以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。一方で、ある図において符号を付して説明した部位について、他の図の説明の際に再度の図示はしないが同一の符号を付して言及する場合がある。
(実施の形態)
実施の形態における投射型映像表示装置について、図1〜図29を用いて説明する。
<投射型映像表示装置の構成例>
図1〜図9を用いて、本実施の形態における投射型映像表示装置の構成例について説明する。図1は、本実施の形態における投射型映像表示装置の内部レイアウトの一例を示す正面側の斜視図である。図2は、本実施の形態における投射型映像表示装置の内部レイアウトの一例を示す背面側の斜視図である。図3は、図2を分解して示す背面側の分解斜視図である。図4は、図3を分解して示す背面側の分解斜視図である。図5は、図2を分解して示す背面側の分解斜視図である。
図6は、図2の斜視図における各断面を説明するための内部レイアウトの一例を示す背面側の斜視図である。図7は、図6のA部断面を示す断面図である。図8は、図6のB部断面を示す断面図である。図9は、図6のC部断面を示す断面図である。
なお、図1〜図9では、投射型映像表示装置の内部レイアウトをわかりやすくするために、投射光学系を省略している。ただし、図7には、投射光学系101を二点鎖線で示している。また、図7には、筐体110も二点鎖線で示している。
本実施の形態における投射型映像表示装置100は、投射光学系101、表示素子102、照明光学系103、光源104〜106、制御部107、電源部108、冷却ファン121〜127、冷却モジュール131、ヒートパイプ141〜143、保護センサ151〜154、外気センサ161〜163、ダクト201〜203などを有するプロジェクタであり、これらが図7の二点鎖線にて示す筐体110(例えば略直方体形状)に設けられている。
図7において、投射光学系101は、映像を図示しないスクリーンに投射する光学系であり、例えば投射レンズ(またはミラーなどの光学要素でもよい)を有する。この投射レンズにおいて、映像を投射する一方端が筐体110の前面から露出するように設けられている。また、筐体110の前面において、投射レンズの一方端の左側には冷却風の排気口110d,101eが設けられ、また、投射レンズの一方端の右側には冷却風の排気口110fが設けられている。さらに、筐体110の前面に対向する背面には、冷却風の吸気口として、排気口110dに対応する吸気口110a、排気口110eに対応する吸気口110b、および、排気口110fに対応する吸気口110cが設けられている。
図7において、投射光学系101が有する投射レンズの他方端側には、表示素子102が設けられている。この表示素子102は、投射する映像を生成する素子であり、例えばDMD(Digital Micromirror Device)(登録商標)パネルなどが用いられる。
表示素子102には、冷却モジュール131が取り付けられている。この冷却モジュール131は、例えばアルミニウムなどの放熱フィンを有し、表示素子102が駆動した際に発生する熱を拡散して放熱する。表示素子102の近傍には、この表示素子102の温度を検出する保護センサ154が配置されている。
表示素子102は、投射型映像表示装置100が有する制御部107から出力される映像信号に応じた駆動信号に基づいて、投射する映像を生成する。なお、表示素子102については、DMDパネルに限定されるものではなく、例えば透過型液晶パネルあるいは反射型液晶パネルなどであってもよい。
図7などにおいて、表示素子102の右側には、L字状の照明光学系103が配置されている。照明光学系103は、投射光学系101と平行に延びる平行部103aと、この平行部103aの先端から直角方向に延びる直角部103bとによって構成されている。
照明光学系103は、光源104〜106を有する光源部にて発生した照明光を集光し、より均一化して表示素子102に照射する光学系である。光源104〜106は、投射用の照明光を発生するものであり、赤色用光源104、緑色用光源105および青色用光源106の3つの光源からなる。3つの光源104〜106を有する光源部の発光は、投射型映像表示装置100が有する制御部107により制御される。
赤色用光源104は、例えば赤色を発光するLEDである。緑色用光源105は、例えば緑色を発光するLEDである。青色用光源106は、例えば青色を発光するLEDである。
赤色用光源104および青色用光源106は、例えば平面発光型からなる。赤色用光源104の近傍には、この赤色用光源104の温度を検出する保護センサ151が配置されている。青色用光源106の近傍には、この青色用光源106の温度を検出する保護センサ153が配置されている。
緑色用光源105は、例えばロッドレンズを有するLEDである。緑色用光源105は、HLD(High Lumen Density)技術を用いている。緑色用光源105には、この緑色用光源105の温度を検出する保護センサ152が内蔵されている。ロッドレンズは、半径方向に2次分布状の屈折率分布を有する円柱状のレンズであり、このロッドレンズが例えばアレイ状に配列された構成からなり、緑色用光源105から照射される光をロッドレンズによって構成される発光面から出射する。
赤色用光源104は、照明光学系103の直角部103bにおける一方の側面側に設けられており、青色用光源106は、この直角部103bにおける一方の側面側に対向する他方の側面側に設けられている。緑色用光源105は、照明光学系103の直角部103bの先端部に設けられている。
また、投射型映像表示装置100は、電源部108を有している。電源部108は、外部電源からの電力の供給を受けて、上述した光源104〜106および表示素子102を制御する制御部107などを始めとする各部に対して動作用の電力を供給する。
赤色用光源104を冷却するヒートパイプ141は、例えば受熱部141a、パイプ部141bおよびフィン部141cを有する。ヒートパイプ141は、その一端側に受熱部141aが設けられ、その他端側にフィン部141cが設けられ、受熱部141aとフィン部141cとの間がパイプ部141bとなっている。受熱部141aは、赤色用光源104のLEDに取り付けられている。
ヒートパイプ141は、例えば銅などからなる金属パイプ内に水などの作動液体を封入したものである。なお、ここでは、3本のヒートパイプ141を有する構成としたが、このヒートパイプの本数は、LEDの発熱量に応じて増減される。
