JP2013132678A - 揺動鍛造方法および揺動鍛造装置 - Google Patents

揺動鍛造方法および揺動鍛造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】2つの偏心リングの回転速度,回転方向の関連制御を歯車列の噛合いの切換えにより行い、そのために第1型の揺動運動を一旦停止させることが必要である、現在実用されている揺動鍛造装置,方法を改良する。
【解決手段】偏心リング16,18をそれぞれNCサーボモータ80,82により駆動して各回転速度,回転方向を任意に設定し、揺動軸14が保持した上型12に任意の時期に任意のパターンの揺動運動を付与する。NCサーボモータ124が駆動する油圧ポンプ122が作動させる油圧シリンダ120により下型26を昇降させ、下型26の上型12に対する接近運動の途中の予め設定した位置において上型12の揺動運動を停止させることなく揺動運動のパターンを変更し、被加工物172の成形性,成形精度を向上させる。第1型の第2型に対する相対傾斜角度の増大過程と減少過程とにおいて互に異なるパターンの揺動運動を第1型に付与することもできる。
【選択図】図1

Description

本発明は、揺動鍛造方法および揺動鍛造装置に関するものであり、特に、2つの偏心リングの回転を関連制御することにより第1型に揺動運動を付与し、第2型との間で被加工物を揺動鍛造する方法および装置に関する。
現在実用されている揺動鍛造装置は、例えば、下記特許文献1に記載されているように、(i)回転軸線まわりに回転可能であり、その回転軸線に対して偏心した第1内周面を有する第1偏心リングと、その第1内周面の中心線である第1偏心軸まわりに回転可能であり、その第1偏心軸に対して偏心した第2内周面を有する第2偏心リングとを備えたダブル偏心リングと、(ii)第1偏心リングおよび第2偏心リングを回転駆動する回転駆動装置と、(iii)第2偏心リングの第2内周面に嵌合された自動調心軸受と、(iv)1点のまわりに揺動可能であり、かつ、自動調心軸受により揺動および回転可能に保持された揺動軸と、(v)その揺動軸に設けられた第1型取付部と、(iv)その第1型取付部に対向した状態に第2型を取り付け可能な第2型取付部と、(vii)その第2型取付部を第1型取付部に対して接近,離間させる接近,離間装置とを含むものとされている。そして、回転駆動装置が、1つの駆動モータの回転を歯車列によって構成される回転伝達装置により第1偏心リングと第2偏心リングとに伝達して両偏心リングの回転速度および回転方向を関連制御するとともに、歯車列の噛合いの切換えによって両偏心リングの回転速度および回転方向の関係を変更して、第1型に円,スパイラル,デージおよびシーソ等の運動を選択的に行わせるものとされており、駆動モータとしては交流誘導モータが使用されている。
一方、特殊な揺動鍛造装置においては、NCサーボモータを駆動モータをとして使用することが提案されている。下記特許文献2に記載の揺動鍛造装置がその一例である。この揺動鍛造装置は、2つのダブル偏心リングと、トグル機構とを利用して、第1型に揺動運動のみならず軸方向の往復運動をも与え得るようにしたものである。ダブル偏心リングを軸方向に距離を隔てて2つ設け、それら2つのダブル偏心リングの内周面にそれぞれ自動調心軸受を介して中空の型保持部材の両端部を嵌合し、その型保持部材に2つのダブル偏心リングの共同による揺動運動を付与するとともに、その型保持部材の軸方向の中間部と、装置本体のその中間部に対向する部分とに、それぞれ球面座を形成し、それら球面座の間に両端を球面とした棒状部材を配設してその棒状部材と型保持部材とによりトグルリンクを形成し、そのトグルリンクの傾きの変化に基づいて型保持部材に軸方向の往復運動をも付与するのである。そして、上記2つのダブル偏心リングの各第1偏心リングと第2偏心リングとをNCサーボモータにより駆動し、合計4つのNCサーボモータの回転制御により型保持部材の一端に保持させた第1型に所望の揺動運動と軸方向運動を行わせるのである。
NCサーボモータを駆動モータとして使用する揺動鍛造装置の別の一例が下記特許文献3に記載されている。ここに記載の揺動鍛造装置においては、ダブル偏心リングの第1偏心リングと第2偏心リングとの回転をそれぞれNCサーボモータにより制御することによって、第1型を保持する第1型保持部材に付与される揺動運動を制御するとともに、第1型を保持する第1型保持部材と、第2型を保持する第2型保持部材とを、それぞれNCサーボモータにより回転させるようになっている。それによって、第1型と、第2型および被加工物との相対回転を制御することが可能となり、第1型と被加工物との接触面間のすべりを防止したり、第1型と被加工物との接触部の位置を意図的に変更して第1型の表面の凹凸を被加工物に転写したりすることが可能になる。
特開平8−47741号公報 特開平2−151337号公報 特開平3−110038号公報
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、2つの偏心リングの回転速度および回転方向の関連制御が歯車列の噛合いの切換えにより行われ、歯車列の噛合いの切換えを行うために、第1型の揺動運動を一旦停止させることが必要である、現在実用されている揺動鍛造装置およびそれを使用した揺動鍛造方法の改良を課題とする。
上記の課題は、回転軸線まわりに回転可能であり、その回転軸線に対して偏心した第1内周面を有する第1偏心リングと、その第1内周面の中心線である第1偏心軸まわりに回転可能であり、その第1偏心軸に対して偏心した第2内周面を有する第2偏心リングとの回転を関連制御することにより、第1型に揺動運動を付与するとともに、その第1型に第2型を対向させて配置し、それら第1型と第2型との間で被加工物を揺動鍛造する方法を、前記第1偏心リングと前記第2偏心リングとをそれぞれNCサーボモータに駆動させ、それら2台のNCサーボモータを制御プログラムに基づいて関連制御することにより前記第1型に所望の揺動運動を付与するとともに、その第1型と前記第2型とを互いに接近させることにより、それら第1型と第2型との間で被加工物を揺動鍛造する方法とすることにより解決される。
上記の課題はまた、(A)回転軸線まわりに回転可能であり、その回転軸線に対して偏心した第1内周面を有する第1偏心リングと、(B)その第1内周面の中心線である第1偏心軸まわりに回転可能であり、その第1偏心軸に対して偏心した第2内周面を有する第2偏心リングと、(C)それら第1偏心リングおよび第2偏心リングを回転駆動する回転駆動装置と、(D)前記第2偏心リングの前記第2内周面に嵌合された自動調心軸受と、(E)1点のまわりに揺動可能であり、かつ、前記自動調心軸受により揺動および回転可能に保持された揺動軸と、(F)その揺動軸に設けられ、第1型が取り付け可能な第1型取付部と、(G)その第1型取付部に対向した状態に第2型を取り付け可能な第2型取付部と、(H)その第2型取付部を前記第1型取付部に対して接近,離間させる接近,離間装置とを含む揺動鍛造装置の前記回転駆動装置を、(a)前記第1偏心リングを回転駆動する第1NCサーボモータと、(b)前記第2偏心リングを回転駆動する第2NCサーボモータと、(c)揺動運動制御プログラムの実行により前記第1NCサーボモータと前記第2NCサーボモータとを関連制御することによって、前記第1型取付部に取り付けられた第1型に所定の揺動運動を行わせる揺動運動用NCコントローラとを含むものとすることにより解決される。
