以下、本実施形態の締結具用スペーサについて、図1〜図3および図9を参照しながら説明する。
本実施形態の締結具用スペーサ26は、筒状(本実施形態では、円筒状)の本体部26aを備えている。
本体部26aは、例えば、ステンレスなどの金属により形成されている。
また、本体部26aの外径寸法は、例えば樹脂成型品などの被取付物40(図3参照)の厚み寸法が小さな薄肉部41(図3参照)に貫設された貫通孔40a(図3参照)の内径寸法よりも若干小さく設定されている。また、本体部26aの内径寸法は、締結具である取付ねじ43(図9(b)参照)のねじ部43bの外径寸法よりも若干大きく、且つ、取付ねじ43のねじ頭部43aの外径寸法よりも小さく設定されている。つまり、本体部26aは、被取付物40の貫通孔40a内に配置され締結具を挿入することが可能となっている。
ところで、本体部26aは、周壁の一部に、本体部26aの中心軸に沿って周壁の一端から他端に亘ってスリット部26dが形成されている。このスリット部26dは、直線状に形成されている。本実施形態の締結具用スペーサ26では、本体部26aが金属により形成され、且つ、本体部26aの周壁の一部にスリット部26dを形成しているので、ばね性を有することが可能となる。また、本実施形態の締結具用スペーサ26では、ばね性を有することができるので、この締結具用スペーサ26を被取付物40の貫通孔40aに挿入する作業性を向上させることが可能となる。
また、本体部26aは、周壁の一端側(図1では、上端側)に、外方へ突出するように複数(図示例では、4つ)のストッパー部26bが延設されている。要するに、本体部26aは、周壁の上記一端側に、外方へ突出したストッパー部26bが設けられている。
各ストッパー部26bは、板状(本実施形態では、矩形板状)に形成されている。また、各ストッパー部26bは、本体部26aの中心軸を中心とし周方向において放射線状に等間隔で設けられている。本実施形態の締結具用スペーサ26では、本体部26aを被取付物40の貫通孔40a内に配置すると、各ストッパー部26bが、薄肉部41の一面側(図3では、上面側)における貫通孔40aの周部に当接する。これにより、本実施形態の締結具用スペーサ26では、この締結具用スペーサ26を被取付物40の貫通孔40a内に配置しても、被取付物40を締結具により上記取付面に取り付ける前に、被取付物40から抜けるのを防ぐことが可能となる。ここにおいて、従来からのスペーサとしては、例えば、図4(a)〜図4(d)それぞれに示す参考例のスペーサが知られている。図4では、(a)が円筒状のスペーサ、(b)が矩形筒状のスペーサ、(c)が六角筒状のスペーサ、(d)が板状のスペーサである。図4(a)〜図4(d)それぞれに示した構成のスペーサでは、このスペーサを、被取付物40の貫通孔40a内に配置しても、被取付物40を締結具により上記取付面に取り付ける前に、被取付物40から抜ける可能性がある。そこで、参考例のスペーサでは、このスペーサを被取付物40の貫通孔40a内に配置する場合、被取付物40から抜けるのを防止するための別部材が必要となる。これに対して、本実施形態の締結具用スペーサ26では、本体部26aの周壁の上記一端側に、外方へ突出したストッパー部26bを設けているので、上述の別部材が不要となる。また、本実施形態の締結具用スペーサ26では、本体部26aの周壁の上記一端側にストッパー部26bを外方へ突出するように延設しているので、参考例のスペーサに比べて、低コストで抜け止め機能を付与することが可能となる。
したがって、本実施形態の締結具用スペーサ26では、締結具を挿入可能な筒状の本体部26aを備え、本体部26aは、周壁の一部に、本体部26aの中心軸に沿って周壁の上記一端から上記他端に亘ってスリット部26dを形成し、周壁の上記一端側と上記他端側との一方に、外方へ突出したストッパー部26bを設けているので、別部材を用いることなく抜け止め可能となり、低コストで、抜け止め可能となる。