フィン部141cは、例えば板状の金属板でアルミニウムあるいは銅などからなる。金属板の平面には、ヒートパイプ141と略同等の円形孔がそれぞれ形成されている。そして、金属板に形成された円形孔にヒートパイプ141のパイプ部141bが差し込まれた構成からなる。フィン部141cは、冷却風路となるダクト202に配置されている。なお、ヒートパイプ141のみで十分に冷却することができる場合には、フィン部141cを不要としてもよい。
ここで、ヒートパイプ141の動作原理について説明する。後述する他のヒートパイプ142,143の動作原理についても同様である。
まず、赤色用光源104のLEDの発熱によって作動液体が沸騰すると、その沸騰によって発生した蒸気が圧力差により受熱部141a(高温側)からフィン部141c(低温側)に流れる。蒸気が凝縮することによって、凝縮熱がフィン部141cで放出される。その後、毛細管現象によって凝縮した作動液体が受熱部141aへ戻ることになる。このように、ヒートパイプ141は、封入された作動液体の蒸発および凝縮の相変化によって熱を輸送する。
赤色用光源104を冷却するヒートパイプ141と同様に、緑色用光源105を冷却するヒートパイプ142についても、例えば受熱部142a、パイプ部142bおよびフィン部142cを有する。受熱部142aは、緑色用光源105のLEDに取り付けられている。フィン部142cは、冷却風路となるダクト201に配置されている。
同様に、青色用光源106を冷却するヒートパイプ143についても、例えば受熱部143a、パイプ部143bおよびフィン部143cを有する。受熱部143aは、青色用光源106のLEDに取り付けられている。フィン部143cは、冷却風路となるダクト202に配置されている。
ダクト201〜203は、筐体110内において冷却風路となる空間である。ダクト201〜203は、筐体110の背面に設けられた吸気口110a〜110cから筐体110内に冷却風である外気を取り入れ、筐体110の前面に設けられた排気口110d〜110fから排出する。冷却ファン121〜127は、外部から筐体110内に外気を取り入れ、冷却対象である光学系部品および電子部品の発熱を外部に放出して高温化を抑制するファンである。
ダクト201は、緑色用光源105、制御部107および電源部108を冷却対象とする。ダクト201は、緑色用光源105、制御部107および電源部108からの熱を冷却する冷却ファン121,124,126を格納する。ダクト201において、吸気口110aから排気口110dへの冷却風路には、上流側から下流側へ順に、冷却ファン121、緑色用光源105のヒートパイプ142、冷却ファン124、制御部107および電源部108、冷却ファン126が配置されている。ダクト201の吸気口110aには、この吸気口110aから取り入れる外気の温度を検出する外気センサ161が配置されている。
ダクト202は、赤色用光源104、青色用光源106および電源部108を冷却対象とする。ダクト202は、赤色用光源104、青色用光源106および電源部108からの熱を冷却する冷却ファン122,125,127を格納する。ダクト202において、吸気口110bから排気口110eへの冷却風路には、上流側から下流側へ順に、冷却ファン122、赤色用光源104のヒートパイプ141、冷却ファン125、青色用光源106のヒートパイプ143、電源部108、冷却ファン127が配置されている。ダクト202の吸気口110bには、この吸気口110bから取り入れる外気の温度を検出する外気センサ162が配置されている。
ダクト203は、表示素子102を冷却対象とする。ダクト203は、表示素子102からの熱を冷却する冷却ファン123を格納する。ダクト203において、吸気口110cから排気口110fへの冷却風路には、上流側から下流側へ順に、冷却ファン123、表示素子102の冷却モジュール131が配置されている。ダクト203の吸気口110cには、この吸気口110cから取り入れる外気の温度を検出する外気センサ163が配置されている。
<投射型映像表示装置の冷却のための基本構造例>
本実施の形態のような投射型映像表示装置では、例えば、光源として用いるLEDを冷却するための空気を取り入れる吸気口が塞がれる場所に設置される場合がある。このような場合の動作では、吸気口が塞がれることによってダクト内に冷却風が流れず、LEDの温度が上昇し、規定の温度以上になると、LEDの寿命の低下につながる。そのため、吸気口が塞がれたときでも、適切な温度以下に制御する必要がある。
特に、赤色用光源のLED、緑色用光源のLEDおよび青色用光源のLEDからなり、各LEDに対応する冷却風路となるダクトが複数設けられる構造では、LEDの寿命の低下は顕著となる。例えば、複数のLEDのうちのあるLEDに対応するダクトの吸気口が塞がれると、このLEDを冷却することができないため、他のLEDに比べて寿命の低下が速くなり、装置全体の寿命も著しく低下することにつながる。
さらに、投射型映像表示装置では、LEDの光源以外に、表示素子、制御部、電源部なども発熱し、これらの部品も適切な温度以下に制御することが望ましい。すなわち、投射型映像表示装置では、光学系部品および電子部品として、光源、表示素子、制御部および電源部などを含む複数の発熱部材を有するが、これらの発熱部材を適切な温度以下に制御することが望ましい。
そこで本実施の形態では、光学系部品および電子部品を有する構成において、複数のダクトのうちのあるダクトの吸気口が塞がれた場合でも、吸気口が塞がれたダクトへの冷却風路を確保する投射型映像表示装置を提供するものである。
図10は、本実施の形態における投射型映像表示装置100の冷却のための基本構造の一例を示す説明図である。図10は、投射型映像表示装置100を上面から見た投射型映像表示装置100の内部レイアウトの概略を示している。
本実施の形態における投射型映像表示装置100は、図10に示すように、冷却対象の光学系部品または電子部品であって、熱を発する複数の発熱部材として、第1の発熱部材である緑色用光源105、制御部107および電源部108と、第2の発熱部材である赤色用光源104、青色用光源106および電源部108と、第3の発熱部材である表示素子102と、を含む。
本実施の形態における投射型映像表示装置100は、図10に示すように、冷却風路となる複数のダクトとして、第1のダクト201と、第1のダクト201に隣接する第2のダクト202と、第2のダクト202に隣接する第3のダクト203と、を含む。
