JP2013133858A - 変速装置の制御装置および制御方法 - Google Patents

変速装置の制御装置および制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】車両や原動機の状態に応じてニュートラル制御をより適正に終了させる。
【解決手段】変速ECUは、少なくとも自動車が制動されていることを含むニュートラル制御開始条件の成立に応じて、発進クラッチであるクラッチC1に供給される油圧Psl1を低下させるリリース制御(S150)および低圧待機制御(S180またはS220)を実行すると共に、ニュートラル制御解除条件として、制動が解除されることのみを含む第1解除条件(S190)と、少なくとも制動が解除されること、およびエンジン12の回転数Neが所定回転数Neref以上であることを含む第2解除条件(S230〜S250)とを選択的に用いて、第1または第2解除条件の成立に応じて、クラッチC1に供給される油圧Psl1を増加させるアプライ制御(S200またはS260)を実行する。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両に搭載されると共に油圧制御装置からの油圧により作動する複数の摩擦係合要素を含む変速装置の制御装置および制御方法に関する。
従来、この種の変速装置の制御装置として、車両の停車状態が判定された際に、エンジン回転速度が所定の回転速度以上で、ブレーキペダルが制動状態で、アクセルペダルが解放状態で、かつ発進用変速段が選択された所定条件が成立した場合、油圧制御手段の供給圧を低減してエンジンから自動変速機に伝達される出力を低下させてニュートラル状態とするニュートラル制御を実行するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなニュートラル制御を実行することにより、車両の停車時等にエンジンの負荷を低下させて燃費を向上させることができる。そして、この制御装置は、車両の運転者によりブレーキペダルがリリースされると、上記ニュートラル制御を終了させ、引き続き、車両の発進時制御を実行する。
特開2005−282798号公報
しかしながら、上述のように運転者によりブレーキペダルがリリースされた時点で一律にニュートラル制御を終了させると、車両やエンジンの状態によっては、発進クラッチ等を係合させるべく油圧制御手段の供給圧を増加させた際に、エンジンがストールしてしまうことがある。
そこで、本発明の変速装置の制御装置および制御方法は、車両や原動機の状態に応じてニュートラル制御をより適正に終了させることを主目的とする。
本発明の変速装置の制御装置および制御方法は、上記主目的を達成するために以下の手段を採っている。
本発明による変速装置の制御装置は、
車両に搭載されると共に油圧制御装置から供給される油圧により作動する複数の摩擦係合要素を含む変速装置の制御装置において、
予め定められたニュートラル制御開始条件の成立に応じて、前記油圧制御装置から前記複数の摩擦係合要素のうちの少なくとも一つの要素に供給される油圧を低下させるニュートラル制御を実行するニュートラル制御手段と、
前記ニュートラル制御中のニュートラル制御解除条件の成立に応じて、前記油圧制御装置の少なくとも一つの要素に供給される油圧を増加させるニュートラル解除制御を実行するニュートラル制御解除手段とを備え、
前記ニュートラル制御解除手段は、前記ニュートラル制御解除条件として、前記車両の制動が解除されることを条件に前記ニュートラル解除制御を実行させる第1解除条件と、前記車両の制動が解除されると共に前記原動機の回転数が所定回転数以上であることを条件に前記ニュートラル解除制御を実行させる第2解除条件とを選択的に用いることを特徴とする。
この変速装置の制御装置は、予め定められたニュートラル制御開始条件の成立に応じて、油圧制御装置から複数の摩擦係合要素のうちの少なくとも一つの要素に供給される油圧を低下させるニュートラル制御を実行すると共に、ニュートラル制御中のニュートラル制御解除条件の成立に応じて、油圧制御装置から複数の摩擦係合要素のうちの少なくとも一つの要素に供給される油圧を増加させるニュートラル解除制御を実行する。そして、ニュートラル制御解除条件としては、車両の制動が解除されることを条件にニュートラル解除制御を実行させる第1解除条件と、車両の制動が解除されると共に原動機の回転数が所定回転数以上であることを条件にニュートラル解除制御を実行させる第2解除条件とが選択的に用いられる。これにより、ニュートラル制御解除条件として第2解除条件が用いられた場合には、当該第2解除条件が成立した時点で、原動機の回転数がある程度高まって当該原動機から充分なトルクが出力されていることになるので、第2解除条件の成立に応じて実行されるニュートラル解除制御により油圧制御装置から上記少なくとも一つの要素に供給される油圧を増加させていく際に原動機がストールするのを良好に抑制することができる。従って、この制御装置によれば、車両や原動機の状態に応じて第1解除条件と第2解除条件とをニュートラル制御解除条件として使い分けて、ニュートラル制御をより適正に終了させることが可能となる。なお、ニュートラル制御の対象とされる少なくとも一つの摩擦係合要素と、ニュートラル解除制御の対象とされる少なくとも一つの摩擦係合要素とは、同一のものであってもよく、互いに異なるものであってもよい。
また、前記ニュートラル制御解除手段は、前記油圧制御装置の作動油の温度が所定温度以上である場合に、前記ニュートラル制御解除条件として前記第1解除条件を用いると共に、前記作動油の温度が前記所定温度未満である場合に、前記ニュートラル制御解除条件として前記第2解除条件を用いるものであってもよい。このように、作動油の温度が所定温度未満となる低温環境下でニュートラル制御解除条件として第2解除条件を用いれば、低温環境下で第2解除条件の成立に応じてニュートラル解除制御が実行される際に原動機からのトルクを充分に確保することができる。これにより、低温環境下でニュートラル解除制御により油圧制御装置から上記少なくとも一つの要素に供給される油圧を増加させていく際に原動機がストールするのを良好に抑制することが可能となる。
