JP2013127028A - 塗料用樹脂組成物及び塗料 - Google Patents

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Abstract

【課題】
ポットライフが適度に長く、厳しい条件でもワレなどの発生のない表面硬度に優れた塗膜を常温でも形成可能な塗料用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】
加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサン(A)及びエポキシ樹脂(B)を含む主剤成分(I)並びにアミノシランを含むアミン硬化剤成分(II)を含む多液型組成物であって、オルガノポリシロキサン(A)が、R SiX (式1)(Rは非置換又は置換の同一又は異なって1価の炭化水素基であり、Xは炭素数1〜5のアルコキシ基)で表されるモノアルコキシシラン(a1)を5〜50モル%、及びR2 SiX2 (式2)(Rは非置換又は置換の同一又は異なって1価の炭化水素基であり、Xは炭素数1〜5のアルコキシ基)で表されるトリアルコキシシラン(a2)を50〜95モル%含むオルガノシラン成分を構成成分とすることを特徴とする塗料用樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

ポットライフが適度に長く、厳しい条件でもワレなどの発生のない表面硬度に優れた塗膜を常温でも形成可能な塗料用樹脂組成物及び塗料に関する。
近年、塗料分野では、表面硬度、耐熱性、耐候性、耐薬品性等に優れた硬化塗膜を形成するとして、基本骨格にシロキサン結合を持つオルガノポリシロキサンを含む組成物が用いられている。
一般にオルガノポリシロキサン組成物では、表面硬度の高い塗膜を形成できるものであるがその一方で、形成塗膜の耐ワレ性、耐収縮性などの性能に劣り、これらを両立することが求められている。
例えば特許文献1には、特定の液状オルガノポリシロキサン系無機樹脂と、特定の固形オルガノポリシロキサン系無機樹脂を用いることにより、耐クラック性、耐汚染性等に優れた塗膜を常温でも形成することができることが記載されている。
また、特許文献2には、加水分解性アルコキシシリル基とシロキサン結合の繰り返し単位を同じか又は異なる分子内に有する硬化性樹脂組成物が開示されており、該組成物は常温硬化性を有し、表面硬度や耐候性、耐クラック性等に優れた塗膜を形成できることが記載されている。
ところで、エポキシ樹脂は付着性に優れた塗膜を形成できるために塗料分野等で広く使用されているものであり、また、このことから付着性と表面硬度に優れた塗膜を形成すべく、エポキシ樹脂とオルガノポリシロキサンを併用し、アミノシラン硬化剤で硬化可能な2液型の塗料組成物もよく知られている。
例えば特許文献3には、アルコキシ基含有オルガノポリシロキサン、一分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、一分子中に1個のエポキシ基を有するエポキシ基含有化合物、シランカップリング剤を含む二液型塗料が開示されている。
また、特許文献4にはエポキシ樹脂、ポリシロキサン、顔料/又は骨材成分、添加剤、溶剤を含む組成物と、アミノシラン硬化剤、触媒又は促進剤を含む組成物からなる2パッケージのエポキシ-ポリシロキサンポリマー組成物が開示されている。
しかしながら特許文献1及び2記載の組成物では、形成される塗膜の耐ワレ性が必ずしも十分満足できるものではなく、特許文献3及び4に記載の組成物では2液混合後塗液の表面が皮張りしてしまい塗装作業性が低下する、いわゆるポットライフが短いケースがあった。
特開2002−322419号公報 特開2003−12804号公報 特開2005−307107号公報 WO1998/032792号国際公開パンフレット
本発明の目的は、ポットライフが適度に長く、厳しい条件でもワレなどの発生のない表面硬度に優れた塗膜を常温でも形成可能な塗料用樹脂組成物及び塗料を提案することにある。
本発明者らは、上記した課題について鋭意検討した結果、エポキシ樹脂、アミン硬化剤に組み合わせるオルガノポリシロキサンとして、
特定のモノマー組成のオルガノシラン化合物を構成成分とする加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサンを用いることにより得られる組成物がポットライフが長く、耐ワレ性、表面硬度に優れた塗膜を形成できることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、
1. 加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサン(A)及びエポキシ樹脂(B)を含む主剤成分(I)並びにアミノシランを含むアミン硬化剤成分(II)を含む多液型組成物であって、
加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサン(A)が、
SiX(式1)
(式(1)中、Rは非置換又は置換の同一又は異なって1価の炭化水素基であり、Xは同一又は異なって炭素数1〜5のアルコキシ基)で表されるモノアルコキシシラン(a1)及び
2 SiX2 (式2)
(式(2)中、Rは非置換又は置換の同一又は異なって1価の炭化水素基であり、Xは同一又は異なって炭素数1〜5のアルコキシ基)で表されるトリアルコキシシラン(a2)を含むオルガノシラン成分を構成成分とするものであり、オルガノポリシロキサン(A)の製造に使用される全オルガノシラン成分中のモノアルコキシシラン(a1)が5〜50モル%、トリアルコキシシラン(a2)が50〜95モル%の範囲内にあることを特徴とする塗料用樹脂組成物、
2. オルガノポリシロキサン(A)の製造に使用されるオルガノシラン成分が、炭素数2〜5のアルコキシ基を有するオルガノシランを該オルガノシラン成分中80モル%以下含む1項に記載の塗料用樹脂組成物、
