JP2013129370A - 車両用空気調和システムの吸込口装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゾーン空調モードでは所望量の空調風を吸い込むことができ、全体空調モードでは空調風の流れを阻害しない車両用空気調和システムの吸込口装置を提供する。
【解決手段】ゾーン空調モードと全体空調モードを有する車両用空気調和システムにおいて、空調風を吸い込む吸込用移動部材31A,31Bは、一部ゾーンのシート4の車両前後方向投影領域から突出して吸込口35A,35Bを開口する吸込位置と、投影領域内に収容され吸込口35A,35Bを閉じる収容位置との間で移動できる。
【選択図】図6
【解決手段】ゾーン空調モードと全体空調モードを有する車両用空気調和システムにおいて、空調風を吸い込む吸込用移動部材31A,31Bは、一部ゾーンのシート4の車両前後方向投影領域から突出して吸込口35A,35Bを開口する吸込位置と、投影領域内に収容され吸込口35A,35Bを閉じる収容位置との間で移動できる。
【選択図】図6
Description
本発明は、車室内の全領域を空調する全体空調モードと、車室内の一部のゾーンを優先的に空調するゾーン空調モードを備えた車両用空気調和システムに用いられた吸込口装置に関する。
従来より全体空調モードとゾーン空調モードを行うことができる車両用空気調和システムが提案されている(特許文献1、2参照)。この車両用空気調和システムは、例えば前席のシートやシート周辺に吸込口を有し、ゾーン空調時では吸込口より空調風を吸い込んで車室後方に流れる空調風を抑制する。これにより、空調領域を狭くして空調装置の空調負荷を低減させることができる。
ところで、前記特許文献1、2の車両用空気調和システムでは、吸込口がシート自体、詳細には、シートの車室前後方向の投影エリア内に設けられている。しかし、このような構造では、吸込口が乗員に遮蔽等されるため、吸込効率が悪い。
そこで、図18及び図19に示すような構造が従来例として考えられる。つまり、吸込口装置103は、シート101のヘッドレスト101aの左右両側に吸込口102a,102bを有する。このように構成すれば、ゾーン空調モードにあっては、吸込口102a,102bが乗員に遮蔽等されないため、吸込効率が向上する。
しかし、前記従来例では、吸込口102a,102bがヘッドレスト101aから突き出るため、全体空調モード時には空調風の流れが吸込口102a,102bによって妨げられ、吸込口102a,102bより車室後方に流れる空調風の風量が減り、車室全体を均一に空調できない。
特に、ゾーン空調時の吸込量を増やすために吸込口102a,102bの開口を広くすると、全体空調時にあって空調風が吸込口102a,102bより車室後方に益々流れなくなる。
そこで、この発明は、ゾーン空調モードでは空調風を効率良く吸い込むことができると共に、全体空調モードでは空調風の流れを阻害しない車両用空気調和システムの吸込口装置を提供することを目的としている。
本発明は、吹き出し口から空調風を吹き出して車室内を空調する空気調和装置を備え、車室の全体を空調する全体空調モードと、吹き出された空調風を乗員の着座周辺で吸い込んで車室内の一部ゾーンを空調するゾーン空調モードとを行うことができる車両用空気調和システムであって、シートの車両前後方向投影領域から突出されて吸込口を開口する吸込位置と、投影領域内に収容される吸込口を閉塞する収容容位置との間で移動自在である吸込用移動部材を備えたことを特徴とする。
前記吸込用移動部材から吸い込んだ空調風を空気調和装置側へ戻すダクトを有することが好ましい。
前記吸込用移動部材は、前記吸込口の開口面積を調整できることが好ましい。
前記吸込用移動部材は、スライド移動によって変移するものを含む。
前記吸込用移動部材は、光透過性部材で形成することが望ましい。
