JP2013129112A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】異常吐出ノズルによる画像劣化を抑制する画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置10は、複数のノズルが設けられ、搬送される記録媒体に対し、記録媒体と相対移動しながら液滴を吐出する液滴吐出ヘッド138と、液滴吐出ヘッドにより印刷されたチェックパターンを読み取る読み取り手段158と、チェックパターンを解析し、ノズルを、ノズルからの液滴の吐出で吐出ノズルと不吐出ノズルとに選別し、吐出ノズルを、液滴の着弾領域及び着弾面積で正常吐出ノズルと異常吐出ノズルとに選別する着弾解析手段と、異常吐出ノズルを不吐化して液滴の吐出を禁止する吐出処理手段と、画像変換手段に設けられ、異常吐出ノズル及び不吐出ノズルが吐出すべきであった領域を、異常吐出ノズル及び不吐出ノズルの周囲の正常ノズルで補完するように、入力された画像のドットデータを補正するドットデータ補正部と、を処理する制御部180を有している。
【選択図】図5

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
インクジェット方式の画像形成装置における課題の1つに、ノズルに吐出不良が発生するという問題がある。
これは、インクの供給不具合等に起因して、ノズルからのインクの吐出が正常な吐出状態から外れ、本来吐出すべき位置にインクが吐出されない現象である。不良の程度によっては出力画像にスジ等が現れ、画像劣化の原因となる。
ここに、ノズルの吐出不良には、ノズルからインクが全く吐出されない不吐出、インクは吐出されるものの、吐出方向が本来の吐出方向から外れる吐出方向異常、吐出インク量(インク体積)が正常ノズルに比べて多かったり少なかったりする吐出インク量異常等がある。ここで、吐出方向異常と吐出インク量異常を合わせて、「異常吐出」と呼ぶこととする。
このため、インクの吐出状態を監視し、不吐出ノズルや異常吐出ノズルが検出されたとき、出力画像を補正して画像劣化を抑制する技術が提案されている(特許文献1〜3)。
ここに、特許文献1は、不吐出ノズルが検出されたときの出力画像の補正に関するもので、不吐出ノズルの周囲の正常ノズルで補完記録をさせるか、そのまま、補正なしで記録させるかを、ユーザーに判断させる発明である。
特許文献2も、不吐出ノズルが検出されたときの出力画像の補正に関するものであり、不吐出ノズルの周囲の正常ノズルに補完記録をさせるか、そのまま、補正なしで記録させるかを、画像形成装置に判断させる発明である。
特許文献3は、異常吐出ノズルが検出されたときの画像の補正に関するもので、正常な着弾領域と異常な着弾領域との間のよれ量(ズレ量)を検出し、周囲の正常ノズルで、異常吐出ノズルにより着弾されていない範囲を補正する発明である。更に、吐出されたインクの体積異常に関しては、体積が大きいノズルの場合には記録領域の画像濃度を下げ、体積が小さいノズルの場合には、記録領域の画像濃度を上げて記録する技術も記載されている。
特開平11−179884号公報 特開2004−167984号公報 特開2004−58283号公報
しかし、特許文献1、2は、いずれも、異常吐出ノズルが検出された場合の補正を考慮していない。特許文献3は、異常吐出ノズルが検出された場合は考慮されているが、異常の内容が固定的な場合(例えば、常に決まった方向にずれて着弾する場合や、常に決まった量のインクが正常範囲から外れて吐出される場合等)に限定される。
このため、異常が非固定的な場合(例えば、吐出の都度ズレの方向が変動する場合や、吐出の都度インク量が変動する場合等)には補正は有効ではない。場合によっては、本来補正されるべき方向と反対の方向を補正する逆補正となってしまい、出力画像が更に悪化する場合も考えられる。
ここに、異常吐出ノズルの発生頻度の方が不吐出ノズルの発生頻度より高いため、異常吐出ノズルにおける画像劣化を抑制する技術が求められている。
なお、異常吐出ノズルに関しては、パージ、ワイピング等の適切な回復処理操作を行うことで正常化することも多い。しかし、回復処理操作を頻繁に行うと、印刷のスループットが下がり、無駄なインクを使用する結果となる。
更に、異常吐出ノズルからの吐出を禁止したままにしてしまうと、その後、回復処理操作を試みても、回復しない不吐出ノズルに至ることもある。
本発明は上記事実を考慮し、異常吐出ノズルによる画像劣化を抑制する画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る画像形成装置は、複数のノズルが設けられ、搬送される記録媒体に対し、前記記録媒体と相対移動しながら液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、前記液滴吐出ヘッドにより印刷されたチェックパターンを読み取る読み取り手段と、前記チェックパターンを解析し、前記ノズルを、前記ノズルからの液滴の吐出の有無で吐出ノズルと不吐出ノズルとに選別すると共に、前記吐出ノズルを、液滴の着弾領域及び着弾面積から、正常吐出ノズルと異常吐出ノズルとに選別する着弾解析手段と、前記異常吐出ノズルを不吐化して液滴の吐出を禁止する吐出処理手段と、入力画像をドットデータに変換する画像変換手段に設けられ、前記異常吐出ノズル及び前記不吐出ノズルが吐出すべきであった領域を、前記異常吐出ノズルの周囲の正常ノズル及び前記不吐出ノズルの周囲の正常ノズルで補完するように、入力された画像のドットデータを補正するドットデータ補正部と、を有することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、複数のノズルが設けられた液滴吐出ヘッドにより、搬送される記録媒体に液滴が吐出される。また、読み取り手段により、液滴吐出ヘッドが印刷したチェックパターンが読み取られ、着弾解析手段により、読み取られたチェックパターンが解析される。
このとき、着弾解析手段は、ノズルを、ノズルからの液滴の吐出の有無で吐出ノズルと不吐出ノズルとに選別する。同時に、液滴の着弾領域及び着弾面積から、吐出ノズルを正常吐出ノズルと異常吐出ノズルとに選別する。
更に、吐出処理手段により、異常吐出ノズルが不吐化され液滴の吐出が禁止される。また、ドットデータ補正部により、異常吐出ノズルの周囲の正常ノズル及び不吐出ノズルが吐出すべきであった領域を、異常吐出ノズル及び不吐出ノズルの周囲の正常ノズルで補完するようにドットデータが補正される。
この結果、異常吐出ノズルによる画像劣化を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記着弾解析手段には吐出液滴判別部が設けられ、前記吐出液滴判別部は、前記チェックパターンを形成する前記液滴の着弾面積を、前記記録媒体と前記液滴吐出ヘッドとの相対移動方向に積算したチェックパターン面積と、予め定めた基準面積とを比較して、前記液滴の着弾面積が許容範囲を外れたノズルを異常吐出ノズルとし、前記液滴の着弾面積が許容範囲内であっても、前記着弾領域の中心位置と前記ノズルの中心との偏心量を算出し、前記偏心量が予め定めた許容範囲を外れたノズルを異常吐出ノズルとし、更に、吐出液滴が検出されないノズルを不吐出ノズルとすることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、吐出液滴判別部により、チェックパターンを形成する液滴の着弾面積を、記録媒体と前記液滴吐出ヘッドとの相対移動方向に積算したチェックパターン面積と、予め定めた基準面積が比較され、許容範囲を外れたノズルが異常吐出ノズルとされる。また、着弾領域の中心位置と前記ノズルの中心との偏心量が算出され、液滴の着弾面積が許容範囲内であっても、偏心量が許容範囲を外れたノズルが異常吐出ノズルとされる。更に、吐出液滴が検出されないノズルが不吐出ノズルとされる。
これにより、ノズルが吐出ノズルと不吐出ノズルに選別される。同時に、吐出ノズルが正常吐出ノズルと異常吐出ノズルに選別される。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記着弾解析手段には、前記異常吐出ノズルを固定的不良ノズルと非固定的不良ノズルとに選別する異常吐出ノズル選別部が設けられ、前記吐出処理手段は、前記非固定的不良ノズルを不吐化して液滴の吐出を禁止し、前記固定的不良ノズルは不吐化せず液滴を吐出させ、前記ドットデータ補正部は、前記固定的不良ノズルにより吐出されたドットによって発生したスジを、前記固定的不良ノズルの周囲の正常ノズルからの液滴によって補完するように前記ドットデータを補正し、不吐化された前記非固定的不良ノズル及び前記不吐出ノズルが吐出すべきであった領域を、前記非固定的不良ノズルの周囲の正常ノズル及び前記不吐出ノズルの周囲の正常ノズルで液滴を補完するように前記ドットデータを補正することを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、着弾解析手段には異常吐出ノズル選別部が設けられ、異常吐出ノズル選別部により、異常吐出ノズルが固定的不良ノズルと非固定的不良ノズルに選別される。
また、吐出処理手段により、非固定的不良ノズルは不吐化され、液滴の吐出が禁止される。一方、固定的不良ノズルは不吐化されず、液滴を吐出させる。
また、ドットデータ補正部により、固定的不良ノズルにより吐出されたドットによって発生したスジを、固定的不良ノズルの周囲の正常ノズルからの液滴によって補正するようにドットデータが補正される。更に、非固定的不良ノズル及び不吐出ノズルが吐出すべきであった領域を、非固定的不良ノズルの周囲の正常ノズル、及び不吐出ノズルの周囲の正常ノズルで補完するようにドットデータが補正される。
この結果、異常吐出ノズルが固定的である場合、異常吐出ノズルからの吐出を止めないので、異常吐出ノズルの周囲の正常ノズルが連鎖的に吐出不良となるのを防止できる。更に、異常吐出ノズルが不吐化されることによる劣化が緩和され、不吐出ノズルとなるのを抑制する効果も生じる。
また、異常吐出ノズルが非固定的である場合、不吐化して補正するので、本来補正すべき範囲の反対側が補正され、画像劣化が増幅されるいわゆる逆補正が防止されるので、画像劣化を抑制することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記異常吐出ノズル選別部には区分け部が設けられ、前記区分け部は、前記異常吐出ノズルの前記液滴毎の着弾面積が、前記液滴毎に予め定めた許容範囲を越えて変化するノズルを非固定的不良ノズルとし、前記液滴毎の着弾面積が前記許容範囲内に収まるノズルであっても、前記異常吐出ノズルの前記偏心量から、前記偏心量が前記液滴毎に予め定めた許容範囲を越えて変化するノズルを非固定的不良ノズルとし、前記着弾面積が前記液滴毎に前記許容範囲内に収まり、且つ、前記偏心量が前記液滴毎に前記許容範囲内に収まるノズルを固定的不良ノズルとすることを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、異常吐出ノズル選別部には区分け部が設けられ、区分け部により、異常吐出ノズルの液滴毎の着弾面積から、着弾面積が液滴毎に予め定めた許容範囲を越えて変化するノズルが非固定的不良ノズルとされる。更に、許容範囲内に収まるノズルであっても、異常吐出ノズルの偏心量から、偏心量が液滴毎に予め定めた許容範囲を越えて変化するノズルが非固定的不良ノズルとされる。
