以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態を図面にもとづいて説明する。図1は、第1の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。
第1の実施形態の遊技機(パチンコ機)10は、前面枠12を備え、該前面枠12は、外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は、前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明板(透明部材)保持枠)15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には、内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(たとえば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(たとえば、赤色)で点灯(点滅)させる)のために発光する枠装飾装置18や、音響(たとえば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ19a,19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしてもよい。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23および打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者が各種オプションの設定をおこなうオプション設定部25が設けられている。このオプション設定部25の上面の周囲には複数の選択ボタンスイッチ25aが設けられ、オプション設定部25の上面の中央には決定ボタンスイッチ25bが設けられている。なお、オプション設定部25は、遊技者が演出態様を設定する演出設定部として機能する。この場合、選択ボタンスイッチ25aは、演出態様を選択する演出ボタンスイッチとして機能し、決定ボタンスイッチ25bは、演出態様を決定する決定ボタンスイッチとして機能する。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、選択ボタンスイッチ25aが演出ボタンスイッチとして機能する場合、遊技機10は、選択ボタンスイッチ25aと決定ボタンスイッチ25bとから受け付けた遊技者の操作にもとづいて、遊技者の操作を介入させた演出をおこなうことができる。たとえば、遊技者の操作を介入させた演出は、表示装置(変動表示装置)41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)における演出があり、遊技機10は、表示装置41に表示するキャラクタを動作させたり、表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報を停止させたりすることができる。
また、オプション設定部25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この第1の実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者が選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bを操作することによって、たとえば、スピーカ19a,19bから放射される音量を設定したり、遊技盤30の明るさを設定したりすることができる。
次に、遊技盤30について図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
表示装置41は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT(Cathode Ray Tube:ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出をおこなう盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の側方左側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側、すなわち普図始動ゲート34よりも下側には、二つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動口振分装置36(第1始動入賞口、第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。始動口振分装置36は、始動口1スイッチ36a(図3参照)と始動口2スイッチ37d(図3参照)と振分機構とを有し、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37dとに遊技球を1球ごとに交互に振り分けて案内する。したがって、始動口振分装置36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36aまたは始動口2スイッチ37dにより検出される。
また、始動口振分装置36の下方左側には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。
普通変動入賞装置37は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。
また、普通変動入賞装置37の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
さらに、遊技領域32におけるセンターケース40の側方左側であって、普図始動ゲート34よりも下側には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が側方左側に倒れる方向に回動して開放可能になっている片羽根形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた閉塞状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、特別変動入賞装置38は、たとえば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。これら特別変動入賞装置38に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ38a(図3参照)により検出される。
また、センターケース40は、特別変動入賞装置38の下側にワープ口39aを配設する。ワープ口(ワープ入口)39aからワープ流路に流入した遊技球は、センターケース40内のステージ上を転動し、その一部がワープ出口39bに案内される。ワープ出口39bは、始動口振分装置36の直上に位置し、ワープ出口39bに案内された遊技球は、始動口振分装置36に入賞しやすくなる。
また、遊技領域32における始動口振分装置36の下方右側には、ポイントゲート48と、ポイント表示器49が配設されている。ポイントゲート48は、始動口振分装置36の近傍に設けられることで、遊技機10は始動口振分装置36への入賞の発生契機と、ポイントゲート48への入賞の発生契機とを同時に遊技者に観察させることができる。これにより、遊技機10は、始動口振分装置36への入賞が疎な場合にあっても、ポイントゲート48への入賞による遊技の興趣を遊技者に提供できる。このようなポイントゲート48への入賞による遊技の興趣は、始動口振分装置36への入賞が疎であることによる遊技者の喪失感や不快感の軽減に寄与し、遊技者に継続して遊技をおこなうことの動機付けを与えることができる。
また、ポイントゲート48は、他に入賞機会のない位置に設けられる。これにより、遊技機10は、ポイントゲート48の入賞機会を大きくすることができる。ポイントゲート48に入賞した遊技球は、ポイントスイッチ48a(図4参照)により検出される。ポイント表示器49は、2つの7セグメントLEDからなり、ポイントゲート48の入賞検出(通過検出)を契機に付与されるポイント数の累積値を2桁で数値表示する。ポイント数の累積値は、所定の契機で特典に交換されて遊技者に付与される。ポイント数の累積値に応じて付与される特典は、たとえば、演出態様の選択肢の増加がある。遊技者は、選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bを操作することによって所望の演出態様を選択できる。
第1の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動口振分装置36や普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37や特別変動入賞装置38への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することでいずれの入賞も狙うことができないようになっている。
ここで、第1の実施形態の遊技機10において、右側遊技領域に対応する位置には、センターケース40の右端部に取り付けられた流路形成部材42が配設されており、右側遊技領域へと発射された遊技球は、流路形成部材42によって形成される流路を通過するよう構成されている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、LED等で構成されたラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と状態表示部57とを備える。
次に、遊技機の制御システムについて図3を用いて説明する。図3は、第1の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU(Central Processing Unit)部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC(Integrated Circuit))と呼ばれる遊技用マイコン111と、水晶振動子のような発振子を備え、遊技用マイコン111の動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113等を有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータ等の電子部品は、電源装置400で生成されたDC(Direct Current)32V、DC12V、DC5V等所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC(Alternating Current)−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータ等を有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAM(Random Access Memory)に対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部430等を備える。
第1の実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上または遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30および遊技制御装置100は、機種変更の際に交換の対象となるので、第1の実施形態のように、電源装置400または主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中または電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、たとえば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれがたとえば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これにもとづき遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理がおこなわれる。特に限定されるわけではないが、初期化スイッチ信号は、電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(Read Only Memory)111Bおよび随時読出し書込み可能なRAM111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111BまたはRAM111Cとして、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、たとえば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無等を規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果があらかじめ定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、たとえば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示をおこなう状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、たとえば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、「リーチなし」<「ノーマルリーチ」<「スペシャル1リーチ」<「スペシャル2リーチ」<「スペシャル3リーチ」<「プレミアリーチ」の順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成し出力して遊技機10全体の制御をおこなう。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチなしの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)にもとづいてCPU111Aに対する所定周期(たとえば、4m秒(ms))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当りまたは小当り)またははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態または高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数等にもとづいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)にしたがって、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御をおこなう。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号にもとづいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御をおこなう。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機10に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、始動口振分装置36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a,37d、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123または第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a,37d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aの検出信号およびセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号1は、第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号およびセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号2は、第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号や、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第3入力ポート124に入力されるようにしてもよい。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37a,37dの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要なたとえば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE(Chip Enable)2をアサート(有効レベルに変化)して読出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することにもとづき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力にもとづく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
また、遊技制御装置100には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号等の信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦、第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは、出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETは、中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成されるようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは、入力部120の第1乃至第3入力ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータは、システムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路および遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号等を中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチ等加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号または情報に加工されて、たとえば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタ等が設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、このチップイネーブル信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され、特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開成させる大入賞口ソレノイド38bおよび普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させる普電ソレノイド37cの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報等遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71には、フォトリレーが備えられ、たとえば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)等)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からは、シュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりデジット線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラム等の情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信をおこなえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用しておこなわれるため、第1乃至第3入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、演出制御装置300の構成について図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータにしたがって表示装置41への映像表示のための画像処理をおこなうグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音等をスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるPROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM(Ferroelectric RAM)323、現在の日時(年月日や曜日、時刻等)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAM311aが設けられている。また、主制御用マイコン311には、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理等の処理を実行したりする。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(Video RAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信がおこなわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜nおよび主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAIT等も入力される。
演出制御装置300には、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNCおよび垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には、音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレスバス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは、割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19aおよび前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19aおよび下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)やポイント表示器49を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(たとえば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(たとえば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータおよびソレノイド等を駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレスバス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(たとえば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられたオプション設定部25の選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25b、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)、ポイントゲート48に設けられたポイントスイッチ48aのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vまたは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5VにもとづいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314およびアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータ等を駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路においておこなわれる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。そして、普図図柄表示部55に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図図柄表示部55に第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(たとえば、0.5秒間または1.7秒間)上述のように開放する制御をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御をおこなう変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図図柄表示部55にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、始動口振分装置36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶にもとづき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aと始動口振分装置36に備えられた始動口2スイッチ37dからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動記憶を記憶し、この始動記憶にもとづき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(始動口振分装置36、普通変動入賞装置37)への入賞にもとづき変動表示ゲームの進行制御をおこなう遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等をおこなう。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理(すなわち、特別遊技や小当り遊技を実行する処理)をおこなう。特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。そして、大入賞口に所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御をおこなう大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が「0」に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、たとえば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、たとえば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×3回)、となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御をおこなうよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定してもよく、たとえば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(たとえば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(たとえば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(たとえば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(たとえば、2回)よりも多い回数(たとえば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、たとえば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、たとえば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つまたは複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
次に、一括表示装置の構成について図5を用いて説明する。図5は、第1の実施形態の一括表示装置の一例を示す図である。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18までの16個のLEDを備える。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18の点灯態様により各種状態表示をおこなう。
一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18に各種状態表示機能を振り分けることで、ラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と、状態表示部57と、特図2保留表示部58とを備える。ラウンド表示部51は、LED_d3からLED_d6の4個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおけるラウンド数を表示する。特図1保留表示部52は、LED_d11とLED_d12の2個のLEDの点灯態様により、特図1ゲームにおける保留数を表示する。特図1図柄表示部53は、7セグメントLED_d1の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図1ゲームにおける図柄を表示する。特図2図柄表示部54は、7セグメントLED_d2の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図2ゲームにおける図柄を表示する。普図図柄表示部55は、LED_d8、LED_d10、およびLED_d18の3個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける図柄を表示する。普図保留表示部56は、LED_d15とLED_d16の2個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける保留数を表示する。状態表示部57は、LED_d7、LED_d9、およびLED_d17の3個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおける遊技状態を表示する。特図2保留表示部58は、LED_d13とLED_d14の2個のLEDの点灯態様により、特図2ゲームにおける保留数を表示する。
以下、このような遊技をおこなう遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイコン111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図6および図7に示すメイン処理と、所定時間周期(たとえば4m秒)でおこなわれる図10に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。図6は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)であり、図7は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。メイン処理は、CPU111Aが実行する処理である。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図6および図7に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)をおこなってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)をおこなう。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。第1の実施形態の場合、RAM111Cのアドレスの範囲は、0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとる。ステップS4ではRAM111Cのアドレスの範囲のうち先頭側にある00hをセットする。
次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は、遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込み(ステップS6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理をおこなう(ステップS7)。この処理では、所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(たとえば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(たとえば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(たとえば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAM領域が保持するデータの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域またはレジスタ等)を用いておこなわれる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には、初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、RAM初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後にRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってからRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過までRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
次に、電源投入ディレイタイマ(たとえば、約3秒)を設定する処理(ステップS7)をおこなった後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS8からS12)をおこなう。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(たとえば2回)を設定し(ステップS8)、停電監視信号がオンであるか否かの判定をおこなう(ステップS9)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS9;Y)は、ステップS8で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS10)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS10;N)は、停電監視信号がオンであるか否かの判定(ステップS9)に戻される。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS10;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機10の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズ等により停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAM111Cへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等はおこなう必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAM111Cのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS9;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを「−1」更新し(ステップS11)、タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS12)。タイマの値が0でない場合(ステップS12;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS8)に戻される。また、タイマの値が「0」である場合(ステップS12;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合、RAM111CやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(Read Write Memory)のアクセス許可をし(ステップS13)、全出力ポートにオフデータを出力(出力がない状態に設定)する(ステップS14)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111にあらかじめ搭載されているポートで、この第1の実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップS15)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態からRAM初期化スイッチ112がオンにされたか否かを判定する(ステップS16)。
RAM初期化スイッチ112がオフである場合(ステップS16;N)は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(たとえば5Ah)であるか否かを判定し(ステップS17)、正常であれば(ステップS17;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(たとえばA5h)であるか否かを判定する(ステップS18)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS18;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理をおこない(ステップS19)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定する(ステップS20)。チェックサムが一致する場合(ステップS20;Y)は、ステップS21(図7)へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理をおこなう。
また、RAM初期化スイッチ112がオンである(ステップS16;Y)と判定された場合や、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS17;NまたはステップS18;N)、チェックサムが正常でない(ステップS20;N)と判定された場合は、ステップS26(図7)へ移行して初期化の処理をおこなう。すなわち、RAM初期化スイッチ112が外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
ステップS21(図7)では、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(ステップS21)。ここでの初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域およびエラー不正監視に係る領域である。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて特図の高確率中(特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態)であるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、特図の高確率中でない場合(ステップS22;N)は、ステップS23、S24をスキップしてステップS25へ移行する。また、特図の高確率中である場合(ステップS22;Y)は、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(ステップS23)、たとえば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS24)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS25)、ステップS31へ進む。第1の実施形態の場合、ステップS25では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、画面指定のコマンド(客待ち中なら客待ちデモ画面のコマンド、それ以外なら復旧画面のコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信する。
一方、ステップS16、S17、S18、S20からステップS26へ移行した場合には、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定し(ステップS26)、ビジー信号ステータス領域やタッチスイッチ信号状態監視領域を含むすべてのRAM領域をゼロクリアして(ステップS27)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(ステップS28)。そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS29)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域および演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信して(ステップS30)、ステップS31へ移行する。第1の実施形態の場合、ステップS30では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(たとえば30秒間)光と音でRAM初期化の報知をおこなわせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信する。
ステップS31では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号および乱数更新トリガ信号(CTC(Counter/Timer Circuit))を発生するCTC回路を起動する処理をおこなう。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号にもとづいてCPU111Aに対して所定周期(たとえば、4m秒)のタイマ割込み信号および乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS31のCTC起動処理の後、乱数生成回路を起動設定する処理をおこなう(ステップS32)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定等がCPU111Aによっておこなわれる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定もおこなわれる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、あらかじめ定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンにしたがい乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、あらかじめ用意された複数のパターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしてもよい。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(第1の実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS33)、割込みを許可する(ステップS34)。第1の実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS35)をおこなう。なお、特に限定されるわけではないが、第1の実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数は、CPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新されるいわゆる「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))をもとにして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡するごとに各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更するいわゆる「初期値変更方式」を採用している。なお、上記各乱数は、「+1」または「−1」によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数はハードウェアおよびソフトウェアで更新される乱数である。
ステップS35の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(たとえば2回)を設定し(ステップS36)、停電監視信号がオンであるかの判定をおこなう(ステップS37)。停電監視信号がオンでない場合(ステップS37;N)、初期値乱数更新処理(ステップS35)に戻される。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返しおこなう。初期値乱数更新処理(ステップS35)の前に割込みを許可する(ステップS34)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS35での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理をおこなう方法もあり、そのような方法を採用した場合には、両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理をおこなう場合には、割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、第1の実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合(ステップS37;Y)、ステップS36で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS38)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS38;N)には、停電監視信号がオンであるか否かの判定(ステップS37)に戻される。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS38;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合、一旦、割込みを禁止する処理(ステップS39)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS40)をおこなう。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS41)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS42)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS43)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS44)をおこなった後、RAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS45)をおこなってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔チェックサム算出処理〕
図8は、第1の実施形態のチェックサム算出処理のフローチャートを示す図である。このチェックサム算出処理は、上述のメイン処理におけるチェックサム算出処理(ステップS19、S43)である。このチェックサム算出処理では、まず、算出アドレスの開始値としてRAMの先頭アドレスを設定し(ステップS101)、繰り返し数を設定する(ステップS102)。ここで、繰り返し数は、使用しているRAMのバイト数である。次に、算出値として「0」を設定する(ステップS103)。
その後、算出アドレスの内容に算出値を加算した値を新たな算出値とし(ステップS104)、算出アドレスを「+1」更新して(ステップS105)、繰り返し数を「−1」更新し(ステップS106)、チェックサムの算出が終了したか否かを判定する(ステップS107)。算出が終了していない場合(ステップS107;N)は、ステップS104へ戻って上記処理を繰り返す。また、算出が終了した場合(ステップS107;Y)は、チェックサム算出処理を終了する。
〔初期値乱数更新処理〕
図9は、第1の実施形態の初期値乱数更新処理のフローチャートを示す図である。この初期値乱数更新処理は、上述のメイン処理における初期値乱数更新処理(ステップS35)である。この初期値乱数更新処理では、まず、大当り図柄初期値乱数を「+1」更新し(ステップS111)、小当り図柄初期値乱数を「+1」更新し(ステップS112)、当り初期値乱数を「+1」更新し(ステップS113)、そして、当り図柄初期値乱数を「+1」更新して(ステップS114)、初期値乱数更新処理を終了する。ここで、「大当り図柄初期値乱数」は、特図の大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数、「小当り図柄初期値乱数」は、特図の小当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。また、「当り初期値乱数」は、普図変動ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数、「当り図柄初期値乱数」は、普図変動ゲームの当り図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。なお、小当り図柄乱数は、小当りのない機種では存在せず、当り図柄初期値乱数も機種により存在しない場合がある。このように、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
〔タイマ割込み処理〕
次に、上述のメイン処理におけるタイマ割込み処理について説明する。図10は、第1の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。このタイマ割込み処理は、上述のメイン処理において、割込み許可が出てから割込みが禁止されるまでの間(ステップS34からS39)に生じる割込み処理である。タイマ割込み処理は、CPU111Aが実行する処理である。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111において、タイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS121)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(たとえば、メイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理をおこなったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS122)。ステップS122では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理をおこなっているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS123)をおこなう。それから、各種処理でセットされた出力データにもとづき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御等をおこなうための出力処理(ステップS124)をおこなう。なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理がおこなわれることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は、払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等はおこなわれない。また、当該発射許可信号は、遊技制御装置100から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置200から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置200内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者がともに発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS125)、乱数更新処理1(ステップS126)、乱数更新処理2(ステップS127)をおこなう。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a,37d、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないか等)をおこなう入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS128)をおこなう。また、特図変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図ゲーム処理(ステップS129)、普図変動表示ゲームに関する処理をおこなう普図ゲーム処理(ステップS130)をおこなう。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS131)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう磁石不正監視処理(ステップS132)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう盤電波不正監視処理(ステップS133)をおこなう。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS134)をおこなって、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、第1の実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的におこなわれる。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔入力処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における入力処理(ステップS123)の詳細について説明する。図11は、第1の実施形態の入力処理のフローチャートを示す図である。
この入力処理においては、まず、入力ポート1、すなわち、第1入力ポート122に取り込まれたスイッチの検出信号の状態を読み込む(ステップS141)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップS142)、読み込まれた入力ポート1の状態をRWM内のスイッチ制御領域1にセーブ(格納)する(ステップS143)。次に、入力ポート2、すなわち、第2入力ポート123のアドレスを準備し(ステップS144)、RWM内のスイッチ制御領域2のアドレスを準備し(ステップS145)、未使用のビットデータを準備(ステップS146)する。未使用のビットデータおよび反転するビットデータは、入力ポートごとに準備されている。次に、反転するビットデータを準備し(ステップS147)、スイッチ読み込み処理(ステップS148)をおこなう。ここで、第1の実施形態において「準備」とは、レジスタに値をセットすることを意味するが、これに限らず、RWM、その他のメモリに値をセットするようにしてもよい。
次に、入力ポート3、すなわち、第3入力ポート124のアドレスを準備し(ステップS149)、RWM内のスイッチ制御領域3のアドレスを準備し(ステップS150)、未使用のビットデータを準備し(ステップS151)、反転するビットデータを準備する(ステップS152)。そして、スイッチ読み込み処理(ステップS153)をおこない、入力処理を終了する。
なお、第1入力ポート122で監視するスイッチとしては、図3に示したように、ガラス枠開放検出スイッチ63、本体枠開放検出スイッチ64、RAM初期化スイッチ112(この処理では未使用扱い)、電源装置400の制御信号生成部430で生成された停電監視信号(この処理では未使用扱い)、払出異常ステータス信号、シュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号およびタッチスイッチがある。第2入力ポート123で監視するスイッチとしては、始動口1スイッチ36a(「始動口1入賞信号」)、始動口2スイッチ37a,37d(パターン分岐により、「始動口2入賞信号」「普通電動役物1入賞信号1」としても出力)、入賞口スイッチ35a(「普通入賞口入賞信号」)、大入賞口スイッチ38a(「特別電動役物1入賞信号」)およびゲートスイッチ34a(「普通図柄1に係るゲート通過信号1」)がある。そして、第3入力ポート124で監視するスイッチとしては、盤電波センサ62、スイッチ異常検知信号、磁気センサ61、枠電波不正信号および払出ビジー信号がある。
〔スイッチ読み込み処理〕
次に、上述の入力処理におけるスイッチ読み込み処理(ステップS148、S153)の詳細について説明する。図12は、第1の実施形態のスイッチ読み込み処理のフローチャートを示す図である。このスイッチ読み込み処理においては、まず、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態を読み込む(ステップS161)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップS162)、反転の必要なビットを反転(ステップS163)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態1にセーブ(格納)する(ステップS164)。その後、2回目の読み込みまでのディレイ時間(約100μs)が経過するのを待つ(ステップS165)。
ディレイ時間(約100μs)が経過すると、対象の入力ポートに取り込まれた信号の状態の2回目の読み込みをおこなう(ステップS166)。そして、8ビットのポートのうち未使用ビットがあればそのビットの状態をクリアし(ステップS167)、反転の必要なビットを反転(ステップS168)した後、対象のスイッチ制御領域のポート入力状態2にセーブ(格納)する(ステップS169)。その後、1回目と2回目の読み込みで状態が同じビットを1、違うビットを0とした確定ビットパターンを作成し(ステップS170)、確定ビットパターンとポート入力状態2との論理積をとり、今回確定ビットとする(ステップS171)。
次に、1回目と2回目の読み込みで状態が同じビットを0、違うビットを1とした未確定ビットパターンを作成し(ステップS172)、未確定ビットパターンと前回割込み時の確定状態との論理積をとり、前回保持ビットとする(ステップS173)。これにより、スイッチのチャタリング等によるノイズを除去した信号の状態を得ることができる。そして、今回確定ビットと前回保持ビットを合成し、今回確定状態としてセーブし(ステップS174)、前回と今回の確定状態との排他的論理和をとり、立上りエッジとしてセーブして(ステップS175)、スイッチ読み込み処理を終了する。
なお、スイッチの読み込みは、タイマ割込みの周期が短い場合(たとえば2ms)には、各割込みの処理ごとにそれぞれ1回ずつスイッチの読み込みをおこなって前回の読み込みの結果と比較することで信号が変化したか否か判定する方法があるが、そのようにすると次の割込み処理までに前回の割込みで読み込んだスイッチの状態が失われた場合、正しい判定がおこなえないおそれがある。これに対し、第1の実施形態のように、所定の時間差をおいて1回の割込み処理の中で2回のスイッチ読み込み処理をおこなうことで、上記のような不具合を回避することが可能となる。
〔出力処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における出力処理(ステップS124)の詳細について説明する。図13は、第1の実施形態の出力処理のフローチャートを示す図である。この出力処理では、まず、一括表示装置50のセグメントのデータを出力する第3出力ポート135(図3参照)にオフデータを出力(リセット)する(ステップS181)。次に、普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド38bのデータを出力する第2出力ポート134に出力するデータを合成して出力する(ステップS182)。
そして、一括表示装置50のデジット線を順次スキャンするためのデジットカウンタの値を「0」〜「3」の範囲で「+1」更新し(ステップS183)、デジットカウンタの値に対応するLEDのデジット線の出力データを取得する(ステップS184)。ここで、一括表示装置50の7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18をダイナミック点灯させる例として、ラウンド表示、特図1保留表示、特図1図柄表示、特図2図柄表示、普図図柄表示、普図保留表示、および状態表示(時短状態や高確率状態等の遊技状態表示)がある。
次に、取得したデータと外部情報データを合成し(ステップS185)、合成したデータをデジット出力用の第4出力ポート136および外部情報出力用の第5出力ポート137に出力する(ステップS186)。ステップS185で合成される外部情報は、「扉・枠開放」および「セキュリティ信号」である。
その後、デジットカウンタの値に対応するRWM内のセグメント領域からセグメント線の出力データをロードし(ステップS187)、ロードしたデータをセグメント出力用の第3出力ポート135に出力する(ステップS188)。
続いて、外部情報端子板71へ出力する外部情報の各種出力データをロードして合成する(ステップS189)。ここで合成する外部情報としては、「大当り信号1」、「大当り信号2」、「大当り信号3」、「大当り信号4」、「図柄確定回数信号」、「始動口信号」、「メイン賞球信号」等である。次に、合成したデータと発射許可の出力データを合成し(ステップS190)、合成したデータを外部情報出力用および発射許可信号出力用の第5出力ポート137に出力する(ステップS191)。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験信号出力ポート1に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験信号出力ポート1へ合成したデータを出力する(ステップS192)。その後、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験信号出力ポート2に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験信号出力ポート2へ合成したデータを出力する(ステップS193)。
次に、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験信号出力ポート3に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験信号出力ポート3へ合成したデータを出力する(ステップS194)。さらに、試射試験装置の試験信号を出力する中継基板70上の試験信号出力ポート4に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験信号出力ポート4へ合成したデータを出力する(ステップS195)。そして、試射試験装置への試験信号を出力する中継基板70上の試験信号出力ポート5に出力するデータをロードして合成し、中継基板70上の試験信号出力ポート5へ合成したデータを出力し(ステップS196)し、出力処理を終了する。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(ステップS125)の詳細について説明する。図14は、第1の実施形態の払出コマンド送信処理のフローチャートを示す図である。この図において、左列はメイン賞球信号の出力回数を更新する(増やす)処理であり、右列は払出コマンドを送信する処理である。
払出コマンド送信処理では、まず、賞球数別(たとえば、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた、各々、255入賞まで記憶する入賞数カウンタ領域2に「0」でないカウント数があるか否かを判定する(ステップS201)。そして、カウント数がない場合(ステップS201;N)、チェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新し(ステップS202)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したか否かを判定する(ステップS203)。
ステップS201で、カウント数がある(ステップS201;Y)と判定された場合、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(「−1」更新)し(ステップS204)、入賞数カウンタ領域2のアドレスに対応する払出数を取得する(ステップS205)。次に、賞球残数領域の値と払出数を加算し(ステップS206)、加算結果を賞球残数領域にセーブし(ステップS207)、加算結果から10を減算し(ステップS208)、その減算結果が「0」以上かを判定する(ステップS209)。ステップS209で、減算結果が「0」以上(ステップS209;Y)と判定された場合、メイン賞球信号出力回数を「+1」更新し(ステップS210)、減算結果を賞球残数領域にセーブする(ステップS211)。ここで、賞球信号(メイン賞球信号)としては、主基板(遊技制御装置100)からは10個払出予定ごとに1パルスが出力され、払出基板(払出制御装置200)からは10個払出ごとに1パルスが出力される。
次に、ステップS203の判定で、すべてのチェックが終了した(ステップS203;Y)と判定、または、ステップS209の判定で、減算結果が「0」以上でない(ステップS209;N)と判定された場合、払出コマンド送信タイマの値が「0」でなければ払出コマンド送信タイマの値を「−1」更新する(ステップS212)。この払出コマンド送信処理が最初のタイマ割込み処理であれば、この払出コマンド送信処理の最後のステップS221で設定される初期値が設定されていないので、払出コマンド送信タイマの値は「0」であるから、減算はおこなわれないことになる。このように、払出コマンドは、タイマ割込みごとに送信するのではなく、所定時間経過してから送っている。また、払出コマンドの送信は、払出制御基板側が賞球を払い出せる状態であることも条件である。
次に、払出コマンド送信タイマの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS213)、払出コマンド送信タイマの値が「0」である(ステップS213;Y)と判定された場合、払出ビジー信号がビジー中か否かを判定する(ステップS214)。なお、払出ビジー信号がビジー中か否かは、ポートの状態の参照ではなく、払出ビジー信号フラグの参照により判定している。ここで、払出ビジー信号がオン(ビジー中)となる条件としては、「払出動作中」、「球貸し動作中」、「シュート球切れエラー中」、「オーバーフローエラー中」、「枠電波不正発生中」、「払出球検出スイッチの異常中(払い出された球を監視するスイッチ)」、「払出不足エラー中」、「払出過剰エラー中」、「払出制御基板のメモリ内に払い出すべき賞球数のカウント(未払い出しの賞球数=獲得遊技球数残)があるとき(=0でないとき)」等である。
次に、払出ビジー信号がビジー中でない(ステップS214;N)場合、入賞数カウンタ領域1にカウントありか否かを判定し(ステップS215)、入賞数カウンタ領域1にカウントがなければ(ステップS215;N)、チェックする入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新し(ステップS216)、全領域のチェックが終了したか否かを判定する(ステップS217)。全領域のチェックが終了していない(ステップS217;N)場合、ステップS215に戻される。
ステップS215において、入賞数カウンタ領域1にカウントがある(ステップS215;Y)場合、対象の入賞数カウンタを「−1」更新し(ステップS218)、入賞数カウンタ領域1のアドレスに対応する払出数コマンドを取得し(ステップS219)、取得したコマンドを払出用シリアル送信バッファに書き込む(ステップS220)。そして、払出コマンド送信タイマ領域に初期値(たとえば、200ms)をセーブする(ステップS221)。
ステップS213において、払出コマンド送信タイマの値が「0」でない(ステップS213;N)と判定された場合、ステップS214において、払出ビジー信号がビジー中である(ステップS214;Y)と判定された場合、ステップS217において、全領域のチェックが終了している(ステップS217;Y)と判定された場合、または、ステップS221の処理が終了した場合に、この払出コマンド送信処理を終了する。
〔乱数更新処理1〕
次に、タイマ割込み処理(図10参照)における乱数更新処理1(ステップS126)について説明する。図15は、第1の実施形態の乱数更新処理1のフローチャートを示す図である。この乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。
この乱数更新処理1では、まず、普図の大当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるか否かを判定する(ステップS231)。普図の大当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS231;N)、小当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS234)。また、普図の大当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS231;Y)、次回初期値として大当り図柄初期値乱数をロードし(ステップS232)、ロードした普図の大当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップS233)。その後、小当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるか否かを判定する(ステップS234)。
小当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS234;N)、当り乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるかを判定する(ステップS237)。また、小当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS234;Y)、次回初期値として小当り図柄初期値乱数をロードし(ステップS235)、ロードした小当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップS236)。その後、当り乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるか否かを判定する(ステップS237)。
当り乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS237;N)、当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるか否かを判定する(ステップS240)。また、当り乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS237;Y)、次回初期値として当り初期値乱数をロードし(ステップS238)、ロードした当り乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定する(ステップS239)。その後、当り図柄乱数が次回の初期値(スタート値)設定待ちであるか否かを判定する(ステップS240)。
