JP2013125221A - 投写型表示装置 - Google Patents

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和範 小谷
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Abstract

【課題】塵埃の侵入を抑制しつつ光源の冷却効果が高めることができる投写型表示装置を提供する。
【解決手段】プロジェクタ1は、本体キャビネット10内に外部の空気を取り込むためのランプ側吸気口502aと、ランプ側吸気口502aとは別個に設けられたパネル側吸気口503aと、外部の空気をランプ側吸気口502aを通じて吸気する吸気ファン510と、外部の空気をパネル側吸気口503aを通じて吸気する吸気ファン511と、ランプ側吸気口502aから取り込まれた空気をランプユニット201に供給するためのランプ冷却風路502と、パネル側吸気口503aから取り込まれた空気を表示ユニット203に供給するためのパネル冷却風路503と、本体キャビネット10内への塵埃の侵入を抑制しつつランプ側吸気口502aから外部の空気を取り込みやすくするための風量調整手段(第1エアフィルタ407、第2エアフィルタ408)と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、光源からの光を変調して被投写面に投写する投写型表示装置に関する。
従来、投写型表示装置(以下、「プロジェクタ」という)では、光源からの光が光変調素子等で構成される光変調部よって変調され、変調された光が被投写面に投写される。かかるプロジェクタでは、光源および光変調部において発熱が生じる。このため、プロジェクタには、これら発熱部を、外部から取り込んだ空気によって冷却する冷却機構が備えられる。
冷却機構は、たとえば、外部の空気をプロジェクタ内部に吸気する吸気ファン、プロジェクタ内部の空気を外部に排出する排気ファン等により構成される。外部の空気は、フィルタが配された吸気口を通じてプロジェクタ内部に取り込まれる。取り込まれた空気は、光源および光変調部を冷却した後、排気口を通じて外部に排出される(特許文献1参照)。
特開2000−258842号公報
ところで、光源は、光変調部に比べて温度が高くなるため、光変調部よりも高い冷却能力が必要となる場合が多い。冷却能力を高めるためには、風量を多くする必要がある。光源へ供給する空気の風量を多くするためには、吸気口に配されたフィルタの目を粗くし、吸気口から空気を取り込みやすくすることが考えられる。しかしながら、この場合、プロジェクタ内部へ塵埃が侵入しやすくなり、光変調部に塵埃が付着することにより、画質の劣化を招きやすくなる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、塵埃の侵入を抑制しつつ光源の冷却効果が高めることができる投写型表示装置を提供することを目的とする。
本発明の投写型表示装置は、光源と、前記光源から出射された光を変調する光変調部と、前記光源および前記光変調部が配される本体キャビネットと、前記本体キャビネット内に外部の空気を取り込むための第1の吸気口と、前記第1の吸気口とは別個に設けられ、前記本体キャビネット内に外部の空気を取り込むための第2の吸気口と、外部の空気を前記第1の吸気口を通じて吸気する第1の吸気ファンと、外部の空気を前記第2の吸気口を通じて吸気する第2の吸気ファンと、前記第1の吸気ファンによって前記第1の吸気口から取り込まれた空気を、前記光源に供給するための第1の風路と、前記第2の吸気ファンによって前記第2の吸気口から取り込まれた空気を、前記光変調部に供給するための第2の風路と、前記第1の吸気口と前記第2の吸気口とに関連して設けられ、前記本体キャビネット内への塵埃の侵入を抑制しつつ前記第1の吸気口から外部の空気を取り込みやすくするための風量調整手段と、を備える。
本発明の投写型表示装置によれば、本体キャビネット内への塵埃の侵入を抑制しつつ、光源の冷却効果を高めることができる。
本発明の投写型表示装置において、前記空気導入手段は、前記第1の吸気口に取り込まれる空気から塵埃を除去する第1のフィルタと、前記第2の吸気口に取り込まれる空気から塵埃を除去する第2のフィルタと、を含み得る。この場合、前記第1のフィルタは、前記第2のフィルタに比べて目が粗い構成とされる。