3.オルガノポリシロキサン(A)の重量平均分子量が500〜30000の範囲内にある1項または2項記載の塗料用樹脂組成物、
4. オルガノポリシロキサン(A)及びエポキシ樹脂(B)の使用割合が、(A)/(B)固形分質量比で50/50〜95/5の範囲内にある1項ないし3項のいずれか1項記載の塗料用樹脂組成物、
5. オルガノポリシロキサン(A)以外であって、アリール基を有する加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサン(C)をさらに含む1項ないし4項のいずれか1項に記載の塗料用樹脂組成物、
6. オルガノポリシロキサン(C)の含有量が、(A)及び(B)合計質量を基準として50質量%以下にある5項に記載の塗料用樹脂組成物、
7. アクリル樹脂(D)をさらに含む1項ないし6項のいずれか1項に記載の塗料用樹脂組成物、
8. 1項ないし7項のいずれか1項に記載の塗料用樹脂組成物を含む塗料、
9. 被塗面に8項に記載の塗料を塗装する塗装方法、
に関する。
本発明で用いられるオルガノポリシロキサンは適度に可塑性を有し、エポキシ樹脂とアミン硬化剤との相溶性にも優れているので、これらを含む本発明の塗料用樹脂組成物を用いて形成される塗膜は耐ワレ性と表面硬度に共に優れている。また、本発明の塗料用樹脂組成物はポットライフも適度に長く、塗料にしたときの塗装作業性にも優れている。
本発明の塗料用樹脂組成物は、加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサン(A)及びエポキシ樹脂(B)を含む主剤成分(I)並びにアミノシランを含むアミン硬化剤成分(II)を含む多液型組成物である。
以下順に説明する。
<加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサン(A)>
本発明において、加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、
SiX (式1)
(式(1)中、Rは非置換又は置換の同一又は異なって1価の炭化水素基であり、Xは同一又は異なって炭素数1〜5のアルコキシ基)で表されるモノアルコキシシラン(a1)及び
2 SiX2 (式2)
(式(2)中、Rは非置換又は置換の同一又は異なって1価の炭化水素基であり、Xは同一又は異なって炭素数1〜5のアルコキシ基)で表されるトリアルコキシシラン(a2)を含むオルガノシラン成分を構成成分とするものである。
上記式(1)において、Rの具体例としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロペンチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、ブチルシクロヘキシル基等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントラニル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ピレニル基、3−メチルフェニル基、3−メトキシフェニル基、3−フルオロフェニル基、3−トリクロロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、3−ニトロフェニル基等のアリール基、これらの水素原子の一部が水酸基、カルボキシ基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基、シアノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、スルホ基等に置換されたもの等が例示でき、これらは単独であっても組み合わせたものであってもよいが、アルキル基、特にメチル基が好適である。
また、Xの具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンタオキシ基等が挙げられ、これらは単独であっても組み合わせたものであってもよいが、メトキシ基、エトキシ基が硬化性の点から好適である。
上記モノアルコキシシラン(a1)の具体例としては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、トリイソプロピルメトキシシラン、トリイソプロピルエトキシシラン、トリブチルメトキシシラン、トリブチルエトキシシラン、トリイソブチルメトキシシラン、トリイソブチルエトキシシラン、トリ(t−ブチル)メトキシシラン、トリ(t−ブチル)エトキシシラン、トリシクロヘキシルメトキシシラン、トリシクロヘキシルエトキシシラン等が挙げられる。
式(2)において、Rの具体例としては上記Rの具体例として例示したものと同様のアルキル基を挙げることができる。
また、Xの具体例としては上記Xの具体例として例示したものと同様のアルコキシ基を挙げることができる。
上記トリアルコキシシラン(a2)の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
本発明において、加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサン(A)の製造において、上記モノアルコキシシラン(a1)及びトリアルコキシシラン(a2)以外のオルガノシラン化合物を必要に応じて使用することができる。
かかるその他のオルガノシラン化合物としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、アリルトリエトキシラン、アリルトリメトキシシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(トリメトキシシリル)プロピルアクリレート等のアルケニルアルコキシシラン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシランなどのテトラアルコキシシラン;等を挙げることができる。
