JP2013130496A - 評価表示システム、方法およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】重要度の高い情報を運転者に容易に伝達することが可能な技術の提供。
【解決手段】表示部に車両の現在位置とともに当該現在位置の周辺の地図を表示し、前記車両の今回の走行における燃費の評価を単位区間毎に示す今回評価を取得し、前記今回の走行よりも過去の走行における前記車両の燃費の評価を単位区間毎に示す過去評価を取得し、前記地図上に前記単位区間毎の前記今回評価を表示するとともに、前記車両が走行中の場合には所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの前記過去評価を前記地図上に表示し、前記車両が走行中でない場合には全ての評価レベルの前記過去評価を前記地図上に表示する。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両の燃費の評価を表示する評価表示システム、方法およびプログラムに関する。
従来、車両の燃費を改善させるための表示を行う各種の技術が開発されている。例えば、特許文献1においては、過去の走行における燃費の評価を複数段階(良、中間、悪等)に区分して地図上に地点または路線毎に表示し、車両の現在位置における現在の燃費の評価を併せて表示する技術が開示されている。
特開2002−350152号公報
上述した従来技術においては、重要度の高い情報が当該運転者に確実に伝達されないおそれがあった。すなわち、ナビゲーションシステム等の地図には、道路の他に道路周辺の施設や目的地、信号機などの各種の情報が表示されるのが通常であり、このような地図に燃費に関する複数段階の評価を表示する場合、地図上に示される情報が多岐にわたり、運転中に地図を直視できない運転者が即座にそれらの内容を把握することは困難である。特に、運転者が燃費を改善する際に当該運転者が全ての段階の評価を必要とすることはまれであり、通常は、評価が悪い地点について改善を試みるなど、特定の評価のみに着目して運転操作を行う。従って、複数段階の評価の全てが地図上に表示されると、運転者が必要とする情報を地図上から抽出するために時間を要することになり、運転者にとって重要度の高い情報が当該運転者に伝達されることが阻害される。
本発明は、前記課題にかんがみてなされたもので、重要度の高い情報を運転者に容易に伝達することが可能な技術を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明においては、車両の現在位置が表示されている地図上の単位区間毎に、車両の今回の走行における燃費の評価を示す今回評価と、今回の走行よりも過去における車両の燃費の評価を示す過去評価とを、併せて表示する。すなわち、今回評価と過去評価とが同時に視認できるように地図上に表示する。ただし、過去評価については走行中と走行中でない場合とで表示対象となる評価レベルが異なり、車両が走行中の場合には所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの過去評価が地図上に表示され、車両が走行中でない場合には全ての評価レベルの過去評価が地図上に表示される。
この結果、走行中において運転者は過去の燃費の評価の中で所定の評価よりも悪い評価レベルの過去評価を把握しながら運転を行うことができる。車両が走行中でない場合、運転者は全ての評価レベルの過去評価を把握することができる。すなわち、運転者が運転操作を改善することによって燃費の評価を改善する場合、全ての単位区間で運転操作の改善を意識することは困難であるとともに、改善効果がない単位区間で運転操作の改善を意識すると注意が散漫になって逆効果になる場合も多い。そして、燃費の評価を効果的に改善するためには、燃費の評価が悪かった単位区間での運転操作を改善する必要があり、運転中においては当該燃費の評価が悪かった単位区間において運転者が自身の運転操作を改善するように意識することが重要である。そこで、車両が走行中の場合には所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの過去評価が地図上に表示される(所定の評価レベル以上の評価レベルの過去評価は表示されない)ように構成すれば、重要度の高い情報を運転者に容易に伝達することが可能になる。
ここで、地図表示制御手段は、表示部に車両の現在位置とともに当該現在位置の周辺の地図を表示し、また、地図上に単位区間毎の今回評価と過去評価とを併せて表示するとともに、車両が走行中の場合には所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの過去評価を地図上に表示し、車両が走行中でない場合には全ての評価レベルの過去評価を地図上に表示することができればよい。すなわち、表示部に、車両の現在位置の周辺における道路や施設等を示す地図と、車両の現在位置を示す情報と、今回評価と過去評価とを表示するとともに、表示対象となる過去評価の評価レベルを車両の走行状態によって切り替えることができればよい。なお、本発明においては地図上の単位区間毎に今回評価と過去評価とが表示されるように構成される。単位区間は、燃費に関する評価の結論を導くための区間であればよく、一定距離の区間を単位区間としても良いし、所定の規則によって決められた区間を単位区間としても良い。後者としては、例えば、地図情報が示す最も近いノード同士を端点とする一つのリンクを一つの単位区間とする構成等を採用可能である。さらに、今回評価を表示する対象となる単位区間と過去評価を表示する対象となる単位区間とは、一致していても良いし異なっていても良い。すなわち、単位区間が共通の規則で決められていればよく、表示対象の単位区間は適宜選択されて良い。
また、地図表示制御手段は、車両が走行中であるか否かによって車両が走行中であるか否かによって表示対象を切り替えることができれば良く、当該表示対象を切り替えるための指標となる所定の評価レベルは、運転者の燃費の評価の改善に寄与する重要度に応じて予め決められていればよい。すなわち、運転者が道路区間における運転操作の改善をすることによって今回評価が改善することが想定されるような評価レベルが表示対象となるように所定の評価レベルが設定されていればよい。例えば、評価レベルが良評価と悪評価との2段階である場合、良評価が所定の評価レベルに設定され、所定の評価レベルよりも悪い悪評価が表示対象となるように構成される。
なお、今回評価については、所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの評価を表示しても良いし、全ての評価レベルの評価を表示しても良いし、走行中であるか否かによって表示対象となる評価レベルを切り替えても良い。例えば、車両が走行中の場合と走行中でない場合とにおいて全ての評価レベルの今回評価を地図上に表示する構成とすれば、運転者は、今回の走行において燃費の良い走行ができているか否かを走行中であるか否かにかかわらず把握することができる。