本発明によれば、全体空調モードでは、吸込用移動部材を収容位置とすることにより、車室の前方から後方に吹き出される空調風の流れを阻害せず、車室全体を均一に空調することができる。又、ゾーン空調モードでは、吸込用移動部材を吸込位置とすることにより、空調風の吸い込みを効率良く行うことができる。以上より、ゾーン空調モードでは空調風を効率良く吸い込むことができると共に、全体空調モードでは空調風の流れを阻害しない。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1〜図7は第1実施形態を示す。この第1実施形態では、本発明にかかる吸込口装置30を適用した車両用空気調和システム10Aが示されている。
図1〜図7は第1実施形態を示す。この第1実施形態では、本発明にかかる吸込口装置30を適用した車両用空気調和システム10Aが示されている。
図1及び図2において、車両1は、車室2内の最前部にインストルメントパネル3を有し、車室2内には2つの前席(運転席、助手席)のシート4と1つの長い後席のシート5が設けられている。前席の各シート4は、シートクッション4aとシートバック4bとヘッドレスト4cを有し、後席のシート5は、シートクッション5aとシートバック5bと2つのヘッドレスト5cを有している。
車両用空気調和システム10Aは、空気調和装置11と、この空気調和装置11より車室2内に吹き出された空調風を乗員の着座周辺で吸い込む吸込口装置30と、吸込口装置30で吸い込んだ空調風を空気調和装置11に戻すダクト40とを備えている。
空気調和装置11は、インストルメントパネル3の内側に配置された空調ユニット12を有する。図3に示すように、空調ユニット12内には、送風路13が形成されている。送風路13の最上流には、車室2外の空気である外気を導入する外気導入口14と、車室2内の空気である内気を導入する内気導入口15が設けられている。外気導入口14と内気導入口15は、2枚のインテークドア16a,16bによって開閉される。
送風路13内には、送風機17と共に熱交換部であるエバポレータ18及びヒータコア19がこの順に配置されている。エバポレータ18は送風の冷却源であり、ヒータコア19は送風の加熱源である。エバポレータ18とヒータコア19の間には、ミックスドア20が設けられている。
送風機17は、ファンの回転によって送風路13に内気や外気を吸い込む。エバポレータ18は、送風路13を通る全ての送風が通るように配置され、送風を冷却する。ヒータコア19は、送風路13のほぼ半分の領域に配置され、送風を加熱する。ミックスドア20は、ヒータコア19を流れる送風とヒータコア19をバイパスする送風との割合を調整する。この風量割合によって所望温度の空調風を作製する。
ヒータコア19の下流には、デフロスタ吹出口21とベント吹出口22a,22bとフット吹出口23a,23bが設けられている。デフロスタ吹出口21は、空調風をフロントガラスに向かって吹き出す。ベント吹出口22a,22bは、運転席側のベント吹出口22aと助手席側のベント吹出口22bを有する。ベント吹出口22a,22bは、空調風を各乗員の上半身に向かって吹き出す。フット吹出口23a,23bは、運転席側のフット吹出口23aと助手席側のフット吹出口23bを有する。フット吹出口23a,23bは、空調風を各乗員の下半身に向かって吹き出す。デフロスタ吹出口21はデフドア24によって開閉される。ベント吹出口22a,22bはベントドア25によって開閉される。フット吹出口23a,23bはフットドア26によって開閉される。
吸込口装置30は、運転席と助手席の各シート4にそれぞれ取り付けられている。吸込口装置30は、図4〜図7に詳しく示すように、吸込口ダクト32と、一対の吸込用移動部材31A,31Bとを備えている。吸込口ダクト32は、各シート4のヘッドレスト4cの背部に配置されている。吸込口ダクト32の両方の側面には、開口部34A,34Bが形成されている。一対の吸込用移動部材31A,31Bは、吸込口ダクト32に対して左右方向にスライド自在に支持されている。
