JP2013125033A - 機能モジュールを備えたモジュール式時計ムーブメント - Google Patents

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Abstract

【課題】モジュール式ユニットの形態の機械式時計ムーブメントを提供する。
【解決手段】このムーブメントは、特定の時計機能を実施するための少なくとも1つの機械的なモジュール式ユニット1を含み、このユニット1は、前記特定の時計機能が調整されかつ試験台で機能検査が行われた後に、前記機能モジュール1に含まれる調整および/または組立構成要素を不可逆的に固定することにより、不可逆的に事前に調整され、また前記少なくとも1つの事前調整された機能モジュール1が、前記ムーブメントに含まれる、または前記ムーブメントの他の事前調整された機能モジュール1に含まれるプレート10に不可逆的に固定される、あるいは前記ムーブメントに含まれる他の事前調整された機能モジュール1に不可逆的に固定される。
【選択図】図28

Description

本発明は、モジュール・ユニットの形態の機械式時計ムーブメントに関する。
本発明はまた、このタイプの少なくとも1つのムーブメントを備える時計に関する。
本発明は、機械的な時計製作法の分野に関し、またはより詳細には、携帯時計の分野に関する。
モジュール式の時計が知られている。モジュール式時計は、電子的な時計製作法では非常に広く知られているが、機械的な時計製作法で使用される頻度は高くなく、概して、同じ基本的なムーブメントを、異なる機能を備えた、または異なる見映えを有するいくつかの種類(calibres)へと分類するように工夫されるモジュールでの構築は、通常、従来の製作方法よりも費用がかかる。追加のプレート上に作られるいくつかの追加の機構だけが、比較的普及しているに過ぎない。
モジュール式の構築には、従来、モジュール間で組立クリアランスが累積されるため、ユニット全体で満足できる結果を保証するように、各モジュールに対して非常に厳しい許容差が必要となる機械加工の高精度のインターフェース制約が課せられている。
モジュールで製作することはまた、ムーブメントの全体厚に対して好ましくないことが極めて多く、非常に平坦に製作すること、または単に平坦なムーブメントを製作することさえ困難である。
しかし、モジュール式の構築は、組立作業を分割可能にするので、時計製作者には依然として興味のある対象として残されている。モジュール間のクリアランスの累積により必要となる厳しい製作許容差の引き換えとして、最終的な組立作業は、複雑さが低下するため、熟練度の劣る人員により実行することができる。しかし、最終的な組立作業は、依然として、時計製作者の知識と感性を必要としている。
出願人ETA社の名EP特許出願第1079284号は、構成要素の半分をそれぞれが含む2つの主モジュールを備えた携帯時計を開示する。
出願人VOSS社のEP特許出願第0862098号は、モジュール全体を形成するタイミング機構を備えたモジュール式携帯時計を開示する。
ETA社出願に係るEP特許出願第1211578号は、組立要素の厚さの変動を補償する管状要素を実装する、積み重ねたモジュールを備えた非常に薄い電気機械式ムーブメントを開示する。
ETA社出願に係るEP特許出願第2169479A1号は、小型のユニットを形成するために、プリント回路板を使用することなく、互いに機械的かつ電気的に接続された電子モジュールおよび電源から構成された電子式携帯時計を開示する。
JOUVENOT FREDERIC氏発明に係るWO特許出願第2009/056498A1号は、追加の自動巻き機構を開示しており、一方で、針の主な組の間に、他方で、クロノグラフとオフセンタ秒針との間に回転錘のベール(veil)が取り付けられる。この追加の機構は、主ムーブメントの構成要素の間に挟まれており、ムーブメントの様々な軸およびパイプがそれを通っているので、モジュールではない。
DUBOIS & DEPRAZ社出願のCH特許出願第647125A3号は、モータ・モジュールを備えたクロノグラフを開示しており、それは、その筒かなと一体の第1の動力取出し装置と、秒軸と一体の第2の動力取出し装置とを含む。クロノグラフ・モジュールは、取外し可能に取り付けられ、その輪列は、第2の動力取出し装置により駆動される。2つの動力取出し装置は同心であり、モータ・モジュールの同じ側からアクセスできる。クロノグラフ・モジュールは、文字板と、モータ・モジュールの上面との間に固定される。針は、クロノグラフ・モジュールの一部を形成する。
PELLATON LOIC氏発明に係る(出願人ETA社)米国特許出願第2008/112273A1号は、支持体に固定された中心バーと、中心バー周りで自由に回転し、固定された支持体に当接する環状の表示部材とを備える表示モジュールを備えた固定支持体を備えるムーブメントを開示する。表示部材は接触面を有する。中心バーは、固定支持体上で軸方向に表示部材を配置するように前記接触面と協動する3つの突き出た部分により形成された3つの位置決め面を含む。中心バーは、位置決め面に対して軸方向に、かつ角度的にシフトされた3つの組立面を含む。表示部材は3つのラグを有する。接触面、位置決め面、組立面、およびラグは、表示部材をバー上に取り付けるためのバヨネット組立システムを共に形成するように配置される。
GIRARDIN FREDERIC氏発明に係る米国特許出願第2011/110199A1号は、ムーブメントのフレーム上に取り付けるように意図された、ムーブメントの1つの要素を作動させるためのモジュールを開示する。このモジュールは、軸方向位置の間を移動する枢動制御ステムと、制御ステムと回転可能に一体な制御ピニオンと、ステムの軸方向位置の1つで制御ピニオンと協動するように配置された少なくとも1つの作動部材とを備える機構を含む。制御ピニオンは、ステムが、1つの軸方向位置から他の位置に移動したとき、ステムと一体に平行移動する。モジュールは、その機構を含む独立したケースと、ケースから出ており、作動すべきムーブメントの要素に作動部材を運動学的に接続するように配置される接続部材とを備え、したがって、作動部材は、ムーブメント・フレーム上のモジュールの位置にかかわらず、前記要素を作動させることができる。
EP特許出願第1079284号 EP特許出願第0862098号 EP特許出願第1211578号 EP特許出願第2169479A1号 WO特許出願第2009/056498A1号 CH特許出願第647125A3号 米国特許出願第2008/112273A1号 米国特許出願第2011/110199A1号 EP特許出願第11177840号 EP特許出願第11177839号 EP特許出願第11170180号 EP特許出願第11177838号 EP特許出願第11005713号 EP特許出願第11179181号 EP特許出願第11188261号 EP特許出願第11194061.5号