特許文献1に記載の揺動鍛造装置においては、1つの駆動モータの回転を第1,第2偏心リングに伝達する歯車列の構成により、第1,第2偏心リングに得られる回転速度および回転方向の関係が決まるため、決まった態様の揺動運動しか第1型に付与することができず、それ以外の態様の揺動運動を付与しようとすれば、歯車列の噛合いの変更が必要である。それに対し、第1,第2偏心リングをそれぞれNCサーボモータによって回転させれば、任意の回転速度で任意の方向に回転させることができるため、第1型に、円周方向と半径方向とにおいて任意の運動を付与し、任意のパターンの揺動運動を付与することができる。従来、よく知られているデージパターン,シーソパターン,円パターンおよびスパイラルパターンのいずれかの揺動運動を第1型に付与することができることは勿論、それらの組合わせによるパターンやそれらとは異なるパターンの揺動運動を第1型に付与することができるのであり、揺動鍛造装置の機械的な構成(歯車列の噛合い)を変更することなく、所望のパターンの揺動運動を第1型に付与することができる。あるいは揺動運動のパターンを任意の時期に変更して多彩な態様で揺動鍛造を行うことができる。
本発明に係る揺動鍛造装置によれば、本発明にかかる揺動鍛造方法を好適に実施し得る。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、特許請求の範囲に記載された発明である本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むことがある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載,従来技術,技術常識等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(11)項が請求項2に、(12)項が請求項3に、(13)項が請求項4に、(15)項が請求項5に、(16)項が請求項6に、(23)項が請求項7に、(24)項が請求項8に、(25)項が請求項9に、(31)項が請求項10に、(51)項が請求項11に、(52)項が請求項12に、(53)項が請求項13に、(54)項が請求項14に、それぞれ相当する。
(1)回転軸線まわりに回転可能であり、その回転軸線に対して偏心した第1内周面を有する第1偏心リングと、その第1内周面の中心線である第1偏心軸まわりに回転可能であり、その第1偏心軸に対して偏心した第2内周面を有する第2偏心リングとの回転を関連制御することにより、第1型に揺動運動を付与するとともに、その第1型に第2型を対向させて配置し、それら第1型と第2型との間で被加工物を揺動鍛造する方法であって、
前記第1偏心リングと前記第2偏心リングとをそれぞれNCサーボモータに駆動させ、それら2台のNCサーボモータを制御プログラムに基づいて関連制御することにより前記第1型に所望の揺動運動を付与するとともに、その第1型と前記第2型とを互いに接近させることにより、それら第1型と第2型との間で被加工物を揺動鍛造することを特徴とする揺動鍛造方法。
回転軸線は、鉛直軸線でもよく、水平軸線でもよく、鉛直方向および水平方向に対して傾斜した軸線でもよい。
(11)前記第1型と前記第2型との1ストロークの接近運動の途中に、前記第1型の揺動運動を停止させることなく、少なくとも1回、前記揺動運動のパターンを変更することを特徴とする(1)項に記載の揺動鍛造方法。
第1,第2NCサーボモータの関連制御による揺動運動のパターンの任意の時期における変更の一例が本項の態様である。
(12)前記第1型と前記第2型との前記1ストロークの接近運動の初期にはそれら両型の相対傾斜角度の変化を伴うパターンの揺動運動を付与し、末期にはその相対傾斜角度の変化を伴わない円パターンの揺動運動を付与する(11)項に記載の揺動鍛造方法。
第1,第2型の相対傾斜角度の変化を伴うパターンの揺動運動の例がデージパターン,シーソパターンおよびスパイラルパターンの揺動運動である。
円パターンの揺動運動によれば、加工時の圧力変動が小さく、成形むらが少ないのに対し、被加工物の加工により得られる成形品の形状によっては、被加工物と第2型との密着性が悪く、成形性が悪い場合がある。それに対し、デージパターンの揺動運動によれば、成形性はよいのに対し、加工時の圧力変動が大きく、成形むらが大きくなる場合がある。したがって、本項の方法によれば、2種類の揺動運動パターンの各長所が得られる加工を行うことが可能となり、成形性および成形精度良く被加工物を加工することが可能となる。
(13)前記第1型と前記第2型とに、それら両型の相対傾斜角度の増大過程と減少過程とにおいて互いに異なるパターンの揺動運動を付与する(1)項,(11)項,(12)項のいずれかに記載の揺動鍛造方法。
第1,第2NCサーボモータの関連制御による揺動運動のパターンの任意の時期における変更の別の例が本項の態様である。
(14)両型の相対傾斜角度の増大過程と減少過程との一方の少なくとも一部においてデージパターンの揺動運動を付与し、その他の過程においてシーソパターンの揺動運動を付与する(13)項に記載の揺動鍛造方法。
両型の相対傾斜角度の増大過程と減少過程との一方の全部においてデージパターンの揺動運動を付与してもよく、増大過程と減少過程との一方の一部においてデージパターンの揺動運動を付与してもよい。後者の場合、増大過程と減少過程との一方の残りにおいてはシーソパターンの揺動運動が付与される。
なお、ここにおいて、例えば、「両型の相対傾斜角度の増大過程の全部においてデージパターンの揺動運動を付与し、相対傾斜角度の減少過程の全部においてシーソパターンの揺動運動を付与する」とは、図7に示すような揺動運動を付与することであり、「両型の相対傾斜角度の増大過程の全部においてシーソパターンの揺動運動を付与し、相対傾斜角度の減少過程の一部においてデージパターンの揺動運動を付与する」とは、図12(a)に例示する揺動運動を付与することである。すなわち、通常、「デージパターンの揺動運動」と称される揺動運動は、図3(a)に示すように、両型の相対傾斜角度の増大過程の全部と減少過程の全部とにおいて傾斜角度の変化と位相の変化とを共に含む揺動運動を行い、一半径に対して互いに対称な曲線を描くパターンの揺動運動であるが、本明細書においては、このデージパターンの揺動運動を、両型の相対傾斜角度の増大過程と減少過程とに分けて、それぞれの曲線を描く部分をデージパターンの揺動運動と称することとし、「増大過程あるいは減少過程の一部」についてもこの考え方の延長上で考えることとするのである。そして、両型の相対傾斜角度の増大過程と減少過程との一方のみにおいて付与されるデージパターンの揺動運動を片側デージパターンと称し、それとの対比において、増大過程と減少過程との両方の全部において付与されるデージパターンの揺動運動を通常デージパターンと称することとする。
(15)一体に軸部を含む被加工物を、軸部の回転を阻止した状態で固定し、その軸部の一端に揺動鍛造を施す(1)項,(11)項ないし(14)項のいずれかに記載の揺動鍛造方法。
本項の方法に適した製品としては、例えば、軸付きのかさ歯車,軸付きのハイポイドギヤ等がある。
一体に軸部を含む被加工物は、第1,第2型の相対傾斜角度の変化を伴うパターンの揺動運動によって加工すれば、軸部のねじれが軽減できる。
(16)前記被加工物をかさ状歯車に加工する(1)項,(11)項ないし(15)項のいずれかに記載の揺動鍛造方法。
本明細書において「かさ状歯車」なる用語は、交差軸歯車および食違い軸歯車のうち慨形がかさ状を成す歯車の総称として使用する。前者にはすぐばかさ歯車やまがりばかさ歯車が含まれ、後者にはハイポイドギヤが含まれる。ただし、「かさ状歯車」といっても、揺動鍛造後、さらに熱処理や切削,研削,研磨等の機械加工が施されることが多く、その意味では、かさ状歯車中間製品と称すべきものである。