吸込用移動部材31A,31Bは、スライド移動によって、図7(a)の収容位置と図7(b)の吸込位置の間で変移する。吸込用移動部材31A,31Bは、収容位置では、ヘッドレスト4cの車両前後方向の投影領域内に収容される。収容位置では、このようにヘッドレスト4cの陰に隠れるので、ベント吹出口22a,22bから各乗員の上半身に向かって吹き出す空調風に対する流動抵抗にならない。吸込用移動部材31A,31Bは、吸込位置では、ヘッドレスト4cの両側より外方に突出し、吸込口35A,35Bが開口される。これにより、吸込位置では、吸込口35A,35Bより空調風を吸い込むことができる。吸込用移動部材31A,31Bは、収容位置と吸込位置の間の任意の中間位置でも停止できる。中間位置に位置させることによって、吸込口35A,35Bの開口面積を調整することができる。
吸込用移動部材31A,31Bのスライド移動は、アクチュエータ(図示せず)によって行うことができるように構成されている。尚、吸込用移動部材31A,31Bのスライド移動は、手動で行うことができるようにしても良い。
ダクト40は、その一端が各シート4の吸込口ダクト32に接続されている。ダクト40の他端は、空調ユニット12の送風機17より上流の送風路13側に接続されている。ダクト40の開口位置には、吸込選択手段である吸込選択ドア41が配置されている。吸込選択ドア41は、ダクト40内を空調ユニット12の送風路13に対して開閉する。吸込選択ドア41は、制御部50によって制御される。
又、ダクト40内には、温度センサS1が配置されている。温度センサS1は、各吸込口装置30の吸込口35A,35Bより吸い込まれる空調風の空気温度を検出する。温度センサS1の検出データは、制御部50に出力される。
操作パネル(図示せず)は、種々の空調状態を指令できる。例えば、車室2内の全体を空調する全体空調モードと、車室2内の前席空間を優先空調するゾーン空調モードとを選択できる。
制御部50は、操作パネル(図示せず)からの指令等によって空気調和装置11を制御すると共に吸込選択ドア41の切り替えを制御する。制御部50は、操作パネルによって全体空調モードが選択されると、吸込選択ドア41を閉位置にし、インストルメントパネル3の近くに配置された空気調和装置11の温度センサ(図示せず)によって吹き出し温度等を制御すると共に、アクチュエータ(図示せず)によって吸込口装置30の吸込用移動部材31A,31Bを収容位置とする。
制御部50は、操作パネルによって車室2内の前席空間を優先空調するゾーン空調モードが選択されると、吸込選択ドア41を開位置にし、ダクト40内の温度センサS1によって吹き出し温度等を制御すると共に、吸込口装置30の吸込用移動部材31A,31Bを吸込位置とする。
上記構成において、空気調和装置11が駆動されると、送風機17によって外気導入口14や内気導入口15より空気が送風路13内に吸い込まれる。吸い込まれた空気は、エバポレータ18とヒータコア19によって所望温度の空調風にされ、その空調風が少なくとも一つの吹出口21,22a,22b,23a,23b、例えばベント吹出口22a,22bより車室2内に吹き出される。
全体空調モードでは、吸込選択ドア41が閉止されると共に、上記のように、吸込用移動部材31A,31Bが収容位置までスライドし、ヘッドレスト4cの陰に退避して吸込口35A,35Bが閉止される。これにより、吸込口装置30は、空調風の吸い込みを停止すると共に 後席のシート5側への空調風の流れを阻害しない。従って、空気調和装置11から車室2内に吹き出された空調風は、車室2内のほぼ全域に行き渡るような流れとなり、車室2内の全体が空調される。
ゾーン空調モードでは、吸込選択ドア41が開放されると共に、上記のように、吸込用移動部材31A,31Bが吸込位置までスライドし、吸込口35A,35Bも開放される。これにより、空気調和装置11から車室2内に吹き出された空調風は、送風機17の吸込力によって前席の各シート4の吸込口35A,35Bで吸い込まれる。吸い込まれた空調風は、ダクト40を通って空調ユニット12に戻される。図1及び図2に示すように、空調風は前席の乗員の周辺を集中的に通って吸込口35A,35Bより回収され、且つ、吸込口35A,35Bより後方の車室空間への流れが抑制されるので、車室2内の前席にゾーン空調領域が形成される。
