JP2013125059A - レンズユニット、その製造方法、レンズユニット複合体およびその製造方法 - Google Patents

レンズユニット、その製造方法、レンズユニット複合体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】1または2以上のレンズ部および樹脂スペーサーを有するレンズユニットの製造方法であって、樹脂スペーサーの形状を自由に選択することが可能であり、かつ製造コストが低いレンズユニットの製造方法を提供すること。
【解決手段】レンズユニットの製造方法は、第1の基板および前記第1の基板上に形成された複数のレンズ部を含む第1のウエハレンズを準備する工程と、樹脂シートに複数の貫通孔を形成してスペーサーを作製する工程と、前記第1のウエハレンズの少なくとも一方の面に前記スペーサーを配置して積層体を得る工程と、前記積層体をレンズユニットごとに分割する工程と、を含む。
【選択図】図6

Description

本発明は、1または2以上のレンズ部を有するレンズユニットおよびその製造方法に関する。また、本発明は、複数のレンズユニットを含むレンズユニット複合体およびその製造方法に関する。
光学レンズの製造分野においては、ガラス基板の表面に硬化性樹脂からなるレンズ部を形成することで、耐熱性の高い光学レンズを製造する技術が知られている。この技術を適用した光学レンズの製造方法として、1枚のガラス基板の表面に硬化性樹脂からなるレンズ部を複数形成した、いわゆる「ウエハレンズ」を製造する方法がある。ウエハレンズを製造した後、ウエハレンズのガラス基板を切断してレンズ部ごとに分割(ダイシング)することで、多数の光学レンズを一度に得ることができる。
また、複数のウエハレンズを積層して得られる積層体を分割することで、複数のレンズ部を有するレンズユニットを製造する技術も知られている。このようなウエハレンズを使用したレンズユニットの製造方法では、各レンズ部(光学面)の間隔を調整するために、レンズ部に対応する位置に貫通孔が形成されたガラススペーサーをウエハレンズ間に配置することがある。たとえば、UV硬化性接着剤を使用してウエハレンズとガラススペーサーを接着し、得られた積層体をレンズユニットごとに分割することで、複数のレンズユニットを製造する。ガラススペーサーと接着剤とでは線膨張係数が大きく異なるため、ガラススペーサーと接着剤との界面で剥離が生じやすい。このため、通常は、ガラススペーサーと接着剤との密着性を向上させるために、ガラススペーサーの表面を洗浄した後、さらにシランカップリング剤で前処理を行う。
従来のレンズユニットの製造方法で使用されているガラススペーサーには、1)割れやすい、2)薄くすることが困難である、3)接着剤との密着性を向上させるために煩雑な前処理が必要、4)温度変化によりスペーサーと接着剤との界面で剥離が生じやすい、などの欠点がある。
上記の問題を解決できる手段として、ガラススペーサーの代わりに、樹脂成形により得られる樹脂スペーサーを使用することが提案されている。たとえば、特許文献1には、成形型内で樹脂材料を硬化させることで樹脂スペーサーを作製し、得られた樹脂スペーサーをウエハレンズの間に配置してレンズユニットを製造することが記載されている。
国際公開第2009/076786号
しかしながら、樹脂成形を利用して樹脂スペーサーを製造する場合、レンズユニットごとに異なる成形型を準備しなければならず、また離型処理などの煩雑な処理を行わなければならないため、製造コストが増大してしまう。また、樹脂スペーサーを破損させることなく離型するために、貫通孔にテーパーをつけ、スペーサーの厚みを所定の範囲内とし、かつ貫通孔の間隔をある程度確保しなければならず、スペーサーの形状が制限されてしまう。
そもそも、ウエハレンズを使用するレンズユニットの製造方法の利点としては、ウエハレンズを積層してダイシングを行うことで、レンズユニットを容易かつ安価に製造できるという点が挙げられる。ここで、各ウエハレンズのガラス基板のサイズが大きいほど、積層体1枚あたりのレンズユニットの取り個数が増え、レンズユニットの製造コストが低減する。しかし、樹脂成形を利用して樹脂スペーサーを製造する場合、収縮やそりなどを防止する観点から大型の樹脂スペーサーを製造することは困難である。一方で、個別に作製した小型の樹脂スペーサーをウエハレンズの上に個々に取り付ける方法では、上記利点を活かすことができない。
このように、特許文献1に記載のレンズユニットの製造方法には、樹脂スペーサーの形状が制限されており、かつ製造コストが高いという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、1または2以上のレンズ部および樹脂スペーサーを有するレンズユニットおよびその製造方法であって、樹脂スペーサーの形状を自由に選択することが可能であり、かつ製造コストが低いレンズユニットおよびその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、複数のレンズユニットを含むレンズユニット複合体およびその製造方法であって、樹脂スペーサーの形状を自由に選択することが可能であり、かつ製造コストが低いレンズユニット複合体およびその製造方法を提供することも目的とする。
本発明のレンズユニットの製造方法は、1または2以上のレンズ部を有するレンズユニットの製造方法であって、第1の基板および前記第1の基板の片面または両面に形成された複数のレンズ部を含む第1のウエハレンズを準備する工程と、樹脂シートに複数の貫通孔を形成してスペーサーを作製する工程と、前記第1のウエハレンズの少なくとも一方の面に前記スペーサーを配置して積層体を得る工程と、前記積層体をレンズユニットごとに分割する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明のレンズユニットは、1または2以上のレンズ部を有するレンズユニットであって、第1の基板および前記第1の基板の片面または両面に形成されたレンズ部を含む第1のレンズ群と、前記第1のレンズ群の少なくとも一方の面に配置されたスペーサーとを有し、前記スペーサーは、貫通孔を有する樹脂シートであることを特徴とする。
本発明のレンズユニット複合体の製造方法は、1または2以上のレンズ部を有するレンズユニットを複数含むレンズユニット複合体の製造方法であって、第1の基板および前記第1の基板の片面または両面に形成された複数のレンズ部を含む第1のウエハレンズを準備する工程と、樹脂シートに複数の貫通孔を形成してスペーサーを作製する工程と、前記第1のウエハレンズの少なくとも一方の面に前記スペーサーを配置して積層体を得る工程と、を含むことを特徴とする。
本発明のレンズユニット複合体は、1または2以上のレンズ部を有するレンズユニットを複数含むレンズユニット複合体であって、第1の基板および前記第1の基板上に形成された複数のレンズ部を含む第1のウエハレンズと、前記第1のウエハレンズの少なくとも一方の面に配置されたスペーサーと、を有し、前記スペーサーは、複数の貫通孔を有する樹脂シートであることを特徴とする。
本発明によれば、樹脂スペーサーの形状を自由に選択しつつ、1または2以上のレンズ部を有するレンズユニットおよびその複合体を低コストで製造することができる。
実施の形態1に係るレンズユニットの断面図である。 図2A〜図2Cは、第1のウエハレンズの構成を示す図である。 図3A〜図3Cは、第2のウエハレンズの構成を示す図である。 図4A〜図4Cは、第1のウエハレンズの第1の樹脂部を製造するための成形型の例を示す図である。 図5A〜図5Fは、第1のウエハレンズの第1の樹脂部を形成する手順を示す図である。 図6A,図6Bは、第1のスペーサーの製造工程を示す図である。 図7A〜図7Dは、レンズユニットを製造する手順を示す断面図である。 実施の形態2に係るレンズユニットの断面図である。 図9A〜図9Cは、第1のウエハレンズの構成を示す図である。 図10A,図10Bは、第1のウエハレンズの第1の樹脂部を形成する手順を示す図である。 レンズユニットの変形例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明では、本発明のレンズユニットの代表例として、撮像用レンズユニットについて説明する。
(実施の形態1)