また、本体部26aは、周壁の他端側(図1では、下端側)に、外方へ突出するように複数(図示例では、2つ)のストッパー部26cが突設されている。要するに、本実施形態の締結具用スペーサ26では、本体部26aが、周壁の上記一端側にストッパー部26bを設け、周壁の上記他端側に外方へ突出したストッパー部26cを設けている。以下、本実施形態の締結具用スペーサ26では、本体部26aの周壁の上記一端側に設けられたストッパー部26bを第1のストッパー部26bと称し、本体部26aの周壁の上記他端側に設けられたストッパー部26cを第2のストッパー部26cと称する。
各第2のストッパー部26cは、凸状(本実施形態では、半球状)に形成されている。本実施形態の締結具用スペーサ26では、平面視においてスリット部26dを含む1つの径に直交する径方向の両側で周壁に、第2のストッパー部26cが設けられている。また、本実施形態では、各第2のストッパー部26cの突出寸法が、第1のストッパー部26bの突出寸法よりも小さく設定されている。これにより、本実施形態の締結具用スペーサ26では、この締結具用スペーサ26を、被取付物40の貫通孔40aに挿入することが可能となる。
また、本実施形態の締結具用スペーサ26では、本体部26aを被取付物40の上記一面側から貫通孔40aに挿入して貫通孔40a内に配置すると、各第2のストッパー部26cが、薄肉部41の他面側(図3では、下面側)における貫通孔40aの周部に当接可能となる。
なお、本実施形態の締結具用スペーサ26では、本端部26aの周壁の上記一端側に第1のストッパー部26bを設け、上記他端側に第2のストッパー部26cを設けているが、本体部26aの周壁の上記一端側に第2のストッパー部26cを設け、上記他端側に第1のストッパー部26bを設けてもよい。
したがって、本実施形態の締結具用スペーサ26では、本体部26aは、周壁の上記一端側と上記他端側との一方に、上述のストッパー部26bである第1のストッパー部26bを設け、他方に、外方へ突出した第2のストッパー部26cを設けており、第2のストッパー部26cの突出寸法を、第1のストッパー部26bの突出寸法よりも小さく設定しているので、この締結具用スペーサ26を被取付物40に仮止めすることが可能となる。
ここにおいて、本実施形態の締結具用スペーサ26の作製方法としては、例えば、まず、金属板から締結具用スペーサ26の展開図に相当する形を打ち抜き加工し、打ち抜き加工された金属板に2つの第2のストッパー部26cをエンボス加工により突出させる。次に、この打ち抜き加工された金属板を曲げ加工することにより円筒状の本体部26aを形成し、このとき、本体部26aに、本体部26aの中心軸に沿って周壁の上記一端から上記他端に亘ったスリット部26dを形成する。そして、4つの第1のストッパー部26bを折り曲げ加工することによって、締結具用スペーサ26を作製できる。
以上説明した本実施形態の締結具用スペーサ26では、本体部26aは、周壁の一部に、本体部26aの中心軸に沿って周壁の上記一端から上記他端に亘ってスリット部26dを形成し、周壁の上記一端側と上記他端側との一方に、外方へ突出したストッパー部26bを設けているので、別部材を用いることなく抜け止め可能となり、低コストで、抜け止め可能となる。
以下、本実施形態の締結具用スペーサ26を備えたLEDユニット10について、図5
〜図22に基づいて説明する。
本実施形態のLEDユニット10は、例えば、照明器具44(図22参照)の光源として用いることができる。このLEDユニット10は、LED1が実装された配線基板2と、LED1から放射された光を出射する出射部8を有し配線基板2を収納可能な箱状の筐体4と、配線基板2に電気的に接続され筐体4から導出される一対の配線3a,3bと、上述の締結具用スペーサ26とを備えている。なお、本実施形態の締結具用スペーサ26では、筐体4が、被取付物40を構成している。
LED1としては、例えば、青色光を放射するLEDチップ(以下、青色LEDチップと称する)と、青色LEDチップから放射された青色光により励起されてブロードな黄色光を放射する黄色蛍光体からなる蛍光体とを組み合わせて白色光を得る白色LEDを用いることができる。このようなLED1は、例えば、青色LEDチップ(図示せず)と、この青色LEDチップが実装された実装基板1aと、青色LEDチップを覆い黄色蛍光体を含有した第1の透光性材料(例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ガラスなど)からなる色変換部(図示せず)と、青色LEDチップおよび色変換部を封止した第2の透光性材料(例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ガラスなど)からなる封止部1bとを有している。