一方、着弾面積が液滴毎に許容範囲内に収まり、且つ、偏心量が液滴毎に許容範囲内に収まるノズルが固定的不良ノズルとされる。
この結果、簡便な方法で、異常吐出ノズルを非固定的不良ノズルと固定的不良ノズルに区分けすることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の画像形成装置において、前記異常吐出ノズル選別部には変化量検出部が設けられ、前記変化量検出部は、複数回測定した前記異常吐出ノズルの前記液滴毎の着弾面積から、前記着弾面積が測定毎に予め定めた許容範囲を越えて変化するノズルを非固定的不良ノズルとし、前記着弾面積が測定毎に前記許容範囲内に収まるノズルであっても、複数回測定した前記異常吐出ノズルの前記偏心量から、前記偏心量が測定毎に予め定めた許容範囲を越えて変化するノズルを非固定的不良ノズルとし、前記着弾面積が測定毎に前記許容範囲内に収まり、且つ、前記偏心量が測定毎に前記許容範囲内に収まるノズルを固定的不良ノズルとすることを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、異常吐出ノズル選別部に設けられた変化量検出部により、変化量検出部は、複数回測定した異常吐出ノズルの液滴毎の着弾面積から、着弾面積が測定毎に予め定めた許容範囲を越えて変化するノズルを非固定的不良ノズルとする。また、着弾面積が測定毎に前記許容範囲内に収まるノズルであっても、複数回測定した異常吐出ノズルの偏心量から、偏心量が測定毎に予め定めた許容範囲を越えて変化するノズルが非固定的不良ノズルとされる。
一方、着弾面積が測定毎に許容範囲内に収まり、且つ、偏心量が測定毎に許容範囲内に収まるノズルを固定的不良ノズルとする。
この結果、簡便な方法で、異常吐出ノズルを非固定的不良ノズルと固定的不良ノズルに区分けすることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記画像変換手段には、画像形成領域を、前記記録媒体と前記液滴吐出ヘッドとの相対移動方向を所定幅とし隣接する第1領域と第2領域の少なくとも2つに区画する領域区画部と、前記第1領域と前記第2領域に前記ドットデータを作成する領域画像変換手段と、が設けられ、前記領域画像変換手段は、前記第1領域には、前記異常吐出ノズルを補正しない状態の前記ドットデータを作成し、前記第2領域には、不吐化された前記異常吐出ノズル及び前記不吐出ノズルが吐出すべきであった領域に、前記異常吐出ノズル及び前記不吐出ノズルの周囲の正常ノズルで補完するように前記ドットデータを作成することを特徴としている。
請求項6に記載の発明によれば、画像変換手段には、領域区画部と領域画像変換手段が設けられている。ここに、領域区画部により、画像形成領域が、隣接する第1領域と第2領域の少なくとも2つに区画される。また、領域画像変換手段により、第1領域と第2領域にドットデータが作成される。
また、領域画像変換手段により、第1領域には、異常吐出ノズルを補正しない状態のドットデータが作成される。一方、第2領域には、不吐化された異常吐出ノズル及び前記不吐出ノズルが吐出すべきであった着弾領域に、異常吐出ノズル及び前記不吐出ノズルの周囲の正常ノズルで補完するようにドットデータが作成される。
この結果、異常吐出ノズルからの吐出が断続的に行われるので、異常吐出ノズルが連鎖的に吐出不良となるのを防止できる。更に、異常吐出ノズルが不吐化されることにより不吐出ノズルとなるのを緩和することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項2〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記画像変換手段には、画像形成領域を、前記記録媒体と前記液滴吐出ヘッドとの相対移動方向を所定幅とし隣接する第1領域と第2領域の少なくとも2つに区画する領域区画部と、前記第1領域と前記第2領域に前記ドットデータを作成する領域画像変換手段と、が設けられ、前記領域画像変換手段は、前記第1領域には、前記非固定的不良ノズルを補正しない状態の前記ドットデータを作成し、前記第2領域には、不吐化された前記非固定的不良ノズルが吐出すべきであった領域に、前記非固定的不良ノズルの周囲の正常ノズルで補完するように前記ドットデータを作成し、前記第1領域と前記第2領域のいずれにも、前記固定的不良ノズルにより吐出されたドットによって発生したスジに、前記固定的不良ノズルの周囲の正常ノズルからの液滴で補正するように前記ドットデータを作成し、前記不吐出ノズルが吐出すべきであった領域に、前記不吐出ノズルの周囲の正常ノズルで補正するように前記ドットデータを作成することを特徴としている。
請求項7に記載の発明によれば、画像変換手段には、領域区画部と領域画像変換手段が設けられている。ここに、領域区画部により、画像形成領域が隣接する第1領域と第2領域の少なくとも2つに区画され、領域画像変換手段により、第1領域と第2領域にドットデータが作成される。
また、領域画像変換手段により、第1領域には、非固定的不良ノズルを補正しない状態のドットデータが作成され、第2領域には、不吐化された非固定的不良ノズルが吐出すべきであった領域に、異常吐出ノズルの周囲の正常ノズルで補完するようにドットデータが作成される。
更に、固定的不良ノズルに対しては、第1領域と第2領域のいずれにも、固定的不良ノズルからの液滴が着弾した領域を、固定的不良ノズルの周囲の正常ノズルからの液滴によって補正される。また、不吐出ノズルに対しては、第1領域と第2領域のいずれにも、不吐出ノズルが吐出すべきであった領域に、不吐出ノズルの周囲の正常ノズルで補完するようにドットデータが作成される。
この結果、非固定的不良ノズルからの吐出が断続的に行われるので、非固定的不良ノズルの周囲の正常ノズルが連鎖的に吐出不良となるのを防止できる。また、非固定的不良ノズルが不吐出ノズルとなる劣化を緩和できる。
また、固定的不良ノズルからは、吐出が連続的に行われるので、固定的不良ノズルの周囲の正常ノズルが連鎖的に異常吐出ノズルとなるのを防止できる。また、固定的不良ノズルを不吐化することにより不吐出ノズルとなる劣化を緩和できる。
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の画像形成装置において、前記第1領域と前記第2領域の幅が異なっていることを特徴としている。
これにより、画像形成領域の区画の自由度が高くなる。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の画像形成装置において、前記第1領域の幅をY1、前記第2領域の幅をY2としたとき、前記第1領域の幅Y1が1mm〜3mmの範囲であり、前記第1領域と前記第2領域の幅の比をR(R=Y1/Y2)としたとき、前記幅の比Rが0.5〜0.75の範囲であることを特徴としている。
これにより、異常吐出ノズルの影響が制限され、画像劣化が抑制される。
請求項10に記載の発明は、請求項6又は7に記載の画像形成装置において、前記領域区画部は、前記所定幅を、入力された画像の濃淡差に基づいて決定することを特徴としている。
これにより、入力画像に適合した補正ができる。
請求項11に記載の発明は、請求項6又は7に記載の画像形成装置において、前記領域区画部は、入力された画像の品質若しくは要求される出力画像の品質に基づいて、前記第1領域と前記第2領域の幅を決定することを特徴としている。
これにより、入力画像若しくは出力画像に適合した補正ができる。
請求項12に記載の発明は、請求項6〜11のいずれか1項に記載の画像形成装置において、前記領域区画部は、同一ジョブ内の印刷では前記着弾領域の区画を変更しないことを特徴としている。
これにより、着弾領域を区画変更する頻度が下がり、画像処理系の負担が軽減される。
本発明は上記構成としてあるので、異常吐出ノズルによる画像劣化を抑制する画像形成装置を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の基本構成を示す概略構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の画像記録用ドラムを展開した状態で示す説明図である。 ノズルを不良の内容で分類したブロック図である。 正常ノズル及び非固定的不良ノズルからの着弾ドットを説明するための概念図である。 本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置における制御装置の基本構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置における制御装置の制御順序を示すフローチャートである。 正常ノズル、不吐出ノズル及び異常吐出ノズルのそれぞれが作成したノズルチェックパターンの着弾ドットを説明するための概念図である。 異常吐出ノズルの着弾領域を周囲の正常ノズルで補正する際の着弾ドット形状を説明するための概念図である。 本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置における制御装置の基本構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置における正常ノズル、不吐出ノズル及び異常吐出ノズルのそれぞれの着弾ドットの解析結果の一例を説明するための概念図である。 本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置における正常ノズル、不吐出ノズル及び異常吐出ノズルのそれぞれの着弾ドットの解析結果の一例を説明するための他の概念図である。 本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置による吐出不良ノズルの着弾領域を、周囲の正常ノズルで補正する際の着弾ドット形状を説明するための概念図である。 本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置の制御装置の制御順序を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置による吐出不良ノズルの着弾領域を周囲の正常ノズルで補正する際の着弾ドット形状を説明するための概念図である。 本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置による吐出不良ノズルの着弾領域を周囲の正常ノズルで補正した際のスジの状態を説明するための概念図である。 本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置により吐出不良ノズルの着弾領域を周囲の正常ノズルで補正した画像の評価結果を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る画像形成装置による吐出不良ノズルの着弾領域を周囲の正常ノズルで補正する際の着弾ドット形状を説明するための概念図である。 本発明の第4の実施の形態に係る画像形成装置による吐出不良ノズルの着弾領域を周囲の正常ノズルで補正した際のスジの状態を説明するための概念図である。 本発明の第5の実施の形態に係る画像形成装置における制御装置の制御順序を示すフローチャートである。 本発明の第5の実施の形態に係る画像形成装置により吐出不良ノズルの着弾領域を周囲の正常ノズルで補正した着弾例を示す説明図である。