今回評価取得手段は、車両の今回の走行における燃費の評価を単位区間毎に示す今回評価を取得することができればよい。すなわち、現在位置を終点とする今回の走行区間のうち、少なくとも地図に表示されている区間についての今回評価を単位区間毎に取得すればよい。ここで、今回の走行区間は現在位置が終点となる区間であり、車両の進行とともに区間の総距離が大きくなる。また、今回の走行区間の始点は特に限定されず、現在位置まで連続的に走行した場合において当該連続的な走行の開始地点を今回の走行区間の始点としても良いし、走行日が異なるなど非連続な走行が行われた場合において現在位置に到達する前に車両が存在した地点を区間の始点としても良い。すなわち、今回の走行と今回の走行よりも過去の走行とが区別されて対比できるように今回の走行区間が定義されていればよい。
過去評価取得手段は、今回の走行よりも過去における車両の燃費の評価を単位区間毎に示す過去評価を取得することができればよい。すなわち、地図上での過去評価の表示対象区間について過去評価を取得することができればよい。具体的には、地図に表示されている今回よりも過去の走行区間のうち、今回評価と対比すべき区間を過去評価の表示対象区間とし、当該表示対象区間についての燃費の評価を単位区間毎に取得すればよい。ここで、過去評価の表示対象区間は、過去評価の情報が存在する区間の全てであっても良いし、一部であっても良い。すなわち、過去の燃費の評価を定常的に特定して記録媒体に記録する構成とし、地図に含まれる道路上の単位区間であって、過去の燃費の評価が記録媒体に記録されている全ての単位区間については過去評価を表示する構成としても良いし、過去の燃費の評価が記録媒体に記録されている単位区間から表示対象区間を選択して過去評価を表示しても良い。
過去の燃費の評価が記録媒体に記録されている単位区間から表示対象区間を選択する構成の例として、今回の走行よりも過去に現在位置を含む区間を走行した場合の車両の燃費の評価を単位区間毎に示す過去評価を取得する構成としても良い。すなわち、現在位置を含む区間を過去評価の表示対象区間として過去評価を取得する。この構成によれば、現在位置以前の今回評価が地図上に表示されている状態において、現在位置を含む区間が過去評価の表示対象となり、車両の走行状態によって表示対象となる評価レベルが切り替えられながら地図上に表示される。現在位置を含む区間は、現在位置の直後に走行する道路を含むため、運転者は現在位置以後に存在する所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの過去評価を認識し、さらに、現在位置以前の今回評価を対比させながら運転を行うことが可能になる。
なお、以上のような今回評価、過去評価が示す燃費の評価は、燃費を変化させるための指針となる情報であれば良く、燃費の値を示す情報(例えば、単位区間内の平均値を示す情報)であっても良いし、基準の燃費と今回あるいは過去の燃費とを比較した結果を示す情報(例えば、基準燃費との相対関係を示す情報)であっても良いし、燃費を改善させるための運転操作の有無を評価する情報(例えば、燃費改善に寄与する運転操作の頻度を示す情報)であっても良い。むろん、過去評価についても同様に、燃費の評価は燃費を変化させるための指針となる情報であればよい。
さらに、車両が出発地から目的地に向けて走行している場合において、出発地から現在位置までの区間についての今回評価を取得し、車両が今回の走行よりも過去に出発地と同一の地点から出発し、目的地と同一の地点まで走行した場合における過去評価を取得する構成としても良い。すなわち、今回の走行と過去の走行とで出発地と目的地とが共通である場合に今回評価と過去評価とを表示する構成とする。この構成によれば、ある出発地から他の目的地に向けて今回走行する際に過去の走行に比べて総消費燃料を抑制するための指針を提供することが可能になる。
なお、出発地と目的地とが同一である場合、出発地から目的地までの経路が同一あるいは一部重複することが多い。この場合、今回の走行と過去の走行とで道路区間の全てが同一あるいは一部で同一となるため、過去評価と今回評価とを地図上に表示することにより、出発地から目的地まで走行する際の燃費を容易に改善することが可能になる。また、出発地と目的地とは、運転者が明示的に指示した地点であっても良いし、車両の動作状態に基づいて出発したと判定される地点や到着したと判定される地点を出発地や目的地とする構成を採用しても良い。さらに、今回の目的地を、例えば、今回の走行の経路や過去の走行履歴等に基づいて推定しても良い。
さらに、車両の走行状態以外の要因も考慮して表示対象の評価レベルを特定するように構成してもよい。例えば、車両が走行中の場合、所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの過去評価が所定の区間数以上連続する単位区間を特定し、特定された単位区間についての過去評価を地図上に表示する構成としても良い。すなわち、走行中においては、所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの過去評価が所定の区間数以上連続する場合に限定して過去評価を表示する構成とする。所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの過去評価が連続する場合、共通の要因で燃費が悪化している可能性が高く、また、運転者が燃費の改善を意識することによって大きく燃費が改善する可能性が高い。そこで、所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの過去評価が所定の区間数以上連続する単位区間についての過去評価を地図上に表示する構成とすれば、燃費の改善に寄与する重要度の高い情報を運転者に提供することができる。
さらに、車両が走行中であり、かつ、地図の縮尺が所定の広さ以上の領域の地図を表示部に表示させる縮尺である場合に所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの過去評価を地図上に表示する構成としても良い。すなわち、地図の縮尺が可変である場合、縮尺の変化によって地図による表示領域が広域になるほど表示すべき情報量が増加する傾向にある。そこで、地図の縮尺が所定の広さ以上の領域の地図を表示部に表示させる縮尺であることによって、全ての評価レベルについて過去評価を表示すると走行中における評価レベルの認識に支障が生じ得る縮尺を予め決定しておく。そして、走行中かつ地図の縮尺が当該決定された縮尺である場合に、所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの過去評価を地図上に表示する構成とすれば、過去評価が多数表示されて評価レベルの認識に支障が生じることを防止することができる。
さらに、本発明のように車両が走行中の場合には所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの過去評価を地図上に表示し、車両が走行中でない場合には全ての評価レベルの過去評価を地図上に表示する手法は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合や、複数の装置によって実現される場合、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合が想定可能であり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のような装置を備えたナビゲーションシステムや方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