なお、LED1の蛍光体は、黄色蛍光体に限らず、例えば、赤色蛍光体と緑色蛍光体とを用いてもよい。また、LED1は、紫〜近紫外線を放射するLEDチップと、赤色蛍光体、緑色蛍光体および青色蛍光体とを組み合わせて白色光を得る白色LEDを用いてもよい。さらに、LED1は、赤色光を放射するLEDチップと緑色光を放射するLEDチップと青色LEDチップとを組み合わせて白色光を得る白色LEDを用いてもよい。また、LED1から放射される光の色は、白色に限るものではない。
配線基板2は、例えば、ガラスエポキシ樹脂などからなる絶縁性基材に適宜の導体パターン(図示せず)が形成されたプリント配線板により形成されている。また、配線基板2には、LED1と電気的に接続可能な一対の端子部2a,2bが、上記導体パターンの一部により形成されている。本実施形態のLEDユニット10では、LED1のアノード電極が端子部2aに接続されており、LED1のカソード電極が端子部2bに接続されている。なお、本実施形態のLEDユニット10では、配線基板2として上述のプリント配線板を用いているが、これに限らず、例えば、金属ベースプリント配線板、セラミック基板などを用いてもよい。また、本実施形態では、配線基板2におけるLED1の実装側(図5では、上側)の一面に、一対の端子部2a,2bの近傍に端子部2a,2bの極性を示す“+”、“−”がそれぞれ表記されている。
本実施形態のLEDユニット10では、配線基板2の一対の端子部2a,2b間に、LED1の絶縁破壊を防止するためのツェナーダイオード28が電気的に接続されている。なお、ツェナーダイオード28は、配線基板2におけるLED1の実装側の一面に実装されている。
また、本実施形態のLEDユニット10では、配線基板2におけるLED1の実装側に、LED1および各端子部2a,2b以外の部位の大部分を覆う白色のレジスト層などからなる反射層(図示せず)が形成されている。これにより、本実施形態のLEDユニット10では、LED1から放射された光が配線基板2に吸収されるのを抑制することが可能となる。
配線基板2の一対の端子部2a,2bには、一対の配線3a,3bが、半田からなる接合部(図示せず)を介して電気的にそれぞれ接続されている。本実施形態のLEDユニット10では、一方の配線3aが端子部2aと電気的に接続されており、他方の配線3bが端子部2bと電気的に接続されている。ここで、各配線3a,3bは、配線基板2に電気的に接続可能な導電体3c(図8参照)が絶縁被覆部3d(図8参照)により覆われた被覆電線であり、筐体4内において導電体3cの一部が露出している。
また、本実施形態のLEDユニット10は、筐体4内で各配線3a,3bおよび配線基板2の各々とは電気的に絶縁された1本の電線7を備えている。本実施形態のLEDユニット10は、一例として、電線7の一端部側を電源ユニット11(図22参照)と電気的に接続し、他端部側をLEDユニット10の他方の配線3bと電気的に接続して使用される。したがって、本実施形態のLEDユニット10では、配線基板2とは別体に電線7を備えることによって、配線基板2に戻り電線としての機能を有する導体パターンが形成された場合に比べて、配線基板2に起因するLEDユニット10の電力損失を抑制することが可能となる。
また、電線7は、一端部側が他のLEDユニット10の電線7の他端部側と電気的に接続可能となっており、他端部側が他のLEDユニット10の電線7の一端部側と電気的に接続可能となっている。
筐体4は、配線基板2におけるLED1の実装側に配置され上述の出射部8を具備する第1筐体5と、配線基板2における上記実装側とは反対側(図5では、下側)に配置される板状の第2筐体6とを有している。本実施形態のLEDユニット10では、第1筐体5および第2筐体6の各々が、例えば、アクリル樹脂(メタアクリル樹脂(PMMA)など)により形成されている。