上記のように、吸込口装置30は、全体空調モードでは、吸込用移動部材31A,31Bを収容位置へ位置させることにより、吹き出し口22aから吹き出される空調風の流れが阻害されることを回避できるから、車室2全体を均一に空調することが可能になる。ゾーン空調モードでは、吸込用移動部材31A,31Bを吸込位置に位置させることにより、空調風を吸い込むことができるため、前席を優先的に空調するゾーン空調を行うことができる。
吸込用移動部材31A,31Bは、中間位置に位置させることができるので、吸込口35A,35Bの開口面積を可変でき、空調風の吸い込み量を調整できる。これにより、ゾーン空調領域の空調状態をさらに細かく快適な状態に設定することができる。
(第2実施形態)
図8〜図10は、本発明の第2実施形態の吸込口装置60を示す。吸込口装置60以外の車両用空気調和システム10Aの構成は、第1実施形態と同様の構成である。第1実施形態と同一構成箇所には図面に同一符号を付して説明を省略し、異なる構成のみを説明する。
図8〜図10は、本発明の第2実施形態の吸込口装置60を示す。吸込口装置60以外の車両用空気調和システム10Aの構成は、第1実施形態と同様の構成である。第1実施形態と同一構成箇所には図面に同一符号を付して説明を省略し、異なる構成のみを説明する。
吸込口装置60は、前記第1実施形態のものと同様に、吸込口ダクト62と、これにスライド自在に支持された一対の吸込用移動部材31A,31Bとを備えている。吸込口装置60は、前記第1実施形態のものと異なり、吸込口ダクト62がヘッドレスト4cの内部に配置されている。吸込口装置60は、一対の吸込用移動部材61A,61Bが収容位置ではヘッドレスト4c内に収容される。吸込口装置60は、一対の吸込用移動部材61A,61Bが吸込位置ではヘッドレスト4cの側面より外側に突出される。吸込口装置60のそれ以外の構成は、前記第1実施形態のものと同様である。
この第2実施形態でも、前記第1実施形態と同様な作用・効果を得ることができる。
この第2実施形態では、吸込口装置60がヘッドレスト4c内に収容可能であるため、後席の前方スペースを全く縮小しないという利点がある。
(第3実施形態)
図11及び図12は、本発明の第3実施形態の吸込口装置70を示す。吸込口装置70以外の車両用空気調和システム10Aの構成は、第1実施形態と同様の構成である。第1実施形態と同一構成箇所には図面に同一符号を付して説明を省略し、異なる構成のみを説明する。
図11及び図12は、本発明の第3実施形態の吸込口装置70を示す。吸込口装置70以外の車両用空気調和システム10Aの構成は、第1実施形態と同様の構成である。第1実施形態と同一構成箇所には図面に同一符号を付して説明を省略し、異なる構成のみを説明する。
吸込口装置70は、吸込口ダクト72と単一の吸込用移動部材71とを備えている。吸込口ダクト72は、ヘッドレスト4cの背部に配置されている。吸込口ダクト72の両側の側面には、空調風が流入する開口部73A,73Bが形成されている。吸込口ダクト72の下方の段部には、吸込用移動部材71を収容する退避溝74が設けられている。
吸込用移動部材71は、略コ字状の吸入部本体75と、吸入部本体75の上部にヒンジ部76を介して支持された天板部77とを備えている。吸込用移動部材71は、吸込口ダクト72に対し上下方向にスライド自在に支持されている。吸込用移動部材71は、上下方向のスライドによって収容位置(図12にて仮想線で示す位置)と吸込位置(図12にて実線示す位置)の間で変移する。吸込位置では、吸込口ダクト72の外周囲に吸込口78が形成される。収容位置では、吸入部本体75が退避溝74内に退避することによって、吸込用移動部材71がヘッドレスト4cの後側に退避する。吸込位置から収容位置に移動する際には、天板部77がヒンジ部76を支点として回転することによって退避溝74に入り込む。
吸込用移動部材71のスライド移動は、アクチュエータ(図示せず)によって行うことができるようになっている。尚、吸込用移動部材71のスライド移動は、手動で行うことができるよう構成しても良い。
この第3実施形態でも、前記第1実施形態と同様な作用・効果を得ることができる。
