以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠(遊技枠)3及びガラス枠(前枠)18によって構成される。
前面枠3には、遊技領域10aを有する遊技盤10(図2参照)が、裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)18aを備えたガラス枠18が取り付けられる。前面枠3及びガラス枠18は、それぞれ個別に開放することが可能であり、例えば、ガラス枠18のみを開放して遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠3をガラス枠18が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤10の裏側に配置された遊技制御装置500(図3参照)などにアクセスすることができる。
ガラス枠18のカバーガラス18aの周囲には、装飾光を発光する装飾部材9が備えられている。装飾部材9の内部にはランプやLED等によって構成された枠装飾装置18d(図4参照)が備えられている。枠装飾装置18dを所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9が所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠18の上方中央部には、照明ユニット11が備えられる。照明ユニット11の内部には、LEDやランプなどの発光部材が備えられる。
照明ユニット11の左側には第1可動式照明13が、右側には第2可動式照明14が備えられる。第1可動式照明13及び第2可動式照明14は、上スピーカー30aの上方に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動モータ(枠演出装置18f)がそれぞれ備えられており、演出内容に応じて動作(例えば、回転)するように制御される。
また、遊技機1には、音響(効果音、警報音、報知音等)を発するスピーカー30が備えられる。スピーカー30には、上スピーカー30a及び下スピーカー30bが含まれる。上スピーカー30aはガラス枠18の上方に配置され、下スピーカー30bは後述する上皿21の下方に配置される。
第1可動式照明13の右側には、遊技機1において異常が発生したことなどを報知するための遊技状態LED29が備えられている。遊技機1において異常が発生した場合には、さらに、スピーカー30から異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施などが含まれる。不正行為は、例えば、磁石によって発射された遊技球の軌道を不正に操作する行為や、遊技機1を振動させる行為などである。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ(SW)39a(図3参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ(SW)39b(図3参照)によって振動を検出したりすることによって検知される。また、不正に開閉枠を開放する行為も不正行為に含まれる。このとき、枠開放センサスイッチ(前面枠開放検出スイッチ3b、ガラス枠開放検出スイッチ18b、図3参照)によって営業時間中に前面枠3やガラス枠18の開閉枠が開放されたことが検出される。以上のような不正行為が検出されると、遊技状態LED29やスピーカー30などによって異常が報知されるようになっている。
ガラス枠18のカバーガラス18aの下方には、上皿21などを含む上皿ユニットが備えられる。上皿21は、図示しない打球発射装置に遊技球(遊技媒体)を供給する。上皿ユニットには、演出ボタン31を備えた上皿カバーユニット20が含まれている。
さらに、ガラス枠18の下方位置であって前面枠3に固定される固定パネル22には、下皿23及び打球発射装置の操作部24等が備えられる。遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)に発射する。
下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3の下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備えられている。
また、上皿ユニットのうち上皿21の手前側には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ(SW)31a(図4参照)を内蔵する演出ボタン31が備えられている。遊技者は、演出ボタン31を操作することによって、表示装置48(図2参照)における変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことが可能となる。例えば、演出内容を選択させることができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では、単に変動表示ゲームとした場合には、特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出ボタン31を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は複数の遊技状態からなり、通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、後述する特定遊技状態(普電サポート状態または時短状態)や変動表示ゲームにおいて特別結果(大当り)の発生確率が高い状態(確変状態)や大当り状態(特別遊技状態)である。
ここで、確変状態は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)などが考えられる。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装置などを設け、当該特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。
また、変動表示ゲームが開始された後、演出ボタン31の操作を促進するための操作促進演出が実行され、操作促進演出が実行されている間に演出ボタン31を操作することによって、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出などを実行することができる。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。また、球貸ボタン26と排出ボタン27との間には、プリペイドカードなどの残高を表示する残高表示部28が設けられる。
図2は、本発明の第1の実施の形態の遊技機に備えられる遊技盤の正面図である。
遊技盤10は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール35で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール35の外側には、前面構成部材(サイドケース)33が取り付けられている。さらに、遊技領域10aの右下側の前面構成部材33は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレート36で覆われている。そして、このガイドレール35で囲まれた遊技領域10a内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域10aには、打球方向変換部材としての風車45や多数の障害釘(図示略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域10aを流下する。
遊技領域10aの略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース46が取り付けられている。センターケース46に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置48が配置されている。表示装置48は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース46の窓部を介して遊技盤10の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置48は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース46の窓部下方には、ステージ部46aが設けられる。センターケース46のステージ部46aには、遊技領域10aを流下する遊技球を受け入れられるように遊技領域10aに向けて開口し、センターケース46の内部に配置されたワープ通路(図示省略)を通過した遊技球が排出される。センターケース46のステージ部46aは、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38の上方に配置されているため、ステージ部46a上で転動した遊技球が第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38上に流下しやすいように構成されている。第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38についての詳細は後述する。
遊技領域10aのセンターケース46の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると(所定条件の成立)、普図変動表示ゲーム(所定遊技)が実行される。
さらに、センターケース46の左下側には、三つの一般入賞口44が配置され、センターケース46の右下側には、一つの一般入賞口44が配置されている。また、一般入賞口44への遊技球の入賞は、一般入賞口44に備えられた入賞口スイッチ(SW)44a〜44n(図3参照)によって検出される。
また、センターケース46の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材38aを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口38の一対の可動部材38aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口38の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様(特定結果)となった場合には、駆動装置(駆動機構)としての普電ソレノイド38b(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口38に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態、入賞容易状態)に変化させられるように構成されている。
なお、普図変動表示ゲーム及び可動部材38aは、後述する遊技制御装置によって制御される。遊技制御装置は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態(普電サポート状態、時短状態)を発生させる。
さらに遊技領域10aの第2始動入賞口38の下方には、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置42が設けられている。特別変動入賞装置42は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ42d(図3参照)が配設されている。
一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、及び特別変動入賞装置42の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置580(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠3の上皿21又は下皿23に排出するように制御する。また、特別変動入賞装置42の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域10aの外側(例えば、遊技盤10の右下部)には、表示装置48における特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)、及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。さらに、一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部51〜60が設けられている。なお、一括表示装置50の詳細については図5にて後述する。
ここで、本発明の第1の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の第1の実施の形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域10aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域10a内の各所に配置された障害釘や風車45等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域10aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域10aの最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置580によって制御される払出ユニットから、前面枠3の上皿21又は下皿23に排出される。
前述のように、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。普図始動ゲート34は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると(所定条件の成立)、ゲートスイッチ34aによって検出され、普図変動表示ゲーム(所定遊技)が実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50(詳細は図5にて後述する)に設けられた変動表示部(普図表示器)53(図5(A)参照)で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を所定期間表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口38の一対の開閉部材38aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口38に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口38は、内蔵されている普電ソレノイド38b(図3参照)が駆動されることにより、開閉部材38aが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37への入賞球及び第2始動入賞口38への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ37d(図3参照)と始動口2スイッチ38d(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置500(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、センターケース46の表示装置48においても表示される。
遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞、若しくは各始動記憶に基づいて、特図表示器(表示装置48、特図1表示器51又は特図2表示器52)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の識別情報(特図、特別図柄)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置48にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
表示装置48における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置48では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置48の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、特別変動入賞装置42は、大入賞口ソレノイド42b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、表示装置48における飾り特図変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、特図2変動表示ゲームが実行される。
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠3に前面枠開放検出スイッチ3bやガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bには、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置の構成を示すブロック図である。
遊技機1は遊技制御装置500を備え、遊技制御装置500は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)511を有するCPU部510と、入力ポートを有する入力部520と、出力ポートやドライバなどを有する出力部530、CPU部510と入力部520と出力部530との間を接続するデータバス540などからなる。
CPU部510は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン511と、入力部520内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)521からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン511に入力させるインバータなどからなる反転回路512と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)513などを有する。遊技制御装置500及び該遊技制御装置500によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置300で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能に構成される。
電源装置300は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部310と、遊技用マイコン511の内部のRAM511cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部320と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置500に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部330などを備える。
この実施の形態では、電源装置300は、遊技制御装置500と別個に構成されているが、バックアップ電源部320及び制御信号生成部330は、別個の基板上あるいは遊技制御装置500と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤10及び遊技制御装置500は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置300若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部320及び制御信号生成部330を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部320は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置500の遊技用マイコン511(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM511cに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部330は、例えば通常電源部310で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置500は、停電復旧後、RAM511cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部320は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン511内のRAM511c及び払出制御装置580内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン511が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン511は、CPU(中央処理ユニット、マイクロプロセッサ)511a、データを書き換え不能に記憶する(読出し専用の)ROM(リードオンリメモリ、不揮発性記憶手段)511b及びデータを書き換え可能に記憶する(随時読出し書込み可能な)RAM(ランダムアクセスメモリ、揮発性記憶手段)511cを備える。
ROM511bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に(書き換え不能に)記憶し、RAM511cは、遊技制御時にCPU511aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM511b又はRAM511cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM511bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU511aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。
さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
ここで、ROM511bは、特図変動表示ゲームにおける実行時間の設定に係る変動振り分け情報を複数記憶した変動振り分け情報記憶手段を構成している。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアムリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている(リーチ演出によって特別結果態様が導出される確率が異なる)。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
ここで、信頼度の高低は、特別結果態様が導出されるときの演出選択及び特別結果態様が導出されないときの演出選択の割合によって算出することができる。
例えば、特別結果態様が導出される変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは10%の割合で選択され、上記SP3リーチは40%の割合で選択されるとする。一方、特別結果態様が導出されない変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは5%の割合で選択され、上記SP3リーチは1%の割合で選択されるとする。このような選択割合が設定されていることで、SP1リーチの期待度はSP3リーチの期待度よりも低いということが言える。
CPU511aは、ROM511b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置580や演出制御装置550に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン511は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路を備えている。さらに、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU511aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU511aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S2501)や特図普段処理(S2509)にて、ROM511bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU511aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口38の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
払出制御装置580は、遊技制御装置500からの賞球払出し指令(払出制御コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580は、カードユニット6からの貸出要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580が遊技球の発射許可信号を出すことで、発射制御装置581が発射可能状態になる。
遊技制御装置500の入力部520には、第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)521が設けられている。近接I/F521は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は、入力ポート523に入力される。