本発明においては、オルガノポリシロキサン(A)の製造に使用される全オルガノシラン成分中のモノアルコキシシラン(a1)及びトリアルコキシシラン(a2)の使用量が、モノアルコキシシラン(a1)が5〜50モル%、好ましくは10〜40モル%、トリアルコキシシラン(a2)が50〜95モル%、好ましくは60〜90モル%の範囲内にあることを特徴とする。
モノアルコキシシラン(a1)の量が5モル%未満では、本発明塗料用樹脂組成物を用いて形成される塗膜の可塑性が劣り、塗膜にした際の耐ワレ性が低下して好ましくない。一方、50モル%を超えると本発明塗料用樹脂組成物を用いて形成される塗膜の硬度が低下するため好ましくない。
また、トリアルコキシシラン(a2)が50モル%未満では、本発明組成物塗布時の指触乾燥性が悪くなり、いつまでもベタついた塗膜になり、一方、95モル%を越えると塗膜の耐ワレ性が低下するため好ましくない。
上記オルガノシラン成分において、モノアルコキシシラン(a1)及びトリアルコキシシラン(a2)は必須成分として含まれるものであり、その合計量はオルガノシラン成分中30モル%以上、好ましくは50モル%以上にあることが適している。
また、オルガノポリシロキサン(A)の製造に使用されるオルガノシラン成分としては、炭素数2〜5のアルコキシ基を有するオルガノシランを含んでいることが望ましい。
上記炭素数2〜5のアルコキシ基を有するオルガノシランとしては、例えば、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジイソブチルジエトキシシラン、ジ(t−ブチル)ジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン、シクロヘキシル(メチル)ジエトキシシラン等のジアルキルジエトキシシラン;メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン等のアルキルトリエトキシシラン;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、アリルトリエトキシラン、ジエトキシメチルビニルシラン等のアルケニルエトキシシラン;テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシランなどの炭素数2〜5のアルコキシ基を有するテトラアルコキシシラン;等を挙げることができる。
本発明において、加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサン(A)の製造に使用されるオルガノシラン成分が上記炭素数2から5のアルコキシ基を有するオルガノシランを含む場合、その場合における使用割合としては、90モル%以下、好ましくは15〜85モル%の範囲内にあることが望ましい。この範囲内にあることによって本発明塗料用樹脂組成物の硬化性とポットライフを適度にすることができる。
本発明において、加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサン(A)は上記オルガノシラン成分を構成成分とし、これを加水分解・重縮合反応することによって製造される。
この反応は定法に従い行うことができ、必要に応じて触媒を使用してもよい。用いられる触媒としては例えば、塩酸、硫酸、硝酸、蟻酸、シュウ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、リン酸、酸性イオン交換樹脂、各種ルイス酸等の酸触媒、アンモニア、1級アミン類、2級アミン類、3級アミン類、ピリジン等の含窒素化合物;塩基性イオン交換樹脂;水酸化ナトリウム等の水酸化物;炭酸カリウム等の炭酸塩;酢酸ナトリウム等のカルボン酸塩;各種ルイス塩基等の塩基触媒;ジルコニウムアルコキシド、チタニウムアルコキシド、アルミニウムアルコキシド等アルコキシド触媒等の触媒を挙げることができる。これらの中でも目的とする重合度、官能基量のオルガノポリシロキサンを得るためには酸触媒が適している。
触媒の使用量としては、加水分解・重縮合反応の促進の観点から、上記オルガノポリシロキサン(A)を製造するためのオルガノシラン成分合計1モルに対して、好ましくは0.05モル以下であり、より好ましくは0.005〜0.02モルであることが適している。
また、反応温度及び反応時間は、適宜に設定することができ、例えば、反応温度は、40℃〜200℃、好ましくは50℃〜150℃であり、反応時間は、30分〜24時間、好ましくは1時間〜12時間であることができる。
この反応においては、反応系内にオルガノシラン成分、水及び触媒を一度に添加して反応を一段階で行ってもよく、又はオルガノシラン成分、水及び触媒を、数回に分けて反応系内に添加することによって、多段階で行ってもよいし、あるいは反応系内にオルガノシラン成分を仕込み、水と触媒を徐々に滴下することによって継続的に反応を行っても良い。
水の使用量としては、オルガノシラン成分の合計量1モルを基準として0.5〜3.0モル、好ましくは0.8〜1.5モルの範囲内にあることが望ましい。
また、加水分解縮合するにおいて、反応を円滑に進め、目的とする重合度、官能基量のオルガノポリシロキサンを得るために、加水分解縮合反応で生成する一価アルコールと同様の1価アルコールを反応系内に添加してもよい。アルコールの添加タイミングは、いずれであってもよいが、予め反応系内に添加することが望ましい。
かかる一価のアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール等が挙げられ、これらは、使用するオルガノシラン成分によって1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。本発明ではメタノール及びエタノールが適している。
上記一価のアルコールの添加量としては、オルガノシラン成分の合計量100質量部を基準として、40質量部以下、好ましくは5〜20質量部の範囲内にあることが望ましい。