評価表示システムを含むナビゲーション端末を示すブロック図である。 評価情報取得処理を示すフローチャートである。 評価情報表示処理を示すフローチャートである。 (4A)(4B)(4C)は表示される地図の例を示す図である。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)ナビゲーション端末の構成:
(2)評価情報取得処理:
(3)評価情報表示処理:
(4)他の実施形態:
(1)ナビゲーション端末の構成:
図1は、車両に搭載された評価表示システムの構成を示すブロック図である。本実施形態において評価表示システムは、ナビゲーション端末10によって実現される。ナビゲーション端末10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20を備えており、ROMに記憶されたプログラムを制御部20で実行することができる。本実施形態においては、このプログラムの一つとしてナビゲーションプログラムを実行可能である。当該ナビゲーションプログラムは、ナビゲーション端末の表示部に車両の現在位置が含まれる地図を表示して運転者を目的地まで案内する機能を制御部20に実現させるプログラムであり、表示部に今回評価と過去評価とを併せて表示するとともに、走行中であるか否かによって表示対象となる過去評価の評価レベルを切り替える評価表示プログラム21が含まれている。
本実施形態にかかる車両は、燃費評価ランプECU40とGPS受信部41と車速センサ42とジャイロセンサ43とユーザI/F部44とを備えている。GPS受信部41は、GPS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の現在位置を算出するための信号を示す信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の現在位置を取得する。車速センサ42は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車速を取得する。ジャイロセンサ43は、車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の進行方向を取得する。車速センサ42およびジャイロセンサ43等は、GPS受信部41の出力信号から特定される車両の現在位置を補正するなどのために利用される。また、車両の現在位置は、当該車両の走行軌跡に基づいて適宜補正される。
燃費評価ランプECU40は、車両の動作に基づいて走行中の車両の燃費を評価するための制御回路を備えており、車両のインストルメンタルパネルに備えられたランプ40aが接続されている。本実施形態において燃費評価ランプECU40は、消費燃料を示す情報(例えば、インジェクタを動作させるための信号から特定される情報や消費燃料センサが示す情報等)と車速センサ42の出力情報とトランスミッションの状態を示す情報との組み合わせが消費燃料を抑制する条件に合致しているか否かを判定する。なお、消費燃料を抑制する条件としては、種々の条件を定義可能であるが、本実施形態においては、消費燃料が所定量以下であり、かつ、車速が所定の閾値以上であり、かつ、トランスミッションの状態が通常の状態(スポーツモードなど高効率に加速するための状態ではないドライブモード等の状態)である場合に消費燃料を抑制する条件に合致しているとする。
そして、燃費評価ランプECU40は、各情報の組み合わせが消費燃料を抑制する条件に合致している場合にランプ40aを点灯させる。この結果、運転者はランプ40aが点灯している場合に消費燃料が抑制される運転を行っており、ランプ40aが消灯している場合に消費燃料が過度に消費される運転を行っていると判断することができる。また、燃費評価ランプECU40は、ランプ40aを点灯させる場合に制御部20に対してランプ40aが点灯していることを示す情報を出力する。従って、制御部20は、当該情報に基づいてランプ40aが点灯していることおよび消灯していることを特定することができる。さらに、燃費評価ランプECU40は、制御部20に対して上述の消費燃料を示す情報を出力する。制御部20は、当該消費燃料を示す情報に基づいて位置毎の車両の燃費(km/l)を特定することができる。
ユーザI/F部44は、運転者の指示を入力し、また運転者に各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネルディスプレイからなる表示部やスイッチ等の入力部、スピーカ等の音声出力部を備えている。ユーザI/F部44は制御信号を制御部20から受信し、各種案内を行うための画像をタッチパネルディスプレイに表示する。
記録媒体30には地図情報30aが記録されている。地図情報30aは、車両が走行する道路の端点に対応するノードの位置等を示すノードデータ、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点の位置等を示す形状補間点データ、ノード同士の連結を示すリンクデータ等を含んでいる。また、本実施形態においては、車両が走行するたびに車両の燃費の評価を示す評価情報30bが記録される。当該評価情報30bは、単位区間内における燃費の評価対象区間内で上述のランプ40aが点灯していた割合を示す情報であるとともに、目的地を設定して走行した状態で評価情報30bが記録される場合には、当該目的地と出発地とを示す情報が評価情報30bに対応付けられて記録される。
制御部20は、ナビゲーションプログラムに含まれる評価表示プログラム21を実行することにより、ユーザI/F部44の表示部に今回評価と過去評価とを含む地図を表示する。この処理を実行するため、評価表示プログラム21は、地図表示制御部21aと今回評価取得部21bと過去評価取得部21cとを備えている。
地図表示制御部21aは、ユーザI/F部44の表示部に車両の現在位置とともに当該現在位置の周辺の地図を表示し、また、地図上に単位区間毎の今回評価と過去評価とを併せて表示するとともに、走行中であるか否かによって表示対象となる過去評価の評価レベルを切り替える機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部20は、GPS受信部41,車速センサ42,ジャイロセンサ43の出力信号に基づいて車両の現在位置を特定し、車両の現在位置周辺における地図の表示範囲を特定し、当該表示範囲内の道路や施設等の情報を地図情報30aから抽出する。そして、制御部20は、車両の現在位置と当該現在位置の周辺における道路や施設等を示す地図を描画するための制御信号をユーザI/F部44の表示部に出力する。この結果、ユーザI/F部44の表示部は、車両の現在位置の周辺における道路や施設等を示す地図と、車両の現在位置を表示する。
今回評価取得部21bは、車両の今回の走行における燃費の評価を単位区間(本実施形態においては、一定距離(例えば100m)の区間)毎に示す今回評価を取得する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。なお、制御部20は、車両が走行する過程において今回評価取得部21bにより後述する評価情報取得処理を実行し、ランプ40aの単位区間毎の点灯割合を取得し、当該単位区間毎の点灯割合を評価情報30bとして記録する。当該評価情報30bからは今回評価と過去評価とが生成される。