かさ状歯車は形状が複雑であるが、複数種類の揺動パターンを組み合わせることにより成形性良く、精度良く加工することができる。
(17)前記被加工物をハイポイドギヤに加工する(16)項に記載の揺動鍛造方法。
(21)前記第1型と前記第2型とを接近,離間させる運動である接近,離間運動を液圧アクチュエータに対する作動液の供給,排出により行う(1)項,(11)項ないし(17)項のいずれかに記載の揺動鍛造方法。
接近,離間運動は、電動モータの回転をねじ部材およびナットを含む送りねじ機構により直線運動に変換することによっても得ることができるが、速度より力の大きさが重要である揺動鍛造には、液圧アクチュエータの方が優れている。
液圧アクチュエータには、例えば、往復直線移動式のアクチュエータである液圧シリンダや回転式のアクチュエータである液圧モータがある。後者の場合、アクチュエータの回転を直線運動に変換する運動変換機構と組み合わせて使用される。運動変換機構は、例えば、送りねじ機構とされる。
(22)前記第1型と前記第2型との揺動運動と、それら両型の前記接近,離間運動とを同期させて制御する(21)項に記載の揺動鍛造方法。
被加工物の加工の進行状況に応じて揺動運動の制御を行うことができる。
本項に記載の特徴は、(1)項,(11)項ないし(17)項の各々に記載の特徴とは別に採用することも可能である。
(23)前記液圧アクチュエータへの前記作動液の供給,排出のうち少なくとも供給をNCサーボモータを駆動源とする液圧ポンプによって行う(21)項または(22)項に記載の揺動鍛造方法。
第1,第2型の接近運動の速度および位置を任意に制御することができる。本項が(22)項に従属する態様では、第1型と第2型との揺動運動と、第1,第2型の接近運動とを同期させることが容易である。
作動液の排出は、液圧ポンプによって行ってもよく、あるいは電磁弁の切換えによって行ってもよい。
(24)前記液圧アクチュエータへの前記作動液の供給および排出を、正逆両方向の回転が可能な液圧ポンプと、その液圧ポンプを駆動するNCサーボモータとによって行う(21)項または(22)項に記載の揺動鍛造方法。
第1,第2型の接近運動および離間運動の両方について速度および位置を任意にかつ精度良く制御することができる。
(25)前記第1型と前記第2型とのうち前記接近,離間運動を行う側の型である接近,離間型の位置を検出し、その位置検出の結果に基づいて前記第1型と前記第2型との1ストロークの接近,離間運動の途中において少なくとも1回、前記揺動運動のパターンの変更を行う(21)項ないし(24)項のいずれかに記載の揺動鍛造方法。
揺動運動のパターンの変更を加工の進行状況に応じた位置において行うことができ、複数種類の揺動運動のパターンによる成形を良好に行うことができる。特に、液圧アクチュエータがNCサーボモータを駆動源とする液圧ポンプによって作動させられる場合、1ストロークの接近運動と離間運動との少なくとも一方において、運動途中の任意の位置における揺動運動パターンの変更を正確に行うことができ、複数種類の揺動運動パターンをそれぞれ、1ストロークの接近運動と離間運動との少なくとも一方の任意の範囲において正確に実行することができる。
揺動運動のパターンの変更は、第1,第2型の接近運動の途中に行われてもよく、離間運動の途中に行われてもよい。
(26)前記少なくとも1回の前記揺動運動のパターンの変更を前記第1型と前記第2型との1ストロークの接近運動の途中において行う(25)項に記載の揺動鍛造方法。
(31)前記第1型と前記第2型とを接近,離間させる運動である接近,離間運動において、接近運動の終了後、予め設定された距離離間させて、前記揺動鍛造を行う揺動鍛造装置と前記被加工物との弾性変形の一部を解放し、その状態で設定時間の揺動鍛造を継続した上で、前記第1型と前記第2型とを十分離間させる(1)項,(11)項ないし(17)項,(21)項ないし(26)項のいずれかに記載の揺動鍛造方法。
弾性変形が多くが残った状態で第1型と第2型とを離間させて加工を終了すれば、被加工物に形状の急変部が残り、精度の良い製品が得られない。接近運動の終了後も第1型と第2型とを離間させず、弾性変形量が十分小さくなるまで第1型に揺動運動を付与し続ければ、上記不具合の発生を回避し得るが、加工終了までに長時間を要する。それに対し、第1,第2型の離間により弾性変形の一部を解放し、その状態で設定時間の揺動鍛造を継続した上で第1型と第2型とを十分離間させれば、被加工物に形状の急変部が残ることを回避しつつ加工時間の短縮を図ることができる。ただし、弾性変形の一部を解放する分、被加工物の成形が不足することを避け得ないため、弾性変形の一部を解放する前に、成形が不足することとなる分だけ第1型と第2型とを余分に接近させて置くことが必要である。この余分な第1型と第2型との接近に要する時間は、弾性変形量が十分小さくなるまで第1型に揺動運動を付与し続ける時間に比較して短くて済むため、全体として加工時間の短縮を図ることができるのである。
本項に記載の特徴は(1)項に記載の特徴とは別に採用することも可能である。
(32)前記第1型と前記第2型とのうち前記接近,離間運動を行う側の型である接近,離間型の位置を検出し、その位置検出の結果に基づいて前記接近運動の終了後における予め設定された距離の離間を行わせる(31)項に記載の揺動鍛造方法。
本項の特徴によれば弾性変形の解放量を正確に制御し得る。
(41)互いに続いて実行される2つの被加工物の揺動鍛造の間に前記2台のNCサーボモータを停止させる(1)項,(11)項ないし(17)項,(21)項ないし(26)項,(31)項,(32)項のいずれかに記載の揺動鍛造方法。
相続く2つの被加工物の揺動鍛造の間にNCサーボモータを停止させれば、消費エネルギを節減することができる。
(51)回転軸線まわりに回転可能であり、その回転軸線に対して偏心した第1内周面を有する第1偏心リングと、
その第1内周面の中心線である第1偏心軸まわりに回転可能であり、その第1偏心軸に対して偏心した第2内周面を有する第2偏心リングと、
それら第1偏心リングおよび第2偏心リングを回転駆動する回転駆動装置と、
前記第2偏心リングの前記第2内周面に嵌合された自動調心軸受と、
1点のまわりに揺動可能であり、かつ、前記自動調心軸受により揺動および回転可能に保持された揺動軸と、
その揺動軸に設けられ、第1型が取り付け可能な第1型取付部と、
その第1型取付部に対向した状態に第2型を取り付け可能な第2型取付部と、
その第2型取付部を前記第1型取付部に対して接近,離間させる接近,離間装置と
を含む揺動鍛造装置であって、前記回転駆動装置が、
前記第1偏心リングを回転駆動する第1NCサーボモータと、
前記第2偏心リングを回転駆動する第2NCサーボモータと、
揺動運動制御プログラムの実行により前記第1NCサーボモータと前記第2NCサーボモータとを関連制御することによって、前記第1型取付部に取り付けられた第1型に所定の揺動運動を行わせる揺動運動用NCコントローラと
を含むことを特徴とする揺動鍛造装置。
上記揺動運動制御プログラムを、前記(11)項ないし(17)項のいずれかに記載の特徴を実現するためのプログラムを含むものとすることができ、その場合は、揺動鍛造装置の、それらプログラムを実行する部分が(11)項ないし(17)項のいずれかに記載の特徴を実現する構成要素となる。
