JP2013128883A - 排ガス処理装置及び排ガス処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】経済性を高めるとともに水銀除去率を向上させること。
【解決手段】排ガス中の有害成分及び煤塵を除去するバグフィルタを有する排ガス処理装置において、バグフィルタ11の排ガス流れ方向の上流側に配置された基材16と、この基材16に担持されて排ガス中の有害成分をバグフィルタ11で捕捉可能な形態に転換する触媒18を有する触媒体15とを備え、この触媒体15に煤塵が通過可能な流路が形成されてなること。
【選択図】図1

Description

本発明は、排ガス処理装置及び排ガス処理方法に係り、特に、ボイラなどの燃焼装置から排出される排ガス中に含まれる水銀を効率的に除去する技術に関する。
化石燃料を燃焼させて発生する排ガス中には、窒素酸化物や硫黄酸化物の他に水銀などの有害な物質が含まれている。一般に石炭中の水銀濃度はppbレベルと微量であるが、燃焼によって大気中に放出されると、健康や環境に影響を及ぼすおそれがあるため、排ガス中から高度に除去する必要がある。
例えば、微粉炭と酸素がボイラに供給されて微粉炭が高温に加熱されると、石炭に含まれる水銀が気化して金属水銀が発生する。金属水銀は排ガスに同伴されてボイラから排出された後、排ガスの温度低下に伴って酸化水銀に変化する。酸化水銀は、排ガス温度が低下すると排ガス中の灰粒子(フライアッシュ)に付着し易く、また水溶性を有している。この酸化水銀の性質を利用して、排ガス温度を減温し、酸化水銀を積極的に灰粒子に付着させることにより、灰粒子ごと酸化水銀を集塵装置で除去し、さらに排ガスに残存する金属水銀を湿式脱硫装置の脱硫液に吸収させて除去する技術が開示されている(特許文献1参照。)。
これに対し、酸化されずに排ガス中に残存する金属水銀は、灰粒子への吸着性が乏しく、また難溶性であるため、排ガス中から除去するのが困難となる。したがって、排ガスの水銀除去率を向上させるには、排ガス中の水銀の酸化率を高める必要がある。
一般に、排ガス中の水銀は主要な酸化形態が塩化水銀(HgCl)であるため、図4に示すように、排ガス中の水銀の酸化率は、石炭中に含まれる塩素量、つまり排ガスの塩素濃度が高いほど高くなる。このため、従来から、石炭や排ガス中に塩素化合物を添加して排ガスの塩素濃度を高める方法や、脱硝触媒によって水銀の酸化を促進させる方法、或いは、金属水銀を捕捉する活性炭等の吸着剤を添加する方法などが知られている。しかし、塩素化合物の添加量や脱硝触媒の設置量及び水銀吸着材の投入量の増加はいずれもコスト増加につながり、しかも、塩素化合物や水銀吸着材を使用すると、システム全体から排出される固体廃棄物の増加を招くことになる。
一方、従来、排ガス処理システムに設置される集塵装置としては、大型のプラントなどで電気集塵機が広く採用されている。しかし、今後は、ボイラプラントの排ガス規制が強化され、より小さな粒子が規制対象となる見込みである。例えば米国では従来の規制対象が空力学的直径25μm以下の粒子であるのに対し、今後は10μm以下の粒子にまで拡大される。このように厳しい規制をクリアするためには、電気集塵機ではなく、より微細な粒子まで捕集できるバグフィルタの使用が不可欠となる。
例えば、バグフィルタの濾布面に触媒成分を担持したバグフィルタ(以下、触媒バグフィルタという。)を用いることにより、排ガス中の水銀などを除去する技術が開示されている(特許文献2参照。)。
この種の触媒バグフィルタには、筒状の濾布面の外側から内側に向かって排ガスが通流することにより、排ガスから分離された灰が濾布面に堆積層を形成するとともに、排ガス中の金属水銀が濾布面の触媒と接触して酸化水銀となる。この酸化水銀の一部は、灰の堆積層と濾布面との界面で灰に捕捉される。