本実施形態においては、運転者がナビゲーションプログラムの機能により、ユーザI/F部44を操作して目的地を設定し、当該目的地を設定した時点での車両の現在位置を出発地とし、当該出発地から目的地までの経路を探索して案内する。そして、現在において当該出発地から当該目的地まで走行している場合に、当該出発地から当該目的地までの走行を今回の走行とみなす。すなわち、今回走行した区間は、出発地が始点、現在位置が終点となる区間であり、車両の進行とともに車両が目的地に到達するまで今回走行した区間の総距離が大きくなる。なお、目的地を設定した走行が行われ、車両が目的地に到達した場合、制御部20は、評価情報30bを記録する際に、出発地から目的地まで走行するまでの各単位区間についての評価情報と当該出発地および当該目的地とを対応付けて記録する。
そして、制御部20は、今回評価取得部21bの処理により、評価情報30bから、今回の走行に関する評価を今回評価として取得する。このために、制御部20は、出発地において車両の走行が開始された後、目的地に到達する以前において車両が今回走行した区間における単位区間毎の評価情報30bを取得する。そして、制御部20は、評価情報30bが示す単位区間毎のランプ40aの点灯割合(ランプ40aが点灯している状態で走行した距離の割合)を所定の閾値と比較し、所定の閾値以上である場合に燃費の評価を「良」、当該点灯割合が所定の閾値よりも小さい場合に燃費の評価を「悪」とし、単位区間毎の今回評価とする。すなわち、本実施形態においては、ランプ40aの点灯割合が高いほど燃費が高くなるため、ランプ40aの点灯割合は燃費改善に寄与する運転操作の頻度に対応しており、当該点灯割合によって、燃費を改善させるための運転操作の有無を評価することができる。なお、所定の閾値は、燃費の評価を行う際に決定されていればよく、本実施形態においては、運転者が予め設定した診断難易度に応じて当該所定の閾値が設定される。すなわち、診断難易度が高いほど所定の閾値が大きくなるように設定される。
さらに、本実施形態において制御部20は、今回評価取得部21bの処理により、今回の走行における車両の平均燃費を示す今回平均燃費を取得する。すなわち、目的地を設定した走行が行われた場合、制御部20は、評価情報30bを記録する際に、出発地から現在位置までの消費燃料を示す情報に基づいて位置毎の車両の燃費を特定し、平均化し、出発地と目的地との組み合わせに対して平均化した燃費を対応付けて記録する。
過去評価取得部21cは、今回の走行よりも過去の走行における車両の燃費の評価を単位区間毎に示す過去評価を取得する機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールである。本実施形態において制御部20は、車両が今回の走行よりも過去に出発地と同一の地点から出発し、目的地と同一の地点まで走行した場合における一連の走行を過去評価の表示対象となる過去の走行と見なす。そして、制御部20は、過去の走行で車両が走行した区間の単位区間毎の評価を過去評価として取得する。
このために、制御部20は、評価情報30bから上述の今回の走行と同一の出発地、目的地が対応付けられたランプ40aの点灯割合を示す情報を取得する。なお、今回の走行と同一の出発地、目的地が対応付けられた情報が複数個記録されている場合、例えば、出発地と目的地とに対応付けられた平均化された燃費が最も良いもの(すなわち、過去において最高の平均燃費となったもの)を過去評価として取得する構成とすればよい。そして、制御部20は、ランプ40aの点灯割合と所定の閾値と比較し、所定の閾値以上である場合に燃費の評価レベルを「良」、当該点灯割合が所定の閾値よりも小さい場合に燃費の評価レベルを「悪」とする。なお、今回の走行と過去の走行とで出発地と目的地とが同一か否かを判定するためには、地点からの距離に所定のマージンを設け、例えば、距離が300m以内の2地点は同一と見なすような構成を採用可能である。
以上のようにして今回評価と過去評価とが取得されると、制御部20は、地図表示制御部21aの処理により、今回評価と過去評価とを地図上に描画するための制御信号をユーザI/F部44の表示部に出力する。なお、今回評価と過去評価とを表示するために、制御部20は、ユーザI/F部44の表示部に現在表示されている地図から、今回の走行によって走行した区間と過去の走行によって走行した区間とを抽出する。そして、制御部20は、各区間における単位区間毎の今回評価と過去評価とを特定する。
そして、制御部20は、車両が走行中の場合には所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの過去評価が地図上に表示され、車両が走行中でない場合には全ての評価レベルの過去評価が地図上に表示されるようにユーザI/F部44に対して制御信号を出力する。すなわち、制御部20は、車速センサ42の出力信号に基づいて、現在車両が走行中であるか否か(現在速度が所定の閾値(例えば4km/h)以上であるか否か)を判定する。車両が走行中であると判定される場合、制御部20は「悪」評価を表示対象とし、「良」評価を表示対象としない。車両が走行中であると判定されない場合、制御部20は「悪」評価と「良」評価との双方を表示対象とする。そして、表示対象の過去評価を地図上に描画するための制御信号をユーザI/F部44の表示部に出力する。
一方、制御部20は、車両が走行中である場合と走行中でない場合との双方において、全ての評価レベルの今回評価が地図上に表示されるようにユーザI/F部44に対して制御信号を出力する。この結果、ユーザI/F部44の表示部は、単位区間毎に全ての評価レベルの今回評価を表示し、走行中においては「悪」評価の過去評価、走行中でない場合には「悪」評価と「良」評価との双方の過去評価を表示する。
図4Aは走行中である場合に表示部に表示される地図の例を示しており、図4Bは走行中でない場合に表示部に表示される地図の例を示している。これらの例においては、実線の曲線によって示された道路R上に車両の現在位置を示すアイコンCが表示されている。また、図4A,4Bに示す例においては、道路上に葉を模したアイコンによって燃費の評価を表示しており、実線のアイコンEtgによって「良」の今回評価、実線のハッチが付されたアイコンEtbによって「悪」の今回評価を示し、破線のアイコンEpgによって「良」の過去評価、破線のハッチが付されたアイコンEpbによって「悪」の過去評価を示している。なお、図4Aは走行中である場合に表示される地図であるためアイコンEpgは表示されずアイコンEpbが表示されており、図4Bは走行中でない場合に表示される地図であるためアイコンEpg,Epbの双方が表示されている。なお、道路R上に記された太い線は今回の走行において出発地から目的地まで到達するための走行予定経路を示している。
以上のように、本実施形態によれば、ユーザI/F部44の表示部に表示された地図に、今回評価と過去評価とが同時に視認できるように表示される。さらに、車両が走行中の場合、過去評価の表示対象は「悪」評価に限定され、車両が走行中でない場合、過去評価の表示対象は「悪」評価と「良」評価との双方になる。この結果、運転者は走行中において今回の走行区間における燃費の評価と、過去において「悪」レベルとされた燃費の評価とを比較しながら運転を行うことができる。また、車両が走行中でない場合、運転者は全ての評価レベルの過去評価を把握することができる。
