JP5253518B2 - 符号化方法、復号方法、それらの装置、プログラム及び記録媒体 - Google Patents

符号化方法、復号方法、それらの装置、プログラム及び記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP5253518B2
JP5253518B2 JP2010544032A JP2010544032A JP5253518B2 JP 5253518 B2 JP5253518 B2 JP 5253518B2 JP 2010544032 A JP2010544032 A JP 2010544032A JP 2010544032 A JP2010544032 A JP 2010544032A JP 5253518 B2 JP5253518 B2 JP 5253518B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
parcor coefficient
value
order
coefficient
order parcor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010544032A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2010073977A1 (ja
Inventor
優 鎌本
登 原田
健弘 守谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2010544032A priority Critical patent/JP5253518B2/ja
Publication of JPWO2010073977A1 publication Critical patent/JPWO2010073977A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5253518B2 publication Critical patent/JP5253518B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10LSPEECH ANALYSIS OR SYNTHESIS; SPEECH RECOGNITION; SPEECH OR VOICE PROCESSING; SPEECH OR AUDIO CODING OR DECODING
    • G10L19/00Speech or audio signals analysis-synthesis techniques for redundancy reduction, e.g. in vocoders; Coding or decoding of speech or audio signals, using source filter models or psychoacoustic analysis
    • G10L19/04Speech or audio signals analysis-synthesis techniques for redundancy reduction, e.g. in vocoders; Coding or decoding of speech or audio signals, using source filter models or psychoacoustic analysis using predictive techniques
    • G10L19/06Determination or coding of the spectral characteristics, e.g. of the short-term prediction coefficients