1.レンズユニットの構成
図1は、実施の形態1に係るレンズユニットの断面図である。図1に示されるように、実施の形態1のレンズユニット100は、第1の樹脂部110、絞り120、第1の基板130、第2の樹脂部140、第1のスペーサー150、第3の樹脂部160、第2の基板170、第4の樹脂部180および第2のスペーサー190を有する。
第1の樹脂部110は、第1の基板130の第1の面上に形成されている。第1の樹脂部110は、凸レンズとして機能する第1のレンズ部112と、第1のレンズ部112の周囲に位置する非レンズ部114(フランジ部)とを含む。第1のレンズ部112および非レンズ部114は、一体として形成されている。第1のレンズ部112は、非球面形状の第1の光学面116を有している。
絞り120は、第1の樹脂部110の非レンズ部114と第1の基板130との間に配置されている。絞り120は、例えば遮光性の金属膜や黒色レジスト膜などである。
第1の基板130は、光透過性の平板である。第1の基板130は、例えばガラス基板や透明樹脂基板などである。第1の基板130の第1の面には、第1の樹脂部110が形成されており、第2の面には、第2の樹脂部140が形成されている。
第2の樹脂部140は、第1の基板130の第2の面上に形成されている。第2の樹脂部140は、凹レンズとして機能する第2のレンズ部142と、第2のレンズ部142の周囲に位置する非レンズ部144(フランジ部)とを含む。第2のレンズ部142および非レンズ部144は、一体として形成されている。第2のレンズ部142は、非球面形状の第2の光学面146を有している。
第1のスペーサー150は、第2のレンズ部142および第3のレンズ部162に対応する位置に貫通孔が形成された樹脂シートである。第1のスペーサー150の第1の面は、UV硬化性接着剤により第2の樹脂部140に接着されており、第2の面は、UV硬化性接着剤により第3の樹脂部160に接着されている。第1のスペーサー150は、第2の光学面146と第3の光学面166との間隔を調整している。
第3の樹脂部160は、第2の基板170の第1の面上に形成されている。第3の樹脂部160は、凹レンズとして機能する第3のレンズ部162と、第3のレンズ部162の周囲に位置する非レンズ部164(フランジ部)とを含む。第3のレンズ部162および非レンズ部164は、一体として形成されている。第3のレンズ部162は、非球面形状の第3の光学面166を有している。第3の光学面166は、第1のスペーサー130の貫通孔を通して、第2のレンズ部142の第2の光学面146と対向している。
第2の基板170は、光透過性の平板である。第2の基板170は、例えばガラス基板や透明樹脂基板などである。第2の基板170の第1の面には、第3の樹脂部160が形成されており、第2の面には、第4の樹脂部180が形成されている。
第4の樹脂部180は、第2の基板180の第2の面上に形成されている。第4の樹脂部180は、凸レンズとして機能する第4のレンズ部182と、第4のレンズ部182の周囲に位置する非レンズ部184(フランジ部)とを含む。第4のレンズ部182および非レンズ部184は、一体として形成されている。第4のレンズ部182は、非球面形状の第4の光学面186を有している。第4の光学面186は、第2のスペーサー190の貫通孔を通して、撮像素子と対向する。
第2のスペーサー190は、第4のレンズ部182に対応する位置に貫通孔が形成された樹脂シートである。第2のスペーサー190の第1の面は、UV硬化性接着剤により第4の樹脂部180に接着されている。第2のスペーサー190は、第4の光学面186と撮像素子との間隔を調整している。
第1のレンズ部112、第2のレンズ部142、第3のレンズ部162および第4のレンズ部182は、それぞれの中心軸が一致するように、物体側(図中上側)から像側(図中下側)に順に配置されている。第1の光学面116、第2の光学面146、第3の光学面166および第4の光学面186の形状は、要求される機能に応じてそれぞれ異なっている。
第1の樹脂部110、第2の樹脂部140、第3の樹脂部160および第4の樹脂部180は、光硬化性樹脂からなる。光硬化性樹脂の例には、アクリル樹脂やアリルエステル樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂などが含まれる。アクリル樹脂材料やアリルエステル樹脂材料、ビニル系樹脂材料は、光重合開始剤のラジカル重合により硬化されうる。エポキシ系樹脂材料は、光重合開始剤のカチオン重合またはアニオン重合により硬化されうる。樹脂材料および光重合開始剤については、レンズユニット100の製造方法について説明する際に詳細に説明する。
第1の樹脂部110(第1のレンズ部112)、第1の基板130および第2の樹脂部140(第2のレンズ部142)は、第1のレンズ群200’を構成する。また、第3の樹脂部160(第3のレンズ部162)、第2の基板170および第4の樹脂部180(第4のレンズ部182)は、第2のレンズ群210’を構成する。第1のレンズ群200’は、後述する第1のウエハレンズ200の一部である。同様に、第2のレンズ群210’は、後述する第2のウエハレンズ210の一部である。第1のスペーサー150は、第1のレンズ群200’と第2のレンズ群210’との間に配置されている。
本実施の形態のレンズユニット100は、第1のスペーサー150および第2のスペーサー190が、貫通孔が形成された樹脂シートであることを一つの特徴とする。すなわち、第1のスペーサー150および第2のスペーサー190は、予め製造された樹脂シートに貫通孔を形成することで作製される。たとえば、第1のスペーサー150および第2のスペーサー190は、溶液流延法により製造された透明ポリイミドシートに、レーザー加工により貫通孔を形成することで作製される。
ガラススペーサーに対する樹脂スペーサーの優位点としては、1)加工が容易である、2)割れないため運搬が容易である、3)樹脂部および接着剤との線膨張係数の差が小さいため剥離しにくい、4)製造時(特にダイシング時)にヒビが入らない、5)低背レンズユニットに対応して薄くすることができる、6)レンズ部を構成する樹脂と同じ樹脂で作製できる、7)大型でかつ薄いスペーサーを作製することができる、などが挙げられる。
なお、本明細書において「樹脂シート」とは、主として樹脂からなる平板状または膜状の部材を意味し、「樹脂フィルム」などと同義である。第1のスペーサー150および第2のスペーサー190の作製方法については、レンズユニット100の製造方法について説明する際に詳細に説明する。
第1のスペーサー150および第2のスペーサー190の厚みは、特に限定されず、レンズユニット100に要求される光学的特性に応じて適宜決定される。本実施の形態のレンズユニット100では、樹脂シートを加工して第1のスペーサー150および第2のスペーサー190を作製することから、第1のスペーサー150および第2のスペーサー190の厚みをいずれも0.3mm未満とすることができる。一般的に、射出成形などで樹脂スペーサーを作製する場合は、スペーサーの厚みを0.3mm未満とすることは困難である。また、前述の通り、ガラススペーサーの厚みを薄くすることも困難であり、ガラススペーサーの厚みを薄くするほど、製造コストが増大してしまうことになる。
第1のスペーサー150および第2のスペーサー190の貫通孔のテーパー角は、略垂直(89.5〜90.5°の範囲内)にすることができる。このようにテーパー角度を略垂直にすることで、貫通孔の穴径を最小限にすることができ、基板上に形成された複数のレンズ部間の間隔を小さくすることができる。これにより、基板1枚あたりのレンズの取り個数を増やすことが可能になり、より多量のレンズを作製することができる。ただし、貫通孔のテーパー角は、垂直に限定されるわけではない。ここで「貫通孔のテーパー角」とは、スペーサー(樹脂シート)の表面に対する貫通孔の内面の角度を意味する。一般的に、射出成形などで貫通孔を有する樹脂スペーサーを作製する場合は、離型の観点から貫通孔のテーパー角を略垂直とすることは困難である。
