JP2013133887A - クラッチレリーズ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】クラッチ操作力とクラッチカバー反力との力の差を小さくし、アクチュエータがする仕事を小さくすることができるクラッチレリーズ装置を提供すること。
【解決手段】回転又は揺動することによってクラッチ2に操作力を伝達するレリーズベアリング23をクラッチ回転軸方向にストロークさせるフォーク部材24と、フォーク部材24の回転又は揺動を駆動するアクチュエータ27と、ハウジング内に設けられるとともに、フォーク部材24の回転又は揺動をアシストするアシスト機構4と、を備え、アシスト機構4は、レリーズベアリング23を押付ける方向にフォーク部材24を回転又は揺動させることが可能であり、かつ、フォーク部材24との当接部分にカム面を有するレバー部材28と、レバー部材28のカム面をフォーク部材24に対して押付けるように作用するスプリング29と、を有する。
【選択図】図1
【解決手段】回転又は揺動することによってクラッチ2に操作力を伝達するレリーズベアリング23をクラッチ回転軸方向にストロークさせるフォーク部材24と、フォーク部材24の回転又は揺動を駆動するアクチュエータ27と、ハウジング内に設けられるとともに、フォーク部材24の回転又は揺動をアシストするアシスト機構4と、を備え、アシスト機構4は、レリーズベアリング23を押付ける方向にフォーク部材24を回転又は揺動させることが可能であり、かつ、フォーク部材24との当接部分にカム面を有するレバー部材28と、レバー部材28のカム面をフォーク部材24に対して押付けるように作用するスプリング29と、を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、クラッチの接続および解除を行うクラッチレリ−ズ装置に関し、特に、クラッチ操作荷重を軽減させるクラッチレリーズ装置に関する。
車両においては、エンジン始動時や変速時などにおいてエンジンの回転動力を変速機に伝達しないようにするために、エンジンと変速機との間の動力伝達系路上にクラッチが設けられている。クラッチは、クラッチ操作力がクラッチレリーズ装置を介して伝達されて、エンジンと変速機とが断続可能になっている。クラッチレリーズ装置においては、クラッチ操作荷重を軽減させる機構を有するものがある。
例えば、特許文献1では、車両に用いられるクラッチを操作するためのレバーシステムであって、第1の側と第2の側とを有するレバーと、少なくとも1つの載着点とが設けられていて、該載着点が同時に旋回支点をも成し得るようになっている形式のものにおいて、旋回支点の移動によってクラッチのための操作力が可変であるものが開示されている。このレバーシステムでは、レバーの途中に支点があり、その支点が半径方向へ移動可能であり、エネルギー蓄え器(スプリング)が付勢しているレバーの力点と、支点との長さが変化することで、クラッチ操作力を変化させることができる。アクチュエータの仕事量は、スプリングに蓄積された弾性エネルギーとの差、及び支点移動の際の摩擦に伴う損失等である。
また、特許文献2では、動力源と、該動力源により回転駆動される回転体とを備え、該回転体を第1回動範囲内で回転させてクラッチの断接操作を行うとともに、該回転体を第1回動範囲を超える第2回動範囲内で回転させてクラッチの摩耗補償を行うクラッチ用アクチュエータにおいて、前記回転体及び不動部にそれぞれ一端及び他端が支持されて該回転体の回転を助勢するアシストスプリングと、前記第2回動範囲内での前記回転体の回転時に、該回転体による前記アシストスプリングの一端の支持を解放して該回転体の回転に対する該アシストスプリングの助勢を停止する停止部材とを備えたものが開示されている。このクラッチ用アクチュエータでは、アシストスプリングの一端が固定され他端が回転する回転体に取り付けられており、クラッチカバー反力に対抗するようにアシストスプリングが回転体の回転を付勢しており、回転体の回転によって、アシストスプリングによるクラッチ操作力を変化させることができる。このクラッチ操作力とクラッチカバー反力との力の差だけを、アクチュエータが仕事をする。
以下の分析は、本願発明者により与えられる。
しかしながら、特許文献1に記載のレバーシステムは、支点を半径方向に移動させることによりクラッチ操作力を変化させる構造であるため、変化できるクラッチ操作力(レバーからスラスト軸受に伝達される操作力)に制限があり、3次特性的な特性をもつクラッチカバー反力(皿ばねがスラスト軸受を付勢する力)に完全にクラッチ操作力を合わせることができない。それゆえ、クラッチ操作力とクラッチカバー反力との力の差が大きくなるところが残り、アクチュエータがする仕事が大きくなる。
また、特許文献2では、アシストスプリングが、クラッチハウジングの外のアクチュエータに内蔵されているため、アクチュエータにいたるまでのレリーズフォークのたわみロス分だけアクチュエータがする仕事が大きくなる。
本発明の主な課題は、クラッチ操作力とクラッチカバー反力との力の差を小さくし、アクチュエータがする仕事を小さくすることができるクラッチレリーズ装置を提供することである。
本発明の一視点においては、ハウジングに対して回転又は揺動可能に支持されるとともに、回転又は揺動することによって、クラッチに操作力を伝達するレリーズベアリングを前記クラッチのクラッチ回転軸方向にストロークさせるフォーク部材と、前記フォーク部材の回転又は揺動を駆動するアクチュエータと、前記ハウジング内に設けられるとともに、前記レリーズベアリングを押付ける方向に前記フォーク部材の回転又は揺動をアシストするアシスト機構と、を備え、前記アシスト機構は、前記ハウジングに対して揺動可能に取り付けられるとともに、前記レリーズベアリングを押付ける方向に前記フォーク部材を回転又は揺動させることが可能であり、かつ、前記フォーク部材との当接部分にカム面を有するレバー部材と、一端が前記ハウジングに対して揺動可能に取り付けられるとともに、他端が前記レバー部材に揺動可能に取り付けられ、かつ、前記レバー部材の前記カム面を前記フォーク部材に対して押付けるように作用するスプリングと、を有する。