この第3実施形態では、吸込口78は、吸込口ダクト72の両側方のみならず上方側にも形成することができ、ヘッドレスト4cの上方側を通過する空調風を有効に吸い込むことができる。
(第4実施形態)
図13及び図14は、本発明の第4実施形態の吸込口装置80を示す。吸込口装置80以外の車両用空気調和システム10Aの構成は、第1実施形態と同様の構成である。第1実施形態と同一構成箇所には図面に同一符号を付して説明を省略し、異なる構成のみを説明する。
図13及び図14は、本発明の第4実施形態の吸込口装置80を示す。吸込口装置80以外の車両用空気調和システム10Aの構成は、第1実施形態と同様の構成である。第1実施形態と同一構成箇所には図面に同一符号を付して説明を省略し、異なる構成のみを説明する。
吸込口装置80は、吸込口ダクト83と、この吸込口ダクト83に回転支持部81を中心として開閉可能な複数個の扇状部材82とを備えている。吸込口ダクト83は、ヘッドレスト4cの背部に配置されている。吸込口ダクト83の両側の側面には、開口部85A,85Bが形成されている。
各扇状部材82は、基部86と、基部86に形成された上壁部87とを有し、回転支持部81を中心に移動する。各扇状部材82は、収容位置と吸込位置の間を移動する。各扇状部材82は、収容位置ではシートバック4bの陰に遮蔽される。各扇状部材82は、吸込位置ではヘッドレスト4c及びシートバック4bの外側に吸込口88を形成して空調風の吸い込みが可能になる。収容位置と吸込位置の間の任意の中間位置にも各扇状部材82を位置させることができる。中間位置では、吸込口88の開口面積が可変される。これにより、空調風の吸い込み量を調整することができる。
各扇状部材82の開閉移動は、アクチュエータ(図示せず)によって行うことができる。尚、各扇状部材82の開閉移動は、手動で行うよう構成しても良い。
この第4実施形態でも、前記第1実施形態と同様な作用・効果を得ることができる。
この第4実施形態では、吸込口88は、吸込口ダクト83の両側方のみならず上方側にも形成することができ、ヘッドレスト4cの上方側を通過する空調風を有効に吸い込むことができる。
(変形例)
図15〜図17は本発明の変形例を示す。この変形例の車両用空気調和システム10Bは、第1実施形態のものと比較して、ダクト40の他端側の構成等が相違する。
図15〜図17は本発明の変形例を示す。この変形例の車両用空気調和システム10Bは、第1実施形態のものと比較して、ダクト40の他端側の構成等が相違する。
つまり、この変形例では、ダクト40の他端側には、車室内に開放された開口部40aが設けられている空調ユニット12には内気導入口15の付近に補助内気導入口27が設けられており、開口部40aは、内気導入口15と補助内気導入口27の近くで、これらに向かって開口している。補助内気導入口27は補助吸込ドア28によって開閉される。ダクト40内には、空調風の流れを促進するダクト用送風機42が設けられている。
制御部50は、操作パネル(図示せず)からの指令等によって空気調和装置11を制御すると共にダクト用送風機42の駆動及び補助吸込ドア28の切り替えを制御する。制御部50は、操作パネルによって全体空調が選択されると、ダクト用送風機42を駆動せず、インストルメントパネル3の近くに配置された空気調和装置11の温度センサ(図示せず)によって空調風の吹き出し温度等を制御する。制御部50は、操作パネルによってゾーン空調が選択されると、ダクト用送風機42を駆動し、ダクト40内の温度センサS1によって空調風の吹き出し温度等を制御する。又、制御部50は、全体空調が選択された時、及び、ゾーン空調モードで、且つ、内気導入モードが選択された時には、補助吸込ドア28を開閉のいずれかの位置に制御し、ゾーン空調モードで、且つ、外気導入モードが選択された時には、補助吸込ドア28を開位置に制御する。
上記構成において、空気調和装置11が駆動されると、外気導入口14や内気導入口15から空気が送風路13内に吸い込まれ、エバポレータ18とヒータコア19によって所望温度の空調風にされ、その空調風が少なくとも一つの吹出口21,22a,22b,23a,23b、例えばベント吹出口22a,22bより車室2内に吹き出される。
