有する1本または複数の梁(例:第1の捻り梁101、第2の捻り梁102、第3の捻り梁103、第4の捻り梁104)により構成された複数の捻りばねと、複数の捻りばねの温度を調整して複数の捻りばねのばね定数を調整する熱源(例:第1の捻り梁101、第2の捻り梁102、第3の捻り梁103、第4の捻り梁104の電気抵抗やヒータなど)とを有している。このように複数の捻りばねの温度を調整して複数の捻りばねのばね定数を調整する熱源が設けられているため、共振周波数(ばね定数)の補正が可能となる。
図1Aないし図6を用いて説明したように、振動素子11〜14は、導電性部材を有する複数の振動部(例:ミラー部21、第1振動部31、第2振動部32)と、複数の振動部を同一の回転軸に対して回転振動可能に支持し、かつ、導電性を有する1本または複数の梁(例:第1の捻り梁101、第2の捻り梁102、第3の捻り梁103、第4の捻り梁104)により構成された複数の捻りばねと、複数の捻りばねの温度を調整して複数の捻りばねのばね定数を調整する熱源(例:第1の捻り梁101、第2の捻り梁102、第3の捻り梁103、第4の捻り梁104の電気抵抗やヒータなど)とを有している。このように複数の捻りばねの温度を調整して複数の捻りばねのばね定数を調整する熱源が設けられているため、共振周波数(ばね定数)の補正が可能となる。
熱源は、複数の捻りばねの電気抵抗によって実現されてもよい。この場合、複数の捻りばねを構成する全ての梁の各断面積が等しくすることで、全ての梁の全域にわたって均一に温度を上昇させることが可能となる。つまり、同じ電流を印加した場合に生じる単位長さ当りの発熱量が全ての捻り梁で等しくなり、ヤング率(ばね定数)の変化の割合が全ての捻り梁で等しくなる。また、全ての梁は電気的に直列に接続されて直列回路を形成していてもよい。複数の捻りばねを含む直列回路に通電される電流によって電気抵抗が発熱し、複数の捻りばねのばね定数が同時並行的に調整される。
振動素子11〜14は、第1の回転振動モード(例:同相モード)と、第1の回転振動モードの共振周波数に対して整数倍の共振周波数を有する第2の回転振動モード(例:逆相モード)とを有していてもよい。本実施例では、第2の回転振動モードの共振周波数が第1の回転振動モードの共振周波数の整数倍に設定されており、かつ、これらの関係が環境温度の変化によらず一定に維持されるため、振動素子の等速性が改善される。
振動素子11〜14は次のように構成されてもよい。ミラー部21は、ミラー部材301と第1導電性部材201とを有し、複数の振動部のうちの1つである。第1の捻り梁101は、第1導電性部材201に接続され、ミラー部21を回転振動可能に支持する導電性を有し、複数の梁の1つであると。第1振動部31は、第1の捻り梁101と接続された第2導電性部材202を有し、複数の振動部のうちの1つである。第2の捻り梁102は、第2導電性部材202に接続され、第1振動部31を回転振動可能に支持する導電性を有し、複数の梁の1つである。第3の捻り梁103は、第1導電性部材201に接続され、ミラー部21を回転振動可能に支持する導電性を有し、複数の梁の1つである。第2振動部32は、第3の捻り梁103と接続された第3導電性部材203を有し、複数の振動部のうちの1つである。第4の捻り梁104は、第3導電性部材203に接続され、第2振動部32を回転振動可能に支持する導電性を有し、複数の梁の1つである。とりわけ、第1の捻り梁101、第2の捻り梁102、第3の捻り梁103および第4の捻り梁104は、第1導電性部材201、第2導電性部材202および第3導電性部材203を介して電気的に直列回路を形成している。駆動回路から直列回路に通電される電流によって第1の捻り梁101、第2の捻り梁102、第3の捻り梁103および第4の捻り梁104のばね定数が同時に調整される。
なお、振動素子11は両持ち構造の振動素子であり非常に安定した回転振動を実現できる。振動素子12〜14は片持ち構造の振動素子であり小型化を実現しやすい。なお、振動素子12〜14は第1の捻り梁101と第3の捻り梁103は並行するように配置され、第2の捻り梁102と第4の捻り梁104は並行するように配置されている。上述した第1振動部と第2振動部は一体化された単一の第1振動部31を形成している。このような並行配置は片持ち構造の振動素子における撓み振動を軽減するであろう。
図1Cに示したように、第1振動部31と第2振動部32は絶縁部材100によって一体化されていてもよい。これにより、第1振動部31と第2振動部32とが同期して回転振動しやすくなる。
図6を用いて説明したように、振動素子14は、第2の捻り梁102に沿って配置された第1磁石605と、第4の捻り梁104に沿って配置された第2磁石606と、第1の捻り梁101および第3の捻り梁103に対して第1磁石からの磁界と第2磁石からの磁界とを軽減するシールド部材631、632とを設けられてもよい。これは、逆相モードの励起に対して磁界の影響が及びにくくする効果をもたらす。
振動素子11〜14を採用することで、環境に依らず安定した光走査が可能な光走査装置1が実現される。光走査装置1を画像形成装置に採用することで、高精度な画像形成が可能となる。光走査装置1を画像投影装置に採用することで、高精度な画像投影が可能となる。光走査装置1を光学パターン読み取り装置に採用することで、高精度な読み取りが可能となる。
Claims (14)
- 導電性部材を有する複数の振動部と、
前記複数の振動部を同一の回転軸に対して回転振動可能に支持し、かつ、導電性を有する1本または複数の梁により構成された複数の捻りばねと、
前記複数の捻りばねの温度を調整して前記複数の捻りばねのばね定数を調整する熱源と
を有することを特徴とする振動素子。 - 前記熱源は、前記複数の捻りばねの電気抵抗であり、
前記複数の捻りばねを構成する全ての梁の各断面積が等しく、かつ、当該全ての梁は電気的に直列に接続されており、前記複数の捻りばねに通電される電流によって前記複数の捻りばねのばね定数が同時に調整されることを特徴とする請求項1に記載の振動素子。 - 前記振動素子は、
第1の回転振動モードと、
前記第1の回転振動モードの共振周波数に対して整数倍の共振周波数を有する第2の回転振動モードと
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の振動素子。 - ミラー部材と第1導電性部材とを有し、前記複数の振動部のうちの1つであるミラー部と、
