JP2013130885A - 符号化方法、復号方法、それらの装置、プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1次のPARCOR係数の絶対値が予め定められた閾値以上となる場合に、2次のPARCOR係数に対応する符号を生成するための符号化方法として第1可変長符号化方法を選択し、1次のPARCOR係数の絶対値が閾値未満となる場合に、2次のPARCOR係数に対応する符号を生成するための符号化方法として第1可変長符号化方法と異なる第2可変長符号化方法を選択し、選択された符号化方法を用い、2次のPARCOR係数を量子化して得られた2次の量子化PARCOR係数を符号化し、2次のPARCORに対応する符号を生成する。
【選択図】図34
Description
符号化装置1010のフレームバッファ1011には、標本化・量子化されたPCM (pulse code modulation)形式の時系列信号x(n)(nは離散時間を示すインデックス)が入力される。フレームバッファ1011は、予め定められた時間区間(以下、「フレーム」と呼ぶ)分の時系列信号x(n)(n=1,...,N)(Nは正の整数)をバッファし、符号化装置1010は、フレーム毎に時系列信号x(n)(n=1,...,N)を符号化する。
e(n)=x(n)+α(1)・x(n-1)+α(2)・x(n-2)+...+α(M)・x(n-M)
y(n)=-{α(1)・x(n-1)+α(2)・x(n-2)+...+α(M)・x(n-M)}
復号装置1020に入力された符号Cgは、分離部1021で係数符号Ckと残差符号Ceとに分離される。係数符号Ckと残差符号Ceは、それぞれ係数復号部1022と残差復号部1023で復号され、1次からM次までの量子化PARCOR係数i(m)(m=1,...,M)と、予測残差e(n)(n=1,...,N)とが生成される。1次からM次までの量子化PARCOR係数i(m)(m=1,...,M)は、線形予測係数変換部1024に送られる。線形予測係数変換部1024は、これらを用いて予測次数Mの線形予測フィルタの各線形予測係数α(m)(m=1,...,M)を算出する。線形予測部1025は、算出された各線形予測係数α(m)(m=1,...,M)と過去に加算部1026から出力された時系列信号x(n)とを用い、線形予測によって線形予測値y(n)を生成する。加算部1026は、線形予測値y(n)と予測残差e(n)とを加算して時系列信号x(n)を生成する(逆予測フィルタ処理)。
以下では、本発明の原理を説明した後、各実施形態の説明を行っていく。
<PARCOR係数の相関>
線形予測モデルを特定するパラメータとしてPARCOR係数をみた場合、本来、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とは相関を持たない。しかし、音響信号、映像信号、生体信号、地震波信号、センサーアレイ信号などの時系列信号の線形予測分析を行った場合、それらの信号の特徴から、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との間に相関関係が存在することが多い(未公開)。
以上説明したように、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との間には相関がある(未公開)。本発明ではこの相関を利用し、PARCOR係数に対応する符号を生成する。そして、復号時には、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との相関を利用してPARCOR係数を復号する。
第1態様の符号化装置は、(I)入力された時系列信号を線形予測分析することにより、少なくとも、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とをそれぞれ算出し、(II)算出された1次のPARCOR係数に応じて定まる値と2次のPARCOR係数に応じて定まる値との間に成り立つ関係式に応じて定まるパラメータを算出し、(III)当該パラメータと、1次のPARCOR係数又は2次のPARCOR係数の何れか一方と、を含む情報に対応する符号を生成する。この場合の復号装置は、(IV)1次のPARCOR係数に応じて定まる値と2次のPARCOR係数に応じて定まる値との間に成り立つ関係式に応じて定まるパラメータと、当該1次のPARCOR係数又は当該2次のPARCOR係数の何れか一方と、を含む情報に対応する符号を復号し、少なくとも、当該パラメータと、当該1次のPARCOR係数に対応する復号値又は当該2次のPARCOR係数に対応する復号値とを生成し、(V)パラメータと1次のPARCOR係数に対応する復号値とを用い、2次のPARCOR係数の復元値を算出するか、又は、パラメータと2次のPARCOR係数に対応する復号値とを用い、1次のPARCOR係数の復元値を算出する。
第1乗算値+第1変数値=2次のPARCOR係数に応じて定まる値、
となる等式。ただし、第1乗算値=予め定められた重み係数×1次のPARCOR係数に応じて定まる値、である。
