以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合わせることも可能である。
(第1実施形態)
本発明を適用した第1実施形態の送風装置1について図1にしたがって説明する。図1において、紙面の上方が車両上方、下方が車両下方であり、方向Vは鉛直方向である。
送風装置1は、換気装置、空調装置等の種々の用途に用いられる装置であり、例えば、車両用空調装置に適用されて、車室内に向けて空調空気を提供する。この場合、送風装置1は、例えば、車室内のインストルメントパネル裏の空間に配置され、人間が存在する車室内には設置されない。したがって、送風装置1のモータに起因する振動は、送風装置1に含まれるファンケーシング、空調風の車室内への通路を形成するダクト等に伝搬することによって車室内に伝わり、騒音の原因になる。本発明を適用した送風装置は、モータに起因する振動がファンケーシング等の車室内への伝搬経路に伝わることを抑制することができる。
図1に示すように、送風装置1は、モータと、モータの回転軸部であるモータシャフト8に固定されてモータシャフト8と一体となって回転するファン2と、ファン2を内部に収容するファンケーシング3と、モータの駆動を制御する制御回路11と、を備える。ファンケーシング3には、ファン2の回転によりファンケーシング3の内部に空気が吸い込まれる吸込口3aが形成されている。吸込口3aは、ファン2の外周縁端部よりもやや小さい直径の貫通穴である。吸込口3aが開口する部位のファンケーシング3の周縁部は、ファン2の外周縁端部に接近している。両者が形成する隙間寸法は、送風装置1の性能の観点から、小さく設定することが好ましい。ファン2の回転に伴う吸引力により、ファンケーシング3の内部には、空気がモータの回転軸部の軸方向に流入し、ファン2の径方向に吹き出され、ファンケーシング3の内壁面に沿うように流下する。
ファン2、ファンケーシング3は、それぞれ、例えばポリプロピレン(PP樹脂)の成型品からなる。さらにこれら各部の強度を向上する場合には、所定量のタルクやガラス繊維を含有したPP樹脂を用いてもよい。モータのステータは、センターピース4と、コア16と、コア16に巻回された巻線17
と、から構成されている。
ロータは、ヨーク14と、ヨーク14の内周面に装着されている複数個のマグネット15と、ヨーク14の中心部に圧入されるモータシャフト8と、を備え、ステータに回転可能に支持されている。モータシャフト8は、上部ベアリング12及び下部ベアリング13を介してセンターピース4の中心部に回転可能に支持される。モータシャフト8の先端側部分は、シロッコファンであるファン2のボス部2aに嵌着されて固定されている。上部ベアリング12はベアリングホルダ12aに外周面を支持され、下部ベアリング13はベアリングホルダ13aに外周面を支持されており、ベアリングホルダ12a及びベアリングホルダ13aは、センターピース4に装着されている。
モータカバー5は、ステータ、ロータ等のモータの大部分の外周を覆う上部カバーである。モータカバー5は、そのフランジ部5aが螺子19によってファンケーシング3の底壁部に螺着されることにより、ファンケーシング3に固定される。制御回路11は、センターピース4の下端部に相当するフランジ部4aに装着され、コネクタ18を介して外部からの電力供給を受ける。センターピースのフランジ部4a及び制御回路11は、下部カバー7で覆われている。
モータカバーのフランジ部5a、センターピースのフランジ部4a及び下部カバーのフランジ部7aは、吊り下げ用部材9によって支持されている。吊り下げ用部材9は、上端に設けられる球体状の上部ストッパ9aと、下端に設けられる円盤状の下部ストッパ9bと、上部ストッパ9aと下部ストッパ9bとを連結する軸部9cと、から構成されている。
軸部9cは、モータカバーのフランジ部5a、センターピースのフランジ部4a及び下部カバーのフランジ部7aを貫通する貫通孔に挿通されている。上部ストッパ9aは、最も上方に位置するモータカバーのフランジ部5aに形成された貫通孔の内径よりも大きな外径であり、外周面の一部がフランジ部5aの貫通孔の内周縁に当接して、吊り下げ用部材9がフランジ部5aから脱落しないようにストッパの役目を果たしている。下部ストッパ9bは、その外径がゴム板10、下部カバーのフランジ部7a及びセンターピースのフランジ部4aを貫通する貫通孔の内径よりも大きく、ゴム板10の上に乗るフランジ部7aとフランジ部4aを脱落させないように支えるストッパの役目を果たしている。
モータカバー5は螺子19によってファンケーシング3に固定されており、センターピース4、下部カバー7、及びゴム板10は吊り下げ用部材9の下部ストッパ9bによって下方から支えられている。これにより、センターピース4及び下部カバー7は、吊り下げ用部材9によって吊り下げられた状態であるため、ゴム板10が弾性変形することにより、モータカバー5及びファンケーシング3に対してモータシャフト8の軸方向(以下、単に軸方向ともいう)に変位自在に設置される。
例えば、モータシャフト8が回転することによって、センターピース4に回転に伴う振動が伝わった場合、センターピース4の軸方向に動く運動は、上方のモータカバー5側に作用しないで、ゴム板10を下方に押す力として作用しやすいため、ゴム板10は軸方向に弾性変形するようになる。そして、センターピース4の軸方向の振動は、ゴム板10の軸方向の弾性変形に吸収されて減衰するので、センターピース4に伝搬したモータシャフト8の振動は、ファンケーシング3側へ伝わりにくいため、ファンケーシング3を経由して車室内等の空間に伝搬することもない。
このように、ゴム板10は、センターピースの一部であるフランジ部4aを間接的に支持し、さらに弾性変形することによってセンターピース4の変位を軸方向にのみ許容する第1の弾性部材として機能する。また、吊り下げ用部材9は、ゴム板10の移動を鉛直下方に規制するとともに、ゴム板10を軸方向に弾性変形可能に支持する支持部材として機能する。
図2は、従来品に対する実施形態品の振動低減効果を示す実験結果である。従来品は、第1実施形態の支持部材、第1の弾性部材を備えず、モータカバー、センターピース、及び下部カバーを螺子等により一体に固定した構造を有し、センターピースを軸方向に変位可能に支持しない送風装置である。図2において、実線は第1実施形態の送風装置1について、回転数に対する振動値の実験結果を示したものであり、一点鎖線は従来品の送風装置について、回転数に対する振動値の実験結果を示したものである。振動値は、ファンケーシングの底壁部に設置した加速度センサによって測定した値である。図2に示すように、送風装置のモータの使用回転数範囲において、第1実施形態の送風装置1によれば、特に高回転域で振動低減が顕著となった。
センターピース4に形成される貫通孔4a2は、フランジ部4aに複数個設けられている。貫通孔4a2が形成される部分は、フランジ部4aにおいて部分的に強度の弱い部分であるので、センターピース4自身の剛性が低下する。この構成によれば、モータシャフト8とセンターピース4の一体構造部分が傾きやすくなり、振れ回り運動においてモータシャフト8に作用する遠心力をさらに低下する効果が得られる。したがって、遠心力の低下により、モータシャフト8の傾きを制御しやすくし、センターピース4からファンケーシング3側への振動伝搬を抑制することに貢献できる。