第1筐体5は、配線基板2側(図5では、下側)に開口部5a(図11(b)および図12(b)参照)を有する箱状に形成されている。また、第1筐体5は、筐体4の平面視において規定方向(図12では、左右方向)の一端部(図12では、左端部)に一方の配線3aを導出する第1導出部14が設けられている。また、第1筐体5は、筐体4の平面視において上記規定方向の他端部(図12では、右端部)に他方の配線3bを導出する第2導出部15が設けられている。ここにおいて、電線7は、一端部側が第1導出部14から導出され、他端部側が第2導出部15から導出されている。
また、第1筐体5は、配線基板2側に開口部13aを有する第1収納室13(図12(b)参照)が形成されている。この第1収納室13は、LED1が実装された配線基板2を収納する。
第1収納室13の底部13bの中央部には、配線基板2に実装されたLED1と対向する部位に、上述の出射部8が形成されている。本実施形態のLEDユニット10では、出射部8が、LED1から放射される光の配光を制御するレンズ部9であり、出射面側が凸形状に形成されている。
レンズ部9において配線基板2と対向する部位の中央部には、LED1の一部が収納される凹所9c(図8(a)および図10(a)など参照)が設けられている。本実施形態のLEDユニット10では、LED1の光出射面とレンズ部9の凹所9cの内面との間には、空隙29が設けられている。また、本実施形態では、LED1の光出射面を半球面状に形成しており、レンズ部9の凹所9cを半楕円球状に形成してある。これにより、本実施形態のLEDユニット10では、LED1の光出射面から出射された光がレンズ部9の凹所9cにおけるすべての内面に入射可能となり、光の利用効率を高めることが可能となる。
また、レンズ部9において配線基板2と対向する部位の周部には、配線基板2と当接する円筒状の周壁18(図11(b)および図12(b)など参照)が配線基板2側へ突設されている。この周壁18には、LED1からの熱を放熱するための溝部18cが複数箇所(図示例では、2箇所)に形成されている。ここで、本実施形態のLEDユニット10では、周壁18が、平面視において半円弧状の第1周壁18aと、平面視において半円弧状の第2周壁18bとで構成されている。
第1周壁18aおよび第2周壁18bの各々において配線基板2と対向する部位には、第1筐体5を配線基板2に位置決めするための第1突起18dが複数個(図示例では、2個)ずつ設けられている。ここにおいて、配線基板2には、レンズ部9の周壁18における各第1突起18dと対向する部位に、各第1突起18dを各別に収納する第1収納孔2cが貫設されている。
また、第1収納室13の底部13bにおいて配線基板2と対向する部位には、配線基板2と当接可能な第1リブ19(図11(b)および図12(b)など参照)が複数箇所(図示例では、4箇所)に設けられている。本実施形態のLEDユニット10では、4つの第1リブ19のうち2つの第1リブ19に、第1筐体5を配線基板2に位置決めするための第2突起19aがそれぞれ形成されている。ここにおいて、配線基板2には、第1収納室13の2つの第1リブ19に形成された各第2突起19aと対向する部位に、各第2突起19aを各別に収納する第2収納孔2dが貫設されている。
また、第1収納室13の底部13bにおいてレンズ部9以外で且つ配線基板2と対向する部位には、電線7の一部を収納する収納溝13c(図11(b)および図12(b)など参照)が、レンズ部9の第1周壁18aに沿って形成されている。言い換えれば、本実施形態のLEDユニット10では、筐体4の内面における出射部8の外側の部位に収納溝13cが形成されている。これにより、本実施形態のLEDユニット10では、電線7の一部が出射部8と配線基板2との間に入るのを防止することが可能となる。
本実施形態のLEDユニット10では、第1収納室13の内側面に、収納溝13cに一部が収納された電線7を第1周壁18aとで挟持する突部13eが、複数箇所(図示例では、2箇所)に突設されている。また、本実施形態では、第1収納室13における4つの第1リブ19のうち1つの第1リブ19に、上述の突部13eが設けられている。言い換えれば、本実施形態では、第1収納室13において収納溝13cに一部が収納された電線7を第1周壁18aとで挟持する突部13eが、3箇所に設けられている。つまり、本実施形態のLEDユニット10では、第1筐体5において第1収納室13の突部13eと第1周壁18aとが、収納溝13cに一部が収納された電線7を張力止めする張力止部としての機能を有している。これにより、本実施形態のLEDユニット10では、電線7に作用する張力を低減するための別部品が不要となり、低コストで電線7の張力止め機能を付与することが可能となる。