本発明は、動作パラメータの正確さを保証しながら、技術者(operator)を用いることなく、試行かつ試験された調整を用いて、かつ従来の製作法と比較して低い生産コストで組み立てることのできるモジュール式ユニットを提案することにより、いくつかの従来技術の問題を克服することを提案する。
本発明は、したがって、モジュール式ユニットの形態の機械式時計ムーブメントに関し、それは、特定の時計機能を実施するための少なくとも1つの機械的な機能モジュールを含み、機能モジュールは、前記特定の時計機能が調整されかつ試験台で機能検査が行われた後に、前記機能モジュールに含まれる調整および/または組立構成要素を不可逆的に固定することにより、不可逆的に事前調整されること、ならびに前記少なくとも1つの事前調整された機能モジュールが、前記ムーブメントに含まれる、または前記ムーブメントの他の事前調整された機能モジュールに含まれるプレートに不可逆的に固定される、あるいは前記ムーブメントに含まれる他の事前調整された機能モジュールに不可逆的に固定されることを特徴とする。
本発明の特徴によれば、前記プレートに、または他の前記事前調整された機能モジュールに不可逆的に固定された、前記不可逆的に事前調整された機能モジュールのそれぞれは、機械式モジュールである。
本発明の特徴によれば、前記時計ムーブメントは、複数の前記機能モジュールを含み、それぞれは、特定の時計機能を実施するように事前に調整され、かつそれぞれは、前記プレートに対して直接的もしくは間接的に取り付けられ、または不可逆的に固定され、あるいは前記機能モジュール間に、かつ/または前記ムーブメントの構成要素間に挟み込まれて、次いで、前記プレートに対して直接的もしくは間接的に不可逆的に固定される。
本発明はまた、このタイプの少なくとも1つのムーブメントを備える時計に関する。
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照し、以下の詳細な説明を読めば明らかになろう。
図1乃至28は、本発明によるムーブメントの様々な連続する組立状態の概略的な、斜視図を示しており、図1乃至20は、完全な基本的ムーブメントに関する。
ムーブメントのプレート上に直接配置された輪列モジュールを示す図である。 前記モジュールが、好ましい実施形態で、時間設定機能と手動巻き機能を共に行い、同様に、任意選択の実施形態では日付設定機能を行う機能的なステム機構モジュールの組立を示す図である。 前記ステム機構モジュールの位置への固定を示す図である。 完全な香箱をここで備える機能的なモータ・モジュールの組立を示す図である。 個々に組み立てられる構成要素、すなわち、香箱真、小秒車、香箱駆動車、フレーム・ピラーの組立を示す図である。 個々に組み立てられる構成要素、すなわち、香箱真、小秒車、香箱駆動車、フレーム・ピラーの組立を示す図である。 個々に組み立てられる構成要素、すなわち、香箱真、小秒車、香箱駆動車、フレーム・ピラーの組立を示す図である。 個々に組み立てられる構成要素、すなわち、香箱真、小秒車、香箱駆動車、フレーム・ピラーの組立を示す図である。 フレームに取り付けられた自動巻きデバイス・モジュール?の組立を示す図である。 個々に取り付けられる構成要素、すなわち、フレームに取り付けられた自動巻きデバイス・モジュールに対する保持クリップ、摺動歯車戻りばね、中間の香箱駆動車、摺動歯車、停止ピニオンの組立を示す図である。 個々に取り付けられる構成要素、すなわち、フレームに取り付けられた自動巻きデバイス・モジュールに対する保持クリップ、摺動歯車戻りばね、中間の香箱駆動車、摺動歯車、停止ピニオンの組立を示す図である。 個々に取り付けられる構成要素、すなわち、フレームに取り付けられた自動巻きデバイス・モジュールに対する保持クリップ、摺動歯車戻りばね、中間の香箱駆動車、摺動歯車、停止ピニオンの組立を示す図である。 個々に取り付けられる構成要素、すなわち、フレームに取り付けられた自動巻きデバイス・モジュールに対する保持クリップ、摺動歯車戻りばね、中間の香箱駆動車、摺動歯車、停止ピニオンの組立を示す図である。 自動巻きデバイスを備えたバーの組立を示す図である。 ここで、ばね付きテンプ輪ユニット、パレット・レバー、および脱進機を備える、事前に調整された機能的な調速モジュールの組立を示す図である。 図1乃至15のすべてのモジュールおよび構成要素が組み立てられた側に対するプレートの反対側にある表示モジュールの組立であり、図15で見られる事前に組み立てられたサブアセンブリを反転させ、適正な構成要素、すなわち、中間車、筒かな、分車、および時間車を所定位置に配置させた後の組立を示す図である。 図1乃至15のすべてのモジュールおよび構成要素が組み立てられた側に対するプレートの反対側にある表示モジュールの組立であり、図15で見られる事前に組み立てられたサブアセンブリを反転させ、適正な構成要素、すなわち、中間車、筒かな、分車、および時間車を所定位置に配置させた後の組立を示す図である。 図1乃至15のすべてのモジュールおよび構成要素が組み立てられた側に対するプレートの反対側にある表示モジュールの組立であり、図15で見られる事前に組み立てられたサブアセンブリを反転させ、適正な構成要素、すなわち、中間車、筒かな、分車、および時間車を所定位置に配置させた後の組立を示す図である。 図1乃至15のすべてのモジュールおよび構成要素が組み立てられた側に対するプレートの反対側にある表示モジュールの組立であり、図15で見られる事前に組み立てられたサブアセンブリを反転させ、適正な構成要素、すなわち、中間車、筒かな、分車、および時間車を所定位置に配置させた後の組立を示す図である。 以下の要素、すなわち、日付駆動車、中間の日付車、日付修正車、日付インジケータ、日付インジケータ保持プレートを所定位置に配置した状態で、任意選択の日付機構の組立を示す図である。 以下の要素、すなわち、日付駆動車、中間の日付車、日付修正車、日付インジケータ、日付インジケータ保持プレートを所定位置に配置した状態で、任意選択の日付機構の組立を示す図である。 以下の要素、すなわち、日付駆動車、中間の日付車、日付修正車、日付インジケータ、日付インジケータ保持プレートを所定位置に配置した状態で、任意選択の日付機構の組立を示す図である。 以下の要素、すなわち、日付駆動車、中間の日付車、日付修正車、日付インジケータ、日付インジケータ保持プレートを所定位置に配置した状態で、任意選択の日付機構の組立を示す図である。 以下の要素、すなわち、日付駆動車、中間の日付車、日付修正車、日付インジケータ、日付インジケータ保持プレートを所定位置に配置した状態で、任意選択の日付機構の組立を示す図である。 以下の要素、すなわち、日付駆動車、中間の日付車、日付修正車、日付インジケータ、日付インジケータ保持プレートを所定位置に配置した状態で、任意選択の日付機構の組立を示す図である。 以下の要素、すなわち、日付駆動車、中間の日付車、日付修正車、日付インジケータ、日付インジケータ保持プレートを所定位置に配置した状態で、任意選択の日付機構の組立を示す図である。 事前に取り付けた回転錘、および前記錘を所定位置に固定するねじを備えた、任意選択の自動巻き機能モジュールの組立を示す図である。 事前に取り付けた回転錘、および前記錘を所定位置に固定するねじを備えた、任意選択の自動巻き機能モジュールの組立を示す図である。 いくつかの機能モジュールを備えたこのタイプのムーブメントを含む時計の概略図である。
