JP2013130815A - 雑音抑圧装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】雑音が発生する録音装置において、均一した抑圧結果をもたらし且つ演算処理量が少ない抑圧手法を提案する。
【解決手段】本発明の雑音抑圧装置は、入力信号を一定間隔毎に分割してフレーム分割された信号を出力するフレーム分割部、フレーム分割された信号から周波数領域スペクトルを計算して出力するFFT変換部、周波数領域スペクトルのスペクトルパワーを計算するスペクトルパワー計算部、スペクトルパワーの値に基づいて各周波数スペクトルを平滑化する周波数スペクトル平滑化部、平滑化された周波数スペクトルに対し雑音抑圧を行う雑音抑圧部、雑音抑圧された周波数スペクトルに対して逆高速フーリエ変換を実行することにより時間領域に変換された時間領域信号を出力するiFFT変換部、及び時間領域信号の波形合成を行うことにより合成信号を出力する波形合成部を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、雑音が発生する録音装置において、スペクトル分析を行うことによって音声信号に含まれる雑音を低減するための雑音抑圧装置に関するものである。
デジタルカメラで録画を行う際にズームを行うと、レンズの移動音や駆動音がマイクから録音されて異音となる場合がある。特に、デジタルコンパクトカメラでは、筐体自体が小さいこともあり、雑音発生源とマイクが極めて近くにあることから、雑音が大きな音量で録音される。
雑音の発生を抑える方法として静穏モーターを搭載する手法も考えられるが、静穏モーターが比較的高価であることに加え、特にコンパクトカメラでは配置スペースを確保することが難しい。それ故、安価で小さなステッピングモーターを使い、かつ雑音を抑圧することが出来れば、製造者にとって大きなコストメリットとなる。
ステッピングモーターの駆動による雑音は、特定の周波数が常に存在するような形状ではなく、パルス状の雑音が周期的に存在する形状となる。このパルス状の雑音は、レンズの位置、歯車の摩擦、及び形状の違い等による影響で毎回同じ形状とはならず、時々刻々と変化する。
雑音抑圧の技術として、周波数領域でのスペクトラムサブトラクト方式による雑音抑圧が一般的に知られている。このような雑音抑圧の技術としては、非特許文献1を初めとして多くの手法が提案されている。非特許文献1に記載の手法では、短時間スペクトルから推定雑音スペクトルを減算することにより入力音声の雑音成分を除去している。
特許文献1では、音声区間及び雑音スペクトルを推定する手段を有し、入力信号を一定間隔のフレームに分割し、音声区間の推定結果に応じてスペクトラムサブトラクトの減算量を変化させる方法が提案されている。すなわち、特許文献1で提案されている手法は、連続する音声区間において、摩擦子音などパワーが小さい部分で強く抑圧されると入力音声の歪が大きくなるので、それを防ぐ目的で抑圧量を減らすものである。
また、特許文献2では、推定音声区間と推定雑音区間とのそれぞれの平均パワーを求め、その比が大きいときに推定雑音区間での雑音抑圧を大きくする手法が提案されている。
特開平8−221092号公報 特開2008−216721号公報
Boll, "Suppression of Acoustic Noise in Speech Using Spectral Subtraction", IEEE Trans. on Acoustics, speech and Signal processing, Vol. Assp-27, No.2, April 1979, pp.113-120
上述したスペクトラムサブトラクト方式を用いて単純に雑音抑圧を試みると、S/N比は大きく改善されるが、聴感上は音質の劣化及び違和感の増加をもたらすことが少なくない。その原因の一つは、ミュージカルノイズと呼ばれる不自然な雑音成分が雑音抑圧後の信号に形成されることによる。
このミュージカルノイズが発生する原因は、雑音のパワーの変動に対して雑音抑圧の抑圧量が追従できない場合に、抑圧しきれない雑音成分が不規則に現れることによる。上述したように、ステッピングモーターの駆動による雑音はパルス状であり、スペクトルのパワーはフレーム毎に異なるため一定とならない。スペクトルのパワーをフレーム毎にある一定値で抑圧しようとすると、雑音パワーが小さい場合は完全に抑圧され、雑音パワーが大きい場合は消し残しが発生し、これが不規則に現れることでミュージカルノイズとなる。
また、雑音抑圧の前後で音質が変化することも、聴感上の大きな違和感となる。雑音抑圧を施したスペクトルでは、雑音成分が大幅に抑圧されるが、同時にその帯域にあった音声、環境音、及びノイズフロアまで抑圧される。結果として、雑音抑圧を行っている期間は特定の帯域の音がなくなり、雑音抑圧のオンオフの切り替わりで音質が変わって聴こえることとなる。例として、高域側で雑音成分が多い場合を考えると、雑音抑圧の結果として高域の音がなくなり、こもった音声に変質する。
