JP2013125253A - 画像形成装置及び電圧印加方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】トナー画像が転写された用紙を定着部へ案内する通紙ガイドに、用紙上のトナーが飛散することを抑制する画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、転写部と、定着部と、通紙ガイド70と、電圧印加部と、制御部とを備える。転写部は用紙にトナーを転写し、定着部は転写部により転写されたトナーを用紙Sに定着させる。通紙ガイド70は、トナーが転写された用紙Sを定着部へ案内する。この通紙ガイド70は、案内する用紙Sに覆われる用紙内領域Aと、案内する用紙の搬送方向の側方であって案内する用紙に覆われない用紙外領域Bとを有する。電圧印加部は、通紙ガイド70に用紙S上のトナーの電位と同じ極性の電圧を印加する。制御部は、通紙ガイド70の少なくとも用紙外領域Bに印加する電圧の絶対値を、用紙S上のトナーの電位の絶対値よりも大きい値に設定する。
【選択図】図2
【解決手段】画像形成装置1は、転写部と、定着部と、通紙ガイド70と、電圧印加部と、制御部とを備える。転写部は用紙にトナーを転写し、定着部は転写部により転写されたトナーを用紙Sに定着させる。通紙ガイド70は、トナーが転写された用紙Sを定着部へ案内する。この通紙ガイド70は、案内する用紙Sに覆われる用紙内領域Aと、案内する用紙の搬送方向の側方であって案内する用紙に覆われない用紙外領域Bとを有する。電圧印加部は、通紙ガイド70に用紙S上のトナーの電位と同じ極性の電圧を印加する。制御部は、通紙ガイド70の少なくとも用紙外領域Bに印加する電圧の絶対値を、用紙S上のトナーの電位の絶対値よりも大きい値に設定する。
【選択図】図2
Description
本発明は、用紙にトナー画像を転写した後、定着部によってトナー画像を用紙に定着させる画像形成装置、及びその画像成形装置で行う電圧印加方法に関する。
従来から、トナーを用いて用紙に画像を形成する画像形成装置が知られている。このような画像形成装置では、感光体を帯電させると共に原稿画像に合わせて電荷を消去、いわゆる露光し、感光体に静電潜像を形成する。続いて、感光体の静電潜像に現像部を用いてトナーを付着させる。
次に、感光体上のトナー画像を用紙に転写する。又は、感光体上のトナー画像を中間転写体に転写(1次転写)してから、中間転写体上のトナー画像を用紙に転写(2次転写)する。その後、トナー画像が転写された用紙を、通紙ガイドによって定着部へ案内する。そして、定着部によってトナー画像を用紙に定着させる。
特許文献1に開示された画像形成装置は、トナー画像が転写された用紙を定着部へ案内するガイド部材を有している。このガイド部材は、接地されている。そして、ガイド部材の上面(用紙を案内する面)には、抵抗体層が設けられており、用紙上の電荷を緩慢に放出させる。その結果、用紙とガイド部材との間に生じる急激な電荷の転移を抑えるという効果が期待される。
また、特許文献1に開示された画像形成装置では、ガイド部材の用紙に覆われない部分であって、用紙の搬送方向の側縁部に近接した部分(以下、用紙外領域)に、静電容量の小さい抵抗体が設けられている。つまり、ガイド部材の用紙外領域を、いわゆるフロートとしている。これにより、用紙外領域における用紙上のトナーに対する吸引力を低減させて、用紙外領域へのトナーの飛散を抑制している。
しかしながら、特許文献1に開示された画像形成装置では、ガイド部材の用紙外領域をフロートとしているため、用紙外領域の電位は安定していない。例えば、ガイド部材の用紙外領域に印加される電圧と、用紙上のトナーの電位とが異なる極性であれば、ガイド部材の用紙外領域と用紙上のトナーとの間に吸引力が発生し、用紙上のトナーは、ガイド部材の用紙外領域へ飛散してしまう。
また、ガイド部材の用紙外領域の電位と、用紙上のトナーの電位とが同じ極性の場合に、ガイド部材の用紙外領域の電圧が、用紙上のトナーの電位よりもグランドに近ければ、ガイド部材の用紙外領域と用紙上のトナーとの間に吸引力が発生する。したがって、用紙上のトナーは、ガイド部材の用紙外領域へ飛散してしまう。
また、特許文献1に開示された画像形成装置では、ガイド部材の用紙に覆われる部分(以下、用紙内領域)が接地されている。未定着トナーは、通常、マイナスの極性に帯電されている。そのため、ガイド部材の用紙内領域と用紙上のトナーとの間に吸引力が発生して、用紙上のトナーがガイド部材の用紙内領域へ飛散し易い。
本発明の目的は、上記従来技術における実情を考慮し、トナー画像が転写された用紙を定着部へ案内する通紙ガイドに、用紙上のトナーが飛散することを抑制する画像形成装置及び用紙搬送方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、転写部と、定着部と、通紙ガイドと、電圧印加部と、制御部とを備える。
転写部は用紙にトナーを転写し、定着部は転写部により転写されたトナーを用紙に定着させる。
通紙ガイドは、トナーが転写された用紙を定着部へ案内する。この通紙ガイドは、案内する用紙に覆われる用紙内領域と、案内する用紙の搬送方向の側方であって案内する用紙に覆われない用紙外領域とを有する。
電圧印加部は、通紙ガイドに用紙上のトナーの電位と同じ極性の電圧を印加する。
制御部は、電圧印加部が通紙ガイドに印加する電圧を制御する。この制御部は、通紙ガイドの少なくとも用紙外領域に印加する電圧の絶対値を、用紙上のトナーの電位の絶対値よりも大きい値に設定する。
転写部は用紙にトナーを転写し、定着部は転写部により転写されたトナーを用紙に定着させる。
通紙ガイドは、トナーが転写された用紙を定着部へ案内する。この通紙ガイドは、案内する用紙に覆われる用紙内領域と、案内する用紙の搬送方向の側方であって案内する用紙に覆われない用紙外領域とを有する。
電圧印加部は、通紙ガイドに用紙上のトナーの電位と同じ極性の電圧を印加する。
制御部は、電圧印加部が通紙ガイドに印加する電圧を制御する。この制御部は、通紙ガイドの少なくとも用紙外領域に印加する電圧の絶対値を、用紙上のトナーの電位の絶対値よりも大きい値に設定する。
また、本発明の電圧印加方法は、上記画像形成装置の通紙ガイドに電圧を印加する電圧印加方法であり、電圧設定工程と、電圧印加工程とを有する。
電圧設定工程では、制御部により、通紙ガイドの少なくとも用紙外領域に印加する電圧の絶対値を、用紙上のトナーの電位の絶対値よりも大きい値に設定する。
電圧印加工程では、制御部により設定された電圧を、電圧印加部により通紙ガイドに印加する。
電圧設定工程では、制御部により、通紙ガイドの少なくとも用紙外領域に印加する電圧の絶対値を、用紙上のトナーの電位の絶対値よりも大きい値に設定する。
電圧印加工程では、制御部により設定された電圧を、電圧印加部により通紙ガイドに印加する。
本発明の画像形成装置及び電圧印加方法では、通紙ガイドに用紙上のトナーの電位と同じ極性の電圧を印加する。しかも、通紙ガイドの少なくとも用紙外領域に印加する電圧の絶対値は、用紙上のトナーの電位の絶対値よりも大きい。これにより、通紙ガイドの用紙外領域と用紙上のトナーとの間に吸引力が発生せず、用紙上のトナーが通紙ガイドの用紙外領域へ飛散しないようにすることができる。
また、通紙ガイドの用紙内領域にも用紙上のトナーの電位と同じ極性の電圧を印加する。この用紙内領域に印加される電圧の絶対値が、用紙上のトナーの電位の絶対値よりも大きければ、用紙内領域と用紙上のトナーとの間に吸引力が発生せず、用紙上のトナーが用紙外領域へ飛散しないようにすることができる。
一方、用紙内領域に印加される電圧の絶対値が、用紙上のトナーの電位の絶対値以下であっても、通紙ガイドの用紙内領域を接地する場合よりも、用紙内領域と用紙上のトナーとの間に発生する吸引力を弱くすることができる。その結果、用紙上のトナーが用紙外領域へ飛散することを抑制することができる。
本発明の画像形成装置及び電圧印加方法によれば、トナー画像が転写された用紙を定着部へ案内する通紙ガイドへの用紙上のトナーの飛散を抑制することができる。
以下、画像形成装置及び電圧印加方法を実施するための形態について、図1〜図12を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
また、説明は以下の順序で行う。
1.画像形成装置の第1の実施の形態
2.画像形成装置の第2の実施の形態
3.画像形成装置の第3の実施の形態
4.トナーの飛散防止の評価
5.画像形成装置の第4の実施の形態
また、説明は以下の順序で行う。
1.画像形成装置の第1の実施の形態
2.画像形成装置の第2の実施の形態
3.画像形成装置の第3の実施の形態
4.トナーの飛散防止の評価
5.画像形成装置の第4の実施の形態
1.画像形成装置の第1の実施の形態
[画像形成装置の構成例]
まず、画像形成装置の第1の実施の形態の構成例について、図1を参照して説明する。