第2乗算値+第2変数値=2次のPARCOR係数に応じて定まる値、
となる等式。ただし、第2乗算値=予め定められた重み係数×2次のPARCOR係数に応じて定まる値、である。
《パラメータ(A)》関係式(A)を満たす第1変数値に応じて定まる値。
《パラメータ(B)》関係式(B)を満たす第2変数値に応じて定まる値。
第1頻度:第1符号化対象に第2符号化対象の符号よりも短い符号長の符号が割り当てられる頻度。
第2頻度:第1符号化対象に第2符号化対象の符号よりも長い符号長の符号が割り当てられる頻度。
《ステップ(V-b)》2次のPARCOR係数に対応する復号値の絶対値を予め定められた第2閾値以上と比較する。その比較結果から、パラメータと2次のPARCOR係数に対応する復号値とを用いて1次のPARCOR係数の復元値を算出するか否かを判定する。
第2態様の符号化装置は、(VI)入力された時系列信号を線形予測分析することにより、少なくとも、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とをそれぞれ算出し、(VII)1次のPARCOR係数の絶対値が予め定められた閾値以上となる場合に、2次のPARCOR係数に対応する符号を生成するための符号化方法として第1可変長符号化方法を選択し、1次のPARCOR係数の絶対値が閾値未満となる場合に、2次のPARCOR係数に対応する符号を生成するための符号化方法として第1可変長符号化方法と異なる第2可変長符号化方法を選択し、(VIII)ステップ(VII)で選択された符号化方法を用い、2次のPARCOR係数を量子化して得られた2次の量子化PARCOR係数を符号化し、2次のPARCORに対応する符号を生成する。なお、ステップ(VII)における予め定められた閾値は−1以上1以下の値であるが、その閾値判定は、量子化前の領域で行われてもよいし、量子化後の領域で行われてもよい。
次に、本発明の第1実施形態を説明する。
・1次のPARCOR係数に応じて定まる値:1次のPARCOR係数。これは「1次のPARCOR係数の増加に対して広義単調増加する値」である。
・2次のPARCOR係数に応じて定まる値:2次のPARCOR係数。これは「2次のPARCOR係数の増加に対して広義単調増加する値」である。
・パラメータ:上記関係式を満たす第1変数値を量子化して得られた第1量子化変数値。これは「第1変数値に応じて定まる値」であり、当該パラメータの絶対値は、第1変数値の増加に対して広義単調増加する。なお、「第1量子化変数値」は、第1変数値の量子化値そのものであってもよいし、当該第1変数値の量子化値に付されたインデックスであってもよい(以下同様)。
・ステップ(III)の符号:パラメータと1次のPARCOR係数とを含む情報に対応する符号。
図7は、第1実施形態の符号化装置10の機能構成を説明するためのブロック図である。図8(A)は、図7に示した非線形量子化部11及びパラメータ算出部12の詳細を説明するためのブロック図であり、図8(B)は、図7に示した係数符号化部13の詳細を説明するためのブロック図である。また、図9は、第1実施形態の復号装置20の機能構成を説明するためのブロック図である。図10(A)は、図9に示した係数復号部21の詳細を説明するためのブロック図であり、図10(B)は、図9に示したPARCOR係数算出部22の詳細を説明するためのブロック図である。なお、これらの図において図1や図2と同じ構成については、図1や図2と同じ参照番号を用いる。
図11は、第1実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャートである。以下、図11を用いて本形態の符号化方法を説明する。なお、以下では1フレーム分の処理のみを説明するが、実際は同様な処理が各フレームについて実行される。
ステップS30では、まず、パラメータ算出部12(図8(A))の逆量子化部12aが、非線形量子化部11から出力された1次の量子化PARCOR係数i(1)を逆量子化し、1次のPARCOR係数k'(1)(「1次のPARCOR係数に応じて定まる値」に相当)を生成する(ステップS31)。なお、量子化PARCOR係数i(m)を逆量子化する処理は、量子化PARCOR係数i(m)に対応するPARCOR係数k(m)の範囲のうちの予め定めた何れかの値k'(m)を求める処理である。例えば、η1≦k(m)<η2のPARCOR係数k(m)に対応する量子化PARCOR係数がi(m)である場合、量子化PARCOR係数i(m)を逆量子化したPARCOR係数k'(m)の例はη1とη2の平均値である。
図12は、第1実施形態の復号方法を説明するためのフローチャートである。以下、図12を用いて本形態の復号方法を説明する。なお、以下では1フレーム分の処理のみを説明するが、実際は同様な処理が各フレームについて実行される。