近接I/F521に入力された信号の出力はすべて入力ポート522に供給され、データバス540を介して遊技用マイコン511に読み込まれるとともに、遊技制御装置(主基板)500から中継基板591を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F521の出力のうち始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dの検出信号は、入力ポート522の他、反転回路512を介して遊技用マイコン511へ入力されるように構成されている。反転回路512を設けているのは、遊技用マイコン511の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路512を設けずに遊技用マイコン511に検出信号を直接入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dからの負論理の信号を遊技用マイコン511に直接入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。前述のように近接I/F521は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F521には、電源装置300から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部520には、遊技機1の前面枠3等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ39a及び振動センサスイッチ39bからの信号及び近接I/F521により変換された第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dからの信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート522が設けられている。入力ポート522が保持しているデータは、遊技用マイコン511が入力ポート522に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部520には、遊技機1の前面枠3に設けられた前面枠開放検出スイッチ3b及びガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bからの信号、及び払出制御装置580からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート523が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部520には、電源装置300からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン511等に入力するためのシュミットトリガ回路524が設けられており、シュミットトリガ回路524はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置300からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート523に入力され、データバス540を介して遊技用マイコン511に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン511に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路524によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン511に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部530の各出力ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部530を介さずに中継基板591に直接出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板591のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板591を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部520の各入力ポート(522,523)には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン511によって出力部530の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部520の各入力ポート(522,523)から遊技用マイコン511が読み込んだデータは、遊技用マイコン511のリセットによって廃棄されるためである。
遊技制御装置500の出力部530は、データバス540に接続され払出制御装置580へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置550へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート531aと、演出制御装置550へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート531bとを備える。遊技制御装置500から払出制御装置580及び演出制御装置550へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部530には、演出制御装置550の側から遊技制御装置500へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート531aからのデータストローブ信号SSTB及び第2出力ポート531bからの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ532aが設けられている。なお、第1出力ポート531aから払出制御装置580へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、データバス540に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板591を介して出力するバッファ532bが実装可能に構成されている。このバッファ532bは遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F521から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ532bを通さずに中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bのようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン511に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工される。例えば、遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス540からバッファ532b、中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板591には、バッファ532bから出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板591上のポートには、遊技用マイコン511から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部530には、データバス540に接続され特別変動入賞装置42を開閉させるソレノイド(大入賞口ソレノイド42b)や第2始動入賞口38の可動部材38aを開閉させるソレノイド(普電ソレノイド38b)の開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート531c、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート531d、大当り情報など遊技機1に関する情報を外部情報端子508へ出力するための第5出力ポート531eが設けられている。外部情報端子508から出力された遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部530には、第1ドライバ(駆動回路)533a、第2ドライバ533b、第3ドライバ533c、及び第4ドライバ533dが設けられている。第1ドライバ533aは、第3出力ポート531cから出力される大入賞口ソレノイド42bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。第2ドライバ533bは、第3出力ポート531cから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ533cは、第4出力ポート531dから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ533dは、第5出力ポート531eから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子508へ出力する。
第1ドライバ533aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置300から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ533cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ533bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ533cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ533bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子508へ出力する第4ドライバ533dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ532bや第3出力ポート531c、第1ドライバ533a等は、遊技制御装置500の出力部530、すなわち、主基板ではなく、中継基板591側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、外部の検査装置592へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ534が設けられている。フォトカプラ534は、遊技用マイコン511が検査装置592との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン511が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート522のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置550の構成について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
演出制御装置550は、遊技用マイコン511と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)551と、該主制御用マイコン551の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)554と、該映像制御用マイコン554からのコマンドやデータに従って表示装置48への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)558と、各種のメロディや効果音などをスピーカー30(30a,30b)から再生させるため音の出力を制御する音源LSI560を備えている。
主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM553、555がそれぞれ接続され、VDP558にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM557が接続され、音源LSI560には音声データが記憶された音声ROM561が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技用マイコン511からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン554へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI560への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551と音源LSI560との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。また、主制御用マイコン(1stCPU)551とVDP558との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP558には、画像ROM557から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)558aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ558b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置48へ送信する映像信号を生成する信号変換回路558cなどが設けられている。
VDP558から主制御用マイコン551へは表示装置48の映像と前面枠3や遊技盤10に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP558から映像制御用マイコン554へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン554からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン554から主制御用マイコン551へは、映像制御用マイコン554が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン551と音源LSI560との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、主制御用マイコン(1stCPU)551よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)551とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)554を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)551のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置48に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置550には、遊技制御装置500から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)552が設けられている。このコマンドI/F552を介して、遊技制御装置500から演出制御装置550へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置500の遊技用マイコン511はDC5Vで動作し、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F552には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置550には、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置10dを制御する盤装飾LED制御回路10c、前面枠3に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18dを制御する枠装飾LED制御回路18c、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置48における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)10fを駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路10e、前面枠3に設けられている枠演出装置(例えば前記前述した第1可動式照明13、第2可動式照明14を動作させるモータ等)18fを駆動制御する枠演出モータ制御回路18eが設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路(10c、18c、10e、18e)は、アドレス/データバス559を介して主制御用マイコン(1stCPU)551と接続されている。
さらに、演出制御装置550には、遊技機1の前面に設けられた演出ボタン31に内蔵されているスイッチ31aや盤演出装置10f内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)551へ検出信号を入力するスイッチ入力回路570、前面枠3に設けられた上スピーカー30aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路562a、前面枠3に設けられた下スピーカー30bを駆動するアンプ回路562bが設けられている。
電源装置300の通常電源部310は、前述のような構成を有する演出制御装置550やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置48を駆動するためのDC12V、コマンドI/F552の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカーを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551や映像制御用マイコン(2ndCPU)554として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置550に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部310に設けるようにしてもよい。
電源装置300の制御信号生成部330により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン551、映像制御用マイコン554、VDP558、音源LSI560、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路(10c〜18e)、スピーカーを駆動するアンプ回路562a、562bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン554の有する汎用のポートを利用して、VDP558に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン554とVDP558の動作の連携性を向上させることができる。
以上が、本発明の第1の実施の形態における遊技機1の構成である。次に、これらの制御回路によって行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置500のCPU511aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aを通過した遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド38bを動作させ、第2始動入賞口38の可動部材38aを所定時間開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、CPU511aは、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第1始動入賞口37に備えられた始動口1スイッチ37dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第2始動入賞口38に備えられた始動口2スイッチ38dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、上記の特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置550に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、表示装置48で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、スピーカー30(30a,30b)からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置500のCPU511aは、例えば、大入賞口1ソレノイド41b又は大入賞口2ソレノイド42bにより第1特別変動入賞装置41の開閉扉41a又は第2特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放させ、大入賞口(大入賞口1又は大入賞口2)内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1.6秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、16回又は9回)継続する(繰り返す)制御(ラウンド遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
図5は、本発明の第1の実施の形態の一括表示装置の仕様を説明する図である。
図5(A)は、一括表示装置50が有する表示部51〜60について説明する図である。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)60、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示器58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置48において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、識別情報(特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
そして、識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームを終了する。
また、上述のように変動表示部(普図表示器)53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示(普図変動表示ゲーム)を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで、普図変動表示ゲームの結果を所定期間表示するようになっている。従って、変動表示部(普図表示器)53は、普図変動表示ゲームが特定結果となり、前記変動入賞装置を入賞容易状態に制御する場合に、当該入賞容易状態制御する前に当該特定結果となったことを報知する結果報知手段を構成している。
図5(B)は、特図1保留表示器54及び特図2保留表示器55の表示態様を示す図である。
特図1保留表示器54は、遊技制御装置500の特図記憶領域に記憶される特図1始動入賞記憶(特図1保留)の記憶数(保留数)を表示する。特図1保留表示器54は4つのLEDランプを有する。保留数が0の場合は、全てのランプは消灯される。保留数が1の場合は、左端のランプが点灯され、他の3つのランプは消灯されたままである。そして、保留数が1増えるごとに、左から順にランプの点灯が追加される。また、保留数が1減るときは、点灯しているランプが右から順に消灯される。
特図2保留表示器55は、特図1保留表示器54と同様の表示態様であるので、説明を省略する。
図5(C)は、普図保留表示器56の表示態様を示す図である。
普図保留表示器56は、普図始動記憶(普図保留)の記憶数(保留数)0〜4を2つのLEDランプで表示する。保留数が0の場合は、2つのランプは消灯される。保留数が1の場合は、左側のランプのみ点灯される。保留数が2の場合は、両方のランプが点灯される。保留数が3の場合は、左側のランプが点滅され、右側のランプが点灯される。保留数が4の場合は、両方のランプが点滅される。
以下、遊技制御装置500による制御について具体的な処理を説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、遊技制御装置500による制御のうちメイン処理について説明する。図6Aは、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置によって実行されるメイン処理の前半部のフローチャートである。図6Bは、本発明の第1の実施の形態の遊技制御装置によって実行されるメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置500は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込み禁止する(S601)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(S602)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S603)。さらに、割込み処理のモードを設定する(S604)。
次に、遊技制御装置500は、払出制御装置(払出基板)580のプログラムが正常に起動するまで待機する(S605)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、遊技制御装置500が先に起動してしまい、払出制御装置580の起動が完了する前に、コマンドを当該払出制御装置580に送信してしまい、払出制御装置580が送信されたコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
その後、遊技制御装置500は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S606)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(S607)。また、遊技用マイコン511に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S608)。本実施形態では、払出制御装置580や演出制御装置550とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置500は、電源装置300内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(S609)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。例えば、閉店時などに正常に電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S609の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S610〜S613)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。S610及びS611の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、S612及びS613の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置500は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(S613の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S614)。