接近,離間装置は第1型取付部と第2型取付部との一方を他方に対して接近,離間させる装置としてもよく、第1型取付部と第2型取付部との両方を互いに接近,離間させる装置としてもよい。しかし、揺動運動させられる第1型取付部より、揺動運動させられない第2型取付部を接近,離間させる方が接近,離間装置を簡易に構成することができる。
(52)前記接近,離間装置が、
液圧シリンダと、
その液圧シリンダに作動液を圧送する液圧ポンプと、
その液圧ポンプを駆動する第3NCサーボモータと、
接近,離間運動制御プログラムの実行により前記第3NCサーボモータを制御し、前記液圧ポンプの回転を制御して、少なくとも、前記第2型取付部に取り付けられた第2型の第1型に対する接近運動を制御する接近,離間運動用NCコントローラと
を含む(51)項に記載の揺動鍛造装置。
本項に記載の特徴は(51)項に記載の特徴とは別に採用することも可能である。
上記接近,離間運動制御プログラムを、(22)項ないし(24)項のいずれかに記載の特徴を実現するためのプログラムを含むものとすることができ、その場合は、揺動鍛造装置の、それらプログラムを実行する部分が(22)項ないし(24)項のいずれかに記載の特徴を実現する構成要素となる。
(53)前記液圧ポンプが正逆両方向に回転可能なものであり、正方向の回転により前記第1型を前記第2型に接近させ、逆方向の回転により前記第1型を前記第2型から離間させる(52)項に記載の揺動鍛造装置。
本項の特徴によれば、第1型と第2型との接近のみならず、離間も精度良く制御することが可能となる。
(54)さらに、前記揺動運動制御プログラムと前記接近,離間運動制御プログラムとを関連付けて実行する総合制御部を含む(52)項または(53)項に記載の揺動鍛造装置。
上記揺動運動制御プログラム,接近,離間運動制御プログラムおよび総合制御を、(25)項,(26)項,(31)項,(32)項,(41)項のいずれかに記載の特徴を実現するためのプログラム等を含むものとすることができ、その場合は、揺動鍛造装置の、それらプログラムを実行する部分が(25)項,(26)項,(31)項,(32)項,(41)項のいずれかに記載の特徴を実現する構成要素となる。
請求可能発明の一実施形態である揺動鍛造機を示す正面断面図である。 上記揺動鍛造機による被加工物の揺動鍛造により成形されるすぐばかさ歯車を示す正面図である。 上記揺動鍛造機における上型の揺動運動のパターンを例示する図であり、(a)は通常デージパターン、(b)は円パターンを示す図である。 上記揺動鍛造機による被加工物の揺動鍛造時における時間と下型の位置および揺動運動パターンとの関係を示すタイムチャートである。 上記揺動鍛造機による被加工物の仕上げ加工時に被加工物および揺動鍛造機等に残存する荷重の変化を示すグラフである。 上記揺動鍛造機を構成するNCサーボモータの立上がりおよび立下がりの各時間を従来の揺動鍛造機と比較して示すタイムチャートである。 上記揺動鍛造機によって上型に付与される別の揺動運動のパターンを示す図である。 上記揺動鍛造機による被加工物の揺動鍛造により成形されるハイポイドギヤを示す正面図である。 上記ハイポイドギヤの歯を、ハイポイドギヤの中心線に平行で歯すじに直角な平面で切断した場合の歯の断面形状を示す図である。 上記ハイポイドギヤを成形するための下型を示す正面図である。 図11(a)は上記揺動鍛造機により成形される別の歯車の歯を歯すじに直角な平面で切断した場合の歯の断面形状を概略的に示す図であり、図11(b)はその歯車の成形に使用される下型の溝の断面形状を概略的に示す図である。 上記揺動鍛造機によって上型に付与されるさらに別の揺動運動のパターンを示す図である。
以下、請求可能発明の実施形態を、図を参照しつつ説明する。なお、請求可能発明は、下記実施形態の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
図1に請求可能発明の一実施形態である揺動鍛造装置たる揺動鍛造機を示す。本揺動鍛造機により、請求可能発明の一実施形態である揺動鍛造方法が実施される。本揺動鍛造機の本体10には、上部に第1型たる上型12,揺動軸14,偏心リング16,18および回転駆動装置20が設けられ、下部に第2型たる下型26,ラムスライド28および昇降装置30が設けられている。
揺動軸14は、軸状部40および半球状部42を含む。本体10内の空間44に設けられた水平な支持壁46には、内面が半球面状の受け面48とされた凹部50が下向きに形成され、揺動軸14は、半球状部42が凹部50に揺動可能に嵌合され、軸状部40は、支持壁46に凹部50に続いて形成された貫通穴52を通って支持壁46から上方へ突出させられている。
半球状部42には、その揺動軸14の軸線Oに直角な一平面状を成す下面に開口して凹部60が設けられ、この凹部60に上型12が嵌合され、ボルト等、適宜の固定手段(図示省略)により着脱可能に固定されている。半球状部42の凹部60が設けられた部分が第1型取付部たる上型取付部62を構成している。
前記偏心リング16は、本体10により軸受70を介して鉛直な回転軸線まわりに回転可能に保持されている。偏心リング16の内周面72は、回転軸線に対して偏心させられており、その内周面72により、前記偏心リング18が軸受74を介して内周面72の中心線まわりに回転可能に保持されている。内周面72の中心線は、偏心リング16の回転軸線に対して偏心させられた偏心軸である。偏心リング18は、その回転軸線である偏心軸に対して偏心した内周面76を有し、その内周面76に嵌合された自動調芯軸受たる自動調芯ころ軸受78により、前記揺動軸14の軸状部40の上端部が保持され、揺動軸14が1点のまわりに揺動および回転可能に保持されている。
前記回転駆動装置20は、偏心リング16を回転駆動するNCサーボモータ80,偏心リング18を回転駆動するNCサーボモータ82,およびNCサーボモータ80,82を関連制御する揺動運動用NCコントローラ84を含む。NCサーボモータ80は、本体10の外に鉛直な姿勢で設けられ、その回転は回転伝達装置86により偏心リング16に伝達される。回転伝達装置86は、NCサーボモータ80の出力軸88に固定のプーリ90,本体10の上に鉛直軸線まわりに回転可能に取り付けられたプーリ92,プーリ92と同心に設けられ、本体10内に配設された歯車94,偏心リング16に固定され、歯車94と噛み合わされた歯車96およびプーリ90,92間に巻き掛けられたベルト98を含む。本実施形態においては、プーリ90,92はタイミングプーリとされ、ベルト98はタイミングベルトとされている。
NCサーボモータ82も本体10の外に鉛直な姿勢で設けられ、その回転は回転伝達装置100により偏心リング18に伝達される。回転伝達装置100は回転伝達装置86と同様に、プーリ90,92,歯車94,96およびベルト98を含む。これらプーリ90,92,歯車94,96の各直径は、回転伝達装置86のプーリ90,92,歯車94,96と同じにされているが、歯車96は、本体10により偏心リング16の回転軸線と同心の回転軸線まわりに回転可能に支持された駆動軸102に取り付けられている。駆動軸102には、反対側の面に互いに直交する溝を備えた継手部材104を含む自在継手106を介して偏心リング18が取り付けられており、自在継手106は偏心リング18の駆動軸102に対する偏心を許容しつつ、駆動軸102の回転を偏心リング18に伝達する。
揺動運動用NCコントローラ84は、CPU,ROM,RAM,入出力インタフェースおよびそれらを接続するバスを含むコンピュータを主体として構成されており、NCサーボモータ80,82をそれぞれ、駆動回路を介して制御する。NCサーボモータ80,82は回転量検出装置たるエンコーダ付きであり、その検出信号がコンピュータに入力される。また、コンピュータのRAMには揺動運動制御プログラムが記憶させられており、その実行によりNCサーボモータ80,82が制御される。