Description

本発明は、時系列信号を線形予測分析して符号化する技術に関し、特に、線形予測分析によって得られたPARCOR係数の符号化方法、復号方法、それらの装置、プログラム及び記録媒体に関する。
音響信号や映像情報などの時系列信号を通信路によって伝送したり、情報記録媒体に記録する場合、時系列信号を圧縮符号に変換してから伝送したり記録する方法が、伝送効率や記録効率の点で有効である。また、近年のブロードバンドの普及や記憶装置の容量増加に伴い、圧縮率の高さを優先する非可逆圧縮符号化方式よりも、原信号の完全再生を条件とした可逆圧縮符号化方式が重視されつつある(例えば、非特許文献1参照)。そのような中、線形予測分析等の要素技術を用いて音響信号を可逆圧縮符号化する技術がMPEG(Moving Picture Expert Group)の国際標準規格「MPEG-4 ALS」として承認されている(例えば、非特許文献2参照)。
図1は、従来の可逆圧縮符号化方式の符号化装置1010の機能構成を説明するためのブロック図である。図2は、図1の符号化装置1010で生成された符号を復号する復号装置1020の機能構成を説明するためのブロック図である。図3は、図1の符号化装置1010において1次のPARCOR係数と2次のPARCORとが符号化される様子を説明するための図である。まず、これらの図を用いて従来の可逆圧縮符号化方式を説明する。
[符号化方法]
符号化装置1010のフレームバッファ1011には、標本化・量子化されたPCM (pulse code modulation)形式の時系列信号x(n)(nは離散時間を示すインデックス)が入力される。フレームバッファ1011は、予め定められた時間区間(以下、「フレーム」と呼ぶ)分の時系列信号x(n)(n=1,...,N)(Nは正の整数)をバッファし、符号化装置1010は、フレーム毎に時系列信号x(n)(n=1,...,N)を符号化する。
まず、1フレーム分の時系列信号x(n)(n=1,...,N)が線形予測分析部1012に送られ、線形予測分析部1012は、線形予測分析によって1次からM次までのPARCOR係数k(m)(m=1,2,...,M)を算出する。なお、Mは予測次数を示す正の整数である。また、m次のPARCOR係数とは、予測次数mの線形予測モデルのPARCOR係数を意味する。また、線形予測分析では、ある時点nの時系列信号x(n)と、その時点nよりも過去のM個の時点n-1,n-2,...,n-Mの時系列信号x(n-1),x(n-2),...,x(n-M)をそれぞれ係数α(m)(m=1,...,M)(「線形予測係数」と呼ぶ)で重み付けしたものと、予測残差e(n)との間に、線形1次結合が成り立つと仮定する。この仮定に基づいた線形予測モデルは以下のようになる。線形予測分析では、入力された時系列信号x(n)(n=1,...,N)に対し、以下の線形予測係数α(m)(m=1,2,...,M)又はそれに変換可能なPARCOR係数k(m)(m=1,2,...,M)などの係数を算出する。なお、β・γはβとγとの積β×γを示す。
e(n)=x(n)+α(1)・x(n-1)+α(2)・x(n-2)+...+α(M)・x(n-M)
また、ある時点nの時系列信号y(n)を、その時点nよりも過去のM個の時点n-1,n-2,...,n-Mの時系列信号x(n-1),x(n-2),...,x(n-M)を用いて推定する下式の線形FIR(Finite Impulse Response)フィルタを「線形予測フィルタ」と呼ぶ。
y(n)=-{α(1)・x(n-1)+α(2)・x(n-2)+...+α(M)・x(n-M)}
算出された1次からM次までのPARCOR係数k(m)(m=1,2,...,M)は、非線形量子化部1013に送られ、量子化されて1次からM次までの量子化PARCOR係数i(m)(m=1,2,...,M)が生成される。なお、「量子化PARCOR係数」は、PARCOR係数の量子化値そのものであってもよいし、当該PARCOR係数の量子化値に付されたインデックスであってもよい。1次からM次までの量子化PARCOR係数i(m)(m=1,2,...,M)は、係数符号化部1014に送られ、そこでエントロピー符号化されて係数符号Ckが生成される。この符号化は1次からM次までのPARCOR係数k(m)(m=1,2,...,M)それぞれについて独立に行われる。例えば図3に示すように、1次の量子化PARCOR係数i(1)と2次の量子化PARCOR係数i(2)とは、互いに独立にエントロピー符号化される。また、1次からM次までの量子化PARCOR係数i(m)(m=1,2,...,M)は、線形予測係数変換部1015にも送られる。線形予測係数変換部1015は、これらを用いて予測次数Mの線形予測フィルタの各線形予測係数α(m)(m=1,2,...,M)を算出する。線形予測部1016は、1フレーム分の時系列信号x(n)(n=1,...,N)と各線形予測係数α(m)(m=1,2,...,M)とを用い、線形予測によって線形予測値y(n)(n=1,...,N)を生成する。減算部1017は、時系列信号x(n)から線形予測値y(n)を減算した予測残差(「予測誤差」と呼ぶ場合もある)e(n)を算出する(予測フィルタ処理)。算出された予測残差e(n)は残差符号化部1018に送られ、そこでエントロピー符号化されて残差符号Ceが生成される。係数符号化部1014で生成された係数符号Ckと、残差符号化部1018で生成された残差符号Ceは、合成部1019に送られる。係数符号Ckと残差符号Ceは、合成部1019で合成され、符号Cgが生成される。
[復号方法]
復号装置1020に入力された符号Cgは、分離部1021で係数符号Ckと残差符号Ceとに分離される。係数符号Ckと残差符号Ceは、それぞれ係数復号部1022と残差復号部1023で復号され、1次からM次までの量子化PARCOR係数i(m)(m=1,...,M)と、予測残差e(n)(n=1,...,N)とが生成される。1次からM次までの量子化PARCOR係数i(m)(m=1,...,M)は、線形予測係数変換部1024に送られる。線形予測係数変換部1024は、これらを用いて予測次数Mの線形予測フィルタの各線形予測係数α(m)(m=1,...,M)を算出する。線形予測部1025は、算出された各線形予測係数α(m)(m=1,...,M)と過去に加算部1026から出力された時系列信号x(n)とを用い、線形予測によって線形予測値y(n)を生成する。加算部1026は、線形予測値y(n)と予測残差e(n)とを加算して時系列信号x(n)を生成する(逆予測フィルタ処理)。
MatHans, "Lossless Compression of Digital Audio", IEEE SIGNAL PROCESSING MAGAZINE, July 2001, pp.21-32. ISO/IEC 14496-3 AMENDMENT 2: Audio Lossless Cording (ALS), new audio profiles and BSAC extensions.
本発明は、時系列信号の線形予測分析によって得られたPARCOR係数の符号化圧縮率を向上させる技術を提供することを目的とする。
本発明では、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との相関を利用してPARCOR係数に対応する符号を生成する。そして、復号時には、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との相関を利用してPARCOR係数を復号する。
本発明の第1態様では、符号化時に、入力された時系列信号を線形予測分析することにより、少なくとも、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とをそれぞれ算出し、算出された1次のPARCOR係数に応じて定まる値と2次のPARCOR係数に応じて定まる値との間に成り立つ関係式に応じて定まるパラメータを算出し、パラメータと、1次のPARCOR係数又は2次のPARCOR係数の何れか一方と、を含む情報に対応する符号を生成する。そして、復号時に、当該パラメータと、当該1次のPARCOR係数又は当該2次のPARCOR係数の何れか一方と、を含む情報に対応する符号を復号し、少なくとも、当該パラメータと、当該1次のPARCOR係数に対応する復号値又は当該2次のPARCOR係数に対応する復号値と、を生成し、パラメータと1次のPARCOR係数に対応する復号値とを用い、2次のPARCOR係数の復元値を算出するか、又は、パラメータと2次のPARCOR係数に対応する復号値とを用い、1次のPARCOR係数の復元値を算出する。
また、本発明の第2態様では、符号化時に、入力された時系列信号を線形予測分析することにより、少なくとも、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とをそれぞれ算出し、1次のPARCOR係数の絶対値が予め定められた閾値以上となる場合に、2次のPARCOR係数に対応する符号を生成するための符号化方法として第1可変長符号化方法を選択し、1次のPARCOR係数の絶対値が閾値未満となる場合に、2次のPARCOR係数に対応する符号を生成するための符号化方法として第1可変長符号化方法と異なる第2可変長符号化方法を選択し、選択された符号化方法を用い、2次のPARCOR係数を量子化して得られた2次の量子化PARCOR係数を符号化し、2次のPARCORに対応する符号を生成する。そして、復号時に、1次のPARCOR係数に対応する符号の復号値の絶対値を予め定められた閾値と比較し、予め定められた第1可変長符号化方法に対応する復号方法によって2次のPARCOR係数に対応する符号を復号するか、第1可変長符号化方法と異なる予め定められた第2可変長符号化方法に対応する復号方法によって2次のPARCOR係数に対応する符号を復号するかを判定する。
これにより、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とを互いに独立に符号化する場合に比べ、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とに対応する符号の合計符号量を削減することができる。
以上のように本発明では、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との相関を利用してPARCOR係数の符号化を行うことととしたため、時系列信号の線形予測分析によって得られたPARCOR係数の符号化圧縮率を向上させることができる。
従来の可逆圧縮符号化方式の符号化装置の機能構成を説明するためのブロック図。 図1の符号化装置で生成された符号を復号する復号装置の機能構成を説明するためのブロック図。 図1の符号化装置において1次のPARCOR係数と2次のPARCORとが符号化される様子を説明するための図。 音響信号を線形予測分析して得られた1次のPARCOR係数K(1)と2次のPARCOR係数K(2)との関係をプロットしたグラフ。 図5(A)は、音響信号を線形予測分析して得られた1次のPARCOR係数k(1)と2次のPARCOR係数k(2)との比k(2)/k(1)の頻度を例示するグラフである。図5(B)は、1次のPARCOR係数k(1)の大きさに応じ、2次のPARCOR係数k(2)の出現確率分布が変化することを説明するためのグラフである。 2次のPARCOR係数k(2)の頻度と、関係式k(2)=a・k(1)+b(a=-0.75)を満たす-bの頻度とを例示したグラフ。 第1実施形態の符号化装置の機能構成を説明するためのブロック図。 図8(A)は、図7に示した非線形量子化部及びパラメータ算出部の詳細を説明するためのブロック図であり、図8(B)は、図7に示した係数符号化部の詳細を説明するためのブロック図である。 第1実施形態の復号装置の機能構成を説明するためのブロック図。 図10(A)は、図9に示した係数復号部の詳細を説明するためのブロック図であり、図10(B)は、図9に示したPARCOR係数算出部の詳細を説明するためのブロック図である。 第1実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャート。 第1実施形態の復号方法を説明するためのフローチャート。 1次のPARCOR係数の非線形量子化方法を例示して説明するためのグラフ。 2次のPARCOR係数の非線形量子化方法を例示して説明するためのグラフ。 図15(A)は、第2実施形態の非線形量子化部及びパラメータ算出部の詳細を説明するためのブロック図であり、図15(B)は、第2実施形態のPARCOR係数算出部の詳細を説明するためのブロック図である。 第2実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャート。 第2実施形態の復号方法を説明するためのフローチャート。 第3実施形態の符号化装置の機能構成を説明するためのブロック図。 第3実施形態の復号装置の機能構成を説明するためのブロック図。 図20(A)は、図18に示した非線形量子化部及びパラメータ算出部の詳細を説明するためのブロック図であり、図20(B)は、図19に示したPARCOR係数算出部の詳細を説明するためのブロック図である。 第3実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャート。 第3実施形態の復号方法を説明するためのフローチャート。 第3実施形態の変形例2における符号化装置の機能構成を説明するためのブロック図。 第4実施形態の符号化装置の機能構成を説明するためのブロック図。 図24に示した非線形量子化部、パラメータ算出部、及び選択部の詳細を説明するためのブロック図。 第4実施形態の復号装置の機能構成を説明するためのブロック図。 図26に示したPARCOR係数算出部の詳細を説明するためのブロック図。 第4実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャート。 第4実施形態の復号方法を説明するためのフローチャート。 第4実施形態の変形例1における符号化装置の非線形量子化部、選択部及びパラメータ算出部の詳細を説明するためのブロック図。 第4実施形態の変形例1における復号装置のPARCOR係数算出部の詳細を説明するためのブロック図。 第4実施形態の変形例1の符号化方法を説明するためのフローチャート。 第4実施形態の変形例1の復号方法を説明するためのフローチャート。 第5実施形態の符号化装置の機能構成を説明するためのブロック図。 図34に示した量子化方法選択部、量子化部及び符号化方法選択部の詳細を説明するためのブロック図。 図34に示した係数符号化部の詳細を説明するためのブロック図。 第5実施形態の復号装置の機能構成を説明するためのブロック図。 図37に示した係数復号部の詳細を説明するためのブロック図。 第5実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャート。 第5実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャート。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
以下では、本発明の原理を説明した後、各実施形態の説明を行っていく。
〔原理〕
<PARCOR係数の相関>
線形予測モデルを特定するパラメータとしてPARCOR係数をみた場合、本来、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とは相関を持たない。しかし、音響信号、映像信号、生体信号、地震波信号、センサーアレイ信号などの時系列信号の線形予測分析を行った場合、それらの信号の特徴から、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との間に相関関係が存在することが多い(未公開)。
例えば、音響信号を線形予測分析した場合、1次のPARCOR係数は1付近となることが多く、その場合、2次のPARCOR係数は−1付近となることが多い。また、音響信号が白色雑音に近く、自己相関関数の1次値(=1次のPARCOR係数)が0に近い場合には、2次のPARCOR係数も0に近い場合が多い。
図4は、音響信号を線形予測分析して得られた1次のPARCOR係数k(1)と2次のPARCOR係数k(2)との関係をプロットしたグラフである。ここで、横軸は1次のPARCOR係数k(1)を示し、縦軸は2次のPARCOR係数k(2)を示す。このグラフに示すように、1次のPARCOR係数k(1)は1付近となり、2次のPARCOR係数k(2)は−1付近となることが多い。特に、1次のPARCOR係数k(1)や2次のPARCOR係数k(2)の絶対値が1に近い領域で、1次のPARCOR係数k(1)と2次のPARCOR係数k(2)との間の相関が強い。
また、図5(A)は、音響信号を線形予測分析して得られた1次のPARCOR係数k(1)と2次のPARCOR係数k(2)との比k(2)/k(1)の頻度を例示するグラフである。ここで、横軸は比k(2)/k(1)を示し、縦軸は頻度を示す。このグラフからも、1次のPARCOR係数k(1)と2次のPARCOR係数k(2)とは符号が逆になる傾向が高く、かつ、1次のPARCOR係数k(1)と2次のPARCOR係数k(2)との間には相関があることが分かる。また、このグラフは、2次のPARCOR係数k(2)の絶対値は、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値よりも小さくなる傾向があることを示している。
また、図5(B)は、1次のPARCOR係数k(1)の大きさに応じ、2次のPARCOR係数k(2)の出現確率分布が変化することを説明するためのグラフである。
ここで、横軸は、2次のインデックスを示し、縦軸はその出現確率を示す。2次のインデックスとは、2次のPARCOR係数k(2)の量子化値に付されたインデックスを意味する。また、図5(B)において黒色で示すグラフは、1次のインデックスが0,1,2である場合における2次のインデックスの出現確率分布を示し、白色で示すグラフは、1次のインデックスが10,11,12である場合における2次のインデックスの出現確率分布を示す。1次のインデックスとは、1次のPARCOR係数k(1)の量子化値に付されたインデックスを意味する。なお、この例におけるインデックスはPARCOR係数の絶対値の増加に対して広義単調減少する値である。また、図5(B)での1次のインデックスは正である1次のPARCOR係数k(1)に対応し、2次のインデックスは負である2次のPARCOR係数k(2)に対応する。例えば、1次のインデックスである0,1,2は、0.99付近の1次のPARCOR係数k(1)の量子化値に付されたインデックスである。1次のインデックスである10,11,12は、0.9付近の1次のPARCOR係数k(1)の量子化値に付されたインデックスである。2次のインデックスである10,11,12,13は、−0.5〜−0.4付近の2次のPARCOR係数k(2)の量子化値に付されたインデックスである。2次のインデックスである1,2,3,4は、−0.9〜−0.8付近の2次のPARCOR係数k(2)の量子化値に付されたインデックスである。
図5(B)に例示するように、1次のPARCOR係数k(1)が大きい(例えば、0.99付近)場合には、絶対値の大きな2次のPARCOR係数k(2)(例えば、−0.9〜−0.8)が得られる確率が高くなる。一方、1次のPARCOR係数k(1)が小さい(例えば、0.9付近)場合には、絶対値の小さな2次のPARCOR係数k(2)(例えば、−0.5〜−0.4)が得られる確率が高くなる。すなわち、1次のPARCOR係数k(1)の大きさによって、2次のPARCOR係数k(2)の頻度分布が変化する。1次のPARCOR係数k(1)が大きく1に近いほど、2次のPARCOR係数k(2)は小さく−1に近い(その絶対値は大きく1に近い)。
<PARCOR係数の符号化>
以上説明したように、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との間には相関がある(未公開)。本発明ではこの相関を利用し、PARCOR係数に対応する符号を生成する。そして、復号時には、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との相関を利用してPARCOR係数を復号する。
[第1態様]
第1態様の符号化装置は、(I)入力された時系列信号を線形予測分析することにより、少なくとも、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とをそれぞれ算出し、(II)算出された1次のPARCOR係数に応じて定まる値と2次のPARCOR係数に応じて定まる値との間に成り立つ関係式に応じて定まるパラメータを算出し、(III)当該パラメータと、1次のPARCOR係数又は2次のPARCOR係数の何れか一方と、を含む情報に対応する符号を生成する。この場合の復号装置は、(IV)1次のPARCOR係数に応じて定まる値と2次のPARCOR係数に応じて定まる値との間に成り立つ関係式に応じて定まるパラメータと、当該1次のPARCOR係数又は当該2次のPARCOR係数の何れか一方と、を含む情報に対応する符号を復号し、少なくとも、当該パラメータと、当該1次のPARCOR係数に対応する復号値又は当該2次のPARCOR係数に対応する復号値とを生成し、(V)パラメータと1次のPARCOR係数に対応する復号値とを用い、2次のPARCOR係数の復元値を算出するか、又は、パラメータと2次のPARCOR係数に対応する復号値とを用い、1次のPARCOR係数の復元値を算出する。
これにより、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とを互いに独立に符号化する場合に比べ、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とに対応する符号の合計符号量を削減できる。
また、本態様の方式は、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との相関が大きいほどパラメータの絶対値が特定の値に近づき、そのパラメータの分散が1次のPARCOR係数の分散又は2次のPARCOR係数の分散よりも小さくなるような場合に、特に顕著な効果を奏する。この場合、可変長符号化方法を用いて当該パラメータに対応する符号が生成されることが望ましい。また、この可変長符号化方法は、以下の条件を満たすことが望ましい。
《条件》第1符号化対象の絶対値が第2符号化対象の絶対値よりも特定の値に近い場合に、第1頻度が第2頻度よりも高い。
第1頻度:第1符号化対象に第2符号化対象の符号よりも短い符号長の符号が割り当てられる頻度。すなわち、第1符号化対象に割り当てられる符号の符号長が、第2符号化対象に割り当てられる符号の符号長よりも短くなる頻度。
第2頻度:第1符号化対象に第2符号化対象の符号よりも長い符号長の符号が割り当てられる頻度。すなわち、第1符号化対象に割り当てられる符号の符号長が、第2符号化対象に割り当てられる符号の符号長よりも長くなる頻度。
また、上述した1次のPARCOR係数に応じて定まる値と2次のPARCOR係数に応じて定まる値との間に成り立つ関係式は、例えば、以下の関係式(A)又は(B)である。
《関係式(A)》予め定められた重み係数に1次のPARCOR係数に応じて定まる値を乗じた第1乗算値と、第1変数値と、の和によって2次のPARCOR係数に応じて定まる値を表現可能な等式。例えば、
第1乗算値+第1変数値=2次のPARCOR係数に応じて定まる値、
となる等式。ただし、第1乗算値=予め定められた重み係数×1次のPARCOR係数に応じて定まる値、である。
《関係式(B)》予め定められた重み係数に2次のPARCOR係数に応じて定まる値を乗じた第2乗算値と、第2変数値と、の和によって1次のPARCOR係数に応じて定まる値を表現可能な等式。例えば、
第2乗算値+第2変数値=2次のPARCOR係数に応じて定まる値、