本発明は、機械的な時計製作法の分野に関し、より詳細には、携帯時計の分野に関する。
本発明は、モジュール式ユニットの形態の機械式時計ムーブメント100に関する。
本発明によれば、このムーブメント100は、特定の時計機能を実施するための少なくとも1つの機械的な機能モジュール1であって、この特定の時計機能が調整されかつ試験台で機能検査が行われた後に、前記機能モジュール1に含まれる調整および/または組立構成要素9を不可逆的に固定することにより、不可逆的に事前調整される機能モジュール1を含む。
本発明によるムーブメント100の構成は、従来の時計アーキテクチャとは意識的に変えており、従来は、構成要素が、プレート上で次から次に組み立てられ、またムーブメントの動作は最後に試験されるが、これは、すべての調整が最後に行われることを意味しており、最終的な変更を実行するために部分的に分解され、調整作業が行われることがよくある。
特定のモジュールに対応する各機能は、したがって、可能な限り早期に、かつ低価格で試験が行われるので、事前に調整される機能モジュール1の組合せは、本発明の基本的な側面である。調整は、各モジュールに対してただ一度に限り行われるだけである。各モジュール1における調整構成要素を不可逆的に固定することは、各保管されるモジュール1で前に行われた調整が時間の経過と共に悪化しないことを保証する。最終的な組立リストはより少数の構成要素を含むので、最終的な組立作業の管理が簡単化される。
この少なくとも1つの事前調整された機能モジュール1は、ムーブメント100の、またはムーブメント100の他の事前に調整された機能モジュール1のプレート10に不可逆的に固定されるか、あるいはムーブメント100の他の事前に調整された機能モジュール1に不可逆的に固定される。
機能モジュール1を互いに、または同じプレート10に不可逆的に固定することはまた、従来の時計の実施形態とは反する。本発明によるムーブメント100は、販売後の要求に対して取外し可能であるようには意図されていない。実際に、それは不可逆的に組み立てられており、それにより、各機能モジュール、および完全に組み立てられたムーブメント100に関して共に、行われた調整が長期にわたり持続されることが保証される。モジュール1を固定する目的は、まさに、使用中に故障を生ずることの多い、構成要素間の何らかのゆるみ、および相対的な移動を阻止することである。したがって、その設計は故障を阻止するが、ムーブメント100は、完全に不可逆的に組み立てられた後には分解できない。
有利な実施形態では、プレート10に、または他の前記事前調整された機能モジュール1に固定された各不可逆的に事前調整された機能モジュールは、機械式モジュールである。
本発明の好ましい実施形態では、諸図で分かるように、この時計のムーブメント100は、特定の時計機能を実施するためにそれぞれが事前調整された、複数のこれらの機能モジュール1を含む。これらの機能モジュール1は、それぞれが、プレート10に対して直接的もしくは間接的に取り付けられ、または不可逆的に固定されるが、あるいは機能モジュール1間で、かつ/またはムーブメント100の構成要素間で挟まれて、次いで、プレート10に対して直接的もしくは間接的に不可逆的に固定される。当然であるが、機能モジュール1は、プレート10と、少なくとも1つの他の構成要素、もしくは少なくとも1つの他の機能モジュール1との間に挟むこともできる。
各機能モジュール1は、少なくとも1つの入力車セットと少なくとも1つの出力車セットの間の運動を変換する特定の時計機能を実施するのに必要なすべての構成要素を備えたサブアセンブリから導かれた機械式モジュールである。
このサブアセンブリは、関連する機能モジュールに特有の特定の時計機能が調整され、機能検査が行われた後に、不可逆的に固定される調整および/または組立構成要素を含む。個々のサブアセンブリは調整され、試験台で検査される。実際の機能モジュール1は、したがって、その調整および/または組立構成要素を不可逆的に固定することにより、このタイプのサブアセンブリの変換から導かれた事前調整モジュールである。
好ましくは、各機能モジュール1は、少なくとも第1の支持面と、ムーブメント100の他の要素に対する、またはプレート10に対してモジュール1を認識し、かつ位置決めするための配置手段とを含む。この位置決めは、前記他の要素、またはプレート10に含まれる相補的な支持面上に第1の支持面を当接させることにより達成される。「支持面」の概念は、最も広い意味で理解される。「支持面」は、同様に、穴もしくは軸、または平坦な面、または他の要素により形成することもできる。
配置手段は、接触させて、または接触せずに配置するように作ることができ、また互いに組み合わせることのできるいくつかの形態をとることができる。すなわち、
− 自動化された製作のための有利な変形形態では、配置手段は、モジュール1の光学的な認識および位置決めのための光学的な配置手段を含む、
− 他の変形形態では、配置手段は、モジュール1の認識および位置決めのために音響または超音波配置手段を含む、
− 他の変形形態では、配置手段は、ラグ、穴、センサ、停止部材、または同様のものなど、モジュール1の機械的な認識および位置決めのために機械的な配置手段を含む。
本発明は、ムーブメント100の自動化された製作に対して特に工夫されており、また反転させる動作、または平行移動の動きとは異なる他の動作が生ずる可能性を最小にして、輪列軸に平行となるようにここで選択された、単一の挿入方向Dに対して平行な方向に、様々なモジュールおよび構成要素を配置できるように努めている。
好ましい実施形態では、各機能モジュール1の第1の支持面は平坦であり、かつこの挿入方向Dに対して直角をなすように提示される。
機能モジュール1は、第1の支持面に平行な少なくとも第2の支持面を含むことが好ましい。この構成は、いくつかの構成要素またはモジュールが、互いに接触して挿入方向Dに対して直角なその支持面で積み重ねられた状態で、挿入方向Dに対して近軸配置することにより自動化された組立を容易にする。
特に、歯付き車間、または車とラック、ラチェットなどの間のかみ合わせなど、組立構成要素間の協動のいくつかを保証するために、あるいはカム、ジャンパばね、クリック、つめ、プッシャなどを所定位置に配置するために、機能モジュール1はまた、枢動する自由度を可能にしながらモジュールを事前に組み立てるために、少なくとも1つの枢動案内部材8を含むことができるので有利である。したがって、この協動を、モジュール1の最終的な枢動動作で保証することが可能である。非限定的な好ましい実施形態では、この枢動を案内することは、前記挿入方向Dに対して平行な方向に対して行われる。これは、以下で詳細に示されるムーブメントにおける調整モジュール16の場合である。