図1は、画像形成装置の第1の実施の形態を示す全体構成図である。
[画像形成装置の構成例]
まず、画像形成装置の第1の実施の形態の構成例について、図1を参照して説明する。
図1は、画像形成装置の第1の実施の形態を示す全体構成図である。
図1に示すように、画像形成装置1は、電子写真方式により用紙に画像を形成するものであり、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせるタンデム形式のカラー画像形成装置である。この画像形成装置1は、原稿搬送部10と、用紙収納部20と、画像読取部30と、画像形成部40と、中間転写ベルト50と、2次転写部60と、定着部80と、制御基板90とを有する。
原稿搬送部10は、原稿をセットする原稿給紙台11と、複数のローラ12と、搬送ドラム13と、搬送ガイド14と、原稿排出ローラ15と、原稿排出トレイ16とを有している。原稿給紙台11にセットされた原稿Gは、複数のローラ12及び搬送ドラム13によって、画像読取部30の読取位置に1枚ずつ搬送される。搬送ガイド14及び原稿排出ローラ15は、複数のローラ12及び搬送ドラム13により搬送された原稿Gを原稿排出トレイ16に排出する。
画像読取部30は、原稿搬送部10により搬送された原稿G又は原稿台31に載置された原稿の画像を読み取って、画像データを生成する。具体的には、原稿Gの画像がランプLによって照射される。原稿Gからの反射光は、第1ミラーユニット32、第2ミラーユニット33、レンズユニット34の順に導かれて、撮像素子35の受光面に結像する。撮像素子35は、入射した光を光電変換して所定の画像信号を出力する。出力された画像信号は、A/D変換されることにより画像データとして作成される。
また、画像読取部30は、画像読取制御部36を有している。画像読取制御部36は、A/D変換によって作成された画像データに、シェーディング補正やディザ処理、圧縮等の処理を施して、制御基板90のRAM103(図3参照)に格納する。なお、画像データは、画像読取部30から出力されるデータに限定されず、画像形成装置1に接続されたパーソナルコンピュータや他の画像形成装置などの外部装置から受信したものであってもよい。
用紙収納部20は、装置本体の下部に配置されており、用紙Sのサイズや種類に応じて複数設けられている。この用紙Sは、給紙部21により給紙されて搬送部23に送られ、搬送部23によって転写位置である2次転写部60に搬送される。また、用紙収納部20の近傍には、手差部22が設けられている。この手差部22からは、用紙収納部20に収納されていないサイズの用紙やタグを有するタグ紙、OHPシート等の特殊紙が転写位置へ送られる。
画像読取部30と用紙収納部20との間には、画像形成部40と中間転写ベルト50が配置されている。画像形成部40は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を形成するために、4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kを有する。
第1の画像形成ユニット40Yは、イエローのトナー像を形成し、第2の画像形成ユニット40Mは、マゼンダのトナー像を形成する。また、第3の画像形成ユニット40Cは、シアンのトナー像を形成し、第4の画像形成ユニット40Kは、ブラックのトナー像を形成する。これら4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kは、それぞれ同一の構成を有しているため、ここでは第1の画像形成ユニット40Yについて説明する。
第1の画像形成ユニット40Yは、ドラム状の感光体41と、感光体41の周囲に配置された帯電部42と、露光部43と、現像部44と、クリーニング部45を有している。感光体41は、不図示の駆動モータによって回転する。帯電部42は、感光体41に電荷を与え感光体41の表面を一様に帯電する。露光部43は、原稿Gから読み取られた画像データ又は外部装置から送信された画像データに基づいて、感光体41の表面に対して露光操作を行うことにより感光体41上に静電潜像を形成する。
現像部44は、感光体41に形成された静電潜像にイエローのトナーを付着させる。これにより、感光体41の表面は、イエローのトナー像が形成される。なお、第2の画像形成ユニット40Mの現像部44は、感光体41にマゼンタのトナーを付着させ、第3の画像形成ユニット40Cの現像部44は、感光体41にシアンのトナーを付着させる。そして、第4の画像形成ユニット40Kの現像部44は、感光体41にブラックのトナーを付着させる。
クリーニング部45は、感光体41の表面に残留しているトナーを除去する。
クリーニング部45は、感光体41の表面に残留しているトナーを除去する。
感光体41上に付着したトナーは、中間転写体の一例を示す中間転写ベルト50に転写される。中間転写ベルト50は、無端状に形成されており、複数のローラに掛け渡されている。この中間転写ベルト50は、不図示の駆動モータで感光体41の回転(移動)方向とは逆方向に回転駆動する。
中間転写ベルト50における各画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kの感光体41と対向する位置には、1次転写部51が設けられている。この1次転写部51は、中間転写ベルト50にトナーと反対の極性の電圧を印加させることで、感光体41上に付着したトナーを中間転写ベルト50に転写する。
そして、中間転写ベルト50が回転駆動することで、中間転写ベルト50の表面には、4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kで形成されたトナー像が順次転写される。これにより、中間転写ベルト50上には、イエロー、マゼンダ、シアン及びブラックのトナー像が重なり合いカラー画像が形成される。
また、中間転写ベルト50には、ベルトクリーニング装置53が対向している。このベルトクリーニング装置53は、用紙Sへのトナー画像の転写を終えた中間転写ベルト50の表面を清掃する。
中間転写ベルト50の近傍で、かつ搬送部23の用紙搬送方向下流には、2次転写部60が配置されている。この2次転写部60は、搬送部23によって送られてきた用紙Sを中間転写ベルト50に接触させて、中間転写ベルト50の外周面上に形成されたトナー画像を用紙Sに転写する。
2次転写部60は、2次転写ローラ61を有している。2次転写ローラ61は、2次転写対向ローラ52に圧接されている。そして、2次転写ローラ61と中間転写ベルト50が接触するニップ部は、中間転写ベルト50の外周面上に形成されたトナー画像を用紙Sに転写する転写位置とされる。
2次転写部60における用紙Sの排出側には、定着部80が設けられている。この定着部80は、用紙Sを加圧及び加熱して、転写されたトナー像を用紙Sに定着させる。定着部80は、例えば、一対の定着部材である定着上ローラ81及び定着下ローラ82で構成されている。定着上ローラ81及び定着下ローラ82は、互いに圧接した状態で配置されおり、定着上ローラ81と定着下ローラ82との圧接部として定着ニップ部が形成される。
定着上ローラ81の内部には、加熱部が設けられている。この加熱部からの輻射熱により定着上ローラ81のローラ部が温められる。そして、定着上ローラ81のローラ部の熱が用紙Sへ伝達されることにより、用紙S上のトナー画像が熱定着される。
用紙Sは、2次転写部60によりトナー画像が転写された面(定着対象面)が定着上ローラ81と向き合うように搬送され、定着ニップ部を通過する。したがって、定着ニップ部を通過する用紙Sには、定着上ローラ81と定着下ローラ82とによる加圧と、定着上ローラ81のローラ部の熱による加熱が行われる。
定着部80と2次転写部60との間には、通紙ガイド70が配設されている。この通紙ガイド70は、2次転写部60でトナー画像が転写された用紙Sを、定着部80へ案内する。通紙ガイド70については、後で詳しく説明する。
定着部80の用紙搬送方向下流には、切換ゲート24が配置されている。切換ゲート24は、定着部80を通過した用紙Sの搬送路を切り換える。すなわち、切換ゲート24は、片面画像形成におけるフェースアップ排紙を行う場合に、用紙Sを直進させる。これにより、用紙Sは、一対の排紙ローラ25によって排紙される。また、切換ゲート24は、片面画像形成におけるフェースダウン排紙及び両面画像形成を行う場合に、用紙Sを下方に案内する。
フェースダウン排紙を行う場合は、切換ゲート24によって用紙Sを下方に案内した後に、用紙反転搬送部26によって表裏を反転して上方に搬送する。これにより、表裏が反転された用紙Sは、一対の排紙ローラ25によって排紙される。
両面画像形成を行う場合は、切換ゲート24によって用紙Sを下方に案内した後に、用紙反転搬送部26によって表裏を反転し、再給紙路27により再び転写位置へ送られる。