また、第1のスペーサー150および第2のスペーサー190の貫通孔の内面の算術平均粗さは、特に限定されないが、例えば0.5〜2.0μmの範囲内である。このように貫通孔の内面の算術平均粗さを0.5〜2.0μm程度とすることで、貫通孔の内部を通る光線が貫通孔の内面において全反射することを抑制することができるため、ゴーストおよびフレアの発生を防止することができる。たとえば、COレーザーを用いたレーザー加工により樹脂シートに貫通孔を形成することで、貫通孔の内面の算術平均粗さを0.5〜2.0μm程度とすることができる。一般的に、射出成形などで貫通孔を有する樹脂スペーサーを作製する場合は、貫通孔の内面の算術平均粗さは0.01〜0.3μm程度である。
2.レンズユニットの製造方法
次に、実施の形態1のレンズユニット100の製造方法について説明する。
実施の形態1のレンズユニット100の製造方法は、1)第1のウエハレンズ200および第2のウエハレンズ210を準備する第1の工程と、2)第1のスペーサー150および第2のスペーサー190を作製する第2の工程と、3)第1のウエハレンズ200、第1のスペーサー150、第2のウエハレンズ210および第2のスペーサー190を積層する第3の工程と、4)積層体をレンズユニット100ごとに分割する第4の工程とを有する。以下、各工程について説明する。
1)第1の工程
第1の工程では、第1のウエハレンズ200および第2のウエハレンズ210を準備する。たとえば、第1のウエハレンズ200および第2のウエハレンズ210を作製する。
図2は、第1のウエハレンズ200の構成を示す図である。図2Aは、平面図であり、図2Bは、図2Aに示されるB−B線の断面図であり、図2Cは、斜視図である。説明の便宜上、これらの図では1枚の基板の片面に4個のレンズ部を形成しているが、通常は、レンズ部の数はこれよりも多い。たとえば、8インチサイズの基板の片面に、1000〜5000個程度のレンズ部が形成される。
図2A〜Cに示されるように、第1のウエハレンズ200は、第1の基板130と、第1の樹脂部110と、第2の樹脂部140とを有する。第1のウエハレンズ200は、さらに絞り120(図示せず)を有していてもよい(図1参照)。
第1の基板130は、光透過性を有する円形の平板である。第1の基板130は、例えばガラス基板や透明樹脂基板などである。第1の基板130の第1の面には、第1の樹脂部110が形成されており、第2の面には、第2の樹脂部140が形成されている。第1の基板130の厚さは、求められる光学的特性に応じて決定されるが、通常は離型時に破損しない程度の厚さである。
第1の樹脂部110は、第1の基板130の第1の面上に形成されている。第1の樹脂部110は、複数の第1のレンズ部112と、第1のレンズ部112の周囲に位置する非レンズ部114とを含む。複数の第1のレンズ部112および非レンズ部114は、一体として形成されている。複数の第1のレンズ部112は、マトリックス状に配置されている。第1の樹脂部110の外径は、第1の基板130の外径と略同一である。
第2の樹脂部140は、第1の基板130の第2の面上に形成されている。第2の樹脂部140は、複数の第2のレンズ部142と、第2のレンズ部142の周囲に位置する非レンズ部144とを含む。複数の第2のレンズ部142は、それぞれ、第1のレンズ部112に対応する位置に形成されている。複数の第2のレンズ部142および非レンズ部144は、一体として形成されている。第2の樹脂部140の外径は、第1の基板130の外径と略同一である。
図3は、第2のウエハレンズ210の構成を示す図である。図3Aは、平面図であり、図3Bは、図3Aに示されるB−B線の断面図であり、図3Cは、斜視図である。説明の便宜上、これらの図では1枚の基板の片面に4個のレンズ部を形成しているが、通常は、レンズ部の数はこれよりも多い。たとえば、8インチサイズの基板の片面に、1000〜5000個程度のレンズ部が形成される。
図3A〜Cに示されるように、第2のウエハレンズ210は、第2の基板170と、第3の樹脂部160と、第4の樹脂部180とを有する。
第2の基板170は、光透過性を有する円形の平板である。第2の基板170は、例えばガラス基板や透明樹脂基板などである。第2の基板170の第1の面には、第3の樹脂部160が形成されており、第2の面には、第4の樹脂部180が形成されている。第2の基板170の厚さは、求められる光学的特性に応じて決定されるが、通常は離型時に破損しない程度の厚さである。
第3の樹脂部160は、第2の基板170の第1の面上に形成されている。第3の樹脂部160は、複数の第3のレンズ部162と、第3のレンズ部162の周囲に位置する非レンズ部164とを含む。複数の第3のレンズ部162は、それぞれ、第1のウエハレンズ200の第2のレンズ部142に対応する位置に形成されている。第3のレンズ部162および非レンズ部164は、一体として形成されている。第3の樹脂部160の外径は、第2の基板170の外径と略同一である。
第4の樹脂部180は、第2の基板170の第2の面上に形成されている。第4の樹脂部180は、複数の第4のレンズ部182と、第4のレンズ部182の周囲に位置する非レンズ部184とを含む。複数の第4のレンズ部182は、それぞれ、第3のレンズ部162に対応する位置に形成されている。第4のレンズ部182および非レンズ部184は、一体として形成されている。第4の樹脂部180の外径は、第2の基板170の外径と略同一である。
第1のウエハレンズ200の第1の樹脂部110および第2の樹脂部140、ならびに第2のウエハレンズ300の第3の樹脂部160および第4の樹脂部180は、光硬化性樹脂(光硬化性樹脂材料の硬化物)からなる。光硬化性樹脂の例には、アクリル樹脂やアリルエステル樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂などが含まれる。アクリル樹脂材料やアリルエステル樹脂材料、ビニル系樹脂材料は、光重合開始剤のラジカル重合により硬化されうる。エポキシ系樹脂材料は、光重合開始剤のカチオン重合またはアニオン重合により硬化されうる。第1の樹脂部110、第2の樹脂部140、第3の樹脂部160および第4の樹脂部180は、同一の光硬化性樹脂で形成されていてもよいし、それぞれ異なる光硬化性樹脂で形成されていてもよい。
以下、第1の樹脂部110、第2の樹脂部140、第3の樹脂部160および第4の樹脂部180の形成に使用されうる樹脂材料および光重合開始剤について説明する。
[アクリル樹脂材料]
アクリル樹脂材料として用いられる(メタ)アクリレートの種類は、特に限定されない。(メタ)アクリレートの例には、エステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、エーテル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、アルキレン(メタ)アクリレート、芳香環を有する(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、脂環式構造を有する(メタ)アクリレートが含まれる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、脂環式構造を持つ(メタ)アクリレートが好ましい。脂環式構造は、酸素原子または窒素原子を含む脂環式構造であってもよい。そのような(メタ)アクリレートの例には、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、ビシクロヘプチル(メタ)アクリレート、トリシクロデシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレートや、イソボロニル(メタ)アクリレート、水添ビスフェノール類のジ(メタ)アクリレートなどが含まれる。また、脂環式構造を有する(メタ)アクリレートの中でも、アダマンタン骨格を持つものが特に好ましい。そのような(メタ)アクリレートの例には、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート(特開2002−193883号公報参照)、アダマンチルジ(メタ)アクリレート(特表昭57−500785号公報参照)、アダマンチルジカルボン酸ジアリル(特開昭60―100537号公報参照)、パーフルオロアダマンチルアクリル酸エステル(特開2004−123687号公報参照)、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート(新中村化学工業株式会社)、1,3−アダマンタンジオールジアクリレート、1,3,5−アダマンタントリオールトリアクリレート、不飽和カルボン酸アダマンチルエステル(特開2000−119220号公報参照)、3,3'−ジアルコキシカルボニル−1,1'ビアダマンタン(特開2001−253835号公報参照)、1,1'−ビアダマンタン化合物(米国特許第3342880号明細書参照)、テトラアダマンタン(特開2006−169177号公報参照)、2−アルキル−2−ヒドロキシアダマンタン、2−アルキレンアダマンタン、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジ−tert−ブチルなどの芳香環を有しないアダマンタン骨格を有する硬化性樹脂(特開2001−322950号公報参照)、ビス(ヒドロキシフェニル)アダマンタン類やビス(グリシジルオキシフェニル)アダマンタン(特開平11−35522号公報および特開平10−130371号公報参照)などが含まれる。