前記第1導電性部材に接続され、前記ミラー部を回転振動可能に支持する導電性を有し、前記複数の梁の1つである第1の捻り梁と、
前記第1の捻り梁と接続された第2導電性部材を有し、前記複数の振動部のうちの1つである第1振動部と、
前記第2導電性部材に接続され、前記第1振動部を回転振動可能に支持する導電性を有し、前記複数の梁の1つである第2の捻り梁と、
前記第1導電性部材に接続され、前記ミラー部を回転振動可能に支持する導電性を有し、前記複数の梁の1つである第3の捻り梁と、
前記第3の捻り梁と接続された第3導電性部材を有し、前記複数の振動部のうちの1つである第2振動部と、
前記第3導電性部材に接続され、前記第2振動部を回転振動可能に支持する導電性を有し、前記複数の梁の1つである第4の捻り梁と
を有し、
第1の回転振動モードの共振周波数に対して、整数倍の共振周波数を有する第2の回転振動モードを有し、
前記第1の捻り梁、前記第2の捻り梁、前記第3の捻り梁および前記第4の捻り梁の各断面積は等しく、かつ、
前記第1の捻り梁、前記第2の捻り梁、前記第3の捻り梁および前記第4の捻り梁は、前記第1導電性部材、前記第2導電性部材および前記第3導電性部材を介して電気的に直列回路を形成しており、前記直列回路に通電される電流によって前記第1の捻り梁、前記第2の捻り梁、前記第3の捻り梁および前記第4の捻り梁のばね定数が同時に調整されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の振動素子。 - 前記第1の捻り梁と前記第3の捻り梁は並行するように配置され、
前記第2の捻り梁と前記第4の捻り梁は並行するように配置され、
前記第1振動部と前記第2振動部は一体化された単一の振動部を形成していることを特徴とする請求項4に記載の振動素子。 - 前記第1振動部と前記第2振動部は絶縁部材によって一体化されていることを特徴とする請求項4に記載の振動素子。
- 前記第2の捻り梁に沿って配置された第1磁石と、
前記第4の捻り梁に沿って配置された第2磁石と、
前記第1の捻り梁および前記第3の捻り梁に対して前記第1磁石からの磁界と前記第2磁石からの磁界とを軽減するシールド部材と
をさらに有することを特徴とする請求項5または6に記載の振動素子。 - 前記第1の捻り梁、前記第2の捻り梁、前記第3の捻り梁および前記第4の捻り梁の各断面形状は円形または正方形であることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載の振動素子。
- 前記第1の捻り梁、前記第2の捻り梁、前記第3の捻り梁および前記第4の捻り梁の各断面形状は、縦横比が3倍以下の偏平した形状であることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載の振動素子。
- 請求項1ないし9のいずれか1項に記載された振動素子と、
前記振動素子によって走査される光を出力する光源と
を有することを特徴とする光走査装置。 - 前記振動素子の第1の回転振動モードの共振周波数を有する第1の信号と、該第1の信号の周波数の整数倍の周波数を有する第2の信号と、前記第1の回転振動モードの共振周波数と前記振動素子の第2の回転振動モードの共振周波数とは異なる周波数を有し、前記ばね定数を調整する第3の信号とを駆動信号として生成する駆動回路をさらに有することを特徴とする請求項10に記載の光走査装置。
- 請求項10または11に記載の光走査装置を備え、当該光走査装置によって走査された光によってスクリーンに画像を投影することを特徴とする画像投影装置。
- 請求項10または11に記載の光走査装置と像担持体とを備え、当該光走査装置によって走査された光によって当該像担持体に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項10または11に記載の光走査装置を備え、当該光走査装置によって走査された光によって光学パターンを読み取ることを特徴とする光学パターン読み取り装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014093162A JP2015210454A (ja) | 2014-04-28 | 2014-04-28 | 振動素子、光走査装置、画像形成装置、画像投影装置および読み取り装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014093162A JP2015210454A (ja) | 2014-04-28 | 2014-04-28 | 振動素子、光走査装置、画像形成装置、画像投影装置および読み取り装置 |
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JP2015210454A true JP2015210454A (ja) | 2015-11-24 |
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ID=54612660
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JP2014093162A Pending JP2015210454A (ja) | 2014-04-28 | 2014-04-28 | 振動素子、光走査装置、画像形成装置、画像投影装置および読み取り装置 |
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JP (1) | JP2015210454A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE102016012784A1 (de) | 2015-10-27 | 2017-04-27 | Suzuki Motor Corporation | Motorrad und Fahrzeug mit Fahrsattel |
-
2014
- 2014-04-28 JP JP2014093162A patent/JP2015210454A/ja active Pending
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