更に、前記ニュートラル制御解除手段は、前記原動機を制御する制御装置からの要求に応じて、前記ニュートラル制御解除条件として前記第2解除条件を用いるものであってもよい。これにより、原動機の状態に応じて第1解除条件と第2解除条件とをニュートラル制御解除条件として使い分けて、ニュートラル制御をより適正に終了させることが可能となる。
また、前記ニュートラル制御解除手段は、前記車両の現在位置の高度が所定高度未満である場合に、前記ニュートラル制御解除条件として前記第1解除条件を用いると共に、前記車両の現在位置の高度が前記所定高度以上である場合に、前記ニュートラル制御解除条件として前記第2解除条件を用いるものであってもよい。すなわち、車両の現在位置が高地である場合、気圧の低下により原動機の出力トルクが低下する。従って、車両の現在位置が高地である場合に、ニュートラル制御解除条件として第2解除条件を用いれば、高地にて第2解除条件の成立に応じてニュートラル解除制御が実行される際に原動機からのトルクを充分に確保することができる。これにより、高地にてニュートラル解除制御により油圧制御装置から上記少なくとも一つの要素に供給される油圧を増加させていく際に原動機がストールするのを良好に抑制することが可能となる。
更に、前記ニュートラル制御開始条件は、前記車両が制動されると共に前記原動機がアイドル運転されており、かつ前記変速機の入力回転数が予め定められたニュートラル制御開始回転数以下であるときに成立するものであってもよい。このようなニュートラル制御開始条件を用いることで、車両の停車前からニュートラル制御を実行し、それにより原動機の負荷を低下させて燃費をより向上させることができる。
そして、前記ニュートラル制御は、前記車両が制動されて停車する際に解放される前記摩擦係合要素への油圧を低下させるものであってもよく、前記ニュートラル解除制御は、前記車両が再発進する際に係合される前記摩擦係合要素への油圧を増加させるものであってもよい。
本発明による変速装置の制御方法は、
車両に搭載されると共に油圧制御装置からの油圧により作動する複数の摩擦係合要素を含む変速装置の制御方法において、
(a)少なくとも前記車両が制動されていることを含むニュートラル制御開始条件の成立に応じて、前記油圧制御装置から前記複数の摩擦係合要素のうちの少なくとも一つの要素に供給される油圧を低下させるニュートラル制御を実行するステップと、
(b)前記ニュートラル制御中のニュートラル制御解除条件の成立に応じて、前記油圧制御装置から少なくとも一つの要素に供給される油圧を増加させるニュートラル解除制御を実行するステップとを含み、
ステップ(b)は、前記ニュートラル制御解除条件として、前記車両の制動が解除されることを条件に前記ニュートラル解除制御を実行させる第1解除条件と、前記車両の制動が解除されると共に前記原動機の回転数が所定回転数以上であることを条件に前記ニュートラル解除制御を実行させる第2解除条件とを選択的に用いることを特徴とする。
この方法では、ニュートラル制御解除条件として第2解除条件が用いられた場合、当該第2解除条件が成立した時点で、原動機の回転数がある程度高まって当該原動機から充分なトルクが出力されていることになるので、第2解除条件の成立に応じて実行されるニュートラル解除制御により油圧制御装置から上記少なくとも一つの要素に供給される油圧を増加させていく際に原動機がストールするのを良好に抑制することができる。従って、この方法によれば、車両や原動機の状態に応じて第1解除条件と第2解除条件とをニュートラル制御解除条件として使い分けて、ニュートラル制御をより適正に終了させることが可能となる。
本発明による制御装置により制御される自動変速機25を含む動力伝達装置20を搭載した自動車10の概略構成図である。 動力伝達装置20を示す概略構成図である。 自動変速機25の各変速段とクラッチおよびブレーキの作動状態との関係を示す作動表である。 油圧制御装置50を示す系統図である。 ニュートラル制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 ニュートラル制御ルーチンが実行された際にエンジン12の回転数Ne,入力回転数Nin、油圧指令値Psl1*、マスタシリンダ圧Pmc、アクセル開度Accが変化する様子を例示するタイムチャートである。
次に、本発明の実施の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明による制御装置により制御される自動変速機25を含む動力伝達装置20を搭載した自動車10の概略構成図である。同図に示す自動車10は、ガソリンや軽油といった炭化水素系の燃料と空気との混合気の爆発燃焼により動力を出力する原動機としてのエンジン(内燃機関)12や、エンジン12を制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)14と、図示しない電子制御式油圧ブレーキユニットを制御するブレーキ用電子制御ユニット(以下、「ブレーキECU」という)16、エンジン12に接続されると共にエンジン12からの動力を左右の駆動輪DWに伝達する動力伝達装置20等を含む。動力伝達装置20は、トランスミッションケース22や、流体伝動装置(トルクコンバータ)23、有段式の自動変速機25、油圧制御装置50、これらを制御する変速用電子制御ユニット(以下、「変速ECU」という)21等を有する。
エンジンECU14は、図示しないCPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPUの他に各種プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポートおよび通信ポート(何れも図示せず)等を有する。図1に示すように、エンジンECU14には、アクセルペダル91の踏み込み量(操作量)を検出するアクセルペダルポジションセンサ92からのアクセル開度Accや車速センサ97からの車速V、クランクシャフトの回転位置を検出する図示しないクランクシャフトポジションセンサといった各種センサ等からの信号、ブレーキECU16や変速ECU21からの信号等が入力され、エンジンECU14は、これらの信号に基づいて何れも図示しない電子制御式のスロットルバルブや燃料噴射弁および点火プラグ等を制御する。