本体10の空間44内には、揺動軸14の下方に前記ラムスライド28が上下方向に移動可能に嵌合されている。ラムスライド28の上面に開口して設けられた凹部110に下型26が嵌合され、ボルト等、適宜の固定手段により着脱可能に固定されている。ラムスライド28の凹部100が設けられた部分が、第2型取付部たる下型取付部112を構成し、前記上型取付部62に対向させられている。
前記昇降装置30は、本実施形態においては、液圧シリンダの一種である油圧シリンダ120と、液圧ポンプの一種である油圧ポンプ122と、NCサーボモータ124と、接近,離間運動用NCコントローラたる昇降運動用NCコントローラ126とを含む。空間44の下部に固定して設けられた油圧シリンダ120のシリンダハウジング130には、ピストン132が油密かつ上下方向に摺動可能に嵌合され、ピストンロッド134はシリンダハウジング130から上方へ突出させられ、その突出端部にラムスライド28が固定されている。シリンダハウジング130内にピストン132の上下両側にそれぞれ形成された油室136,138はそれぞれ、油通路140,142によって油圧ポンプ122に接続されている。
油圧ポンプ122は正逆両方向に回転可能なものであり、NCサーボモータ124により駆動され、油室136,138の一方から作動油を汲み出して他方へ圧送する。それによりピストン132が上方あるいは下方へ移動させられ、ラムスライド28が昇降させられて、下型取付部112が上型取付部62に対して接近,離間させられる。下型26の上型12への接近時における油圧ポンプ122の回転方向を正方向、離間時における回転方向を逆方向とする。本実施形態においては、下型26が接近,離間型である。
油圧ポンプ122はNCサーボモータ124により駆動される。そのため、油圧ポンプ122の回転数および回転方向を任意の時期に任意の数および方向に制御し、ラムスライド28の移動速度および移動方向を任意の時期に任意の大きさおよび方向に制御することができ、また、ラムスライド28を任意の位置において停止させることができる。本実施形態においては、ラムスライド28が可動部材の一種である移動部材たる昇降部材を構成し、昇降装置30が接近,離間装置を構成している。昇降装置30が可動部材駆動装置たる昇降部材駆動装置を構成し、ラムスライド28と共に昇降装置を構成していると考えることもできる。
昇降運動用NCコントローラ126はコンピュータを主体として構成され、駆動回路を介してNCサーボモータ124を制御する。コンピュータのRAMには、接近,離間運動制御プログラムたる昇降運動制御プログラムが記憶させられており、その実行により下型26の昇降が制御される。なお、下型26,ラムスライド28およびピストンロッド124にわたって、成形品突き出し装置150が設けられている。この成形品突き出し装置150は油圧シリンダにより構成され、その油室152,154の一方に、図示を省略する油通路によって作動油が供給されることにより、ピストン156が昇降させられる。
揺動運動用NCコントローラ84によるNCサーボモータ80,82の制御と、昇降運動用NCコントローラ126によるNCサーボモータ124の制御とは、統合制御コントローラ160を介して関連付けて行われ、上型12の揺動運動と下型12の昇降とが同期して制御される。統合制御コントローラ160はコンピュータを主体として構成されており、揺動運動用NCコントローラ84および昇降運動用NCコントローラ126が接続され、統合制御部を構成している。統合制御コントローラ160にはまた、本体10に設けられたリニアスケール162が接続されている。リニアスケール162は位置検出装置の一種であり、ラムスライド28の上下方向の位置を検出し、下型26の上下方向の位置を検出する。
なお、本揺動鍛造機の構成を1つの図で表すためにNCサーボモータ80,82が本体10の左右両側に図示され、油圧ポンプ122およびNCサーボモータ124は本体10の右側に図示されているが、それらは実際には本体10の背面側に配設されている。NCサーボモータ80,82,油圧ポンプ122およびNCサーボモータ124は、揺動鍛造機が配設される場所,スペース等の都合により、本体10に対して適宜の位置に配設すればよい。
以上のように構成された揺動鍛造機においては、偏心リング16,18が回転させられ、揺動軸14が揺動させられて上型12が揺動させられるのと並行して下型26が上昇させられ、上型12に接近させられて被加工物に加工が施される。偏心リング16,18はそれぞれ、NCサーボモータ80,82によって回転させられるため、各々の回転方向,回転速度比および初期の位相を任意に設定することができ、それら設定された条件に従って揺動運動用NCコントローラ84がNCサーボモータ80,82を制御することにより、上型12にはデージパターン等を始めとする種々のパターンの揺動運動を付与することができる。
また、偏心リング16,18の各回転方向および回転速度比は、加工開始後の任意の時期、例えば、下型26の上型12に対する1ストロークの接近運動の途中で変更することができ、揺動運動パターンを変更することができる。その変更のためにNCサーボモータ80,82を停止させることは不可欠ではなく、1ストロークの接近運動は、下型26が予め設定された原位置である下降端位置から成形端である上昇端位置まで上昇させられる運動である。そして、ラムスライド28は、NCサーボモータ124を含む昇降装置30により昇降させられ、揺動運動パターンの変更時にラムスライド28を停止させることも不可欠ではない。また、ラムスライド28は、上下方向の任意の位置において停止させることができるとともに、その位置がリニアスケール162によって検出されるため、上型12の揺動運動パターンの変更を下型26の上型12に対する位置、すなわち成形の進行状況に正確に合わせて行うことができる。
図2に示すすぐばかさ歯車170の製造を例に取り、被加工物172の加工を説明する。揺動鍛造前の被加工物172はリング状を成し、加工は、図3(a)に示す通常デージパターンおよび図3(b)に示す円パターンの組合わせにより行われる。下型26の上型12に対する1ストロークの接近運動の前期には上型12をデージパターンで揺動させて被加工物172に荒加工を施し、後期には上型12を円パターンで揺動させて被加工物172に仕上げ加工を施すのである。上型12には、下型26に対する傾斜角度の増大過程と減少過程とのいずれにおいても傾斜角度と位相との両方が変化する通常デージパターンの揺動運動が付与され、上型12は図3(a)に示す通常デージパターンで運動する。
揺動運動パターンの変更は、下型26の位置に応じて行われる。そのため、揺動運動制御プログラムは、上型12に通常デージパターンおよび円パターンの揺動運動が付与されるようにNCサーボモータ80,82が駆動されるとともに、リニアスケール162により検出される下型26の位置に応じて揺動運動パターンが変更されるように作成される。また、昇降運動制御プログラムは、下型26の上昇速度および下降速度が下型26の位置と対応付けて設定されるとともに、下型26の昇降が加工の進行状況と対応して行われるように作成される。
下型26は、加工開始時には下降端位置に位置し、被加工物172は下型26に位置決めされて支持される。そして、昇降運動用NCコントローラ126により昇降運動制御プログラムが実行され、ラムスライド28が上昇させられて下型26が上型12に接近させられる。下型26は、図4のタイムチャートに示すように、まず、予め設定された大きい速度でアプローチ位置へ上昇させられる。アプローチ位置は、被加工物172が上型12に接触する直前の位置であって、被加工物172が上型12から僅かに離れた位置である。