本発明によれば、アシスト機構においてレバー部材にカム面を持たせることでアシスト荷重をコントロールできるようになり、フォーク部材を回転駆動するアクチェータの負荷低減効果がより大きくなる。また、ハウジング内にアシスト機構を設けることでハウジング外のスペースを確保することができる。また、アシスト機構をフォークから離れたアクチュエータ内ではなくハウジング内に収めることで、フォーク効率の影響を受けにくくなり、アシスト荷重がロスなく伝達されることでアクチュエータの仕事量がより低減される。また、アシスト機構をフォークから離れたアクチュエータ内ではなくハウジング内に収めることで、アシスト機構とフォーク部材との間のフォーク部材の支持軸方向の距離が近くなって支持軸まわりの捩れ角が低減されるため、フォーク部材のたわみロスが減少し、アクチュエータの仕事量が低減される。さらに、アシスト機構をハウジング内に収めることで、アクチュエータの仕事量が低減されるため、フォーク部材の剛性を落すことができ、これにより、コスト・スペースを削減できる。
本発明の実施形態に係るクラッチレリーズ装置では、ハウジング(図3の42)に対して回転又は揺動可能に支持されるとともに、回転又は揺動することによって、クラッチ(図1の2)に操作力を伝達するレリーズベアリング(図1の23)を前記クラッチのクラッチ回転軸方向にストロークさせるフォーク部材(図1、図3の24)と、前記フォーク部材の回転又は揺動を駆動するアクチュエータ(図1の27)と、前記ハウジング内に設けられるとともに、前記レリーズベアリングを押付ける方向に前記フォーク部材の回転又は揺動をアシストするアシスト機構(図1の4)と、を備え、前記アシスト機構は、前記ハウジングに対して揺動可能に取り付けられるとともに、前記レリーズベアリングを押付ける方向に前記フォーク部材を回転又は揺動させることが可能であり、かつ、前記フォーク部材との当接部分にカム面(図3の28a)を有するレバー部材(図1、図3の28)と、一端が前記ハウジングに対して揺動可能に取り付けられるとともに、他端が前記レバー部材に揺動可能に取り付けられ、かつ、前記レバー部材の前記カム面を前記フォーク部材に対して押付けるように作用するスプリング(図1、図3の29)と、を有する。
本発明の前記クラッチレリーズ装置においては、前記カム面は、前記レリーズベアリングで受ける前記クラッチからの反力に対応するように形成されていることが好ましい。
本発明の前記クラッチレリーズ装置においては、前記フォーク部材は、前記ハウジングに対して回転可能に支持されるとともに、前記アクチュエータの回転駆動力を受ける軸部と、前記軸部に取り付けられるとともに、前記軸部が回転することによって前記レリーズベアリングを前記クラッチ回転軸方向にストロークさせるフォーク部と、前記軸部に取り付けられるとともに、前記レバー部材の前記カム面と当接し、かつ、前記カム面からの押付荷重を受けることによって前記レリーズベアリングを押付ける方向に前記軸部を回転させる他のフォーク部と、を有することが好ましい。
本発明の前記クラッチレリーズ装置においては、前記フォーク部材は、支点にて前記ハウジングに対して揺動可能に支持されるとともに、力点にてアクチュエータのストローク駆動力を受け、作用点にて前記レリーズベアリングを前記クラッチ回転軸方向にストロークさせるように構成されていることが好ましい。
本発明の前記クラッチレリーズ装置においては、前記フォーク部材は、前記力点と前記作用点との間に前記支点が設けられていることが好ましい。
本発明の前記クラッチレリーズ装置においては、前記フォーク部材は、前記力点と前記支点との間に前記作用点が設けられていることが好ましい。
本発明の前記クラッチレリーズ装置においては、前記カム面で前記フォーク部材を押付けるアシスト点と前記作用点との距離は、前記力点と前記作用点との距離よりも小さく設定されていることが好ましい。
本発明の前記クラッチレリーズ装置においては、前記アシスト点は、前記作用点と同じ位置に設定されていることが好ましい。
本発明の前記クラッチレリーズ装置においては、前記レリーズベアリングは、押付荷重を前記クラッチに伝達して前記クラッチを断状態にすることが好ましい。
本発明の前記クラッチレリーズ装置においては、前記レリーズベアリングは、押付荷重を前記クラッチに伝達して前記クラッチを係合状態にすることが好ましい。
なお、本出願において図面参照符号を付している場合は、それらは、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。
本発明の実施例1に係るクラッチレリーズ装置について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施例1に係るクラッチレリーズ装置を含むクラッチ装置の構成を模式的に示した断面図である。図2は、本発明の実施例1に係るクラッチレリーズ装置におけるレバー部材の構成を模式的に示した図1の矢視Aから見た平面図である。図3は、本発明の実施例1に係るクラッチレリーズ装置におけるクラッチレリーズ装置のアシスト機構を模式的に示した図1の矢視Bから見た平面図である。
クラッチ装置1は、エンジン(図示せず)のクランクシャフト10から変速機入力軸41への回転動力を断接可能に伝達する装置である(図1参照)。クラッチ装置1は、レリーズベアリング23を軸方向のエンジン側(図1の右側)へ移動させてクラッチ組立体2を断状態とすることでクランクシャフト10から変速機入力軸41への回転動力を遮断するクラッチレリーズ装置3によって操作可能な構成となっている。クラッチ装置1は、マニュアル用の変速機に適用するだけでなく、AMT(Automated Manual Transmission;自動マニュアルトランスミッション)に適用してもよい。また、クラッチ装置1は、ハイブリッド車がモータ走行する際のエンジン切離し用クラッチに適用してもよい。
クラッチレリーズ装置3は、クラッチ組立体2の接続および解除を行う装置である。クラッチレリーズ装置3は、フォーク部材24の回転軸24fを中心としてフォーク部24bを回転させてクラッチ組立体2を断状態とする回転型である。クラッチレリーズ装置3は、電動モータ27によるクラッチ操作荷重を軽減させるアシスト機構4を有する。アシスト機構4は、レバー部材28及びスプリング29を利用したレバー機構であり、フォーク部材24の回転軸24fを中心とする回転をクラッチ組立体2の断側にアシストする。アシスト機構4は、クラッチハウジング(図示せず)内に収納されている。クラッチレリーズ装置3は、主な構成部として、筒状部材21と、スリーブ22と、レリーズベアリング23と、フォーク部材24と、ベアリング25、26と、電動モータ27と、レバー部材28と、スプリング29と、を有する。
筒状部材21は、変速機入力軸41の外周に配された筒状の部材である。筒状部材21は、変速機ハウジング(図示せず)に支持されている。筒状部材21は、内周面にて、変速機入力軸41と離間している。筒状部材21は、外周面にて、スリーブ22が軸方向にスライド可能に配されている。