従来、ミュージカルノイズへの対策としては、雑音抑圧を想定していた値より大きな量で抑圧する手法がある。抑圧する量を大きくすることにより消し残しが起こる確率を減らし、結果としてミュージカルノイズそのものを抑える。一方で、抑圧量そのものが大きくなるので、前述した抑圧のオンオフでの切り替わり感はより強く感じられる。雑音抑圧による音の変質への対策としては、抑圧量を減らすことによってなされることが多い。これは、S/N改善とのトレードオフの関係となる。
本発明は、上記従来の問題点を解決する雑音抑圧装置を提案することを目的とする。本発明では、スペクトラムサブトラクト方式によるミュージカルノイズの発生を少ない演算で抑圧し、聴感上の違和感を低減することを目的としている。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、雑音が発生する録音装置において雑音成分を抑圧し音声信号を取り出す雑音抑圧装置であって、入力信号を一定間隔毎に分割してフレーム分割された信号を出力するフレーム分割部と、前記フレーム分割された信号から周波数領域スペクトルを計算して出力するFFT変換部と、前記周波数領域スペクトルのスペクトルパワーを計算するスペクトルパワー計算部と、前記スペクトルパワーの値に基づいて各周波数スペクトルを平滑化する周波数スペクトル平滑化部と、当該平滑化された周波数スペクトルに対し雑音抑圧を行う雑音抑圧部と、当該雑音抑圧された周波数スペクトルに対して逆高速フーリエ変換を実行することにより、時間領域に変換された時間領域信号を出力するiFFT変換部と、前記時間領域信号の波形合成を行うことにより合成信号を出力する波形合成部とを備えることを特徴とする雑音抑圧装置である。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の雑音抑圧装置であって、前記合成信号に対し雑音印加を行う雑音印加部をさらに備えることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の雑音抑圧装置であって、前記雑音印加部は、前記録音装置全体で発生しているフロア雑音と等価の雑音を生成し、前記等価の雑音を前記合成信号に印加することを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の雑音抑圧装置であって、前記周波数スペクトル平滑化部は、各周波数スペクトルの前記スペクトルパワーの値が所定の閾値未満の場合は前記周波数スペクトルの平滑化を行い、前記スペクトルパワーが所定の閾値以上の場合は前記周波数スペクトルの平滑化を行わないことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の雑音抑圧装置であって、前記雑音抑圧部は、前記平滑化された周波数スペクトルに基づいて、スペクトラムサブトラクト方式により雑音抑圧を行うことを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の雑音抑圧装置であって、前記波形合成部は、フレームが隣接した前記時間領域信号に関してフレーム内のサンプルの半分ずつをオーバーラップさせるように、前記隣接した時間領域信号同士の波形合成を行うことを特徴とする。
本発明に係る雑音抑圧装置は、雑音のパワー量が変化する場合でも均一した抑圧結果をもたらすことができる。さらに、本発明に係る雑音抑圧装置は、雑音抑圧のオンオフ切り替わり感を低減することができる。
本発明に係る雑音抑圧装置のブロック構成図である。 本発明に係る雑音抑圧装置のFFT変換部のブロック構成図である。 本発明に係る雑音抑圧装置の周波数スペクトル平滑化部のブロック構成図である。 平滑化係数αn(w)とパワーXn(w)との関係を示すグラフである。 ある録音機器において外部雑音が入っている状態のスペクトルを示す図である。 ある録音機器のフロア雑音を示す図である。 ある録音機器にて、本発明の雑音抑圧処理を施した状態のスペクトルを示す図である。 ある録音機器にて、本発明の雑音抑圧処理と雑音印加とを施した状態のスペクトルを示す図である。