以下に、本実施形態の送風装置1がもたらす作用効果について述べる。送風装置1は、上部ベアリング12及び下部ベアリング13を介してモータシャフト8を回転可能に支持するセンターピース4と、モータシャフト8に固定されて一体となって回転するファン2を内部に収容するファンケーシング3と、センターピースのフランジ部4aを直接または間接的に支持し、弾性変形することによってセンターピース4の変位をモータシャフト8の軸方向にのみ許容するゴム板10と、ゴム板10の移動を軸方向に規制するとともに、ゴム板10を軸方向に弾性変形可能に支持する吊り下げ用部材9と、を備える。ゴム板10によって支持されるセンターピースのフランジ部4aは、ゴム板10の軸方向の弾性変形に伴って軸方向に移動して変位する。
この構成によれば、第1の弾性部材のゴム板10が弾性変形してセンターピース4の一部を軸方向のみに移動させて変位させることにより、センターピース4を積極的に軸方向に移動させることができる。この作用によれば、センターピース4に伝わりやすいモータシャフト8の振れ回り振動を吸収する効果が高く、当該振動がファンケーシング3に伝搬することを抑制できる。したがって、ファンケーシング3に対する回転体の振動伝搬に関して高い抑制効果が得られる送風装置1を提供できる。
従来技術として記載した特開2001−145300号公報によれば、防振材の軸方向、周方向及び径方向に対するばね定数によって、モータホルダを当該方向に微妙に動かすことにより、モータホルダ側へ伝搬するセンターピースの振動を減衰するようにしている。このように従来技術では、センターピースは防振材の変形によって軸方向に変位可能な構造ではなく、センターピースを積極的に軸方向に可動させるものではない。この点において、本実施形態の送風装置は、振動抑制のためのメカニズムが従来技術と大きく相違し、モータシャフト8の振れ回り振動を吸収することに関して従来技術に比べて多大かつ特有の効果を奏するのである。
第1実施形態の送風装置1によれば、吊り下げ用部材9は、一端側でファンケーシング3に固定されたモータカバー5に保持されるとともに、他端側でゴム板10を下方から支持する。この構成によれば、センターピース4を、ファンケーシング3及びモータカバー5に対して宙吊りした状態で、ゴム板10の弾性変形によってゴム板10とファンケーシング3の間で自由に軸方向に変位させることができる。したがって、この宙吊り構造により、振れ回り運動においてモータシャフト8に作用する遠心力を低下することができるため、モータシャフト8の振れ回り運動がファンケーシング3に対して与える振動に関して高い抑制効果を奏する。
(第2実施形態)
第2実施形態は、第1実施形態を変更する送風装置1Aの実施形態である。図3は、第2実施形態に係る送風装置1Aの構成を説明するための断面図である。図3において、紙面の上方が車両上方、下方が車両下方であり、方向Vは鉛直方向である。送風装置1Aは、第1実施形態の送風装置1に対して、支持部材である吊り下げ用部材9Aが宙吊りにする部材が相違する。特に説明しない形態、図1と同符号を付した構成要素は、第1実施形態と同様とし、以下、異なる形態を主に説明する。
図3に示すように、ファンケーシング3の底壁部及びモータカバーのフランジ部5aは、吊り下げ用部材9Aによって支持されている。吊り下げ用部材9Aの軸部9cは、ファンケーシング3の底壁部及びモータカバーのフランジ部5aを貫通する貫通孔に挿通されている。上部ストッパ9aは、最も上方に位置するファンケーシング3の底壁部に形成された貫通孔の内径よりも大きな外径であり、外周面の一部がファンケーシング3の底壁部の貫通孔の内周縁に当接して、吊り下げ用部材9Aがファンケーシング3の底壁部から脱落しないようにストッパの役目を果たしている。下部ストッパ9bは、その外径がゴム板10A、モータカバーのフランジ部5aを貫通する貫通孔の内径よりも大きく、ゴム板10Aの上に乗るフランジ部5aを脱落させないように支えるストッパの役目を果たしている。
モータカバー5及びゴム板10Aは、吊り下げ用部材9Aの下部ストッパ9bによって下方から支えられている。さらにモータカバーのフランジ部5aは、螺子19Aによってセンターピースのフランジ部4a及び下部カバーのフランジ部7aに固定されている。これにより、モータカバー5、センターピース4、及び下部カバー7は、ゴム板10Aが弾性変形することにより、モータシャフト8の軸方向に変位自在に設置される。
例えば、モータシャフト8が回転することによって、センターピース4に回転に伴う振動が伝わった場合、センターピース4の軸方向に動く運動は、上方のモータカバー5に伝わるが、ゴム板10Aの弾性変形によって、さらに上方のファンケーシング3側に作用しないで、ゴム板10Aを下方に押す力として作用するようになる。そして、センターピース4の軸方向の振動は、ゴム板10Aの軸方向の弾性変形に吸収されて減衰するので、センターピース4に伝搬したモータシャフト8の振動は、ファンケーシング3側へ伝わりにくいため、ファンケーシング3を経由して車室内等の空間に伝搬することもない。
このように、ゴム板10Aは、センターピースの一部であるフランジ部4aを間接的に支持し、さらに弾性変形することによってセンターピース4の変位を軸方向にのみ許容する第1の弾性部材として機能する。また、吊り下げ用部材9Aは、ゴム板10Aの移動を軸方向に規制するとともに、ゴム板10Aを軸方向に弾性変形可能に支持する支持部材として機能する。
第2実施形態の送風装置1Aによれば、モータカバー5、センターピース4及び下部カバー7は一体に固定される。さらに吊り下げ用部材9Aは、一端側でファンケーシング3に保持されるとともに、他端側でゴム板10Aを下方から支持する。この構成によれば、モータカバー5とともにセンターピース4を、ファンケーシング3に対して宙吊りした状態で、ゴム板10Aの弾性変形によってゴム板10Aとファンケーシング3の間で自由に軸方向に変位させることができる。したがって、この宙吊り構造により、振れ回り運動においてモータシャフト8に作用する遠心力を低下することができるため、モータシャフト8の振れ回り運動がファンケーシング3に対して与える振動に関して高い抑制効果を奏する。
(第3実施形態)
第3実施形態は、第1実施形態を変更する送風装置の実施形態である。図4は、第3実施形態に係る送風装置において、センターピース4を軸方向に変位可能とする構成を説明するための部分断面図である。図4において、紙面の上方が車両上方、下方が車両下方であり、方向Vは鉛直方向である。第3実施形態の送風装置は、第1実施形態の送風装置1に対して、支持部材である螺子9Bに支持されるコイルばね10Bに直接支持される点が相違する。特に説明しない形態、図1と同符号を付した構成要素は、第1実施形態と同様とし、以下、異なる形態を主に説明する。
図4に示すように、センターピースのフランジ部4aは、螺子9Bと第1の弾性部材であるコイルばね10Bとによって支持されている。螺子9Bは、金属製のカラー21の円筒内に挿通された状態で、ファンケーシング3の底壁部に形成されたねじ孔3bに螺着されている。さらにカラー21は、センターピースのフランジ部4aに形成された貫通孔4a1に挿通されるとともに、コイルばね10Bの内側に挿入されている。コイルばね10Bの外径は、貫通孔4a1の内径よりも大きく設定されている。