また、エンジンECU14は、クランクシャフトポジションセンサにより検出されるクランクシャフトの回転位置に基づいてエンジン12の回転数Neを算出する。更に、エンジンECU14は、何らかの要因、例えば図示しない水温センサにより検出されるエンジン冷却水温度が所定温度未満であることによりエンジン12から良好にトルクを出力し得ない場合に、トルク低下フラグFltqを値1に設定する。トルク低下フラグFltqは、エンジン12から良好にトルクを出力し得る場合に値0に設定されるものであり、エンジンECU14は、エンジン12から良好にトルクを出力し得ない場合にトルク低下フラグFltqを値1に設定することで、変速ECU21等に対して、エンジン12のトルク不足への対応を要求する。
ブレーキECU16も図示しないCPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPUの他に各種プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポートおよび通信ポート(何れも図示せず)等を有する。図1に示すように、ブレーキECU16には、ブレーキペダル93が踏み込まれたときにマスタシリンダ圧センサ94により検出されるマスタシリンダ圧Pmcや車速センサ97からの車速V、図示しない各種センサ等からの信号、エンジンECU14や変速ECU21からの信号等が入力され、ブレーキECU16は、これらの信号に基づいて図示しないブレーキアクチュエータ(油圧アクチュエータ)等を制御する。
変速ECU21も図示しないCPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPUの他に各種プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポートおよび通信ポート(何れも図示せず)等を備える。図1に示すように、変速ECU21には、アクセルペダルポジションセンサ92からのアクセル開度Accや複数のシフトレンジの中から所望のシフトレンジを選択するためのシフトレバー95の操作位置を検出するシフトレンジセンサ96からのシフトレンジSR、車速センサ97からの車速V、自動変速機25の入力回転数(タービンランナ23bまたは自動変速機25の入力軸26の回転数)Ninを検出する回転数センサ98、油圧制御装置50の作動油の油温Toilを検出する油温センサ99といった各種センサ等からの信号、エンジンECU14やブレーキECU16からの信号等が入力され、変速ECU21は、これらの信号に基づいて流体伝動装置23や自動変速機25、すなわち油圧制御装置50を制御する。更に、変速ECU21には、ナビゲーション装置100から自動車10の現在位置の高度(標高)Hが入力される。
動力伝達装置20の流体伝動装置23は、図2に示すように、エンジン12のクランクシャフトに接続される入力側のポンプインペラ23aと、自動変速機25の入力軸(入力部材)26に接続された出力側のタービンランナ23bと、ロックアップクラッチ23cとを含むものである。オイルポンプ24は、ポンプボディとポンプカバーとからなるポンプアッセンブリと、ハブを介して流体伝動装置23のポンプインペラ23aに接続された外歯ギヤとを備えるギヤポンプとして構成されている。エンジン12からの動力により外歯ギヤを回転させれば、オイルポンプ24によりオイルパン(図示省略)に貯留されている作動油(ATF)が吸引されて油圧制御装置50へと圧送される。
自動変速機25は、6段変速式の変速機として構成されており、図2に示すように、シングルピニオン式遊星歯車機構30と、ラビニヨ式遊星歯車機構35と、入力側から出力側までの動力伝達経路を変更するための3つのクラッチC1,C2およびC3、2つのブレーキB1およびB2並びにワンウェイクラッチF1とを含む。シングルピニオン式遊星歯車機構30は、トランスミッションケース22に固定された外歯歯車であるサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置されると共に入力軸26に接続された内歯歯車であるリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを有する。ラビニヨ式遊星歯車機構35は、外歯歯車である2つのサンギヤ36a,36bと、自動変速機25の出力軸(出力部材)27に固定された内歯歯車であるリングギヤ37と、サンギヤ36aに噛合する複数のショートピニオンギヤ38aと、サンギヤ36bおよび複数のショートピニオンギヤ38aに噛合すると共にリングギヤ37に噛合する複数のロングピニオンギヤ38bと、互いに連結された複数のショートピニオンギヤ38aおよび複数のロングピニオンギヤ38bを自転かつ公転自在に保持すると共にワンウェイクラッチF1を介してトランスミッションケース22に支持されたキャリア39とを有する。また、自動変速機25の出力軸27は、ギヤ機構28および差動機構29を介して駆動輪DWに接続される。
クラッチC1は、複数の摩擦板や相手板、作動油が供給される油室等により構成される油圧サーボを有し、シングルピニオン式遊星歯車機構30のキャリア34とラビニヨ式遊星歯車機構35のサンギヤ36aとを締結すると共に当該締結を解除することができる油圧クラッチ(摩擦係合要素)である。クラッチC2は、複数の摩擦板や相手板、作動油が供給される油室等により構成される油圧サーボを有し、入力軸26とラビニヨ式遊星歯車機構35のキャリア39とを締結すると共に当該締結を解除することができる油圧クラッチである。クラッチC3は、複数の摩擦板や相手板、作動油が供給される油室等により構成される油圧サーボを有し、シングルピニオン式遊星歯車機構30のキャリア34とラビニヨ式遊星歯車機構35のサンギヤ36bとを締結すると共に当該締結を解除することができる油圧クラッチである。ブレーキB1は、複数の摩擦板や相手板、作動油が供給される油室等により構成される油圧サーボを有し、ラビニヨ式遊星歯車機構35のサンギヤ36bをトランスミッションケース22に固定すると共にサンギヤ36bのトランスミッションケース22に対する固定を解除することができる油圧ブレーキである。ブレーキB2は、複数の摩擦板や相手板、作動油が供給される油室等により構成される油圧サーボを有し、ラビニヨ式遊星歯車機構35のキャリア39をトランスミッションケース22に固定すると共にキャリア39のトランスミッションケース22に対する固定を解除することができる油圧ブレーキである。