第1のダクト201は、複数の発熱部材のうちの第1の発熱部材からの熱を冷却するためのものである。第1のダクト201は、第1の発熱部材である緑色用光源105、制御部107および電源部108からの熱を冷却する第1、第2および第3の冷却ファン121,126,124を格納する。第1の冷却ファン121は第1のダクト201の吸気口110a側に配置され、第2の冷却ファン126は第1のダクト201の排気口110d側に配置され、第3の冷却ファン124は第1のダクト201の吸気口110aと排気口110dとの間に配置されている。
第1のダクト201において、第1の冷却ファン121と第3の冷却ファン124との間には、緑色用光源105のヒートパイプ142(フィン部142c)が配置されている。第1のダクト201において、第3の冷却ファン121と第2の冷却ファン126との間には、制御部107および電源部108が配置されている。第1のダクト201において、冷却風301は、吸気口110aから取り入れて、排気口110dから排出される。
第1のダクト201において、吸気口110aから排気口110dへの冷却風301の通路には、上流側から下流側へ順に、第1の冷却ファン121、緑色用光源105のヒートパイプ142、第3の冷却ファン124、制御部107および電源部108、第2の冷却ファン126が配置されている。
第2のダクト202は、複数の発熱部材のうちの第2の発熱部材からの熱を冷却するためのものである。第2のダクト202は、第2の発熱部材である赤色用光源104、青色用光源106および電源部108からの熱を冷却する第4、第5および第6の冷却ファン122,127,125を格納する。第4の冷却ファン122は第2のダクト202の吸気口110b側に配置され、第5の冷却ファン127は第2のダクト202の排気口110e側に配置され、第6の冷却ファン125は第2のダクト202の吸気口110bと排気口110eとの間に配置されている。
第2のダクト202において、第4の冷却ファン122と第6の冷却ファン125との間には、赤色用光源104のヒートパイプ141(フィン部141c)が配置されている。第2のダクト202において、第6の冷却ファン125と第5の冷却ファン127との間には、青色用光源106のヒートパイプ143(フィン部143c)および電源部108が配置されている。第2のダクト202において、冷却風302は、吸気口110bから取り入れて、排気口110eから排出される。
第2のダクト202において、吸気口110bから排気口110eへの冷却風302の通路には、上流側から下流側へ順に、第4の冷却ファン122、赤色用光源104のヒートパイプ141、第6の冷却ファン125、青色用光源106のヒートパイプ143、電源部108、第5の冷却ファン127が配置されている。
第3のダクト203は、複数の発熱部材のうちの第3の発熱部材からの熱を冷却するためのものである。第3のダクト203は、第3の発熱部材である表示素子102からの熱を冷却する第7の冷却ファン123を格納する。第7の冷却ファン123は第3のダクト203の吸気口110c側に配置されている。
第3のダクト203において、第7の冷却ファン123の下流には、表示素子102の冷却モジュール131が配置されている。第3のダクト203において、冷却風303は、吸気口110cから取り入れて、排気口110fから排出される。
第3のダクト203において、吸気口110cから排気口110fへの冷却風303の通路には、上流側から下流側へ順に、第7の冷却ファン123、表示素子102の冷却モジュール131が配置されている。
本実施の形態における投射型映像表示装置100は、第1のダクト201の吸気口110a、第2のダクト202の吸気口110bおよび第3のダクト203の吸気口110cのうちのあるダクトの吸気口が塞がれた場合でも、吸気口が塞がれたダクトへの冷却風路を確保するために開口部を有する構造になっている。詳細は後述(図11〜図18:冷却構造例1〜8)するが、第1のダクト201と第2のダクト202との間の壁面211、第2のダクト202と第3のダクト203との間の壁面212、またはその両方の壁面211,212に開口部221,222,223を有する。
本実施の形態における投射型映像表示装置100において、開口部221,222,223は、発熱部材の近傍に設けられている。この近傍とは、例えば、開口部221,222,223から誘導される冷却風が発熱部材に届く範囲内の位置である。
例えば、開口部221は、赤色用光源104のヒートパイプ141および緑色用光源105のヒートパイプ142の近傍に設けられている。開口部222は、赤色用光源104のヒートパイプ141および緑色用光源105のヒートパイプ142の近傍に設けられている。開口部223は、青色用光源106のヒートパイプ143および表示素子102の冷却モジュール131の近傍に設けられている。
本実施の形態における投射型映像表示装置100において、開口部221,222,223から流出する冷却風は、発熱部材の方向に誘導される。
例えば、開口部221から流出する冷却風は、第1のダクト201において、緑色用光源105のヒートパイプ142、制御部107および電源部108の方向に誘導される。開口部221から流出する冷却風は、第2のダクト202において、青色用光源106のヒートパイプ143および電源部108の方向に誘導される。
開口部222から流出する冷却風は、第2のダクト2021において、青色用光源106のヒートパイプ143および電源部108の方向に誘導される。開口部222から流出す冷却風は、第3のダクト203において、表示素子102の冷却モジュール131の方向に誘導される。
開口部223から流出す冷却風は、第2のダクト202において、青色用光源106のヒートパイプ143および電源部108の方向に誘導される。開口部223から流出す却風は、第3のダクト203において、表示素子102の冷却モジュール131の方向に誘導される。
本実施の形態における投射型映像表示装置100において、開口部221,222,223は、発熱部材の温度を検出した結果を元に任意のダクト(例えば温度が上昇した発熱部材が配置されているダクト)に冷却風を誘導し、その風量を制御する制御板231,232,233(図28、図29)を有する。
例えば、開口部221,222,223に有する制御板231,232,233は、開口部221,222,223を開閉可能であり、開くことで開口部221,222,223から冷却風が誘導され、閉じた状態では開口部221,222,223からの冷却風の誘導はない。また、制御板231,232,233を開く開口量により、開口部221,222,223から誘導される冷却風の風量も制御される。
本実施の形態における投射型映像表示装置100において、開口部221,222,223の下流側には、発熱部材のうちの少なくとも1つの温度を管理する必要がある部品が配置されている。