図5に、排ガスの温度と水銀の酸化率との関係を示す。この図からわかるように、バグフィルタの運転温度(例えば150℃前後)は、通常の脱硝触媒の運転温度(例えば300〜400℃)よりも水銀の酸化率が高いため、触媒バグフィルタを用いることにより、排ガス中の塩素濃度が低くても、高い酸化率を確保することができる。
国際公開WO2004/023040号公報 特開平7−204466号公報
しかしながら、触媒バグフィルタを用いた場合、水銀が吸着しやすい低温(例えば100℃)における触媒バグフィルタでの水銀の酸化率及び水銀の捕捉率を比較すると、水銀酸化率よりも水銀捕捉率の方が低くなる傾向がある。これは、排ガスが灰の堆積層を通過した後に触媒バグフィルタの濾布面を通過、つまり濾布面の触媒と接触するため、水銀が触媒と接触して酸化されても、その酸化された水銀の一部が灰粒子と接触することなく、バグフィルタから排出されるためと考えられる。
また、灰中のカルシウム含有量が多い場合、灰の堆積層を通過する排ガス中の塩化水素の一部が堆積層中のカルシウムと反応してなくなるため、触媒に到達する塩化水素の量が少なくなり、水銀の酸化率が低下するおそれがある。
また、触媒バグフィルタは、濾布面を形成する繊維の目に触媒成分が詰まっているため、運転時の圧力損失が大きくなる。このため、大きなファンの動力が必要となり、逆洗のインターバルも短くなることから、ランニングコストが高くなるという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、経済性を高めるとともに水銀除去率を向上させることを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、排ガス中の有害成分及び煤塵を除去するバグフィルタを有する排ガス処理装置において、バグフィルタの排ガス流れ方向の上流側に配置された基材と、この基材に担持され、排ガス中の有害成分をバグフィルタで捕捉可能な形態に転換する触媒を有する触媒体とを備え、触媒体に煤塵が通過可能な流路が形成されてなることを特徴とする。
ここで、排ガス中の有害成分をバグフィルタで捕捉可能な形態に転換する触媒とは、例えば、排ガス中の金属水銀をバグフィルタの濾布面に付着する灰粒子で捕捉可能な形態、つまり酸化水銀に転換する機能を持った触媒をいう。
本発明によれば、例えば、排ガスは、灰粒子を主成分とする煤塵を含んだまま基材を通過する一方、排ガス中の有害成分である金属水銀は、基材表面の触媒と効率良く接触して酸化水銀に転換される。そして、排ガスがバグフィルタの濾布面を通過すると、排ガス中から煤塵が分離され、灰粒子が濾布面に堆積層を形成する。これにより、酸化水銀はバグフィルタの濾布面に形成された灰粒子の堆積層を通過する際に灰粒子によって吸着捕捉されるため、水銀の捕捉率を高め、水銀の除去率を向上させることができる。さらに、本発明によれば、バグフィルタと触媒が分離されているため、バグフィルタが寿命になった場合には、バグフィルタのみ交換して触媒はそのまま使い続けることができるため、経済性を高めることができる。
この場合において、触媒体は、バグフィルタの濾布面を包囲するとともに濾布面から離間させて設けられるものとする。
これによれば、バグフィルタの濾布面に形成される灰の堆積層が触媒と接触するのを防ぐことができる。また、バグフィルタを逆洗する際に逆洗用ガスが触媒に吹き付けられることで、触媒表面に若干付着する灰を払い落す効果が期待できる。これにより、除塵運転中に触媒表面に灰が付着することによる経時的な水銀酸化率の低下を抑制することができる。
また、触媒体は、基材が、金属、或いは、ガラスとプラスチックの複合繊維で形成されてなることが好ましい。
これらの材質で基材を形成することにより、バグフィルタの逆洗時に濾布面から基材が衝撃を受けた場合でも、基材の変形や破損を防ぐことができる。また、基材をガラスとプラスチックの複合繊維で形成することにより、製造コストを低く抑えることができるとともに、繊維の編み目などに触媒が担持され、触媒の表面積を大きくできるため、水銀の酸化率の向上を図ることができる。