変形形態では、モジュール1は、他のモジュール1、またはムーブメント100の構成要素、もしくはプレート10に含まれる相補的な案内手段と協動して、スライドもしくは引出し状の1つの平面内で、平行移動により、または平行な調整により同様の協動を達成するように配置された案内手段を含む。これらの案内手段は、挿入方向Dに対して直角な方向に作られることが好ましい。
図はムーブメント100を示しており、その構成は、このタイプの機能モジュール1および独立した構成要素を含み、それらは組み合わされて機能的なサブアセンブリを構成する。ムーブメントの組立中に扱うべきオブジェクトの数が低減されること、特に、何らかの調整作業が低減される、またはなくなることは、事前に調整される機能ユニットの概念により可能になる。いくつかの構成要素は、ここでは、孤立して取り付けられているが、これは、ムーブメントの厚さを低減する、または制限するために本質的なものであることに留意すべきであり、なぜなら、1つの機能的なサブアセンブリの同じ運動の連鎖に関係するこれらの構成要素を、さらなるプレートに固定することも可能であるが、その場合、ムーブメントの合計の厚さに対して好ましくない影響を与えることになるからである。
以下で述べるムーブメントでは、基本的なバージョン(機械的に巻く日付機構を有しないムーブメント)で扱う必要があるのは21個のオブジェクト、すなわち、5個の事前に調整されたモジュールと、16個の孤立した、もしくは事前に組み立てられた構成要素(例えば、軸および車)に過ぎない。組立中に行われる動作はすべて、互いに平行な移動であり、調速モジュールをかみ合わせるのに、1つの枢動運動が必要になるだけである。日付機構を組み立てるには、5個のさらなる構成要素を所定位置に配置する必要があるが、自動巻き機構を組み立てるには、2個の構成要素だけを、すなわち、モジュールとねじを所定位置に配置する必要があるに過ぎない。
歯車取付けの協動作業は、相補的な案内ツールを用いて、またはハンドリング・システムのヘッド部を枢動させることにより、達成することができる。
好ましい実施形態では、組立は、形状認識手段、特に、機械的かつ/または光学的手段と協動する制御手段により制御されるロボットにより行われ、形状認識手段は、モジュール1および/または市販の(retail)構成要素に特有の配置手段の形状および位置を識別する。
ここでは、6個の機能モジュールが使用され、その1つは、諸図で示された特定の非限定的な例では、輪列モジュールと表示モジュールを共に構成する2重のモジュールである。
機能モジュール1の第1のタイプは、モータ・モジュール11であり、それは、少なくとも1つの香箱110を備える完全な香箱であり、その入力車セットは、香箱真111により構成され、前記モータ・モジュール11中に組み込むことも、組み込まないこともできるラチェット12と協動し、かつ前記モータ・モジュール11の出力車セットを構成する少なくとも1つのドラム113における少なくとも1つのばね(図示されていない)を巻くために、手動の巻き機構により、または巻きおよび時間設定機構15により、または自動巻き機構もしくは自動巻きモジュール18により枢動されるように配置される。このドラム113は、輪列または輪列モジュール13の入力ピニオン131を駆動するように配置される。
他のタイプの機能モジュール1は、輪列モジュール13であり、その入力車セットは、入力ピニオン131により構成され、ドラム113と協動するように配置されており、またその第1の出力車セットは、逃げ機構または調速モジュール16に含まれるガンギ車に接続された逃げピニオンと協動するように配置された四番車により構成される。
有利には、この輪列モジュール13は、輪列モジュール13に含まれる表示手段と協動するように、または輪列モジュール13の外部にある、または同じプレートにより担持され、かつ表示手段を備える表示モジュール14と協動するように配置された表示列により構成される第2の出力車セットを含む。
この表示モジュール14は、輪列機構または輪列モジュール13に含まれる表示列により構成された入力車セットと、相補的なインジケータ、あるいは表示モジュール14、またはムーブメント100、または前記ムーブメントを組み込む時計1000に含まれる文字板と協動するように配置された少なくとも1つのインジケータにより構成された出力車セットとを有する。
有利には、この輪列モジュール13または表示モジュール14は、本出願人によるEP特許出願第11177840号で開示された、輪列に摩擦接続された日の裏車機構を含み、また本出願人によるEP特許出願第11177839号の主題である、中心管上で事前に組み立てられた四番車セットを含む。
さらに他のタイプの機能モジュール1は、時間設定モジュール15であり、その入力車セットは、ユーザが動かせるように配置したステム150により構成され、その第1の入力車セットは、日の裏車制御列151により構成される。
好ましくは、時間設定モジュール15はまた、時間設定および巻きモジュールであり、巻き制御列152により構成される第2の出力車セットを含む。
有利には、このモジュール15は、本出願人によるEP特許出願第11170180号による巻真機構を用いて作られる。それはまた、本出願人によるEP特許出願第11177838号によるステムに圧力を加えることにより手動で巻くためのデバイスを統合することができる。
特定の実施形態では、このモジュール15は、プラスチック材料、好ましくは高い耐性を備えたプラスチック、例えば、30%または40%のポリフェニレンスルフィド(PPS)、またはpolylauromide(Nylon12)などのポリアミドから作られ、最大厚がほぼ2.5mmのブリッジに基づいており、これらの材料の選択は、前記ブリッジ15で大きな断面差がある場合でも、良好な剛性が維持されることを保証する。
さらに他のタイプの機能モジュール1は、調速ユニットを備える調速モジュール16であり、その入力車セットは、輪列または輪列モジュール13に含まれる四番車により動かされるように配置されたガンギ車により構成され、またその出力車セットは、前記同じガンギ車により構成される。
このプラットフォーム逃げ調速モジュール16は、有利には、本出願人によるEP特許出願第11005713号、および第11179181号の特徴に従って作られ、またばね付きテンプ輪組立体、脱進機、および特定のパレット・レバーを含む。
特定の機能モジュール1は、自動巻きモジュール18であり、その入力車セットは、ユーザの動きまたは外部ツールにより動かされる回転錘180により構成され、またその出力車セットは、モータ機構、またはモータ・モジュール11、またはモータ機構もしくはモータ・モジュール11に含まれる香箱真とかみ合うラチェット12に含まれるラチェット12の駆動列により構成される。
