JP2013129455A - プラスチック容器、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プラスチック容器の内面を10nm角〜100nm角の面積に1箇所の密度で、10〜50nmの高さの微細な突起を容器内表面に設けたもので、射出ブロー成形、又は射出延伸ブロー成形のプリフォーム成形で内表面に微細突起を設ける。
【選択図】図1
Description
その他、トイレタリーの分野に限らず、ドレッシングやソース、ケチャップなどの食品分野でも、接着剤や磨き剤など工業分野でも同じ様に、近年の消費者のニーズとして、使用後の容器における内容物残存率を低くする事が求められている。残存する量が多いと、環境に負荷がそれだけ多く掛かり、実質的な容量が小さくなってしまう問題があり、このような対策として、液切れ性の良い液体容器が求められている。
しかしながら、このような微細な形状を出すのに、文献ではフッ素樹脂を使用しているが、フッ素樹脂は他の樹脂との接着性が悪く、特に容器内面に使用することは、さらに難しい。フッ素樹脂だけでは、内容物の保護性能は高くなく、弾力性のある使いやすいブローボトルにすることなども難しい問題があり、かつ、高価である。安価なオレフィンやポリエチレンテレフタレートなどの汎用樹脂が使用でき、どのような形状にも使用できる撥水性の素材が必要である。
本発明者は、上記問題に鑑みて、ブロー成形による製造が可能で、安価で内容物保護性能に優れたオレフィンやポリエチレンテレフタレートなどの汎用樹脂が使用できる容器及びその製造方法を発明するに至った。
(2−2)に示したのは、容器胴体3の6の内表面で、注出口1の突起10に比べ突起11は立っているようにするのが好ましい。突起11形状は、模式的に円錐台形状で示したが、円錐台に限るものではない。又、突起ピッチは場所によって変化するが、10nm角(四方)〜100nm角(四方)の面積に1箇所の密度、すなわち、Ab,Bbが10nm〜100nmで、又、Hbが10〜50nmの高さの微細な突起にしている。
する。従って、容易に内容物は、少量になっても転がって滴下しやすくなるのである。
(3−1)はその外観を斜視図で示し、さらに(3−2)で断面を示した。プリフォームを射出成形で予め作成するので、口元と共に、内表面も全く思いのように作成できる。ただ、内表面の微細な突起は、射出成形された後、痛まないよう金型から抜かなくてはならない。そこで、プリフォームでの突起の形状は、縦断面が鋸刃状の形状になるようにする必要がある。また、抜きやすくするように、注出口1内面も、胴体部7内面も抜き勾配を大きく付けて、出来るだけ内面の微細形状が崩れないようにする事が肝要である。
注出口1付近は、(4−3)のように、微細形状のピッチをやや大きめに取ってかまわない。それは、胴体3は、縦にも横にも2〜3倍樹脂層が伸ばされるが、注出口1近傍は伸ばされず、ブローする時にも金型に挟まれ、容器全体を支えて成形される為である。
このような微細突起は、フォトレジストを使用したフォトリソグラフィーで、高精細パターニングやエッチングの技術を用いて、プリフォーム金型のコア表面に形成させる。より微細なパターンを形成するには、原子間力顕微鏡を使用して、コア表面の金属原子を移動させる方法で加工してもよいが、時間が掛かり、高価なものになってしまう問題がある。
金型に使用する材料はSKDのような硬度の高い材料が好ましい。基本的には、微細加工する前に鏡面状態を作っておく必要があるので、鏡面が得やすい金型材料にする。
注出口1は、ブロー成形金型にはなく、射出成形金型の一部で、射出成形からブロー成形まで、そのまま、成形される樹脂にくっついている場合もあるが、ブロー成形で、再度ネジ部分も一体になったブロー金型が使用する場合もある。
れからブロー成形して、さらに横延伸する方法で、延伸成形しても良い。延伸倍率は、必要強度の要求度で、2倍以下でもかまわないし、3倍以上でもかまわない。