これらのクラッチC1〜C3、ブレーキB1およびB2は、油圧制御装置50による作動油の給排を受けて動作する。図3に、自動変速機25の各変速段とクラッチC1〜C3、ブレーキB1およびB2の作動状態との関係を表した作動表を示す。自動変速機25は、クラッチC1〜C3、ブレーキB1およびB2を図3の作動表に示す状態とすることで前進1〜6速の変速段と後進1段の変速段とを提供する。
図4は、油圧制御装置50を示す系統図である。油圧制御装置50は、エンジン12からの動力により駆動されてオイルパンから作動油を吸引して吐出する上述のオイルポンプ24に接続されるものであり、流体伝動装置23や自動変速機25により要求される油圧を生成すると共に、各種軸受などの潤滑部分に作動油を供給する。油圧制御装置50は、図4に示すように、オイルポンプ24からの作動油を調圧してライン圧PLを生成するプライマリレギュレータバルブ51や、シフトレバー95の操作位置に応じてプライマリレギュレータバルブ51からのライン圧PLの供給先を切り替えるマニュアルバルブ52、アプライコントロールバルブ53、それぞれマニュアルバルブ52(プライマリレギュレータバルブ51)から供給される元圧としてのライン圧PLを調圧して対応するクラッチ等への油圧を生成する調圧バルブとしての第1リニアソレノイドバルブSL1、第2リニアソレノイドバルブSL2、第3リニアソレノイドバルブSL3および第4リニアソレノイドバルブSL4等を含む。
プライマリレギュレータバルブ51は、変速ECU21により制御されてオイルポンプ24側(例えばライン圧PLを調圧して一定の油圧を出力するモジュレータバルブ)からの作動油をアクセル開度Accあるいは図示しないスロットルバルブの開度に応じて調圧するリニアソレノイドバルブSLTからの油圧により駆動される。
マニュアルバルブ52は、シフトレバー95と連動して軸方向に摺動可能なスプールや、ライン圧PLが供給される入力ポート、第1〜第4リニアソレノイドバルブSL1〜SL4の入力ポートと油路を介して連通するドライブレンジ出力ポート、リバースレンジ出力ポート等を有する(何れも図示省略)。運転者によりドライブレンジやスポーツレンジといった前進走行シフトレンジが選択されているときには、マニュアルバルブ52のスプールにより入力ポートがドライブレンジ出力ポートのみと連通され、これにより、第1〜第4リニアソレノイドバルブSL1〜SL4にドライブレンジ圧としてのライン圧PLが供給される。また、運転者によりリバースレンジが選択されたときには、マニュアルバルブ52のスプールにより入力ポートがリバースレンジ出力ポートのみと連通される。更に、運転者によりパーキングレンジやニュートラルレンジが選択されたときには、マニュアルバルブ52のスプールにより入力ポートとドライブレンジ出力ポートおよびリバースレンジ出力ポートとの連通が遮断される。
アプライコントロールバルブ53は、第3リニアソレノイドバルブSL3からの油圧をクラッチC3に供給する第1状態と、プライマリレギュレータバルブ51からのライン圧PLをクラッチC3に供給すると共にマニュアルバルブ52のリバースレンジ出力ポートからのライン圧PL(リバースレンジ圧)をブレーキB2に供給する第2状態と、マニュアルバルブ52のリバースレンジ出力ポートからのライン圧PL(リバースレンジ圧)をクラッチC3とブレーキB2とに供給する第3状態と、第3リニアソレノイドバルブSL3からの油圧をブレーキB2に供給する第4状態とを選択的に形成可能なスプールバルブである。
第1リニアソレノイドバルブSL1は、印加される電流に応じてマニュアルバルブ52からのライン圧PLを調圧してクラッチC1への油圧Psl1を生成する常閉型リニアソレノイドバルブである。第2リニアソレノイドバルブSL2は、印加される電流に応じてマニュアルバルブ52からのライン圧PLを調圧してクラッチC2への油圧Psl2を生成する常閉型リニアソレノイドバルブである。第3リニアソレノイドバルブSL3は、印加される電流に応じてマニュアルバルブ52からのライン圧PLを調圧してクラッチC3あるいはブレーキB2への油圧Psl3を生成する常閉型リニアソレノイドバルブである。第4リニアソレノイドバルブSL4は、印加される電流に応じてマニュアルバルブ52からのライン圧PLを調圧してブレーキB1への油圧Psl4を生成する常閉型リニアソレノイドバルブである。すなわち、自動変速機25の摩擦係合要素であるクラッチC1〜C3、ブレーキB1およびB2への油圧は、それぞれに対応する第1、第2、第3または第4リニアソレノイドバルブ圧SL1,SL2,SL3またはSL4により直接制御(設定)される。
上述の第1〜第4リニアソレノイドバルブSL1〜SL4(それぞれに印加される電流)は、変速ECU21により制御される。すなわち、変速ECU21は、変速段の変更に際して、予め定められた図示しない変速線図から取得されるアクセル開度Acc(あるいはスロットルバルブの開度)および車速Vに対応した目標変速段が形成されるように、変速段の変更に伴って係合されるクラッチ(ワンウェイクラッチを除く)またはブレーキに対応した第1〜第4リニアソレノイドバルブSL1〜SL4の何れか1つへの油圧指令値と、当該変速段の変更に伴って解放されるクラッチ(ワンウェイクラッチを除く)またはブレーキに対応した第1〜第4リニアソレノイドバルブSL1〜SL4の何れか1つへの油圧指令値を設定する。また、変速ECU21は、変速段の変更中や目標変速段の形成後に、係合されているクラッチやブレーキに対応した第1〜第4リニアソレノイドバルブSL1〜SL4の何れか1つまたは2つへの油圧指令値を設定する。