当り図柄乱数が初期値設定待ちでない場合(ステップS240;N)は、乱数更新処理1を終了する。また、当り図柄乱数が初期値設定待ちである場合(ステップS240;Y)、次回初期値として当り図柄初期値乱数をロードし(ステップS241)、ロードした当り図柄乱数の次回の初期値を対応する乱数カウンタ(乱数領域)のスタート値を保持するレジスタ(スタート値設定レジスタ)に設定し(ステップS242)、乱数更新処理1を終了する。
〔乱数更新処理2〕
次に、タイマ割込み処理(図10参照)における乱数更新処理2(ステップS127)について説明する。図16は、第1の実施形態の乱数更新処理2のフローチャートを示す図である。この乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、第1の実施形態の遊技機10では、変動パターン乱数として1バイトの乱数(変動パターン乱数2、変動パターン乱数3)と、2バイトの乱数(変動パターン乱数1)があり、乱数更新処理2は両方を更新対象とし、割込みが発生するごとに更新対象を切り替えて処理する。しかも、更新対象の乱数が2バイトの場合には、上位のバイトと下位のバイトに対して異なる割込み時に更新処理をおこなうようになっている。すなわち、メイン処理に対する一の割込み処理において実行される乱数更新処理2による2バイトの変動パターン乱数1(リーチ変動態様決定用乱数)の更新は、上位1バイトまたは下位1バイトのいずれかについて実行されるように構成されている。
この乱数更新処理2では、まず、更新すべき複数の乱数のうちいずれの乱数を今回の更新処理の対象とするかを順番に指定するための乱数更新スキャンカウンタを「0」から「3」の範囲で更新する(ステップS251)。次に、乱数更新スキャンカウンタの値に対応する演出乱数更新テーブルのアドレスを算出する(ステップS252)。そして、算出されたアドレスにもとづいて参照したテーブルから乱数の上限判定値を取得する(ステップS253)。このとき参照するテーブルには、乱数の種類ごとに上限判定値、すなわち、乱数が一巡したか否かを判定するための値が格納されている。
続いて、たとえば第1の実施形態において遊技用マイコン111として使用しているZ80系のマイコンに設けられているDRAMのリフレッシュ等のため使用されるカウンタ(以下、M1カウンタと称する)のようなランダムな値が設定されるカウンタの値をロードする(ステップS254)。M1カウンタの値を使用することで、乱数にランダム性を付与することができる。次に、M1カウンタの値をマスクするためのマスク値を取得して、M1カウンタの値をマスクする(ステップS255)。なお、マスク値は、更新対象の乱数によって異なるビット数、たとえば、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットに、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットに設定されている。乱数の種類によって上限値が異なるためである。なお、マスク値として、変動パターン乱数1の下位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位3ビットを、また、変動パターン乱数1の上位1バイトを更新する場合には、M1カウンタの下位4ビットを例示したが、数値は一例であってこれに限られるものではない。
次に、更新する乱数領域(乱数カウンタ)が2バイト乱数の上位1バイトであるか否かを判定する(ステップS256)。そして、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトである場合(ステップS256;Y)、加算値として上位1バイトをマスク値によってM1カウンタの値をマスクすることによって残った値(以下、これをマスクした値と称する)に「1」を加算したマスク更新値に設定し、下位1バイトを「0」に設定して(ステップS257)、ステップS259に移行する。また、乱数領域が2バイト乱数の上位1バイトでない場合(ステップS256;N)、加算値として上位1バイトを「0」に設定し、下位1バイトを上記マスク更新値に設定して(ステップS258)、ステップS259に移行する。なお、マスクした値に「1」を加算するのは、マスクした値が「0」になる場合があり、「0」を後に加算すると加算する前の値から変化しないので、それを避けるためである。
そして、更新する乱数が2バイト乱数であるか否かを判定し(ステップS259)、2バイト乱数である場合(ステップS259;Y)、更新する乱数領域の値(2バイト)を設定して(ステップS260)、ステップS262に移行する。また、更新する乱数が2バイト乱数でない場合(ステップS259;N)、乱数値の上位1バイトとして「0」を設定し、乱数値の下位1バイトとして、更新する乱数領域の値(1バイト)を設定し(ステップS261)、ステップS262に移行する。
ステップS262では、乱数値にステップS257またはS258で決定した加算値を加算した値を新たな乱数値とし、この新たな乱数値がステップS253で取得した上限判定値よりも大きいか否かを判定する(ステップS263)。そして、新たな乱数値が上限判定値より大きくない場合(ステップS263;N)、新たな乱数値を1バイト乱数または2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップS265)。また、新たな乱数値が上限判定値より大きい場合(ステップS263;Y)、新たな乱数値から上限判定値を減算した値を再度の新たな乱数値とし(ステップS264)、この値を1バイト乱数または2バイト乱数の下位の乱数領域にセーブする(ステップS265)。
次に、更新した乱数が2バイト乱数であるか否かを判定し(ステップS266)、2バイト乱数でない場合(ステップS266;N)は、乱数更新処理2を終了する。また、2バイト乱数である場合(ステップS266;Y)、新たな乱数値(再度の新たな乱数値を算出した場合はその値)を2バイト乱数の上位の乱数領域にセーブし(ステップS267)、乱数更新処理2を終了する。
このように、CPU111Aは、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。したがって、CPU111Aは、始動口振分装置36や普通変動入賞装置37の始動領域への遊技球の流入にもとづいて抽出される各種乱数のうち、特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)を決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新手段をなす。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
次に、タイマ割込み処理(図10参照)における入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS128)について説明する。図17は、第1の実施形態の入賞口スイッチ/状態監視処理のフローチャートを示す図である。この入賞口スイッチ/状態監視処理では、まず、大入賞口(特別変動入賞装置38)内の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル(たとえば、カウントスイッチからの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータが格納されている)を準備する(ステップS271)。次に、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に入賞する不正(不正な入賞)がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS272)を実行する。
その後、大入賞口(特別変動入賞装置38)内の他方の大入賞口スイッチ38aに対応する入賞口監視テーブル2を準備し(ステップS273)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS274)を実行する。そして、普電内の入賞口スイッチ(始動口2スイッチ37a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS275)、不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理(ステップS276)を実行する。
次に、不正監視処理が不要な入賞口スイッチ(ここでは始動口1スイッチ36a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a)の入賞口監視テーブルを準備し(ステップS277)、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS278)をおこなう。
次に、遊技機10のエラー状態を監視すべき複数のスイッチおよび信号のうちいずれのスイッチまたは信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタの値を「0」から「3」の範囲で更新する(ステップS279)。その後、状態スキャンカウンタの値に応じて、スイッチのコネクタ抜け等の発生により出力されるスイッチ異常1エラー、払出制御装置200からのシュート玉切れエラー、オーバーフロースイッチからのオーバーフローエラーおよび払出異常エラーのいずれかにもとづくエラーの監視を対象として設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(ステップS280)。そして、エラーが発生しているか否かを判定する遊技機状態チェック処理(ステップS281)をおこなう。
次に、状態スキャンカウンタの値に応じて、ガラス枠開放、本体枠開放、枠電波不正およびタッチスイッチのいずれかにもとづくエラーの監視を対象として設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(ステップS282)。そして、エラーが発生しているか否かを判定する遊技機状態チェック処理(ステップS283)をおこなう。
次に、状態スキャンカウンタの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS284)、状態スキャンカウンタの値が「0」でない場合(ステップS284;N)は、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に遊技機状態の監視対象がない場合である。また、状態スキャンカウンタの値が「0」である場合(ステップS284;Y)、状態スキャンカウンタの値に応じて、スイッチのコネクタ抜け等の発生により出力されるスイッチ異常2エラーにもとづく遊技機状態の監視を対象として設定するための遊技機状態監視テーブル3を準備する(ステップS285)。そして、エラーが発生しているか否かを判定する遊技機状態チェック処理(ステップS286)をおこない、払出ビジー信号チェック処理(ステップS287)をおこない、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。なお、払出ビジー信号チェック処理は、毎回おこなわれるのではなく、4回に1回実行されるようにしてあり、残りの3回がパスされるので、16ms周期の監視となっている。
〔不正&入賞監視処理〕
次に、入賞口スイッチ/状態監視処理(図17参照)における不正&入賞監視処理(ステップS272、S274、S276)について説明する。図18は、第1の実施形態の不正&入賞監視処理のフローチャートを示す図である。なお、入賞口スイッチ/エラー監視処理にて準備された各入賞口監視テーブルには、「入力があるかを判定するデータ(監視スイッチビット)」、「不正監視情報の下位アドレス」、「不正入賞数領域の下位アドレス」、「不正入賞エラー報知コマンド」、「不正入賞数上限値(不正発生判定個数)」、「入賞口スイッチテーブルのアドレス」および「報知タイマ更新情報(許可/更新)」の情報が定義されているものとする。
この不正&入賞監視処理は、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38aおよび普通変動入賞装置37の始動口2スイッチ37aに対しておこなわれる処理である。大入賞口(特別変動入賞装置38)や普電(普通変動入賞装置37)については、無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正がおこなわれ易いため、入賞の検出の他に不正の監視をする。
この不正&入賞監視処理においては、まず、遊技機状態監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをチェックし(ステップS291)、不正監視期間中であるかを判定する(ステップS292)。不正監視期間とは、遊技機状態監視対象の入賞口スイッチが大入賞口スイッチ38aである場合は、特別変動入賞装置38を開放する特別遊技状態中以外の期間である。また、遊技機状態監視対象の入賞口スイッチが始動口2スイッチ37aである場合は、普図の当りにもとづき普通変動入賞装置37の開放制御を実行している状態以外の期間である。
そして、不正監視期間である場合(ステップS292;Y)、対象の入賞口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップS293)。対象の入賞口スイッチに入力がない場合(ステップS293;N)は、対象の報知タイマ更新情報をロードする(ステップS302)。また、対象の入賞口スイッチに入力がある場合(ステップS293;Y)、対象の不正入賞数を「+1」更新し(ステップS294)、加算後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数(たとえば5個)以上であるか否かを判定する(ステップS295)。
なお、判定個数を5個としているのは、たとえば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球がカウントスイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズが乗った場合にそれを直ちに不正と判定しないようにするためである。これにより、必ずしも不正でない場合まで、簡単に不正と判定してしまうことを抑止できる。
そして、判定個数以上でない場合(ステップS295;N)、対象の入賞口スイッチの入賞監視テーブルを準備する(ステップS300)。また、判定個数以上の場合(ステップS295;Y)、不正入賞数を不正発生判定個数に留め(ステップS296)、対象の不正入賞報知タイマ領域に初期値をセーブする(ステップS297)。次に、対象の不正発生コマンドを準備し(ステップS298)、不正フラグとして不正入賞発生フラグを準備して(ステップS299)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS310)。
一方、不正監視期間でない場合(ステップS292;N)、対象の入賞口スイッチの入賞監視テーブルを準備し(ステップS300)、賞球の設定をおこなう入賞数カウンタ更新処理(ステップS301)をおこなう。そして、対象の報知タイマ更新情報をロードし(ステップS302)、報知タイマの更新許可の有無を判定する(ステップS303)。そして、報知タイマの更新が許可されない場合(ステップS303;N)、この不正&入賞監視処理は、終了する。なお、報知タイマの更新が許可されない情報としては、大入賞口スイッチ38aがある。これは、1つの大入賞口に対しスイッチ2個で監視をおこなっていることによる。双方のスイッチの監視でタイマを更新すると、倍速でタイマ更新がおこなわれることとなり、結果的に規定時間の半分で不正タイマがタイムアップしてしまう。このようなタイマ更新を避けるため、先に監視処理をおこなう大入賞口スイッチのタイミングでの更新を禁止している。また、後に監視処理をおこなう大入賞口スイッチおよび普通変動入賞装置37の始動口2スイッチ37aのように報知タイマの更新が許可される場合(ステップS303;Y)、対象の報知タイマが「0」でなければ「−1」更新する(ステップS304)。なお、報知タイマの最小値は、「0」に設定されている。
報知タイマの更新は、遊技機状態監視対象の入賞口スイッチが一方の大入賞口スイッチ38aである場合は許可され、遊技機状態監視対象の入賞口スイッチが他方の大入賞口スイッチ38aである場合は許可されない。これにより、特別変動入賞装置38についての不正報知について、報知タイマの更新が倍の頻度でおこなわれてしまい、規定時間(たとえば60000ms)の半分でタイムアップしてしまうことを防止している。なお、遊技機状態監視対象の入賞口スイッチが大入賞口スイッチ38aである場合や始動口2スイッチ37aである場合は報知タイマの更新は常に許可される。
その後、報知タイマの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS305)、値が「0」でない場合(ステップS305;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、不正&入賞監視処理を終了する。また、値が「0」である場合(ステップS305;Y)、すなわちタイムアップしたまたはすでにタイムアップしていた場合、対象の不正解除コマンドを準備し(ステップS306)、不正フラグとして不正入賞解除フラグを準備する(ステップS307)。そして、CPU111Aは、報知タイマの値が「0」になった瞬間であるか否かを判定する(ステップS308)。
報知タイマの値が「0」になった瞬間である場合(ステップS308;Y)、すなわち今回の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が「0」になった場合、対象の不正入賞数をクリアし(ステップS309)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS310)。また、報知タイマの値が「0」になった瞬間でない場合(ステップS308;N)、すなわち前回以前の不正&入賞監視処理で報知タイマの値が「0」になった場合、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域の値と比較する(ステップS310)。
そして、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致した場合(ステップS310;Y)、不正&入賞監視処理は、終了される。また、準備した不正フラグと対象の不正フラグ領域の値が一致しない場合(ステップS310;N)、準備した不正フラグを対象の不正フラグ領域にセーブし(ステップS311)、演出コマンド設定処理をおこない(ステップS312)、不正&入賞監視処理を終了する。以上の処理により、不正の発生に伴い不正報知コマンドが演出制御装置300に送信され、不正の解除に伴い不正入賞不正解除コマンドが演出制御装置300に送信されて、不正報知の開始、終了が設定されることとなる。
〔入賞数カウンタ更新処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理および不正&入賞監視処理における入賞数カウンタ更新処理(ステップS278、S301)について説明する。図19は、第1の実施形態の入賞数カウンタ更新処理のフローチャートを示す図である。なお、入賞口スイッチ/状態監視処理で準備された入賞口監視テーブルのうちの入賞テーブルには、「繰り返し回数」の情報と、スイッチごとに定義された「入力があるか否かを判定するデータ(監視スイッチビット)」、「入賞数カウンタ領域1の下位アドレス」および「入賞数カウンタ領域2の下位アドレス」の情報が定義されている。
この入賞数カウンタ更新処理においては、まず、入賞口監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得し(ステップS321)、対象の入賞口スイッチに入力(正確には入力の変化)があるか否かを判定する(ステップS322)。
入力がない場合(ステップS322;N)、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新する(ステップS331)。また、入力がある場合(ステップS322;Y)、対象の入賞数カウンタ領域1の値をロードし(ステップS323)、ロードした値を「+1」更新して(ステップS324)、オーバーフローするか判定する(ステップS325)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップS325;N)、更新後の値を入賞数カウンタ領域1にセーブする(ステップS326)。これにより、賞球(払出コマンド送信)のための入賞数カウンタが更新される。このときのカウンタサイズは2バイトであり、「0」から「65535」の範囲で更新される。また、オーバーフローが発生した場合(ステップS325;Y)は、ステップS326の処理がパスされる。
次に、対象の入賞数カウンタ領域2の値をロードし(ステップS327)、ロードした値を「+1」更新し(ステップS328)、オーバーフローするか否かを判定する(ステップS329)。そして、オーバーフローが発生していない場合(ステップS329;N)は、更新後の値を入賞数カウンタ領域2にセーブする(ステップS330)。これにより、メイン賞球信号のための入賞数カウンタが更新される。このときのカウンタサイズは1バイトであり、「0」から「255」の範囲で更新される。また、オーバーフローが発生した場合(ステップS329;Y)は、ステップS330の処理がパスされる。
ステップS331において、テーブルアドレスを次レコードのアドレスに更新すると、全スイッチの監視が終了したか否かを判定する(ステップS332)。全スイッチの監視が終了していない場合(ステップS332;N)は、対象の入賞口スイッチに入力があるかを判定する処理(ステップS322)に戻る。また、全スイッチの監視が終了した場合(ステップS332;Y)、入賞数カウンタ更新処理は、終了される。以上の処理により、入賞に応じた賞球が設定されることとなる。
〔遊技機状態チェック処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における遊技機状態チェック処理(ステップS286)について説明する。図20は、第1の実施形態の遊技機状態チェック処理のフローチャートを示す図である。なお、入賞口スイッチ/状態監視処理にて準備された各遊技機状態監視テーブルには、「状態監視領域の先頭アドレスの下位アドレス」、「対象の信号情報が保存されているスイッチ制御領域のポート入力状態領域の下位アドレス」、「対象の信号のビットだけを取り出すマスクデータ」、「信号オンの判定データ」、「状態オフコマンド(エラー系の場合は、エラー報知終了のコマンドの意味)」、「状態オンコマンド(エラー系の場合は、エラー報知開始のコマンドの意味)」、「状態オフ監視タイマ比較値」および「状態オン監視タイマ比較値」の情報がそれぞれ定義されている。
この遊技機状態チェック処理では、まず、状態スキャンカウンタに対応する状態監視テーブルを取得し(ステップS341)、監視対象の信号がオンであるか否か、すなわちエラーを示す状態であるか否かを判定する(ステップS342)。なお、監視対象の信号がオンでない場合とは、エラー系に関しては、エラーではない正常の状態をいい、タッチスイッチに関しては、タッチしていない状態をいう。また、監視対象の信号がオンである場合とは、エラー系に関しては、エラー(異常、不正)の状態をいい、タッチスイッチに関しては、タッチしている状態をいう。
ステップS342において、信号がオンでない場合(ステップS342;N)、状態フラグとして状態オフフラグを準備し(ステップS343)し、対象の状態オフコマンドを取得して準備する(ステップS344)。その後、対象の状態オフ監視タイマ比較値を取得して(ステップS345)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップS349)。
一方、信号がオンである場合(ステップS342;Y)、状態フラグとして状態オンフラグを準備し(ステップS346)、対象の状態オンコマンドを取得して準備する(ステップS347)。その後、対象の状態オン監視タイマ比較値を取得して(ステップS348)、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態を比較する(ステップS349)。
対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致した場合(ステップS349;Y)、すなわち信号の状態が変化していない場合、対象の状態監視タイマを「+1」更新して(ステップS352)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上か否かを判定する(ステップS353)。また、対象の信号制御領域の値と今回の信号の状態が一致しない場合(ステップS349;N)、すなわち信号の状態が変化した場合には、対象の信号制御領域に今回の信号の状態をセーブする(ステップS350)。そして、対象の状態監視タイマをクリアし(ステップS351)、対象の状態監視タイマを「+1」更新して(ステップS352)、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上か否かを判定する(ステップS353)。
対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値に達していない場合(ステップS353;N)、この遊技機状態チェック処理は、終了される。また、対象の状態監視タイマの値が監視タイマ比較値以上となった場合(ステップS353;Y)、状態監視タイマを「−1」更新して「比較値−1」の値に留め(ステップS354)、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域の値と比較する(ステップS355)。
そして、準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致する場合(ステップS355;Y)、この遊技機状態チェック処理は、終了される。また、準備した状態フラグと対象の状態フラグ領域の値とが一致しない場合(ステップS355;N)、準備した状態フラグを対象の状態フラグ領域にセーブし(ステップS356)、上で準備した状態オフコマンドか状態オンコマンドのいずれかを送信する演出コマンド設定処理をおこなって(ステップS357)、遊技機状態チェック処理を終了する。
〔払出ビジー信号チェック処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ/状態監視処理における払出ビジー信号チェック処理(ステップS287)について説明する。図21は、第1の実施形態の払出ビジー信号チェック処理のフローチャートを示す図である。
この払出ビジー信号チェック処理では、まず、払出ビジー信号がオンか否かを判定し(ステップS361)、払出ビジー信号がオンでない場合(ステップS361;N)、状態フラグとしてアイドル状態フラグを準備し(ステップS362)、オフ確定監視タイマ比較値を設定する(ステップS363)。ここで設定されるオフ確定監視タイマ比較値は、たとえば、32msが設定される。
ステップS361において、払出ビジー信号がオンである場合(ステップS361;Y)、状態フラグとしてビジー状態フラグを準備し(ステップS364)、オン確定監視タイマ比較値を設定する(ステップS365)。ここで設定されるオン確定監視タイマ比較値は、たとえば、32msが設定される。
次に、ビジー信号状態領域の値を今回の信号の状態と比較する(ステップS366)。ビジー信号状態領域の値と今回の信号の状態が一致した場合(ステップS366;Y)、すなわち信号の状態が変化していない場合、ビジー信号監視タイマを「+1」更新して(ステップS369)、ビジー信号監視タイマの値がタイマ比較値以上か否かを判定する(ステップS370)。また、ビジー信号状態領域の値と今回の信号の状態が一致しない場合(ステップS366;N)、すなわち信号の状態が変化した場合には、ビジー信号状態領域に今回の信号の状態をセーブする(ステップS367)。そして、ビジー信号監視タイマをゼロクリアし(ステップS368)、ビジー信号監視タイマを「+1」更新して(ステップS369)、ビジー信号監視タイマの値がタイマ比較値以上か否かを判定する(ステップS370)。
ビジー信号監視タイマの値がタイマ比較値に達していない場合(ステップS370;N)、この払出ビジー信号チェック処理は、終了される。また、ビジー信号監視タイマの値がタイマ比較値以上となった場合(ステップS370;Y)、ビジー信号監視タイマを「−1」更新して「比較値−1」の値に留め(ステップS371)、準備した状態フラグを払出ビジー信号フラグ領域にセーブし(ステップS372)、この払出ビジー信号チェック処理は、終了される。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS129)の詳細について図22を用いて説明する。図22は、第1の実施形態の特図ゲーム処理のフローチャートを示す図である。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37a,37dの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定をおこなう。特図ゲーム処理では、まず、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37a,37dの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)をおこなう。始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口をなす始動口振分装置36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数等)の抽出をおこない、当該入賞にもとづく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞にもとづく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定をおこなう。
次に、大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)をおこなう。この大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38a(大入賞口スイッチ1、大入賞口スイッチ2)での遊技球の検出を監視する処理をおこなう。
次に、特図ゲーム処理タイマが「0」でなければ「−1」更新する(ステップA3)。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、特図ゲーム処理タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップA4)。特図ゲーム処理タイマの値が「0」である場合(ステップA4;Y)、すなわちタイムアップしたまたはすでにタイムアップしていた場合は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA6)。そして、特図ゲーム処理番号に応じてサブルーチンコールをおこなう(ステップA7)。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図普段処理(ステップA8)をおこなう。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図変動中処理(ステップA9)をおこなう。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう特図表示中処理(ステップA10)をおこなう。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなうファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)をおこなう。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理をおこなうために必要な情報を設定する処理等をおこなう大入賞口開放中処理(ステップA12)をおこなう。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければファンファーレ/インターバル中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう一方で最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう大入賞口残存球処理(ステップA13)をおこなう。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう大当り終了処理(ステップA14)をおこなう。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当りファンファーレ中処理(ステップA15)をおこなう。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「8」の場合は、小当り中動作移行処理や小当り終了画面のコマンドの設定や小当り残存球処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当り中処理(ステップA16)をおこなう。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り終了処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当り残存球処理(ステップA17)をおこなう。
ステップA7にて、特図ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図普段処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう小当り終了処理(ステップA18)をおこなう。
その後、特図1図柄表示部53の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図1図柄表示部53に係る図柄変動制御処理(ステップA20)をおこなう。そして、特図2図柄表示部54の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA21)、特図2図柄表示部54に係る図柄変動制御処理(ステップA22)をおこない、特図ゲーム処理を終了する。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマの値が「0」でない場合(ステップA4;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、ステップA19の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
なお、小当りは条件装置の作動を伴わない結果態様であり、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、たとえば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、たとえば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であってもよいし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であってもよい。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について図23を用いて説明する。図23は、第1の実施形態の始動口スイッチ監視処理のフローチャートを示す図である。
始動口スイッチ監視処理では、まず、始動口1(始動口振分装置36)入賞監視テーブルを準備し(ステップA101)、ハード乱数取得処理(ステップA102)をおこなって、始動口1への入賞があるか否かを判定する(ステップA103)。
ステップA103にて、始動口1への入賞がないと判定した場合(ステップA103;N)には、ステップA109の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
一方、ステップA103にて、始動口1への入賞があると判定した場合(ステップA103;Y)には、特図時短中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップA104)。なお、ステップA104における判定は、遊技状態が普電サポート中であるか否かを判定対象とし、確率状態の高低を判定対象に含めるものではない。
ステップA104にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA104;N)には、ステップA107の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
一方、ステップA104にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA104;Y)には、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)をおこなう。すなわち、時短状態であれば、特図変動表示ゲームの確率状態にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して(ステップA105)、演出コマンド設定処理(ステップA106)をおこなう。第1の実施形態の遊技機10の場合、始動口1(始動口振分装置36)へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。したがって、時短状態は、左打ちよりも右打ちの方が有利な遊技状態となるが、時短状態中に始動口1に入賞があった場合(すなわち、時短状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信して、右打ちするよう指示する報知(警告)を演出制御装置300によっておこなうよう構成されている。
次いで、始動口1(始動口振分装置36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA107)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108)をおこなう。
次に、始動口2(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップA109)、ハード乱数取得処理(ステップA110)をおこなって、始動口2への入賞があるか否かを判定する(ステップA111)。
ステップA111にて、始動口2への入賞がないと判定した場合(ステップA111;N)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、ステップA111にて、始動口2への入賞があると判定した場合(ステップA111;Y)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップA112)、普通電動役物が作動中である(ステップA112;Y)と判定すると、ステップA114の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。一方、ステップA112にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA112;N)と判定すると、普電不正発生中であるか否かを判定する(ステップA113)。
普電不正発生中であるかの判定では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(たとえば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
ステップA113にて、普電不正発生中でない(ステップA113;N)と判定すると、始動口2(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA114)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA115)をおこなって、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA113にて、普電不正発生中である(ステップA113;Y)と判定した場合は、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔ハード乱数取得処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(ステップA102、A110)の詳細について図24を用いて説明する。図24は、第1の実施形態のハード乱数取得処理のフローチャートを示す図である。
ハード乱数取得処理では、まず、始動口1(始動口振分装置36)および始動口2(普通変動入賞装置37)のうち、監視対象の始動口の入賞なし情報を設定して(ステップA121)、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37a,37dのうち、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA122)。そして、監視対象の始動口スイッチに入力がない場合(ステップA122;N)は、ハード乱数取得処理を終了する。一方、監視対象の始動口スイッチに入力がある場合(ステップA122;Y)は、乱数ラッチレジスタステータスを読み込み(ステップA123)、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがあるか否かを判定する(ステップA124)。
対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがない場合(ステップA124;N)、すなわち乱数が抽出されていない場合は、ハード乱数取得処理を終了する。また、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータがある場合(ステップA124;Y)は、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA125)。そして、始動口1(始動口振分装置36)および始動口2(普通変動入賞装置37)のうち、監視対象の始動口の入賞あり情報を設定して(ステップA126)、ハード乱数取得処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA108、A115)の詳細について図25を用いて説明する。図25は、第1の実施形態の特図始動口スイッチ共通処理のフローチャートを示す図である。
特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37a,37dの入力があった場合に、各々の入力について共通しておこなわれる処理である。
特図始動口スイッチ共通処理では、まず、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37a,37dのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(ステップA131)、ロードした値を「+1」更新して(ステップA132)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(ステップA133)。出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA133;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA134)、ステップA135の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップA133;Y)は、ステップA134をパスしてステップA135の処理に移行する。第1の実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には「+1」更新されると更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37a,37dのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満であるか否かを判定する(ステップA135)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(ステップA135;N)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(ステップA135;Y)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数または特図2保留数)を「+1」更新して(ステップA136)、監視対象の始動口入賞フラグをセーブする(ステップA137)。続けて、監視対象の始動口スイッチおよび特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(ステップA138)、ステップA125にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップA139)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA140)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA141)。
次いで、始動口1(始動口振分装置36)への入賞であるか否かを判定する(ステップA142)。
ステップA142にて、始動口1への入賞でないと判定した場合(ステップA142;N)には、ステップA145の処理に移行する。
一方、ステップA142にて、始動口1への入賞であると判定した場合(ステップA142;Y)には、小当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA143)、RWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップA144)。
次いで、変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(ステップA145)、特図保留情報判定処理(ステップA146)をおこなう。
次いで、監視対象の始動口スイッチおよび特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備し(ステップA147)、演出コマンド設定処理(ステップA148)をおこなって、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100の遊技用マイコン111のRAM111Cは、始動口振分装置36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入にもとづき、所定の乱数を抽出し特図変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動入賞記憶手段をなす。また、始動入賞記憶手段(RAM111C)は、始動口1(始動口振分装置36)への遊技球の入賞にもとづき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、始動口2(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞にもとづき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA146)の詳細について図26を用いて説明する。図26は、第1の実施形態の特図保留情報判定処理のフローチャートを示す図である。
特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶にもとづく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定をおこなう先読み処理である。
特図保留情報判定処理では、まず、ステップA137にてセーブした始動口入賞フラグをチェックして、始動口1(始動口振分装置36)への入賞であるか否かを判定する(ステップA151)。
ステップA151にて、始動口1への入賞でないと判定した場合(ステップA151;N)には、ステップA154の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
一方、ステップA151にて、始動口1への入賞であると判定した場合(ステップA151;Y)には、特図時短中であるか否かを判定する(ステップA152)。
ステップA152にて、特図時短中であると判定した場合(ステップA152;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA152にて、特図時短中でないと判定した場合(ステップA152;N)には、大当り中または小当り中であるか否かを判定する(ステップA153)。
ステップA153にて、大当り中または小当り中であると判定した場合(ステップA153;Y)には、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、ステップA153にて、大当り中または小当り中でないと判定した場合(ステップA153;N)には、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA154)をおこなう。
その後、大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(ステップA155)。そして、判定結果が大当りである場合(ステップA155;Y)は、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA156)、ステップA140にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA157)、ステップA164の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップA155;N)は、始動口1(始動口振分装置36)への入賞であるか否かを判定する(ステップA158)。
ステップA158にて、始動口1への入賞でないと判定した場合(ステップA158;N)には、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA163)、ステップA164の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
一方、ステップA158にて、始動口1への入賞であると判定した場合(ステップA158;Y)には、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA159)をおこなう。
その後、小当り判定処理の判定結果が小当りであるか否かを判定する(ステップA160)。そして、判定結果が小当りでない場合(ステップA160;N)は、はずれの停止図柄情報を設定して(ステップA163)、ステップA164の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
一方、判定結果が小当りである場合(ステップA160;Y)には、小当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA161)、ステップA143にて準備した小当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップA162)、ステップA164の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
そして、対象の始動口スイッチおよび停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備し(ステップA164)、演出コマンド設定処理(ステップA165)をおこなう。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA166)をおこない、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA167)をおこなう。
その後、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号および後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップA168)、演出コマンド設定処理(ステップA169)をおこない、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップA166における特図情報設定処理、ステップA167における変動パターン設定処理は、特図普段処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶にもとづく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み図柄コマンドと、当該始動記憶にもとづく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶にもとづく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させる等して、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(RAM111C)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶にもとづく変動表示ゲームの実行前に判定する(たとえば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶にもとづく変動表示ゲームがおこなわれる前であればいつでもよい。
〔大入賞口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口スイッチ監視処理(ステップA2)の詳細について図27を用いて説明する。図27は、第1の実施形態の大入賞口スイッチ監視処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口スイッチ監視処理では、まず、大入賞口(特別変動入賞装置38)開放中処理中であるか、すなわち特別遊技状態であるか否かを判定する(ステップA201)。大入賞口開放中処理中である場合(ステップA201;Y)には、ステップA205の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。大入賞口開放中処理中でない場合(ステップA201;N)には、大入賞口残存球処理中であるか否かを判定する(ステップA202)。
大入賞口残存球処理中である場合(ステップA202;Y)には、ステップA205の処理に移行する。大入賞口残存球処理中でない場合(ステップA202;N)には、小当り中(小当り遊技状態中)処理中であるか否かを判定する(ステップA203)。
小当り中処理中である場合(ステップA203;Y)には、ステップA205の処理に移行する。小当り中処理中でない場合(ステップA203;N)には、小当り残存球処理中であるか否かを判定する(ステップA204)。
小当り残存球処理中でない場合(ステップA204;N)には、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。小当り残存球処理中である場合(ステップA204;Y)には、ステップA205の処理に移行する。
なお、特図ゲーム処理番号は、特図ゲーム処理タイマが「0」になるまで、特図ゲーム処理番号の値は移行しないため、特図ゲーム処理番号の値をチェックすることで遊技の進行状態をチェックできる。したがって、大入賞口開放中処理中、大入賞口残存球処理中、小当り中処理中、および小当り残存球処理中であるか否かの判定は、特図ゲーム処理番号の値をチェックしておこなう。
そして、今回の大入賞口スイッチ監視処理において加算される大入賞口への入賞数をカウントするための入賞カウンタに「0」をセットし(ステップA205)、大入賞口スイッチ1に入力があるかを判定する(ステップA206)。
大入賞口スイッチ1に入力がない場合(ステップA206;N)には、ステップA210の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。大入賞口スイッチ1に入力がある場合(ステップA206;Y)には、大入賞口カウントコマンドを準備して(ステップA207)、演出コマンド設定処理(ステップA208)をおこない、入賞カウンタの値を「+1」更新する(ステップA209)。
そして、大入賞口スイッチ2に入力があるか否かを判定し(ステップA210)、大入賞口スイッチ2に入力がない場合(ステップA210;N)には、ステップA214の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。大入賞口スイッチ2に入力がある場合(ステップA210;Y)には、大入賞口カウントコマンドを準備して(ステップA211)、演出コマンド設定処理(ステップA212)をおこない、入賞カウンタの値を「+1」更新する(ステップA213)。
そして、入賞カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(ステップA214)、入賞カウンタの値が「0」である場合(ステップA214;Y)には、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。入賞カウンタの値が「0」でない場合(ステップA214;N)には、大入賞口残存球処理中であるか否かを判定し(ステップA215)、大入賞口残存球処理中である場合(ステップA215;Y)には、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
大入賞口残存球処理中でない場合(ステップA215;N)には、小当り残存球処理中であるか否かを判定し(ステップA216)、小当り残存球処理中である場合(ステップA216;Y)には、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。
小当り残存球処理中でない場合(ステップA216;N)には、入賞カウンタの値(「1」または「2」)を大入賞口カウント数に加算し(ステップA217)、大入賞口カウント数が上限値(一のラウンドで入賞可能な遊技球数(9個))以上であるか否かを判定する(ステップA218)。
大入賞口カウント数が上限値以上でない場合(ステップA218;N)には、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。大入賞口カウント数が上限値以上である場合(ステップA218;Y)には、大入賞口カウント数を上限値に留め(ステップA219)、特図ゲーム処理タイマ領域の情報をゼロクリアし(ステップA220)、小当り中処理中であるか否かを判定する(ステップA221)。
小当り中処理中でない場合(ステップA221;N)には、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。小当り中処理中である場合(ステップA221;Y)には、大入賞口制御ポインタ領域に小当り開放動作終了の値をセーブして(ステップA222)、大入賞口スイッチ監視処理を終了する。これにより大入賞口が閉鎖されて一のラウンドが終了することとなる。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA8)の詳細について図28を用いて説明する。図28は、第1の実施形態の特図普段処理のフローチャートを示す図である。
特図普段処理では、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が「0」であるか否かを判定する(ステップA301)。特図2保留数が「0」である(ステップA301;Y)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が「0」であるか否かを判定する(ステップA306)。そして、特図1保留数が「0」である(ステップA306;Y)と判定すると、客待ちデモが開始済みであるか否かを判定し(ステップA311)、客待ちデモが開始済みでない場合(ステップA311;N)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(ステップA312)。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA313)、演出コマンド設定処理(ステップA314)をおこない、特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)をおこなって、特図普段処理を終了する。一方、ステップA311にて、客待ちデモが開始済みである場合(ステップA311;Y)は、特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)をおこなって、特図普段処理を終了する。
また、ステップA301にて、特図2保留数が「0」でない場合(ステップA301;N)は、特図2変動開始処理(ステップA302)をおこない、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップA303)、演出コマンド設定処理(ステップA304)をおこなう。そして、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA305)をおこなって、特図普段処理を終了する。
また、ステップA306にて、特図1保留数が「0」でない場合(ステップA306;N)は、特図1変動開始処理(ステップA307)をおこない、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップA308)、演出コマンド設定処理(ステップA309)をおこなう。そして、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA310)をおこなって、特図普段処理を終了する。
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先におこなうことで、特図2保留数が「0」でない場合には特図2変動開始処理(ステップA302)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶にもとづく変動表示ゲームを、第1始動記憶にもとづく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。
〔特図普段処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図普段処理における特図普段処理移行設定処理1(ステップA315)の詳細について図29を用いて説明する。図29は、第1の実施形態の特図普段処理移行設定処理1のフローチャートを示す図である。
特図普段処理移行設定処理1では、まず、特図普段処理に係る処理番号である「0」を処理番号として設定し(ステップA321)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA322)。
そして、変動図柄判別フラグ領域の情報をクリアし(ステップA323)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA324)、特図普段処理移行設定処理1を終了する。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA307)の詳細について図30を用いて説明する。図30は、第1の実施形態の特図1変動開始処理のフローチャートを示す図である。
特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時におこなう処理である。特図1変動開始処理では、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップA331)、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA332)をおこなう。
次に、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA333)をおこなった後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA334)をおこない、第1特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA335)。その後、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA336)をおこない、第1特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA337)をおこなって、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA302)の詳細について図31を用いて説明する。図31は、第1の実施形態の特図2変動開始処理のフローチャートを示す図である。
特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時におこなう処理であって、図30に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象としておこなうものである。
特図2変動開始処理では、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップA341)、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA342)をおこなう。
次に、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA343)をおこなった後、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA344)をおこない、第2特図変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(ステップA345)。その後、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA346)をおこない、第2特図変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA347)をおこなって、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップA332)の詳細について図32を用いて説明する。図32は、第1の実施形態の大当りフラグ1設定処理のフローチャートを示す図である。
大当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ領域にはずれ情報をセーブして(ステップA351)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(ステップA352)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA353)、当該特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)の情報を「0」クリアする(ステップA354)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA355)をおこない、大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(ステップSA356)。
そして、大当り判定処理(ステップA355)の判定結果が大当りである場合(ステップA356;Y)は、ステップA352にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップA357)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップA355)の判定結果が大当りでない場合(ステップA356;N)は、準備した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理(ステップA358)をおこない、小当り判定処理の判定結果が小当りであるか否かを判定する(ステップSA359)。
そして、小当り判定処理(ステップA358)の判定結果が小当りである場合(ステップA359;Y)は、ステップA351にてはずれ情報をセーブした小当りフラグ領域に小当り情報を上書きしてセーブし(ステップA360)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、小当り判定処理(ステップA358)の判定結果が小当りでない場合(ステップA359;N)は、大当りフラグ1領域にも小当りフラグ領域にもはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ1設定処理を終了する。このように、第1の実施形態において、第1特図変動表示ゲームの結果は、「大当り」、「小当り」、および「はずれ」のうちのいずれかとなる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、上述の特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(ステップA342)の詳細について図33を用いて説明する。図33は、第1の実施形態の大当りフラグ2設定処理のフローチャートを示す図である。
大当りフラグ2設定処理では、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(ステップA371)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA372)、当該特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)の情報を「0」クリアする(ステップA373)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA374)をおこない、大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(ステップSA375)。
そして、大当り判定処理(ステップA374)の判定結果が大当りである場合(ステップA375;Y)は、ステップA371にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(ステップA376)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(ステップA374)の判定結果が大当りでない場合(ステップA375;N)は、大当りフラグ2にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。このように、第1の実施形態において、第2特図変動表示ゲームの結果は、「大当り」および「はずれ」のうちのいずれかとなる。
〔大当り判定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理、大当りフラグ1設定処理および大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA154、A355、A374)の詳細について図34を用いて説明する。図34は、第1の実施形態の大当り判定処理のフローチャートを示す図である。
大当り判定処理では、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(ステップA381)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満か否かを判定する(ステップA382)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA387)、大当り判定処理を終了する。具体的には、当該大当り判定処理が、大当りフラグ1設定処理における大当り判定処理(ステップA355)である場合には、大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、小当りまたははずれであるので、判定結果として「大当り以外(小当りまたははずれ)」を設定する(ステップA387)。一方、当該大当り判定処理が、大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA374)である場合には、大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA382;Y)は、はずれであるので、判定結果として「大当り以外(はずれ)」を設定する(ステップA387)。
また、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップA382;N)は、高確率中(特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態)であるか否かを判定する(ステップA383)。
そして、高確率中である場合(ステップA383;Y)は、高確率中の上限判定値を設定し(ステップA384)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(ステップA386)。また、高確率状態でない場合(ステップA383;N)は、低確率中の上限判定値を設定し(ステップA385)、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(ステップA386)。