また、触媒体は、帯状板材からなる複数の基材を用いて構成され、基材はバグフィルタを包囲して放射状に配置されてなるものとしてもよい。
これによれば、排ガスが隣り合う帯状板材同士の隙間を流れる際に、排ガス中の水銀が帯状板材の対向面に担持された触媒と効率よく接触するため、水銀の酸化率を高めることができる。
また、これに代えて、触媒体は、基材がメッシュ状に形成されるとともにバグフィルタを包囲して配置されてなるものとしてもよい。
これによれば、基材の構成を簡単化することができるため、触媒体の製造コストを低廉に抑えることができる。
また、本発明の排ガス処理装置の運転方法としては、バグフィルタを通過する排ガスの温度を100℃以上140℃以下、より好ましくは100℃以上120℃以下の範囲に保持して運転すること特徴とする。
すなわち、排ガス中の水銀は、酸化されても、例えば150℃を超える高温雰囲気では殆ど灰粒子に捕捉されないため、バグフィルタを通過する排ガスの温度を100℃以上140℃以下の温度範囲に調整することにより、排ガス中の水銀をバグフィルタによって効率良く捕捉して除去することができる。
本発明によれば、経済性を高めるとともに水銀除去率を向上させることができる。
本発明を適用してなる第1の実施形態の排ガス処理装置の構成図であり、(a)は外観斜視図、(b)は(a)の縦断面図において除塵中の動作を示す図であり、(c)は(a)の縦断面図において逆洗中の動作を示す図である。 本発明の排ガス処理装置を含む排ガス処理システムの概略を示す系統図である。 本発明を適用してなる第2の実施形態の排ガス処理装置の外観斜視図である。 排ガス中の塩化水素濃度と水銀酸化率との関係を説明する図である。 排ガス温度と水銀酸化率との関係を説明する図である。
以下、本発明が適用される排ガス処理装置の第1の実施形態について図面に従って説明する。はじめに、本発明が適用される排ガス処理装置が収容された集塵装置を含む排ガスプラントについて図2を参照して説明する。
図2に示すように、ボイラ火炉1の排ガス出口には、排ガスが通流する煙道2が接続されている。この煙道2の途中には、上流側から、脱硝装置3、エアヒータ4、ガス−ガスヒータ熱回収部5、集塵装置6、脱硫装置7、ガス−ガスヒータ再加熱部8が順に設けられ、ガス−ガスヒータ再加熱部8の下流側の煙道2は煙突9に接続されている。
ボイラ火炉1には、燃焼用空気と微粉炭原料が供給されて微粉炭原料の燃焼が行われる。微粉炭原料の燃焼により発生した高温の排ガスは、後部伝熱部1aの出口付近で400℃程度まで減温された後、ボイラ火炉1から排出される。ボイラ火炉1から排出された排ガスは、脱硝装置3に導かれ、脱硝触媒により排ガス中の窒素酸化物(NOx)が除去される。脱硝装置3で窒素酸化物が除去された排ガスは、エアヒータ4、ガス−ガスヒータ熱回収部5を順次経由して排ガス温度が減温調節された後、集塵装置6に導かれ、排ガス中の主として灰粒子からなる煤塵(以下、灰粒子と略す。)と水銀などの有害物質が除去される。集塵装置6で除去しきれなかった灰粒子と水銀などの有害物質を含む排ガスは、脱硫装置7に導かれ、脱硫液によって排ガス中の灰粒子、有害物質及び硫黄酸化物(SOx)が除去される。脱硫装置7を出た排ガスは、ガス−ガスヒータ再加熱部8で排ガス温度が昇温調節された後、煙突9を通じて大気中に放出される。
図2の集塵装置6は、バグハウス10内に、排ガス処理装置を構成する多数のバグフィルタ11が吊り下げられている。バグハウス10に導入された排ガスは、バグフィルタ11の外側から内側へと通過する際にろ過作用によって排ガス中の灰粒子12が除去される。灰粒子が除去された排ガスは、バグフィルタ11の内側を上方へ向かって流れてバグハウス10の頂部から排出され、バグフィルタ11の濾布面に堆積した灰粒子12は、圧縮空気ライン13からパルス状に吹き込まれた圧縮空気によって払い落されて、バグハウス10の底部から排出されるようになっている。