となる等式。ただし、第2乗算値=予め定められた重み係数×2次のPARCOR係数に応じて定まる値、である。
また、上述のパラメータは、例えば、以下のパラメータ(A)又は(B)である。
《パラメータ(A)》関係式(A)を満たす第1変数値に応じて定まる値。
《パラメータ(B)》関係式(B)を満たす第2変数値に応じて定まる値。
さらに、上述の関係式(A),(B)、及び、パラメータ(A),(B)は、例えば、以下の関係(A)又は(B)を満たす。
《関係(A)》1次のPARCOR係数に応じて定まる値が、少なくとも、正の1次のPARCOR係数の増加に対して広義単調増加(単調非減少)する値である。なおかつ、2次のPARCOR係数に応じて定まる値が、少なくとも、負の2次のPARCOR係数の増加に対して広義単調増加する値である。なおかつ、パラメータの絶対値が、前述の関係式(A)を満たす第1変数値に対して、広義単調増加する。
《関係(B)》1次のPARCOR係数に応じて定まる値が、少なくとも、正の1次のPARCOR係数の増加に対して広義単調減少(単調非増加)する値である。なおかつ、2次のPARCOR係数に応じて定まる値が、少なくとも、負の2次のPARCOR係数の増加に対して広義単調減少する値である。なおかつ、パラメータの絶対値が、前述の関係式(B)を満たす第2変数値の増加に対して、広義単調増加する。
なお、或る区間での値γの増加に対して広義単調増加する値をf(γ)と表現した場合、当該区間に属する任意のγ≦γに対してf(γ)≦f(γ)の関係が成り立つ。また、或る区間での値γの増加に対して広義単調減少する値をg(γ)と表現した場合、当該区間に属する任意のγ≦γに対してg(γ)≧g(γ)の関係が成り立つ。前述のように、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とは互いに正・負が逆になる傾向にある(図5(A)参照)。そのため、上記の関係(A)又は(B)を満たし、なおかつ、上記の関係式(A)又は(B)の予め定められた重み係数が負の場合には、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との相関が大きいほどパラメータの絶対値は0に近づき、そのパラメータの分散は、1次のPARCOR係数の分散又は2次のPARCOR係数の分散よりも小さくなる。この場合、例えば、以下の条件を満たす可変長符号化方法によって、このようなパラメータを符号化することが望ましい。
《条件》第1符号化対象の絶対値が第2符号化対象の絶対値よりも0に近い場合に、第1頻度が第2頻度よりも高い。
第1頻度:第1符号化対象に第2符号化対象の符号よりも短い符号長の符号が割り当てられる頻度。
第2頻度:第1符号化対象に第2符号化対象の符号よりも長い符号長の符号が割り当てられる頻度。
なお、このような可変長符号化方法としては、ライス符号(Rice code)(「ゴロムライス符号(Golomb-Rice code)」と呼ばれる場合もある)、ゴロム符号(Golomb code)、一進法符号(Unary code)(「アルファ符号」と呼ばれる場合もある)、ハフマン符号(Huffman code)等を例示できる。
また、前述したように、PARCOR係数は−1以上+1以下の値をとる。さらに、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との相関は、1次のPARCOR係数や2次のPARCOR係数の絶対値が1に近いほど大きく、それらが0に近いほど小さくなる。そのため、1次のPARCOR係数の絶対値が予め定められた閾値(閾値は0以上+1以下の値)以上となる場合に、上述の1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との相関を利用した符号化方法を実行し、PARCOR係数が予め定められた閾値未満となる場合に、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とを互いに独立に符号化してもよい。また、1次のPARCOR係数の絶対値が予め定められた閾値以上であるか否かではなく、2次のPARCOR係数の絶対値が予め定められた閾値以上であるか否かを判定し、符号化方法を決定してもよい。すなわち、2次のPARCOR係数の絶対値が予め定められた閾値(閾値は0以上+1以下の値)以上となる場合に、上述の1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との相関を利用した符号化方法を実行し、PARCOR係数が予め定められた閾値未満となる場合に、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とを互いに独立に符号化してもよい。
なお、閾値判定は、量子化前の領域で行われてもよいし、量子化後の領域で行われてもよい。また、量子化後の領域とは、量子化値の領域、又は、量子化値に付されたインデックスの領域を意味する。また、量子化前の領域と量子化後の領域とで値の大小関係が反転する場合、量子化前の領域と量子化後の領域とで閾値判定における大小関係が反転する。量子化前後で閾値判定における大小関係が反転した場合、A≧Tの場合に「処理1」を行い、A<Tの場合に「処理2」を行うという処理は、A’≦T’の場合に「処理1」を行い、A’>T’の場合に「処理2」を行うという処理となる。なお、A,Tは量子化前の領域の値であり、A’,T’はそれに対する量子化後の領域の値である。このことは復号時における閾値判定でも同様である(以下同様)。
例えば、符号化装置が、1次のPARCOR係数の絶対値が予め定められた第1閾値以上となる場合に上述のステップ(II)及び(III)を実行し、1次のPARCOR係数の絶対値が第1閾値未満となる場合に、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とを含む情報に対応する符号を生成してもよい。また、符号化装置が、2次のPARCOR係数の絶対値が予め定められた第1閾値以上となる場合に上述のステップ(II)及び(III)を実行し、2次のPARCOR係数の絶対値が第1閾値未満となる場合に、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とを含む情報に対応する符号を生成してもよい。
また、復号装置が、1次又は2次のPARCOR係数の絶対値の大きさを指標として、復号方法を特定してもよい。すなわち、復号装置で実行されるステップ(V)が、以下のステップ(V-a)又は(V-b)を含んでもよい。
《ステップ(V-a)》1次のPARCOR係数に対応する復号値の絶対値と、予め定められた第2閾値とを比較する。その比較結果から、パラメータと1次のPARCOR係数に対応する復号値とを用いて2次のPARCOR係数の復元値を算出するか否かを判定する。
《ステップ(V-b)》2次のPARCOR係数に対応する復号値の絶対値を予め定められた第2閾値以上と比較する。その比較結果から、パラメータと2次のPARCOR係数に対応する復号値とを用いて1次のPARCOR係数の復元値を算出するか否かを判定する。
このような場合には、復号方法を特定するための付加ビットを符号に含める必要がない。そのため、符号の符号長を短縮できる。
[第2態様]
第2態様の符号化装置は、(VI)入力された時系列信号を線形予測分析することにより、少なくとも、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とをそれぞれ算出し、(VII)1次のPARCOR係数の絶対値が予め定められた閾値以上となる場合に、2次のPARCOR係数に対応する符号を生成するための符号化方法として第1可変長符号化方法を選択し、1次のPARCOR係数の絶対値が閾値未満となる場合に、2次のPARCOR係数に対応する符号を生成するための符号化方法として第1可変長符号化方法と異なる第2可変長符号化方法を選択し、(VIII)ステップ(VII)で選択された符号化方法を用い、2次のPARCOR係数を量子化して得られた2次の量子化PARCOR係数を符号化し、2次のPARCORに対応する符号を生成する。なお、ステップ(VII)における予め定められた閾値は−1以上1以下の値であるが、その閾値判定は、量子化前の領域で行われてもよいし、量子化後の領域で行われてもよい。
図5(B)を用いて説明したように、1次のPARCOR係数の大きさによって、2次のPARCOR係数の頻度分布が変化する。そのため、1次のPARCOR係数の大きさに従い、2次の量子化PARCOR係数を符号化するための可変長符号化方法を選択することで(ステップ(VII))、2次のPARCOR係数に対応する符号の符号量を削減することができる。
例えば、図5(B)の例で、1次のインデックスが0,1,2であった場合には、以下の第1可変長符号化方法(A)を用いて2次のインデックスを符号化する。一方、1次のインデックスが10,11,12であった場合には、以下の第2可変長符号化方法(B)を用いて2次のインデックスを符号化する。
《第1可変長符号化方法(A)》第1符号化対象が第2符号化対象よりも5又は6に近い場合に、第3頻度が第4頻度よりも高い可変長符号化方法。すなわち、第1符号化対象の値と5又は6との距離が、第2符号化対象の値と5又は6との距離よりも短い場合に、第3頻度が第4頻度よりも高い可変長符号化方法。
第3頻度:第1符号化対象に、第2符号化対象の符号よりも短い符号長の符号が割り当てられる頻度。
第4頻度:第1符号化対象に、第2符号化対象の符号よりも長い符号長の符号が割り当てられる頻度。
《第1可変長符号化方法(B)》第1符号化対象が第2符号化対象よりも7又は8に近い場合に、第3頻度が第4頻度よりも高い可変長符号化方法。すなわち、第1符号化対象の値と7又は8との距離が、第2符号化対象の値と7又は8との距離よりも短い場合に、第3頻度が第4頻度よりも高い可変長符号化方法。
なお、このような可変長符号化方法の一例は、ライス符号化方法やハフマン符号化方法である。これにより、常に以下の可変長符号化方法(C)を用いて2次のインデックスを符号化する場合よりも、符号量を削減できる。
《可変長符号化方法(C)》第1符号化対象が第2符号化対象よりも6又は7に近い場合に、第3頻度が第4頻度よりも高い可変長符号化方法。すなわち、第1符号化対象の値と6又は7との距離が、第2符号化対象の値と6又は7との距離よりも短い場合に、第3頻度が第4頻度よりも高い可変長符号化方法。
これを一般化すると、ステップ(VII)で選択される第1可変長符号化方法は、第1符号化対象の絶対値が第2符号化対象の絶対値よりも予め定められた第1値に近い場合に、第3頻度が第4頻度よりも高い符号化方法である。すなわち、第1可変長符号化方法は、第1符号化対象の値と第1値との距離が、第2符号化対象の値と第1値との距離よりも短い場合に、第3頻度が第4頻度よりも高い符号化方法である。
一方、第2可変長符号化方法は、第1符号化対象の絶対値が第2符号化対象の絶対値よりも予め定められた第2値に近い場合に、第3頻度が第4頻度よりも高い符号化方法である。すなわち、第2可変長符号化方法は、第1符号化対象の値と第2値との距離が、第2符号化対象の値と第2値との距離よりも短い場合に、第3頻度が第4頻度よりも高い符号化方法である。
そして、2次のPARCOR係数の絶対値が1に近いほど2次のPARCOR係数に対応する2次の量子化PARCOR係数が大きい場合には、第1値は第2値よりも大きい。また、2次のPARCOR係数の絶対値が1に近いほど2次のPARCOR係数に対応する2次の量子化PARCOR係数が小さい場合には、前記第1値は前記第2値よりも小さい。
また、前述のように1次のPARCOR係数の絶対値が大きく1に近いときには、2次のPARCOR係数の絶対値も大きくなる傾向がある。さらに、PARCOR係数はその絶対値が1に近いほど量子化誤差が線形予測結果にもたらす影響が大きい。そこで、好ましくは、1次のPARCOR係数の絶対値の大きさに従い、2次のPARCOR係数を量子化する際の量子化ステップサイズ(「インターバルサイズ(interval size)」と呼ぶ場合もある)を変化させる。例えば、ステップ(VI)と(VII)との間に、1次のPARCOR係数の絶対値が予め定められた第2閾値以上となる場合に予め定められた第1量子化方法を選択し、1次のPARCOR係数の絶対値が予め定められた第2閾値未満となる場合に第1量子化方法よりも量子化ステップサイズが大きい予め定められた第2量子化方法を選択し、選択した量子化方法によって2次のPARCOR係数を量子化し、2次のPARCOR係数の量子化値を生成するステップを実行する。これにより、予測残差のエネルギーを効率的に小さくすることができる。すなわち、PARCOR係数に対応する符号の符号量の増加量に対する、予測残差のエネルギーの減少量を大きくできる。その結果、符号化効率を向上できる。
〔第1実施形態〕
次に、本発明の第1実施形態を説明する。
第1実施形態では、上述の〔原理〕の[第1態様]で説明した枠組みのうち、以下の構成について説明する。ただし、これは本発明を限定するものではない。
・関係式:予め定められた重み係数に1次のPARCOR係数に応じて定まる値を乗じた第1乗算値と、第1変数値と、の和によって2次のPARCOR係数に応じて定まる値を表現可能な等式。
・1次のPARCOR係数に応じて定まる値:1次のPARCOR係数。これは「1次のPARCOR係数の増加に対して広義単調増加する値」である。
・2次のPARCOR係数に応じて定まる値:2次のPARCOR係数。これは「2次のPARCOR係数の増加に対して広義単調増加する値」である。
・パラメータ:上記関係式を満たす第1変数値を量子化して得られた第1量子化変数値。これは「第1変数値に応じて定まる値」であり、当該パラメータの絶対値は、第1変数値の増加に対して広義単調増加する。なお、「第1量子化変数値」は、第1変数値の量子化値そのものであってもよいし、当該第1変数値の量子化値に付されたインデックスであってもよい(以下同様)。
・ステップ(III)の符号:パラメータと1次のPARCOR係数とを含む情報に対応する符号。
<構成>
図7は、第1実施形態の符号化装置10の機能構成を説明するためのブロック図である。図8(A)は、図7に示した非線形量子化部11及びパラメータ算出部12の詳細を説明するためのブロック図であり、図8(B)は、図7に示した係数符号化部13の詳細を説明するためのブロック図である。また、図9は、第1実施形態の復号装置20の機能構成を説明するためのブロック図である。図10(A)は、図9に示した係数復号部21の詳細を説明するためのブロック図であり、図10(B)は、図9に示したPARCOR係数算出部22の詳細を説明するためのブロック図である。なお、これらの図において図1や図2と同じ構成については、図1や図2と同じ参照番号を用いる。
図7に示すように、本形態の符号化装置10は、フレームバッファ1011、線形予測分析部1012、非線形量子化部11、パラメータ算出部12、係数符号化部13、線形予測係数変換部1015、線形予測部1016、減算部1017、残差符号化部1018、及び合成部1019を有する。また、図8(A)に示すように、本形態のパラメータ算出部12は、逆量子化部12a、重み係数乗算部12b、減算部12c及びパラメータ量子化部12dを有する。また、図8(B)に示すように、本形態の係数符号化部13は、PARCOR係数符号化部13a及びパラメータ符号化部13bを有する。また、図9に示すように、本形態の復号装置20は、分離部1021、係数復号部21、PARCOR係数算出部22、線形予測係数変換部23、残差復号部1023、線形予測部1025、及び加算部1026を有する。また、図10(A)に示すように、本形態の係数復号部21は、PARCOR係数復号部21a、及びパラメータ復号部21bを有する。また、図10(B)に示すように、本形態のPARCOR係数算出部22は、逆量子化部22a,22c、重み係数乗算部22b、及び加算部22dを有する。
なお、本形態の符号化装置10や復号装置20は、例えば、CPU(central processing unit)、RAM(random-access memory)、ROM(read-only memory)等を備えた公知のコンピュータ又は専用のコンピュータに所定のプログラムが読み込まれ、CPUがそれを実行することによって構成された特別な装置である。すなわち、符号化装置10のフレームバッファ1011は、例えば、RAM、キャッシュメモリ、レジスタ等のメモリであり、線形予測分析部1012、非線形量子化部11、パラメータ算出部12、係数符号化部13、線形予測係数変換部1015、線形予測部1016、減算部1017、残差符号化部1018、及び合成部1019は、例えば、CPUが所定のプログラムを実行することで構築される処理部である。また、復号装置20の分離部1021、係数復号部21、PARCOR係数算出部22、線形予測係数変換部23、残差復号部1023、線形予測部1025、及び加算部1026は、例えば、CPUが所定のプログラムを実行することで構築される処理部である。また、これらの処理部の少なくとも一部が集積回路等の電子回路によって構成されてもよい。さらに、必要に応じ、符号化装置10や復号装置20に、各処理部の処理によって出力されたデータを格納し、各処理部の別の処理時にデータが読み出される一時メモリを設けてもよい。また、このような各処理部の実現方法は、以下の各実施形態やその変形例でも同様である。
<符号化方法>
図11は、第1実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャートである。以下、図11を用いて本形態の符号化方法を説明する。なお、以下では1フレーム分の処理のみを説明するが、実際は同様な処理が各フレームについて実行される。
符号化装置10(図7)のフレームバッファ1011には、標本化・量子化されたPCM形式の時系列信号x(n)が入力される。これらの時系列信号x(n)は、線形量子化(「一様量子化」と呼ぶ場合もある)されたものであってもよいし、圧伸量子化(例えば、ITU-T Recommendation G.711, “Pulse Code Modulation (PCM) of Voice Frequencies”参照)のような非線形量子化(「非一様量子化」と呼ぶ場合もある)されたものであってもよい。また、時系列信号x(n)がPCM形式の信号ではなく、量子化されていない信号であってもよい。フレームバッファ1011は、1フレーム分の時系列信号x(n)(n=1,...,N)をバッファし、符号化装置10は、フレーム毎に時系列信号x(n)(n=1,...,N)を符号化する。
1フレーム分の時系列信号x(n)(n=1,...,N)は線形予測分析部1012に送られ、線形予測分析部1012は、線形予測分析によって1次からM次までのPARCOR係数k(m)(m=1,2,...,M)を算出する(ステップS10)。なお、線形予測分析部1012は、時系列信号x(n)(n=1,...,N)をそのまま線形予測分析する構成であってもよいし、非線形量子化されて入力された時系列信号x(n)を線形量子化や他の非線形量子化にマッピングしてから線形予測分析を行う構成であってもよい。また、予測次数Mは正の整数であるが、その値は固定値であってもよいし、MDL原理(Minimum Description Length Principle)等に基づいて最適な値が定められてもよい。ただ、本発明の手法を利用できるのは予測次数Mが2以上の場合であるため、本形態では予測次数Mが2以上の場合のみを説明する。すなわち、ステップS10は、入力された時系列信号x(n)(n=1,...,N)を線形予測分析することにより、少なくとも、1次のPARCOR係数k(1)と2次のPARCOR係数k(2)とをそれぞれ算出するステップである。なお、符号化装置10が予測次数M=1を選択することがある場合には、予測次数M≧2となったときにだけ本形態の方法を適用すればよい。また、PARCOR係数の算出は、レビンソン-ダービン(Levinson-Durbin)法やバーグ(Burg)法などの逐次的方法によって行われてもよいし、自己相関法や共分散法のように予測次数Mごとに連立方程式(予測残差を最小にする線形予測係数を解とする連立方程式)を解くことによって行われてもよい。また、PARCOR係数k(m)は−1以上1以下の値をとるが、コンピュータ等を利用した演算装置で無限桁の演算を行うことはできないため、実際は例えば−32768から+32767までの整数で表現可能な範囲にPARCOR係数k(m)をマッピングしたものを用いて処理を行うこともある。
算出された1次からM次までのPARCOR係数k(m)(m=1,2,...,M)は、非線形量子化部11に送られ、量子化されて1次からM次までの量子化PARCOR係数i(m)(m=1,2,...,M)が生成される(ステップS20)。なお、「量子化PARCOR係数」は、PARCOR係数の量子化値そのものであってもよいし、当該PARCOR係数の量子化値に付されたインデックスであってもよい。また、「量子化PARCOR係数」は、PARCOR係数の値の増加に対して広義単調増加するものであってもよいし、PARCOR係数の値の増加に対して広義単調減少するものであってもよい。また、「量子化PARCOR係数」は、PARCOR係数の絶対値の増加に対して広義単調増加するものであってもよいし、PARCOR係数の絶対値の増加に対して広義単調減少するものであってもよい。また、PARCOR係数の絶対値が1に近いほど、PARCOR係数の量子化誤差が線形予測結果にもたらす影響が大きい。そのため、PARCOR係数の絶対値が1に近いほど量子化ステップサイズを小さくする非線形量子化を行うことが望ましい。
図13は、1次のPARCOR係数の非線形量子化方法を例示して説明するためのグラフであり、図14は、2次のPARCOR係数の非線形量子化方法を例示して説明するためのグラフである。ここで、これらのグラフの横軸は線形予測分析部1012で生成されたPARCOR係数を示し、縦軸はPARCOR係数の量子化値に付されたインデックスを示す。例えば、1次のPARCOR係数k(1)は1付近の値をとることが多いため、図13に例示するように、1次のPARCOR係数k(1)が1に近いほど量子化ステップサイズを小さくする非線形量子化を行う。図13の例では、PARCOR係数k(1)のとり得る範囲(−1から1)が3つの領域(−1からpの領域、pからpの領域、pから1の領域)に分けられ、領域毎に量子化ステップサイズが異なる。また、2次のPARCOR係数k(2)は−1付近の値をとることが多いため、図14に例示するように、2次のPARCOR係数k(2)が−1に近いほど量子化ステップサイズを小さくする非線形量子化を行う。図14に例示した非線形量子化を示すグラフは、図13に例示した非線形量子化を示すグラフの横軸の正負を反転させたものとなっている。
なお、ここでは1次と2次のPARCOR係数を非線形量子化する場合を例示したが、これらを線形量子化する構成であってもよい。また、3次以上のPARCOR係数の量子化も、線形量子化であっても非線形量子化であってもよい。また、PARCOR係数の量子化値は、そのPARCOR係数の増加に対して広義単調増加するものであってもよいし、広義単調減少するものであってもよい。さらに、必ずしも各次数のPARCOR係数を同一の量子化方法で量子化する必要はなく、次数間で量子化方法が相違する構成でもよく、次数間で量子化ビット数が異なってもよい。
次に、パラメータ算出部12が、ステップ10で算出された1次のPARCOR係数k(1)に応じて定まる値と、2次のPARCOR係数k(2)に応じて定まる値と、の間に成り立つ関係式、に応じて定まるパラメータを算出する(ステップS30)。
[ステップS30の詳細]
