JP2013124921A - X線液面検査装置用試験缶 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】底部2に連なって形成された中空円筒状の缶胴3を有するとともに、缶胴3が巻締めされる開口部5側に向けて縮径した形状を有する製品とされる缶容器1と、その缶容器1内に挿入される被検査体14とを備え、被検査体14は、缶容器1の軸線に沿って組み込まれる円柱状の中心部材12と、円環状部材が複数に分割されてなり中心部材12と缶胴3との間の空間を充填するように組み込まれる外周部材11とを有し、中心部材12は、その円柱状の上面が、認識される液面レベルに対応する第一の検出面12kとされている。
【選択図】図3
Description
しかしながら、炭酸水を封入した試験缶は、缶を振って内圧をかけた場合と、全く振らずにそのままX線液面検査装置を通した場合とでは判定値が変わってしまうことがあった。また、炭酸水を封入した試験缶は、缶胴がアルミ製のため、入味量の確認試験に繰り返し使用すると、次第に缶胴に凹みが生じ、缶容器内の液面レベルが上昇するなど変化してしまう。一方、X線液面検査装置で設定する基準となる入味量の高さは、NG用の試験缶(不合格製品)を排斥するように液面レベルの許容範囲を調整するため、缶容器内の液面レベルが上昇した試験缶で入味量の基準値を設定してしまうと、通常稼働時に無駄な排斥が発生してしまい、連続排斥等によりラインの停止につながってしまうことがあった。
一方、生産ラインに近い状態としつつX線液面検査装置で入味量を正確に試験する上では、製品とされる缶容器を可及的に用いて確認試験を行なうことも重要である。X線液面検査装置のX線量が変化した際に、出荷される製品と同様の変化を確認できるからである。
このような構成であれば、X線液面検査装置で入味量を判定している搬送方向の検査範囲にズレが生じていないかの確認が同時に可能となり、液面レベルの補正が正しく行われているか否かが一層正確に判る。
その理由は、通常のX線液面検査装置は、缶胴の中心を含む所定範囲を検査範囲としており、その検査範囲の平均値を最終判定値として出力する。そのため、何らかの要因により、検査範囲が缶胴の中心からずれて第二の検出面を検出できなくなると、最終判定値が第一の検出面のレベルに下がることになる。そのため、容易に検査範囲のずれを判断することができるからである。
つまり、被検査体は、製品とされる内容物に近い比重が望ましいと考えられるので、被検査体を主にプラスチック部材から構成すれば、比重をビール等と近くすることができ、また、プラスチック部材は入手および加工が容易なので被検査体の素材として好適だからである。また、第二の検出面を構成する突起部材を金属製とすれば、この部分でのX線の吸収率を良くすることができるので、検査範囲のずれを判断する上で好適である。
図1に示すように、このビール製造ラインは、缶蓋及び缶体を供給する供給工程を行うブロック101と、フィラーによりビールを缶体に注入し、シーマーにより缶体に缶蓋を装着する缶詰め工程を行うブロック102と、ビールが詰められた製品を検査する検査工程を行うブロック103と、検査後の製品を加温機により加温する工程を行うブロック104と、製品の入味を検査する検査工程を行う及びブロック105と、入味検査後に分岐して製品を6本(マルチ)パックに梱包した上で24本入りカートンに梱包する工程又は製品を個別のまま(ルーズ等)他の形態で24本入りカートンに梱包する工程を行うブロック106,107と、カートンの印字を検査する工程を行うブロック108と、カートンの重量を検査する工程を行うブロック109と、カートンを搬出する工程を行うブロック110とを有する。
図2に示すように、ブロック105に配備されるX線液面検査装置は、被検査容器となる缶容器CにX線を照射する検査装置本体20と、その検査装置本体20に付設された制御装置21と、検査装置本体20内を通るトンネル部22に缶容器Cを搬送可能に設けられたコンベア23とを有する。X線液面検査装置は、検査装置本体20の上流にある、X線ON用センサー24にて缶容器Cが検出されたらX線の照射を開始するようになっている。