ステップS140では、逆量子化部22aが、係数復号部21から出力された量子化PARCOR係数i(m')(m'=1,3,...,M)を逆量子化し、1次からM次(2次を除く)までのPARCOR係数k'(m')(m'=1,3,...,M)を生成する(ステップS141)。また、逆量子化部22cが、係数復号部21から出力されたパラメータbを逆量子化し、パラメータbの逆量子化値b'を生成する(ステップS142)。そして、重み係数乗算部22bと加算部22dとが、逆量子化によって得られた1次のPARCOR係数k'(1)と、予め定められた重み係数aと、パラメータbの逆量子化値b'とを用い、2次のPARCOR係数k'(2)=a・ k'(1)+b'を生成する(ステップS143)。本形態では、重み係数乗算部22bが、予め定められた重み係数aに、逆量子化によって得られた1次のPARCOR係数k'(1)を乗じた第1乗算値a・ k'(1)を生成し、加算部22dが、当該第1乗算値a・ k'(1)とパラメータbの逆量子化値b'とを加算することで2次のPARCOR係数k'(2)を生成する。しかし、逆量子化値b'を初期値としてk'(1)を加算する処理をa回繰り返して2次のPARCOR係数k'(2)=a・k'(1)+b'を算出するなど、その他の方法で2次のPARCOR係数k'(2)を求めてもよい([ステップS140の詳細]の説明終わり)。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
・1次のPARCOR係数に応じて定まる値:1次のPARCOR係数を量子化して得られた1次の量子化PARCOR係数。
・2次のPARCOR係数に応じて定まる値:2次のPARCOR係数を量子化して得られた2次の量子化PARCOR係数。
・パラメータ:上記関係式を満たす第1変数値。これは「第1変数値に応じて定まる値」であり、当該パラメータの絶対値は、第1変数値の増加に対して広義単調増加する。
・ステップ(III)の符号:パラメータと1次のPARCOR係数とを含む情報に対応する符号。
第2実施形態と第1実施形態との構成上の相違点は、符号化装置10のパラメータ算出部と、復号装置20のPARCOR係数算出部である。
図16は、第2実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャートである。以下、図16を用いて第2実施形態の符号化方法を説明する。
図17は、第2実施形態の復号方法を説明するためのフローチャートである。以下、図17を用いて第2実施形態の復号方法を説明する。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
・1次のPARCOR係数に応じて定まる値:1次のPARCOR係数。これは「1次のPARCOR係数の増加に対して広義単調増加する値」である。
・2次のPARCOR係数に応じて定まる値:2次のPARCOR係数。これは「2次のPARCOR係数の増加に対して広義単調増加する値」である。
・パラメータ:上記関係式を満たす第2変数値を量子化して得られた第2量子化変数値。これは「第2変数値に応じて定まる値」であり、当該パラメータの絶対値は、第2変数値の増加に対して広義単調増加する。なお、「第2量子化変数値」は、第2変数値の量子化値そのものであってもよいし、当該第2変数値の量子化値に付されたインデックスであってもよい(以下同様)
・ステップ(III)の符号:パラメータと2次のPARCOR係数とを含む情報に対応する符号。
図18は、第3実施形態の符号化装置210の機能構成を説明するためのブロック図である。図19は、第3実施形態の復号装置320の機能構成を説明するためのブロック図である。また、図20(A)は、図18に示した非線形量子化部11及びパラメータ算出部212の詳細を説明するためのブロック図であり、図20(B)は、図19に示したPARCOR係数算出部222の詳細を説明するためのブロック図である。なお、これらの図において、第1実施形態で既に説明した部分については、第1実施形態と同じ参照番号を用いることとし、その説明を簡略化する。
図21は、第3実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャートである。以下、図21を用いて第3実施形態の符号化方法を説明する。
ステップS430では、まず、パラメータ算出部212の逆量子化部212aが、非線形量子化部11から出力された2次の量子化PARCOR係数i(2)を逆量子化し、2次のPARCOR係数k'(2)(「2次のPARCOR係数に応じて定まる値」に相当)を生成する(ステップS431)。
図22は、第3実施形態の復号方法を説明するためのフローチャートである。以下、図22を用いて第3実施形態の復号方法を説明する。