このような構成とすれば、第1のフィルタは、第2のフィルタよりも目が粗いので空気が通りやすい。このため、第2の吸気口に比べ、第1の吸気口から空気が取り込まれやすくなる。一方、第2のフィルタは、第1のフィルタより目が細かいので、第1のフィルタに比べて小さな塵埃を除去できる。よって、光源へ供給される風量を多くすることができ、光源の冷却効果を高めることができるともに、光源に比べて塵埃の影響を受けやすい光変調部に対しては、塵埃の付着を防止しつつ冷却を行うことができる。
上記の構成とした場合、前記第1の吸気口が、前記第2の吸気口に隣接して設けられ得る。さらに、前記本体キャビネットに取り外し可能に装着されるフィルタユニットが備えられ得る。この場合、前記フィルタユニットには、当該フィルタユニットが前記本体キャビネットへ装着された状態において前記第1の吸気口および前記第2の吸気口にそれぞれ繋がる第1の空気流路および第2の空気流路が設けられ、前記第1の空気流路および前記第2の空気流路に、それぞれ前記第1のフィルタおよび前記第2のフィルタが配される。
このような構成とすれば、本体キャビネット内にフィルタユニットを装着するだけで、第1の吸気口への第1のフィルタの装着、および第2の吸気口への第2のフィルタの装着が行える。よって、ユーザに対する利便性を高めることができる。
本発明の投写型表示装置において、前記第1の風路は、前記第2の風路に隣接して設けられ得る。この場合、前記風量調整手段は、前記第1の風路および前記第2の風路に外部の空気を取り込むための吸気口を覆うフィルタと、前記吸気口を、前記第1の吸気口と前記第2の吸気口とに分ける仕切部と、前記光源の温度を検出するための第1の温度検出部と、前記光変調部の温度を検出するための第2の温度検出部と、前記第1の温度検出部による検出温度および前記第2の温度検出部による検出温度に基づいて、前記第1の吸気口と前記第2の吸気口との開口面積の比率が変わるように前記仕切部を移動させる駆動部と、を含む構成とされる。
たとえば、前記駆動部は、前記第1の温度検出部による検出温度および前記第2の温度検出部による検出温度に基づいて、前記光源に対する冷却量が前記光変調部に対する冷却量よりも不足していると判定した場合に、前記仕切部を、前記第1の吸気口の開口面積が現在の開口面積より大きくなるように移動させる構成とされ得る。
このような構成とすれば、光源に対する冷却量が光変調素部に対する冷却量より不足した場合に、第1の吸気口の開口面積が大きくされる。これにより、第1の吸気口から空気が取り込みこまれやすくなる。よって、フィルタにより本体キャビネット内への塵埃の侵入を抑制しつつ、光源へ供給される空気の風量を多くして光源の冷却効果を高めることができる。
さらに、前記駆動部は、前記第1の温度検出部による検出温度および前記第2の温度検出部による検出温度に基づいて、前記光変調部に対する冷却量が前記光源に対する冷却量よりも不足していると判定した場合に、前記仕切部を、前記第2の吸気口の開口面積が現在の開口面積より大きくなるように移動させる構成とされ得る。
このような構成とすれば、光変調部に対する冷却量が光源に対する冷却量より不足する
ことが生じた場合に、光変調部への風量を多くすることができ、光変調部の冷却効果を高めることができる。
以上のとおり、本発明によれば、塵埃の侵入を抑制しつつ光源の冷却効果が高めることができる投写型表示装置を提供することができる。
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
第1実施形態に係る、プロジェクタの構成を示す外観斜視図である。 第1実施形態に係る、光学エンジンの構成を示す図である。 第1実施形態に係る、フィルタカセットの構成を示す図である。 第1実施形態に係る、ランプユニットおよび表示ユニットを冷却するための冷却機構について説明するための図である。 第1実施形態に係る、ランプユニットおよび表示ユニットを冷却するための冷却機構について説明するための図である。 第2実施形態に係る、プロジェクタの構成について説明するための図である。 第2実施形態に係る、プロジェクタの構成について説明するための図である。 第2実施形態に係る、ランプ温度およびパネル温度に基づいて、ランプ側吸気口とパネル側吸気口との開口面積の比率を変更するための変更制御処理について説明するための図である。 第1実施形態の変更例に係る、フィルタカセットの構成を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係るプロジェクタ1について、以下に説明する。