両面画像形成を行う場合は、切換ゲート24によって用紙Sを下方に案内した後に、用紙反転搬送部26によって表裏を反転し、再給紙路27により再び転写位置へ送られる。
一対の排紙ローラ25の下流側には、用紙Sを折ったり、用紙Sに対してステープル処理等を行ったりする後処理装置を配置してもよい。
[通紙ガイド]
次に、通紙ガイド70について、図2を参照して説明する。
図2は、通紙ガイド70を示す説明図である。
次に、通紙ガイド70について、図2を参照して説明する。
図2は、通紙ガイド70を示す説明図である。
図2に示すように、通紙ガイド70は、複数の通紙ガイド部材71から構成されている。複数の通紙ガイド部材71は、用紙Sの搬送方向に直交する方向に適当な間隙をあけて並んでいる。これら複数の通紙ガイド部材71は、隣り合う通紙ガイド部材71間に設けられた間隙により、それぞれ電気的に分離されている。
通紙ガイド70は、用紙Sを案内する際にその用紙Sに覆われる用紙内領域Aと、案内する用紙Sの搬送方向の側方であって案内する用紙Sに覆われない用紙外領域Bに分けられる。なお、用紙内領域Aと用紙外領域Bは、案内する用紙Sのサイズによって変化する。通紙ガイド70を構成する複数の通紙ガイド部材71は、用紙Sのサイズに応じて、用紙内領域Aと用紙外領域Bに分類される。
通紙ガイド部材71は、略長方形の板状に形成されており、隣り合う通紙ガイド部材の長辺が適当な間隙をあけて対向している。通紙ガイド部材71の一方の平面71aは、用紙Sに対向する。つまり、通紙ガイド70は、複数の通紙ガイド部材71の一方の平面71aに沿って用紙Sを案内する。
通紙ガイド部材71の一方の平面71aには、用紙Sを吸引するための吸引孔72が形成されている。この吸引孔72は、負圧発生装置(不図示)に連通している。この負圧発生装置は、負圧を発生させて吸引孔72の周囲の空気を吸引孔72に吸い込み、通紙ガイド70により案内する用紙Sを適当な吸引力で吸引する。これにより、用紙Sの姿勢が安定して用紙Sの搬送性能を高めることができる。
また、通紙ガイドの一方の平面71aには、摩擦抵抗の少ない導電性シート73が配置されている。この導電性シート73としては、例えば、高分子ポリエチレン系シートを適用することができる。
導電性シート73には、通紙ガイド部材71の吸引孔72に対向する貫通孔74が形成されている。導電性シート73の貫通孔74の径は、吸引孔72の径と略等しい。通紙ガイドの一方の平面71aに導電性シート73を配置することにより、用紙Sを定着部80へ円滑に案内することができる。
用紙内領域Aの通紙ガイド部材71は、吸引孔72によって用紙Sを吸引する。これにより、用紙内領域Aの通紙ガイド部材71は、用紙Sを吸着しながら定着部80(図1参照)へ案内する。その結果、用紙Sにカールが生じないようにすることができ、用紙Sの搬送性能を高めることができる。
[画像形成装置の各部のハードウェア構成]
次に、画像形成装置1の各部のハードウェア構成について、図3を参照して説明する。
図3は、本例の画像形成装置1の制御系を示すブロック図である。
次に、画像形成装置1の各部のハードウェア構成について、図3を参照して説明する。
図3は、本例の画像形成装置1の制御系を示すブロック図である。
図3に示すように、画像形成装置1は、例えばCPU(中央演算処理装置)101と、CPU101が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)102とを有する。なお、ROM102としては、例えば、通常電気的に消去可能なプログラマブルROMを用いる。
また、画像形成装置1は、CPU101の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)103と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)104と、操作表示部105を有する。
CPU101、ROM102及びRAM103は、上述の制御基板90(図1参照)に搭載されている。
CPU101、ROM102及びRAM103は、上述の制御基板90(図1参照)に搭載されている。
CPU101は、制御部の一例であり、装置全体を制御する。このCPU101は、ROM102、RAM103、HDD104及び操作表示部105にそれぞれシステムバス107を介して接続されている。また、CPU101は、画像読取部30、画像処理部106、画像形成部40、給紙部21、電圧印加部76、湿度計79にシステムバス107を介して接続されている。
HDD104は、画像読取部30で読み取って得た原稿画像の画像データを記憶したり、出力済みの画像データ等を記憶したりする。操作表示部105は、液晶表示装置(LCD)又は有機ELD(Electro Luminescence Display)等のディスプレイからなるタッチパネルである。この操作表示部105は、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。さらに、操作表示部105は、複数のキーを備え、ユーザのキー操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付けて入力信号を出力する。
画像読取部30は、原稿画像を光学的に読み取って電気信号に変換する。例えば、カラー原稿を読み取る場合は、一画素当たりRGB各10ビットの輝度情報をもつ画像データを生成する。画像読取部30によって生成された画像データや、画像形成装置1に接続された外部装置の一例を示すPC(パーソナルコンピュータ)120から送信される画像データは、画像処理部106に送られ、画像処理される。画像処理部106は、受信した画像データに対してアナログ処理、A/D変換、シェーディング補正、画像圧縮等の処理を行う。
なお、本例では、外部装置としてパーソナルコンピュータを適用した例を説明したが、これに限定されるものではなく、外部装置としては、例えばファクシミリ装置等その他各種の装置を適用することができる。
例えば、画像形成装置1でカラー印刷を実行する場合、画像読取部30等によって生成されたR・G・Bの画像データを画像処理部106における色変換LUT(Look up Table)に入力する。そして、画像処理部106は、R・G・BデータをY・M・C・Kの画像データに色変換する。そして、色変換した画像データに対して、階調再現特性の補正、濃度補正LUTを参照した網点などのスクリーン処理、あるいは細線を強調するためのエッジ処理などを行う。
画像形成部40は、画像処理部106によって画像処理された画像データを受け取り、
用紙S上に画像を形成する。
用紙S上に画像を形成する。
電圧印加部76は、通紙ガイド70の各通紙ガイド部材71に電圧を印加する。この電圧印加部76は、電源と、この電源と各通紙ガイド部材71を接続する接続線を有している。本実施の形態では、用紙内領域A(図2参照)に分類された通紙ガイド部材71と、用紙外領域B(図2参照)に分類された通紙ガイド部材71に同じ値の電圧を印加する。
通紙ガイド部材71に印加する電圧は、CPU(制御部)101によって設定される。CPU101は、通紙ガイド部材71に印加する電圧を、用紙S上に転写されたトナーの電位と同じ極性に設定する。本実施の形態では、用紙S上に転写されたトナーの電位がマイナスの極性になる。そのため、本実施の形態に係る通紙ガイド部材71には、マイナスの極性の電圧が印加される。
また、CPU101は、通紙ガイド部材71に印加する電圧の絶対値を、用紙S上に転写されたトナーの電位の絶対値よりも大きい値に設定する。CPU101は、後述する湿度テーブル(図4参照)と、重み付けテーブル(図5参照)を参照して、通紙ガイド部材71に印加する電圧の値を設定する。
湿度計79は、例えば、画像形成装置1の側面部に配設されており、画像形成装置1の外部の湿度を検出する。検出した湿度は、CPU101に送信される。そして、CPU101は、湿度テーブル及び重み付けテーブルを参照し、湿度計79から得た温度及び用紙Sに転写されたトナーの量に基づいて、各通紙ガイド部材71に印加する電圧を設定する。
[湿度テーブル]
次に、本実施の形態に係る湿度テーブルの例について、図4を参照して説明する。
図4は、画像形成装置1(第1の実施の形態)に係る湿度テーブルの例を示す説明図である。
次に、本実施の形態に係る湿度テーブルの例について、図4を参照して説明する。
図4は、画像形成装置1(第1の実施の形態)に係る湿度テーブルの例を示す説明図である。
用紙S上に転写されたトナーの電位は、相対湿度に応じて変わる。つまり、相対湿度が高ければ、用紙S上に転写されたトナーの電位が低くなり、相対湿度が低ければ、用紙S上に転写されたトナーの電位が高くなる。そこで、本実施の形態では、相対湿度を検出し、検出した相対湿度に基づいて、基礎印加電圧の値を決定する。
なお、相対湿度とは、ある気温で空気中に含まれる水蒸気の量(重量絶対湿度)を、その温度の飽和水蒸気量(重量絶対湿度)で割ったものである。