ステップS30では、まず、パラメータ算出部12(図8(A))の逆量子化部12aが、非線形量子化部11から出力された1次の量子化PARCOR係数i(1)を逆量子化し、1次のPARCOR係数k'(1)(「1次のPARCOR係数に応じて定まる値」に相当)を生成する(ステップS31)。なお、量子化PARCOR係数i(m)を逆量子化する処理は、量子化PARCOR係数i(m)に対応するPARCOR係数k(m)の範囲のうちの予め定めた何れかの値k'(m)を求める処理である。例えば、η1≦k(m)<η2のPARCOR係数k(m)に対応する量子化PARCOR係数がi(m)である場合、量子化PARCOR係数i(m)を逆量子化したPARCOR係数k'(m)の例はη1とη2の平均値である。
次に、重み係数乗算部12bと減算部12cとにより、線形予測分析部1012から出力された2次のPARCOR係数k(2)(「2次のPARCOR係数に応じて定まる値」に相当)と、予め定められた重み係数aと、逆量子化によって得られた1次のPARCOR係数k'(1)とを用い、重みつき差分値k(2)−a・k'(1)を算出する(ステップS32)。この例では、重み係数乗算部12bが、予め定められた重み係数aに1次のPARCOR係数k'(1)を乗じた第1乗算値a・k'(1)を算出し、減算部12cが2次のPARCOR係数k(2)から第1乗算値a・k'(1)を減することで重みつき差分値k(2)−a・k'(1)を算出する。しかし、k(2)を初期値としてk'(1)を減算する処理をa回繰り返して重みつき差分値k(2)−a・k'(1)を算出するなど、その他の方法で重みつき差分値k(2)−a・k'(1)を求めてもよい。なお、重み係数aは正であっても負であってもよいが、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とに相関がある場合、それらの正・負は逆になる傾向があるため(図5(A)参照)、重み係数aは負の値であることが望ましい。これにより、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とに相関があるほど、重みつき差分値k(2)−a・k'(1)の値は、0に近づく。また、重み係数aの具体例としては−0.8を例示できる。
次に、パラメータ量子化部12dが、ステップS32で算出された重みつき差分値k(2)−a・k'(1)を量子化してパラメータbを生成し、当該パラメータbを出力する(ステップS33)。なお、パラメータ量子化部12dによって行われる量子化は、線形量子化であってもよいし、非線形量子化であってもよい。また、この例のパラメータbは、重みつき差分値k(2)−a・k'(1)の量子化値そのものであってもよいし、その量子化値に付されたインデックスであってもよい。また、パラメータbの絶対値は、対応する重みつき差分値k(2)−a・k'(1)の増加に対して広義単調増加する。このパラメータbは、対応する重みつき差分値k(2)−a・k'(1)に対して広義単調増加するものであってもよいし、広義単調減少するものであってもよいし、対応する重みつき差分値k(2)−a・k'(1)の絶対値の増加に対して広義単調増加するものであってもよいし、広義単調減少するものであってもよい([ステップS30の詳細]の説明終わり)。
次に、係数符号化部13(図8(B))が、パラメータbに対応するパラメータ符号Cbと、1次からM次(2次を除く)までの量子化PARCOR係数i(m')(m'=1,3,...,M)に対応する係数符号Ckとを生成し、パラメータbと1次のPARCOR係数k(1)とを含む情報b,k(m')(m'=1,3,...,M)に対応するパラメータ符号Cb,係数符号Ckを生成する(ステップS40)。本形態では、パラメータ符号化部13bが、パラメータ算出部12から出力されたパラメータbに対応するパラメータ符号Cbを生成し、PARCOR係数符号化部13aが、非線形量子化部11から出力された1次からM次(2次を除く)までの各量子化PARCOR係数i(m')(m'=1,3,...,M)に対応する係数符号Ckをそれぞれ生成する。ここで、パラメータbの符号化は、例えば、ライス符号化やエントロピー符号化によって行われる。特に、パラメータbが0付近に偏る場合には、符号化対象が0に近いほど短い符号長の符号を割り当てる可変長符号化方法(ライス符号化等)を用いることが圧縮率向上の面から望ましい。また、各量子化PARCOR係数i(m')(m'=1,3,...,M)の符号化は、例えば、エントロピー符号化によって行われる。各量子化PARCOR係数i(m')(m'=1,3,...,M)の符号化は、各量子化PARCOR係数i(m')をそれぞれ別個の符号化対象として行われてもよいし、すべての量子化PARCOR係数i(m')(m'=1,3,...,M)を1つの符号化対象として行われてもよい。
ステップS20で生成された1次からM次までの量子化PARCOR係数i(m)(m=1,2,...,M)は、線形予測係数変換部1015(図7)にも送られる。線形予測係数変換部1015は、これらを用いて予測次数Mの線形予測フィルタの各線形予測係数α(m)(m=1,2,...,M)を算出する(ステップS50)。この算出は、例えば、量子化PARCOR係数i(m)を逆量子化した後、レビンソン(Levinson)アルゴリズムの一部を適用して行う。
線形予測部1016及び減算部1017は、1フレーム分の時系列信号x(n) (n=1,...,N)と各線形予測係数α(m)(m=1,2,...,M)とを用い、予測フィルタ処理によって予測残差e(n)(n=1,...,N)を算出する(ステップS60)。なお、線形予測部1016や減算部1017は、例えば、時系列信号x(n)(n=1,...,N)をそのまま用いて予測フィルタ処理を行う。しかし、時系列信号x(n)(n=1,...,N)が非線形量子化された信号である場合には、線形予測部1016や減算部1017が、時系列信号x(n)(n=1,...,N)を線形量子化領域や他の非線形量子領域にマッピングしてから予測フィルタ処理を行ってもよいし、線形予測値y(n)を非線形量子領域にマッピングしてからから予測フィルタ処理を行ってもよい。
算出された予測残差e(n)(n=1,...,N)は残差符号化部1018に送られ、そこでエントロピー符号化され、予測残差e(n)(n=1,...,N)に対応する残差符号Ceが生成される(ステップS70)。なお、残差符号化部1018は、各予測残差e(n)(n=1,...,N)をそれぞれ別個の符号化対象としてエントロピー符号化を行ってもよいし、すべての各予測残差e(n)(n=1,...,N)を1つの符号化対象としてエントロピー符号化を行ってもよい。係数符号化部13で生成されたパラメータ符号Cb,係数符号Ckと、残差符号化部1018で生成された残差符号Ceは、合成部1019に送られ、そこで合成されて符号Cgが生成される(ステップS80)。そして、符号化装置10は、生成した符号Cgを出力する。
<復号方法>
図12は、第1実施形態の復号方法を説明するためのフローチャートである。以下、図12を用いて本形態の復号方法を説明する。なお、以下では1フレーム分の処理のみを説明するが、実際は同様な処理が各フレームについて実行される。
復号装置20(図9)の分離部1021は、復号装置20に入力された符号Cgを分離し、パラメータbに対応するパラメータ符号Cbと、1次からM次(2次を除く)までの量子化PARCOR係数i(m')(m'=1,3,...,M)に対応する係数符号Ckと、予測残差e(n) (n=1,...,N)に対応する残差符号Ceとを生成する(ステップS110)。残差復号部1023は、分離部1021から出力された残差符号Ceを復号し、予測残差e(n)(n=1,...,N)を生成する(ステップS120)。また、係数復号部21は、分離部1021から出力されたパラメータ符号Cbと係数符号Ckと(パラメータbと、1次のPARCOR係数k(1)と、を含む情報に対応する符号Cb,Ck)を復号し、パラメータbと量子化PARCOR係数i(m')(m'=1,3,...,M)とを生成する(ステップS130)。本形態では、係数復号部21(図10(A))のパラメータ復号部21bがパラメータ符号Cbの復号を行い、PARCOR係数復号部21aが係数符号Ckの復号を行う。なお、PARCOR係数復号部21aの復号によって得られる1次の量子化PARCOR係数i(1)が「1次のPARCOR係数に対応する復号値」に相当する。
次に、PARCOR係数算出部22が、係数復号部21から出力されたパラメータbと1次の量子化PARCOR係数i(1)とを用い、2次のPARCOR係数k'(2)(「2次のPARCOR係数の復元値」に相当)を算出する(ステップS140)。
[ステップS140の詳細]
ステップS140では、逆量子化部22aが、係数復号部21から出力された量子化PARCOR係数i(m')(m'=1,3,...,M)を逆量子化し、1次からM次(2次を除く)までのPARCOR係数k'(m')(m'=1,3,...,M)を生成する(ステップS141)。また、逆量子化部22cが、係数復号部21から出力されたパラメータbを逆量子化し、パラメータbの逆量子化値b'を生成する(ステップS142)。そして、重み係数乗算部22bと加算部22dとが、逆量子化によって得られた1次のPARCOR係数k'(1)と、予め定められた重み係数aと、パラメータbの逆量子化値b'とを用い、2次のPARCOR係数k'(2)=a・ k'(1)+b'を生成する(ステップS143)。本形態では、重み係数乗算部22bが、予め定められた重み係数aに、逆量子化によって得られた1次のPARCOR係数k'(1)を乗じた第1乗算値a・ k'(1)を生成し、加算部22dが、当該第1乗算値a・ k'(1)とパラメータbの逆量子化値b'とを加算することで2次のPARCOR係数k'(2)を生成する。しかし、逆量子化値b'を初期値としてk'(1)を加算する処理をa回繰り返して2次のPARCOR係数k'(2)=a・k'(1)+b'を算出するなど、その他の方法で2次のPARCOR係数k'(2)を求めてもよい([ステップS140の詳細]の説明終わり)。
逆量子化部22aから出力されたPARCOR係数k'(m')(m'=1,3,...,M)と、加算部22dから出力されたPARCOR係数k'(2)とは、線形予測係数変換部23(図9)に送られる。線形予測係数変換部23は、これらを用いて予測次数Mの線形予測フィルタの各線形予測係数α(m)(m=1,2,...,M)を算出する。線形予測部1025と加算部1026は、線形予測係数変換部23から出力された各線形予測係数α(m)(m=1,2,...,M)と、残差復号部1023から出力された予測残差e(n)(n=1,2,...,N)とを用い、逆予測フィルタ処理によって時系列信号x(n)(n=1,2,...,N)を生成する(ステップS160)。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
第2実施形態では、上述の〔原理〕の[第1態様]で説明した枠組みのうち、以下の構成について説明する。ただし、これは本発明を限定するものではない。
・関係式:予め定められた重み係数に1次のPARCOR係数に応じて定まる値を乗じた第1乗算値と、第1変数値と、の和によって2次のPARCOR係数に応じて定まる値を表現可能な等式。
・1次のPARCOR係数に応じて定まる値:1次のPARCOR係数を量子化して得られた1次の量子化PARCOR係数。
・2次のPARCOR係数に応じて定まる値:2次のPARCOR係数を量子化して得られた2次の量子化PARCOR係数。
・パラメータ:上記関係式を満たす第1変数値。これは「第1変数値に応じて定まる値」であり、当該パラメータの絶対値は、第1変数値の増加に対して広義単調増加する。
・ステップ(III)の符号:パラメータと1次のPARCOR係数とを含む情報に対応する符号。
以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と共通する事項については説明を省略する。
<構成>
第2実施形態と第1実施形態との構成上の相違点は、符号化装置10のパラメータ算出部と、復号装置20のPARCOR係数算出部である。
図15(A)は、第2実施形態の非線形量子化部11及びパラメータ算出部112の詳細を説明するためのブロック図であり、図15(B)は、第2実施形態のPARCOR係数算出部122の詳細を説明するためのブロック図である。なお、パラメータ算出部112とPARCOR係数算出部122以外の構成は第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
図15(A)に示すように、パラメータ算出部112は、重み係数加算部112b、及び減算部112cを有する。また、図15(B)に示すように、PARCOR係数算出部122は、逆量子化部122a、重み係数乗算部122b、及び加算部122cを有する。
<符号化方法>
図16は、第2実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャートである。以下、図16を用いて第2実施形態の符号化方法を説明する。
第2実施形態と第1実施形態との相違点は、第2実施形態では、ステップS30(図11)の代わりにステップS230の処理が実行される点である。以下では、ステップS230の処理のみを説明する。
ステップS230では、パラメータ算出部112(図15(A))が、1次のPARCOR係数k(1)に応じて定まる値と2次のPARCOR係数k(2)に応じて定まる値との間に成り立つ関係式、に応じて定まるパラメータを算出する。具体的には、パラメータ算出部112が、非線形量子化部11から出力された1次及び2次の量子化PARCOR係数i(1), i(2)と、予め定められた重み係数aとを用い、パラメータb=i(2)−a・ i(1)を算出する(ステップS230)。なお、本形態では、1次の量子化PARCOR係数i(1)が少なくとも正の1次のPARCOR係数k(1)の増加に対して広義単調増加する値であるとともに、2次の量子化PARCOR係数i(2)が少なくとも負の2次のPARCOR係数k(2)の増加に対して広義単調増加する値である。または、1次の量子化PARCOR係数i(1)が少なくとも正の1次のPARCOR係数k(1)の増加に対して広義単調減少する値であるとともに、2次の量子化PARCOR係数i(2)が少なくとも負の2次のPARCOR係数k(2)の増加に対して広義単調減少する値である。
また、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とで量子化ビット数が異なる場合には、スケーリングによってその差を補正できるような重み係数aを設定する。例えば、1次のPARCOR係数の量子化ビット数が5ビット(32段階)であり、2次のPARCOR係数の量子化ビット数が4ビット(16段階)である場合、1次の量子化PARCOR係数i(1)を1/2したもののスケールと2次の量子化PARCOR係数i(2)のスケールとが等しくなる。この場合には、1/2に本来の意味での重みを乗じた値を重み係数aとすることが望ましい。
また、この例では、重み係数乗算部212bが、予め定められた重み係数aに1次の量子化PARCOR係数i(1)を乗じた第1乗算値a・i(1)を算出し、減算部112cが2次の量子化PARCOR係数i(2)から第1乗算値a・i(1)を減することでパラメータb=i(2)−a・i(1)を算出する。しかし、i(2)を初期値としてi(1)を減算する処理をa回繰り返してパラメータbを算出するなど、その他の方法でパラメータbを求めてもよい。
<復号方法>
図17は、第2実施形態の復号方法を説明するためのフローチャートである。以下、図17を用いて第2実施形態の復号方法を説明する。
第2実施形態と第1実施形態との相違点は、第2実施形態では、ステップS140(図12)の代わりにステップS340の処理が実行される点である。以下では、ステップS340の処理のみを説明する。
ステップS340では、PARCOR係数算出部122(図15(B))が、係数復号部21から出力されたパラメータbと1次の量子化PARCOR係数i(1)とを用い、2次のPARCOR係数k'(2)(「2次のPARCOR係数の復元値」に相当)を算出する(ステップS340)。
具体的にはまず、PARCOR係数算出部122の重み係数乗算部122bと加算部122cとが、係数復号部21から出力された1次の量子化PARCOR係数i(1)(「1次のPARCOR係数に対応する復号値」に相当)と、予め定められた重み係数aと、係数復号部21から出力されたパラメータbとを用い、2次の量子化PARCOR係数i(2)=a・ i(1)+bを生成する(ステップS341)。本形態では、重み係数乗算部122bが、予め定められた重み係数aに、1次の量子化PARCOR係数i(1)を乗じた第1乗算値a・ i(1)を生成し、加算部122dが、当該第1乗算値a・ i(1)とパラメータbとを加算することで2次の量子化PARCOR係数i(2)を生成する。しかし、パラメータbを初期値としてi(1)を加算する処理をa回繰り返して2次の量子化PARCOR係数i(2)を算出するなど、その他の方法で2次の量子化PARCOR係数i(2)を求めてもよい。
次に、逆量子化部122aが、係数復号部21から出力された量子化PARCOR係数i(m')(m'=1,3,...,M)と、加算部122cから出力された量子化PARCOR係数i(2)とからなる、1次からM次までの量子化PARCOR係数i(m)(m=1,2,...,M)を逆量子化し、1次からM次までのPARCOR係数k'(m) (m=1,2,...,M)を生成する(ステップS342)。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
第3実施形態では、上述の〔原理〕の[第1態様]で説明した枠組みのうち、以下の構成について説明する。ただし、これは本発明を限定するものではない。
・関係式:予め定められた重み係数に2次のPARCOR係数に応じて定まる値を乗じた第2乗算値と、第2変数値と、の和によって1次のPARCOR係数に応じて定まる値を表現可能な等式。
・1次のPARCOR係数に応じて定まる値:1次のPARCOR係数。これは「1次のPARCOR係数の増加に対して広義単調増加する値」である。
・2次のPARCOR係数に応じて定まる値:2次のPARCOR係数。これは「2次のPARCOR係数の増加に対して広義単調増加する値」である。
・パラメータ:上記関係式を満たす第2変数値を量子化して得られた第2量子化変数値。これは「第2変数値に応じて定まる値」であり、当該パラメータの絶対値は、第2変数値の増加に対して広義単調増加する。なお、「第2量子化変数値」は、第2変数値の量子化値そのものであってもよいし、当該第2変数値の量子化値に付されたインデックスであってもよい(以下同様)
・ステップ(III)の符号:パラメータと2次のPARCOR係数とを含む情報に対応する符号。
以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と共通する事項については説明を省略する。
<構成>
図18は、第3実施形態の符号化装置210の機能構成を説明するためのブロック図である。図19は、第3実施形態の復号装置320の機能構成を説明するためのブロック図である。また、図20(A)は、図18に示した非線形量子化部11及びパラメータ算出部212の詳細を説明するためのブロック図であり、図20(B)は、図19に示したPARCOR係数算出部222の詳細を説明するためのブロック図である。なお、これらの図において、第1実施形態で既に説明した部分については、第1実施形態と同じ参照番号を用いることとし、その説明を簡略化する。
これらの図に示すように、第3実施形態と第1実施形態との構成上の相違点は、符号化装置210のパラメータ算出部212と、復号装置220のPARCOR係数算出部222である。これら以外の構成は第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
図20(A)に示すように、パラメータ算出部212は、逆量子化部212a、重み係数乗算部212b、減算部212c、及びパラメータ量子化部212dを有する。図20(B)に示すように、PARCOR係数算出部222は、逆量子化部222a,222c、重み係数乗算部222b、及び加算部122cを有する。
<符号化方法>
図21は、第3実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャートである。以下、図21を用いて第3実施形態の符号化方法を説明する。
第3実施形態と第1実施形態との相違点は、第3実施形態では、ステップS30(図11)の代わりに、ステップS430の処理が実行される点、及びステップS40の代わりに、ステップS440の処理が実行される点である。以下では、ステップS430及びS440の処理のみを説明する。
ステップS430では、パラメータ算出部212が、1次のPARCOR係数k(1)に応じて定まる値と2次のPARCOR係数k(2)に応じて定まる値との間に成り立つ関係式、に応じて定まるパラメータを算出する(ステップS430)。
[ステップS430の詳細]
ステップS430では、まず、パラメータ算出部212の逆量子化部212aが、非線形量子化部11から出力された2次の量子化PARCOR係数i(2)を逆量子化し、2次のPARCOR係数k'(2)(「2次のPARCOR係数に応じて定まる値」に相当)を生成する(ステップS431)。
次に、重み係数乗算部212bと減算部212cとにより、線形予測分析部1012から出力された1次のPARCOR係数k(1)(「1次のPARCOR係数に応じて定まる値」に相当)と、予め定められた重み係数aと、逆量子化によって得られた2次のPARCOR係数k'(2)とを用い、重みつき差分値k(1)−a・k'(2)を算出する(ステップS432)。この例では、重み係数乗算部312bが、予め定められた重み係数aに2次のPARCOR係数k'(2)を乗じた第2乗算値a・k'(2)を算出し、減算部212cが1次のPARCOR係数k(1)から第2乗算値a・k'(1)を減することで重みつき差分値k(1)−a・k'(2)を算出する。しかし、k(1)を初期値としてk'(2)を減算する処理をa回繰り返して重みつき差分値k(1)−a・k'(2)を算出するなど、その他の方法で重みつき差分値k(1)−a・k'(2)を求めてもよい。
次に、パラメータ量子化部212dが、ステップS432で算出された重みつき差分値k(1)−a・k'(2)を量子化してパラメータbを生成して出力する(ステップS433)。なお、パラメータ量子化部12dによって行われる量子化は、線形量子化であってもよいし、非線形量子化であってもよい。また、この例のパラメータbは、重みつき差分値k(1)−a・k'(2)の量子化値そのものであってもよいし、その量子化値に付されたインデックスであってもよい。また、パラメータbの絶対値は、対応する重みつき差分値k(1)−a・k'(2)の増加に対して広義単調増加する。パラメータbは、対応する重みつき差分値k(1)−a・k'(2)に対して広義単調増加するものであってもよいし、広義単調減少するものであってもよいし、対応する重みつき差分値k(1)−a・k'(2)の絶対値の増加に対して広義単調増加するものであってもよいし、広義単調減少するものであってもよい([ステップS430の詳細]の説明終わり)。
次に、係数符号化部13が、パラメータbに対応するパラメータ符号Cbと、2次からM次までの量子化PARCOR係数i(m'')(m''=2,3,...,M)に対応する係数符号Ckとを生成し、パラメータbと2次のPARCOR係数k(2)とを含む情報b,k(m'')(m''=2,3,...,M)に対応するパラメータ符号Cb,係数符号Ckを生成する(ステップS440)。
<復号方法>
図22は、第3実施形態の復号方法を説明するためのフローチャートである。以下、図22を用いて第3実施形態の復号方法を説明する。
第3実施形態と第1実施形態との相違点は、第3実施形態では、ステップS110(図12)の代わりに、ステップS510の処理が実行される点、及びステップS140の代わりに、ステップS540の処理が実行される点である。以下では、ステップS510及びS540の処理のみを説明する。