図1は、プロジェクタ1の構成を示す外観斜視図である。図1を参照して、プロジェクタ1は、略直方体形状を有する本体キャビネット10を備えている。本体キャビネット10の前面には、投写窓101が形成されている。また、本体キャビネット10の左側面は、一部が吸気口カバー102により構成されている。吸気口カバー102は、その下端部にヒンジ構造を有し、図中の一点鎖線に示すように、下端部を支点にして左方向に開放する。吸気口カバー102には、多数の孔からなる側面吸気口103が形成されている。
本体キャビネット10の内部には、光学エンジン20および投写レンズユニット30が配されている。光学エンジン20は、ランプユニットからの光を映像信号に基づいて変調することにより映像光を生成する。光学エンジン20には、投写レンズユニット30が装着されており、投写レンズユニット30の前端部が、投写窓101から前方に露出している。投写レンズユニット30は、光学エンジン20で生成された映像光を、プロジェクタ1の前方に配されたスクリーンに拡大投写する。
図2は、光学エンジン20の構成を示す図である。
図2に示すように、光学エンジン20は、ランプユニット201と、導光ユニット202と、表示ユニット203とを備えている。
表示ユニット203は、3つの透過型の液晶パネル204、205、206と、ダイクロイックプリズム207とを備えている。液晶パネル204、205、206の入射側と出射側には図示しない偏光板が配されている。
ランプユニット201は、白色光を発するランプと、ランプから発せられた白色光を反射するリフレクタとを含む。ランプには、メタルハライドランプ、キセノンランプ等が用いられる。ランプユニット201から出射された白色光は、導光ユニット202に入射する。
導光ユニット202は、フライアイインテグレータ、PBSアレイ、コンデンサレンズ、ダイクロイックミラー、平面ミラー、リレーレンズ等を備える。導光ユニット202に入射した白色光は、赤色波長帯の光(以下、「R光」という)と、緑色波長帯の光(以下、「G光」という)と、青色波長帯の光(以下、「B光」という)に分離され、液晶パネル204、205、206に照射される。これら液晶パネル204、205、206によって変調されたR光、G光、B光は、ダイクロイックプリズム207によって色合成され、映像光として出射される。
なお、光学エンジン20を構成する光変調素子としては、上記透過型の液晶パネル204、205、206の他、反射型の液晶パネルや、MEMSデバイスを用いることもできる。また、光学エンジン20は、上記のように3つの光変調素子を備えた3板式の光学系ではなく、たとえば、1つの光変調素子とカラーホイールを用いた単板式の光学系により構成することもできる。
図1に戻り、本体キャビネット10内の左側面側には、フィルタ装着部104が設けられている。フィルタ装着部104には、フィルタカセット40が取り外し可能に装着されている。フィルタカセット40の前面は、吸気口カバー102により覆われている。フィルタカセット40を交換する際には、吸気口カバー102が開放されて、フィルタカセット40がフィルタ装着部104から取り外される。
図3は、フィルタカセット40の構成を示す図である。図3(a)、(b)は、それぞれ、フィルタカセット40の正面図および背面図である。図3(c)は、図3(a)のA−A´断面図である。
図3を参照して、フィルタカセット40は、長方形の箱状に形成されたケース401を備えている。ケース401の中央部には、外部の空気が通る空気流路402が形成されている。空気流路402は、仕切壁403で仕切られることにより、ランプ側空気流路404とパネル側空気流路405とに分かれている。ケース401の背面には、接続口406が形成さている。
ケース401には、第1エアフィルタ407および第2エアフィルタ408が配されている。第1エアフィルタ407は、ランプ側空気流路404およびパネル側空気流路405の双方に跨って配されており、第2エアフィルタ408は、パネル側空気流路405において、第1エアフィルタ407の後方に配されている。
第1エアフィルタ407は、第2エアフィルタ408よりも、目の粗いフィルタである。これらエアフィルタ407、408には、ウレタンフィルタ、不織布フィルタ等が用いられる。
本体キャビネット10内には、フィルタカセット40を介して外部の空気が取り込まれ、取り込まれた空気により、発熱しているランプユニット201および表示ユニット203が冷却される。