運転者が運転操作を改善することによって燃費の評価を改善する場合、全ての道路区間で運転操作の改善を意識することは困難であるとともに、改善効果がない道路区間で運転操作の改善を意識すると注意が散漫になって逆効果になる場合も多い。例えば、図4BにてアイコンEpgで示す「良」評価とアイコンEpbで示す「悪」評価とが対応する単位区間の全てについて運転操作の改善を意識するのは困難である。また、アイコンEpgで示す「良」評価が対応する単位区間で運転操作を改善しようとしても、改善の余地がない場合がある。
一方、アイコンEpbで示す「悪」評価が対応する単位区間では運転操作の改善によって燃費が改善する余地がある。従って、今回の走行において燃費の評価を改善するためには、過去評価が「悪」評価であった単位区間での運転操作を改善する必要があり、運転中においては当該過去評価が「悪」評価であった単位区間において運転者が自身の運転操作を改善するように意識することが重要である。本実施形態においては、走行中に図4Aに示すような地図が表示され、アイコンEpgで示す「良」評価は表示されず、アイコンEpbで示す「悪」評価が表示される。従って、燃費を改善するために重要度の高い情報である過去評価が「悪」評価であった単位区間を運転者に容易に伝達することが可能になる。
なお、車両が走行中でない場合には、「良」評価である過去評価も表示されるため、運転者は、「良」評価と「悪」評価とが連続的に表示される位置に基づいて過去の走行において走行した経路や過去評価が存在する経路を把握することができる。さらに、本実施形態においては、図4A、4Bに示す例のように、今回評価と過去評価とが異なる態様(実線と破線)で地図に表示されるため、運転者は、今回評価と過去評価とを混同することなく明確に区別することが可能になる。むろん、今回評価が表示される区間(車両の現在位置よりも後方の区間)においては、過去評価の表示を消去するように構成し、今回評価と過去評価とが明確に区別されるように構成してもよい。
なお、今回の走行と過去の走行とで出発地と目的地とが同一の場合、通常は、ナビゲーションプログラムによって同一の経路が探索される。今回の走行と過去の走行とが同一の経路であった場合、図4Aに示すように、今回の走行に関する今回評価Etg,Etbは出発地から現在位置までの経路について表示される。そこで、同一の経路上において車両の現在位置よりも後方の単位区間についての過去評価を消去すれば、現在位置よりも前方に過去評価が表示され、現在位置よりも後方に過去評価が表示されるように構成することができ、両者を明確に区別することが可能である。また、走行中において、過去に「悪」評価であった単位区間を走行した後に今回評価がどのような評価であったのかを容易に把握することができ、燃費が改善したか否かを容易に判断することが可能である。
(2)評価情報取得処理:
次に、評価情報取得処理について詳細に説明する。図2は、評価情報取得処理のフローチャートであり、本実施形態において制御部20は、目的地を設定した走行が開始された後に今回評価取得部21bによって評価情報取得処理を実行する。評価情報取得処理が実行される前に制御部20は、車両が単位区間の長さとして定義された一定距離を走行したか否かを判定するための累計距離と、単位区間内で燃費の評価を行うことが可能であった距離を特定するための評価距離と、ランプ40aが点灯した状態で走行した距離を特定するための点灯距離とを示す変数を初期化する。
制御部20は、走行距離を累計距離に加算する(ステップS100)。本実施形態において、ステップS100〜S130はループ処理となっており、ループ処理が繰り返される場合には一定の期間(例えば、100ms)毎にステップS100の処理が行われる。そこで、制御部20は、GPS受信部41と車速センサ42とジャイロセンサ43との出力信号に基づいて、前回ステップS100が実行されてから今回ステップS100が実行されるまでの間に車両が走行した走行距離ΔLを特定し、累計距離に加算する。すなわち、制御部20は、ステップS100〜S130が繰り返されている間に車両が走行した総距離を示す値が累計距離となるように加算処理を行う。
次に、制御部20は、車速が所定値以上であるか否かを判定し(ステップS110)、車速が所定値以上であると判定されない場合にはステップS115〜S125をスキップする。一方、ステップS110にて、車速が所定値以上であると判定された場合、制御部20は、走行距離を評価距離に加算する(ステップS115)。すなわち、ステップS100にて累計距離に加算された上述の走行距離ΔLを評価距離に加算する。
ここで、ステップS110の判定における判定条件となる所定値は、所定値よりも小さい車速である場合に有意な燃費の評価が行えなくなるような車速の値(例えば4km/h)として予め定義されていればよい。すなわち、車速が過度に低速である場合、消費燃料を抑制した運転と過度に燃料を消費した運転とを区別して運転操作をすることが困難であるため、所定値よりも小さい車速である場合には燃費の評価を行わないようにする。このために、本実施形態においては、車速が所定値よりも小さい場合、有意な燃費の評価を行えないと見なしてステップS115を実行しないが、車速が所定値以上であれば有意な燃費の評価を行えると見なしてステップS115にて評価距離をΔLだけ増加させることになる。なお、当該所定値は、燃費評価ランプECU40がランプ40aを点灯させる際の条件の一つとして車速について設定されている所定の閾値と同一であっても良い。
さらに、制御部20は、ランプ40aが点灯しているか否かを判定し(ステップS120)、ランプ40aが点灯していると判定されない場合にはステップS125をスキップする。一方、ステップS120にて、ランプ40aが点灯していると判定された場合、制御部20は、走行距離を点灯距離に加算する(ステップS125)。すなわち、有意な燃費の評価を行うことが可能な状態であり、かつ、ランプ40aが点灯している場合に、制御部20は、ステップS100にて累計距離に加算された上述の走行距離ΔLを評価距離に加算する。
次に、制御部20は、累計距離が一定距離以上になったか否かを判定し(ステップS130)、ステップS130にて累計距離が一定距離以上になったと判定されるまでステップS100以降の処理を繰り返す。すなわち、制御部20は、累計距離が、単位区間の距離として予め定義された一定距離以上になった場合に、車両が単位区間を走行したと見なしてステップS100〜S130のループ処理を抜けることになる。
ステップS130にて、累計距離が一定距離以上になったと判定された場合、制御部20は、評価距離が0より大きいか否かを判定する(ステップS135)。すなわち、車両が単位区間を走行する過程において有意な評価を行える区間が存在したか否かを判定する。ステップS135にて、評価距離が0より大きいと判定された場合、制御部20は、ランプ40aの点灯割合を点灯距離/評価距離に設定する(ステップS140)。一方、ステップS135にて、評価距離が0より大きいと判定されない場合、制御部20は、ランプ40aの点灯割合を0に設定する(ステップS145)。すなわち、点灯割合を評価するための分母が0でない場合には点灯距離と評価距離とに基づいて点灯割合を算出し、点灯割合を評価するための分母が0である場合には点灯割合の定義から点灯割合を算出できないため0とする。むろん、ここでは、評価不能などとすることも可能である。