大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA387)、大当り判定処理を終了する。具体的には、当該大当り判定処理が、大当りフラグ1設定処理における大当り判定処理(ステップA355)である場合には、大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、小当りまたははずれであるので、判定結果として「大当り以外(小当りまたははずれ)」を設定する(ステップA387)。一方、当該大当り判定処理が、大当りフラグ2設定処理における大当り判定処理(ステップA374)である場合には、大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(ステップA386;Y)は、はずれであるので、判定結果として「大当り以外(はずれ)」を設定する(ステップA387)。
また、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(ステップA386;N)、すなわち大当りである場合は、判定結果として大当りを設定し(ステップA388)、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理および大当りフラグ1設定処理における小当り判定処理(ステップA159、A358)の詳細について図35を用いて説明する。図35は、第1の実施形態の小当り判定処理のフローチャートを示す図である。
図35に示すように、小当り判定処理では、まず、小当り下限判定値を設定し、対象の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満か否かを判定する(ステップA391)。なお、大当り判定と同一の乱数(大当り乱数)を用いて小当り判定をおこなう。すなわち、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である小当り下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である小当り上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。無論、大当り判定値の範囲と小当り判定値の範囲は被らないよう設定されている。
大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(ステップA391;Y)、すなわちはずれである場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA393)、小当り判定処理を終了する。
また、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合(ステップA391;N)は、小当り上限判定値を設定し、対象の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいか否かを判定する(ステップA392)。
大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(ステップA392;Y)、すなわちはずれである場合は、判定結果としてはずれを設定し(ステップA393)、小当り判定処理を終了する。
また、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(ステップA392;N)、すなわち小当りである場合は、判定結果として小当りを設定し(ステップA394)、小当り判定処理を終了する。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA333)の詳細について図36を用いて説明する。図36は、第1の実施形態の特図1停止図柄設定処理のフローチャートを示す図である。
特図1停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ1が大当りか否かを判定し(ステップA401)、大当りである場合(ステップA401;Y)は、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップA402)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定して(ステップA403)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA404)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定して(ステップA405)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA406)。停止図柄パターンとは、特図1図柄表示部53での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブして(ステップA407)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブして(ステップA408)、停止図柄パターンおよび確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA409)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様、および特別遊技状態の終了後の演出モードを設定するためのものである。第1の実施形態の場合、当りを契機に演出モードが移行し、当り図柄の種類(大当り図柄の種類、または小当り)に応じて当り終了後に移行する演出モードの移行先が変化する。また、特図1における大当りのうち特定の大当り図柄(たとえば、4R確変図柄)となる場合は、遊技状態が確変中であるか否かに応じて、移行先の演出モードが確変確定となる専用の演出モードとなるのか、確変であるか否か区別が困難な演出モードに移行するかが決定される。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。
一方、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA401;N)は、小当りフラグが小当りか否かを判定し(ステップA410)、小当りである場合(ステップA410;Y)は、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードする(ステップA411)。次に、特図1小当り図柄テーブルを設定し(ステップA412)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図1停止図柄番号領域にセーブする(ステップA413)。
その後、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA414)、停止図柄パターンに対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA415)。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。
また、小当りフラグが小当りでない場合(ステップA410;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(ステップA416)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA417)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA418)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA419)、演出コマンド設定処理(ステップA420)をおこなう。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA421)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)の情報を「0」クリアし(ステップA422)、特図1小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)の情報を「0」クリアして(ステップA423)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、上述の特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップA343)の詳細について図37を用いて説明する。図37は、第1の実施形態の特図2停止図柄設定処理のフローチャートを示す図である。
特図2停止図柄設定処理では、まず、大当りフラグ2が大当りであるか否かを判定し(ステップA431)、大当りである場合(ステップA431;Y)は、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(ステップA432)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定して(ステップA433)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得し、特図2停止図柄番号領域にセーブする(ステップA434)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定して(ステップA435)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得し、停止図柄パターン領域にセーブする(ステップA436)。停止図柄パターンとは、特図2図柄表示部54での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、ラウンド数上限値情報領域にセーブして(ステップA437)、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブして(ステップA438)、停止図柄パターンおよび確率状態に対応する演出モード移行情報をセーブする(ステップA439)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様、および特別遊技状態の終了後の演出モードを設定するためのものである。また、第1の実施形態の場合、特図2における大当りにおいては、いずれの大当り図柄であっても移行先の演出モードが確変確定となる専用の演出モードとなる。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA442)。
一方、大当りフラグ2が大当りでない場合(ステップA431;N)は、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(ステップA440)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブして(ステップA441)、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを準備する(ステップA442)。以上の処理により、特図変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域にセーブし(ステップA443)、演出コマンド設定処理(ステップA444)をおこなう。この飾り特図コマンドは、後に演出制御装置300に送信される。そして、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA445)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)の情報を「0」クリアして(ステップA446)、特図2停止図柄設定処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置100が、始動口1(始動口振分装置36)での遊技球の検出にもとづいて変動表示ゲームとして第1変動表示ゲームを実行し、始動口2(普通変動入賞装置37)での遊技球の検出にもとづいて変動表示ゲームとして第2変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、判定手段(遊技制御装置100)による判定結果にもとづき変動表示ゲームの実行を制御する変動表示ゲーム実行制御手段をなす。
〔特図情報設定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理、特図1変動開始処理および特図2変動開始処理における特図情報設定処理(ステップA166、A334、A344)の詳細について図38を用いて説明する。図38は、第1の実施形態の特図情報設定処理のフローチャートを示す図である。
第1の実施形態の場合、確率状態(低/高確率、時短あり/なし)は変動の振り分けに影響せず、遊技制御装置100が管理している演出モードが変動の振り分けに影響する。演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況等に応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。
特図情報設定処理では、まず、前半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(ステップA451)、演出モード情報に対応する前半変動グループ選択ポインタを取得する(ステップA452)。
次いで、前半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(ステップA453)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(ステップA454)。
次いで、前半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(ステップA455)、加算して得た値を変動振分情報1領域にセーブする(ステップA456)。これにより変動振分情報1領域には、停止図柄の種類、保留数、および演出モードにもとづいて生成された変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リーチ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、機種の仕様次第であるが、保留数が多い時に変動時間を短くするのははずれの場合のみであるため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は前半変動の振り分けに影響しない。なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さらにこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
次いで、後半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(ステップA457)、演出モード情報に対応する後半変動グループ選択ポインタを取得する(ステップA458)。
次いで、後半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(ステップA459)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(ステップA460)。
次いで、後半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(ステップA461)、加算して得た値を変動振分情報2領域にセーブして(ステップA462)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄の種類、保留数、および演出モードにもとづいて生成された変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む。))を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、はずれの場合のみ保留数に応じてリーチの発生率が変化する(保留数が多い時にリーチの発生率が低くなる)ため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は後半変動の振り分けに影響しない。
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理、特図1変動開始処理、および特図2変動開始における変動パターン設定処理(ステップA167、A336、A346)の詳細について図39を用いて説明する。図39は、第1の実施形態の変動パターン設定処理のフローチャートを示す図である。
なお、変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
変動パターン設定処理では、まず、変動グループアドレステーブルを設定し(ステップA471)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA472)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードし、準備する(ステップA473)。第1の実施形態において、後半変動グループテーブルの構造は、当り用とはずれ用とで構造が異なる。具体的には、当り用は1バイトサイズ、はずれ用は2バイトサイズとなっている。はずれの発生率よりも当りの発生率が低く、1バイトでも足りるため、データ容量の節約の観点から、当り用は1バイトサイズになっている。したがって、当り時は、2バイトの変動パターン乱数1の下位の値だけを使用している。また、当りの発生率よりもはずれの発生率は高く、より多様な演出を出現させたいため、はずれ用は2バイトサイズになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるか否かを判定し(ステップA474)、はずれである場合(ステップA474;Y)には、2バイト振り分け処理(ステップA475)をおこなって、ステップA477の処理に移行し、それ以降の処理をおこなう。また、はずれでない場合(ステップA474;N)には、振り分け処理(ステップA476)をおこなって、ステップA477の処理に移行し、それ以降の処理をおこなう。
そして、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA477)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードし、準備する(ステップA478)。そして、振り分け処理(ステップA479)をおこない、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(ステップA480)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、前半変動グループテーブルを設定し(ステップA481)、変動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(ステップA482)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブルのアドレスを取得し、準備して(ステップA483)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードし、準備する(ステップA484)。その後、振り分け処理(ステップA485)をおこない、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得し、前半変動番号領域にセーブして(ステップA486)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理および特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA337、A347)の詳細について図40を用いて説明する。図40は、第1の実施形態の変動開始情報設定処理のフローチャートを示す図である。
変動開始情報設定処理では、まず、対象の変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3の乱数格納領域の情報をクリアする(ステップA491)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA492)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA493)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA494)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA495)。
そして、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップA496)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA497)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(ステップA498)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を準備して(ステップA499)、演出コマンド設定処理をおこなう(ステップA500)。次に、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を「−1」更新して(ステップA501)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(ステップA502)。次いで、乱数格納領域をシフトし(ステップA503)、シフト後の空き領域の情報をクリアして(ステップA504)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(RAM111C)に記憶された各種の乱数値の判定をおこなう判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報にもとづいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信にもとづき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンド、停止時間の延長に関する情報を含む停止情報コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理移行設定処理(特図1)〕
次に、上述の特図普段処理における特図変動中処理移行設定処理(特図1)(ステップA310)の詳細について図41を用いて説明する。図41は、第1の実施形態の特図変動中処理移行設定処理(特図1)のフローチャートを示す図である。
特図変動中処理移行設定処理(特図1)では、まず、特図変動中処理に係る処理番号である「1」を処理番号として設定し(ステップA511)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA512)。
そして、客待ちデモフラグ領域の情報をクリアし(ステップA513)、特図1の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA514)。なお、特図1の変動開始に関する信号は、特別図柄1変動中信号をオンにする信号である。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA515)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1図柄表示部53の点滅の周期のタイマ)の初期値(たとえば100ms)をセーブ(設定)して(ステップA516)、特図変動中処理移行設定処理(特図1)を終了する。
〔特図変動中処理移行設定処理(特図2)〕
次に、上述の特図普段処理における特図変動中処理移行設定処理(特図2)(ステップA305)の詳細について図42を用いて説明する。図42は、第1の実施形態の特図変動中処理移行設定処理(特図2)のフローチャートを示す図である。
特図変動中処理移行設定処理(特図2)では、まず、特図変動中処理に係る処理番号である「1」を処理番号として設定し(ステップA521)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA522)。
そして、客待ちデモフラグ領域の情報をクリアし(ステップA523)、特図2の変動開始に関する信号(特別図柄2変動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA524)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(ステップA525)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2図柄表示部54の点滅の周期のタイマ)の初期値をセーブ(設定)して(ステップA526)、特図変動中処理移行設定処理(特図2)を終了する。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA9)の詳細について図43を用いて説明する。図43は、第1の実施形態の特図変動中処理のフローチャートを示す図である。
特図変動中処理では、まず、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定して(ステップA601)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA602)。第1の実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として600msを設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合には表示時間として600msを設定し、停止図柄パターンが小当り図柄パターンである場合には表示時間として600msを設定する。なお、第1の実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターン、大当り図柄パターン、および小当り図柄パターンで同じ表示時間を設定するが、それぞれ異なる表示時間を設定するものであってもよい。
次いで、特図表示中処理移行設定処理(ステップA603)をおこなって、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。
〔特図表示中処理移行設定処理〕
次に、上述の特図変動中処理における特図表示中処理移行設定処理(ステップA603)の詳細について図44を用いて説明する。図44は、第1の実施形態の特図表示中処理移行設定処理のフローチャートを示す図である。
特図表示中処理移行設定処理では、まず、特図表示中処理に係る処理番号である「2」を処理番号として設定し(ステップA611)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA612)。
次に、特図1変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA613)、特図2変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA614)。なお、特図1変動終了に関する信号は、特別図柄1変動中信号をオフにする信号である。また、特図2変動終了に関する信号は、特別図柄2変動中信号をオフにする信号である。
そして、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(たとえば256ms)をセーブする(ステップA615)。その後、特図1図柄表示部53における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1図柄表示部53での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし(ステップA616)、特図2図柄表示部54における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2図柄表示部54での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブして(ステップA617)、特図表示中処理移行設定処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA10)の詳細について図45、46を用いて説明する。図45は、第1の実施形態の特図表示中処理のフローチャートを示す図(その1)である。図46は、第1の実施形態の特図表示中処理のフローチャートを示す図(その2)である。
特図表示中処理では、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された小当りフラグをロードして(ステップA701)、RWMの小当りフラグ領域の情報をクリアする(ステップA702)。
次いで、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(ステップA703)、RWMの大当りフラグ1領域および大当りフラグ2領域の情報をクリアする(ステップA704)。そして、ロードされた大当りフラグ2が大当りであるか否かを判定して(ステップA705)、大当りである(ステップA705;Y)と判定すると、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA708)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA709)。なお、特図2大当りの開始に関する信号は、条件装置作動中信号をオンにする信号と、役物連続作動装置作動中信号をオンにする信号と、特別図柄2当り信号をオンにする信号を含む。
一方、ステップA705にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA705;N)と判定すると、ロードされた大当りフラグ1が大当りであるか否かを判定して(ステップA706)、大当りである(ステップA706;Y)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし、(ステップA707)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA709)。なお、特図1大当りの開始に関する信号は、条件装置作動中信号をオンにする信号と、役物連続作動装置作動中信号をオンにする信号と、特別図柄1当り信号をオンにする信号を含む。
次に、ラウンド数上限値テーブルを設定した(ステップA709)後、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(第1の実施形態の場合、「16」または「4」)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA710)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA711)。
次に、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA712)、演出コマンド設定処理(ステップA713)をおこなう。その後、普図変動表示ゲームおよび特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA714)、演出コマンド設定処理(ステップA715)をおこなう。続けて、特図1または特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報(停止図柄番号または停止図柄パターン)に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA716)、演出コマンド設定処理(ステップA717)をおこなう。
次に、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲームおよび特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA718)。第1の実施形態の場合、ステップA718において、大入賞口開放情報と確率の状態に対応する信号として、大当り2信号と大当り3信号をセーブする。なお、それぞれのオン/オフは大入賞口開放情報と確率の状態とで決まる。たとえば、大当り2信号は、出玉のある大当り(大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1以外)である場合にはオン、出玉のない大当り(いわゆる、突確大当り等。大入賞口開放情報が大入賞口開放情報1)である場合には、時短状態中での大当り時であればオン、それ以外ではオフとなる。また、大当り3信号は、出玉のある大当りである場合にはオン、出玉のない大当りである場合にはオフとなる。
その後、大入賞口開放情報と、普図変動表示ゲームおよび特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する大当りファンファーレ時間(たとえば5000ms、4700ms、7700ms、または300ms)を設定して(ステップA719)、設定した大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA720)。そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA721)。これにより特別結果が発生した際における特図の確率状態、時短状態の情報が記憶される。そして、後に記憶した情報にもとづき特別遊技状態の終了後の演出モードが決定される。
そして、大入賞口開放情報に対応する大入賞口(特別変動入賞装置38)の大入賞口不正入賞数領域の情報をクリアし(ステップA722)、大入賞口開放情報に対応する大入賞口の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA723)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA724)をおこない、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA706にて、大当りフラグ1が大当りでない場合(ステップA706;N)は、ロードした小当りフラグが小当りであるか否かを判定する(ステップA725)。
ステップA725にて、小当りフラグが小当りであると判定した場合(ステップA725;Y)には、高確率変動回数更新処理(ステップA726)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA727)をおこなって、特図高確率中(特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態)であるか否かを判定する(ステップA728)。
ステップA728にて、特図高確率中でないと判定した場合(ステップA728;N)には、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし、準備して(ステップA729)、演出コマンド設定処理(ステップA730)をおこなう。次いで、小当りファンファーレコマンドを準備し(ステップA731)、演出コマンド設定処理(ステップA732)をおこなって、ステップA733の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
また、ステップA728にて、特図高確率中であると判定した場合(ステップA728;Y)には、ステップA733の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。このように、第1の実施形態の遊技機10においては、特図変動表示ゲームの確率状態が高確率状態である場合には、小当りの発生で大入賞口は開くが、小当りの発生を遊技者に意識させないようにするために、表示装置41に表示される画面を変化させないようになっている。
そして、特図ゲームモードフラグをロードし、ロードしたフラグを特図ゲームモードフラグ退避領域にセーブする(ステップA733)。その後、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(ステップA734)をおこない、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA725にて、小当りフラグが小当りでないと判定した場合(ステップA725;N)には、高確率変動回数更新処理(ステップA735)、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理(ステップA736)をおこない、演出モード番号に対応する切替準備残り回転数を設定して(ステップA737)、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致するか否かを判定する(ステップA738)。なお、切替準備残り回転数は、複数の演出モードのうちのすべての演出モードにおいて異なる値(回転数:たとえば、モードAが4回、モードBが3回、モードCが8回等)であってもよいし、複数の演出モードのうちのいずれかの演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちのすべての演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよい。
ステップA738にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致しないと判定した場合(ステップA738;N)には、特図普段処理移行設定処理1(ステップA741)をおこない、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA738にて、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致すると判定した場合(ステップA738;Y)には、演出モード切替準備コマンドを準備して(ステップA739)、演出コマンド設定処理(ステップA740)をおこなった後に、特図普段処理移行設定処理1(ステップA741)をおこない、特図表示中処理を終了する。演出モード切替準備コマンドは、演出モードが切り替わる数回転前から先読み演出をおこなわないようにするためのコマンドであり、演出モード切替準備コマンドを演出制御装置300に送信することによって、モードをまたいで演出に矛盾等が生じないようにすることができる。
〔高確率変動回数更新処理〕
次に、特図表示中処理における高確率変動回数更新処理(ステップA726、A735)の詳細について図47を用いて説明する。図47は、第1の実施形態の高確率変動回数更新処理のフローチャートを示す図である。
高確率変動回数更新処理では、まず、特図高確率中であるか否かを判定し(ステップA751)、特図高確率中でない場合(ステップA751;N)には、高確率変動回数更新処理を終了する。
特図高確率中である場合(ステップA751;Y)には、高確率状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理する高確率変動回数を「−1」更新し(ステップA752)、高確率変動回数が「0」であるか否かを判定する(ステップA753)。
高確率変動回数が「0」でない場合(ステップA753;N)には、高確率変動回数更新処理を終了する。高確率変動回数が「0」である場合(ステップA753;Y)には、高確率報知フラグ領域の情報をクリアし(ステップA754)、高確率終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA755)。なお、高確率終了に関する信号は、大当り2信号をオフにする信号である。
そして、高確率&時短(高確率&時短なし、または高確率&時短あり)の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA756)。なお、高確率&時短の終了に関する信号は、特別図柄1高確率状態信号をオフにする信号と、特別図柄2高確率状態信号をオフにする信号と、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオフにする信号と、特別図柄2変動時間短縮状態信号をオフにする信号と、普通図柄1高確率状態信号をオフにする信号を含む。また、特図高確率中でも、普図は確率状態しか変化しないので、普通図柄1変動時間短縮状態信号および普通電動役物1開放延長状態信号は常時オフされている。
そして、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(ステップA757)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブする(ステップA758)。
そして、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブし(ステップA759)、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA760)。なお、左打ち指示に関する信号は、発射位置指定信号1をオフにする信号である。そして、右打ち中の表示LEDを消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(ステップA761)、高確率変動回数更新処理を終了する。
〔演出モード情報チェック処理〕
次に、特図表示中処理における演出モード情報チェック処理(ステップA727、A736)の詳細について図48を用いて説明する。図48は、第1の実施形態の演出モード情報チェック処理のフローチャートを示す図である。
演出モード情報チェック処理では、まず、次モード移行情報が更新なしコードであるか否かを判定し(ステップA771)、次モード移行情報が更新なしコードである場合(ステップA771;Y)には、演出モード情報チェック処理を終了する。この場合は、実行した特図変動表示ゲームの回数に応じた演出モードの変更がおこなわれない場合であって、たとえば、高確率状態において次回の大当りまで継続する演出モードが選択されている場合等である。
次モード移行情報が更新なしコードでない場合(ステップA771;N)には、演出モードの変更までの特図変動表示ゲームの実行可能回数である演出残り回転数を「−1」更新し(ステップA772)、演出残り回転数が「0」であるか否かを判定する(ステップA773)。ステップA772の処理は、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの実行回数を計数する計数手段となる。
演出残り回転数が「0」でない場合(ステップA773;N)には、演出モード情報チェック処理を終了する。演出残り回転数が「0」である場合(ステップA773;Y)、すなわち、次の特図変動表示ゲームから演出モードを変更する場合には、演出モード情報アドレステーブルを設定し(ステップA774)、次モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA775)。
移行する演出モードの演出モード番号を取得して演出モード番号領域にセーブし(ステップA776)、移行する演出モードの演出残り回転数を取得して演出残り回転数領域にセーブする(ステップA777)。移行する演出モード(移行先の演出モード)は、ステップA776より前に既にセーブされている次モード移行情報からわかる。移行する演出モードの次の演出モードに関する次モード移行情報を取得して次モード移行情報領域にセーブする(ステップA778)。なお、ステップA776の処理は、計数手段(ステップA772)による計数結果に対応して複数の演出モード(遊技モード)のうちいずれかの演出モード(遊技モード)の実行制御をおこなう演出モード実行制御手段(遊技モード実行制御手段)となる。
ステップA776で取得した演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA779)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致するか否かを判定する(ステップA780)。準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合、すなわち、確率の状態が変化しない場合(ステップA780;Y)には、コマンドを演出制御装置300に送信することなく演出モード情報チェック処理を終了する。準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合(ステップA780;N)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブし(ステップA781)、演出コマンド設定処理(ステップA782)をおこなう。
そして、ステップA777で取得した演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備し(ステップA783)、演出コマンド設定処理(ステップA784)をおこなう。そして、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを準備し(ステップA785)、演出コマンド設定処理(ステップA786)をおこない、新たな演出モードが左打ちするモードであるか否かを判定する(ステップA787)。
新たな演出モードが左打ちするモードでない場合(ステップA787;N)には、演出モード情報チェック処理を終了する。新たな演出モードが左打ちをするモードである場合(ステップA787;Y)には、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップA788)、演出コマンド設定処理(ステップA789)をおこない、演出モード情報チェック処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図表示中処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1(ステップA724)の詳細について図49を用いて説明する。図49は、第1の実施形態のファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理のフローチャートを示す図である。
ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を処理番号として設定し(ステップA791)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA792)。
次に、大当り(特別遊技状態)の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA793)。大当りの開始に関する信号は、たとえば、大当り1信号をオン(大当り+小当りで出力)にする信号と、大当り4信号をオン(大当りで出力)にする信号を含む。
次に、高確率&時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA794)。高確率&時短の終了に関する信号は、たとえば、特別図柄1高確率状態信号をオフにする信号と、特別図柄2高確率状態信号をオフにする信号と、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオフにする信号と、特別図柄2変動時間短縮状態信号をオフにする信号と、普通図柄1高確率状態信号をオフにする信号を含む。
その後、特別遊技状態で実行したラウンド数を管理するラウンド数領域の情報をクリアし(ステップA795)、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブして(ステップA796)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブする(ステップA797)。
そして、変動図柄判別フラグ領域の情報をクリアし(ステップA798)、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LEDを消灯させるために高確率報知フラグ領域の情報をクリアして(ステップA799)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA800)。次に、停電復旧時に演出制御装置300に出力されるコマンドをセーブする停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブし(ステップA801)、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理する高確率変動回数領域の情報をクリアする(ステップA802)。これにより高確率状態および時短状態が終了し、通常確率状態かつ通常状態となる。
その後、演出モード番号領域に演出モード1の番号をセーブし(ステップA803)、遊技制御装置100が演出モードの管理をしているため、演出残り回転数領域の情報をクリアして(ステップA804)、次モード移行情報領域に更新なしコードをセーブする(ステップA805)。そして、右打ち指示に関する信号(発射位置指定信号1をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA806)、右打ち中の表示LEDを点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA807)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を終了する。これにより、特別遊技状態の発生に伴い演出モードの情報が一旦クリアされることとなる。
〔小当りファンファーレ中処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図表示中処理における小当りファンファーレ中処理移行設定処理1(ステップA734)の詳細について図50を用いて説明する。図50は、第1の実施形態の小当りファンファーレ中処理移行設定処理1のフローチャートを示す図である。
小当りファンファーレ中処理移行設定処理1では、まず、小当りファンファーレ中処理に係る処理番号である「7」を処理番号として設定し(ステップA811)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA812)。そして、小当りファンファーレ時間(たとえば、300ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA813)、小当りの開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA814)。小当りの開始に関する信号は、たとえば、大当り1信号をオン(大当り+小当りで出力)する信号である。
そして、小当りの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA815)。小当りの開始に関する信号は、たとえば、特別図柄1小当り信号をオンにする信号である。
そして、大入賞口不正入賞数領域の情報をクリアし(ステップA816)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA817)。そして、右打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA818)。右打ち指示に関する信号は、たとえば、発射位置指定信号1をオンにする信号である。
そして、右打ち中の表示LEDを点灯させるため、遊技状態表示番号2領域に右打ち状態中の番号をセーブして(ステップA819)、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップA11)の詳細について図51を用いて説明する。図51は、第1の実施形態のファンファーレ/インターバル中処理のフローチャートを示す図である。
ファンファーレ/インターバル中処理では、まず、特別遊技状態のラウンド数を「+1」更新し(ステップA901)、特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップA902)、演出コマンド設定処理(ステップA903)をおこなう。
その後、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA904)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得して(ステップA905)、特別遊技状態のラウンド数が、取得した開放切替判定値よりも大きいか否かを判定する(ステップA906)。
ラウンド数が開放切替判定値よりも大きい場合(ステップA906;Y)は、短開放用の大入賞口の開放時間(第1の実施形態の場合、0.2s)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA907)、大入賞口を開放させるために大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA909)をおこなって、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
また、ラウンド数が開放切替判定値よりも大きくない場合(ステップA906;N)は、長開放用の大入賞口の開放時間(第1の実施形態の場合、29s)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブして(ステップA908)、大入賞口を開放させるために大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA909)をおこなって、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
ここで、第1の実施形態においては、大当りパターンとして、(1)4R、大入賞口開放情報1(すべて短開放)、(2)16R、大入賞口開放情報2(すべて長開放)、(3)16R、大入賞口開放情報3(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)、(4)4R、大入賞口開放情報4(すべて長開放)、(5)16R、大入賞口開放情報5(すべて長開放)、(6)16R、大入賞口開放情報6(1〜8Rは長開放、9〜16Rは短開放)、(7)16R、大入賞口開放情報7(1〜4Rは長開放、5〜16Rは短開放)が設定されている。
したがって、大入賞口動作判定テーブルには、大入賞口開放情報1データと開放切替判定値「0」とが、大入賞口開放情報2データと開放切替判定値「16」とが、大入賞口開放情報3データと開放切替判定値「4」とが、大入賞口開放情報4データと開放切替判定値「4」とが、大入賞口開放情報5データと開放切替判定値「16」とが、大入賞口開放情報6データと開放切替判定値「8」とが、大入賞口開放情報7データと開放切替判定値「4」とが対応付けて記憶されている。そして、ラウンド数が開放切替判定値以下である間は長開放、ラウンド数が開放切替判定値を上回ると短開放となる開放動作をおこなうようになっている。
〔大入賞口開放中処理移行設定処理〕
次に、上述のファンファーレ/インターバル中処理における大入賞口開放中処理移行設定処理(ステップA909)の詳細について図52を用いて説明する。図52は、第1の実施形態の大入賞口開放中処理移行設定処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開放中処理移行設定処理では、まず、大入賞口開放中処理に係る処理番号である「4」を処理番号として設定し(ステップA911)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA912)。その後、大入賞口(特別変動入賞装置38)開放開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA913)。大入賞口開放開始に関する信号は、たとえば、特別電動役物1作動中信号をオンにする信号である。
次に、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアする(ステップA914)。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に大入賞口(特別変動入賞装置38)のオンデータをセーブして(ステップA915)、大入賞口開放中処理移行設定処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(ステップA12)の詳細について図53を用いて説明する。図53は、第1の実施形態の大入賞口開放中処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口開放中処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるか否かを判定する(ステップA1001)。
最終ラウンドである場合(ステップA1001;Y)には、最終用の残存球処理時間(たとえば、1.9s)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1008)、エンディングコマンドを準備し(ステップA1009)、ステップA1010の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
最終ラウンドでない場合(ステップA1001;N)には、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA1002)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得し(ステップA1003)、ラウンド数が開放切替判定値を超えているか否かを判定する(A1004)。
ラウンド数が開放切替判定値を超えている場合(ステップA1004;Y)には、短閉鎖用の残存球処理時間(たとえば、1.4s)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1005)、インターバルコマンドを準備し(ステップA1007)、ステップA1010の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
ラウンド数が開放切替判定値を超えていない場合(ステップA1004;N)には、長閉鎖用の残存球処理時間(たとえば、1.9s)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1006)、インターバルコマンドを準備し(ステップA1007)、ステップA1010の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
その後、演出コマンド設定処理(ステップA1010)をおこない、大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)をおこない、大入賞口開放中処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理移行設定処理〕
次に、上述の大入賞口開放中処理における大入賞口残存球処理移行設定処理(ステップA1011)の詳細について図54を用いて説明する。図54は、第1の実施形態の大入賞口残存球処理移行設定処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口残存球処理移行設定処理では、まず、大入賞口残存球処理に係る処理番号である「5」を処理番号として設定し(ステップA1021)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1022)。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に大入賞口(特別変動入賞装置38)のオフデータをセーブして(ステップA1023)、大入賞口残存球処理移行設定処理を終了する。
〔大入賞口残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大入賞口残存球処理(ステップA13)の詳細について図55を用いて説明する。図55は、第1の実施形態の大入賞口残存球処理のフローチャートを示す図である。
大入賞口残存球処理では、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるか否かを判定する(ステップA1101)。
最終ラウンドである場合(ステップA1101;Y)には、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1111)、ロードしたフラグ、大入賞口開放情報、停止図柄パターンに対応するエンディング時間(たとえば、1.9s)を設定する(ステップA1112)。そして、エンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1113)、大当り終了処理移行設定処理(ステップA1114)をおこない、大入賞口残存球処理を終了する。
最終ラウンドでない場合(ステップA1101;N)には、大入賞口動作判定テーブルを設定し(ステップA1102)、大入賞口開放情報に対応する開放切替判定値を取得する(ステップA1103)。そして、通常のインターバル時間(たとえば、0.1s)を設定し(ステップA1104)、ラウンド数が開放切替判定値より大きいか否かを判定し(ステップA1105)、ラウンド数が開放切替判定値より大きい場合(ステップA1105;Y)には、ステップA1109の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
ラウンド数が開放切替値より大きくない場合(ステップA1105;N)には、大入賞口開放情報がランクダウン演出系の値であるか否かを判定し(ステップA1106)、大入賞口開放情報がランクダウン演出系の値でない場合(ステップA1106;N)には、ステップA1109の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
大入賞口開放情報がランクダウン演出系の値である場合(ステップA1106;Y)には、ラウンド数が特殊演出ラウンドの値(たとえば、2R、4R、8R)であるか否かを判定し(ステップA1107)、ラウンド数が特殊演出ラウンドの値でない場合(ステップA1107;N)には、ステップA1109の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
ラウンド数が特殊演出ラウンドの値である場合(ステップA1107;Y)には、ランクダウン演出用のインターバル時間(たとえば、3.6s)を設定し(ステップA1108)、ステップA1109の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
そして、インターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1109)、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2(ステップA1110)をおこない、大入賞口残存球処理を終了する。
〔ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2〕
次に、上述の大入賞口残存球処理におけるファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2(ステップA1110)の詳細について図56を用いて説明する。図56は、第1の実施形態のファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2のフローチャートを示す図である。
ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2では、まず、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号である「3」を処理番号として設定し(ステップA1121)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1122)。そして、大入賞口(特別変動入賞装置38)開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1123)。なお、大入賞口開放終了に関する信号は、たとえば、特別電動役物1作動中信号をオフにする信号である。
そして、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理2を終了する。
〔大当り終了処理移行設定処理〕
次に、上述の大入賞口残存球処理における大当り終了処理移行設定処理(ステップA1114)の詳細について図57を用いて説明する。図57は、第1の実施形態の大当り終了処理移行設定処理のフローチャートを示す図である。
大当り終了処理移行設定処理では、まず、大当り終了処理に係る処理番号である「6」を処理番号として設定し(ステップA1131)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1132)。
そして、大入賞口(特別変動入賞装置38)開放終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1133)。なお、大入賞口開放終了に関する信号は、たとえば、特別電動役物1作動中信号をオフにする信号である。
次に、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1134)、特別遊技状態のラウンド数を記憶するラウンド数領域の情報をクリアする(ステップA1135)。そして、特別遊技状態のラウンド数の上限値を記憶するラウンド数上限値領域の情報をクリアし(ステップA1136)、ラウンド数の上限値判定用のフラグを記憶するラウンド数上限値情報領域の情報をクリアする(ステップA1137)。そして、大入賞口の開放情報判定用のフラグを記憶する大入賞口開放情報領域の情報をクリアし(ステップA1138)、大当り終了移行設定処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA14)の詳細について図58を用いて説明する。図58は、第1の実施形態の大当り終了処理のフローチャートを示す図である。
この大当り終了処理では、まず、時間短縮判定データが、時短作動データであるか否かを判定する(ステップA1201)。時短作動データでない場合(ステップA1201;N)は、大当り終了設定処理1(ステップA1202)をおこない、時短作動データである場合(ステップA1201;Y)は、大当り終了設定処理2(ステップA1203)をおこなう。
そして、演出モード情報アドレステーブルを設定して(ステップA1204)、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA1205)。
次に、遊技制御装置100での演出モードの管理に必要な情報をセーブする処理として、まず、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出モード番号を取得し、演出モード番号領域にセーブする(ステップA1206)。さらに、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出残り回転数を取得し、演出残り回転数領域にセーブして(ステップA1207)、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの次モード移行情報を取得し、次モード移行情報領域にセーブする(ステップA1208)。
その後、演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1209)、コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(ステップA1210)、演出コマンド設定処理(ステップA1211)をおこなう。
なお、確率情報コマンドとして、「高確率・時短あり」、「高確率・時短なし」のいずれかに、さらに演出モードの情報が含まれた複数のコマンドがある。第1の実施形態の場合、大当りが終了すると必ず確変状態(いわゆる、ST状態)になるので、確率情報コマンドとして、「高確率・時短あり・演出モードA」、「高確率・時短あり・演出モードB」、「高確率・時短あり・演出モードC」、「高確率・時短なし・演出モードA」があり、この処理では使われないが、他に「低確率・時短なし・演出モードA」、「低確率・時短なし・演出モードB」、「低確率・時短なし・演出モードC」がある。
次いで、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備して(ステップA1212)、演出コマンド設定処理(ステップA1213)をおこなう。
次いで、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを準備し(ステップA1214)、演出コマンド設定処理(ステップA1215)をおこなって、大当り終了後に時短状態が発生するか否かを判定する(ステップA1216)。
大当り終了後に時短状態が発生する場合(ステップA1216;Y)は、特図普段処理移行設定処理2(ステップA1219)をおこない、大当り終了処理を終了する。
また、大当り終了後に時短状態が発生しない場合(ステップA1216;N)は、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップA1217)、演出コマンド設定処理(ステップA1218)をおこなった後に、特図普段処理移行設定処理2(ステップA1219)をおこない、大当り終了処理を終了する。
〔大当り終了設定処理1〕
次に、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理1(ステップA1202)の詳細について図59を用いて説明する。図59は、第1の実施形態の大当り終了設定処理1のフローチャートを示す図である。
大当り終了設定処理1では、まず、時短状態なしに関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA1221)。時短状態なしに関する信号は、たとえば、大当り2信号をオフにする信号である。
次に、高確率状態と時短状態なしの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1222)。なお、高確率状態と時短状態なしの開始に関する信号は、たとえば、特別図柄1高確率状態信号をオンにする信号と、特別図柄2高確率状態信号をオンにする信号と、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオフにする信号と、特別図柄2変動時間短縮状態信号をオフにする信号と、普通図柄1高確率状態信号をオフにする信号を含む。
次に、遊技状態表示番号領域に時短状態なしの番号をセーブし(ステップA1223)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率フラグをセーブして(ステップA1224)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短なしフラグをセーブする(ステップA1225)。その後、高確率変動回数領域に初期値(たとえば100回)をセーブし(ステップA1226)、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1227)。なお、左打ち指示に関する信号は、たとえば、発射位置指定信号1をオフにする信号である。
次に、右打ち中の表示LEDを消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブして(ステップA1228)、大当り終了設定処理1を終了する。
〔大当り終了設定処理2〕
次に、上述の大当り終了処理における大当り終了設定処理2(ステップA1203)の詳細について図60を用いて説明する。図60は、第1の実施形態の大当り終了設定処理2のフローチャートを示す図である。
大当り終了設定処理2では、まず、時短状態の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA1231)。時短状態の開始に関する信号は、たとえば、大当り2信号をオンにする信号である。時短状態の開始に関する信号は、大当り中から出力されているので継続する形で、外部情報出力データ領域にセーブされる。
次いで、高確率状態と時短状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1232)。高確率状態と時短状態の開始に関する信号は、たとえば、特別図柄1高確率状態信号をオンにする信号と、特別図柄2高確率状態信号をオンにする信号と、特別図柄1変動時間短縮状態信号をオンにする信号と、特別図柄2変動時間短縮状態信号をオンにする信号と、普通図柄1高確率状態信号をオンにする信号を含む。
次に、遊技状態表示番号領域に時短状態ありの番号をセーブし(ステップA1233)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率フラグをセーブして(ステップA1234)、特図ゲームモードフラグ領域に特図高確率&時短ありフラグをセーブする(ステップA1235)。その後、高確率変動回数領域に初期値(たとえば、100回)をセーブして(ステップA1236)、大当り終了設定処理2を終了する。なお、第1の実施形態の場合、時短状態中は右打ちモードであるが、大当り中から右打ちモードが設定されているので、大当り終了設定処理2では右打ちに関する設定をおこなわない。
〔特図普段処理移行設定処理2〕