図4および図5は、ランプユニット201および表示ユニット203を冷却するための冷却機構について説明するための図である。図4は、プロジェクタ1の内部を透視した、プロジェクタ1の要部の平面図である。図5(a)は、下部冷却ユニット50および上部冷却ユニット60を、図4に示すP方向から見た図である。図5(b)は、下部冷却ユニット50における、フィルタ装着部104との連結部分の近傍を、図4に示すQ方向から見た図である。
図4では、便宜上、本体キャビネット10、下部冷却ユニット50の一部およびフィルタカセット40が、断面図で示されている。また、ランプ冷却風路502の吹出口506が見えるように、上部冷却ユニット60の一部が切り欠かれるともに、ランプユニット201が一点鎖線にて示されている。さらに、パネル冷却風路503の吹出口507、508、509が見えるように、表示ユニット203が一点鎖線で示されている。さらに、導光ユニット202が図示省略されている。
図4および図5を参照して、本体キャビネット10内には、ランプユニット201および表示ユニット203を冷却するため、下部冷却ユニット50と、上部冷却ユニット60と、排気ファン70とが配されている。
下部冷却ユニット50は、下部冷却風路501を備えている。下部冷却風路501は、ランプ冷却風路502と、ランプ冷却風路502に隣接するパネル冷却風路503とにより構成されている。ランプ冷却風路502とパネル冷却風路503とは、たとえば、樹脂材料により、一体的に形成されている。
ランプ冷却風路502には、空気を取り込むためのランプ側吸気口502aが形成されており、パネル冷却風路503には、空気を取り込むためのパネル側吸気口503aが形成されている。ランプ側吸気口502aとパネル側吸気口503aとにより下部冷却風路501の吸気口504が構成され、吸気口504がフィルタ装着部104に連結されている。フィルタ装着部104にフィルタカセット40が装着されると、フィルタカセット40の接続口406が、フィルタ装着部104の開口部に通されて吸気口504に接続される。ランプ冷却風路502とパネル冷却風路503との間の仕切壁505が、フィルタカセット40の仕切壁403に連結され、ランプ側空気流路404とランプ冷却風路502とが連通し、パネル側空気流路405とパネル冷却風路503とが連通する。
図5(a)に示すように、下部冷却ユニット50は、ランプユニット201および導光ユニット202の下方に配されている。図5(b)に示すように、下部冷却風路501の吸気口504の近傍部分501aは、導光ユニット202側へ向かうに従って徐々に風路の高さが低くなるよう、上面が傾斜する形状を有する。
ランプ冷却風路502は、ランプユニット201の下方まで延びている。ランプ冷却風路502の上面には、ランプユニット201の真下の位置に吹出口506が形成されている。
パネル冷却風路503は、表示ユニット203の下方まで延びている。パネル冷却風路503の上面には、表示ユニット203の真下の位置に、各液晶パネル204、205、206に対応する吹出口507、508、509が形成されている。
ランプ冷却風路502およびパネル冷却風路503の内部には、それぞれ、吸気ファン510、511が配されている。吸気ファン510、511には、たとえば、遠心ファンが用いられる。
図5(a)に示すように、上部冷却ユニット60は、ランプユニット201および導光ユニット202の下方に配されている。上部冷却ユニット60は、上部冷却風路601を備えている。
上部冷却風路601は、一端側が表示ユニット203の近傍に位置し、他端側がランプユニット201の真上に位置する。上部冷却風路601の一端側には、側面に吸気口602が形成されており、他端側には、下面に吹出口603が形成されている。
上部冷却風路601の内部には、吸気ファン604が配されている。吸気ファン604には、たとえば、遠心ファンが用いられる。
排気ファン70は、ランプユニット201の後方において、本体キャビネット10の後面に近接するように配されている。排気ファン70には、たとえば、軸流ファンが用いられる。本体キャビネット10の後面には、排気ファン70の対面位置に、多数の孔からなる排気口105が形成されている。
投写運転時には、3つの吸気ファン510、511、604および排気ファン70が回転する。
吸気ファン510が回転すると、外部の空気が、フィルタカセット40のランプ側空気流路404を通じて、ランプ側吸気口502aからランプ冷却風路502内に取り込まれる。このとき、第1エアフィルタ407により空気中の塵埃が除去される。