なお、相対湿度とは、ある気温で空気中に含まれる水蒸気の量(重量絶対湿度)を、その温度の飽和水蒸気量(重量絶対湿度)で割ったものである。
図4に示す第1の基礎印加電圧及び第2の基礎印加電圧は、後述する重み付けを行う前に、仮に決定される電圧である。つまり、第1の基礎印加電圧及び第2の基礎印加電圧に重み係数を乗算することにより、印加電圧が決定される。
図4に示す湿度テーブルは、上述したROM102(図3参照)に格納されている。この湿度テーブルは、画像形成装置1の外部の相対湿度に応じて、基礎印加電圧の値を規定している。相対湿度は、上述の湿度計79によって検出される。
なお、本実施の形態ではマイナスの極性の電圧を印加するが、図4に示す湿度テーブルでは、マイナス(−)の表示を省いた基礎印加電圧の値を示している。
なお、本実施の形態ではマイナスの極性の電圧を印加するが、図4に示す湿度テーブルでは、マイナス(−)の表示を省いた基礎印加電圧の値を示している。
上述したように、本実施の形態では、用紙内領域A(図2参照)に分類された通紙ガイド部材71と、用紙外領域B(図2参照)に分類された通紙ガイド部材71に同じ値の電圧を印加する。そのため、図4に示す湿度テーブルは、用紙内領域Aに対して印加する電圧を算出するための第1の基礎印加電圧と、用紙外領域Bに対して印加する電圧を算出するための第2の基礎印加電圧を、同じ値に規定している。
例えば、本実施の形態では、相対湿度が35%未満であれば、第1の基礎印加電圧と第2の基礎印加電圧を共に−3000Vに決定する。
なお、図4に示す湿度テーブルで規定された相対湿度の範囲と、基礎印加電圧の値は、一例を示すものであり、適宜設定することができる。例えば、相対湿度の範囲を3つ又は2つに区切ってもよく、5つ以上に区切ってもよい。また、基礎印加電圧の値は、用紙S上に転写されるトナーの電位に応じて設定する。
[重み付けテーブル]
次に、本実施の形態に係る重み付けテーブルの例について、図5を参照して説明する。
図5は、画像形成装置1(第1の実施の形態)に係る重み付けテーブルの例を示す説明図である。
次に、本実施の形態に係る重み付けテーブルの例について、図5を参照して説明する。
図5は、画像形成装置1(第1の実施の形態)に係る重み付けテーブルの例を示す説明図である。
用紙S上に転写されたトナーの電位は、その量に応じて変わる。つまり、用紙S上に転写されたトナーの量が少なければ、電位が低くなり、転写されたトナーの量が多ければ、電位が高くなる。そこで、本実施の形態では、転写されたトナーの量を取得し、取得したトナーの量と、基礎印加電圧の値に基づいて、通紙ガイド70に印加する電圧(印加電圧)の値を決定する。
図5に示す重み付けテーブルは、上述したROM102(図3参照)に格納されている。この重み付けテーブルは、用紙S上に転写されたトナーの平均付着量(g/m2)に応じて、重み係数を規定している。
本実施の形態におけるトナーの平均付着量は、用紙Sの端部から所定の距離までの枠状で表される範囲に転写されたトナーの量の平均としている。
用紙S上に転写されたトナーは、定着部80を通過するまで定着されていない(未定着である)。この定着されていないトナーは、用紙Sの端部側に配置されていればいるほど、通紙ガイド70に近くなり、通紙ガイド70との間に生じる吸引力が大きくなる。そのため、用紙S上で定着されていないトナーは、用紙Sの端部側に配置されていればいるほど、通紙ガイド70へ飛散しやすくなる。そこで、本実施の形態では、用紙Sの端部から所定の距離までの枠状で表される範囲に転写されたトナーの量に応じて重み係数を変える。
例えば、本実施の形態では、トナーの平均付着量が6g/m2以上、10g/m2未満のとき、重み係数として「1.0」を決定する。例えば、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナーのうちの2色のトナーがA4の用紙一面に転写された場合に、トナーの平均付着量として8g/m2が検出される。
なお、図5に示す重み付けテーブルで規定されたトナーの平均付着量の範囲と、重み係数の値は、一例を示すものであり、適宜設定することができる。例えば、トナーの平均付着量の範囲を4つ以下に区切ってもよく、6つ以上に区切ってもよい。また、基礎印加電圧の値は、用紙S上に転写されるトナーの電位に応じて設定する。
[印加電圧設定処理]
次に、CPU101により行われる印加電圧設定処理について、図6を参照して説明する。
図6は、印加電圧決定処理の例を示すフローチャートである。
次に、CPU101により行われる印加電圧設定処理について、図6を参照して説明する。
図6は、印加電圧決定処理の例を示すフローチャートである。
印加電圧設定処理は、本発明の電圧印加方法における電圧設定工程である。
印加電圧設定処理が開始されると、まず、CPU101は、湿度計79(図3参照)により検出した相対湿度を取得する(ステップS1)。次に、CPU101は、湿度テーブル(図4参照)を参照し、取得した相対湿度に基づいて基礎印加電圧を決定する(ステップS2)。例えば、取得した相対湿度が34%であった場合は、基礎印加電圧として−3000Vを決定する。
印加電圧設定処理が開始されると、まず、CPU101は、湿度計79(図3参照)により検出した相対湿度を取得する(ステップS1)。次に、CPU101は、湿度テーブル(図4参照)を参照し、取得した相対湿度に基づいて基礎印加電圧を決定する(ステップS2)。例えば、取得した相対湿度が34%であった場合は、基礎印加電圧として−3000Vを決定する。
次に、CPU101は、用紙S上に転写されたトナーの平均付着量を取得する(ステップS3)。CPU101は、用紙Sの端部から所定の距離までの枠状で表される範囲に転写されたトナーの平均付着量を取得する。このトナーの平均付着量は、画像処理部106(図3参照)により生成された画像データから算出する。
続いて、CPU101は、重み付けテーブルを参照し、取得したトナーの平均付着量に基づいて重み係数を決定する(ステップS4)。例えば、取得したトナーの平均付着量が4g/m2であった場合は、重み係数として0.8を決定する。
次に、CPU101は、ステップS2の処理で決定した基礎印加電圧に、ステップS4の処理で決定した重み係数を乗算して、通紙ガイド70の複数の通紙ガイド部材71に印加する印加電圧を決定する(ステップS5)。例えば、基礎印加電圧が−3000Vであり、重み係数が0.8であった場合は、印加電圧として−2400Vが決定される。ステップS5の処理が終了すると、CPU101は、印加電圧設定処理を終了する。
この印加電圧設定処理に設定された印加電圧は、用紙S上に転写されたトナーの電位の極性と同じであって、用紙S上に転写されたトナーの電位よりも絶対値が大きい。そして、印加電圧設定処理に設定された印加電圧は、通紙ガイド70の用紙内領域Aに分類された通紙ガイド部材71と、用紙外領域Bに分類された通紙ガイド部材71に印加される。つまり、本発明の電圧印加方法における電圧印加工程を行う。
これにより、用紙内領域Aに分類された通紙ガイド部材71と、用紙外領域Bに分類された通紙ガイド部材71には、用紙S上のトナーの電位と同じ極性であって、用紙S上のトナーの電位よりも絶対値の大きい電圧が印加される。その結果、通紙ガイド70の用紙内領域Aと用紙外領域Bと、用紙S上のトナーとの間に吸引力が発生せず、用紙S上のトナーが通紙ガイド70の用紙内領域Aと用紙外領域Bへ飛散しないようにすることができる。
本実施の形態では、用紙Sのサイズに応じて、通紙ガイド70を用紙内領域Aと用紙外領域Bに分類する構成とした。しかし、用紙内領域Aに分類された通紙ガイド部材と用紙外領域Bに分類された通紙ガイド部材には、同じ値の電圧を印加するため、用紙内領域Aと用紙外領域Bに分類する構成は、必須ではない。つまり、本発明に係る通紙ガイドとしては、電気的に分割された複数の部材を用いることに限定されず、1つの部材で形成してよい(一体に形成してもよい)。
2.画像形成装置の第2の実施の形態
[画像形成装置の構成例]
次に、画像形成装置の第2の実施の形態の構成例について、図7を参照して説明する。
図7は、画像形成装置の第2の実施の形態の制御系を示すブロック図である。なお、この図7は、後述する画像形成装置の第2の実施の形態の制御系を示すブロック図でもある。
[画像形成装置の構成例]
次に、画像形成装置の第2の実施の形態の構成例について、図7を参照して説明する。
図7は、画像形成装置の第2の実施の形態の制御系を示すブロック図である。なお、この図7は、後述する画像形成装置の第2の実施の形態の制御系を示すブロック図でもある。
第2の実施の形態の画像形成装置100は、第1の実施の形態の画像形成装置1(図1参照)と同様の構成を有している。この画像形成装置100が画像形成装置1と異なる点は、通紙ガイド70の用紙内領域Aと用紙外領域Bに異なる値の電圧を印加する点である。したがって、ここでは、用紙内領域Aと用紙外領域Bに異なる値の電圧を印加する点について説明する。