そして、変速ECU21は、シフトレバー95がドライブレンジやリバースレンジ等の走行用シフトレンジにセットされた状態で予め定められたニュートラル制御開始条件が成立すると、油圧制御装置50から自動変速機25のクラッチC1〜C3、ブレーキB1およびB2のちの自動車10の発進に際して係合される発進クラッチであるクラッチC1に供給される油圧Pslc1を低下させるニュートラル制御を実行する。このようなニュートラル制御を実行することにより、自動車10の停車時等に流体伝動装置23における動力の損失を低減させてエンジン12の負荷を低下させ、それにより燃費を向上させることができる。
次に、ニュートラル制御開始条件の成立に応じて、変速ECU21により実行されるニュートラル制御について説明する。図5は、変速ECU21により実行されるニュートラル制御ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図6は、ニュートラル制御ルーチンが実行された際にエンジン12の回転数Ne,入力回転数Nin、油圧指令値Psl1*、マスタシリンダ圧Pmc、アクセル開度Accが変化する様子を例示するタイムチャートである。ここで、実施例におけるニュートラル制御開始条件は、ブレーキペダル93が踏み込まれて自動車10が制動されると共にエンジン12がアイドル運転されており、かつ自動変速機25の入力回転数Ninが予め定められたニュートラル制御開始回転数Ninref(例えば、ブレーキペダル93が踏み込まれて自動車10が停車しそうなときの入力回転数、図6参照)以下であるときに成立する。これにより、自動車10の停車前からニュートラル制御を実行し、それによりエンジン12の負荷を低下させて燃費をより向上させることができる。また、実施例において、ニュートラル制御開始条件は、ブレーキペダル93が踏み込まれて自動車10が停車した状態でシフトレンジがニュートラルレンジからドライブレンジやリバースレンジ等の走行用シフトレンジに切り替えられたときや、自動車10の走行中にシフトレンジがドライブレンジ→ニュートラルレンジ→ドライブレンジといったように切り替えられたときにも成立する。
ニュートラル制御開始条件の成立(図6における時刻t0)に応じたニュートラル制御ルーチンを開始に際し、変速ECU21(図示しないCPU)は、エンジンECU14からのトルク低下フラグFltqの値、油温センサ99からの油温Toil、ナビゲーション装置100からの高度Hといったデータを入力する(ステップS100)。なお、高度Hは、ナビゲーション装置100により取得されるものに限られず、自動車10に設置された高度センサにより検出されるものであってもよい。ステップS100のデータ入力処理の後、変速ECU21は、トルク低下フラグFltqが値1であるか否か、すなわちエンジンECU14からエンジン12のトルク不足への対応が要求されているか否かを判定する(ステップS110)。トルク低下フラグFltqが値0であってエンジンECU14からエンジン12のトルク不足への対応が要求されていない場合、変速ECU21は、フラグFを値0に設定する(ステップS120)。
また、トルク低下フラグFltqが値1であってエンジンECU14からエンジン12のトルク不足への対応が要求されている場合、変速ECU21は、ステップS100にて入力した油温Toilが極低い第1温度T1(例えば−30℃)以上かつ当該第1温度T1よりも高い第2温度T2(例えば0℃)未満であるか否か、およびステップS100にて入力した高度Hが比較的高い標高を示す所定高度Href以上であるか否かを判定する(ステップS130)。変速ECU21は、油温Toilが第1温度T1以上かつ第2温度T2未満であること、および高度Hが所定高度Href以上であることの双方が満たされていない場合、上述のフラグFを値0に設定する(ステップS120)。これに対して、油温Toilが第1温度T1以上かつ第2温度T2未満であるか、あるいは高度Hが所定高度Href以上である場合には、上述のフラグFを値1に設定する(ステップS140)。
ステップS120またはS140の処理の後、変速ECU21は、ブレーキペダル93の踏み込みによる自動車10の減速に応じて停車前に係合される発進クラッチとしてのクラッチC1への油圧Psl1を徐々に低下させるリリース制御を開始し、クラッチC1に対応した第1リニアソレノイドバルブSL1に対する油圧指令値Psl1*が予め定められた目標圧Ptagに達するまでリリース制御を実行する(ステップS150,S160)。なお、実施例において、目標圧Ptagは、クラッチC1のストロークエンド圧Pseよりも若干高い圧力とされるが(図6参照)、目標圧Ptagは、クラッチC1のストロークエンド圧Pseよりも若干低い圧力とされてもよい。そして、第1リニアソレノイドバルブSL1に対する油圧指令値Psl1*が目標値Ptagに達すると、変速ECU21は、上述のようにして設定されたフラグFが値1であるか否かを判定する(ステップS170)。
フラグFが値0である場合、変速ECU21は、エンジン12の回転数Neと入力回転数Ninとの回転数差ΔN(=Ne−Nin)を予め定められた目標回転数差ΔNtagに一致させるためのフィードバック制御の関係式を用いて第1リニアソレノイドバルブSL1に対する油圧指令値Psl1*を設定する低圧待機制御を開始する(ステップS180)。実施例において、目標回転数差ΔNtagは、クラッチC1に供給される油圧Psl1が目標圧Ptagと一致しているときのエンジン12の回転数Neと入力回転数Ninとの回転数差として予め定められる。このような低圧待機制御が実行されることにより、クラッチC1に供給される油圧Psl1を当該クラッチC1の完全係合圧Pengよりも低い値に維持しつつ、エンジン12の回転数Neと入力回転数Ninとの回転数差ΔNを目標回転数差ΔNtag付近に維持することができる(図6における細線参照)。そして、変速ECU21は、低圧待機制御と並行して、例えばブレーキECU16から送信されるマスタシリンダ圧Pmcに基づいて、運転者によるブレーキペダル93の踏み込み、すなわち自動車10の制動が解除されたか否かを判定し(ステップS190)、運転者によるブレーキペダル93の踏み込みが解除されるまで、ステップS180の低圧待機制御を実行する。