また、第1収納室13の底部13bにおけるレンズ部9以外の部位には、レンズ部9に近づくに従って第1筐体5と第2筐体6との間の距離が徐々に小さくなるように形成された傾斜部13dが設けられている。この傾斜部13dは、レンズ部9に近づくに従って第1筐体5における第2筐体6とは反対側の一表面(図8では、上面)と第2筐体6との間の距離が徐々に小さくなるように形成されている。これにより、本実施形態のLEDユニット10では、レンズ部9の光出射面(レンズ面)の面積を増やすことが可能となり、光の利用効率を高めることが可能となる。
本実施形態のLEDユニット10では、一方の配線3aにおける導電体3cの一部が、第1筐体5の傾斜部13dと第2筐体6との間に配置されて配線基板2の端子部2aに電気的に接続されている。また、本実施形態では、他方の配線3bにおける導電体3cの一部が、第1筐体5の傾斜部13dと第2筐体6との間に配置されて配線基板2の端子部2bに電気的に接続されている。ここで、本実施形態のLEDユニット10では、一対の配線3a,3bにおける導電体3cの一部の各々が、上記接合部を介して一対の端子部2a,2bに電気的にそれぞれ接続されている。これにより、本実施形態のLEDユニット10では、第1筐体5の傾斜部13dと第2筐体6との間の距離を、各配線3a,3bにおいて絶縁被覆部3dを含む外径寸法よりも小さく設定することが可能で、一対の配線3a,3bにおける導電体3cの一部の各々と一対の端子部2a,2bとを電気的にそれぞれ接続した半田からなる上記接合部が盛り上がった部分の高さまで小さく設定することが可能となるので、第1筐体5に傾斜部13dを設けない場合に比べて、筐体4における配線基板2の厚み方向に沿った高さ寸法を小さくすることが可能となる。
第1導出部14は、配線基板2側に開口部31aを有する第2収納室31(図11(b)および図12(b)など参照)が形成されている。この第2収納室31は、一方の配線3aおよび電線7の一部を収納する。また、第2収納室31は、第1収納室13と第1仕切壁部20で仕切られている。第1仕切壁部20には、一方の配線3aを挿通した第1挿通穴20bが形成されている。また、第1仕切壁部20には、電線7を挿通した第2挿通穴20cが形成されている。ここにおいて、第2収納室31は、第1仕切壁部20に形成された第1挿通穴20bおよび第2挿通穴20cを通して第1収納室13と連通している。
第2収納室31の底部31dは、第1筐体5の傾斜部13dから離れるに従って第1筐体5と第2筐体6との間の距離が一定となるように形成された第1平坦部14eを構成している。なお、本実施形態のLEDユニット10では、第2収納室31の第1平坦部14eと第2筐体6との間の距離が、一方の配線3aにおいて絶縁被覆部3dを含む外径寸法よりも若干大きく設定されている。
第2導出部15は、配線基板2側に開口部32aを有する第3収納室32(図11(b)および図12(b)など参照)が形成されている。この第3収納室32は、他方の配線3bおよび電線7の一部を収納する。また、第3収納室32は、第1収納室13と第2仕切壁部21で仕切られている。第2仕切壁部21には、他方の配線3bを挿通した第3挿通穴21bが形成されている。また、第2仕切壁部21には、電線7を挿通した第4挿通穴21cが形成されている。ここにおいて、第3収納室32は、第2仕切壁部21に形成された第3挿通穴21bおよび第4挿通穴21cを通して第1収納室13と連通している。
第3収納室32の底部32dは、第1筐体5の傾斜部13dから離れるに従って第1筐体5と第2筐体6との間の距離が一定となるように形成された第2平坦部15eを構成している。なお、本実施形態のLEDユニット10では、第3収納室32の第2平坦部15eと第2筐体6との間の距離が、他方の配線3bにおいて絶縁被覆部3dを含む外径寸法よりも若干大きく設定されている。