次に、上述の大当り終了処理における特図普段処理移行設定処理2(ステップA1219)の詳細について図61を用いて説明する。図61は、第1の実施形態の特図普段処理移行設定処理2のフローチャートを示す図である。
特図普段処理移行設定処理2では、まず、特図普段処理に係る処理番号である「0」を処理番号として設定し(ステップA1241)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1242)。
その後、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA1243)。大当りの終了に関する信号は、たとえば、大当り1信号をオフにする信号と、大当り3信号をオフにする信号と、大当り4信号をオフにする信号を含む。
次に、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1244)。大当りの終了に関する信号は、条件装置作動中信号をオフにする信号と、役物連続作動装置作動中信号をオフにする信号と、特別図柄1当り信号をオフにする信号と、特別図柄2当り信号をオフにする信号を含む。
続いて、時間短縮判定フラグ領域の情報をクリアし(ステップA1245)、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDのポインタ領域の情報をクリアして(ステップA1246)、演出モード移行情報領域の情報をクリアする(ステップA1247)。そして、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアし(ステップA1248)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップA1249)、特図普段処理移行設定処理2を終了する。
〔小当りファンファーレ中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当りファンファーレ中処理(ステップA15)の詳細について図62を用いて説明する。図62は、第1の実施形態の小当りファンファーレ中処理のフローチャートを示す図である。
小当りファンファーレ中処理では、小当り中処理移行設定処理(ステップA1301)をおこない、小当りファンファーレ中処理を終了する。
〔小当り中処理移行設定処理〕
次に、上述の小当りファンファーレ中処理における小当り中処理移行設定処理(ステップA1301)の詳細について図63を用いて説明する。図63は、第1の実施形態の小当り中処理移行設定処理のフローチャートを示す図である。
小当り中処理移行設定処理では、まず、小当り中処理に係る処理番号である「8」を処理番号として設定し(ステップA1311)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA1312)。
そして、小当り開放時間(たとえば、0.2s)を特図ゲーム処理タイマ領域に設定し(ステップA1313)、小当り動作の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1314)。小当り動作の開始に関する信号は、たとえば、特別電動役物1作動中信号をオンにする信号である。
そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に大入賞口(特別変動入賞装置38)のオンデータをセーブし(ステップA1315)、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアする(ステップA1316)。
そして、小当り中制御ポインタ領域に小当り動作初期値(たとえば、「0」)をセーブし(ステップA1317)、小当り中処理移行設定処理を終了する。
〔小当り中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り中処理(ステップA16)の詳細について図64を用いて説明する。図64は、第1の実施形態の小当り中処理のフローチャートを示す図である。
小当り中処理では、まず、小当り中制御ポインタ領域から小当り中制御ポインタをロードし(ステップA1401)、ロードした小当り中制御ポインタの値が小当り動作終了値(たとえば、「6」)以上であるか否かを判定する(ステップA1402)。
ロードした小当り中制御ポインタの値が小当り動作終了値以上でない場合(ステップA1402;N)には、小当り中制御ポインタ領域の小当り中制御ポインタの値を「+1」更新し(ステップA1403)、小当り動作移行設定処理(ステップA1404)をおこない、小当り中処理を終了する。ロードした小当り中制御ポインタの値が小当り動作終了値以上である場合(ステップA1402;Y)には、特図ゲームモードフラグ退避領域からフラグをロードし(ステップA1405)、ロードしたフラグが特図高確率中であるか否かを判定する(ステップA1406)。なお、ステップA1406における判定は、確率状態を判定対象とし、時短状態を判定対象としない。
ロードしたフラグが特図高確率中である場合(ステップA1406;Y)には、ステップA1409の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。ロードしたフラグが特図高確率中でない場合(ステップA1406;N)には、小当り終了画面のコマンドを準備して(ステップA1407)、演出コマンド設定処理(ステップA1408)をおこなう。そして、小当り残存球処理移行設定処理(ステップ1409)をおこない、小当り中処理を終了する。
〔小当り動作移行設定処理〕
次に、上述の小当り中処理における小当り動作移行設定処理(ステップA1404)の詳細について図65を用いて説明する。図65は、第1の実施形態の小当り動作移行設定処理のフローチャートを示す図である。
小当り動作移行設定処理では、まず、ステップA1401でロードした小当り中制御ポインタの値を判定する(ステップA1411)。ステップA1401でロードした小当り中制御ポインタの値が「0」、「2」、「4」である場合(ステップA1411;ポインタ=0,2,4)には、小当り中制御ポインタの値に対応するウェイト時間(1500ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA1412)。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に大入賞口(特別変動入賞装置38)のオフデータをセーブし(ステップA1413)、小当り動作移行設定処理を終了する。
ステップA1401でロードした小当り中制御ポインタの値が「1」、「3」、「5」である場合(ステップA1411;ポインタ=1,3,5)には、小当り中制御ポインタの値に対応する大入賞口の開放時間(200ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA1414)。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域に大入賞口(特別変動入賞装置38)のオンデータをセーブし(ステップA1415)、小当り動作移行設定処理を終了する。
ここで、小当り動作について図66を用いて説明する。図66は、第1の実施形態の小当り動作のタイミングチャートを示す図である。なお、図中における四角内の数字は、制御ポインタの値を示している。
小当り動作は、小当りファンファーレ時間(300ms)と、その後の大入賞口開放時間(200ms)と、その後のウェイト時間(1500ms)と、その後の大入賞口開放時間(200ms)と、その後のウェイト時間(1500ms)と、その後の大入賞口開放時間(200ms)と、その後のウェイト時間(1500ms)と、その後の大入賞口開放時間(200ms)と、その後の残存球処理時間(1900ms)と、小当りエンディング時間(100ms)からなる合計7600msの一連の動作である。
なお、小当り動作の場合は、1回目の大入賞口開放時間経過後に制御ポインタの値が「0」となり、制御ポインタの値が「0」から「5」に対応するそれぞれの処理を経て、制御ポインタの値が「6」となる。このようにして、小当り動作の場合は、特別変動入賞装置38の4回の開放動作の後に、小当り残存球処理がおこなわれる。なお、小当り動作は、残存球処理時間の後に小当りエンディング時間を設定することで、制御上の小当りエンディング時間100msに残存球処理時間1900msを加えた2000msを見かけ上のエンディング時間としている。
なお、小当りファンファーレ時間とウェイト時間と残存球処理時間と小当りエンディング時間の間、特別変動入賞装置38は、大入賞口ソレノイド38bのオフ制御により閉塞する。また、大入賞口開放時間の間、特別変動入賞装置38は、大入賞口ソレノイド38bのオン制御により開放する。
〔小当り残存球処理移行設定処理〕
次に、上述の小当り中処理における小当り残存球処理移行設定処理(ステップA1409)の詳細について図67を用いて説明する。図67は、第1の実施形態の小当り残存球処理移行設定処理のフローチャートを示す図である。
小当り残存球処理移行設定処理では、まず、小当り残存球処理に係る処理番号である「9」を処理番号として設定し(ステップA1421)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA1422)。
そして、小当り残存球処理時間(たとえば、1.9s)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1423)、大入賞口ソレノイド出力データ領域に大入賞口(特別変動入賞装置38)のオフデータをセーブし(ステップA1424)、小当り残存球処理移行設定処理を終了する。
〔小当り残存球処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り残存球処理(ステップA17)の詳細について図68を用いて説明する。図68は、第1の実施形態の小当り残存球処理のフローチャートを示す図である。
小当り残存球処理では、小当り終了処理移行設定処理(ステップA1501)をおこない、小当り残存球処理を終了する。
〔小当り終了処理移行設定処理〕
次に、上述の小当り残存球処理における小当り終了処理移行設定処理(ステップA1501)の詳細について図69を用いて説明する。図69は、第1の実施形態の小当り終了処理移行設定処理のフローチャートを示す図である。
小当り終了処理移行設定処理では、まず、小当り終了処理に係る処理番号である「10」を処理番号として設定し(ステップA1511)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA1512)。
そして、小当りエンディング時間(たとえば、0.1s)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップA1513)、小当り動作の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1514)。なお、小当り動作の終了に関する信号は、たとえば、特別電動役物1作動中信号をオフにする信号である。
そして、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアし(ステップA1515)、小当り中制御ポインタ領域の情報をゼロクリアし(ステップA1516)、小当り終了移行設定処理を終了する。
〔小当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における小当り終了処理(ステップA18)の詳細について図70を用いて説明する。図70は、第1の実施形態の小当り終了処理のフローチャートを示す図である。
小当り終了処理では、まず、特図ゲームモードフラグ退避領域から確率状態に関するフラグをロードし(ステップA1601)、ステップA1601でロードしたフラグが特図高確率中であるか否かを判定する(ステップA1602)。ステップA1601でロードしたフラグが特図高確率中である場合(ステップA1602;Y)には、ステップA1619の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。
ステップA1601でロードしたフラグが特図高確率中でない場合(ステップA1602;N)には、演出モード情報アドレステーブルを設定し(ステップA1603)、変動開始時(停止図柄設定時)に設定された演出モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(ステップA1604)。
そして、演出モード番号を取得して演出モード番号領域にセーブし(ステップA1605)、演出残り回転数を取得して演出残り回転数領域にセーブし(ステップA1606)、次モード移行情報を取得して次モード移行情報領域にセーブする(ステップA1607)。
そして、ステップA1606で取得した演出モード番号に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1608)、準備した確率情報コマンドが停電復旧送信コマンド領域の値と一致するか否かを判定する(ステップA1609)。
準備した確率情報コマンドが停電復旧送信コマンド領域の値と一致する場合(ステップA1609;Y)には、ステップA1619の処理に移行して、それ以降の処理をおこなう。準備した確率情報コマンドが停電復旧送信コマンド領域の値と一致しない場合(ステップA1609;N)には、確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブし(ステップA1610)、演出コマンド設定処理(ステップA1611)をおこなう。
そして、ステップA1606で取得した演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを準備し(ステップA1612)、演出コマンド設定処理(ステップA1613)をおこなう。また、高確率変動回数に対応する高確率変動回数コマンドを準備し(ステップA1614)、演出コマンド設定処理(ステップA1615)をおこない、新たな演出モードが左打ちするモードであるか否かを判定する(ステップA1616)。
新たな演出モードが左打ちするモードでない場合(ステップA1616;N)には、ステップA1619の処理に移行する。新たな演出モードが左打ちするモードである場合(ステップA1616;Y)には、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップA1617)、演出コマンド設定処理(ステップA1618)をおこなう。
そして、特図ゲームモードフラグ退避領域から時短状態に関するフラグをロードし(ステップA1619)、ステップA1619でロードしたフラグが特図時短中であるか否かを判定する(ステップA1620)。ステップA1619でロードしたフラグが特図時短中である場合(ステップA1620;Y)には、特図普段処理移行設定処理3(ステップA1623)をおこない、小当り終了処理を終了する。
ステップA1619でロードしたフラグが特図時短中でない場合(ステップA1620;N)には、左打ち指示に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1621)。なお、左打ち指示に関する信号は、たとえば、発射位置指定信号1をオフにする信号である。
そして、右打ち中の表示LEDを消灯させるため、遊技状態表示番号2領域に左打ち状態中の番号をセーブし(ステップA1622)、特図普段処理移行設定処理3(ステップA1623)をおこない、小当り終了処理を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理3〕
次に、上述の小当り終了処理における特図普段処理移行設定処理3(ステップA1623)の詳細について図71を用いて説明する。図71は、第1の実施形態の特図普段処理移行設定処理3のフローチャートを示す図である。
特図普段処理移行設定処理3では、まず、特図普段処理に係る処理番号である「0」を処理番号として設定し(ステップA1631)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA1632)。
そして、小当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA1633)、小当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1634)。なお、小当りの終了に関する信号は、たとえば、大当り1信号をオフにする信号である。また、小当りの終了に関する信号は、たとえば、特別図柄1小当り信号をオフにする信号である。
そして、変動図柄判別フラグ領域の情報をクリアし(ステップA1635)、演出モード移行情報領域の情報をクリアする(ステップA1636)。そして、特図ゲームモードフラグ退避領域の情報をクリアし(ステップA1637)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップA1638)、特図普段処理移行設定処理3を終了する。
〔演出コマンド設定処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理のサブルーチンにおける演出コマンド設定処理の詳細について図72を用いて説明する。図72は、第1の実施形態の演出コマンド設定処理のフローチャートを示す図である。
演出コマンド設定処理では、まず、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップA1701)、演出用シリアル送信バッファが満杯であるか否かを判定する(ステップA1702)。演出用シリアル送信バッファが満杯である場合(ステップA1702;Y)には、ステップA1701の処理に戻る。演出用シリアル送信バッファが満杯でない場合(ステップA1702;N)には、コマンドデータ(MODE)を演出用シリアル送信バッファに書き込む(ステップA1703)。
これにより、遊技制御装置100におけるCPU111Aのシリアル通信機能を用いてシリアル通信により、演出コマンド(MODE)が遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信されることになる。なお、本フローチャートの場合、コマンドは演出コマンドのように、「MODE」、「ACTION」といった2バイト構成で送信しているが、それ以上のバイト構成にしてもよい。それらの場合、複数バイト構成に対応したフローチャートにすればよい。
そして、演出用シリアル送信バッファのステータスを読み込み(ステップA1704)、演出用シリアル送信バッファが満杯であるか否かを判定する(ステップA1705)。
演出用シリアル送信バッファが満杯である場合(ステップA1705;Y)には、ステップA1704の処理に戻る。演出用シリアル送信バッファが満杯でない場合(ステップA1705;N)には、コマンドデータ(ACTION)を演出用シリアル送信バッファに書き込み(ステップA1706)、演出コマンド設定処理を終了する。
コマンドデータ(ACTION)を演出用シリアル送信バッファに書き込むことで、遊技制御装置100におけるCPU111Aのシリアル通信機能を用いてシリアル通信により、演出コマンド(ACTION)が遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信されることになる。
このようにして、遊技制御装置100から演出制御装置300へシリアル通信で演出コマンド(MODE)および演出コマンド(ACTION)が送信される。演出制御装置300では、これらの各コマンドを受けて表示装置41の画面等で演出制御をおこなう。シリアル通信は、遊技制御装置100におけるCPU111Aのシリアル通信機能を用いておこなうので、構成が簡単という利点がある。
〔図柄変動制御処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における図柄変動制御処理(ステップA22)の詳細について図73を用いて説明する。図73は、第1の実施形態の図柄変動制御処理のフローチャートを示す図である。
図柄変動制御処理では、まず、対象の変動制御フラグがセットされ当該図柄が変動中であるかをチェックし(ステップA1801)、チェックの結果、変動中であるか否かを判断する(ステップA1802)。
変動中である場合(ステップA1802;Y)には、対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(変動用)を取得する(ステップA1803)。そして、対象の図柄の変動時間を計測する点滅制御タイマを「−1」更新し(ステップA1804)、点滅制御タイマが「0」であるか否かを判定する(ステップA1805)。
点滅制御タイマが「0」である場合(ステップA1805;Y)には、点滅制御タイマ初期値を対象の図柄の点滅制御タイマ領域にセーブ(ステップA1806)する。
そして、対象の図柄の変動図柄番号を「+1」更新し(ステップA1807)、ステップA1808の処理に移行する。点滅制御タイマが「0」でない場合(ステップA1805;N)には、ステップA1808の処理に移行する。
そして、対象の図柄の変動図柄番号領域の値に対応する表示データを取得し(ステップA1808)、取得した表示データを対象の図柄のセグメント領域にセーブし(ステップA1811)、図柄変動制御処理を終了する。
ステップA1802において、変動中でない場合(ステップA1802;N)には、対象の図柄に対応する図柄表示テーブル(停止用)を取得する(ステップA1809)。そして、対象の図柄の停止図柄番号領域の値に対応する表示データを取得し(ステップA1810)、取得した表示データを対象の図柄のセグメント領域にセーブし(ステップA1811)、図柄変動制御処理を終了する。
なお、特図ゲーム処理にて準備された変動制御テーブル上には、変動制御領域の下位アドレス、表示テーブル2(停止用)のアドレスおよび表示テーブル1(変動用)のアドレスの情報が定義されている。
〔振り分け処理〕
次に、上述の変動パターン設定処理における振り分け処理(ステップA476、A479、A485)の詳細について図74を用いて説明する。図74は、第1の実施形態の振り分け処理のフローチャートを示す図である。
振り分け処理は、変動パターン乱数1にもとづいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択したり、変動パターン乱数2にもとづいて、後半変動選択テーブル(後半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択したり、変動パターン乱数3にもとづいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択したりするための処理である。
振り分け処理では、まず、準備された後半変動グループテーブル(選択テーブル)や後半変動選択テーブル(選択テーブル)や前半変動選択テーブル(選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち、「0」)であるかをチェックし(ステップA1901)、そのチェックの結果、先頭のデータが振り分けなしのコードであるか否かを判定する(ステップA1902)。ここで、後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルは、少なくとも一の後半変動パターングループや後半変動パターンや前半変動パターンと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振り分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップA1902;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA1907)、振り分け処理を終了する。一方、後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップA1902;N)は、後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップA1903)。
続けて、変動パターン設定処理のステップA473、A478、A484にてロードされた乱数値(変動パターン乱数1や変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からステップA1903にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出した後(ステップA1904)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップA1905)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップA1905;N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップA1906)、ステップA1903の処理に戻る。
すなわち、ステップA1903にて、後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに規定されている振り分け値を取得した後、ステップA1905にて判定済みの乱数値を新たな乱数値として振り分け値を減算し、さらに新たな乱数値を算出する(ステップA1904)。そして、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップA1905)。上記の処理をステップA1905にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップA1905;Y)と判定するまで実行する。これにより、後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブルに規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターンや前半変動パターンの中からいずれか一の後半変動選択テーブルや後半変動番号や前半変動番号を選択する。そして、ステップA1905にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップA1905;Y)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA1907)、振り分け処理を終了する。
〔2バイト振り分け処理〕
次に、上述の変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(ステップA475)の詳細について図75を用いて説明する。図75は、第1の実施形態の2バイト振り分け処理のフローチャートを示す図である。
2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1にもとづいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。図75に示すように、2バイト振り分け処理では、まず、変動パターン設定処理にて準備した後半変動グループテーブル(選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち、「0」)であるかをチェックし(ステップA2001)、そのチェックの結果、先頭のデータが振り分けなしのコードであるか否かを判定する(ステップA2002)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動パターングループと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動パターングループのみを規定する後半変動グループテーブル(たとえば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振り分けの必要がないため、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、後半変動グループテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(ステップA2002;Y)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2007)、2バイト振り分け処理を終了する。一方、後半変動グループテーブルの先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(ステップA2002;N)は、後半変動グループテーブルに最初に規定されている一の振り分け値を取得する(ステップA2003)。
続けて、変動パターン設定処理のステップA473にてロードされた乱数値(変動パターン乱数1の値)からステップA2003にて取得された振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(ステップA2004)、当該算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップA2005)。新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(ステップA2005;N)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(ステップA2006)、ステップA2003の処理に戻る。すなわち、ステップA2003にて、変動グループ選択テーブルに次に規定されている振り分け値を取得した後、さらに新たな乱数値を算出する(ステップA2004)。このとき、ステップA2005にて判定済みの乱数値がある場合、判定済みの乱数値から振り分け値を減算して新たな乱数値を算出する。そして、算出された新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(ステップA2005)。
上記の処理をステップA2005にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップA2005;Y)と判定するまで実行する。これにより、後半変動グループテーブルに規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中からいずれか一の後半変動選択テーブルが選択される。そして、ステップA2005にて、新たな乱数値が「0」よりも小さい(ステップA2005;Y)と判定すると、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(ステップA2007)、2バイト振り分け処理を終了する。
〔普図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における普図ゲーム処理(ステップS130)の詳細について説明する。図76は、第1の実施形態の普図ゲーム処理のフローチャートを示す図である。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等をおこなう。
この普図ゲーム処理では、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理(ステップB1)をおこない、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)をおこなう。次に、普図ゲーム処理タイマが「0」でなければ「−1」更新する(ステップB3)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、普図ゲーム処理タイマの値が「0」となったか否かを判定する(ステップB4)。
普図ゲーム処理タイマの値が「0」である(ステップB4;Y)、すなわちタイムアップしたまたはすでにタイムアップしていたと判定されると、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップB5)をおこなって、当該テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップB6)をおこなう。そして、ゲーム処理番号によるサブルーチンコール(ステップB7)をおこなう。
ステップB7にて、ゲーム処理番号が「0」の場合、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう普図普段処理(ステップB8)をおこなう。また、ステップB7にて、ゲーム処理番号が「1」の場合、普図表示中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう普図変動中処理(ステップB9)をおこなう。
また、ステップB7にて、ゲーム処理番号が「2」の場合、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう普図表示中処理(ステップB10)をおこなう。また、ステップB7にて、ゲーム処理番号が「3」の場合、普図当り中処理の継続、または普電残存球処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう普図当り中処理(ステップB11)をおこなう。
また、ステップB7にて、ゲーム処理番号が「4」の場合、普図当り終了処理をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう普電残存球処理(ステップB12)をおこなう。また、ステップB7にて、ゲーム処理番号が「5」の場合、普図普段処理(ステップB8)をおこなうために必要な情報の設定等をおこなう普図当り終了処理(ステップB13)をおこなう。
その後、普図表示器による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備し(ステップB14)、普図表示器による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップB15)をおこなって、普図ゲーム処理を終了する。一方、ステップB4にて、普図ゲーム処理タイマの値が0でない(ステップB4;N)、すなわちタイムアップしていないと判定すると、処理をステップB14に移行して、それ以降の処理をおこなう。
〔ゲートスイッチ監視処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理におけるゲートスイッチ監視処理(ステップB1)の詳細について説明する。図77は、第1の実施形態のゲートスイッチ監視処理のフローチャートを示す図である。このゲートスイッチ監視処理では、まず、ゲートスイッチ34aに入力があるか否かを判定する(ステップB101)。そして、ゲートスイッチ34aに入力がある場合(ステップB101;Y)、右打ちする遊技状態か否かを判定する(ステップB102)。ここで、右打ちする遊技状態とは、大当り中、小当り中または特図時短中(普電サポート中)のことである。右打ちする遊技状態の場合(ステップB102;Y)、処理をステップB105に移行する。右打ちする遊技状態でない場合(ステップB102;N)、左打ち指示コマンドを準備し(ステップB103)、演出コマンド設定処理(ステップB104)をおこない、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値(たとえば「4」)未満であるか否かを判定する(ステップB105)。
普図保留数が上限値未満である場合(ステップB105;Y)、普図保留数を「+1」更新し(ステップB106)、更新後の普図保留数に対応する当り乱数格納領域のアドレスを算出する(ステップB107)。そして、当り乱数を抽出してRWMの当り乱数格納領域にセーブし(ステップB108)、当り図柄乱数を抽出し、当り図柄乱数格納領域にセーブし(ステップB109)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
また、ステップB101にてゲートスイッチ34aに入力がないと判定された場合(ステップB101;N)や、ステップB105にて普図保留数が上限値未満でないと判定された場合(ステップB105;N)、ゲートスイッチ監視処理は、終了される。
〔普電入賞スイッチ監視処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)の詳細について説明する。図78は、第1の実施形態の普電入賞スイッチ監視処理のフローチャートを示す図である。この普電入賞スイッチ監視処理では、まず、普図当り中か否か、すなわち普図変動表示ゲームが当り状態となって普通変動入賞装置37が所定回数の開放動作を実行中であるか否かを判定する(ステップB111)。そして、普図当り中である場合(ステップB111;Y)、始動口2スイッチ37aに入力があるかを判定し(ステップB112)、始動口2スイッチ37aに入力がある(ステップB112;Y)と判定すると、普電カウンタのカウント数を「+1」更新する(ステップB113)。
次に、更新後の普電カウンタのカウント数が上限値(たとえば「6」)に達したか否かを判定し(ステップB114)、カウント数が上限値に達した(ステップB114;Y)と判定すると、普電カウンタのカウント数が上限となったことにもとづき、普電を閉じるための処理として、普図当り中制御ポインタ領域に当り動作終了の値(たとえば「4」)をセーブし(ステップB115)、普図ゲーム処理タイマをゼロクリアして(ステップB116)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。すなわち、普図の当り状態中に上限値以上の普電入賞があった場合は、その時点で普図当り中処理制御ポインタ領域に当り終了の値をセーブし、普図の当り状態が途中で終了するようにする。
また、ステップB111にて普図当り中でないと判定された場合(ステップB111;N)、ステップB112にて始動口2スイッチ37aに入力がないと判定された場合(ステップB112;N)またはステップB114にてカウント数が上限値に達していないと判定された場合(ステップB114;N)、この普電入賞スイッチ監視処理は、終了される。
〔普図普段処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図普段処理(ステップB8)の詳細について説明する。図79は、第1の実施形態の普図普段処理のフローチャートを示す図である。この普図普段処理では、まず、普図保留数が「0」であるか否かを判定し(ステップB121)、普図保留数が「0」である場合(ステップB121;Y)は、普図普段処理移行設定処理1(ステップB141)をおこない、普図普段処理を終了する。また、普図保留数が「0」でない場合(ステップB121;N)、当り乱数格納領域(保留数1用)、当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から乱数をロードし(ステップB122)、当り乱数格納領域(保留数1用)、当り図柄乱数格納領域(保留数1用)をゼロクリアする(ステップB123)。
次に、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常よりも高くされた普図高確率中であるか、すなわち時短状態であるかを判定する(ステップB124)。普図高確率中でない場合(ステップB124;N)、低確率下限判定値を設定し(ステップB125)、普図高確率中である場合(ステップB124;Y)には、高確率下限判定値を設定する(ステップB126)。なお、低確率上限判定値と高確率上限判定値とは、共通の値(たとえば「251」)である。また、低確率下限判定値と高確率下限判定値とは、異なる値(たとえば、低確率下限判定値が「251」、高確率下限判定値が「1」)であり、低確率下限判定値と比較して高確率下限判定値が小さな値である。これにより、当り確率は、低確率と比較して高確率において大きくなり、たとえば、低確率の場合0/251となり、高確率の場合250/251となる。
次に、当り乱数が上限判定値以上であるか否かを判定し(ステップB127)、当り乱数が上限判定値以上でない場合(ステップB127;N)、当り乱数が下限判定値未満であるか否かを判定する(ステップB128)。ステップB127において、当り乱数が上限判定値以上の場合(ステップB127;Y)またはステップB127、B128において、当り乱数が下限判定値未満である場合(ステップB127;N、ステップB128;Y)、すなわち、はずれの場合は、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブし(ステップB129)、はずれ停止図柄番号を設定し(ステップB130)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブする(ステップB131)。また、ステップB127、B128において、当り乱数が上限判定値未満で下限判定値以上の場合、すなわち、当りの場合(ステップB127;N、ステップB128;N)、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(ステップB132)、ロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(ステップB133)、停止図柄番号に対応する停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブする(ステップB134)。なお、第1の実施形態では、当り図柄は、3種類としている。
次に、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブし(ステップB135)、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB136)。その後、普図当り乱数格納領域をシフトし(ステップB137)、シフト後の空き領域をゼロクリアして(ステップB138)、普図保留数を「−1」更新する(ステップB139)。すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数「1」以降に保留となっている普図保留数「2」から「4」の順位を1つずつ繰り上げる処理をおこなう。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が「1」だけデクリメントされる。
そして、普図変動中処理移行設定処理(ステップB140)をおこなって、この普図普段処理を終了する。
〔普図普段処理移行設定処理1〕
次に、上述の普図普段処理での普図普段処理移行設定処理1(ステップB141)の詳細について説明する。図80は、第1の実施形態の普図普段処理移行設定処理1のフローチャートを示す図である。この普図普段処理移行設定処理1では、まず、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(ステップB151)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB152)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップB153)、普図普段処理移行設定処理1を終了する。
〔普図変動中処理移行設定処理〕
次に、上述の普図普段処理での普図変動中処理移行設定処理(ステップB140)の詳細について説明する。図81は、第1の実施形態の普図変動中処理移行設定処理のフローチャートを示す図である。この普図変動中処理移行設定処理では、まず、普図変動中処理に移行するための処理番号として「1」を設定し(ステップB161)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップB162)、普図変動時間(低確率および高確率とで共通(たとえば、500ms))を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB163)。その後、普図変動表示ゲームの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB164)。なお、普図変動表示ゲームの開始に関する信号は、普通図柄1変動中信号をオンにする信号である。
次に、普図変動表示ゲームが変動中であることを示す変動中フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブする(ステップB165)。そして、普図表示器の点滅周期のタイマの初期値である点滅制御タイマ初期値(たとえば100ms)を普図点滅制御タイマ領域にセーブして(ステップB166)、普図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔普図変動中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図変動中処理(ステップB9)について説明する。図82は、第1の実施形態の普図変動中処理のフローチャートを示す図である。この普図変動中処理では、普図表示中処理移行設定処理(ステップB171)をおこない、普図変動中処理を終了する。
〔普図表示中処理移行設定処理〕
次に、上述の普図変動中処理における普図表示中処理移行設定処理(ステップB171)の詳細について説明する。図83は、第1の実施形態の普図表示中処理移行設定処理のフローチャートを示す図である。この普図表示中処理移行設定処理では、まず、普図表示中処理に移行するための設定処理として処理番号を「2」に設定し(ステップB181)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB182)。その後、その普図表示時間(たとえば、600ms)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB183)。さらに、普図の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB184)。なお、普図の変動終了に関する信号は、普通図柄1変動中信号をオフにする信号である。
次に、普図変動表示ゲームが停止中であることを示す停止フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブして(ステップB185)、普図表示中処理移行設定処理を終了する。
〔普図表示中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図表示中処理(ステップB10)の詳細について説明する。図84は、第1の実施形態の普図表示中処理のフローチャートを示す図である。この普図表示中処理では、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグ(当り情報またははずれ情報)をロードして(ステップB191)、RWMの当りフラグ領域の情報をクリアし(ステップB192)、ロードされた当りフラグが当り情報であるか否かを判定する(ステップB193)。
当りフラグが当り情報でない場合(ステップB193;N)、普図普段処理に移行するための普図普段処理移行設定処理1(ステップB198)をおこなって、普図表示中処理を終了する。この普図普段処理移行設定処理1は、図80に示した処理である。一方、当りフラグが当り情報である場合(ステップB193;Y)、当り中処理設定テーブルを設定する(ステップB194)。
そして、普図停止図柄情報に対応する当り開始ポインタ値(制御ポインタ「0」,「2」,「4」のいずれか)を取得し、普図当り中制御ポインタ領域にセーブ(ステップB195)、普図停止図柄情報に対応する普電開放時間(500msまたは1700ms)を取得し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB196)。これにより時短状態中での普通変動入賞装置37の開放態様が設定され、たとえば4回の開放が可能となる。その後、普図当り中処理移行設定処理(ステップB197)をおこなって、普図表示中処理を終了する。
〔普図当り中処理移行設定処理〕
次に、上述の普図表示中処理における普図当り中処理移行設定処理(ステップB197)の詳細について説明する。図85は、第1の実施形態の普図当り中処理移行設定処理のフローチャートを示す図である。この普図当り中処理移行設定処理では、まず、普図当り中処理に移行するための処理番号として「3」を設定し(ステップB201)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB202)。その後、普図変動表示ゲームの当りの開始に関する信号(普図変動表示ゲームの当りに関する信号)と、普電作動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB203)。なお、普図変動表示ゲームの当りの開始に関する信号は、普通図柄1当り中信号をオンにする信号であり、普電作動開始に関する信号は、普通電動役物1作動中信号をオンにする信号である。
次に、普電ソレノイドを駆動(オン)する信号を出力するために普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(ステップB204)。
さらに、普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電カウント数領域の情報をクリアし(ステップB205)、普電不正監視期間における普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電不正入賞数領域の情報をクリアする(ステップB206)。そして、普通変動入賞装置37の不正監視期間外を規定するフラグを普電不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップB207)、普図当り中処理移行設定処理を終了する。
〔普図当り中処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り中処理(ステップB11)の詳細について説明する。図86は、第1の実施形態の普図当り中処理のフローチャートを示す図である。この普図当り中処理では、まず、普図当り中制御ポインタをロードして準備し(ステップB211)、ロードされた普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値領域の値(当り終了の値)に達したか否かを判定する(ステップB212)。
そして、普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値領域の値に達していない場合(ステップB212;N)、普図当り中制御ポインタを「+1」更新し(ステップB213)、普電作動移行設定処理(ステップB214)をおこなって、普図当り中処理を終了する。また、普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値領域の値(当り終了の値)に達した場合(ステップB212;Y)、ステップB213をパスして普電作動移行設定処理(ステップB214)をおこない、普図当り中処理を終了する。
〔普電作動移行設定処理〕
次に、上述の普図当り中処理における普電作動移行設定処理(ステップB214)の詳細について説明する。図87は、第1の実施形態の普電作動移行設定処理のフローチャートを示す図である。この普電作動移行設定処理は、普通変動入賞装置37を開閉するための普電ソレノイド37cの駆動制御をおこなう処理であり、制御ポインタの値に応じて処理を分岐するようにしている。この普電作動移行設定処理では、まず、制御ポインタの値に応じた分岐処理をおこなう(ステップB221)。
制御ポインタの値が「0」,「2」のいずれかであった場合、ステップB222へ移行する。すなわち、普通変動入賞装置37の閉塞を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の閉塞後のウェイト時間(たとえば、200ms)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB222)、普電ソレノイド37cをオフさせるために普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブして(ステップB223)、普電作動移行設定処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「1」,「3」のいずれかであった場合、ステップB224へ移行する。すなわち、普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間(たとえば、1700ms)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB224)、普電ソレノイド37cをオンさせるために普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(ステップB225)、普電作動移行設定処理を終了する。
また、制御ポインタの値が「4」であった場合、ステップB226へ移行する。すなわち、普通変動入賞装置37の開放制御を終了して普電残存球処理(ステップB12)をおこなうために、処理番号として「4」を設定する(ステップB226)。そして、この処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブし(ステップB227)、普電残存球処理時間(たとえば、600ms)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB228)。その後、普電ソレノイド37cをオフさせるために普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブし(ステップB229)、普電作動移行設定処理を終了する。
次に、第1の実施形態の普通変動入賞装置37における普電作動について図88を用いて説明する。図88は、第1の実施形態の普通変動入賞装置の普電作動タイミングチャートを示す図である。なお、図中における四角内の数字は、制御ポインタの値を示している。
普通変動入賞装置37における当り図柄1の場合の普電作動は、普図表示時間(600ms)と、その後の普電開放時間(500ms)と、その後の残存球処理時間(600ms)からなる合計1200msの一連の動作である。なお、当り図柄1の場合は、普電開放時間経過後に制御ポインタの値が「4」となり、普通変動入賞装置37の1回の開放動作の後に普電残存球処理がおこなわれる。
また、普通変動入賞装置37における当り図柄2の場合の普電作動は、普図表示時間(600ms)と、その後の普電開放時間(1700ms)と、その後のウェイト時間(200ms)と、その後の普電開放時間(1700ms)と、その後の残存球処理時間(600ms)からなる合計4800msの一連の動作である。なお、当り図柄2の場合は、1回目の普電開放時間経過後に制御ポインタの値が「2」となり、制御ポインタの値が「2」,「3」に対応するそれぞれの処理を経て、制御ポインタの値が「4」となる。このようにして、当り図柄2の場合は、普通変動入賞装置37の2回の開放動作の後に普電残存球処理がおこなわれる。
また、普通変動入賞装置37における当り図柄3の場合の普電作動は、普図表示時間(600ms)と、その後の普電開放時間(1700ms)と、その後のウェイト時間(200ms)と、その後の普電開放時間(1700ms)と、その後のウェイト時間(200ms)と、その後の普電開放時間(1700ms)と、その後の残存球処理時間(600ms)からなる合計6700msの一連の動作である。なお、当り図柄3の場合は、1回目の普電開放時間経過後に制御ポインタの値が「0」となり、制御ポインタの値が「0」,「1」,「2」,「3」に対応するそれぞれの処理を経て、制御ポインタの値が「4」となる。このようにして、当り図柄3の場合は、普通変動入賞装置37の3回の開放動作の後に普電残存球処理がおこなわれる。
なお、普図表示時間とウェイト時間と残存球処理時間の間、普通変動入賞装置37は、普電ソレノイド37cのオフ制御により閉塞する。また、普電開放時間の間、普通変動入賞装置37は、普電ソレノイド37cのオン制御により開放する。
〔普電残存球処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普電残存球処理(ステップB12)について説明する。図89は、第1の実施形態の普電残存球処理のフローチャートを示す図である。この普電残存球処理では、普図当り終了処理移行設定処理(ステップB231)をおこない、普電残存球処理を終了する。
〔普図当り終了処理移行設定処理〕
次に、上述の普電残存球処理における普図当り終了処理移行設定処理(ステップB231)の詳細について説明する。図90は、第1の実施形態の普図当り終了処理移行設定処理のフローチャートを示す図である。この普図当り終了処理移行設定処理では、まず、普図当り終了処理に係る処理番号「5」を設定して(ステップB241)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB242)。
その後、普図エンディング時間(たとえば、100ms)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(ステップB243)、普通変動入賞装置37の作動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB244)。なお、普通変動入賞装置37の作動終了に関する信号は、普通電動役物1作動中信号をオフにする信号である。
次に、普通変動入賞装置37への入賞数を計数する普電カウント数領域の情報をクリアする(ステップB245)。そして、普図当り中制御ポインタ領域の値をクリアして(ステップB246)、普図当り終了処理移行設定処理を終了する。
〔普図当り終了処理〕
次に、上述の普図ゲーム処理における普図当り終了処理(ステップB13)について説明する。図91は、第1の実施形態の普図当り終了処理のフローチャートを示す図である。この普図当り終了処理では、普図普段処理移行設定処理2(ステップB251)をおこない、普図当り終了処理を終了する。
〔普図普段処理移行設定処理2〕
次に、上述の普図当り終了処理における普図普段処理移行設定処理2(ステップB251)の詳細について説明する。図92は、第1の実施形態の普図普段処理移行設定処理2のフローチャートを示す図である。この普図普段処理移行設定処理2では、まず、普図普段処理に係る処理番号「0」を設定して(ステップB261)、その処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB262)。
その後、普図変動ゲームの当り終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB263)。なお、普図変動ゲームの当り終了に関する信号は、普通図柄1変動中信号をオフにする信号である。
その後、普通変動入賞装置37の不正監視期間を規定するフラグ(不正監視期間中フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップB264)、普図普段処理移行設定処理2を終了する。
〔セグメントLED編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理におけるセグメントLED編集処理(ステップS131)の詳細について図93を用いて説明する。図93は、第1の実施形態のセグメントLED編集処理のフローチャートを示す図である。セグメントLED編集処理では、一括表示装置50に設けられたラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、普図保留表示部56と、状態表示部57を構成するLEDの駆動に関する設定等をおこなう。
セグメントLED編集処理では、まず、点滅制御タイマに「1」を加算して更新する(ステップC11)。点滅制御タイマは、たとえば、8ビットのカウンタタイマである。
次に、普図保留表示の出力オンタイミングを判定し(ステップC12)、出力オンタイミングである場合(ステップC12;Y)に普図保留数表示テーブル1を設定し(ステップC13)、出力オンタイミングでない場合(ステップC12;N)に普図保留数表示テーブル2を設定する(ステップC14)。なお、普図保留表示の出力オンタイミングの判定は、タイマの特定ビットを参照することによっておこなうことができる。たとえば、4msごとに1インクリメントされるタイマの第5ビットを参照することで、128msの点滅周期を設定できる。
その後、設定した普図保留数表示テーブル1または普図保留数表示テーブル2から普図保留数に対応する表示データを取得し、セグメント領域にセーブする(ステップC15)。なお、セグメント領域は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18の表示データを記憶する記憶領域である。
たとえば、普図保留数表示テーブル1と普図保留数表示テーブル2は、普図保留数「0」から「2」について同じ値であり、普図保留数「3」と「4」について異なる値である。これにより、普図保留表示部56において、普図保留数「0」で対応するLEDの消灯、普図保留数「1」、「2」で対応するLEDの点灯、普図保留数「3」、「4」で対応するLEDの点滅を実現している。
次に、特図1保留表示の出力オンタイミングを判定し(ステップC16)、出力オンタイミングである場合(ステップC16;Y)に特図1保留数表示テーブル1を設定し(ステップC17)、出力オンタイミングでない場合(ステップC16;N)に特図1保留数表示テーブル2を設定する(ステップC18)。なお、特図1保留表示の出力オンタイミングの判定についても普図保留表示の出力オンタイミングの判定と同様とすることができる。このとき、たとえば、4msごとに1インクリメントされるタイマの参照ビットを、普図保留表示と違えることで、普図保留表示と異なる点滅周期を設定できる。
その後、設定した特図1保留数表示テーブル1または特図1保留数表示テーブル2から特図1保留数に対応する表示データを取得し、セグメント領域にセーブする(ステップC19)。なお、特図1保留表示部52についても、普図保留表示部56と同様にしてLEDの点灯態様を実現している。
次に、特図2保留表示の出力オンタイミングを判定し(ステップC20)、出力オンタイミングである場合(ステップC20;Y)に特図2保留数表示テーブル1を設定し(ステップC21)、出力オンタイミングでない場合(ステップC20;N)に特図2保留数表示テーブル2を設定する(ステップC22)。なお、特図2保留表示の出力オンタイミングの判定についても普図保留表示の出力オンタイミングの判定と同様とすることができる。このとき、たとえば、4msごとに1インクリメントされるタイマの参照ビットを、普図保留表示と違えることで、普図保留表示と異なる点滅周期を設定できる。
その後、設定した特図2保留数表示テーブル1または特図2保留数表示テーブル2から特図2保留数に対応する表示データを取得し、セグメント領域にセーブする(ステップC23)。なお、特図2保留表示部58についても、普図保留表示部56と同様にしてLEDの点灯態様を実現している。
さらに、ラウンド表示部51での表示態様が規定されたラウンド表示LED表示テーブルを設定し(ステップC24)、ラウンド表示LED出力ポインタに対応する表示データを取得し、セグメント領域にセーブする(ステップC25)。
次に、遊技状態表示テーブル1を設定し(ステップC26)、遊技状態表示番号1に対応する表示データを取得し、セグメント領域にセーブする(ステップC27)。
その後、遊技状態表示テーブル2を設定し(ステップC28)、遊技状態表示番号2に対応する表示データを取得し、セグメント領域にセーブして(ステップC29)、セグメントLED編集処理を終了する。
次に、不正行為を監視するための磁石不正監視処理および盤電波不正監視処理について説明する。遊技の結果に応じて所定の遊技価値を遊技者に付与する遊技機に対しては、不正に遊技価値を得ようとする不正行為がおこなわれることがある。このような不正行為のうち、磁石を用いた不正行為を検出するための機構を備えた遊技機が従来から知られている。不正行為には様々な種類があり、それぞれの種類に応じた検出方法や条件が必要である。しかし、異常状態の発生を正確に検出することができなかった。
特に、不正行為につながる異常状態が発生していないにもかかわらず異常状態が発生したと誤判定し、報知等をおこなうことは遊技者の不信感を招き、当該遊技機における遊技の忌避要因となるため、このような異常状態の誤検出をおこなわないようにすることが重要である。
そこで遊技機10は、異常な磁気を検出する磁気検出器と、異常な電波を検出する電波検出器と、磁気検出器および電波検出器での検出結果にもとづき、異常状態の発生を正確に検出すること、たとえば異常状態の誤検出をおこなわないようにすることを目的として、下記の磁石不正監視処理および盤電波不正監視処理をおこなうようにしている。
〔磁石不正監視処理〕
まず、上述のタイマ割込み処理における磁石不正監視処理(ステップS132)について図94を用いて説明する。図94は、第1の実施形態の磁石不正監視処理のフローチャートを示す図である。磁石不正監視処理では、異常な磁気を検出する磁気検出器をなす磁気センサ61からの検出信号にもとづき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等をおこなう。なお、磁気検出器は、磁石の接近を検出する磁石検出器として機能することから、磁気センサは磁石センサと言い換えることができる。
磁石不正監視処理では、まず、磁気センサ61から出力されて第3入力ポート124(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、磁気センサがオン、すなわち異常な磁気を検出した状態であるか否かを判定する(ステップC31)。磁気センサがオンである場合(ステップC31;Y)、すなわち異常な磁気を検出した場合は、異常な磁気の検出期間を計時する磁石不正監視タイマに「1」を加算して更新し(ステップC32)、磁石不正監視タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップC33)。
磁石不正監視タイマがタイムアップした場合(ステップC33;Y)、すなわち異常な磁気を一定期間(たとえば、32ms)継続して検出した場合に異常を判定する。異常を判定した場合に磁石不正監視タイマをクリアし(ステップC34)、磁石不正報知タイマ初期値(たとえば、60000ms)を磁石不正報知タイマ領域にセーブする(ステップC35)。そして、磁石不正報知のコマンドを準備し(ステップC36)、磁石不正フラグとして磁石不正発生フラグを準備し(ステップC37)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(ステップC43)。
すなわち、遊技制御装置100は、磁気センサの検出結果にもとづいて異常状態を検出する異常状態検出制御手段としての機能を有する。そして、遊技制御装置100は、磁気センサが所定期間にわたり継続して異常な磁気を検出した場合に、異常状態が発生したと判定するようにしている。
一方、磁気センサがオンでない場合(ステップC31;N)、すなわち異常な磁気を検出していない場合は、磁石不正監視タイマをクリアし(ステップC38)、磁石不正の報知時間を規定する磁石不正報知タイマが「0」でなければ、磁石不正報知タイマから「1」を減算して更新する(ステップC39)。なお、磁石不正報知タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、磁石不正報知タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップC40)。なお、磁石不正監視タイマがタイムアップしていない場合(ステップC33;N)もステップC39の処理に移行する。
そして、磁石不正報知タイマの値が「0」でない場合(ステップC40;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、磁石不正監視処理を終了する。また、磁石不正報知タイマの値が「0」である場合(ステップC40;Y)、すなわちタイムアップした、またはすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合、または当初から不正報知がおこなわれていない場合は、磁石不正報知終了のコマンドを準備する(ステップC41)。さらに、磁石不正フラグとして磁石不正解除フラグを準備して(ステップC42)、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(ステップC43)。
そして、準備した磁石不正フラグが磁石不正フラグ領域の値と一致する場合(ステップC43;Y)は、磁石不正監視処理を終了する。また、値が一致しない場合(ステップC43;N)は、準備した磁石不正フラグを磁石不正フラグ領域にセーブし(ステップC44)、演出コマンド設定処理をおこない(ステップC45)、磁石不正監視処理を終了する。
〔盤電波不正監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における盤電波不正監視処理(ステップS133)の詳細について図95を用いて説明する。図95は、第1の実施形態の盤電波不正監視処理のフローチャートを示す図である。盤電波不正監視処理では、異常な電波を検出する電波検出器をなす盤電波センサ62からの検出信号にもとづき異常の有無を判定し不正報知の開始や終了の設定等をおこなう。
盤電波不正監視処理では、まず、盤電波センサ62から出力されて近接I/F121を経由して第3入力ポート124(入力ポート3)に取り込まれる検出信号の状態から、盤電波センサがオン、すなわち異常な電波を検出した状態であるか否かを判定する(ステップC51)。盤電波センサがオンである場合(ステップC51;Y)、すなわち異常な電波を検出した場合は、電波不正報知タイマ初期値(たとえば、60000ms)を電波不正報知タイマ領域にセーブする(ステップC52)。
そして、盤電波不正報知のコマンドを準備し(ステップC53)、盤電波不正フラグとして盤電波不正発生フラグを準備して(ステップC54)、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するかを判定する(ステップC59)。すなわち、電波不正の場合は磁気不正の場合と違い、異常な電波を検出した時点で異常が発生していると判定するようにしている。
すなわち、遊技制御装置100は、盤電波センサの検出結果にもとづいて異常状態の発生を検出する異常状態検出制御手段としての機能を有する。そして、遊技制御装置100は、盤電波センサが一度の異常な電波を検出しただけで、異常状態が発生したと判定するようにしている。
一方、盤電波センサがオンでない場合(ステップC51;N)、すなわち異常な電波を検出していない場合は、電波不正の報知時間を規定する電波不正報知タイマが「0」でなければ電波不正報知タイマから「1」を減算して更新する(ステップC55)。なお、電波不正報知タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、電波不正報知タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップC56)。
電波不正報知タイマの値が「0」でない場合(ステップC56;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、盤電波不正監視処理を終了する。また、電波不正報知タイマの値が「0」である場合(ステップC56;Y)、すなわちタイムアップした、またはすでにタイムアップしていた場合であって、不正報知の期間が終了した場合、または当初から不正報知がおこなわれていない場合は、盤電波不正報知終了のコマンドを準備し(ステップC57)、盤電波不正フラグとして盤電波不正解除フラグを準備して(ステップC58)、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致するか否かを判定する(ステップC59)。
そして、準備した盤電波不正フラグが盤電波不正フラグ領域の値と一致する場合(ステップC59;Y)は、盤電波不正監視処理を終了する。また、値が一致しない場合(ステップC59;N)は、準備した盤電波不正フラグを盤電波不正フラグ領域にセーブし(ステップC60)、演出コマンド設定処理をおこない(ステップC61)、盤電波不正監視処理を終了する。
以上のような磁石不正監視処理および盤電波不正監視処理をおこなうことで、異常状態の発生を正確に検出することができる。すなわち、遊技機にはソレノイドのように磁気を発生する部品が備えられているが、所定期間にわたり継続して磁気を検出した場合に異常状態と判定するようにしたことで、ソレノイド等による磁気の発生を異常状態として誤検出しないようにすることができる。これに対し、遊技機には電波を発する部品は備えられていないことから、異常な電波の検出に対しては即座に異常状態と判定することで、被害を最小限に抑えることができる。
なお、第1の実施形態では異常な磁気の検出を単に磁気を検出した状態としたが、異常状態でない状態での磁気状態よりも強い磁気を検出した状態としてもよいし、所定の閾値以上の磁気を検出した状態を異常としてもよい。また、第1の実施形態では異常な電波の検出を単に電波を受けた状態としたが、異常状態でない状態では受けることのない強度の電波を受けた状態や、異常状態でない状態では受けることのない周波数の電波を受けた状態としてもよい。また、強度が所定の閾値以上の電波や特定の周波数の電波を検出した状態を異常としてもよい。磁気の強度や電波の強度、周波数で閾値を設定する場合は、磁気センサ61や盤電波センサ62側で閾値を超えた場合に信号を出力するようにしてもよいし、制御装置側で閾値を超えたかを監視するようにしてもよい。
以上のことから、異常な磁気を検出する磁気検出器(磁気センサ61)と、異常な電波を検出する電波検出器(盤電波センサ62)と、磁気検出器および電波検出器での検出結果にもとづき、異常状態の発生を検出する異常状態検出制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、異常状態検出制御手段は、磁気検出器の場合、所定期間にわたり継続して異常な磁気を検出した場合に異常状態が発生したと判定するが、電波検出器の場合一度異常な電波を検出しただけで異常状態が発生したと判定するようにしていることとなる。