<画像形成装置の全体構成>
図1には、本発明の第1実施形態に係るインクジェット記録方式の画像形成装置10が示されている。この画像形成装置10は、給紙部114、処理液塗布部116、画像記録部118、乾燥部120、定着部122、及び排紙部124を有している。
画像形成装置10は、記録媒体の一例である用紙154(図2等参照)をこれらの部位に沿って順に搬送しながら、用紙154に出力画像を記録する装置である。
給紙部114には、給紙トレイ125に用紙154が積載されると共に、この用紙154を1枚ずつ送り出すよう構成されている。送り出された用紙154は、給紙ドラム126を経て、処理液塗布部116へ搬送される。
用紙154としては、紙種や大きさ(媒体サイズ)の異なる複数種の用紙154を使用することが可能である。以下では、用紙154として、枚葉紙(カット紙)を用いた場合を例に説明する。
処理液塗布部116には処理液塗布ドラム128が回転可能に配置されている。用紙154の先端が、処理液塗布ドラム128に設けられた爪形状の保持部材130(グリッパー)で保持された状態で、処理液塗布ドラム128の回転により用紙154が下流側へ搬送される。そして、処理液塗布ドラム128の上部に配置された処理液塗布装置132により処理液が用紙154に塗布される。
処理液塗布部116で用紙154に塗布される処理液は、画像記録部118で用紙154に付与されるインク中の色材(顔料もしくは染料)を凝集もしくは増粘させる成分を含んでおり、この処理液とインクとが接触することによって、インクは色材と溶媒との分離が促進される。
色材を凝集もしくは増粘させる方法は、具体的には、インクと反応してインク中の色材を析出あるいは不溶化させる処理液、インク中の色材を含む半固体状の物質(ゲル)を生成する処理液等が挙げられる。そして、インクと処理液との反応を引き起こす手段は、インク中のアニオン性の色材と処理液中のカチオン性の化合物を反応させる方法、互いにpHの異なるインクと処理液を混合させることでインクのpHを変化させてインク中の顔料の分散破壊を起こし顔料を凝集させる方法、処理液中の多価金属塩との反応によりインク中の顔料の分散破壊を起こし顔料を凝集させる方法、などがある。
処理液の付与方法としては、インクジェットヘッドからの処理液吐出による打滴、ローラによる塗布、スプレーによる一様付与、等がある。
処理液塗布部116は、処理液塗布ドラム128の外周面に対向する位置に、処理液乾燥装置146を有している。処理液乾燥装置146では、用紙154上に付与された処理液中の溶媒成分を乾燥させる。これにより、色材浮遊(インク滴が処理液の上に浮遊してしまうことで、所望の位置にインク滴による画素が形成されない現象)を抑制することが可能である。
次に、用紙154は、搬送ドラム134を経て、画像記録部118に送られる。画像記録部118では、用紙154は画像記録用ドラム136に保持されて搬送されつつ、画像記録用ドラム136の上方に配置されたインクジェット記録ヘッド138から吐出されたインク滴が付着することで、用紙154の表面に画像が記録される。画像記録用ドラム136は、モータ等によって矢印R3方向に回転されるようになっており、本発明における相対移動手段を兼ねている。
本実施形態では、基本色であるK(クロ)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(サイアン)の4色のインクジェット記録ヘッド138K、138Y、138M、138Cが画像記録用ドラム136の周方向に沿って配置されている。それぞれのインクジェット記録ヘッド138は、用紙154の最大幅に対応するインク吐出範囲を有する、いわゆるフルラインヘッドとされている。
特に、本実施形態では、上記したように、処理液塗布部116によって、インク中の色材と搬送する処理液をあらかじめ用紙154に付与しているため、インク中の色材が凝集(あるいは増粘)し、にじみを抑制することができる。
図2は、本発明の第1実施形態の画像形成装置10において、画像記録用ドラム136の表面を周方向に展開した状態を示している。
図2に示すように、画像記録部118の画像記録用ドラム136には、保持された用紙154が存在しない部分(図2の例では、用紙154よりも搬送方向(矢印M1で示す)の後方側)に、チェック用画像形成領域137が設定されている。そして、このチェック用画像形成領域137には、後に詳述するように、所定のタイミング及びパターンで、画像記録用ドラム136において、インクジェット記録ヘッド138Y、138M、138C、138Kからインク滴が吐出され、後述するチェック用画像(チェックパターン)156が形成されるようになっている。
なお、図1では、1つの画像記録用ドラム136において、1周あたり2枚の用紙154を配置可能な構造(2倍胴)を示しているが、用紙154を1枚のみ配置可能な構造(1倍胴、図2参照)であってもよいし、3枚配置可能な構造(3倍胴、図示せず)であってもよい、さらには、4枚以上配置可能な構造であってもよい。
画像記録部118はさらに、チェック用画像読取センサ158を有している。インクジェット記録ヘッド138K、138Y、138M、138Cによって、画像記録用ドラム136のチェック用画像形成領域137に形成されたチェック用画像156は、チェック用画像読取センサ158で読み取られる。チェック用画像読取センサ158は、チェック用画像の形状や色合い、インクの滲み、掠れ等を読み取り可能とされており、CCDラインセンサー等が、読み取り用のセンサーとして用いられている。
読み取られたデータは、制御装置160に送られ、ノズルの状態(たとえばインク吐出方向の曲がりや不吐出等)が検出される。そして、この状態検出の値が所定の閾値よりも悪いノズルを不良ノズルとして抽出し、不良ノズルの影響が少なくなる(好ましくは視認されなくなる)ように、制御装置160は後述する手順で出力画像を補正する。
なお、不良ノズルが検出された場合には、その前に画像記録を行った用紙154については、上記した画像補正が行われていないため、図示しないスタンプ処理装置等により用紙154に所定のスタンプ処理(ヤレ処理)を行ってもよい。このスタンプ処理により、補正が行われていない画像が記録されていることが表示される。
画像記録部118は、さらに、チェック用画像除去部材170を有している。チェック用画像除去部材170は、画像記録用ドラム136に形成されたチェック用画像156を、画像記録用ドラム136から除去するための除去処理を行う。
本実施形態では、チェック用画像除去部材170は、クリーニング液塗布ローラー172と、インク除去ブレード174とを有している。
クリーニング液塗布ローラー172は、図示しないクリーニング液供給部から供給されたクリーニング液を、画像記録用ドラム136の表面に転写塗布する。クリーニング液は、インクよりもアルカリ性にすることが好ましい。インクよりもアルカリ性にすることで、色材の再分散が促進され、チェック用画像156の除去を行いやすくなる。
なお、クリーニング液塗布ローラー172に代えて(あるいは併用して)、ノズルからのクリーニング液の吐出により、クリーニング液を画像記録用ドラム136に塗布してもよい。
インク除去ブレード174は、ゴム等の弾性を有する材料により、少なくともチェック用画像156の幅以上の幅を有する板状に形成されている。インク除去ブレード174が画像記録用ドラム136の正面に圧着されると、チェック用画像156を形成していたインクが掻き取られる。なお、インク除去ブレード174にクリーニング液をあらかじめ付与させておき、インク除去ブレード174によって、クリーニング液の塗布とインクの除去とを同時に行うようにしてもよい。
また、チェック用画像156のインクを、インク除去ブレード174による除去の前に加熱し、画像記録用ドラム136に対するインクの付着力を低下させてもよい。さらに、インク除去ブレード174によるインク除去の後に、画像記録用ドラム136に残存したクリーニング液を、たとえば温風の吹き付け等により乾燥させてもよい。
なお、画像記録用ドラム136からインクを除去する方法は上記に限定されず、たとえば、擦り修理によるクリーニング、ローラー等へのインク転写によるクリーニングでもよい。さらには、エネルギー照射による色素の分解等によってインクを除去してもよい。さらには、インクへのエネルギー照射により、色素を分解することで、(後述するチェック用画像読取センサー158にとって)不可視化することも、ここでいうチェック用画像の除去(クリーニング)に含まれる。
チェック用画像除去部材170によってチェック用画像156の除去が行われた後、画像記録用ドラム136へのインクの残存度合いを検出するインク検出センサー175を設けてもよい。
上記例では、画像記録用ドラム上にチェック用画像を記録する態様を記載したが、チェック用画像は記録媒体154の非画像記録部上(例えば、記録媒体の端部)に記録しても良い。
画像記録部118によって画像が記録された用紙154は、搬送ドラム140を経て、乾燥部120に送られる。乾燥部120では、用紙154は乾燥用ドラム142に保持されて搬送されつつ、インク中の溶媒(水分)を乾燥させる。