螺子9Bの雄ねじ部9B1は、ファンケーシング3のねじ孔3bに締結されて、螺子9Bがファンケーシング3から脱落しないようにストッパの役目を果たしている。螺子9Bの頭部に形成されたフランジ状のストッパ9B2は、その外径がコイルばね10Bの外径よりも大きく、コイルばね10Bの上に乗るセンターピースのフランジ部4aを脱落させないように支えるストッパの役目を果たしている。また、センターピース4が振動していない状態、すなわち、モータシャフト8が回転していない状態では、センターピース4等の自重により、センターピースのフランジ部4aとファンケーシング3の底壁部の間には、所定の間隔が設けられるようになっている。
センターピース4及びコイルばね10Bは、ストッパ9B2によって下方から支えられている。なお、モータカバーのフランジ部5aは、螺子によってファンケーシング3に固定されるものとする。これにより、センターピース4及び下部カバー7は、コイルばね10Bが軸方向に弾性変形することにより、ファンケーシング3に接触しない状態でモータシャフト8の軸方向に変位自在に設置される。
例えば、モータシャフト8が回転することによって、センターピース4に回転に伴う振動が伝わった場合、センターピース4の軸方向に動く運動は、モータカバー5には伝わるが、コイルばね10Bの軸方向の弾性変形によって、上方のファンケーシング3側に作用しないで、コイルばね10Bを下方に押す力として作用するようになる。そして、センターピース4の軸方向の振動は、コイルばね10Bの軸方向の弾性変形に吸収されて減衰するので、センターピース4に伝搬したモータシャフト8の振動は、ファンケーシング3側へ伝わりにくいため、ファンケーシング3を経由して車室内等の空間に伝搬することもない。
このように、コイルばね10Bは、センターピースの一部であるフランジ部4aを直接的に支持し、さらに弾性変形することによってセンターピース4の変位を軸方向にのみ許容する第1の弾性部材として機能する。また、螺子9Bは、コイルばね10Bの移動を鉛直下方に規制するとともに、コイルばね10Bを軸方向に弾性変形可能に支持する支持部材として機能する。
第3実施形態の送風装置によれば、螺子9Bは、一端側でファンケーシング3に固定されるとともに、他端側でコイルばね10Bを下方から支持する。この構成によれば、センターピース4を、ファンケーシング3に対して宙吊りした状態で、コイルばね10Bの弾性変形によってコイルばね10Bとファンケーシング3の間で自由に軸方向に変位させることができる。したがって、振れ回り運動においてモータシャフト8に作用する遠心力を低下することができるため、モータシャフト8の振れ回り運動がファンケーシング3に対して与える振動に関して高い抑制効果を奏する。
(第4実施形態)
第4実施形態は、第3実施形態を変更する送風装置の実施形態である。図5は、第4実施形態に係る送風装置において、センターピース4を軸方向に変位可能とする構成を説明するための部分断面図である。図5において、紙面の上方が車両上方、下方が車両下方であり、方向Vは鉛直方向である。第4実施形態の送風装置は、第3実施形態の送風装置に対して、センターピース4が振動していない状態、すなわち、モータシャフト8が回転していない状態では、センターピースのフランジ部4aとファンケーシング3の底壁部とが接触しているようになっている点が相違する。このため、第1の弾性部材であるコイルばね10Cは、第3実施形態のコイルばね10Bよりも軸方向の長さが長く設定されている。特に説明しない形態、図4と同符号を付した構成要素は、第3実施形態と同様とし、以下、異なる形態を主に説明する。
図5に示すように、螺子9Cの雄ねじ部9C1は、ファンケーシング3のねじ孔3bに締結されて、螺子9Cがファンケーシング3から脱落しないようにストッパの役目を果たしている。螺子9Cの頭部に形成されたフランジ状のストッパ9C2は、その外径がコイルばね10Cの外径よりも大きく、コイルばね10Cの上に乗るセンターピースのフランジ部4aを脱落させないように支えるストッパの役目を果たしている。センターピース4及び下部カバー7は、コイルばね10Cが軸方向に弾性変形することにより、モータシャフト8の軸方向に変位自在に設置される。
例えば、モータシャフト8が回転することによって、センターピース4に回転に伴う振動が伝わった場合、センターピース4の軸方向に動く運動は、モータカバー5には伝わるが、コイルばね10Cの軸方向の弾性変形によって、上方のファンケーシング3側に作用するよりも、コイルばね10Cを下方に押す力として作用するようになる。そして、センターピース4の軸方向の振動は、コイルばね10Cの軸方向の弾性変形に吸収されて減衰するので、センターピース4に伝搬したモータシャフト8の振動は、ファンケーシング3側へ伝わりにくいため、ファンケーシング3を経由して車室内等の空間に伝搬することもない。
このように、コイルばね10Cは、センターピースの一部であるフランジ部4aを直接的に支持し、さらに弾性変形することによってセンターピース4の変位を軸方向にのみ許容する第1の弾性部材として機能する。また、螺子9Cは、コイルばね10Cの移動を軸方向に規制するとともに、コイルばね10Cを軸方向に弾性変形可能に支持する支持部材として機能する。
(第5実施形態)
第5実施形態は、第1実施形態を変更する送風装置の実施形態である。図6は、第5実施形態に係る送風装置において、センターピース4を軸方向に変位可能とする構成を説明するための部分断面図である。図6において、紙面の上方が車両上方、下方が車両下方であり、方向Vは鉛直方向である。第5実施形態の送風装置は、第1実施形態の送風装置1に対して、支持部材である螺子9Dに支持される弾性部材10Dに直接支持される点が相違する。特に説明しない形態、図1と同符号を付した構成要素は、第1実施形態と同様とし、以下、異なる形態を主に説明する。
図6に示すように、センターピースのフランジ部4aは、螺子9Dと第1の弾性部材である環状のゴム部材10D1とによって鉛直上方に向けて支持されている。さらに、ファンケーシング3の底壁部とセンターピースのフランジ部4aとの間には、第2の弾性部材である環状のゴム部材10D2が設けられている。ゴム部材10D1とゴム部材10D2は、軸方向に延びる円筒状部によって軸方向に連結されて、一体の弾性部材10Dを構成する。
螺子9Dは、金属製のカラー21の円筒内に挿通された状態で、ファンケーシング3の底壁部に形成されたねじ孔3bに螺着されている。さらにカラー21は、センターピースのフランジ部4aに形成された貫通孔4a1に挿通されるとともに、弾性部材10Dの円筒状部の内側に挿入されている。弾性部材10Dの外径は、貫通孔4a1の内径よりも大きく設定されている。
螺子9Dの雄ねじ部9D1は、ファンケーシング3のねじ孔3bに締結されて、螺子9Dがファンケーシング3から脱落しないようにストッパの役目を果たしている。螺子9Dの頭部に形成されたフランジ状のストッパ9D2は、その外径がゴム部材10D1の外径よりも大きく、ゴム部材10D1の上に乗るセンターピースのフランジ部4aを脱落させないように支えるストッパの役目を果たしている。センターピースのフランジ部4aよりも上方のゴム部材10D2は、軸方向に弾性変形することにより、センターピース4の振動が上方のファンケーシング3に伝搬することを抑制する。なお、弾性部材10Dは、カラー21の外周面に接触させることにより、その動きが径方向と周方向に規制されることになる。