ステップS510では、復号装置220の分離部1021は、復号装置220に入力された符号Cgを分離し、パラメータbに対応するパラメータ符号Cbと、2次からM次までの量子化PARCOR係数i(m'')(m''=2,3,...,M)に対応する係数符号Ckと、予測残差e(n)(n=1,2,...,N)に対応する残差符号Ceとを生成する(ステップS510)。
ステップS540では、PARCOR係数算出部222が、係数復号部21から出力されたパラメータbと2次の量子化PARCOR係数i(2)とを用い、1次のPARCOR係数k'(1)(「1次のPARCOR係数の復元値」に相当)を算出する(ステップS540)。
[ステップS540の詳細]
ステップS540では、PARCOR係数算出部222の逆量子化部222aが、係数復号部21から出力された量子化PARCOR係数i(m'')(m''=2,3,...,M)を逆量子化し、2次からM次までのPARCOR係数k'(m'')(m'=2,3,...,M)を生成する(ステップS541)。また、逆量子化部222cが、係数復号部21から出力されたパラメータbを逆量子化し、パラメータbの逆量子化値b'を生成する(ステップS542)。そして、重み係数乗算部222bと加算部222dとが、逆量子化によって得られた2次のPARCOR係数k'(2)と、予め定められた重み係数aと、パラメータbの逆量子化値b'とを用い、1次のPARCOR係数k'(1)=a・k'(2)+b'を生成する(ステップS543)。本形態では、重み係数乗算部222bが、予め定められた重み係数aに、逆量子化によって得られた2次のPARCOR係数k'(2)を乗じた第2乗算値a・ k'(2)を生成し、加算部222dが、当該第2乗算値a・ k'(2)とパラメータbの逆量子化値b'とを加算することで1次のPARCOR係数k'(1)を生成する。しかし、逆量子化値b'を初期値としてk'(2)を加算する処理をa回繰り返して1次のPARCOR係数k'(1)=a・k'(2)+b'を算出するなど、その他の方法で1次のPARCOR係数k'(1)を求めてもよい([ステップS540の詳細]の説明終わり)。
〔第3実施形態の変形例1〕
第3実施形態は、第1実施形態における1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との取り扱いを逆にし、2次のPARCOR係数とパラメータとを含む情報に対応する符号によってPARCOR係数を符号化し、この符号から1次のPARCOR係数を復元可能な形態であった。しかし、第2実施形態における1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との取り扱いを逆にし、2次のPARCOR係数とパラメータとを含む情報に対応する符号によってPARCOR係数を符号化し、この符号から1次のPARCOR係数を復元可能な形態であってもよい。
すなわち、上述の〔原理〕の[第1態様]で説明した枠組みのうち、以下の構成であってもよい。
・関係式:予め定められた重み係数に2次のPARCOR係数に応じて定まる値を乗じた第2乗算値と、第2変数値と、の和によって1次のPARCOR係数に応じて定まる値を表現可能な等式。
・1次のPARCOR係数に応じて定まる値:1次のPARCOR係数を量子化して得られた1次の量子化PARCOR係数。
・2次のPARCOR係数に応じて定まる値:2次のPARCOR係数を量子化して得られた2次の量子化PARCOR係数。
・パラメータ:上記関係式を満たす第2変数値。これは「第2変数値に応じて定まる値」であり、当該パラメータの絶対値は、第2変数値の増加に対して広義単調増加する。
・ステップ(III)の符号:パラメータと2次のPARCOR係数とを含む情報に対応する符号。
〔第3実施形態の変形例2〕
第1実施形態の方法でPARCOR係数を符号化した場合と、第3実施形態の方法でPARCOR係数を符号化した場合と、従来の方法でPARCOR係数を符号化した場合との符号量を比較し、フレームごとに最も符号量が小さい符号化方法を選択する構成であってもよい。図23は、第3実施形態の変形例2における符号化装置310の機能構成を説明するためのブロック図である。この例では、パラメータ算出部12が、第1実施形態で説明したようにパラメータ(b1と表記する)を生成し、パラメータ算出部212が、第3実施形態で説明したようにパラメータ(b2と表記する)を生成する。そして、係数符号化部313は、パラメータ算出部12から出力されたパラメータb1の符号と1次の量子化PARCOR係数i(1)の符号との合計符号量と、パラメータ算出部212から出力されたパラメータb2の符号と2次の量子化PARCOR係数i(2)の符号との合計符号量と、1次の量子化PARCOR係数i(1)の符号と2次の量子化PARCOR係数i(2)の符号との合計符号量と、を比較し、合計符号量が最小となる符号化方法を選択する。
また、その他の組合せについて、何れかの形態・変形例の方法や従来の方法でPARCOR係数を符号化した場合の符号量を比較し、フレームごとに最も符号量が小さい符号化方法を選択する構成であってもよい。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態は、1次のPARCOR係数が予め定められた閾値以上となる場合に、本発明の1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との相関を利用した符号化方法を実行し、PARCOR係数が予め定められた閾値未満となる場合に、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とを互いに独立に符号化する形態である。以下では、上述の〔原理〕の[第1態様]で説明した枠組みのうち、以下の構成について説明する。ただし、これは本発明を限定するものではない。
・ステップ(II)及び(III)は、1次のPARCOR係数の絶対値が予め定められた第1閾値以上となる場合に実行されるステップである。1次のPARCOR係数の絶対値が第1閾値未満となる場合には、1次のPARCOR係数と、2次のPARCOR係数と、を含む情報に対応する符号を生成するステップが実行される。
・ステップ(V)は、1次のPARCOR係数に対応する復号値の絶対値が予め定められた第2閾値以上となる場合に、パラメータと1次のPARCOR係数に対応する復号値とを用い、2次のPARCOR係数の復元値を算出するステップである。
・関係式:予め定められた重み係数に1次のPARCOR係数に応じて定まる値を乗じた第1乗算値と、第1変数値と、の和によって2次のPARCOR係数に応じて定まる値を表現可能な等式。
・1次のPARCOR係数に応じて定まる値:1次のPARCOR係数。これは「1次のPARCOR係数の増加に対して広義単調増加する値」である。
・2次のPARCOR係数に応じて定まる値:2次のPARCOR係数。これは「2次のPARCOR係数の増加に対して広義単調増加する値」である。
・パラメータ:上記関係式を満たす第1変数値を量子化して得られた第1量子化変数値。これは「第1変数値に応じて定まる値」であり、当該パラメータの絶対値は、第1変数値の増加に対して広義単調増加する。
・ステップ(III)の符号:パラメータと1次のPARCOR係数とを含む情報に対応する符号。
<構成>
図24は、第4実施形態の符号化装置410の機能構成を説明するためのブロック図である。図25は、図24に示した非線形量子化部11、パラメータ算出部12、及び選択部411の詳細を説明するためのブロック図である。また、図26は、第4実施形態の復号装置420の機能構成を説明するためのブロック図である。図27は、図26に示したPARCOR係数算出部422の詳細を説明するためのブロック図である。なお、これらの図において、第1実施形態で既に説明した部分については、第1実施形態と同じ参照番号を用いることとし、その説明を簡略化する。
これらの図に示すように、第4実施形態と第1実施形態との構成上の相違点は、第4実施形態では、符号化装置410の選択部411と、復号装置420のPARCOR係数算出部422である。これら以外の構成は第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
図24に示すように、符号化装置410は、第1実施形態の符号化装置10が具備する各機能構成に加え、選択部411を有する。図25に示すように、この選択部411は、判定部411a、及び切り替え部411bを有する。また、図27に示すように、PARCOR係数算出部422は、逆量子化部22a,22c、重み係数乗算部22b、加算部22d、判定部422a、及び切り替え部422bを有する。
<符号化方法>
図28は、第4実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャートである。以下、図28を用い、第1実施形態との相違点を中心に第4実施形態の符号化方法を説明する。
符号化装置410は、まず、第1実施形態で説明したステップS10の処理を実行する。ステップS10の処理の後、線形予測分析部1012から出力された1次からM次までのPARCOR係数k(m)(m=1,2,...,M)が選択部411(図25)に入力される。選択部411の判定部411aは、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値(「第1閾値」に相当)以上であるか否かを判定する(ステップS630)。この閾値(「第1閾値」に相当)は、PARCOR係数の絶対値がとり得る範囲(0以上1以下)で定められる。なお、この閾値判定は、量子化前の領域で行ってもよいし、量子化後の領域で行ってもよい。しかし、後述のように、復号時にも同様な閾値判定を行って符号化装置410と復号装置420とで符号化方法の情報を共有する場合、量子化誤差によって符号化時と復号時とで閾値判定結果が相違しないように、量子化後の領域又はそこから逆量子化した領域でステップS630の閾値判定が行われることが望ましい。例えば、ステップS630の閾値判定を量子化後の領域で行う場合、判定部411aは、入力された1次のPARCOR係数k(1)を1次の量子化PARCOR係数i(1)に変換してから、1次の量子化PARCOR係数i(1)の閾値判定を行う。この場合、閾値判定に用いる閾値は量子化後の領域に変換した閾値となる。また、量子化前の領域と量子化後の領域とで値の大小関係が反転する場合、量子化前の領域と量子化後の領域とでは閾値判定における大小関係が反転する。このように量子化後の領域等で行う閾値判定も「1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値以上であるか否かを判定する」ことに相当する。また、量子化後の領域等のように判定対象の情報が離散値である場合には、判定対象が定められた閾値以上であるか否かを判定するために、判定対象が当該閾値より小さな当該閾値の隣の離散値を越えるか否かを判定する処理を行うことも可能である。
ステップS630の判定において、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値(「第1閾値」に相当)以上であると判定された場合には、切り替え部411bによる処理分岐制御に従い、第1実施形態で説明したステップS20〜S80(図11)の処理が実行される。
一方、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値(「第1閾値」に相当)未満となると判定された場合、切り替え部411bによる処理分岐制御に従い、第1実施形態で説明したステップS20の処理がされた後、係数符号化部13(図24)が、非線形量子化部11から出力された1次からM次までの量子化PARCOR係数i(m)(m=1,2,...,M)に対応する係数符号Ck(「1次のPARCOR係数k(1)と、2次のPARCOR係数k(2)と、を含む情報に対応する符号」に相当)を生成する(ステップS640)。ステップS640の処理の後、第1実施形態で説明したステップS50〜S70の処理が実行され、その後、合成部1019が、係数符号Ckと残差符号Ceとを合成し、量子化PARCOR係数i(m)(m=1,2,...,M)と予測残差e(n)(n=1,2,...,N)とを含む情報に対応する符号Cgを生成する(ステップS650)。
<復号方法>
図29は、第4実施形態の復号方法を説明するためのフローチャートである。以下、図29を用い、第1実施形態との相違点を中心に第4実施形態の符号化方法を説明する。
復号装置420は、まず、第1実施形態で説明したステップS110及びS120の処理を実行し、さらに係数復号部21が係数符号Ckを復号し、量子化PARCOR係数i(m')(m'=1,3,...,M)を生成する(ステップS730)。その後、PARCOR係数算出部422の判定部422aは、係数復号部21から出力された1次の量子化PARCOR係数i(1)(「1次のPARCOR係数に対応する復号値」に相当)が予め定められた閾値(第2閾値)以上であるか否かを判定する(ステップS740)。この閾値(第2閾値)は、前述の閾値(「第1閾値」に相当)を量子化後の領域に変換したものである。
ステップS740の判定において、1次の量子化PARCOR係数i(1)が予め定められた閾値(第2閾値)以上であると判定された場合、切り替え部422bによる処理分岐制御に従い、係数復号部21が、分離部1021から出力されたパラメータ符号Cbを復号し、パラメータbを生成(ステップS760)した後、第1実施形態で説明したステップS140(「パラメータと1次のPARCOR係数に対応する復号値とを用い、2次のPARCOR係数の復元値を算出するステップ」に相当)の処理(図17)が実行され、さらにステップS150及びS160(図12)の処理が実行される。
一方、ステップS740の判定において、1次の量子化PARCOR係数i(1)が予め定められた閾値(第2閾値)未満であると判定された場合、切り替え部422bによる処理分岐制御に従い、PARCOR係数算出部422の逆量子化部22aが、係数復号部21の復号によって得られた1次からM次までの量子化PARCOR係数i(m)(m=1,2,...,M)を逆量子化し、1次からM次までのPARCOR係数k'(m)(m=1,2,...,M)を生成する(ステップS750)。なお、量子化前の領域と量子化後の領域とで値の大小関係が反転する場合、ステップS740の閾値判定における大小関係も反転する。
ステップS750の後、第1実施形態で説明したステップS150及びS160の処理が実行される。
〔第4実施形態の変形例1〕
第4実施形態の変形例1も、1次のPARCOR係数が予め定められた閾値以上となる場合に、本発明の1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との相関を利用した符号化方法を実行し、1次のPARCOR係数が予め定められた閾値未満となる場合に、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とを互いに独立に符号化する形態である。ただし、第4実施形態では、第1実施形態で説明した方法によって「1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との相関を利用した符号化方法」を実現していたのに対し、第4実施形態の変形例1では、第2実施形態で説明した方法によってこれを実現する。すなわち、第4実施形態の変形例1は、上述の〔原理〕の[第1態様]で説明した枠組みのうち、以下の構成に関するものである。ただし、これは本発明を限定するものではない。
・ステップ(II)及び(III)は、1次のPARCOR係数の絶対値が予め定められた第1閾値以上となる場合に実行されるステップである。1次のPARCOR係数の絶対値が第1閾値未満となる場合には、1次のPARCOR係数と、2次のPARCOR係数と、を含む情報に対応する符号を生成するステップが実行される。
・ステップ(V)は、1次のPARCOR係数に対応する復号値の絶対値が予め定められた第2閾値以上となる場合に、パラメータと1次のPARCOR係数に対応する復号値とを用い、2次のPARCOR係数の復元値を算出するステップである。
・関係式:予め定められた重み係数に1次のPARCOR係数に応じて定まる値を乗じた第1乗算値と、第1変数値と、の和によって2次のPARCOR係数に応じて定まる値を表現可能な等式。
・1次のPARCOR係数に応じて定まる値:1次のPARCOR係数を量子化して得られた1次の量子化PARCOR係数。
・2次のPARCOR係数に応じて定まる値:2次のPARCOR係数を量子化して得られた2次の量子化PARCOR係数。
・パラメータ:上記関係式を満たす第1変数値。これは「第1変数値に応じて定まる値」であり、当該パラメータの絶対値は、第1変数値の増加に対して広義単調増加する。
・ステップ(III)の符号:パラメータと1次のPARCOR係数とを含む情報に対応する符号。
<構成>
第4実施形態の変形例1と第4実施形態との構成上の相違点は、符号化装置410の選択部及びパラメータ算出部と、復号装置420のPARCOR係数算出部である。
図30は、第4実施形態の変形例1における符号化装置410の非線形量子化部11、選択部511及びパラメータ算出部122の詳細を説明するためのブロック図である。また、図31は、第4実施形態の変形例1における復号装置420のPARCOR係数算出部522の詳細を説明するためのブロック図である。なお、これらの構成以外は第4実施形態と同じであるため、説明を省略する。
図30に示すように、選択部511は、判定部511a及び切り替え部511bを有し、パラメータ算出部122は、重み係数加算部112bと減算部112cとを有する。また、図31に示すように、PARCOR係数算出部522は、判定部522a、切り替え部522b、逆量子化部122a、重み係数乗算部122b、及び加算部122cを有する。
<符号化方法>
図32は、第4実施形態の変形例1の符号化方法を説明するためのフローチャートである。以下、図32を用いて第4実施形態の変形例1の符号化方法を説明する。
第4実施形態の変形例1では、まず、第1実施形態で説明したステップS10及びS20の処理が実行される。次に、非線形量子化部11から出力された1次からM次までの量子化PARCOR係数i(m)(m=1,2,...,M)が選択部511に入力される。選択部511の判定部511aは、1次の量子化PARCOR係数i(1)の絶対値が予め定められた閾値以上であるか否かを判定する(ステップS830)。これは、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値(「第1閾値」に相当)以上であるか否かを量子化後の領域で判定することに相当する。なお、1次の量子化PARCOR係数i(1)の閾値判定に用いる閾値は、第1閾値を量子化後の領域に変換したものである。
ステップS830の判定において、1次の量子化PARCOR係数i(1)の絶対値が予め定められた閾値以上である(1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値(「第1閾値」に相当)以上である)と判定された場合には、切り替え部511bによる処理分岐制御に従い、第2実施形態で説明したステップS230及びS40〜S80の処理(図16)が実行される。
一方、ステップS830の判定において、1次の量子化PARCOR係数i(1)の絶対値が予め定められた閾値未満である(1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値(「第1閾値」に相当)未満である)と判定された場合には、切り替え部511bによる処理分岐制御に従い、第4実施形態で説明したステップS640、S50〜S70、及びステップS650の処理が実行される。
<復号方法>
図33は、第4実施形態の変形例1の復号方法を説明するためのフローチャートである。以下、図33を用い、第4実施形態との相違点を中心に第4実施形態の変形例1の符号化方法を説明する。
第4実施形態の変形例1では、まず、第1実施形態で説明したステップS110及びS120の処理が実行された後、係数復号部21が係数符号Ckを復号し、量子化PARCOR係数i(m')(m'=1,3,...,M)を生成する(ステップS730)。
その後、PARCOR係数算出部522の判定部522aは、係数復号部21から出力された1次の量子化PARCOR係数i(1)(「1次のPARCOR係数に対応する復号値」に相当)が予め定められた閾値(第2閾値)以上であるか否かを判定する(ステップS740)。この閾値(第2閾値)は、第1閾値を量子化後の領域に変換したものである。
ステップS740の判定において、1次の量子化PARCOR係数i(1)が予め定められた閾値(第2閾値)以上であると判定された場合、切り替え部522bによる処理分岐制御に従い、第4実施形態で説明したステップS760の処理(図29)を実行した後、第2実施形態で説明したステップS340(「パラメータと1次のPARCOR係数に対応する復号値とを用い、2次のPARCOR係数の復元値を算出するステップ」に相当)の処理(図17)が実行され、さらにステップS150及びS160(図12)の処理が実行される。
一方、ステップS740の判定において、1次の量子化PARCOR係数i(1)が予め定められた閾値(第2閾値)未満であると判定された場合、切り替え部522bによる処理分岐制御に従い、PARCOR係数算出部422の逆量子化部22aが、係数復号部21の復号によって得られた1次からM次までの量子化PARCOR係数i(m)(m=1,2,...,M)を逆量子化し、1次からM次までのPARCOR係数k'(m)(m=1,2,...,M)を生成する(ステップS750)。ステップS750の後、第1実施形態で説明したステップS150及びS160の処理が実行される。
〔第4実施形態の変形例2〕
第4実施形態及びその変形例1において、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との取り扱いを逆にし、2次のPARCOR係数とパラメータとを含む情報に対応する符号によってPARCOR係数を符号化し、この符号から1次のPARCOR係数を復元可能な構成とする。すなわち、上述の〔原理〕の[第1態様]で説明した枠組みのうち、以下の構成をとる。なお、これは本発明を限定するものではない。
・ステップ(II)及び(III)は、2次のPARCOR係数の絶対値が予め定められた第1閾値以上となる場合に実行されるステップである。2次のPARCOR係数の絶対値が第1閾値未満となる場合には、1次のPARCOR係数と、2次のPARCOR係数と、を含む情報に対応する符号を生成するステップが実行される。
・ステップ(V)は、2次のPARCOR係数に対応する復号値の絶対値が予め定められた第2閾値以上となる場合に、パラメータと2次のPARCOR係数に対応する復号値とを用い、1次のPARCOR係数の復元値を算出するステップである。
・関係式:予め定められた重み係数に2次のPARCOR係数に応じて定まる値を乗じた第2乗算値と、第2変数値と、の和によって1次のPARCOR係数に応じて定まる値を表現可能な等式。
・1次のPARCOR係数に応じて定まる値:1次のPARCOR係数。
・2次のPARCOR係数に応じて定まる値:2次のPARCOR係数。
・パラメータ:上記関係式を満たす第2変数値を量子化して得られた第2量子化変数値。これは「第2変数値に応じて定まる値」であり、「第2変数値の増加に対して広義単調増加する値」である。
・ステップ(III)の符号:パラメータと2次のPARCOR係数とを含む情報に対応する符号。
また、上記の構成において、1次のPARCOR係数に応じて定まる値を1次のPARCOR係数とし、2次のPARCOR係数に応じて定まる値を2次のPARCOR係数とし、パラメータを上記関係式を満たす第2変数値を量子化して得られた第2量子化変数値とする代わりに、
・1次のPARCOR係数に応じて定まる値:1次のPARCOR係数を量子化して得られた1次の量子化PARCOR係数。
・2次のPARCOR係数に応じて定まる値:2次のPARCOR係数を量子化して得られた2次の量子化PARCOR係数。
・パラメータ:上記関係式を満たす第2変数値。