ステップS540では、PARCOR係数算出部222の逆量子化部222aが、係数復号部21から出力された量子化PARCOR係数i(m'')(m''=2,3,...,M)を逆量子化し、2次からM次までのPARCOR係数k'(m'')(m'=2,3,...,M)を生成する(ステップS541)。また、逆量子化部222cが、係数復号部21から出力されたパラメータbを逆量子化し、パラメータbの逆量子化値b'を生成する(ステップS542)。そして、重み係数乗算部222bと加算部222dとが、逆量子化によって得られた2次のPARCOR係数k'(2)と、予め定められた重み係数aと、パラメータbの逆量子化値b'とを用い、1次のPARCOR係数k'(1)=a・k'(2)+b'を生成する(ステップS543)。本形態では、重み係数乗算部222bが、予め定められた重み係数aに、逆量子化によって得られた2次のPARCOR係数k'(2)を乗じた第2乗算値a・ k'(2)を生成し、加算部222dが、当該第2乗算値a・ k'(2)とパラメータbの逆量子化値b'とを加算することで1次のPARCOR係数k'(1)を生成する。しかし、逆量子化値b'を初期値としてk'(2)を加算する処理をa回繰り返して1次のPARCOR係数k'(1)=a・k'(2)+b'を算出するなど、その他の方法で1次のPARCOR係数k'(1)を求めてもよい([ステップS540の詳細]の説明終わり)。
第3実施形態は、第1実施形態における1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との取り扱いを逆にし、2次のPARCOR係数とパラメータとを含む情報に対応する符号によってPARCOR係数を符号化し、この符号から1次のPARCOR係数を復元可能な形態であった。しかし、第2実施形態における1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との取り扱いを逆にし、2次のPARCOR係数とパラメータとを含む情報に対応する符号によってPARCOR係数を符号化し、この符号から1次のPARCOR係数を復元可能な形態であってもよい。
・1次のPARCOR係数に応じて定まる値:1次のPARCOR係数を量子化して得られた1次の量子化PARCOR係数。
・2次のPARCOR係数に応じて定まる値:2次のPARCOR係数を量子化して得られた2次の量子化PARCOR係数。
・パラメータ:上記関係式を満たす第2変数値。これは「第2変数値に応じて定まる値」であり、当該パラメータの絶対値は、第2変数値の増加に対して広義単調増加する。
・ステップ(III)の符号:パラメータと2次のPARCOR係数とを含む情報に対応する符号。
第1実施形態の方法でPARCOR係数を符号化した場合と、第3実施形態の方法でPARCOR係数を符号化した場合と、従来の方法でPARCOR係数を符号化した場合との符号量を比較し、フレームごとに最も符号量が小さい符号化方法を選択する構成であってもよい。図23は、第3実施形態の変形例2における符号化装置310の機能構成を説明するためのブロック図である。この例では、パラメータ算出部12が、第1実施形態で説明したようにパラメータ(b1と表記する)を生成し、パラメータ算出部212が、第3実施形態で説明したようにパラメータ(b2と表記する)を生成する。そして、係数符号化部313は、パラメータ算出部12から出力されたパラメータb1の符号と1次の量子化PARCOR係数i(1)の符号との合計符号量と、パラメータ算出部212から出力されたパラメータb2の符号と2次の量子化PARCOR係数i(2)の符号との合計符号量と、1次の量子化PARCOR係数i(1)の符号と2次の量子化PARCOR係数i(2)の符号との合計符号量と、を比較し、合計符号量が最小となる符号化方法を選択する。
次に、本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態は、1次のPARCOR係数が予め定められた閾値以上となる場合に、本発明の1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との相関を利用した符号化方法を実行し、PARCOR係数が予め定められた閾値未満となる場合に、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とを互いに独立に符号化する形態である。以下では、上述の〔原理〕の[第1態様]で説明した枠組みのうち、以下の構成について説明する。ただし、これは本発明を限定するものではない。
・ステップ(V)は、1次のPARCOR係数に対応する復号値の絶対値が予め定められた第2閾値以上となる場合に、パラメータと1次のPARCOR係数に対応する復号値とを用い、2次のPARCOR係数の復元値を算出するステップである。
・1次のPARCOR係数に応じて定まる値:1次のPARCOR係数。これは「1次のPARCOR係数の増加に対して広義単調増加する値」である。
・2次のPARCOR係数に応じて定まる値:2次のPARCOR係数。これは「2次のPARCOR係数の増加に対して広義単調増加する値」である。
・パラメータ:上記関係式を満たす第1変数値を量子化して得られた第1量子化変数値。これは「第1変数値に応じて定まる値」であり、当該パラメータの絶対値は、第1変数値の増加に対して広義単調増加する。
・ステップ(III)の符号:パラメータと1次のPARCOR係数とを含む情報に対応する符号。