例えば、温度を管理する必要がある部品として、開口部221の下流側には、第1のダクト201において、緑色用光源105のヒートパイプ142、制御部107および電源部108が配置されている。開口部221の下流側には、第2のダクト202において、青色用光源106のヒートパイプ143および電源部108が配置されている。
開口部222の下流側には、第2のダクト2021において、青色用光源106のヒートパイプ143および電源部108が配置されている。開口部222の下流側には、第3のダクト203において、表示素子102の冷却モジュール131が配置されている。
開口部223の下流側には、第2のダクト202において、青色用光源106のヒートパイプ143および電源部108が配置されている。開口部223の下流側には、第3のダクト203において、表示素子102の冷却モジュール131が配置されている。
以下において、本実施の形態における投射型映像表示装置100の冷却のための基本構造例に基づいた各冷却構造例1〜8を詳細に説明する。
<冷却構造例1>
図11は、本実施の形態における投射型映像表示装置100の冷却構造例1を示す説明図である。図11は、上述した図10と同様に、投射型映像表示装置100を上面から見た投射型映像表示装置100の内部レイアウトの概略を示している。後述する図12〜図18も同様である。
冷却構造例1は、図11に示すように、第2のダクト202の吸気口110bが塞がれた場合(吸気口塞ぎの部分は長方形に×印を付加して図示、後述する図12〜図18も同様)の例である。冷却構造例1は、第2のダクト202と第3のダクト203との間の壁面212に第1の開口部222を有する。
第2のダクト202の吸気口110bが塞がれた場合に、第1の開口部222から流出する冷却風303aは、第3のダクト203から第2のダクト202への方向に誘導される。すなわち、第1の開口部222から流出する冷却風303aは、第3のダクト203を流れる冷却風303から分かれて、第2のダクト202へ冷却風303bとして誘導される。
これにより、第2のダクト202の吸気口110bが塞がれた場合でも、この吸気口110bが塞がれた第2のダクト202への冷却風路を確保して、第3のダクト203から第2のダクト202へ誘導される冷却風303a,303bで、第2の発熱部材である赤色用光源104、青色用光源106および電源部108を冷却することができる。
なお、冷却構造例1では、第1のダクト201および第3のダクト203への冷却風路は確保できているので、第1の発熱部材である緑色用光源105、制御部107および電源部108、および、第3の発熱部材である表示素子102の冷却も行われる。
<冷却構造例2>
図12は、本実施の形態における投射型映像表示装置100の冷却構造例2を示す説明図である。
冷却構造例2は、図12に示すように、第3のダクト203の吸気口110cが塞がれた場合の例である。冷却構造例2は、第2のダクト202と第3のダクト203との間の壁面212に第2の開口部223を有する。
第3のダクト203の吸気口110cが塞がれた場合に、第2の開口部223から流出する冷却風302aは、第2のダクト202から第3のダクト203への方向に誘導される。すなわち、第2の開口部223から流出する冷却風302aは、第2のダクト202を流れる冷却風302から分かれて、第3のダクト203へ誘導される。
これにより、第3のダクト203の吸気口110cが塞がれた場合でも、この吸気口110cが塞がれた第3のダクト203への冷却風路を確保して、第2のダクト202から第3のダクト203へ誘導される冷却風302aで、第3の発熱部材である表示素子102を冷却することができる。
なお、冷却構造例2では、第1のダクト201および第2のダクト202への冷却風路は確保できているので、第1の発熱部材である緑色用光源105、制御部107および電源部108、および、第2の発熱部材である赤色用光源104、青色用光源106および電源部108の冷却も行われる。
<冷却構造例3>
図13は、本実施の形態における投射型映像表示装置100の冷却構造例3を示す説明図である。
冷却構造例3は、図13に示すように、第2のダクト202の吸気口110bが塞がれた場合の例である。冷却構造例3は、第1のダクト201と第2のダクト202との間の壁面211に第3の開口部221を有する。
第2のダクト202の吸気口110bが塞がれた場合に、第3の開口部221から流出する冷却風301aは、第1のダクト201から第2のダクト202への方向に誘導される。すなわち、第3の開口部221から流出する冷却風301aは、第1のダクト201を流れる冷却風301から分かれて、第2のダクト202へ冷却風301bとして誘導される。
これにより、第2のダクト202の吸気口110bが塞がれた場合でも、この吸気口110bが塞がれた第2のダクト202への冷却風路を確保して、第1のダクト201から第2のダクト202へ誘導される冷却風301a,301bで、第2の発熱部材である赤色用光源104、青色用光源106および電源部108を冷却することができる。
なお、冷却構造例3では、第1のダクト201および第3のダクト203への冷却風路は確保できているので、第1の発熱部材である緑色用光源105、制御部107および電源部108、および、第3の発熱部材である表示素子102の冷却も行われる。
<冷却構造例4>
図14は、本実施の形態における投射型映像表示装置100の冷却構造例4を示す説明図である。
冷却構造例4は、図14に示すように、第1のダクト201の吸気口110aが塞がれた場合の例である。冷却構造例4は、第1のダクト201と第2のダクト202との間の壁面211に第3の開口部221を有する。
第1のダクト201の吸気口110aが塞がれた場合に、第3の開口部221から流出する冷却風302aは、第2のダクト202から第1のダクト201への方向に誘導される。すなわち、第3の開口部221から流出する冷却風302aは、第2のダクト202を流れる冷却風302から分かれて、第1のダクト201へ冷却風302bとして誘導される。
これにより、第1のダクト201の吸気口110aが塞がれた場合でも、この吸気口110aが塞がれた第1のダクト201への冷却風路を確保して、第2のダクト202から第1のダクト201へ誘導される冷却風302a,302bで、第1の発熱部材である緑色用光源105、制御部107および電源部108を冷却することができる。
なお、冷却構造例4では、第2のダクト202および第3のダクト203への冷却風路は確保できているので、第2の発熱部材である赤色用光源104、青色用光源106および電源部108、および、第3の発熱部材である表示素子102の冷却も行われる。