センターピース4、ゴム部材10D2、及びゴム部材10D1は、ストッパ9D2によって下方から支えられている。なお、モータカバーのフランジ部5aは、螺子によってファンケーシング3に固定されるものとする。これにより、センターピース4及び下部カバー7は、ゴム部材10D2が緩衝材となってファンケーシング3に接触しない状態で、ゴム部材10D1が軸方向に弾性変形することにより、モータシャフト8の軸方向に変位自在に設置される。
例えば、モータシャフト8が回転することによって、センターピース4に回転に伴う振動が伝わった場合、センターピース4の軸方向に動く運動は、モータカバー5には伝わるが、ゴム部材10D1の軸方向の弾性変形と、ゴム部材10D2の軸方向の緩衝作用によって、上方のファンケーシング3側に作用しないで、ゴム部材10D1を下方に押す力として作用するようになる。そして、センターピース4の鉛直下方への振動は、ゴム部材10D1及びゴム部材10D2の軸方向の弾性変形に吸収されて減衰するので、センターピース4に伝搬したモータシャフト8の振動は、ファンケーシング3側へ伝わりにくいため、ファンケーシング3を経由して車室内等の空間に伝搬することもない。
このように、ゴム部材10D1は、センターピースの一部であるフランジ部4aを直接的に支持し、さらに弾性変形することによってセンターピース4の変位を軸方向にのみ許容する第1の弾性部材として機能する。また、センターピース4は、弾性部材10Dによって挟まれるように上下方向に支持されるため、上下方向に自在に移動しうる。また、螺子9Dは、ゴム部材10D1の移動を鉛直下方に規制するとともに、ゴム部材10D1を軸方向に弾性変形可能に支持する支持部材として機能する。
第5実施形態の送風装置によれば、ゴム部材10D1は、センターピース4を下方から支持する。さらに、ファンケーシング3とセンターピース4の間には、弾性変形するゴム部材10D2が設けられる。
この構成によれば、センターピース4がファンケーシング3に直接接触することがない状態を形成できる。このため、ゴム部材10D2による振動吸収効果により、センターピース4の振動を減衰し、ファンケーシング3への伝搬することをさらに抑制することができる。
第5実施形態の送風装置によれば、螺子9Dは、一端側でファンケーシング3に固定されるとともに、他端側でゴム部材10D1を下方から支持する。この構成によれば、センターピース4を、ファンケーシング3に対して宙吊りした状態で、ゴム部材10D1の弾性変形によってゴム部材10D1とファンケーシング3の間で自由に軸方向に変位させることができる。したがって、振れ回り運動においてモータシャフト8に作用する遠心力を低下することができるため、モータシャフト8の振れ回り運動がファンケーシング3に対して与える振動に関して高い抑制効果を奏する。
(第6実施形態)
第6実施形態は、第1実施形態を変更する送風装置の実施形態である。図7は、第6実施形態に係る送風装置において、センターピース4を軸方向に変位可能とする構成を説明するための部分断面図である。図7において、紙面の上方が車両上方、下方が車両下方であり、方向Vは鉛直方向である。第6実施形態の送風装置は、第1実施形態の送風装置1に対して、支持部材である螺子9Eに支持される板ばね10Eに直接支持される点が相違する。図8は、第1の弾性部材である板ばね10Eを示す斜視図である。特に説明しない形態、図1と同符号を付した構成要素は、第1実施形態と同様とし、以下、異なる形態を主に説明する。
図7に示すように、センターピースのフランジ部4aは、螺子9Eと板ばね10Eとによって鉛直上方に向けて支持されている。さらに、ファンケーシング3の底壁部とセンターピースのフランジ部4aとの間には、第2の弾性部材である緩衝部材22が設けられている。
螺子9Eは、金属製のカラー21の円筒内に挿通された状態で、ファンケーシング3の底壁部に形成されたねじ孔3bに螺着されている。さらにカラー21は、センターピースのフランジ部4aに形成された貫通孔4a1及び緩衝部材22に形成された貫通孔に挿通されるとともに、板ばね10Eの円筒状部の内側に挿入されている。板ばね10Eは、図8に示すように、円環状の基台部10E2と、基台部10E2の周方向の所定位置に複数個形成される切り起こし部10E1とから構成される。切り起こし部10E1は、根元部を中心に上下に撓むことにより軸方向に弾性変形可能に構成されている。板ばね10Eは、螺子9Eに支持された状態で、切り起こし部10E1が、螺子9Eの頭部に形成されたフランジ状のストッパ9E2に、当接するようになっている。
螺子9Eの雄ねじ部9E1は、ファンケーシング3のねじ孔3bに締結されて、螺子9Eがファンケーシング3から脱落しないようにストッパの役目を果たしている。螺子9Eのストッパ9E2は、複数個の切り起こし部10E1を円環状に結んだ仮想円の外径よりも大きく、板ばね10Eの上に乗るセンターピースのフランジ部4aを脱落させないように支えるストッパの役目を果たしている。センターピースのフランジ部4aよりも上方の緩衝部材22は、軸方向に弾性変形することにより、センターピース4の振動がファンケーシング3へ作用する際の衝撃を緩和し、センターピース4の振動が上方のファンケーシング3に伝搬することを抑制する。
センターピース4、板ばね10E、及び緩衝部材22は、ストッパ9E2によって下方から支えられている。なお、モータカバーのフランジ部5aは、螺子によってファンケーシング3に固定されるものとする。これにより、センターピース4及び下部カバー7は、緩衝部材22が緩衝材となってファンケーシング3に接触しない状態で、板ばね10Eが軸方向に弾性変形することにより、モータシャフト8の軸方向に変位自在に設置される。
例えば、モータシャフト8が回転することによって、センターピース4に回転に伴う振動が伝わった場合、センターピース4の軸方向に動く運動は、モータカバー5には伝わるが、板ばね10Eの軸方向の弾性変形と、緩衝部材22の軸方向の緩衝作用によって、上方のファンケーシング3側に作用しないで、ゴム部材10D1を下方に押す力として作用するようになる。そして、センターピース4の鉛直下方への振動は、板ばね10E及び緩衝部材22の軸方向の弾性変形に吸収されて減衰するので、センターピース4に伝搬したモータシャフト8の振動は、ファンケーシング3側へ伝わりにくいため、ファンケーシング3を経由して車室内等の空間に伝搬することもない。
このように、板ばね10Eは、センターピースの一部であるフランジ部4aを直接的に支持し、さらに弾性変形することによってセンターピース4の変位を軸方向にのみ許容する第1の弾性部材として機能する。また、センターピース4は、板ばね10Eと緩衝部材22とによって挟まれるように上下方向に支持されるため、上下方向に自在に移動しうる。また、螺子9Eは、板ばね10Eの移動を鉛直下方に規制するとともに、板ばね10Eを軸方向に弾性変形可能に支持する支持部材として機能する。