とする構成であってもよい。
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態を説明する。
第5実施形態では、上述の〔原理〕の[第2態様]で説明した枠組みについて例示する。ただし、これは本発明を限定するものではない。
以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と共通する事項については説明を省略する。
<構成>
図34は、第5実施形態の符号化装置610の機能構成を説明するためのブロック図である。また、図35は、図34に示した量子化方法選択部611、量子化部612及び符号化方法選択部613の詳細を説明するためのブロック図であり、図36は、図34に示した係数符号化部614の詳細を説明するためのブロック図である。図37は、第5実施形態の復号装置620の機能構成を説明するためのブロック図である。また、図38は、図37に示した係数復号部621の詳細を説明するためのブロック図である。
図34に示すように、符号化装置610の第1実施形態における符号化装置10からの構成上の相違点は、符号化装置10の非線形量子化部11、パラメータ算出部12及び係数符号化部13が、量子化方法選択部611、量子化部612、符号化方法選択部613及び係数符号化部614に置換された点である。図35に示すように、本形態の量子化方法選択部611は、判定部611a及び切り替え部611bを有し、量子化部612は、量子化部612a、低精度量子化部612b及び高精度量子化部612cを有する。また、図36に示すように、本形態の係数符号化部614は、判定部614a、切り替え部614bと、可変長符号化部614c〜614eを有する。
また、図37に示すように、復号装置620の第1実施形態における復号装置20からの構成上の相違点は、復号装置20の係数復号部21及びPARCOR係数算出部22が、係数復号部621及びPARCOR係数算出部622に置換された点である。図38に示すように、本形態の係数復号部621は、可変長復号部621a,621d,621e、判定部621b,621f、切り替え部621c,621g、及び逆量子化部621h〜621jを有する。
<符号化方法>
図39は、第5実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャートである。以下、図39を用いて本形態の符号化方法を説明する。なお、以下では1フレーム分の処理のみを説明するが、実際は同様な処理が各フレームについて実行される。
まず、第1実施形態のステップS10の処理が実行されることで、線形予測分析部1012が、1次からM次までのPARCOR係数k(m)(m=1,2,...,M)を出力する(ステップS10)。
出力された1次のPARCOR係数k(1)は符号化方法選択部613(図35)に入力され、符号化方法選択部613は、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値T1以上となる場合に、2次のPARCOR係数k(2)に対応する符号を生成するための符号化方法として第1可変長符号化方法を選択し、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が閾値T1未満となる場合に、2次のPARCOR係数k(2)に対応する符号を生成するための符号化方法として第1可変長符号化方法と異なる第2可変長符号化方法を選択する(ステップS910)。
[ステップS910の詳細]
ステップS910では、まず、符号化方法選択部613は、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値T1以上であるか否かを判定する(ステップS911)。この閾値T1は、PARCOR係数の絶対値がとり得る範囲(0以上1以下)で予め定められる。また、この閾値判定は、量子化前の領域で行ってもよいし、量子化後の領域で行ってもよい。しかし、後述のように、復号時にも同様な閾値判定を行って符号化装置610と復号装置620とで符号化方法の情報を共有する必要があるため、量子化誤差によって符号化時と復号時とで閾値判定結果が相違しないように、量子化後の領域又はそこから逆量子化した領域でステップS911の閾値判定が行われることが望ましい。例えば、ステップS911の閾値判定を量子化後の領域で行う場合、符号化方法選択部613は、入力された1次のPARCOR係数k(1)を1次の量子化PARCOR係数i(1)に変換してから、1次の量子化PARCOR係数i(1)の閾値判定を行う。この場合、閾値判定に用いる閾値は量子化後の領域に変換した閾値となる。また、量子化前の領域と量子化後の領域とで値の大小関係が反転する場合、量子化前の領域と量子化後の領域とでは閾値判定における大小関係が反転する。このように量子化後の領域等で行う閾値判定も「1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値以上であるか否かを判定する」ことに相当する。また、量子化後の領域等のように判定対象の情報が離散値である場合には、判定対象が定められた閾値以上であるか否かを判定するために、判定対象が当該閾値より小さな当該閾値の隣の離散値を越えるか否かを判定する処理を行うことも可能である。そして、符号化方法選択部613は、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値T1以上であると判定した場合、第1可変長符号化方法を選択し(ステップS912)、そうでない場合、第2可変長符号化方法を選択し、選択内容を示すパラメータbを出力する(ステップS913)。なお、この例の場合、符号化方法選択部613は、第1可変長符号化方法を選択した場合にb=0を出力し、第2可変長符号化方法を選択した場合にb=1を出力する。また、第1可変長符号化方法及び第2可変長符号化方法は、前述の〔原理〕の[第2態様]で説明したとおりであり、そのような符号化方法の具体例は、ライス符号化方法やハフマン符号化方法である([ステップS910の詳細]の説明終わり)。
また、線形予測分析部1012から出力された1次と2次のPARCOR係数k(1),k(2)は量子化方法選択部611(図35)にも入力され、量子化方法選択部611は、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた第2閾値T2以上となる場合に予め定められた第1量子化方法を選択し、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた第2閾値T2未満となる場合に第1量子化方法よりも量子化ステップサイズが大きい予め定められた第2量子化方法を選択し、選択した量子化方法によって2次のPARCOR係数k(2)を量子化し、2次の量子化PARCOR係数を生成する(ステップS920)。
[ステップS920の詳細]
ステップS920では、まず、量子化方法選択部611の判定部611aが、入力された1次のPARCOR係数k(1)が予め定められた第2閾値T2以上であるか否かを判定する(ステップS921)。この閾値T2は、PARCOR係数の絶対値がとり得る範囲(0以上1以下)で予め定められる。その他のステップS921での閾値判定の詳細は、ステップS911で説明した閾値判定と同様であるため説明を省略する。そして、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値T2以上であると判定された場合、切り替え部611bによる処理分岐制御に従い、高精度量子化部612cが第1量子化方法によって入力された2次のPARCOR係数k(2)を量子化し、2次の量子化PARCOR係数i(2)を生成して出力する(ステップS922)。一方、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値T2未満であると判定された場合、切り替え部611bによる処理分岐制御に従い、低精度量子化部612bが第2量子化方法によって入力された2次のPARCOR係数k(2)を量子化し、2次の量子化PARCOR係数i(2)を生成して出力する(ステップS923)。なお、第1量子化方法及び第2量子化方法は、入力信号を線形量子化するための方法でもよいし、非線形量子化するための方法でもよい。ただし、入力信号の或る振幅範囲に対する第1量子化方法の量子化ステップサイズは、それと同一の振幅範囲に対する第2量子化方法の量子化ステップサイズよりも小さい。言い換えると、入力信号の或る振幅範囲に対する第1量子化方法の量子化ステップ数は、それと同一の振幅範囲に対する第2量子化方法の量子化ステップ数よりも多い。つまり、第1量子化方法は第2量子化方法よりも細かい粒度で入力信号の量子化を行う方法である([ステップS920の詳細]の説明終わり)。
また、量子化部612aに1次、3次からM次のPARCOR係数k(1),k(3),...,k(M)が入力される。量子化部612aは、これらを予め定められた固定の量子化方法によって量子化して1次、3次からM次の量子化PARCOR係数i(1),i(3),...,i(M)を生成して出力する(ステップS930)。なお、量子化部612aが行う量子化は、線形量子化であってもよいし、非線形量子化であってもよい。
次に、2次の量子化PARCOR係数i(2)とパラメータbとが係数符号化部614(図36)に入力され、係数符号化部614は、パラメータbに示されるステップS910で選択された符号化方法を用い、2次の量子化PARCOR係数i(2)を符号化し、2次のPARCORに対応する係数符号Ck(2)を生成する(ステップS940)。
[ステップS940の詳細]
ステップS940では、まず、判定部614a(図36)が、パラメータbに示されるステップS910で選択された符号化方法が第1可変長符号化方法であるか否かを判定する(ステップS931)。この例では、b=0であるか否かが判定される。ここで、b=0であると判定された場合、切り替え部614bによる処理分岐制御に従い、可変長符号化部614dが、入力された2次の量子化PARCOR係数i(2)を第1可変長符号化方法で符号化して係数符号Ck(2)を生成して出力する(ステップS932)。一方、b=1であると判定された場合、切り替え部614bによる処理分岐制御に従い、可変長符号化部614eが、入力された2次の量子化PARCOR係数i(2)を第2可変長符号化方法で符号化して係数符号Ck(2)を生成して出力する(ステップS933/[ステップS940の詳細]の説明終わり)。
また、可変長符号化部614cは、入力された1次、3次からM次の量子化PARCOR係数i(1),i(3),...,i(M)を予め定められた固定の可変長符号化方法で符号化して係数符号Ck(1), Ck(3),..., Ck(M)を生成して出力する(ステップS950)。なお、可変長符号化部614cが行う可変長符号化の一例は、ライス符号化である。
その後、第1実施形態のステップS50及びS60の処理が実行された後、係数符号化部614で生成された係数符号Ck=(Ck(1),...,Ck(M))と、残差符号化部1018で生成された残差符号Ceは、合成部1019(図34)に送られ、そこで合成されて符号Cgが生成される(ステップS980)。そして、符号化装置610は、生成した符号Cgを出力する。
<復号方法>
図40は、第5実施形態の符号化方法を説明するためのフローチャートである。以下、図40を用いて本形態の復号方法を説明する。なお、以下では1フレーム分の処理のみを説明するが、実際は同様な処理が各フレームについて実行される。
復号装置620の分離部1021(図37)は、復号装置20に入力された符号Cgを分離し、1次からM次までの量子化PARCOR係数i(m)(m=1,2,...,M)に対応する係数符号Ck=(Ck(1),...,Ck(M))と、予測残差e(n)(n=1,2,...,N)に対応する残差符号Ceとを生成する(ステップS1010)。次に、第1実施形態のステップS120の処理が実行され、さらに、係数復号部621(図38)の可変長復号部621aが、入力された係数符号Ck(1), Ck(3),..., Ck(M)を復号し、1次、3次からM次の量子化PARCOR係数i(1),i(3),...,i(M)を生成する(ステップS1030)。
さらに、判定部621bが、1次のPARCOR係数に対応する係数符号Ck(1)の復号値i(1)の絶対値と予め定められた閾値T3とを比較し、予め定められた第1可変長符号化方法に対応する復号方法によって2次のPARCOR係数に対応する係数符号Ck(2)を復号するか、第1可変長符号化方法と異なる予め定められた第2可変長符号化方法に対応する復号方法によって2次のPARCOR係数に対応する係数符号Ck(2)を復号するかを判定し、可変長復号部621d,621eが係数符号Ck(2)を復号する(ステップS1040)。
[ステップS1040の詳細]
まず、可変長復号部621aから出力された係数符号Ck(1)の復号値である1次の量子化PARCOR係数i(1)が判定部621bに入力される。判定部621bは、当該1次の量子化PARCOR係数i(1)の絶対値が予め定められた閾値T3以上であるか否かを判定する。なお、この閾値T3は、ステップS910の閾値T1をステップS930の量子化方法で量子化した値である。
ここで、1次の量子化PARCOR係数i(1)の絶対値が予め定められた閾値T3以上であると判定された場合、切り替え部621cによる処理分岐制御に従い、可変長復号部621dが、入力された係数符号Ck(2)を第1可変長符号化方法に対応する復号方法で復号し、2次の量子化PARCOR係数i(2)を生成して出力する(ステップS1042)。一方、1次の量子化PARCOR係数i(1)の絶対値が予め定められた閾値T3未満であると判定された場合、切り替え部621cによる処理分岐制御に従い、可変長復号部621eが、入力された係数符号Ck(2)を第2可変長符号化方法に対応する復号方法で復号し、2次の量子化PARCOR係数i(2)を生成して出力する(ステップS1043)。
なお、量子化前の領域と量子化後の領域とで値の大小関係が反転する場合、ステップS1040の閾値判定における大小関係は反転する([ステップS1040の詳細]の説明終わり)。
次に、判定部621fが、1次のPARCOR係数に対応する係数符号Ck(1)の復号値の絶対値と予め定められた第2閾値T4とを比較し、予め定められた第1逆量子化方法を用い、2次のPARCOR係数に対応する符号を復号して得られた復号値を逆量子化するか、第1逆量子化方法よりも量子化ステップサイズが大きい予め定められた第2逆量子化方法を用い、2次のPARCOR係数に対応する符号を復号して得られた復号値を逆量子化するかを判定し、逆量子化部621i,621jが復号値を逆量子化する(ステップS1050)。
[ステップS1050の詳細]
まず、可変長復号部621aから出力された係数符号Ck(1)の復号値である1次の量子化PARCOR係数i(1)が判定部621fに入力される。判定部621fは、当該1次の量子化PARCOR係数i(1)の絶対値が予め定められた閾値T4以上であるか否かを判定する。なお、この閾値T4は、ステップS920の閾値T2をステップS930の量子化方法で量子化した値である。
ここで、1次の量子化PARCOR係数i(1)の絶対値が予め定められた閾値T4以上であると判定された場合、切り替え部621gによる処理分岐制御に従い、逆量子化部621iが、2次の量子化PARCOR係数i(2)を高精度逆量子化し、2次のPARCOR係数k’(2)を生成する(ステップS1052)。この高精度逆量子化は、ステップS922の高精度量子化の逆量子化であり、第1逆量子化に相当する。一方、1次の量子化PARCOR係数i(1)の絶対値が予め定められた閾値T4未満であると判定された場合、切り替え部621gによる処理分岐制御に従い、逆量子化部621jが、2次の量子化PARCOR係数i(2)を低精度逆量子化し、2次のPARCOR係数k’(2)を生成する(ステップS1053)。この低精度逆量子化は、ステップS923の低精度量子化の逆量子化であり、第2逆量子化に相当する。
なお、量子化前の領域と量子化後の領域とで値の大小関係が反転する場合、ステップS1050の閾値判定における大小関係は反転する([ステップS1050の詳細]の説明終わり)。
また、可変長復号部621aから出力された1次、3次からM次の量子化PARCOR係数i(1),i(3),...,i(M)は逆量子化部621hに入力され、逆量子化部621hは、これらを逆量子化して1次、3次からM次のPARCOR係数k’(1),k’(3),...,k’(M)を生成して出力する(ステップS1060)。この逆量子化は、ステップS930の量子化の逆量子化である。
その後、第1実施形態のステップS150及びS160が実行される。
〔第5実施形態の変形例1〕
第5実施形態のステップS911とS921との閾値判定処理を統合し、ステップS1041とS1051との閾値判定処理を統合してもよい。
すなわち、第5実施形態では、ステップS911(図39)で1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値T1以上であるか否かを判定して2次の量子化PARCOR係数i(2)の可変長符号化方法を決定し、ステップS920(図39)で1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値T2以上であるか判定して2次のPARCOR係数k(2)の量子化方法を決定していた。しかし、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値T1以上であるか否かが判定され、その判定結果に応じ、2次のPARCOR係数k(2)の量子化方法と2次の量子化PARCOR係数i(2)の可変長符号化方法との両方が決定されてもよい。例えば、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値T1以上の場合に、第1可変長符号化方法と第1量子化方法とが選択され、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値T1未満の場合に、第2可変長符号化方法と第2量子化方法とが選択されてもよい。
また、第5実施形態では、ステップS1041(図40)で1次の量子化PARCOR係数i(1)の絶対値が予め定められた閾値T3以上であるか否かを判定し、2次の量子化PARCORに対応する係数符号Ck(2)の復号方法を決定し、ステップS1051で1次の量子化PARCOR係数i(1)の絶対値が予め定められた閾値T4以上であるか否かを判定し、2次の量子化PARCOR係数i(2)の逆量子化方法を決定していた。しかし、1次の量子化PARCOR係数i(1)の絶対値が予め定められた閾値T3以上であるか否かが判定され、その判定結果に応じ、2次の量子化PARCORに対応する係数符号Ck(2)の復号方法と2次の量子化PARCOR係数i(2)の逆量子化方法との両方が決定されてもよい。例えば、1次の量子化PARCOR係数i(1)の絶対値が予め定められた閾値T3以上の場合に、第1可変長符号化方法に対応する復号方法と第1逆量子化方法とが選択され、1次の量子化PARCOR係数i(1)の絶対値が予め定められた閾値T3未満の場合に、第2可変長符号化方法に対応する復号方法と第2逆量子化方法とが選択されてもよい。
〔その他の変形例〕
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の第1から第4の実施形態では、符号化装置の係数符号化部が、PARCOR係数に対応する係数符号Ckと、パラメータに対応するパラメータ符号Cbとを別個に生成し、係数符号Ckとパラメータ符号Cbとからなる符号を、PARCOR係数とパラメータとに対応する符号とした。しかし、符号化装置の係数符号化部が、例えば、量子化PARCOR係数とパラメータとのビット結合値を符号化することによって、PARCOR係数とパラメータとに対応する符号を生成してもよい。
また、第5の実施形態では、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値T1以上となる場合に、2次のPARCOR係数k(2)に対応する符号を生成するための符号化方法として第1可変長符号化方法を選択し、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が閾値T1未満となる場合に、2次のPARCOR係数k(2)に対応する符号を生成するための符号化方法として第1可変長符号化方法と異なる第2可変長符号化方法を選択し(ステップS910)、1次のPARCOR係数k(1)と2次のPARCOR係数k(2)とを別個に符号化した(ステップS940,S950)。しかし、例えば、1次のPARCOR係数k(1)と2次のPARCOR係数k(2)とのビット結合値を1つの符号化対象としてもよい。すなわち、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が予め定められた閾値T1以上となる場合に、当該ビット結合値に対応する符号を生成するための符号化方法として第1可変長符号化方法を選択し、1次のPARCOR係数k(1)の絶対値が閾値T1未満となる場合に、当該ビット結合値に対応する符号を生成するための符号化方法として第1可変長符号化方法と異なる第2可変長符号化方法を選択し、1次のPARCOR係数k(1)と2次のPARCOR係数k(2)とをまとめて符号化してもよい。
また、1次のPARCOR係数に応じて定まる値と2次のPARCOR係数に応じて定まる値との間に成り立つ関係式として、第1から第4の実施形態で説明した以外の関係式を用い、その関係式に応じて定まるパラメータを用いてPARCOR係数の符号化を行ってもよい。例えば、関係式に重み係数を用いず、1次のPARCOR係数に応じて定まる値と第1変数値との和によって2次のPARCOR係数に応じて定まる値を表現可能な等式を上記関係式とし、それを満たす第1変数値に応じて定まる値をパラメータとして用いてもよい。このような関係式も、「予め定められた重み係数に1次のPARCOR係数に応じて定まる値を乗じた第1乗算値と、第1変数値と、の和によって2次のPARCOR係数に応じて定まる値を表現可能な等式」の概念に含まれる。また、例えば、2次のPARCOR係数に応じて定まる値と第2変数値との和によって1次のPARCOR係数に応じて定まる値を表現可能な等式を上記関係式とし、それを満たす第2変数値に応じて定まる値をパラメータとして用いてもよい。このような関係式も、「予め定められた重み係数に2次のPARCOR係数に応じて定まる値を乗じた第2乗算値と、第2変数値と、の和によって1次のPARCOR係数に応じて定まる値を表現可能な等式」の概念に含まれる。また、例えば、この関係式として、1次のPARCOR係数に応じて定まる値と2次のPARCOR係数に応じて定まる値との比を示す等式を用い、その比に応じて定まる値をパラメータとして用いてもよい。この場合、パラメータの絶対値は、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数との相関が大きいほど1に近づく。
また、上述の各種の処理は、記載に従って時系に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、上述の各実施形態を組み合わせた形態を実施するなど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
また、上述の構成をコンピュータによって実現する場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
本発明の産業上の利用分野としては、例えば、音響信号の可逆圧縮符号化・復号化技術を例示できる。また、本発明は、音響信号以外にも、映像信号、生体信号、地震波信号、センサーアレイ信号などの可逆圧縮符号化・復号化技術にも応用可能である。
10,210,310,410,610 符号化装置
20,220,420,620 復号装置