本実施形態では、乾燥部120は、乾燥用ドラム142の内側に配置され、用紙154の画像記録面の反対側から溶媒を乾燥させる第1乾燥手段120Aと、乾燥用ドラム142の外側に配置され、用紙154の画像記録面から溶媒を乾燥させる第2乾燥手段120Bと、を有している。具体的には、第1乾燥手段120Aとしては、用紙154の画像記録面の反対側から用紙154に加熱部材を押し当て、接触熱伝導により熱供給する構成などが用いられる。第2乾燥手段120Bとしては、用紙154の画像記録面側から温風を照射する構成などが用いられる。より具体的には、これらに加え、カーボンヒーターやハロゲンヒーターなどによる輻射で熱を供給する、という構成を用いてもよい。
乾燥部120によってインク中の溶媒(水分)を乾燥させた後の残水量は、1g/m以上3.5g/m未満が好ましい。3.5g/m以上水分を残存させてしまうと、図示しない定着ローラへのオフセットが発生してしまうおそれがある。また、1g/m以下だと用紙154の内部にしみ込んだ水分も蒸発させることになるので、多大なエネルギーが必要になる。
第1乾燥手段120A及び第2乾燥手段120Bの温度は、これらに内蔵された温度センサによって検知され、制御装置160に温度情報として送られる。この温度情報に基づいて制御装置160が第1乾燥手段120A及び第2乾燥手段120B温度を適宜調節することにより、様々な乾燥条件が実現される。
乾燥部120によって、インク中の溶媒(水分)が乾燥された用紙154は、搬送ドラム148を経て、定着部122に送られる。定着部122では、定着ローラ166による加熱及び圧接により、画像(インク)が定着される。具体的には、たとえば、約75℃の温度且つ約0.3MPaの圧力で、用紙154の表面に定着ローラ166を接触させることで、インクに含まれるポリマー樹脂粒子(ラテックス)を溶融させ、用紙154との密着力を高める。なお、定着処理時の定着ローラ166の温度を、ラテックスのガラス転移温度より高くしておくと、定着処理時にラテックスをより効果的に溶融させることができ、好ましい。
このようにして画像が記録された用紙154は、排出ローラ168から、排出ベルト171によってさらに搬送され、排紙部124を経て画像形成装置10から排出される。排紙部124では複数枚の用紙154が積層される。
次に、インクの吐出状態によるノズルの分類について、図3のブロック図、図4の着弾ドットの模式図を用いて説明する。
図3のブロック図に示すように、ノズル180は、ノズルからインクが全く吐出されない不吐出ノズル181と、ノズルからインクが吐出される吐出ノズル182に分類することができる。また、吐出ノズル182は、インクが正常に吐出される正常ノズル183と、インクは吐出されるが、吐出されたインクの着弾領域や着弾面積が、正常な着弾領域や着弾面積の範囲内にない異常吐出ノズル184に分類することができる。更に、異常吐出ノズル184は、着弾領域や着弾面積が着弾ドット毎に一定である固定的不良ノズル185と、着弾領域や着弾面積が着弾ドット毎に変化する非固定的不良ノズル186に分類することができる。
図4(A)は、正常なノズルで形成された着弾ドットの模式図を示す。
ノズル11(ノズル11A1〜11A5)は、インクジェット記録ヘッド138の端面に一列に配置されている。ノズル11は、いずれも正常なノズル5個(ノズル11A1〜11A5)が並べられ、ノズル11A1〜11A5から吐出されたインク滴(着弾ドット)32A1〜32A5が平面視が円形に形成されている。
なお、便宜上、ノズル11の数は5個としたが、実際のインクジェット記録ヘッド138のノズル12の数は、もっと多い。
正常なノズル11A1〜11A5から所定間隔に吐出されたインク滴は、記録部(用紙)154に着弾して着弾ドット32A1〜32A5を形成する。着弾ドット32A1〜32A5は、同じ着弾面積で規則正しい繰返しとなっており、定められた位置に整然と着弾されている。なお、図4(A)では、着弾ドット32は、重なっていないように描いたが、実際には互いに一部が重なり合う構成となっている。
図4(B)は、ノズル11B3のみが異常吐出ノズルの例を示す模式図である。異常吐出ノズル11B3から吐出された着弾ドット32B3(網掛けされた部分)は、着弾領域が着弾ドット32B3毎に不規則に変動している。これに対し、他の正常ノズル11B1、11B2、11B4、11B5からの着弾ドット32B1、32B2、32B4、32B5は、変動していない。
図4(C)は、ノズル11C3のみが同じく異常吐出ノズルの例を示す模式図である。異常吐出ノズル11C3からの着弾ドット32C3(網掛けされた部分)は、着弾面積が着弾ドット32C3毎に不規則に変動している。これに対し、他の正常ノズル11C1、11C2、11C4、11C5からの着弾ドット32C1、32C2、32C4、32C5は、着弾ドット毎には変動せずに、一定の面積が維持されている。
異常吐出ノズル11B3、11C3からの着弾ドット32B3、32C3の例を、図4(B)と図4(C)に示した。しかし、実際にはこれらに限定されず、図示は省略するが、図4(B)と図4(C)が組み合わされた場合や、インク滴がドット状に着弾されず尾引きをする場合等もある。
<第1の実施の形態>
先ず、第1の実施の形態の基本構成について説明する。
図5のブロック図に示すように、第1の実施の形態に係る画像形成装置10は、画像形成装置10を制御する制御装置160を有している。
制御装置160には、CPU、ROM及びRAMを備え画像形成装置10の処理用プログラムを実行させる制御部180、インクジェット記録ヘッド138を制御する記録ヘッド制御部18、チェックパターン情報を記憶するチェックパターン記録部20、画像データ等を記憶させる画像メモリ182、及び読み取られたチェックパターンデータを記憶する読み取りデータ蓄積部181が設けられている。処理プログラムは、記録媒体としてのROMに記憶されている。
制御部180は、後述するように、入力された入力画像等をドットデータに変換する画像変換処理、チェックパターンデータを解析する着弾解析、ノズルの吐出制御に関する情報を記録する吐出処理等の、各種処理を実行する。
また、制御装置160には、印刷ジョブに関する情報の入出力を行うホストコンピュータ183、記録ヘッド制御部18で制御され出力画像を印刷するインクジェット記録ヘッド138、及びインクジェット記録ヘッド138が記録したチェックパターンを読み取る読み取りセンサ158が接続されている。
なお、インクジェット記録ヘッド138は、上述したように基本色であるK(クロ)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(サイアン)の4色のインクジェット記録ヘッド138K、138Y、138M、138Cが画像記録用ドラム136の周方向に沿って配置されている(図1参照)。しかし、いずれも同じ構成であるので、色分け記号(KCMY)は付さずに、共通の構成として以下説明する。
次に、本実施の形態の制御部180により実行されるプログラムの処理ルーチンについて説明する。
制御部180は、通常の印刷時には、ホストコンピュータ183から入力された画像情報を、画像メモリ182に記憶させた後、画像情報をドットデータに変換する。次に、インクジェット記録ヘッド138を制御し、ドットデータに基づいて、インクジェット記録ヘッド138に設けられた複数のノズルからインクを吐出させ、出力用紙に出力用の画像等を作成(印刷)する。
一方、ノズルチェックを行う場合には、図6の処理ルーチンに示す手順を実行する。
具体的には、以下に説明するノズルチェックを実行し、ノズルの異常の有無を判断する。異常ノズル(不吐出ノズルを含む)が検出された場合には、ノズルの異常の状態を考慮したドットデータの作成、出力画像の作成(印刷)が実行される。
ここに、ノズルチェックを行うタイミングは、1ジョブ分の印刷を開始する前準備として実施しても良い。また、用紙へ印刷する前に、一枚毎に行う方法でもよい。
一枚毎に、用紙へ印刷する前に行う方法の方が、1ジョブの印刷枚数が多い場合に、印刷中の異常ノズル良を検出でき、印刷中に補正を行うことができ、損紙が少なくなる観点からより好ましい。
次に、図6のフローチャートに従って、ノズルチェック時の処理手順を説明する。
先ず、CPUは、図6のステップ80を実行する。
具体的には、記録ヘッド制御部18が、チェックパターン記録部20から送られたチェックパターンに従って、インクジェット記録ヘッド138を制御して、ノズルからチェックパターンを出力させる。チェックパターンは、チェック用画像形成領域137(図2参照)に作成する。
図7(A)〜(F)にチェックパターンの出力例を示す。図7(A)は正常吐出ノズルから出力されたチェックパターン例であり、図7(B)は不吐出ノズルから出力されたチェックパターン例であり、図7(C)〜(F)は、後述する異常吐出ノズルから出力されたチェックパターン例である。
図7(A)の正常なチェックパターン90に示すように、ノズルチェックパターン90は、ノズル12の列方向(X方向)と直交する方向(Y方向)へ、所定長さL、所定幅Dで、ノズル毎に位置をずらせて階段状に印刷するように制御されている。
なお、ノズルチェックパターン90は、着弾ドットが矩形状に描かれているが、実際には、円形の着弾ドットの一部が重ねられた状態で連続した形状となっている。
次に、図6のステップ81を実行する。
具体的には、チェックパターンを、読み取りセンサ158で読み取る。 読み取られたったチェックパターンの情報(図7のチェックパターン90〜95参照)は、ノズル毎に、読み取りデータ蓄積部181に記憶される。
次に、図6のステップ82を実行する。
具体的には、チェックパターンを作成する着弾ドットの大きさや位置の判別基準となる基準面積Asと許容範囲Da、基準偏心量Lsと許容範囲Dhを読み取り、データ蓄積部181に記憶させる。
次に、図6のステップ83を実行する。
具体的には、複数のノズルに付したノズルカウンターiに1を入れ、初期設定する。ノズルの数はI(i=1〜I)とする。
次に、図6のステップ84を実行する。
具体的には、番号iのノズルのチェックパターンデータを、読み取りデータ蓄積部181から着弾解析部へ読み込み、着弾解析部に設けられた吐出液滴判別部で、読み取ったチェックパターンデータを積算し、積算面積Atを算出する。積算方法については、後述する。
次に、図6のステップ202を実行する。
具体的には、着弾ドットの積算面積At=0か否かを判定する。着弾ドットの面積At=0が成立する場合には、ノズルからインクが吐出されていないため、ステップ214へ進み不吐ノズルと判断し、不吐ノズルであることを登録する。登録後、ステップ219Aへ進む。
着弾ドットの面積At=0が成立しない場合には、ノズルからインクが吐出されているため、ステップ205へ進む。
次に、図6のステップ205を実行する。
具体的には、積算面積Atと基準面積Asを比較する。その際、積算面積Atと基準面積Asとの差が許容範囲Daに入っているか否かで判定する。即ち、積算面積Atと基準面積Asとの差が許容範囲Daに入っている場合には、ステップ201へ進む。