そして、遊技制御装置500は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(S615)、これらの値が一致するか否かを判定する(S616)。
一方、遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S609の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(S611又はS613の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とS614の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(S616の結果が「N」)、図6BのS641〜S645の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置500は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(S616の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図6BのS617〜S623)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(S617)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(S618)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S619)。
次に、遊技制御装置500は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S620)。高確率でないと判定された場合には(S620の結果が「N」)、S623以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置500は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S620の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(S621)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器58)をオン(点灯)に設定する(S622)。
さらに、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信する(S2323)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置500は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(S641)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(S642)。そして、初期化すべき領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(S643)。
続いて、遊技制御装置500は、RWMクリアに関する外部情報(セキュリティ信号)を出力する出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする(S644)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置550に送信し(S645)、S624以降の処理を実行する。
遊技制御装置500は、S623又はS645の処理が終了すると、遊技用マイコン511(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S624)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン511内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU511aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置500は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S625)。具体的には、CPU511aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S626)。その後、遊技制御装置500は、割込みを許可する(S627)。
なお、本実施形態のCPU511a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置500は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S628)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置500は、電源装置300から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(S629)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置500は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S630)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(S630の結果が「N」)、S628の初期値乱数更新処理を再び実行し、S628からS630までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(S628)の前に割り込みを許可(S627)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(S628)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S630の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がS629の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(S631)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(S631の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S630)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(S631の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S632〜S638)。
遊技制御装置500は、割込みを禁止し(S632)、全出力ポートをオフに設定する(S633)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(S634)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(S635)。
さらに、遊技制御装置500は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S636)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(S637)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S638)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理(遊技制御装置)〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU511aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S701)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS701の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置500は、入力部520を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S702)。各種センサには、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、普図のゲートスイッチ34a、カウント1スイッチ41d、カウント2スイッチ42dなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置500は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置550及び払出制御装置580に送信するための出力処理を実行する(S703)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、大入賞口1ソレノイド(SOL)41b、大入賞口2ソレノイド(SOL)42b、普電ソレノイド(SOL)38bが含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
次に、遊技制御装置500は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置550や払出制御装置580等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S704)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置550に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置550に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置580に送信したりする。
さらに、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S705)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S706)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置500は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(S707)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウント1スイッチ41d、カウント2スイッチ42dが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠3やガラス枠18が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S708)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図8にて後述する。続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S709)。なお、普図ゲーム処理の詳細については、図14にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S710)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置500は、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁気エラー監視処理を実行する(S711)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー30から報知音を出力したり、遊技状態LED32を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置500は、外部情報端子508から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(S712)。
そして、遊技制御装置500は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S713)。その後、S701の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S714)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S715)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(S708)の詳細について説明する。図8は、本発明の第1の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dの入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(S801)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図9にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、カウントスイッチ監視処理を実行する(S802)。カウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置42内に設けられたカウントスイッチ42dによって当該特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S803)。なお、特図ゲーム処理タイマは、後述する特図ゲーム処理番号に応じて分岐させる各処理(S809〜S815)を実行するときに初期値がセットされ、S803の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。この初期値としてセットされる値は、当該特図ゲーム処理番号に応じた処理を終了させるまでの時間値であり、例えば、特図普段処理(S809;特図ゲーム処理番号「0」)においてセットされる値は、特図変動表示ゲームにおいて特別図柄が変動表示されている時間値がセットされる。そして、特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S804の結果が「N」)、S816以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S804の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S805)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S806)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(S807)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(S808)。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(S808の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(S809)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。なお、特図普段処理の詳細については、図12にて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(S808の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(S810)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(S808の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(S811)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(S808の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S812)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(S808の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(S813)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
また、大入賞口開放中処理は、特図変動表示ゲームの結果が特別結果になった場合に大入賞口の開放時間に基づいて特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放して遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生させるものであるため、遊技制御装置500が特別遊技状態制御手段をなす。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(S808の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(S814)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉42aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(S808の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(S815)。大当り終了処理は、S809の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
その後、遊技制御装置500は、特図1表示器51における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S816)。続いて、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(S817)。
さらに、遊技制御装置500は、特図2表示器52における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S818)。続いて、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(S819)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図8)における始動口スイッチ監視処理(S801)の詳細について説明する。図9は、本発明の第1の実施の形態の始動口スイッチ監視処理のフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(S901)。
続いて、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S902)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図10にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、普通電動役物(第2始動入賞口38の可動部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の可動部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックする(S903)。普通電動役物が作動中である場合には(S903の結果が「Y」)、S906以降の処理を実行する。
一方、普通電動役物が作動中でない場合には(S903の結果が「N」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(S904)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S905)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、可動部材38aが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、S904及びS905の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(S905の結果が「Y」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(S905の結果が「N」)、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(S906)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S907)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理(図9)における特図始動口スイッチ共通処理(S902、S907)の詳細について説明する。図10は、本発明の第1の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって始動口1スイッチ37dや始動口2スイッチ38dから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37d)から信号が入力されたか否かをチェックする(S1001、S1002)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(S1002の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S1002の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S1003)。
続いて、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報を、すなわち、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(S1004)。そして、ロードした値に1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かをチェックする(S1005、S1006)。
そして、遊技制御装置500は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(S1006の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S1007)。
遊技制御装置500は、S1007の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(S1006の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(S1008、S1009)。
遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満の場合には(S1009の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(S1010)。
続いて、遊技制御装置500は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置500は、まず、対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S1011)、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S1012)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(S1013)。
次に、遊技制御装置500は、S1010で更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S1014)。
続いて、遊技制御装置500は、大当り乱数を抽出して準備し(S1015)、準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブし(S1016)、対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロード(大当り図柄乱数を抽出)して準備する(S1017)。そして、対応する大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(S1018)。
続いて、遊技制御装置500は、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブする(S1019)。同様に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブする(S1020)。さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする(S1021)。
変動パターン乱数1〜3は、例えば、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。ここで、変動パターン乱数1は後半の変動のリーチ系統を選択するための乱数で、変動パターン乱数2はリーチ系統の中から詳細な演出の振分けを行うための乱数で、変動パターン乱数3は前半の変動を選択するための乱数である。