ランプ冷却風路502内に取り込まれた空気は、吹出口506へと送られ、吹出口506から上方のランプユニット201に向かって吹き出す。吹出口506から吹き出した空気により、ランプユニット201が冷却される。
吸気ファン511が回転すると、外部の空気が、フィルタカセット40のパネル側空気流路405を通じて、パネル側吸気口503aからパネル冷却風路503内に取り込まれる。このとき、第1エアフィルタ407により空気中の大きな塵埃が除去され、第2エアフィルタ408により、空気中の細かな塵埃が除去される。
パネル冷却風路503内に取り込まれた空気は、各吹出口507、508、509へと送られ、各吹出口507、508、509から、それぞれの上方に位置する液晶パネル204、205、206に向かって吹き出す。吹出口507、508、509から吹き出した空気により、液晶パネル204、205、206、偏光版(図示せず)およびダイクロイックプリズム207、即ち、表示ユニット203が冷却される。
表示ユニット203を冷却した空気は、吸気口602から上部冷却風路601内に取り込まれる。取り込まれた空気は、吹出口603へと送られ、吹出口603から下方のランプユニット201に向かって吹き出す。吹出口603から吹き出した空気により、ランプユニット201がさらに冷却される。
ランプユニット201を冷却した空気は、排気ファン70により、排気口105を通じて、外部に排出される。
以上、本実施の形態によれば、ランプユニット201および表示ユニット203にそれぞれ対応する個別の吸気口(ランプ側吸気口502a、パネル側吸気口503a)および冷却風路(ランプ冷却風路502、パネル冷却風路503)が設けられるとともに、ランプ側吸気口502aに対応する第1エアフィルタ407が、パネル側吸気口503aに対応する第2エアフィルタ408よりも目が粗く、空気が通りやすい構成とされている。これにより、パネル側吸気口503aに比べ、ランプ側吸気口502aから空気が取り込まれやすくなる。一方、第2エアフィルタ408は、第1エアフィルタ407より目が細かいので、第1エアフィルタ407に比べて小さな塵埃を除去できる。よって、ランプユニット201へ供給される風量を多くすることができ、ランプユニット201の冷却効果を高めることができるともに、ランプユニット201に比べて塵埃の影響を受けやすい表示ユニット203に対しては、塵埃の付着を防止しつつ冷却を行うことができる。
さらに、本実施の形態によれば、本体キャビネット10内にフィルタカセット40を装着するだけで、ランプ側吸気口502aへの第1エアフィルタ407の装着、およびパネル側吸気口503aへの第2エアフィルタ408の装着が行える。よって、ユーザに対する利便性を高めることができる。
さらに、本実施の形態によれば、上部冷却ユニット60により、表示ユニット203を冷却した空気がランプユニット201に導かれ、この空気によりランプユニット201が冷却される。よって、ランプユニット201の冷却効果が一層高まる。
<第2実施形態>
第2実施形態のプロジェクタ1について、以下に説明する。
図6および図7は、プロジェクタ1の構成について説明するための図である。図6は、プロジェクタ1の内部を透視した、プロジェクタ1の要部の平面図である。図7は、モータ522の駆動に係る構成を示すブロック図である。
図6において、第1実施形態と同様な構成には、同じ図番を付している。以下、第1実施形態と同様な構成については説明を省略する。
本実施形態におけるフィルタカセット45は、長方形の箱状を有するケース451を備える。ケース451の中央部には、エアフィルタ453が配された空気流路452が形成されている。フィルタ装着部104にフィルタカセット45が装着されると、フィルタカセット45の接続口454が、フィルタ装着部104の開口部に通されて吸気口504に接続される。
下部冷却風路501内において、仕切壁505は、側壁面から両吸気ファン510、511の中央付近まで形成されており、仕切壁505と吸気口504と間には、仕切板521が設けられている。仕切板521により、吸気口504が、ランプ側吸気口502aとパネル側吸気口503aとに分けられる。
仕切板521は回転軸521aを中心に、仕切壁505と仕切板521とが一直線となる基準位置から、右回り(ランプ冷却風路502が狭くなる方向)、または、左回り(ランプ冷却風路502が広くなる方向)に所定の角度だけ回転する。回転軸521aは、下部冷却風路501の下方に配された扁平なモータ522に連結されている。