図1は、本発明の雑音抑圧装置の実施の形態を示すブロック構成図である。図1に示される雑音抑圧装置100は、雑音抑圧装置100の入力端子に接続されたフレーム分割部101と、フレーム分割部101に接続されたFFT変換部102と、FFT変換部102に接続された周波数スペクトルパワー計算部103と、周波数スペクトルパワー計算部103に接続された周波数スペクトル平滑化部104と、FFT変換部102及び周波数スペクトル平滑化部104に接続された雑音抑圧部105と、雑音抑圧部105に接続されたiFFT変換部106と、iFFT変換部106に接続された波形合成部107と、雑音抑圧装置100の出力端子及び波形合成部107に接続された雑音印加部108とを備える。図1に記載の構成と従来のスペクトラムサブトラクト方式に係る構成との相違点は、本発明の雑音抑圧装置100において周波数スペクトル平滑化部104と雑音印加部108とが追加されていることである。本発明の雑音抑圧装置100に係る雑音抑圧手法では、スペクトラムサブトラクト方式において、周波数スペクトル平滑化部104によるスペクトル平滑化処理及び雑音印加部108による雑音印加を実行する。
フレーム分割部101は、入力端子に供給された音声信号を入力し、入力した音声信号を所定の長さのフレーム単位で分割して、フレーム信号をFFT変換部102に出力する。FFT変換部102は、フレーム分割部101からフレーム信号を入力し、入力したフレーム信号に高速フーリエ変換などの変換を施して複数の周波数成分に分割して、変換したフレーム信号に関するスペクトル情報を生成し、スペクトル情報を周波数スペクトルパワー計算部103及び雑音抑圧部105に出力する。スペクトル情報は、入力したフレーム信号に高速フーリエ変換を実行した結果の実数及び虚数データを含む。周波数スペクトルパワー計算部103は、FFT変換部102からスペクトル情報を入力し、入力したスペクトル情報に基づいて各スペクトルのパワーXn(w)を計算して出力する。周波数スペクトル平滑化部104は、周波数スペクトルパワー計算部103から各スペクトルのパワーXn(w)を入力し、後述するように、周波数スペクトル毎にパワーXn(w)の平滑化処理を行い、出力XSn(w)を雑音抑圧部105に出力する。
雑音抑圧部105は、周波数スペクトル平滑化部104から出力された出力XSn(w)とFFT変換部102から出力されたスペクトル情報とを入力する。雑音抑圧部105は、既知の雑音量Nn(w)に基づいて出力XSn(w)の雑音抑圧を行うことにより雑音抑圧信号を生成し、FFT変換部102から入力したスペクトル情報の位相と同じ位相となるように雑音抑圧信号の角度変換を実行して出力する。iFFT変換部106は、角度変換がなされた雑音抑圧信号を雑音抑圧部105から入力して、逆高速フーリエ変換などの変換処理により時間領域信号に変換して出力する。波形合成部107は、iFFT変換部106から出力された時間領域信号を入力し、入力した時間領域信号にハーフバンドオーバーラップ処理を実行することにより時間領域信号の波形合成を行い、合成信号として出力する。雑音印加部108は、波形合成部107から合成信号を入力し、入力した合成信号に対して、後述するようにフロア雑音相当の雑音を印加して、雑音印加信号を雑音抑圧装置100の出力端子に出力する。
以下、雑音抑圧装置100の各構成要素に関する処理をより詳細に説明する。
フレーム分割部101は、入力端子から入力した音声信号を所定の長さのフレーム間隔に切り出す。FFT変換部102の処理量はn×log(n)のオーダーであるので、フレーム分割部101においては短いフレームで処理した方がFFT変換部102における処理量は少なくなるが、一方で低音成分に歪が出る等の悪影響もある。フレーム分割部101の分割処理においては、サンプリング周波数が48kHzの場合、1024サンプル点が音質に影響がない限界で、512サンプル点であると低音が歪む。従って、サンプリング周波数が48kHzの場合、各フレームは、1024サンプル以上のサンプル点を含むことが好ましい。
図2は、本発明に係る雑音抑圧装置100のFFT変換部102の構成を示す。フーリエ変換は信号の周期性が保証されていることを前提として行うため、図2に示されるように、FFT変換部102は、ステップ201で、フレーム信号に窓関数をかける。例えば、FFT変換部102では、(式1)に示すハン窓を用いることができる。出力の振幅を補正するのであれば、FFT変換部102において(式2)に示すハミング窓も用いることができる。
w(n)=0.5−0.5×cos(2πn/L) (式1)
w(n)=0.54−0.46×cos(2πn/L) (式2)
ここで、Lは1フレームあたりのサンプル数を示し、nはフレーム内におけるサンプルの位置を示し、すなわちn=(0,1,…,L−1)である。次に、図2に示されるように、FFT変換部102は、ステップ202で、窓関数をかけた各フレーム信号に対して高速フーリエ変換を行うことにより周波数領域のデータに変換して、それぞれの周波数領域についての各スペクトル情報を生成する。