次に、制御部20は、ステップS140あるいはS145にて設定したランプ40aの点灯割合を累計距離の計測対象となった単位区間に対応付けて評価情報30bとして記録媒体30に記録する(ステップS150)。以上の処理によれば、単位区間毎の評価情報30bを記録媒体30に記録することができる。なお、車両の目的地が設定された状態で評価情報取得処理が実行された場合、制御部20は、ステップS150において、目的地と出発地とを示す情報を評価情報30bに対応付けて記録する。
(3)評価情報表示処理:
次に、評価情報表示処理について詳細に説明する。図3は、評価情報表示処理のフローチャートであり、本実施形態においては、運転者によって目的地が設定され、今回の走行の出発地および目的地と同一の出発地および目的地であった過去の走行についての評価情報30bが存在する場合に当該評価情報表示処理が実行される。また、制御部20は、ユーザI/F部44の表示部において所定の期間毎に地図表示を更新しており、当該更新のたびに当該評価情報表示処理が実行される。さらに、当該評価情報表示処理が実行される前には予め上述の診断難易度が運転者の指示、デフォルト値あるいは各単位区間における走行難易度によって特定されている。
ステップS200〜S230は過去評価を地図上に表示するためのループ処理であり、制御部20は、地図表示制御部21aおよび過去評価取得部21cの処理により、まず、過去評価を表示すべきか否かを判定する対象となる判定対象区間から処理対象の単位区間を選択する(ステップS200)。すなわち、制御部20は、地図表示制御部21aの処理により、ユーザI/F部44の表示部に表示されている地図の範囲を特定する。さらに、制御部20は、過去評価取得部21cの処理により、今回の走行における出発地および目的地と同一の出発地および目的地が対応付けられた評価情報30bから、出発地と目的地とに対応付けられた平均化された燃費が最も良いものを抽出する。さらに、制御部20は、地図表示制御部21aの処理により、抽出された評価情報30bに対応付けられた単位区間からユーザI/F部44の表示部に表示されている地図の範囲に含まれる単位区間を抽出し、過去評価を表示すべきか否かを判定する対象となる判定対象区間として特定する。そして、判定対象区間の中から、後述するステップS205〜S225によって過去評価を表示すべきか否かを判定する処理が行われていない単位区間を処理対象の単位区間として選択する。
次に、制御部20は、過去評価取得部21cの処理により、処理対象の単位区間の過去の評価情報を取得する(ステップS205)。すなわち、処理対象の単位区間の過去の走行におけるランプ40aの点灯割合を取得する。次に、制御部20は、過去評価取得部21cの処理により、処理対象の単位区間の過去の走行におけるランプ40aの点灯割合が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS210)。ステップS210でランプ40aの点灯割合が所定の閾値以上であると判定された場合、制御部20は、過去評価取得部21cの処理により、処理対象の単位区間の過去評価の評価レベルを「良」評価に設定する(ステップS215)。
一方、ステップS210でランプ40aの点灯割合が所定の閾値以上であると判定されない場合、制御部20は、過去評価取得部21cの処理により、処理対象の単位区間の過去評価の評価レベルを「悪」評価に設定する(ステップS220)。なお、ランプ40aの点灯割合と比較される所定の閾値は上述の診断難易度に応じて設定され、診断難易度が高いほど大きい値となる。従って、診断難易度が高いほど、過去評価が「良」とされにくくなる。
ステップS215にて過去評価の評価レベルが「良」評価に設定された場合、制御部20は、地図表示制御部21aの処理により、車両が走行中であるか否かを判定する(ステップS223)。すなわち、制御部20は、車速センサ42の出力信号に基づいて車両の現在速度が所定の閾値(例えば、4km/h)以下である場合に車両が走行中であると判定する。なお、ステップS220にて過去評価の評価レベルが「悪」評価に設定された場合、ステップS223はスキップされてステップS225が実行される。
また、ステップS215を経てステップS223が行われ、当該ステップS223にて車両が走行中であると判定されない場合にもステップS225が実行される。当該ステップS225において、制御部20は、地図表示制御部21aの処理により、処理対象の単位区間の過去評価を表示する(ステップS225)。すなわち、制御部20は、処理対象の単位区間の過去評価に対応したアイコンを当該単位区間に描画するための信号をユーザI/F部44の表示部に対して出力する。ユーザI/F部44の表示部は、処理対象の単位区間の過去評価に対応したアイコンを表示する。この結果、処理対象の単位区間の過去評価が「悪」評価である場合には、車両の走行状態によらず処理対象の単位区間に過去評価が表示されることになる。また、処理対象の単位区間の過去評価が「良」評価であり、かつ、車両が走行中ではない場合に処理対象の単位区間に過去評価が表示されることになる。
一方ステップS223にて車両が走行中であると判定された場合、制御部20は、ステップS225をスキップする。従って、単位区間の過去評価が「良」評価であり、かつ、車両が走行中である場合に処理対象の単位区間の過去評価は表示されないことになる。
次に、制御部20は、地図表示制御部21aの処理により、判定対象区間の全てについて過去評価を表示すべきか否かの判定を行ったか否かを判定する(ステップS230)。ステップS230にて、判定対象区間の全てについて過去評価を表示すべきか否かの判定を行ったと判定されない場合、制御部20は、ステップS200以降の処理を繰り返す。一方、ステップS230にて判定対象区間の全てについて過去評価を表示すべきか否かの判定を行ったと判定された場合、ステップS235以降で今回評価を表示するための処理を行う。以上のようにして過去評価を表示すべきか否かの判定が行われ、表示すべきと判定された場合に過去評価を表示する処理が各単位区間について行われた時点では、図4Aに示す実線のアイコンEtg,Etb(今回評価を示すアイコン)は表示されておらず、破線で示すアイコンEpg,Epb(過去評価を示すアイコン)が表示された状態となる。なお、今回の走行と過去の走行とで経路が同一である場合、車両の現在位置よりも後方の単位区間においても過去評価が表示されるが、ステップS235以降の処理によって同一の単位区間上に今回評価が表示される場合には、今回評価が優先的に表示される。
ステップS235〜S265は今回評価を地図上に表示するためのループ処理であり、制御部20は、地図表示制御部21aおよび今回評価取得部21bの処理により、まず、今回評価の表示対象から処理対象の単位区間を選択する(ステップS235)。すなわち、制御部20は、地図表示制御部21aの処理により、ユーザI/F部44の表示部に表示されている地図の範囲を特定する。さらに、制御部20は、今回評価取得部21bの処理により、今回の走行の過程で記録媒体に記録された評価情報30bに対応付けられた単位区間からユーザI/F部44の表示部に表示されている地図の範囲に含まれる単位区間を表示対象として特定する。そして、表示対象の単位区間の中から今回評価を表示する処理を行っていない単位区間を処理対象の単位区間として選択する。