また、アクリル樹脂材料は、(メタ)アクリレートや多官能(メタ)アクリレートなどの、その他の反応性単量体を含有していてもよい。そのような(メタ)アクリレートの例には、メチルアクリレート、メチルメタアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタアクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタアクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタアクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタアクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタアクリレートなどが含まれる。また、多官能(メタ)アクリレートの例には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールセプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどが含まれる。
[アリルエステル樹脂材料]
アリルエステル樹脂材料は、アリル基を有し、ラジカル重合によって硬化する樹脂材料である。アリルエステル樹脂材料の種類は、特に限定されない。アリルエステル樹脂材料の例には、芳香環を含まない臭素含有(メタ)アリルエステル樹脂(特開2003−66201号公報参照)、アリル(メタ)アクリレート樹脂(特開平5−286896号公報参照)、アリルエステル樹脂(特開平5−286896号公報、特開2003−66201号公報参照)などが含まれる。
[ビニル系樹脂材料]
ビニル系樹脂材料の種類は、透明な樹脂硬化物を形成できる物であれば特に限定されない。ポリビニル系樹脂のモノマーは、一般式CH2=CH−Rで表される。ポリビニル系樹脂の例には、ポリ塩化ビニルやポリスチレンなどが含まれる。ポリビニル系樹脂としては、Rに芳香族を含む芳香族系ビニル樹脂が好ましい。特に、モノマー1分子中に2つ以上のビニル基を有するジビニル系樹脂がより好ましい。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[エポキシ系樹脂材料]
エポキシ系樹脂材料の種類は、エポキシ基を有し、光または光および熱により重合硬化するものであれば特に限定されない。硬化開始剤は、酸無水物、カチオン発生剤、アニオン発生剤などを使用することができる。エポキシ系樹脂は、硬化収縮率が低いため、成形精度を向上させる観点からは好ましい。
エポキシ系樹脂の例には、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が含まれる。より具体的には、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、2,2'−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシル)プロパン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカーボキシレート、ビニルシクロヘキセンジオキシド、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−5,5−スピロ−(3,4−エポキシシクロヘキサン)−1,3−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、1,2−シクロプロパンジカルボン酸ビスグリシジルエステルなどを重合したものを例示することができる。
[光重合開始剤]
光重合開始剤の種類は、基本的には樹脂材料の種類に応じて選択される。光重合開始剤の種類は、紫外域(400nm以下)の波長に吸収極大を持ち、当該紫外域の波長でラジカル、カチオンまたはアニオンを発生するものであれば特に限定されない。なお、光重合開始剤を選択する際には、レンズユニット100の使用波長域での透過率を低下させないように配慮するとともに、硬化光に対する吸光度が適切な値になるように考慮することが好ましい。
ラジカルを発生する光重合開始剤としては、分子内開裂型開始剤および水素引き抜き型開始剤のいずれも使用することができる。分子内開裂型開始剤には、ベンゾインエーテル誘導タイプ、アセトフェノンタイプ、アシルフォスフィンオキサイドタイプなどがある。アセトフェノンタイプの例には、ベンジルケタール、α−ヒドロキシアセトフェノン、α−アミノアセトフェトンなどが含まれる。アシルフォスフィンオキサイドタイプの例には、ビスアシルフォスフィンオキサイド(BAPO)、モノアシルフォスフィンオキサイド(MAPO)などが含まれる。水素引き抜き型開始剤には、ベンゾフェノンタイプ、アミンタイプ、チオキサントンタイプなどがある。
ここで、レンズに用いるために樹脂が黄変しないことなどを考慮すると、α−ヒドロキシアセトフェノンとしては、DAROCURE 1173、IRGACURE 184、IRGACURE 127(いずれもチバ・ジャパン株式会社)などを使用することが好ましい。また、α−アミノアセトフェトンとしては、IRGACURE 907、IRGACURE 369(いずれもチバ・ジャパン株式会社)などを使用することが好ましい。
また、ラジカルを発生する光重合開始剤として、UV照射後に光退色(フォトブリーチング)する効果を有する光重合開始剤を使用することも好ましい。そのような光重合開始剤の例には、アシルフォスフィンオキサイドなどが含まれる。光退色効果を有する光重合開始剤を使用した場合、光反応に伴い光重合開始剤の吸収帯が消失(光退色)することにより、硬化光がより樹脂の深部まで到達できるようになり、樹脂の内部硬化が促進される。アシルフォスフィンオキサイドの例には、MAPOの2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(DAROCUR TPO)や、BAPOのビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(IRGACURE 819)や、チタノセン化合物のIRGACURE 784(いずれもチバ・ジャパン株式会社)などが含まれる。特に、DAROCURE TPOやIRGACURE 819などは、光反応に伴い無色となるため、レンズ用途としてより好ましい。
カチオンを発生する光重合開始剤には、スルフォニウム塩、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩、フェロセニウム塩などがある。スルフォニウム塩の例には、CYRACURE UVI−6976、UVI−6992(いずれもダウ・ケミカル社)、サンエイドSI−60L、SI−80L(三新化学工業株式会社)、アデカオプトマーSP−150、SP−170(株式会社ADEKA)、Uvacure1590(ダイセルUCB株式会社)などが含まれる。ヨードニウム塩の例には、UV9380C(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)、IRGACURE 250(チバ・ジャパン株式会社)などが含まれる。