積算面積Atと基準面積Asとの差が許容範囲Daに入っていない場合には、異常ノズルと判断し、ステップ216へ進む。
次に、ステップ201を実行する。
着弾面積正常ノズルは、更に、ノズルの偏心量Ltと基準偏心量Lsを比較する。その際、偏心量Ltと基準偏心量Lsの差が、許容範囲Dhの範囲内にあるかが判断される。許容範囲Dhの範囲内に入っていれば、正常な位置に着弾ドットが着弾していると判断されるため、ステップ217へ進み、正常ノズルと判別してステップ219Bへ進む。
許容範囲Dhの範囲内に入っていなければ、着弾位置が異常と判断してステップ216Aへ進む。
次に、図6のステップ216を実行する。
具体的には、送られたノズルを異常ノズルと判別してノズルを不吐化して登録する。
登録後、ステップ219へ進む。ステップ219Aで異常ノズルを補正する。なお、異常吐出ノズルの詳細については後述する。
次に、図6のステップ219Aを実行する。
具体的には、異常吐出ノズルが検出された場合、ドットデータ補正部は、不吐化された異常吐出ノズルの着弾領域、及び不吐ノズルの着弾領域に、周囲の正常ノズルから補正用の着弾ドットを吐出させて補完してドットデータの作成ドットデータの作成後、ステップ246へ進む。
補正方法の詳細については、後述する。
次に、図6のステップ219Bを実行する。
具体的には、正常吐出ノズルが検出された場合、ドットデータ補正部は、不吐化することなく、そのまま吐出させたドットデータを作成する。必要な場合には、周囲の異常ノズルの補正、又は補完用のドットデータを作成する。ドットデータの作成後、ステップ246へ進む。
次に、図6のステップ246を実行する。
具体的には、ノズルが最後か否かを判断し(最後のノズルはI番目)、最後でない場合には、ノズルカウンターiに1を加えてステップ84へ進む。
最後のノズルの場合には、ステップ220へ進む。
最後に、図6のステップ220を実行する。
具体的には、画像変換手段16から送られたドットデータ(補正された場合には補正後のドットデータ)に基づいて、インクジェット記録ヘッド18により、ドットデータを出力(印刷)する。
次に、着弾ドットの積算方法について説明する。
吐出液滴判別部において、着弾ドットを、用紙の搬送方向に積算して着弾面積Atを算出する。このとき、用紙とインクジェット記録ヘッドの相対移動方向と直交する方向(ノズルの並び方向)に積算領域を分割し、分割された領域毎に着弾面積Atを算出する。これにより、分割された領域毎の着弾面積が算出され、ノズルの並び方向に着弾面積Atを展開することで、インクの吐出量や吐出方向を把握することができる。
ここに、個々の分割された領域の面積Atを算出する手段としては、例えば、分割された着弾領域における着弾ドットの有無を、光学センサ等の判定手段で判定し、判定結果を積算して算出する。算出された着弾ドットの面積Atは、一旦、着弾解析部のメモリに記録される。
続いて、吐出液滴判別部により、分割された着弾領域の位置情報から、ノズルの中心位置との偏心量Ltが算出される。
この結果、着弾面積Atと、予め定めた基準面積とを比較して、許容範囲を外れたノズルを異常吐出ノズルとし、吐出液滴が検出されないノズルを不吐出ノズルとすると共に、着弾領域の中心位置とノズルの中心との偏心量を算出し、偏心量が許容範囲を外れたノズルを異常吐出ノズルとすることができる。
ここに、許容範囲とは概ね基準値の±10%程度が望ましい。この値は装置に記憶させておいても良いし、ユーザーが選択できるようにしてもよい。後者の場合、印刷モード毎に変更可能にしても良い。
次に、異常吐出ノズルについて説明する。
図7(C)〜(F)に異常吐出ノズルの代表例を示す。
図7(C)は、ノズル12C3が異常吐出ノズルの例である。異常吐出ノズル12C3のチェックパターン92C3は、他のチェックパターン92C1、92C2、92C4、92C5と異なり、着弾ドット毎に、着弾領域が変化し、着弾面積の中心位置が、隣接する着弾面積の中心位置とずれていることから異常吐出ノズルと判断される。
図7(D)は、ノズル12D3が異常吐出ノズルの例である。異常吐出ノズル12D3のチェックパターン93cは、他のチェックパターン92D1、92D2、92D4、92D5と異なり、着弾ドット毎に着弾ドットの着弾面積が異なっていることから異常吐出ノズルと判断される。
図7(E)は、ノズル12E3が異常吐出ノズルの例である。異常吐出ノズル12E3のチェックパターン94E3は、着弾ドットの度に同じ位置に同じ面積で描かれている。しかし、着弾ドットの位置が、着弾ドット毎に同じ距離eだけノズル12E3の中心位置からずれていることから異常吐出ノズルと判断される。
最後に、図7(F)は、同じくノズル12F3が異常吐出ノズルの例である。異常吐出ノズル12F3のチェックパターン95F3は、吐出の度に同じ位置に同じ形状で描かれ、着弾ドットの位置はノズル12F3の中心位置と一致している。しかし、着弾ドットの幅(着弾面積)が、正常な着弾ドットの幅Dより大きくなっていることから異常吐出ノズルと判断される。
次に、異常吐出ノズルの補正について説明する。
図8(A)は、図7(C)〜(F)で説明した、異常吐出ノズル12C3〜12F3を不吐化させた状態を示している。いずれも同じ補正方法で対応可能であり、代表例として図7(C)の構成を記載している。
即ち、図8(A)においては、異常吐出ノズル12C3は強制的に不吐化されているため、着弾ドットは記載されていない。なお、異常吐出ノズル12C3を不吐化したままにしておくと、図8(A)に示すように、着弾ドットが存在しない範囲が出力画像においてスジとなるという問題もある。
図8(B)、(C)には、異常吐出ノズル12C3を、異常吐出ノズル12C3の周囲の正常ノズル12C2、12C4で補完した例を示している。
図8(B)の補正は、異常吐出ノズル12C3の両側の正常なノズル12C2、12C4からの、着弾ドット92C2、92C4の面積を大きくして着弾させる方法である。これにより、不吐化されたノズル12C3が着弾すべきであった領域が着弾され、画像劣化(スジの発生)が抑制される。
また、図8(C)の補正は、異常吐出ノズル12C3の両側のノズル12C2、12C4からの着弾ドット92C2、92C4の数を増加させる方法である。これにより、着弾ドット92C2、92C4からインクが広がり(滲み)、不吐化されたノズル12C3が着弾すべきであった領域が補正され、画像劣化(スジの発生)が抑制される。
なお、周囲の正常ノズルノズル12C2、12C4で不吐化されたノズル12C3を補完する方法として、他に、図8(B)と図8(C)の方法を組み合わせる方法、左右それぞれ2つのノズル以上のノズルで補正する方法、同じインクジェット記録ヘッド138に設けられている別のノズルを、異常吐出ノズル12cの位置まで移動させ、別のノズルで補正する方法、別のインクジェット記録ヘッド138のノズルを、異常吐出ノズル12C3の位置まで移動させ、別のノズルで補正する方法等もある。これらのいずれを用いてもよい。
本実施の形態とすることで、異常吐出ノズルによる画像劣化(スジの発生)が抑制される。特に異常吐出ノズルを不吐化して、周囲の正常ノズルで補正するので、逆補正をかけることがなくなり、画像劣化を抑制できる。なお、図8においては、全てのノズル(12C1〜12C5)からドットを吐出する場合の例について述べたが、当然のことながら、本補正はこれ以外のドットパターンにも有効である。
なお、画像変換手段16でのドットデータの作成、及びドットデータの補正方法は、一旦、ドットデータ作成部28でドットデータを作成した後、吐出不良ノズル(不吐ノズル、不吐化したノズル)のドットデータ部分を除去し、除去された部分を補正する方法について説明した。しかし、これに限定されることはなく、中間画像データ上で、吐出不良ノズルが描くことになっていた領域周囲の画像を補正した上でドットデータに変換しても良い。具体的には、入力画像データに対し、解像度を出力の解像度に変換した中間画像データ上で補正してもよい。更に、出力画像のインク色に対応した色分解を施した後、中間画像データ上で補正してもよい。
また、本実施例においては、図6に示すように、各ノズル毎に、状態の把握(不吐ノズル、異常ノズル、正常ノズルのいずれに分類されるか)およびドットデータ作成をしているが、各ヘッドの全ノズルの状態を把握した後に、一括してドットデータの作成を実施しても良い。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態に係る画像形成装置は、画像形成装置を制御する制御装置における着弾解析手段の構成が、第1の実施の形態に係る制御装置160の着弾解析部と相違する。相違点を中心に以下説明する。
第2の実施の形態の着弾解析部には、異常吐出ノズル選別部が設けられている。異常吐出ノズル選別部は、着弾ドットの着弾面積At及び偏心量Lt、偏心量Ltの着弾ドット毎の変化量から、後述する方法で、異常吐出ノズルを、固定的不良ノズルと非固定的不良ノズルとに選別する。図7のチェックパターンの形状を用いて説明すると、チェックパターンの形状が着弾ドット毎に変化している図7(C)、図7(D)が非固定的不良ノズルの例であり、チェックパターンの形状が着弾ドット毎に一定している図7(E)と図7(F)が固定的不良ノズルの例である。
吐出処理手段23は、非固定的不良ノズルを不吐化してインクの吐出を禁止させる。一方、固定的不良ノズルは不吐化せず液滴を吐出させる。
ドットデータ補正部は、固定的不良ノズルに対しては、固定的不良ノズルにより吐出された着弾ドットにより発生したスジを、固定的不良ノズルの周囲の正常ノズルからの吐出で補正するようにドットデータを補正する(図12参照)。補正の詳細は後述する。
更に、ドットデータ補正部は、非固定的不良ノズル及び不吐出ノズルに対しては、非固定的不良ノズル及び不吐出ノズルが吐出すべきであった領域を、非固定的不良ノズル及び不吐出ノズルの周囲の正常ノズルで補完するように、ドットデータを補正する(図12参照)。尚、この補正は第1の実施形態と同様である為、説明は省略する。
これにより、異常吐出ノズルが固定的である場合、固定的不良ノズルからの吐出を止めないので、周囲の正常ノズルが連鎖的に吐出不良となるのを防止できる。更に、固定的不良ノズルを不吐化しないため、不吐化されることにより、固定的不良ノズルが不吐出ノズルとなるという劣化を緩和できる。
更に、異常吐出ノズルが非固定的である場合、いわゆる逆補正が防止されるので、画像劣化が抑制される。
次に、処理ルーチンについて図9のフローチャートを用いて説明する。なお、第1の実施の形態におけるフローチャートで説明した部分は省略し、手順に従い説明する。
図9のステップ80〜ステップ205は、第1の実施の形態で説明済みである。先ず、図9のステップ205において、着弾面積Atが許容範囲内でないと判断された場合には、ステップ222に進み。着弾面積Atが許容範囲内と判断された場合には、ステップ201に進む。