図24は、第4実施形態の符号化装置410の機能構成を説明するためのブロック図である。図25は、図24に示した非線形量子化部11、パラメータ算出部12、及び選択部411の詳細を説明するためのブロック図である。また、図26は、第4実施形態の復号装置420の機能構成を説明するためのブロック図である。図27は、図26に示したPARCOR係数算出部422の詳細を説明するためのブロック図である。なお、これらの図において、第1実施形態で既に説明した部分については、第1実施形態と同じ参照番号を用いることとし、その説明を簡略化する。
図28は、第4実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャートである。以下、図28を用い、第1実施形態との相違点を中心に第4実施形態の符号化方法を説明する。
図29は、第4実施形態の復号方法を説明するためのフローチャートである。以下、図29を用い、第1実施形態との相違点を中心に第4実施形態の符号化方法を説明する。
第4実施形態の変形例1も、1次のPARCOR係数が予め定められた閾値以上となる場合に、本発明の1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との相関を利用した符号化方法を実行し、1次のPARCOR係数が予め定められた閾値未満となる場合に、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とを互いに独立に符号化する形態である。ただし、第4実施形態では、第1実施形態で説明した方法によって「1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との相関を利用した符号化方法」を実現していたのに対し、第4実施形態の変形例1では、第2実施形態で説明した方法によってこれを実現する。すなわち、第4実施形態の変形例1は、上述の〔原理〕の[第1態様]で説明した枠組みのうち、以下の構成に関するものである。ただし、これは本発明を限定するものではない。
・ステップ(V)は、1次のPARCOR係数に対応する復号値の絶対値が予め定められた第2閾値以上となる場合に、パラメータと1次のPARCOR係数に対応する復号値とを用い、2次のPARCOR係数の復元値を算出するステップである。
・2次のPARCOR係数に応じて定まる値:2次のPARCOR係数を量子化して得られた2次の量子化PARCOR係数。
・パラメータ:上記関係式を満たす第1変数値。これは「第1変数値に応じて定まる値」であり、当該パラメータの絶対値は、第1変数値の増加に対して広義単調増加する。
・ステップ(III)の符号:パラメータと1次のPARCOR係数とを含む情報に対応する符号。
第4実施形態の変形例1と第4実施形態との構成上の相違点は、符号化装置410の選択部及びパラメータ算出部と、復号装置420のPARCOR係数算出部である。
図32は、第4実施形態の変形例1の符号化方法を説明するためのフローチャートである。以下、図32を用いて第4実施形態の変形例1の符号化方法を説明する。
図33は、第4実施形態の変形例1の復号方法を説明するためのフローチャートである。以下、図33を用い、第4実施形態との相違点を中心に第4実施形態の変形例1の符号化方法を説明する。
第4実施形態及びその変形例1において、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との取り扱いを逆にし、2次のPARCOR係数とパラメータとを含む情報に対応する符号によってPARCOR係数を符号化し、この符号から1次のPARCOR係数を復元可能な構成とする。すなわち、上述の〔原理〕の[第1態様]で説明した枠組みのうち、以下の構成をとる。なお、これは本発明を限定するものではない。
・ステップ(V)は、2次のPARCOR係数に対応する復号値の絶対値が予め定められた第2閾値以上となる場合に、パラメータと2次のPARCOR係数に対応する復号値とを用い、1次のPARCOR係数の復元値を算出するステップである。
・2次のPARCOR係数に応じて定まる値:2次のPARCOR係数。
・パラメータ:上記関係式を満たす第2変数値を量子化して得られた第2量子化変数値。これは「第2変数値に応じて定まる値」であり、「第2変数値の増加に対して広義単調増加する値」である。
・ステップ(III)の符号:パラメータと2次のPARCOR係数とを含む情報に対応する符号。
・1次のPARCOR係数に応じて定まる値:1次のPARCOR係数を量子化して得られた1次の量子化PARCOR係数。
・2次のPARCOR係数に応じて定まる値:2次のPARCOR係数を量子化して得られた2次の量子化PARCOR係数。
・パラメータ:上記関係式を満たす第2変数値。
とする構成であってもよい。
次に、本発明の第5実施形態を説明する。
図34は、第5実施形態の符号化装置610の機能構成を説明するためのブロック図である。また、図35は、図34に示した量子化方法選択部611、量子化部612及び符号化方法選択部613の詳細を説明するためのブロック図であり、図36は、図34に示した係数符号化部614の詳細を説明するためのブロック図である。図37は、第5実施形態の復号装置620の機能構成を説明するためのブロック図である。また、図38は、図37に示した係数復号部621の詳細を説明するためのブロック図である。