アニオンを発生する光重合開始剤には、アルキルリチウム、カルバメート誘導体、オキシムエステル誘導体、光アミン発生剤などがある。
光重合開始剤の添加量は、光硬化性樹脂(樹脂材料および光重合開始剤)に対して、0.001質量%〜5質量%の範囲内が好ましく、0.01質量%〜3質量%の範囲内がより好ましく、0.05質量%〜1質量%の範囲内が特に好ましい。
次に、第1のウエハレンズ200および第2のウエハレンズ210の作製方法について説明する。以下の説明では、第1のウエハレンズ200を例に説明するが、第2のウエハレンズ210も同様の手順で作製することができる。
図4は、第1のウエハレンズ200の第1の樹脂部110を製造するための成形型の例を示す図である。図4Aは、マスター成形型の斜視図であり、図4Bは、サブマスター成形型の斜視図であり、図4Cは、サブサブマスター成形型の斜視図である。
図4Aに示されるように、マスター成形型300は、その一方の面上に、サブマスター成形型310の第2の転写面313(後述)を形成するための第1の転写面301を有する。第1の転写面301の形状は、第1のウエハレンズ200の第1の樹脂部110の形状に対応する(ネガ型)。第1の転写面301は、第1の樹脂部110のレンズ部112を形成するための複数のレンズ部転写面302と、非レンズ部114を形成するための非レンズ部転写面303とを含む。複数のレンズ部転写面302は、マトリックス状に配置されており、それぞれ凹形状に形成されている。
マスター成形型300は、通常、金属材料で形成されている。金属材料の例には、鉄系材料や鉄系合金、非鉄系合金などが含まれる。鉄系材料の例には、熱間金型用鋼、冷間金型用鋼、プラスチック金型用鋼、高速度工具鋼、一般構造用圧延鋼材、機械構造用炭素鋼、クロム・モリブデン鋼、ステンレス鋼が含まれる。プラスチック金型用鋼の例には、例えばプリハードン鋼、焼入れ焼戻し鋼、時効処理鋼が含まれる。プリハードン鋼の例には、SC系、SCM系、SUS系が含まれる。SC系の例には、PXZが含まれる。SCM系の例には、HPM2、HPM7、PX5、IMPAXが含まれる。SUS系の例には、HPM38、HPM77、S−STAR、G−STAR、STAVAX、RAMAX−S、PSLが含まれる。鉄系合金の例には、特開2005−113161号公報および特開2005−206913号公報に開示されている合金が含まれる。非鉄系合金としては、主に、銅合金、アルミ合金、亜鉛合金がよく知られている。非鉄合金の例には、特開平10−219373号公報および特開2000−176970号公報に示されている合金が含まれる。
マスター成形型300は、金属ガラスやアモルファス合金などで形成されていてもよい。金属ガラスはダイヤモンド切削における被削性が高く、工具の磨耗が少ない点で優れている。金属ガラスの例には、PdCuSiやPdCuSiNiなどが含まれる。アモルファス合金は、ダイヤモンド切削における被削性が高い点で優れている。アモルファス合金の例には、無電解または電解のニッケルリンメッキなどが含まれる。これらの高被削性材料は、マスター成形型300の全体に適用してもよいし、マスター成形型300の第1の転写面301のみに適用してもよい。
図4Bに示されるように、サブマスター成形型310は、基板311と、樹脂からなる成形部312とを有する。成形部312は、基板311上に形成されており、サブサブマスター成形型320の第3の転写面323(後述)を形成するための第2の転写面313を有する。第2の転写面313の形状は、第1のウエハレンズ200の第1の樹脂部110の形状に対応する(ポジ型)。第2の転写面313は、第1の樹脂部110のレンズ部112を形成するための複数のレンズ部転写面314と、非レンズ部114を形成するための非レンズ部転写面315とを含む。複数のレンズ部転写面314は、マトリックス状に配置されており、それぞれ凸形状に形成されている。
成形部312は、光透過性樹脂により形成されている。成形部312を構成する樹脂としては、光硬化性樹脂が挙げられる。たとえば、第1のウエハレンズ200の第1の樹脂部110と同様に、アクリル樹脂、アリルエステル樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系樹脂などが使用可能である。また、成形部312を構成する樹脂としては、離型性の良好な樹脂が好ましく、離型剤を塗布しなくても離型できる樹脂が特に好ましい。
基板311の種類は、特に限定されない。基板311の例には、石英基板、ガラス基板、シリコンウェハ、金属基板、樹脂基板が含まれる。成形部312の光硬化を容易にする観点からは、基板311は、光透過性を有していることが好ましい。
図4Cに示されるように、サブサブマスター成形型320は、基板321と、樹脂からなる成形部322とを有する。成形部322は、基板321上に形成されており、第1のウエハレンズ200の第1の樹脂部110を形成するための第3の転写面323を有する。第3の転写面323の形状は、第1のウエハレンズ200の第1の樹脂部110の形状に対応する(ネガ型)。第3の転写面323は、第1の樹脂部110のレンズ部112を形成するための複数のレンズ部転写面324と、非レンズ部114を形成するための非レンズ部転写面325とを含む。複数のレンズ部転写面324は、マトリックス状に配置されており、それぞれ凹形状に形成されている。
成形部322を構成する樹脂の例は、サブマスター成形型310の成形部312を構成する樹脂と同じである。また、基板321の例も、サブマスター成形型310の基板311と同じである。ただし、サブマスター成形型310の成形部312を構成する樹脂と、サブサブマスター成形型320の成形部322を構成する樹脂とは、同じである必要はない。同様に、サブマスター成形型310の基板311と、サブサブマスター成形型320の基板321とは、同じである必要はない。
以上、第1のウエハレンズ200の第1の樹脂部110を成形するための成形型について説明したが、第1のウエハレンズ200の第2の樹脂部140、ならびに第2のウエハレンズ210の第3の樹脂部160および第4の樹脂部180を成形する際にも同様の成形型を使用する
図5は、図4A〜Cに示される成形型を使用して第1のウエハレンズ200の第1の樹脂部110を形成する手順を示す図である。
まず、研削加工などによって、第1の樹脂部110の形状に対応する第1の転写面301を有するマスター成形型300を作製する。次に、図5Aに示されるように、マスター成形型300の第1の転写面301上に光硬化性樹脂材料312’を塗布し、マスター成形型300の上方からサブマスター成形型310用の基板311を押圧する。この状態でUV発生装置(不図示)を用いて紫外線を照射して、光硬化性樹脂材料312’を硬化させる。これにより、マスター成形型300の第1の転写面301が転写され、第2の転写面313を有する成形部312が作製される。この後、図5Bに示されるように、マスター成形型300から、成形部312および基板311を一体として離型することで、サブマスター成形型310が得られる。UV発生装置で用いる光源の例には、キセノンアークランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、UVレーザー、キセノンフラッシュランプ、LEDなどが含まれる。
次に、図5Cに示されるように、サブマスター成形型310の第2の転写面313上に光硬化性樹脂材料322’を塗布し、サブマスター成形型310の上方からサブサブマスター成形型320用の基板321を押圧する。この状態でUV発生装置(不図示)を用いて紫外線を照射して、光硬化性樹脂材料322’を硬化させる。これにより、サブマスター成形型310の第2の転写面313が転写され、第3の転写面323を有する成形部322が作製される。この後、図5Dに示されるように、サブマスター成形型310から、成形部322および基板321を一体として離型することで、サブサブマスター成形型320が得られる。