上記の通り得られるオルガノポリシロキサン(A)は、重量平均分子量が500〜30000、好ましくは900〜5000の範囲内にあることが適している。
重量平均分子量が500未満では、本発明塗料用樹脂組成物の粘度が低く、かつ塗膜の硬化時間が長くかかってしまい厚塗りが出来ないなどの問題が生じることがあり、一方、30000を越えると、本発明塗料用樹脂組成物を用いて形成される塗膜の仕上がりが劣ることや、ポットライフが短くなることがある。
本明細書において、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定した保持時間(保持容量)を、同一条件で測定した分子量既知の標準ポリスチレンの保持時間(保持容量)によりポリスチレンの分子量に換算して求めた値である。
ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置として、「HLC−8120GPC」(商品名、東ソー社製)を使用し、カラムとして、「TSKgel G4000HXL」を1本、「TSKgel G3000HXL」を2本、及び「TSKgel G2000HXL」を1本(商品名、いずれも東ソー社製)の計4本を使用し、検出器として、示差屈折率計を使用し、移動相:クロロホルム、測定温度:40℃、流速:1mL/minの条件下で測定することができる。
<エポキシ樹脂(B)>
本発明の塗料用樹脂組成物は、形成される塗膜の付着性の観点からエポキシ樹脂(B)を含有する。
エポキシ樹脂(B)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂並びにエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテルおよびポリグリセリンポリグリシジルエーテル等の脂肪族型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらはそれぞれ単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
前記エポキシ樹脂(B)の市販品としては、例えば、「jER827」、「jER828」、「jER828EL」、「jER828XA」、「jER834」(以上、ジャパンエポキシレジン社製)、「EPICLON840」、「EPICLON840−S」、「EPICLON850」、「EPICLON850−S」、「EPICLON850−CRP」、「EPICLON850−LC」(以上、DIC社製)、「エポトートYD−127」、「エポトートYD−128」(以上、東都化成社製)、「リカレジンBPO−20E」および「リカレジンBEO−60E」(以上、新日本理化社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、「jER806」、「jER807」(以上、ジャパンエポキシレジン社製)、「EPICLON830」、「EPICLON830−S」、「EPICLON835」(以上、DIC社製)および「エポトートYDF−170」(東都化成社製)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂;「jER152」(ジャパンエポキシレジン社製)等のノボラック型エポキシ樹脂、「jERYX8000」、「jERYX8034」(以上、ジャパンエポキシレジン社製)、「エポトートST−3000」(東都化成社製)、「リカレジンHBE−100」(新日本理化社製)「デナコールEX−252」(以上、ナガセケムテックス社製)および「SR−HBA」(阪元薬品工業社製)等、「エピクロン750」(DIC社製)の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂並びに「YED205」、「YED216M」、「YED216D」(以上、ジャパンエポキシレジン社製)、「エポトートYH−300」、「エポトートYH−301」、「エポトートYH−315」、「エポトートYH−324」、「エポトートYH−325」(以上、東都化成社製)、「デナコールEX−211」、「デナコールEX−212」、「デナコールEX−212L」、「デナコールEX−214L」、「デナコールEX−216L」、「デナコールEX−313」、「デナコールEX−314」、「デナコールEX−321」、「デナコールEX−321L」、「デナコールEX−411」、「デナコールEX−421」、「デナコールEX−512」、「デナコールEX−521」、「デナコールEX−611」、「デナコールEX−612」、「デナコールEX−614」、「デナコールEX−614B」、「デナコールEX−622」、「デナコールEX−810」、「デナコールEX−811」、「デナコールEX−850」、「デナコールEX−850L」、「デナコールEX−851」、「デナコールEX−821」、「デナコールEX−830」、「デナコールEX−832」、「デナコールEX−841」、「デナコールEX−861」「デナコールEX−911」、「デナコールEX−941」、「デナコールEX−920」、「デナコールEX−931」(以上、ナガセケムテックス社製)、「SR−NPG」、「SR−16H」、「SR−16HL」、「SR−TMP」、「SR−PG」、「SR−TPG」、「SR−4PG」、「SR−2EG」、「SR−8EG」、「SR−8EGS」、「SR−GLG」、「SR−DGE」、「SR−DGE」、「SR−4GL」、「SR−4GLS」および「SR−SEP」(以上、阪元薬品工業社製)等の脂肪族型エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明において、上記オルガノポリシロキサン(A)及びエポキシ樹脂(B)の使用割合としては、(A)/(B)固形分質量比で50/50〜95/5、好ましくは60/40〜90/10の範囲内にあることが、本発明塗料用樹脂組成物を用いて形成される塗膜の耐ワレ性と塗膜硬度の観点から適している。