本実施形態のLEDユニット10では、第1導出部14および第2導出部15の各々が、筐体4の平面視における上記規定方向に沿った中心線に対して互いに異なる側に配置されている。具体的に説明すると、第1導出部14は、筐体4における上記一端部において、上記厚み方向および一方の配線3aの導出方向に直交する方向の一方(図5では、右下側)に配置されている。また、第2導出部15は、筐体4における上記他端部において、上記直交する方向の他方(図5では、左上側)に配置されている。ここにおいて、第1導出部14および第2導出部15における上記直交する方向の幅寸法は、筐体4における上記直交する方向の幅寸法よりも小さく設定されている。
また、第1導出部14において筐体4の上記規定方向の一端部(図12では、左端部)には、一方の配線3aを導出するための第1導出穴14bが形成されている。また、第1導出部14における上記一端部には、電線7を導出するための第2導出穴14cが形成されている。
また、第2収納室31の底部31dにおける配線基板2と対向する部位には、第1挿通穴20bを通して第1導出穴14bから導出された一方の配線3aの一部を、第1導出部14における第2収納室31の内壁とで挟持する第2リブ22が突設されている(図21(a)など参照)。つまり、本実施形態のLEDユニット10では、第2リブ22が、一方の配線3aの一部を第1導出部14の内壁とで挟持する第1張力止部を構成している。これにより、本実施形態のLEDユニット10では、一方の配線3aに作用する張力を低減するための別部品が不要となり、低コストで一方の配線3aの張力止め機能を付与することが可能となる。また、本実施形態では、一方の配線3aに作用する張力を低減することが可能となるので、一方の配線3aにおいて露出された導電体3cの一部と配線基板2の端子部2aとの上記接合部に応力が作用して断線するのを防止することが可能となる。
また、第2導出部15において筐体4の上記規定方向の一端部(図12では、右端部)には、他方の配線3bを導出するための第3導出穴15bが形成されている。また、第2導出部15における上記一端部には、電線7を導出するための第4導出穴15cが形成されている。
また、第3収納室32の底部32dにおける配線基板2と対向する部位には、第3挿通穴21bを通して第3導出穴15bから導出された他方の配線3bの一部を、第2導出部15における第3収納室32の内壁とで挟持する第3リブ23が突設されている。つまり、本実施形態のLEDユニット10では、第3リブ23が、他方の配線3bの一部を第2導出部15の内壁とで挟持する第2張力止部を構成している。これにより、本実施形態のLEDユニット10では、他方の配線3bに作用する張力を低減するための別部品が不要となり、低コストで他方の配線3bの張力止め機能を付与することが可能となる。また、本実施形態では、他方の配線3bに作用する張力を低減することが可能となるので、他方の配線3bにおいて露出された導電体3cの一部と配線基板2の端子部2bとの上記接合部に応力が作用して断線するのを防止することが可能となる。
また、第1筐体5は、筐体4の上記規定方向の一端部および他端部に、筐体4を照明器具44の器具本体12の取付面12a(図22参照)に取り付けるための第1取付部16aおよび第2取付部16bがそれぞれ形成されている。第1取付部16aおよび第2取付部16bは、筐体4における上記中心線に対して第1導出部14および第2導出部15とは反対側にそれぞれ配置されている。ここで、本実施形態のLEDユニット10では、第1導出部14および第1取付部16aの各々が、筐体4における上記幅寸法内に収まるように形成されている。また、本実施形態では、第2導出部15および第2取付部16bの各々が、筐体4における上記幅寸法内に収まるように形成されている。
各取付部16a,16bには、筐体4を器具本体12の取付面12aに取り付けるための取付ねじ43(図9(b)参照)をこれら各取付部16a,16bの一表面側(図5では、上面側)から挿通する第1挿通孔16cが貫設されている。
第2筐体6は、板状に形成されている。第2筐体6の配線基板2側(図5では、上側)には、第1筐体5の第1収納室13、第2収納室31および第3収納室32の外周縁(図20(a)中に示した一点鎖線の部分)と対向する部位に、配線基板2側へ突出する突壁24が設けられている。