仕切板521が回転することにより、ランプ側吸気口502aとパネル側吸気口503aの開口面積の比率が変化する。仕切板521が基準位置から左回りに回転する、即ち、
パネル冷却風路503側に移動すると、ランプ側吸気口502aの開口面積が大きくなる。さらに、吸気ファン510に至るランプ冷却風路502の幅が拡がる。仕切板521が基準位置から右回りに回転する、即ち、ランプ冷却風路502側に移動すると、パネル側吸気口503aの開口面積が大きくなる。さらに、吸気ファン511に至るパネル冷却風路503の幅が拡がる。
ランプユニット201の近傍には、ランプ温度センサ801が配されている。ランプ温度センサ801は、ランプユニット201の温度を検出する。表示ユニット203の近傍には、パネル温度センサ802が配されている。パネル温度センサ802は、表示ユニット203の温度を検出する。
図7に示すように、ランプ温度センサ801による検出温度(以下、「ランプ温度」という)およびパネル温度センサ802による検出温度(以下、「パネル温度」という)は、制御部90に入力される。制御部90は、CPU、メモリ等を備え、ランプ温度およびパネル温度に基づいて、モータ522を駆動する。
図8は、ランプ温度およびパネル温度に基づいて、ランプ側吸気口502aとパネル側吸気口503aとの開口面積の比率を変更するための変更制御処理について説明するための図である。図8(a)は、変更制御処理を示すフローチャートであり、図8(b)は、変更制御処理に用いられるパラメータについて説明するための図である。
投写運転が開始されると、変更制御処理が開始され、その後、投写運転が終了されるまで、所定の時間間隔で、変更制御処理が繰り返される。
図8(a)を参照して、制御部90は、ランプ温度およびパネル温度を取得すると(S1)、これら温度を用いて、ランプユニット201側の温度マージン差δtおよび表示ユニット203側の補正温度マージン差δ´tを算出する。
本実施の形態では、図8(b)に示すように、ランプユニット201の許容温度TLOに対する目標マージンΔTLO、および表示ユニット203の許容温度TPOに対する目標マージンΔTPOが予め定められている。
温度マージン差δtは、目標マージンΔTLOとの実測マージンΔTとの差分である。実測マージンΔTは、許容温度TLOと実測されたランプ温度Tとの差分である。制御部90は、取得したランプ温度Tから実測マージンΔTを求め、求めた実測マージンΔTから温度マージン差δtを求める。
補正温度マージン差δ´tは、温度マージン差δtに補正値α(>1)を乗算した値であり、温度マージン差δtは、目標マージンΔTPOと実測マージンΔTとの差分である。実測マージンΔTは、許容温度TPOと実測されたパネル温度Tとの差分である。制御部90は、取得したパネル温度Tから実測マージンΔTを求め、求めた実測マージンΔTから温度マージン差δtを求める。さらに、制御部90は、温度マージン差δtに補正値αを乗算し、補正温度マージン差δ´tを求める。
ランプユニット201の許容温度TLOは、数百℃のレベルであり、これに対して、表示ユニット203の許容温度TPOは、数十℃のレベルである。このため、ランプユニット201と表示ユニット203とに対して、同様な冷却能力の変化が生じた場合、パネル温度Tよりもランプ温度Tの変化が大きくなりやすい。補正値αは、このような、パネル温度Tとランプ温度Tの変化の差を補正するための値である。補正値αを乗算することにより、温度マージン差δtが拡大される。補正値αは、実験等を行うことによ
り予め設定される。
こうして、温度マージン差δtおよび補正温度マージン差δ´tが算出されると、制御部90は、温度マージン差δtと補正温度マージン差δ´tとの差分δtを算出する(S3)。
次に、制御部90は、求めた差分δtを所定の閾値+δtr、−δtrと比較する(S4)。その結果、−δtr≦δt≦+δtrであれば、制御部90は、ランプユニット201と表示ユニット203との冷却のバランスがとれていると判断し、モータ522を駆動させず、仕切板521を現在の位置に保持させる(S5)。たとえば、投写運転の開始直後であれば、仕切板521は基準位置に保持される。