変速ECU21は、ステップS190にて運転者によるブレーキペダル93の踏み込みが解除された判断すると(図6における時刻t1)、上述のフラグFが値0に設定された状態でのニュートラル制御中にニュートラル制御解除条件(第1解除条件)が成立したとみなし、クラッチC1が完全係合するように第1リニアソレノイドバルブSL1からクラッチC1に供給される油圧Psl1を増加させるアプライ制御(ニュートラル解除制御)を開始する(ステップS200)。そして、変速ECU21は、第1リニアソレノイドバルブSL1に対する油圧指令値Psl1*がクラッチC1の完全係合圧Pengに達するまで(図6における時刻t2)、アプライ制御を実行し(ステップS200,S210)、油圧指令値Psl1*がクラッチC1の完全係合圧Pengに達した時点で本ルーチンを終了させる。
一方、ステップS170にて、フラグF1が値1であって油温Toilが第1温度T1以上かつ第2温度T2未満であるか、あるいは高度Hが所定高度Href以上であると判断した場合、変速ECU21は、上記ステップS180の低圧待機制御のようなフィードバック処理を伴うことなく第1リニアソレノイドバルブSL1に対する油圧指令値Psl1*をクラッチC1のストロークエンド圧Pseよりも若干低い圧力に設定する低圧待機制御を開始する(ステップS220)。かかる低圧待機制御と並行して、変速ECU21は、例えばブレーキECU16から送信されるマスタシリンダ圧Pmcが所定値未満になって運転者によるブレーキペダル93の踏み込み、すなわち自動車10の制動が解除されたか否かを判定する(ステップS230)。また、変速ECU21は、ステップS230にて運転者によるブレーキペダル93の踏み込みが解除されたと判断すると、更に、例えばアクセルペダルポジションセンサ92からのアクセル開度Accあるいは図示しないスロットルバルブの開度に基づいて、エンジン12のアイドル運転が解除されたか否かを判定する(ステップS240)。また、変速ECU21は、ステップS240にてエンジン12のアイドル運転が解除されたと判断すると、更に、エンジンECU14からのエンジン12の回転数Neが所定回転数Neref(例えば1500rpm前後の値)以上であるか否かを判定する(ステップS250)。そして、ステップS230〜S250のすべてにおいて肯定判断がなされるまで、ステップS220の低圧待機制御が実行される。
運転者によるブレーキペダル93の踏み込みが解除されると共にエンジン12のアイドル運転が解除され、かつ運転者によるアクセルペダル91の踏み込みに応じてエンジン12の回転数Neが所定回転数Neref以上になると(図6の時刻t1′)、変速ECU21は、上述のフラグFが値1に設定された状態でのニュートラル制御中にニュートラル制御解除条件(第2解除条件)が成立したとみなし、クラッチC1が完全係合するように第1リニアソレノイドバルブSL1からクラッチC1に供給される油圧Psl1を増加させるアプライ制御(ニュートラル解除制御)を開始する(ステップS260)。そして、変速ECU21は、第1リニアソレノイドバルブSL1に対する油圧指令値Psl1*がクラッチC1の完全係合圧Pengに達するまで(図6における時刻t2′)、アプライ制御を実行し(ステップS260,S270)、油圧指令値Psl1*がクラッチC1の完全係合圧Pengに達した時点で本ルーチンを終了させる。なお、ステップS260のアプライ制御は、ステップS200のアプライ制御と同一のものであってもよく、異なるものであってもよい。
以上説明したように、自動変速機25(動力伝達装置20)の制御装置である変速ECU21は、少なくとも自動車10が制動されていることを含むニュートラル制御開始条件の成立に応じて、油圧制御装置50から発進クラッチであるクラッチC1に供給される油圧Psl1を低下させるニュートラル制御としてのリリース制御(ステップS150)および低圧待機制御(ステップS180またはステップS220)を実行する。さらに、変速ECU21は、低圧待機制御中のニュートラル制御解除条件の成立に応じて(ステップS190またはステップS230〜S250)、油圧制御装置50からクラッチC1に供給される油圧Psl1を増加させるニュートラル解除制御としてのアプライ制御(ステップS200またはステップS260)を実行する。
そして、変速ECU21は、ニュートラル制御解除条件として、自動車10の制動が解除されることのみを含み、自動車10の制動が解除されることを条件にニュートラル解除制御を実行させる第1解除条件(ステップS190)と、少なくとも自動車10の制動が解除されること、およびエンジン12の回転数Neが所定回転数Neref以上であることを含み、自動車10の制動が解除されると共にエンジン12の回転数Neが所定回転数以上であることを条件にニュートラル解除制御を実行させる第2解除条件(ステップS230〜S250)とを選択的に用いる。これにより、ステップS140にてフラグFが値1に設定されたことによりニュートラル制御解除条件として第2解除条件が用いられ、ステップS230〜S250の判定処理が実行される場合には、当該第2解除条件が成立した時点、すなわちステップS230〜S250のすべてにおいて肯定判断がなされた時点で、運転者によるアクセルペダル91の踏み込みに応じて図6において太い一点鎖線で示すようにエンジン12の回転数Neがある程度高まっており、当該エンジン12から充分なトルクが出力されていることになる。従って、第2解除条件の成立に応じて実行されるアプライ制御により油圧制御装置50からクラッチC1に供給される油圧Psl1を増加させていく際にエンジン12がストールするのを良好に抑制することができる。この結果、自動車10やエンジン12の状態に応じて第1解除条件と第2解除条件とをニュートラル制御解除条件として使い分けて、ニュートラル制御をより適正に終了させることが可能となる。