次に、集塵装置6に設置される排ガス処理装置の構成について説明する。図1(a)に示すように、本実施形態の排ガス処理装置14は、有底の円筒状に形成されたバグフィルタ11と、このバグフィルタ11の排ガス流れ方向の上流側でバグフィルタ11を包囲し、かつバグフィルタ11の濾布面と離間させて設けられる触媒体15を備えて構成される。触媒体15は、薄く細長い帯状板材からなる複数の基材16と、この基材16を互いに固定するサポート帯17と、基材16の表面に担持されて排ガス中の有害成分をバグフィルタ11で捕捉可能な形態に転換する触媒18から構成される。なお、バグフィルタ11の濾布面には触媒が担持されていない。
バグフィルタ11の開口する上端部は、リング状に形成されたフィルタホルダ19の下面側に接続されて吊り下げられている。各基材16は、L字状の平坦面がバグフィルタ11に対して放射状に配置され、バグフィルタ11の外周面に沿ってバグフィルタ11の軸と平行に延在する一方の面と、バグフィルタ11の底面に沿ってバグフィルタ11の軸に向かって延在する他方の面を有している。基材16の一方の面の端部はフィルタホルダ19の下面側と接続されて吊り下げられ、他方の面の端部は他の基材16の端部と互いに接続されている。このようにして、触媒体15は、バグフィルタ11と同軸でバグフィルタ11を取り巻くように配置されるとともに、リング状に形成されたサポート帯17が全周に渡って巻き付けられた状態となっている。
隣り合う基材16の平面同士の隙間は排ガスが通流する流路20となっている。この流路20に面する基材16の面には、周知の方法によって触媒18が担持されている。本実施形態では、排ガス中の金属水銀を酸化させる水銀酸化用の触媒18が用いられている。
図1(b)に示すように、フィルタホルダ19には、同芯状に形成される開口から下面側へ筒状に突出する突起部21が設けられている。フィルタホルダ19の突起部21にはそれぞれ圧縮空気ライン13の先端部22が挿入されるようになっている。圧縮空気ライン13にはそれぞれ電磁弁23が設けられ、図示しない制御手段からの指令によって弁が開閉するようになっている。
排ガスは、ガス−ガスヒータ熱回収部5を通過する際に設定温度まで冷却され、バグハウス10に入るときの温度が例えば100℃以上140℃以下になるように調節される。バグハウス10に導入された排ガスは、排ガス処理装置14に導かれ、図1(b)の矢印aに示すように触媒体15の流路20を通過した後、バグフィルタ11の外側から内側へと流れて排ガス中の灰粒子が濾布面に捕集される。ここで、触媒体15の流路20は、灰粒子が通流可能な大きさ、つまり基材16間の隙間が灰粒子よりも十分大きく形成されているため、排ガス中の灰粒子は、流路20を通過してバグフィルタ11の濾布面で捕捉され、濾布面に灰粒子の堆積層24が形成される。
一方、排ガス中の水銀は、触媒体15の流路20を通過するときに触媒18と接触して酸化され、金属水銀が酸化水銀に転換される。つまり、排ガス中の水銀はバグフィルタ11の濾布面に形成された堆積層24を通過する前に触媒18によって予め酸化されている。したがって、酸化水銀が堆積層24を通過することから、灰粒子に酸化水銀を高い確率で吸着させることができ、水銀の捕捉率を向上させることができる。
バグフィルタ11の濾布面の外側と内側の差圧が所定の値になるまで堆積層24の厚みが大きくなると、電磁弁23が開閉され、図1(c)に示すように圧縮空気が先端部22からバグフィルタ11の内部にパルス状に吹き込まれる。この逆洗によって濾布面に形成された堆積層24は払い落とされ、基材16の隙間からバグハウス10の底部のホッパへ落下する。このとき、バグフィルタ11の内側から外側を通過した圧縮空気は、触媒体15にも吹き付けられ、基材16や触媒18の表面に若干付着していた灰粒子も払い落されるため、触媒と排ガスとの接触状態を良好に保つことができる。