スリーブ22は、筒状の部材であり、筒状部材21の外周面上でスライド可能に配されている。スリーブ22は、レリーズベアリング23の固定輪が固定されている。スリーブ22は、フォーク部材24の当接部24cから操作力を受けて軸方向にスライド可能である。
レリーズベアリング23は、回転するダイヤフラムスプリング15の内周部分を押付けてクラッチ装置を断状態にするためのボールベアリングである。レリーズベアリング23は、ダイヤフラムスプリング15と当接する回転輪が複数のボールを介して固定輪に支持された構成となっている。レリーズベアリング23の固定輪は、スリーブ22に固定されている。レリーズベアリング23は、スリーブ22と一体にスライド可能である。
フォーク部材24は、回転することでスリーブ22を軸方向にスライドさせるフォーク部24bを有する部材である。フォーク部材24は、複数(図1では2つ)のベアリング25、26を介して回転可能にクラッチハウジング(図示せず)に支持された軸部24aを有する。軸部24aは、径方向外側に延在したフォーク部24bを有する。フォーク部24bは、軸部24aからスリーブ22の変速機側(図1の左側)の位置まで延在しており、スリーブ22に対向する面に当接部24cを有する。当接部24cは、スリーブ22と当接し、表面が球面等の曲面に形成されている。当接部24cは、フォーク部24bに2つあり、軸部24aの回転軸24fと平行、かつ、変速機入力軸41の回転軸と直交する線上に配されている。当接部24cは、スリーブ22及びレリーズベアリング23を介してクラッチ組立体2からの反力(ダイヤフラムスプリング15からの変速機側(図1の左側)への押付力)を受ける。軸部24aは、フォーク部24bと異なる位置であるフォーク部24bからずれた部位にて、径方向外側に延在したフォーク部24dを有するが、フォーク部24dは、フォーク部24bと同位置または同一部材であってもよい。フォーク部24dは、アシスト機構4の構成部であり、変速機側(図1の左側)の面にてレバー部材28のカム面28aと当接しており、レバー部材28を介してスプリング29の付勢力の分力を受ける。軸部24aは、フォーク部24b、24dからずれた部位にて、軸部24aの回転軸24fを中心とするドリブンギヤ部24eを有する。ドリブンギヤ部24eは、電動モータ27のドライブギヤ27bと噛合っており、電動モータ27によって回転駆動される。
ベアリング25、26は、フォーク部材24の軸部24aを回転可能にクラッチハウジング(図示せず)に支持するための軸受である。ベアリング25とベアリング26とは、変速機入力軸41を挟んで互いに離れて配されている。
電動モータ27は、フォーク部材24を回転駆動するためのアクチュエータである。電動モータ27には、例えば、ブラシレスモータを用いることができる。電動モータ27は、本体部分でクラッチハウジング等に固定されている。電動モータ27は、回転動力を出力する出力軸27aを有し、出力軸27aにドライブギヤ27bが取り付けられている。ドライブギヤ27bは、フォーク部材24のドリブンギヤ部24eと噛合っており、フォーク部材24の軸部24aを回転駆動する。電動モータ27は、インバータ(図示せず)を介してバッテリ(図示せず)及び電子制御装置(図示せず)と電気的に接続されており、電子制御装置(図示せず)によって制御される。
レバー部材28は、スプリング29との相互関係でフォーク部24dを押付ける部材であり、クラッチ組立体2が断側になる方向にフォーク部材24の回転をアシストするアシスト機構4の構成部である。レバー部材28は、支点となる軸部28bにて、フォーク部24dを押付ける押付け可能な方向に揺動可能にクラッチハウジング(図示せず)に支持されている。レバー部材28は、軸部28bから離れた力点となる軸部28cにて、スプリング29の一端に揺動可能に取り付けられている。レバー部材28は、軸部28b、28c間の部位にてフォーク部24d側に突出したカム面28aを有するが、カム面28aは、軸部28b、28cの間ではなく軸部28bまたは28cのどちらか一方側にオーバーハングした位置に形成されてもよい。カム面28aは、フォーク部24dと当接し、レバー部材28の揺動角度に応じて、軸部28b、28c間を結ぶ線からフォーク部24dとの当接点までの距離(最短距離)を変更するような曲面に形成されている。カム面28aは、レバー部材28の揺動角度、及び、スプリング29の押付荷重との関係で、クラッチカバー反力(スリーブ22が変速機側に押付ける力;図5の目標値に相当)に対応するように形成される。レバー部材28は、軸部28cにてスプリング29の付勢力を受けており、レバー部材28の揺動角度に応じて、カム面28aとフォーク部24dとの当接点での押付力(スプリング29の付勢力の分力)を変更する。なお、カム面28aはフォーク部24dに形成されてもよく、フォーク部24dとレバー部材28の双方に形成されてもよい。
スプリング29は、レバー部材28のカム面28aをフォーク部24dに押付けるように設定された弾性部材(例えば、コイルスプリング)であり、アシスト機構4の構成部品である。スプリング29は、一端がレバー部材28の軸部28cに揺動可能に取り付けられており、他端が揺動可能にクラッチハウジング(図示せず)に支持されている。スプリング29は、レバー部材28の軸部28cを押付けている。
クラッチ組立体2は、エンジンから変速機への回転動力を断続可能に伝達する装置である。クラッチ組立体2は、クラッチレリーズ装置3からのクラッチ操作力が伝達されて、エンジンと変速機とが断続可能になっている。クラッチ組立体2は、クラッチレリーズ装置3によるクラッチ操作荷重がないときに係合状態となるノーマルクローズ型である。クラッチ組立体2は、主な構成部として、フライホイール11と、ボルト12と、クラッチカバー13と、ボルト14と、ダイヤフラムスプリング15と、支点部材16と、プレッシャプレート17と、ストラップ18と、保持部材19と、リベット20と、クラッチディスク30と、を有する。
フライホイール11は、環状の慣性体である(図1参照)。フライホイール11は、内周部分にて複数のボルト12によってクランクシャフト10に取付固定されており、クランクシャフト10と一体に回転する。フライホイール11は、外周部分にて複数のボルト14によってクラッチカバー13が取付固定されており、クラッチカバー13と一体に回転する。