〔外部情報編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS134)の詳細について図96と図97を用いて説明する。図96は、第1の実施形態の外部情報編集処理のフローチャートを示す図(その1)である。図97は、第1の実施形態の外部情報編集処理のフローチャートを示す図(その2)である。
外部情報編集処理では、払出コマンド送信処理(ステップS125)、入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS128)、磁石不正監視処理(ステップS132)および盤電波不正監視処理(ステップS133)での監視結果にもとづいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等をおこなう。
外部情報編集処理では、まず、エラー状態やセキュリティ状態に応じて情報を設定する処理をおこなう。エラー状態やセキュリティ状態に応じて情報を設定する処理では、ガラス枠開放エラーの発生中(ステップC71;Y)、本体枠開放エラーの発生中(ステップC72;Y)である場合に、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップC73)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップC74)。すなわち、ガラス枠開放エラーと本体枠開放エラーの発生が、外部情報および試験信号として出力される。
一方、ガラス枠開放エラーと本体枠開放エラーのいずれのエラーも発生していない場合(ステップC71からC72;N)は、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップC75)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(ステップC76)。
次に、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータの初期化がおこなわれた時から所定時間(たとえば256ms)を計時するセキュリティ信号制御タイマが「0」でなければ「−1」更新する(ステップC77)。なお、セキュリティ信号制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップC78)。
セキュリティ信号制御タイマの値が「0」でない場合(ステップC78;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップC79)する。一方、セキュリティ信号制御タイマの値が「0」の場合(ステップC78;Y)、すなわちタイムアップしている場合は、ステップC79の処理がパスされる。すなわち、RAMに記憶されたデータの初期化がおこなわれたことがセキュリティ信号制御タイマがタイムアップするまでの間、外部情報として出力される。
磁石不正発生中(ステップC80;Y)、盤電波不正発生中(ステップC81;Y)、枠電波不正発生中(ステップC82;Y)、普電不正発生中(ステップC83;Y)、または大入賞口不正発生中(ステップC84;Y)である場合にセキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(ステップC85)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップC86)。
一方、磁石不正、盤電波不正、枠電波不正、普電不正、または大入賞口不正のいずれも発生していない場合(ステップC80からC84;N)は、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブする(ステップC87)。
次に、外部情報編集処理では、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理(ステップC88)をおこない、始動口の入賞信号を編集する始動口信号編集処理(ステップC89)をおこなう。次に、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の出力時間を制御するための図柄確定回数制御タイマが「0」でなければ「−1」更新する(ステップC90)。なお、図柄確定回数制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、図柄確定回数制御タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップC91)。
図柄確定回数制御タイマの値が「0」である場合(ステップC91;Y)、すなわちタイムアップした、またはすでにタイムアップしていた場合は、図柄確定回数信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップC92)、外部情報編集処理を終了する。また、図柄確定回数制御タイマの値が「0」でない場合(ステップC91;N)、すなわちタイムアップしていない場合は、図柄確定回数信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブして(ステップC93)、外部情報編集処理を終了する。
〔メイン賞球信号編集処理〕
次に、上述の外部情報編集処理におけるメイン賞球信号編集処理(ステップC88)の詳細について図98を用いて説明する。図98は、第1の実施形態のメイン賞球信号編集処理のフローチャートを示す図である。メイン賞球信号編集処理は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数、予定遊技媒体払出数)が所定数(ここでは10個)になるごとに生成されるメイン賞球信号を外部装置へ出力する処理である。
メイン賞球信号編集処理では、まず、メイン賞球信号出力制御タイマが「0」でなければ「−1」更新する(ステップC101)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、メイン賞球信号出力制御タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップC102)。メイン賞球信号出力制御タイマの値が「0」である場合(ステップC102;Y)は、メイン賞球信号出力回数が「0」であるか否かを判定する(ステップC103)。
そして、メイン賞球信号出力回数が「0」でない場合(ステップC103;N)は、メイン賞球信号出力回数を「−1」更新し(ステップC104)、メイン賞球信号出力制御タイマ領域にメイン賞球信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップC105)。このメイン賞球信号出力制御タイマ初期値は、メイン賞球信号のオン状態(たとえば、ハイレベル)の時間(たとえば、128ms)とオフ状態(たとえば、ロウレベル)の時間(たとえば、64ms)を加算した時間(たとえば、192ms)となっている。その後、メイン賞球信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップC107)、メイン賞球信号編集処理を終了する。また、メイン賞球信号出力回数が0である場合(ステップC103;Y)は、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップC108)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
一方、メイン賞球信号出力制御タイマの値が0でない場合(ステップC102;N)は、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるかを判定する(ステップC106)。なお、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、メイン賞球信号出力制御タイマの値が所定時間(たとえば64ms)以上であることである。メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップC106;Y)は、処理をステップC107に移行する。また、メイン賞球信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステップC106;N)は、外部装置用のメイン賞球信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップC108)、メイン賞球信号編集処理を終了する。
以上の処理により、予定遊技媒体払出数に関する情報が外部に送信される。なお、遊技球の入賞にもとづく払出条件の成立後、払出装置を動作させて遊技球の払い出しを完了するよりも、メイン賞球信号を生成して送信する方が早いため、基本的には、払出条件が成立してから、払出数の遊技媒体を払い出すまでの間に、払い出す予定の遊技媒体数である予定遊技媒体払出数に関する情報が外部に出力されることとなる。
すなわち、遊技制御装置100が、払出条件が成立してから、払出数の遊技媒体を払い出すまでの間に、払い出す予定の遊技媒体数である予定遊技媒体払出数に関する情報を外部に出力可能な外部出力手段をなす。
ただし、発生した賞球数が少なく、これを賞球残数領域の値に加算しても所定数(たとえば10)に満たない場合は、実際の払い出しが完了した後に予定遊技媒体払出数に関する情報が出力されることもある。なお、一回のメイン賞球信号に対応する予定遊技媒体払出数の単位を小さく(たとえば「1」)することで、常に払出条件が成立してから、払出数の遊技媒体を払い出すまでの間に、払い出す予定の遊技媒体数である予定遊技媒体払出数に関する情報を外部に出力することも可能となる。
以上のことから、遊技媒体を払出可能な払出装置(払出ユニット)と、所定の払出条件の成立にもとづき、払出装置に所定の払出数の遊技媒体を払い出させる制御をおこなう制御手段(遊技制御装置100、払出制御装置200)と、を備える遊技機において、制御手段は、払出条件が成立してから、払出数の遊技媒体を払い出すまでの間に、払い出す予定の遊技媒体数である予定遊技媒体払出数に関する情報を外部に出力可能な外部出力手段(遊技制御装置100)を備えていることとなる。なお、遊技媒体をメダルとして、この構成をスロットマシンに適用することも可能である。
また、外部出力手段(遊技制御装置100)は、外部に未出力の予定遊技媒体払出数を記憶する遊技媒体記憶領域を備えた記憶手段(遊技制御装置100)と、払出条件の成立にもとづき、当該成立した払出条件に対応する予定遊技媒体払出数を遊技媒体記憶領域に加算する加算手段(遊技制御装置100)と、遊技媒体記憶領域に記憶された予定遊技媒体払出数が所定数に達したことにもとづき、当該所定数の予定遊技媒体払出数を外部に送信する送信手段(遊技制御装置100)と、送信手段により送信される所定数の予定遊技媒体払出数を遊技媒体記憶領域から減算する減算手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
ここで、メイン賞球信号の送信タイミングについて図99を用いて説明する。図99は、第1の実施形態のメイン賞球信号の送信タイミングチャートを示す図である。
たとえば、遊技制御装置100は、所定単位数(たとえば、10個)の遊技媒体の払出予定ごとに1パルス(メイン賞球信号)を出力する。メイン賞球信号の出力信号は、出力制御タイマの値が「48」のときに「OFF」から「ON」に立ち上がり、出力制御タイマの値が「16」のときに「ON」から「OFF」に立ち下がり、出力制御タイマの値が「0」になるまで「OFF」を維持する。すなわち、メイン賞球信号の出力信号は、128msの「ON」時間と、64msの「OFF」時間とからなる192msのパルス信号である。
なお、払出制御装置200は、遊技制御装置100と異なり、所定単位数(たとえば、10個)の遊技媒体の払出ごとに1パルス(賞球信号)を出力する。これにより、遊技機10は、外部装置に遊技媒体の払出予定と遊技媒体の払出結果との整合を確認させて、不正な払出に対応させることができる。
また、大当り期間中の入賞において、球切れ等で遊技媒体の払出が遅れ、大当り終了後に遊技媒体が払い出された場合に、外部装置は、払出制御装置200が出力する賞球信号だけでは、大当り期間中の入賞にもとづく払出であるか否かを判断できなかった。しかしながら、遊技制御装置100は、メイン賞球信号を出力することで、外部装置(たとえば、ホールコンピュータ)が正確に情報収集(判断)をおこなえるようにした。
〔始動口信号編集処理〕
次に、上述の外部情報編集処理における始動口信号編集処理(ステップC89)の詳細について図100を用いて説明する。図100は、第1の実施形態の始動口信号編集処理のフローチャートを示す図である。始動口信号編集処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37a,37dの入力があった場合に、各々の入力について共通しておこなわれる処理である。
始動口信号編集処理では、まず、始動口信号出力制御タイマが「0」でなければ「−1」更新する(ステップC111)。なお、始動口信号出力制御タイマの最小値は「0」に設定されている。そして、始動口信号出力制御タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップC112)。始動口信号出力制御タイマの値が「0」である場合(ステップC112;Y)は、始動口信号出力回数が「0」であるか否かを判定する(ステップC113)。
そして、始動口信号出力回数が「0」でない場合(ステップC113;N)は、始動口信号出力回数を「−1」更新し(ステップC114)、始動口信号出力制御タイマ領域に始動口信号出力制御タイマ初期値をセーブする(ステップC115)。この始動口信号出力制御タイマ初期値は、始動口信号のオン状態(たとえば、ハイレベル)の時間(たとえば、128ms)とオフ状態(たとえば、ロウレベル)の時間(たとえば、64ms)を加算した時間(たとえば、192ms)となっている。その後、始動口信号をオン状態にするオンデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップC117)、始動口信号編集処理を終了する。また、始動口信号出力回数が「0」である場合(ステップC113;Y)は、外部装置用の始動口信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップC118)、始動口信号編集処理を終了する。
一方、始動口信号出力制御タイマの値が「0」でない場合(ステップC112;N)は、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中であるか否かを判定する(ステップC116)。なお、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中であるとは、始動口信号出力制御タイマの値が所定時間(たとえば64ms)以上であることである。始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中である場合(ステップC116;Y)は、処理をステップC117に移行する。また、始動口信号出力制御タイマが出力オン区間中でない場合(ステップC116;N)は、外部装置用の始動口信号をオフ状態にするオフデータをRWMの外部情報出力データ領域にセーブして(ステップC118)、始動口信号編集処理を終了する。
次に、演出制御装置300の制御について説明する。なお、演出制御装置300が制御する特図は、表示装置41に表示される演出用の特図であり、以下の演出制御装置300の制御処理の説明における特図は、この演出用の特図(本特図ではない飾り図柄)を意味する。
〔メイン処理〕
まず、演出制御装置300のメイン処理を図101を用いて説明する。図101は、第1の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
メイン処理は、遊技機10の電源供給が開始された時点で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD11]制御部は、割込みを禁止する。
[ステップD12]制御部は、CPU311の初期設定をおこなう。
[ステップD13]制御部は、VDP312の初期設定をおこなう。
[ステップD14]制御部は、割込みを許可する。
[ステップD15]制御部は、表示用データ生成を許可する。すなわち、制御部は、VDP312内の表示回路(図示省略)がVDP312内のVRAM(図示省略)へアクセスをおこない、表示データを生成することを許可する。
[ステップD16]制御部は、乱数シードを設定する。これは、たとえばsrand関数を用いて擬似乱数の発生系列を設定する処理である。ここで、制御部は、srand関数に与える引数として0(ゼロ)等の固定値を使用してもよいし、遊技機ごとに異なるようにCPU等のID値等を基に作成した値を使用してもよい。
[ステップD17]制御部は、演出制御装置300のRWM(たとえばRAM322)における初期化すべき領域(たとえば、演出用フラグ領域(当該演出制御装置300の制御処理において後述する各種のフラグとして使う記憶領域))に電源投入時の初期値をセーブする。
[ステップD18]制御部は、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)をクリアする。
[ステップD19]制御部は、演出ボタン入力処理を実行する。演出ボタン入力処理は、演出ボタン(選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25b)が有効時に操作された場合の編集をおこなう処理である。なお、演出ボタンは高速でオンオフしないので、制御部は、演出ボタンの入力を感知する処理を演出ボタン入力処理内でおこなってもよいし、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなってもよい。
[ステップD20]制御部は、ホール・遊技者設定モード処理を実行する。ホール・遊技者設定モード処理は、LEDや表示装置41の輝度、音量等の変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや表示装置41の輝度、音量の変更等の操作を受け付ける処理である。
[ステップD21]制御部は、乱数更新処理を実行する。乱数更新処理は、たとえばrand関数を用いてメイン処理の制御周期ごとに少なくとも1回の擬似乱数の更新をおこなう処理である。rand関数は、再計算がおこなわれる度に指定の生成系列にもとづいて乱数を生成するので、制御部は、rand関数を実行するだけで乱数を得ることができる。なお、主基板(遊技制御装置100)のように「1」ずつインクリメントするカウンタを乱数として用いてもよい。
[ステップD22]制御部は、受信コマンドチェック処理を実行する。受信コマンドチェック処理については、後で図102を用いて説明する。
[ステップD23]制御部は、演出表示編集処理を実行する。演出表示編集処理は、VDP312に表示装置41での描画内容を指示するための各種コマンドとそのパラメータの設定をおこなう処理である。たとえば、制御部は、演出表示編集処理においてコマンドをテーブル状に設定する。
[ステップD24]制御部は、描画コマンド準備終了設定を実行する。描画コマンド準備終了設定は、演出表示編集処理で設定されるVDP312へのすべてのコマンドの準備が終了したことを設定する処理である。
[ステップD25]制御部は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定し、フレーム切替タイミングであればステップD26に進み、フレーム切替タイミングでなければフレーム切替タイミングを待つ。ここで、フレーム切替タイミングは、Vブランク割込み(Vシンク割込みともいう)の周期(たとえば1/60秒)を基に作成された処理周期(たとえば1/30秒≒33.333ms)に相当する時間的間隔で到来するタイミングである。なお、Vブランク割込みは、VDP312によって描画のための画面全体の1回の走査が終了する度に発生する。このVブランク割込みの発生周期は、前述したように、たとえば1/60秒である。本実施例の場合、同じ描画が2回繰り返されてVブランク割込みが2回発生するとフレーム切替がおこなわれ、フレーム切替タイミングの周期は、Vブランク割込みの周期(たとえば1/60秒)の2倍(たとえば1/30秒≒33.33ms)になる。但し、この態様に限られず、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、たとえば、1/30秒以上の周期でフレーム切替(画像の更新)をおこなってもよいし、1/30秒以下の周期でフレーム切替をおこなってもよい。
フレーム切替タイミングの判定処理によって、これより後の処理(ステップD26乃至ステップD31、およびその後のステップD18乃至ステップD24)は、このフレーム切替タイミングで上記処理周期ごとに実行される。なお、演出内容と同期する必要のある時間管理は、このフレーム単位(すなわち、上記処理周期単位)でおこなわれる。上記処理周期が、1/30秒の場合、たとえば3フレームでは100msになる。このことは、主基板(遊技制御装置)がタイマ割込み周期の4ms単位で時間値管理しているのと同様である。
[ステップD26]制御部は、ステップD23で設定したコマンドにしたがいVDP312に画面描画を指示する。たとえば、制御部は、テーブル状に設定したコマンドを順次送信して、VDP312に画面描画を指示する。
[ステップD27]制御部は、サウンド制御処理を実行する。サウンド制御処理は、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の音量制御に関する処理である。
[ステップD28]制御部は、装飾制御処理を実行する。装飾制御処理は、盤装飾装置46や枠装飾装置18、ポイント表示器49等の各種LED等を制御する処理である。
[ステップD29]制御部は、可動体制御処理を実行する。可動体制御処理は、各種モータやSOL(ソレノイド)を含む可動体(たとえば、盤演出装置44)を制御する処理である。
[ステップD30]制御部は、発射情報制御処理を実行する。発射情報制御処理は、発射状態フラグにもとづいて、発射関連情報を設定するとともに、特図回転状態(所定金額分(すなわち所定貸球数分)の遊技あたりの特図変動回数)に応じた演出のモード補正をおこなう処理である。
[ステップD31]制御部は、ポイント制御処理を実行する。ポイント制御処理は、ポイントゲート48の入賞検出を契機に付与されるポイント数の累積値管理と、ポイント数の累積値に応じた特典の付与制御とをおこなう処理である。
制御部は、ステップD31を実行した後にステップD18に戻り、以降、ステップD18乃至ステップD31の処理を繰り返し実行する。すなわち、ステップD18乃至ステップD31は、演出制御装置300の起動後に上記処理周期で繰り返し実行されるループ処理(場合によりメインループ処理という)を構成している。
なお、制御部は、画面の演出に合わせるためメインループ処理内でステップD27乃至ステップD29の処理を実行しているが、これら制御処理で生成または設定された信号やデータ(特に各種LEDやモータを駆動制御する信号等)を実際にポートに出力する処理は、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなわれる。ただし、各種デバイスの制御に特化したICを使用している場合は、シリアル通信等で指示するだけで、タイマ割込みで信号等の出力をおこなわない場合もある。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、受信コマンドチェック処理について図102を用いて説明する。図102は、第1の実施形態の演出制御装置における受信コマンドチェック処理のフローチャートを示す図である。受信コマンドチェック処理は、メイン処理のステップD22で制御部によって実行される処理である。
なお、受信コマンド(演出コマンド)は、MODEのデータ(1バイト)とACTIONのデータ(1バイト)とを含む構成となっており、遊技制御装置(主基板)100から演出制御装置300に演出コマンドが順次送信される。以下では、コマンドを構成するこのようなデータを、コマンドのデータあるいはコマンドデータという。
また、主基板からのコマンド受信の処理は、図示省略した「コマンド受信割込み処理」によっておこなわれる。すなわち、本例のシリアル通信では、ハード的に(CPU自身の機能により)自動で送受信がおこなわれ、コマンドを受信完了すると割込み(コマンド受信割込み)が発生して知らせてくれるので、あとはシリアル受信バッファから取り出すだけでよいが、上記「コマンド受信割込み処理」では、コマンド受信割込みがあるごとに、シリアル受信バッファからコマンドをロードし、ロードしたコマンドデータに異常がないかチェックした上で、当該コマンドデータ(MODEとACTIONのデータ)をコマンドバッファに格納し、格納した分だけコマンド受信カウンタの値を「1」だけ増やす更新をおこなう。なお、制御処理の説明において、単に「格納する」というときは、後の制御処理に使用するために所定の記憶領域に読出し可能に記憶保存することを意味する(以下同様)。また、コマンドバッファは、たとえばリングバッファである。このコマンドバッファは、たとえばCPU311のRAM311a(あるいはRAM322)内の記憶領域によって構成される。コマンドバッファの容量は、システム制御周期(前述の処理周期;たとえば1/30秒)で主基板から送信される可能性のあるコマンド数以上になっていればよい。
[ステップD41]制御部は、コマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする。なお、コマンド受信カウンタは、RWM(RAM322またはRAM311a)に設定される。コマンド受信カウンタは、ステップD43において原則として「0」クリアされるので、1フレーム(1/30秒間)の間(前述の処理周期の1周期分の時間)に受信したコマンド数を記憶する。
[ステップD42]制御部は、コマンド受信数が「0(ゼロ)」か否かを判定し、コマンド受信数が「0」でなければステップD43に進み、コマンド受信数が「0」であれば受信コマンドチェック処理を終了する。なお本願では、上記ステップD41のように、制御処理においてデータを「ロードする」とは、RAM(本例の演出制御装置300ではRAM322またはRAM311a)からデータを取り出すことを意味する。
[ステップD43]制御部は、コマンド受信カウンタ領域の内容(すなわち、コマンド受信カウンタの値)をコマンド受信数分減算する。
なお、A:コマンド受信カウンタの値、B:コマンド受信数とすると、ステップD41の実行直後で「A=B」である。そして、ステップD43の実行直後では「A=A−B=0」となるのが通常の動きだが、本例の態様では、演出制御装置300は遊技制御装置(主基板)100からのコマンド受信割込みを割込み禁止にせず最優先にしているので、ステップD41の処理からステップD43の処理までの間にAの値が増えている可能性がある。よって、ステップD43の処理を「A←0」(すなわち、コマンド受信カウンタの値をゼロとする処理)としてしまうとコマンドのカウントがずれてしまうので、ステップD43では「A−B」という減算処理をおこなっている。但し、本実施例のように主基板からのコマンドの送受信にシリアル通信を使用した場合は、割込み禁止にしてステップD41の処理からステップD153までの処理の間にAの値が増えることがないようして、ステップD43の処理内容を「A←0」としてもよい。
[ステップD44]制御部は、受信コマンドバッファ(コマンドバッファに相当、以下単にコマンドバッファという場合もある)の内容(すなわち、コマンドバッファの読出用ポインタに対応するアドレスに記憶されているコマンドデータ)をコマンド領域(場合により、コマンド格納領域という)にコピーする。コマンド領域は、たとえばRAM322またはRAM311a内の記憶領域にあって、いわゆるFIFO形式(先入れ先出し形式)のバッファである。
[ステップD45]制御部は、コマンドバッファのデータを読出したので、コマンドバッファの読出用ポインタであるコマンド読出インデックスの値を、たとえば「0」乃至「31」の範囲で「1」だけ増やす更新をおこなう。なお、ここでの「0」乃至「31」の範囲は、コマンドバッファの容量(たとえば、「32」)に対応している。
[ステップD46]制御部は、コマンド受信数分のコマンドをコピー完了したか否か(すなわち、コマンド受信数分だけステップD44およびステップD45を繰り返し実行したか否か)を判定する。制御部は、コマンド受信数分のコマンドをコピー完了した場合にステップD47に進み、コピー完了していない場合にステップD44に進む。
[ステップD47]制御部は、コマンド領域の内容(コマンド領域の未だ読出されていないデータのうちで一番先に格納されたデータ、すなわち、次に読出すべきデータ)をロード(すなわち、読出し)する。
[ステップD48]制御部は、受信コマンド解析処理を実行する。受信コマンド解析処理は、ロードしたコマンド(以下、今回のコマンドという)のデータを解析する処理である。受信コマンド解析処理については、図103を用いて後で説明する。
[ステップD49]制御部は、コマンド領域のアドレス(次に読出すべきデータのアドレス)を更新する。
[ステップD50]制御部は、コマンド受信数分のコマンドを解析完了したか否か(すなわち、コマンド受信数分だけステップD47乃至ステップD49を繰り返し実行したか否か)を判定する。制御部は、コマンド受信数分のコマンドを解析完了していない場合にステップD47に進み、解析完了した場合に受信コマンドチェック処理を終了する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、受信コマンド解析処理について図103を用いて説明する。図103は、第1の実施形態の演出制御装置における受信コマンド解析処理のフローチャートを示す図である。受信コマンド解析処理は、受信コマンドチェック処理のステップD48で制御部によって実行される処理である。
[ステップD51]制御部は、受信コマンドチェック処理のステップD47においてロードした今回のコマンドのデータのうちの上位バイトをMODEに、下位バイトをACTにそれぞれ分離して記憶する。なお、特図の変動パターンを指令する変動系のコマンドの場合、MODEとして記憶される上位バイトのデータは前半変動パターンを指令し、ACTとして記憶される下位バイトのデータは後半変動パターンを指令するものである。
[ステップD52]制御部は、ステップD51で分離されたMODEの値が正常範囲にあるか否かを判定する。制御部は、MODEの値が正常範囲にある場合にステップD53に進み、MODEの値が正常範囲にない場合に受信コマンド解析処理を終了する。なお、MODEの値は定義されずに使用されていない値もあり、このような使用されていない値である場合には、ステップD52の判定で正常範囲でないと判定される。
[ステップD53]制御部は、ステップD51で分離されたACTの値が正常範囲にあるか否かを判定する。制御部は、ACTの値が正常範囲にある場合にステップD54に進み、ACTの値が正常範囲にない場合に受信コマンド解析処理を終了する。
また、上記ステップD53における、ステップD51で分離されたACTの値が正常範囲か否かの判定は、たとえば次のようにおこなう。すなわち、MODEごとに有効なACTの値は異なり、このACTの有効値の上限〜下限は所定のACTIONチェックテーブル(図示省略)に定義されており、ステップD53ではこの上限〜下限の範囲内に分離されたACTの値が収まっているかをチェックし、収まっていれば正常範囲と判定する(この時点では後述する歯抜けチェックができていない)。
[ステップD54]制御部は、分離されたMODEの値に対する分離されたACTの値が正しい組み合わせであるか否かを判定する。制御部は、ACTの値が正しい組み合わせである場合にステップD55に進み、正しい組み合わせでない場合に受信コマンド解析処理を終了する。ACTの値が正しい組み合わせであるか否かの判定は、たとえば一致チェックテーブルを使っておこなうことができる。一致チェックテーブルは、MODEの値に対して有効なすべてのACTの値(ACTIONの値)が先頭アドレスから順に登録されたものであり、MODEの値ごとに設けられている。そして、MODEの値に対応するこの一致チェックテーブルの中に、分離されたACTの値が有れば正しい組み合わせであると判定でき、一致チェックテーブルの中に分離されたACTの値が無ければ正しい組み合わせでないと判定できる。
なお、ACTの値が正しい組み合わせであるか否かの判定は、MODEに対して正常なACTの組み合わせになっているか否かの歯抜けチェックを含めて実行している。1つのMODEに対し、有効なACTは複数あるがそれらの値が連続しているとは限らない(すなわち、不連続に存在していない値、歯抜けになっている値がある)ので、コマンドが有効値であるかを比較確認している。そして、一致チェックテーブル中には有効値のみ定義されているので、それらのいずれかと一致するかを1つ1つ比較確認している。
[ステップD55]制御部は、MODEのデータが変動系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEの値が変動系コマンド範囲内にある場合に変動系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD56)、MODEのデータが変動系コマンド範囲内にない場合にステップD57に進む。
ここで、MODEのデータとは、ステップD51で分離されて記憶されたMODEのデータである(後述のステップD57等でも同様)。また、変動系コマンド(変動コマンドあるいは変動パターンコマンドという場合もある)は、特図の変動パターンを指令するコマンドであり、この変動コマンドのデータがとり得る範囲が変動系コマンド範囲である。
[ステップD57]制御部は、MODEのデータが大当り系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEのデータが大当り系コマンド範囲内にある場合に大当り系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD58)、MODEのデータが大当り系コマンド範囲内にない場合にステップD59に進む。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示等)を指令するコマンドであり、この大当り系コマンドのデータがとり得る範囲が大当り系コマンド範囲である。
[ステップD59]制御部は、MODEのデータが図柄系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEの値が図柄系コマンド範囲内にある場合に図柄系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD60)、MODEのデータが図柄系コマンド範囲内にない場合にステップD61に進む。図柄系コマンド(図柄コマンド、あるいは飾り特図コマンドという場合もある)は、特図の図柄に関する情報(たとえば、特図の停止図柄を何にするか等)を指令するコマンドであり、この図柄コマンドのデータがとり得る範囲が図柄系コマンド範囲である。
[ステップD61]制御部は、MODEのデータが単発系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEの値が単発系コマンド範囲内にある場合に単発系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD62)、MODEのデータが単発系コマンド範囲内にない場合にステップD63に進む。なお、図柄コマンドと変動系コマンドのように組み合わせで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドを単発系コマンドという。単発系コマンド(単発コマンドという場合もある)には、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンド等がある。この単発コマンドのデータがとり得る範囲が単発系コマンド範囲である。
[ステップD63]制御部は、MODEのデータが先読み図柄系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEのデータが先読み図柄系コマンド範囲内にある場合に先読み図柄系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD64)、MODEのデータが先読み図柄系コマンド範囲内にない場合にステップD65に進む。
[ステップD65]制御部は、MODEのデータが先読み変動系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEのデータが先読み変動系コマンド範囲内にある場合に先読み変動系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD66)、MODEのデータが先読み変動系コマンド範囲内にない場合にステップD67に進む。なお、先読み図柄系コマンドおよび先読み変動系コマンドは、先読み演出のためのコマンドである。
ここで、先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出ともいう)とは、特図の変動表示ゲームが未実行の始動入賞記憶(始動入賞記憶の保留、あるいは単に保留という)に対応する変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、始動入賞記憶の保留表示等を通常と異なる態様でおこなう等の演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド、および先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動入賞記憶の保留に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
[ステップD67]制御部は、MODEのデータが特図ゲーム系コマンド範囲内にあるか否かを判定する。制御部は、MODEのデータが特図ゲーム系コマンド範囲内にある場合に特図ゲーム系コマンド処理(詳細省略)を実行し(ステップD68)、MODEのデータが特図ゲーム系コマンド範囲内にない場合に受信コマンド解析処理を終了する。なお、特図ゲーム系コマンドは、特図ゲームの進行に関するコマンドである。たとえば、特図ゲーム系コマンドは、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、大入賞口開放n回目コマンド、インターバルコマンド、エンディングコマンド等を含む。
〔ポイント制御処理〕
まず、ポイント制御の対象となるポイント遊技について説明する。ポイント遊技は、ポイントゲート48の入賞検出(通過検出)を契機に付与されるポイントを累積して、ポイント数の累積値を所定の契機で特典に交換して遊技者に付与する遊技演出である。付与対象となる特典は、通常の遊技において出現頻度の小さい演出、またはポイント数の累積値との交換によってしか出現しない演出を、演出制御装置300が実行することである。
次に、ポイント制御処理について図104を用いて説明する。図104は、第1の実施形態の演出制御装置におけるポイント制御処理のフローチャートを示す図である。ポイント制御処理は、メイン処理のステップD31で制御部によって実行される処理である。
[ステップD71]制御部は、ポイント初期化処理を実行する。ポイント初期化処理は、所定の初期化契機でポイント数の累積値および遊技者に付与した特典を初期化する処理である。ポイント初期化処理については、図105を用いて後で説明する。
[ステップD72]制御部は、ポイント更新処理を実行する。ポイント更新処理は、所定契機でポイント数の累積値を更新する処理である。ポイント更新処理については、図106を用いて後で説明する。
[ステップD73]制御部は、ポイント交換処理を実行する。ポイント交換処理は、所定契機でポイント数の累積値を遊技者に付与する特典に交換する処理である。ポイント交換処理については、図109を用いて後で説明する。制御部は、ポイント交換処理の実行後にポイント制御処理を終了する。
〔ポイント初期化処理〕
次に、ポイント初期化処理について図105を用いて説明する。図105は、第1の実施形態の演出制御装置におけるポイント初期化処理のフローチャートを示す図である。ポイント初期化処理は、ポイント制御処理のステップD71で制御部によって実行される処理である。ポイント初期化処理は、ポイント累積値の初期化に関する処理と、ポイント交換により付与した特典のリセットに関する処理とを含む。
[ステップD81]制御部は、状態情報を取得する。状態情報は、ポイント累積値(ポイント数の累積値)のリセット契機を決定するための情報である。たとえば、状態情報は、遊技制御状態情報として特図ゲームや普図ゲームの遊技状態を含み、演出制御状態情報として演出制御装置300の電源投入後の初期状態やポイント遊技における特典付与に伴う制御状態等を含む。
[ステップD82]制御部は、取得した状態情報から特定される状態が、ポイント累積値のリセット契機となる状態であるか否かを判定する。制御部は、リセット契機となる状態でない場合にステップD83に進み、リセット契機となる状態である場合にステップD85に進む。
たとえば、制御部は、電源投入後の初期状態をポイント累積値のリセット契機であると判定することができる。これにより、制御部は、電源投入後の初期状態においてポイント累積値をリセットすることができる。なお、制御部は、停電復帰後の電源投入においては、ポイント累積値のリセット契機とせずに停電検出時のポイント累積値を保持することができる。また、制御部は、ポイント累積値にもとづく特典付与を、ポイント累積値のリセット契機であると判定することができる。また、制御部は、大当り発生等の遊技状態を、ポイント累積値のリセット契機であると判定することができる。
[ステップD83]制御部は、ポイント累積値リセットタイマを取得する。ポイント累積値リセットタイマは、ポイント累積値のリセット契機を時間経過により決定するためのタイマである。たとえば、制御部は、客待ち状態を検出したときに監視時間(たとえば5分)をポイント累積値リセットタイマにセットする。これにより、制御部は、客待ち状態が監視時間だけ継続したタイミングをポイント累積値のリセット契機とすることができる。
[ステップD84]制御部は、ポイント累積値リセットタイマにもとづいてポイント累積値のリセット契機となるタイミングであるか否かを判定する。制御部は、ポイント累積値のリセット契機となるタイミングである場合にステップD85に進み、ポイント累積値のリセット契機となるタイミングでない場合にステップD86に進む。
[ステップD85]制御部は、ポイント累積値をリセット(たとえば、「0」クリア)する。なお、ポイント累積値は、必ずしも「0」クリアでリセットされなくともよく、ランダムな初期値(たとえば、「5」や「10」等)を設定してリセットされるものであってもよい。
[ステップD86]制御部は、ステップD81で取得した状態情報から特定される状態が、ポイント交換により付与した特典のリセット契機となる状態であるか否かを判定する。制御部は、リセット契機となる状態である場合にステップD87に進み、リセット契機となる状態でない場合にポイント初期化処理を終了する。
たとえば、制御部は、ポイント交換により付与した特典を大当り中の特別演出(たとえば、特別な映像出力や音声出力等)としたとき、大当りの終了をポイント交換により付与した特典のリセット契機であると判定することができる。また、ポイント交換により付与した特典を通常遊技中の特別演出(たとえば、特別な映像出力や音声出力等)としたとき、大当りの発生をポイント交換により付与した特典のリセット契機であると判定することができる。これにより、制御部は、ポイント交換により付与した特典の終期を明確にすることができる。
[ステップD87]制御部は、特典付与リセットタイマを取得する。特典付与リセットタイマは、付与した特典のリセット契機を時間経過により決定するためのタイマである。たとえば、制御部は、特典を付与したときに継続時間(たとえば10分)を特典付与リセットタイマにセットする。これにより、制御部は、特典付与状態が継続時間だけ継続したタイミングを付与した特典のリセット契機とすることができる。
[ステップD88]制御部は、特典付与リセットタイマにもとづいて付与した特典のリセット契機となるタイミングであるか否かを判定する。制御部は、付与した特典のリセット契機となるタイミングである場合にステップD89に進み、付与した特典のリセット契機となるタイミングでない場合にポイント初期化処理を終了する。
[ステップD89]制御部は、付与した特典をリセット(たとえば、特別演出から通常演出への復帰)し、ポイント初期化処理を終了する。
なお、遊技機10は、付与した特典のリセット契機を遊技客の交代検出としてもよく、この場合、遊技機10は、先に付与した第1の特典に累積して第2の特典を遊技者に付与するようにしてもよい。たとえば、遊技者は、第1の特典として特別な表示演出(たとえば、背景表示)と、第2の特典として特別な音声演出(たとえば、BGM(バックグラウンドミュージック)出力)とを同時に享受できる。
また、遊技機10が特典を累積して遊技者に付与する場合、第1の特典が付与されていることを条件にして第2の特典を付与するようにしてもよい。たとえば、遊技者は、第1の特典として特別な表示演出(たとえば、背景表示)を享受している場合に、第2の特典としてさらに特別な表示演出(たとえば、プレミアム背景表示)を享受できる。
〔ポイント更新処理〕
次に、ポイント更新処理について図106および図108を用いて説明する。図106は、第1の実施形態の演出制御装置におけるポイント更新処理のフローチャートを示す図である。ポイント更新処理は、ポイント制御処理のステップD72で制御部によって実行される処理である。ポイント更新処理は、ポイントゲート48の入賞検出を契機に付与されるポイント数を決定し、ポイント累積値を更新する処理である。
[ステップD91]制御部は、状態情報を取得する。状態情報は、ポイントゲート48の有効状態、およびポイントゲート48への入賞時の遊技状態に応じた付与ポイントを決定するための情報である。たとえば、状態情報は、遊技制御状態情報として特図ゲームや普図ゲームの遊技状態を含み、演出制御状態情報として演出制御装置300の電源投入後の初期状態やポイント遊技における特典付与に伴う制御状態等を含む。
[ステップD92]制御部は、取得した状態情報から特定される状態が、ポイントゲート48の有効状態であるか否かを判定する。制御部は、有効状態である場合にステップD93に進み、有効状態でない場合にポイント更新処理を終了する。
[ステップD93]制御部は、ポイントゲート48の入賞検出があるか否かを判定する。制御部は、入賞検出がある場合にステップD94に進み、入賞検出がない場合にポイント更新処理を終了する。なお、制御部は、図示していない短周期のタイマ割込み内でポイントゲート48の入力変化を感知する処理をおこなうことができ、当該感知結果を参照してポイントゲート48の入賞検出があるか否かを判定できる。
[ステップD94]制御部は、ポイントゲート48の入賞検出を契機に付与されるポイント数を決定するための抽選用乱数を取得する。なお、抽選用乱数は、ポイントゲート48の入賞契機に対して十分高速に更新されるカウンタ値であってもよい。
[ステップD95]制御部は、ポイントテーブルを参照する。ここで、ポイントテーブルについて図107を用いて説明する。図107は、第1の実施形態のポイントテーブルの一例を示す図である。
ポイントテーブルは、項目「遊技状態」と、項目「判定値」と、項目「加算ポイント」を含むデータである。項目「遊技状態」は、遊技状態A、遊技状態B、遊技状態C、および遊技状態Dを含む。たとえば、遊技状態Aは特図ゲームにおける通常遊技状態であり、遊技状態Bは特図ゲームにおける時短中遊技状態であり、遊技状態Cは特図ゲームにおける確変中遊技状態であり、遊技状態Dは特図ゲームにおける大当り中遊技状態である。なお、遊技状態A、遊技状態B、遊技状態C、および遊技状態Dのいずれに、具体的な遊技状態を割り当てるかは、任意に設定可能である。たとえば、遊技状態Cは確変中遊技状態を割り当てられることに代えて小当り中遊技状態、あるいは小当り発生から所定時間経過までの遊技状態が割り当てられるものであってもよい。また、遊技状態A、遊技状態B、遊技状態C、および遊技状態Dは、2以上の遊技状態が割り当てられるものであってもよく、たとえば遊技状態Bは、時短中遊技状態または確変中遊技状態が割り当てられるものであってもよい。
項目「判定値」は、ステップD94で取得した抽選用乱数(たとえば、「0」から「255」の一様乱数)に対応する判定値である。項目「加算ポイント」は、項目「遊技状態」と、項目「判定値」に対応する加算ポイントを示す。たとえば、ポイントテーブルは、遊技状態Aに相当する遊技状態において、抽選用乱数が「0」から「250」のとき加算ポイントが「1」であることを示し、抽選用乱数が「251」から「254」のとき加算ポイントが「2」であることを示し、抽選用乱数が「255」のとき加算ポイントが「5」であることを示す。また、ポイントテーブルは、遊技状態Bに相当する遊技状態において、抽選用乱数が「0」から「100」のとき加算ポイントが「1」であることを示し、抽選用乱数が「101」から「250」のとき加算ポイントが「2」であることを示し、抽選用乱数が「251」から「255」のとき加算ポイントが「5」であることを示す。また、ポイントテーブルは、遊技状態Cに相当する遊技状態において、抽選用乱数が「0」から「200」のとき加算ポイントが「1」であることを示し、抽選用乱数が「201」から「250」のとき加算ポイントが「2」であることを示し、抽選用乱数が「251」から「255」のとき加算ポイントが「5」であることを示す。また、ポイントテーブルは、遊技状態Dに相当する遊技状態において、抽選用乱数が「0」から「255」のとき加算ポイントが「5」であることを示す。
これにより、遊技機10は、遊技状態が同じであっても抽選用乱数により加算ポイントを異ならせることで、ポイント遊技の興趣を向上させることができる。
また、ポイントテーブルは、遊技状態A、遊技状態B、遊技状態C、および遊技状態Dの判定値を異ならせることで、各遊技状態において付与される加算ポイントの期待値の大きさを異ならせることができる。また、ポイントテーブルは、遊技状態Dに示すように抽選用乱数の値によらず加算ポイントを固定するものであってもよい。これにより、遊技機10は、遊技状態に応じた期待値の高低によりポイント遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技機10は、遊技状態が明示されていない場合(たとえば潜伏確変等)、加算ポイントの大きさから遊技状態を遊技者に示唆することができ、ポイント遊技の興趣を向上させることができる。
再び、図106を用いたポイント更新処理の説明に戻る。
[ステップD96]制御部は、ステップD91で取得した状態情報と、ステップD94で取得した抽選用乱数と、ポイントテーブルとから加算ポイントを決定する。
[ステップD97]制御部は、加算ポイントをポイント累積値に加算してポイント累積値を更新し、ポイント更新処理を終了する。なお、ポイント累積値が更新により上限値に達した場合、ポイント累積値を上限値として余剰分を切り捨ててもよい。
次に、ポイント累積値更新過程について図108を用いて説明する。図108は、第1の実施形態のポイント累積値更新過程のポイント表示器の表示例を示す図である。遊技機10は、ポイント更新処理の実行によりポイント表示器49の2桁の7セグメントLED49a,49bにポイント累積値を表示できる。これにより、遊技状態Aにおいて、遊技機10は、表示例(a1)から表示例(a3)に示すように、ポイントゲート48への入賞ごとにポイント累積値を「1」、「2」、「3」と更新できる。このような「1」インクリメント更新により、遊技機10は、遊技者に対してポイント遊技という新たな興趣を提供できる。
また、遊技状態Dにおいて、遊技機10は、表示例(b1)から表示例(b3)に示すように、ポイントゲート48への入賞ごとにポイント累積値を「1」、「6」、「11」と更新できる。このような「5」インクリメント更新により、遊技機10は、遊技者に対して遊技状態に応じて価値変化を伴う興趣を提供できる。
また、明示されない遊技状態において、遊技機10は、表示例(c1)から表示例(c3)に示すように、ポイントゲート48への入賞ごとにポイント累積値を「1」、「6」、「7」と更新できる。このような複数種類の加算値が混在するインクリメント更新により、遊技機10は、遊技者に対して遊技状態に応じて多様な価値変化を伴う興趣を提供できる。また、遊技機10は、明示されない遊技状態を遊技者に対して示唆し、遊技者が現在の遊技状態を推定する興趣を提供できる。たとえば、表示例(c1)から表示例(c3)に示すようなポイント累積値更新過程は、遊技状態A、遊技状態B、遊技状態C、および遊技状態Dのうちから遊技状態Dの可能性を否定する。また、表示例(c1)から表示例(c3)に示すようなポイント累積値更新過程は、加算値の出現頻度から現在の遊技状態が遊技状態A、遊技状態B、または遊技状態Cであることを示唆する。
すなわち、ポイント表示器49は、ポイント遊技におけるポイント累積値表示手段として機能するだけでなく、遊技状態報知手段として機能し得る。
なお、遊技機10は、7セグメントLED49a,49bの表示態様により、遊技状態を遊技者に対して示唆してもよい。たとえば、表示例(b1)から表示例(b3)に示すような他の遊技状態よりもポイント加算値が大きな遊技状態において、7セグメントLED49a,49bの表示態様を点灯表示から点滅表示に変更するようにしてもよい。
なお、ポイント表示器49は、ポイント累積値を表示するようにしたが、ポイント累積値を更新する際に所定時間だけポイント加算値を表示するようにしてもよい。これにより、遊技者は、ポイント累積値に加算されるポイントの大きさを容易に把握することができる。また、遊技機10は、ポイント累積値を更新する際に効果音やその他照明等によって遊技者にポイント累積値の更新を報知するようにしてもよい。また、遊技機10は、ポイント累積値に加算されるポイントの大きさにしたがい報知態様を変更するようにしてもよい。これにより、遊技者は、ポイント累積値にポイントを加算するタイミングや、ポイント累積値に加算されるポイントの大きさを容易に把握することができる。
〔ポイント交換処理〕
次に、ポイント交換処理について図109を用いて説明する。図109は、第1の実施形態の演出制御装置におけるポイント交換処理のフローチャートを示す図である。ポイント交換処理は、ポイント制御処理のステップD73で制御部によって実行される処理である。ポイント交換処理は、ポイント累積値を特典に交換する処理である。
[ステップD101]制御部は、ポイント交換制御情報を取得する。ポイント交換制御情報は、ポイント遊技の進行管理に関する制御情報である。制御部は、ポイント交換制御情報を参照することで、ポイントを加算可能な状態か否か、特典交換可能な状態か否か、特典付与中か否か、ポイント交換に係る選択操作(特典付与選択操作)中か否か等を判定できる。
[ステップD102]制御部は、取得したポイント交換制御情報から、特典付与選択操作中であるか否かを判定する。制御部は、後述するステップD105で特典付与選択操作制御状態がセットされている場合に、特典付与選択操作中であると判定できる。制御部は、特典付与選択操作中でない場合にステップD103に進み、特典付与選択操作中である場合にステップD107に進む。
[ステップD103]制御部は、ポイント累積値を取得する。
[ステップD104]制御部は、ポイント交換条件が成立しているか否かを判定する。たとえば、制御部は、特典交換可能な状態かつポイント累積値が上限値(たとえば「100」)に達している場合にポイント交換条件が成立していると判定する。制御部は、ポイント交換条件が成立している場合にステップD105に進み、ポイント交換条件が成立していない場合にポイント交換処理を終了する。
[ステップD105]制御部は、特典付与選択操作制御状態をセットする。特典付与選択操作制御状態は、付与する特典を遊技者に選択させる制御状態であり、特典の選択肢や操作案内を表示装置41に表示し、特典の選択操作のための選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bからの操作入力を受け付け可能とする状態である。制御部は、特典付与選択操作制御状態にもとづいて演出表示編集処理(メイン処理のステップD23)を実行することで、特典の選択肢や操作案内を表示装置41に表示できる。また、制御部は、特典付与選択操作制御状態にもとづいて演出ボタン入力処理(メイン処理のステップD19)を実行することで、特典の選択操作のための選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bからの操作入力を受け付けることができる。
[ステップD106]制御部は、ポイント累積値をリセットしてポイント交換処理を終了する。
[ステップD107]制御部は、遊技者が特典を決定したか否かを判定する。制御部は、操作受付時間中の決定ボタンスイッチ25bからの操作入力によって遊技者が特典を決定したか否かを判定できる。なお、制御部は、操作受付時間中に決定ボタンスイッチ25bからの操作入力がない場合に、デフォルト設定された特典あるいは選択操作中の特典を遊技者が決定したとみなすことができる。
[ステップD108]制御部は、遊技者が付与対象として決定した特典をセットする。制御部は、特典セットにもとづいて演出表示編集処理(メイン処理のステップD23)を実行することで、特典となる映像演出を表示装置41に表示したり、特典となる音声演出をスピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)から出力したり、盤演出装置44等の可動体を動作させたりすることができる。制御部は、特典をセットした後、ポイント交換処理を終了する。
なお、遊技機10は、遊技者が付与対象となる特典を選択して決定したが、遊技者の操作を受け付けずにあらかじめ定める特典を付与するものであってもよい。また、遊技機10は、遊技者の操作を受け付けずに特典を付与する場合に、複数の選択肢から1つを無作為に選択してもよいし、所定条件にしたがい選択してもよい。
ここで、遊技機10が表示装置41に表示する特典の選択肢や操作案内について図110を用いて説明する。図110は、第1の実施形態の表示装置に表示する特典の選択操作画面の一例を示す図である。
選択操作表示900は、遊技機10が表示装置41に表示する特典の選択肢や操作案内を含む表示である。選択操作表示900は、ポイント遊技関連表示910と、特図ゲーム遊技表示914を含む。ポイント遊技関連表示910は、ポイント遊技に関連する表示であって、操作案内表示911と、プレミアム演出(ポイント遊技特典)の選択肢表示912とを含む。操作案内表示911は、ポイント遊技の特典付与に関する操作方法を文字や絵、アイコン等の視覚情報により遊技者に案内する表示である。また、操作案内表示911は、オプション設定部(選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25b)25を操作案内表示911aとして明示して操作方法を案内する。
選択肢表示912は、ポイント遊技の特典として選択可能な選択肢を表示する。たとえば、選択肢表示912は、表示演出の選択肢として表示演出A、表示演出B、および表示演出Cを表示する。表示演出は、たとえば、特別な背景表示や、図柄表示、キャラクタ表示の他、通常非明示の遊技状態の明示、特別リーチ等の変動演出を含む。また、選択肢表示912は、音声演出の選択肢として音声演出A、音声演出B、および音声演出Cを表示する。音声演出は、たとえば、特別なBGMや、効果音、通常非報知の遊技状態の音声報知等を含む。また、選択肢表示912は、選択ボタンスイッチ25aの操作入力にもとづいて選択中の選択肢、あるいは決定ボタンスイッチ25bの操作入力にもとづいて決定した選択肢を明示する明示表示(選択中選択肢明示表示あるいは決定選択肢明示表示)913を表示する。
特図ゲーム遊技表示914は、選択操作表示900を表示する前に表示装置41が表示していた特図ゲームの遊技状態に関する表示内容の少なくとも一部情報を含む表示である。たとえば、特図ゲーム遊技表示914は、特図ゲームが変動表示中である場合に、特図ゲームが変動表示中であることを明示する。なお、特図ゲーム遊技表示914は、選択肢表示912前の情報を表示するものであれば、特図ゲームに限らない。これにより、遊技機10は、表示装置41の表示内容が選択操作表示900に切り替わっても、遊技者は切替前の表示に関する情報を把握でき、選択操作表示900により遊技に関する判断機会を逸することを防止する。
なお、遊技機10は、映像出力や音声出力等遊技者が直接に感得できる形式の特典に限らず、遊技者が間接的に感得できる形式の特典の特典であってもよい。たとえば、遊技機10は、特別な映像や音声を遊技者に提示することに代えて、演出制御装置300が遊技制御装置100からコマンドを受信したときに具体的な演出態様の決定に用いる演出振分テーブルを特別な演出振分テーブルに差し替えるものであってもよい。これにより、遊技機10は、通常において出現頻度の低い演出態様を特典として遊技者に提示する機会を増大させたり、通常において大当りに対する期待値の低い演出態様を特典として遊技者に提示する機会を低減させたりすることができる。このようにして、遊技機10は、特典として通常時と異なる期待値演出をおこない、遊技者の興趣向上を図ることができる。
なお、このような遊技機10は、近年の携帯電話やスマートフォン等の携帯機器と連携することを要せずに、遊技者にとって興趣を得る機会の多様化を提供することができる。したがって、遊技機10は、携帯機器の操作に慣れない遊技者や、携帯機器を所持しない遊技者であっても、遊技者にとって興趣を得る機会の多様化を提供することができる。
上述した第1の実施形態の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、前面側にポイントゲート48とポイント表示器49を備える。ポイントゲート48は、ポイントスイッチ48aを備え、ポイントゲート48に入賞(通過を含む)した遊技球をポイントスイッチ48aにより検出する。遊技機10は、ポイントゲート48の入賞検出(通過検出を含む遊技媒体の検出)を契機に所定のポイント数を決定する。遊技機10は、決定したポイント数を所定期間(所定状態にある間を含む)に累積したポイント累積値を算出する。ポイント表示器49は、ポイント累積値を表示する。遊技機10は、所定の大きさのポイント累積値を特典に交換する。交換対象となる特典は、演出制御装置300によって提示可能な演出態様である。また、交換対象となる特典は、遊技制御装置100が関係しない演出態様である。
(2)遊技機10は、表示装置41に選択操作表示900を表示する。選択操作表示900は、ポイント遊技関連表示910と、特図ゲーム遊技表示914を含む。ポイント遊技関連表示910は、操作案内表示911と選択肢表示912とを含む。
(3)遊技機10は、オプション設定部(選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25b)25により、選択肢表示912に提示する特典を遊技者によって選択可能にする。
(4)遊技機10は、ポイントゲート48の入賞検出(通過検出)を契機に決定するポイント数の大きさを遊技状態に応じて異ならせることができる。
(5)遊技機10は、導出した結果態様に関連して遊技者に遊技価値を付与可能な変動表示ゲームの始動契機となる始動入賞口の近傍にポイントゲート48を備える。
(6)遊技機10は、他の入賞口への入賞機会のない位置にポイントゲート48を備える。
[第1の実施形態の変形例1]
次に第1の実施形態のポイントテーブルについての変形例を図111を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する。図111は、第1の実施形態のポイントテーブルの一例(変形例1)を示す図である。
ポイントテーブル(変形例1)は、項目「遊技状態」と、項目「判定値」と、項目「加算ポイント」を含むデータである。項目「遊技状態」は、特図ゲームの保留数の大きさに応じて、保留数「0」、保留数「1」から「4」、保留数「5」,「6」、および保留数「7」,「8」に区分される。なお、特図ゲームの保留数の大きさは、第1始動入賞口にもとづく保留数(最大「4」)と、第2始動入賞口にもとづく保留数(最大「4」)とから最大「8」である。
項目「判定値」は、ステップD94で取得した抽選用乱数(たとえば、「0」から「255」の一様乱数)に対応する判定値である。項目「加算ポイント」は、項目「遊技状態」と、項目「判定値」に対応する加算ポイントを示す。たとえば、ポイントテーブル(変形例1)は、保留数「0」に相当する遊技状態において、抽選用乱数が「0」から「250」のとき加算ポイントが「1」であることを示し、抽選用乱数が「251」から「254」のとき加算ポイントが「2」であることを示し、抽選用乱数が「255」のとき加算ポイントが「5」であることを示す。また、ポイントテーブル(変形例1)は、保留数「1」から「4」に相当する遊技状態において、抽選用乱数が「0」から「200」のとき加算ポイントが「1」であることを示し、抽選用乱数が「201」から「250」のとき加算ポイントが「2」であることを示し、抽選用乱数が「251」から「255」のとき加算ポイントが「5」であることを示す。また、ポイントテーブル(変形例1)は、保留数「5」,「6」に相当する遊技状態において、抽選用乱数が「0」から「100」のとき加算ポイントが「1」であることを示し、抽選用乱数が「101」から「250」のとき加算ポイントが「2」であることを示し、抽選用乱数が「251」から「255」のとき加算ポイントが「5」であることを示す。また、ポイントテーブル(変形例1)は、保留数「7」,「8」に相当する遊技状態において、抽選用乱数が「0」から「255」のとき加算ポイントが「5」であることを示す。これにより、遊技機10は、保留数の大きさが同じであっても抽選用乱数により加算ポイントを異ならせることで、ポイント遊技の興趣を向上させることができる。
また、ポイントテーブル(変形例1)は、保留数の大きさごとの判定値を異ならせることで、各保留数の大きさにおいて付与される加算ポイントの期待値の大きさを異ならせることができる。これにより、遊技機10は、保留数の大きさに応じた期待値の高低によりポイント遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技機10は、保留数の大きさ次第では遊技を中断する遊技者に、遊技継続の動機付けを与えることができる。
[第1の実施形態の変形例2]
次に第1の実施形態のポイントテーブルについての変形例を図112を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する。図112は、第1の実施形態のポイントテーブルの一例(変形例2)を示す図である。
ポイントテーブル(変形例2)は、項目「遊技状態」と、項目「判定値」と、項目「加算ポイント」を含むデータである。項目「遊技状態」は、特図ゲームの変動表示継続時間の大きさに応じて、変動時間20秒以下、変動時間60秒以下、変動時間60秒超、および変動なしに区分される。なお、特図ゲームの変動表示継続時間の大きさは、現在実行中の変動表示ゲームの変動表示継続時間である。
項目「判定値」は、ステップD94で取得した抽選用乱数(たとえば、「0」から「255」の一様乱数)に対応する判定値である。項目「加算ポイント」は、項目「遊技状態」と、項目「判定値」に対応する加算ポイントを示す。たとえば、ポイントテーブル(変形例2)は、変動時間20秒以下に相当する遊技状態において、抽選用乱数が「0」から「250」のとき加算ポイントが「1」であることを示し、抽選用乱数が「251」から「254」のとき加算ポイントが「2」であることを示し、抽選用乱数が「255」のとき加算ポイントが「5」であることを示す。また、ポイントテーブル(変形例2)は、変動時間60秒以下に相当する遊技状態において、抽選用乱数が「0」から「200」のとき加算ポイントが「1」であることを示し、抽選用乱数が「201」から「250」のとき加算ポイントが「2」であることを示し、抽選用乱数が「251」から「255」のとき加算ポイントが「5」であることを示す。また、ポイントテーブル(変形例2)は、変動時間60秒超に相当する遊技状態において、抽選用乱数が「0」から「100」のとき加算ポイントが「1」であることを示し、抽選用乱数が「101」から「250」のとき加算ポイントが「2」であることを示し、抽選用乱数が「251」から「255」のとき加算ポイントが「5」であることを示す。また、ポイントテーブル(変形例2)は、変動なしに相当する遊技状態において、抽選用乱数が「0」から「255」のとき加算ポイントが「5」であることを示す。これにより、遊技機10は、特図ゲームの変動表示継続時間の大きさが同じであっても抽選用乱数により加算ポイントを異ならせることで、ポイント遊技の興趣を向上させることができる。
また、ポイントテーブル(変形例2)は、特図ゲームの変動表示継続時間の大きさごとの判定値を異ならせることで、各変動表示継続時間の大きさにおいて付与される加算ポイントの期待値の大きさを異ならせることができる。これにより、遊技機10は、変動表示継続時間の大きさに応じた期待値の高低によりポイント遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技機10は、変動表示継続時間の大きさ次第では遊技を中断する遊技者に、遊技継続の動機付けを与えることができる。
[第1の実施形態の変形例3]
次に第1の実施形態の遊技機10が表示装置41に表示する特典の選択肢や操作案内についての変形例を図113を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する。図113は、第1の実施形態の表示装置に表示する特典の選択操作画面の一例(変形例3)を示す図である。
選択操作表示901は、遊技機10が表示装置41に表示する特典の選択肢や操作案内を含む表示である。選択操作表示901は、ポイント遊技関連表示920と、特図ゲーム遊技表示929を含む。ポイント遊技関連表示920は、ポイント遊技に関連する表示であって、操作案内表示924と、プレミアム演出(ポイント遊技特典)の選択肢表示925と、ポイント累積値関連表示921を含む。
操作案内表示924は、ポイント遊技の特典付与に関する操作方法を文字や絵、アイコン等の視覚情報により遊技者に案内する表示である。また、操作案内表示924は、オプション設定部(選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25b)25を操作案内表示924aとして明示して操作方法を案内する。
選択肢表示925は、ポイント遊技の特典の特典として選択可能な選択肢を表示する。たとえば、選択肢表示925は、音声演出の選択肢として音声演出A、音声演出B、および音声演出Cを表示するとともに、各選択肢の交換に必要なポイント累積値を交換ポイント表示926として表示する。また、選択肢表示925は、選択ボタンスイッチ25aの操作入力にもとづいて選択中の選択肢、あるいは決定ボタンスイッチ25bの操作入力にもとづいて決定した選択肢を明示する明示表示(選択中選択肢明示表示あるいは決定選択肢明示表示)927を表示する。このとき、選択肢表示925は、選択できない選択肢について選択不可であることを明示する。
ポイント累積値関連表示921は、特典交換前のポイント累積値を表示する交換前ポイント累積値表示922と、特典交換後のポイント累積値を表示する交換後ポイント累積値表示923とを含む。特図ゲーム遊技表示929は、選択操作表示901を表示する前に表示装置41が表示していた特図ゲームの遊技状態に関する表示内容の少なくとも一部情報を含む表示である。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態の遊技機10について図114を用いて説明する。第2の実施形態の遊技機10は、ポイントゲートとポイント表示器との配設位置および遊技盤面の構成が第1の実施形態と相違する。図114は、第2の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
表示装置41は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の左部および右部には、動作することによって遊技の演出をおこなう盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の下方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって普図始動ゲート34よりも下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口360(第1始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。始動入賞口360に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。
また、始動入賞口360の直下には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。
普通変動入賞装置37は、上端側が手前側に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時は遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。
また、普通変動入賞装置37の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