この回転錘180は、有利なことに、本出願人によるEP特許出願第11188261号の特徴に従って作られる。
図1乃至28は、ムーブメントを構成する様々なモジュールおよび構成要素を位置決めし、固定するための好ましく、かつ非限定的な作業シーケンスで、本発明によるモジュール式ユニットを構成する時計ムーブメント100の構成および組立を示している。
本発明によれば、ムーブメント100を構成するすべてのモジュールおよび構成要素は、本明細書の輪列の軸に平行な、挿入方向Dに平行な方向に挿入することができる。
本発明の好ましく、かつ非限定的な実施形態では、本発明によるプレート、バー、および事前に調整された機能モジュール1の組立から構成された各サブアセンブリは、さらなる単一の部品モジュールがそれぞれ所定位置に配置されると直ちに不可逆的に固定される。
図1は、組み立てられ、装着されたプレートを示しており、プレートは、様々なモジュールおよび構成要素がその上に組み立てられるベースを構成する。輪列モジュール13は、厚さを節約するために、ここでムーブメント100のプレート10上に直接配置される。代替の実施形態では、図で示されていないが、輪列モジュール13は、組立中に、主プレート10に固定できる他のプレートを含む。
この実施形態では、この同じプレート10が、上記で述べた表示モジュール14を担持する。
プレート10は、時間設定モジュール15、および前記モジュールと協動するピボット134を受け入れるための支持面13を有する。
肩部が付けられた2つのスタッド201および138が、組み立てられた自動巻きデバイス・フレーム20と協動するために取り付けられる。
輪列は、ここでは詳細に示していない。図1は、中心車ピニオンである入力ピニオン131を示している。
対応する穴部130は、中心穴部139の回りに配置され、組立中に、香箱真を受け入れ、モータ・モジュール11を構成する完全な香箱と衝突しないように意図されている。
プレート10は、調速モジュール16の軸162を受け入れるための穴部165をさらに含む。
図2は、ピボット134に係合したモジュール15の穴部153を介して前記プレート10上における、ステム機構モジュール15、より詳細には時間設定モジュールの組立を示しており、モジュール15の支持面154がプレート10の支持面135に当接している。このモジュール15は、ユーザがムーブメントの時間を調整できるようにするためのりゅうずに接続されたステム150を含む。第1の出力車セットは、日の裏車制御列151により構成される。本明細書の図で示された好ましい実施形態では、このモジュール15はまた、手動巻きモジュールの機能を実施し、また第2の出力車セットは、巻き制御列152により構成される。ユーザは、ステム150を従来方法で引っ張り、選んだ機能を選択する。
このステム機構モジュール15は、ロボット組立および試験を行うように作られている。スタッドが、ブリッジ156へと打ち込まれ、有利には、前記ブリッジ156を貫通してその両側から突き出る。車、レバー、摺動歯車、および引抜き部品が前記スタッドに取り付けられる。またカメラを用いた光学的検査が、一方の車は時間設定機能を制御し、他方の車は巻き機能を制御する、特に2つの車の間を選択するための摺動歯車を備える列の第1の部分に対して行われるが、それは、ピボット軸として働くスタッドの端部における面の直下で、または覆っているプレートを通るいくつかの点で、好ましくは、覆っているプレートをレーザ溶接することにより達成される、列の前記第1の部分が保持プレート157により恒久的に閉じ込められる前に行われる。この不可逆的な組立は、いくつかの場所が溶接されて、レバー保持プレートが所定位置に配置される前に、カメラで検査されるが、もう一方の側で構成要素を組み立てるために、全く安全に、マニピュレータにより組立体を反転できることを意味する。ステム150から始まる運動の連鎖が、次いで完了し、機械的な機能検査が、ステムの3つの位置T1、T2、T3で、両方の回転方向で行われる。上記で引用したEP特許出願第11170180号で開示されるように、モジュール15は、ステムを保持するための枢動レバー70を備えると有利である。前記レバーの動作は、ステムを暫定的に引き抜くことにより機械的に試験されるが、これは、ムーブメントの最終的な組立まで残される。
これらの機能モジュール1を備えるムーブメント100は、同じ原理に従って組み立てられる。したがって、ムーブメントのいくつかの構成要素の組立は、使用する前に、同様の試験および不可逆的な固定ステップを含む。これは、溶接により不可逆的に固定された後に輪列モジュールを構成する、プレート10上で輪列を組み立てる場合に特にそうである。
輪列の自動化された組立は、アフターサービスに必要な識別マーク、偽造に対抗するマーク、およびムーブメントの追跡可能な製造コードをエッチング、好ましくはレーザ・エッチングすることによりプレート10を準備することで開始される。中心管が特有のスタンド上で用意され、プレートが置かれて、前記中心管の肩部へと強制され、そこにリベット留めされる。第4の軸がスタンド上に用意され、先行するサブアセンブリが、第4の軸上に配置され、ピニオンが、次いで、その上部に置かれて固定のために第4の軸へと強制される。中心車が次いで位置決めされ、カメラ、回転マニピュレータ、および位置決めロボットの組合せにより、次いで、三番車を位置決めすることを可能にし、また同様の処理作業が行われて、中間プレートおよび任意の他の車を正しい歯車の取付けへと位置決めされる。前記輪列に対する保持プレートが、次いで、いくつかの場所で溶接される。任意の必要な注油が、特定の製作ルールに従って、さらに輪列の機械的な機能試験を、機械的かつ/または流体駆動によって行える十分な量で組立工程中に行われる。
図3は、プレートおよび輪列を組み立てることにより構成される輪列モジュール上に配置された後のステム機構モジュール15を示しており、2つのリング136および137によりそれぞれ固定されて、プレート10の段付きスタッド134および138上に強制される。リングで強制されることにより、サブアセンブリを安全に扱えるようになる。
図4は、上記で述べたタイプのモータ・モジュール11の組立を示している。香箱113を、まず組立ツールを用いて、三番車のピニオン131とかみ合わせる。香箱は、次いで、ラチェット・カバー12を有するモジュール11を、ステム機構モジュール15の巻き列の中間車152とかみ合わせるように、中間車の位置と同心の旋回半径で枢動される。
香箱のこの位置決めには、適正な歯車の取付けを可能にするために、平行移動が、その上部と底部の両方で(ラチェットおよびドラム)必要になる。実際に、諸図で示された好ましい実施形態では、香箱は、図1乃至3で分かるように、凹部に案内されるのではなく、輪列の保持プレートによりここに形成された、平坦な面上に単に配置される。平行移動の動きによるこの位置決め作業は、この組立段におけるピボットがないことに起因して、本発明に特有のものである。