全体空調モードでは、ダクト用送風機42が駆動されない。これにより、各シート4の吸込口35A,35B(吸込口装置30)は、空調風を吸い込まない。従って、空気調和装置11より車室2内に吹き出された空調風は、車室2内のほぼ全域に行き渡るような流れとなり、車室2内の全体が空調される。
ゾーン空調モードでは、ダクト用送風機42が駆動される。これにより、各シート4の吸込口35A,35Bは、ダクト用送風機42の吸込力によって空調風を吸い込む。従って、空気調和装置11より車室2内に吹き出された空調風は、各シート4の吸込口35A,35Bで吸い込まれ、ダクト40の開口部40aから空調ユニット12の近くに吹き出され、その後直ちに空調ユニット12内に吸い込まれる。ここで、内気導入モードでは、内気導入口15又は補助内気導入口27より空調ユニット12内に吸い込まれ、外気導入モードでは、補助内気導入口27より空調ユニット12内に吸い込まれる。
図15及び図16に示すように、空調風は前席の乗員の周辺を集中的に通って吸込口35A,35Bより回収され、且つ、吸込口35A,35Bより後方の車室空間への流れが抑制される。これにより、車室2内の前席側にゾーン空調領域が形成される。
この変形例においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、上記のように、車両用空気調和システム10Bは、全体空調モードとゾーン空調モードを有する空気調和装置11を備えており、このような車両用空気調和システム10Bが予め搭載されている車両1においては、例えば、吸込口装置30、ダクト40、ダクト用送風機42等を設置するだけで本発明を適用可能である。従って、本発明は、簡単に後付け設置が可能である。
又、ダクト用送風機42の駆動を制御することによって全体空調とゾーン空調を選択的に行うことができ、切り替え制御が容易である。
又、ダクト40の開口部40aは、空調ユニット12の内気導入口15の近くで、且つ、内気導入口15に向かって開口されている。従って、ダクト40より吹き出された空調風は、空調ユニット12の送風機17の吸込力と、ダクト40のダクト用送風機42の吹出力の相乗作用によって、確実に、且つ、迅速に空調ユニット12内に戻される。
空調ユニット12は、補助内気導入口27と、補助内気導入口27を開閉する補助吸込ドア28とを有する。従って、ダクト40より吹き出される空調風を補助内気導入口27より空調ユニット12内に戻すことができるため、外気導入時にもゾーン空調を行うことができる。
[本発明の範囲に含まれる他の態様]
前記各実施形態において、吸込用移動部材31A、31B、61A,61B,71は、光が透過する光透過性材料で作製することが好ましい。このように構成することにより、後席のシート5の乗員の前方視界を妨げること、あるいは、シート4の乗員(特に、ドライバー)の後方視認性などを妨げることが避けられる。
前記各実施形態において、吸込用移動部材31A、31B、61A,61B,71は、光が透過する光透過性材料で作製することが好ましい。このように構成することにより、後席のシート5の乗員の前方視界を妨げること、あるいは、シート4の乗員(特に、ドライバー)の後方視認性などを妨げることが避けられる。
吸込用移動部材31A、31B、61A,61B,71は、ヘッドレスト4cの背後位置ではなく、シート4の他の部分、例えば、シートバック4bの背後に配置してもよい。
なお、ヒンジ部を中心に吸込用移動部材を収容位置まで退避させるには、第4実施形態のように扇状部材を閉じる他に、例えば、吸込用移動部材の下端にヒンジ部を設け、後方に回転させるか、又は、シートの背面に沿って回転させてもよい。
又、本発明の吸込口装置の変形例としては、全ての乗員の着座位置のそれぞれに吸込口を設け、吸い込んだ空調風をそれぞれ空気調和装置の空調ユニットの近くに戻すダクトを設けてもよい。このようにすれば、各乗員に対してゾーン空調が可能であり、又、乗車率に合わせたゾーン空調が可能である。
2 車室
4 シート
11 空気調和装置