クラッチカバー13は、クラッチディスク30の外周部分をカバーするように形成された環状の部材である(図1参照)。クラッチカバー13は、外周部分にてボルト14によってフライホイール11に取付固定されている。クラッチカバー13は、内周部分にてフライホイール11から離間しており、クラッチディスク30の外周部分、及びプレッシャプレート17をカバーしている。クラッチカバー13は、内周端部にて、ダイヤフラムスプリング15の中間部の両側を挟むように配された2つの支点部材16を支持している。クラッチカバー13は、ダイヤフラムスプリング15のレバー部分間における複数の空所にて2つの支点部材16をかしめて支持している。クラッチカバー13は、支点部材16を支点にダイヤフラムスプリング15を揺動可能に支持する。クラッチカバー13は、ストラップ18を介してプレッシャプレート17と弾性的に連結されており、プレッシャプレート17と一体に回転する。
ダイヤフラムスプリング15は、環状の皿ばね部分から径方向内側に複数のレバー部分が延在した弾性部材である(図1参照)。ダイヤフラムスプリング15は、中間部分にて、クラッチカバー13に支持された2つの支点部材16の間に揺動可能に挟持されている。ダイヤフラムスプリング15は、外周部分のエンジン側(図1の右側)の面にて、プレッシャプレート17の複数の突起部17aと当接している。ダイヤフラムスプリング15は、突起部17aと離れないようにするため、外周部分の変速機側(図1の左側)の面から、リベット20によってプレッシャプレート17に固定された保持部材19によって保持されている。ダイヤフラムスプリング15は、内周部分の変速機側(図1の左側)の面にて、レリーズベアリング23の回転輪と当接している。ダイヤフラムスプリング15は、支点部材16を支点に傾くことで、ダイヤフラムスプリング15の外周部分がプレッシャプレート17をフライホイール11側に付勢するとともに、ダイヤフラムスプリング15の内周部分がレリーズベアリング23を変速機側(図1の左側)に付勢する。ダイヤフラムスプリング15は、プレッシャプレート17を付勢することで、クラッチディスク30の摩擦材31の部分をフライホイール11に圧接させる。ダイヤフラムスプリング15は、内周部分をレリーズベアリング23によってフライホイール11側に押付けることで、外周部分がフライホイール11から離れるように変位し、プレッシャプレート17のフライホイール11側への付勢を解除する。
支点部材16は、ダイヤフラムスプリング15の揺動の支点となる環状の部材である(図1参照)。支点部材16は、ダイヤフラムスプリング15の中間部分の両側に2つ配され、ダイヤフラムスプリング15のレバー部分間の複数の空所にてクラッチカバー13によってかしめられて支持されている。
プレッシャプレート17は、クラッチディスク30の摩擦摺動部分をフライホイール11に押付ける環状のプレートである(図1参照)。プレッシャプレート17は、エンジン側(図1の右側)の面がクラッチディスク30の摩擦材31と摩擦摺動する摩擦面となっている。プレッシャプレート17は、変速機側(図1の左側)の面(背面;摩擦面に対する反対面)において変速機側(図1の左側)に突出した複数の突起部17aを有する。突起部17aは、ダイヤフラムスプリング15の作用点に当接させる部分であり、ダイヤフラムスプリング15の付勢力を受ける。プレッシャプレート17は、外周端部に複数の座部17bを有する。座部17bは、リベット20によってストラップ18及び保持部材19をプレッシャプレート17に連結するための部分である。プレッシャプレート17は、ストラップ18を介してクラッチカバー13と弾性的に連結されており、クラッチカバー13と一体に回転する。
クラッチディスク30は、フライホイール11とプレッシャプレート17との間に配された円形でディスク状の組立体である。クラッチディスク30は、外周部分にてライニングプレート32の両面に摩擦材31がリベット33によって取付固定された摩擦摺動部分を有し、当該摩擦摺動部分にてフライホイール11とプレッシャプレート17との間に挟み込まれている。クラッチディスク30は、ライニングプレート32の内周部分にてリベット33によってサイドプレート34、35に取付固定されており、サイドプレート34、35間にハブ部材36が配されており、サイドプレート34、35とハブ部材36との間の捩れ(トルク変動)を弾性部材37の弾性力により緩衝(吸収)する機能を有する。クラッチディスク30は、サイドプレート34とハブ部材36の間にスラスト部材38が配されており、サイドプレート35とハブ部材36の間にスラスト部材39及び皿ばね40が配されており、サイドプレート34、35とハブ部材36との捩れ(トルク変動)を、スラスト部材38、39とハブ部材36との間の摩擦力により緩衝(吸収)する機能を有する。クラッチディスク30は、ハブ部材36の内周にて変速機入力軸41に対して回転不能かつ軸方向移動可能にスプライン係合している。なお、変速機入力軸41は、ベアリング(図示せず)を介して回動可能に変速機ハウジング(図示せず)に支持されており、クラッチディスク30からの回転動力を変速機(図示せず)に伝達する。
次に、本発明の実施例1に係るクラッチレリーズ装置におけるアシスト機構の動作について比較例と対比しつつ説明する。図4は、本発明の実施例1に係るクラッチレリーズ装置におけるクラッチレリーズ装置のアシスト機構の動作を模式的に示した図である。図5は、本発明の実施例1に係るクラッチレリーズ装置におけるクラッチレリーズ装置のアシスト荷重特性を模式的に示した図である。図6は、比較例に係るクラッチレリーズ装置におけるクラッチレリーズ装置のアシスト機構の動作を模式的に示した図である。図7は、比較例に係るクラッチレリーズ装置におけるクラッチレリーズ装置のアシスト荷重特性を模式的に示した図である。
実施例1に係るクラッチレリーズ装置におけるアシスト機構4の動作原理は、以下のとおりである。
図4(A)の状態において、スプリング29の押付荷重はレバー部材28の軸部28bの回転軸に向いており、レバー部材28を回転させる荷重がほとんど働かない。そのため、フォーク部材24のフォーク部24dに対してスプリング29の押付荷重はほとんど働かない。なお、ここでは、レバー部材28は、小さな荷重でフォーク部24dに当接している。
図4(A)の状態から、フォーク部材24を、回転軸24fを中心に回転(フォーク部24dがレバー部材28から離れる方向に回転)させると、アシスト機構4は、図4(B)、図4(C)のような姿勢に変化してゆく。つまり、レバー部材28が軸部28bを中心にフォーク部24dを押付ける方向に回転すると、スプリング29の押付荷重の方向が変化していき、スプリング29の押付荷重によって、レバー部材28を回転させようとする回転モーメントが極大値をピークに大きくなる。この回転モーメントによりフォーク部材24のフォーク部24dを押付けるアシスト荷重も極大値をピークに大きくなる。これにより、レバー部材28を回転駆動する電動モータ27の仕事量をより少なくすることが可能である。なお、図4(A)の状態においてスプリング29は、アシスト荷重が反転しないようターンオーバー点を超えない位置又はターンオーバー点で停止している。