尚、本明細書において、固形分とは不揮発分を意味するものであり、試料から、水、有機溶剤等の揮発する成分を除いた残さを意味し、試料の質量に固形分濃度を乗じて算出することができる。固形分濃度は、試料約3グラムを、105℃、3時間乾燥させた残さの質量を、乾燥前の質量で除することにより測定することができ、また、100分率で示す場合もある。
<アリール基を有する加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサン(C)>
本発明の塗料用樹脂組成物では、アリール基を有する加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサン(C)を必要に応じて含有することができる。これにより、本発明の塗料用樹脂組成物に含まれる各成分同士の相溶性を向上させる効果がある。
かかるアリール基を有する加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサン(C)としては、従来公知のものを制限なく使用することができ、例えばアリール基を有するアルコキシシランを含むオルガノシラン成分を構成成分とし、該オルガノシラン成分を加水分解・重縮合反応することによって得られるものであることができる。
アリール基としては上述したものが挙げられ、アリール基を有するアルコキシシラン化合物としては、例えば、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トルイルトリメトキシシラン、キシリルトリメトキシシラン、クメニルトリメトキシシラン、t−ブチルフェニルトリエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、トルイルメチルジメトキシシラン、キシリルメチルジメトキシシラン、クメニルメチルジメトキシシラン、フェニルエチルジメトキシシラン、フェニルプロピルジメトキシシラン、フェニルブチルジメトキシシラン、フェニルヘキシルジメトキシシラン、フェニルシクロヘキシルジメトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ジベンジルジメトキシシラン、ジベンジルジエトキシシラン、ベンジル(メチル)ジメトキシシラン等が挙げられる。
また、上記アリール基を有する加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサン(C)の製造に使用されるオルガノシラン成分としては、アリール基を有するアルコキシシラン化合物に加えて上記オルガノポリシロキサン(A)の項で例示のオルガノシラン成分に加えてジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジイソブチルジエトキシシラン、ジ(t−ブチル)ジメトキシシラン、ジ(t−ブチル)ジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン等のジアルコキシシラン等をモノマー成分として含ませることができる。
本発明においてアリール基を有する加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサン(C)としては、フェニル基を有するメトキシシラン化合物とメチル基を有するメトキシシラン化合物を含むオルガノシラン成分を構成成分とし、該オルガノシラン成分を加水分解・重縮合反応させることにより得られるフェニル基、メチル基及びメトキシシリル基含有オルガノポリシロキサンが適している。
本発明においては、オルガノポリシロキサン(C)を使用する場合、その含有量としては、オルガノポリシロキサン(A)及びエポキシ樹脂(B)合計固形分質量を基準として50質量%以下、好ましくは20〜40質量%の範囲内にあることが、本発明塗料用樹脂組成物を用いて形成される塗膜の耐ワレ性と塗膜硬度の観点から適している。
<アクリル樹脂(D)>
本発明の塗料用樹脂組成物では、アクリル樹脂(D)を必要に応じて含有することができる。これにより形成される塗膜の耐ワレ性に効果がある。アクリル樹脂(D)としては、従来公知ものが制限なく使用でき、例えば、有機溶剤の存在下で重合性不飽和モノマーの混合物をラジカル重合開始剤により共重合して得られる共重合体が好適に使用できる。
上記重合性不飽和モノマーとしては、エチレン性不飽和結合を有する全ての重合可能なモノマーが使用でき、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、「イソステアリルアクリレート」(大阪有機化学社製)等の炭素数が1〜18の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基を含有する重合性不飽和モノマー;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル基を有する重合性不飽和モノマー;イソボルニル(メタ)アクリレート等のイソボルニル基を有する重合性不飽和モノマー;アダマンチル(メタ)アクリレート等のアダマンチル基を有する重合性不飽和モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニルモノマー;(2−アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、(2−アクリロイルオキシプロピル)アシッドホスフェート、(2−メタクリロイルオキシプロピル)アシッドホスフェート等のリン酸基含有重合性不飽和モノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのC2〜C8ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアルコ−ル、上記C2〜C8ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン変性体などの水酸基を有する(メタ)アクリレート、分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