また、変速ECU21は、油圧制御装置50の油温Toilが第2温度T2以上である場合に、ニュートラル制御解除条件として第1解除条件を用いてステップS190の判定処理を実行すると共に、油温Toilが第2温度T2未満(かつ第1温度T1以上)である場合に、ニュートラル制御解除条件として第2解除条件を用いてステップS230〜S250の判定処理を実行する。このように、油温Toilが第2温度Toil未満となる低温環境下でニュートラル制御解除条件として第2解除条件を用いれば、低温環境下で第2解除条件の成立に応じてアプライ制御(ステップS260)が実行される際にエンジン12からのトルクを充分に確保することができる。これにより、低温環境下でアプライ制御により油圧制御装置50からクラッチC1に供給される油圧Psl1を増加させていく際にエンジン12がストールするのを良好に抑制することが可能となる。
また、変速ECU21は、自動車10の現在位置の高度Hが所定高度Href未満である場合に、ニュートラル制御解除条件として第1解除条件を用いてステップS190の判定処理を実行すると共に、高度Hが当該所定高度Href以上である場合に、ニュートラル制御解除条件として第2解除条件を用いてステップS230〜S250の判定処理を実行する。すなわち、自動車10の現在位置が高地である場合、気圧の低下によりエンジン12の出力トルクが低下する。従って、自動車10の現在位置が高地である場合に、ニュートラル制御解除条件として第2解除条件を用いれば、高地にて第2解除条件の成立に応じてアプライ制御が実行される際にエンジン12からのトルクを充分に確保することができる。これにより、高地にてアプライ制御により油圧制御装置50からクラッチC1に供給される油圧Psl1を増加させていく際にエンジン12がストールするのを良好に抑制することが可能となる。
更に、変速ECU21は、トルク低下フラグFltqが値1であってエンジンECU14からエンジン12のトルク不足への対応が要求されている場合、ステップS130にて肯定判断がなされることを条件にニュートラル制御解除条件として第2解除条件が用い、ステップS230〜S250の判定処理を実行する。これにより、エンジン12の状態(トルクの出力状態)に応じて第1解除条件と第2解除条件とをニュートラル制御解除条件として使い分けて、ニュートラル制御をより適正に終了させることが可能となる。ただし、トルク低下フラグFltqが値1であってエンジンECU14からエンジン12のトルク不足への対応が要求されている場合、ステップS130の判定処理を行うことなく、ニュートラル制御解除条件として第2解除条件を用いてステップS230〜S250の判定処理を実行してもよい。
また、上記実施例において、ニュートラル制御開始条件は、ブレーキペダル93が踏み込まれて自動車10が制動されると共にエンジン12がアイドル運転されており、かつ自動変速機25の入力回転数Ninが予め定められたニュートラル制御開始回転数Ninref以下であるときに成立する。このようなニュートラル制御開始条件を用いることで、自動車10の停車前からニュートラル制御を実行し、それによりエンジン12の負荷を低下させて燃費をより向上させることができる。
なお、ニュートラル制御解除条件として第2解除条件が用いられてステップS230〜S250の判定処理が実行される場合、少なくともステップS230にて運転者によるブレーキペダル93の踏み込みが解除されたと判断されてからステップS240にてエンジン12のアイドル運転が解除された判断されるまでの間、クリープトルクが実質的に出力されないことになる。従って、自動車10の現在位置が登坂路上にある場合に当該自動車10のずり下がりを抑制するために、ステップS230にて運転者によるブレーキペダル93の踏み込みが解除されたと判断された際に、出力軸27の逆転を抑制するように自動変速機25の何れかのクラッチまたはブレーキ(例えばブレーキB1)を係合させるヒルホールド制御や、ブレーキペダル93の踏み込みが解除された後に所定時間だけ路面勾配に釣り合う力よりも大きい制動力を自動車10に付与するようにブレーキアクチュエータを制御するヒルアシスト制御が実行されてもよい。また、ステップS250にて用いられる閾値としての所定回転数Nerefは、路面勾配が急なほど大きな値となるように設定されてもよい。
更に、上述のニュートラル制御ルーチンの対象となるクラッチは、発進クラッチであるクラッチC1に限られるものではなく、クラッチC1以外の他のクラッチC2およびC3やブレーキB1およびB2も上述のニュートラル制御ルーチンの対象となり得る。すなわち、ニュートラル制御は、自動車10が制動されて停車する際に解放される少なくとも一つのクラッチ等への油圧を低下させるものであればよく、ニュートラル解除制御は、自動車10が再発進する際に係合される少なくとも一つのクラッチ等への油圧を増加させるものであればよい。従って、ニュートラル制御の対象とされる少なくとも一つのクラッチ等と、ニュートラル解除制御の対象とされる少なくとも一つのクラッチ等とは、同一のものであってもよく、互いに異なるものであってもよく、一部が重複する複数のクラッチ等であってもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。すなわち、上記実施例では、自動車10に搭載されると共に油圧制御装置50から供給される油圧により作動する複数のクラッチC1〜C3およびブレーキB1、B2を含む自動変速機25が「変速装置」に相当し、図5のニュートラル制御ルーチンを実行する変速ECU21が「変速装置の制御装置」に相当し、図5のステップS100〜S180,S220の処理を実行する変速ECU21が「ニュートラル制御手段」に相当し、図5のステップS190〜S210,S230〜S270の処理を実行する変速ECU21が「ニュートラル制御解除手段」に相当する。ただし、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載された発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載された発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。すなわち、実施例はあくまで課題を解決するための手段の欄に記載された発明の具体的な一例に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載された発明の解釈は、その欄の記載に基づいて行なわれるべきものである。