また、特図変動表示ゲーム(特図1又は特図2)における変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置500は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である特図保留情報判定処理を実行する(S1022)。なお、特図保留情報判定処理の詳細については、図11にて後述する。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満でない場合には(S1009の結果が「N」)、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備して(S1031)、コマンド設定処理を実行し(S1032)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図10)における特図保留情報判定処理(S1022)の詳細について説明する。図11は、本発明の第1の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置500は、まず、保留中の始動記憶が先読み演出を実行してよい条件を満たしているかチェックし(S1101)、判定する(S1102)。先読み演出を実行してよい条件とは、例えば、特図始動口スイッチ共通処理における監視対象の始動口スイッチが始動口2スイッチ38dであること、又は、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dである場合には普電サポート中又は大当り中でないこと、である。このような条件にすることで、特図変動表示ゲームの実行にあたり、特図2変動表示ゲームを特図1変動表示ゲームの実行に優先させて実行させることができる。
そして、遊技制御装置500は、先読み演出を実行してよい条件を満たしていない場合には(S1102の結果が「N」)、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合には(S1102の結果が「Y」)、大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(S1103)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
そして、遊技制御装置500は、大当り判定処理の判定結果が大当りの場合には(S1104の結果が「Y」)、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定する(S1105)。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当り時の識別図柄を特定する図柄情報や始動口入賞演出図柄コマンドが定義されている情報テーブルのアドレスや大当り乱数の判定値に応じた大当り種類の振り分け率が定義されている。
次に、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得し、演出内容を選択するためのテーブルとして設定する(S1106)。
一方、遊技制御装置500は、大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合には(S1104の結果が「N」)、元々演出内容を選択するためのテーブルとして設定しているはずれ情報テーブルを用いるので、S1107の処理に移行する。
続いて、遊技制御装置500は、設定した情報テーブルから図柄情報を取得し、RWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S1107)。さらに、設定した情報テーブルから始動入賞演出図柄コマンドを取得し、RWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(S1108)。
次に、遊技制御装置500は、対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備した後(S1109)、対象の始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備する(S1110)。
続いて、遊技制御装置500は、対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(S1111)。そして、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターン設定処理を実行した後(S1112)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1113)。
そして、遊技制御装置500は、前述の変動パターン設定処理(S1113)で準備された前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出し、準備する(S1114)。また、前述の後半変動パターン設定処理(S1112)で後半変動番号領域にセーブされた後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備する(S1115)。S1114及びS1115の処理で変動パターンに対応する始動入賞演出コマンドを準備し、コマンド設定処理を実行する(S1116)。
続いて、遊技制御装置500は、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(S1117)、コマンド設定処理を実行する(S1118)。その後、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、S1114及びS1115の処理で始動口入賞演出コマンドを準備し、さらにS1117の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始のタイミングより前に演出制御装置550に対して通知することが可能になっている。演出制御装置550は、表示装置48に表示されている保留表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。従って、遊技制御装置500は事前判定手段を構成し、演出制御手段550は事前報知手段を構成している。なお、演出制御装置550による保留表示の表示態様の変化させる制御については詳細を後述する。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図8)における特図普段処理(S809)の詳細について説明する。図12は、本発明の第1の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(S1201、S1202)。
遊技制御装置500は、特図2保留数が0の場合には(S1202の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かをチェックする(S1203、S1204)。このように、特図2保留数のチェック(S1201)を、特図1保留数のチェック(S1203)よりも先に行うことによって、特図1変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な特図2変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
さらに、遊技制御装置500は、特図1保留数が0の場合には(S1204の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(S1205、S1206)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(S1206の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(S1207)。続いて、客待ちデモコマンドを準備して(S1208)、演出制御装置550に送信するためのコマンド設定処理を実行する(S1209)。
一方、遊技制御装置500は、既に客待ちデモが開始されている場合には(S1206の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置550に送信済みであるため、S1210以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置500は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(S1210)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、特図2保留数が0でない場合(S1202の結果が「N」)、すなわち、第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図2変動開始処理1を実行する(S1211)。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行する(S1212)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置500は、特図1保留数が0でない場合(S1204の結果が「N」)、すなわち、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図1変動開始処理1を実行する(S1213)。
そして、遊技制御装置500は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行する(S1214)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する。その後、特図普段処理を終了する。
〔普図・普電性能〕
続いて、図13は、本発明の第1の実施の形態の普図変動表示ゲーム及び普電サポートの性能を示す図である。
普図変動表示ゲーム(所定遊技)の結果が当り(特定結果)となる普図確率は、普電サポート状態(前述の特定遊技状態)でない場合に200分の1の低確率(所定確率、通常確率)とし、普電サポート状態の場合に200分の199の高確率(所定確率よちも高い確率)とする。なお、普電サポート状態は、遊技制御装置500によって、大当り終了後などに制御され、次の大当りが発生するまで又は所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続する。従って、遊技制御装置500は、所定遊技の結果が特定結果となる確率が所定確率に制御される通常遊技状態と、所定遊技の結果が特定結果となる確率が所定確率よりも高い確率に制御される特定遊技状態と、を制御可能な遊技状態制御手段を構成する。
普図変動表示ゲームの普図変動時間は、普電サポート状態でない場合には10.0秒である。そして、普電サポート状態になると、普図変動時間は0.50秒になるが、所定ゲーム数消化後に10.0秒に戻す。このときの普図変動表示ゲームは特殊変動時間(10.0秒)のロング普図変動となる。ここでは特殊変動時間を普電サポートなし状態(通常遊技状態)における普図変動時間と同じにしたが、それよりも長い変動時間を設定してもよい。
また、本発明の第1の実施の形態では、特図1始動入賞記憶よりも特図2始動入賞記憶が優先して消化される。そして、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとでは、特図2変動表示ゲームの方が、大当りになったときの大当り種類が遊技者にとって有利に設定されている。そこで、普電サポート中の普図変動時間は、最終消化順の特図2始動入賞記憶に対応する特図変動時間よりも短くなるように設定する。これにより、普図変動中に優先消化される特図2始動記憶が全て消化されても、普図変動表示ゲームが特定結果となって終了し、入賞容易状態が発生することで、特図2始動記憶が発生する可能性が高まるので、特図変動表示ゲームが大当りになったときの大当り種類が遊技者にとって不利に設定されている特図1始動入賞記憶が消化される可能性が低くなり、遊技者にとって有利な特図2変動表示ゲームがなるべく継続されるようにすることができる。
普図変動表示ゲームの結果を報知する普図停止時間は、普電サポート状態でない場合には0.60秒である。そして、普電サポート状態になると、普図停止時間は0.50秒になるが、所定ゲーム数消化後に0.60秒に戻す。
普図変動表示ゲームの結果が当りとなった場合に作動する普通電動役物の普電開放パターンは、普電サポート状態でないときの当りでは0.30秒の開放が1回行われ、普電サポート状態のときの当りでは1.70秒の開放が3回行われる。なお、普電サポート状態のときの普電開放パターンは、合計開放時間が同じであれば1回あたりの開放時間と開放回数とは自由に設定してよい。例えば、5.10秒の開放が1回行われるパターンでもよい。
ここで、遊技制御装置500は、遊技球が普図始動ゲート34内を通過すること(所定条件の成立)に基づいて実行される普図変動表示ゲーム(所定遊技)の変動時間及び普図変動表示ゲームの結果を報知する普図停止時間を制御し、普図変動表示ゲームの結果が当り(特定結果)となると入賞容易状態を制御する。従って、遊技制御装置500は、普電入賞装置が入賞容易状態に変換される場合に、所定条件の成立から当該入賞可能状態が発生するまでの期間を制御する期間制御手段を構成する。
〔普図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理(図7)における普図ゲーム処理(S709)の詳細について説明する。図14は、本発明の第1の実施の形態の普図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
普図ゲーム処理では、普図始動ゲート34の入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定を行う。
遊技制御装置500は、まず、ゲートスイッチ34aへの遊技球の入賞を監視するゲートスイッチ監視処理を実行する(S1401)。ゲートスイッチ監視処理では、普図始動ゲート34に遊技球が入賞すると、普図変動表示ゲームの当りを決定するための当り乱数を抽出する。なお、ゲートスイッチ監視処理の詳細については、図15にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、普電入賞スイッチ監視処理を実行する(S1402)。普電入賞スイッチ監視処理では、第2始動入賞口38に設けられた始動口2スイッチ38dのカウント数、すなわち、第2始動入賞口38に入賞した遊技球の数を監視する。そして、カウント数が10カウントに達すると第2始動入賞口38の開閉部材38aの開放終了を監視する。
次に、遊技制御装置500は、普図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、普図ゲーム処理タイマを1減算して更新し、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S1403)。そして、普図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S1404)。
遊技制御装置500は、普図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合には(S1404の結果が「Y」)、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S1405)。
遊技制御装置500は、さらに、普図ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S1406)。そして、普図ゲーム処理番号に対応する処理が完了した後に戻り先であるリターンアドレスをスタック領域に退避させる(S1407)。その後、普図ゲーム処理番号に対応する処理を実行する(S1408)。
遊技制御装置500は、普図ゲーム処理番号が「0」の場合には(S1408の結果が「0」)、普図普段処理を実行する(S1409)。普図普段処理は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの結果の抽選、及び普図変動中処理を行うために必要な情報の設定などを行う。なお、普図普段処理の詳細については、図16A及び図16Bにて後述する。
遊技制御装置500は、普図ゲーム処理番号が「1」の場合には(S1408の結果が「1」)、普図変動中処理を実行する(S1410)。普図変動中処理は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。なお、普図変動中処理の詳細については、図17にて後述する。
遊技制御装置500は、普図ゲーム処理番号が「2」の場合には(S1408の結果が「2」)、普図表示中処理を実行する(S1411)。普図表示中処理は、普図変動表示ゲームの遊技結果が当りであれば、普電サポート状態に応じた第2始動入賞口38の開閉部材38aの開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。なお、普図表示中処理の詳細については、図18にて後述する。
遊技制御装置500は、普図ゲーム処理番号が「3」の場合には(S1408の結果が「3」)、普図当り中処理を実行する(S1412)。普図当り中処理は、普図変動表示ゲームの当りが終了するか否かを判定する処理や、普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う。なお、普図当り中処理の詳細については、図19にて後述する。
遊技制御装置500は、普図ゲーム処理番号が「4」の場合には(S1408の結果が「4」)、普電残存球処理を実行する(S1413)。普電残存球処理は、普図変動表示ゲームの当りラウンドが最終ラウンドであれば、第2始動入賞口38内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定などを行う。
遊技制御装置500は、普図ゲーム処理番号が「5」の場合には(S1408の結果が「5」)、普図当り終了処理を実行する(S1414)。普図当り終了処理は、普図普段処理(S1409)を行うために必要な情報の設定等を行う。
各処理番号に対応する処理が完了すると、遊技制御装置500は、普図表示器53の変動を制御するためのテーブルを準備し(S1415)、普図表示器53における図柄変動制御処理を実行する(S1416)。その後、普図ゲーム処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、普図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合には(S1404の結果が「N」)、S1415以降の処理を実行する。
〔ゲートスイッチ監視処理〕
続いて、前述の普図ゲーム処理(図14)におけるゲートスイッチ監視処理(S1401)の詳細について説明する。図15は、本発明の第1の実施の形態のゲートスイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、普図始動ゲート34のゲートスイッチ34aに入力があるか否かをチェックし判定する(S1501、S1502)。入力がない場合には(S1502の結果が「N」)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、ゲートスイッチ34aに入力がある場合には(S1502の結果が「Y」)、普図保留数が上限値未満か否かをチェックし判定する(S1503、S1504)。ここで、普図保留を記憶する上限数は4個としているが、変更してもよい。そして、普図保留数が上限値に到達している場合には(S1504の結果が「N」)、これ以上保留できないのでゲートスイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、普図保留数が上限値未満である場合には(S1504の結果が「Y」)、普図保留数を1加算して更新する(S1505)。次に、普図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出し(S1506)、当り乱数を抽出して、乱数セーブ領域にセーブする(S1507)。その後、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
〔普図普段処理〕
続いて、前述の普図ゲーム処理(図14)における普図普段処理(S1409)の詳細について説明する。図16Aは、本発明の第1の実施の形態の普図普段処理の前半部のフローチャートである。図16Bは、本発明の第1の実施の形態の普図普段処理の後半部のフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、普図保留数が0であるか否かをチェックする(S1601)。そして、普図保留数が0であるか否かを判定する(S1602)。普図保留数が0の場合には(S1602の結果が「Y」)、次に実行されるタイマ割込み処理の普図ゲーム処理で普図普段処理を実行させるために、普図普段処理移行設定処理1を実行する(S1603)。その後、普図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、普図保留数が0でない場合には(S1602の結果が「N」)、現在の普図確率が低確率であるか否かを判定する(S1604)。現在の普図確率が低確率である場合には(S1604の結果が「Y」)、普図確率が低確率である場合の当り判定用の上限判定値を設定する(S1605)。また、現在の普図確率が低確率でない場合には(S1604の結果が「N」)、普図確率が高確率である場合の当り判定用の上限判定値を設定する(S1606)。
そして、遊技制御装置500は、RWMの乱数セーブ領域から当り乱数をロードして準備する(S1607)。さらに、当り判定用の下限判定値を設定する(S1608)。
遊技制御装置500は、その後、当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かをチェック、つまり、S1607の処理でロードされた当り乱数の値が、当該当り乱数の当り判定値の下限値未満であるかをチェックする(S1609)。そして、当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(S1610)。
遊技制御装置500は、当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(S1610の結果が「N」)、すなわち、当り乱数の値が下限判定値以上の場合には、当り乱数の値が上限判定値よりも大きいか否かをチェックする(S1611)。すなわち、S1607の処理で読み込まれた当り乱数の値が、当該当り乱数の当り判定値の上限値よりも大きいかをチェックする。そして、当り乱数の値が上限判定値よりも大きいか否かを判定する(S1612)。
遊技制御装置500は、当り乱数の値が上限判定値よりも大きくない、すなわち、当り乱数の値が上限判定値以下の場合には(S1612の結果が「N」)、RWMの当りフラグ領域に当り情報をセーブする(S1613)。さらに、普図停止図柄に当り時の停止図柄番号を設定し(S1614)、S1617以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、当り乱数の値が下限判定値未満の場合(S1610の結果が「Y」)、もしくは、上限判定値より大きい場合(S1612の結果が「Y」)には、RWMの当りフラグ領域にはずれ情報をセーブする(S1615)。さらに、普図停止図柄にはずれ時の停止図柄番号を設定し(S1616)、S1617以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置500は、RWMの乱数セーブ領域を0クリアする(S1617)。そして、普図停止図柄領域に普図停止図柄領域にS1614又はS1616の処理で設定された停止図柄番号をセーブする(S1618)。さらに、中継基板591を介して図示しない試射試験装置に送信するために、普図停止図柄番号に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(S1619)。
次に、遊技制御装置500は、当り乱数セーブ領域をシフトし(S1620)、S1620の処理でシフトされた後の空き領域をクリアする(S1621)。さらに、普図保留数を1減算して更新する(S1622)。
次に、遊技制御装置500は、普電サポート中であるか否かを判定する(S1623)。
そして、遊技制御装置500は、普電サポート中の場合には(S1623の結果が「Y」)、所定ゲーム数到達フラグを確認して(S1624)、フラグがあるか否かを判定する(S1625)。そして、フラグがない場合には(S1625の結果が「N」)、普電サポート状態となってから所定数の普図変動表示ゲームが実行されていないので、普電サポート時の変動時間として0.50秒(図13参照)を設定する(S1626)。このときの変動時間0.50秒は普電入賞装置の性能限界の変動時間である。なお、変動時間としては1.0秒などに設定することも可能であり、0.5秒と1.0秒を所定条件に基づいて選択し、選択されたものを設定してもよい。ただし、少なくとも、後述の特殊変動時間及び普電サポートなし時の変動時間よりも短くなるように設定する。
一方、遊技制御装置500は、所定ゲーム数到達フラグがある場合には(S1625の結果が「Y」)、普電サポート状態となってから所定数の普図変動表示ゲームが実行されているので、普電サポート時の変動時間として所定ゲーム数到達時の特殊変動時間(ロング普図変動)である10.0秒(図13参照)を設定する(S1627)。そして、遊技者に遊技球の打ち出しの停止を指示するコマンドを準備して(S1628)、演出制御装置550に送信するためのコマンド設定処理を実行する(S1629)。ここで、打ち出しの停止を指示するコマンドは、後述の普図当り終了処理(図21)で準備及び設定されてもよいが、遅くとも普図変動表示ゲームが開始される前の本処理で行われなければならない。なお、本発明の第1の実施の形態では、普図当り終了処理で打ち出しの停止を予告するコマンドの設定を行っている。
また、遊技制御装置500は、普電サポート中でない場合には(S1623の結果が「N」)、普電サポートなし時の変動時間として10.0秒(図13参照)を設定する(S1630)。
続いて、遊技制御装置500は、前述のS1626、S1627、又は、S1630の処理で設定した変動時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S1631)。最後に、次に実行されるタイマ割込み処理における普図ゲーム処理で普図変動中処理が実行されるように、普図変動中処理以降設定処理を実行して(S1632)、普図普段処理を終了する。