周波数スペクトルパワー計算部103は、入力した各スペクトル情報におけるそれぞれのスペクトルのパワーを計算する。高速フーリエ変換により得られたスペクトル情報のそれぞれについての実数成分と虚数成分との自乗和の平方根を、スペクトルのパワーXn(w)として扱う。
周波数スペクトル平滑化部104は、スペクトルのパワーXn(w)が所定の平滑化閾値Xthより小さい場合は、パワーXn(w)を平滑化する。周波数スペクトル平滑化部104では、抑圧したいノイズが積極的に平滑化されるように平滑化閾値Xthを設定する。また、周波数スペクトル平滑化部104は、スペクトルのパワーXn(w)が所定の平滑化閾値Xthより大きい場合は、パワーXn(w)を平滑化せずにパワーXn(w)そのものの値を出力する。
図3は、周波数スペクトル平滑化部104のブロック図を示す。図3に示されるように、周波数スペクトル平滑化部104は、平滑化係数算出部301と、定数乗算器302、305と、加算器303と、遅延器304とを備える。平滑化係数算出部301は、入力したパワーXn(w)に応じた平滑化係数αn(w)を計算する。定数乗算器302は、パワーXn(w)を入力し、平滑化係数算出部301において計算した平滑化係数αn(w)を用いて、パワーXn(w)に1−αn(w)を乗算して、出力(1−αn(w))Xn(w)を出力する。加算器303は、定数乗算器302からの出力(1−αn(w))Xn(w)と、後述する定数乗算器305からの出力とを加算して出力XSn(w)を出力する。遅延器304は、加算器303から入力した出力XSn(w)を1サンプル遅延して遅延出力XSn-1(w)を出力する。定数乗算器305は、遅延器304からの遅延出力XSn-1(w)を入力して、遅延出力XSn-1(w)に平滑化係数αn(w)を乗算して加算器303に出力する。
平滑化係数αn(w)は、パワーXn(w)が平滑化閾値Xth以上の場合は0をとり、平滑化閾値Xth未満であれば1未満の値をとるように計算する。平滑化閾値XthとパワーXn(w)との差をTMP1とし、平滑化係数αn(w)の最大値を0.75とした場合、TMP1及び平滑化係数αn(w)は、それぞれ、以下の(式3)、(式4)によって示される。
Figure 2013130815
αn(w)=0.75×TMP1/Xth (式4)
図4は、平滑化係数αn(w)が(式4)のように示される場合の平滑化係数αn(w)とパワーXn(w)との関係を示すグラフである。図4に示されるように、平滑化係数αn(w)は、パワーXn(w)が大きくなるにつれて最大値0.75から線形に減少していき、パワーXn(w)が平滑化閾値Xthと等しくなると0となり、それ以降も0となる。
周波数スペクトル平滑化部104は、上記(式4)により求めた平滑化係数αn(w)を用いて各スペクトルのパワーXn(w)の平滑化を行い、出力XSn(w)を雑音抑圧部105に出力する。パワーXn(w)が小さい程、平滑化係数αn(w)が大きくなるため強く平滑化処理が行われて出力XSn(w)となり、逆にパワーXn(w)が大きいと平滑化係数αn(w)は0となり、入力したパワーXn(w)が平滑化されずにそのまま出力XSn(w)となる。このようにして各スペクトルのパワーXn(w)の平滑化を行うことにより、少ない計算量で均一した抑圧結果を得ることが可能になる。
雑音抑圧部105は、スペクトル情報及び出力XSn(w)を入力し、XSn(w)から既知の雑音量Nn(w)を減ずることにより雑音抑圧を行う。既知の雑音量Nn(w)としては、例えば静かな環境で録音装置から発生するノイズのみを録音し、当該録音したデータに高速フーリエ変換を実行して得られた各スペクトルのパワーを使用する。下記の(式6)で求められた抑圧比Hn(w)の値に、FFT変換部102のスペクトル情報を乗算することにより雑音抑圧を行い、雑音抑圧信号を生成する。雑音抑圧部105は、FFT変換部102から入力したスペクトル情報の位相と同じ位相となるように雑音抑圧信号の角度変換を実行して出力する。出力XSn(w)と既知の雑音量Nn(w)との差をTMP2とすると、
Figure 2013130815
ここで、既知の雑音量Nn(w)がXSn(w)より大きければ、Hn(w)は0未満となるため、(式5)および(式6)によりHn(w)=0となる。(式5)では下限値を0としているが、それよりも大きな値を下限値とすることにより雑音抑圧のオンオフ切り替わり感を低減させることも可能である。
iFFT変換部106は、雑音抑圧部105から角度変換がなされた雑音抑圧信号を入力し、入力した雑音抑圧信号に対して逆高速フーリエ変換を実行することにより、時間領域に変換されたフレーム単位の時間領域信号を生成して出力する。時間領域信号の振幅は、窓関数の形状となる。時間領域信号の振幅は元の信号の振幅にあわせる必要があるが、逆窓関数による変換では両端部分の信号のダイナミックレンジが著しく劣化する。これを避けるために、フレームが隣接する時間領域信号に関してフレーム内のサンプルの半分ずつをオーバーラップさせる手法がとられる。この波形合成を行う処理部が波形合成部107である。波形合成部107は、iFFT変換部106から時間領域信号を入力し、フレームが隣接する時間領域信号に関してフレーム内のサンプルの半分ずつをオーバーラップさせるように、隣接した時間領域信号同士の波形合成を行い、合成信号を生成して出力する。