図39は、第5実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャートである。以下、図39を用いて本形態の符号化方法を説明する。なお、以下では1フレーム分の処理のみを説明するが、実際は同様な処理が各フレームについて実行される。
ステップS910では、まず、符号化方法選択部613は、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値T1以上であるか否かを判定する(ステップS911)。この閾値T1は、PARCOR係数の絶対値がとり得る範囲(0以上1以下)で予め定められる。また、この閾値判定は、量子化前の領域で行ってもよいし、量子化後の領域で行ってもよい。しかし、後述のように、復号時にも同様な閾値判定を行って符号化装置610と復号装置620とで符号化方法の情報を共有する必要があるため、量子化誤差によって符号化時と復号時とで閾値判定結果が相違しないように、量子化後の領域又はそこから逆量子化した領域でステップS911の閾値判定が行われることが望ましい。例えば、ステップS911の閾値判定を量子化後の領域で行う場合、符号化方法選択部613は、入力された1次のPARCOR係数k(1)を1次の量子化PARCOR係数i(1)に変換してから、1次の量子化PARCOR係数i(1)の閾値判定を行う。この場合、閾値判定に用いる閾値は量子化後の領域に変換した閾値となる。また、量子化前の領域と量子化後の領域とで値の大小関係が反転する場合、量子化前の領域と量子化後の領域とでは閾値判定における大小関係が反転する。このように量子化後の領域等で行う閾値判定も「1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値以上であるか否かを判定する」ことに相当する。また、量子化後の領域等のように判定対象の情報が離散値である場合には、判定対象が定められた閾値以上であるか否かを判定するために、判定対象が当該閾値より小さな当該閾値の隣の離散値を越えるか否かを判定する処理を行うことも可能である。そして、符号化方法選択部613は、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値T1以上であると判定した場合、第1可変長符号化方法を選択し(ステップS912)、そうでない場合、第2可変長符号化方法を選択し、選択内容を示すパラメータbを出力する(ステップS913)。なお、この例の場合、符号化方法選択部613は、第1可変長符号化方法を選択した場合にb=0を出力し、第2可変長符号化方法を選択した場合にb=1を出力する。また、第1可変長符号化方法及び第2可変長符号化方法は、前述の〔原理〕の[第2態様]で説明したとおりであり、そのような符号化方法の具体例は、ライス符号化方法やハフマン符号化方法である([ステップS910の詳細]の説明終わり)。
ステップS920では、まず、量子化方法選択部611の判定部611aが、入力された1次のPARCOR係数k(1)が予め定められた第2閾値T2以上であるか否かを判定する(ステップS921)。この閾値T2は、PARCOR係数の絶対値がとり得る範囲(0以上1以下)で予め定められる。その他のステップS921での閾値判定の詳細は、ステップS911で説明した閾値判定と同様であるため説明を省略する。そして、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値T2以上であると判定された場合、切り替え部611bによる処理分岐制御に従い、高精度量子化部612cが第1量子化方法によって入力された2次のPARCOR係数k(2)を量子化し、2次の量子化PARCOR係数i(2)を生成して出力する(ステップS922)。一方、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値T2未満であると判定された場合、切り替え部611bによる処理分岐制御に従い、低精度量子化部612bが第2量子化方法によって入力された2次のPARCOR係数k(2)を量子化し、2次の量子化PARCOR係数i(2)を生成して出力する(ステップS923)。なお、第1量子化方法及び第2量子化方法は、入力信号を線形量子化するための方法でもよいし、非線形量子化するための方法でもよい。ただし、入力信号の或る振幅範囲に対する第1量子化方法の量子化ステップサイズは、それと同一の振幅範囲に対する第2量子化方法の量子化ステップサイズよりも小さい。言い換えると、入力信号の或る振幅範囲に対する第1量子化方法の量子化ステップ数は、それと同一の振幅範囲に対する第2量子化方法の量子化ステップ数よりも多い。つまり、第1量子化方法は第2量子化方法よりも細かい粒度で入力信号の量子化を行う方法である([ステップS920の詳細]の説明終わり)。