〔普図変動中処理〕
次に、前述の普図ゲーム処理(図14)における普図変動中処理(S1410)の詳細について説明する。図17は、本発明の第1の実施の形態の普図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、普図ゲーム処理で次に普図表示中処理が実行されるように、処理番号として「2」を設定し(S1701)、普図ゲーム処理番号領域に処理番号「2」をセーブする(S1702)。
そして、遊技制御装置500は、普電サポート中であるか否かを判定する(S1703)。普電サポート中である場合には(S1703の結果が「Y」)、所定ゲーム数到達フラグを確認し(S1704)、フラグがあるか否かを判定する(S1705)。
遊技制御装置500は、普電サポート中でない場合(S1703の結果が「N」)、もしくは、所定ゲーム数到達フラグがある場合(S1705の結果が「Y」)には、通常の普図表示時間として0.60秒(図13参照)を設定する(S1706)。さらに、遊技者に遊技球の打ち出しの再開を指示するコマンドを準備する(S1707)。
一方、遊技制御訴追500は、所定ゲーム数到達フラグがない場合には(S1705の結果が「N」)、短縮の普図表示時間として0.50秒(図13参照)を設定する(S1708)。
次に、遊技制御装置500は、前述のS1706、又は、S1708の処理で設定した普図表示時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S1709)。そして、中継基板591を介して図示しない試射試験装置に送信するために、普図変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(S1710)。さらに、普図変動表示ゲームの変動を停止するための停止フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブして(S1711)、普図変動中処理を終了する。
〔普図表示中処理〕
次に、前述した普図ゲーム処理(図14)における普図表示中処理(S1411)の詳細について説明する。図18は、本発明の第1の実施の形態の普図表示中処理の手順を示すフローチャートである。
普図表示中処理は、普図変動表示ゲームにおける普通図柄の停止時間が経過するまで実行されない処理であり、現在の普電サポート状態に対応する第2始動入賞口38の開閉部材38aの開放時間(普電開放時間)を決定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、RWMの当りフラグ領域から当りフラグをロードし(S1801)、当りフラグ領域をクリアする(S1802)。そして、遊技制御装置500は、S1801の処理でロードされた当りフラグに基づいて、普通図柄が停止した普図変動表示ゲームが当りであるか否かをチェックし判定する(S1803、S1804)。
遊技制御装置500は、普図変動表示ゲームが当りでない場合には(S1804の結果が「N」)、普電開放時間を決定しないので、普図普段処理移行設定処理1を実行する(S1805)。普図普段処理移行設定処理1では、処理番号を0に設定し、普図ゲーム処理番号領域にセーブする。そして、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする。普図普段処理移行設定処理1が終了すると、S1814以降の処理に移行する。
遊技制御装置500は、普図変動表示ゲームが当りである場合には(S1804の結果が「Y」)、普電サポート中であるか否かを判定する(S1806)。具体的には、普図ゲームモードフラグ領域に設定された普電サポートフラグに基づいて現在の普図状態を特定する。
遊技制御装置500は、普電サポート中である場合には(S1806の結果が「Y」)、普電サポート時の普電開放時間(例えば、1.70秒、図13参照)を設定する(S1807)。このとき、第2始動入賞口38の開閉部材38aの開放回数も設定する(例えば3回、図13参照)。さらに、普電サポート時の当り開始ポインタとして0を設定する(S1808)。
一方、遊技制御装置500は、普電サポート中でない場合には(S1806の結果が「N」)、普電サポートなしの普電開放時間(例えば、0.30秒、図13参照)を設定する(S1809)。さらに、普電サポートなし時の当り開始ポインタとして4を設定する(S1810)。
続いて、遊技制御装置500は、S1808、又は、S1810の処理で設定された現在の普図状態に対応する当り開始ポインタの値を普図当り中処理制御ポインタ領域にセーブする(S1811)。さらに、S1807、又は、S1809の処理で設定された現在の普図状態に対応する普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S1812)。
次に、遊技制御装置500は、普図当り中処理を実行すべく普図当り中処理移行設定処理を実行する(S1813)。普図当り中処理移行設定処理には、第2始動入賞口38の開閉部材38aを開放状態にする処理が含まれる。具体的には、普電ソレノイド出力データ領域にONデータをセーブし、第2始動入賞口38の開閉部材38aを開放するように普電ソレノイド38bを制御する。そして、S1812の処理で設定された普電開放時間が経過すると、後述する普電作動移行設定処理(図20参照)によって、第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放状態から閉塞状態に移行する。そして、S1816の処理で普図ゲーム処理タイマ領域に普電開放時間がセーブされているので、普電開放時間が経過してから普図当り中処理が実行される。
続いて、遊技制御装置500は、普図ゲーム数カウンタを1加算して更新する(S1814)。そして、普図ゲーム数カウンタが所定ゲーム数(例えば、10ゲーム)に到達したか否かを判定する(S1815)。
遊技制御装置500は、普図ゲーム数カウンタが所定ゲーム数に到達した場合には(S1815の結果が「Y」)、普図ゲーム数カウンタを初期化し(S1816)、所定ゲーム数到達フラグをセットする(S1817)。その後、普図表示中処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、普図ゲーム数カウンタが所定ゲーム数に満たない場合には(S1815の結果が「N」)、所定ゲーム数到達フラグをクリアして(S1818)、普図表示中処理を終了する。
なお、S1814の処理における普図ゲーム数カウンタの更新は、普電サポート中に当りとなったときのみ更新するようにしてもよい。はずれが続くような場合にもカウントされると、普電入賞装置が作動しておらず普電ソレノイド38aが発熱していないにも関わらずロング普図変動(特殊変動時間による普図変動表示ゲーム)が発生してしまう。不必要なロング普図変動の発生を防止するために有効である。
また、S1818の処理における所定ゲーム数到達フラグのクリアは、普電開放のパターンも変更する場合には、開放終了後に行えばよい。
〔普図当り中処理〕
次に、前述した普図ゲーム処理(図14)における普図当り中処理(S1412)の詳細について説明する。図19は、本発明の第1の実施の形態の普図当り中処理の手順を示すフローチャートである。
普図当り中処理は、普図当りの状態を示す普図当り中処理制御ポインタ(0〜4)を更新する処理である。
遊技制御装置500は、まず、普図当り中処理制御ポインタをロードして準備する(S1901)。さらに、S1901の処理でロードされた普図当り中処理制御ポインタが当りを終了させる値(4)であるか否かをチェックする(S1902)。S1902のチェック結果に基づいて、普図変動表示ゲームの当りを終了するか否かを判定する(S1903)。
遊技制御装置500は、普図変動表示ゲームの当りを終了しない場合には(S1903の結果が「N」)、普図当り中処理制御ポインタの値を1加算して更新する(S1904)。
遊技制御装置500は、S1904の処理を実行した後、又は、普図変動表示ゲームの当りを終了する場合には(S1903の結果が「Y」)、普電作動移行設定処理を実行し(S1905)、普図当り中処理を終了する。
〔普電作動移行設定処理〕
次に、前述した普図当り中処理(図19)における普電作動移行設定処理(S1905)の詳細について説明する。図20は、本発明の第1の実施の形態の普電作動移行設定処理の手順を示すフローチャートである。普電作動移行設定処理では、普図当り中処理制御ポインタの値に対応した処理が実行される。
遊技制御装置500は、まず、普図当り中処理制御ポインタの値に応じた処理を実行する(S2001)。なお、S2001の処理で判定に使用する制御ポインタの値は、図19のS1901の処理でロードされた普図当り中処理制御ポインタの値である。このとき、図19のS1904の処理によって、普図当り中処理制御ポインタ領域に格納された普図当り中処理制御ポインタの値に1が加算されているが、S2001の処理で利用される値は加算前の値である。
遊技制御装置500は、普図当り中処理制御ポインタの値が0又は2である場合には(S2001の結果が「0」又は「2」)、まず、第2始動入賞口38の開閉部材38aを閉塞する時間を示すウェイト時間(例えば、0.80秒)を設定する(S2002)。さらに、S2002の処理で設定されたウェイト時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S2003)。
そして、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38の開閉部材38aを閉塞状態にするように普電ソレノイド38bを制御するために、普電ソレノイド出力データ領域にOFFデータをセーブし(S2004)、普電作動移行設定処理を終了する。なお、処理番号は更新されず3のままであるので、ウェイト時間が経過すると普図当り中処理が実行され、図19のS1904の処理で普図当り中処理制御ポインタが1加算されて更新される。
遊技制御装置500は、普図当り中処理制御ポインタの値が1又は3である場合には(S2001の結果が「1」又は「3」)、現在の普電サポート状態に対応する普電開放時間(ここでは1.7秒)を設定する(S2005)。さらに、S2005の処理で設定された普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S2006)。
そして、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38の開閉部材38aを開放状態にするように普電ソレノイド38bを制御するために、普電ソレノイド出力データ領域にONデータをセーブし(S2007)、普電作動移行設定処理を終了する。なお、処理番号は更新されず3のままであるので、普電開放時間が経過すると普図当り中処理が実行され、図19のS1904の処理で普図当り中処理制御ポインタが更新(+1)される。
次に、遊技制御装置500は、普図当り中処理制御ポインタの値が4である場合には(S2001の結果が「4」)、当り状態を終了し普電残存球処理を実行するために、処理番号を4に設定する(S2008)。さらに、S2008の処理で設定された処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(S2009)。そして、普電残存球処理時間(例えば、0.60秒)を設定し(S2010)、S2010の処理で設定された普電残存球処理時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S2011)。普電残存球処理時間は、第2始動入賞口38の開閉部材38aが閉塞状態であった場合に第2始動入賞口への入賞を検出しても普電不正入賞数としてカウントしない時間である。なお、所定ゲーム数到達の場合には普電残存球処理時間を短く(例えば、0.50秒)設定してもよい。
最後に、遊技制御装置500は、第2始動入賞口38の開閉部材38aを閉塞状態にするように普電ソレノイド38bを制御するために、普電ソレノイド出力データ領域にOFFデータをセーブし(S2012)、普電作動移行設定処理を終了する。
以上のように、普図変動表示ゲームの当りの発生中には第2始動入賞口38の開閉部材38aを閉塞状態から開放状態に変換することが、状態に応じて1回(0.30秒×1回)または3回(1.70秒×3回)行われ、3回の開放が終了すると普図変動表示ゲームの当りが終了する。
さらに説明すると、第2始動入賞口38の開閉部材38aの開放回数が1回の場合には、普図当り中処理移行設定処理で開放状態となる。そして、普図当り中処理制御ポインタの開始値が4となっているため(S1810)、普電作動移行設定処理で再び開放状態となることなく、次の処理(普電残存球処理)に移行するための処理が実行される。
一方、第2始動入賞口38の開閉部材38aの開放回数が3回の場合には、普図当り中処理移行設定処理で開放状態となった後、普図当り中処理制御ポインタの開始値が0となっているため(S1808)、普電作動移行設定処理で2回、閉塞状態から開放状態に移行する処理が実行される。
〔普図当り終了処理〕
次に、前述した普図ゲーム処理(図14)における普図当り終了処理(S1414)の詳細について説明する。図21は、本発明の第1の実施の形態の普図当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
普図当り終了処理は、普図変動表示ゲームの当り状態が終了した後、次の普図変動表示ゲームの実行に移行するため、普図普段処理(S1409)を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、まず、次に普図普段処理が実行されるように普図ゲーム処理番号として「0」を設定する(S2101)。そして、普図ゲーム処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(S2102)。
次に、遊技制御装置500は、普図当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(S2103)。また、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(S2104)。
続いて、遊技制御装置500は、普電サポート中であるか否かを判定する(S2105)。普電サポート中である場合には(S2105の結果が「Y」)、所定ゲーム数到達フラグを確認して(S2106)、フラグがあるか否かを判定する(S2107)。そして、所定ゲーム数到達フラグがある場合には(S2107の結果が「Y」)、普図保留があるか否かを判定する(S2108)。
遊技制御装置500は、普図保留がある場合には(S2108の結果が「Y」)、遊技者に遊技球の打ち出しの停止を予告するコマンドを準備し(S2109)、演出制御装置550に送信するための設定を行うコマンド設定処理を実行する(S2110)。その後、普図当り終了処理を終了する。ここでは、打ち出し停止を報知(予告、指示)するコマンドを前述の普図普段処理(図16のS1628)と本処理(S2109)の両方で設定するようにしているが、どちらか一方の処理のみで設定してもよい。または、普図普段処理で設定するコマンドは、打ち出しの停止を指示する代わりに、普電作動中に次の普図変動表示ゲームがロング普図変動になることを報知するコマンドとしてもよい。
一方、遊技制御装置500は、普電サポート中でない場合(S2105の結果が「N」)、所定ゲーム数到達フラグがない場合(S2107の結果が「N」)、もしくは、普図保留がない場合には(S2108の結果が「N」)、特殊変動時間(10.0秒、図13参照)の普図変動表示ゲームを実行しないので、打ち出しの停止を予告するコマンドを準備、設定することなく、普図当り終了処理を終了する。
なお、普図保留がない場合には(S2108の結果が「N」)、打ち出し停止の予告報知を行わないが、次に実行される普図変動表示ゲームは特殊変動時間のロング普図変動となるので、次の普図変動表示ゲームの開始時にすぐに打ち出しを停止するよう報知してもよい。
また、普図保留がない場合に(S2108の結果が「N」)、その後普図保留の発生が途絶えて所定時間が経過すると、普通電動役物(第2始動入賞口38の開閉部材38a)の発熱による温度上昇は治まり、時間の経過とともに温度が低下する。このような場合には、所定ゲーム数到達フラグがあってもロング普図変動が発生しないように制御してもよい。
以上が遊技制御装置500による処理の説明である。続いて、演出制御装置550による処理について説明する。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置550によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図22は、本発明の第1の実施の形態の演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(S2201)。次に作業領域であるRAM551aを0クリアする(S2202)。そしてCPU初期化処理を実行する(S2203)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM551aに設定し(S2204)、乱数初期化処理を実行する(S2205)。続いて所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(S2206)。そして割込みを許可する(S2207)。
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)551は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S2208)。WDTは、上述したCPU初期化処理(S2203)で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技者による演出ボタン31の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を実行したりする(S2209)。また遊技制御装置500から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(S2210)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード処理を実行する(S2211)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御コマンド解析処理(S2210)において解析された制御コマンドに基づき、表示装置48に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(S2212)。なお、1stシーン制御処理についての詳細は、第1の実施の形態の変形例において、図29にて後述する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、普電サポート中に普図変動時間が特殊変動時間になる場合(ロング普図変動になる場合)に遊技者に遊技球の打ち出しの停止を報知する打ち出し停止報知制御処理を実行する(S2213)。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(S2214)。演出制御装置550に関わる異常の他に、遊技制御装置500からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、警報音の報知など所定の処理を実行する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(S2215)。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、スピーカー30から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(S2216)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置10d、枠装飾装置18d)を制御する装飾制御処理を実行し(S2217)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置10f、枠演出装置18f)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(S2218)。
最後に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(S2219)、S2208の処理に戻る。以降、S2208からS2219までの処理を繰り返す。
〔打ち出し停止報知処理〕
次に、前述した1stメイン処理(図22)における打ち出し停止報知処理(S2213)の詳細について説明する。図23は、本発明の第1の実施の形態の打ち出し停止報知処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、打ち出しの停止を予告するコマンドを受信しているかを確認する(S2301)。当該コマンドは、遊技制御装置500によって普図当り終了処理(図21)で設定される。主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御装置500から送信される当該コマンドを受信し、作業領域であるRAM551aに記憶するので、当該コマンドがRAM551aにあるか否かを判定する(S2302)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、打ち出しの停止を予告するコマンドがある場合には(S2302の結果が「Y」)、打ち出しの停止を予告する表示の実行を設定し(S2303)、打ち出し停止報知処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、打ち出しの停止を予告するコマンドがない場合には(S2302の結果が「N」)、打ち出しの停止を指示するコマンドを受信しているかを確認する(S2304)。当該コマンドは、遊技制御装置500によって普図普段処理(図16)で設定される。主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御装置500から送信される当該コマンドを受信し、作業領域であるRAM551aに記憶するので、当該コマンドがRAM551aにあるか否かを判定する(S2305)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、打ち出しの停止を指示するコマンドがある場合には(S2305の結果が「Y」)、打ち出しの停止を指示する表示の実行を設定する(S2306)。次に、打ち出しの停止を指示する音声の出力を設定し(S2307)、さらに、打ち出しの停止を指示する発光パターン(LED等の発光源の制御)を設定する(S2308)。その後、打ち出し停止報知処理を終了する。このように打ち出しの停止を指示する場合には、表示、音声及び発光などによる報知を行うため、演出制御装置550は、報知手段を構成する。なお、打ち出しの停止を指示する場合には表示、音声及び発光を制御するとしたが、いずれか一つを制御するものでもよし、複数を組み合わせるのでもよいし、遊技者が予め選択した制御を実行するのでもよい。ここでは、打ち出しの停止の指示はロング普図変動で実行されるので、それ以前に実行される打ち出しの停止の予告よりも遊技者が認識しやすい報知とする。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、打ち出しの停止を指示するコマンドがない場合には(S2305の結果が「N」)、打ち出しの再開を指示するコマンドを受信しているかを確認する(S2309)。当該コマンドは、遊技制御装置500によって普図変動中処理(図17)で設定される。主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御装置500から送信される当該コマンドを受信し、作業領域であるRAM551aに記憶するので、当該コマンドがRAM551aにあるか否かを判定する(S2310)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、打ち出しの再開を指示するコマンドがある場合には(S2310の結果が「Y」)、打ち出しの再開を指示する表示の実行を設定して(S2311)、打ち出し停止報知処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、打ち出しの再開を指示するコマンドがない場合には(S2310の結果が「N」)、打ち出し停止報知処理を終了する。
本発明の第1の実施の形態では、打ち出し停止の予告及び再開の指示は表示装置48における表示のみで報知されるが、打ち出し停止の指示は表示装置48における表示以外にもスピーカー30からの音声出力、及び、装飾部材9による発光を利用して報知される。なお、上述のように各報知に用いる報知手段に表示装置48、スピーカー30及び装飾部材9のいずれを用いるかは適宜変更してもよい。
〔普図制御タイミング〕
続いて、図24は、本発明の第1の実施の形態の普図制御タイミングチャートである。ここでは、普電サポート中に当りとなって普電入賞装置(第2始動入賞口38の開閉部材38a)が作動する場合について説明する。
図24(A)は、従来の普図制御タイミングチャートである。
従来では、まず、普図変動表示ゲームが開始されると、普通図柄が変動し、設定された普図変動時間を経過した後停止する。その後、普図変動表示ゲームの結果を報知し、報知時間である普図停止時間が経過すると、普電入賞装置の開閉(1.7秒の開放を3回)が開始される。そして、普電入賞装置の開閉が終了した後、該普電入賞装置内に残存する遊技球が該普電入賞装置から排出されることを確認する普電残存球処理時間が経過すると、次の普図変動表示ゲームが開始される。以後、設定された普図変動時間、普図停止時間、及び普電残存球処理時間は変更されることなく、前述の動作が繰り返される。
図24(B)は、本発明の第1の実施の形態の普図制御タイミングチャートである。
本発明の第1の実施の形態では、普電サポートが開始されて所定回数の普図変動表示ゲームが実行されるまで、遊技制御装置500の期間制御手段によって普図変動時間、普図停止時間及び普電残存球処理時間の合計が通常遊技状態のときよりも短い第1特定期間に制御される。普図変動時間及び普図停止時間は通常1.0秒のところ性能限界の0.50秒に短縮される。また、普電残存球処理時間は通常0.60秒のところ0.50秒に短縮される。