一方、ステップS4における比較の結果、δt<−δtrであれば、制御部90は、ランプユニット201に対する冷却量が表示ユニット203に対する冷却量よりも不足していると判断する。制御部90は、モータ522を回転させて仕切板521をパネル冷却風路503側に移動させ、ランプ側吸気口502aの開口面積を現在の開口面積よりも拡大させる(S6)。これにより、外部の空気がランプ側吸気口502aからランプ冷却風路502内に取り込まれやすくなり、ランプユニット201に供給される空気の風量が多くなる。よって、ランプユニット201の冷却効果が高まる。
さらに、ステップS4における比較の結果、+δtr<δtであれば、制御部90は、表示ユニット203に対する冷却量がランプユニット201に対する冷却量よりも不足していると判断する。制御部90は、モータ522を回転させて仕切板521をランプ冷却風路502側に移動させ、パネル側吸気口503aの開口面積を現在の開口面積よりも拡大させる(S7)。これにより、外部の空気がパネル側吸気口503aからパネル冷却風路503内に取り込まれやすくなり、表示ユニット203に供給される空気の風量が多くなる。よって、表示ユニット203の冷却効果が高まる。
以上、本実施の形態によれば、ランプユニット201に対する冷却量が表示ユニット203に対する冷却量より不足した場合に、ランプ側吸気口502aの開口面積が大きくされる。これにより、ランプ側吸気口502aから空気が取り込みこまれやすくなる。よって、エアフィルタ453により本体キャビネット1内への塵埃の侵入を抑制しつつ、ランプユニット201へ供給される空気の風量を多くしてランプユニット201の冷却効果を高めることができる。
しかも、本実施の形態では、下部冷却風路501の吸気口504におけるランプ側吸気口502aの開口面積の比率が変えられる構成とされているので、ランプユニット201への風量を多くするために吸気口504全体が大きくなることを抑制できる。
さらに、本実施の形態によれば、表示ユニット203に対する冷却量がランプユニット201に対する冷却量より不足することが生じた場合に、表示ユニット203への風量を多くすることができ、表示ユニット203の冷却効果を高めることができる。
<変更例>
以上、第1本実形態および第2実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施形態も、上記実施形態に以外に、種々の変更が可能である。
たとえば、上記第1実施形態では、フィルタカセット40において、第1エアフィルタ407が、ランプ側空気流路404とパネル側空気流路405の双方に跨るように配され
ているが、図9(a)、(b)に示すように、第1エアフィルタ407が、ランプ側空気流路404のみに配されるよう、フィルタカセット40が構成されても良い。
さらに、上記第2実施形態では、温度マージン差δtと補正温度マージン差δ´tとの差分δtに基づいて、ランプ側吸気口502aとパネル側吸気口503aとの開口面積の比率が調整される構成とされている。しかしながら、これに限らず、たとえば、ランプユニット201側の実測マージンΔTが目標マージンΔTLOより小さく、表示ユニット203側の実測マージンΔTが目標マージンΔTPOより大きい場合に、ランプ側吸気口502aの開口面積が拡大され、ランプユニット201側の実測マージンΔTが目標マージンΔTLOより大きく、表示ユニット203側の実測マージンΔTが目標マージンΔTPOより小さい場合に、パネル側吸気口503aの開口面積が拡大されるような構成とされても良い。
さらに、上記第1実施形態では、ランプ側吸気口502aに隣接するようにパネル側吸気口503aが設けられている。しかしながら、ランプ側吸気口502aとパネル側吸気口503aとが離れていても良く、これら吸気口502a、503aが、それぞれ、本体キャビネット10の異なる面に設けられても良い。
さらに、上記第1実施形態および上記第2実施形態では、ランプ光源であるランプユニット201が用いられているが、LED光源やレーザ光源が用いられても良い。 この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
10 本体キャビネット
20 光学エンジン
201 ランプユニット(光源)
203 表示ユニット(光変調部)
40 フィルタカセット(フィルタユニット)
404 ランプ側空気流路(第1の空気流路)
405 パネル側空気流路(第2の空気流路)
407 第1エアフィルタ(第1のフィルタ)
408 第2エアフィルタ(第2のフィルタ)
50 下部冷却ユニット
502 ランプ冷却風路(第1の風路)