<冷却構造例5>
図15は、本実施の形態における投射型映像表示装置100の冷却構造例5を示す説明図である。
冷却構造例5は、図15に示すように、第2のダクト202の吸気口110bが塞がれた場合の例である。冷却構造例5は、第1のダクト201と第2のダクト202との間の壁面211に第3の開口部221を有する。第2のダクト202と第3のダクト203との間の壁面212に第1の開口部222を有する。
第2のダクト202の吸気口110bが塞がれた場合に、第3の開口部221および第1の開口部222から流出する冷却風301b、303bは、第1のダクト201および第3のダクト203から第2のダクト202への方向に誘導される。すなわち、第3の開口部221から流出する冷却風301bは、第1のダクト201を流れる冷却風301から分かれて、第2のダクト202へ冷却風301cとして誘導される。かつ、第1の開口部222から流出する冷却風303bは、第3のダクト203を流れる冷却風303から分かれて、第2のダクト202へ冷却風303cとして誘導される。
これにより、第2のダクト202の吸気口110bが塞がれた場合でも、この吸気口110bが塞がれた第2のダクト202への冷却風路を確保して、第1のダクト201および第3のダクト203から第2のダクト202へ誘導される冷却風301b,301c,303b,303cで、第2の発熱部材である赤色用光源104、青色用光源106および電源部108を冷却することができる。
なお、冷却構造例5では、第1のダクト201および第3のダクト203への冷却風路は確保できているので、第1の発熱部材である緑色用光源105、制御部107および電源部108、および、第3の発熱部材である表示素子102の冷却も行われる。
<冷却構造例6>
図16は、本実施の形態における投射型映像表示装置100の冷却構造例6を示す説明図である。
冷却構造例6は、図16に示すように、第1のダクト201および第2のダクト202の吸気口110a,110bが塞がれた場合の例である。冷却構造例6は、第1のダクト201と第2のダクト202との間の壁面211に第3の開口部221を有する。第2のダクト202と第3のダクト203との間の壁面212に第1の開口部222を有する。
第1のダクト201および第2のダクト202の吸気口110a,110bが塞がれた場合に、第1の開口部222から流出する冷却風303aは、第3のダクト203から第2のダクト202への方向に誘導される。さらに、第3の開口部221から流出する冷却風303cは、第2のダクト202から第1のダクト201への方向に誘導される。すなわち、第1の開口部222から流出する冷却風303aは、第3のダクト203を流れる冷却風303から分かれて、第2のダクト202へ冷却風303bとして誘導される。さらに、第3の開口部221から流出する冷却風303cは、第2のダクト202を流れる冷却風303bから分かれて、第1のダクト201へ冷却風303dとして誘導される。
これにより、第1のダクト201および第2のダクト202の吸気口110a,110bが塞がれた場合でも、これらの吸気口110a,110bが塞がれた第1のダクト201および第2のダクト202への冷却風路を確保して、第3のダクト203から第2のダクト202へ、さらに、第2のダクト202から第1のダクト201へ誘導される冷却風303a,303b,303c,303dで、第1の発熱部材である緑色用光源105、制御部107および電源部108、および、第2の発熱部材である赤色用光源104、青色用光源106および電源部108を冷却することができる。
なお、冷却構造例6では、第3のダクト203への冷却風路は確保できているので、第3の発熱部材である表示素子102の冷却も行われる。
<冷却構造例7>
図17は、本実施の形態における投射型映像表示装置100の冷却構造例7を示す説明図である。
冷却構造例7は、図17に示すように、第2のダクト202および第3のダクト203の吸気口110b,110cが塞がれた場合の例である。冷却構造例7は、第1のダクト201と第2のダクト202との間の壁面211に第3の開口部221を有する。第2のダクト202と第3のダクト203との間の壁面212に第2の開口部223を有する。
第2のダクト202および第3のダクト203の吸気口110b,110cが塞がれた場合に、第3の開口部221から流出する冷却風301bは、第1のダクト201から第2のダクト202への方向に誘導され、さらに、第2の開口部223から流出する冷却風301dは、第2のダクト202から第3のダクト203への方向に誘導される。すなわち、第3の開口部221から流出する冷却風301bは、第1のダクト201を流れる冷却風301から分かれて、第2のダクト202へ冷却風301cとして誘導される。さらに、第2の開口部223から流出する冷却風301dは、第2のダクト202を流れる冷却風301cから分かれて、第3のダクト203へ誘導される。
これにより、第2のダクト202および第3のダクト203の吸気口110b,110cが塞がれた場合でも、これらの吸気口110b,110cが塞がれた第2のダクト202および第3のダクト203への冷却風路を確保して、第1のダクト201から第2のダクト202へ、さらに、第2のダクト202から第3のダクト203へ誘導される冷却風301b,301c,301dで、第2の発熱部材である赤色用光源104、青色用光源106および電源部108、および、第3の発熱部材である表示素子102を冷却することができる。
なお、冷却構造例7では、第1のダクト201への冷却風路は確保できているので、第1の発熱部材である緑色用光源105、制御部107および電源部108の冷却も行われる。
<冷却構造例8>
図18は、本実施の形態における投射型映像表示装置100の冷却構造例8を示す説明図である。
冷却構造例8は、図18に示すように、第1のダクト201および第3のダクト203の吸気口110a,110cが塞がれた場合の例である。冷却構造例8は、第1のダクト201と第2のダクト202との間の壁面211に第3の開口部221を有する。第2のダクト202と第3のダクト203との間の壁面212に第2の開口部223を有する。
第1のダクト201および第3のダクト203の吸気口110a,110cが塞がれた場合に、第3の開口部221から流出する冷却風302bは、第2のダクト202から第1のダクト201への方向に誘導され、さらに、第2の開口部223から流出する冷却風302dは、第2のダクト202から第3のダクト203への方向に誘導される。すなわち、第3の開口部221から流出する冷却風302bは、第2のダクト202を流れる冷却風302から分かれて、第1のダクト201へ冷却風302cとして誘導される。さらに、第2の開口部223から流出する冷却風302dは、第2のダクト202を流れる冷却風302aから分かれて、第3のダクト203へ誘導される。