この延伸成形するのは、結晶性の樹脂のみ延伸効果があるが、同じような方法で、非結晶の樹脂でも成形は可能である。結晶性がないので、分子配向の強度アップがないだけで、容器としては、問題なく成形できる。
ただ、延伸した場合、内部底部分の微細突起はつぶされてしまうので、変形して効果が薄れたり、延伸によって微細突起のピッチがより大きくなるので、延伸する量を考慮に入れて微細突起のピッチを設定する必要がある。
又、微細突起の転写性向上の為、プリフォーム成形のコアに対し、成形開始時に、コア表面を高周波加熱して成形すると、微細突起の転写性と共に成形性も向上するので、このような工夫をする事が好ましい。
シャンプーの金型と青木固研究所AKIII−150−100機の延伸ブロー成形機を使用した。射出するコアには、エッチングで図5の(5−1)、断面は図4の(4−1)の形状で微細突起用の加工を施した。ピッチは縦横共50nmとし、金型状態での加工深さは20nmとした。樹脂は住友化学社製AS821とした。
プリフォームを作成後、直ぐに温度調整して120℃に保った後、コアに設けた延伸棒で縦に2倍延伸し、その後ブロー成形し、横に3倍延伸させた。
シャンプーの金型と青木固研究所AKIII−150−100機の延伸ブロー成形機を使用した。射出するコアは、実施例1に比べ大きいが、表面には実施例1と同じく、エッチングで図5の(5−1)、断面は図4の(4−1)の形状で微細突起用の加工を施したコアを使用した。(ピッチは縦横共30nm、金型状態での加工深さは20nm)。樹脂は住友化学社製AS821とした。
プリフォームを作成後、直ぐに温度調整せずに、縦に1.2倍、横に2.5倍になる実施例1の金型でブロー成形した。
シャンプーの金型と青木固研究所AKIII−150−100機の延伸ブロー成形機を使用した。射出するコアには、微細突起用の加工を施さなかった。樹脂は住友化学社製AS821とした。
プリフォームを作成後、直ぐに温度調整して120℃に保った後、コアに設けた延伸棒で縦に2倍延伸し、その後ブロー成形し、横に3倍延伸させた。
シャンプーの金型と青木固研究所AKIII−150−100機の延伸ブロー成形機を使用した。射出するコアには、微細突起用の加工を施さなかった。樹脂は住友化学社製AS821とした。
プリフォームを作成後、直ぐに温度調整せずに、縦に1.2倍、横に2.5倍になる実施例1の金型でブロー成形した。
2・・・・・・ネジ部
3・・・・・・胴部(容器)
4・・・・・・鍔
5・・・・・・注出口断面(容器)
6・・・・・・胴部断面(容器)
7・・・・・・胴部(プリフォーム)
8・・・・・・胴部断面(プリフォーム)
9・・・・・・注出口断面(プリフォーム)
10・・・・・注出口内表面
11・・・・・胴部内表面
12・・・・・内表面突起
13・・・・・内表面突起根元窪み
14・・・・・内表面突起(プリフォーム)
Aa・・・・・微細突起の横ピッチ(注出口)
Ab・・・・・微細突起の横ピッチ(胴部)
Ba・・・・・微細突起の縦ピッチ(注出口)
Bb・・・・・微細突起の縦ピッチ(胴部)
Ha・・・・・微細突起の高さ(注出口)
Hb・・・・・微細突起の高さ(胴部)
Claims (3)
- 10nm角〜100nm角の面積に1箇所の密度で、10〜50nmの高さの微細な突起を容器内表面に設けた事を特徴とするプラスチック容器。
- 請求項1に記載のプラスチック容器を、射出成形工程で微細な突起を内面に設けたプリフォームを作成し、それをブロー成形、又は、延伸ブロー成形して製造する事を特徴とするプラスチック容器の製造方法。
- プリフォームの内表面に設ける突起形状が、断面は鋸刃状とし、ブロー成形後、突起が10nm角〜100nm角の面積に1箇所の密度で、10〜50nmの高さの微細な突起とする事を特徴とする請求項2に記載のプラスチック容器の製造方法。
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