502a ランプ側吸気口(第1の吸気口)
503 パネル冷却風路(第2の風路)
503a パネル側吸気口(第2の吸気口)
504 吸気口
510 吸気ファン(第1の吸気ファン)
511 吸気ファン(第2の吸気ファン)
45 フィルタカセット
453 エアフィルタ(フィルタ)
521 仕切板(仕切部)
522 モータ(駆動部)
801 ランプ温度センサ(第1の温度検出部)
802 パネル温度センサ(第2の温度検出部)
90 制御部(駆動部)

Claims (6)

  1. 光源と、
    前記光源から出射された光を変調する光変調部と、
    前記光源および前記光変調部が配される本体キャビネットと、
    前記本体キャビネット内に外部の空気を取り込むための第1の吸気口と、
    前記第1の吸気口とは別個に設けられ、前記本体キャビネット内に外部の空気を取り込むための第2の吸気口と、
    外部の空気を前記第1の吸気口を通じて吸気する第1の吸気ファンと、
    外部の空気を前記第2の吸気口を通じて吸気する第2の吸気ファンと、
    前記第1の吸気ファンによって前記第1の吸気口から取り込まれた空気を、前記光源に供給するための第1の風路と、
    前記第2の吸気ファンによって前記第2の吸気口から取り込まれた空気を、前記光変調部に供給するための第2の風路と、
    前記第1の吸気口と前記第2の吸気口とに関連して設けられ、前記本体キャビネット内への塵埃の侵入を抑制しつつ前記第1の吸気口から外部の空気を取り込みやすくするための風量調整手段と、を備える、
    ことを特徴とする投写型表示装置。
  2. 請求項1に記載の投写型表示装置において、
    前記風量調整手段は、前記第1の吸気口に取り込まれる空気から塵埃を除去する第1のフィルタと、前記第2の吸気口に取り込まれる空気から塵埃を除去する第2のフィルタと、を含み、
    前記第1のフィルタは、前記第2のフィルタに比べて目が粗い、
    ことを特徴とする投写型表示装置。
  3. 請求項2に記載の投写型表示装置において、
    前記第1の吸気口は、前記第2の吸気口に隣接して設けられるとともに、
    前記本体キャビネットに取り外し可能に装着されるフィルタユニットを備え、
    前記フィルタユニットには、当該フィルタユニットが前記本体キャビネットへ装着された状態において前記第1の吸気口および前記第2の吸気口にそれぞれ繋がる第1の空気流路および第2の空気流路が設けられ、
    前記第1の空気流路および前記第2の空気流路に、それぞれ前記第1のフィルタおよび前記第2のフィルタが配される、
    ことを特徴とする投写型表示装置。
  4. 請求項1に記載の投写型表示装置において、
    前記第1の風路は、前記第2の風路に隣接して設けられるとともに、
    前記風量調整手段は、
    前記第1の風路および前記第2の風路に外部の空気を取り込むための吸気口を覆うフィルタと、
    前記吸気口を、前記第1の吸気口と前記第2の吸気口とに分ける仕切部と、
    前記光源の温度を検出するための第1の温度検出部と、
    前記光変調部の温度を検出するための第2の温度検出部と、
    前記第1の温度検出部による検出温度および前記第2の温度検出部による検出温度に基づいて、前記第1の吸気口と前記第2の吸気口との開口面積の比率が変わるように前記仕切部を移動させる駆動部と、
    を含む、
    ことを特徴とする投写型表示装置。
  5. 請求項4に記載の投写型表示装置において、
    前記駆動部は、前記第1の温度検出部による検出温度および前記第2の温度検出部による検出温度に基づいて、前記光源に対する冷却量が前記光変調部に対する冷却量よりも不足していると判定した場合に、前記仕切部を、前記第1の吸気口の開口面積が現在の開口面積より大きくなるように移動させる、
    ことを特徴とする投写型表示装置。
  6. 請求項5に記載の投写型表示装置において、
    前記駆動部は、前記第1の温度検出部による検出温度および前記第2の温度検出部による検出温度に基づいて、前記光変調部に対する冷却量が前記光源に対する冷却量よりも不足していると判定した場合に、前記仕切部を、前記第2の吸気口の開口面積が現在の開口面積より大きくなるように移動させる、
    ことを特徴とする投写型表示装置。
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