アプローチ位置はリニアスケール162の検出値に対して予め設定されており、下型26のアプローチ位置への到達の検出が統合制御コントローラ160から昇降運動用NCコントローラ126へ出力される。それによりNCサーボモータ124が制御され、油圧ポンプ122の回転数が減少させられて、下型26はアプローチ位置への上昇時より低速で初期成形位置へ上昇させられる。下型26のアプローチ位置への到達はまた、統合制御コントローラ160から揺動運動用NCコントローラ84へ出力され、それに基づいてNCサーボモータ80,82が起動されて偏心リング16,18が回転させられる。それにより、上型12が通常デージパターンでの揺動運動を開始させられる。アプローチ位置への到達検出から短時間後に、被加工物172が上型12に接触して成形が開始され、以後逐次下型26に押し込まれる。
初期成形位置は、仕上成形位置に基づいて決められる。下型26の初期成形位置への到達後、被加工物172は上型12の円パターンの揺動運動により成形される。下型26は仕上成形位置への到達後、停止させられるが、上型12の揺動運動は続けられ、下型26が仕上成形位置に到達するまでの間に被加工物172,上型12および下型26等に生じさせられた弾性変形の減少を伴って加工が進行する。仕上成形位置は、所望の成形品寸法に基づいて設定されるが、この設定については、後に説明する。
初期成形位置は、仕上成形位置より設定距離、下方の位置に設定されている。この設定距離は、通常デージパターンでの加工により生じる歯のピッチエラー量に基づいて決められる。ピッチエラー量は、通常デージパターンによる荒加工により、被加工物172に実際に生じたピッチエラーの量を測定することにより取得され、あるいは経験則により決められる。設定距離は、仕上成形量、すなわち下型26の初期成形位置から仕上成形位置への上昇中および下型26の仕上成形位置への到達後も続いて行われる上型12の円パターンの揺動運動による成形の量がピッチエラー量を解消することができる量となる距離に設定される。
下型26の初期成形位置への上昇がリニアスケール162によって検出されたならば、揺動運動用NCコントローラ84によるNCサーボモータ80,82の制御が変更され、上型12の揺動パターンが通常デージパターンから円パターンに徐々に変更される。偏心リング16,18の回転方向が互いに逆であり、回転速度の差が小さい状態から、回転方向および回転速度が同じになるようにされるのである。また、昇降運動用NCコントローラ126によるNCサーボモータ124の制御により、油圧ポンプ122が逆方向に回転させられ、油室138から作動油が排出される。この作動油の排出は、リニアスケール162による下型26の下降量が設定量となるように行われる。通常デージパターンの揺動運動により形成された被加工物172の上面は波打った状態となっているのに対し、円パターンの揺動運動により形成される上面は殆ど平面であるため、揺動運動のパターン変更時には、波打った上面を徐々に平面に成形することが望ましい。下型26の上昇を停止させたのみで通常デージパターンから円パターンに急激に変更すれば、上型12と下型26とに過大な力が作用する場合があるため、その危険を回避するために、本実施形態においては下型26が設定量だけ下降させられるのである。しかし、下型26を下降させることは常に不可欠というわけではなく、油圧ポンプ122を停止させて油圧シリンダ120を停止させるのみでもよく、あるいは油圧ポンプ122の回転数を減少させ、下型26の上昇速度を減少させるのみでもよい場合もある。図4において、パターン変更の間、下型26の位置が不変の状態に描かれているのはこのことを表している。
揺動運動パターンの変更が終了したならば、下型26が上昇を再開させられ、被加工物172は上型12の円パターンの揺動運動により加工されつつ上昇させられる。パターン変更の終了は、揺動運動用NCコントローラ84においてわかり、終了が統合制御コントローラ160を介して昇降運動用NCコントローラ126に伝達される。そして、NCサーボモータ124が制御され、下型26が油圧シリンダ120によりアプローチ位置から初期成形位置への上昇時より低い速度で上昇させられる。リニアスケール162により下型26の仕上成形位置への到達が検出されたならば、NCサーボモータ124が停止させられ、油圧ポンプ122が停止させられる。それにより、油圧シリンダ120への作動油の供給による下型26の積極的な押し上げは停止させられる。
その後も上型12の円パターンの揺動運動は続けられ、被加工物172に円パターンでの揺動運動による加工が施される。下型26が仕上成形位置へ到達するまでの加工により、本体10をはじめとする揺動鍛造機の構成要素,上型12,下型26および被加工物172等に生じた弾性変形ならびに作動油の圧縮(以下、弾性変形等と略称する)が、油圧シリンダ120への作動油の供給停止後における被加工物172の加工の進行により徐々に解放され、下型12が積極的に押し上げられなくても、上型12による被加工物172に対する加工が進行し、仕上げ加工が施される。下型26は、仕上成形位置への到達から設定時間の経過後、図4に示すように小距離下降させられ、弾性変形等の一部が積極的に短時間で解放される(図5参照)。解放後、残っている弾性変形等により、さらに上型12の円パターンでの揺動運動により加工が設定時間行われ、成形が終了する。
下型26は、リニアスケール162の検出値が、仕上成形位置から設定距離下降した位置を検出する値になる位置へ下降させられた後、その位置に設定時間保たれる。この設定時間は、弾性変形等の一部解放後、残った弾性変形等により加工が行われて、弾性変形等の一部解放により被加工物172に生じた段差が消滅させられるに必要かつ十分な時間であり、設定時間が経過した時点では、上記段差が消滅させられるとともに弾性変形等は十分に小さくなっており、下型26が下降端位置へ下降させられ、下降後、NCサーボモータ124への電力の供給が遮断される。この設定時間の経過は、昇降運動用NCコントローラ126から統合制御コントローラ160を介して揺動運動用NCコントローラ84へ伝達され、NCサーボモータ80,82への電力供給も遮断され、停止させられる。そして、成形品突き出し装置150が作動させられ、成形品を下型26から上方へ突き出す。
突き出された成形品は下型26から取り外され、次に加工が施される被加工物172が下型26にセットされる。そして、NCサーボモータ124に電力が供給されて起動され、下型26が上昇を開始させられる。下型26のアプローチ位置への到達に伴ってNCサーボモータ80,82に電力が供給されて起動され、上型12が揺動させられて被加工物172への加工が開始される。駆動モータとして交流誘導モータが使用される従来の揺動鍛造機の場合、図6に示すように、モータの立上がりおよび立下がりに要する各時間が長く、一旦、止めれば、再起動までに、すなわち駆動再開後に所望の回転速度が得られるまでに時間がかかり、1サイクルの成形時間が長くなるため、成形品と被加工物172との交換等が行われる間であって、相続く2つの被加工物の揺動鍛造の間も交流誘導モータを回転し続けることが行われていた。それに対し、NCサーボモータは、一旦停止させても立上がりおよび立下がりに要する時間が短く、短時間で所望の回転速度が得られ、1サイクルの成形時間の増大が抑制されるため、加工終了後にNCサーボモータ80,82,124への電力供給を遮断し、相続く2つの被加工物の揺動鍛造の間にNCサーボモータ80,82を停止させ、エネルギ消費を節約することができる。