30,60,70,80 吸込口装置
31A,31B、61A,61B,71 吸込用移動部材
32,62,72,83 吸込口ダクト
35A,35B、65A,65B,78,88 吸込口
4 シート
11 空気調和装置
30,60,70,80 吸込口装置
31A,31B、61A,61B,71 吸込用移動部材
32,62,72,83 吸込口ダクト
35A,35B、65A,65B,78,88 吸込口
Claims (6)
- 吹き出し口(22a,22b、23a,23b)から空調風を吹き出して車室(2)内を空調する空気調和装置(11)を備え、車室(2)の全体を空調する全体空調モードと、吹き出された空調風を乗員の着座周辺で吸い込んで車室内の一部ゾーンを空調するゾーン空調モードとを行うことができる車両用空気調和システム(10A、10B)であって、
シート(4)の車両前後方向投影領域から突出されて吸込口(35A,35B,65A,65B,78,88)を開口する吸込位置と、投影領域内に収容される前記吸込口(35A,35B,65A,65B,78,88)を閉塞する収容位置との間で移動自在である吸込用移動部材(31A,31B、61A,61B、71、82)を備えたことを特徴とする車両用空気調和システム(10A、10B)の吸込口装置(30、60、70、80)。 - 請求項1に記載された車両用空気調和システム(10A、10B)の吸込口装置(30、60、70、80)であって、
前記吸込用移動部材(31A,31B、61A,61B、71、82)から吸い込んだ空調風を空気調和装置(11)側へ戻す吸込ダクト(40)を有することを特徴とする車両用空気調和システム(10A、10B)の吸込口装置(30、60、70、80)。 - 請求項1又は請求項2に記載された車両用空気調和システム(10A、10B)の吸込口装置(30、60、70、80)であって、
前記吸込用移動部材(31A,31B、61A,61B、71、82)は、前記吸込口(35A,35B、65A,65B、78、88)の開口面積を調整できることを特徴とする車両用空気調和システム(10A、10B)の吸込口装置(30、60、70、80)。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載された車両用空気調和システム(10A、10B)の吸込口装置(30、60、70、80)であって、
前記吸込用移動部材(31A,31B、61A,61B)は、スライド移動によって変移することを特徴とする車両用空気調和システム(10A、10B)の吸込口装置(30、60)。 - 請求項1〜請求項4のいずれかに記載された車両用空気調和システム(10A、10B)の吸込口装置(30、60、70、80)であって、
前記吸込用移動部材(61A,61B)と吸込口ダクト(60)の一方又は両方が、シート(4)の内部に形成されていることを特徴とする車両用空気調和システム(10A、10B)の吸込口装置(60)。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載された車両用空気調和システム(10A、10B)の吸込口装置(30、60、70、80)であって、
前記吸込用移動部材(31A,31B、61A,61B、71、82)は、光透過性部材によって形成されていることを特徴とする車両用空気調和システム(10A、10B)の吸込口装置(30、60、70、80)。
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JP2011281235A JP2013129370A (ja) | 2011-12-22 | 2011-12-22 | 車両用空気調和システムの吸込口装置 |
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2011
- 2011-12-22 JP JP2011281235A patent/JP2013129370A/ja active Pending
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