そして、普図変動表示ゲームが所定回数実行されると、次の普図変動表示ゲームはロング普図変動となり、期間制御手段によって普図変動時間、普図停止時間及び普電残存球処理時間の合計が第1特定期間よりも長い第2特定期間に制御される。ここでは、普図変動時間が10.0秒になる。また、普図停止時間及び普電残存球処理時間も0.60秒になる。このように普電サポート中に定期的にロング普図変動を発生させることで、この間に普電入賞装置の普電ソレノイド38bの熱を冷ますことができる。
このとき、所定回数に到達した普図変動表示ゲームにおいて打ち出しの停止を指示するコマンドが設定され、ロング普図変動時に遊技球を打ち出さないよう報知される。また、ロング普図変動終了時には、遊技球の打ち出しの再開指示が報知される。そして、この後の普図変動表示ゲームは再び所定回数に到達するまで短縮動作が繰り返される。
なお、ロング普図変動中に特別変動入賞装置42が開放された場合は、打ち出し停止指示は止め、大当りに関する報知を優先し大当り中の遊技に準拠した表示が行われる。また、ロング普図変動のときに実行されている特図2変動表示ゲームの変動時間も強制的に長くなるように制御し、ロング変動にすれば、特図2の保留の消化を防止できる。
〔画面表示例〕
図25は、本発明の第1の実施の形態の画面表示の一例である。ここでは、前述した打ち出し停止報知処理(図23)で設定される打ち出しの停止予告、停止指示、及び再開指示を報知する画面表示について説明する。第1の実施の形態では、ロング普図変動となる普図変動表示ゲームの開始(第2特定期間の開始)前に打ち出しの停止を予告する報知(第1報知)が実行され、該普図変動表示ゲームが開始されると(第2特定期間中)打ち出しの停止を指示し、普図変動時間が経過すると打ち出しの再開を指示する報知(第2報知)が実行される。
表示装置48では、画面中央で特図変動表示ゲームが実行中であるが、画面上にメッセージ形式で各報知内容が表示される。
図25(A)は、打ち出しの停止を予告する表示の一例であり、「打ち出しの停止の準備をしてください」とのメッセージが表示される。
図25(B)は、打ち出しの停止を指示する表示の一例であり、「打ち出しを停止してください」とのメッセージが表示される。また、打ち出しの停止を指示する場合には、スピーカー30からの音声出力による報知も行われるので、メッセージの表示とともに音楽が流れる。
図25(C)は、打ち出しの再開を指示する表示の一例であり、「打ち出しを再開してください」とのメッセージが表示される。
(第1の実施の形態の効果)
本発明の第1の実施の形態によれば、普電サポート中においても所定回数毎にロング普図変動を設けることで、この間は普電入賞装置の普電ソレノイド38bの作動を止めることが可能となり、発熱を抑制することができる。特に、普電入賞装置の作動を禁止するのではなく、遊技の流れの一部として普図変動時間、普図停止時間等を通常よりも長い期間に制御し、普電入賞装置の駆動を休止させる。そして、ロング普図変動となる場合には遊技者に報知するので、遊技者の不利益になったり、遊技の進行が阻害されて遊技者にストレスを与えたりする虞も低減することができる。
また、遊技者への遊技球の打ち出し停止の報知は、ロング普図変動が開始する前にまず停止予告が行われ、ロング普図変動開始時にはより認識しやすい停止指示の報知が行われる。これにより、遊技者は確実にロング普図変動の実行を認識することができ、打ち出し停止をすることが可能である。さらに、ロング普図変動終了時には打ち出し再開指示の報知が行われるので、ロング普図変動の普図変動表示ゲームが当りとなって普電入賞装置が開放される場合にも遊技者は遅れることなく遊技球の打ち出しを再開することが可能である。よってロング普図変動によって遊技者は不利益にならない。
このように普電入賞装置の作動を止める期間を設けることで、この期間以外では作動のインターバルを極力短くすることができる。これにより、普電サポート中の遊技の進行を円滑に進めることができる。
なお、普電入賞装置が開放されて第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に遊技者に付与される遊技価値は、第1始動入賞口37に遊技球が入賞した場合に遊技者に付与される遊技価値よりも低く設定される。このため、普電入賞装置が開放状態となる確率が高くても、遊技価値が過剰に付与されることはないので、遊技者と遊技店との利益のバランスを保つことができる。
(第1の実施の形態の変形例)
本発明の第1の実施の形態では、普電サポート状態でない場合(普電サポートなし状態)の普図確率が200分の1である。これに対し、第1の実施の形態の変形例では、普電サポートなし状態の普図確率を200分の10とする。また、第1の実施の形態では普電サポートなし状態での普電開放パターンが0.30秒の開放を1回であるのに対し、変形例では2.0秒の開放を1回とする。
このような設定では、普電サポート状態が終了して普電サポートなし状態に移行しても、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって普電入賞装置(第2始動入賞口38の開閉部材38a)が作動しやすい。これでは、普電サポート状態のときに頻繁に動作していた普電入賞装置の普電ソレノイド38bの熱を冷ますことができない。そこで、第1の実施の形態の変形例では、さらに、普電サポート終了後の普電サポートなし状態の普図変動時間を長く設定し、普図サポート終了後に必ず普電ソレノイド38bの熱が冷めるようにする。
また、普電サポート状態では、普図変動表示ゲームが所定回数実行された後は特図変動表示ゲームの先読み確率を上げ、期待度の高い先読みのときに遊技者が遊技球の打ち出しを止めるようにする。これにより、普図始動ゲート34を通過する遊技球がなくなり、普図始動記憶が保留されなくなる。普電入賞装置の作動契機をなくすことで、その間に普電ソレノイド38bの熱が冷めるようにする。
以下、本発明の第1の実施の形態の変形例について図26〜図31を参照して説明する。
〔普図・普電性能〕
図26は、本発明の第1の実施の形態の変形例の普図変動表示ゲーム及び普電サポートの性能を示す図である。なお、第1の実施の形態との共通部分については、適宜説明を省略する。
まず、普電サポートなし状態での普図確率は、200分の10である。
そして、普電サポートなし状態での普図変動時間は、普電サポート終了後の1ゲームもしくは所定数のゲームは20秒変動とし、その後のゲームでは10秒変動とする。
さらに、普電サポートなし状態での普電開放パターンは、2.0秒の開放が1回行われる。
〔普図普段処理(後半)〕
図27は、本発明の第1の実施の形態の変形例の普図普段処理の後半部のフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通の処理については、図16Bと同じ符号を割り当てて説明を省略する。
遊技制御装置500は、普電サポート中であって(S1623の結果が「Y」)、かつ、所定ゲーム数到達フラグもある場合には(S1625の結果が「Y」)、普電サポート時の変動時間に特殊変動時間(0.50秒、図26参照)を設定した後(S1626)、普電連続作動監視処理を実行する(S2701)。なお、普電連続作動監視処理についての詳細は、図28にて後述する。
一方、遊技制御装置500は、普電サポート中でない場合には(S1623の結果が「N」)、普電サポートなし時の変動時間(10.0秒、図26参照)を設定した後(S1630)、普電サポート終了直後であるか否かを判定する(S2702)。そして、普電サポート終了直後である場合には(S2702の結果が「Y」)、普電サポート終了時の変動時間(20.0秒、図26参照)を上書きして設定する(S2703)。また、普電サポート終了直後でない場合には(s2702の結果が「N」)、変動時間はS1630の処理で設定した時間から変更しない。
このように第1の実施の形態の変形例では、普電サポートなし状態においても普電入賞装置が作動する可能性が比較的高いので、普電サポート終了後は普電ソレノイド38bの駆動を一旦止めて、確実に該普電ソレノイド38bの熱を冷やすように、普図変動表示ゲームをロング普図変動にする。ロング普図変動とする普図変動表示ゲームのゲーム数は、1〜3ゲーム程度とし、適宜設定する。
〔普電連続作動監視処理〕
次に、前述の普図普段処理(図27)における普電連続作動監視処理(S2701)について説明する。図28は、本発明の第1の実施の形態の変形例の普電連続作動監視処理の手順を示すフローチャートである。
普電連続作動監視処理では、普電サポート状態における普電入賞装置の作動回数を監視して、普電入賞装置の作動がある程度続いたら休ませるために特図変動表示ゲームの先読み確率を変更するコマンドを設定する。これは、普電入賞装置の作動が続いて高温となった普電ソレノイド38bを冷ますことを目的として、特図始動記憶の大当りを報知する先読みを高確率で行うようにすることで、遊技者に遊技球の打ち出しを止めるよう誘導するためである。遊技者によっては大当りが発生することが分かった時点で遊技に区切りをつけて、打ち出しを停止する場合があるからである。
遊技制御装置500は、まず、普電連続作動監視カウンタを更新する(S2801)。普電連続作動監視カウンタは、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって普電入賞装置が作動する場合に1加算更新されるカウンタである。なお、普電サポート状態では高確率(200分の199)で当りとなるので、普電変動表示ゲームの実行回数を普電連続作動監視カウンタとしてもよい。
そして、遊技制御装置500は、普電連続作動監視カウンタが上限値(例えば100)に到達したか否かを判定する(S2802)。
遊技制御装置500は、普電連続作動監視カウンタが上限値に到達した場合には(S2802の結果が「Y」)、特図変動表示ゲームの先読み確率を高確率にする制御コマンドを準備し(S2803)、演出制御装置550に送信する設定を行うコマンド設定処理を実行する(S2804)。その後、普電連続作動監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、普電連続作動監視カウンタが上限値に到達しない場合には(S2802の結果が「N」)、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなって特別遊技状態となる特図大当りが開始されるか否かを判定する(S2805)。特図大当りにならない場合には(S2805の結果が「N」)、普電連続作動監視処理を終了する。
そして、遊技制御装置500は、特図大当りとなる場合には(S2805の結果が「Y」)、特図変動表示ゲームの先読み確率を通常確率にする制御コマンドを準備し(S2806)、演出制御装置550に送信する設定を行うコマンド設定処理を実行する(S2807)。また、普電連続作動監視カウンタをクリアして初期化し(S2808)、普電連続作動監視処理を終了する。
〔1stシーン制御処理〕
次に、前述した1stメイン処理(図22)における1stシーン制御処理(S2212)の詳細について説明する。図29は、本発明の第1の実施の形態の変形例の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、テストモード中であるか否かを判定する(S2901)。テストモードは、工場出荷時などCPUを検査するときに実行されるモードである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード中である場合には(S2901の結果が「Y」)、1stシーン制御処理を終了する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード中でない場合には(S2901の結果が「N」)、表示装置48に表示させるシーン(表示内容全て)を変更するシーン変更コマンドを受信したか否かを判定し(S2902)、シーン変更コマンドを受信していない場合には(S2902の結果が「N」)、S2903〜S2906の処理を実行せずにS2907の処理に移行する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、シーン変更コマンドを受信した場合には(S2902の結果が「Y」)、更新する遊技状態、すなわち、現在の遊技状態を取得する(S2903)。そして、受信したシーン変更コマンドが、遊技制御装置500から送信され、前述した遊技制御コマンド解析処理(S2210)において解析された現在の遊技状態に対応した有効なコマンドであるか否かを判定する(S2904)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したシーン変更コマンドが有効である場合には(S2904の結果が「Y」)、作業領域であるRAM551aに受信したシーン変更コマンドをセーブする(S2905)。そして、シーン(表示内容)を変更するタイミングであることを示す演出リクエストフラグをセットする(S2906)。
なお、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したシーン変更コマンドが有効でない場合には(S2904の結果が「N」)、S2905及びS2906の処理を実行せずにS2907の処理に移行する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、前述した遊技制御コマンド解析処理(S2210)において解析されたコマンド識別子に対応する処理に分岐する(S2907)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「電源投入コマンド」に設定されている場合には、電源投入処理を実行する(S2908)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「停電復旧コマンド」に設定されている場合には、後述する客待ち処理以外の停電復旧処理を実行する(S2909)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「客待ちデモコマンド」に設定されている場合には、客待ち処理を実行する(S2910)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「変動パターンコマンド」に設定されている場合には、変動中処理を実行する(S2911)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「図柄停止コマンド」に設定されている場合には、図柄停止処理を実行する(S2912)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「ファンファーレコマンド」に設定されている場合には、ファンファーレ処理を実行する(S2913)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「大入開放n回目コマンド」に設定されている場合には、ラウンド中処理を実行する(S2914)。ラウンド中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定するために必要な情報を設定したりする。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「インターバルコマンド」に設定されている場合には、インターバル処理を実行する(S2915)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「エンディングコマンド」に設定されている場合には、エンディング処理を実行する(S2916)。
その後、主制御用マイコン(1stCPU)551は、図柄コマンド受信処理(S2918)、保留数コマンド受信処理(S2919)、先読みコマンド受信処理(S2920)、及び、確率情報コマンド受信処理(S2921)を順に実行して、1stシーン制御処理を終了する。
第1の実施の形態の変形例では、主制御用マイコン(1stCPU)551は、前述の先読みコマンド受信処理(S2920)において、遊技制御装置500から送信される先読み確率制御コマンドを受信し、対応する先読み演出を設定する。なお、先読みコマンド受信処理についての詳細は、図30にて後述する。
〔先読みコマンド受信処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図29)における先読みコマンド受信処理(S2920)の詳細について説明する。図30は、本発明の第1の実施の形態の変形例の先読みコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、事前判定コマンド受信待ちの特図始動記憶があるかを確認し、判定する(S3001、S3002)。そして、該当する特図始動記憶がない場合には(S3002の結果が「N」)、先読みコマンド受信処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、該当する特図始動記憶がある場合には(S3002の結果が「Y」)、事前判定コマンドを受信しているか否かを判定する(S3003)。そして、事前判定コマンドを受信していない場合には(S3003の結果が「N」)、先読みコマンド受信処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、事前判定コマンドを受信している場合には(S3003の結果が「Y」)、事前判定コマンドの内容を対応する始動記憶領域にセーブし(S3004)、始動口入賞演出図柄コマンドから対象の始動記憶の図柄情報を取得する(S3005)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、対象の始動記憶が大当りになるか否かを判定する(S3006)。そして、大当りにならない場合には(S3006の結果が「N」)、先読み予告選択テーブル1(図31(B)参照)をセットする(S3007)。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、対象の始動記憶が大当りになる場合には(S3006の結果が「Y」)、先読み確率制御コマンドを確認する(S3008)。先読み確率制御コマンドは、前述の普電連続作動監視処理(図28)のS2804及びS2807の処理終了後、遊技制御装置500から演出制御装置550に送信されている。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、先読み確率制御コマンドが高確率であるか否かを判定する(S3009)。先読み確率制御コマンドが高確率でない、通常確率である場合には(S3009の結果が「N」)、先読み予告選択テーブル2(図31(C)参照)をセットする(S3010)。一方、先読み確率制御コマンドが高確率である場合には(S3009の結果が「Y」)、先読み予告選択テーブル3(図31(D)参照)をセットする(S3011)。なお、各先読み予告選択テーブルについての詳細は、図31にて後述する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、始動口入賞演出コマンドから対象の始動記憶のリーチ系統情報を取得し(S3312)、設定したテーブル及びリーチ系統情報から事前演出態様を選択する(S3313)。そして、始動記憶表示を選択された事前演出態様で、対応する始動記憶表示領域に表示設定し(S3314)、先読みコマンド受信処理を終了する。
なお、遊技状態が確変状態や時短状態のときは異なる態様の先読み予告を行うようにしてもよいが、先読み確率制御コマンドには必ず従う。
〔先読み演出テーブル〕
図31は、本発明の第1の実施の形態の変形例の先読み予告の態様テーブル及び選択テーブルの一例である。
図31(A)は、先読み予告態様テーブルである。先読み予告には第1先読み予告〜第4先読み予告の4種類が設定されている。
第1〜3先読み予告は、期待度が異なり、順に小、中、大である。ここで、保留の始動記憶は、表示装置48の始動記憶表示領域に保留玉で表示される。第1先読み予告が行われる保留玉は、青色かつ水玉模様で表示される。第2先読み予告が行われる保留玉は、黄色かつタテ縞模様で表示される。第3先読み予告が行われる保留玉は、赤色かつ格子模様で表示される。
第4先読み予告は、大当り確定の先読み予告である。第4先読み予告が行われる保留玉は、虹色で表示される。
図31(B)は、先読み予告振分テーブル1である。先読み予告選択テーブル1は、前述の先読みコマンド受信処理(図30)のS3007の処理でセットされる。すなわち、先読み予告選択テーブル1は、対象の始動記憶がはずれとなるときに用いられるテーブルである。
ここでは、リーチ系統情報に応じて、選択可能な先読み予告種類が決められている。「リーチなし」及び「Nリーチ」の場合は、「変化なし」もしくは「第1先読み予告」が選択可能であるが、第1先読み予告が選択される確率は1、2%であり、先読み予告は滅多に行われない。
「SP1リーチ」の場合は「第2先読み予告」が追加され、「SP2リーチ」の場合は、さらに「第3先読み予告」が追加される。また、「SP3リーチ」の場合は、「第1先読み予告」が外れ、「変化なし」、「第2先読み予告」もしくは「第3先読み予告」が選択可能である。
「SP1リーチ」〜「SP3リーチ」の場合は、それぞれ30%の確率で先読み予告が行われる。そして、リーチの信頼度が上がるほど期待度が大きい先読み予告が選択される確率が高くなるように設定される。
図31(C)は、先読み予告振分テーブル2である。先読み予告選択テーブル2は、前述の先読みコマンド受信処理(図30)のS3010の処理でセットされる。すなわち、先読み予告選択テーブル2は、対象の始動記憶が大当り、かつ先読み確率が通常確率(第1確率)であるときに用いられるテーブルである。
ここでは、図31(B)のはずれ用と同様にリーチ系統情報に応じて、選択可能な先読み予告種類が決められている。各リーチ系統は、「変化なし」、「第1先読み予告」〜「第3先読み予告」のいずれかが選択可能であり、「SP3リーチ」の場合はさらに「第4先読み予告」が選択可能である。
「Nリーチ」、「SP1リーチ」及び「SP2リーチ」の場合は、リーチの信頼度が上がるほど高い確率で先読み予告が行われる。さらに、リーチの信頼度が上がるほど期待度が大きい先読み予告が選択される確率が高くなるように設定される。
「SP3リーチ」の場合は、先読み予告が行われる確率は50%であり、「SP2リーチ」の60%よりも低いが、期待度が大きい「第3先読み予告」以上の先読みが選択される確率が「SP2リーチ」よりも高い。
図31(D)は、先読み予告振分テーブル3である。先読み予告選択テーブル3は、前述の先読みコマンド受信処理(図30)のS3011の処理でセットされる。すなわち、先読み予告選択テーブル3は、対象の始動記憶が大当り、かつ先読み確率が高確率(第2確率)であるときに用いられるテーブルである。先読み予告選択テーブル3における先読み確率(第2確率)は、先読み予告選択テーブル2における先読み確率(第1確率)よりも高くなるように設定される。
ここでは、リーチ系統情報の種類に関係なく大当り確定を示唆する第4先読み予告が100%の確率で選択される。
なお、選択率は100%とせずに90%など高い確率で選択されるようにしてもよい。また、先読み予告選択テーブル3は、先読み予告選択テーブル2の各選択率を期待度の大きな先読み予告が選択される確率が高くなるようにしたテーブルとしてもよいし、さらに、各リーチ系統情報が選択可能な先読み予告態様に第4先読み予告を追加してもよい。
第1の実施の形態の変形例では、普電入賞装置の作動が続いて高温となった普電ソレノイド38bを冷ますために、特図始動記憶の大当りを報知する先読みを高確率で行うようにして、遊技者に遊技球の打ち出しを止めるよう誘導する。このとき、併せて普図保留数の上限値を4ではなく、1や2など小さい値にすれば、普図保留の消化数が少なくなり、遊技者が遊技球を止め打ちしてから普電入賞装置の作動が停止するまでの時間を早くすることができる。すなわち、普電ソレノイド38bの熱を冷ます時間をさらに確保することができる。
(第1の実施の形態の変形例の効果)
本発明の第1の実施の形態の変形例によれば、普電サポートなし状態における普図確率が第1の実施の形態の設定よりも高くなるような場合であっても、普電ソレノイド38bの発熱による不具合発生を防止することができる。
普電サポート状態から普電サポートなし状態に移行すると必ずロング普図変動を実行するので、この間に普電ソレノイド38bの熱を冷ますことができる。
また、普電サポート回数が上限値数以上になる場合は、大当り変動の先読み予告を高確率で実行して、遊技者が止め打ちするよう誘導する。これにより、遊技者が止め打ちする可能性が高まり、普電入賞装置の作動を抑制することができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態では、第1の実施の形態の表示装置48の画面表示態様に節電態様を設け、消費電力を抑える。
以下、本発明の第2の実施の形態について図32〜図41を参照して説明する。本発明の第2の実施の形態では、第1の実施の形態の演出制御装置550(図4参照)に店員が操作可能な節電スイッチが備えられる。
〔1stメイン処理〕
図32は、本発明の第2の実施の形態の1stメイン処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通の処理については、図24と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
本発明の第2の実施の形態では、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551によって実行される1stメイン処理において、ルーチンとなっているS2208〜S2219の処理の後に、節電実行設定処理が実行される(S3201)。節電実行設定処理についての詳細は、図33にて後述する。
〔節電実行設定処理〕
次に、前述した1stメイン処理(図32)における節電実行設定処理(S3201)の詳細について説明する。図33は、本発明の第2の実施の形態の節電実行設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、現在節電実行中であるか否かを判定する(S3301)。そして、節電実行中である場合には(S3301の結果が「Y」)、節電実行設定処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、節電実行中でない場合には(S3301の結果が「N」)、節電モードに切り替える節電許可設定があるか否かを判定する(S3302)。節電許可設定は、基本的には遊技店の店員しか操作できない前述の節電スイッチが押された場合に設定されるものでもよいし、遊技者が節電モードへの切り替えを選択することができ、該節電モードを選択した場合に設定されるものでもよい。店員の操作により設定される場合は、遊技機の電源投入時のみ選択可能としてもよい。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、節電許可設定がある場合には(S3302の結果が「Y」)、節電を実行する設定を行って(S3303)、節電実行設定処理を終了する。また、節電許可設定がない場合には(S3302の結果が「N」)、そのまま節電実行設定処理を終了する。