以上、実施例を用いて本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。
本発明は、変速装置の製造産業において利用可能である。
10 自動車、12 エンジン、14 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、16 ブレーキ用電子制御ユニット(ブレーキECU)、20 動力伝達装置、21 変速用電子制御ユニット(変速ECU)、22 トランスミッションケース、23 流体伝動装置、23a ポンプインペラ、23b タービンランナ、23c ロックアップクラッチ、24 オイルポンプ、25 自動変速機、26 入力軸、27 出力軸、28 ギヤ機構、29 差動機構、30 シングルピニオン式遊星歯車機構、31,36a,36b サンギヤ、32,37 リングギヤ,33 ピニオンギヤ、34,39 キャリア、35 ラビニヨ式遊星歯車機構、38a ショートピニオンギヤ、38b ロングピニオンギヤ、50 油圧制御装置、51 プライマリレギュレータバルブ、52 マニュアルバルブ、53 アプライコントロールバルブ、91 アクセルペダル、92 アクセルペダルポジションセンサ、93 ブレーキペダル、94 マスタシリンダ圧センサ、95 シフトレバー、96 シフトレンジセンサ、97 車速センサ、98 回転数センサ、99 油温センサ、100 ナビゲーション装置、B1,B2 ブレーキ、C1,C2,C3 クラッチ、F1 ワンウェイクラッチ、SL1 第1リニアソレノイドバルブ、SL2 第2リニアソレノイドバルブ、SL3 第3 リニアソレノイドバルブ、SL4 第4リニアソレノイドバルブ、SLT リニアソレノイドバルブ。

Claims (7)

  1. 車両に搭載されると共に油圧制御装置から供給される油圧により作動する複数の摩擦係合要素を含む変速装置の制御装置において、
    予め定められたニュートラル制御開始条件の成立に応じて、前記油圧制御装置から前記複数の摩擦係合要素のうちの少なくとも一つの要素に供給される油圧を低下させるニュートラル制御を実行するニュートラル制御手段と、
    前記ニュートラル制御中のニュートラル制御解除条件の成立に応じて、前記油圧制御装置の少なくとも一つの要素に供給される油圧を増加させるニュートラル解除制御を実行するニュートラル制御解除手段とを備え、
    前記ニュートラル制御解除手段は、前記ニュートラル制御解除条件として、前記車両の制動が解除されることを条件に前記ニュートラル解除制御を実行させる第1解除条件と、前記車両の制動が解除されると共に前記原動機の回転数が所定回転数以上であることを条件に前記ニュートラル解除制御を実行させる第2解除条件とを選択的に用いることを特徴とする変速装置の制御装置。
  2. 請求項1に記載の変速装置の制御装置において、
    前記ニュートラル制御解除手段は、前記油圧制御装置の作動油の温度が所定温度以上である場合に、前記ニュートラル制御解除条件として前記第1解除条件を用いると共に、前記作動油の温度が前記所定温度未満である場合に、前記ニュートラル制御解除条件として前記第2解除条件を用いることを特徴とする変速装置の制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の変速装置の制御装置において、
    前記ニュートラル制御解除手段は、前記原動機を制御する制御装置からの要求に応じて、前記ニュートラル制御解除条件として前記第2解除条件を用いることを特徴とする変速装置の制御装置。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載の変速装置の制御装置において、
    前記ニュートラル制御解除手段は、前記車両の現在位置の高度が所定高度未満である場合に、前記ニュートラル制御解除条件として前記第1解除条件を用いると共に、前記車両の現在位置の高度が前記所定高度以上である場合に、前記ニュートラル制御解除条件として前記第2解除条件を用いることを特徴とする変速装置の制御装置。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載の変速装置の制御装置において、
    前記ニュートラル制御開始条件は、前記車両が制動されると共に前記原動機がアイドル運転されており、かつ前記変速機の入力回転数が予め定められたニュートラル制御開始回転数以下であるときに成立することを特徴とする変速装置の制御装置。
  6. 請求項1から5の何れか一項に記載の変速装置の制御装置において、
    前記ニュートラル制御は、前記車両が制動されて停車する際に解放される前記摩擦係合要素への油圧を低下させ、
    前記ニュートラル解除制御は、前記車両が再発進する際に係合される前記摩擦係合要素への油圧を増加させることを特徴とする変速装置の制御装置。
  7. 車両に搭載されると共に油圧制御装置からの油圧により作動する複数の摩擦係合要素を含む変速装置の制御方法において、
    (a)少なくとも前記車両が制動されていることを含むニュートラル制御開始条件の成立に応じて、前記油圧制御装置から前記複数の摩擦係合要素のうちの少なくとも一つの要素に供給される油圧を低下させるニュートラル制御を実行するステップと、
    (b)前記ニュートラル制御中のニュートラル制御解除条件の成立に応じて、前記油圧制御装置から少なくとも一つの要素に供給される油圧を増加させるニュートラル解除制御を実行するステップとを含み、
    ステップ(b)は、前記ニュートラル制御解除条件として、前記車両の制動が解除されることを条件に前記ニュートラル解除制御を実行させる第1解除条件と、前記車両の制動が解除されると共に前記原動機の回転数が所定回転数以上であることを条件に前記ニュートラル解除制御を実行させる第2解除条件とを選択的に用いることを特徴とする変速装置の制御方法。
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