第6実施形態の送風装置によれば、板ばね10Eは、センターピース4を下方から支持する。さらに、ファンケーシング3とセンターピース4の間には、弾性変形する緩衝部材22が設けられる。
この構成によれば、センターピース4がファンケーシング3に直接接触することがない状態を形成できる。このため、緩衝部材22による振動吸収効果により、センターピース4の振動を減衰し、ファンケーシング3への伝搬することをさらに抑制することができる。
第6実施形態の送風装置によれば、螺子9Eは、一端側でファンケーシング3に固定されるとともに、他端側で板ばね10Eを下方から支持する。この構成によれば、センターピース4を、ファンケーシング3に対して宙吊りした状態で、板ばね10Eの弾性変形によって板ばね10Eとファンケーシング3の間で自由に軸方向に変位させることができる。したがって、振れ回り運動においてモータシャフト8に作用する遠心力を低下することができるため、モータシャフト8の振れ回り運動がファンケーシング3に対して与える振動に関して高い抑制効果を奏する。
(第7実施形態)
第7実施形態は、第1実施形態を変更する送風装置の実施形態である。図9は、第7実施形態に係る送風装置において、センターピース4を軸方向に変位可能とする構成を説明するための部分断面図である。図9において、紙面の上方が車両上方、下方が車両下方であり、方向Vは鉛直方向である。第7実施形態の送風装置は、第1実施形態の送風装置1に対して、支持部材である螺子9Fに支持される弾性部材10Fに直接支持される点が相違する。特に説明しない形態、図1と同符号を付した構成要素は、第1実施形態と同様とし、以下、異なる形態を主に説明する。
図9に示すように、センターピースのフランジ部4aは、螺子9Fと第1の弾性部材である環状のゴム部材10F1とによって鉛直上方に向けて支持されている。さらに、ファンケーシング3の底壁部とセンターピースのフランジ部4aとの間には、第2の弾性部材である環状のゴム部材10F2が設けられている。ゴム部材10F1とゴム部材10F2は、別体の部品であるがともに軸方向にのみ弾性変形して弾性部材10Fを構成する。
螺子9Fは、金属製のカラー21の円筒内に挿通された状態で、ファンケーシング3の底壁部に形成されたねじ孔3bに螺着されている。さらにカラー21は、センターピースのフランジ部4aに形成された貫通孔4a1に挿通されるとともに、ゴム部材10F1及びゴム部材10F2の内側に挿入されている。ゴム部材10F1及びゴム部材10F2の外径は、貫通孔4a1の内径よりも大きく設定されている。
螺子9Fの雄ねじ部9F1は、ファンケーシング3のねじ孔3bに締結されて、螺子9Fがファンケーシング3から脱落しないようにストッパの役目を果たしている。螺子9Fの頭部に形成されたフランジ状のストッパ9F2は、その外径がゴム部材10F1の外径よりも大きく、ゴム部材10F1の上に乗るセンターピースのフランジ部4aを脱落させないように支えるストッパの役目を果たしている。センターピースのフランジ部4aよりも上方のゴム部材10F2は、軸方向に弾性変形することにより、センターピース4の振動がファンケーシング3へ作用する際の衝撃を緩和し、センターピース4の振動が上方のファンケーシング3に伝搬することを抑制する。なお、弾性部材10Fは、カラー21の外周面に接触させることにより、その動きが径方向と周方向に規制されることになる。
センターピース4、ゴム部材10F2、及びゴム部材10F1は、ストッパ9F2によって下方から支えられている。なお、モータカバーのフランジ部5aは、螺子によってファンケーシング3に固定されるものとする。これにより、センターピース4及び下部カバー7は、ゴム部材10F2が緩衝材となってファンケーシング3に接触しない状態で、ゴム部材10F1が軸方向に弾性変形することにより、モータシャフト8の軸方向に変位自在に設置される。
例えば、モータシャフト8が回転することによって、センターピース4に回転に伴う振動が伝わった場合、センターピース4の軸方向に動く運動は、モータカバー5には伝わるが、ゴム部材10F1の軸方向の弾性変形と、ゴム部材10F2の軸方向の緩衝作用によって、上方のファンケーシング3側に作用しないで、ゴム部材10F1を下方に押す力として作用するようになる。そして、センターピース4の鉛直下方への振動は、ゴム部材10F1及びゴム部材10F2の軸方向の弾性変形に吸収されて減衰するので、センターピース4に伝搬したモータシャフト8の振動は、ファンケーシング3側へ伝わりにくいため、ファンケーシング3を経由して車室内等の空間に伝搬することもない。
このように、ゴム部材10F1は、センターピースの一部であるフランジ部4aを直接的に支持し、さらに弾性変形することによってセンターピース4の変位を軸方向にのみ許容する第1の弾性部材として機能する。また、センターピース4は、ゴム部材10F2とゴム部材10F1とによって挟まれるように上下方向に支持されるため、上下方向に自在に移動しうる。また、螺子9Fは、ゴム部材10F1の移動を鉛直下方に規制するとともに、ゴム部材10F1を軸方向に弾性変形可能に支持する支持部材として機能する。
第7実施形態の送風装置によれば、ゴム部材10F1は、センターピース4を下方から支持する。さらに、ファンケーシング3とセンターピース4の間には、弾性変形するゴム部材10F2が設けられる。
この構成によれば、センターピース4がファンケーシング3に直接接触することがない状態を形成できる。このため、ゴム部材10F2による振動吸収効果により、センターピース4の振動を減衰し、ファンケーシング3への伝搬することをさらに抑制することができる。
第7実施形態の送風装置によれば、螺子9Fは、一端側でファンケーシング3に固定されるとともに、他端側でゴム部材10F1を下方から支持する。この構成によれば、センターピース4を、ファンケーシング3に対して宙吊りした状態で、ゴム部材10F1の弾性変形によってゴム部材10F1とファンケーシング3の間で自由に軸方向に変位させることができる。したがって、振れ回り運動においてモータシャフト8に作用する遠心力を低下することができるため、モータシャフト8の振れ回り運動がファンケーシング3に対して与える振動に関して高い抑制効果を奏する。
(第8実施形態)
第8実施形態は、第1実施形態を変更する送風装置の実施形態である。図10は、第9実施形態のセンターピース4Aの構成を説明するための断面図である。図10において、紙面の上方が車両上方、下方が車両下方であり、方向Vは鉛直方向である。第8実施形態のセンターピース4Aは、第1実施形態のセンターピース4に対して、部分的に薄肉部4aa1が形成されている点が相違する。特に説明しない形態、図1と同符号を付した構成要素は、第1実施形態と同様とし、以下、異なる形態を主に説明する。
図10に示すように、センターピース4Aは、フランジ部4aaにおいて、他の部分よりも厚さ方向の寸法が小さい薄肉部4aa1を複数個備えている。
フランジ部4aaの薄肉部4aa1が形成される部分は、フランジ部4aaにおいて部分的に強度の弱い部分であるので、センターピース4A自身の剛性が低下する。この構成によれば、モータシャフト8とセンターピース4Aの一体構造部分が傾きやすくなり、振れ回り運動においてモータシャフト8に作用する遠心力をさらに低下する効果が得られる。したがって、遠心力の低下により、モータシャフト8の傾きを制御しやすくし、センターピース4Aからファンケーシング3側への振動伝搬を抑制することに貢献できる。