なお、節電実行設定処理で設定される節電モードは、前述の節電許可設定のような設定を必要とせず、客待ち状態のときなど非遊技中に装飾部材9のランプや表示装置48の画面表示を消灯するといった単純な節電モードを含んでもよい。
〔客待ち処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図29)における客待ち処理(S2910)の詳細について説明する。図34は、本発明の第2の実施の形態の客待ち処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する(S3401)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変動開始コマンドを受信している場合には(S3401の結果が「Y」)、表示装置48の画面表示が節電モードもしくは客待ち表示中であるか否かを判定する(S3402)。表示装置48の画面表示が節電モードもしくは客待ち表示中である場合には(S3402の結果が「Y」)、表示装置48の表示態様に節電態様2を設定し(S3403)、客待ちタイマ及び節電タイマを初期化して(S3407)、客待ち処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、表示装置48の画面表示が節電モードでも客待ち表示中でもない場合には(S3402の結果が「N」)、節電態様を設定することなく客待ち処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変動開始コマンドを受信していない場合には(S3401の結果が「N」)、表示装置48の画面表示が大当り履歴表示中であるか否かを判定する(S3404)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、大当り履歴表示中の場合には(S3404の結果が「Y」)、客待ちタイマ及び節電タイマを初期化して(S3407)、客待ち処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、表示装置48の画面表示が大当り履歴表示中でない場合には(S3404の結果が「N」)、遊技者による履歴確認を行うための操作があったか否かを判定する(S3405)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、履歴確認操作があった場合には(S3405の結果が「Y」)、大当り履歴の表示を設定し(S3406)、客待ちタイマ及び節電タイマを初期化して(S3407)、客待ち処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、履歴確認操作がない場合には(S3405の結果が「N」)、節電中であるか否かを判定する(S3408)。そして、節電中である場合には(S3408の結果が「Y」)、客待ち処理を終了する。また、節電中でない場合には(S3408の結果が「N」)、客待ち表示中であるか否かを判定する(S3409)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、客待ち表示中でない場合には(S3409の結果が「N」)、客待ちタイマを更新し(S3410)、該タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S3411)。そして、タイムアップした場合には(S3411の結果が「Y」)、表示装置48の表示態様に節電態様3を設定し(S3412)、画面表示に客待ち表示を設定して(S3413)、客待ち処理を終了する。また、タイムアップしない場合には(S3411の結果が「N」)、そのまま客待ち処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、客待ち表示中である場合には(S3409の結果が「Y」)、節電タイマを更新し(S3414)、該タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S3415)。そして、タイムアップした場合には(S3415の結果が「Y」)、表示装置48の表示態様に節電態様4を設定して(S3416)、客待ち処理を終了する。ここで、客待ち表示は、表示開始後は節電態様3で表示されるが(S3412)、その後節電タイマがタイムアップすると節電態様4に切り替わる(S3416)。このように店員による節電許可設定の操作がなくてもタイマで節電が実行される。また、タイムアップしない場合には(S3415の結果が「N」)、そのまま客待ち処理を終了する。
〔節電態様テーブル〕
次に、前述の客待ち処理(図34)で設定される表示装置48の画面表示の節電態様の内容について説明する。図35は、本発明の第2の実施の形態の表示装置の節電態様テーブルの一例である。
節電モードには、5段階の節電態様が設けられている。節電態様1は、通常通りの画面表示であって節電はしない。節電態様2は、画面の液晶のバックライトを20%消灯する。節電態様3は、画面の液晶のバックライトを50%消灯する。節電態様4は、画面の液晶のバックライトを80%消灯する。なお、節電態様2〜4であっても表示装置48で実行される飾り特図変動表示ゲームの飾り特別図柄は遊技者から視認可能になるようにする。また、節電態様5は、画面の液晶のバックライトを全消灯する。ここで本実施形態では、節電態様4は客待ち表示に用いられ、節電態様5は遊技者によって休憩するための操作入力がされたときのみ用いられるようにしているが、これに限らず例えば遊技中であっても節電態様4を用いるようにしてもよい。
続いて、前述の節電態様(図35)の画面表示例について、表示装置48の仕様別に図36及び図37を参照して説明する。なお、図36以降の画面示例では、バックライトで照射していない部分を網目状の模様で示している。
本発明の第2の実施の形態の表示装置48は、液晶ディスプレイを備える。液晶ディスプレイは、遊技盤10の前面側から表示画像が視認可能となる表示画面(表示パネル、表示部)と、該表示パネルに表示画像を表示するための液晶シャッターやカラーフィルター等を備える表示機構と、該表示機構に光を照射する複数の光源や該光源の光を拡散させる拡散板等を備える照射機構(バックライト)と、を有する。液晶ディスプレイでは、光を透過すべき部位を設定された液晶シャッターにバックライトで照射することで表示画像を構成し、さらにカラーフィルターを用いることで表示画像をカラー画像とする。そして、バックライトの光源として、一般的に冷陰極管(CCFL)やLEDが採用されている。そこで、両者を使用する場合の表示装置48の節電態様について説明する。
〔冷陰極管を使用する場合の節電表示〕
図36は、本発明の第2の実施の形態の表示装置に冷陰極管を使用する場合の節電表示の一例である。
図36(A)は、表示装置48のバックライトの配置図である。ここで、光源の細い蛍光管は、表示パネルの背面に左右方向に配設される。なお、バックライトは背面ではなく側方に光源を配置して照射するエッジ型バックライトでもよい。
図36(B)は、節電態様1のときの画面表示例である。節電態様1では、バックライトの節電を行っていないので、通常と同じように表示パネル全体に光が照射されるので表示領域全体が視認可能である。
図36(C)は、節電態様2のときの画面表示例である。節電態様2では、バックライトを20%消灯する節電を行うので、表示パネルの上下端の背面に配置される光源を消灯する。このため、表示パネルの上下端の表示領域が暗くなり、視認可能な表示領域が狭くなる。なお、上下端のどちらか一方側のみの光源を消灯するようにしてもよい。また、光源の冷陰極管が上下方向に配設される場合は、左右端の表示領域を暗くすることもできる。
図36(D)は、節電態様3のときの画面表示例である。節電態様3では、バックライトを50%消灯する節電を行うので、表示パネルの上半分の背面に配置される光源を消灯する。このため、表示パネルの上半分の表示領域が暗くなり、下半分の表示領域しか視認できない。このとき、表示パネルの中央に表示されていた飾り特別図柄は、視認可能な表示領域に表示されるようその表示位置が変更されたり、表示サイズが縮小されたりする。なお、上半分だけでなく節電態様2のように上下端を視認できなくして画面中央部分を視認可能にしてもよい。
節電態様2及び節電態様3は、第2の実施の形態において遊技中に用いられる。遊技中には、表示装置48の周りに配置された電動役物(可動演出装置)等が作動する演出が実行されることもある。そして、その場合には電動役物の動作に対応した表示画像等(いわゆるエフェクト表示など)を表示装置に表示することがある。そこで、電動役物(可動演出装置)に係る画像が表示される表示領域は視認可能にするように、節電する表示領域、すなわち対応する光源を消灯する領域を制御してもよい。この場合の画面表示例は、第2の実施の形態の変形例2において図46にて後述する。
図36(E)は、節電態様4のときの画面表示例である。節電態様4では、バックライトを80%消灯する節電を行うので、表示パネルの中央部分の表示領域以外の表示領域の背面に配置される光源を消灯する。このとき、視認可能な表示領域には、例えば、演出ボタンスイッチ(SW)31aなどの操作部を操作することで、節電態様を切り替え可能と(節電状態を解除)することを報知する画像が表示される。操作部が遊技者による入力を受け付けると、画面表示が節電態様1〜3のいずれかに復帰することを報知してもよい。なお、節電態様4は、第2の実施の形態において客待ち中に用いられる。視認可能な表示領域ではデモ画面表示をしてもよい。表示領域が狭いので、適宜画像サイズを縮小して表示する。また、視認可能な表示領域は表示パネルの中央部分ではなく上下のどちらか一方側に設けられてもよい。また、表示装置48をタッチパネルで構成し、操作部を表示領域に設けるようにしてもよい。
図36(F)は、節電態様5のときの画面表示例である。節電態様5では、バックライトを100%消灯する節電を行うので、表示パネルの背面に配置される全ての光源を消灯する。したがって、表示パネルは視認不可能である。節電態様5は、第2の実施の形態において休憩中に用いられる。休憩の設定は店員のみが可能とし、その操作部は遊技機1の裏面などに設けられる。休憩は、遊技不可能状態の扱いとする。
〔LEDを使用する場合の節電表示〕
図37は、本発明の第2の実施の形態の表示装置にLEDを使用する場合の節電表示の一例である。
図37(A)は、表示装置48のバックライトの配置図である。ここで、光源のLEDは、表示パネルの背面に上下左右方向に升目状に配設される。LEDは冷陰極管に比べて光源の数が多く、様々なパターンの節電部位の制御が可能である。以下では、節電範囲について冷陰極管と異なる点を中心に説明する。
図37(B)及び図37(F)は、それぞれ節電態様1、節電態様5のときの画面表示例である。このときの画面表示は、前述の図36(B)及び図36(F)と同じである。
図37(C)は、節電態様2のときの画面表示例である。節電態様2では、バックライトを20%消灯する節電を行うので、表示パネルの左右端の背面に配置される光源を消灯する。このため、表示パネルの左右端の表示領域が暗くなり、視認可能な表示領域が狭くなる。なお、左右端のどちらか一方側のみの光源を消灯するようにしてもよいし、図36(C)のように上下端の表示領域を消灯対象としてもよい。
図37(D)は、節電態様3のときの画面表示例である。節電態様3では、バックライトを50%消灯する節電を行うので、表示パネルが上下方向の縦縞模様になるように消灯領域と点灯領域とを設定する。この場合についても、左右のどちらかの表示領域を消灯領域にしてもよいし、左右方向ではなく上下方向に区切ってもよい。光源がLEDであるからこそ、表示領域を縞模様にすることができる。
図37(E)は、節電態様4のときの画面表示例である。節電態様4では、バックライトを80%消灯する節電を行うので、表示パネルの中央部分の表示領域を囲うように周囲の表示領域の背面に配置される光源を消灯する。視認可能な表示領域は表示パネルの中央部分ではなく上下左右の一方に設けてもよいし、図36(E)のように視認可能な表示領域は表示パネル端まで設けてもよい。また、このとき、図36(E)と同様に視認可能な表示領域には、例えば、演出ボタンスイッチ(SW)31aなどの操作部を操作することで、節電態様を切り替え可能と(節電状態を解除)することを報知する画像が表示される。
このように、設定された節電態様に応じて、表示装置48の画面表示領域を、遊技者が視認可能な表示領域と、視認不可能な表示領域とに分けることで、表示装置48の消費電力を抑える節電制御が行われる。このとき、遊技者が視認可能な表示領域は表示装置48の照射機構の該表示領域に対応する光源の点灯により生成される。また、遊技者が視認不可能な表示領域は該表示領域に対応する光源の消灯により生成される。従って、演出制御装置550は、表示装置48の複数の光源のうち、一部の光源に光を照射させ、他部の光源に光を照射させない特定照射制御を実行する照射制御手段を構成している。
特定照射制御における表示装置48の画面表示態様には、前述の図36(C)〜(E)に示すように、遊技者が視認可能な表示領域(点灯領域)と遊技者が視認不可能な表示領域(消灯領域)とを上下方向に横縞模様になるように設ける表示態様が考えられる。これらの画面表示態様は、光源にLED又は横配列された冷陰極管を用いる場合に適用可能である。同様に、光源にLED又は縦配列された冷陰極管を用いる場合には、前述の図37(C)及び(D)に示すように、左右方向に縦縞模様になる画面表示態様が適用可能である。
光源にLEDを用いる場合には、横縞模様及び縦縞模様の画面表示態様が適用可能であり、さらに両模様を織り交ぜた格子模様の画面表示態様も適用可能である。よって、照射制御手段は、前述の図37(E)に示すように画面表示態様として、遊技者が視認可能な表示領域を表示装置48の表示パネル中央の一の領域に集約して設け、該一の領域の周囲に遊技者が視認不可能な表示領域をフレーム状に設ける表示態様に制御することが可能である。また、節電態様4では遊技者が視認可能な表示領域は表示パネルの20%しかないので、遊技者の希望によっては特定照射制御(節電制御)を解除可能とする。すなわち、演出制御装置550は、遊技者による演出ボタンスイッチ(SW)31aなどの操作部の操作入力を受け付けることで特定照射制御を解除する照射制御解除手段を構成している。このとき、演出制御装置550は、表示パネルの遊技者が視認可能な表示領域で操作部の操作入力により照射制御解除手段が実行されることを報知する報知手段も構成している。
〔変動中処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図29)における変動中処理(S2911)の詳細について説明する。図38は、本発明の第2の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(S3801)。演出リクエストフラグは、前述したように、1stシーン制御処理のS2906で、主制御用マイコン(1stCPU)551が受信したシーン変更コマンドが有効なコマンドである場合にセットされる。したがって、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがない場合には(S3801の結果が「N」)、表示装置48に表示される表示内容は一連の表示演出の一部であるので、更新タイマが0か否かに応じて表示内容を変更するか判定する(S3802)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0の場合には(S3802の結果が「Y」)、次のシーンに移行するためにシーケンステーブルに設定された次のシーンのデータを設定し(S3803)、変動中処理を終了する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0でない場合には(S3802の結果が「N」)、現在の表示を継続するので、変動中処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがある場合には(S3801の結果が「Y」)、表示装置48に表示される表示内容全体を切り替えるタイミングなので、受信したシーン変更コマンドに応じて各種処理を実行する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、変動表示ゲームの終了間際などに遊技者によって押された演出ボタン31など演出ボタン関連情報(履歴)をクリアする(S3804)。これにより、前回の変動表示ゲームにおける操作が今回の変動表示ゲームに影響しない。そして、可動体(役物)の作動リクエストをセットして初期化する(S3805)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変動表示ゲームの結果及び変動パターンのリーチ系統に応じて表示装置48の節電態様を設定する節電制御処理を実行する(S3806)。なお、節電制御処理についての詳細は、図39にて後述する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御装置500から送信される変動パターン情報、遊技状態、及び、演出制御装置550の演出情報に基づいてシーン変更コマンドに対応する変動パターンを決定し、詳細な演出を設定する演出詳細設定処理を実行する(S3807)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出のかたよりが生じないように演出情報を決定する乱数の種値を初期化する乱数シード初期化処理を実行する(S3808)。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S3807で設定された変動パターンに対応して、表示装置48で実行される飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや表示時間を管理するシーンシーケンステーブルを設定する(S3809)。飾り特図変動表示ゲームは、設定されたシーンシーケンステーブルに従って実行される。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、時間短縮変動回数などを管理するために変動回数管理処理を実行し(S3810)、シーンの更新タイマの更新タイミングを判断するために変動時間を設定する変動時間設定処理を実行する(S3811)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、シーン変更コマンドに対応した設定が終了したので演出リクエストフラグをクリアし(S3812)、変動中処理を終了する。
〔節電制御処理〕
次に、前述した変動中処理(図38)における節電制御処理(S3806)の詳細について説明する。図39は、本発明の第2の実施の形態の節電制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、開始する変動の結果情報を確認する(S3901)。そして大当り変動か否かを判定する(S3902)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、開始する変動が大当り変動でない場合には(S3902の結果が「N」)、節電制御テーブル1(図40(B)参照)を設定する(S3903)。また、開始する変動が大当り変動である場合には(S3902の結果が「Y」)、節電制御テーブル2(図40(B)参照)を設定する(S3904)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、開始する変動の変動パターンを確認し(S3905)、S3903又はS3904の処理で設定したテーブルと該変動パターンに応じて節電態様を選択する(S3906)。そして、選択した節電態様に対応する節電パラメータを設定して(S3907)、節電制御処理を終了する。
なお、本処理では変動表示ゲーム毎に節電態様を設定することが可能であるが、所定回数毎(例えば5ゲーム毎)に節電態様を見直すようにしてもよい。
〔変動パターン振分けと節電制御テーブル〕
図40は、本発明の第2の実施の形態の変動パターン振分けと節電制御テーブルの一例である。
図40(A)は、変動パターンの振分けテーブルであり、左側がはずれ用、右側が大当り用のテーブルである。はずれ変動パターン振分けでは、「通常変動」又は「Nリーチ」となる確率が90%であり、リーチの信頼度が高くなるほど振り分けられる確率が下がる。そして、保留数が上限値4に到達している場合には保留消化を早めるために90%の確率で短縮変動となる。大当り変動パターン振分けでは、総変動時間が短い「短縮変動」及び「通常変動」には振り分けられない。99%の確率で「SP1リーチ」以上の信頼度が高い変動パターンに振り分けられ、「SP2リーチ」の振分け確率が一番高い。
変動パターン(変動態様)には、「Nリーチ」及び「SP1リーチ」に対応する第1変動態様と、該第1変動態様よりも大当りが導出される信頼度が高い「SP2リーチ」及び「SP3リーチ」に対応する第2変動態様と、該第1変動態様及び該第2変動態様よりも変動時間が短い「通常変動」に対応する通常変動態様と、該通常変動態様よりもさらに変動時間が短い「短縮変動」に対応する短縮変動態様と、が含まれる。
図40(B)は、節電制御テーブルであり、左側がはずれ用の節電制御テーブル1、右側が大当り用の節電制御テーブル2テーブルである。節電制御テーブルは、前述の節電制御処理(図39)で用いられる。
節電制御テーブル1は、現在の節電態様と開始する変動の変動パターンとから次の節電態様が選択される。なお、変動パターンが「短縮変動」(短縮変動態様)の場合には、節電態様を切り替えるには変動時間が短いため、必ず現在の節電態様が維持される。
また、変動パターンが「SP2リーチ」以上(第2変動態様)の場合には、必ず節電態様1が選択される。信頼度の高いリーチとなるときには変動時間が長く興趣の高い演出が行われるので、表示装置48を全画面視認可能とする。
変動パターンが「SP1リーチ」(第1変動態様)の場合には、現在が節電態様2及び3のときは40%の確率で現状の節電態様が維持され、60%の確率で1段階節電を弱めた節電態様が選択される。なお、現在が節電態様1のときは60%の確率で現状が意地され、40%の確率で1段階節電を強めた節電態様2が選択される。
変動パターンが「通常変動」(通常変動態様)及び「Nリーチ」(第1変動態様)の場合には、現在が節電態様2のときは70%及び40%の確率で現状の節電態様が維持される。そして、現在が節電態様2のときは30%の確率で1段階節電を強めた節電態様3が選択され、現在が節電態様3のときは60%の確率で1段階節電を弱めた節電態様2が選択される。現在が節電態様2のときには、現在よりも節電が強まる場合がある。また、現在が節電態様1のときは30%の確率で現状の節電態様が維持され、60%の確率で節電態様2が選択され、10%の確率で節電態様3が選択される。
節電制御テーブル2は、変動パターンが「Nリーチ」以上となる。変動パターンが「SP2リーチ」以上(第2変動態様)の場合には、必ず節電態様1が選択されるのは節電制御テーブル1と同じである。
変動パターンが「SP1リーチ」(第1変動態様)の場合には、現在が節電態様2及び3のときは80%の確率で節電態様1が選択され、20%の確率で節電態様2が選択される。現在が節電態様1のときは90%の確率で現状が維持され、10%の確率で節電態様2が選択される。
変動パターンが「Nリーチ」(第1変動態様)の場合には、現在の節電態様に関係なく70%の確率で節電態様1が選択される。そして、現在が節電態様2及び3のときは30%の確率で節電態様2が選択される。現在が節電態様1のときは10%の確率で節電態様2が選択され、20%の確率で節電態様3が選択される。
このように、大当り用の節電制御テーブル2にも節電態様1から節電態様3になった場合に大当りとなる節電切替パターンを設定しておくことで、はずれ用の節電制御テーブル1により同様の節電切替パターンが選択された場合であっても、遊技者に大当りの期待を抱かせることができる。
変動が大当りとなる場合には、現在の節電態様及び変動パターンがいずれであっても70%以上の確率で節電態様1が選択される。したがって、節電態様1の画面表示で実行される変動表示ゲームは大当りの期待度が高い。
なお、「SP2リーチ」以上であってもはずれる場合はあるので、全回転などのプレミアムリーチの場合にだけ100%の確率で節電態様1が選択されるようにしてもよい。
このように、第2の実施の形態では、演出制御装置550は、前述の照射制御手段による特定照射制御を変動表示ゲームの進行に関連して実行する。照射制御手段は変動表示ゲームが開始されることに関連して特定照射制御の実行を判定する特定照射判定手段を備えており、演出制御装置550は、特定照射判定手段によって実行を判定された節電態様2(第1特定照射制御)又は節電態様3(第2特定照射制御)に表示装置48の表示態様を制御する特定演出制御手段も構成している。そして、照射制御手段は、変動表示ゲームが大当りにならない場合には節電制御テーブル1に設定された選択率(所定確率)で特定照射制御を実行し、変動表示ゲームが大当りになる場合には節電制御テーブル2に設定された選択確率(所定確率よりも低い確率)で特定照射制御を実行する。
ここで、節電制御テーブルは、変動パターンのリーチ系統に応じて各節電態様の選択率が設定されている。そこで、演出制御装置550は、特別結果(大当り)が導出される信頼度が異なるように設定された複数の変動態様(変動パターン)から一の変動態様を選択する変動態様選択手段も構成している。
〔画面遷移〕
次に、前述した節電制御による表示装置48の画面表示の遷移について説明する。図41は、本発明の第2の実施の形態の節電表示の画面遷移の一例である。
図41(A)は、画面表示が節電態様2の状態で変動表示ゲームが開始されたときの画面表示である。このときの節電態様2は前述の図36(C)と同じで、上下端の表示領域を視認不可能にしている。このため、保留は画面全体の表示領域ではなく視認可能な表示領域の左下に表示される。なお、節電態様2の状態で実行される変動表示ゲームは大当りの期待度が低い。
図41(B)は、前述の変動表示ゲームの飾り特別図柄が停止して、はずれとなったときの画面表示である。
図41(C)は、画面表示が節電態様1に切り替わって次の変動表示ゲームが開始されたときの画面表示である。画面表示が節電態様2から節電態様1に切り替わったことで、画面全体が視認可能な表示領域となる。そこで、保留の位置も画面の左下に移動する。また、節電態様1での変動表示ゲームは節電態様2よりも大当りの期待度が高い。このように節電態様の切り替えは、大当り期待度が高まる予告となる。