次に、図9のステップ201を実行する。
ステップ201において、偏心量Ltが許容範囲内か否かを判断する。偏心量Ltが許容範囲内の場合には、ステップ217に進み正常ノズルと判別し、ステップ219Bに進む。
次に、図9のステップ222を実行する。
具体的には、着弾ドットが固定的か非固定的かを、後述する方法で判別する。
着弾面積At及び偏心量Ltが、いずれも固定的であればステップ223へ進み、着弾面積At及び偏心量Ltの、少なくともいずれか一方が非固定的であれば、ステップ224へ進む。
次に、図9のステップ223を実行する。
具体的には、異常吐出ノズルを固定的不良ノズルと判断する。このとき、固定的不良ノズルの不吐化は行わずに、ステップ219Cに進む。ステップ219Cでの補正は、周囲の正常なノズルで、固定的不良ノズルにより発生したスジを補正するように行われる。
次に、図9のステップ224を実行する。
具体的には、非固定的不良ノズルと判断されたノズルを、非固定的不良ノズルと登録し、不吐化してステップ219Aへ進む。
ステップ219Aでは、不吐化したノズル(若しくは不吐ノズル)の周囲から正常なノズルで着弾されていない部分に着弾させて補正する。
ここに、ノズルが固定的か否かの判断について説明する。ノズルが固定的か否かの判断は、異常吐出ノズル選別部の区分け部で行われる。
区分け部は、複数回測定されたデータを対比させて、異常吐出ノズルの着弾面積が、変化しないノズルを固定的不良ノズルとする。また、着弾面積が変化するノズルを非固定的不良ノズルとする。
更に、異常吐出ノズルの偏心量Ltから、偏心量Ltが変化しないノズルを固定的不良ノズルとし、偏心量Ltが変化するノズルを非固定的不良ノズル199とする。なお、ここで「変化する」「変化しない」というのは、「所定の許容範囲を超える」「所定の許容範囲内に収まる」という意味である。
また、区分け部は、所定幅毎の着弾面積の最大値、着弾ドット毎の着弾面積の最大値及び最小値、偏心量及び偏心頻度により、異常吐出ノズルを非固定的不良ノズルと固定的不良ノズルとに区分けすることもできる。
即ち、区分け部は、着弾ドット毎の着弾面積の最大値及び最小値が、予め定めた基準面積の範囲内にないとき、又は偏心頻度が予め定めた基準値より大きいとき、異常吐出ノズルを非固定的不良ノズル(図7(C)、図7(D)参照)とする。
更に、区分け部は、着弾ドット毎の着弾面積の最大値及び最小値が、予め定めた基準面積の範囲内にあるとき、且つ、偏心する頻度が予め定めた基準値より小さいとき、異常吐出ノズルを固定的不良ノズルとし(図7(E)、図7(F)参照)、固定的不良ノズルにおける所定幅毎の着弾面積の最大値から、吐出された液滴量を推定し、偏心量Ltから着弾中心位置を推定することもできる。
この結果、簡便な方法で、異常吐出ノズル12C3、12D3、12E3、12F3を非固定的不良ノズル12C3、12D3と固定的不良ノズル12E3、12F3に区分けすることができる。
次に、チェックパターンを用いた、異常吐出ノズルが固定的か否かを判定する具体的な方法について説明する。
異常吐出ノズルから吐出される着弾ドットによるチェックパターンには、例えば、図7(C)〜(F)がある。ここに、異常吐出ノズルが固定的か否かの判定は、図7(C)〜(F)を、ユーザーが肉眼若しくはルーペ等を用いて判定することも可能である。しかし、ノズル12の数が多くなると負担が増大するため、画像形成装置が自動的に判定することが好ましい。
自動的に判定するには、先ず、チェックパターン図7(C)〜(F)を、読み取りセンサ158の光学スキャナーでスキャンする。スキャナーの読み取り密度は出力された画像密度の、少なくとも3倍程度、好ましくは5倍程度であるのが望ましい。
次に、読み取ったチェックパターンを、積算部で図7のY方向(所定長さLの方向)に足し合わせる。このとき、積算部は、図7のX方向に所定幅に分割された着弾部を、分割された所定幅毎に積算する。
図10(A)〜(F)の曲線PA〜PFは、積算部46で足し合わせた、図7(A)〜(F)の積算データをXの関数として図示したものである。横軸(X軸)はノズル12A1〜12F5の並び方向であり、三角印は各ノズルの着弾基準位置を示している。縦軸(Z軸)は、ノズル毎の着弾ドットの積算値を示している。なお、図示の関係上、図10においては、縦軸(Z軸)の値が小さい程、着弾ドットの積算面積が大きい(下向きにZ軸が増加する)ことを表している。
図10(A)〜(F)に示す曲線PA〜PFが積算結果を示している。
曲線PA〜PFにおける最大値PM(図の黒丸印で示す位置)は、ノズル12A1〜12F5の着弾面積の積算値の最大値である。最大値PMの大きさで、ノズルからの着弾ドットの大きさが推測できる。また、最大値PMの位置で、着弾ドットのノズル中心からのズレ量を推測できる。以下に具体的に説明する。
例えば、図7(A)は、全てのノズルが正常ノズルのケースであり、図10(A)に示すように、最大値PMの大きさは全て同じ値となっている。また、最大値PMの位置は、全てノズル中心上(破線上)にある。
しかし、図7(B)の不吐出ノズル12B3では、図10(B)に示すように、着弾ドットの積算値はゼロ(Z=0)となるので、X方向には最大値PMは存在せず、ノズル位置のままとなる。
更に、図7(C)の吐出方向異常ノズル12C3の場合には、吐出方向が非固定的に変化しているため、図10(C)に示すように、着弾ドットの積算値の最大値PMは、周囲の正常ノズルより小さな値となる。最大値PMの位置はノズル中心上にある。
図7(D)の吐出インク量異常ノズル12D3の場合には、吐出量が非固定的に変化しているため、図10(D)に示すように、着弾ドットの積算値の最大値PMは、周囲の正常ノズルより小さな値となる。最大値PMの位置はノズル中心上にある。
また、図7(E)の吐出方向異常ノズル12E3の場合には、吐出方向が固定的に一定方向にズレており、図10(E)に示すように、最大値PMの位置は、ノズル中心から常に所定量だけズレる。着弾ドットの積算値の最大値PMは、周囲の正常ノズルと同じ値となる。
一方、図7(F)の吐出インク量異常ノズル12F3の場合には、吐出量が固定的に多いため、図10(F)に示すように、着弾ドットの積算値の最大値PMは、周囲の正常ノズルより小さな値となる。最大値PMの位置はノズル中心上にある。
このように、最大値PMの大きさと位置を把握することにより、異常ノズルを固定的不良ノズルと非固定的不良ノズルに判別することができる。
このノズルチェックパターンのデータは、2回以上に亘って取得し、複数回計測したデータの値を比較して、最大値PMの位置が、所定の範囲内で一致するか否かで異常吐出ノズルが固定的か否かを判定するのが望ましい。非固定的な異常の場合には、最大値PMの位置に違いが生じるためである。また、計測回数を増すことにより、計測精度を高めることができる。
このとき、所定の範囲内とは、X方向については、例えば、ノズル間隔(図の三角の間隔)を基準としたとき、その値の±10%以内が一つの目安となる。Z方向については、予め定めた基準濃度の±10%以内が一つの目安となる。
なお、図7(A)〜(F)の着弾面積を積算した曲線PA〜PFの利用方法として、図11(A)〜(F)に示す方法でも良い。
ここに、図11(A)〜(F)の曲線PA〜PFは、基本的には、図10(A)〜(F)で説明した曲線PA〜PFと同じである。しかし、図11(A)〜(F)では、Z軸の座標上の任意の位置に、X軸と平行に基準線K(破線)が引かれている点が相違する。基準線Kは、曲線PA〜PFの最大値と最小値の間の中間位置に引かれており、曲線PA〜PFの中間位置で曲線PA〜PFと交差する。
基準線Kと、曲線PA〜PFとの交点を、順にKa(丸印)、Kb(角印)としたとき、交点Ka、Kbは、それぞれのノズルの最大値PMを挟んで両側に位置する。このため、 基準線Kを適切な位置に設ければ、最大値PMを挟む交点KaとKb間の距離Sを着弾ドットのドット径に等しく設定することができる。
これにより、最大値PMで着弾ドットの位置を推定し、距離Sで着弾ドットの径を推定することができる。
この結果、図10(A)〜(F)の曲線PA〜PFと同様に、図11(A)〜(F)の曲線PA〜PFを用いることで、異常ノズルを、固定的不良ノズルと非固定的不良ノズルに判別することができる。
次に、補正例について説明する。
吐出不良ノズルの補正においては、不吐出ノズル12B3、非固定的な異常吐出ノズル12C3、12D3の場合は、第1の実施例と同様の補正をするので説明は省略し、固定的な異常吐出ノズル12E3、12F3について説明する。
図12(A1)は、異常吐出ノズル12E3らの着弾ドット94E3の位置が、ノズル12E2の着弾ドット94E2の方向に固定的に寄っている(ズレている)場合を示している。この結果、着弾ドット94E3と着弾ドット94E4との間に着弾ドットが存在しない、もしくは存在しても濃度が薄い着弾ドットが存在しない隙間が生じている。この隙間がスジとして出力画像に画像劣化を生じさせる。
図12(B1)は、正常なノズル12E2からの吐出インク量を減らし、着弾ドット94E2を小さくし、同時に正常なノズル12E4からの吐出インク量を増し、着弾ドット94E4を大きくすることで補正している。これらにより、異常吐出ノズル12E3による隙間が狭められ、出力画像の画像劣化が抑制される。
図12(C1)は、正常なノズル12E2からの着弾ドット数を減らし(間引き)、同時に、正常なノズル12E4からの着弾ドット数を増すことで補正している。
これらにより、異常吐出ノズル12E3による隙間が狭められ、ノズル12cからの着弾領域のズレにより生じるスジの視認性を低下させることができる。なお、図12(B1)と図12(C1)の補正方法を組み合わせて補正しても良い。
図12(A2)は、異常吐出ノズル12F3からの着弾ドット95F3が、固定的に正常な着弾ドット95F1等の大きさより大きくなっている例である。この結果、着弾ドット95F3と着弾ドット95F2、95F4が大きくオーバラップされている。このオーバラップ部が、同じくスジとして出力画像に画像劣化を生じさせる。
図12(B2)は、異常吐出ノズル12F3からの着弾ドット95F3はそのままとして、ノズル12F2とノズル12F4からのインクの吐出量を減らし、着弾ドット95F2、95F4を小さくすることで補正した例である。
これにより、このオーバラップ部が減少され、出力画像の画像劣化が抑制される。
図12(C2)は、異常吐出ノズル12F3からの着弾ドット95F3はそのままとして、ノズル12F2とノズル12F4からの着弾ドット数を減らす(間引き)ことで補正した例である。
この補正によっても、このオーバラップ部が減少され、出力画像の画像劣化が抑制される。なお、図12(B2)と図12(C2)の補正方法を組み合わせても良い。