このとき、レバー部材28に設けられたカム面28aの形状をコントロールすることで、アシスト荷重を目標値(ダイヤフラムスプリング15がレリーズベアリング23を押付ける力(クラッチカバー反力)に相当)に対応するようにコントロールすることが可能である(図5参照)。
一方、図6の比較例のアシスト機構4のように、フォーク部材24のフォーク部24dと当接するレバー部材128の当接部128aにおいてカム面を有さない場合、レバー部材128が軸部128bを中心にフォーク部24dを押付ける方向に回転すると、スプリング29の押付荷重によってレバー部材128を回転させようとする回転モーメントが極大値をピークに大きくなり、フォーク部24dを押付けるアシスト荷重も極大値をピークに大きくなる点は実施例1と同様であるが、アシスト荷重を目標値(ダイヤフラムスプリング15がレリーズベアリング23を押付ける力(クラッチカバー反力)に相当)に対応するようにコントロールすることができない(図7参照)。
実施例1によれば、アシスト機構4においてレバー部材28にカム面28aを持たせることでアシスト荷重をコントロールできるようになり、フォーク部材24を回転駆動する電動モータ27の負荷低減効果がより大きくなる。
また、実施例1によれば、クラッチハウジング(図示せず)内にアシスト機構4を設けることでハウジング外のスペースを確保することができる。また、アシスト機構4をフォーク部24bから離れたアクチュエータ内ではなくクラッチハウジング内に収めることで、フォーク効率の影響を受けにくくなり、アシスト荷重がロスなく伝達されることで電動モータ27の仕事量がより低減される。また、アシスト機構4をフォーク部24bから離れたアクチュエータ内ではなくクラッチハウジング内に収めることで、レバー部材28フォーク部24bとの軸部24a方向の距離が近くなり、フォーク部材24の軸部24aの捩れ角が少なくなって撓みロスが減少し、電動モータ27の仕事量が低減される。さらに、電動モータ27の仕事量が低減されることで、フォーク部材24の軸部24aに加わる荷重(捩りトルク)が減少するため、フォーク部材24の剛性を落すことができ、これにより、コスト・スペースを削減できる。
本発明の実施例2に係るクラッチレリーズ装置について図面を用いて説明する。図8は、本発明の実施例2に係るクラッチレリーズ装置を含むクラッチ装置の構成を模式的に示した断面図である。図9は、本発明の実施例2に係るクラッチレリーズ装置におけるレバー部材の構成を模式的に示した図8の矢視Aから見た平面図である。
実施例2は、実施例1の変形例であり、クラッチレリーズ装置3を回転型とするのをやめ、フォーク部材50の中間部にある支点部50bを支点としてフォーク部材50全体を揺動させてクラッチ組立体2を断状態とする揺動内支点型としたものである。クラッチレリーズ装置3以外の構成は、実施例1と同様である。なお、実施例2におけるクラッチ組立体2は、ノーマルクローズ型である。
クラッチレリーズ装置3は、クラッチ組立体2の接続および解除を行う装置である。クラッチレリーズ装置3は、フォーク部材50の中間部にある支点部50bを支点としてフォーク部材50全体を揺動させてクラッチ組立体2を断状態とする揺動内支点型である。クラッチレリーズ装置3は、アクチュエータ51によるクラッチ操作荷重を軽減させるアシスト機構4を有する。アシスト機構4は、レバー部材28及びスプリング29を利用したレバー機構であり、フォーク部材50の支点部50bを支点とする揺動をクラッチ組立体2の断側にアシストする。アシスト機構4は、クラッチハウジング(図示せず)内に収納されている。クラッチレリーズ装置3は、主な構成部として、筒状部材21と、スリーブ22と、レリーズベアリング23と、フォーク部材50と、アクチュエータ51と、レバー部材28と、スプリング29と、を有する。なお、筒状部材21、スリーブ22、レリーズベアリング23、レバー部材28、及び、スプリング29については、実施例1と同様である。
フォーク部材50は、中間部にある支点部50bを支点に揺動することでスリーブ22を軸方向にスライドさせる部材である。フォーク部材50は、中間部において、回転可能にクラッチハウジング(図示せず)に支持された支点部50bを有する。フォーク部材50は、一端において、スリーブ22の筒状部22aを跨ぐように形成されており、軸方向のスリーブ22と対向する面に当接部50aを有する。当接部50aは、作用点となり、スリーブ22と当接し、表面が球面等の曲面に形成されている。当接部50aは、2つあり、フォーク部材50の延在方向に対して直交、かつ、変速機入力軸41の回転軸と直交する線上に配されている。当接部50aは、スリーブ22及びレリーズベアリング23を介してクラッチ組立体2からの反力(ダイヤフラムスプリング15からの変速機側(図8の左側)への押付力)を受ける。フォーク部材50は、他端において、アクチュエータ51の出力ロッド51aの押付けを受ける力点部50cを有する。力点部50cは、エンジン側(図8の右側)の面にて出力ロッド51aのストロークによる押付力を受ける。フォーク部材50は、力点部50cが変速機側(図8の左側)に移動することで、支点部50bを支点として揺動し、作用点となる当接部50aがエンジン側(図8の右側)に移動し、当接部50aがスリーブ22を押付けることでレリーズベアリング23をエンジン側(図8の右側)にスライドさせる。フォーク部材50は、当接部50aが変速側(図8の左側)に移動することで、支点部50bを支点として揺動し、力点部50cがエンジン側(図8の右側)に移動し、力点部50cがアクチュエータ51の出力ロッド51aをエンジン側(図8の右側)にストロークさせる。
フォーク部材50は、支点部50bよりも当接部50a側の部分において、当接部50aが配された面に対する反対面(変速機側(図8の左側)の面)にてレバー部材28のカム面28aと当接している。フォーク部材50は、カム面28aと当接する部分(アシスト点)にて、レバー部材28を介してスプリング29の付勢力の分力を受け、当接部50aをエンジン側(図8の右側)に移動するように作用する。フォーク部材50がカム面28aから受ける押付力は、アクチュエータ51の出力ロッド51aが力点部50cを変速側(図8の左側)に移動させて当接部50aをエンジン側(図8の右側)に移動させるときのアシスト力となる。フォーク部材50の延在方向において、アシスト点と当接部50a(作用点)との間の距離は、力点部50c(力点)と当接部50a(作用点)との間の距離よりも小さく設定されている。アシスト点は、作用点と同じ位置に設定されることが好ましい。