[画像形成装置の各部のハードウェア構成]
図7に示すように、画像形成装置100は、CPU(制御部)101と、ROM102と、RAM103と、HDD104と、操作表示部105を有する。CPU101は、制御部の一例であり、装置全体を制御する。このCPU101は、ROM102、RAM103、HDD104及び操作表示部105にそれぞれシステムバス107を介して接続されている。
図7に示すように、画像形成装置100は、CPU(制御部)101と、ROM102と、RAM103と、HDD104と、操作表示部105を有する。CPU101は、制御部の一例であり、装置全体を制御する。このCPU101は、ROM102、RAM103、HDD104及び操作表示部105にそれぞれシステムバス107を介して接続されている。
また、CPU101は、画像読取部30、画像処理部106、画像形成部40、給紙部21、湿度計79、第1電圧印加部176、第2電圧印加部177及び接続切換部179にシステムバス107を介して接続されている。
第1電圧印加部176は、CPU101によって設定された第1の印加電圧を、通紙ガイド70の用紙内領域Aに印加する。第2電圧印加部177は、CPU101によって設定された第2の印加電圧を、通紙ガイド70の用紙外領域Bに印加する。これら電圧印加部176,177は、電源と、この電源に接続された接続線を有している。電圧印加部176,177の接続線は、接続切換部179を介して各通紙ガイド部材71に接続されている。
接続切換部179は、CPU101によって制御され、第1電圧印加部176及び第2電圧印加部177の接続先を切り換える。つまり、接続切換部179は、通紙ガイド70の用紙内領域Aに分類された通紙ガイド部材71に、第1電圧印加部176を接続する。これにより、用紙内領域Aに分類された通紙ガイド部材71は、第1電圧印加部176により第1の印加電圧が印加される。
また、接続切換部179は、通紙ガイド70の用紙外領域Bに分類された通紙ガイド部材71に、第2電圧印加部177を接続する。これにより、用紙外領域Bに分類された通紙ガイド部材71は、第2電圧印加部177により第2の印加電圧が印加される。
第1の印加電圧と第2の印加電圧は、CPU101によって設定される。CPU101は、第1の印加電圧と第2の印加電圧を、用紙S上に転写されたトナーの電位と同じ極性に設定する。本実施の形態では、用紙S上に転写されたトナーの電位がマイナスの極性になる。そのため、本実施の形態に係る通紙ガイド部材71には、マイナスの極性の電圧が印加される。
また、CPU101は、後述する湿度テーブル(図8参照)と、前述の重み付けテーブル(図5参照)を参照して、第1の印加電圧と第2の印加電圧の値を設定する。
CPU101は、第1の印加電圧の絶対値を、用紙S上に転写されたトナーの電位の絶対値と同等の値に設定する。したがって、用紙内領域Aに分類された通紙ガイド部材71には、用紙S上に転写されたトナーの電位の絶対値と同等の値の電圧が印加される。
CPU101は、第1の印加電圧の絶対値を、用紙S上に転写されたトナーの電位の絶対値と同等の値に設定する。したがって、用紙内領域Aに分類された通紙ガイド部材71には、用紙S上に転写されたトナーの電位の絶対値と同等の値の電圧が印加される。
さらに、CPU101は、第2の印加電圧の絶対値を、用紙S上に転写されたトナーの電位の絶対値よりも大きい値に設定する。したがって、用紙外領域Bに分類された通紙ガイド部材71には、用紙S上に転写されたトナーの電位の絶対値よりも大きい値の電圧が印加される。
[湿度テーブル]
次に、本実施の形態に係る湿度テーブルの例について、図8を参照して説明する。
図8は、画像形成装置100(第2の実施の形態)に係る湿度テーブルの例を示す説明図である。
次に、本実施の形態に係る湿度テーブルの例について、図8を参照して説明する。
図8は、画像形成装置100(第2の実施の形態)に係る湿度テーブルの例を示す説明図である。
本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、相対湿度を検出し、検出した相対湿度に基づいて、第1の基礎印加電圧と第2の基礎印加電圧の値を決定する。
図8に示す湿度テーブルの第1の基礎印加電圧と第2の基礎印加電圧は、重み付けを行う前に、仮に決定される電圧である。つまり、第1の基礎印加電圧に重み係数を乗算することにより、第1の印加電圧が決定される。この第1の印加電圧は、用紙内領域A(図2参照)に分類された通紙ガイド部材71に印加される。また、第2の基礎印加電圧に重み係数を乗算することにより、第2の印加電圧が決定される。この第2の印加電圧は、用紙外領域B(図2参照)に分類された通紙ガイド部材71に印加される。
図8に示す湿度テーブルは、上述したROM102(図7参照)に格納されている。この湿度テーブルは、画像形成装置100の外部の相対湿度に応じて、第1の基礎印加電圧及び第2の基礎印加電圧の値を規定している。本実施の形態ではマイナスの極性の電圧を印加するが、図8に示す湿度テーブルでは、マイナス(−)の表示を省いた基礎印加電圧の値を示している。
本実施の形態では、用紙内領域Aに分類された通紙ガイド部材71と、用紙外領域Bに分類された通紙ガイド部材71に異なる値の電圧を印加する。そのため、図8に示す湿度テーブルは、第1の印加電圧を算出するための第1の基礎印加電圧と、第2の印加電圧を算出するための第2の基礎印加電圧を、異なる値に規定している。
例えば、本実施の形態では、相対湿度が35%未満であれば、第1の基礎印加電圧を−2000Vに決定し、第2の基礎印加電圧を−3000Vに決定する。
例えば、本実施の形態では、相対湿度が35%未満であれば、第1の基礎印加電圧を−2000Vに決定し、第2の基礎印加電圧を−3000Vに決定する。
なお、図8に示す湿度テーブルで規定された相対湿度の範囲と、基礎印加電圧の値は、一例を示すものであり、適宜設定することができる。例えば、相対湿度の範囲を3つ以下に区切ってもよく、5つ以上に区切ってもよい。また、基礎印加電圧の値は、用紙S上に転写されるトナーの電位に応じて設定する。
CPU101は、第1の実施の形態で用いた重み付けテーブル(図5参照)を用いて、第1の印加電圧と第2の印加電圧を決定する。そのため、ここでは、重み付けテーブルについての説明は省略する。
また、本実施の形態で行われる印加電圧設定処理は、第1の実施の形態に係る印加電圧設定処理と同等であるため、説明を省略する。
また、本実施の形態で行われる印加電圧設定処理は、第1の実施の形態に係る印加電圧設定処理と同等であるため、説明を省略する。
例えば、第1の基礎印加電圧が−2000Vであり、重み付けテーブル(図5参照)を参照して決定された重み係数が0.8であった場合は、第1の印加電圧として−1600Vが決定される。このとき、第2の基礎印加電圧は−3000Vになるため、第2の印加電圧として−2400Vが決定される。
印加電圧設定処理で決定された第1の印加電圧は、用紙S上に転写されたトナーの電位と同等である。この第1の印加電圧は、通紙ガイド70の用紙内領域Aに分類された通紙ガイド部材71に印加される。これにより、通紙ガイド70の用紙内領域Aと、用紙S上のトナーとの間に吸引力が発生せず、用紙S上のトナーが通紙ガイド70の用紙内領域Aへ飛散しないようにすることができる。
また、第1の印加電圧を用紙S上に用紙S上に転写されたトナーの電位と同等にするため、転写されたトナーと、用紙Sに対向する用紙内領域Aに分類された通紙ガイド部材71との間に反発力が発生しないようにすることができる。これにより、用紙S上に形成されたトナー画像にノイズが発生することを抑制することができる。
一方、印加電圧設定処理で決定された第2の印加電圧は、用紙S上に転写されたトナーの電位の極性と同じであって、用紙S上に転写されたトナーの電位よりも絶対値が大きい。この第2の印加電圧は、通紙ガイド70の用紙外領域Bに分類された通紙ガイド部材71に印加される。これにより、通紙ガイド70の用紙外領域Bと、用紙S上のトナーとの間に吸引力が発生せず、用紙S上のトナーが通紙ガイド70の用紙外領域Bへ飛散しないようにすることができる。
3.画像形成装置の第3の実施の形態
[画像形成装置の構成例]
次に、画像形成装置の第3の実施の形態の構成例について、図9を参照して説明する。
図9は、画像形成装置の第3の実施の形態に係る湿度テーブルの例を示す説明図である。
[画像形成装置の構成例]
次に、画像形成装置の第3の実施の形態の構成例について、図9を参照して説明する。
図9は、画像形成装置の第3の実施の形態に係る湿度テーブルの例を示す説明図である。
第3の実施の形態の画像形成装置200は、第2の実施の形態の画像形成装置100(図7参照)と同じ構成を有している。この画像形成装置200が画像形成装置100と異なる点は、通紙ガイド70の用紙内領域Aに印加する第1の印加電圧である。したがって、ここでは、用紙内領域Aに印加する第1の印加電圧について説明する。