(第9実施形態)
第9実施形態は、第1実施形態を変更する送風装置の実施形態である。図11は、第9実施形態において、ベアリング12,13を支持する構造を説明するための部分断面図である。図11において、紙面の上方が車両上方、下方が車両下方であり、方向Vは鉛直方向である。特に説明しない形態、図1と同符号を付した構成要素は、第1実施形態と同様とし、以下、異なる形態を主に説明する。
図11に示すように、第9実施形態に送風装置は、上部ベアリング12の外周面とベアリングホルダ12aの間に配されたOリング23、及び下部ベアリング13の外周面とベアリングホルダ13aの間に配されたOリング23の少なくとも一方を備える。
この構成によれば、ベアリングの外周面とベアリングホルダの間にOリングが配されることにより、ベアリングの支持を弾性力を用いて行い、ベアリングを径方向にも動きやすくすることができる。これにより、回転軸部を径方向に傾きやすくして、振れ回り運動において回転軸部に作用する遠心力をさらに低下する効果が得られる。したがって、遠心力の低下により、回転軸部の傾きを制御しやすく、センターピースからファンケーシング側に伝搬する振動をさらに抑制することができる。
また、第9実施形態によれば、センターピース4とモータシャフト8との間に防振構造を備えることにより、モータシャフト8からセンターピース4に伝わる振動を緩和することができる。このため、センターピース4自身の振動を抑制できるので、ファンケーシング3への振動伝搬を小さくすることができ、ファンケーシング3への振動伝搬をさらに確実に抑制することができる。
(第10実施形態)
第10実施形態は、第1実施形態を変更する送風装置の実施形態である。図12は、第10実施形態のセンターピース4Bの構成を説明するための断面図である。図12において、紙面の上方が車両上方、下方が車両下方であり、方向Vは鉛直方向である。特に説明しない形態、図1と同符号を付した構成要素は、第1実施形態と同様とし、以下、異なる形態を主に説明する。
図12に示すように、第10実施形態に送風装置において、ベアリングホルダ12a,13aは、軸方向の一方側部分においてセンターピース4Bに支持される構成である。すなわち、センターピース4Bに対してベアリングホルダ12a及びベアリングホルダ13aが圧入される部分は、軸方向の一方側部分のみであり、センターピース4Bの圧入部4b1の軸方向長さは、ベアリングホルダ12aの軸方向長さに比べて短くなっている。同様に、センターピース4Bの圧入部4b2の軸方向長さは、ベアリングホルダ13aの軸方向長さに比べて短くなっている。したがって、ベアリングホルダ12a及びベアリングホルダ13aは、センターピース4Bによって軸方向に一方側で片持ち支持されることになる。この構成により、第10実施形態の送風装置は、センターピース4とモータシャフト8との間に防振構造を備えることになる。
また、図13は、従来品に対する第8実施形態〜第10実施形態の振動低減効果を示す実験結果である。従来品は、第1実施形態の支持部材、第1の弾性部材を備えず、モータカバー、センターピース、及び下部カバーを螺子等により一体に固定した構造を有し、センターピースを軸方向に変位可能に支持しない送風装置である。図13において、実線Aは第8実施形態、第9実施形態及び第10実施形態を合わせた送風装置について、回転数に対する振動値の実験結果を示したものであり、実線Bは第8実施形態及び第10実施形態を合わせた送風装置について、回転数に対する振動値の実験結果を示したものであり、実線Cは第8実施形態の送風装置について、回転数に対する振動値の実験結果を示したものである。一点鎖線は従来品の送風装置について、回転数に対する振動値の実験結果を示したものである。振動値は、ファンケーシングの底壁部に設置した加速度センサによって測定した値である。
図13に示すように、送風装置のモータの使用回転数範囲において、実施形態に関わる各実験結果によれば、特に高回転域で振動低減が顕著となることがわかる。特に、実線A,B,Cの順に、振動値のピークが低くなることが確認できた。
第10実施形態の送風装置によれば、ベアリングホルダ12a,13aが首振されやすい構造となるため、モータシャフト8が傾きやすくなり、振れ回り運動においてモータシャフト8に作用する遠心力をさらに低下する効果が得られる。したがって、遠心力の低下により、モータシャフト8の傾きを制御しやすくし、センターピース4Bからファンケーシング3側に伝搬する振動をさらに抑制することができる。
(第11実施形態)
第11実施形態は、第1の弾性部材の軸方向の弾性変形量を制限する変形量制限手段について、図14〜図18を参照して説明する。図14〜図17において、紙面の上方が車両上方、下方が車両下方であり、方向Vは鉛直方向である。第11実施形態の送風装置は、第5〜第7実施形態と同様に、第1の弾性部材及び第2の弾性部材を備えている。また、上記の各実施形態の送風装置も、第11実施形態と同様の構成、作用を有する第1の弾性部材が含まれているため、以下に説明する第11実施形態と同様の変形量制限手段を備えている。第11実施形態において、特に説明しない形態、作用効果、同符号を付した構成要素は、第1実施形態と同様とし、以下、異なる形態について主に説明する。なお、上記の各実施形態に記載した弾性部材も、以下に説明する第11実施形態と同様の変形量制限機能を有するものである。
図14に示すように、センターピースのフランジ部4aは、螺子9Gと第1の弾性部材であるコイルばね10G1とによって鉛直上方に向けて支持されている。さらに、ファンケーシング3の底壁部とセンターピースのフランジ部4aとの間には、第2の弾性部材であるコイルばね10G2が設けられている。コイルばね10G1とコイルばね10G2は、別体の部品であるがともに軸方向にのみ弾性変形して弾性部材10Gを構成する。
螺子9Gは、金属製のカラー21の円筒内に挿通された状態で、ファンケーシング3の底壁部に形成されたねじ孔3bに螺着されている。さらにカラー21は、センターピースのフランジ部4aに形成された貫通孔4a1に挿通されるとともに、コイルばね10G1及びコイルばね10G2の内側に挿入されている。コイルばね10G1及びコイルばね10G2の外径は、貫通孔4a1の内径よりも大きく設定されている。
螺子9Gの雄ねじ部9G1は、ねじ孔3bに締結されて、螺子9Gがファンケーシング3から脱落しないようにストッパの役目を果たしている。螺子9Gの頭部に形成されたフランジ状のストッパ9G2は、その外径がコイルばね10G1の外径よりも大きく、コイルばね10G1の上に乗るセンターピースのフランジ部4aを脱落させないように支えるストッパの役目を果たしている。センターピースのフランジ部4aよりも上方のコイルばね10G2は、軸方向に弾性変形することにより、センターピース4の振動がファンケーシング3へ作用する際の衝撃を緩和し、センターピース4の振動が上方のファンケーシング3に伝搬することを抑制する。なお、弾性部材10Gは、カラー21の外周面に接触させることにより、その動きが径方向と周方向に規制されることになる。