さらに、遊技領域32におけるセンターケース40の下方であって、始動入賞口360よりも右側には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた閉塞状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、特別変動入賞装置38は、たとえば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。これら特別変動入賞装置38に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ38a(図3参照)により検出される。
また、センターケース40は、側方左側にワープ口39aを配設する。ワープ口(ワープ入口)39aからワープ流路に流入した遊技球は、センターケース40内のステージ上を転動し、その一部がワープ出口39bに案内される。ワープ出口39bは、始動口振分装置36の直上に位置し、ワープ出口39bに案内された遊技球は、始動口振分装置36に入賞しやすくなる。
また、遊技領域32における始動入賞口360の下方左側には、ポイントゲート481と、ポイント表示器491が配設されている。ポイントゲート481は、始動入賞口360の近傍に設けられることで、遊技機10は始動入賞口360への入賞の発生契機と、ポイントゲート481入賞の発生契機とを同時に遊技者に観察させることができる。これにより、遊技機10は、始動入賞口360への入賞が疎な場合にあっても、ポイントゲート481入賞による遊技の興趣を遊技者に提供できる。このようなポイントゲート481入賞による遊技の興趣は、始動入賞口360への入賞が疎であることによる遊技者の喪失感や不快感の軽減に寄与し、遊技者に継続して遊技をおこなうことの動機付けを与えることができる。
また、ポイントゲート481は、始動入賞口360への入賞機会のない位置に設けられる。これにより、遊技機10は、ポイントゲート481の入賞機会を大きくすることができる。また、ポイントゲート481は、普通変動入賞装置37への入賞機会のある位置に設けられる。これにより、遊技機10は、普通変動入賞装置37への入賞機会とポイントゲート481の入賞機会とを両立できる。ポイントゲート481に入賞した遊技球は、ポイントスイッチ48a(図4参照)により検出される。ポイント表示器491は、2つの7セグメントLEDからなり、ポイントゲート481の入賞検出(通過検出)を契機に付与されるポイント数の累積値を2桁で数値表示する。ポイント数の累積値は、所定の契機で特典に交換されて遊技者に付与される。ポイント数の累積値に応じて付与される特典は、たとえば、演出態様の選択肢の増加がある。遊技者は、選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bを操作することによって所望の演出態様を選択できる。
第2の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口360への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37や特別変動入賞装置38への入賞を狙うことができるようになっている。
ここで、第2の実施形態の遊技機10において、右側遊技領域に対応する位置には、センターケース40の右端部に取り付けられた流路形成部材42が配設されており、右側遊技領域へと発射された遊技球は、流路形成部材42によって形成される流路を通過するよう構成されている。なお、流路形成部材42の少なくとも前面の材質は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球を外部から視認可能な材質になっているので、遊技者等は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球(すなわち、右側遊技領域を流下する遊技球)を、流路形成部材42の前方から流路形成部材42を透して視認することができる。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態の遊技機10について図115を用いて説明する。第3の実施形態の遊技機10は、ポイントゲートとポイント表示器との配設位置が第1の実施形態と相違する。図115は、第3の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する。
遊技盤3002は、遊技領域32におけるワープ口39aの下方に、ポイントゲート482と、ポイント表示器492が配設されている。ポイントゲート482は、ワープ口39aの近傍に設けられることで、遊技機10は、ワープ口39aへの遊技球の流入契機と、ポイントゲート482への入賞の発生契機とを同時に遊技者に観察させることができる。また、遊技機10は、ワープ口39aへの遊技球の流入により、ポイントゲート482への入賞頻度を低減させて、ポイントの価値を高めることができる。また、遊技機10は、ワープ口39aへの遊技球の流入が疎な場合にあっても、ポイントゲート482への入賞による遊技の興趣を遊技者に提供できる。このようなポイントゲート482への入賞による遊技の興趣は、ワープ口39aへの遊技球の流入が疎であることによる遊技者の喪失感や不快感の軽減に寄与し、遊技者に継続して遊技をおこなうことの動機付けを与えることができる。
なお、ポイントゲート482は、普通変動入賞装置37や一般入賞口35、始動口振分装置36への入賞機会のある位置に設けられる。これにより、遊技機10は、普通変動入賞装置37や一般入賞口35、始動口振分装置36への入賞機会とポイントゲート482の入賞機会とを両立できる。
また、ポイント表示器492は、ポイントゲート482の下方に位置することから、ポイントゲート482に入賞した遊技球を追う遊技者の視界に位置する。これにより、遊技機10は、ポイントゲート482とポイント表示器492とが別体であっても、ポイントゲート482とポイント表示器492とを相互に関連するものとして感得できる。したがって、遊技機10は、遊技者にとってわかりやすい遊技を提供するばかりか、ポイントゲート482とポイント表示器492とを一体にして配設する制約から解放され、設計の自由度が向上しコスト低減に寄与する。
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態の遊技機10について図116を用いて説明する。第4の実施形態の遊技機10は、ポイントゲートとポイント表示器との配設位置が第1の実施形態および第3の実施形態と相違する。図116は、第4の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する。
遊技盤3003は、センターケース40の側方左側にワープ口39aを配設する。ワープ口(ワープ入口)39aからワープ流路に流入した遊技球は、センターケース40内のステージ上を転動し、その一部がワープ出口39bに案内される。ワープ出口39bは、始動口振分装置36の直上に位置し、ワープ出口39bに案内された遊技球は、始動口振分装置36に入賞しやすくなる。
遊技盤3003は、ワープ口39aからワープ出口39bの流路中にポイントゲート483を配設する。たとえば、ポイントゲート483は、ワープ口39aの直下に設けられる。なお、ポイントゲート483は、ポイントスイッチ48aをゲートタイプのセンサとしてもよいし、フラットタイプのセンサとしてもよい。たとえば、遊技機10は、ポイントスイッチ48aをフラットタイプのセンサとした場合、ポイントスイッチ48aをフラットタイプのセンサとし、センターケース40内のステージ上の転動面に備えることができる。この場合、遊技機10は、ステージ上を転動する遊技球を2回以上検出するようにしてもよく、転動回数が大きくなるほどに付与されるポイントが増大する期待感を遊技者に提供できる。
また、ポイントゲート483は、ワープ通路内に設けることで、遊技機10は、1つの遊技球について始動口振分装置36への遊技球の入賞と、ポイントゲート483入賞の発生の期待感を遊技者に提供できる。また、遊技機10は、ワープ口39aへの遊技球の流入をポイントゲート483への入賞条件とするので、ポイントゲート483への入賞頻度を低減させて、ポイントの価値を高めることができる。
なお、ポイントゲート483は、普通変動入賞装置37や一般入賞口35、始動口振分装置36への入賞機会のある位置に設けられる。これにより、遊技機10は、普通変動入賞装置37や一般入賞口35、始動口振分装置36への入賞機会とポイントゲート483の入賞機会とを両立できる。
また、ポイント表示器493は、ポイントゲート483と離れて位置することから、ポイントゲート483に入賞した遊技球を追う遊技者の視界に入れることが難しい。これにより、遊技機10は、遊技者に遊技盤3003の全体を見渡すことを促すことができる。したがって、遊技者は、遊技盤3003の全体を見渡す機会を得て、従来見逃していた演出態様を感得することができる。
[第5の実施形態]
次に、第5の実施形態の遊技機10について図117を用いて説明する。第5の実施形態の遊技機10は、ポイントゲートとポイント表示器との配設位置が第1の実施形態、第3の実施形態、および第4の実施形態と相違する。図117は、第5の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する。
遊技盤3004は、センターケース40の側方左側に特別変動入賞装置(大入賞口)38を配設し、特別変動入賞装置38の左下方にポイントゲート484とポイント表示器494とを配設する。たとえば、ポイントゲート484は、特別変動入賞装置38の近傍にあって、特別変動入賞装置38への入賞機会を逸した遊技球が入賞可能な位置に設けられる。これにより、遊技機10は、特別変動入賞装置38への入賞機会を逸した遊技球に対して遊技者に注目させることができる。このような遊技機10は、特別変動入賞装置38への入賞機会を逸した遊技球に対する遊技者の喪失感や不快感の軽減に寄与し、遊技者に継続して遊技をおこなうことの動機付けを与えることができる。
また、ポイント表示器494は、ポイントゲート484の直下に位置することから、遊技機10は、ポイントゲート484への遊技球の入賞と、入賞に伴うポイント累積値の更新とを遊技者に容易に確認させることができる。
[第6の実施形態]
次に、第6の実施形態の遊技機10について図118を用いて説明する。第6の実施形態の遊技機10は、ポイントゲートとポイント表示器との配設位置が第1の実施形態、および第3の実施形態乃至第5の実施形態と相違する。図118は、第6の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。なお、第1の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する。
遊技盤3005は、センターケース40の側方左側に普図始動ゲート34を配設し、普図始動ゲート34の左下方にポイントゲート485を配設する。たとえば、ポイントゲート485は、普図始動ゲート34の近傍にある。通常、普図始動ゲート34は、遊技球が密に流下する領域にあり、遊技機10は、ポイントゲート485を普図始動ゲート34の近傍に設けることでポイントゲート485の入賞機会が大きくなることを期待できる。
これにより、遊技機10は、表示装置41も表示する変動表示ゲームに加えて、ポイント遊技による興趣を得ることができる。
また、ポイント表示器495は、ポイントゲート485と離れて位置することから、ポイントゲート485に入賞した遊技球を追う遊技者の視界に入れることが難しい。これにより、遊技機10は、遊技者に遊技盤3005の全体を見渡すことを促すことができる。したがって、遊技者は、遊技盤3005の全体を見渡す機会を得て、従来見逃していた演出態様を感得することができる。
[第7の実施形態]
次に、第7の実施形態の遊技機10について図119から図125を用いて説明する。第7の実施形態の遊技機10は、ポイント遊技について変動表示ゲームの進行にもとづいてポイント累積値の更新と特典の付与とをおこなう点で第1の実施形態と相違する。まず、第7の実施形態の表示装置41における変動表示中画面と、ポイント表示器49の表示について図119から図122を用いて説明する。図119は、第7の実施形態の表示装置に表示する変動表示中画面と、ポイント表示器の表示例を示す図(その1)である。図120は、第7の実施形態の表示装置に表示する変動表示中画面と、ポイント表示器の表示例を示す図(その2)である。図121は、第7の実施形態の表示装置に表示する変動表示中画面と、ポイント表示器の表示例を示す図(その3)である。図122は、第7の実施形態の表示装置に表示する変動表示中画面と、ポイント表示器の表示例を示す図(その4)である。
図119(1a)に示す変動表示中画面9301は、表示装置41における変動表示中画面を示す。変動表示中画面9301は、特図ゲーム遊技表示930と、保留消化表示931と、保留表示932を表示内容に含む。特図ゲーム遊技表示930は、表示領域中の特図ゲーム遊技表示領域に対応する。特図ゲーム遊技表示930は、特図ゲームの変動表示状態を飾り図柄930L,930C,930Rを用いて表示する。変動表示中画面9301は、飾り図柄930L,930C,930Rが変動中であることを示し、対応する特図ゲームが変動表示状態であることを示す。
保留表示932は、表示領域中の保留領域に対応する。保留表示932は、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとの保留記憶表示態様を表示する。たとえば特図変動表示ゲームの保留記憶数が「6」であるとき、保留表示932は、6つの保留記憶932a,932b,932c,932d,932e,932fを表示する。また保留表示932は、保留記憶932cや保留記憶932eの表示態様(保留記憶表示態様)を保留記憶932a,932b,932c,932d,932e,932fの表示態様と異ならせて、対応する特図変動表示ゲームの結果に対する期待度を報知する。
これにより、遊技機10は、変動表示予定の特図変動表示ゲームに対応する期待度をあらかじめ報知できる。
保留消化表示931は、表示領域中の保留消化領域に対応する。保留消化表示931は、変動表示中の特図変動表示ゲームに対応する保留記憶時の保留記憶931aを表示する。これにより、遊技機10は、変動表示中の特図変動表示ゲームに対応する保留記憶についてあらかじめ報知した期待度を、変動表示中においても保留記憶931aにより明示できる。
図119(1b)に示すポイント累積値表示4911は、表示装置41が変動表示中画面9301を表示しているときの、ポイント表示器49の2桁の7セグメントLED49a,49bを示す。ポイント累積値表示4911は、ポイント累積値が「2」であることを示す。
図119(2a)に示す変動表示中画面9302は、表示装置41における変動表示中画面9301の後の表示画面であって、リーチ時の変動表示中画面を示す。変動表示中画面9302は、特図ゲーム遊技表示930において、飾り図柄930L,930Rが「6」を表示する仮停止であることを示し、飾り図柄930Cが変動中であることを示す。変動表示中画面9302は、特図ゲーム遊技表示930において、飾り図柄930L,930C,930Rが「6」で停止するのを待つリーチ状態であることを示す。
図119(2b)に示すポイント累積値表示4912は、表示装置41が変動表示中画面9302を表示しているときの、ポイント表示器49の2桁の7セグメントLED49a,49bを示す。ポイント累積値表示4912は、ポイント累積値が「2」であることを示す。
図120(3a)に示す変動表示中画面9303は、表示装置41における変動表示中画面9302の後の表示画面であって、リーチ時の変動表示中画面を示す。変動表示中画面9303は、特図ゲーム遊技表示929と、保留消化表示931と、保留表示932と、演出表示933を表示内容に含む。変動表示中画面9303は、特図ゲーム遊技表示930に代えて特図ゲーム遊技表示929を表示する。特図ゲーム遊技表示929は、特図ゲーム遊技表示930よりも小さな表示領域であり、特図ゲーム遊技表示930が表示する情報のうちの一部または全部を表示する。また、特図ゲーム遊技表示929は、表示領域のうちの隅部に位置する。
演出表示933は、表示領域中の演出領域に対応する。演出表示933は、特図ゲーム遊技表示930に代わって表示領域の中央部に位置する。演出表示933は、変動表示中の特図変動表示ゲームに対応する演出を表示する。演出表示933は、たとえばキャラクタ933a,933bを表示し、キャラクタ933aとキャラクタ933bが対決する演出を表示する。
図120(3b)に示すポイント累積値表示4913は、表示装置41が変動表示中画面9303を表示中のポイント表示器49の2桁の7セグメントLED49a,49bを示す。ポイント累積値表示4913は、ポイント累積値が「2」であることを示す。
図120(4a)に示す変動表示中画面9304は、表示装置41における変動表示中画面9303の後の表示画面であって、仮停止時の変動表示中画面を示す。変動表示中画面9304は、特図ゲーム遊技表示929と、保留消化表示931と、保留表示932と、演出表示933を表示内容に含む。特図ゲーム遊技表示929は、飾り図柄929L,929Rが「6」を表示する仮停止であることを示し、飾り図柄929Cが「7」を表示する仮停止であることを示す。
演出表示933は、たとえば、キャラクタ933a,933bやメッセージ「YOU LOSE …」を表示し、キャラクタ933aがキャラクタ933bとの対決に敗れた演出、すなわち遊技者にとって好ましくない結果を表示する。
図120(4b)に示すポイント累積値表示4914は、表示装置41が変動表示中画面9304を表示中のポイント表示器49の2桁の7セグメントLED49a,49bを示す。ポイント累積値表示4914は、ポイント累積値が「2」であることを示す。
図121(5a)に示す変動表示中画面9305は、表示装置41における変動表示中画面9304の後の表示画面であって、仮停止時の変動表示中画面を示す。変動表示中画面9305は、特図ゲーム遊技表示930と、保留消化表示931と、保留表示932を表示内容に含む。変動表示中画面9305は、特図ゲーム遊技表示929に代えて特図ゲーム遊技表示930を表示する。特図ゲーム遊技表示930は、飾り図柄930L,930Rが「6」を表示する仮停止であることを示し、飾り図柄930Cが「7」を表示する仮停止であることを示す。
図121(5b)に示すポイント累積値表示4915は、表示装置41が変動表示中画面9305を表示中のポイント表示器49の2桁の7セグメントLED49a,49bを示す。ポイント累積値表示4915は、ポイント累積値が「2」であることを示す。
図121(6a)に示す変動表示中画面9306は、表示装置41における変動表示中画面9305の後の表示画面であって、再変動時の変動表示中画面を示す。変動表示中画面9306は、特図ゲーム遊技表示930と、保留消化表示931と、保留表示932を表示内容に含む。変動表示中画面9306は、特図ゲーム遊技表示930において飾り図柄930L,930Rが「6」を表示する仮停止であることを示し、飾り図柄930Cが再変動の後に特殊図柄「G」を表示する仮停止であることを示す。特殊図柄は、通常の変動表示中に現れない特殊な図柄である。特殊図柄については、図123を用いて後で説明する。特図ゲーム遊技表示930において飾り図柄930Cが特殊図柄「G」を表示する状態は、ポイント遊技において所定の加算値を加算してポイント累積値を更新する契機となる状態であり、ポイント累積値を最大値に更新する契機となる状態である。
図121(6b)に示すポイント累積値表示4916は、表示装置41が変動表示中画面9306を表示中のポイント表示器49の2桁の7セグメントLED49a,49bを示す。ポイント累積値表示4916は、ポイント累積値が「99」であることを示す。すなわち、ポイント累積値表示4916は、飾り図柄930Cが特殊図柄「G」を表示したことにより、ポイント累積値が最大値に更新されたことを示す。
すなわち、特図ゲーム遊技表示930において飾り図柄930Cが特殊図柄「G」を表示する状態は、ポイント表示器49の2桁の7セグメントLED49a,49bの表示内容を更新する契機となる状態である。したがって、表示装置41が表示する特殊図柄「G」は、遊技機10によるポイント累積値の更新契機報知機能の一形態に相当する。これにより、遊技機10は、遊技者にポイント累積値の更新契機を案内して、遊技者がポイント遊技から興趣を得る機会の喪失抑制を図ることができる。
図122(7a)に示す変動表示中画面9307は、表示装置41における変動表示中画面9306の後の表示画面であって、仮停止時の変動表示中画面を示す。変動表示中画面9307は、特図ゲーム遊技表示929と、保留消化表示931と、保留表示932と、演出表示933を表示内容に含む。変動表示中画面9307は、特図ゲーム遊技表示930に代えて特図ゲーム遊技表示929を表示する。変動表示中画面9307は、特図ゲーム遊技表示929において飾り図柄929L,929Rが「6」を表示する仮停止であることを示し、飾り図柄929Cが再変動の後に特殊図柄「G」を表示する仮停止であることを示す。
変動表示中画面9307は、演出表示933においてガチャ表示934と操作案内表示9241を含む。ガチャ表示934は、いわゆるガチャ(抽選器)を用いた抽選演出用表示である。ガチャ表示934は、遊技者に付与するポイント遊技の特典として、ガチャ遊技を提供する。ガチャ遊技は、映像出力や音声出力等遊技者が直接に感得できる形式の特典の一形態である。ガチャ表示934は、抽選球明示部9341と抽選操作表示部9342と、抽選球出口表示部9343を含む。抽選球明示部9341は、抽選対象となる抽選球(934a,934b,934c,…)をあらかじめ明示して、抽選確率やとり得る抽選結果を遊技者に案内する。たとえば抽選球明示部9341が10個の抽選球(934a,934b,934c,…)を明示するとき、抽選球明示部9341は、特定の抽選球の抽選確率が10分の1であることを示唆する。また、抽選球明示部9341は、抽選球934aと抽選球934bと抽選球934cの表示態様(たとえば色や大きさ、形状等)を違えて期待値の大きさが異なることを示唆する。抽選操作表示部9342は、回転可能な操作つまみを表示する。抽選球出口表示部9343は、抽選結果として得た抽選球934zの出口を表示する。
操作案内表示9241は、ポイント遊技の特典付与に関する操作(ガチャ操作)方法を文字や絵、アイコン等の視覚情報により遊技者に案内する表示である。また、操作案内表示9241は、オプション設定部(選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25b)25を操作案内表示924aとして明示して操作方法を案内する。たとえばガチャ操作において、選択ボタンスイッチ25aは抽選球明示部9341が明示する抽選球の撹拌操作を受け付け、決定ボタンスイッチ25bは抽選球明示部9341が明示する抽選球の取出操作を受け付ける。演出表示933は、選択ボタンスイッチ25aの入力を受け付けて抽選球明示部9341が明示する抽選球を撹拌する演出表示をおこない、決定ボタンスイッチ25bの入力を受け付けて抽選操作表示部9342で操作つまみを回転する演出表示をおこない、抽選球出口表示部9343から抽選結果として得た抽選球934zを取り出す演出表示をおこなう。
なお、抽選球明示部9341が明示する抽選球の表示態様を保留表示932が表示する保留記憶と対応付けてもよい。この場合、保留表示932が表示する保留記憶の数や表示態様にもとづいて、抽選球明示部9341が明示する抽選球の数や表示態様を決定することができる。また、ガチャ表示934における抽選回数は、1回に限らず2回以上であってもよい。その場合抽選回数の大きさは、保留表示932が表示する保留記憶と対応付けてもよい。これによれば、遊技機10は、遊技者に保留記憶数を大きくさせる動機付けを与えることができる。このような遊技機10は、稼働の向上が期待できる。
また、抽選球明示部9341が明示する抽選球の表示態様は、最大値更新前のポイント累積値の大きさと対応付けてもよい。これによれば、遊技機10は、最大値に近いポイント累積値から最大値に更新された場合と、最大値から遠いポイント累積値から最大値に更新された場合とで、同じ結果を得る不公平感を緩和できる。このような遊技機10は、稼働の向上が期待できる。
図122(7b)に示すポイント累積値表示4917は、表示装置41が変動表示中画面9307を表示中のポイント表示器49の2桁の7セグメントLED49a,49bを示す。ポイント累積値表示4917は、ポイント累積値が「0」であることを示す。すなわち、ポイント累積値表示4917は、ポイント遊技の特典付与に関する演出の開始契機をポイント累積値のリセット契機として、ポイント累積値がリセットされたことを示す。
図122(8a)に示す変動表示中画面9308は、表示装置41における変動表示中画面9307の後の表示画面であって、仮停止時の変動表示中画面を示す。変動表示中画面9308は、特図ゲーム遊技表示929と、保留消化表示931と、保留表示932と、演出表示933を表示内容に含む。変動表示中画面9307は、特図ゲーム遊技表示930に代えて特図ゲーム遊技表示929を表示する。変動表示中画面9307は、特図ゲーム遊技表示929において飾り図柄929L,929Rが「6」を表示する仮停止であることを示し、飾り図柄929Cが再変動の後に特殊図柄「G」を表示する仮停止であることを示す。
変動表示中画面9308は、演出表示933として抽選結果として得た抽選球934zを用いて最終抽選結果を報知する。すなわち、変動表示中画面9307は、期待度報知に相当し、変動表示中画面9307は、結果報知に相当する。たとえば、変動表示中画面9308は、結果報知表示935を演出表示933の表示内容に含む。なお、結果報知表示935は、大当りの他に、小当りや潜伏確変、潜伏しない確変、時短、ハズレ等を報知するものであってもよい。変動表示中画面9308は、この後特図ゲーム遊技の結果を確定する表示をおこなう(図示省略)。
図122(8b)に示すポイント累積値表示4918は、表示装置41が変動表示中画面9308を表示中のポイント表示器49の2桁の7セグメントLED49a,49bを示す。ポイント累積値表示4918は、ポイント累積値が「0」であることを示す。
次に、第7の実施形態の特殊図柄について図123を用いて説明する。図123は、第7の実施形態の特殊図柄の表示態様の一例を示す図である。
特殊図柄は、その表示態様により遊技結果に対する期待度を報知可能な図柄であり、通常の飾り図柄と区別される。特殊図柄は、通常の変動表示において出現せず、特定の場合に出現して遊技結果に対する期待度を遊技者に向けて報知する役割を有する。たとえば遊技機10は、4種類の特殊図柄を有し、1つ目の特殊図柄は、鋸歯状の外形を有する吹き出しを背景に図柄「G」を重ねて表わされ、大当りを報知対象とする。2つ目の特殊図柄は、六角形の外形を背景に図柄「G」を重ねて表わされ、小当りを報知対象とする。3つ目の特殊図柄は、円形の外形を背景に図柄「G」を重ねて表わされ、潜伏確変を報知対象とする。4つ目の特殊図柄は、背景なしに図柄「G」のみで表わされ、ハズレを報知対象とする。
なお、各特殊図柄は、必ずしも確定的な結果として対応する報知対象を報知(たとえば100%大当り)するものでなくてもよく、確率的な確からしさとして対応する報知対象を報知(たとえば50%大当り)するものであってもよい。また、各特殊図柄は、必ずしも1つの報知対象に対応(たとえば大当りだけ)するものでなくてもよく、2以上の報知対象に対応(たとえば大当りと小当り)するものであってもよい。
また、各特殊図柄は、対応する報知対象が固定されるものでなくてもよく、条件によって報知対象が変更されるものであってもよい。たとえば、特殊図柄の1つは、通常ハズレに対応するが、画像エフェクトがかかることにより大当りに対応するものであってもよい。画像エフェクトとは、通常時の特殊図柄の表示態様を変更するものであり、たとえば、色変化や大きさ変化、変形等がある。
このように、遊技機10は、特殊図柄の表示態様により、変動表示ゲームに関する報知機能を有するとともに、図121を用いて説明したようにガチャ遊技に関する報知機能を併せて有する。言い換えれば、遊技機10は、特殊図柄の表示態様により、遊技価値付与を伴うゲームに関する報知機能と、遊技価値付与を伴わないゲームに関する報知機能とを有する。さらに、言い換えれば、遊技機10は、特殊図柄の表示態様により、遊技制御装置100によって管理されるゲームに関する報知機能と、演出制御装置300によって管理されるゲームに関する報知機能とを有する。
これにより、遊技機10は、特殊図柄の表示態様により2つのゲームについての報知をおこなうことができ、特殊図柄に対する遊技者の関心を高めて報知機能の向上を図ることができる。
次に、第7の実施形態のポイント制御処理とポイント交換処理について説明する。
〔ポイント制御処理〕
まず、ポイント制御処理について図124を用いて説明する。図124は、第7の実施形態の演出制御装置におけるポイント制御処理のフローチャートを示す図である。ポイント制御処理は、メイン処理のステップD31で制御部によって実行される処理である。第7の実施形態のポイント制御処理は、第1の実施形態のポイント制御処理とステップD71からステップD73の処理で共通し、ステップD74以降の処理で相違する。
[ステップD71]制御部は、ポイント初期化処理を実行する。
[ステップD72]制御部は、ポイント更新処理を実行する。
[ステップD73]制御部は、ポイント交換処理を実行する。
[ステップD74]制御部は、第2ポイント交換処理を実行する。第2ポイント交換処理は、所定契機でポイント数の累積値をガチャ遊技(遊技者に付与する特典)に交換する処理である。第2ポイント交換処理については、図125を用いて後で説明する。
[ステップD75]制御部は、ポイント更新タイマがタイムアップしたか否かを判定する。ポイント更新タイマは、ポイント累積値を最大値に更新するタイミングを決定するのに用いられるタイマであり、第2ポイント交換処理においてタイマ値がセットされる。制御部は、ポイント更新タイマがタイムアップした場合にステップD76に進み、タイムアップしていない場合にステップD77に進む。
[ステップD76]制御部は、ポイント累積値を最大値に更新する。
[ステップD77]制御部は、ポイントリセットタイマがタイムアップしたか否かを判定する。ポイントリセットタイマは、ポイント累積値をリセットするタイミングを決定するのに用いられるタイマであり、第2ポイント交換処理においてタイマ値がセットされる。制御部は、ポイントリセットタイマがタイムアップした場合にステップD78に進み、タイムアップしていない場合にポイント制御処理を終了する。
[ステップD78]制御部は、ポイント累積値をリセットしてポイント制御処理を終了する。
〔第2ポイント交換処理〕
次に、第2ポイント交換処理について図125を用いて説明する。図125は、第7の実施形態の演出制御装置における第2ポイント交換処理のフローチャートを示す図である。第2ポイント交換処理は、ポイント制御処理のステップD74で制御部によって実行される処理である。第2ポイント交換処理は、ポイント累積値をガチャ遊技に交換する処理である。
[ステップD111]制御部は、特図変動表示ゲームの変動開始を検出し、検出した特図変動表示ゲームがガチャ遊技に対応するか否かを判定する。たとえば制御部は、演出制御装置300が遊技制御装置100から受信するコマンドの種別にもとづいて、特図変動表示ゲームがガチャ遊技に対応するか否かを判定できる。なお、特図変動表示ゲームがガチャ遊技に対応するか否かの判定は、コマンドの種別のほか、特図変動表示ゲームが導出する結果や、特図変動表示ゲームの変動時間(たとえばガチャ遊技をおこなうのに十分な変動時間)等を用いることができる。
制御部は、特図変動表示ゲームがガチャ遊技に対応する場合にステップD112に進み、ガチャ遊技に対応しない場合に第2ポイント交換処理を終了する。
[ステップD112]制御部は、ガチャ遊技変動変更条件を取得する。ガチャ遊技変動変更条件は、変動開始を検出した特図変動表示ゲームをガチャ遊技変動に変更する条件である。たとえば、ガチャ遊技変動変更条件は、乱数抽選をおこなう場合の判定値である。なお、ガチャ遊技変動変更条件は、特図変動表示ゲームをガチャ遊技に変更可能とする遊技状態や累積ポイント値の範囲を定めるものであってもよい。
[ステップD113]制御部は、乱数を取得する。
[ステップD114]制御部は、ガチャ遊技変動変更条件と乱数にもとづいてガチャ遊技変動変更をおこなうか否かを判定する。制御部は、ガチャ遊技変動変更をおこなう場合にステップD115に進み、ガチャ遊技変動変更をおこなわない場合に第2ポイント交換処理を終了する。
[ステップD115]制御部は、特図変動表示ゲームの演出表示をガチャ遊技変動に変更する。ガチャ遊技変動は、ガチャ遊技を含む演出表示である。たとえば、制御部は、メイン処理のステップD23における演出表示編集処理で編集した内容を差し替えることにより特図変動表示ゲームの演出表示をガチャ遊技変動に変更できる。また、制御部は、メイン処理のステップD23における演出表示編集処理で編集した内容を破棄して、演出表示編集処理で再編集をおこなってもよい。
[ステップD116]制御部は、ポイント更新タイマをセットする。ポイント更新タイマのタイマ値は、特図変動表示ゲームでおこなうガチャ遊技のタイミングに合わせて決定する。なお、ポイント更新タイマのタイマ値は、コマンドの種別に応じてあらかじめ設定されるものであってもよい。
[ステップD117]制御部は、ポイントリセットタイマをセットする。ポイントリセットタイマのタイマ値は、特図変動表示ゲームでおこなうガチャ遊技のタイミングに合わせて決定する。なお、ポイントリセットタイマのタイマ値は、コマンドの種別に応じてあらかじめ設定されるものであってもよい。制御部は、ポイントリセットタイマをセットした後、第2ポイント交換処理を終了する。
上述した第7の実施形態の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、前面側にポイントゲート48とポイント表示器49を備える。ポイントゲート48は、ポイントスイッチ48aを備え、ポイントゲート48に入賞(通過を含む)した遊技球をポイントスイッチ48aにより検出する。遊技機10は、ポイントゲート48の入賞検出(通過検出を含む遊技媒体の検出)を契機に所定のポイント数を決定する。遊技機10は、決定したポイント数を所定期間(所定状態にある間を含む)に累積したポイント累積値を算出する。ポイント表示器49は、ポイント累積値を表示する。遊技機10は、所定の大きさのポイント累積値を特典に交換する。交換対象となる特典は、演出制御装置300によって提示可能な演出態様である。また、交換対象となる特典は、遊技制御装置100が関係しない演出態様である。
(2)遊技機10は、特典として変動表示ゲームの演出態様を変更する。
(3)遊技機10は、ポイントゲート48に入賞によらない第2のポイント累積値更新手段を有し、変動表示ゲームの所定の属性にもとづいてポイント累積値を当該変動表示ゲームの変動表示中にポイント累積値の更新と、ポイント累積値の特典への交換とをおこなう。
(4)変動表示ゲームの所定の属性は、変動表示ゲームが導出する結果、変動表示ゲームに対応するコマンド種別、あるいは変動表示ゲームの変動時間である。
(5)遊技機10は、第1制御部(たとえば遊技制御装置100)と、第2制御部(たとえば演出制御装置300)と、表示制御部(たとえば演出制御装置300)と、を含む。第1制御部は、第1検出器(たとえばポイントゲート48)における遊技媒体の検出を契機にポイント数を決定し、ポイント数の所定期間の累積値をポイント表示器(たとえばポイント表示器49)に表示させ、累積値が所定条件を満たした場合に累積値と交換にして第1の特典(たとえば演出制御装置300によって提示可能な演出態様)を遊技者に付与可能な第1のゲーム(たとえばガチャ遊技)を制御する。第2制御部は、第2検出器(たとえば第1始動入賞口や第2始動入賞口)における遊技媒体の検出にもとづいて第2の特典(たとえば特図ゲームにおける大当り)を遊技者に付与可能な第2のゲーム(たとえば特図ゲーム)を制御する。表示制御部は、表示装置(たとえば表示装置41)において、第1識別情報(たとえば飾り図柄930L,930C,930R)により第2のゲームに関する変動表示をおこなう第1表示状態(たとえば変動表示中画面9305)と、第1識別情報と第2識別情報(たとえば特殊図柄「G」)とにより第1のゲームおよび第2のゲームに関する変動表示をおこなう第2表示状態(たとえば変動表示中画面9306)とを切り替え制御できる。
(6)第2表示状態は、所定の加算値を加算してポイント累積値を更新する契機となる状態である。
(7)第2表示状態は、ポイント累積値を最大値に更新する契機となる状態である。
(8)第2表示状態は、ポイント表示器の表示内容を更新する契機となる状態である。 [第8の実施形態]
次に、第8の実施形態の遊技機10について図126から図128を用いて説明する。第8の実施形態の遊技機10は、ポイント遊技についてエラーの発生状態にもとづいてポイント累積値の更新を制限する点で第1の実施形態と相違する。まず、第8の実施形態の表示装置41における変動表示中画面と、ポイント表示器49の表示について図126と図127を用いて説明する。図126は、第8の実施形態の表示装置に表示する変動表示中画面と、ポイント表示器の表示例を示す図(その1)である。図127は、第8の実施形態の表示装置に表示する変動表示中画面と、ポイント表示器の表示例を示す図(その2)である。
図126(1)に示す変動表示中画面9310は、エラーが発生していない状態の表示装置41における変動表示中画面を示す。変動表示中画面9310は、特図ゲーム遊技表示930と、保留消化表示931と、保留表示932を表示内容に含む。
図126(2)に示すポイント累積値表示4920は、表示装置41が変動表示中画面9310を表示しているときの、ポイント表示器49の2桁の7セグメントLED49a,49bを示す。ポイント累積値表示4920は、ポイント累積値が「2」であることを示す。このとき、遊技機10は、ポイントゲート48への入賞があれば、遊技状態に応じた付与ポイントにしたがいポイント累積値を更新する。図126(3)に示すポイント累積値表示4921は、ポイントゲート48への入賞により付与ポイント「1」が付与され、ポイント累積値「2」がポイント累積値「3」に更新された様子を示す。
図127(1)に示す変動表示中画面9311は、エラーが発生している状態の表示装置41における変動表示中画面を示す。このとき、遊技機10は、ポイントゲート48への入賞があっても、遊技状態に応じたポイントを付与せず、ポイント累積値を更新しない。変動表示中画面9311は、特図ゲーム遊技表示930と、保留消化表示931と、保留表示932と、エラーメッセージ940と、ポイントゲート無効メッセージ9401とを表示内容に含む。
エラーメッセージ940は、遊技機10において発生中のエラーを報知するメッセージである。たとえば、エラーメッセージ940は、「扉が開いています」というメッセージ表示であって、ガラス枠開放エラーに対応する。ポイントゲート無効メッセージ9401は、ポイントゲート48が無効であることを報知するメッセージである。遊技機10は、特定のエラー(ガラス枠開放エラー)が発生している状態において、ポイントゲート48における入賞検出を無効化する。
図127(2)に示すポイント累積値表示4922は、表示装置41が変動表示中画面9311を表示しているときの、ポイント表示器49の2桁の7セグメントLED49a,49bを示す。ポイント累積値表示4922は、ポイント累積値表示4920と同じくポイント累積値が「2」であることを示すが、ポイント累積値表示4920と異なる表示態様でポイント累積値を表示する。たとえば、ポイント累積値表示4922は、ポイント累積値表示4920におけるセグメントの点灯色と異なる点灯色(濃色ハッチングで示す)でポイント累積値を表示する。また、ポイント累積値表示4922は、ポイント累積値表示4920において消灯(斜線ハッチングで示す)するセグメントを点灯する。これにより、遊技機10は、ポイント累積値を確認可能にして表示しながら、ポイントゲート48における入賞検出が無効化されていることを案内することができる。なお、ポイント累積値表示における表示態様の変更は、点灯と消灯の切替、点灯色の変更の他、点滅の有無や点滅周期の変更、明るさの変更等であってもよい。
〔ポイント更新処理〕
次に、第8の実施形態のポイント更新処理について図128を用いて説明する。図128は、第8の実施形態の演出制御装置におけるポイント更新処理のフローチャートを示す図である。第8の実施形態のポイント更新処理は、ポイントゲート48の入賞検出を契機に付与されるポイント数を決定し、ポイント累積値を更新する処理であるが、エラーの発生状態にもとづいてポイント累積値の更新を制限する点で第1の実施形態のポイント更新処理と相違する。第8の実施形態のポイント更新処理も、第1の実施形態のポイント更新処理と同様に、ポイント制御処理のステップD72で制御部によって実行される処理である。
[ステップD121]制御部は、状態情報を取得する。状態情報は、遊技機10のエラー情報、ポイントゲート48の有効状態、およびポイントゲート48への入賞時の遊技状態に応じた付与ポイントを決定するための情報である。たとえば、遊技機10のエラー情報は、あらかじめ特定エラーとして設定するガラス枠開放エラーの有無に関する情報を含む。
[ステップD122]制御部は、特定エラーが発生中か、すなわち特定エラーとして設定されているガラス枠開放エラーが発生中か否かを判定する。制御部は、特定エラーが発生中でない場合にステップD123に進み、特定エラーが発生中である場合にポイント更新処理を終了する。
[ステップD123]制御部は、取得した状態情報から特定される状態が、ポイントゲート48の有効状態であるか否かを判定する。制御部は、有効状態である場合にステップD124に進み、有効状態でない場合にポイント更新処理を終了する。
[ステップD124]制御部は、ポイントゲート48の入賞検出があるか否かを判定する。制御部は、入賞検出がある場合にステップD125に進み、入賞検出がない場合にポイント更新処理を終了する。
[ステップD125]制御部は、ポイントゲート48の入賞検出を契機に付与されるポイント数を決定するための抽選用乱数を取得する。
[ステップD126]制御部は、ポイントテーブルを参照する。なお、第8の実施形態のポイントテーブルは、第1の実施形態のポイントテーブルと同様の構成とすることができる。
[ステップD127]制御部は、ステップD121で取得した状態情報と、ステップD125で取得した抽選用乱数と、ポイントテーブルとから加算ポイントを決定する。
[ステップD128]制御部は、加算ポイントをポイント累積値に加算してポイント累積値を更新し、ポイント更新処理を終了する。
このように、遊技機10は、特定エラーが発生中においてポイント累積値の更新をおこなわない。これにより、遊技機10は、ポイント遊技における不正なポイント付与を抑止することができる。たとえば遊技機10は、ガラス枠15の開放中にポイントゲート48を操作して不正にポイントを得ることを抑止できる。このような遊技機10は、遊技者による不正な操作を防止できるだけでなく、遊技場係員による不公正なサービス提供を防止できることから、健全な遊技環境の醸成に寄与する。
また、遊技機10は、ポイントゲート48が遮光検知タイプのセンサを用いることで遊技球以外の物体(たとえば指やペン等)を遊技球として検知してしまうことがあってもポイント遊技における不正なポイント付与を抑止することができる。
なお、遊技機10は、ガラス枠開放エラーが特定エラーであるとしたが、不正にポイントを得るおそれがあるその他のエラー(たとえば本体枠開放エラー等)を特定エラーに含めてもよい。
また、遊技機10は、不正にポイントを得るおそれがないエラーを特定エラーに含めてもよい。この場合、遊技機10は、ポイント累積値の更新をおこなわないことで遊技者に対して早期のエラー解消を促すことができる。
また、遊技機10は、不正にポイントを得ることを抑止中にポイントゲート48において入賞検出(通過検出)をおこなった場合、表示装置41、ポイント表示器49、スピーカ19a,19bのうち少なくともいずれか一つで不正な入賞検出を報知してもよい。
[第8の実施形態の変形例1]
次に第8の実施形態の変形例1について図129を用いて説明する。第8の実施形態の変形例1は、第1の実施形態のポイント更新処理を用い、第1の実施形態と異なるポイントテーブルを用いる点で、第8の実施形態と相違する。図129は、第8の実施形態のポイントテーブルの一例(変形例1)を示す図である。
ポイントテーブル(変形例1)は、項目「遊技状態」と、項目「判定値」と、項目「加算ポイント」を含むデータである。項目「遊技状態」は、遊技状態A、遊技状態B、遊技状態C、およびエラー状態を含む。たとえば、遊技状態Aは特図ゲームにおける通常遊技状態であり、遊技状態Bは特図ゲームにおける時短中遊技状態であり、遊技状態Cは特図ゲームにおける確変中遊技状態であり、エラー状態は特定エラーが発生中の遊技状態である。
項目「判定値」は、ステップD125で取得した抽選用乱数(たとえば、「0」から「255」の一様乱数)に対応する判定値である。項目「加算ポイント」は、項目「遊技状態」と、項目「判定値」に対応する加算ポイントを示す。たとえば、ポイントテーブル(変形例1)は、遊技状態Aにおいて、抽選用乱数が「0」から「250」のとき加算ポイントが「1」であることを示し、抽選用乱数が「251」から「254」のとき加算ポイントが「2」であることを示し、抽選用乱数が「255」のとき加算ポイントが「5」であることを示す。また、ポイントテーブル(変形例1)は、遊技状態Bにおいて、抽選用乱数が「0」から「100」のとき加算ポイントが「1」であることを示し、抽選用乱数が「101」から「250」のとき加算ポイントが「2」であることを示し、抽選用乱数が「251」から「255」のとき加算ポイントが「5」であることを示す。また、ポイントテーブル(変形例1)は、遊技状態Cにおいて、抽選用乱数が「0」から「200」のとき加算ポイントが「1」であることを示し、抽選用乱数が「201」から「250」のとき加算ポイントが「2」であることを示し、抽選用乱数が「251」から「255」のとき加算ポイントが「5」であることを示す。また、ポイントテーブル(変形例1)は、エラー状態において、抽選用乱数が「0」から「255」のとき加算ポイントが「0」であることを示す。
これにより、遊技機10は、エラー状態において、ポイント累積値の更新をおこなわない。したがって、遊技機10は、ポイント遊技における不正なポイント付与を抑止することができる。また、遊技機10は、第1の実施形態の遊技機10についてポイント更新処理を変更することなく、ポイントテーブルの差替によってポイント遊技における不正なポイント付与の抑止を実現することができる。
なお、遊技機10は、エラー状態において、抽選用乱数が「0」から「255」のとき加算ポイントを「0」としたが、抽選用乱数に応じて加算ポイントを負数(たとえば「−1」)としてもよい。これにより、遊技機10は、エラー状態において、ポイント累積値を減算方向に更新することとなり、不正なポイント付与をより強力に抑止することができる。
また、遊技機10は、負数を加算ポイントとする場合、累積値を「0」にリセット可能な値(たとえば「−255」)を加算ポイントとしてもよい。これにより、遊技機10は、エラー状態において、ポイント累積値をリセットすることとなり、不正なポイント付与をより強力に抑止することができる。
上述した第8の実施形態(変形例1を含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、検出器(ポイントスイッチ48a)と、ポイント表示器(ポイント表示器49)と、特典付与制御手段(演出制御装置300)と、累積値更新制限手段(演出制御装置300)とを含む。検出器は、遊技媒体(遊技球)を検出(通過検出を含む遊技媒体の検出)できる。特典付与制御手段は、遊技媒体の検出を契機にポイント数を決定し、ポイント数の所定期間(所定状態にある間を含む)の累積値をポイント表示器に表示させ、累積値が所定条件を満たした場合に累積値と交換して特典を遊技者に付与する。累積値更新制限手段は、所定のエラー状態を検出し、エラー状態において累積値の更新を制限する。
(2)(1)の累積値更新制限手段は、ガラス枠開放エラーが発生している状態において累積値の更新を制限する。
(3)(1)の累積値更新制限手段は、ポイントスイッチ48aにおける入賞検出を無効化して累積値の更新を制限する。
(4)(1)の累積値更新制限手段は、エラー状態において累積値の更新を禁止して累積値の更新を制限する。
(5)(1)の累積値更新制限手段は、エラー状態における累積値の更新値(たとえば「0」や負数)を特定値として累積値の更新を制限する。
(6)(1)の特典付与制御手段は、累積値更新制限手段が累積値の更新を制限していないときにポイント表示器の表示態様を第1の表示態様とし、累積値更新制限手段が累積値の更新を制限しているときにポイント表示器の表示態様を第2の表示態様とする。
(7)(1)の検出器は、遮光検知タイプのセンサである。
[第9の実施形態]
次に、第9の実施形態の遊技機10について図130から図132を用いて説明する。第9の実施形態の遊技機10は、遊技者に対してゲームコードを発行可能であって、特定状態において発行中のゲームコードの読み取りを妨害する。まず、第9の実施形態の表示装置41におけるゲームコードの発行中画面について図130を用いて説明する。図130は、第9の実施形態の表示装置に表示する、読取妨害のないゲームコードの発行中画面と、読取妨害のあるゲームコードの発行中画面の表示例を示す図である。
図130(1)に示すゲームコード発行中画面9312は、エラーが発生していない状態の表示装置41におけるゲームコードを発行中の画面を示す。ゲームコード発行中画面9312は、ゲームコード発行中メッセージ表示941と、ゲームコード942と、表示時間944を表示内容に含む。
ゲームコード942は、光学的に読み取り可能なマトリックス型の二次元コード(たとえばQRコード(登録商標))である。遊技機10は、携帯電話やスマートフォンに搭載されたカメラを用いて遊技者がゲームコード942に含まれるゲーム情報にアクセス可能にしている。ゲーム情報は、遊技機10における遊技に関する情報であり、たとえば大当り回数や変動回数、獲得遊技球数、遊技時間、特定演出の出現、特定イベントの発生等の遊技履歴に関する情報を含む。
また、ゲーム情報は、遊技中の遊技者の遊技履歴に限らず、当該遊技機で遊技したすべての遊技者の遊技履歴を含むものであってもよい。これによれば、遊技機10は、遊技機10と別体にして設けられる情報開示装置によらずに当該遊技機の情報を遊技者に開示できる。また、ゲーム情報は、遊技機10の遊技案内や、遊技機10に関連した機種の遊技案内、遊技機メーカの案内等、その他情報を含むものであってもよい。
遊技機10は、遊技者が選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bを操作することによってゲームコード942を表示できる。また、遊技機10は、特定演出の出現(たとえば特定リーチ演出中)や特定イベント(たとえば特定大当り中)の発生にもとづいてゲームコード942を表示するものであってもよい。
ゲームコード942は、シンボル943を1以上(たとえば3つ)含む。シンボル943は、データ読み出しに用いられる所定のパターン(たとえばファインダパターン)であり、アライメントパターンやタイミングパターン等を含むものであってもよい。また、ゲームコード942は、シンボル943と別に、ゲーム情報や誤り訂正情報としてのデータを含む。
表示時間944は、ゲームコード942の表示残余時間を示し、たとえば残り10秒でゲームコード942の表示を終了することを示す。なお、ゲームコード発行中画面9312は、そもそもゲームコード942の表示残余時間が設定されない場合もあることから、必ずしも表示時間944を表示することを要しない。
図130(2)に示すゲームコード発行中画面9313は、エラーが発生している状態の表示装置41におけるゲームコードを発行中の画面を示す。ゲームコード発行中画面9313は、ゲームコード発行中メッセージ表示9411と、ゲームコード9421と、表示時間9441と、エラーメッセージ表示945と、案内メッセージ946とを表示内容に含む。
エラーメッセージ表示945は、エラーが発生していることを報知する。たとえば、エラーメッセージ表示945は、メッセージ「エラー発生中!」を表示する。エラーメッセージ表示945は、報知対象となるエラーを特定のエラー(特定エラー)に限定することができる。たとえば、エラーメッセージ表示945は、ガラス枠開放エラーや本体枠開放エラー、払出エラー等を報知対象とすることができ、エラーの種別をエラーメッセージに含めてもよく、たとえばメッセージ「ガラス枠開放エラー発生中!」を表示する。
案内メッセージ946は、エラーメッセージ表示945に関連して表示される。案内メッセージ946は、発生中のエラーに関する対処方法等を表示し、たとえばメッセージ「係員を呼んでください」を表示する。
エラーメッセージ表示945は、ゲームコード発行中メッセージ表示9411に重畳して表示され、ゲームコード発行中メッセージ表示941と比較してゲームコード発行中メッセージ表示9411の視認性を低下させる。また、案内メッセージ946は、ゲームコード9421に重畳して表示され、ゲームコード942と比較してゲームコード9421の読取性能を低下させる。遊技機10は、エラーメッセージ表示945、またはエラーメッセージ表示945と案内メッセージ946とによってゲームコード9421の読取性能を低下させるものであってもよい。また、遊技機10は、エラーメッセージ表示945または案内メッセージ946にメッセージウインドウを設定し、メッセージウインドウによってゲームコード9421の読取性能を低下させるものであってもよい。
表示時間9441は、ゲームコード942の表示残余時間を示し、読取性能が低下したゲームコード9421を表示している間、更新が停止された表示残余時間を表示する。
このように、遊技機10は、エラー発生中においてゲームコード9421の読取性能を低下させることで、遊技者に対して早期のエラー解消を促すことができる。また、遊技機10は、エラー解消まで読取性能が低下したゲームコード9421を表示することで、エラー解消まで遊技者が当該遊技機に留まることを促すことができる。これにより、遊技機10は、エラー発生中のまま遊技者から放置される危険を低減できる。たとえば、このような機能を有しない遊技機は、払出エラーの発生中に遊技者に放置されると、その後に払出がおこなわれることで払出エラーから復帰したとき、わずかな賞球が遊技機に残されることで他者によって遊技中であるか否かの判断を困難にさせ、遊技場の営業損失となる。遊技機10は、このような営業損失機会を低減することができる。
次に、ゲームコード発行処理について図131を用いて説明する。図131は、第9の実施形態のゲームコード発行処理のフローチャートを示す図である。ゲームコード発行処理は、ゲームコード発行要求があるときに、演出制御装置300の制御部(CPU311)によってメイン処理(図101)のステップD23で実行される処理である。なお、遊技機10は、遊技者が選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bを操作した結果にもとづいてゲームコード発行要求を受け付ける。また、遊技機10は、特定演出の出現や特定イベントの発生にもとづいてゲームコード発行要求を受け付ける。
[ステップD131]制御部は、ゲームコードを発行中であるか否かを判定する。制御部は、ゲームコードを発行中でない場合にステップD132に進み、ゲームコードを発行中である場合にステップD135に進む。
[ステップD132]制御部は、ゲームコードを生成するための情報(ゲームコード生成情報)を取得する。
[ステップD133]制御部は、表示残余時間に初期値(たとえば20秒)をセットする。
[ステップD134]制御部は、ゲームコード生成情報から生成したゲームコードと、表示残余時間とを含むゲームコード発行中画面の生成に用いる情報を所要のメモリ(たとえばRAM322)にセットし、ゲームコード発行処理を終了する。制御部は、メイン処理のステップD23においてステップD134でセットした情報を用いてゲームコード発行中画面を生成できる。
[ステップD135]制御部は、報知対象となるエラー(特定エラー)が発生中であるか否かを判定する。制御部は、特定エラーが発生中である場合にステップD136に進み、特定エラーが発生中でない場合にステップD138に進む。
[ステップD136]制御部は、表示中のゲームコードに対応する表示残余時間を取得する。
[ステップD137]制御部は、ゲームコード読取妨害表示(たとえば、エラーメッセージ表示945や案内メッセージ946等)を所要のメモリにセットし、ゲームコード発行処理を終了する。制御部は、メイン処理のステップD23においてステップD137でセットした情報を用いてゲームコード発行中画面を生成できる。
[ステップD138]制御部は、特定エラーが解消したか否かを判定する。制御部は、特定エラーが解消した場合にステップD139に進み、特定エラーがすでに解消済の場合にステップD141に進む。
[ステップD139]制御部は、表示残余時間にステップD136で取得した値を再セットする。これにより、遊技機10は、特定エラー発生前の表示残余時間を保証する。なお、制御部は、ステップD136で取得した値が所定値に満たない場合に最低保証値(たとえば7秒)を再セットしてもよい。これにより、遊技機10は、特定エラー復帰後のゲームコード読取に要する表示残余時間を保証することができる。
[ステップD140]制御部は、ゲームコード読取妨害表示をクリアするとともに再セットした表示残余時間を所要のメモリにセットし、ゲームコード発行処理を終了する。制御部は、メイン処理のステップD23においてステップD140でセットした情報を用いてゲームコード発行中画面を生成できる。
[ステップD141]制御部は、表示残余時間がタイムアップしたか否かを判定する。制御部は、表示残余時間がタイムアップした場合にステップD142に進み、タイムアップしない場合にステップD134に進む。
[ステップD142]制御部は、ゲームコード発行中画面の生成に用いる情報を所要のメモリからクリアするとともに、ゲームコード発行要求をクリアし、ゲームコード発行処理を終了する。制御部は、メイン処理のステップD23においてゲームコード発行中画面から復帰する所要の表示画面を生成できる。
次に、ゲームコード読取妨害表示の表示期間について図132を用いて説明する。図132は、第9の実施形態のゲームコード読取妨害表示の表示期間のタイミングチャートの一例を示す図である。
遊技機10は、タイミングT11において表示残余時間のタイムアップをタイミングT14に設定してゲームコード表示をおこなう。ゲームコードの表示中のタイミングT12において特定エラーが発生すると、遊技機10は、ゲームコード読取妨害表示をおこなうとともに、エラー報知を音声出力(エラー報知音声出力)によりおこなう。遊技機10は、エラー報知音声出力をタイミングT13まで継続した後に停止する。すなわち、エラー報知音声出力は、特定エラーの発生について遊技場係員等に注意喚起する役割を有する。また、遊技機10は、エラー報知音声の出力時間を限定することで周辺遊技機の遊技環境が毀損することを防止する。
遊技機10は、特定エラー状態がタイミングT15で解消すると、ゲームコード読取妨害表示をクリアする。すなわち、遊技機10は、特定エラー状態中にゲームコード読取妨害表示をおこなうことで、周辺遊技機の遊技環境が毀損することなく特定エラーの発生報知をおこなうことができる。
遊技機10は、本来ならばタイミングT14でクリアされるゲームコードをタイミングT15を超えてタイミングT16まで表示する。すなわち、遊技機10は、ゲームコード読取妨害表示終了後のタイミングT15からタイミングT16までの期間を、ゲームコード表示期間として保証する。
[第9の実施形態の変形例1]
次に第9の実施形態の変形例1について図133を用いて説明する。第9の実施形態の変形例1は、ゲームコード読取妨害表示が異なる点で、第9の実施形態と相違する。図133は、第9の実施形態の変形例1の読取妨害のあるゲームコードの発行中画面の表示例を示す図である。
図133(1)に示すゲームコード発行中画面9314は、エラーが発生している状態の表示装置41におけるゲームコードを発行中の画面を示す。ゲームコード発行中画面9314は、ゲームコード947を表示内容に含む。ゲームコード947は、ゲームコード942の解像度を低下させた表示であり、解像度低下により有意な情報を読取が困難になっている。ゲームコード942の解像度を低下させたゲームコード947は、ゲームコード読取妨害表示の一形態である。
図133(2)に示すゲームコード発行中画面9315は、エラーが発生している状態の表示装置41におけるゲームコードを発行中の画面を示す。ゲームコード発行中画面9315は、ゲームコード942とキャラクタ948とを表示内容に含む。キャラクタ948は、ゲームコード942に重畳してゲームコード942からの情報読取を困難にしている。キャラクタ948は、ゲームコード読取妨害表示の一形態である。
なお、キャラクタ948は、ゲームコード942からの情報読取を困難にする十分な大きさで表示されればよく、必ずしもゲームコード942のすべてと重畳することを要しない。遊技機10は、キャラクタ948とともにゲームコード942の一部を表示することでゲームコード発行中画面9315がゲームコード942を発行中であることを示すことができる。また。キャラクタ948は、表示位置を変更してもよい。また、キャラクタ948は、ゲームコード942からの情報読取を困難にする範囲で表示位置に応じて大きさを変更してもよい。なお、キャラクタ948は、静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。また、キャラクタ948は、1体であってもよいし、2体以上であってもよい。
なお、演出制御装置300は、客待ち中に選択ボタンスイッチ25aや決定ボタンスイッチ25b等の操作(所定の操作)を受け付けることでゲームコード942を表示可能とするだけでなく、変動表示ゲーム実行中にゲームコード942を表示するものであってもよい。演出制御装置300は、変動表示ゲーム実行中であれば、飾り図柄や保留記憶等の表示要素と重ならない領域、たとえば表示領域の隅部等にゲームコード942を表示することができる。
また、演出制御装置300は、ゲームコード942からの情報読取を困難にするキャラクタを表示するとき、専用キャラクタを用いてもよいし、エラー発生前から表示しているキャラクタ(たとえば演出用キャラクタ)を用いてもよい。
図133(3)に示すゲームコード発行中画面9316は、エラーが発生している状態の表示装置41におけるゲームコードを発行中の画面を示す。ゲームコード発行中画面9316は、ゲームコード9423を表示内容に含む。ゲームコード9423は、ゲームコード942を差し替えた表示である。ゲームコード9423は、有意な情報を読取可能であるものの遊技者が期待する情報と異なる情報を含む。たとえば、ゲームコード9423は、メッセージ「係員を呼んでください」を含み、遊技者が携帯電話やスマートフォン等の携帯端末装置によりゲームコードを読み取ると携帯端末装置にメッセージ「係員を呼んでください」が表示される。したがって、このようなゲームコード9423は、ゲームコード942の読取を妨害するゲームコード読取妨害表示の一形態である。このような遊技機10は、ゲームコードと異なるが有意な情報を遊技者に提示することで、エラー解除待ちに対する遊技者の不満を緩和することができる。
[第9の実施形態の変形例2]
次に第9の実施形態の変形例2について図134を用いて説明する。第9の実施形態の変形例2は、ゲームコード読取妨害表示のクリア後に、ゲームコード読取妨害表示前のゲームコードを新たな情報を含むゲームコードに差し替える点で、第9の実施形態と相違する。図134は、第9の実施形態の変形例2のゲームコード読取妨害表示のクリア後のゲームコードの発行中画面の表示例を示す図である。
ゲームコード発行中画面9317は、表示装置41におけるゲームコード読取妨害表示のクリア後のゲームコードを発行中の画面を示す。ゲームコード発行中画面9317は、ゲームコード948を表示内容に含む。ゲームコード948は、ゲームコード942を差し替えた表示である。ゲームコード948は、ゲームコード942と異なる新たな情報を含む。たとえば、ゲームコード948は、エラー復帰という履歴情報を含む。このような遊技機10は、エラー復帰という履歴情報を含むゲームコードを遊技者に提示することで、ゲームコード948の読取について遊技者に対して動機付けを与えることができる。なお、ゲームコード948は、遊技者に対して特典となる情報(たとえば特別な画像や特別な音声)を含むものであってもよく、エラー復帰までの待ち時間に応じて異なる情報を含むものであってもよい。このような遊技機10は、遊技者に対して特典を付与することで、エラー解除待ちに対する遊技者の不満を緩和することができる。
上述した第9の実施形態(変形例1および変形例2を含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、遊技者に対してゲームコードを発行可能であって、ゲームコードを表示する表示手段(表示装置41、演出制御装置300)と、所定のエラーが発生した場合に遊技者によるゲームコードの読取を制限(妨害)する制限(妨害)手段(演出制御装置300)を含む。
(2)(1)の遊技機10は、光学的に読み取り可能なマトリックス型の二次元コードをゲームコードとして表示装置に表示する。
(3)(2)の遊技機10は、遊技者が選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25bを操作することによってゲームコードを表示する。
(4)(2)の遊技機10は、特定演出の出現(たとえば特定リーチ演出中)や特定イベント(たとえば特定大当り中)の発生にもとづいてゲームコードを表示する。
(5)(1)の遊技機10は、エラー発生に関する表示をゲームコードに重畳することによってゲームコードの読取性能を低下させる。
(6)(1)の遊技機10は、キャラクタ表示をゲームコードに重畳することによってゲームコードの読取性能を低下させる。
(7)(1)の遊技機10は、ゲームコードの解像度を低下することによってゲームコードの読取性能を低下させる。
(8)(1)の遊技機10は、ゲームコードの読取の制限(妨害)後、ゲームコードを読取可能な状態に復帰させたとき、遊技者によるゲームコードの読取のための時間を保証する。
[第10の実施形態]
次に、第10の実施形態の遊技機10について図135から図148を用いて説明する。第10の実施形態の遊技機10は、開発過程における遊技性能の変更に柔軟に対応可能な点で第1の実施形態と異なる。まず、第10の実施形態の遊技盤について図135を用いて説明する。図135は、第10の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。
遊技盤3010は、第10の実施形態の遊技機10に備えられる。なお、遊技盤3010と第1の実施形態の遊技盤30とで同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する。
遊技盤3010は、遊技領域32におけるセンターケース40の側方右側に普図始動ゲート34を設ける。普図始動ゲート34に入賞した遊技球は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。また、遊技盤3010は、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側に二つの一般入賞口35を配置し、センターケース40の下方右側に一つの一般入賞口35を配置する。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、遊技盤3010は、遊技領域32におけるセンターケース40の下方に始動入賞口360(第1始動入賞口、始動入賞領域)を設ける。始動入賞口360に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。また、遊技盤3010は、始動入賞口360の直下に普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)を設ける。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。
また、遊技盤3010は、遊技領域32におけるセンターケース40の下方であって、始動入賞口360よりも右側に特別変動入賞装置(大入賞口)38を配設する。特別変動入賞装置38に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ38a(図3参照)により検出される。さらに、遊技盤3010は、遊技領域32におけるセンターケース40の下方であって、特別変動入賞装置38の直上右側に第2特別変動入賞装置(第2大入賞口)381を配設する。第2特別変動入賞装置381は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉381cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって第2大入賞口381を閉じた閉塞状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち、第2特別変動入賞装置381は、たとえば、大入賞口ソレノイド38b(図3参照)と同様の駆動装置としての第2大入賞口ソレノイド(図示省略)により駆動される開閉扉381cによって開閉される第2大入賞口を備え、特別遊技状態中や小当り遊技状態中は、第2大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより第2大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口と第2大入賞口とは、排他的に開放状態となる。第2特別変動入賞装置381に入賞した遊技球は、大入賞口における大入賞口スイッチ38aと同様に第2大入賞口スイッチ(図示省略)により検出される。なお、第10の実施形態の遊技機10は、第2大入賞口スイッチによる入賞検出を特典遊技状態(低確率状態から高確率状態となる確率変動)への遷移条件の1つとしている。したがって、第2大入賞口381は、Vアタッカと称され、第2大入賞口スイッチはVスイッチと称される場合がある。
また、第2大入賞口381は、第2大入賞口スイッチと別体にVスイッチを備えてもよく、その場合に第2大入賞口スイッチはカウントスイッチとして機能し、第2大入賞口スイッチを通過した遊技球をVスイッチが検出するようにしてもよい。このとき、第2大入賞口381は、Vスイッチが検出する遊技球を1つに限るためにVスイッチへの流路を閉塞するV閉塞を備えるようにしてもよい。
第10の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口360への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37や特別変動入賞装置38や第2特別変動入賞装置381への入賞を狙うことができるようになっている。
ここで、第10の実施形態の遊技機10において、右側遊技領域に対応する位置には、センターケース40の右端部に取り付けられた流路形成部材42が配設されており、右側遊技領域へと発射された遊技球は、流路形成部材42によって形成される流路を通過するよう構成されている。なお、流路形成部材42の少なくとも前面の材質は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球を外部から視認可能な材質になっているので、遊技者等は、流路形成部材42によって形成される流路を通過する遊技球(すなわち、右側遊技領域を流下する遊技球)を、流路形成部材42の前方から流路形成部材42を通して視認することができる。
一般にこのような遊技機10は、遊技制御装置100が実行する遊技制御プログラムを更新することで遊技機性能を更新することができる。また、遊技制御プログラムの更新と整合させるため、演出制御装置300が実行する演出制御プログラムの更新が必要とされる場合がある。演出制御プログラムの更新は、演出制御用のデータにまで更新範囲が及ぶ場合があり、開発過程における開発期間の長期化の一因となっている。
第10の実施形態の遊技機10は、遊技機性能の更新に伴うプログラムの更新範囲を限定することで開発過程における開発期間短縮を容易にしている。たとえば、第10の実施形態の遊技機10は、遊技機性能の更新に伴うプログラムの更新範囲を遊技制御プログラムの範囲に限定することができる。
なお、遊技機性能は、遊技機性能の調整に伴って更新されるほか、遊技機性能の異なるシリーズ機の追加、異なる遊技機間の遊技制御プログラムの一部共用化等によっても更新され得る。
次に、遊技性能が異なる2つのシリーズ機について図136を用いて説明する。図136は、第10の実施形態の遊技性能テーブルの一例を示す図である。
図136に示す遊技性能テーブルは、遊技性能の異なる遊技機(シリーズA)と遊技機(シリーズB)の大当り種別ごとの性能パラメータ(賞球数、カウント数、ラウンド数)を表わす。なお、遊技機(シリーズA)と遊技機(シリーズB)とは、一方がベースとなる遊技制御プログラムを備え、他方がベースとなる遊技制御プログラムを更新した遊技制御プログラムを備えるものとする。
遊技機(シリーズA)と遊技機(シリーズB)とは、大当り種別に「大当り1」と「大当り2」と「大当り3」を含む。遊技制御装置100は、大当り種別を特定可能な情報(たとえば特図1図柄あるいは特図2図柄)を演出制御装置300に送信するので、演出制御装置300は、大当り種別を特定可能な情報から大当り種別を特定できる。
大当り種別「大当り1」は、遊技機(シリーズA)で賞球数「15」、カウント数「10」、ラウンド数「12」であり、遊技機(シリーズB)で賞球数「14」、カウント数「9」、ラウンド数「13」である。また、大当り種別「大当り2」は、遊技機(シリーズA)で賞球数「15」、カウント数「10」、ラウンド数「10」であり、遊技機(シリーズB)で賞球数「14」、カウント数「9」、ラウンド数「11」である。また、大当り種別「大当り3」は、遊技機(シリーズA)で賞球数「15」、カウント数「10」、ラウンド数「8」であり、遊技機(シリーズB)で賞球数「14」、カウント数「9」、ラウンド数「8」である。