本実施形態では、基材16は、逆洗時にバグフィルタ11によって内側から圧迫されても変形や破損を起こさない強度を保つため、金属製の部材で形成されるが、これと同等の強度が得られるものであれば、例えば、ガラスとプラスチックの複合繊維などで形成されていてもよい。
本実施形態によれば、排ガス中の塩化水素が直接触媒18に到達するため、バグフィルタ11の濾布面に触媒成分を担持させる従来の触媒バグフィルタと比べて、触媒18に到達する塩化水素の量を増やすことができる。これにより、水銀の酸化率を高めるとともに、その酸化した水銀をバグフィルタ11に通過させることができるため、従来よりも水銀捕捉率を格段に高めることができる。このように、本実施形態ではバグフィルタ11によって、細かい粒径の粒子状物質まで高効率で除去しつつ、水銀の酸化及び捕捉性能を無駄なく発揮することができるため、後流の脱硫装置7へ流入する水銀量が低減し、脱硫液からの再放出も抑制できることから、システム全体としての粒子状物質及び水銀の排出量を低減することができる。
本実施形態の排ガス処理装置14によれば、バグフィルタ11に触媒を担持させていないため、圧力損失が小さく、ファン動力を低減することができる。このように圧力損失が低ければ、逆洗のインターバルを長くでるため、触媒バグフィルタと比べて、濾布面に堆積可能な灰の量を増やすことができ、水銀吸着性能を増大させることができる。また、水銀の酸化を促進させる塩素剤や水銀吸着用の活性炭などの添加剤が不要、或いは、添加量を削減することができ、さらに、バグフィルタ11と触媒18を分離させたことにより、バグフィルタ11が寿命になった場合には、バグフィルタ11のみを交換し、触媒18はそのまま使い続けることができるため、ランニングコストを低く抑えて経済性を高めることができる。
また、本実施形態の排ガス処理装置14は、従来から通常のバグフィルタを使用しているプラントに対して、従来のバグフィルタと交換して使用することもできる。この場合、バグフィルタ11の円筒の直径は、触媒体15を設置した分だけ小さくなり、ろ過面積が減少することになるが、従来の触媒バグフィルタと比べて圧力損失を低く抑えることができる。
また、本実施形態の排ガス処理装置14は、バグハウス10に入る排ガスの温度が100℃以上140℃以下になるように調節され、バグフィルタ11の温度が100℃以上140℃以下の範囲に保持した状態で運転される。したがって、排ガス中の水銀の酸化率を高めることができ(図5)、バグフィルタ11における水銀の除去率を向上させることができる。
以下、本発明が適用される排ガス処理装置の他の実施形態について説明する。ただ、これらの実施形態の排ガス処理装置はいずれも排ガスがバグフィルタ11を通過する前に触媒18と接触するように構成され、温度条件を含む運転条件も第1の実施形態と同じであるため、基本的には第1の実施形態と同様の作用を示す。したがって以下では、各実施形態に特徴的な構成についてだけ説明し、第1の実施形態と共通する構成については説明を省略する。
図3に、第2の実施形態による排ガス処理装置25の外観を示す。本実施形態の排ガス処理装置25が第1の実施形態の排ガス処理装置14と相違しているのは、触媒体26が金属製のメッシュ状物の基材27からなり、全体がバグフィルタ11を包囲する有底の筒状をなしている点にある。
本実施形態では、メッシュ状をなしている基材27の編み目が閉塞しないように排ガスの流路が確保されるように触媒18が担持されている。ここで、基材27に形成される排ガスの流路は、排ガス中の灰粒子が通過可能な大きさとなっている。なお、バグフィルタ11の濾布面には、第1の実施形態と同様、触媒18が担持されていないものとする。
本実施形態によれば、基材27の編み目が比較的小さいため、第1の実施形態と比べて排ガスに同伴される灰粒子が触媒体26を通過する際に、基材27や触媒18に付着し易くなる。このため、本実施形態は、灰分が比較的多い石炭原料などを使用する場合に不向きであるが、第1の実施形態と比べて触媒18の表面積を大きくできるため、灰分が比較的少ない石炭原料などを使用する場合は、水銀の酸化率を高めることができ、水銀の除去率を向上させることができる。