ステップS940では、まず、判定部614a(図36)が、パラメータbに示されるステップS910で選択された符号化方法が第1可変長符号化方法であるか否かを判定する(ステップS931)。この例では、b=0であるか否かが判定される。ここで、b=0であると判定された場合、切り替え部614bによる処理分岐制御に従い、可変長符号化部614dが、入力された2次の量子化PARCOR係数i(2)を第1可変長符号化方法で符号化して係数符号Ck(2)を生成して出力する(ステップS932)。一方、b=1であると判定された場合、切り替え部614bによる処理分岐制御に従い、可変長符号化部614eが、入力された2次の量子化PARCOR係数i(2)を第2可変長符号化方法で符号化して係数符号Ck(2)を生成して出力する(ステップS933/[ステップS940の詳細]の説明終わり)。
図40は、第5実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャートである。以下、図40を用いて本形態の復号方法を説明する。なお、以下では1フレーム分の処理のみを説明するが、実際は同様な処理が各フレームについて実行される。
まず、可変長復号部621aから出力された係数符号Ck(1)の復号値である1次の量子化PARCOR係数i(1)が判定部621bに入力される。判定部621bは、当該1次の量子化PARCOR係数i(1)の絶対値が予め定められた閾値T3以上であるか否かを判定する。なお、この閾値T3は、ステップS910の閾値T1をステップS930の量子化方法で量子化した値である。
まず、可変長復号部621aから出力された係数符号Ck(1)の復号値である1次の量子化PARCOR係数i(1)が判定部621fに入力される。判定部621fは、当該1次の量子化PARCOR係数i(1)の絶対値が予め定められた閾値T4以上であるか否かを判定する。なお、この閾値T4は、ステップS920の閾値T2をステップS930の量子化方法で量子化した値である。
〔第5実施形態の変形例1〕
第5実施形態のステップS911とS921との閾値判定処理を統合し、ステップS1041とS1051との閾値判定処理を統合してもよい。
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の第1から第4の実施形態では、符号化装置の係数符号化部が、PARCOR係数に対応する係数符号Ckと、パラメータに対応するパラメータ符号Cbとを別個に生成し、係数符号Ckとパラメータ符号Cbとからなる符号を、PARCOR係数とパラメータとに対応する符号とした。しかし、符号化装置の係数符号化部が、例えば、量子化PARCOR係数とパラメータとのビット結合値を符号化することによって、PARCOR係数とパラメータとに対応する符号を生成してもよい。
20,220,420,620 復号装置
Claims (12)
- (A) 入力された時系列信号を線形予測分析することにより、少なくとも、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とをそれぞれ算出するステップと、
(B) 前記1次のPARCOR係数の絶対値が予め定められた閾値以上となる場合に、前記2次のPARCOR係数に対応する符号を生成するための符号化方法として第1可変長符号化方法を選択し、前記1次のPARCOR係数の絶対値が前記閾値未満となる場合に、前記2次のPARCOR係数に対応する符号を生成するための符号化方法として前記第1可変長符号化方法と異なる第2可変長符号化方法を選択するステップと、
(C) 前記ステップ(B)で選択された符号化方法を用い、前記2次のPARCOR係数を量子化して得られた2次の量子化PARCOR係数を符号化し、前記2次のPARCORに対応する符号を生成するステップと、
を含むことを特徴とする符号化方法。 - 請求項1の符号化方法であって、
前記第1可変長符号化方法は、第1符号化対象の絶対値が第2符号化対象の絶対値よりも予め定められた第1値に近い場合に、当該第1符号化対象に当該第2符号化対象の符号よりも短い符号長の符号が割り当てられる頻度が、当該第1符号化対象に当該第2符号化対象の符号よりも長い符号長の符号が割り当てられる頻度よりも高い符号化方法であり、
前記第2可変長符号化方法は、第1符号化対象の絶対値が第2符号化対象の絶対値よりも予め定められた第2値に近い場合に、当該第1符号化対象に当該第2符号化対象の符号よりも短い符号長の符号が割り当てられる頻度が、当該第1符号化対象に当該第2符号化対象の符号よりも長い符号長の符号が割り当てられる頻度よりも高い符号化方法であり、
前記2次のPARCOR係数の絶対値が1に近いほど、それに対応する前記2次の量子化PARCOR係数が大きい場合には、前記第1値は前記第2値よりも大きく、
前記2次のPARCOR係数の絶対値が1に近いほど、それに対応する前記2次の量子化PARCOR係数が小さい場合には、前記第1値は前記第2値よりも小さい、
ことを特徴とする符号化方法。 - 請求項1又は2の符号化方法であって、
前記ステップ(A)と(C)との間に実行される、