次に、図5Eに示されるように、サブサブマスター成形型320の第3の転写面323上に光硬化性樹脂材料110’を塗布し、サブサブマスター成形型320の上方から第1のウエハレンズ200用の第1の基板130を押圧する。この状態でUV発生装置(不図示)を用いて紫外線を照射して、光硬化性樹脂材料110’を硬化させる。これにより、サブサブマスター成形型320の第3の転写面323が転写され、第1の光学面116を有する第1の樹脂部110が作製される。この後、図5Fに示されるように、サブサブマスター成形型320から、第1の樹脂部110および第1の基板130を一体として離型する。既に第1の基板130の第2の面に第2の樹脂部140が形成されている場合は、以上の手順により、第1のウエハレンズ200を得ることができる。一方、第1の基板130の第2の面に第2の樹脂部140が形成されていない場合は、同様の手順で第1の基板130の第2の面に第2の樹脂部140を形成することで、第1のウエハレンズ200を得ることができる。
第2のウエハレンズ210についても、同様の手順で作製することができる。
2)第2の工程
第2の工程では、第1のスペーサー150および第2のスペーサー190を作製する。前述の通り、第1のスペーサー150および第2のスペーサー190は、予め製造された樹脂シートに貫通孔を形成することで作製される。
図6は、第1のスペーサー150の製造工程を示す図である。図6Aは、貫通孔を形成する前の樹脂シート150’の斜視図である。図6Bは、貫通孔152を形成した後の樹脂シート150’(第1のスペーサー150)の斜視図である。図6Aに示される樹脂シート150’は、例えば後述する溶融押出成型法などで製造された長尺樹脂シートから、ウエハレンズと同一の形状に切り出された樹脂シートである。このように樹脂シートの形状をウエハレンズと同一の形状とすることで、次に説明する第3の工程および第4の工程において、ウエハレンズとスペーサーとを積層した後、一度にダイシングを行い、レンズユニットを作製することができる。
樹脂シートの製造方法は、特に限定されない。樹脂シートの製造方法には、溶融押出成型法、溶液流延法、カレンダー法などが挙げられる。
溶融押出成型法は、最も一般的な樹脂シートの製造方法である。溶融押出成型法は、押出機内で加熱して溶融させた熱可塑性樹脂を押出金型(ダイ)の吐出口(リップ)から押し出し、冷却することで、樹脂シートを製造する。溶融押出成型法は、押出金型の形状によりTダイ法と丸ダイ法(チューブラー法、インフレーション法)とに大別される。
溶液流延法は、溶融させると分解しやすい樹脂または融点が高い樹脂からなる樹脂シートの製造によく用いられる。溶液流延法では、樹脂を溶媒に溶解させた溶液を、表面を平滑にしたドラム(キャスティングドラム)またはステンレス鋼製の平滑ベルト上に提供した後、溶液を加熱して乾燥させて、樹脂シートを製造する。溶液流延法を用いて製造された樹脂シートは、高分子の配向が生じていないため強度や光学特性に方向性がない、厚み精度が高い、平滑性、透明性および光沢性に優れる、などの優れた特性を有している。
カレンダー法では、バンバリーミキサーなどで混練された熱可塑性樹脂を、互いに逆方向に回転する圧搾ロールで圧延して樹脂シートを製造する。通常、4〜5本のローラー(カレンダーロール)を使用し、各ローラーで圧延、加熱または冷却を行う。各ローラーの直径や温度、回転数などを調整することで、樹脂シートの厚みを調整したり、物性に特色を持たせたりすることができる。カレンダー法は、厚み精度が高く、かつ高速製造が可能な方法である。生産設備は大型化するが、製造能力は極めて高い。
本実施の形態のレンズユニット100では、第1のスペーサー150および第2のスペーサー190として、上記いずれの方法で製造された樹脂シートでも使用することができる。ただし、レンズユニット100に260℃のリフロー耐性を持たせる場合は、第1のスペーサー150および第2のスペーサー190を構成する樹脂シートも260℃の耐熱性を有していることが好ましい。この場合は、溶液流延法で耐熱性の高い樹脂から製造された耐熱性の高い樹脂シートが、第1のスペーサー150および第2のスペーサー190を構成する樹脂シートとして好ましい。溶融押出成型法で樹脂シートに加工されうる熱可塑性樹脂は、ガラス転移点が比較的低いため、十分な耐熱性を確保できないおそれがある。
また、本実施の形態のレンズユニット100の製造方法では、第1のウエハレンズ200および第2のウエハレンズ210と第1のスペーサー150および第2のスペーサー190とをUV硬化性接着剤を用いて接着する。このため、第1のスペーサー150および第2のスペーサー190となる樹脂シートは、UV透過性の樹脂シートであることが好ましい。UV透過性の樹脂シートの例としては、様々なメーカーから発売されている、タッチパネル用またはLCD用の樹脂シートが挙げられる。
このように、第1のスペーサー150および第2のスペーサー190となる樹脂シートは、耐熱性およびUV透過性の両方を有する樹脂シートが特に好ましい。耐熱性およびUV透過性を有する樹脂シートの例としては、透明ポリイミド樹脂シートが挙げられる。
樹脂シートに貫通孔を形成する方法は、特に限定されない。加工方法の例には、レーザーによるレーザー穴あけ加工(レーザー加工)や、ドリルなどを用いた機械的穴あけ加工、金属で打ち抜く機械的打ち抜き加工などが含まれる。いずれの方法で貫通孔を形成した場合であっても、スペーサーの表面に対する貫通孔の内面の角度(テーパー角)を、略垂直(89.5〜90.5°の範囲内)とすることができる。
レーザー加工により樹脂シートに貫通孔を形成する場合、レーザーの種類は特に限定されない。レーザーの例には、エキシマレーザー(248nm)、YAGレーザー(1064nm)、COレーザー(10600nm)などが含まれる。波長が短いレーザー光で加工する場合、加工断面をきれいにすることができるが、加工時間は長くなってしまう。また、樹脂シートが吸収できる波長のレーザー光を選択する必要がある。スペーサーの作製では、加工精度は重要ではないため、加工速度に優れるCOレーザーを使用することが好ましい。ここでCOレーザーを使用することで、他の方法と比べて加工断面(貫通孔の内面)が粗くなり、かつ茶色に着色することが可能となる。このことにより、貫通孔の内面が粗くなり、かつ着色され、貫通孔の内面における全反射を抑制することができ、ゴーストやフレアの発生を抑制することができる。
3)第3の工程
第3の工程では、第1のウエハレンズ200、第1のスペーサー150、第2のウエハレンズ210および第2のスペーサー190を積層する。これにより、複数のレンズユニット100を含む積層体(レンズユニット複合体400)が得られる。
図7Aは、第3の工程により作製されるレンズユニット複合体400の断面図である。図7Aに示されるように、第1のウエハレンズ200、第1のスペーサー150、第2のウエハレンズ210、第2のスペーサー190および固定用シート410を、この順番で積層して、レンズユニット複合体400を作製する。このとき、第1のスペーサー150の貫通孔の位置が、第1のウエハレンズ200の第2のレンズ部142および第2のウエハレンズ210の第3のレンズ部162の位置に対応するように、第1のスペーサー150の位置を調整する。同様に、第2のスペーサー190の貫通孔の位置が、第2のウエハレンズ210の第4のレンズ部182の位置に対応するように、第2のスペーサー190の位置を調整する。各構成部材は、UV硬化性接着剤(図示せず)を使用して互いに固定される。固定用シート410は、必須ではないが、ダイシング後の取り扱いを容易にするために使用される(図7D参照)。
UV硬化性接着剤の種類は、UV(波長365nm付近)を照射することで硬化するものであれば特に限定されない。UV硬化性接着剤は、透明であってもよいし、着色されていてもよい。
4)第4の工程
第4の工程では、第3の工程で作製した積層体(レンズユニット複合体400)をレンズユニット100ごとに分割する
図7B〜Dは、積層体(レンズユニット複合体400)を分割する第4の工程を示す断面図である。図7Bおよび図7Cに示されるように、ダイシングブレード420などを使用して、レンズユニット複合体400をレンズユニット100ごとに切断する。このとき、取扱いを容易にする観点から、固定用シート410を切断することなくレンズユニット100のみを切断することが好ましい。上記切断工程を繰り返すことで、図7Dに示されるように、固定用シート410上に固定された、複数のレンズユニット100を製造することができる。この後、固定用シート410を除去することで、図1に示されるレンズユニット100を得ることができる。