従来、これら大当り種別ごとの賞球数とカウント数とラウンド数は、演出制御プログラムにあらかじめ設定され、遊技制御装置100が機種名(シリーズ名)を演出制御装置300に通知し、演出制御装置300は、機種名から遊技性能を特定していた。一方、第10の実施形態の遊技機10は、大当りごとに大当り種別に対応する性能パラメータ(たとえば賞球数、カウント数、ラウンド数等)を演出制御装置300に通知する。演出制御装置300は、通知された性能パラメータから遊技性能を特定できる。
次に、演出制御装置300が遊技性能を特定しておこなう遊技演出について図137から図139を用いて説明する。まず、遊技性能が異なる2つの遊技機(シリーズA、シリーズB)におけるファンファーレ演出中の表示画面について図137を用いて説明する。図137は、第10の実施形態の遊技機におけるファンファーレ演出中の表示画面の一例を示す図である。
図137(1)に示す演出表示画面600は、遊技機(シリーズA)における大当り種別「大当り2」のファンファーレ中の表示画面を示す。演出表示画面600は、大当り種別案内メッセージ601と、大当り性能案内メッセージ602を表示内容に含む。大当り種別案内メッセージ601は、大当り種別を案内するメッセージである。たとえば、大当り種別案内メッセージ601は、大当り種別「大当り2」に対応してメッセージ「大当り」を表示するが、大当り種別によってはメッセージ「超大当り」やメッセージ「小当り」等を表示する。
大当り性能案内メッセージ602は、遊技機(シリーズA)における大当り性能を案内するメッセージであり、たとえばメッセージ「1500チャンス GET!!」を表示する。メッセージ中の「1500チャンス」は、当該大当りにおける賞球獲得数として1500個が期待できることを示す。賞球獲得数の単位「チャンス」は、賞球獲得数が保証のない予定数であることを示す。
ここで、演出制御装置300は、賞球獲得数「1500」を、大当り種別ごとの大当り性能としてあらかじめ記憶保持しているわけではなく、遊技制御装置100から通知される性能パラメータにもとづいて算出している。すなわち、演出制御装置300は、既知の大当り図柄からラウンド数を特定し、ファンファーレコマンドからカウント数と賞球数を特定する。演出制御装置300は、このようにして特定した性能パラメータから賞球獲得数を生成する。
たとえば、演出制御装置300は、大当り図柄から特定したラウンド数「10」とカウント数「10」と賞球数「15」とあらかじめ記憶保持する算出式((1)式)とから賞球獲得数を算出できる。
賞球獲得数=ラウンド数×カウント数×賞球数 … (1)
(1)式より、演出制御装置300は、賞球獲得数「1500(=10×10×15)」を得る。
図137(2)に示す演出表示画面600aは、遊技機(シリーズB)における大当り種別「大当り2」のファンファーレ中の表示画面を示す。演出表示画面600aは、大当り種別案内メッセージ601aと、大当り性能案内メッセージ602aを表示内容に含む。大当り種別案内メッセージ601aは、大当り種別案内メッセージ601と同様に大当り種別「大当り2」に対応してメッセージ「大当り」を表示する。
大当り性能案内メッセージ602aは、遊技機(シリーズB)における大当り性能を案内するメッセージであり、たとえばメッセージ「1386チャンス GET!!」を表示する。
ここで、演出制御装置300は、当該大当り中に獲得可能な賞球数である賞球獲得数「1386」を、大当り種別ごとの大当り性能としてあらかじめ記憶保持しているわけではなく、遊技制御装置100から通知される性能パラメータにもとづいて算出している。たとえば、演出制御装置300は、既知の大当り図柄から特定したラウンド数「11」と、遊技制御装置100からファンファーレコマンドによって通知されたカウント数「9」と賞球数「14」と、あらかじめ記憶保持する算出式((1)式)とから賞球獲得数を算出できる。
(1)式より、演出制御装置300は、賞球獲得数「1386(=11×9×14)」を得る。
このように、演出制御装置300は、シリーズ共通の算出式を記憶保持するだけで、遊技機(シリーズA)と遊技機(シリーズB)のそれぞれの賞球獲得数を算出できる。これにより、遊技機10は、遊技機性能の更新に伴うプログラムの更新範囲を遊技制御プログラムの範囲に限定することができる。
なお、演出制御装置300は、シリーズ共通の算出式を記憶保持するとしたが、算出式に代えて性能パラメータ(たとえばラウンド数、カウント数、賞球数等)から目的値(たとえば賞球獲得数等)を参照可能なテーブルデータを記憶保持するものであってもよい。
このような遊技機10は、目的値を遊技者に開示し、目的値の算出に用いた性能パラメータを非開示とすることで、目的値の算出に用いた性能パラメータを遊技者に連想させることができる。たとえば、大当りごとに異なるラウンド数やカウント数が異なる場合、同じ目的値が開示されても、目的値の算出に用いた性能パラメータが異なり得る。具体的には、賞球獲得数「800」は、ラウンド数「10」×カウント数「8」×賞球数「10」の場合やラウンド数「10」×カウント数「10」×賞球数「8」の場合等があり得る。また、賞球獲得数「864」は、ラウンド数「8」×カウント数「9」×賞球数「12」の場合やラウンド数「9」×カウント数「8」×賞球数「12」の場合等があり得る。演出制御装置300は、後で説明する昇格演出や上乗せ演出の成功確率を目的値の算出に用いた性能パラメータごとに違えることで、昇格演出や上乗せ演出の期待感を演出できる。
なお、演出表示画面600,600aにおいて、演出制御装置300が目的値のみを表示する例を示したが、演出制御装置300は、目的値の算出に用いた性能パラメータの一部または全部を表示してもよい。また、演出制御装置300は、目的値の算出に用いた性能パラメータを示唆する表示をおこなうようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、演出表示画面600,600aにおける文字色や背景色、キャラクタ表示等により性能パラメータを示唆できる。具体的には、演出制御装置300は、カウント数「5」のとき大当り性能案内メッセージを青文字として表示し、カウント数「6」のとき大当り性能案内メッセージを赤文字として表示する等により、カウント数を示唆することができる。
次に、遊技性能が異なる2つの遊技機(シリーズA、シリーズB)における大入賞口開放中の表示画面について図138を用いて説明する。図138は、第10の実施形態の遊技機における大入賞口開放演出中の表示画面の一例を示す図である。
図138(1)に示す演出表示画面603は、遊技機(シリーズA)における大当り種別「大当り2」の大入賞口開放中(1ラウンド)の表示画面を示す。演出表示画面603は、大入賞口開放中メッセージ604と、賞球獲得案内表示605と、賞球獲得数案内表示606とを表示内容に含む。大入賞口開放中メッセージ604は、大入賞口開放中の大当り種別とラウンド数を案内するメッセージである。たとえば、大入賞口開放中メッセージ604は、大当り種別「大当り2」に対応してメッセージ「大当り中」を表示するとともにメッセージ「1ラウンド」を表示する。
賞球獲得案内表示605は、大入賞口開放中にカウント数の範囲内で大入賞口への入賞があったときに、各入賞に対応して賞球数を表示する。たとえば、賞球獲得案内表示605にある賞球数表示6051,6052,6053は、入賞タイミングを把握可能に左側から時系列に表示される。すなわち、賞球獲得案内表示605は、賞球数表示6051,6052,6053の順に3回の入賞があり、それぞれ賞球数「15」であることを示す。なお、賞球数表示6051,6052,6053は、左側から時系列に表示されることに代えてランダムな表示位置に表示されるものであってもよい。
賞球獲得数案内表示606は、賞球獲得数(予定数)6061と賞球獲得数(確定数)6062を含む。たとえば、賞球獲得数案内表示606は、予定する賞球獲得数「1500」に対して賞球獲得数「45」が確定したことを示す(15個賞球3カウントを図示)。
図138(2)に示す演出表示画面603aは、遊技機(シリーズB)における大当り種別「大当り2」の大入賞口開放中(1ラウンド)の表示画面を示す。演出表示画面603aは、大入賞口開放中メッセージ604aと、賞球獲得案内表示605aと、賞球獲得数案内表示606aとを表示内容に含む。大入賞口開放中メッセージ604aは、大入賞口開放中の大当り種別とラウンド数を案内するメッセージである。たとえば、大入賞口開放中メッセージ604aは、大当り種別「大当り2」に対応してメッセージ「大当り中」を表示するとともにメッセージ「1ラウンド」を表示する。
賞球獲得案内表示605aは、大入賞口開放中にカウント数の範囲内で大入賞口への入賞があったときに、各入賞に対応して賞球数を表示する。たとえば、賞球獲得案内表示605aにある賞球数表示6055,6056,6057は、入賞タイミングを把握可能に左側から時系列に表示される。すなわち、賞球獲得案内表示605aは、賞球数表示6055,6056,6057の順に3回の入賞があり、それぞれ賞球数「14」であることを示す。
賞球獲得数案内表示606aは、賞球獲得数(予定数)6063と賞球獲得数(確定数)6064を含む。たとえば、賞球獲得数案内表示606aは、予定する賞球獲得数「1386」に対して賞球獲得数「42」が確定したことを示す(14個賞球3カウントを図示)。
次に、遊技性能が異なる2つの遊技機(シリーズA、シリーズB)におけるラウンド継続演出中の表示画面について図139を用いて説明する。図139は、第10の実施形態の遊技機におけるラウンド継続演出中の表示画面の一例を示す図である。
図139(1)に示す演出表示画面607は、遊技機(シリーズA)における大当り種別「大当り1」のラウンド継続演出中の表示画面を示す。演出表示画面607は、大当り種別「大当り1」でありながらファンファーレ演出中に大当り種別「大当り2」と同様の演出表示画面600を一旦表示し、大当り中にファンファーレ演出に遅れて表示される画面である。すなわち、演出表示画面607は、大当り種別「大当り2」から大当り種別「大当り1」への昇格を演出(昇格演出または上乗せ演出)する表示画面の一形態である。たとえば、演出表示画面607は、大入賞口開放表示中や、インターバル表示中に表示される。
演出表示画面607は、ラウンド継続案内メッセージ608と、ラウンド継続性能案内メッセージ609と、賞球獲得数案内表示610とを表示内容に含む。ラウンド継続案内メッセージ608は、ラウンド継続(大当り昇格)を案内するメッセージである。たとえば、ラウンド継続案内メッセージ608は、ラウンド継続に対応してメッセージ「大当り中 EXラウンド」を表示する。
ラウンド継続性能案内メッセージ609は、ラウンド継続性能を案内するメッセージである。たとえば、ラウンド継続性能案内メッセージ609は、賞球獲得数が「300(=2×10×15)」加算されることを案内する。
賞球獲得数案内表示610は、賞球獲得数(予定数)6101と賞球獲得数(確定数)6102を含む。たとえば、賞球獲得数案内表示610は、予定する賞球獲得数が「1800」に更新され、ここまでの賞球獲得数「1500」が確定したことを示す。
図139(2)に示す演出表示画面607aは、遊技機(シリーズB)における大当り種別「大当り1」のラウンド継続演出中の表示画面を示す。演出表示画面607aは、大当り種別「大当り1」でありながらファンファーレ演出中に大当り種別「大当り2」と同様の演出表示画面600aを一旦表示し、大当り中にファンファーレ演出に遅れて表示される画面である。すなわち、演出表示画面607aは、大当り種別「大当り2」から大当り種別「大当り1」への昇格を演出する表示画面の一形態である。
演出表示画面607aは、ラウンド継続案内メッセージ608aと、ラウンド継続性能案内メッセージ609aと、賞球獲得数案内表示610aとを表示内容に含む。ラウンド継続案内メッセージ608aは、ラウンド継続(大当り昇格)を案内するメッセージである。たとえば、ラウンド継続案内メッセージ608aは、ラウンド継続に対応してメッセージ「大当り中 EXラウンド」を表示する。
ラウンド継続性能案内メッセージ609aは、ラウンド継続性能を案内するメッセージである。たとえば、ラウンド継続性能案内メッセージ609aは、賞球獲得数が「252(=2×9×14)」加算されることを案内する。
賞球獲得数案内表示610aは、賞球獲得数(予定数)6103と賞球獲得数(確定数)6104を含む。たとえば、賞球獲得数案内表示610aは、予定する賞球獲得数が「1638」に更新され、ここまでの賞球獲得数「1386」が確定したことを示す。
次に、遊技制御装置100が演出制御装置300に送信するコマンドについて図140から図141を用いて説明する。演出制御装置300は、遊技制御装置100からコマンドを受信することによって表示装置41に表示する表示内容を生成することができる。
まず、ファンファーレコマンドについて図140を用いて説明する。図140は、第10の実施形態のファンファーレコマンドの一例を示す図である。図140(1)にファンファーレコマンドを示す。ファンファーレコマンドは、送信順「1」のコマンドであり、送信順「2」以降のコマンドを含むことなく単独のコマンドとして遊技制御装置100が演出制御装置300に送信するコマンドである。ファンファーレコマンドは、ファンファーレ/インターバル中処理(図51参照)のステップA903で演出コマンドとして設定される。
ファンファーレコマンドは、MODE「81H」により識別され、ACTIONにより性能パラメータを指定する。ACTIONは、上位4ビットと下位4ビットとで構成され、上位4ビットからなるACTION(上位)はカウント数を指定し、下位4ビットからなるACTION(下位)は賞球数を指定する。ACTION(上位)は、最上位ビットがMODEと区別するために「0」に固定されるので「0H」から「7H」の範囲の値を取り得る。ACTION(下位)は、「0H」から「FH」の範囲の値を取り得る。
図140(2)にACTION(上位)の指定内容を示す。ACTION(上位)「0H」はカウント数「10」に対応し、ACTION(上位)「1H」はカウント数「9」に対応し、ACTION(上位)「7H」はカウント数「3」に対応する。すなわち、ACTION(上位)が指定するカウント数は、あらかじめ設定する上限値「10H」からACTION(上位)の値を減算した値となっている。これは、ACTION(上位)がとり得る値が「0H」から「7H」の範囲に制限されていることによる。なお、演出制御装置300は、ACTION(上位)の値からカウント数を算出するとしたが、参照テーブルを用いてカウント数を取得するものであってもよい。
図140(3)にACTION(下位)の指定内容を示す。ACTION(下位)「0H」は賞球数「0」に対応し、ACTION(下位)「1H」は賞球数「1」に対応し、ACTION(下位)「FH」はカウント数「15」に対応する。
これにより、演出制御装置300は、遊技制御装置100から当該大当り(小当りを含む)のカウント数と賞球数を取得することができ、ファンファーレ演出中の表示画面(たとえば演出表示画面600,600a)を生成できる。なお、演出制御装置300は、遊技制御装置100から受信済みの図柄コマンドより当該大当り(小当りを含む)のラウンド数を特定することができる。通常、ラウンド数は、大当り中の演出制御全般に影響するため、開発過程終盤で変更されることがないことから、ファンファーレコマンドによって指定されるものでなくてもよい。
ここで、ファンファーレコマンドの変形例について図141を用いて説明する。図141は、第10の実施形態のファンファーレコマンドの変形例を示す図である。
ファンファーレコマンドは、送信順「1」から送信順「4」のコマンド群として遊技制御装置100が演出制御装置300に送信するコマンドである。まず、遊技制御装置100は、送信順「1」のコマンド(コマンド名「ファンファーレコマンド」)を送信する。コマンド名「ファンファーレコマンド」は、MODE「81H」と、ACTION「01H」とを含む。
次に、遊技制御装置100は、送信順「2」のコマンド(コマンド名「ラウンド指定コマンド」)を送信する。コマンド名「ラウンド指定コマンド」は、MODE「90H」と、ACTIONとを含む。コマンド名「ラウンド指定コマンド」のACTIONは、「01H」から「10H」の範囲の値を取り得て、ラウンド数「1」からラウンド数「16」のいずれかを指定できる。
次に、遊技制御装置100は、送信順「3」のコマンド(コマンド名「カウント指定コマンド」)を送信する。コマンド名「カウント指定コマンド」は、MODE「91H」と、ACTIONとを含む。コマンド名「カウント指定コマンド」のACTIONは、「01H」から「0AH」の範囲の値を取り得て、カウント数「1」からカウント数「10」のいずれかを指定できる。
次に、遊技制御装置100は、送信順「4」のコマンド(コマンド名「賞球指定コマンド」)を送信する。コマンド名「賞球指定コマンド」は、MODE「92H」と、ACTIONとを含む。コマンド名「賞球指定コマンド」のACTIONは、「01H」から「0FH」の範囲の値を取り得て、賞球数「1」から賞球数「15」のいずれかを指定できる。
このようなファンファーレコマンドの変形例によれば、演出制御装置300は、遊技制御装置100から当該大当り(小当りを含む)のラウンド数とカウント数と賞球数を取得することができる。
次に、大入賞口カウントコマンドについて図142を用いて説明する。図142は、第10の実施形態の大入賞口カウントコマンドの一例を示す図である。大入賞口カウントコマンドは、遊技制御装置100が演出制御装置300に送信する送信順「1−1」、または送信順「1−2」のコマンドである。大入賞口カウントコマンドは、大入賞口スイッチ監視処理(図27参照)のステップA208またはステップA212で演出コマンドとして設定される。なお、遊技制御装置100は、Vスイッチが遊技球を検出したときに送信順「1−3」のコマンドを演出制御装置300に送信する。
遊技制御装置100は、指定されたカウント数を超えない範囲の大入賞口入賞があったとき、大入賞口入賞の都度、送信順「1−1」のコマンドを送信する。送信順「1−1」のコマンドは、コマンド名「獲得賞球報知対象大入賞口カウントコマンド」であり、演出制御装置300は、当該コマンドを受信したときに大入賞口開放中の表示画面に各入賞に対応した賞球数を表示する。コマンド名「獲得賞球報知対象大入賞口カウントコマンド」は、MODE「A6H」と、ACTIONとを含む。コマンド名「獲得賞球報知対象大入賞口カウントコマンド」のACTIONは、「01H」から「0FH」の範囲の値を取り得て、賞球数「1」から賞球数「15」のいずれかを指定できる。
遊技制御装置100は、指定されたカウント数を超えて大入賞口入賞があったとき、大入賞口入賞の都度、送信順「1−2」のコマンドを送信する。送信順「1−2」のコマンドは、コマンド名「獲得賞球非報知対象大入賞口カウントコマンド」であり、演出制御装置300は、当該コマンドを受信したときに大入賞口開放中の表示画面に各入賞に対応した賞球数の表示と異なる表示態様で当該入賞を案内(図143を用いて後で説明する)する。コマンド名「獲得賞球非報知対象大入賞口カウントコマンド」は、MODE「A7H」と、ACTIONとを含む。コマンド名「獲得賞球非報知対象大入賞口カウントコマンド」のACTIONは、「01H」から「0FH」の範囲の値を取り得て、賞球数「1」から賞球数「15」のいずれかを指定できる。
遊技制御装置100は、Vスイッチが遊技球を検出したとき、最初の検出に関して送信順「1−3」のコマンドを送信する。送信順「1−3」のコマンドは、コマンド名「Vコマンド」であり、演出制御装置300は、当該コマンドを受信したときにVスイッチへ入賞案内を表示(V入賞報知演出)する。コマンド名「Vコマンド」は、MODE「A8H」と、ACTION「00H」とを含む。
これにより、演出制御装置300は、遊技制御装置100から当該大当り(小当りを含む)の各入賞に対応した賞球数を取得することができ、大入賞口開放中の表示画面(たとえば演出表示画面603,603a)を生成できる。また、演出制御装置300は、指定されたカウント数を超えて大入賞口入賞があったとき、大入賞口開放中の表示画面で当該入賞を案内することができる。なお、演出制御装置300は、指定されたカウント数を超えて大入賞口入賞があったとき、スピーカ19a,19bにおける報知音や盤演出装置44における報知動作等、その他の演出装置における報知演出によっても当該入賞を案内することができる。
なお、遊技制御装置100は、獲得賞球報知対象大入賞口カウントコマンドと獲得賞球非報知対象大入賞口カウントコマンドとを区別せずに共通のコマンド(たとえば、大入賞口カウントコマンド)を用いることもできる。この場合、演出制御装置300は、遊技制御装置100からあらかじめ通知されるカウント数以下のコマンド受信を獲得賞球報知対象大入賞口カウントコマンドとして扱い、カウント数を超えるコマンド受信を獲得賞球非報知対象大入賞口カウントコマンドとして扱うことができる。演出制御装置300は、共通のコマンドの受信に先立ち、たとえばファンファーレコマンドによってカウント数を取得できる。
次に、演出制御装置300がコマンド名「獲得賞球非報知対象大入賞口カウントコマンド」を受信したときに生成する大入賞口開放中の表示画面について図143を用いて説明する。図143は、第10の実施形態の大入賞口開放演出中の表示画面の一例を示す図である。
演出表示画面611は、遊技機(シリーズA)における大当り種別「大当り2」の大入賞口開放中(4ラウンド)の表示画面を示す。演出表示画面611は、大入賞口開放中メッセージ612と、賞球獲得案内表示613と、賞球獲得数案内表示616とを表示内容に含む。たとえば、大入賞口開放中メッセージ612は、大当り種別「大当り2」に対応してメッセージ「大当り中」を表示するとともにメッセージ「4ラウンド」を表示する。
賞球獲得案内表示613は、指定されたカウント数を超えない範囲の大入賞口入賞を案内表示する案内表示614と、指定されたカウント数を超えた大入賞口入賞を案内表示する案内表示615を含む。たとえば、案内表示614は、入賞タイミングを把握可能に左側から順に時系列に賞球数表示(賞球数表示6140,6141,6142,…)を表示する。たとえば、案内表示615は、入賞タイミングを把握可能に別態様賞球数表示6150を表示する。別態様賞球数表示6150は、「EX」を表示し、賞球数を非表示とする。これは、演出制御装置300がカウント数を超えた大入賞口入賞を賞球獲得数の対象外とするからである。これにより、演出制御装置300は、賞球獲得数(確定数)が賞球獲得数(予定数)を超えることを防止する。また、遊技機10は、カウント数を超えた入賞の有無を遊技者に感得容易に案内することができる。
賞球獲得数案内表示616は、賞球獲得数(予定数)6161と賞球獲得数(確定数)6162を含む。たとえば、賞球獲得数案内表示616は、予定する賞球獲得数「1500」に対して賞球獲得数「600」が確定したことを示す。
なお、別態様賞球数表示6150は、賞球数表示(賞球数表示6140,6141,6142,…)と区別可能であれば賞球数を表示するものであってもよい。
また、演出制御装置300は、賞球数表示(賞球数表示6140,6141,6142,…)と別態様賞球数表示6150とを表示態様によって区別可能にしたが、表示態様の区別に代えて、あるいは表示態様の区別に加えて表示位置によって区別可能にしてもよい。
また、演出制御装置300は、賞球数表示(賞球数表示6140,6141,6142,…)と別態様賞球数表示6150とを表示位置によって区別可能にする場合、案内表示614の表示態様と、案内表示615の表示態様とを区別可能にすることで、両者の区別を容易にすることができる。
また、演出制御装置300は、別態様賞球数表示6150を複数表示する場合、すなわちカウント数を超えて2以上の入賞があった場合にそれぞれを異なる表示態様としてもよい。たとえば、演出制御装置300は、カウント数を超えた1個目の入賞について別態様賞球数表示「EX」を表示し、カウント数を超えた2個目の入賞について別態様賞球数表示「スーパーEX」を表示する。
〔特図ゲーム系コマンド処理〕
次に、特図ゲーム系コマンド処理について図144を用いて説明する。図144は、第10の実施形態の演出制御装置における特図ゲーム系コマンド処理のフローチャートを示す図である。特図ゲーム系コマンド処理は、受信コマンド解析処理(図103参照)のステップD68で制御部(たとえば、演出制御装置300のCPU311)によって実行される処理である。制御部は、MODEのデータが特図ゲーム系コマンド範囲内にある場合に特図ゲーム系コマンド処理を実行する。
[ステップD151]制御部は、MODEのデータが客待ちデモコマンドであるか否かを判定する。制御部は、MODEのデータが客待ちデモコマンドである場合に客待ちデモ設定処理を実行し(ステップD152)、MODEのデータが客待ちデモコマンドでない場合にステップD153に進む。なお、客待ちデモ設定処理は、客待ちデモ中の演出内容を設定する処理である。
[ステップD153]制御部は、MODEのデータがファンファーレコマンドであるか否かを判定する。制御部は、MODEのデータがファンファーレコマンドである場合にファンファーレ設定処理を実行し(ステップD154)、MODEのデータがファンファーレコマンドでない場合にステップD155に進む。なお、ファンファーレ設定処理は、ファンファーレ中の演出内容を設定する処理である。
[ステップD155]制御部は、MODEのデータが大入賞口開放n回目コマンドであるか否かを判定する。制御部は、MODEのデータが大入賞口開放n回目コマンドである場合に大入賞口開放n回目設定処理を実行し(ステップD156)、MODEのデータが大入賞口開放n回目コマンドでない場合にステップD157に進む。なお、大入賞口開放n回目設定処理は、大入賞口開放n回目、すなわちラウンド中の演出内容を設定する処理である。
[ステップD157]制御部は、MODEのデータがインターバルコマンドであるか否かを判定する。制御部は、MODEのデータがインターバルコマンドである場合にインターバル設定処理を実行し(ステップD158)、MODEのデータがインターバルコマンドでない場合にステップD159に進む。なお、インターバル設定処理は、インターバル中、すなわちラウンド間の演出内容を設定する処理である。
[ステップD159]制御部は、MODEのデータがエンディングコマンドであるか否かを判定する。制御部は、MODEのデータがエンディングコマンドである場合にエンディング設定処理を実行し(ステップD160)、MODEのデータがエンディングコマンドでない場合に特図ゲーム系コマンド処理を終了する。
〔ファンファーレ設定処理〕
次に、ファンファーレ設定処理について図145を用いて説明する。図145は、第10の実施形態の演出制御装置におけるファンファーレ設定処理のフローチャートを示す図である。ファンファーレ設定処理は、特図ゲーム系コマンド処理(図144参照)のステップD154で制御部によって実行される処理である。
[ステップD161]制御部は、大当り図柄から大当り種別を判別し、判別した大当り種別からラウンド数を取得する。なお、制御部は、遊技制御装置100から受信済みの図柄コマンドによって大当り図柄を参照できる。
[ステップD162]制御部は、上乗せ演出の実行の有無を抽選する。
[ステップD163]制御部は、上乗せ演出をおこなう場合にステップD164に進み、上乗せ演出をおこなわない場合にステップD165に進む。
[ステップD164]制御部は、ステップD161で取得したラウンド数から上乗せ演出で上乗せするラウンド数を減数して、ラウンド数を更新する。たとえば、制御部は、大当り種別「大当り1」に対応するラウンド数「12」を取得しているときに、上乗せするラウンド数を「2」としたとき、ラウンド数を「10(=12−2)」に更新する。
[ステップD165]制御部は、ファンファーレコマンドからカウント数を取得する。
[ステップD166]制御部は、ファンファーレコマンドから賞球数を取得する。
[ステップD167]制御部は、ラウンド数と、カウント数と、賞球数とから最大獲得賞球数を算出する。たとえば、制御部は、(1)式を用いて最大獲得賞球数を算出できる。
[ステップD168]制御部は、算出した最大獲得賞球数を用いてファンファーレ設定をおこない、ファンファーレ設定処理を終了する。
これにより、演出制御装置300は、ファンファーレ演出中の表示画面(たとえば演出表示画面600,600a)を生成できる。
次に、遊技機(シリーズA、シリーズB)におけるエンディング演出中の表示画面について図146を用いて説明する。図146は、第10の実施形態の遊技機におけるエンディング演出中の表示画面の一例を示す図である。
図146(1)に示す演出表示画面620は、遊技機(シリーズAまたはシリーズB)における大当り種別「大当り1」のエンディング演出中の表示画面の1つを示す。演出表示画面620は、大当り終了後に遊技者に付与する特典の種類(モード名、たとえば、スペシャルタイム)を案内する。演出表示画面620は、特典種類案内メッセージ621と、特典量案内メッセージ622を含む。特典種類案内メッセージ621は、特典の種類を案内するメッセージとして、メッセージ「スペシャルタイム」を表示する。たとえばメッセージ「スペシャルタイム」は、特図ゲーム抽選確率が高確率かつ普電サポートありの第1の特典遊技(いわゆる確率変動)に対応するメッセージである。特典量案内メッセージ622は、特典の量(モード回数)を案内するメッセージとして、メッセージ「100回ゲット!!」を表示する。たとえばメッセージ「100回ゲット!!」は、スペシャルタイムが変動表示回数「100回」まで継続することを案内するメッセージである。
図146(2)に示す演出表示画面620aは、遊技機(シリーズAまたはシリーズB)における大当り種別「大当り1」のエンディング演出中の表示画面の1つを示す。演出表示画面620aは、大当り終了後に遊技者に付与する特典の種類(モード名、たとえば、チャレンジタイム)を案内する。演出表示画面620aは、特典種類案内メッセージ621aと、特典量案内メッセージ622aを含む。特典種類案内メッセージ621aは、特典の種類を案内するメッセージとして、メッセージ「チャレンジタイム」を表示する。たとえばメッセージ「チャレンジタイム」は、特図ゲーム抽選確率が低確率かつ普電サポートありの第2の特典遊技(いわゆる時短)に対応するメッセージである。特典量案内メッセージ622aは、特典の量を案内するメッセージとして、メッセージ「100回ゲット!!」を表示する。たとえばメッセージ「100回ゲット!!」は、チャレンジタイムが変動表示回数「100回」まで継続することを案内するメッセージである。なお、第2の特典遊技は、第1の特典遊技と比較したとき、遊技者にとって価値が低いとされる特典遊技である。
演出制御装置300は、大当り種別とVコマンドの有無とにもとづいて、特典の種類を判別し、特典種類案内メッセージ621または特典種類案内メッセージ621aを選択する。また、演出制御装置300は、エンディングコマンドに含まれる特典量指定にもとづいて特典量案内メッセージ622または特典量案内メッセージ622aを選択する。
次に、エンディングコマンドについて図147を用いて説明する。図147は、第10の実施形態のエンディングコマンドの一例を示す図である。
エンディングコマンドは、送信順「1」のコマンドであり、送信順「2」以降のコマンドを含むことなく単独のコマンドとして遊技制御装置100が演出制御装置300に送信するコマンドである。エンディングコマンドは、たとえば大当り終了処理(図58参照)のステップA1211,A1215で演出コマンドとして設定される。
エンディングコマンドは、MODE「84H」により識別され、ACTIONにより特典量を指定する。ACTIONは、「01H」から「8FH」の範囲の値を取り得る。たとえばACTIONは、遊技機(シリーズA)においてメッセージ「100回ゲット!!」に対応する特典量を指定するとき「64H」を指定し、遊技機(シリーズB)においてメッセージ「70回ゲット!!」に対応する特典量を指定するとき「46H」を指定する。
次に、特典種類案内メッセージの選択について図148を用いて説明する。図148は、第10の実施形態の表示装置におけるファンファーレからエンディングまでの表示内容切替のタイミングチャートの一例を示す図である。
演出制御装置300は、タイミングT11より前に大当り種別「大当り1」に対応する図柄(大当り図柄1)を遊技制御装置100から受信済みであるとする。演出制御装置300は、タイミングT11においてファンファーレコマンドを受信し、タイミングT11からタイミングT12まで大当り種別「大当り1」に対応するファンファーレ(大当り1)を表示装置41に表示する。
演出制御装置300は、タイミングT13においてVコマンドを受信している場合、タイミングT14においてエンディングコマンドを受信したときに、スペシャルタイムの案内を選択してエンディングを表示する。一方、演出制御装置300は、タイミングT14までにVコマンドを受信していない場合、タイミングT14においてエンディングコマンドを受信したときに、チャレンジタイムの案内を選択してエンディングを表示する。
このようにして、演出制御装置300は、Vコマンドの受信にもとづいて特典種類案内メッセージ621または特典種類案内メッセージ621aを選択する。また、演出制御装置300は、エンディングコマンドに含まれる特典量指定にもとづいて特典量案内メッセージ622または特典量案内メッセージ622aを選択する。
これにより、遊技機10は、開発過程終盤において特典種類と特典量との組み合わせパターンに変更が生じても、演出制御装置300における演出制御プログラムへの変更を要しない。すなわち、遊技機10は、遊技制御装置100における遊技制御プラグの範囲内での変更により、開発過程終盤における特典種類と特典量との組み合わせパターンの変更に対応できる。
なお、演出制御装置300は、Vコマンドを受信したときに選択される案内(特典種類案内メッセージ621)と比較して、Vコマンドを受信していないときに選択される案内(特典種類案内メッセージ621a)の価値を低いものとする。これにより、遊技機10は、Vコマンドの受信エラーや、停電復旧に伴うVコマンドの受信履歴の喪失時に誤って価値の高い特典を遊技者に提示する危険を予防する。また、このような遊技機10は、Vコマンドの受信エラーや、停電復旧に伴うVコマンドの受信履歴の喪失時に価値の高い特典を非報知により潜伏させることとなり、不測の事態において興趣向上に寄与し得る。
上述した第10の実施形態(変形例を含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、遊技制御をおこなう主制御装置(遊技制御装置100)と、主制御装置の指令(コマンド)にもとづいて演出制御をおこなう従制御装置(演出制御装置300)とを備える。主制御装置は、第1記憶部(ROM111B)と、第1制御部(CPU111A)とを含む。第1記憶部は、遊技性能に関する第1遊技性能情報(第1の性能パラメータ、たとえばカウント数)と第2遊技性能情報(第2の性能パラメータ、たとえば賞球数)とを記憶する。第1制御部は、第1遊技性能情報と第2遊技性能情報とを含むコマンド(たとえばファンファーレコマンド)を従制御装置に送信する。従制御装置は、第2記憶部(RAM322)と、第2制御部(CPU311)とを含む。第2記憶部は、第1遊技性能情報と第2遊技性能情報とから遊技性能に関する第3遊技性能情報(第3の性能パラメータ、たとえば(最大)獲得賞球数)を生成可能な第3遊技性能生成情報(たとえば(1)式)を記憶する。第2制御部は、主制御装置から受信した第1遊技性能情報と第2遊技性能情報と、第2記憶部が記憶する第3遊技性能生成情報とから第3遊技性能情報を生成し、第3遊技性能情報を演出装置(たとえば表示装置41やスピーカ19a,19b)に出力する。
(2)(1)の遊技機10は、第1制御部が所定の入賞装置(特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置381)の開放契機となる変動表示ゲームを制御可能であって、入賞装置の開放契機を得て入賞装置の開放前にファンファーレコマンドを送信する。
(3)(2)の遊技機10は、入賞装置におけるカウント数と賞球数とをファンファーレコマンドに含む。
(4)(3)の遊技機10は、入賞装置の開放回数(ラウンド数)をファンファーレコマンドに含む。
(5)(1)の第2制御部は、主制御装置から先に受信済の第4遊技性能情報(入賞装置の開放回数:ラウンド数)と、主制御装置から受信した第1遊技性能情報と第2遊技性能情報と、第2記憶部が記憶する第3遊技性能生成情報とから第3遊技性能情報を生成する。
(6)(1)の遊技機10は、第1制御部が入賞装置の開放中に第2制御部に送信コマンド(大入賞口開放コマンド)に第2遊技性能情報(第2の性能パラメータ、たとえば賞球数)を含む。
(7)(1)の遊技機10は、第1制御部が入賞装置の開放後(大当り終了後)に第2制御部に送信するコマンド(エンディングコマンド)に第5遊技性能情報(遊技者に付与する特典の量:モード回数)を含む。
また、上述した第10の実施形態(変形例を含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、表示部(表示装置41)と、制御部(遊技制御装置100、演出制御装置300)とを備える。制御部は、第1の遊技状態における所定の入賞口(大入賞口38、第2大入賞口381)への入賞を第1の表示態様で案内表示し、第2の遊技状態における所定の入賞口への入賞を第1の表示態様と異なる第2の表示態様で案内表示する。
(2)(1)の入賞口は、入賞容易な第1の制御状態(開放状態)と、入賞困難な第2の制御状態(閉塞状態)とに変換可能であって、第1の遊技状態は、入賞口が第1の制御状態にあるときの遊技状態であり、第2の遊技状態は、入賞口が第2の制御状態にあるときの遊技状態である。
(3)(2)の制御部は、第1の遊技状態において入賞口への所定数の入賞を検出したとき、入賞口を第1の制御状態から第2の制御状態に変換する。
(4)(1)の制御部は、所定期間の入賞数の累積値(累積入賞数)を表示部に表示可能であって、第1の遊技状態における入賞を累積値の加算対象とし、第2の遊技状態における入賞を累積値の加算対象外とする。
(5)(1)の制御部は、所定期間の入賞に伴う賞球の累積値(獲得賞球数)を表示部に表示可能であって、第1の遊技状態における入賞に伴う賞球を累積値の加算対象とし、第2の遊技状態における入賞に伴う賞球を累積値の加算対象外とする。
(6)第1の表示態様は、賞球数を案内する表示を含み、第2の表示態様は、賞球数を案内する表示を含まない。
(7)(1)の遊技機10は、遊技制御をおこなう主制御部(遊技制御装置100)と、主制御部のコマンドにもとづいて演出制御をおこなう従制御部(演出制御装置300)とを備える。主制御部は、第1の遊技状態における入賞口への入賞検出にもとづいて第1コマンド(獲得賞球報知対象大入賞口カウントコマンド)を従制御部に送信し、第2の遊技状態における入賞口への入賞検出にもとづいて第1のコマンドと異なる第2のコマンド(獲得賞球非報知対象大入賞口カウントコマンド)を従制御部に送信する。従制御部は、第1のコマンドを受信した場合に入賞口への入賞を第1の表示態様で案内表示し、第2のコマンドを受信した場合に入賞口への入賞を第2の表示態様で案内表示する。
(8)(1)の遊技機10は、遊技制御をおこなう主制御部(遊技制御装置100)と、主制御部のコマンド(指令)にもとづいて演出制御をおこなう従制御部(演出制御装置300)とを備える。主制御部は、入賞口への入賞検出にもとづいてカウントコマンド(獲得賞球報知対象大入賞口カウントコマンド等)を従制御部に送信する。従制御部は、所定数以下のカウントコマンドを受信した場合に入賞口への入賞を第1の表示態様で案内表示し、所定数を超えてカウントコマンドを受信した場合に入賞口への入賞を第2の表示態様で案内表示する。
また、上述した第10の実施形態(変形例を含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、遊技制御をおこなう主制御部(遊技制御装置100)と、主制御部のコマンドにもとづいて演出制御をおこなう従制御部(演出制御装置300)とを備える。主制御部は、大当り中の所定の入賞検出にもとづいて第1のコマンド(Vコマンド)を従制御部に送信し、大当りの終了にもとづいて第2のコマンド(エンディングコマンド)を従制御部に送信する。従制御部は、第2のコマンドの受信までに第1のコマンドを受信している場合に第1の態様のエンディング演出をおこない、第2のコマンドの受信までに第1のコマンドを受信していない場合に第1の態様と異なる第2の態様のエンディング演出をおこなう。
(2)(1)の従制御部は、第1のコマンドを受信したときに第1のコマンドに対応する演出(V入賞報知演出)をおこなう。
(3)(1)の第1の態様のエンディング演出および第2の態様のエンディング演出は、大当りの終了後の特典遊技を案内するものであって、第1の態様のエンディング演出は、第2の態様のエンディング演出よりも価値の高い特典遊技を案内する。
(4)(3)の第1の態様のエンディング演出および第2の態様のエンディング演出は、大当りの終了後の特典遊技の種類(たとえば確率変動と時短)を案内するものである。
(5)(3)の第1の態様のエンディング演出および第2の態様のエンディング演出は、第2のコマンドに含まれる特典量指定にもとづいて大当りの終了後の特典遊技の量(たとえば確率変動回数や時短回数)を案内する。
また、上述した第10の実施形態(変形例を含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、遊技制御をおこなう主制御装置(遊技制御装置100)と、主制御装置の指令(コマンド)にもとづいて演出制御をおこなう従制御装置(演出制御装置300)とを備える。主制御装置は、第1記憶部(ROM111B)と、第1制御部(CPU111A)とを含む。第1記憶部は、遊技性能に関する第1遊技性能情報(第1の性能パラメータ、たとえばカウント数)を記憶する。第1制御部は、第1遊技性能情報を含むコマンド(たとえばファンファーレコマンド)を従制御装置に送信する。従制御装置は、第2記憶部(RAM322)と、第2制御部(CPU311)とを含む。第2記憶部は、第1遊技性能情報を用いて遊技性能に関する第2遊技性能情報(第2の性能パラメータ、たとえば(最大)獲得賞球数)を生成可能な第2遊技性能生成情報(たとえば(1)式)を記憶する。第2制御部は、主制御装置から受信した第1遊技性能情報と、第2記憶部が記憶する第2遊技性能生成情報とから第2遊技性能情報を生成し、第1遊技性能情報を非開示にして第2遊技性能情報を開示した遊技性能案内を演出装置(たとえば表示装置41やスピーカ19a,19b)に出力する。
(2)(1)の第1遊技性能情報は、2以上のパラメータを含み、第2制御部は、第1遊技性能情報のうちの2以上のパラメータの一部または全部を非開示にする。
(3)(1)の遊技機10は、第1制御部が所定の入賞装置(特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置381)の開放契機となる変動表示ゲームを制御可能であって、入賞装置の開放契機を得て入賞装置の開放前に第1遊技性能情報を含むファンファーレコマンドを送信する。第1遊技性能情報は、入賞装置におけるカウント数と賞球数と入賞装置の開放回数(ラウンド数)のうち1以上を含む。第2遊技性能情報は、開放契機を得て獲得可能な獲得賞球数を含む。
(4)(1)の第2制御部は、第1遊技性能情報が含むパラメータの一部または全部を示唆する示唆情報を演出装置に出力する。
[第11の実施形態]
次に、第11の実施形態の遊技機10について説明する。第11の実施形態の遊技機10は、表示装置41における演出メッセージ表示領域にエラーメッセージ表示領域を重ねてエラー報知をおこなう。
まず、第11の実施形態の表示装置41に表示する変動表示中画面について図149を用いて説明する。図149は、第11の実施形態の表示装置に表示する変動表示中画面の一例を示す図である。
図149(1)に示す変動表示中画面630は、表示装置41における、エラーが発生していない状態で演出メッセージ表示領域が設定されている変動表示中画面を示す。変動表示中画面630は、特図ゲーム遊技表示631と、特図記憶表示632と、演出キャラクタ表示633と、演出メッセージ表示634とを含む。
特図ゲーム遊技表示631は、特別図柄に関連して飾り図柄等を表示する。特図記憶表示632は、特図ゲームの保留消化表示と、保留表示と、保留数表示とを含む。演出キャラクタ表示633は、特図ゲーム遊技の演出に関連して表示されるキャラクタである。演出キャラクタ表示633は、たとえばトラのようなキャラクタであり、常時表示されていてもよいし、所定の演出時に登場するものであってもよい。演出メッセージ表示634は、所定形状の領域(たとえば吹き出し形状)の演出メッセージ表示領域に表示される。たとえば、演出メッセージ表示領域は、演出キャラクタ表示633に対応する位置に設定される。演出メッセージ表示634は、たとえば、メッセージ「PUSH」により、決定ボタンスイッチ25b等の操作を遊技者に案内する。なお、演出メッセージ表示634は、文字情報に限らず、遊技者に対して案内可能な情報であればアイコン等であってもよい。
次に、図149(2)に示す変動表示中画面630aは、変動表示中画面630に続いて表示装置41に表示される、エラーが発生していない状態で演出メッセージ表示領域が設定されている変動表示中画面を示す。変動表示中画面630は、決定ボタンスイッチ25bの操作が検出された場合や、決定ボタンスイッチ25bの操作が検出されなくても所定時間が経過した場合等に変動表示中画面630aに切り替わる。
変動表示中画面630aは、特図ゲーム遊技表示631と、特図記憶表示632と、演出キャラクタ表示633と、演出メッセージ表示635とを含む。演出メッセージ表示635は、演出メッセージ表示領域に表示される。演出メッセージ表示635は、たとえば、メッセージ「SPリーチ中の落雷は激熱だよ!」により、演出内容を遊技者に案内する。
このように、遊技機10は、エラーが発生していない状態において、演出キャラクタ表示633との相乗作用で、演出メッセージに対する遊技者の注意を惹いている。
次に、演出メッセージ表示領域が設定されているときにエラーが発生した場合の変動表示中画面を図149(3)と図149(4)に示す。図149(3)に示す変動表示中画面630bは、変動表示中画面630を表示中にエラーが発生したときの変動表示中画面である。
変動表示中画面630bは、特図ゲーム遊技表示631と、特図記憶表示632と、演出メッセージ表示634と、エラーメッセージ表示636と、演出キャラクタ表示637とを含む。エラーメッセージ表示636は、演出メッセージ表示634に重畳して表示される。すなわち、エラーメッセージ表示636を表示するエラーメッセージ表示領域は、演出メッセージ表示領域の一部または全部を含んで設定される。エラーメッセージ表示636は、たとえば、メッセージ「エラー発生中」により、エラーが発生中であることを報知する。なお、エラーメッセージ表示636は、エラーの種別や対処方法の案内を含むものであってもよい。また、エラーメッセージ表示636は、演出メッセージ表示634に限らずその他の表示(たとえば特図ゲーム遊技表示631や特図記憶表示632等)に重畳するものであってもよい。
演出キャラクタ表示637は、演出キャラクタ表示633の表示態様(たとえば明るい表情)と異なる表示態様(たとえば困惑した表情)であり、エラー発生により更新される。
このように遊技機10は、エラーが発生している状態において、演出メッセージ表示634に対応する位置にエラーメッセージ表示636を表示することで、遊技者に対する注意喚起効果を向上している。
図149(4)に示す変動表示中画面630cは、変動表示中画面630aを表示中にエラーが発生したときの変動表示中画面である。変動表示中画面630cは、特図ゲーム遊技表示631と、特図記憶表示632と、演出メッセージ表示635と、エラーメッセージ表示638と、演出キャラクタ表示637とを含む。エラーメッセージ表示638は、演出メッセージ表示635に重畳して表示される。なお、演出メッセージ表示634の表示位置とエラーメッセージ表示636の表示位置とが異なる場合、エラーメッセージ表示638の表示位置は、エラーメッセージ表示636の表示位置と異なり得る。
このように遊技機10は、エラーが発生している状態において、演出メッセージ表示635に対応する位置にエラーメッセージ表示638を表示することで、遊技者に対する注意喚起効果を向上している。
このような遊技機10は、遊技演出中において遊技者の注意を惹きやすい表示領域に、エラーメッセージを表示することができるので、エラー発生中であることを遊技者に対して速やかに認識させることができる。また、遊技機10は、演出メッセージの一部を表示しながらエラーメッセージを表示することで、遊技者の注意をエラー発生前から継続して演出メッセージ表示領域に留めることができる。
このような遊技機10は、遊技演出に関連してエラーメッセージ表示領域を変更するエラーメッセージ表示領域変更手段を有し、演出制御装置300が所要の処理を実行することにより実現する。なお、遊技機10は、一観点において演出メッセージを隠蔽してエラーメッセージを表示するものであり、また別観点において演出メッセージに優先してエラーメッセージを表示するものである。
[第11の実施形態の変形例1]
次に、第11の実施形態の変形例1の遊技機10について説明する。第11の実施形態の変形例1の遊技機10は、表示装置41における演出メッセージに代えてエラーメッセージを表示する。
まず、第11の実施形態の変形例1の表示装置41に表示する変動表示中画面について図150を用いて説明する。図150は、第11の実施形態の変形例1の表示装置に表示する変動表示中画面の一例を示す図である。
図150(1)に示す変動表示中画面640は、表示装置41における、エラーが発生していない状態で演出メッセージ表示領域が設定されている変動表示中画面を示す。変動表示中画面640は、特図ゲーム遊技表示641と、特図記憶表示642と、演出キャラクタ表示643と、演出メッセージ表示644とを含む。
特図ゲーム遊技表示641は、特別図柄に関連して飾り図柄等を表示する。特図記憶表示642は、特図ゲームの保留消化表示と、保留表示と、保留数表示とを含む。演出キャラクタ表示643は、特図ゲーム遊技の演出に関連して表示されるキャラクタである。演出キャラクタ表示643は、たとえばトラのようなキャラクタであり、常時表示されていてもよいし、所定の演出時に登場するものであってもよい。演出メッセージ表示644は、所定形状の領域(たとえば吹き出し形状)の演出メッセージ表示領域に表示される。たとえば、演出メッセージ表示領域は、演出キャラクタ表示643に対応する位置に設定される。演出メッセージ表示644は、たとえば、メッセージ「PUSH」により、決定ボタンスイッチ25b等の操作を遊技者に案内する。
次に、図150(2)に示す変動表示中画面640aは、変動表示中画面640に続いて表示装置41に表示される、エラーが発生していない状態で演出メッセージ表示領域が設定されている変動表示中画面を示す。変動表示中画面640は、決定ボタンスイッチ25bの操作が検出された場合や、決定ボタンスイッチ25bの操作が検出されなくても所定時間が経過した場合等に変動表示中画面640aに切り替わる。
変動表示中画面640aは、特図ゲーム遊技表示641と、特図記憶表示642と、演出キャラクタ表示643と、演出メッセージ表示645とを含む。演出メッセージ表示645は、演出メッセージ表示領域に表示される。演出メッセージ表示645は、たとえば、メッセージ「SPリーチ中の落雷は激熱だよ!」により、演出内容を遊技者に案内する。
このように、遊技機10は、エラーが発生していない状態において、演出キャラクタ表示643との相乗作用で、演出メッセージに対する遊技者の注意を惹いている。
次に、演出メッセージ表示領域が設定されているときにエラーが発生した場合の変動表示中画面を図150(3)に示す。図150(3)に示す変動表示中画面640bは、変動表示中画面640または変動表示中画面640aを表示中にエラーが発生したときの変動表示中画面である。
変動表示中画面640bは、特図ゲーム遊技表示641と、特図記憶表示642と、演出キャラクタ表示646と、エラーメッセージ表示647とを含む。演出キャラクタ表示646は、演出キャラクタ表示643の表示態様(たとえば明るい表情)と異なる表示態様(たとえば困惑した表情)であり、エラー発生により更新される。
エラーメッセージ表示647は、演出メッセージ表示644または演出メッセージ表示645に代わって表示される。すなわち、エラーメッセージ表示647を表示するエラーメッセージ表示領域は、演出メッセージ表示領域を共用するものであり、一観点においては演出メッセージ表示領域の全部を含んで設定されるものとして捉えることができる。エラーメッセージ表示647は、たとえば、メッセージ「エラー発生中 ※ポイントゲート無効中」により、エラーが発生中であることと、エラー発生に伴う状態とを報知する。なお、エラーメッセージ表示647は、単にエラーの発生を放置するものであってもよいし、エラーの種別や対処方法の案内を含むものであってもよい。また、エラーメッセージ表示647は、演出メッセージ表示領域に限らずその他の表示(たとえば特図ゲーム遊技表示641や特図記憶表示642等)に重畳するものであってもよい。
このように遊技機10は、エラーが発生している状態において、演出メッセージ表示644または演出メッセージ表示645に対応する位置にエラーメッセージ表示647を表示することで、遊技者に対する注意喚起効果を向上している。
なお、変動表示中画面640bは、エラーメッセージ表示領域が、演出メッセージ表示領域を共用するとしたが、図150(4)に示す変動表示中画面640cのように、演出メッセージ表示領域のうち演出メッセージ表示645を表示する有効範囲にエラーメッセージ表示648を重ねるものであってもよい。また、遊技機10は、エラーメッセージ表示領域を吹き出し形状にしたときに、吹き出しの引出部(テール形状)を非重畳領域として設定し、エラーメッセージ表示領域または演出メッセージ表示領域と演出キャラクタ表示646との対応付けを明示する。これにより遊技機10は、遊技者に対する注意喚起効果を一層向上している。
[第11の実施形態の変形例2]
次に、第11の実施形態の変形例2の遊技機10について説明する。第11の実施形態の変形例2の遊技機10は、表示装置41における演出メッセージおよびその他の表示要素に重ねてエラーメッセージを表示する。
まず、第11の実施形態の変形例2の表示装置41に表示する変動表示中画面について図151を用いて説明する。図151は、第11の実施形態の変形例2の表示装置に表示する変動表示中画面の一例を示す図である。
図151(1)に示す変動表示中画面640dは、図150(1)に示す変動表示中画面640を表示しているときにエラーが発生した場合の変動表示中画面である。変動表示中画面640dは、特図ゲーム遊技表示641と、特図記憶表示642と、演出キャラクタ表示643と、演出メッセージ表示644と、エラーメッセージ表示650とを含む。エラーメッセージ表示650は、演出メッセージ表示644と特図記憶表示642のそれぞれの一部領域に重なる。
このように遊技機10は、エラーが発生している状態において、演出メッセージ表示644および特図記憶表示642に対応する位置にエラーメッセージ表示650を表示することで、特図記憶に対する注意を払う遊技者に対しても一層の注意喚起効果を図ることができる。
図151(2)に示す変動表示中画面640eは、図150(2)に示す変動表示中画面640aを表示しているときにエラーが発生した場合の変動表示中画面である。変動表示中画面640eは、特図ゲーム遊技表示641と、特図記憶表示642と、演出キャラクタ表示643と、演出メッセージ表示645と、エラーメッセージ表示651とを含む。エラーメッセージ表示651は、演出キャラクタ表示643と演出メッセージ表示645のそれぞれの一部領域に重なる。
このように遊技機10は、エラーが発生している状態において、演出メッセージ表示645および演出キャラクタ表示643に対応する位置にエラーメッセージ表示651を表示することで、演出キャラクタに対する注意を払う遊技者に対しても一層の注意喚起効果を図ることができる。
図151(3)に示す変動表示中画面640fは、図150(2)に示す変動表示中画面640aを表示しているときにエラーが発生した場合の変動表示中画面である。変動表示中画面640fは、特図ゲーム遊技表示641と、特図記憶表示642fと、演出キャラクタ表示643と、演出メッセージ表示645と、エラーメッセージ表示652とを含む。エラーメッセージ表示652は、特図ゲーム遊技表示641と演出キャラクタ表示643と特図記憶表示642fと演出メッセージ表示645のそれぞれの一部領域または全部領域に重なる。特図記憶表示642fは、当該表示の表示要素の一部(たとえば特図ゲームの保留消化表示と保留表示)をエラーメッセージ表示652に隠れるようにして表示しながら、当該表示の表示要素の一部(たとえば保留数表示)をエラーメッセージ表示652に優先して表示する。
このように遊技機10は、エラーに対する注意喚起を図りながら、遊技者に必要とされる情報の提供をおこなうことができる。
図151(4)に示す変動表示中画面640gは、図150(2)に示す変動表示中画面640aを表示しているときにエラーが発生した場合の変動表示中画面である。変動表示中画面640gは、特図ゲーム遊技表示641gと、特図記憶表示642gと、演出キャラクタ表示643gと、演出メッセージ表示645gと、エラーメッセージ表示653とを含む。エラーメッセージ表示653は、特図ゲーム遊技表示641gと演出メッセージ表示645gのそれぞれの一部領域に重なる。特図ゲーム遊技表示641gと、特図記憶表示642gと、演出キャラクタ表示643gと、演出メッセージ表示645gは、エラーメッセージ表示653の表示中において明度を落としてエラーメッセージ表示653を相対的に強調表示する。なお、変動表示中画面640gは、その他の表示要素のすべてについて明度を落としてもよいし、一部表示要素(たとえば保留数表示)を除いて明度を落とすものであってもよい。
このようにして遊技機10は、エラーに対する一層の注意喚起を図ることができる。
上述した第11の実施形態(変形例1および変形例2を含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、表示手段(表示装置41)と、制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)とを含む。制御手段は、表示手段に演出メッセージ表示領域を設定し、演出メッセージ表示領域を設定しているときに所定のエラーを検出した場合に演出メッセージ表示領域に重ねてエラーメッセージ表示領域を設定する。
(2)(1)の演出メッセージ表示領域は、演出に関するメッセージを表示内容に含む。
(3)(2)の演出に関するメッセージは、文字情報またはアイコン、あるいは文字情報およびアイコンを含む。
(4)(1)の制御手段は、表示手段に表示するキャラクタに対応する位置に演出メッセージ表示領域を設定する。
(5)(1)の制御手段は、演出メッセージ表示領域の一部に重ねてエラーメッセージ表示領域を設定する。
(6)(1)の制御手段は、演出メッセージ表示領域の全部に重ねてエラーメッセージ表示領域を設定する。
(7)(1)の制御手段は、演出メッセージ表示領域の区画表示(たとえば吹き出し)内にエラーメッセージ表示領域を設定する。
(8)(1)の制御手段は、エラーメッセージ表示領域を設定するとき、表示手段に表示中のキャラクタの表示態様を第1の態様(通常演出表示態様)から第2の態様(エラー表示態様)に変更する。
(9)(1)のエラーメッセージ表示領域は、所定のエラーに関するメッセージを表示内容に含む。
(10)(9)のエラーに関するメッセージは、エラー発生、エラー種別、エラー発生に伴う状態、エラーの対処方法等を含む。
(11)(1)の制御手段は、変動表示ゲームの進行に関する表示領域(変動表示領域、記憶表示領域等)の一部または全部に重なる。
(12)(11)の制御手段は、変動表示ゲームの進行に関する表示領域のうち特定表示要素の表示(たとえば保留数表示)をエラーメッセージ表示領域に優先して表示する。
(13)遊技機10は、表示手段(表示装置41)と、操作検出手段(演出ボタン(選択ボタンスイッチ25aおよび決定ボタンスイッチ25b))と、制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)とを含む。制御手段は、操作検出手段が検出した操作にもとづいて表示手段に演出メッセージ表示領域を設定し、所定のエラーを検出していない場合に演出メッセージ表示領域に遊技演出に関する第1のメッセージを表示し、所定のエラーを検出している場合に演出メッセージ表示領域にエラーに関する第2のメッセージを表示する。
[第12の実施形態]
次に、第12の実施形態の遊技機10について説明する。第12の実施形態の遊技機10は、表示装置41におけるゲームコードの発行中に、演出メッセージ表示領域の一部にエラーメッセージ表示領域を重ねてエラー報知をおこなう。
まず、第12の実施形態の表示装置41に表示する変動表示中画面について図152を用いて説明する。図152は、第12の実施形態の表示装置に表示するゲームコードの発行中画面の一例を示す図である。
図152(1)に示すゲームコード発行中画面660は、表示装置41における、エラーが発生していない状態で演出メッセージ表示領域が設定されているゲームコード発行中画面を示す。ゲームコード発行中画面660は、ゲームコード発行中メッセージ表示661と、ゲームコード662と、表示時間663と、演出キャラクタ表示664と、演出メッセージ表示665とを表示内容に含む。
ゲームコード662は、光学的に読み取り可能なマトリックス型の二次元コード(たとえばQRコード(登録商標))であり、所定のゲーム情報を含む。表示時間663は、ゲームコード662の表示残余時間を示し、たとえば残り8秒でゲームコード662の表示を終了することを示す。
演出キャラクタ表示664は、たとえばトラのようなキャラクタであり、常時表示されていてもよいし、ゲームコード発行中に登場するものであってもよい。演出メッセージ表示665は、所定形状の領域(たとえば吹き出し形状)の演出メッセージ表示領域に表示される。たとえば、演出メッセージ表示領域は、演出キャラクタ表示664に対応する位置に設定される。演出メッセージ表示665は、たとえば、メッセージ「おつかれさま」により、ゲームコード発行中を遊技者に案内する。なお、演出メッセージ表示665は、文字情報に限らず、遊技者に対して案内可能な情報であればアイコン等であってもよい。
図152(2)に示すゲームコード発行中画面660aは、表示装置41における、エラーが発生している状態で演出メッセージ表示領域が設定されているゲームコード発行中画面を示す。ゲームコード発行中画面660aは、ゲームコード発行中メッセージ表示661と、ゲームコード662と、表示時間663と、演出キャラクタ表示664と、演出メッセージ表示665とエラーメッセージ表示666とを表示内容に含む。
エラーメッセージ表示666は、ゲームコード発行中メッセージ表示661と演出メッセージ表示665のそれぞれの一部領域に重なる。なお、ゲームコード発行中における演出メッセージ表示領域は、ゲームコード発行中メッセージ表示661と、ゲームコード662と、表示時間663と、演出キャラクタ表示664と、演出メッセージ表示665のうちの1以上を含む。
このようにして遊技機10は、ゲームコード発行中のエラーに対する注意喚起を図ることができる。
[第12の実施形態の変形例1]
次に、第12の実施形態の変形例1の遊技機10について説明する。第12の実施形態の変形例1の遊技機10は、表示装置41におけるゲームコードの発行中に、演出メッセージ表示領域の全部にエラーメッセージ表示領域を重ねてエラー報知をおこなう。
まず、第12の実施形態の変形例1の表示装置41に表示するゲームコード発行中画面について図153を用いて説明する。図153は、第12の実施形態の変形例1の表示装置に表示するゲームコードの発行中画面の一例を示す図である。
図153(1)に示すゲームコード発行中画面660は、図152(1)に示したゲームコード発行中画面と同様である。図153(2)に示すゲームコード発行中画面660bは、表示装置41における、エラーが発生している状態で演出メッセージ表示領域が設定されているゲームコード発行中画面を示す。ゲームコード発行中画面660bは、ゲームコード発行中メッセージ表示661と、ゲームコード662と、表示時間663と、演出キャラクタ表示664と、エラーメッセージ表示667とを表示内容に含む。
エラーメッセージ表示667は、演出メッセージ表示665を差し替えて表示される。なお、エラーメッセージ表示667は、演出メッセージ表示665の全部に重畳して表示されるものであってもよい。
なお、エラーメッセージ表示667は、演出メッセージ表示665の全部領域に重なるものとしたが、演出メッセージ表示領域における表示要素(たとえばゲームコード発行中メッセージ表示661と、ゲームコード662と、表示時間663と、演出キャラクタ表示664と、演出メッセージ表示665)のうち1以上について全部領域に重なるものであってもよい。
このようにして遊技機10は、ゲームコード発行中のエラーに対する注意喚起を図ることができる。
[第12の実施形態の変形例2]
次に、第12の実施形態の変形例2の遊技機10について説明する。第12の実施形態の変形例2の遊技機10は、表示装置41におけるゲームコードの発行中に、少なくともゲームコードの一部領域にエラーメッセージ表示領域を重ねてエラー報知をおこなう。
まず、第12の実施形態の変形例2の表示装置41に表示するゲームコード発行中画面について図154を用いて説明する。図154は、第12の実施形態の変形例2の表示装置に表示するゲームコードの発行中画面の一例を示す図である。
図154(1)に示すゲームコード発行中画面660は、図152(1)に示したゲームコード発行中画面と同様である。図154(2)に示すゲームコード発行中画面660cは、表示装置41における、エラーが発生している状態で演出メッセージ表示領域が設定されているゲームコード発行中画面を示す。ゲームコード発行中画面660cは、ゲームコード発行中メッセージ表示661と、ゲームコード662と、表示時間663と、演出キャラクタ表示664と、演出メッセージ表示665と、エラーメッセージ表示668とを表示内容に含む。
エラーメッセージ表示668は、ゲームコード662の一部領域に重なる。たとえば、エラーメッセージ表示668は、ゲームコード662の読み取りに用いられるシンボルに重なることでゲームコード662の読み取りを妨害する。
図154(3)に示すゲームコード発行中画面660dは、表示装置41における、エラーが発生している状態で演出メッセージ表示領域が設定されているゲームコード発行中画面を示す。ゲームコード発行中画面660dは、ゲームコード発行中メッセージ表示661と、ゲームコード662と、表示時間663と、演出キャラクタ表示664と、エラーメッセージ表示669とを表示内容に含む。
エラーメッセージ表示669は、演出メッセージ表示665を差し替えて表示される。なお、エラーメッセージ表示669は、演出メッセージ表示665の全部に重畳して表示されるものであってもよい。エラーメッセージ表示669は、演出メッセージ表示665を差し替えながら、ゲームコード662の一部領域に重なる。たとえば、エラーメッセージ表示669は、ゲームコード662の読み取りに用いられるシンボルに重なることでゲームコード662の読み取りを妨害する。
図154(4)に示すゲームコード発行中画面660eは、表示装置41における、エラーが発生している状態で演出メッセージ表示領域が設定されているゲームコード発行中画面を示す。ゲームコード発行中画面660eは、ゲームコード発行中メッセージ表示661と、ゲームコード662eと、表示時間663と、演出キャラクタ表示664と、演出メッセージ表示665と、エラーメッセージ表示670とを表示内容に含む。
エラーメッセージ表示670は、演出キャラクタ表示664に重ねて表示される。なお、エラーメッセージ表示670は、演出メッセージ表示領域における表示要素(たとえばゲームコード発行中メッセージ表示661と、表示時間663と、演出キャラクタ表示664と、演出メッセージ表示665)のうち1以上について一部領域または全部領域に重なる。
ゲームコード662eは、エラーメッセージ表示670の表示により表示位置を移動し、一部を表示領域外とする。すなわち、エラーメッセージ表示670は、ゲームコード662eの一部を表示領域外とすることでゲームコード662eの読み取りを妨害する。たとえば、表示領域外となるゲームコード662eの一部は、ゲームコード662eの読み取りに用いられるシンボルを含む。
上述した第12の実施形態(変形例1および変形例2を含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、遊技者に対してゲームコードを発行可能であって、ゲームコードを表示する表示手段(表示装置41、演出制御装置300)と、所定のエラーが発生した場合にゲームコードに重ねてエラーメッセージを表示するエラーメッセージ表示手段(表示装置41、演出制御装置300)と、を含む。
[第13の実施形態]
次に、第13の実施形態の遊技機10について説明する。第13の実施形態の遊技機10は、常時作動する節電タイマを用いて省電力制御をおこなう。まず、遊技機10において省電力制御をおこなう装置体系について図155を用いて説明する。図155は、第13の実施形態の省電力制御をおこなう装置体系の一例を示す図である。
遊技機10は、遊技制御装置100と、演出制御装置300と、省電力制御対象装置3000とを含む。遊技機10は、省電力制御対象装置3000を対象にして、通常よりも電力消費を抑制した省電力制御をおこなうことができる。遊技機10は、遊技機10が稼働していない状態で省電力制御をおこなう。これにより、遊技機10は、遊技者が遊技を終了した後に省電力制御状態となり、遊技場が使用する電力の低減に貢献する。
遊技制御装置100は、遊技機10における遊技を統括的に制御し、演出制御装置300に対して各種コマンドを発行する。演出制御装置300は、各種I/O制御の実行により省電力制御対象装置3000の消費電力制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、省電力制御対象装置3000の一部または全部の出力をOFFにしたり、省電力制御対象装置3000の一部または全部の出力を抑制したり、省電力制御対象装置3000の一部または全部の出力態様を省電力態様に変更する。
演出制御装置300は、常時作動するタイマ(節電タイマ)のタイムアップを監視して省電力制御をおこなう。演出制御装置300は、遊技制御装置100からコマンドを受信すると節電タイマを初期化(リセット)する。遊技者が遊技をおこなっている場合、遊技制御装置100は、節電タイマがタイムアップするよりも十分に短い間隔でコマンド発行をおこなう。そのため、演出制御装置300は、遊技者が遊技を止めてから省電力制御対象装置3000を対象にして消費電力の抑制をおこなうことができる。
省電力制御対象装置3000は、省電力制御対象となる各種装置の総称であり、たとえば、表示装置41、音声出力装置19、遊技盤装飾装置(盤装飾装置)46、遊技枠装飾装置(枠装飾装置)18、遊技盤可動体(盤演出装置)44等を含む。なお、省電力制御対象装置3000は、例示した装置のすべてを含むことを要しないし、例示していない装置を含むものであってもよい。
次に、演出制御装置300の省電力制御について説明する。演出制御装置300は、図101を用いて説明したメイン処理において省電力制御処理を実行する。ただし、第1の実施形態で説明したメイン処理は、省電力制御処理を明示していないためあらためてメイン処理を説明する。
〔メイン処理〕
まず、第13の実施形態のメイン処理を図156を用いて説明する。図156は、第13の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
メイン処理は、遊技機10の電源供給が開始された時点で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD11]制御部は、割込みを禁止する。
[ステップD12]制御部は、CPU311の初期設定をおこなう。
[ステップD13]制御部は、VDP312の初期設定をおこなう。
[ステップD14]制御部は、割込みを許可する。
[ステップD15]制御部は、表示用データ生成を許可する。
[ステップD16]制御部は、乱数シードを設定する。
[ステップD17]制御部は、演出制御装置300のRWMにおける初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする。
[ステップD18]制御部は、WDTをクリアする。
[ステップD19]制御部は、演出ボタン入力処理を実行する。
[ステップD20]制御部は、ホール・遊技者設定モード処理を実行する。
[ステップD21]制御部は、乱数更新処理を実行する。
[ステップD22]制御部は、受信コマンドチェック処理を実行する。
[ステップD22A]制御部は、省電力制御処理を実行する。省電力制御処理は、省電力制御対象装置3000の消費電力を抑制しない通常制御状態(非省電力制御状態)と、省電力制御対象装置3000の消費電力を抑制する省電力制御状態との切替制御をおこなう処理である。省電力制御処理については、図157を用いて後で説明する。
[ステップD23]制御部は、演出表示編集処理を実行する。
[ステップD24]制御部は、描画コマンド準備終了設定を実行する。
[ステップD25]制御部は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定し、フレーム切替タイミングであればステップD26Aに進み、フレーム切替タイミングでなければフレーム切替タイミングを待つ。
[ステップD26A]制御部は、ステップD23で設定したコマンドにしたがいVDP312に、省電力制御に対応した画面描画を指示する。たとえば、制御部は、非省電力制御状態においては非省電力制御状態に対応した画面描画をVDP312に指示し、省電力制御状態においては省電力制御状態に対応した画面描画をVDP312に指示する。また、制御部は、非省電力制御状態においては非省電力制御状態に対応したバックライトの輝度調整を表示装置41に指示し、省電力制御状態においては省電力制御状態に対応したバックライトの輝度調整(輝度抑制)を表示装置41に指示する。バックライトの輝度抑制は、輝度低減(たとえば50%低減)の他にバックライトの消灯を含む。