図12(A2)においては、異常吐出ノズル12F3からの着弾ドット95F3が、他の正常な着弾ドット95F1等の大きさより大きくなっている例について述べたが、もし逆に小さくなっている場合には、逆の補正、即ち、異常吐出ノズル12F3からの着弾ドット95F3はそのままとして、ノズル12F2とノズル12F4からのインクの吐出量を増やし、着弾ドット95F2、95F4を大きくする方法で補正することができる。
若しくは、異常吐出ノズル12F3からの着弾ドット95F3はそのままとして、ノズル12F2とノズル12F4からの着弾ドット数を増やす方法で補正することができる。
なお、図12においては、全ノズルからドットを吐出する場合の例について述べたが、当然のことながら、本補正はこれ以外のドットパターンにも有効である。
このように、異常吐出ノズル12E3、12F3から、インクを継続して吐出させた状態で補正することにより、異常ノズル12E3、12F3と隣接する正常なノズル12E2、12E3やノズル1212F2、12F3へ、異常吐出の連鎖が伝達するのを予防できる。
ここに、異常吐出の連鎖とは、1つの異常吐出ノズルを強制的に不吐化させると、そのノズルと共通の流路にある正常なノズルに異常な状態が連鎖化することをいう。このような現象が発現するのは、異常吐出ノズルにインクを供給する共通流路に、元々気泡や異物が混入していた場合に多い。
更に、異常吐出ノズル12E3、12F3から、インクを継続して吐出させることで、異常吐出ノズル12cが、回復不能な劣化状態、即ち不吐出ノズルに陥ることを抑制することができる。不吐化してしまうと、共通流路からのインクの流れが禁止され、回復不能な状態が固定されるためと思われる。
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態に係る画像形成装置は、制御装置を有しており、制御装置における画像変換手段の構成が第1の実施の形態に係る画像形成装置10と相違する。相違点を中心に以下説明する。
第3の実施の形態の制御装置には、画像変換部に領域区画部と領域画像変換部とが設けられている。
図14のドット作成部の模式図に示すように、領域区画部は、着弾ドットの着弾領域(ドット作成部)100を、所定寸法の第1領域101と、第1領域101と隣接する第2領域102に区画する。
第1領域101は、一列に並べられたノズル12D1〜12D5の列方向(X方向)と直交する方向(Y方向)が所定幅Y1とされ、第2領域102は、Y方向が所定幅Y2とされている。
領域区画部は、第1領域101と第2領域102を、隣接させて繰り返し、着弾ドットの画像形成領域100を、第1領域101と第2領域102で満たすよう区画する。
領域画像変換手段は、第1領域101と第2領域102にドットデータを作成する。
即ち、着弾解析部で、非固定的な異常吐出ノズル12D3が検出されたとき、領域画像変換手段は、第1領域101には、異常吐出ノズル12D3を補正しない状態のままドットデータ93D1〜93D5を作成する。このとき、吐出処理手段22は、異常吐出ノズル12D3の不吐化は行わない。
また、領域画像変換手段は、第2領域102には、異常吐出ノズル12D3及び図示しない不吐出ノズルが吐出すべきであった着弾領域に、異常吐出ノズル12D3及び不吐出ノズルの周囲の正常ノズル12D2、12D4で補完する。補完は、ノズル12D2、12D4からの着弾ドット93D2、93D4を大きくする方法で行われる。
この結果、非固定的な異常吐出ノズル12D3が検出された場合でも、ノズルからの吐出が断続的に行われるので、異常吐出ノズル12D3が連鎖的に吐出不良となるのを防止できる。また、異常吐出ノズルが不吐化され続けることにより、不吐ノズルとなるのを緩和できる。
図13のフローチャートに、本実施の形態の処理手順を示す。第1の実施の形態で説明したフローチャートとの相違点は、ステップ219Cとステップ219Eである。他のステップについては説明を省略する。
ステップ214において不吐ノズルと判断され登録されたノズルは、ステップ219Eに進み、周囲の正常ノズルで補正してドットデータが作成される。その後、ステップ246に進む。
ステップ219Cにおいては、異常ノズルが検出された場合、その異常ノズルの描画領域を、第1領域101と第2領域102の2つに分ける(図14参照)。ここに、第1領域101は、異常吐出ノズルが検出されても、異常吐出ノズルからも通常ノズルと同様に、補正をしないで吐出を実行させる領域であり、第2領域102は、異常吐出ノズルを強制的に不吐化させ、周囲の正常ノズルで補正をする領域である。
第1領域101と第2領域102の区画方法としては、入力された画像の品質や、要求された出力される画像の品質等から判断して定めた規定長さ毎に区画すればよい。
図14に本実施の形態で補正した模式図を示す。異常吐出ノズル12D3から吐出された着弾ドット93D3の着弾ドットの面積が、周囲の着弾ドットの面積に比べ、非固定的に変化している場合の例である。他の異常吐出パターンでも同様に適用可能である。
第1領域101では、補正せずに、異常吐出ノズル12D3から吐出させている。従って、異常吐出ノズル12cからの吐出は非固定的に液滴体積が変化している。
一方、第2領域102では、異常吐出ノズル12D3からの吐出を強制的に停止させ、左右のノズル12D2、ノズル12D4から吐出されるインクの体積を大きくし、補正している。
ここに、第1領域のY方向の幅をY1(mm)、第2領域のY方向の幅をY2(mm)として両領域を繰り返して出力画像を形成する。幅Y1、幅Y2の値は入力画像や出力画像により、それぞれ最適な値を選択すればよく、同じ値とする必要はない。
図14において、第1領域101では、異常吐出ノズル12D3により、出力画像にスジが発生するが、幅Y1を短くすることでスジの視認性を下げることができる。
なお、複数枚の同一画像を印刷するときには、幅Y1と幅Y2の値は、複数枚の同一画像を印刷する範囲内では変更せずに固定にした方が良い。これは、区画領域100を非固定にしてしまうと、区画変更の都度ドットデータを作成し直す必要が生じ、処理系の負荷が増大するためである。
このように異常吐出ノズル12D3からも吐出をさせることで、上述したように、異常吐出ノズル12D3から、異常が、他の正常な隣接するノズル12D2に連鎖することを予防できる。
更に、異常吐出ノズルが回復不能な劣化状態に陥ることを防ぐ効果も得られる。即ち、ノズルを不吐化してしまうと、回復不能な劣化状態になる虞があるが、これを予防することができる。
次に、検証例について説明する。
図15に検証サンプルの例を示す。図15では、第1領域101にスジ78が現れている。図15の検証サンプルを用いて、スジの視認性について目視検証を行った。サンプルは、図15に示すように、第1領域の幅Y1と第2領域の幅Y2をそれぞれ変化させた10個の組み合わせとした。
図16に検証結果を示す。図16において、Y1欄は、第1領域の幅Y1(mm)の変化範囲を示しており、幅Y1を1〜5mmの範囲で検証した。Y2欄は、第2領域の幅Y2(mm)の変化範囲であり、幅Y2が2〜10mmの範囲で検証した。
比Y1/Y2欄は、第1領域の幅Y1(mm)と第2領域の幅Y2(mm)の比R(Y1/Y2)であり、比が0.25〜1.00の範囲で検証した。
吐出不良部視認性の欄は検証結果を示している。結果が良好であった条件には○印が付され、不可であった条件には×印が付されている。ノズル不良連鎖の欄は、隣接するノズルに不良連鎖が生じたか否かの欄であり、不良連鎖が生じなかった条件では○印が付され、不良連鎖が生じた条件では×印が付されている。
図16に示した検証結果から、第1領域の幅Y1(mm)値については、幅Y1を1mm〜3mmの範囲にすることで、実質的にスジ78は視認されなくなるといえる。また、第1領域の幅Y1(mm)と第2領域の幅Y2(mm)の比R(Y1/Y2)については、比Rを0.5〜0.75の範囲にすることで、ノズルの不良連鎖を抑制することができるといえる。
尚、本実施の形態においては、図14で説明したように、異常吐出ノズル12D3の補正を、両隣のノズル12D2、12D4からの着弾ドットの面積を大きくすることで対応した。しかし、これに限定されることはなく、他の補正を用いても良い。例えば、第2領域を第2領域A、第2領域B等に更に区分けして、第2領域A、第2領域B等のそれぞれで補正方法を異なる方法としても良い。
このように、多様な補正方法を用いることで、補正用に用いられている特定の正常なノズル12D2、12D4等の負担を軽減させることができる。
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態に係る画像形成装置は、第3の実施の形態に係る画像形成装と画像変換手段の構成が相違する。相違点を中心に以下説明する。
図17、18に示すように、領域区画部は、着弾ドットの画像形成領域100を、入力された画像の画像濃度に基づいて、隣接する第3領域112と第4領域113に区画する。隣接する第3領域112と第4領域113は、着弾ドットの画像形成領域100を満たすよう隣接した状態で繰り返して形成される。
図17、18の着弾ドットを説明する模式図は、上述した図14、15と同様に、異常吐出ノズル12D3からの着弾ドット115D3が非固定的に小さくなってしまう場合を例にとって示している。図14、15と相違するのは、入力された画像の濃淡で着弾ドットの画像形成領域100が区画されている点である。他の異常吐出パターンでも同様に適用が可能である。
第3領域112は入力された画像の濃度が低い領域であり、異常吐出ノズル12D3から補正せずに吐出を行っている。このため、ノズル12D3からの着弾ドット115D3は非固定的に液滴体積が小さくなるものの、画像濃度が低いため、実質的にスジ79が目立ちにくい(図16参照)。
一方、第4領域は画像濃度が高い領域であり、異常吐出ノズル12D3からの吐出を強制的に停止させ、左右のノズル12D2とノズル12D4からの着弾ドット115D2、115D4を大きくして補正をしている。
これにより、スジによる画像劣化を抑制できる。
尚、画像密度(ドット密度)と着弾ドットの径との関係によっては、最高濃度付近の方が、スジが目立ちにくい場合もある。そのときは、最高濃度付近を第3領域112とし、隣接範囲を第4領域113としてもよい。
このように異常吐出ノズルからも吐出させることで、第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
尚、本実施の形態では、両隣のノズル12D2、12D4の着弾ドット115D2、115D4を大きくする補正を行ったが、これに限定されることはなく、第1実施例で述べた他の補正方法を用いても良い。更には、例えば、第4領域を第4領域A、第4領域B・・・と分け、それぞれで補正方法を変えても良い。このような補正をすることで、補正に用いる特定のノズル12D2、12D4等の負荷を下げることができる。