図41(D)は、変動表示ゲームがSP3リーチに発展したときの画面表示である。このとき、画面中央で変動していた飾り特別図柄は画面左上に移動し、画面中央でリーチ演出が表示される。なお、節電態様の切り替えは、リーチに発展するタイミング、又は発展後に行ってもよい。
(第2の実施の形態の効果)
本発明の第2の実施の形態によれば、客待ち中だけでなく遊技者が遊技中であっても表示装置48の表示画面に視認不可能な領域(消灯領域)を設定することで光源の消費電力を低減し節電効果を得ることができる。
そして、特図変動表示ゲームの結果に応じて、視認可能な領域(点灯領域)と視認不可能な領域(消灯領域)との割合を変えて複数設定された節電態様の選択確率が異なる。このため、選択された節電態様で画面表示すること自体が予告演出となり、遊技の興趣を高めることができる。
また、変動表示ゲームの開始毎に節電制御処理を実行するので、実行する変動の期待度に応じた節電制御(すなわち予告演出)を行うことができる。
また、節電態様の切り替えに伴い表示画面の視認可能な領域が変化するので、視認可能な領域に合わせて飾り特別図柄や保留の大きさや表示位置を制御する。これにより、節電制御を行っても視認可能な表示領域に表示される画像のバランスを維持することができる。
また、信頼度が高いリーチ系統を含む変動パターン(第2変動態様)の場合は、実質節電しない節電態様1が選択される。これにより、表示装置48の全表示領域を使って大当りの期待感を十分に演出表示することができる。
さらに、保留数が上限値に達しているときなど短縮変動(短縮変動態様)となっている場合には節電態様が継続される。これにより短時間で頻繁な節電態様の切り替え制御が行われることを防止し、頻繁な光源のオン/オフ制御による寿命消耗を抑えることができる。
また、客待ち表示開始時は節電態様3(画面表示50%視認可能)であるが、所定の時間が経過すると節電態様4(画面表示20%視認可能)に切り替わる。このように遊技客がつかない遊技機はより節電効果を高めることができる。
(第2の実施の形態の変形例1)
本発明の第2の実施の形態では、客待ち中や遊技中の変動開始毎に表示装置48の節電制御を行っている。これに対し、本発明の第2の実施の形態の変形例1では、さらに保留が2つ以上ある場合に先読み予告演出として節電制御を行う。したがって、演出制御装置550は、遊技制御装置500の事前判定手段の判定結果に基づいて特定照射制御を実行する事前照射制御手段を構成している。なお、事前照射制御手段による特定照射制御(先読み予告演出の節電制御)は、保留表示における先読み予告とは同時に行うことができるが、第2の実施の形態の変動開始毎の節電制御とは重複して実行しないようにする。
以下、本発明の第2の実施の形態の変形例1について図42〜図45を参照して説明する。
〔先読みコマンド受信処理〕
図42は、本発明の第2の実施の形態の変形例1の先読みコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と共通の処理については、図30と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
ここでは、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、S3006〜S3008の先読み確率制御コマンドに係る処理を実行せず、処理の最後に先読み予告として節電態様を制御する節電先読み予告制御処理を実行する(S4201)。なお、節電先読み予告制御処理についての詳細は、図43にて後述する。
〔節電先読み予告制御処理〕
次に、前述した先読みコマンド受信処理(図42)の節電先読み予告制御処理の詳細について説明する。図43は、本発明の第2の実施の形態の変形例1の節電先読み予告制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、節電先読み予告実行フラグがあるか否かを判定する(S4301)。節電先読み予告実行フラグは、後述する節電制御処理(図45)にて設定される。そして、すでに節電先読み予告実行フラグがある場合には(S4301の結果が「Y」)、節電制御を重複させないように何もせず節電先読み予告制御処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、節電先読み予告実行フラグがない場合には(S4301の結果が「N」)、始動記憶数(保留数)を確認し(S4302)、所定数(最低2つ)の始動記憶(保留)があるか否かを判定する(S4303)。そして、所定数の始動記憶がない場合には(S4303の結果が「N」)、節電先読み予告制御処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、所定数の始動記憶がある場合には(S4303の結果が「Y」)、最終消化順の保留が先読み予告実行中か否かを確認し判定する(S4304、S4305)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、最終消化保留が先読み予告実行中でない場合には(S4305の結果が「N」)、節電先読み予告選択テーブル1(図44参照)を設定する(S4306)。また、最終消化保留が先読み予告実行中である場合には(S4305の結果が「Y」)、節電先読み予告選択テーブル2(図44参照)を設定する(S4307)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、節電先読み予告の実行タイミングか否かを判定する(S4308)。そして、実行タイミングでない場合には(S4308の結果が「N」)、節電先読み予告制御処理を終了する。また、実行タイミングである場合には(S4308の結果が「Y」)、節電先読み予告開始フラグを設定し(S4309)、節電先読み予告制御処理を終了する。
〔節電先読み予告選択テーブル〕
次に、前述した節電先読み予告制御処理(図43)で設定される節電先読み予告選択テーブルの詳細を説明する。図44は、本発明の第2の実施の形態の変形例1の節電先読み予告選択テーブルの一例である。
上段の節電先読み予告選択テーブル1は、保留の先読み予告が実行されていない場合に用いられる。下段の節電先読み予告選択テーブル2は、保留の先読み予告が実行されている場合に用いられる。
節電先読み予告選択テーブルは、現在の始動記憶数の数に応じて、節電先読みなしパターン及び2種類の節電先読みパターンのいずれかのパターンが選択される。また、現在の始動記憶数が4つの場合には、現在の節電態様別に選択可能な節電先読みパターンが設定されている。そして、前述の2種類の節電先読みパターンは奇数番のパターンと偶数番のパターンとからなる。奇数番の節電先読みパターンは、1ゲーム毎に節電が徐々に弱まり画面が明るくなるパターンである。偶数番の節電先読みパターンは、奇数番とは異なる節電態様の切り替えパターンである。ここでは、偶数番の節電先読みパターンの方が奇数番の節電先読みパターンよりも信頼度が高く、選択確率が低い。また、現在の始動記憶数が上限値4つの場合には、短縮変動となっているので、先読み予告初期の節電態様は現在の節電態様と同じにする。
ここで、節電先読み予告選択テーブル1と節電先読み予告選択テーブル2との違いは、節電先読み予告の実行確率である。節電先読み予告選択テーブル1の節電先読み予告実行確率が20%(始動記憶4つ)及び30%(始動記憶2つ又は3つ)であるのに対し、節電先読み予告選択テーブル2の節電先読み予告実行確率は、それぞれ80%及び70%である。節電先読み予告選択テーブル2を用いる場合は、すでに保留の先読み予告が実行されているので、節電先読み予告も実行されやすく設定している。
〔節電制御処理〕
続いて、図45は、本発明の第2の実施の形態の変形例1の節電制御処理の手順を示すフローチャートである。なお、第2の実施の形態と共通の処理については、図39と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
第2の実施の形態の変形例1の節電先読み予告制御は、第2の実施の形態の変動毎に設定される節電制御とは重複しないように、その処理が実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、節電先読み予告実行フラグがあるか否かを判定する(S4501)。そして、節電先読み予告実行フラグがない場合には(S4501の結果が「N」)、次に、節電先読み予告開始フラグがあるか否かを判定する(S4502)。節電先読み予告開始フラグは、前述の節電先読み予告制御処理(図43)のS4309の処理で設定される。そして、節電先読み予告開始フラグがない場合には(S4502の結果が「N」)、第2の実施の形態と同じ変動毎の節電制御処理を実行する(S3901〜S3907)。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、節電先読み予告開始フラグがある場合には(S4502の結果が「Y」)、選択された節電先読みパターンに対応する初期節電態様を設定する(S4503)。そして、節電先読み予告実行フラグを設定し(S4504)、節電先読み予告開始フラグをクリアして(S4505)、節電制御処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、節電先読み予告実行フラグがある場合には(S4501の結果が「Y」)、節電先読み予告の最終変動であるか否かを判定する(S4506)。そして、最終変動の場合には(S4506の結果が「Y」)、節電先読み予告実行フラグをクリアする(S4507)。最終変動でない場合には(S4506の結果が「N」)、そのままS4508の処理に移行する。その後、選択された節電先読みパターンに対応して節電態様を更新し(S4508)、節電制御処理を終了する。
(第2の実施の形態の変形例1の効果)
本発明の第2の実施の形態の変形例1によれば、保留に対しても先読み予告演出として節電制御を実行する。このとき、保留消化とともに節電態様が切り替わり、最終保留の消化時には節電が解除されて画面表示が明るくなるよう制御される。これにより、遊技者は自己にとっても明るい結果、すなわち大当りを獲得できる期待を抱くので、先読み予告演出の興趣を高めることができる。
(第2の実施の形態の変形例2)
第2の実施の形態の変形例2では、第2の実施の形態や第2の実施の形態の変形例1のように遊技中の節電制御において、表示装置48の周りに配置され、画面表示に重なるように可動する電動役物(可動演出装置)の動作を考慮して節電する表示領域を設定する。すなわち、同じ節電態様であっても電動役物の動作に応じて光源の点灯領域と消灯領域とを変化させて節電表示する。
以下では、節電態様2の場合について図46を参照して説明する。
〔節電表示〕
図46は、本発明の第2の実施の形態の変形例2の役物動作を考慮した節電表示の一例である。
図46(A)は、電動役物の可動前の画面表示である。ここで、表示装置48の上部に上部役物と、下部に下部役物と、が備えられている。役物可動前の画面表示は、前述した図41(A)と同じである。
図46(B)は、上部役物が下方向に可動するときの画面表示である。上部役物は表示装置48の表示画面上部に重なり、上部役物に対応するエフェクト(補助画像)が該上部役物の周りの表示領域に表示される。このとき、可動前に画面上部に設定していた消灯領域は、画面下部に移動する。
図46(C)は、下部役物が上方向に可動するときの画面表示である。下部役物は表示装置48の表示画面下部に重なり、下部役物に対応するエフェクトが該下部役物の周りの表示領域に表示される。このとき、可動前に画面下部に設定していた消灯領域は、画面上部に移動する。
このように、電動役物の可動範囲と重なる表示領域は視認可能な点灯領域とし、非可動の電動役物側に消灯領域を設定する。
(第2の実施の形態の変形例2の効果)
本発明の第2の実施の形態の変形例2によれば、表示装置48は、節電制御を行う場合でも、電装役物の演出に関連する画像を表示することができる。演出を妨害することなく節電制御を行うことができるので、節電効果と演出の興趣向上とを両立させることができる。
(第2の実施の形態の変形例3)
本発明の第2の実施の形態では、1stメイン処理のS2204の処理において、電動役物やランプなどの電子部品の初期動作確認のためのデータ及び電源投入後フラグが設定される。そして、演出制御装置550は、設定された初期動作確認データに基づいて遊技機の初期動作を制御している。従って、電源装置300は、複数の電子部品に電力の供給を行う電力供給手段を構成している。そして、演出制御装置550は、電力供給手段からの電力供給によって電子部品の発光や作動を制御する電子制御手段を構成している。
また、演出制御装置550は、複数の電子部品のうち、いずれかの電子部品による発光又は作動を規制して通常状態よりも消費する電力を減少させる規制状態(節電実行状態)を制御する電力規制制御手段を構成している。本実施の形態では非遊技中も電力規制制御手段による節電制御が行われるが、前述の初期動作中に節電するのは望んでいない。そこで、本発明の第2の実施の形態の変形例3では、初期動作確認中は節電を行わず、初期動作確認終了後は通常よりも早く節電制御を実行する。
以下、本発明の第2の実施の形態の変形例3について図47〜図49を参照して説明する。
〔節電実行設定処理〕
図47は、本発明の第2の実施の形態の変形例3の節電実行設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、第2の実施の形態と共通の処理については、図33と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
ここでは、第2の実施の形態における処理(S3301〜S3303)の前に、電源投入後の初期動作確認中は節電が実行されないようにする処理が追加される。従って、演出制御装置550は、電源投入時に複数の電子部品の発光又は作動を確認するための待機期間を制御する待機期間制御手段を構成している。そして、待機期間が終了するまで、電力規制制御手段は節電制御を行わないようにしている。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、電源投入後フラグがあるかどうか確認し判定する(S4701、S4702)。電源投入後フラグは、1stメイン処理のS2204の処理でRAM551aの初期値として設定される。そして、電源投入後フラグがある場合には(S4702の結果が「Y」)、節電待機タイマを更新する(S4703)。節電待機タイマも前述のS2204の処理で設定される。節電待機タイマ(待機期間)は、前述の電力規制制御手段により遊技機の初期動作確認が十分できる時間に設定される。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、節電待機タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S4704)。そして、タイムアップしていない場合には(S4704の結果が「N」)、初期動作確認が終了していないので、節電実行設定処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、節電待機タイマがタイムアップした場合には(S4704の結果が「Y」)、初期動作確認が終了しているので、電源投入後フラグをクリアして(S4705)、S3301以降の節電を許可する処理に移行する。また、S4702の処理で電源投入後フラグがある場合も、S3301以降の処理に移行する。
このように、電源投入時にスイッチ等で店員が節電を設定する仕様であっても、節電制御が開始されるのは節電待機タイマがタイムアップした後になる。すなわち、遊技機の初期動作確認を終えた後に節電制御が開始されることになる。
〔客待ち処理〕
図48は、本発明の第2の実施の形態の変形例3の客待ち処理の手順を示すフローチャートである。なお、第2の実施の形態と共通の処理については、図34と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
ここでは、電源投入後にまだ遊技が行われていない場合は、客待ちタイマが短縮されて通常よりも早めに客待ち表示の節電制御を行う処理が追加される。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、S3408の処理で節電中でないと判定された場合には、前述の節電実行設定処理(図47)で節電許可が設定された(S3303)のちに遊技が行われたか否かを判定する(S4801)。そして、節電許可後に遊技が行われた場合には(S4801の結果が「Y」)、S3409以降の処理に進み、通常の客待ち表示設定の処理を実行する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、節電許可後に遊技が行われていない場合には(S4801の結果が「N」)、短縮客待ちタイマを更新し(S4802)、該短縮客待ちタイマがタイムアップしたか否かを判定する(S4803)。そして、短縮客待ちタイマがタイムアップした場合には(S4803の結果が「Y」)、表示装置48の表示態様に節電態様4を設定し(S4804)、画面表示に客待ち表示を設定して(S4805)、客待ち処理を終了する。また、短縮客待ちタイマがタイムアップしていない場合には(S4803の結果が「N」)、そのまま客待ち処理を終了する。なお、S4804の処理で設定する節電態様は節電態様5でもよい。
ここで、遊技機の電源投入は開店前に行われる。そして、開店時まで遊技が行われることはないので、開店時の表示装置48の表示態様は節電態様4(光源80%消灯)になる。これでは、画面表示が暗すぎて遊技者の遊技意欲を損ない兼ねない。そこで、開店時間又はその直前になったら節電制御をやめるようリアルタイムクロックを設けておき、現在の時刻に対応する設定を行ってもよい。
このように、演出制御装置550は、遊技が行われていない非遊技状態であることを判定する非遊技状態判定手段を構成している。そして、前述の電力規制制御手段は、非遊技状態が続いて客待ちタイマ(第1所定期間)がタイムアップした場合に(S3411の結果が「Y」)節電制御を行う第1電力規制制御手段と、電源投入後の節電待機タイマがタイムアップしたあと(待機期間の終了後)、非遊技状態が続いて短縮客待ちタイマ(第2所定期間)がタイムアップした場合に(S4803の結果が「Y」)節電制御を行う第2電力規制制御手段と、備えている。
ここで、第1電力規制制御手段による第1規制状態とは節電態様3であり、第2電力規制制御手段による第2規制状態とは節電態様4である。よって、第2規制状態は第1規制状態よりも消費する電力を減少させているので、節電効果が高い。
また、第1電力規制制御手段は、第1規制状態を発生させてから非遊技状態が続いて節電タイマ(第3所定期間)がタイムアップした場合に(S3415の結果が「Y」)第2規制状態を発生させている。
〔タイムチャート〕
図49は、本発明の第2の実施の形態の変形例3の客待ち表示設定のタイムチャートである。
上段は、通常の客待ち表示設定のタイムチャートである。通常は、遊技が終了してから客待ちタイマが開始されタイムアップすると節電制御された客待ち表示が実行される。このときの客待ちタイマは前述の客待ち処理(図48)のS3410の処理で更新されている。
下段は、電源投入直後の客待ち表示設定のタイムチャートである。電源投入後は、遊技機の電子部品の初期動作を確認する時間として節電待機タイマが設けられ、タイムアップするまで節電制御が開始されない。節電待機タイマは前述の節電実行設定処理(図47)のS4703の処理で更新されている。
そして、節電待機タイマ期間が終了すると、通常よりも短い時間の短縮客待ちタイマが開始されタイムアップすると節電制御された客待ち表示が実行される。このときの客待ちタイマは前述の客待ち処理(図48)のS4802の処理で更新されている。
このように、電源投入後に遊技が開始される前は、初期動作確認が終了するまで節電制御を行わず、初期動作確認終了後は通常よりも短いタイマ制御により早く節電制御を行うようにする。
なお、RAM551aがクリアされずに電源投入後の遊技状態が確変状態から始まるような場合には、客待ちタイマを短縮しなくてもよい。また、節電制御を行わないようにしてもよい。これにより、店員が他の遊技機との画面表示の違いに気付き、設定の異常に気付くことができる。
(第2の実施の形態の変形例3の効果)
本発明の第2の実施の形態の変形例3によれば、電源投入後すぐには節電を行わず、遊技機の初期動作確認が終了してから節電制御を行うので、適切な電子部品の初期動作確認が可能となる。
また、遊技機の初期動作確認終了後は、通常の遊技間の客待ち処理よりも短い時間の客待ちタイマが設定されるので、節電態様の客待ち表示になるまでが早い。遊技機の電源は遊技店の営業開始前に投入されるので、素早く節電表示に切り替えることで節電効果を向上させることができる。
また、このときの表示装置48の表示態様は節電態様4(光源80%消灯)である。通常の客待ち中では、まずは節電態様3(光源50%消灯)が設定される。このように遊技店の営業開始前の可能性が高いときはより節電効果の高い節電制御を行い、営業中は遊技客にアピールするためある程度の節電制御を行う。これにより、節電と遊技客の呼び込みとを両立することができる。
逆に、遊技前の客待ちタイマを通常よりも長く設定する場合は、画面表示で遊技開始前に遊技客に呼び込みを行う期間を確保できる。
(第2の実施の形態の変形例4)
本発明の第2の実施の形態の変形例4では、第2の実施の形態の遊技機を他の遊技機と通信させて効率的な節電制御を行う。
以下、本発明の第2の実施の形態の変形例4について図50〜図52を参照して説明する。
〔1stメイン処理〕
図50は、本発明の第2の実施の形態の変形例4の1stメイン処理の手順を示すフローチャートである。なお、第2の実施の形態と共通の処理については、図32と同じ符号を割り当てて説明を省略する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、繰り返し実行されるS2208〜S2219及びS3201の処理に追加で、遊技機の位置確認や他の遊技機との通信状態を把握するサブ間通信設定処理を実行し(S5001)、さらに動作確認制御処理を実行する(S5002)。従って、主制御用マイコン(1stCPU)551は、他の遊技機からの信号を受信可能な通信手段と、該通信手段によって他の遊技機からの信号を解析する解析手段と、を構成している。なお、動作確認制御処理についての詳細は、図52にて後述する。
〔動作確認制御処理〕
次に、前述した1stメイン処理(図50)における動作確認制御処理(S5002)の詳細を説明する。図51は、本発明の第2の実施の形態の変形例4の動作確認制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、動作確認可能フラグがあるか確認し判定する(S5101、S5102)。動作確認可能フラグは、電源投入時にRAM551aの初期値で設定される。そして、動作確認可能フラグがない場合には(S5102の結果が「N」)、動作確認制御処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、動作確認可能フラグがある場合には(S5102の結果が「Y」)、遊技機の状態を確認する動作確認操作があるか確認し判定する(S5103、S5104)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、動作確認操作がある場合には(S5104の結果が「Y」)、自身の遊技機の設置位置グループを確認し(S5105)、最適な確認順路を算出し(S5106)、算出された確認順路で動作確認を実行する設定を行う(S5107)。なお、遊技機の設置位置グループは事前に設定されている。また、動作確認を実行する際は節電を解除する。その後、動作確認可能フラグをクリアして(S5108)、動作確認制御処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、動作確認操作がない場合には(S5104の結果が「N」)、動作確認可能タイマを更新し(S5106)、該動作確認可能タイマがタイムアップしたか否かを判定する(S5107)。そして、タイムアップしていない場合は(S5107の結果が「N」)、動作確認制御処理を終了する。また、タイムアップした場合は(S5107の結果が「Y」)、動作確認可能フラグをクリアして(S5108)、動作確認制御処理を終了する。
このように、全遊技機がほぼ同時に電源投入されることを想定して、動作確認可能タイマを設定する。例えば、営業開始30分前に電源投入された場合には、動作確認可能タイマに30分を設定する。この間に動作確認操作を行わなければ動作確認可能フラグがクリアされて動作確認できなくなるので、営業開始後に遊技者が誤操作したりすることがない。動作確認可能タイマ期間内に一度でも動作確認した場合は、動作確認可能フラグはクリアされる。なお、動作確認可能フラグのクリアは営業開始前を想定しているが、1回遊技変動が実行されてもクリアされる。
〔遊技機配列〕
図52は、本発明の第2の実施の形態の変形例4の遊技機間の通信について説明する図である。
図52(A)は、サブ間通信の通信状態を示す図である。左側は、演出制御装置同士を接続して遊技機間の通信を行う状態図である。右側は、遊技機の演出制御装置を外部に設ける中継装置に接続して遊技機間の通信を行う状態図である。このようなサブ間通信を行うことで、遊技機間の位置情報等が設定される。
図52(B)は、遊技店内の複数の遊技機の配列を示す図である。遊技店内の遊技機がサブ間通信を行うことで、図中に示すように各遊技機の設置位置グループ1〜12が設定される。そして、電源投入時等に全遊技機の動作確認操作を行った場合には、図中点線の矢印で示される確認順路が算出されるので、店員は、算出された確認順路に沿って動作確認すればよい。
このように遊技店全体で遊技機の状態を把握することができれば、効率的に遊技機の動作確認が実行可能であったり、稼働率の低い遊技機は客待ち中の節電制御を行わずに稼働率の高い遊技機のみ節電制御を行うようにしたり、島ごとの単位時間当たりの節電目標を達成するように遊技機間で節電量のバランスをとったりすることができる。また、島全体が一斉に節電制御されると暗くなるので、サブ間通信の結果を解析して各遊技機に節電時期もしくは節電禁止時期をずらしてタイマ設定してもよく、適切な節電マップを作成することができる。
(第2の実施の形態の変形例4の効果)
本発明の第2の実施の形態の変形例4によれば、遊技機同士をサブ間通信して情報を解析するので、遊技機の人気の有無や稼働状態など解析結果に応じてバランスのとれた節電制御を行うことができる。また、遊技店全体で適切な呼び込みも可能となる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。