これにより、第1のダクト201および第3のダクト203の吸気口110a,110cが塞がれた場合でも、これらの吸気口110a,110cが塞がれた第1のダクト201および第3のダクト203への冷却風路を確保して、第2のダクト202から第1のダクト201および第3のダクト203へ誘導される冷却風302b,302c,302dで、第1の発熱部材である緑色用光源105、制御部107および電源部108、および、第3の発熱部材である表示素子102を冷却することができる。
なお、冷却構造例8では、第2のダクト202への冷却風路は確保できているので、第2の発熱部材である赤色用光源104、青色用光源106および電源部108の冷却も行われる。
<外気センサの動作例1>
図19は、本実施の形態における投射型映像表示装置100の外気センサの動作例1を示すフロー図である。
外気センサ161は、第1のダクト201に外部から取り入れる冷却風301(外気)の温度を検出する第2のセンサである。外気センサ162は、第2のダクト202に外部から取り入れる冷却風302(外気)の温度を検出する第2のセンサである。外気センサ163は、第3のダクト203に外部から取り入れる冷却風303(外気)の温度を検出する第2のセンサである。これらの外気センサ161,162,163は、各ダクト201,202,203の吸気口110a,110b,110cに配置されている。
図19に示すように、外気センサ161により、第1のダクト201に外部から取り入れる外気の温度を検出する(S11)。この外気センサ161で検出した温度は、投射型映像表示装置100内の制御部107に送られ、そして、制御部107において、この検出した温度のオフセット調整を行う(S12)。同様に、外気センサ162により、第2のダクト202に外部から取り入れる外気の温度を検出し、そして、制御部107において、この検出した温度のオフセット調整を行う(S13、S14)。同様に、外気センサ163により、第3のダクト203に外部から取り入れる外気の温度を検出し、そして、制御部107において、この検出した温度のオフセット調整を行う(S15、S16)。
次に、制御部107において、オフセット調整後の各ダクト201,202,203の3箇所の温度を元に、例えば、最も高い温度を選択する(S17)。そして、この選択した最も高い温度と温度保護の閾値との比較判定を行う(S18)。この結果、最も高い温度が温度保護の閾値未満の場合は、最も高い温度を元に冷却ファン121〜127の回転数を設定する(S19)。一方、最も高い温度が温度保護の閾値以上の場合は、温度保護のためにシャットダウンする(S20)。
ここでは、最も高い温度と温度保護の閾値との比較判定を行ったが、これに限定されるものではない。例えば、最も高い温度と最も低い温度との温度差と温度保護の閾値との比較判定を行う場合、3箇所の温度の平均値と温度保護の閾値との比較判定を行う場合などでもよい。
また、後述(図28、図29)するが、外気センサ161、外気センサ162および外気センサ163で検出した温度を元に、隣接するダクト間の壁面に設けられた開口部221,222,223に有する制御板231,232,233が制御される。
<外気センサの動作例2>
図20は、本実施の形態における投射型映像表示装置100の外気センサの動作例2を示すフロー図である。図20は、外気センサが、外気センサ161と163との2個の例である。これに限らず、外気センサが、外気センサ161と161との2個の例、外気センサ162と163との2個の例でも同様である。
図20は、外気センサ161と外気センサ163とが配置された場合の例である。図20に示すように、外気センサ161により、第1のダクト201に外部から取り入れる外気の温度を検出する(S31)。同様に、外気センサ163により、第3のダクト203に外部から取り入れる外気の温度を検出する(S33)。そして、制御部107において、これらの検出した温度のオフセット調整を行う(S32、S34)。
次に、制御部107において、オフセット調整後の各ダクト201,203の2箇所の温度を元に、例えば、高い方の温度を選択し、この選択した高い方の温度と温度保護の閾値との比較判定を行う(S35、S36)。この結果、高い方の温度が温度保護の閾値未満の場合は、高い方の温度を元に冷却ファン121〜127の回転数を設定する(S37)。一方、高い方の温度が温度保護の閾値以上の場合は、温度保護のためにシャットダウンする(S38)。
<保護センサの動作例>
図21は、本実施の形態における投射型映像表示装置100の保護センサの動作例を示すフロー図である。
保護センサ151は、赤色用光源104の温度を検出する第1のセンサである。保護センサ152は、緑色用光源105の温度を検出する第1のセンサである。保護センサ153は、青色用光源106の温度を検出する第1のセンサである。保護センサ154は、表示素子102の温度を検出する第1のセンサである。これらの保護センサ151〜154は、各部品の近傍に配置されている。
図21に示すように、保護センサ151、保護センサ152、保護センサ153および保護センサ154の各保護センサにより、赤色用光源104、緑色用光源105、青色用光源106および表示素子102の各部品の温度を検出する(S51)。この各保護センサ151〜154で検出した温度は、投射型映像表示装置100内の制御部107に送られる。
そして、制御部107において、検出した各部品の温度と温度保護の閾値との比較判定を行う(S52)。この結果、検出した各部品の温度が温度保護の閾値未満の場合は、動作を継続する(S53)。一方、検出した各部品の温度が温度保護の閾値以上の場合は、温度保護のためにシャットダウンする(S54)。
また、後述(図28、図29)するが、保護センサ151、保護センサ152、保護センサ153および保護センサ154で検出した温度を元に、隣接するダクト間の壁面に設けられた開口部221,222,223に有する制御板231,232,233が制御される。
<外気センサを用いた外気温度追従による冷却ファン可変速設定例>
図22は、本実施の形態における投射型映像表示装置100の外気センサを用いた外気温度追従による冷却ファン可変速設定例を示す説明図である。図23は、図22に対応する外気温度による部品温度変動例を示す説明図である。