<第5の実施の形態>
第5の実施の形態に係る画像形成装置は、制御装置を有しており、制御装置の画像変換手段76の構成が第2の実施の形態に係る画像形成装置と相違する。相違点を中心に以下説明する。
制御装置72には画像変換部が設けられ、画像変換部には、領域区画部と領域画像変換部とが設けられている。
領域区画部は、図20に示すように、着弾ドットの画像形成領域100を、第5領域150と第6領域151に区画する。第5領域150と第2領域151は隣接して繰返し設けられ、画像形成領域100を満たすように区画されている。
第5領域150においては、異常吐出ノズル選別部で非固定的不良ノズル12D3が検出されたとき、吐出処理手段26は非固定的不良ノズル12D3を断続的に不吐化する。
領域画像変換手段74は、非固定的不良ノズル12D3に対しては、第5領域150には補正しない状態のドットデータを作成させる。一方、第6領域151には、不吐化された非固定的不良ノズル12D3が吐出すべきであった着弾領域に、異常吐出ノズルの周囲の正常ノズル12D2、12D4で補完するようにドットデータ152D1、152D2を作成させる。
これにより、非固定的不良ノズル12D3によるスジの発生を抑制できる。
また、図示は省略するが、固定的不良ノズル及び不吐出ノズルに対しては、第5領域150と第6領域151のいずれにも、固定的不良ノズルが吐出した着弾ドットによりスジが発生した領域、及び不吐出ノズルが吐出すべきであった着弾領域に、固定的不良ノズルの周囲の正常ノズル及び不吐出ノズルの周囲の正常ノズルで補完するようにドットデータを作成する(図8、12参照)。
この結果、異常吐出ノズル12D3が非固定的である場合、異常吐出ノズル12D3からの吐出が断続的に行われるので、異常吐出ノズル12D3が吐出不良となるのを防止することができる。
また、異常吐出ノズル12D3が固定的である場合、異常吐出ノズル12D3からの吐出が連続的に行われるので、異常吐出ノズル12D3の周囲の正常ノズルが連鎖的に吐出不良となるのを防止できる。
図19は、本実施の形態の処理手順を示すフローチャートである。第2の実施の形態と相違する点はステップ219Dのみである。他のステップの説明は省略する。
ステップ219Dは、非固定的な異常吐出ノズルが検出された場合、ノズルの描画領域100を第5領域150と第6領域151の2つに分割する。
次に、吐出処理手段22は非固定的不良ノズル12D3を断続的に不吐化する。このとき、固定的不良ノズルは不吐化しない。
次に、非固定的不良ノズル12D3に対しては、第5領域150には、補正しない状態のドットデータ152D3を作成する。一方、第6領域151には、不吐化された非固定的不良ノズル12D3が吐出すべきであった着弾領域に、異常吐出ノズルの周囲の正常ノズル12D2、12D4で補完するようにドットデータ152D2、152D4を作成する。
尚、本実施の形態では、両隣のノズル12D2、12D4の着弾ドット115D2、115D4を大きくする方法で補正を行ったが、これに限定されることはなく、第1の実施の形態で述べた他の補正方法を用いても良い。更には、例えば、第5領域を第5領域A、第5領域B・・・と更に区画し、それぞれの領域ごとに補正方法を異ならせても良い。このように補正を異ならせることで、補正に用いる特定のノズル12D2、12D4等の負荷を下げることができる。
10 画像形成装置
22 吐出処理手段
100 画像形成領域
138 インクジェット記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)
144 領域区画部
158 チェック用画像読取部(読み取り手段)
160 制御装置

Claims (12)

  1. 複数のノズルが設けられ、搬送される記録媒体に対し、前記記録媒体と相対移動しながら液滴を吐出する液滴吐出ヘッドと、
    前記液滴吐出ヘッドにより印刷されたチェックパターンを読み取る読み取り手段と、
    前記チェックパターンを解析し、前記ノズルを、前記ノズルからの液滴の吐出の有無で吐出ノズルと不吐出ノズルとに選別すると共に、前記吐出ノズルを、液滴の着弾領域及び着弾面積から、正常吐出ノズルと異常吐出ノズルとに選別する着弾解析手段と、
    前記異常吐出ノズルを不吐化して液滴の吐出を禁止する吐出処理手段と、
    入力画像をドットデータに変換する画像変換手段に設けられ、前記異常吐出ノズル及び前記不吐出ノズルが吐出すべきであった領域を、前記異常吐出ノズルの周囲の正常ノズル及び前記不吐出ノズルの周囲の正常ノズルで補完するように、入力された画像のドットデータを補正するドットデータ補正部と、
    を有する画像形成装置。
  2. 前記着弾解析手段には吐出液滴判別部が設けられ、
    前記吐出液滴判別部は、前記チェックパターンを形成する前記液滴の着弾面積を、前記記録媒体と前記液滴吐出ヘッドとの相対移動方向に積算したチェックパターン面積と、予め定めた基準面積とを比較して、前記液滴の着弾面積が許容範囲を外れたノズルを異常吐出ノズルとし、前記液滴の着弾面積が許容範囲内であっても、前記着弾領域の中心位置と前記ノズルの中心との偏心量を算出し、前記偏心量が予め定めた許容範囲を外れたノズルを異常吐出ノズルとし、更に、吐出液滴が検出されないノズルを不吐出ノズルとする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記着弾解析手段には、前記異常吐出ノズルを固定的不良ノズルと非固定的不良ノズルとに選別する異常吐出ノズル選別部が設けられ、
    前記吐出処理手段は、前記非固定的不良ノズルを不吐化して液滴の吐出を禁止し、前記固定的不良ノズルは不吐化せず液滴を吐出させ、
    前記ドットデータ補正部は、前記固定的不良ノズルにより吐出されたドットによって発生したスジを、前記固定的不良ノズルの周囲の正常ノズルからの液滴によって補正するように前記ドットデータを補正し、不吐化された前記非固定的不良ノズル及び前記不吐出ノズルが吐出すべきであった領域を、前記非固定的不良ノズルの周囲の正常ノズル及び前記不吐出ノズルの周囲の正常ノズルで液滴を補完するように前記ドットデータを補正する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記異常吐出ノズル選別部には区分け部が設けられ、
    前記区分け部は、前記異常吐出ノズルの前記液滴毎の着弾面積が、前記液滴毎に予め定めた許容範囲を越えて変化するノズルを非固定的不良ノズルとし、
    前記液滴毎の着弾面積が前記許容範囲内に収まるノズルであっても、前記異常吐出ノズルの前記偏心量から、前記偏心量が前記液滴毎に予め定めた許容範囲を越えて変化するノズルを非固定的不良ノズルとし、
    前記着弾面積が前記液滴毎に前記許容範囲内に収まり、且つ、前記偏心量が前記液滴毎に前記許容範囲内に収まるノズルを固定的不良ノズルとする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記異常吐出ノズル選別部には変化量検出部が設けられ、
    前記変化量検出部は、複数回測定した前記異常吐出ノズルの前記液滴毎の着弾面積から、前記着弾面積が測定毎に予め定めた許容範囲を越えて変化するノズルを非固定的不良ノズルとし、
    前記着弾面積が測定毎に前記許容範囲内に収まるノズルであっても、複数回測定した前記異常吐出ノズルの前記偏心量から、前記偏心量が測定毎に予め定めた許容範囲を越えて変化するノズルを非固定的不良ノズルとし、
    前記着弾面積が測定毎に前記許容範囲内に収まり、且つ、前記偏心量が測定毎に前記許容範囲内に収まるノズルを固定的不良ノズルとする請求項3に記載の画像形成装置。
  6. 前記画像変換手段には、画像形成領域を、前記記録媒体と前記液滴吐出ヘッドとの相対移動方向を所定幅とし隣接する第1領域と第2領域の少なくとも2つに区画する領域区画部と、前記第1領域と前記第2領域に前記ドットデータを作成する領域画像変換手段と、が設けられ、
    前記領域画像変換手段は、前記第1領域には、前記異常吐出ノズルを補正しない状態の前記ドットデータを作成し、前記第2領域には、不吐化された前記異常吐出ノズル及び前記不吐出ノズルが吐出すべきであった領域に、前記異常吐出ノズル及び前記不吐出ノズルの周囲の正常ノズルで補完するように前記ドットデータを作成する請求項1に記載の画像形成装置。
  7. 前記画像変換手段には、画像形成領域を、前記記録媒体と前記液滴吐出ヘッドとの相対移動方向を所定幅とし隣接する第1領域と第2領域の少なくとも2つに区画する領域区画部と、前記第1領域と前記第2領域に前記ドットデータを作成する領域画像変換手段と、が設けられ、
    前記領域画像変換手段は、前記第1領域には、前記非固定的不良ノズルを補正しない状態の前記ドットデータを作成し、前記第2領域には、不吐化された前記非固定的不良ノズルが吐出すべきであった領域に、前記非固定的不良ノズルの周囲の正常ノズルで補完するように前記ドットデータを作成し、前記第1領域と前記第2領域のいずれにも、前記固定的不良ノズルにより吐出されたドットによって発生したスジに、前記固定的不良ノズルの周囲の正常ノズルからの液滴で補正するように前記ドットデータを作成し、前記不吐出ノズルが吐出すべきであった領域に、前記不吐出ノズルの周囲の正常ノズルで補完するように前記ドットデータを作成する請求項2〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記第1領域と前記第2領域の幅が異なっている請求項6又は7に記載の画像形成装置。
  9. 前記第1領域の幅をY1、前記第2領域の幅をY2としたとき、前記第1領域の幅Y1が1mm〜3mmの範囲であり、前記第1領域と前記第2領域の幅の比をR(R=Y1/Y2)としたとき、前記幅の比Rが0.5〜0.75の範囲である請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記領域区画部は、入力された画像の濃淡差に基づいて、前記第1領域と前記第2領域の幅を決定する請求項6又は7に記載の画像形成装置。
  11. 前記領域区画部は、入力された画像の品質若しくは要求される出力画像の品質に基づいて、前記第1領域と前記第2領域の幅を決定する請求項6又は7に記載の画像形成装置。
  12. 前記領域区画部は、同一ジョブ内の印刷では前記第1領域と前記第2領域の幅を変更しない請求項6〜11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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