図5は、プレート10の穴部139で下から組み立てられた香箱真111を示している。好ましい実施形態では、この香箱真は、釘のように肩が付けられた頭部を有しており、それは、図5では見えない、文字板を受け入れるように意図された側で、プレート10の下にここで取り付けられる。この香箱真111は、香箱のコア113の穴部中に嵌合され、そこに香箱ばねが引っかけられ、またドラムの穴部と協動する第1の肩部、およびラチェット・カバー12と協動する第2の肩部を含む。
プレート10は、小秒車190の軸191の組立(図6で示される)のための穴部192をさらに含む。
前記小秒車190の近傍で、案内部材205が、香箱駆動車204を受け入れるために設けられ、その組立は、図12で示されている。
ドラム113の近傍で、案内部材194が、香箱駆動車193を受け入れるために設けられ、その組立は図7で見られる。実際に、前記車193は、非常に長い軸を備え、位置決めするのが困難なプレートであり、したがって、当接案内部材194が、モジュール15のブリッジ156上に配置されると有利である。接触点には、光学的検査の前に注油される。
組立中に、案内部材194は、フレームに取り付けられた自動巻きデバイス20の自動巻きバーと呼ばれるバー200をその後に組み立て、次いで、図15で見られるように、その上部案内用に受石213を備えるフランジ215を組み立てるまで、前記車193を垂直な位置に保持する。
図8は、フレームに取り付けられた自動巻きデバイス20のためのピラー195の組立を示しており、前記ピラーは、プレート10ではなく、モジュール15に含まれるバーの穴部に固定される。このピラー195は、様々なバー間の間隔を保証し、また座金は、把持機能を有するに過ぎず、実際に、機械的なフレームとモジュール15のバー156との間に遊びがある。
変形形態では、閉鎖プレートが光学的検査後に配置され、その組立体は、溶接によりスタッド上に固定される。
図9は、フレームに取り付けられた自動巻きデバイス20の組立を示しており、それは、自動巻きモジュール18を任意選択で受け入れるための自動巻きバー200を備える。このバー200は、プレート10に打ち込まれた肩付きスタッド201および138の端部と協働するための2つの穴部210および211を有する。それはまた、香箱真111を案内するための穴部212と、小秒車の軸191を案内するための受石213とを含む。バー200はまた、回転錘180のための案内部材220を含む。
このバー200は、プレート10に直接溶接し、それにより、すでに組み立てられた構成要素を挟み込むことができるが、またはスタッド201および138などの端部で溶接することもできる。
図10は、衝撃がムーブメント100に加えられた場合に自動巻きデバイスのバーを保持するために、また特に香箱駆動車193を保持するために、クリップ202により、またはキーもしくは同様の要素によりここで構成された保持手段の組立を示している。実際に、バー200の案内部材220で枢動する任意選択の回転錘180の強い慣性は、衝撃を受けた場合、フレーム20の中央部分にけん引応力を加える作用がある。
摺動歯車戻りばね203が、次いで図11で分かるように、バー200の隆起した部分に当接して取り付けられる。この難しい組立は、光学的検査の前に行われ、その後に続いて、自動巻きバー200が組み立てられ、(この組立段階になるまで自由であった)香箱真が、この組立段階で溶接されると有利である。
任意選択の自動巻きモジュール18は、この段階で取り付けることができるが、あるいは組立シーケンスの後の方で行うこともできる。図26および27は、回転錘180を備える自動巻きモジュール18の組立を示している。回転錘180のための案内部材181は、フレームに取り付けられた自動巻きデバイス20に含まれる案内部材220と協動する。最後に、図27で、固定ねじ182が所定位置に配置される。回転錘180の時計方向および反時計方向に自由に回転する機能が、次いで、ロボット的マニピュレータにより試験される。日の裏車の最終組立のためにサブアセンブリを反転させる必要があるので、後に続く処理動作中にそれを保持する必要性を回避するために、組立シーケンスにおいて可能な限り、回転錘180の組立を延ばすこと、または機能検査された後に回転錘180を分解することも可能である。
図12は、次いで、その案内部材205に中間の香箱駆動車204を組み立てることを示している。図は、摺動歯車206の軸を受け入れるための、バー200に配置された細長い孔207を示しており、その組立が図13で示されている。近くにある案内スタッド209は、停止ピニオン208のためのピボットとして使用され、その組立が図14で示されている。
2つの中心スタッド216および217は、フランジ215を位置決めし、フランジ215は、香箱駆動中間車204および香箱駆動車193を案内するための受石213および214と、摺動歯車206を案内するための上部の細長い孔218とを含む。
この段階で、それにより構成されるサブアセンブリは、前に説明したように、ばね付きテンプ輪および脱進機を担持することが好ましい調速モジュール16を受け入れる用意ができた。この調速モジュール16は、有利には、テンプ輪ばねを外部で固定するために、バーに結合されたスタッドを含み、前記スタッドには、前記スタッドが恒久的に結合されるまで、そのすべてに対して識別するのに十分な幅がある。有利には、この調速モジュール16は、本出願人によるEP特許出願第11194061.5号による型で鋳造された小ローラを有するテンプ輪を含む。
この調速モジュール16は、プレートの穴部165と協動するように配置されたスタッド162を含む。調速モジュール16を、底部支持面101を介してプレート10と当接させて、モジュールがプレート10の外に突き出でる角度方向に、挿入方向Dで挿入することにより、事前に配置することは容易である。方向Aの枢動運動により、前記モジュールは、本出願人によるEP特許出願第11005713号で説明するように、ムーブメントの残りと協動することが可能になり、図16で示す位置になる。この調速モジュール16の組立は、モジュールが恒久的に調整され、固定される前に、光学的なカメラ検査、ならびに軸間および距離測定を含む。クランプタイプの把持は、前記調速モジュール16を所定位置に保持することを可能にし、したがって、携帯時計ユーザには視認できない側で作られるいくつかの溶接点のために反転できることを意味する。
この段階で、手動巻きムーブメントは機能することができ、任意の構成要素を失うことなく、または移動することなく、構成されたユニットを任意の姿勢で扱うことができる。ステムを用いる巻きは、人がりゅうずを扱うのをシミュレートして、毎分約100回転の高回転速度で試験される。
上記で述べたように、様々なモジュールは、このように、いくつかの溶接作業位置にわたって分散された約40箇所で恒久的に溶接される。