なお、本実施形態では、バグフィルタ11の逆洗時に変形や破損を起こさない強度を確保するため、金属製の基材27を用いているが、基材27の材質はこの例に限られるものではなく、同等の強度を有するものであれば、例えば、ガラスとプラスチックの複合繊維を平織りしたメッシュ状物であってもよい。
次に、本発明が適用される排ガス処理装置の第3の実施形態について説明する。本実施形態の排ガス処理装置は、図1の排ガス処理装置14又は図3の排ガス処理装置25の構成において、バグフィルタ11の濾布面に触媒18を担持するものである。ここで、バグフィルタ11の濾布面に担持する触媒18の担持量は、使用する触媒の全てをバグフィルタの濾布面に担持させる従来の触媒バグフィルタの触媒担持量と比べて少ない量となっている。
本実施形態によれば、触媒体を通過する際に酸化しきれなかった水銀をバグフィルタ11の濾布面で再び触媒と接触させて酸化させることができるため、排ガス中の水銀濃度が比較的高い場合でも、高い水銀酸化率を得ることができ、結果として水銀の除去率を向上させることができる。また、濾布面における触媒18の担持量が少ない分、従来の触媒バグフィルタと比べて圧力損失を小さくすることができる。
以上、本発明を実施するためのいくつかの形態について説明したが、これらは代表的な例に過ぎず、本発明は、その趣旨を逸脱することのない範囲で様々な形態で実施することができる。
例えば、上記の実施形態では、いずれも触媒体がバグフィルタ11をそれぞれ周方向で包囲するように設けられる例を説明したが、触媒体は、バグフィルタ11の排ガス流れ方向の上流側に配置されていればよく、例えば、バグハウス10内に導入される排ガスの流路を仕切るように触媒体を設け、排ガスが触媒体を通過してから各バグフィルタ11を通過するように構成してもよい。
また、上記の実施形態では、水銀酸化用の触媒を用いる例を説明したが、排ガス中の有害成分をバグフィルタで捕捉可能な形態に転換する触媒であれば、これに限られるものではないのは言うまでもない。
1 ボイラ火炉
3 脱硝装置
5 ガス−ガスヒータ熱回収部
6 集塵装置
10 バグハウス
11 バグフィルタ
13 圧縮空気ライン
14,25 排ガス処理装置
15,26 触媒体
16,27 基材
17 サポート帯
18 触媒
19 フィルタホルダ
20 流路
24 堆積層

Claims (6)

  1. 排ガス中の有害成分及び煤塵を除去するバグフィルタを有する排ガス処理装置において、
    前記バグフィルタの前記排ガス流れ方向の上流側に配置された基材と、該基材に担持され、前記排ガス中の有害成分を前記バグフィルタで捕捉可能な形態に転換する触媒を有する触媒体とを備え、該触媒体に前記煤塵が通過可能な流路が形成されてなることを特徴とする排ガス処理装置。
  2. 前記触媒体は、前記バグフィルタの濾布面を包囲するとともに該濾布面から離間させて設けられてなる請求項1に記載の排ガス処理装置。
  3. 前記触媒体は、前記基材が、金属、或いは、ガラスとプラスチックの複合繊維で形成されてなる請求項1又は2に記載の排ガス処理装置。
  4. 前記触媒体は、帯状板材からなる複数の前記基材を用いて構成され、前記基材は前記バグフィルタを包囲して放射状に配置されてなる請求項1乃至3のいずれかに記載の排ガス処理装置。
  5. 前記触媒体は、前記基材がメッシュ状に形成されるとともに前記バグフィルタを包囲して配置されてなる請求項1乃至3のいずれかに記載の排ガス処理装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の排ガス処理装置の運転方法において、
    前記バグフィルタの温度を100℃以上140℃以下の範囲に保持して運転することを特徴とする排ガス処理装置の運転方法。
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