次に、制御部20は、今回評価取得部21bの処理により、処理対象の単位区間の今回の評価情報を取得する(ステップS240)。すなわち、処理対象の単位区間の今回の走行におけるランプ40aの点灯割合を取得する。次に、制御部20は、今回評価取得部21bの処理により、処理対象の単位区間の今回の走行におけるランプ40aの点灯割合が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS245)。ステップS245でランプ40aの点灯割合が所定の閾値以上であると判定された場合、制御部20は、今回評価取得部21bの処理により、処理対象の単位区間の今回評価を「良」に設定する(ステップS250)。また、ステップS245でランプ40aの点灯割合が所定の閾値以上であると判定されない場合、制御部20は、今回評価取得部21bの処理により、処理対象の単位区間の今回評価を「悪」に設定する(ステップS255)。なお、ランプ40aの点灯割合と比較される所定の閾値はステップS210における所定の閾値と同一である。
次に、制御部20は、地図表示制御部21aの処理により、処理対象の単位区間の今回評価を表示する(ステップS260)。すなわち、制御部20は、処理対象の単位区間の今回評価に対応したアイコンを当該単位区間に描画するための信号をユーザI/F部44の表示部に対して出力する。この結果、ユーザI/F部44の表示部は、処理対象の単位区間の今回評価に対応したアイコンを表示する。
次に、制御部20は、地図表示制御部21aの処理により、表示対象の単位区間の今回評価を表示済であるか否かを判定する(ステップS265)。すなわち、制御部20は、ステップS235にて特定された表示対象の単位区間の全てについて今回評価を表示したか否かを判定する。ステップS265にて、表示対象の単位区間の今回評価を表示済であると判定されない場合、ステップS235以降の処理を繰り返す。一方、ステップS265にて表示対象の単位区間の今回評価を表示済であると判定されると、制御部20は、評価情報表示処理を終了する。本実施形態において、同一の単位区間上に今回評価が表示される場合には、今回評価が優先的に表示されるため、表示対象の単位区間の今回評価が表示されると、図4Aに示す例のように、車両の現在位置以前に車両が走行した区間には実線で今回評価のアイコンEtg,Etbが表示される。また、ステップS235〜S265の処理においては車両の現在位置よりも前方の区間に今回評価は表示されないため、当該車両の現在位置よりも前方の区間において、車両が走行中である場合には破線で過去評価のアイコンEpbが表示され、車両が走行中でない場合には破線で過去評価のアイコンEpg,Epbが表示される。
(4)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、車両が走行中の場合には所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの過去評価を地図上に表示し、車両が走行中でない場合には全ての評価レベルの過去評価を地図上に表示する限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、今回評価や過去評価は、車両に搭載されていない装置、例えば、情報管理センターから取得しても良い。むろん、ナビゲーション端末10は、車両に固定的に搭載されていても良いし、持ち運び可能なナビゲーション端末10が車両内に持ち込まれて利用される態様であっても良い。
さらに、上述の車両は内燃機関によって駆動される車両であるが、適用対象の車両はこのような車両に限定されず、ハイブリッド車や電気自動車にて今回評価と過去評価とを地図に表示する構成であっても良い。
さらに、燃費の評価は、複数の要素の組み合わせに対する条件によって評価されても良いし、単一の要素(例えば、燃費の値)に対する条件によって評価されても良い。また、液体燃料とバッテリーとを使用して駆動されるハイブリッド車においては、同一距離を走行するための単価が安い動力源のみで走行している場合に燃費が良いと判断されても良い。例えば、バッテリーで車両を駆動した方が液体燃料よりも安く同一距離を走行できる場合、液体燃料を使用せずバッテリーを使用して駆動される状態の燃費が良いと判断される構成を採用可能である。むろん、当該燃費の評価に加えてハイブリッド走行時の燃費の評価を行っても良い。さらに、燃費は、上述の実施形態のように2段階で評価されても良いし3段階以上で評価されても良い。
さらに、燃費の評価は、燃費を変化させるための指針となる情報であれば良く、燃費の値を示す情報(例えば、単位区間内の平均値を示す情報)であっても良いし、基準の燃費と今回の燃費とを比較した結果を示す情報(例えば、基準燃費との相対関係を示す情報)であっても良い。
さらに、出発地や目的地は、上述の構成のように運転者が明示的に目的地を指示した時点で決定される構成の他、種々の構成を採用可能である。例えば、車両の動作状態に基づいて車両が出発したと判定される地点や到着したと判定される地点を出発地や目的地とする構成を採用しても良い。さらに、今回の目的地を、例えば、今回の走行の経路や過去の走行履歴等に基づいて推定しても良い。
さらに、上述の実施形態においては、今回の走行における出発地および目的地と同一の出発地から同一の目的地まで過去に走行した場合にその走行区間を過去評価の表示対象としたが、他の規則によって過去評価の表示対象区間を決定しても良い。すなわち、地図に表示されている今回よりも過去の走行区間のうち、今回評価と対比すべき区間を過去評価の表示対象区間とし、当該表示対象区間についての単位区間毎の燃費の評価を過去評価とすればよい。そして、過去評価の表示対象区間は、過去評価の情報が存在する区間の全てであっても良いし、一部であっても良い。例えば、現在位置周辺において、過去評価を特定可能な情報がある単位区間の全てあるいは一部の区間における過去評価を表示する構成としても良い。むろん、表示される過去評価の評価レベルは車両の走行状態によって切り替えられる。この構成において、現在位置までの今回の走行において総燃料消費量が多く、運転者が今後の走行で燃料消費量を抑制したいと考える場合、走行中に過去評価が表示されている単位区間で運転操作の改善を意識すれば効果的に燃費を改善することができる。
さらに、単位区間は、燃費に関する評価の結論を導くための区間であればよく、一定距離の区間を単位区間とする構成の他、所定の規則によって決められた区間を単位区間としても良い。例えば、地図情報が示す最も近いノード同士を端点とする一つのリンクを一つの単位区間とする構成等を採用可能である。さらに、今回評価を表示する対象となる単位区間と過去評価を表示する対象となる単位区間とは、一致していても良いし異なっていても良い。すなわち、単位区間が共通の規則で決められていればよく、表示対象の単位区間は適宜選択されて良い。
さらに、今回評価については、所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの評価を表示しても良いし、全ての評価レベルの評価を表示しても良いし、走行中であるか否かによって表示対象となる評価レベルを切り替えても良い。
さらに、車両の走行状態以外の要因も考慮して表示対象の評価レベルを特定するように構成してもよい。例えば、車両が走行中の場合、所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの過去評価が所定の区間数以上連続する単位区間を特定し、特定された単位区間についての過去評価を地図上に表示する構成としても良い。すなわち、走行中においては、所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの過去評価が所定の区間数以上連続する場合に限定して過去評価を表示する構成とする。例えば、図4Bにおいて破線のアイコンEpbで示す単位区間において過去の走行が「悪」評価であった場合において、「悪」評価が3区間以上連続する場合に限定して過去評価を表示する構成とするのであれば、走行中においては図4Bに示す過去評価のうち、区間Zbに示す単位区間の過去評価のみが表示されることになる。