合性不飽和モノマー;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;メトキシメチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート等の炭素数1〜24のアルコキシル基含有不飽和モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランなどのアルコキシシリル基含有重合性不飽和モノマー;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィン等のフッ素化アルキル基を有する重合性不飽和モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;マレイミド基等の光重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー;1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、2,2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル(メタ)アクリレート等;N−ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等のビニル化合物;(メタ)アクリロニトリル等;(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有重合性不飽和モノマー;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン類との付加物等のアミノ基含有重合性不飽和モノマー;2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムブロマイド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウム(メタ)アクリレート、テトラメチルアンモニウム(メタ)アクリレート、トリメチルベンジルアンモニウム(メタ)アクリレート、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムジメチルホスフェート等の4級アンモニウム塩基含有重合性不飽和モノマー;分子末端がアルコキシ基であるポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリレート;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウム塩、スルホエチルメタクリレート及びそのナトリウム塩やアンモニウム塩等のスルホン酸基を有する重合性不飽和モノマー;アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等のカルボニル基含有重合性不飽和モノマー等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
また上記重合性不飽和単量体として、上記アミン硬化剤成分(II)に含まれるアミノシランと反応し得る架橋官能基を導入し、塗膜の防食性、耐候性を向上させる点から、エポキシ基含有重合性不飽和モノマー及び/又はアルコキシシリル基含有重合性不飽和モノマーを使用することが望ましい。
上記重合性不飽和モノマーとして、エポキシ基含有重合性不飽和モノマーを使用する場合には、モノマー化合物中に70質量%以下、好ましくは1〜20質量%含まれることが好適であり、アルコキシシリル基含有重合性不飽和モノマーを使用する場合には、モノマー混合物中に70質量%以下、好ましくは1〜30質量%含まれることが好適である。
共重合時の有機溶剤としては、特に限定しないが、例えばトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、イソプロパノールなどのアルコール系溶剤、ミネラルスピリット、n−ヘキサン、n−オクタン、2,2,2−トリメチルペンタン、イソオクタン、n−ノナン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類等が挙げられる。これらを単独であるいは併用して用いても差し支えない。
重合開始剤は特に限定しないが、アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロプニトリル)等のアゾ系開始剤やベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシオクタノエート、ジイソブチルパーオキサイド、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシピバレート)、デカノイルパーオキサイド等の過酸化物系を使用することができる。該重合開始剤は、モノマー混合物を基準として0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%の範囲内で使用することができる。
上記の様にして得られたアクリル樹脂(D)の重量平均分子量は1,000〜100,000、好ましくは2000〜50,000の範囲内にあることが、本塗料用樹脂組成物の耐ワレ性などの塗膜物性と、含まれる成分の相溶性などの点から好適である。
本発明の塗料用樹脂組成物が上記アクリル樹脂(D)を含む場合、その含有量としては、塗料用樹脂組成物の樹脂固形分中に50質量%以下、好ましくは5〜30質量%の範囲内にあることが望ましい。
<アミン硬化剤成分(II)>
本発明において使用されるアミン硬化剤成分(II)は、エポキシ基と反応する硬化剤であり、また、組成物中の加水分解性シリル基が加水分解・重縮合反応を起こす際の反応触媒としても作用するものであり、アミノシランを含むことを特徴とする。
かかるアミノシランは、通常、下式(3)
Z−Si−(OY) (3)