図5は一例として録音機器に入る雑音のスペクトルを示し、図6はその録音機器のフロア雑音を示し、図7は雑音が抑圧された状態のスペクトルを示す。図5に示されるスペクトルと図7に示されるスペクトルとを比較すると、雑音が安定的に抑圧されていることを確認できる。しかしながら、図6に示されるスペクトルと図7に示されるスペクトルとを比較すると、フロア雑音も大きく損なわれていることもわかる。つまり、雑音は抑圧されるものの、オンオフの切り替わりでフロア雑音が損なわれている点が聴感上の違和感として知覚される。
この切り替わりの違和感を低減することを目的として、雑音印加部108は、録音システム全体で発生しているフロア雑音と等価の雑音を生成し、合成信号に対してフロア雑音相当の雑音を印加する。雑音印加部108は、波形合成部107から合成信号を入力し、入力した合成信号にフロア雑音と等価な雑音を印加する、もしくは雑音抑圧が行われる帯域が既知の場合はその帯域部分の雑音を印加することにより、雑音印加信号を生成して雑音抑圧装置100の出力端子に出力する。
図8は、雑音印加部108による雑音印加後のスペクトルを示す。図8に示されるように、雑音印加後のスペクトルにおいては、雑音が安定的に抑圧され、且つオンオフの切り替わりでフロア雑音も保たれていることがわかる。このように、合成信号にフロア雑音と等価な雑音を印加することにより、オンオフの切り替わりの違和感を低減することが可能になる。
100 雑音抑圧装置
101 フレーム分割部
102 FFT変換部
103 スペクトルパワー計算部
104 周波数スペクトル平滑部
105 雑音抑圧部
106 iFFT変換部
107 波形合成部
108 雑音印加部
301 平滑化係数算出部
302、305 定数乗算器
303 加算器
304 遅延器

Claims (6)

  1. 雑音が発生する録音装置において雑音成分を抑圧し音声信号を取り出す雑音抑圧装置であって、
    入力信号を一定間隔毎に分割してフレーム分割された信号を出力するフレーム分割部と、
    前記フレーム分割された信号から周波数領域スペクトルを計算して出力するFFT変換部と、
    前記周波数領域スペクトルのスペクトルパワーを計算するスペクトルパワー計算部と、
    前記スペクトルパワーの値に基づいて各周波数スペクトルを平滑化する周波数スペクトル平滑化部と、
    当該平滑化された周波数スペクトルに対し雑音抑圧を行う雑音抑圧部と、
    当該雑音抑圧された周波数スペクトルに対して逆高速フーリエ変換を実行することにより、時間領域に変換された時間領域信号を出力するiFFT変換部と、
    前記時間領域信号の波形合成を行うことにより合成信号を出力する波形合成部と
    を備えることを特徴とする雑音抑圧装置。
  2. 前記合成信号に対し雑音印加を行う雑音印加部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の雑音抑圧装置。
  3. 前記雑音印加部は、前記録音装置全体で発生しているフロア雑音と等価の雑音を生成し、前記等価の雑音を前記合成信号に印加することを特徴とする請求項2に記載の雑音抑圧装置。
  4. 前記周波数スペクトル平滑化部は、各周波数スペクトルの前記スペクトルパワーの値が所定の閾値未満の場合は前記周波数スペクトルの平滑化を行い、前記スペクトルパワーが所定の閾値以上の場合は前記周波数スペクトルの平滑化を行わないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の雑音抑圧装置。
  5. 前記雑音抑圧部は、前記平滑化された周波数スペクトルに基づいて、スペクトラムサブトラクト方式により雑音抑圧を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の雑音抑圧装置。
  6. 前記波形合成部は、フレームが隣接した前記時間領域信号に関してフレーム内のサンプルの半分ずつをオーバーラップさせるように、前記隣接した時間領域信号同士の波形合成を行うことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の雑音抑圧装置。
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