アクチュエータ51は、フォーク部材50を揺動駆動するための装置である。アクチュエータ51には、例えば、電動モータ、歯車機構、クランク機構などを組み合わせたものを用いることができる。アクチュエータ51は、本体部分でクラッチハウジング等に固定されている。アクチュエータ51には、所定の方向にストロークする出力ロッド51aを有する。出力ロッド51aは、先端部でフォーク部材50の力点部50cと当接しており、フォーク部材50を揺動させる。
アシスト機構4の動作は、以下のとおりである。フォーク部材50を、支点部50bを中心に揺動(当接部50aがスリーブ22を押付ける方向に揺動)させると、アシスト機構4は、スプリング29の押付荷重の方向が変化していき、スプリング29の押付荷重によって、レバー部材28を回転させようとする回転モーメントが極大値をピークに大きくなる。この回転モーメントによりフォーク部材50を押付けるアシスト荷重も極大値をピークに大きくなる。これにより、レバー部材28を揺動駆動するアクチュエータ51の仕事量をより少なくすることが可能である。このとき、レバー部材28に設けられたカム面28aの形状をコントロールすることで、アシスト荷重を目標値(ダイヤフラムスプリング15がレリーズベアリング23を押付ける力(クラッチカバー反力)に相当)に対応するようにコントロールすることが可能である。
実施例2によれば、実施例1と同様な効果を奏する。
本発明の実施例3に係るクラッチレリーズ装置について図面を用いて説明する。図10は、本発明の実施例3に係るクラッチレリーズ装置を含むクラッチ装置の構成を模式的に示した断面図である。図11は、本発明の実施例3に係るクラッチレリーズ装置におけるレバー部材の構成を模式的に示した図10の矢視Aから見た平面図である。
実施例3は、実施例1の変形例であり、クラッチレリーズ装置3を回転型とするのをやめ、フォーク部材52の一端にある支点部52bを支点としてフォーク部材52全体を揺動させてクラッチ組立体2を断状態とする揺動外支点型としたものである。クラッチレリーズ装置3以外の構成は、実施例1と同様である。なお、実施例3におけるクラッチ組立体2は、ノーマルクローズ型である。
クラッチレリーズ装置3は、クラッチ組立体2の接続および解除を行う装置である。クラッチレリーズ装置3は、フォーク部材52の一端にある支点部52bを支点としてフォーク部材52を揺動させてクラッチ組立体2を断状態とする揺動内支点型である。クラッチレリーズ装置3は、アクチュエータ51によるクラッチ操作荷重を軽減させるアシスト機構4を有する。アシスト機構4は、レバー部材28及びスプリング29を利用したレバー機構であり、フォーク部材52の支点部52bを支点とする揺動をクラッチ組立体2の断側にアシストする。アシスト機構4は、クラッチハウジング(図示せず)内に収納されている。クラッチレリーズ装置3は、主な構成部として、筒状部材21と、スリーブ22と、レリーズベアリング23と、フォーク部材52と、アクチュエータ51と、レバー部材28と、スプリング29と、を有する。なお、筒状部材21、スリーブ22、レリーズベアリング23、レバー部材28、及び、スプリング29については、実施例1と同様である。また、アクチュエータ51については、実施例2と同様である。
フォーク部材52は、一端にある支点部52bを支点に揺動することでスリーブ22を軸方向にスライドさせる部材である。フォーク部材52は、一端において、回転可能にクラッチハウジング(図示せず)に支持された支点部52bを有する。フォーク部材52は、中間部において、スリーブ22の筒状部22aと抵触しないように開口部52eが形成されている。フォーク部材52は、開口部52eの周囲の部分において、軸方向のスリーブ22と対向する面に当接部52aを有する。当接部52aは、作用点となり、スリーブ22と当接し、表面が球面等の曲面に形成されている。当接部52aは、2つあり、フォーク部材52の延在方向に対して直交、かつ、変速機入力軸41の回転軸と直交する線上に配されている。当接部52aは、スリーブ22及びレリーズベアリング23を介してクラッチ組立体2からの反力(ダイヤフラムスプリング15からの変速機側(図10の左側)への押付力)を受ける。フォーク部材52は、他端において、アクチュエータ51の出力ロッド51aの押付けを受ける力点部52cを有する。力点部52cは、変速機側(図10の左側)の面にて出力ロッド51aのストロークによる押付力を受ける。フォーク部材52は、力点部52cがエンジン側(図10の右側)に移動することで、支点部52bを支点として揺動し、作用点となる当接部52aがエンジン側(図10の右側)に移動し、当接部52aがスリーブ22を押付けることでレリーズベアリング23をエンジン側(図10の右側)にスライドさせる。フォーク部材52は、当接部52aが変速側(図10の左側)に移動することで、支点部52bを支点として揺動し、力点部52cが変速機側(図10の左側)に移動し、力点部52cがアクチュエータ51の出力ロッド51aを変速機側(図10の左側)にストロークさせる。
フォーク部材52は、支点部52bと力点部52cとの間の部分において、当接部52aが配された面に対する反対面(変速機側(図10の左側)の面)にてレバー部材28のカム面28aと当接している。フォーク部材52は、カム面28aと当接する部分(アシスト点)にて、レバー部材28を介してスプリング29の付勢力の分力を受け、当接部52aをエンジン側(図10の右側)に移動するように作用する。フォーク部材52がカム面28aから受ける押付力は、アクチュエータ51の出力ロッド51aが力点部50cをエンジン側(図10の右側)に移動させて当接部52aをエンジン側(図10の右側)に移動させるときのアシスト力となる。フォーク部材52の延在方向において、アシスト点と当接部52a(作用点)との間の距離は、力点部50c(力点)と当接部52a(作用点)との間の距離よりも小さく設定されている。アシスト点は、作用点と同じ位置に設定されることが好ましい。
アシスト機構4の動作は、以下のとおりである。フォーク部材52を、支点部52bを中心に揺動(当接部52aがスリーブ22を押付ける方向に揺動)させると、アシスト機構4は、スプリング29の押付荷重の方向が変化していき、スプリング29の押付荷重によって、レバー部材28を回転させようとする回転モーメントが極大値をピークに大きくなる。この回転モーメントによりフォーク部材52を押付けるアシスト荷重も極大値をピークに大きくなる。これにより、レバー部材28を揺動駆動するアクチュエータ51の仕事量をより少なくすることが可能である。このとき、レバー部材28に設けられたカム面28aの形状をコントロールすることで、アシスト荷重を目標値(ダイヤフラムスプリング15がレリーズベアリング23を押付ける力(クラッチカバー反力)に相当)に対応するようにコントロールすることが可能である。