Claims (22)

  1. (A) 入力された時系列信号を線形予測分析することにより、少なくとも、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とをそれぞれ算出するステップと、
    (B) 前記ステップ(A)で算出された1次のPARCOR係数に応じて定まる値と2次のPARCOR係数に応じて定まる値との間に成り立つ関係式に応じて定まるパラメータを算出するステップと、
    (C) 前記パラメータに対応する符号と、前記1次のPARCOR係数又は前記2次のPARCOR係数の少なくとも何れか一方含む情報に対応する符号と、を生成するステップと、
    を含み、
    前記1次のPARCOR係数に応じて定まる値は、前記1次のPARCOR係数の絶対値の増加に対して広義単調減少する値であり、
    前記2次のPARCOR係数に応じて定まる値は、前記2次のPARCOR係数の絶対値の増加に対して広義単調減少する値である、
    ことを特徴とする符号化方法。
  2. (A) 入力された時系列信号を線形予測分析することにより、少なくとも、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とをそれぞれ算出するステップと、
    (B) 前記ステップ(A)で算出された1次のPARCOR係数に応じて定まる値と2次のPARCOR係数に応じて定まる値との間に成り立つ関係式に応じて定まるパラメータを算出するステップと、
    (C) 前記パラメータと、前記1次のPARCOR係数又は前記2次のPARCOR係数の何れか一方と、を含む情報に対応する符号を生成するステップと、
    を含み、
    前記ステップ(B)及び(C)は、前記1次のPARCOR係数の絶対値が予め定められた第1閾値以上となる場合に実行されるステップであり、前記1次のPARCOR係数の絶対値が前記第1閾値未満となる場合には、前記1次のPARCOR係数と、前記2次のPARCOR係数と、を含む情報に対応する符号を生成するステップが実行される、又は、前記ステップ(B)及び(C)は、前記2次のPARCOR係数の絶対値が予め定められた第1閾値以上となる場合に実行されるステップであり、前記2次のPARCOR係数の絶対値が前記第1閾値未満となる場合には、前記1次のPARCOR係数と、前記2次のPARCOR係数と、を含む情報に対応する符号を生成するステップが実行される、
    ことを特徴とする符号化方法。
  3. (A) 入力された時系列信号を線形予測分析することにより、少なくとも、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とをそれぞれ算出するステップと、
    (B) 前記ステップ(A)で算出された1次のPARCOR係数に応じて定まる値と2次のPARCOR係数に応じて定まる値との間に成り立つ関係式に応じて定まるパラメータを算出するステップと、
    (C) 前記パラメータと、前記1次のPARCOR係数又は前記2次のPARCOR係数の何れか一方と、を含む情報に対応する符号を生成するステップと、
    を含み、
    前記パラメータと、前記1次のPARCOR係数又は前記2次のPARCOR係数の何れか一方と、を含む情報に対応する符号は、
    前記パラメータに対応する符号と、前記1次のPARCOR係数又は前記2次のPARCOR係数の何れか一方に対応する符号と、を含み、
    前記ステップ(C)は、第1符号化対象の絶対値が第2符号化対象の絶対値よりも予め定められた特定の値に近い場合に、当該第1符号化対象に当該第2符号化対象の符号よりも短い符号長の符号が割り当てられる頻度が、当該第1符号化対象に当該第2符号化対象の符号よりも長い符号長の符号が割り当てられる頻度よりも高い可変長符号化方法によって、前記パラメータに対応する符号を生成するステップを含む、
    ことを特徴とする符号化方法。
  4. (A) 入力された時系列信号を線形予測分析することにより、少なくとも、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とをそれぞれ算出するステップと、
    (B) 前記ステップ(A)で算出された1次のPARCOR係数に応じて定まる値と2次のPARCOR係数に応じて定まる値との間に成り立つ関係式に応じて定まるパラメータを算出するステップと、
    (C) 前記パラメータと、前記1次のPARCOR係数又は前記2次のPARCOR係数の何れか一方と、を含む情報に対応する符号を生成するステップと、
    を含み、
    前記関係式が、予め定められた重み係数に前記1次のPARCOR係数に応じて定まる値を乗じた第1乗算値と、第1変数値と、の和によって前記2次のPARCOR係数に応じて定まる値を表現可能な等式であるか、又は、予め定められた重み係数に前記2次のPARCOR係数に応じて定まる値を乗じた第2乗算値と、第2変数値と、の和によって前記1次のPARCOR係数に応じて定まる値を表現可能な等式であり、
    前記パラメータは、前記関係式を満たす前記第1変数値に応じて定まる値、又は、前記関係式を満たす前記第2変数値に応じて定まる値である、
    ことを特徴とする符号化方法。
  5. 請求項4の符号化方法であって、
    前記1次のPARCOR係数に応じて定まる値が少なくとも正の前記1次のPARCOR係数の増加に対して広義単調増加する値であるとともに、前記2次のPARCOR係数に応じて定まる値が少なくとも負の前記2次のPARCOR係数の増加に対して広義単調増加する値であるか、又は、前記1次のPARCOR係数に応じて定まる値が少なくとも正の前記1次のPARCOR係数の増加に対して広義単調減少する値であるとともに、前記2次のPARCOR係数に応じて定まる値が少なくとも負の前記2次のPARCOR係数の増加に対して広義単調減少する値であり、
    前記パラメータの絶対値は、前記関係式を満たす前記1変数値若しくは前記2変数値の増加に対して、広義単調増加し、
    前記重み係数は、負の係数である、
    ことを特徴とする符号化方法。
  6. 請求項5の符号化方法であって、
    前記パラメータと、前記1次のPARCOR係数又は前記2次のPARCOR係数の何れか一方と、を含む情報に対応する符号は、
    前記パラメータに対応する符号と、前記1次のPARCOR係数又は前記2次のPARCOR係数の何れか一方に対応する符号と、を含み、
    前記ステップ(C)は、第1符号化対象の絶対値が第2符号化対象の絶対値よりも0に近い場合に、当該第1符号化対象に当該第2符号化対象の符号よりも短い符号長の符号が割り当てられる頻度が、当該第1符号化対象に当該第2符号化対象の符号よりも長い符号長の符号が割り当てられる頻度よりも高い可変長符号化方法によって、前記パラメータに対応する符号を生成するステップを含む、
    ことを特徴とする符号化方法。
  7. 請求項4から6の何れかの符号化方法であって、
    前記1次のPARCOR係数に応じて定まる値が1次のPARCOR係数であるとともに、前記2次のPARCOR係数に応じて定まる値が2次のPARCOR係数であって、前記パラメータが、前記関係式を満たす前記第1変数値を量子化して得られた第1量子化変数値若しくは前記第2変数値を量子化して得られた第2量子化変数値であるか、
    又は、前記1次のPARCOR係数に応じて定まる値が1次のPARCOR係数を量子化して得られた1次の量子化PARCOR係数であるとともに、前記2次のPARCOR係数に応じて定まる値が2次のPARCOR係数を量子化して得られた2次の量子化PARCOR係数であって、前記パラメータが、前記関係式を満たす前記第1変数値若しくは前記第2変数値である、
    ことを特徴とする符号化方法。
  8. (A) 1次のPARCOR係数に応じて定まる値と2次のPARCOR係数に応じて定まる値との間に成り立つ関係式に応じて定まるパラメータに対応する符号と、当該1次のPARCOR係数又は当該2次のPARCOR係数の少なくとも何れか一方含む情報に対応する符号と、を復号し、少なくとも、当該パラメータと、当該1次のPARCOR係数に対応する復号値又は当該2次のPARCOR係数に対応する復号値と、を生成するステップと、
    (B) 前記パラメータと前記1次のPARCOR係数に対応する復号値又は前記2次のPARCOR係数に対応する復号値との少なくともいずれか一方を用い、1次のPARCOR係数および2次のPARCOR係数の復元値を算出するステップと、
    を含み、
    前記1次のPARCOR係数に応じて定まる値は、1次のPARCOR係数の絶対値の増加に対して広義単調減少する値であり、
    前記2次のPARCOR係数に応じて定まる値は、2次のPARCOR係数の絶対値の増加に対して広義単調減少する値である、
    ことを特徴とする復号方法。
  9. (A) 1次のPARCOR係数に応じて定まる値と2次のPARCOR係数に応じて定まる値との間に成り立つ関係式に応じて定まるパラメータと、当該1次のPARCOR係数又は当該2次のPARCOR係数の何れか一方と、を含む情報に対応する符号を復号し、少なくとも、当該パラメータと、当該1次のPARCOR係数に対応する復号値又は当該2次のPARCOR係数に対応する復号値と、を生成するステップと、
    (B) 前記パラメータと前記1次のPARCOR係数に対応する復号値とを用い、2次のPARCOR係数の復元値を算出するか、又は、前記パラメータと前記2次のPARCOR係数に対応する復号値とを用い、1次のPARCOR係数の復元値を算出するステップと、
    を含み、
    前記ステップ(B)は、前記1次のPARCOR係数に対応する復号値の絶対値を予め定められた第2閾値と比較し、前記パラメータと前記1次のPARCOR係数に対応する復号値とを用いて2次のPARCOR係数の復元値を算出するか否かを判定するステップを含むか、又は、前記2次のPARCOR係数に対応する復号値の絶対値を予め定められた第2閾値と比較し、前記パラメータと前記2次のPARCOR係数に対応する復号値とを用いて1次のPARCOR係数の復元値を算出するか否かを判定するステップを含む、
    ことを特徴とする復号方法。
  10. (A) 1次のPARCOR係数に応じて定まる値と2次のPARCOR係数に応じて定まる値との間に成り立つ関係式に応じて定まるパラメータと、当該1次のPARCOR係数又は当該2次のPARCOR係数の何れか一方と、を含む情報に対応する符号を復号し、少なくとも、当該パラメータと、当該1次のPARCOR係数に対応する復号値又は当該2次のPARCOR係数に対応する復号値と、を生成するステップと、
    (B) 前記パラメータと前記1次のPARCOR係数に対応する復号値とを用い、2次のPARCOR係数の復元値を算出するか、又は、前記パラメータと前記2次のPARCOR係数に対応する復号値とを用い、1次のPARCOR係数の復元値を算出するステップと、
    を含み、
    前記関係式が、予め定められた重み係数に前記1次のPARCOR係数に応じて定まる値を乗じた第1乗算値と、第1変数値と、の和によって前記2次のPARCOR係数に応じて定まる値を表現可能な等式であるか、又は、予め定められた重み係数に前記2次のPARCOR係数に応じて定まる値を乗じた第2乗算値と、第2変数値と、の和によって前記1次のPARCOR係数に応じて定まる値を表現可能な等式であり、
    前記パラメータは、前記関係式を満たす前記第1変数値に応じて定まる値、又は、前記関係式を満たす前記第2変数値に応じて定まる値である、
    ことを特徴とする復号方法。
  11. 請求項1の復号方法であって、
    前記1次のPARCOR係数に応じて定まる値が1次のPARCOR係数であるとともに、前記2次のPARCOR係数に応じて定まる値が2次のPARCOR係数であって、前記パラメータが、前記関係式を満たす前記第1変数値を量子化して得られた第1量子化変数値若しくは前記第2変数値を量子化して得られた第2量子化変数値であるか、
    又は、前記1次のPARCOR係数に応じて定まる値が1次のPARCOR係数を量子化して得られた1次の量子化PARCOR係数であるとともに、前記2次のPARCOR係数に応じて定まる値が2次のPARCOR係数を量子化して得られた2次の量子化PARCOR係数であって、前記パラメータが、前記関係式を満たす前記第1変数値若しくは前記第2変数値であり、
    前記ステップ(A)は、前記符号を復号し、少なくとも、前記パラメータと、前記1次のPARCOR係数に対応する復号値である1次の量子化PARCOR係数又は前記2次のPARCOR係数に対応する復号値である2次の量子化PARCOR係数と、を生成するステップであり、
    前記ステップ(B)は、予め定められた重み係数に前記1次の量子化PARCOR係数の逆量子化値を乗じた第1乗算値と、前記パラメータの逆量子化値と、の和によって2次のPARCOR係数の復元値を算出するステップであるか、或いは、予め定められた重み係数に前記2次の量子化PARCOR係数の逆量子化値を乗じた第2乗算値と、前記パラメータの逆量子化値と、の和によって1次のPARCOR係数の復元値を算出するステップであるか、又は、予め定められた重み係数に前記1次の量子化PARCOR係数を乗じた第1乗算値と、前記パラメータと、の和を逆量子化して2次のPARCOR係数の復元値を算出するステップであるか、或いは、予め定められた重み係数に前記2次の量子化PARCOR係数を乗じた第2乗算値と、前記パラメータと、の和を逆量子化して1次のPARCOR係数の復元値を算出するステップである、
    ことを特徴とする復号方法。
  12. 入力された時系列信号を線形予測分析することにより、少なくとも、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とをそれぞれ算出する線形予測分析部と、
    前記線形予測分析部で算出された1次のPARCOR係数に応じて定まる値と2次のPARCOR係数に応じて定まる値との間に成り立つ関係式に応じて定まるパラメータを算出するパラメータ算出部と、
    前記パラメータに対応する符号と、前記1次のPARCOR係数又は前記2次のPARCOR係数の少なくとも何れか一方含む情報に対応する符号と、を生成する符号化部と、
    を含み、
    前記1次のPARCOR係数に応じて定まる値は、前記1次のPARCOR係数の絶対値の増加に対して広義単調減少する値であり、
    前記2次のPARCOR係数に応じて定まる値は、前記2次のPARCOR係数の絶対値の増加に対して広義単調減少する値である、
    ことを特徴とする符号化装置。
  13. 入力された時系列信号を線形予測分析することにより、少なくとも、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とをそれぞれ算出する線形予測分析部と、
    前記線形予測分析部で算出された1次のPARCOR係数に応じて定まる値と2次のPARCOR係数に応じて定まる値との間に成り立つ関係式に応じて定まるパラメータを算出するパラメータ算出部と、
    前記パラメータと、前記1次のPARCOR係数又は前記2次のPARCOR係数の何れか一方と、を含む情報に対応する符号を生成する符号化部と、
    を含み、
    前記パラメータ算出部及び前記符号化部の処理は、前記1次のPARCOR係数の絶対値が予め定められた第1閾値以上となる場合に実行され、前記1次のPARCOR係数の絶対値が前記第1閾値未満となる場合には、前記1次のPARCOR係数と、前記2次のPARCOR係数と、を含む情報に対応する符号を生成する処理が実行される、又は、前記パラメータ算出部及び前記符号化部の処理は、前記2次のPARCOR係数の絶対値が予め定められた第1閾値以上となる場合に実行され、前記2次のPARCOR係数の絶対値が前記第1閾値未満となる場合には、前記1次のPARCOR係数と、前記2次のPARCOR係数と、を含む情報に対応する符号を生成する処理が実行される、
    ことを特徴とする符号化装置。
  14. 入力された時系列信号を線形予測分析することにより、少なくとも、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とをそれぞれ算出する線形予測分析部と、
    前記線形予測分析部で算出された1次のPARCOR係数に応じて定まる値と2次のPARCOR係数に応じて定まる値との間に成り立つ関係式に応じて定まるパラメータを算出するパラメータ算出部と、
    前記パラメータと、前記1次のPARCOR係数又は前記2次のPARCOR係数の何れか一方と、を含む情報に対応する符号を生成する符号化部と、
    を含み、
    前記パラメータと、前記1次のPARCOR係数又は前記2次のPARCOR係数の何れか一方と、を含む情報に対応する符号は、
    前記パラメータに対応する符号と、前記1次のPARCOR係数又は前記2次のPARCOR係数の何れか一方に対応する符号と、を含み、
    前記符号化部は、第1符号化対象の絶対値が第2符号化対象の絶対値よりも予め定められた特定の値に近い場合に、当該第1符号化対象に当該第2符号化対象の符号よりも短い符号長の符号が割り当てられる頻度が、当該第1符号化対象に当該第2符号化対象の符号よりも長い符号長の符号が割り当てられる頻度よりも高い可変長符号化方法によって、前記パラメータに対応する符号を生成する、
    ことを特徴とする符号化装置。
  15. 入力された時系列信号を線形予測分析することにより、少なくとも、1次のPARCOR係数と2次のPARCOR係数とをそれぞれ算出する線形予測分析部と、
    前記線形予測分析部で算出された1次のPARCOR係数に応じて定まる値と2次のPARCOR係数に応じて定まる値との間に成り立つ関係式に応じて定まるパラメータを算出するパラメータ算出部と、
    前記パラメータと、前記1次のPARCOR係数又は前記2次のPARCOR係数の何れか一方と、を含む情報に対応する符号を生成する符号化部と、
    を含み、
    前記関係式が、予め定められた重み係数に前記1次のPARCOR係数に応じて定まる値を乗じた第1乗算値と、第1変数値と、の和によって前記2次のPARCOR係数に応じて定まる値を表現可能な等式であるか、又は、予め定められた重み係数に前記2次のPARCOR係数に応じて定まる値を乗じた第2乗算値と、第2変数値と、の和によって前記1次のPARCOR係数に応じて定まる値を表現可能な等式であり、
    前記パラメータは、前記関係式を満たす前記第1変数値に応じて定まる値、又は、前記関係式を満たす前記第2変数値に応じて定まる値である、
    ことを特徴とする符号化装置。
  16. 1次のPARCOR係数に応じて定まる値と2次のPARCOR係数に応じて定まる値との間に成り立つ関係式に応じて定まるパラメータに対応する符号と、当該1次のPARCOR係数又は当該2次のPARCOR係数の少なくとも何れか一方含む情報に対応する符号と、を復号し、少なくとも、当該パラメータと、当該1次のPARCOR係数に対応する復号値又は当該2次のPARCOR係数に対応する復号値と、を生成する復号部と、
    前記パラメータと前記1次のPARCOR係数に対応する復号値又は前記2次のPARCOR係数に対応する復号値との少なくともいずれか一方を用い、1次のPARCOR係数および2次のPARCOR係数の復元値を算出するPARCOR係数算出部と、
    を含み、
    前記1次のPARCOR係数に応じて定まる値は、1次のPARCOR係数の絶対値の増加に対して広義単調減少する値であり、
    前記2次のPARCOR係数に応じて定まる値は、2次のPARCOR係数の絶対値の増加に対して広義単調減少する値である、
    ことを特徴とする復号装置。
  17. 1次のPARCOR係数に応じて定まる値と2次のPARCOR係数に応じて定まる値との間に成り立つ関係式に応じて定まるパラメータと、当該1次のPARCOR係数又は当該2次のPARCOR係数の何れか一方と、を含む情報に対応する符号を復号し、少なくとも、当該パラメータと、当該1次のPARCOR係数に対応する復号値又は当該2次のPARCOR係数に対応する復号値と、を生成する復号部と、
    前記パラメータと前記1次のPARCOR係数に対応する復号値とを用い、2次のPARCOR係数の復元値を算出するか、又は、前記パラメータと前記2次のPARCOR係数に対応する復号値とを用い、1次のPARCOR係数の復元値を算出するPARCOR係数算出部と、
    を含み、
    前記PARCOR係数算出部は、前記1次のPARCOR係数に対応する復号値の絶対値を予め定められた第2閾値と比較し、前記パラメータと前記1次のPARCOR係数に対応する復号値とを用いて2次のPARCOR係数の復元値を算出するか否かを判定するか、又は、前記2次のPARCOR係数に対応する復号値の絶対値を予め定められた第2閾値と比較し、前記パラメータと前記2次のPARCOR係数に対応する復号値とを用いて1次のPARCOR係数の復元値を算出するか否かを判定する、
    ことを特徴とする復号装置
  18. 1次のPARCOR係数に応じて定まる値と2次のPARCOR係数に応じて定まる値との間に成り立つ関係式に応じて定まるパラメータと、当該1次のPARCOR係数又は当該2次のPARCOR係数の何れか一方と、を含む情報に対応する符号を復号し、少なくとも、当該パラメータと、当該1次のPARCOR係数に対応する復号値又は当該2次のPARCOR係数に対応する復号値と、を生成する復号部と、
    前記パラメータと前記1次のPARCOR係数に対応する復号値とを用い、2次のPARCOR係数の復元値を算出するか、又は、前記パラメータと前記2次のPARCOR係数に対応する復号値とを用い、1次のPARCOR係数の復元値を算出するPARCOR係数算出部と、
    を含み、
    前記関係式が、予め定められた重み係数に前記1次のPARCOR係数に応じて定まる値を乗じた第1乗算値と、第1変数値と、の和によって前記2次のPARCOR係数に応じて定まる値を表現可能な等式であるか、又は、予め定められた重み係数に前記2次のPARCOR係数に応じて定まる値を乗じた第2乗算値と、第2変数値と、の和によって前記1次のPARCOR係数に応じて定まる値を表現可能な等式であり、
    前記パラメータは、前記関係式を満たす前記第1変数値に応じて定まる値、又は、前記関係式を満たす前記第2変数値に応じて定まる値である、
    ことを特徴とする復号装置。
  19. 請求項1から7何れかの符号化方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  20. 請求項8から11の何れかの復号方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  21. 請求項1から7の何れかの符号化方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  22. 請求項8から11の何れかの復号方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
JP2010544032A 2008-12-22 2009-12-18 符号化方法、復号方法、それらの装置、プログラム及び記録媒体 Active JP5253518B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010544032A JP5253518B2 (ja) 2008-12-22 2009-12-18 符号化方法、復号方法、それらの装置、プログラム及び記録媒体