第1の印加電圧と第2の印加電圧は、画像形成装置200のCPU101(図7参照)によって設定される。CPU101は、第1の印加電圧と第2の印加電圧を、用紙S上に転写されたトナーの電位と同じ極性に設定する。本実施の形態では、用紙S上に転写されたトナーの電位がマイナスの極性になる。そのため、本実施の形態に係る通紙ガイド部材71には、マイナスの極性の電圧が印加される。
また、画像形成装置200のCPU101は、第1の印加電圧の絶対値を、用紙S上に転写されたトナーの電位の絶対値よりも小さい値に設定する。したがって、用紙内領域Aに分類された通紙ガイド部材71には、用紙S上に転写されたトナーの電位の絶対値よりも小さい値の電圧が印加される。
そして、画像形成装置200のCPU101は、第2の印加電圧の絶対値を、用紙S上に転写されたトナーの電位の絶対値よりも大きい値に設定する。
そして、画像形成装置200のCPU101は、第2の印加電圧の絶対値を、用紙S上に転写されたトナーの電位の絶対値よりも大きい値に設定する。
[湿度テーブル]
本実施の形態においても、第1及び第2の実施の形態と同様に、相対湿度を検出し、検出した相対湿度に基づいて、第1の基礎印加電圧と第2の基礎印加電圧の値を決定する。
本実施の形態においても、第1及び第2の実施の形態と同様に、相対湿度を検出し、検出した相対湿度に基づいて、第1の基礎印加電圧と第2の基礎印加電圧の値を決定する。
図9に示す第1の基礎印加電圧と第2の基礎印加電圧は、重み付けを行う前に、仮に決定される電圧である。つまり、第1の基礎印加電圧に重み係数を乗算することにより、第1の印加電圧が決定される。この第1の印加電圧は、用紙内領域A(図2参照)に分類された通紙ガイド部材71に印加される。また、第2の基礎印加電圧に重み係数を乗算することにより、第2の印加電圧が決定される。この第2の印加電圧は、用紙外領域B(図2参照)に分類された通紙ガイド部材71に印加される。
図9に示す湿度テーブルは、ROM102(図7参照)に格納されている。この湿度テーブルは、画像形成装置200の外部の相対湿度に応じて、第1の基礎印加電圧及び第2の基礎印加電圧の値を規定している。本実施の形態ではマイナスの極性の電圧を印加するが、図9に示す湿度テーブルでは、マイナス(−)の表示を省いた基礎印加電圧の値を示している。
本実施の形態では、用紙内領域Aに分類された通紙ガイド部材71と、用紙外領域Bに分類された通紙ガイド部材71に異なる値の電圧を印加する。そのため、図9に示す湿度テーブルは、第1の印加電圧を算出するための第1の基礎印加電圧と、第2の印加電圧を算出するための第2の基礎印加電圧を、異なる値に規定している。
例えば、本実施の形態では、相対湿度が35%未満であれば、第1の基礎印加電圧を−1000Vに決定し、第2の基礎印加電圧を−3000Vに決定する。
例えば、本実施の形態では、相対湿度が35%未満であれば、第1の基礎印加電圧を−1000Vに決定し、第2の基礎印加電圧を−3000Vに決定する。
なお、図9に示す湿度テーブルで規定された相対湿度の範囲と、基礎印加電圧の値は、一例を示すものであり、適宜設定することができる。例えば、相対湿度の範囲を3つ以下に区切ってもよく、5つ以上に区切ってもよい。また、基礎印加電圧の値は、用紙S上に転写されるトナーの電位に応じて設定する。
画像形成装置200のCPU101は、第1の実施の形態で用いた重み付けテーブル(図5参照)を用いて、第1の印加電圧と第2の印加電圧を決定する。そのため、ここでは、重み付けテーブルについての説明は省略する。
また、本実施の形態で行われる印加電圧設定処理は、第1の実施の形態に係る印加電圧設定処理と同等であるため、説明を省略する。
また、本実施の形態で行われる印加電圧設定処理は、第1の実施の形態に係る印加電圧設定処理と同等であるため、説明を省略する。
例えば、第1の基礎印加電圧が−1000Vであり、重み付けテーブル(図5参照)を参照して決定された重み係数が0.8であった場合は、第1の印加電圧として−800Vが決定される。このとき、第2の基礎印加電圧は−3000Vになるため、第2の印加電圧として−2400Vが決定される。
印加電圧設定処理で決定された第1の印加電圧は、用紙S上に転写されたトナーの電位よりも低い(小さい)。この第1の印加電圧は、通紙ガイド70の用紙内領域Aに分類された通紙ガイド部材71に印加される。これにより、通紙ガイド70の用紙内領域Aと、用紙S上のトナーとの間に発生する吸引力を弱くすることができるため、用紙S上のトナーが通紙ガイド70の用紙内領域Aへ飛散することを抑制できる。
また、第1の印加電圧を用紙S上に転写されたトナーの電位よりも低くするため、転写されたトナーと、用紙Sに対向する用紙内領域Aに分類された通紙ガイド部材71との間に反発力が発生しないようにすることができる。これにより、用紙S上に形成されたトナー画像にノイズが発生することを抑制することができる。
さらに、トナーが転写された用紙Sは、プラスの極性に帯電されている場合が多い。そのため、用紙内領域Aに分類された通紙ガイド部材71に印加する電圧(マイナスの極性)の絶対値が大きければ大きいほど、通紙ガイド部材71に引き付けられ、用紙Sの通紙性を阻害してしまう。したがって、本実施の形態のように、第1の印加電圧を用紙S上に転写されたトナーの電位よりも低くすることで、通紙性を良好にすることができる。
一方、印加電圧設定処理で決定された第2の印加電圧は、用紙S上に転写されたトナーの電位の極性と同じであって、用紙S上に転写されたトナーの電位よりも絶対値が大きい。この第2の印加電圧は、通紙ガイド70の用紙外領域Bに分類された通紙ガイド部材71に印加される。これにより、通紙ガイド70の用紙内領域Aと、用紙S上のトナーとの間に吸引力が発生せず、用紙S上のトナーが通紙ガイド70の用紙外領域Bへ飛散しないようにすることができる。
4.トナーの飛散防止の評価
次に、通紙ガイド70へのトナーの飛散防止の評価について説明する。この評価は、上述した第1〜第3実施の形態と、2つの比較例を合わせた合計5つの例を対象に行った。
次に、通紙ガイド70へのトナーの飛散防止の評価について説明する。この評価は、上述した第1〜第3実施の形態と、2つの比較例を合わせた合計5つの例を対象に行った。
まず、比較例について、図10及び図11を参照して説明する。
図10は、通紙ガイドを接地した比較例1を示す説明図である。図11は、通紙ガイドの用紙内領域を接地し、用紙外領域をフロートにした比較例2を示す説明図である。
図10は、通紙ガイドを接地した比較例1を示す説明図である。図11は、通紙ガイドの用紙内領域を接地し、用紙外領域をフロートにした比較例2を示す説明図である。
図10に示す比較例1は、通紙ガイド470を有している。この通紙ガイド470は、用紙Sの搬送方向と直交する方向に長い長方形の板状に形成されている。この通紙ガイド470は、グランド(GND)に接続されている。つまり、通紙ガイド470は、接地されている。なお、通紙ガイド470は一枚の板状に形成されているため、用紙内領域と用紙外領域の両方が接地されている。
図11に示す比較例2は、第1〜第3の本実施の形態と同じ通紙ガイド70を有している。この通紙ガイド70の用紙内領域Aは、グランド(GND)に接続されている。つまり、通紙ガイド70の用紙内領域Aは、接地されている。また、通紙ガイド70の用紙外領域Bは、接地されておらず、且つ、電圧が印加されていない。つまり、通紙ガイド70の用紙外領域Bを、いわゆるフロートとしている。
上記比較例1,2と、第1〜第3の実施の形態において、それぞれ画像を形成した用紙を案内してトナーの飛散を評価した。なお、用紙は、普通紙を用いた。また、環境は、温度10℃、湿度15%とし、トナーの平均付着量は、8g/m2とした。評価結果を表1に示す。
評価項目は、「A4Sの端面汚れ」と、「A4S画像形成後A3の裏面汚れ」と、「ノイズ」の3つとした。
「A4Sの端面汚れ」は、サイズがA4の所定の枚数(例えば、1000枚)の用紙に画像を形成したときに、そのA4の用紙の搬送方向における先頭の端面が汚れているか否かを評価する。この「A4Sの端面汚れ」の評価は、A4の用紙の搬送方向における先頭の端面が目視で汚れていなければ「○」とした。また、A4の用紙の搬送方向における先頭の端面が汚れているが、実用する上で問題ない場合に「△」とし、A4の用紙の搬送方向における先頭の端面が目視で汚れており、実用する上で問題がある場合に「×」とした。
この「A4Sの端面汚れ」の評価では、用紙上に転写されたトナーが通紙ガイド70,470の用紙内領域Aへ飛散したか否かを確認することができる。
表1に示すように、比較例1,2における「A4Sの端面汚れ」の評価は、「×」であった。これにより、用紙内領域Aを接地すると、用紙上に転写されたトナーと通紙ガイド70,470の用紙内領域Aとの間に吸引力が発生し、用紙上のトナーが通紙ガイド70,470の用紙内領域Aへ飛散することが確認できた。