(式中において、Zは−NH基及び/又は−NH−結合を含有し得るアルキル基、アリール基、アルコキシアルキル基、シクロアルキル基であり、Yは同一又は異なって炭素数が1〜6のアルキル基を表す)で示されるものであり、具体的にはN−β−(アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらは単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。市販品としては例えば「KBM−603」、「KBE−903」(信越化学(株)社製)等が挙げられる。
また、アミン硬化剤成分(II)には、多官能性アミンが含まれていてもよい。かかる多官能アミンとしては、例えば脂肪族又は脂環式のポリアミン、該ポリアミンのエポキシ樹脂アダクト物、ポリアミドアミン類、芳香族アミン、脂肪族又は脂環式のマンニッヒ化合物などが挙げられ、これらは単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。
上記アミン硬化剤成分(II)の配合比率は、(アミノ基の活性水素の当量数)/(エポキシ基の当量数)の比が0.1〜2.0、好ましくは0.2〜1.2の範囲内となるように調整されることが、得られる塗膜の硬化性、硬度の点から好適である。
<塗料>
本発明の塗料は、上記塗料用樹脂組成物を含んでなり、オルガノポリシロキサン(A)、エポキシ樹脂(B)含む主剤成分(I)に対して、アミノシランを含むアミン硬化剤成分(II)を使用直前に混合することにより得られる常温硬化性の2液型塗料組成物として供される。
必要に応じて使用されるオルガノポリシロキサン(C)及びアクリル樹脂(D)は主剤成分(I)又は硬化剤成分(II)のいずれか又は両方に含まれ得るものであるが、共に主剤成分(I)に配合されることが適している。
本発明の塗料は、クリヤー塗料としても、着色顔料、体質顔料、防錆顔料などの顔料類を配合してエナメル塗料としても使用することができる。これら顔料類としては二酸化チタン、カーボンブラック、ランプブラック、酸化亜鉛、酸化鉄、トルイジン、ベンジンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、及び、カルバゾールバイオレット、結晶性シリカ、硫酸バリウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、マイカ、雲母状酸化鉄、炭酸カルシウム、亜鉛粉末、アルミニウム、珪酸アルミニウム、石膏、長石などが挙げられる。これらのものは1種あるいは2種以上混合して使用することができる。
本発明においてはさらに必要に応じて、硬化触媒、増粘剤、タレ止め剤、レベリング剤、消泡剤、分散剤、有機溶剤などの塗料用添加剤、併用樹脂としてウレタン樹脂、ポリエステル樹脂アルキド樹脂などを主剤成分(I)かあるいはアミン硬化剤成分(II)に配合することができる。
これらのうち硬化触媒は、シロキサン結合の形成を促進するものであれば特に制限なく使用でき、例えばオクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ジオクテート、モノブチル錫トリオクテート、ジブチル錫脂肪酸塩などの有機錫化合物;トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、アルミニウムジ−イソプロポキシモノエチルアセトアセテート、テトライソプロピルチタネートなどの金属キレート化合物や金属アルコキシド;ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリブチルなどのホウ酸化合物などが挙げられる。
該硬化触媒の配合量としては、塗料中の全樹脂固形分100質量部に対して0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部の範囲内が適している。
本発明塗料は、主な用途として必要に応じて下地処理した金属素材、例えば鋼板や亜鉛めっき、ステンレス、アルミニウム、それらに塗装されてなる旧塗膜などの被塗物面に塗装されるが、コンクリート、モルタル、スレート、スレート瓦等のアルカリ性を有する基材、窯業系建材、プラスチックなどの素材面やそれらに塗装されてなる旧塗膜面などにも塗装が可能である。また、本発明塗料は、有機溶剤などの揮発性化合物を排除するものではないが、塗装時に排出される揮発性化合物量が少なくても塗装作業性が良好で、表面硬度に優れた塗膜を形成することができるので、構造物やトンネル内壁などにも好適に適用することができる。
本発明の塗料に必要に応じて用いられる有機溶剤としては、炭化水素系、エステル系、ケトン系、エーテル系、アルコール系等、特に制限なく従来公知のものが使用可能である。
その塗装方法は特に限定しないが、例えばスプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り、流し塗り等の手段で行うことができる。
本発明の塗料は常温で硬化することができ、その硬化物は優れた性能を発揮するものであるが、硬化時に強制乾燥や加熱乾燥させても良い。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、下記例中の「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
<オルガノポリシロキサンの製造>
製造例1
還流冷却器、温度計及び攪拌機を備えた反応容器に、メチルトリメトキシシランを84.0部、トリメチルメトキシシランを16.0部、メタノール10.7部を加え混合した後、イオン交換水13.9部と硫酸0.79部を混合したものを1時間かけて滴下し、同時に65℃まで昇温した。そのまま65℃で4.5時間反応して部分加水分解縮合物を得た。反応終了後、減圧(100Torr)下脱溶剤を行い、重量平均分子量1900の液状オルガノポリシロキサン(A−1)を得た。
製造例2〜12