以上のように、本実施の形態に係るレンズユニットの製造方法では、貫通孔を形成した樹脂シートをスペーサーとして使用する。本実施の形態に係るレンズユニットの製造方法では、樹脂スペーサーの作製に金型を必要としないため、レンズユニットの種類に応じて、樹脂スペーサーの形状を自由に変更することが可能である。また、本実施の形態に係るレンズユニットの製造方法では、金型から離型する必要がないため、離型処理などの煩雑な処理が不要であり、かつスペーサーの厚みや貫通孔のテーパー角、貫通孔間の間隔などを自由に設計することが可能である。
また、本実施の形態に係るレンズユニットの製造方法では、予め製造された樹脂シートを用いて樹脂スペーサーを作製するため、大きく、かつ厚み精度および平面性が高い樹脂スペーサーを作製することができる。一般的に、射出成形などでは、大きく、かつ厚み精度および平面性が高い樹脂スペーサーを作製することは困難である。したがって、本実施の形態に係るレンズユニットの製造方法では、射出成形などにより樹脂スペーサーを作製する従来の製造方法に比べて、大きなレンズユニット複合体を製造することができ、レンズユニットの生産性を向上させることができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、レンズ部間が樹脂部(非レンズ部)で繋がっているウエハレンズを使用してレンズユニットを製造する例を示した。実施の形態2では、レンズ部間が樹脂部(非レンズ部)で繋がっていないウエハレンズを使用してレンズユニットを製造する例を示す。各構成部材の素材などは、実施の形態1で説明した各構成部材と同じである。
図8は、実施の形態2に係るレンズユニットの断面図である。図8に示されるように、実施の形態2のレンズユニット500は、第1の樹脂部110、絞り120、第1の基板130、第2の樹脂部140、第1のスペーサー150、第3の樹脂部160、第2の基板170、第4の樹脂部180および第2のスペーサー190を有する。
実施の形態2のレンズユニット500は、各樹脂部110,140,160,180の非レンズ部114,144,164,184が、レンズユニットの側面に到達していない点で実施の形態1のレンズユニット100と異なる。第1のスペーサー150は、第1のレンズ群200’(第1のウエハレンズ200)と第2のレンズ群210’(第2のウエハレンズ210)との間に配置される点では実施の形態1のレンズユニット100と同じである。しかしながら、第1のスペーサー150は、第1のレンズ群200’(第1のウエハレンズ200)の第1の基板130、および第2のレンズ群210’(第2のウエハレンズ210)の第2の基板170に接着される。同様に、第2のスペーサー190は、第2のレンズ群210’(第2のウエハレンズ210)の第2の基板170に接着される。
図9は、実施の形態2のレンズユニット500を製造する際に使用される、第1のウエハレンズ200の構成を示す図である。図9Aは、平面図であり、図9Bは、図9Aに示されるB−B線の断面図であり、図9Cは、斜視図である。
これらの図に示されるように、実施の形態2のレンズユニット500を製造する際に使用される第1のウエハレンズ200では、第1の樹脂部110が、第1のレンズ部112ごとに別個に形成されている。すなわち、第1のレンズ部112間には、非レンズ部114が存在しない領域がある。
図10は、図9に示される第1のウエハレンズ200の第1の樹脂部110を形成する手順を示す図である。サブサブマスター成形型320の作製工程までは、図5A〜Dに示される手順と同一であるので、サブサブマスター成形型320を用いて第1の樹脂部110を形成する工程(図5Eおよび図5Fに対応)のみ示している。
図10Aに示されるように、サブサブマスター成形型320の第3の転写面323上に光硬化性樹脂材料110’を提供し、サブサブマスター成形型320の上方から第1のウエハレンズ200用の第1の基板130を押圧する。このとき、第3の転写面323の各レンズ部転写面324上に、個別に光硬化性樹脂材料110’を滴下する。この状態でUV発生装置(不図示)を用いて紫外線を照射して、光硬化性樹脂材料110’を硬化させる。これにより、サブサブマスター成形型320の第3の転写面323(レンズ部転写面324)が転写され、第1の光学面116を有する第1の樹脂部110が作製される。この後、図10Bに示されるように、サブサブマスター成形型320から、第1の樹脂部110および第1の基板130を一体として離型する。既に、第1の基板130の第2の面に第2の樹脂部140が形成されている場合は、以上の手順により、第1のウエハレンズ200を得ることができる。一方、第1の基板130の第2の面に第2の樹脂部140が形成されていない場合は、同様の手順で第1の基板130の第2の面に第2の樹脂部140を形成することで、第1のウエハレンズ200を得ることができる。また、第2のウエハレンズ210も、同様の手順で作製することができる。
このようにして作製された第1のウエハレンズ200および第2のウエハレンズ210を使用することで、図8に示される実施の形態2のレンズユニット500を製造することができる。
なお、上記各実施の形態では、2枚のウエハレンズを組み合わせてレンズユニットを製造する例について説明したが、ウエハレンズの枚数は特に限定されず、1枚または3枚以上のウエハレンズを用いてレンズユニットを製造してもよい。たとえば、図11に示されるように、1枚のウエハレンズ(第1のウエハレンズ200)と、前記ウエハレンズの一方の面に配置された1枚のスペーサー(第1のスペーサー150)を用いてレンズユニット600を製造してもよい
また、上記各実施の形態では、基板の両面にレンズ部が形成されているウエハレンズを使用してレンズユニットを製造する例について説明したが、基板の片面にのみレンズ部が形成されているウエハレンズを使用してもよい。
以下、本発明の具体的な実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
1.レンズユニットの作製
実施の形態で説明した手順により、図1に示される構成のレンズユニットを作製した(実施例)。このレンズユニットは、1/5インチ型の撮像素子(画素ピッチ1.75μm、1600×1200画素)に使用されることを想定されている。
レンズ部の形成に使用する樹脂材料としては、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂材料に、終濃度が4質量%となるようにUV硬化開始剤(UVI−6992;ダウ・ケミカル社)を添加したUV硬化性エポキシ樹脂材料を使用した。また、ウエハレンズとスペーサーとを接着する接着剤としては、エポキシ系接着剤を使用した。
樹脂スペーサーとしては、溶液流延法で製造された厚さ0.2mmの透明ポリイミドシートに、COレーザー加工(波長10600nm)により5cm角の貫通孔を形成したものを使用した。貫通孔のテーパー角は、89.8°であった。また、貫通孔の内面の表面粗さを表面形状測定器(Veeco社)を使用して測定したところ、算術平均粗さ(Ra)は1μmであった。なお、比較例として、同一形状の樹脂スペーサーを射出成形により作製することを試みたが、離型する際に破損してしまった(比較例1)。
さらに、別の比較例として、樹脂スペーサーの代わりにガラススペーサーを使用したレンズユニットも作製した(比較例2,3)。ガラススペーサーとしては、厚さ0.2mmのガラス板に、ブラスト加工により5cm角の貫通孔を形成したものを使用した。ガラススペーサーは、前処理を施していないもの(比較例2)、およびUVオゾン洗浄およびシランカップリング剤処理を施したもの(比較例3)を使用した。
ダイシングは、ダイシングソー(DAD3350;株式会社ディスコ)を使用して、切削水(純水)を供給しながら、13000回転/分のスピンドル回転数、2mm/秒の速度で実施した。
各レンズユニットのデータを表1に示す。なお、第1のレンズ群(第1の光学面から第2の光学面まで)の焦点距離は2.10mmであり、第2のレンズ群(第3の光学面から第4の光学面まで)の焦点距離は−4.22mmである。
Figure 2013125059
各レンズユニットの各面のデータを表2に示す。面番号1は第1の光学面であり、面番号2はガラス基板の物体側の面(絞りあり)であり、面番号3はガラス基板の像側の面であり、面番号4は第2の光学面であり、面番号5は第3の光学面であり、面番号6はガラス基板の物体側の面であり、面番号7はガラス基板の像側の面であり、面番号8は第4の光学面である。