表1に示すように、比較例1,2における「A4Sの端面汚れ」の評価は、「×」であった。これにより、用紙内領域Aを接地すると、用紙上に転写されたトナーと通紙ガイド70,470の用紙内領域Aとの間に吸引力が発生し、用紙上のトナーが通紙ガイド70,470の用紙内領域Aへ飛散することが確認できた。
一方、第1及び第2の実施の形態における「A4Sの端面汚れ」の評価は、「○」であった。これにより、用紙上に転写されたトナーと同じ極性であって、そのトナーの電位の絶対値以上の電圧を用紙内領域Aに印加すると、用紙上のトナーが通紙ガイド70の用紙内領域Aへ飛散しないことが確認できた。つまり、用紙上に転写されたトナーと通紙ガイド70の用紙内領域Aとの間に吸引力が発生しないことが確認できた。
また、第3の実施の形態における「A4Sの端面汚れ」の評価は、「△」であった。これにより、用紙上に転写されたトナーと同じ極性であって、そのトナーの電位の絶対値よりも小さい電圧を用紙内領域Aに印加すると、通紙ガイド70の用紙内領域Aへの用紙上のトナーの飛散を抑制することが確認できた。つまり、用紙上に転写されたトナーと通紙ガイド70の用紙内領域Aとの間に発生する吸引力が弱くなることが確認できた。
「A4S画像形成後A3の裏面汚れ」は、サイズがA4の所定の枚数の用紙に画像を形成した後に、サイズがA3の用紙を通紙ガイド70,470により案内して、そのA3の用紙の裏面が汚れているか否かを評価する。この「A4S画像形成後A3の裏面汚れ」の評価は、A3の用紙の裏面が目視で汚れていなければ「○」とした。また、A3の用紙の裏面が汚れているが、実用する上で問題ない場合に「△」とし、A3の用紙の裏面が目視で汚れており、実用する上で問題がある場合に「×」とした。
この「A4S画像形成後A3の裏面汚れ」の評価では、用紙上に転写されたトナーが通紙ガイド70,470の用紙外領域Bへ飛散したか否かを判別することができる。
表1に示すように、比較例1における「A4S画像形成後A3の裏面汚れ」の評価は、「×」であった。これにより、用紙外領域Bを接地すると、用紙上に転写されたトナーと通紙ガイド470の用紙外領域Bとの間に吸引力が発生し、用紙上のトナーが通紙ガイド470の用紙外領域Bへ飛散することが確認できた。
表1に示すように、比較例1における「A4S画像形成後A3の裏面汚れ」の評価は、「×」であった。これにより、用紙外領域Bを接地すると、用紙上に転写されたトナーと通紙ガイド470の用紙外領域Bとの間に吸引力が発生し、用紙上のトナーが通紙ガイド470の用紙外領域Bへ飛散することが確認できた。
また、比較例2における「A4S画像形成後A3の裏面汚れ」評価は、「△」であった。これにより、用紙外領域Bをフロートにすると、用紙上に転写されたトナーと通紙ガイド70の用紙外領域Bとの間に発生する吸引力が弱くなり、用紙上のトナーが通紙ガイド470の用紙外領域Bへ飛散することが確認できた。これは、用紙外領域Bに分類された通紙ガイド部材71が始めはフロートとして機能するが、用紙が通過する事により、徐々に用紙上のトナーと同じ極性に帯電していったと考えられる。
一方、第1〜第3の実施の形態における「A4S画像形成後A3の裏面汚れ」の評価は、「○」であった。これにより、用紙上に転写されたトナーと同じ極性であって、そのトナーの電位の絶対値よりも大きい電圧を用紙外領域Bに印加すると、用紙上のトナーが通紙ガイド70の用紙外領域Bへ飛散しないことが確認できた。つまり、用紙上に転写されたトナーと通紙ガイド70の用紙外領域Bとの間に吸引力が発生しないことが確認できた。
「ノイズ」は、サイズがA4の所定の枚数の用紙に形成した画像に、ノイズ(乱れ)が発生したか否かを評価する。この「ノイズ」の評価は、A4の用紙に形成した画像にノイズ(乱れ)が発生しなければ「○」とした。また、A4の用紙に形成した画像にノイズが発生しているが、実用する上で問題ない場合に「△」とし、A4の用紙に形成した画像にノイズが発生しており、実用する上で問題がある場合に「×」とした。
この「ノイズ」の評価では、通紙ガイド70の用紙内領域Aに印加した電圧が、用紙上に転写されたトナーに及ぼす影響を確認することができる。
表1に示すように、比較例1,2と、第2及び第3の実施の形態における「ノイズ」の評価は、「○」であった。これにより、用紙上に転写されたトナーと同じ極性であって、そのトナーの電位の絶対値以下の電圧を用紙内領域Aに印加すると、「ノイズ」が発生しないことが確認できた。つまり、用紙上に転写されたトナーと通紙ガイド70,470の用紙内領域Aとの間に反発力が発生しないことが確認できた。
表1に示すように、比較例1,2と、第2及び第3の実施の形態における「ノイズ」の評価は、「○」であった。これにより、用紙上に転写されたトナーと同じ極性であって、そのトナーの電位の絶対値以下の電圧を用紙内領域Aに印加すると、「ノイズ」が発生しないことが確認できた。つまり、用紙上に転写されたトナーと通紙ガイド70,470の用紙内領域Aとの間に反発力が発生しないことが確認できた。
また、第1の実施の形態における「ノイズ」の評価は、「△」であった。これにより、用紙上に転写されたトナーと同じ極性であって、そのトナーの電位の絶対値よりも大きい電圧を用紙内領域Aに印加すると、「ノイズ」が発生する場合があることが確認できた。そして、用紙上に転写されたトナーの電位の絶対値よりも極端に大きくしなければ(例えば、本実施の形態のように1.5倍程度であれば)、「ノイズ」が発生しても、実用する上で問題ないことが確認できた。
5.画像形成装置の第4の実施
[画像形成装置の構成例]
次に、画像形成装置の第4の実施の形態の構成例について、図12を参照して説明する。
図12は、画像形成装置の第2の実施の形態の制御系を示すブロック図である。
[画像形成装置の構成例]
次に、画像形成装置の第4の実施の形態の構成例について、図12を参照して説明する。
図12は、画像形成装置の第2の実施の形態の制御系を示すブロック図である。
第4の実施の形態の画像形成装置300は、第2の実施の形態の画像形成装置100(図1参照)と同様の構成を有している。この画像形成装置300が画像形成装置100と異なる点は、湿度計79の代わりに電位検出部301を備える点である。したがって、ここでは、電位検出部301について説明する。
[画像形成装置の各部のハードウェア構成]
図12に示すように、画像形成装置300は、CPU(制御部)101と、ROM102と、RAM103と、HDD104と、操作表示部105を有する。CPU101は、制御部の一例であり、装置全体を制御する。このCPU101は、ROM102、RAM103、HDD104及び操作表示部105にそれぞれシステムバス107を介して接続されている。
図12に示すように、画像形成装置300は、CPU(制御部)101と、ROM102と、RAM103と、HDD104と、操作表示部105を有する。CPU101は、制御部の一例であり、装置全体を制御する。このCPU101は、ROM102、RAM103、HDD104及び操作表示部105にそれぞれシステムバス107を介して接続されている。
また、画像形成装置300のCPU101は、画像読取部30、画像処理部106、画像形成部40、給紙部21、第1電圧印加部176、第2電圧印加部177、接続切換部179及び電位検出部301にシステムバス107を介して接続されている。
電位検出部301は、通紙ガイド70と2次転写部60(図1参照)との間に配設されている。この電位検出部301は、用紙S上に転写されたトナーの電位を検出し、その検出結果をCPU101に供給する。このような電位検出部301としては、例えば、非接触型の表面電位計を適用することができる。
画像形成装置300のCPU101は、電位検出部301から取得した検出結果に基づいて、第1の印加電圧と第2の印加電圧を決定する。このとき、CPU101は、電位テーブル(不図示)を用いて第1の印加電圧と第2の印加電圧を決定してもよい。この電位テーブルは、第1〜第3の実施の形態で説明した湿度テーブルと同様の構成を有しており、電位検出部301により検出した電位に応じて、第1の印加電圧と第2の印加電圧を規定している。
画像形成装置300のCPU101は、第1の印加電圧と第2の印加電圧を、用紙S上に転写されたトナーの電位と同じ極性に設定する。本実施の形態では、用紙S上に転写されたトナーの電位がマイナスの極性になる。そのため、本実施の形態に係る通紙ガイド部材71には、マイナスの極性の電圧が印加される。
また、画像形成装置300のCPU101は、第1の印加電圧の絶対値を、用紙S上に転写されたトナーの電位の絶対値と同等の値に設定する。したがって、用紙内領域Aに分類された通紙ガイド部材71には、用紙S上に転写されたトナーの電位の絶対値と同等の値の電圧が印加される。