センターピース4、コイルばね10G1、及びコイルばね10G2は、ストッパ9G2によって下方から支えられている。なお、モータカバーのフランジ部5aは、螺子によってファンケーシング3に固定されるものとする。これにより、センターピース4及び下部カバー7は、コイルばね10G2が緩衝材となってファンケーシング3に接触しない状態で、コイルばね10G1が軸方向に弾性変形することにより、モータシャフト8の軸方向に変位自在に設置される。
例えば、モータシャフト8が回転することによって、センターピース4に回転に伴う振動が伝わった場合、センターピース4の軸方向に動く運動は、モータカバー5には伝わるが、コイルばね10G1の軸方向の弾性変形と、コイルばね10G2の軸方向の緩衝作用によって、上方のファンケーシング3側に作用しないで、コイルばね10G1を下方に押す力として作用するようになる。そして、センターピース4の鉛直下方への振動は、コイルばね10G1及びコイルばね10G2の軸方向の弾性変形に吸収されて減衰するので、センターピース4に伝搬したモータシャフト8の振動は、ファンケーシング3側へ伝わりにくいため、ファンケーシング3を経由して車室内等の空間に伝搬することもない。
このように、コイルばね10G1は、センターピースの一部であるフランジ部4aを直接的に支持し、さらに弾性変形することによってセンターピース4の変位を軸方向にのみ許容する第1の弾性部材として機能する。
さらに、コイルばね10G1は、図15に最大変形量状態になることにより、フランジ部4aをこれ以上、下方に移動させないため、センターピース4の鉛直下方への変位量を制限する変形量制限手段を有する。また、コイルばね10G2は、コイルばね10G2の最大変形量状態と同様にそのコイル長さ(軸方向長さ)が最も小さい状態になることにより、フランジ部4aをこれ以上、上方に移動させないため、センターピース4の鉛直上方への変位量を制限する。
また、センターピース4は、コイルばね10G2とコイルばね10G1とによって挟まれるように上下方向に支持されるため、上下方向に自在に移動しうるとともに、その移動範囲に制限を受ける。また、螺子Gは、コイルばね10G1の移動を鉛直下方に規制するとともに、コイルばね10G1を軸方向に弾性変形可能に支持する支持部材として機能する。
コイルばね10G1に振動荷重が作用していない状態、すなわち、送風装置を起動しないで組み立てた状態(以下、初期状態ともいう)では、センターピースのフランジ部4aとストッパ9G2との距離、換言すれば、コイルばね10G1の軸方向長さ(コイル長さ)は、L1であり(図14参照)、ファン2の外周縁端部とファンケーシング3の吸込口3aの周縁部との隙間寸法はD1である(図16参照)。そして、送風装置に振動荷重等が発生し、コイルばね10G1が最大変形量に達する状態になると、センターピースのフランジ部4aとストッパ9G2との距離、あるいはコイルばね10G1の軸方向長さは、L2にある(図15参照)。図14の状態から図15の状態に変化することで、センターピースのフランジ部4aの鉛直下方への最大変位量は、d2である(図15及び図17参照)。すなわち、送風装置に大きな振動負荷が働いたとしてもコイルばね10G1はこれ以上軸方向に縮まないため、センターピースのフランジ部4aは、図15の状態や図17の二点鎖線で示す状態よりも鉛直下方に変位することはない。このd2は、L1からL2を減算した値(=L1−L2)であり、例えばコイルばねにおいては、巻線数とコイル線径の乗算値に相当する長さである。
コイルばね10G1が最大変形量に達する状態では、図17に二点鎖線で図示するように、ファン2の初期状態からの変位量はd3となり、ファン2の外周縁端部と吸込口3aの周縁部との隙間は最大接近するが、ゼロにはならない。すなわち、送風装置は、コイルばね10G1がこれよりも変形しない最大変形状態になっても、ファン2の外周縁端部と吸込口3aの周縁部とが接触しないように製作されている。また、このd3は、フランジ部4aの鉛直下方への最大変位量のd2に比例する値である(例えば、d3=k・d2)。したがって、ファン2の外周縁端部と吸込口3aの周縁部との最小隙間(図17の二点鎖線で図示する状態の隙間)は、ファン2の最大変位量d3やk・d2よりも大きくなるように設定されている。このような寸法設定により、ファン2の外周縁端部とファンケーシング3とは、振動荷重が作用しても接触しない関係にある。
さらに、コイルばね10G1やコイルばね10G2は、図18のグラフに示すばね長さと荷重との関係を有するという特性がある。この特性により、初期状態(図の無振動状態)からセンターピースのフランジ部4aの最大変位状態までの実使用範囲において、最大変位状態に接近するにつれて、荷重増加量に対するばね長さの変化量が小さくなる。すなわち、初期状態付近では、荷重増加に対して比例的にばね長さが短くなっていくが、最大変位状態付近では、ばね長さを短くするために大きな荷重を必要とする。したがって、最大変位状態付近では、じわじわと少しずつ最大変位状態に接近していくので、最大変位状態になったときに発生する衝撃音等の騒音を抑制することができる。
第11実施形態の送風装置がもたらす作用効果について述べる。送風装置は、上記のコイルばね10G1を採用することにより、第1の弾性部材の軸方向の弾性変形量を制限する変形量制限手段を有する。
送風装置では、共振点の回転数を下げるために、弾性部材のばね定数を小さくする必要がある。このため、送風装置に振動荷重が作用した場合には、初期状態に対して弾性部材の変位量が大きく、ファンの変位量も大きくなる。また、送風装置の特性を優位なものにするために、ファンケーシング3とファン2との隙間寸法を小さくする方が好ましい。しかしながら、両者の隙間寸法を小さくすると、振動荷重の作用によりファンケーシング3とファン2が接触し、異音の発生や、部材の損傷につながるという問題がある。
そこで、第10実施形態の送風装置によれば、コイルばね10G1の変形量制限機能によって、コイルばね10G1軸方向の弾性変形量が制限されることに伴い、センターピース4の軸方向の変位量を制限することができる。これにより、ファン2やファンケーシング3に伝搬する軸方向の変位量を抑制できるので、ファン2とファンケーシング3との間の隙間寸法を小さく設定した場合でも、ファン2とファンケーシング3の干渉を回避することができる。したがって、送風装置の特性の向上と、異音発生や破損の防止とを両立できる送風装置を提供できるのである。
また、弾性部材としてコイルばねを用いる場合は、ばね線径、巻線数の寸法交差が小さいため、フランジ部4aの最大変位量d2を微小な値に設定することに対応可能な送風装置を提供できる。
(第12実施形態)
第12実施形態は、変形量制限手段を支持部材、ファンケーシングに一体に設ける送風装置について、図19を参照して説明する。図19において、紙面の上方が車両上方、下方が車両下方であり、方向Vは鉛直方向である。第12実施形態の送風装置は、第11実施形態の送風装置に対して、変形阻止部材30、変形阻止部材31を備えたものである。また、第12実施形態において、特に説明しない形態、作用効果、同符号を付した構成要素は、第11実施形態と同様とし、以下、異なる形態について主に説明する。