缶容器1は、底部2と、その底部2に連なって形成された中空円筒状の缶胴3とを有する。缶胴3は、巻締めされる開口部5側に向けて縮径した縮径部(4段ネック部)4を有する。なお、試験缶10として用いる缶容器1の開口部は、巻締めしない(以下同じ)。
図4(a)に示すように、中心部材12は、その円柱状の上面が、認識される液面レベルに対応する第一の検出面12kとなるように円柱の高さHが設定されている。本実施形態の例では、後述する検査範囲に第一の検出面12kの大きさ(搬送方向での長さ)を対応させるために、中心部材12の上部に円環状の鍔部12tを形成している。なお、第一の検出面12kの大きさが検査範囲に対応すれば、鍔部12tを形成せずに、単に円柱状とした中心部材12の上面を第一の検出面12kとしてもよい。
この試験缶10の組み込み方法は、缶容器1の内部に先に上記複数に分割された外周部材11を開口部から順次に入れる。このとき、図4(b)に示す、半割れの外周部材片11A,11Bを、図3に示すように、各組を対向させて環状となるように組み合わせ、これを2段に積み上げる。次いで、環状に組み合わせた外周部材11中心部の空隙部に中心部材12を下端部側から挿入する。これにより、試験缶10内に円筒状の中心部材12の第一の検出面12kを配し、その中央にステンレス鋼製の突起部材13による第二の検出面13kを設けることができる。このように組み込まれたときに、第一の検出面12kおよび第二の検出面13kの高さを、第一実施形態(R缶:350ml缶)の所定の液面レベルに対応する高さに予め設定することで、その上端部を液面レベルとしてそれぞれX線液面検査装置に認識させることができる。
上述の試験缶10によれば、製品とされる缶容器1内に、主にプラスチック製である被検査体14を組み込んだ試験缶10としたので、これを用いて確認試験を行なえば、X線液面検査装置のX線量が変化した際に、出荷される製品と同様の変化を確認することができる。また、この試験缶10によれば、被検査体14は、外周部材11が、中心部材12と缶胴3との間の空間を充填するように組み込まれているので、缶胴3の部分の凹みが抑制されている。
なお、本発明に係るX線液面検査装置用試験缶は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能であり、例えば、本発明の試験缶は、ビール以外の液体の飲料容器での確認試験用の試験缶としても適用できることは勿論である。
2 底部
3 缶胴
4 縮径部
5 (巻締めされる)開口部
10 試験缶
11 外周部材
12 中心部材
12k 第一の検出面
13 突起部材
13k 第二の検出面
14 被検査体
Claims (3)
- 缶容器内の液面レベルが許容範囲内に入っているか否かを検査するX線液面検査装置での合否判定の基準となる入味量の確認試験を行なうための試験缶であって、
底部に連なって形成された中空円筒状の缶胴を有するとともに、前記缶胴が巻締めされる開口部側に向けて縮径した形状を有する製品とされる缶容器と、該缶容器内に挿入される被検査体とを備え、
前記被検査体は、前記缶容器の軸線に沿って組み込まれる円柱状の中心部材と、円環状部材が複数に分割されてなり前記中心部材と前記缶胴との間の空間を充填するように組み込まれる外周部材とを有し、前記中心部材は、その円柱状の上面が、認識される液面レベルに対応する第一の検出面とされていることを特徴とするX線液面検査装置用試験缶。 - 前記中心部材には、前記第一の検出面の中央に、円盤状の突起部材が設けられ、該突起部材の上面が、認識される液面レベルに対応する第二の検出面とされていることを特徴とする請求項1に記載のX線液面検査装置用試験缶。
- 前記中心部材および外周部材は、プラスチック製であり、前記突起部材は、金属製であることを特徴とする請求項2に記載のX線液面検査装置用試験缶。
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