そして、画像形成装置300のCPU101は、第2の印加電圧の絶対値を、用紙S上に転写されたトナーの電位の絶対値よりも大きい値に設定する。
そして、画像形成装置300のCPU101は、第2の印加電圧の絶対値を、用紙S上に転写されたトナーの電位の絶対値よりも大きい値に設定する。
このような構成を有する画像形成装置300は、上述した第2の実施の形態の画像形成装置100と同様の効果を得ることができる。すなわち、通紙ガイド70の用紙内領域Aと、用紙S上のトナーとの間に吸引力が発生せず、用紙S上のトナーが通紙ガイド70の用紙内領域Aへ飛散しないようにすることができる。また、用紙S上のトナーが通紙ガイド70の用紙外領域Bへ飛散しないようにすることができる。さらに、用紙S上に形成されたトナー画像にノイズが発生することを抑制することができる。
なお、画像形成装置300のCPU101は、第3の実施の形態と同様に、第1の印加電圧の絶対値を、用紙S上に転写されたトナーの電位の絶対値よりも小さい値に設定してもよい。これにより、画像形成装置300は、上述した第3の実施の形態の画像形成装置200と同様の効果を得ることができる。
また、画像形成装置300のCPU101は、第1の実施の形態と同様に、第1の印加電圧の絶対値を、用紙S上に転写されたトナーの電位の絶対値よりも大きい値に設定してもよい。これにより、画像形成装置300は、上述した第1の実施の形態の画像形成装置1と同様の効果を得ることができる。
また、画像形成装置300のCPU101は、第1の実施の形態と同様に、第1の印加電圧の絶対値を、用紙S上に転写されたトナーの電位の絶対値よりも大きい値に設定してもよい。これにより、画像形成装置300は、上述した第1の実施の形態の画像形成装置1と同様の効果を得ることができる。
以上、画像形成装置の実施の形態について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の画像形成装置は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述の第1〜第4の実施の形態では、物理的に分割された複数の通紙ガイド部材71によって通紙ガイド70を構成した。しかしながら、本発明に係る通紙ガイドとしては、複数の領域が用紙の搬送方向と直交する方向に電気的に分割されていれば、一体に形成することもできる。例えば、複数の領域間に絶縁部を設けることにより、通紙ガイドを一枚の板状の部材として形成することができる。
また、上述した第1〜第4の実施の形態では、通紙ガイド70の用紙内領域A又は用紙外領域Bに対して、同じ値の電圧を印加する構成とした。しかし、本発明に係る画像形成装置としては、用紙内領域A又は用紙外領域Bに対して異なる値の電圧を印加してもよい。例えば、通紙ガイドの用紙外領域Bにおいて、案内する用紙から離れるにつれて印加する電圧の絶対値を小さくする構成としてもよい。
また、上述の第1〜第3の実施の形態では、湿度計79によって画像形成装置の外部の相対湿度を検出した。しかし、本発明に係る湿度計としては、画像形成装置の内部の相対湿度を検出するものであってもよい。
また、上述の第1〜第4の実施の形態では、カラー画像を形成する画像形成装置を例に挙げて説明したが、本発明の画像形成装置としては、単色の画像を形成するものであってもよい。
1,100,200,300…画像形成装置、 10…原稿搬送部、 20…用紙収納部、 30…画像読取部、 40…画像形成部、 50…中間転写ベルト、 60…2次転写部、 70…通紙ガイド、 71…通紙ガイド部材、 72…吸引孔、 73…導電性シート、 74…貫通孔、 76…電圧印加部、 79…湿度計、 80…定着部、 90…制御基板、 101…CPU、 102…ROM、 103…RAM、104…ハードディスクドライブ(HDD)、 105…操作表示部、 106…画像処理部、 107…システムバス、 176…第1電圧印加部、 177…第2電圧印加部、 179…接続切換部、 301…電位検出部
Claims (14)
- 用紙にトナーを転写する転写部と、
前記転写部により転写されたトナーを用紙に定着させる定着部と、
前記トナーが転写された用紙を前記定着部へ案内し、案内する用紙に覆われる用紙内領域と、案内する用紙の搬送方向の側方であって案内する用紙に覆われない用紙外領域とを有する導電性の通紙ガイドと、
前記通紙ガイドに用紙上のトナーの電位と同じ極性の電圧を印加する電圧印加部と、
前記電圧印加部が前記通紙ガイドに印加する電圧を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記通紙ガイドの少なくとも前記用紙外領域に印加する電圧の絶対値を、用紙上のトナーの電位の絶対値よりも大きい値に設定する画像形成装置。 - 前記制御部は、装置外部の相対湿度に応じて、前記通紙ガイドに印加する電圧を設定する請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、用紙に転写されたトナーの量に応じて、前記通紙ガイドに印加する電圧に重み付けを行う請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、用紙の端部から所定の距離までの範囲に転写されたトナーの量の平均に応じて、前記重み付けの値を決定する請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記通紙ガイドの前記用紙内領域に印加する電圧の絶対値を、前記用紙上のトナーの電位の絶対値と同等の値に設定する請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記通紙ガイドの前記用紙内領域に印加する電圧の絶対値を、前記用紙上のトナーの電位の絶対値よりも小さい値に設定する請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、前記通紙ガイドの前記用紙内領域に印加する電圧を、前記用紙外領域に印加する電圧と同じ値に設定する請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記制御部は、画像を形成する用紙のサイズに応じて、前記通紙ガイドの前記用紙内領域と前記用紙外領域を判別する請求項5〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記通紙ガイドの用紙に対向する面には、摩擦抵抗の少ない導電性シートが配置されている請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記通紙ガイドは、用紙を吸引する吸引孔を有する請求項1に記載の画像形成装置。
- 用紙に転写されたトナーの電位を検出する電位検出部を備え、
前記制御部は、前記電位検出部の検出結果に基づいて、前記用紙外領域に印加する電圧の値を設定する請求項1に記載の画像形成装置。 - 用紙にトナーを転写する転写部と、前記転写部により転写されたトナーを用紙に定着させる定着部と、前記トナーが転写された用紙を前記定着部へ案内し、案内する用紙に覆われる用紙内領域と、案内する用紙の搬送方向の側方であって案内する用紙に覆われない用紙外領域とを有する導電性の通紙ガイドと、前記通紙ガイドに用紙上のトナーの電位と同じ極性の電圧を印加する電圧印加部と、前記電圧印加部が前記通紙ガイドに印加する電圧を制御する制御部と、を備えた画像成形装置の前記通紙ガイドに電圧を印加する電圧印加方法であって、
前記制御部により、前記通紙ガイドの少なくとも前記用紙外領域に印加する電圧の絶対値を、前記用紙上のトナーの電位の絶対値よりも大きい値に設定する電圧設定工程と、
前記制御部により設定された電圧を、前記電圧印加部により前記通紙ガイドに印加する電圧印加工程と、
を有する電圧印加方法。 - 前記電圧設定工程では、装置外部の相対湿度に応じて、前記通紙ガイドに印加する電圧を設定する請求項12に記載の電圧印加方法。
- 前記電圧設定工程では、用紙に転写されたトナーの量に応じて、前記通紙ガイドに印加する電圧に重み付けを行う請求項12又は13に記載の電圧印加方法。
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JP2021047339A (ja) * | 2019-09-20 | 2021-03-25 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置 |
-
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- 2011-12-16 JP JP2011275748A patent/JP2013125253A/ja active Pending
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