[ステップD27A]制御部は、省電力制御に対応したサウンド制御処理を実行する。たとえば、制御部は、非省電力制御状態においては非省電力制御状態に対応した音量制御をおこない、省電力制御状態においては省電力制御状態に対応した音量制御(音量抑制)をおこなう。音声出力装置19(上スピーカ19a、下スピーカ19b)の音量抑制は、2以上あるスピーカの一部または全部を対象にすることができ、音量低減の他に音声出力OFF、音量低減と音声出力OFFの組み合わせを含む。
[ステップD28A]制御部は、省電力制御に対応した装飾制御処理を実行する。たとえば、制御部は、非省電力制御状態においては非省電力制御状態に対応した装飾制御をおこない、省電力制御状態においては省電力制御状態に対応した装飾(光量抑制)をおこなう。遊技盤装飾装置46および遊技枠装飾装置18の光量抑制は、発光部位数の低減(全消灯を含む)、発光間隔の長期化、発光輝度低下、およびこれらの組み合わせを含む。
[ステップD29A]制御部は、省電力制御に対応した可動体制御処理を実行する。たとえば、制御部は、非省電力制御状態においては非省電力制御状態に対応した可動体制御をおこない、省電力制御状態においては省電力制御状態に対応した可動体(動作量抑制)をおこなう。遊技盤可動体44の動作量抑制は、可動部位数の低減(全部の動作停止を含む)、可動領域の抑制、動作間隔の長期化、動作速度の低減、およびこれらの組み合わせを含む。
[ステップD30]制御部は、発射情報制御処理を実行する。
[ステップD31]制御部は、ポイント制御処理を実行する。
制御部は、ステップD31を実行した後にステップD18に戻り、以降、ステップD18乃至ステップD31の処理を繰り返し実行する。
なお、制御部は、画面の演出に合わせるためメインループ処理内でステップD27A乃至ステップD29Aの処理を実行しているが、これら制御処理で生成または設定された信号やデータ(特に各種LEDやモータを駆動制御する信号等)を実際にポートに出力する処理は、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなわれる。ただし、各種デバイスの制御に特化したICを使用している場合は、シリアル通信等で指示するだけで、タイマ割込みで信号等の出力をおこなわない場合もある。
〔省電力制御処理〕
次に、第13の実施形態の省電力制御処理を図157を用いて説明する。図157は、第13の実施形態の演出制御装置における省電力制御処理のフローチャートを示す図である。省電力制御処理は、省電力制御対象装置3000の消費電力を抑制しない通常制御状態(非省電力制御状態)と、省電力制御対象装置3000の消費電力を抑制する省電力制御状態との切替制御をおこなう処理である。省電力制御処理は、メイン処理(図156参照)のステップD22Aで演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD171]制御部は、特定エラー発生中であるか否かを判定する。制御部は、特定エラー発生中であればステップD175に進み、特定エラー発生中でなければステップD172に進む。なお、特定エラーは、省電力制御状態への切替を許容しないエラーであり、遊技機10が検出するエラーのうち省電力制御状態への切替を許容しないエラーとしてあらかじめ定義されるエラーである。なお、特定エラーに対して非特定エラーがあり、非特定エラーは、省電力制御状態への切替を許容するエラーである。これにより、遊技機10は、特定のエラー発生中に省電力制御状態となることを制限し、特定のエラー発生中のエラー報知効果の低減を防止する。なお、特定エラーと非特定エラーについて、図158を用いて後で説明する。
[ステップD172]制御部は、省電力に関する制御状態が省電力制御状態であるか否かを判定する。制御部は、省電力制御状態である場合にステップD173に進み、省電力制御状態でない場合、すなわち非省電力制御状態である場合にステップD174に進む。
[ステップD173]制御部は、プッシュボタン(オプション設定部25)の押下操作を検出したか否かを判定する。なお、以下、第13の実施形態においてオプション設定部25をプッシュボタンあるいはPB(Push Button)と称する。制御部は、プッシュボタン25の押下操作を検出した場合にステップD175に進み、押下操作を検出しない場合にステップD174に進む。
[ステップD174]制御部は、遊技制御装置100からコマンドの受信があったか否かを判定する。制御部は、遊技制御装置100からコマンドの受信があった場合にステップD175に進み、コマンドの受信がない場合にステップD177に進む。
[ステップD175]制御部は、節電フラグをリセットする。なお、制御部は、節電フラグがセットされた状態を省電力制御状態とし、節電フラグがリセットされた状態を非省電力制御状態として、省電力制御対象装置3000を制御する。
[ステップD176]制御部は、節電タイマをセットした後、省電力制御処理を終了する。なお、節電タイマの初期値は、通常の遊技におけるコマンド受信間隔よりも十分に大きい値とする。たとえば制御部は、初期値として10分に対応する初期値を節電タイマにセットする。
節電タイマは、常時作動のタイマであり、セットされた初期値から所定時間ごとにデクリメント(たとえば1msのタイマ割込み処理で1デクリメント)されて値が「0」になったときにタイムアップする。これにより節電タイマは、非省電力制御状態における非稼働時間の監視タイマとして機能する。なお、制御部は、初期値「0」から所定時間ごとにインクリメントし設定値でタイムアップする節電タイマを用いることもできる。
[ステップD177]制御部は、節電タイマがタイムアップしたか否かを判定する。制御部は、節電タイマがタイムアップした場合にステップD178に進み、タイムアップしない場合に省電力制御処理を終了する。
[ステップD178]制御部は、節電フラグをセットした後、省電力制御処理を終了する。
これにより、制御部は、節電フラグがセットされた省電力制御状態で省電力制御対象装置3000を省電力制御し、節電フラグがリセットされた非省電力制御状態で省電力制御対象装置3000を通常電力制御(非省電力制御)することができる。
このように、制御部は、遊技制御装置100からのコマンド受信を節電フラグリセットの契機とすることから、稼働中の遊技機が省電力制御状態に移行することがない。また、制御部は、節電フラグリセットの契機で常時作動するタイマに初期値をセットするだけで省電力制御をおこなうことができることから、省電力制御にかかる処理負担を軽減できる。また、制御部は、遊技制御装置100からのコマンド受信がなくても特定エラー発生中であることを節電フラグリセットの契機とすることから、特定のエラー発生中のエラー報知効果の低減を防止することができる。また、制御部は、遊技制御装置100からのコマンド受信がなくてもプッシュボタン25の押下操作検出を節電フラグリセットの契機とすることから、必ずしも遊技を開始することなく省電力制御状態を解除できる。
次に、特定エラーと非特定エラーについて図158を用いて説明する。図158は、第13の実施形態の演出制御装置における特定エラーと非特定エラーの一覧の一例を示す図である。
遊技機10は、11種類のエラーを検出し、省電力制御対象装置3000を用いてエラー報知をおこなうことができる。たとえば、遊技機10は、エラー中であることや、エラー種別、対処方法等を表示装置41に表示することにより報知することができる。また、遊技機10は、エラー中であることを音声出力装置19から音声案内や警告音を出力することにより報知することができる。また、遊技機10は、エラー中であることを遊技盤装飾装置46や遊技枠装飾装置18からLEDの点灯や点滅等により報知することができる。また、遊技機10は、エラー中であることを遊技盤可動体44の動作等により報知することができる。
演出制御装置300は、11種類のエラーをエラー種別(特定エラーと非特定エラー)で区別可能である。演出制御装置300は、各エラーのエラー種別をあらかじめメモリ等に設定することで、各エラーのエラー種別を区別可能にしている。特定エラーは、省電力状態においても一定以上の注意喚起力を要するエラーであり、たとえば不正に関係するエラーである。また、非特定エラーは、省電力状態において特定エラー程度の注意喚起力を要しないエラーであり、たとえば不正に関係しないエラーである。
前枠開放エラーは、ガラス枠15の開放をガラス枠開放検出スイッチ63により検出しているエラーである。遊技枠開放エラーは、前面枠12の開放を本体枠開放検出スイッチ64により検出しているエラーである。前枠開放エラーと遊技枠開放エラーは、不正な遊技を惹起するおそれがあることから特定エラーに設定される。
シュート球切れエラーは、払出制御装置200が検出したシュート球切れを、遊技制御装置100が払出制御装置200から受信するシュート球切れスイッチ信号により検出しているエラーである。オーバーフローエラーは、払出制御装置200が検出したオーバーフローを、遊技制御装置100が払出制御装置200から受信するオーバーフロースイッチ信号により検出しているエラーである。シュート球切れエラーとオーバーフローエラーは、直ちに正常な遊技を継続できなくなるものではないことから非特定エラーに設定される。
払出異常エラーは、払出制御装置200が検出した払出異常を、遊技制御装置100が払出制御装置200から受信する払出異常ステータス信号により検出しているエラーである。スイッチ異常エラーは、所定のスイッチの正常な接続やセンシングを確認できないエラーである。払出異常エラーとスイッチ異常エラーは、不正な遊技のおそれ、または正常な遊技を継続できないおそれがあることから特定エラーに設定される。
大入賞口不正入賞エラーは、大入賞口38への不正なタイミングでの入賞を大入賞口スイッチ38aにより検出したエラーである。磁気エラーは、磁石の近接等を磁気センサ61により検出したエラーである。普電不正入賞エラーは、普通変動入賞装置37への不正なタイミングでの入賞を始動口2スイッチ37aにより検出したエラーである。盤電波エラーは、遊技盤30への不正な電波照射を盤電波センサ62により検出したエラーである。枠電波エラーは、払出制御装置200が検出した不正な電波照射を、遊技制御装置100が払出制御装置200から枠電波不正信号により検出しているエラーである。大入賞口不正入賞エラー、磁気エラー、普電不正入賞エラー、盤電波エラー、および枠電波エラーは、不正な遊技の蓋然性が高いことから特定エラーに設定される。
なお、各種エラーを特定エラーと非特定エラーのいずれに設定するかは、遊技機10の性質や性能に応じて任意に設定できるものであってもよい。
次に、プッシュボタン25について、図159と図160を用いて説明する。まず、演出制御装置300とプッシュボタン25の接続について図159を用いて説明する。図159は、第13の実施形態の演出制御装置とプッシュボタンの接続例を示す図である。
プッシュボタン25は、プッシュボタンLED25cと、タッチセンサ25dと、プッシュボタンSW25eを含む。プッシュボタンLED25cは、9系統のフルカラーLEDである。タッチセンサ25dは、遊技者のタッチ操作を8か所で検出できる。プッシュボタンSW25eは、プッシュボタン25の押下操作を検出できる。
演出制御装置300とプッシュボタン25とは電気的に接続する。演出制御装置300は、プッシュボタンLED25cの制御信号をプッシュボタン25に出力し、タッチセンサ25dの検出信号およびプッシュボタンSW25eの検出信号をプッシュボタン25から入力する。
ここで、図4を用いて説明した選択ボタンスイッチ25aと決定ボタンスイッチ25bについてあらためて説明する。選択ボタンスイッチ25aと決定ボタンスイッチ25bとは、タッチセンサ25dの検出信号とプッシュボタンSW25eの検出信号との組み合わせにより検出される信号である。たとえば、選択操作に対応する左右位置のタッチ操作をタッチセンサ25dが検出し、かつプッシュボタン25の押下操作をプッシュボタンSW25eが検出した状態が、選択ボタンスイッチ25aのON状態に相当する。また、決定操作に対応する中央位置のタッチ操作をタッチセンサ25dが検出し、かつプッシュボタン25の押下操作をプッシュボタンSW25eが検出した状態が、決定ボタンスイッチ25bのON状態に相当する。
次に、プッシュボタン25におけるプッシュボタンLED25cおよびタッチセンサ25dの配置について図160を用いて説明する。図160は、第13の実施形態のプッシュボタンにおけるプッシュボタンLEDおよびタッチセンサの配置例を示す図である。
プッシュボタン25は、遊技者が俯瞰した際に上面となる面の概形を略円形とする円柱形状である。プッシュボタン25は、その上面に指先程度の大きさの9つの小円部250〜258を有し、上面の中央部に小円部250を配置し、小円部250を囲む円周上に8つの小円部251〜258を配置する。
小円部250は、1系統のプッシュボタンLED25cと1つのタッチセンサ25d(TSW4)とをその円周内に配置する。小円部251は、小円部250の左方向に位置し、1系統のプッシュボタンLED25cと1つのタッチセンサ25d(TSW1)とをその円周内に配置する。小円部252は、小円部250の左斜め上方向に位置し、1系統のプッシュボタンLED25cと1つのタッチセンサ25d(TSW2)とをその円周内に配置する。小円部253は、小円部250の上方向に位置し、1系統のプッシュボタンLED25cと1つのタッチセンサ25d(TSW3)とをその円周内に配置する。小円部254は、小円部250の右斜め上方向に位置し、1系統のプッシュボタンLED25cと1つのタッチセンサ25d(TSW5)とをその円周内に配置する。小円部255は、小円部250の右方向に位置し、1系統のプッシュボタンLED25cと1つのタッチセンサ25d(TSW6)とをその円周内に配置する。小円部256は、小円部250の右斜め下方向に位置し、1系統のプッシュボタンLED25cと1つのタッチセンサ25d(TSW7)とをその円周内に配置する。小円部257は、小円部250の下方向に位置し、1系統のプッシュボタンLED25cと1つのタッチセンサ25d(TSW8)とをその円周内に配置する。小円部258は、小円部250の左斜め下方向に位置し、1系統のプッシュボタンLED25cをその円周内に配置する。小円部258は、タッチセンサ25dを配置しないことから、タッチセンサ25dを配置する小円部250〜257と区別容易にするために星型多角形の意匠を有する。また、小円部258は、タッチセンサ25dを配置しないことから、遊技者が8つのタッチセンサ25dを操作する際のホームポジションとなり得る。この小円部258は、プッシュボタン25が遊技機10の中央部にあって操作部24が右側にあるときに、遊技者側からみると小円部251〜258のうちで手前左側に位置し、遊技者が小円部258をホームポジションと扱うことを容易にしている。
なお、プッシュボタン25は、小円部258にタッチセンサ25dを配置しないとしたが、小円部250〜257と同様にタッチセンサ25dを配置してもよい。また、プッシュボタン25は、タッチセンサ25dに代えて、遊技者のタッチ操作の位置座標を検出可能なタッチパネルを備えるものであってもよい。その場合、演出制御装置300は、小円部250〜258に対応する座標と、タッチパネルで検出した位置座標とから、小円部250〜258のタッチ操作を検出できる。
演出制御装置300は、プッシュボタン25の押下操作を、プッシュボタンSW25eの押下操作により検出して、省電力制御状態における節電フラグリセットの契機とすることができる。また、プッシュボタン25は、タッチセンサ25dを有するが、演出制御装置300は、タッチセンサ25dのタッチ検出を省電力制御状態における節電フラグリセットの契機としないことで不用意な操作による省電力制御状態の解除を防止している。たとえば、演出制御装置300は、省電力制御状態においてタッチセンサ25dの入力を無効にする。なお、演出制御装置300は、プッシュボタン25の押下操作による省電力制御状態の解除の後にタッチセンサ25dのタッチ検出を有効にすることで、遊技者によるタッチセンサ25dの操作を受け付けることができる。
次に、非省電力制御状態から省電力制御状態への移行タイミングについて図161を用いて説明する。図161は、第13の実施形態の省電力制御状態移行までのタイミングチャートの一例を示す図である。
演出制御装置300は、セットされた初期値から所定時間ごとにデクリメントされて値が「0」になったときにタイムアップする節電タイマを常時作動させている。
[タイミングt11]演出制御装置300は、遊技制御装置100から停止図柄コマンドを受信して特図ゲームの変動を開始する。演出制御装置300は、停止図柄コマンドの受信を契機にして節電タイマに初期値T0(たとえば10分)をセット(タイマセット)する。
[タイミングt12]演出制御装置300は、遊技制御装置100から変動パターンコマンドを受信する。演出制御装置300は、変動パターンコマンドの受信を契機にして節電タイマに初期値T0をセットする。
[タイミングt13]演出制御装置300は、遊技制御装置100から保留コマンドを受信する。演出制御装置300は、保留コマンドの受信を契機にして節電タイマに初期値T0をセットする。なお、遊技制御装置100は、停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、および保留コマンドを順次送信するのでタイミングt11とタイミングt12、およびタイミングt12とタイミングt13の間隔(たとえば、10ms)は節電タイマの初期値と比較して十分に短い。
なお、演出制御装置300は、停止図柄コマンドを受信して特図ゲームの変動を開始するとしたが、一連のコマンド(停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、および保留コマンド)の受信を待って特図ゲームの変動を開始するものであってもよい。また、演出制御装置300は、所定時間内(たとえば、100ms)に受信する一連のコマンド、あるいはあらかじめグループとして設定される一連のコマンドのうちいずれかのコマンドで節電タイマに初期値T0をセットするものであってもよい。
[タイミングt14]演出制御装置300は、遊技制御装置100から停止コマンドを受信して特図ゲームの変動を停止する。演出制御装置300は、停止コマンドの受信を契機にして節電タイマに初期値T0をセットする。なお、保留コマンドの受信から停止コマンドの受信までの間隔T1は、特図ゲームの変動時間に相当し、初期値T0と比較して十分に短い。したがって、演出制御装置300は、変動表示ゲームの実行中に非省電力制御状態から省電力制御状態に移行することがない。なお、近時の変動表示時間は、極めて長い変動表示時間を有するもの(たとえば、5分)があることから、遊技制御装置100は、節電コマンドのタイムアップを抑止するためにダミーコマンドを送信してもよい。この場合、演出制御装置300は、ダミーコマンドの受信を契機にして節電タイマに初期値T0をセットすることができる。
[タイミングt15]演出制御装置300は、停止コマンドの受信から時間T2経過後に、遊技制御装置100からタッチOFFコマンドを受信する。演出制御装置300は、タッチOFFコマンドの受信を契機にして節電タイマに初期値T0をセットする。
タッチOFFコマンドは、遊技制御装置100がハンドル(操作部)24から遊技者の手が離れたこと(タッチOFF)をタッチスイッチ信号により検出して演出制御装置300に通知するコマンドである。演出制御装置300は、タッチOFFコマンドにより遊技者の遊技中断または終了を検出することができる。なお、遊技制御装置100がハンドル24から遊技者の手が触れたこと(タッチON)をタッチスイッチ信号により検出して演出制御装置300に通知するコマンドとしてタッチONコマンドがある。演出制御装置300は、タッチONコマンドにより遊技者の遊技開始を検出することができる。
[タイミングt16]演出制御装置300は、停止コマンドの受信から客待ち監視時間T2経過後に、遊技制御装置100から客待ちコマンドを受信する。演出制御装置300は、客待ちコマンドの受信を契機にして節電タイマに初期値T0をセットする。なお、遊技制御装置100は、特図ゲームの変動終了から客待ち監視時間T2経過(たとえば5分)で客待ちコマンドを送信する。客待ち監視時間T2は、初期値T0と比較して小さな値が設定される。
[タイミングt17]演出制御装置300は、遊技制御装置100からコマンドを受信することなしに初期値T0が経過して節電タイマがタイムアップする。演出制御装置300は、節電タイマのタイムアップにより節電モードを開始する。すなわち、演出制御装置300は、非省電力制御状態から省電力制御状態に移行する。
このように遊技機10は、常時作動する節電タイマをリセット(節電タイマに初期値T0をセット)するだけで、遊技中にあっては節電モードに移行することなく、遊技終了後のタイムアップで節電モードに移行することができる。このような遊技機10は、遊技制御装置100からのコマンド受信を節電タイマのリセット契機とすることで、演出制御装置300にかかる処理負荷を軽減できる。
[第13の実施形態の変形例1]
次に、第13の実施形態の変形例1の遊技機10について説明する。第13の実施形態の遊技機10は、コマンドの受信を契機にして節電タイマにセットする初期値を固定値としていたが、第13の実施形態の変形例1の遊技機10は、節電タイマにセットする初期値をコマンド別の可変値とする点で相違する。
〔省電力制御処理〕
まず、第13の実施形態の変形例1の省電力制御処理を図162を用いて説明する。図162は、第13の実施形態の変形例1の演出制御装置における省電力制御処理のフローチャートを示す図である。省電力制御処理は、省電力制御対象装置3000の消費電力を抑制しない通常制御状態(非省電力制御状態)と、省電力制御対象装置3000の消費電力を抑制する省電力制御状態との切替制御をおこなう処理である。省電力制御処理は、メイン処理(図156参照)のステップD22Aで演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD181]制御部は、省電力に関する制御状態が省電力制御状態であるか否かを判定する。制御部は、省電力制御状態である場合にステップD182に進み、省電力制御状態でない場合、すなわち非省電力制御状態である場合にステップD183に進む。
[ステップD182]制御部は、プッシュボタン25の押下操作を検出したか否かを判定する。制御部は、プッシュボタン25の押下操作を検出した場合にステップD184に進み、押下操作を検出しない場合にステップD183に進む。
[ステップD183]制御部は、遊技制御装置100から節電フラグリセット対象のコマンドの受信があったか否かを判定する。制御部は、遊技制御装置100から節電フラグリセット対象のコマンドの受信があった場合にステップD184に進み、節電フラグリセット対象のコマンドの受信がない場合にステップD187に進む。すなわち、制御部が受信するコマンドは、節電フラグリセット対象となるコマンドと節電フラグリセット対象とならないコマンドとを含む。なお、節電フラグリセット対象となるコマンドと節電フラグリセット対象とならないコマンドについては、図163を用いて後で説明する。
[ステップD184]制御部は、節電フラグをリセットする。
[ステップD185]制御部は、コマンド別の節電タイマの初期値を取得する。すなわち、節電タイマの初期値は、固定値ではなく、コマンドごとに異なる値を取り得る可変値である。なお、コマンド別の節電タイマの初期値については、図163を用いて後で説明する。
[ステップD186]制御部は、節電タイマをセットした後、省電力制御処理を終了する。
[ステップD187]制御部は、節電タイマがタイムアップしたか否かを判定する。制御部は、節電タイマがタイムアップした場合にステップD188に進み、タイムアップしない場合に省電力制御処理を終了する。
[ステップD188]制御部は、節電フラグをセットした後、省電力制御処理を終了する。
これにより、制御部は、節電フラグがセットされた省電力制御状態で省電力制御対象装置3000を省電力制御し、節電フラグがリセットされた非省電力制御状態で省電力制御対象装置3000を通常電力制御(非省電力制御)することができる。また、制御部は、必ずしもすべてのコマンド受信で節電フラグをリセットしないことから、必要以上に省電力制御状態への移行が遅延することを抑制できる。また、制御部は、必ずしもすべてのコマンド受信で節電フラグをリセットしないことから、省電力制御状態から非省電力制御状態への移行機会を制限できる。すなわち、演出制御装置300は、省電力制御状態を維持したまま遊技制御装置100からコマンド受信をおこなうことができる。
なお、第13の実施形態の変形例1の省電力制御処理は、特定エラーの発生中を監視しないが、コマンド別の節電タイマの初期値として十分に大きな値を設定することで特定エラー発生中の省電力制御状態への移行を抑制できる。
次に、第13の実施形態の変形例1のコマンドごとの節電フラグリセット対象の種別と節電タイマの初期値について図163を用いて説明する。図163は、第13の実施形態の変形例1の演出制御装置における節電フラグリセット対象の種別と節電タイマの初期値とが設定されたコマンド一覧の一例を示す図である。
演出制御装置300は、遊技制御装置100から複数種類のコマンドを受信する。たとえば、演出制御装置300は、遊技制御装置100から特図ゲームに関するコマンドを受信する。特図ゲームに関するコマンド名は、停止コマンド、飾り図柄1保留数コマンド、飾り図柄2保留数コマンド等がある。停止コマンドは、節電フラグリセット対象のコマンドであり、節電タイマに初期値として10分を設定するコマンドである。飾り図柄1保留数コマンドと飾り図柄2保留数コマンドは、いずれも節電フラグリセット非対象のコマンドである。演出制御装置300は、飾り図柄1保留数コマンドと飾り図柄2保留数コマンドを受信した場合、節電タイマがタイムアップするまでの間に他のコマンド(たとえば停止コマンド)を受信する。そのため、飾り図柄1保留数コマンドと飾り図柄2保留数コマンドにもとづいてリセットされた節電タイマは、タイムアップすることなく他のコマンドにより再リセットされる。したがって、飾り図柄1保留数コマンドや飾り図柄2保留数コマンドは、節電フラグリセット対象とすることを要せず、演出制御装置300は、節電タイマに関する処理を簡素化し得る。
また、演出制御装置300は、遊技制御装置100から客待ちコマンドを受信する。客待ちコマンドは、遊技者がハンドル24に触れているタッチON状態で節電フラグリセット対象のコマンドであり、節電タイマに初期値として10分を設定するコマンドである。ただし、客待ちコマンドは、遊技者がハンドル24に触れていないタッチOFF状態で節電フラグリセット非対象のコマンドである。
また、演出制御装置300は、タッチに関するコマンドを受信する。タッチに関するコマンドは、タッチONコマンドとタッチOFFコマンドとがある。タッチONコマンドは、節電フラグリセット対象のコマンドであり、節電タイマに初期値として10分を設定するコマンドである。タッチOFFコマンドは、節電フラグリセット対象のコマンドであり、節電タイマに初期値として5分を設定するコマンドである。なお、タッチON状態は、演出制御装置300がタッチONコマンドを受信してからタッチOFFコマンドを受信するまでの間の状態である。また、タッチOFF状態は、演出制御装置300がタッチOFFコマンドを受信してからタッチONコマンドを受信するまでの間の状態である。
また、演出制御装置300は、エラーに関するコマンドを受信する。エラーに関するコマンドは、大入賞口不正入賞エラー報知や大入賞口不正入賞エラー報知終了等がある。大入賞口不正入賞エラー報知は、節電フラグリセット対象のコマンドであり、特定エラーに相当するエラーであることから節電タイマに初期値として十分に大きな値である100分を設定するコマンドである。大入賞口不正入賞エラー報知終了は、節電フラグリセット対象のコマンドであり、節電タイマに初期値として10分を設定するコマンドである。
このように、演出制御装置300は、コマンドごとに節電フラグリセット対象の種別と節電タイマの初期値とを設定することができる。また、演出制御装置300は、客待ちコマンドを用いて説明したように制御状態(タッチON状態、タッチOFF状態)に応じて、節電フラグリセット対象の種別や節電タイマの初期値を違えることができる。
これにより、演出制御装置300は、コマンドの受信順序の違いにより節電モードへの移行タイミングを制御することができる。次に、コマンドの受信順序の違いによる節電モードへの移行タイミングの違いについて図164と図165とを用いて説明する。
まず、タッチOFFコマンドより先に客待ちコマンドを受信したときの省電力制御状態移行(節電モードの移行)について図164を用いて説明する。図164は、第13の実施形態の変形例1のタッチOFFコマンドより先に客待ちコマンドを受信したときの省電力制御状態移行までのタイミングチャートの一例を示す図である。なお、タイミングt11からタイミングt14までは図161で説明した通りなので、ここでは説明を省略する。
[タイミングt16]演出制御装置300は、停止コマンドの受信から客待ち監視時間T2経過後に、遊技制御装置100から客待ちコマンドを受信する。演出制御装置300は、タッチONコマンドの受信後にタッチOFFコマンドを受信していないタッチON状態であることから、客待ちコマンドの受信を契機にして節電タイマに初期値T01をセットする。なお、遊技制御装置100は、特図ゲームの変動終了から客待ち監視時間T2経過(たとえば5分)で客待ちコマンドを送信する。客待ち監視時間T2は、初期値T01と比較して小さな値が設定される。
[タイミングt161]演出制御装置300は、タッチOFFコマンドを受信し、タッチOFF状態となる。演出制御装置300は、タッチOFFコマンドの受信を契機にして節電タイマに初期値T02をセットする。演出制御装置300は、初期値T02を初期値T01より小さい値とすることで、初期値T01を設定された節電タイマがタイムアップするよりも早期に節電タイマをタイムアップできる場合がある。
[タイミングt162]演出制御装置300は、遊技制御装置100からコマンドを受信することなしに初期値T02が経過して節電タイマがタイムアップする。演出制御装置300は、節電タイマのタイムアップにより節電モードを開始する。すなわち、演出制御装置300は、非省電力制御状態から省電力制御状態に移行する。
このように、演出制御装置300は、タッチOFFコマンドにより遊技者の遊技中断または遊技中止を検出できることから、客待ちコマンドの受信を契機とした節電モードの移行タイミングt17よりも早期の節電モードの移行をおこなうことができる。
次に、タッチOFFコマンドより後に客待ちコマンドを受信したときの省電力制御状態移行(節電モードの移行)について図165を用いて説明する。図165は、第13の実施形態の変形例1のタッチOFFコマンドより後に客待ちコマンドを受信したときの省電力制御状態移行までのタイミングチャートの一例を示す図である。なお、タイミングt11からタイミングt14までは図161で説明した通りなので、ここでは説明を省略する。
[タイミングt141]演出制御装置300は、停止コマンドの受信から時間T2経過前に、遊技制御装置100からタッチOFFコマンドを受信する。演出制御装置300は、タッチOFFコマンドの受信を契機にして節電タイマに初期値T02をセットする。
[タイミングt16]演出制御装置300は、停止コマンドの受信から客待ち監視時間T2経過後に、遊技制御装置100から客待ちコマンドを受信する。演出制御装置300は、タッチOFFコマンドを受信しているタッチOFF状態であることから、客待ちコマンドを節電フラグリセット非対象のコマンドとする。
[タイミングt163]演出制御装置300は、遊技制御装置100から節電フラグリセット対象のコマンドを受信することなしに初期値T02が経過して節電タイマがタイムアップする。演出制御装置300は、節電タイマのタイムアップにより節電モードを開始する。すなわち、演出制御装置300は、非省電力制御状態から省電力制御状態に移行する。
このように、演出制御装置300は、タッチOFFコマンドにより遊技者の遊技中断または遊技中止を検出できることから、客待ちコマンドの受信を契機とした節電モードの移行タイミングt17よりも早期の節電モードの移行をおこなうことができる。
[第13の実施形態の変形例2]
次に、第13の実施形態の変形例2の遊技機10について説明する。第13の実施形態の遊技機10は、節電モードを1つとしていたが、第13の実施形態の変形例2の遊技機10は、弱節電モードと強節電モードの2つの節電モードを有する点で相違する。
〔省電力制御処理〕
まず、第13の実施形態の変形例2の省電力制御処理を図166を用いて説明する。図166は、第13の実施形態の変形例2の演出制御装置における省電力制御処理のフローチャートを示す図である。省電力制御処理は、省電力制御対象装置3000の消費電力を抑制しない通常制御状態(非省電力制御状態)と、省電力制御対象装置3000の消費電力を抑制する弱節電制御状態(第1の省電力制御状態)と、省電力制御対象装置3000の消費電力を弱節電制御状態よりも抑制する強節電制御状態(第2の省電力制御状態)との切替制御をおこなう処理である。省電力制御処理は、メイン処理(図156参照)のステップD22Aで演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD191]制御部は、省電力に関する制御状態が省電力制御状態(弱節電制御状態または強節電制御状態)であるか否かを判定する。制御部は、省電力制御状態である場合にステップD192に進み、省電力制御状態でない場合、すなわち非省電力制御状態である場合にステップD193に進む。
[ステップD192]制御部は、プッシュボタン25の押下操作を検出したか否かを判定する。制御部は、プッシュボタン25の押下操作を検出した場合にステップD194に進み、押下操作を検出しない場合にステップD193に進む。
[ステップD193]制御部は、遊技制御装置100からコマンドの受信があったか否かを判定する。制御部は、遊技制御装置100からコマンドの受信があった場合にステップD194に進み、コマンドの受信がない場合にステップD196に進む。
[ステップD194]制御部は、節電フラグをリセットする。なお、ここでいう節電フラグは、弱節電フラグおよび強節電フラグをいう。
[ステップD195]制御部は、弱節電タイマをセットした後、省電力制御処理を終了する。なお、弱節電タイマの初期値は、通常の遊技におけるコマンド受信間隔よりも十分に大きい値とする。たとえば制御部は、初期値として10分に対応する初期値を弱節電タイマにセットする。
弱節電タイマは、常時作動のタイマであり、セットされた初期値から所定時間ごとにデクリメントされて値が「0」になったときにタイムアップする。これにより弱節電タイマは、非省電力制御状態における非稼働時間の監視タイマとして機能する。なお、制御部は、初期値「0」から所定時間ごとにインクリメントし設定値でタイムアップする弱節電タイマを用いることもできる。
[ステップD196]制御部は、節電タイマがタイムアップしたか否かを判定する。なお、ここでいう節電タイマは、弱節電タイマ、および後述する強節電タイマをいう。制御部は、節電タイマがタイムアップした場合にステップD197に進み、節電タイマがタイムアップしない場合に省電力制御処理を終了する。
[ステップD197]制御部は、弱節電フラグがセットされているか否かを判定する。制御部は、弱節電フラグがセットされている場合にステップD200に進み、弱節電フラグがセットされていない場合にステップD198に進む。
[ステップD198]制御部は、弱節電フラグをセットする。
[ステップD199]制御部は、強節電タイマをセットした後、省電力制御処理を終了する。なお、強節電タイマの初期値は、通常の遊技におけるコマンド受信間隔の制約なしに任意の値を設定できる。たとえば制御部は、初期値として5分に対応する初期値を強節電タイマにセットする。
[ステップD200]制御部は、弱節電フラグに加えて強節電フラグをセットした後、省電力制御処理を終了する。
これにより、制御部は、弱節電フラグまたは強節電フラグがセットされた省電力制御状態で省電力制御対象装置3000を省電力制御し、弱節電フラグおよび強節電フラグがリセットされた非省電力制御状態で省電力制御対象装置3000を通常電力制御(非省電力制御)することができる。省電力制御状態は、弱節電制御状態と強節電制御状態とがあり、制御部は、弱節電フラグがセットされ強節電フラグがセットされていない弱節電制御状態で省電力制御対象装置3000を省電力制御し、弱節電フラグと強節電フラグがセットされた強節電制御状態で省電力制御対象装置3000を省電力制御することができる。
このように、制御部は、弱節電制御状態を経て強節電制御状態に移行することができるので、稼働に応じて節電状態をよりきめ細かく制御することができる。これにより、遊技機10は、節電効果の大きい強節電制御状態があっても弱節電制御状態を経ることから、節電効果を高めながらも節電状態への移行による遊技場内の賑やかさの低減を緩和することができる。
ここで、省電力制御対象装置3000ごとの弱節電制御状態における制御内容と強節電制御状態における制御内容とを図167を用いて説明する。図167は、第13の実施形態の変形例2の省電力制御対象装置ごとの弱節電制御状態における制御内容と強節電制御状態における制御内容の一例を示す図である。
表示装置41は、弱節電制御状態において客待ち表示をしながらバックライトの輝度を低下させる低輝度表示(たとえば、非省電力制御状態比50%)をおこなう。また、表示装置41は、強節電制御状態において節電表示をしながらバックライトの輝度を低下させる低輝度表示をおこなう。また、表示装置41は、ノーマリーホワイト液晶を用いている場合に背景色を白(ノーマリーブラック液晶の場合は黒)とすることで一層の節電効果を得ることができ、強節電制御状態における節電表示は、弱節電制御状態における客待ち表示よりも白色の割合を大きくする。
音声出力装置19は、上スピーカ19aと下スピーカ19bとで制御系統を区分する。上スピーカ19aは、弱節電制御状態において音量を抑制(たとえば、非省電力制御状態比20%)し、強節電制御状態において消音とする。下スピーカ19bは、弱節電制御状態および強節電制御状態において消音とする。
遊技盤装飾装置46は、盤装飾系統Aと盤装飾系統Bとで制御系統を区分する。盤装飾系統Aは、弱節電制御状態においてLEDを低輝度表示(たとえば、非省電力制御状態比50%)とし、強節電制御状態においてLEDを全消灯とする。盤装飾系統Bは、弱節電制御状態および強節電制御状態において全消灯とする。
遊技枠装飾装置18は、プッシュボタン25を除いて、枠装飾系統Aと枠装飾系統Bとで制御系統を区分する。枠装飾系統Aは、弱節電制御状態においてLEDを低輝度表示(たとえば、非省電力制御状態比50%)とし、強節電制御状態においてLEDを全消灯とする。枠装飾系統Bは、弱節電制御状態および強節電制御状態において全消灯とする。
プッシュボタン25は、弱節電制御状態において単色(緑)で点滅(たとえば、256ms周期)し、強節電制御状態において単色(緑)で低速点滅(たとえば、1024ms周期)する。プッシュボタン25は、押下操作が節電フラグリセットの契機となるため消灯することなく操作対象となり得ることを明示する。
遊技盤可動体44は、可動系統Aと可動系統Bとで制御系統を区分する。可動系統Aは、動作周期を長期化したインターバル動作とし、強節電制御状態においてモータやソレノイド等のアクチュエータを励磁OFFとする。可動系統Bは、弱節電制御状態および強節電制御状態においてアクチュエータを励磁OFFとする。
このように、遊技機10は、省電力制御対象装置3000ごとに弱節電制御状態と強節電制御状態とに制御できる。また、遊技機10は、省電力制御対象装置3000ごとに2系統に制御系統を区分し、弱節電制御状態と強節電制御状態とにおいて制御系統ごとに異なる制御態様で制御できる。
なお、省電力制御対象装置ごとの制御系統は、任意に区分可能であるが、たとえば、演出制御装置300の出力ポート単位で区分することができる。また、省電力制御対象装置ごとの制御系統は、中継基板を単位にして区分することができるし、遊技機10における位置(たとえば、上部と下部、左部と右部等)によって区分することもできる。
なお、演出制御装置300は、図156を用いて説明したメイン処理のステップD26Aと同様にして、表示装置41について弱節電制御状態と強節電制御状態のそれぞれに対応した画面描画(バックライト制御を含む)をおこなうことができる。また、演出制御装置300は、図156を用いて説明したメイン処理のステップD27Aと同様にして、音声出力装置19について弱節電制御状態と強節電制御状態のそれぞれに対応した音声出力制御(サウンド制御)をおこなうことができる。また、演出制御装置300は、図156を用いて説明したメイン処理のステップD28Aと同様にして、遊技盤装飾装置46および遊技枠装飾装置18について弱節電制御状態と強節電制御状態のそれぞれに対応した装飾制御をおこなうことができる。また、演出制御装置300は、図156を用いて説明したメイン処理のステップD29Aと同様にして、遊技盤可動体44について弱節電制御状態と強節電制御状態のそれぞれに対応した可動体制御をおこなうことができる。
[第13の実施形態の変形例3]
次に、第13の実施形態の変形例3の遊技機10について説明する。第13の実施形態の遊技機10は、コマンドの受信を契機にして節電タイマにセットする初期値を固定値としていたが、第13の実施形態の変形例3の遊技機10は、節電タイマにセットする初期値を保留記憶数に応じて異ならせる点で相違する。
〔省電力制御処理〕
まず、第13の実施形態の変形例3の省電力制御処理を図168を用いて説明する。図168は、第13の実施形態の変形例3の演出制御装置における省電力制御処理のフローチャートを示す図である。省電力制御処理は、省電力制御対象装置3000の消費電力を抑制しない通常制御状態(非省電力制御状態)と、省電力制御対象装置3000の消費電力を抑制する省電力制御状態との切替制御をおこなう処理である。省電力制御処理は、メイン処理(図156参照)のステップD22Aで演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD201]制御部は、特定エラー発生中であるか否かを判定する。制御部は、特定エラー発生中であればステップD205に進み、特定エラー発生中でなければステップD202に進む。
[ステップD202]制御部は、省電力に関する制御状態が省電力制御状態であるか否かを判定する。制御部は、省電力制御状態である場合にステップD203に進み、省電力制御状態でない場合、すなわち非省電力制御状態である場合にステップD204に進む。
[ステップD203]制御部は、プッシュボタン25の押下操作を検出したか否かを判定する。制御部は、プッシュボタン25の押下操作を検出した場合にステップD205に進み、押下操作を検出しない場合にステップD204に進む。
[ステップD204]制御部は、遊技制御装置100からコマンドの受信があったか否かを判定する。制御部は、遊技制御装置100からコマンドの受信があった場合にステップD205に進み、コマンドの受信がない場合にステップD210に進む。
[ステップD205]制御部は、節電フラグをリセットする。
[ステップD206]制御部は、タッチ状態がタッチOFF状態か否かを判定する。制御部は、タッチ状態がタッチOFF状態であればステップD207に進み、タッチ状態がタッチOFF状態でなければステップD209に進む。
[ステップD207]制御部は、特図ゲームの保留記憶数が「0」(特図1と特図2があるとき、特図1の保留記憶数と特図2の保留記憶数がともに「0」)であるか否かを判定する。制御部は、特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合にステップD208に進み、「0」でない場合にステップD209に進む。
[ステップD208]制御部は、節電タイマに初期値(ショート、たとえば5分)をセットした後、省電力制御処理を終了する。なお、節電タイマは、常時作動のタイマであり、セットされた初期値から所定時間ごとにデクリメントされて値が「0」になったときにタイムアップする。これにより節電タイマは、非省電力制御状態における非稼働時間の監視タイマとして機能する。なお、制御部は、初期値「0」から所定時間ごとにインクリメントし設定値でタイムアップする節電タイマを用いることもできる。初期値(ショート)は、後述する初期値(ロング)と比較して短い時間である。
[ステップD209]制御部は、節電タイマに初期値(ロング、たとえば10分)をセットした後、省電力制御処理を終了する。
[ステップD210]制御部は、節電タイマがタイムアップしたか否かを判定する。制御部は、節電タイマがタイムアップした場合にステップD211に進み、タイムアップしない場合に省電力制御処理を終了する。
[ステップD211]制御部は、節電フラグをセットした後、省電力制御処理を終了する。
これにより、制御部は、節電フラグがセットされた省電力制御状態で省電力制御対象装置3000を省電力制御し、節電フラグがリセットされた非省電力制御状態で省電力制御対象装置3000を通常電力制御(非省電力制御)することができる。
このように、制御部は、遊技制御装置100からのコマンド受信を節電フラグリセットの契機とすることから、稼働中の遊技機が省電力制御状態に移行することがない。また、制御部は、節電フラグリセットの契機で常時作動するタイマに初期値をセットするだけで省電力制御をおこなうことができることから、省電力制御にかかる処理負担を軽減できる。また、制御部は、遊技制御装置100からのコマンド受信がなくても特定エラー発生中であることを節電フラグリセットの契機とすることから、特定のエラー発生中のエラー報知効果の低減を防止することができる。また、制御部は、遊技制御装置100からのコマンド受信がなくてもプッシュボタン25の押下操作検出を節電フラグリセットの契機とすることから、必ずしも遊技を開始することなく省電力制御状態を解除できる。
このように、遊技機10は、タッチ状態に応じて節電タイマに設定する初期値の大きさが異なる。また、遊技機10は、特図ゲームの保留記憶数に応じて節電タイマに設定する初期値の大きさが異なる。例示した省電力制御処理は、特図ゲームの保留記憶数「0」とそれ以外に区分して節電タイマに設定する初期値の大きさを異ならせたが、特図ゲームの保留記憶数についてその他の区分(たとえば保留記憶数「0、1」と「2以上」)であってもよい。
また、制御部は、節電フラグがセットされた省電力制御状態で省電力制御対象装置3000を省電力制御し、節電フラグがリセットされた非省電力制御状態で省電力制御対象装置3000を通常電力制御(非省電力制御)することができる。また、制御部は、タッチ状態により遊技者の遊技中断や遊技終了を推定できる場合に、より速やかに節電を開始し得る。
[第13の実施形態の変形例4]
次に、第13の実施形態の変形例4の遊技機10について説明する。第13の実施形態の遊技機10は、コマンドの受信を契機にして節電タイマにセットする初期値を固定値としていたが、第13の実施形態の変形例4の遊技機10は、節電タイマにセットする初期値を遊技状態に応じて異ならせる点で相違する。
〔省電力制御処理〕
まず、第13の実施形態の変形例4の省電力制御処理を図169を用いて説明する。図169は、第13の実施形態の変形例4の演出制御装置における省電力制御処理のフローチャートを示す図である。省電力制御処理は、省電力制御対象装置3000の消費電力を抑制しない通常制御状態(非省電力制御状態)と、省電力制御対象装置3000の消費電力を抑制する省電力制御状態との切替制御をおこなう処理である。省電力制御処理は、メイン処理(図156参照)のステップD22Aで演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD221]制御部は、省電力に関する制御状態が省電力制御状態であるか否かを判定する。制御部は、省電力制御状態である場合にステップD222に進み、省電力制御状態でない場合、すなわち非省電力制御状態である場合にステップD223に進む。
[ステップD222]制御部は、プッシュボタン25の押下操作を検出したか否かを判定する。制御部は、プッシュボタン25の押下操作を検出した場合にステップD224に進み、押下操作を検出しない場合にステップD223に進む。
[ステップD223]制御部は、遊技制御装置100からコマンドの受信があったか否かを判定する。制御部は、遊技制御装置100からコマンドの受信があった場合にステップD224に進み、コマンドの受信がない場合にステップD230に進む。
[ステップD224]制御部は、節電フラグをリセットする。
[ステップD225]制御部は、遊技機10の遊技状態を判別する。ここで判別対象となる遊技状態は、通常遊技状態と特典遊技状態と、エラー状態と、電源投入状態の4つである。演出制御装置300は、遊技制御装置100から受信済みのコマンドにより判別対象となる遊技状態を判別できる。たとえば、電源投入状態は、電源投入コマンドを受信後にその他のコマンドの受信がない遊技状態であり、エラー状態は、エラーコマンドを受信後に対応するエラーの解除コマンドの受信がない遊技状態である。また、特典遊技状態は、確率変動や普電サポートがある遊技状態であり、通常遊技状態はその余の遊技状態である。なお、頻回にコマンドを受信し、節電状態に移行することが考えられない遊技状態(たとえば大当り状態等)は、通常遊技状態に含めてもよい。
制御部は、遊技状態が通常遊技状態である場合にステップD226に進み、特典遊技状態である場合にステップD227に進み、エラー状態である場合にステップD228に進み、電源投入状態である場合にステップD229に進む。
[ステップD226]制御部は、節電タイマに初期値(通常遊技状態)をセットした後、省電力制御処理を終了する。初期値(通常遊技状態)は、たとえば、10分である。
[ステップD227]制御部は、節電タイマに初期値(特典遊技状態)をセットした後、省電力制御処理を終了する。初期値(特典遊技状態)は、たとえば、5分である。
[ステップD228]制御部は、節電タイマに初期値(エラー状態)をセットした後、省電力制御処理を終了する。初期値(エラー状態)は、たとえば、100分である。
[ステップD229]制御部は、節電タイマに初期値(電源投入状態)をセットした後、省電力制御処理を終了する。初期値(電源投入状態)は、たとえば、1分である。
[ステップD230]制御部は、節電タイマがタイムアップしたか否かを判定する。制御部は、節電タイマがタイムアップした場合にステップD231に進み、タイムアップしない場合に省電力制御処理を終了する。
[ステップD231]制御部は、節電フラグをセットした後、省電力制御処理を終了する。
これにより、制御部は、節電フラグがセットされた省電力制御状態で省電力制御対象装置3000を省電力制御し、節電フラグがリセットされた非省電力制御状態で省電力制御対象装置3000を通常電力制御(非省電力制御)することができる。
これにより、制御部は、遊技状態に応じて節電までの移行時間を可変とすることができる。たとえば、遊技者の遊技動向として特典遊技状態中の遊技中止は遊技終了よりも休憩等による遊技中断の蓋然性が高い。そのため、同じ遊技者が遊技を再開するであろうことから、非節電状態において客待ちをおこなう必要性がない。そこで、制御部は、このような遊技機に対してより速やかな節電開始をおこなうことができる。また、エラー報知中であれば、節電により警報効果が損なわれる場合があることから、制御部は、このような遊技機に対して節電開始をより遅くすることができる。
なお、遊技状態の区分や遊技状態ごとの初期値の大きさは、設計思想に応じて変更可能であり、また、遊技場の運営方針にしたがいホール設定機能として設定できるようにしてもよい。たとえば、初期値(電源投入状態)は、1分とすることで開店前の節電効果を大きくすることができるし、60分とすることで遊技者が遊技場に入場したときに遊技機10が節電状態であることを避けることができる。
また、制御部は、遊技状態に応じて初期値を異ならせるようにしたが、遊技状態に応じて初期値を異ならせることに加えて、遊技状態に応じて省電力制御対象装置ごとの制御内容を異ならせることができる。
次に、遊技状態に応じた省電力制御対象装置ごとの制御内容について図170を用いて説明する。図170は、第13の実施形態の変形例4の節電制御状態における遊技状態別の省電力制御対象装置ごとの制御内容の一例を示す図である。
表示装置41は、通常遊技状態の節電制御状態において客待ちA表示をしながらバックライトの輝度を低下させる低輝度表示(たとえば、非省電力制御状態比50%)をおこなう。また、表示装置41は、特典遊技状態の節電制御状態において客待ちB表示をしながら低輝度表示をおこない、エラー状態の節電制御状態において客待ちC表示をしながら低輝度表示をおこない、電源投入状態の節電制御状態において客待ちD表示をしながら低輝度表示をおこなう。客待ちA表示と客待ちB表示については図171を用いて、客待ちC表示と客待ちD表示については図172を用いて後で説明する。
音声出力装置19は、上スピーカ19aと下スピーカ19bとで制御系統を区分する。上スピーカ19aは、通常遊技状態の節電制御状態と特典遊技状態の節電制御状態とにおいて音量を抑制(たとえば、非省電力制御状態比20%)する。また、上スピーカ19aは、エラー状態の節電制御状態と電源投入状態の節電制御状態とにおいて省電力制御の対象外となる。下スピーカ19bは、通常遊技状態の節電制御状態と特典遊技状態の節電制御状態と電源投入状態の節電制御状態とにおいて消音とし、エラー状態の節電制御状態において音量を抑制する。
遊技盤装飾装置46は、盤装飾系統Aと盤装飾系統Bとで制御系統を区分する。盤装飾系統Aは、通常遊技状態の節電制御状態と電源投入状態の節電制御状態とにおいてLEDを低輝度表示(たとえば、非省電力制御状態比50%)とし、特典遊技状態の節電制御状態においてLEDを全消灯とする。また、盤装飾系統Aは、エラー状態の節電制御状態において省電力制御の対象外となる。盤装飾系統Bは、通常遊技状態の節電制御状態と特典遊技状態の節電制御状態とエラー状態の節電制御状態とにおいてLEDを全消灯とし、電源投入状態の節電制御状態においてLEDを低輝度表示とする。
遊技枠装飾装置18は、プッシュボタン25を除いて、枠装飾系統Aと枠装飾系統Bとで制御系統を区分する。枠装飾系統Aは、通常遊技状態の節電制御状態と電源投入状態の節電制御状態とにおいてLEDを低輝度表示とし、特典遊技状態の節電制御状態とエラー状態の節電制御状態とにおいて省電力制御の対象外となる。枠装飾系統Bは、通常遊技状態の節電制御状態と特典遊技状態の節電制御状態とエラー状態の節電制御状態とにおいてLEDを全消灯とし、電源投入状態の節電制御状態においてLEDを低輝度表示とする。
プッシュボタン25は、すべての節電制御状態において単色(緑)で点滅(たとえば、256ms周期)する。プッシュボタン25は、押下操作が節電フラグリセットの契機となるため消灯することなく操作対象となり得ることを明示する。
遊技盤可動体44は、可動系統Aと可動系統Bとで制御系統を区分する。可動系統Aは、すべての節電制御状態において動作周期を長期化したインターバル動作とする。可動系統Bは、すべての節電制御状態においてアクチュエータを励磁OFFとする。
このように、遊技機10は、省電力制御対象装置3000ごとに遊技状態に応じた節電制御をおこなうことができる。また、遊技機10は、省電力制御対象装置3000ごとに2系統に制御系統を区分し、制御系統ごとに異なる制御態様で制御できる。
また、遊技機10は、一部の遊技状態において一部の制御系統を省電力制御の対象外とすることで、遊技状態に応じて一定の報知機能を担保できる。たとえば、遊技機10は、特典遊技状態の節電制御状態において枠装飾系統Aを省電力制御の対象外とすることで、節電中の特典遊技状態を明示可能にしている。また、遊技機10は、エラー状態の節電制御状態において上スピーカ19aと盤装飾系統Aと枠装飾系統Aとを省電力制御の対象外とすることで、節電中のエラー状態における報知機能を維持している。
なお、演出制御装置300は、図156を用いて説明したメイン処理のステップD26Aと同様にして、表示装置41について各遊技状態に対応した画面描画(バックライト制御を含む)をおこなうことができる。また、演出制御装置300は、図156を用いて説明したメイン処理のステップD27Aと同様にして、音声出力装置19について各遊技状態に対応した音声出力制御をおこなうことができる。また、演出制御装置300は、図156を用いて説明したメイン処理のステップD28Aと同様にして、遊技盤装飾装置46および遊技枠装飾装置18について各遊技状態に対応した装飾制御をおこなうことができる。また、演出制御装置300は、図156を用いて説明したメイン処理のステップD29Aと同様にして、遊技盤可動体44について各遊技状態に対応した可動体制御をおこなうことができる。
次に、客待ちA表示と客待ちB表示については図171を用いて説明する。図171は、第13の実施形態の変形例4の表示装置における節電中の客待ち表示画面の一例を示す図である(その1)。
図171(1)に示す表示画面710は、状態案内表示711と、操作案内表示712と、キャラクタ表示713とを含む。状態案内表示711は、メッセージ「節電中」を表示し、節電状態にあることと、遊技状態としてデフォルトの通常遊技状態であることとを明示する。操作案内表示712は、メッセージ「ボタンを押すと解除します」と、プッシュボタン25のイメージとを表示し、節電状態からの復帰方法を案内する。キャラクタ表示713は、節電中の遊技状態に対応するキャラクタ(たとえば、トラ)を表示し、キャラクタ表示によって通常遊技状態における節電中であることを明示する。
図171(2)に示す表示画面720は、状態案内表示721と、操作案内表示722と、キャラクタ表示723とを含む。状態案内表示721は、メッセージ「確変中の節電」を表示し、節電状態にあることと、特典遊技状態(確変中)であることとを明示する。操作案内表示722は、メッセージ「右打ち遊技を始めると解除します」と、右打ちイメージとを表示し、節電状態からの復帰方法を案内する。なお、遊技機10は、右打ち遊技に限らず演出制御装置300がコマンドを受信することにより節電状態から復帰できるが、このような案内をおこなうことで遊技者が左打ちから遊技開始をおこなったときの不利益を防止する。キャラクタ表示723は、節電中の遊技状態に対応するキャラクタ(たとえば、ライオン)を表示し、キャラクタ表示によって特典遊技状態(確変中)における節電中であることを明示する。
次に、客待ちC表示と客待ちD表示については図172を用いて説明する。図172は、第13の実施形態の変形例4の表示装置における節電中の客待ち表示画面の一例を示す図である(その2)。
図172(1)に示す表示画面730は、状態案内表示731と、操作案内表示732と、キャラクタ表示733と、特図ゲーム遊技表示734と、特図保留数表示735とを含む。状態案内表示731は、メッセージ「エラー中の節電」を表示し、節電状態にあることと、エラー状態であることとを明示する。操作案内表示732は、メッセージ「復旧操作で解除します」と、エラー部位のイメージとを表示し、発生中のエラーについて案内する。キャラクタ表示733は、節電中の遊技状態に対応するキャラクタ(たとえば、ブタ)を表示し、キャラクタ表示によってエラー状態における節電中であることを明示する。また、特図ゲーム遊技表示734は、エラー中の特図ゲームの遊技状態を案内する。特図保留数表示735は、エラー中の特図ゲームの保留数を表示する。これにより、遊技機10は、エラー解除に時間を要して節電状態となった場合であっても特図ゲームの遊技状態や保留数を把握可能にする。
図172(2)に示す表示画面740は、状態案内表示741と、操作案内表示742と、キャラクタ表示743とを含む。状態案内表示741は、メッセージ「電源投入後の節電」を表示し、節電状態にあることと、電源投入後であることとを明示する。操作案内表示742は、「ボタンを押すと解除します」と、プッシュボタン25のイメージとを表示し、節電状態からの復帰方法を案内する。キャラクタ表示743は、節電中の遊技状態に対応するキャラクタ(たとえば、トラ)を表示し、キャラクタ表示によって電源投入後における節電中であることを明示する。
[第13の実施形態の変形例5]
次に、第13の実施形態の変形例5の遊技機10について説明する。第13の実施形態の変形例5の遊技機10は、節電状態においてRTC演出をおこなう場合、例外的に節電状態を解除可能であり、またRTC演出を終了したときに速やかに節電状態に復帰できる。
第13の実施形態の変形例5の遊技機10の節電状態の遷移について図173を用いて説明する。図173は、第13の実施形態の変形例5の節電状態においてRTC演出が発生したときの節電状態遷移のタイミングチャートの一例を示す図である。
[タイミングt21]演出制御装置300は、節電タイマのタイムアップにより節電条件が成立し、電力制御状態を非省電力制御状態Aから省電力制御状態に遷移する。非省電力制御状態Aは、節電開始を監視する状態であり、節電をおこなわない状態である。省電力制御状態は、節電終了を監視する状態であり、節電をおこなう状態である。
[タイミングt22]演出制御装置300は、RTC338からの出力があらかじめ設定した所定値となったことを契機にしてRTC演出を開始する。このとき、演出制御装置300は、電力制御状態を省電力制御状態から非省電力制御状態Bに遷移する。非省電力制御状態Bは、節電をおこなわない状態であるが、節電開始を監視しない状態である。非省電力制御状態Bは、節電条件の成立、不成立と独立してRTC演出のタイミングに同期して遷移する状態である。なお、RTC演出は、たとえば毎正時に実行する演出であり、隣接する遊技機と同期しておこなうことができる演出である。
[タイミングt23]演出制御装置300は、RTC演出の終了を契機にして電力制御状態を非省電力制御状態Bから省電力制御状態に遷移する。
[タイミングt24]演出制御装置300は、コマンド受信またはプッシュボタン25の押下操作を検出して、電力制御状態を省電力制御状態から非省電力制御状態Aに遷移する。
これにより、遊技機10は、RTC演出のタイミングで節電状態であっても、節電状態を一時的に解除してRTC演出をおこなうことができる。このような遊技機10は、遊技場において他の遊技機と連携してRTC演出をおこなうときに節電状態であっても演出効果を発揮できる。また、遊技機10は、RTC演出後に速やかに節電状態に復帰できることから、RTC演出によって損なわれる節電効果を限定することができる。
[第13の実施形態の変形例6]
次に、第13の実施形態の変形例6の遊技機10について説明する。第13の実施形態の変形例6の遊技機10は、遊技場によって節電設定をおこなうことができる。
第13の実施形態の変形例6の遊技機10の節電設定について図174を用いて説明する。図174は、第13の実施形態の変形例6の表示装置におけるオプション設定時の節電設定のある表示画面の一例を示す図である。
節電設定は、演出制御装置300の制御部(CPU311)がメイン処理(図156参照)のホール・遊技者設定モード処理(ステップD20)を実行することにより実現できる。たとえば、遊技機10は、ガラス枠15を開放した状態でプッシュボタン25を押下操作することにより、ホール設定モードに移行する。このとき、遊技機10は、表示装置41に表示画面750を表示する。
表示画面750は、案内表示751と、音量設定表示752と、明るさ設定表示753と、節電設定表示754と、戻る表示755と、設定操作案内表示756を含む。案内表示751は、メッセージ「オプション設定」を表示し、設定操作を受付中であることを明示する。
遊技機10は、表示画面750の選択肢(音量設定表示752と、明るさ設定表示753と、節電設定表示754と、戻る表示755)を循環的に選択可能であって、プッシュボタン25の操作にもとづいて選択肢を更新する。
表示画面750は、節電設定が選択中であり、音量設定と明るさ設定が選択されていないことを、節電設定表示754の強調表示と音量設定表示752と明るさ設定表示753の非強調表示とにより明示する。設定操作案内表示756は、オプション設定に関する操作案内表示であり、プッシュボタン25のイメージと、操作説明とを表示する。
なお、遊技機10は、プッシュボタン25におけるプッシュボタンSW25eまたはタッチセンサ25dからの入力、あるいはプッシュボタンSW25eとタッチセンサ25dの組み合わせ入力により、操作者の操作を受け付けることができる。また、遊技機10は、プッシュボタンLED25cの発光態様により操作者に対する操作案内表示をおこなうことができるとともに、操作者の操作に応じてプッシュボタンLED25cの発光態様を変更し、操作結果を報知できる。
節電設定表示754は、節電の程度(たとえば、弱から強まで10段階)を設定できる。節電の程度は、節電までの時間や省電力制御対象装置3000の範囲、節電時の消費電力抑制レベルのそれぞれ、あるいはこれらの組み合わせに対応させることができる。
なお、節電設定表示754は、節電の有無を設定可能にしてもよいし、また節電までの時間や、省電力制御対象装置3000の範囲、節電時の消費電力抑制レベル等を個別に設定可能にしてもよい。また、遊技機10は、RTC338と連携した節電設定をおこなうようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、午前と午後とで、あるいは曜日によって、その節電設定を変更してもよい。
上述した第13の実施形態(変形例1から変形例6を含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、主制御部(遊技制御装置100)と従制御部(演出制御装置300)とを備える。主制御部は、遊技制御をおこなう。従制御部は、主制御部から受信するコマンドにもとづいて演出装置(省電力制御対象装置3000)を制御する。従制御部は、常時作動するタイマのタイムアップにより演出装置の消費電力を抑制しない通常制御状態から消費電力を抑制する省電力制御状態に切替可能である。従制御部は、コマンド受信を契機にしてタイマを初期化する。
(2)(1)の遊技機10は、第1の演出装置(たとえば上スピーカ19a)と第2の演出装置(たとえば下スピーカ19b)とを含む。従制御部は、通常制御状態において第1の演出装置と第2の演出装置とでエラー報知をおこなうとき、省電力制御状態において第1の演出装置と第2の演出装置のうちいずれか一方の消費電力を抑制(たとえば上スピーカ19aは消費電力の抑制なし、下スピーカ19bは音量抑制)してエラー報知をおこなう。
(3)(1)の遊技機10は、操作部(ハンドル24)を備える。主制御部は、遊技者の操作部の操作状態を含むコマンド(タッチONコマンド、タッチOFFコマンド)を従制御部に送信する。従制御部は、操作部の操作状態を含むコマンド受信を契機にしてタイマを初期化する。
(4)(1)の従制御部は、稼働中の遊技機のコマンド受信間隔よりも大きなタイムアップ値でタイマを初期化する。
(5)(1)の従制御部は、特定のエラー状態においてタイマを初期化する。
(6)(1)の遊技機10は、演出操作部(プッシュボタン25)を備える。従制御部は、演出操作部の操作を検出してタイマを初期化する。
(7)(6)の演出操作部は、第1の操作検出部(プッシュボタンSW25e)と第2の操作検出部(タッチセンサ25d)を備える。従制御部は、第2の操作検出部を無効化した状態で第1の操作検出部により遊技者の操作を検出してタイマを初期化する。
(8)(1)の従制御部は、第1のコマンド(客待ちコマンド)を受信したとき第1のタイムアップ値(たとえば10分)でタイマを初期化し、第2のコマンド(タッチOFFコマンド)を受信したとき第2のタイムアップ値(たとえば5分)でタイマを初期化する。
(9)(1)の従制御部は、第1のコマンド(客待ちコマンド)の後に第2のコマンド(タッチOFFコマンド)を受信したとき第1のタイムアップ値(たとえば10分)でタイマを初期化し、第2のコマンドの後に第1のコマンドを受信したとき第2のタイムアップ値(たとえば5分)でタイマを初期化する。
(10)(1)の従制御部は、タイマのタイムアップ値を設定変更できる。
(11)(1)の従制御部は、省電力制御状態における消費電力の抑制量(省電力機能の有無、省電力対象範囲、消費電力抑制レベル)を設定変更できる。
(12)(1)の従制御部は、第1のコマンド(飾り図柄1保留数コマンド)と第2のコマンド(停止コマンド)とを受信可能であって、第1のコマンドを受信したときタイマの初期化をキャンセルし、第2のコマンドを受信したときタイマを初期化する。
(13)(1)の従制御部は、第1の制御状態(タッチOFF状態)と第2の制御状態(タッチON状態)とがあり、第1の制御状態においてコマンド(客待ちコマンド)を受信したときタイマの初期化をキャンセルし、第2の制御状態においてコマンドを受信したときタイマを初期化する。
(14)(1)の従制御部は、演出装置の消費電力を抑制しない通常制御状態と、演出装置の消費電力を抑制する第1の省電力制御状態と、第1の省電力制御状態よりも演出装置の消費電力を抑制する第2の省電力制御状態とに切替可能であって、第1のタイマのタイムアップにより通常制御状態を第1の省電力制御状態に切り替え、第2のタイマのタイムアップにより第1の省電力制御状態を第2の省電力制御状態に切り替える。従制御部は、コマンド受信を契機にして第1のタイマおよび第2のタイマを初期化する。
(15)(1)の演出装置(スピーカ19)は、第1の制御系統(上スピーカ19a)と第2の制御系統(下スピーカ19b)とを有し、第1の制御系統と第2の制御系統とをそれぞれ異なる態様で消費電力を抑制する。
(16)(1)の従制御部は、第1の遊技状態(たとえば通常遊技状態)であるときに第1のタイムアップ値(たとえば10分)でタイマを初期化し、第2の遊技状態(たとえばエラー)であるときに第2のタイムアップ値(たとえば100分)でタイマを初期化する。
(17)(16)の第1の遊技状態は、通常遊技状態であり、第2の遊技状態は、特典遊技状態である。
(18)(16)の第1の遊技状態は、通常遊技状態であり、第2の遊技状態は、エラー状態である。
(19)(16)の第1の遊技状態は、通常遊技状態であり、第2の遊技状態は、電源投入状態である。
(20)(1)の従制御部は、変動表示ゲームが第1の進行制御状態(たとえば保留記憶数「0」)であるときに第1のタイムアップ値(たとえば5分)でタイマを初期化し、変動表示ゲームが第2の進行制御状態(たとえば保留記憶数「0」以外)であるときに第2のタイムアップ値(たとえば10分)でタイマを初期化する。
(21)(1)の演出装置は、表示装置を含み、従制御部は、省電力制御状態における第1の遊技状態(通常遊技状態)において第1の省電力中画面(表示画面710)を表示装置に表示させ、省電力制御状態における第2の遊技状態(特典遊技状態)において第2の省電力中画面(表示画面720)を表示装置に表示させる。
(22)(1)の従制御部は、省電力制御状態においてRTC演出をおこなう場合、省電力制御状態から通常制御状態に切り替える。
(23)(22)の従制御部は、RTC演出を終了したときに通常制御状態から省電力制御状態に切り替える。
(24)遊技機10は、主制御部(遊技制御装置100)と従制御部(演出制御装置300)とを備える。主制御部は、遊技制御をおこなう。従制御部は、主制御部から受信するコマンドにもとづいて演出装置(省電力制御対象装置3000)を制御する。従制御部は、タイマのタイムアップにより演出装置の消費電力を抑制しない通常制御状態から消費電力を抑制する省電力制御状態に切替可能である。従制御部は、コマンド受信を契機にしてタイマを初期化する。従制御部は、第1のコマンド(飾り図柄1保留数コマンド)と第2のコマンド(停止コマンド)とを受信可能であって、第1のコマンドを受信したときタイマの初期化をキャンセルし、第2のコマンドを受信したときタイマを初期化する。
(25)遊技機10は、主制御部(遊技制御装置100)と従制御部(演出制御装置300)とを備える。主制御部は、遊技制御をおこなう。従制御部は、主制御部から受信するコマンドにもとづいて演出装置(省電力制御対象装置3000)を制御する。従制御部は、タイマのタイムアップにより演出装置の消費電力を抑制しない通常制御状態から消費電力を抑制する省電力制御状態に切替可能である。従制御部は、コマンド受信を契機にしてタイマを初期化する。従制御部は、第1の遊技状態(たとえば通常遊技状態)であるときに第1のタイムアップ値(たとえば10分)でタイマを初期化し、第2の遊技状態(たとえばエラー)であるときに第2のタイムアップ値(たとえば100分)でタイマを初期化する。
(26)(24)または(25)のタイマは、常時作動のタイマである。
(27)(26)の従制御部は、セットされた初期値から所定時間ごとにデクリメントされてタイマの値が「0」になったときにタイムアップする。
(28)(26)の従制御部は、初期値「0」から所定時間ごとにインクリメントし、セットされた設定値でタイムアップする。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、実施形態の遊技機が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disk)、DVD−RAM、CD(Compact Disk)−ROM/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等がある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Spcific Integrated Circuit)、PLD(Programable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、開示した実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、たとえば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等の遊技球を使用するすべての遊技機、およびメダルを使用する遊技機であるスロットマシンに適用可能である。
また、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではないと考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適用してもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。