前記1次のPARCOR係数の絶対値が予め定められた第2閾値以上となる場合に、予め定められた第1量子化方法を選択し、前記1次のPARCOR係数の絶対値が予め定められた第2閾値未満となる場合に、前記第1量子化方法よりも量子化ステップサイズが大きい予め定められた第2量子化方法を選択し、選択した量子化方法によって前記2次のPARCOR係数を量子化し、前記2次の量子化PARCOR係数を生成するステップを含む、
ことを特徴とする符号化方法。 - (A) 1次のPARCOR係数に対応する符号を復号し、当該1次のPARCOR係数に対応する復号値を生成するステップと、
(B) 前記1次のPARCOR係数に対応する符号の復号値の絶対値を予め定められた閾値と比較し、予め定められた第1可変長符号化方法に対応する復号方法によって前記2次のPARCOR係数に対応する符号を復号するか、前記第1可変長符号化方法と異なる予め定められた第2可変長符号化方法に対応する復号方法によって前記2次のPARCOR係数に対応する符号を復号するかを判定するステップと、
を含むことを特徴とする復号方法。 - 請求項4の復号方法であって、
前記第1可変長符号化方法は、第1符号化対象の絶対値が第2符号化対象の絶対値よりも予め定められた第1値に近い場合に、当該第1符号化対象に当該第2符号化対象の符号よりも短い符号長の符号が割り当てられる頻度が、当該第1符号化対象に当該第2符号化対象の符号よりも長い符号長の符号が割り当てられる頻度よりも高い符号化方法であり、
前記第2可変長符号化方法は、第1符号化対象の絶対値が第2符号化対象の絶対値よりも予め定められた第2値に近い場合に、当該第1符号化対象に当該第2符号化対象の符号よりも短い符号長の符号が割り当てられる頻度が、当該第1符号化対象に当該第2符号化対象の符号よりも長い符号長の符号が割り当てられる頻度よりも高い符号化方法であり、
前記2次のPARCOR係数の絶対値が1に近いほど、それに対応する前記2次の量子化PARCOR係数が大きい場合には、前記第1値は前記第2値よりも大きく、
前記2次のPARCOR係数の絶対値が1に近いほど、それに対応する前記2次の量子化PARCOR係数が小さい場合には、前記第1値は前記第2値よりも小さい、
ことを特徴とする復号方法。 - 請求項4又は5の復号方法であって、
(C) 前記1次のPARCOR係数に対応する符号の復号値の絶対値を予め定められた第2閾値と比較し、予め定められた第1逆量子化方法を用い、前記2次のPARCOR係数に対応する符号を復号して得られた復号値を逆量子化するか、前記第1逆量子化方法よりも量子化ステップサイズが大きい予め定められた第2逆量子化方法を用い、前記2次のPARCOR係数に対応する符号を復号して得られた復号値を逆量子化するかを判定するステップを含む、
ことを特徴とする復号方法。 - 入力された時系列信号を線形予測分析することにより、少なくとも、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とをそれぞれ算出する線形予測分析部と、
前記1次のPARCOR係数の絶対値が予め定められた閾値以上となる場合に、前記2次のPARCOR係数に対応する符号を生成するための符号化方法として第1可変長符号化方法を選択し、前記1次のPARCOR係数の絶対値が前記閾値未満となる場合に、前記2次のPARCOR係数に対応する符号を生成するための符号化方法として前記第1可変長符号化方法と異なる第2可変長符号化方法を選択する符号化方法選択部と、
前記符号化方法選択部で選択された符号化方法を用い、前記2次のPARCOR係数を量子化して得られた2次の量子化PARCOR係数を符号化し、前記2次のPARCORに対応する符号を生成する符号化部と、
を含むことを特徴とする符号化装置。 - 1次のPARCOR係数に対応する符号を復号し、当該1次のPARCOR係数に対応する復号値を生成する復号部と、
前記1次のPARCOR係数に対応する符号の復号値の絶対値を予め定められた閾値と比較し、予め定められた第1可変長符号化方法に対応する復号方法によって前記2次のPARCOR係数に対応する符号を復号するか、前記第1可変長符号化方法と異なる予め定められた第2可変長符号化方法に対応する復号方法によって前記2次のPARCOR係数に対応する符号を復号するかを判定する復号部と、
を含むことを特徴とする復号装置。 - 請求項1から3の何れかの符号化方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
- 請求項4から6の何れかの復号方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
- 請求項1から3の何れかの符号化方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- 請求項4から6の何れかの復号方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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