図17は、反転させた事前組立てのムーブメント100を示している。プレート10は、必要に応じて、文字板、または日付円板、または同様のものに対する支持体として働くことのできる面102を有する。
ステム機構モジュール15は、日の裏車とかみ合う日の裏車制御列151を制御する。
ディスプレイは最後に組み立てられる。
四番車軸1300は、ここではムーブメント100の中心にある。小秒車の軸191、および中心車軸131を見ることができる。それらは、プレート10の裏に構成される表示モジュール14の段階の前?に、すべて事前に組み立てられることが好ましいが、輪列モジュール13は、本質的に前記プレート10の前面側に取り付けられる。ユニットは、ここでは単一の基本構造モジュールを構成しているが、2つの独立したモジュールへと分割することも可能である。
図18で、プレート10に打ち込まれたスタッド104は、中間車103を受け入れる。
筒かな105は、図19で、所定の位置に配置され、かみ合わされる。次いで、分車106が、図20で、プレート10に打ち込まれたスタッド107上の所定位置に配置される。
図21は、時間車108の組立を示している。
この段階で、図示していない保持プレートまたは文字板により、日の裏車側で、ムーブメント100を閉じることができ、またムーブメントは、針が組み立てられると直ちに、完全に動作可能になる。
図21乃至25で示された非限定的な変形形態では、ムーブメント100はまた、日付機構30を備えている。図22は、日付駆動車31の組立を示している。図23は、プレート10に打ち込まれたスタッド34で枢動する中間の日付車33の組立を示しており、図24は、ステム機構モジュール15に含まれる日付制御列155とかみ合っている日付修正車35の組立を示している。次いで、歯車の取付けが光学的に検査される。図25で見られるように、輪または円板形状の日付インジケータ37が、面102に当接して配置され、日付インジケータのための保持板39が、次いで、プレート10に打ち込まれたスタッド391および392により心出しが行われて、図26で組み立てられる。ばねは、ロボット的マニピュレータにより同時に組み立てられる。溶接が、次いで、ステムによる日付制御の機能試験前にいくつかの場所で行われる。
好ましくは、ムーブメント100は、組み立てられたムーブメント100で直ちに慣性および/または不平衡を調整するようにテンプ輪に機械的なアクションを行うことによって最終的な速度調整を行う前に、調速および逃げ機構16が所定位置に配置されていることを試験し、かつ特に48時間のラッピング(lapping)動作を行うために、日付機構が所定位置に配置される前に完全に巻かれる。いずれにしても、ステム150を事前に巻くことが、日付機構試験のために必要である。
自動巻きムーブメント100が、次いで、完全に組み立てられ、いつでも動作することができる。
特に好ましい実施形態では、ムーブメント100は、テンプ輪ばねが固定されるインデックス組立体を含まない。実際に、テンプ輪に対する直接的な機械的アクションにより速度を調整することは、この機構をもはや必要としないことを意味する。したがって、存在しないインデックス組立体を保持するための緩衝器は不要であり、それにより、防振手段の設計に関して非常に大きな自由度が得られる。
ムーブメント100は、簡単であり、費用がかからず、かつ小型である上部および底部の円筒形緩衝器を含むと有利である。
有利な変形形態では、機能モジュール1は、いくつかの軸に加わる可能性のある高いけん引応力に耐えるために、例えば、PPS30、またはPPS40、または同様のものなど、高い耐性を備えるプラスチック材料から作られた支持体を含む。同じ耐性要件に答えるために、機能モジュールの構成要素は、剪断抵抗が不十分である可能性のある、支持体と共に成形されたスタッドではなく、支持体中に打ち込まれるスルーホール金属ピンに取り付けられる。これらの構成要素は、次いで、前記ピンの第1の端部で溶接することにより、第1の側で固定される。このタイプの支持体を用いることの利点は、構成要素を組み立てるために、両側からアクセス可能であることである。自動化された組立中に、構成要素が一方の側で組み立てられた後、中間の組立段階で支持体を反転させることが可能であり、その場合、第2の側に構成要素を取り付け、各ピンの第2の端部を溶接することにより、それらを固定することは容易である。当然であるが、その場合、何らかの構成要素を紛失する危険はないので、所望に応じて何回も支持体を反転させることも可能である。
本発明によるモジュール式構成は、特に中間支持体に対して両側からアクセスできるようになるが、それは、作業が行われているときに反転させることのできない、プレートの同じ側にすべての構成要素が取り付けられる従来の組立では不可能であることは明らかである。モジュール式構成は、この組立および両側溶接を実行させるためには必須のものであると言うこともできる。
好ましい変形形態では、ムーブメント100は、ムーブメントが回転錘を有する場合、回転錘上に最大で1つのねじを含む。他の接続はすべて、ねじを用いることなく達成される。
回転錘のない特定の変型形態では、ムーブメント100は、ねじを全く有しない。
ねじの数を制限すること、またはねじを除外することは、調整不良または故障を阻止するための重要な因子である。
本発明はまた、少なくとも1つのこのようなムーブメント100を含む時計1000に関する。
本発明はまた、平坦なムーブメントの製作を可能にすることにより、ムーブメントの内部容積を最適化するが、それは、他のプレート上に重ねられ、次いで、底部プレートに積み重ねられるプレートをそれぞれが含む追加機構を備える従来技術の実施形態では不可能であった。
本発明は、このタイプのモジュール式ユニットを構成する1つのムーブメント内で、それぞれが事前調整され、かつ事前に試験されており、またムーブメントの最終組立中に、何らかの後調整を必要としない機能モジュールを組み合わせることの利点を有する。このタイプのムーブメントの信頼性は、したがって、非常に良好である。
1 機能モジュール
9 組立構成要素
10 プレート
11 モータ・モジュール
12 ラチェット、ラチェット・カバー
13 輪列モジュール、支持面
14 表示モジュール
15 時間設定機構、時間設定モジュール、ステム機構モジュール、ブリッジ
16 調速モジュール
18 自動巻きモジュール
20 デバイス・フレーム、自動巻きデバイス
31 日付駆動車
33 中間の日付車
34 スタッド
35 日付修正車
37 日付インジケータ
39 保持板
70 枢動レバー
100 ムーブメント
101 底部支持面
102 面
103 中間車
104 スタッド
105 筒かな
106 分車
107 スタッド
108 時間車
110 香箱
111 香箱真
113 ドラム、コア
130 穴部
131 中心車軸、入力ピニオン
134 ピボット
135 支持面
136 リング
137 リング
138 スタッド
139 穴部
150 ステム
151 日の裏車制御列