なお付言すれば、前述の弾性変形等の一部の積極的な解放により、積極的な解放が行われない場合に比較して仕上加工時間を短縮することができるが、歯のピッチ精度を確保し得ることも必要である。そのため、下型26の仕上成形位置への到達後、弾性変形等の一部解放までの設定時間は、その解放までに行われる仕上げ加工により歯がピッチ精度良く成形される長さに設定され、また、設定時間経過後の下型26の下降距離は、設定時間の経過時に残存する弾性変形等の一部を解放し、残りの弾性変形等によって被加工物172に仕上げ加工が施され、弾性変形等の一部解放により被加工物172に生じた段差が消滅させられる距離に設定される。
しかも、弾性変形等の積極的な一部解放に起因する加工量の不足が考慮されることが望ましい。下型26が弾性変形等の一部解放のために小距離下降させられれば、その分、被加工物の加工量が減少することを避け得ないため、この加工量の減少によっても、所望の寸法の成形品が得られるように、前記下型26の仕上成形位置が設定されることが望ましいのである。下型26が弾性変形等の一部解放のために小距離下降させられた位置が本来の仕上成形位置であって、図4に記載の仕上成形位置は本来の仕上成形位置より弾性変形等の一部解放分だけ高く設定される位置と考えることもできる。本来の仕上成形位置とは、弾性変形等が十分解放されるとともに、設定された寸法の成形品が得られる位置であり、弾性変形等の十分な解放とは、下型26を上型12から離間させても、被加工物172に寸法精度に影響が及ばない状態になるまでの解放である。
以上説明したように、上型12の通常デージパターンおよび円パターンの揺動運動によって被加工物172に加工が行われることにより、短時間で歯のピッチ精度の良い成形品が得られる。上型12の通常デージパターンの揺動運動により、下型26のすぐばかさ歯車170の歯を形成する部分への材料の押込みが、左右歯面の両方について良好に行われるため成形性が良く、短時間でほぼ満足な成形品が得られ、円パターンの揺動運動により荷重変動少なく加工が行われることにより、歯のピッチ精度が向上させられるのである。また、成形性の向上により、材料歩留まりの向上,成形荷重の低減および揺動鍛造機の小型化等の各効果も得られる。上型12の円パターンの揺動運動のみによって加工が行われれば、下型26への材料の十分な押込みのために時間がかかる上、成形品の余肉部が大きくなって歩留まりが悪いのに対し、上型12の通常デージパターンの揺動運動を組み合わせることにより、材料の下型26への押込みが容易になって加工時間が短くて済むとともに、余肉部が小さくなって歩留まりが向上するのであり、生産性が向上する。また、通常デージパターンの揺動運動により、上型12の下型26に対する傾斜角度が変化しつつ加工が行われることによって成形荷重が低減し、さらに、成形荷重の低減およびNCサーボモータ80,82の使用による回転駆動装置20の小形化により、揺動鍛造機を小形化することができる。また、成形性およびピッチ精度の向上により、加工後に成形品に施す処理、例えば、熱処理後に研削等を行うにあたり取り代が少なくて済み、処理時間が短くて済む上、鍛流線が切られることが少なく、強度上良好な成形品が得られる。
第1型には、第1型と第2型との相対傾斜角度の増大過程と減少過程との一方の全部に片側デージパターンの揺動運動を付与し、他方の全部にシーソパターンの揺動運動を付与することが望ましい場合もある。その一例を図7に示す。この揺動運動のパターンは、例えば、図8に示すハイポイドギヤ180の成形時に上型に付与するのに適している。図7のパターンは、上型に、上型と下型との相対傾斜角度の増大過程の全部において片側デージパターンの揺動運動を付与し、減少過程の全部においてシーソパターンの揺動運動を付与するパターンである。ハイポイドギヤ180は、歯182が湾曲させられており、ハイポイドギヤ180の中心線に平行で歯すじに直角な平面184で切断した場合の歯182の断面形状において、図9に示すように、歯面186,188の傾斜が歯182の湾曲の凸側において凹側より急である。したがって、図10に示すように、ハイポイドギヤ180を成形するための下型190の歯182を形成する溝192も湾曲させるとともに、溝側面194,196の傾斜を、溝192の湾曲の凸側において凹側より急にする必要があり、揺動鍛造時における材料の充填性が、傾斜が急な溝側面194側において傾斜の緩やかな溝側面196側に比較して悪くなる。そのため、図8に示すハイポイドギヤ180の揺動鍛造を行う場合には、図7に示すように、上型と下型との相対傾斜角度の増大過程において片側デージパターンの揺動運動を付与する一方、相対傾斜角度の減少過程においてはシーソパターンの揺動運動を付与して、被加工物172の材料の、傾斜が急な側の溝側面194に向かう向きの流れを、傾斜が緩やかな側の溝側面196に向かう流れより強く促すことが、両溝側面194,196への材料の密着性(下型190のキャビティへの充填性)を可及的に均等にし、図8に示すハイポイドギヤ180の揺動鍛造を行う上で有利なのである。
なお、上型と下型との相対傾斜角度の減少過程の全部において片側デージパターンの揺動運動を付与し、増大過程の全部においてシーソパターンの揺動運動を付与するパターンによっても類似の効果を得ることができる。しかし、増大過程の全部において片側デージパターンの揺動運動を付与し、減少過程の全部においてシーソパターンの揺動運動を付与する方が望ましい。
第1,第2型の相対傾斜角度の増大過程の全部において片側デージパターンの揺動運動を付与し、減少過程の全部においてシーソパターンの揺動運動を付与する揺動運動パターンは、図11(a)に一部を概略的に示す歯車200のように、歯202の歯先面204と一方の歯面206との成す角が鋭角であり、歯先面204と他方の歯面208との成す角が鈍角である歯車の成形に特に適している。この歯車200の成形は、図11(b)に一部を概略的に示す下型210により行われ、この下型210の溝212の底面214と一方の溝側面216とが鋭角を成し、底面214と他方の溝側面218とが鈍角を成す。そのため、溝212の底面214との成す角が鈍角である溝側面218は上方へ開放されていて材料が押し込まれ易いのに対し、溝212の底面214との成す角が鋭角である溝側面216は下方を向いていて材料が押し込まれ難い。したがって、溝212の溝側面216側の部分について片側デージパターンによって材料が押し込まれ、隅まで充填されるようにすることが特に有効なのである。
第1型に付与する揺動運動パターンは、図12(a)〜図12(d)に示すように、第1型に、第1,第2型の相対傾斜角度の増大過程と減少過程との一方の全部においてシーソパターンの揺動運動を付与し、他方の一部において片側デージパターンの揺動運動を付与し、残りにおいてシーソパターンの揺動運動を付与するパターンとすることもできる。揺動鍛造による歯車の歯の成形は、相対傾斜角度の増大過程の後期および減少過程の前期における第1型の揺動により行われる。したがって、片側デージパターンの揺動運動を、図12(a)に示すように、相対傾斜角度の減少過程の後期において付与し、あるいは図12(b)に示すように、相対傾斜角度の増大過程の前期において付与するようにすれば、歯車の歯の部分の成形は、相対傾斜角度の増大過程においても減少過程においてもシーソパターンにより行われ、相対傾斜角度の減少過程から増大過程への移行が第1型の揺動運動の片側デージパターンからシーソパターンへの変更あるいはシーソパターンから片側デージパターンへの変更により滑らかに行われる。これら揺動運動パターンは、すぐば歯車の成形に適している。また、片側デージパターンの揺動運動を、図12(c)に示すように、相対傾斜角度の増大過程の後期において付与し、あるいは図12(d)に示すように、相対傾斜角度の減少過程の前期において付与するようにすれば、第2型の溝への材料の充填性が、片側デージパターンの揺動運動が付与される部分において、シーソパターンの揺動運動が付与される部分に比較して良好になる。これら揺動運動パターンは、ハイポイドギヤ等の曲がりば歯車の成形に適している。片側デージパターンを含む揺動運動パターンにより、第2型の傾斜が急な溝側面側への材料の充填を行う場合、片側デージパターンの揺動運動は相対傾斜角度の増大過程において行われることが望ましく、図12(c)に示す揺動運動パターンの方が図12(d)に示す揺動運動パターンより望ましい。