実施例3によれば、実施例1と同様な効果を奏する。
本発明の実施例4に係るクラッチレリーズ装置について図面を用いて説明する。図12は、本発明の実施例4に係るクラッチレリーズ装置を含むクラッチ装置の構成を模式的に示した断面図である。
実施例4は、実施例1の変形例であり、クラッチ組立体2をノーマルクローズ型とするのをやめ、クラッチレリーズ装置3によるクラッチ操作荷重がないときに断状態となるノーマルオープン型としたものである。クラッチ組立体2以外の構成は、実施例1と同様である。なお、実施例4におけるクラッチレリーズ装置3は、回転型である。
クラッチ組立体2は、エンジンから変速機への回転動力を断続可能に伝達する装置である。クラッチ組立体2は、クラッチレリーズ装置3からのクラッチ操作力が伝達されて、エンジンと変速機とが断続可能になっている。クラッチ組立体2は、クラッチレリーズ装置3によるクラッチ操作荷重がないときに断状態となるノーマルオープン型である。クラッチ組立体2は、主な構成部として、フライホイール11と、ボルト12と、クラッチカバー53と、ボルト14と、ダイヤフラムスプリング54と、プレッシャプレート17と、ストラップ18と、リベット20と、クラッチディスク30と、を有する。なお、フライホイール11、ボルト12、ボルト14、プレッシャプレート17、ストラップ18、リベット20、及び、クラッチディスク30の構成については、実施例1と同様である。
クラッチカバー53は、クラッチディスク30の外周部分をカバーするように形成された環状の部材である。クラッチカバー53は、外周部分にてボルト14によってフライホイール11に取付固定されている。クラッチカバー53は、内周部分にてフライホイール11から離間しており、クラッチディスク30及びプレッシャプレート17の外周部分をカバーしている。クラッチカバー53は、内周端部にて、ダイヤフラムスプリング54の外周端部(支点)を揺動可能に支持する支点部53aを有する。クラッチカバー53は、支点部53aで揺動可能に支持されたダイヤフラムスプリング54の外周端部の軸方向(軸方向のエンジン側(図12の右側))の移動を規制するかしめ部53bを有する。クラッチカバー53は、支点部53aを支点にダイヤフラムスプリング54を揺動可能に支持する。クラッチカバー53は、ストラップ18を介してプレッシャプレート17と弾性的に連結されており、プレッシャプレート17と一体に回転する。
ダイヤフラムスプリング54は、環状の皿ばね部分から径方向内側に複数のレバー部分が延在した弾性部材である。ダイヤフラムスプリング54は、外周端部にて、クラッチカバー53の支点部53aとかしめ部53bとの間に揺動可能に支持されている。ダイヤフラムスプリング54は、中間部分のエンジン側(図12の右側)の面にて、プレッシャプレート17の複数の突起部17aと当接している。ダイヤフラムスプリング54は、内周部分の変速機側(図12の左側)の面にて、レリーズベアリング23の回転輪と当接している。ダイヤフラムスプリング54は、外周端部を支点に内周端部が変速機側(図12の左側)に傾くことで、ダイヤフラムスプリング54の中間部分がプレッシャプレート17の突起部17aから離れる方向に移動するとともに、ダイヤフラムスプリング54の内周部分がレリーズベアリング23を変速機側(図12の左側)に付勢する。ダイヤフラムスプリング54は、レリーズベアリング23によりエンジン側(図12の右側)に押付けられることで、外周端部を支点に内周端部がエンジン側(図12の右側)に傾き、中間部分がプレッシャプレート17を押付けることで、クラッチディスク30の摩擦材31の部分をフライホイール11に圧接させる。ダイヤフラムスプリング54は、レリーズベアリング23によるエンジン側(図12の右側)への押付けを解除すると、自身のバネ力により内周部分がエンジン側(図12の右側)に変位し、中間部分がフライホイール11から離れるように変位し、プレッシャプレート17のフライホイール11側への付勢を解除する。
実施例4によれば、実施例1と同様な効果を奏する。
本発明の実施例5に係るクラッチレリーズ装置について図面を用いて説明する。図13は、本発明の実施例5に係るクラッチレリーズ装置を含むクラッチ装置の構成を模式的に示した断面図である。
実施例5は、実施例2の変形例であり、クラッチ組立体2をノーマルクローズ型とするのをやめ、クラッチレリーズ装置3によるクラッチ操作荷重がないときに断状態となるノーマルオープン型としたものである。クラッチ組立体2以外の構成は、実施例2と同様である。なお、実施例5におけるクラッチレリーズ装置3は、揺動内支点型である。また、クラッチ組立体2は、実施例4と同様である。
実施例5によれば、実施例2と同様な効果を奏する。
本発明の実施例6に係るクラッチレリーズ装置について図面を用いて説明する。図14は、本発明の実施例6に係るクラッチレリーズ装置を含むクラッチ装置の構成を模式的に示した断面図である。
実施例6は、実施例3の変形例であり、クラッチ組立体2をノーマルクローズ型とするのをやめ、クラッチレリーズ装置3によるクラッチ操作荷重がないときに断状態となるノーマルオープン型としたものである。クラッチ組立体2以外の構成は、実施例3と同様である。なお、実施例6におけるクラッチレリーズ装置3は、揺動外支点型である。また、クラッチ組立体2は、実施例4と同様である。
実施例6によれば、実施例3と同様な効果を奏する。
なお、本発明の全開示(請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲及び図面を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
1 クラッチ装置
2 クラッチ組立体(クラッチ)
3 クラッチレリーズ装置
4 アシスト機構
10 クランクシャフト
11 フライホイール
12 ボルト
13 クラッチカバー
14 ボルト
15 ダイヤフラムスプリング
16 支点部材
17 プレッシャプレート
17a 突起部
17b 座部
18 ストラップ
19 保持部材
20 リベット
21 筒状部材
22 スリーブ
22a 筒状部
23 レリーズベアリング
24 フォーク部材
24a 軸部
24b フォーク部
24c 当接部
24d フォーク部(他のフォーク部)
24e ドリブンギヤ部