上記製造例1において、使用するモノマー、溶媒(量)、添加水分量、反応温度を下記表の通りとする以外は製造例1と同様にしてオルガノポリシロキサン(A−2)〜(A−12)を得た。得られたオルガノポリシロキサンの性状、加熱残分、粘度、及び重量平均分子量(GPC法)を原料組成及び反応温度とともに下記表1に示す。
Figure 2013127028
<アクリル樹脂溶液の製造>
製造例13
フラスコ中にミネラルスピリット660部、「MOA」(商品名、日宝化学株式会社製、有効成分オルソ酢酸メチルエステル、脱水剤)20部を仕込み、窒素ガスを通気しながら、130℃まで攪拌を行いながら昇温した。次いで、温度を130℃に保ちながら、
グリシジルメタクリレート 100部
メチルメタクリレート 500部
メトキシエチルアクリレート 100部
n−ブチルアクリレート 200部
γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン 100部
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 40部
の混合物を3時間で滴下した。その後130℃に保持したまま2時間熟成し、不揮発分60%のほぼ無色透明、重量平均分子量が30000のアクリル樹脂溶液を得た。
<塗料用樹脂組成物の製造>
実施例1〜9及び比較例1〜3
下記表2に示す配合組成の主剤成分と硬化剤成分を混合し、塗料用樹脂組成物(X−1)〜(X−12)を製造した。
Figure 2013127028
(注1)「DC−3074」:商品名、DIC社製、フェニルトリメトキシシランとジメチルジメトキシシランとの部分加水分解共縮合物、
(注2)「エピクロン750」:商品名、DIC社製、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、
(注3)「KBE−903」:商品名、信越化学工業社製、3−アミノプロピルトリエトキシシラン。
<性能評価>
上記実施例及び比較例で得られた各塗料用樹脂組成物を下記性能評価に供した。結果を表2に併せて示す。
(*1)相溶性
各配合に従い主剤と硬化剤を混合後、ガラス板に塗装膜厚250μmで引き塗りし、1日常温(23℃)で乾燥後得られた塗膜の相溶性を目視評価した。
〇:相溶性が良好、
△:若干濁りが認められる、
×:濁りが著しい、又は分離あり。
(*2)硬度
各配合に従い主剤と硬化剤を混合後、ガラス板に塗装膜厚250μmで引き塗りし、常温で4週間乾燥した塗装ガラス板について、JIS K5400 8.4.2(1990)に準じて鉛筆引っかき試験を行い、キズつきによる評価を行い下記基準で評価した。
◎:H以上、
〇:F〜HB、
△:B〜2B、
×:3B以下。
(*3)ポットライフ
各配合に従い主剤と硬化剤混合後、常温で放置し、組成物表面に皮が張るまでの時間を測定した。値が大きいほど良好である。
(*4)耐ワレ性試験
各配合に従い主剤と硬化剤を混合後、ガラス板に塗装膜厚250μmで引き塗りし、常温で4週間乾燥した塗装ガラス板について、常温の塗装ガラス板を60℃没水6時間後、80℃で1時間乾燥した状態を0サイクル目とし、その後(−20℃で1時間冷却、25℃没水1時間、130℃乾燥1時間、空冷により常温に戻す工程)を1サイクルとして塗膜のワレが発生するサイクル数を評価した。サイクル数が多いほど耐ワレ性が良好である。

Claims (9)

  1. 加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサン(A)及びエポキシ樹脂(B)を含む主剤成分(I)並びにアミノシランを含むアミン硬化剤成分(II)を含む多液型組成物であって、
    加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサン(A)が、
    SiX (式1)
    (式(1)中、Rは非置換又は置換の同一又は異なって1価の炭化水素であり、Xは同一又は異なって炭素数1〜5のアルコキシ基)で表されるモノアルコキシシラン(a1)及び
    2 SiX2 (式2)
    (式(2)中、Rは非置換又は置換の同一又は異なって1価の炭化水素基であり、Xは同一又は異なって炭素数1〜5のアルコキシ基)で表されるトリアルコキシシラン(a2)を含むオルガノシラン成分を構成成分とするものであり、オルガノポリシロキサン(A)の製造に使用される全オルガノシラン成分中のモノアルコキシシラン(a1)が5〜50モル%、トリアルコキシシラン(a2)が50〜95モル%の範囲内にあることを特徴とする塗料用樹脂組成物。
  2. オルガノポリシロキサン(A)の製造に使用されるオルガノシラン成分が、炭素数2〜5のアルコキシ基を有するオルガノシランを該オルガノシラン成分中80モル%以下含む請求項1に記載の塗料用樹脂組成物。
  3. オルガノポリシロキサン(A)の重量平均分子量が500〜30000の範囲内にある請求項1または2記載の塗料用樹脂組成物。
  4. オルガノポリシロキサン(A)及びエポキシ樹脂(B)の使用割合が、(A)/(B)固形分質量比で50/50〜95/5の範囲内にある請求項1ないし3のいずれか1項記載の塗料用樹脂組成物。
  5. オルガノポリシロキサン(A)以外であって、アリール基を有する加水分解性シリル基含有オルガノポリシロキサン(C)をさらに含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載の塗料用樹脂組成物。
  6. オルガノポリシロキサン(C)の含有量が、(A)及び(B)合計質量を基準として50質量%以下にある請求項5に記載の塗料用樹脂組成物。
  7. アクリル樹脂(D)をさらに含む請求項1ないし6のいずれか1項に記載の塗料用樹脂組成物。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の塗料用樹脂組成物を含む塗料。
  9. 被塗面に請求項8に記載の塗料を塗装する塗装方法。
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