Figure 2013125059
各レンズユニットの各光学面は、非球面形状である。本実施例では、非球面形状を、面の頂点を原点とし、光軸方向をx軸とした直交座標系において、頂点曲率をC、円錐定数をK、非球面係数をA4、A6、A8、A10、A12、A14、A16として、以下の式(1)で表す。
Figure 2013125059
ただし、
Figure 2013125059
各レンズユニットの各光学面の非球面係数などを表3に示す。表3では、10のべき乗数(例えば、2.5×10−3)を、Eを用いて表している(例えば、2.5×E−3)。
Figure 2013125059
2.レンズユニットの評価
(1)リフロー試験
各レンズユニットについて、リフロー処理を想定した耐熱性試験を行った。本試験では、光学面が260℃になるように設定したオーブン内に各レンズユニットを10分間載置した後に、樹脂部(非レンズ部)とスペーサーとの間に剥離が生じるかどうかを顕微鏡(KH−7700;株式会社ハイロックス)を用いて観察した。各レンズユニットについて、剥離が生じなかった場合は「○」と評価し、剥離が生じた場合は「×」と評価した。
(2)ヒートサイクル試験
各レンズユニットについて、ヒートサイクルに対する耐熱性試験を行った。本試験では、85℃で30分間加熱した後、40℃で30分間放熱させるという工程を50サイクル繰り返した後、樹脂部(非レンズ部)とスペーサーとの間に剥離が生じるかどうかを観察した。各レンズユニットについて、剥離が生じなかった場合は「○」と評価し、剥離が生じた場合は「×」と評価した。
(3)画質評価
各レンズユニットに撮像素子(1/5インチ型、画素ピッチ1.75μm、1600×1200画素)を固定して撮像ユニットを作製し、各撮像ユニットについて撮像した画像の画質評価を行った。本試験では、暗室内において点光源を撮像し、得られた画像においてゴーストやフレアなどが発生しているかどうかを確認した。各レンズユニットについて、ゴーストやフレアなどが生じなかった場合は「○」と評価し、ゴーストやフレアなどが少し生じた場合は「△」と評価し、ゴーストやフレアなどが多数生じた場合は「×」と評価した。
(4)結果
各レンズユニットの評価結果を表4に示す。
Figure 2013125059
比較例1として、厚さ0.2mmの樹脂スペーサーを射出成形により作製することを試みたが、離型する際に樹脂スペーサーが破損してしまった。このため、比較例1のレンズユニットを作製することができなかった。
前処理を施さなかったガラススペーサーを含む比較例2のレンズユニットは、耐熱性が低く、ゴーストやフレアなども発生してしまった。また、前処理を施したガラススペーサーを含む比較例3のレンズユニットは、耐熱性は改善したものの、ゴーストやフレアなどの発生は改善しなかった。
一方、樹脂シートをレーザー加工することにより作製された樹脂スペーサーを含む実施例のレンズユニットは、耐熱性が良好であり、画質評価の結果も良好であった。
本発明のレンズユニットの製造方法は、例えば撮像用レンズユニットの製造などにおいて有用である。
100,500,600 レンズユニット
110 第1の樹脂部
112 第1のレンズ部
114 非レンズ部
116 第1の光学面
120 絞り
130 第1の基板
140 第2の樹脂部
142 第2のレンズ部
144 非レンズ部
146 第2の光学面
150 第1のスペーサー
150’ 樹脂シート
152 貫通孔
160 第3の樹脂部
162 第3のレンズ部
164 非レンズ部
166 第3の光学面
170 第2の基板
180 第4の樹脂部
182 第4のレンズ部
184 非レンズ部
186 第4の光学面
190 第2のスペーサー
200 第1のウエハレンズ
200’ 第1のレンズ群
210 第2のウエハレンズ
210’ 第2のレンズ群
300 マスター成形型
301 第1の転写面
302 レンズ部転写面
303 非レンズ部転写面
310 サブマスター成形型
311 基板
312 成形部
313 第2の転写面
314 レンズ部転写面
315 非レンズ部転写面
320 サブサブマスター成形型
321 基板
322 成形部
323 第3の転写面
324 レンズ部転写面
325 非レンズ部転写面
400 レンズユニット複合体
410 固定用シート
420 ダイシングブレード

Claims (14)

  1. 1または2以上のレンズ部を有するレンズユニットの製造方法であって、
    第1の基板および前記第1の基板の片面または両面に形成された複数のレンズ部を含む第1のウエハレンズを準備する工程と、
    樹脂シートに複数の貫通孔を形成してスペーサーを作製する工程と、
    前記第1のウエハレンズの少なくとも一方の面に前記スペーサーを配置して積層体を得る工程と、
    前記積層体をレンズユニットごとに分割する工程と、
    を含む、レンズユニットの製造方法。
  2. 第2の基板および前記第2の基板の片面または両面に形成された複数のレンズ部を含む第2のウエハレンズを準備する工程をさらに有し、
    前記積層体を得る工程では、前記第1のウエハレンズと前記第2のウエハレンズとの間に前記スペーサーを配置する、
    請求項1に記載のレンズユニットの製造方法。
  3. 前記スペーサーを作製する工程において、レーザー加工により前記樹脂シートに前記複数の貫通孔を形成する、請求項1に記載のレンズユニットの製造方法。
  4. 前記レーザー加工は、COレーザー加工である、請求項1に記載のレンズユニットの製造方法。
  5. 前記スペーサーを作製する工程において、機械的穴あけ加工または機械的打ち抜き加工により前記樹脂シートに前記複数の貫通孔を形成する、請求項1に記載のレンズユニットの製造方法。
  6. 前記樹脂シートは、溶液流延法により製造された樹脂シートである、請求項1に記載のレンズユニットの製造方法。
  7. 前記樹脂シートは、ポリイミドシートである、請求項1に記載のレンズユニットの製造方法。
  8. 1または2以上のレンズ部を有するレンズユニットであって、
    第1の基板および前記第1の基板の片面または両面に形成されたレンズ部を含む第1のレンズ群と、
    前記第1のレンズ群の少なくとも一方の面に配置されたスペーサーと、を有し、
    前記スペーサーは、貫通孔を有する樹脂シートである、
    レンズユニット。
  9. 第2の基板および前記第2の基板の片面または両面に形成されたレンズ部を含む第2のレンズ群をさらに有し、
    前記スペーサーは、前記第1のレンズ群と前記第2のレンズ群との間に配置されている、
    請求項8に記載のレンズユニット。
  10. 前記スペーサーの厚みは、0.3mm未満である、請求項8に記載のレンズユニット。
  11. 前記スペーサーの前記貫通孔の内面の算術平均粗さは、0.5〜2.0μmの範囲内である、請求項8に記載のレンズユニット。
  12. 前記スペーサーの表面に対する前記スペーサーの前記貫通孔の内面の角度は、89.5°〜90.5°の範囲内である、請求項8に記載のレンズユニット。
  13. 1または2以上のレンズ部を有するレンズユニットを複数含むレンズユニット複合体の製造方法であって、
    第1の基板および前記第1の基板の片面または両面に形成された複数のレンズ部を含む第1のウエハレンズを準備する工程と、
    樹脂シートに複数の貫通孔を形成してスペーサーを作製する工程と、
    前記第1のウエハレンズの少なくとも一方の面に前記スペーサーを配置して積層体を得る工程と、
    を含む、レンズユニット複合体の製造方法。
  14. 1または2以上のレンズ部を有するレンズユニットを複数含むレンズユニット複合体であって、
    第1の基板および前記第1の基板上に形成された複数のレンズ部を含む第1のウエハレンズと、
    前記第1のウエハレンズの少なくとも一方の面に配置されたスペーサーと、を有し、
    前記スペーサーは、複数の貫通孔を有する樹脂シートである、
    レンズユニット複合体。
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