24f 回転軸
25、26 ベアリング
27 電動モータ(アクチュエータ)
27a 出力軸
27b ドライブギヤ
28、128 レバー部材
28a カム面
128a 当接部
28b、28c、128b、128c 軸部
29 スプリング
30 クラッチディスク
31 摩擦材
32 ライニングプレート
33 リベット
34、35 サイドプレート
36 ハブ部材
37 弾性部材
38、39 スラスト部材
40 皿ばね
41 変速機入力軸
42 ハウジング
50、52 フォーク部材
50a、52a 当接部
50b、52b 支点部
50c、52c 力点部
50d、52d 回転軸
52e 開口部
51 アクチュエータ
51a 出力ロッド
53 クラッチカバー
53a 支点部
53b かしめ部
54 ダイヤフラムスプリング
2 クラッチ組立体(クラッチ)
3 クラッチレリーズ装置
4 アシスト機構
10 クランクシャフト
11 フライホイール
12 ボルト
13 クラッチカバー
14 ボルト
15 ダイヤフラムスプリング
16 支点部材
17 プレッシャプレート
17a 突起部
17b 座部
18 ストラップ
19 保持部材
20 リベット
21 筒状部材
22 スリーブ
22a 筒状部
23 レリーズベアリング
24 フォーク部材
24a 軸部
24b フォーク部
24c 当接部
24d フォーク部(他のフォーク部)
24e ドリブンギヤ部
24f 回転軸
25、26 ベアリング
27 電動モータ(アクチュエータ)
27a 出力軸
27b ドライブギヤ
28、128 レバー部材
28a カム面
128a 当接部
28b、28c、128b、128c 軸部
29 スプリング
30 クラッチディスク
31 摩擦材
32 ライニングプレート
33 リベット
34、35 サイドプレート
36 ハブ部材
37 弾性部材
38、39 スラスト部材
40 皿ばね
41 変速機入力軸
42 ハウジング
50、52 フォーク部材
50a、52a 当接部
50b、52b 支点部
50c、52c 力点部
50d、52d 回転軸
52e 開口部
51 アクチュエータ
51a 出力ロッド
53 クラッチカバー
53a 支点部
53b かしめ部
54 ダイヤフラムスプリング
Claims (10)
- ハウジングに対して回転又は揺動可能に支持されるとともに、回転又は揺動することによって、クラッチに操作力を伝達するレリーズベアリングを前記クラッチのクラッチ回転軸方向にストロークさせるフォーク部材と、
前記フォーク部材の回転又は揺動を駆動するアクチュエータと、
前記ハウジング内に設けられるとともに、前記レリーズベアリングを押付ける方向に前記フォーク部材の回転又は揺動をアシストするアシスト機構と、
を備え、
前記アシスト機構は、
前記ハウジングに対して揺動可能に取り付けられるとともに、前記レリーズベアリングを押付ける方向に前記フォーク部材を回転又は揺動させることが可能であり、かつ、前記フォーク部材との当接部分にカム面を有するレバー部材と、
一端が前記ハウジングに対して揺動可能に取り付けられるとともに、他端が前記レバー部材に揺動可能に取り付けられ、かつ、前記レバー部材の前記カム面を前記フォーク部材に対して押付けるように作用するスプリングと、
を有することを特徴とするクラッチレリーズ装置。 - 前記カム面は、前記レリーズベアリングで受ける前記クラッチからの反力に対応するように形成されていることを特徴とする請求項1記載のクラッチレリーズ装置。
- 前記フォーク部材は、
前記ハウジングに対して回転可能に支持されるとともに、前記アクチュエータの回転駆動力を受ける軸部と、
前記軸部に取り付けられるとともに、前記軸部が回転することによって前記レリーズベアリングを前記クラッチ回転軸方向にストロークさせるフォーク部と、
前記軸部に取り付けられるとともに、前記レバー部材の前記カム面と当接し、かつ、前記カム面からの押付荷重を受けることによって前記レリーズベアリングを押付ける方向に前記軸部を回転させる他のフォーク部と、
を有することを特徴とする請求項1又は2記載のクラッチレリーズ装置。 - 前記フォーク部材は、支点にて前記ハウジングに対して揺動可能に支持されるとともに、力点にてアクチュエータのストローク駆動力を受け、作用点にて前記レリーズベアリングを前記クラッチ回転軸方向にストロークさせるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のクラッチレリーズ装置。
- 前記フォーク部材は、前記力点と前記作用点との間に前記支点が設けられていることを特徴とする請求項4記載のクラッチレリーズ装置。
- 前記フォーク部材は、前記力点と前記支点との間に前記作用点が設けられていることを特徴とする請求項4記載のクラッチレリーズ装置。
- 前記カム面で前記フォーク部材を押付けるアシスト点と前記作用点との距離は、前記力点と前記作用点との距離よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一に記載のクラッチレリーズ装置。
- 前記アシスト点は、前記作用点と同じ位置に設定されていることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一に記載のクラッチレリーズ装置。
- 前記レリーズベアリングは、押付荷重を前記クラッチに伝達して前記クラッチを断状態にすることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載のクラッチレリーズ装置。
- 前記レリーズベアリングは、押付荷重を前記クラッチに伝達して前記クラッチを係合状態にすることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載のクラッチレリーズ装置。
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US11143247B2 (en) | 2016-12-29 | 2021-10-12 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Clutch drive device and vehicle |
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2011
- 2011-12-27 JP JP2011284919A patent/JP2013133887A/ja active Pending
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