なお付言すれば、第1型の揺動運動の制御と、第1型と第2型との接近,離間の制御と、それらの統合制御とは、1つのコントローラによる1つのプログラムの実行により行うことも可能であり、その場合、1つのコンピュータおよび駆動回路が、揺動運動用NCコントローラ,接近,離間運動制御用NCコントローラおよび統合制御コントローラを兼ねると考えればよい。
12:上型 14:揺動軸 16,18:偏心リング 20:回転駆動装置 26:下型 30:昇降装置 62:上型取付部 80,82:NCサーボモータ 84:揺動運動用NCコントローラ 112:下型取付部 120:油圧シリンダ 122:油圧ポンプ 124:NCサーボモータ 126:昇降運動用NCコントローラ 160:統合制御コントローラ 162:リニアスケール 170:すぐばかさ歯車 172:被加工物 180:ハイポイドギヤ 190:下型 200:歯車 210:下型

Claims (14)

  1. 回転軸線まわりに回転可能であり、その回転軸線に対して偏心した第1内周面を有する第1偏心リングと、その第1内周面の中心線である第1偏心軸まわりに回転可能であり、その第1偏心軸に対して偏心した第2内周面を有する第2偏心リングとの回転を関連制御することにより、第1型に揺動運動を付与するとともに、その第1型に第2型を対向させて配置し、それら第1型と第2型との間で被加工物を揺動鍛造する方法であって、
    前記第1偏心リングと前記第2偏心リングとをそれぞれNCサーボモータに駆動させ、それら2台のNCサーボモータを制御プログラムに基づいて関連制御することにより前記第1型に所望の揺動運動を付与するとともに、その第1型と前記第2型とを互いに接近させることにより、それら第1型と第2型との間で被加工物を揺動鍛造することを特徴とする揺動鍛造方法。
  2. 前記第1型と前記第2型との1ストロークの接近運動の途中に、前記第1型の揺動運動を停止させることなく、少なくとも1回、前記揺動運動のパターンを変更することを特徴とする請求項1に記載の揺動鍛造方法。
  3. 前記第1型と前記第2型との前記1ストロークの接近運動の初期にはそれら両型の相対傾斜角度の変化を伴うパターンの揺動運動を付与し、末期にはその相対傾斜角度の変化を伴わない円パターンの揺動運動を付与する請求項2に記載の揺動鍛造方法。
  4. 前記第1型と前記第2型とに、それら両型の相対傾斜角度の増大過程と減少過程とにおいて互いに異なるパターンの揺動運動を付与する請求項1ないし3のいずれかに記載の揺動鍛造方法。
  5. 一体に軸部を含む被加工物を、軸部の回転を阻止した状態で固定し、その軸部の一端に揺動鍛造を施す請求項1ないし4のいずれかに記載の揺動鍛造方法。
  6. 前記被加工物をかさ状歯車に加工する請求項1ないし5のいずれかに記載の揺動鍛造方法。
  7. 前記第1型と前記第2型とを接近,離間させる運動である接近,離間運動を液圧アクチュエータに対する作動液の供給,排出により行うとともに、その液圧アクチュエータへの前記作動液の供給,排出のうち少なくとも供給をNCサーボモータを駆動源とする液圧ポンプによって行う請求項1ないし6のいずれかに記載の揺動鍛造方法。
  8. 前記第1型と前記第2型とを接近,離間させる運動である接近,離間運動を液圧アクチュエータに対する作動液の供給,排出により行うとともに、その液圧アクチュエータへの前記作動液の供給および排出を、正逆両方向の回転が可能な液圧ポンプと、その液圧ポンプを駆動するNCサーボモータとによって行う請求項1ないし6のいずれかに記載の揺動鍛造方法。
  9. 前記第1型と前記第2型とのうち前記接近,離間運動を行う側の型である接近,離間型の位置を検出し、その位置検出の結果に基づいて前記第1型と前記第2型との1ストロークの接近,離間運動の途中において少なくとも1回、前記揺動運動のパターンの変更を行う請求項7または8に記載の揺動鍛造方法。
  10. 前記第1型と前記第2型とを接近,離間させる運動である接近,離間運動において、接近運動の終了後、予め設定された距離離間させて、前記揺動鍛造を行う揺動鍛造装置と前記被加工物との弾性変形の一部を解放し、その状態で設定時間の揺動鍛造を継続した上で、前記第1型と前記第2型とを十分離間させる請求項1ないし9のいずれかに記載の揺動鍛造方法。
  11. 回転軸線まわりに回転可能であり、その回転軸線に対して偏心した第1内周面を有する第1偏心リングと、
    その第1内周面の中心線である第1偏心軸まわりに回転可能であり、その第1偏心軸に対して偏心した第2内周面を有する第2偏心リングと、
    それら第1偏心リングおよび第2偏心リングを回転駆動する回転駆動装置と、
    前記第2偏心リングの前記第2内周面に嵌合された自動調心軸受と、
    1点のまわりに揺動可能であり、かつ、前記自動調心軸受により揺動および回転可能に保持された揺動軸と、
    その揺動軸に設けられ、第1型が取り付け可能な第1型取付部と、
    その第1型取付部に対向した状態に第2型を取り付け可能な第2型取付部と、
    その第2型取付部を前記第1型取付部に対して接近,離間させる接近,離間装置と
    を含む揺動鍛造装置であって、前記回転駆動装置が、
    前記第1偏心リングを回転駆動する第1NCサーボモータと、
    前記第2偏心リングを回転駆動する第2NCサーボモータと、
    揺動運動制御プログラムの実行により前記第1NCサーボモータと前記第2NCサーボモータとを関連制御することによって、前記第1型取付部に取り付けられた第1型に所定の揺動運動を行わせる揺動運動用NCコントローラと
    を含むことを特徴とする揺動鍛造装置。
  12. 前記接近,離間装置が、
    液圧シリンダと、
    その液圧シリンダに作動液を圧送する液圧ポンプと、
    その液圧ポンプを駆動する第3NCサーボモータと、
    接近,離間運動制御プログラムの実行により前記第3NCサーボモータを制御し、前記液圧ポンプの回転を制御して、少なくとも、前記第2型取付部に取り付けられた第2型の第1型に対する接近運動を制御する接近,離間運動用NCコントローラと
    を含む請求項11に記載の揺動鍛造装置。
  13. 前記液圧ポンプが正逆両方向に回転可能なものであり、正方向の回転により前記第1型を前記第2型に接近させ、逆方向の回転により前記第1型を前記第2型から離間させる請求項12に記載の揺動鍛造装置。
  14. さらに、前記揺動運動制御プログラムと前記接近,離間運動制御プログラムとを関連付けて実行する総合制御部を含む請求項12または13に記載の揺動鍛造装置。
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