152 巻き制御列、中間車
153 穴部
155 日付制御列
156 ブリッジ、バー
157 保持プレート
162 軸
165 穴部
180 回転錘
182 固定ねじ
190 小秒車
191 小秒車の軸
192 穴部
193 香箱駆動車
194 案内部材
195 ピラー
200 自動巻きバー
201 スタッド
202 クリップ
203 摺動歯車戻りばね
204 中間の香箱駆動車
205 案内部材
206 摺動歯車
207 細長い孔
208 停止ピニオン
209 案内スタッド
210 穴部
211 穴部
212 穴部
213 受石
214 受石
215 フランジ
216 中心スタッド
217 中心スタッド
218 細長い孔
220 案内部材
391 スタッド
392 スタッド
1000 時計
1300 四番車軸

Claims (13)

  1. モジュール式ユニットの形態の機械式時計ムーブメント(100)であって、特定の時計機能を実施するための少なくとも1つの機械的な機能モジュール(1)を含み、前記機能モジュール(1)は、前記特定の時計機能が調整されかつ試験台で機能検査が行われた後に、前記機能モジュール(1)に含まれる調整および/または組立構成要素(9)を不可逆的に固定することにより、不可逆的に事前調整されること、ならびに前記少なくとも1つの事前調整された機能モジュール(1)は、前記ムーブメント(100)に含まれる、または前記ムーブメント(100)の他の事前調整された機能モジュール(1)に含まれるプレート(10)に不可逆的に固定される、あるいは前記ムーブメント(100)に含まれる他の事前調整された機能モジュール(1)に不可逆的に固定されることを特徴とする機械式時計ムーブメント(100)。
  2. 前記プレート(10)に、または他の前記事前調整された機能モジュール(1)に不可逆的に固定された、前記不可逆的に事前調整された機能モジュールのそれぞれは、機械式モジュールであることを特徴とする、請求項1に記載の時計ムーブメント(100)。
  3. 複数の前記機能モジュール(1)を含み、それぞれは、特定の時計機能を実施するように事前調整され、かつそれぞれは、前記プレート(10)に対して直接的もしくは間接的に取り付けられ、または不可逆的に固定され、あるいは機能モジュール(1)間に、かつ/または前記ムーブメント(100)の構成要素間に挟み込まれて、次いで、前記プレート(10)に対して直接的または間接的に不可逆的に固定されることを特徴とする、請求項1に記載の時計ムーブメント(100)。
  4. 各前記事前調整された機能モジュール(1)は、少なくとも1つの入力車セットと、少なくとも1つの出力車セットとの間の動きを変換する特定の時計機能を実施することが求められるすべての構成要素を含むサブアセンブリから導かれた機械式モジュールであることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の時計ムーブメント(100)。
  5. モータ・モジュール(11)であり、かつ少なくとも1つの香箱(110)を含む少なくとも1つの事前調整された機能モジュール(1)を含み、その入力車セットは、香箱真(111)により構成され、前記モータ・モジュール(11)に組み込むことも組み込まないこともできるラチェット(12)と協動し、かつ前記モータモジュール(11)の前記出力車セットを構成する少なくとも1つのドラム(113)中の少なくとも1つのばねを巻くために、手動の巻き機構により、または巻きおよび時間設定機構(15)により、または自動巻き機構により、または自動巻きモジュール(18)により枢動するように配置され、前記ドラム(113)は、輪列または輪列モジュール(13)の入力ピニオン(131)を駆動するように配置されることを特徴とする、請求項4に記載の時計ムーブメント(100)。
  6. 輪列モジュール(13)である少なくとも1つの事前調整された機能モジュール(1)を含み、その入力車セットは、ドラム(113)と協動するように配置された入力ピニオン(131)により構成され、またその第1の出力車セット(4A)は、逃げ機構または調速モジュール(16)に含まれるガンギ車に接続された逃げピニオンと協動するように配置された四番車により構成されることを特徴とする、請求項4に記載の時計ムーブメント(100)。
  7. 前記輪列モジュール(13)に含まれる表示手段と、または前記輪列モジュール(13)の外部にある表示モジュール(14)と協動するように配置された表示列により構成された第2の出力車セットを含むことを特徴とする、請求項6に記載の時計ムーブメント(100)。
  8. 表示モジュール(14)である少なくとも1つの事前調整された機能モジュール(1)を含み、その入力車セット(3)は、輪列機構または輪列モジュール(13)に含まれる表示列により構成され、またその出力車セットは、相補的なインジケータと、または前記表示モジュール(14)、もしくは前記モジュールを組み込む時計(1000)に含まれる文字板と協動するように配置された少なくとも1つのインジケータにより構成されることを特徴とする、請求項4に記載の時計ムーブメント(100)。
  9. 時間設定モジュール(15)である少なくとも1つの事前調整された機能モジュール(1)を含み、その入力車セットは、ユーザにより動かすように配置されたステム(150)により構成され、またその第1の入力車セットは、日の裏車制御列(151)により構成されることを特徴とする、請求項4に記載の時計ムーブメント(100)。
  10. 前記時間設定モジュール(15)は、時間設定および巻きモジュールであり、また巻き制御列(152)により構成される第2の出力車セットを含むことを特徴とする、請求項9に記載の時計ムーブメント(100)。
  11. 調整ユニットを備える調速モジュール(16)である少なくとも1つの事前調整された機能モジュール(1)を含み、その入力車セットは、輪列または輪列モジュール(13)に含まれる四番車により動かされるように配置されたガンギ車(160)により構成され、またその出力車セットは、前記同じガンギ車(160)により構成されることを特徴とする、請求項4に記載の時計ムーブメント(100)。
  12. 自動巻きモジュール(18)である少なくとも1つの事前調整された機能モジュール(1)を含み、その入力車セットは、ユーザの動き、または外部ツールにより動かされる回転錘(180)により構成され、またその出力車セットは、モータ機構またはモータ・モジュール(11)に含まれるラチェット(12)、あるいはモータ機構またはモータ・モジュール(11)に含まれる香箱真とかみ合うラチェット(12)の駆動列により構成されることを特徴とする、請求項4に記載の時計ムーブメント(100)。
  13. 請求項1に記載の少なくとも1つのムーブメント(100)を含む時計(1000)。
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