図19に示すように、変形阻止部材30は、センターピースのフランジ部4aに対向するように、ストッパ9H2に一体に設けられている。初期状態では、変形阻止部材30の上面とフランジ部4aの下面との距離は、d2に設定されている。変形阻止部材30の鉛直方向の高さ寸法は、L2に設定されている。また、初期状態では、ストッパ9H2の上面とフランジ部4aの下面との距離は、L1に設定されている。したがって、変形阻止部材30の上面とフランジ部4aの下面とが接触した状態が、コイルばね10H1の最大変形状態であり、フランジ部4aの鉛直下方への最大変位量はd2となる。また、変形阻止部材30とストッパ9H2は、同一素材で構成され一体成形等により同時に形成されるものでもよいし、異なる素材で構成され、接着、組み立て等により一体に形成されるものでもよい。
変形阻止部材31も、他の部材との位置関係が変形阻止部材30と同様になるように設けられている。具体的には、変形阻止部材31は、フランジ部4aに対向するようにファンケーシングの底壁部に一体に設けられている。初期状態では、変形阻止部材31の下面とフランジ部4aの上面との距離は、d2に設定されている。変形阻止部材31の鉛直方向の高さ寸法は、L2に設定されている。また、初期状態では、ストッパ9H2の上面とフランジ部4aの下面との距離は、L1に設定されている。したがって、変形阻止部材31の下面とフランジ部4aの上面とが接触した状態が、コイルばね10H2の最大変形状態であり、フランジ部4aの鉛直上方への最大変位量はd2となる。また、変形阻止部材31とファンケーシング3は、同一素材で構成され一体成形等により同時に形成されるものでもよいし、異なる素材で構成され、接着、組み立て等により一体に形成されるものでもよい。
なお、螺子9G、雄ねじ部9G1、弾性部材10G、コイルばね10G1、コイルばね10G1は、それぞれ、第11実施形態の螺子9G、雄ねじ部9G1、弾性部材10G、コイルばね10G1、コイルばね10G1に対応する構成である。
第12実施形態の送風装置がもたらす作用効果について述べる。送風装置の変形量制限手段は、支持部材である螺子9H及びファンケーシング3の少なくとも一方に一体に設けられる部材であり、第1の弾性部材や第2の弾性部材の軸方向の弾性変形を阻止する。
この構成によれば、センターピースのフランジ部4aの軸方向の変位量を制限する機構を、螺子9Hやファンケーシング3に設けることができる。これにより、センターピース4の軸方向の変位量を螺子9Hやファンケーシング3を基準に設定する構造を提供できる。また、変形量制限手段は螺子9Hやファンケーシング3と一体品であるため、弾性部材の最大変位量について寸法精度を確保しやすい。
(第13実施形態)
第13実施形態は、第11実施形態とは異なる他の形態について、図20を参照して説明する。図20において、紙面の上方が車両上方、下方が車両下方であり、方向Vは鉛直方向である。第13実施形態の送風装置は、第11実施形態の送風装置に対して、弾性部材10Iを環状のゴム部材10I1とゴム部材10I2とで構成した点が相違する。ゴム部材10I1及びゴム部材10I2のそれぞれは、軸方向の弾性変形量が所定量以下である特徴を備えている。したがって、ゴム部材10I1、ゴム部材10I2は、変形量制限手段を有している。また、第13実施形態において、特に説明しない形態、作用効果、同符号を付した構成要素は、第11実施形態と同様とし、以下、異なる形態について主に説明する。
図20に示すように、ゴム部材10I1は、平板リング状の環状盤部10I1aと、平板リング状の環状盤部10I1bと、上下方向に延びて、環状盤部10I1aと環状盤部10I1bとを連結する連結部10I1cと、を一体に備える。連結部10I1cは、弾性変形する部分であり、連結部10I1cの弾性変形に伴って、環状盤部10I1aと環状盤部10I1bとの軸方向距離は変化する。ゴム部材10I1は、初期状態において、環状盤部10I1aの上端から環状盤部10I1bの下端に至る軸方向長さ寸法(高さ寸法)がL1に設定される状態で設けられている。さらに、初期状態において、環状盤部10I1aの下端と環状盤部10I1bの上端とは、軸方向に寸法d2離間した状態で設けられている。したがって、環状盤部10I1aの下面と環状盤部10I1bの上面とが接触した状態が、ゴム部材10I1の最大変形状態であり、フランジ部4aの鉛直下方への最大変位量はd2となる。
同様に、ゴム部材10I2は、平板リング状の環状盤部10I2aと、平板リング状の環状盤部10I2bと、上下方向に延びて、環状盤部10I2aと環状盤部10I2bとを連結する連結部10I2cと、を一体に備える。連結部10I2cは、弾性変形する部分であり、連結部10I2cの弾性変形に伴って、環状盤部10I2aと環状盤部10I2bとの軸方向距離は変化する。ゴム部材10I2は、初期状態において、環状盤部10I2aの上端から環状盤部10I2bの下端に至る軸方向長さ寸法(高さ寸法)がL1に設定される状態で設けられている。さらに、初期状態において、環状盤部10I2aの下端と環状盤部10I2bの上端とは、軸方向に寸法d2離間した状態で設けられている。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
上記各実施形態において送風装置が搭載するファンは、シロッコファンとして図示されているが、本発明はこのような形態のファンに限定するものではない。例えば、送風装置が搭載するファンは、軸流式のファンであるプロペラファン、ターボファン、斜流式のファン等であってもよい。
上記の第3、第4、第11、第12実施形態において、第1の弾性部材であるコイルばね10B,10C,10G,10Gによって軸方向に変位可能に直接支持される要素は、センターピースのフランジ部4aであるが、センターピースのフランジ部4aの代わりにモータカバーのフランジ部5aを直接支持する形態でもよい。この場合には、センターピース4はモータカバー5に固定される形態とする。
上記の第5、第13実施形態において、第1の弾性部材であるゴム部材10D1,10I1によって軸方向に変位可能に直接支持される要素は、センターピースのフランジ部4aであるが、センターピースのフランジ部4aの代わりにモータカバーのフランジ部5aを直接支持する形態でもよい。この場合には、センターピース4はモータカバー5に固定される形態とする。
上記の第6実施形態において、第1の弾性部材である板ばね10Eによって軸方向に変位可能に直接支持される要素は、センターピースのフランジ部4aであるが、センターピースのフランジ部4aの代わりにモータカバーのフランジ部5aを直接支持する形態でもよい。この場合には、センターピース4はモータカバー5に固定される形態とする。
上記の第7実施形態において、第1の弾性部材であるゴム部材10F1によって軸方向に変位可能に直接支持される要素は、センターピースのフランジ部4aであるが、センターピースのフランジ部4aの代わりにモータカバーのフランジ部5aを直接支持する形態でもよい。この場合には、センターピース4はモータカバー5に固定される形態とする。
上記の第11〜第13の各実施形態において、センターピースのフランジ部4aとファンケーシング3の底壁部との間に配される第2の弾性部材は、変形量制限手段を備えない構成であってもよいし、また変形量制限手段によって軸方向の弾性変形量が制限されない構成でもよい。