このように、「悪」評価の過去評価が区間Zbにて連続している場合、当該区間Zbにおいては共通の要因で燃費が悪化している可能性が高く、また、運転者が燃費の改善を意識することによって大きく燃費が改善する可能性が高い。そこで、図4Bにて区間Zbの過去評価のみを走行中における表示対象とするなど、所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの過去評価が所定の区間数以上連続する単位区間についての過去評価を地図上に表示する構成とすれば、燃費の改善に寄与する重要度の高い情報を運転者に提供することができる。
さらに、車両が走行中であり、かつ、地図の縮尺が所定の広さ以上の領域の地図を表示部に表示させる縮尺である場合に所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの過去評価を地図上に表示する構成としても良い。すなわち、地図の縮尺が可変である場合、縮尺の変化によって地図による表示領域が広域になるほど表示すべき情報量が増加する傾向にある。図4Cは、図4Bよりも表示される領域が狭くなるように縮尺を変更した地図を示しており、図4Bと図4Cとを比較すると、図4Bの方が、広い領域を表示することに伴って過去評価および今回評価を示すアイコンEtb,Etg,Epb,Epgの数が多い。
そこで、地図の縮尺が所定の広さ以上の領域の地図を表示部に表示させる縮尺であることによって、全ての評価レベルについて過去評価を表示すると走行中における評価レベルの認識に支障が生じ得る縮尺を予め決定しておく。そして、走行中かつ地図の縮尺が当該決定された縮尺である場合に、所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの過去評価を地図上に表示する構成とすれば、過去評価が多数表示されて評価レベルの認識に支障が生じることを防止することができる。例えば、図4Cに示す縮尺においては走行中であっても「良」評価の過去評価が表示されるように構成し、図4Bに示す縮尺に切り替えられた場合、走行中においては図4Bではなく図4Aに示す地図を表示することとし、走行中に「良」評価の過去評価が表示されないように構成する。この結果、図4Aに示す地図において、過去評価が多数表示されて評価レベルの認識に支障が生じることを防止することができる。
10…ナビゲーション端末、20…制御部、21…評価表示プログラム、21a…地図表示制御部、21b…今回評価取得部、21c…過去評価取得部、30…記録媒体、30a…地図情報、30b…評価情報、40a…ランプ、41…GPS受信部、42…車速センサ、43…ジャイロセンサ、44…ユーザI/F部

Claims (8)

  1. 表示部に車両の現在位置とともに当該現在位置の周辺の地図を表示する地図表示制御手段と、
    前記車両の今回の走行における燃費の評価を単位区間毎に示す今回評価を取得する今回評価取得手段と、
    前記今回の走行よりも過去の走行における前記車両の燃費の評価を単位区間毎に示す過去評価を取得する過去評価取得手段と、を備え
    前記地図表示制御手段は、前記地図上に前記単位区間毎の前記今回評価を表示するとともに、前記車両が走行中の場合には所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの前記過去評価を前記地図上に表示し、前記車両が走行中でない場合には全ての評価レベルの前記過去評価を前記地図上に表示する、
    ことを特徴とする評価表示システム。
  2. 前記評価レベルは良評価と悪評価との2段階であり、前記所定の評価レベルは良評価である、
    請求項1に記載の評価表示システム。
  3. 前記地図表示制御手段は、前記車両が走行中の場合と走行中でない場合とにおいて前記全ての評価レベルの前記今回評価を前記地図上に表示する、
    請求項1または請求項2のいずれかに記載の評価表示システム。
  4. 前記今回評価取得手段は、前記車両が出発地から目的地に向けて走行している場合において、前記出発地から前記現在位置までの区間についての前記今回評価を取得し、
    前記過去評価取得手段は、前記車両が前記今回の走行よりも過去に前記出発地と同一の地点から出発し、前記目的地と同一の地点まで走行した場合における前記過去評価を取得する、
    請求項1〜請求項3のいずれかに記載の評価表示システム。
  5. 前記地図表示制御手段は、前記車両が走行中の場合、前記所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの前記過去評価が所定の区間数以上連続する前記単位区間を特定し、特定された前記単位区間についての前記過去評価を前記地図上に表示する、
    請求項1〜請求項4のいずれかに記載の評価表示システム。
  6. 前記地図表示制御手段は、前記車両が走行中であり、かつ、前記地図の縮尺が所定の広さ以上の領域の前記地図を前記表示部に表示させる縮尺である場合に前記所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの前記過去評価を前記地図上に表示する、
    請求項1〜請求項5のいずれかに記載の評価表示システム。
  7. 表示部に車両の現在位置とともに当該現在位置の周辺の地図を表示する地図表示制御工程と、
    前記車両の今回の走行における燃費の評価を単位区間毎に示す今回評価を取得する今回評価取得工程と、
    前記今回の走行よりも過去の走行における前記車両の燃費の評価を単位区間毎に示す過去評価を取得する過去評価取得工程と、を含み、
    前記地図表示制御工程では、前記地図上に前記単位区間毎の前記今回評価を表示するとともに、前記車両が走行中の場合には所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの前記過去評価を前記地図上に表示し、前記車両が走行中でない場合には全ての評価レベルの前記過去評価を前記地図上に表示することを特徴とする評価表示方法。
  8. 表示部に車両の現在位置とともに当該現在位置の周辺の地図を表示する地図表示制御機能と、
    前記車両の今回の走行における燃費の評価を単位区間毎に示す今回評価を取得する今回評価取得機能と、
    前記今回の走行よりも過去の走行における前記車両の燃費の評価を単位区間毎に示す過去評価を取得する過去評価取得機能と、をコンピュータに実現させるとともに、
    前記地図表示制御機能は、前記地図上に前記単位区間毎の前記今回評価を表示するとともに、前記車両が走行中の場合には所定の評価レベルよりも悪い評価レベルの前記過去評価を前記地図上に表示し、前記車両が走行中でない場合には全ての評価レベルの前記過去評価を前記地図上に表示する機能を前記コンピュータに実現させることを特徴とする評価表示プログラム。
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