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008325286 2008-12-22
JP2008325286 2008-12-22
JP2010544032A JP5253518B2 (ja) 2008-12-22 2009-12-18 符号化方法、復号方法、それらの装置、プログラム及び記録媒体
PCT/JP2009/071100 WO2010073977A1 (ja) 2008-12-22 2009-12-18 符号化方法、復号方法、それらの装置、プログラム及び記録媒体

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013052792A Division JP5303074B2 (ja) 2008-12-22 2013-03-15 符号化方法、復号方法、それらの装置、プログラム及び記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2010073977A1 JPWO2010073977A1 (ja) 2012-06-14
JP5253518B2 true JP5253518B2 (ja) 2013-07-31

Family

ID=42287589

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010544032A Active JP5253518B2 (ja) 2008-12-22 2009-12-18 符号化方法、復号方法、それらの装置、プログラム及び記録媒体
JP2013052792A Active JP5303074B2 (ja) 2008-12-22 2013-03-15 符号化方法、復号方法、それらの装置、プログラム及び記録媒体

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013052792A Active JP5303074B2 (ja) 2008-12-22 2013-03-15 符号化方法、復号方法、それらの装置、プログラム及び記録媒体

Country Status (2)

Country Link
JP (2) JP5253518B2 (ja)
WO (1) WO2010073977A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101832368B1 (ko) * 2014-01-24 2018-02-26 니폰 덴신 덴와 가부시끼가이샤 선형 예측 분석 장치, 방법, 프로그램 및 기록 매체
JP6250072B2 (ja) * 2014-01-24 2017-12-20 日本電信電話株式会社 線形予測分析装置、方法、プログラム及び記録媒体
KR101855945B1 (ko) * 2014-05-01 2018-05-10 니폰 덴신 덴와 가부시끼가이샤 부호화 장치, 복호 장치 및 그 방법, 프로그램, 기록 매체
KR102229893B1 (ko) 2019-03-18 2021-03-19 한양대학교 산학협력단 RoIP 선형 예측 부호화 및 비선형 양자화 융합 압축 송신 방법

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04363000A (ja) * 1991-02-26 1992-12-15 Nec Corp 音声パラメータ符号化方式および装置
WO2007008005A1 (en) * 2005-07-11 2007-01-18 Lg Electronics Inc. Apparatus and method of processing an audio signal

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57204094A (en) * 1981-06-10 1982-12-14 Hitachi Ltd Pretreatment for voice analyzer
JPS6270899A (ja) * 1985-09-24 1987-04-01 シャープ株式会社 信号処理系におけるパラメ−タ符号化方式
JP2581050B2 (ja) * 1986-12-01 1997-02-12 日本電気株式会社 音声分析合成装置
JPH0764599A (ja) * 1993-08-24 1995-03-10 Hitachi Ltd 線スペクトル対パラメータのベクトル量子化方法とクラスタリング方法および音声符号化方法並びにそれらの装置
JP3138574B2 (ja) * 1993-09-01 2001-02-26 シャープ株式会社 線形予測係数補間装置
JP4914245B2 (ja) * 2007-02-26 2012-04-11 日本電信電話株式会社 マルチチャネル信号符号化方法、それを使った符号化装置、その方法によるプログラムとその記録媒体
JP4246792B2 (ja) * 2007-05-14 2009-04-02 パナソニック株式会社 声質変換装置および声質変換方法
JP4783412B2 (ja) * 2008-09-09 2011-09-28 日本電信電話株式会社 信号広帯域化装置、信号広帯域化方法、そのプログラム、その記録媒体

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04363000A (ja) * 1991-02-26 1992-12-15 Nec Corp 音声パラメータ符号化方式および装置
WO2007008005A1 (en) * 2005-07-11 2007-01-18 Lg Electronics Inc. Apparatus and method of processing an audio signal

Also Published As

Publication number Publication date
JP5303074B2 (ja) 2013-10-02
JPWO2010073977A1 (ja) 2012-06-14
WO2010073977A1 (ja) 2010-07-01
JP2013130885A (ja) 2013-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102119414B (zh) 用于在超帧中量化和逆量化线性预测系数滤波器的设备和方法
CN1905010B (zh) 编码音频数据的设备和方法及解码音频数据的设备和方法
JP5337235B2 (ja) 符号化方法、復号方法、符号化装置、復号装置、プログラム及び記録媒体
USRE46082E1 (en) Method and apparatus for low bit rate encoding and decoding
JPH11143499A (ja) 切替え型予測量子化の改良された方法
KR20130133854A (ko) 부호화 방법, 복호 방법, 부호화 장치, 복호 장치, 프로그램, 기록 매체
JP4359312B2 (ja) 信号の符号化装置、復号化装置、方法、プログラム、記録媒体、及び信号のコーデック方法
US9548056B2 (en) Signal adaptive FIR/IIR predictors for minimizing entropy
JP5303074B2 (ja) 符号化方法、復号方法、それらの装置、プログラム及び記録媒体
KR101350285B1 (ko) 신호를 부호화 및 복호화하는 방법, 장치 및 시스템
JP4866484B2 (ja) パラメータ選択方法、パラメータ選択装置、プログラム及び記録媒体
JP4918103B2 (ja) 符号化方法、復号方法、それらの装置、プログラム及び記録媒体
US8502708B2 (en) Encoding method and decoding method, and devices, program and recording medium for the same
JP4848049B2 (ja) 符号化方法、復号方法、それらの装置、プログラム及び記録媒体
JP5336942B2 (ja) 符号化方法、復号方法、符号化器、復号器、プログラム
EP3248190B1 (en) Method of encoding, method of decoding, encoder, and decoder of an audio signal
JP2004246038A (ja) 音声楽音信号符号化方法、復号化方法、符号化装置、復号化装置、符号化プログラム、および復号化プログラム
WO2011087333A2 (ko) 오디오 신호 처리 방법 및 장치
JP4438655B2 (ja) 符号化装置、復号装置、符号化方法及び復号方法
KR20230023560A (ko) 부호화 방법 및 복호화 방법, 상기 방법을 수행하는 부호화기 및 복호화기
Wernik et al. Lossless Audio Coding using Extended Activity Level Classification Model
KR20130086486A (ko) Nmf 알고리즘을 이용한 음성 신호 코딩 장치 및 그 방법
WO2013129528A1 (ja) 符号化装置、この方法、プログラムおよび記録媒体
JP2004180057A (ja) デジタルデータの符号化装置および符号化方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130409

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130416

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5253518

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160426

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350