図22において、横軸は外気温度(℃)を示し、縦軸は冷却ファン回転数(rpm)を示している。例えば、外気温度がT1以下では、冷却ファン回転数はR1の一定値に設定される。さらに、外気温度がT1からT3への範囲では、冷却ファン回転数はR1からR3へ直線的に増加する値に設定される。このT1からT3への範囲において、外気温度T3の検出においてバラツキがあり、このバラツキ時の外気温度の検出値T2では、冷却ファン回転数はR1からR3への間のR2の設定値となる。そして、外気温度がT3以上では、冷却ファン回転数はR3の一定値に設定される。
図23において、横軸は外気温度(℃)を示し、縦軸は部品温度(℃)を示している。例えば、外気温度がT1以下では、冷却ファン回転数はR1の一定値に設定されるため、部品温度はTP1からTP3へ上昇する。さらに、外気温度がT1からT3への範囲では、冷却ファン回転数はR1からR3へ直線的に増加する値(変化)に設定されるため、部品温度はTP3にほぼ一定となる。そして、外気温度がT3以上では、冷却ファン回転数はR3の一定値に設定されるため、部品温度はTP3からTP4へ上昇し続ける。
<外気センサおよび保護センサを用いた開口部の制御例>
図24は、本実施の形態における投射型映像表示装置100の外気センサおよび保護センサを用いた開口部の制御例を示す説明図である。図24において、(a)は本実施の形態を示し、(b)は本実施の形態に対する比較例を示している。
本実施の形態では、図24(a)に示すように、例えば、隣接する第1のダクト201および第2のダクト202は、第1のダクト201と第2のダクト202との間の壁面211に開口部221を有する。この開口部221は、光学系部品または電子部品であって、熱を発する発熱部材(赤色用光源104、緑色用光源105、青色用光源106、表示素子102、制御部107、電源部108)の近傍(例えば開口部221から誘導される冷却風が発熱部材に届く範囲内の位置)に設けられている。
図24(a)の例のように、第1のダクト201の吸気口110aが塞がれた場合に、開口部221から流出する冷却風は、第2のダクト202から第1のダクト201内の部品の方向に誘導される。これにより、第1のダクト201の吸気口110aが塞がれた場合でも、第1のダクト201内の部品に冷却風を供給できるので、部品の温度の上昇を抑えて、寿命の低下を抑制することができる。
一方、本実施の形態に対する比較例では、図24(b)に示すように、隣接する第1のダクト201と第2のダクト202との間の壁面211に開口部がない。このため、第1のダクト201の吸気口110aが塞がれた場合に、第1のダクト201内の部品に冷却風を供給できないので、部品の温度が上昇し、寿命の低下につながる。
よって、本実施の形態と本実施の形態に対する比較例とを比較した場合に、比較例では、相対的に、第1のダクト201に配置される部品の温度が高温になり、第2のダクト202に配置される部品の温度は低温のままである。この比較例では、第1のダクト201に配置される部品の寿命が短くなり、投射型映像表示装置100の装置全体としての寿命も短くなる。
これに対して、本実施の形態では、第1のダクト201に配置される部品と第2のダクト202に配置される部品との温度を中間の温度とすることができる。本実施の形態では、第1のダクト201に配置される部品および第2のダクト202に配置される部品の寿命が長くなり、投射型映像表示装置100の装置全体としての寿命も長くなる。
図25は、本実施の形態における投射型映像表示装置100の外気センサを用いた開口部の制御例1を示す説明図である。
外気センサ161、外気センサ162および外気センサ163を用いた開口部221〜223の制御(図11〜図18:冷却構造例1〜8)では、フィードフォワードによる制御が行われる。
図25に示すように、外気センサ161、外気センサ162および外気センサ163の温度上昇がある場合(開口部の塞ぎ無しの判断)には、開口制御はしない。この開口制御はしないとは、開口部221,222,223に有する制御板231,232,233を閉じた状態である。
外気センサ161および外気センサ162の温度上昇があり、外気センサ163の温度変化がない場合には、冷却構造例6を実施する。外気センサ162および外気センサ163の温度上昇があり、外気センサ161の温度変化がない場合には、冷却構造例7を実施する。外気センサ161および外気センサ163の温度上昇があり、外気センサ162の温度変化がない場合には、冷却構造例8を実施する。
外気センサ161の温度上昇があり、外気センサ162および外気センサ163の温度変化がない場合には、冷却構造例4を実施する。外気センサ162の温度上昇があり、外気センサ161および外気センサ163の温度変化がない場合には、冷却構造例1,3,5を実施する。外気センサ163の温度上昇があり、外気センサ161および外気センサ162の温度変化がない場合には、冷却構造例2を実施する。
外気センサ161、外気センサ162および外気センサ163の温度変化がない場合(開口部の塞ぎ無しの判断)には、開口制御はしない。
図26は、本実施の形態における投射型映像表示装置100の外気センサを用いた開口部の制御例2を示す説明図である。図26は、外気センサが、外気センサ161と163との2個の例である。これに限らず、外気センサが、外気センサ161と161との2個の例、外気センサ162と163との2個の例でも同様である。
外気センサ161および外気センサ163を用いた開口部221〜223の制御(図11〜図18:冷却構造例1〜8)では、フィードフォワードによる制御が行われる。
図26に示すように、外気センサ161の温度上昇があり、外気センサ163の温度変化がない場合には、冷却構造例4,6,8を実施する。外気センサ163の温度上昇があり、外気センサ161の温度変化がない場合には、冷却構造例2,7,8を実施する。
図27は、本実施の形態における投射型映像表示装置100の保護センサを用いた開口部の制御例を示す説明図である。
保護センサ152、保護センサ151,153および保護センサ154を用いた開口部221〜223の制御(図11〜図18:冷却構造例1〜8)では、フィードバックによる制御が行われる。
図27に示すように、保護センサ152の温度上昇があり、保護センサ151,153,154の温度変化がない場合には、冷却構造例4を実施する。保護センサ151,153の温度上昇があり、保護センサ152,154の温度変化がない場合には、冷却構造例1,3,5を実施する。保護センサ154の温度上昇があり、保護センサ152,151,153の温度変化がない場合には、冷却構造例2を実施する。
保護センサ152および保護センサ151,153の温度上昇があり、保護センサ154の温度変化がない場合には、冷却構造例6を実施する。保護センサ151,153,154の温度上昇があり、保護センサ152の温度変化がない場合には、冷却構造例7を実施する。保護センサ152,154の温度上昇があり、保護センサ151,153の温度変化がない場合には、冷却構造例8を実施する。
<開口部の制御板の形状例>
図28は、本実施の形態における投射型映像表示装置100の開口部の制御板の形状例1を示す説明図である。
図28に示すように、例えば、隣接する第1のダクト201と第2のダクト202との間の壁面211に設けられた開口部221は、光学系部品または電子部品であって、熱を発する発熱部材の温度を検出した結果を元に任意のダクト(例えば温度が上昇した発熱部材が配置されているダクト)に冷却風を誘導し、その風量を制御する制御板を有する。隣接する第2のダクト202と第3のダクト203との間の壁面212に設けられた開口部222についても同様である。
図28は、開口部221に、2つの制御板231,232を有する例である。この例は、例えば、第1のダクト201と第2のダクト202との間の壁面211に設けられた開口部221に、第1のダクト201側に開く第1の制御板231と、第2のダクト202側に開く第2の制御板232と、を有する。これらの制御板231,232の開閉は、例えば、制御板231,232の一端と他端との間に沿って移動する電動ポール241,242により行う。制御板231,232は、一端が壁面211に支持され、他端がこの他端と壁面211との間に設けられたバネ251,252の弾性力により開くことが可能な構造になっている。
制御板231,232が閉じている状態では、電動ポール241,242が制御板231,232の他端側に位置する。この状態から、制御板231,232を開く場合には、電動ポール241,242を制御板231,232の他端側から一端側へ移動させることで、バネ251,252の弾性力により制御板231,232の他端側が開く。
図28(a)では、第1の制御板231が開き、第2の制御板232が閉じた状態を示している。第1の制御板231が開いた状態では、開口部221から流出する冷却風は、第1のダクト201から第2のダクト202への方向に誘導される。
図28(b)では、第1の制御板231が閉じ、第2の制御板232が開いた状態を示している。第2の制御板232が開いた状態では、開口部221から流出する冷却風は、第2のダクト202から第1のダクト201への方向に誘導される。
制御板231,232の開く開口量OP1により、誘導する冷却風の風量を制御する。開口量OP1が大きい場合には、誘導する冷却風の風量は多くなり、開口量OP1が小さい場合には、誘導する冷却風の風量は少なくなる。
図29は、本実施の形態における投射型映像表示装置100の開口部の制御板の形状例2を示す説明図である。
図29は、1つの制御板233を有する例である。この例は、例えば、第2のダクト202と第3のダクト203との間の壁面212に設けられた開口部223に、第2のダクト202側に開く第1の制御板233を有する。この制御板233の開閉は、電動ポール243およびバネ253を用いて、図28の例と同様に行われる。制御板233の開く開口量OP2は、例えば、図28の開口量OP1よりは小さくなっており、誘導する冷却風の風量は図28の例よりも少ない。
<実施の形態の効果>
以上説明した本実施の形態における投射型映像表示装置100によれば、複数のダクト201〜203の隣接するダクト間の壁面211,212に開口部221〜223を有することで、複数のダクト201〜203のうちのあるダクトの吸気口110a〜110cが塞がれた場合でも、吸気口110a〜110cが塞がれたダクト201〜203への冷却風路を確保することができる。
さらに、開口部221〜223から流出する冷却風は、赤色用光源104、緑色用光源105、青色用光源106、表示素子102、制御部107または電源部108の方向に誘導することができる。
また、開口部221〜223に制御板231〜233を有することで、赤色用光源104、緑色用光源105、青色用光源106または表示素子102の温度を検出した結果を元に任意のダクトに冷却風を誘導し、その風量を制御することができる。
また、開口部221〜223の下流側には、赤色用光源104、緑色用光源105、青色用光源106、表示素子102、制御部107または電源部108を配置して、これらの部品の温度を管理することができる。
以上の代表的な効果以外の他の効果は、上述した実施の形態の各項目において説明した通りである。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
変形例の一例は、複数の発熱部材として、赤色用光源と、緑色用光源と、青色用光源との3色の光源を含む場合の観点においては、以下の構成となる。第1のダクトは、複数の発熱部材のうちの第1の発熱部材からの熱を冷却するためのものであり、第1の発熱部材には、3色の光源のうち1色の光源を含む。第2のダクトは、複数の発熱部材のうちの第2の発熱部材からの熱を冷却するためのものであり、第2の発熱部材には、3色の光源のうち少なくとも他の1色の光源を含む。第3のダクトは、複数の発熱部材のうちの第3の発熱部材からの熱を冷却するためのものであり、第3の発熱部材には、表示素子を含む。
変形例の他の一例は、複数の発熱部材として、赤色用光源と、緑色用光源と、青色用光源との3色の光源と、表示素子と、赤色用光源、緑色光源、青色用光源および表示素子を駆動する制御部と、制御部に電力を供給する電源部と、を含む場合の観点においては、以下の構成となる。第1のダクトは、複数の発熱部材のうちの第1の発熱部材からの熱を冷却するためのものであり、第1の発熱部材には、3色の光源のうち1色の光源と、3色の光源のうち1色の光源を駆動する制御部および電源部を含む。第2のダクトは、複数の発熱部材のうちの第2の発熱部材からの熱を冷却するためのものであり、第2の発熱部材には、3色の光源のうち少なくとも他の1色の光源と、3色の光源のうち少なくとも1色の光源を駆動する制御部および電源部を含む。第3のダクトは、複数の発熱部材のうちの第3の発熱部材からの熱を冷却するためのものであり、第3の発熱部材には、表示素子を含む。
また、上記した実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。例えば、冷却構造例は、適宜、組み合わせるなどして変更することが可能である。また、開口部の数や位置などについても、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。