突壁24の配線基板2側には、第1導出部14の第1導出穴14bに対応する位置に、一方の配線3aを導出するための第1導出穴24bが形成されている。また、突壁24の配線基板2側には、第1導出部14の第2導出穴14cに対応する位置に、電線7を導出するための第2導出穴24cが形成されている。さらに、突壁24の配線基板2側には、第2導出部15の第3導出穴15bに対応する位置に、他方の配線3bを導出するための第3導出穴24aが形成されている。また、突壁24の配線基板2側には、第2導出部15の第4導出穴15cに対応する位置に、電線7を導出するための第4導出穴24dが形成されている。本実施形態のLEDユニット10では、第1筐体5の配線基板2側と第2筐体6の突壁24の先端面とを突き合わせてこの突き合わせた部分を溶着(例えば、超音波溶着など)することによって、第1筐体5と第2筐体6とが結合されている。
また、第2筐体6には、第1筐体5の第1導出部14および第2導出部15の各々と対向する部位に、第1導出部14および第2導出部15の各々の内部に封止材を充填するための貫通孔6aが設けられている。本実施形態のLEDユニット10では、筐体4の第1導出部14および第2導出部の内部に、封止材が充填される。これにより、本実施形態のLEDユニット10では、各導出穴14b,14c,15b,15c,24a〜24dを通して筐体4内に水などが浸入するのを防止することが可能となる。なお、図8では、封止材を省略している。
また、第2筐体6には、第1筐体5の第1導出部14および第2導出部15の各々と対向する部位に、第1導出部14および第2導出部15の各々の内部に封止材を充填する際に第1導出部14および第2導出部15内の大気を外部へ排出するための排気孔6bが貫設されている。この排気孔6bは、第1導出部14および第2導出部15の内部に充填される封止材が、図20(b)中に示す矢印の経路で流れ込むように形成されている。
また、第2筐体6の配線基板2側には、第1筐体5における各挿通穴20b,20c,21b,21cに対応する位置に、各配線3a,3bや電線7の一部と当接可能な第4リブ25が突設されている。これにより、本実施形態のLEDユニット10では、第2筐体6の貫通孔6aから充填された封止材が、各挿通穴20b,20c,21b,21cを通して第1収納室13内に侵入するのを防止することが可能となる。ここにおいて、本実施形態のLEDユニット10では、第1筐体5における各挿通穴20b,20c,21b,21cと第2筐体6における各第4リブ25とが、第1筐体5と第2筐体6とを逆向きに結合するのを防止する機能を有している。また、第1筐体5における上記直交する方向の一側面(図5では、右下側面)には、第1筐体5と第2筐体6とを逆向きに結合するのを防止するための第1目印である第1突片30aが外方へ突設されている。また、第2筐体6における上記直交する方向の一側面(図5では、右下側面)には、第1筐体5の第1突片30aに対応する位置に、第1筐体5と第2筐体6とを逆向きに結合するのを防止するための第2目印である第2突片30bが外方へ突設されている。
また、第2筐体6には、第1筐体5の第1取付部16aおよび第2取付部16bの各第1挿通孔16cに対応する位置に、取付ねじ43を第1筐体5側から挿通する第2挿通孔6cが貫設されている。以下、本実施形態のLEDユニット10では、説明の便宜上、第1挿通孔16cと第2挿通孔6cとを合わせて取付ねじ挿通孔17と称することもある。なお、本実施形態のLEDユニット10では、取付ねじ挿通孔17が、筐体4に貫設された貫通孔を構成している。
本実施形態のLEDユニット10では、筐体4の各取付ねじ挿通孔17内に、上述の締結具用スペーサ26が配置されている(図7(b)および図9参照)。ここにおいて、第2筐体6の配線基板2側とは反対側(図7では、下側)の各第1挿通孔16cの周部には、凹部42がそれぞれ形成されている。各凹部42の深さ寸法は、締結具用スペーサ26の第1のストッパー部26bの厚み寸法よりも若干大きく設定されている。なお、図6では、上述の締結具用スペーサ26を省略している。
以上説明した本実施形態のLEDユニット10では、LED1を実装した配線基板2が収納された箱状の筐体4と、筐体4に貫設された貫通孔(取付ねじ挿通孔17)内に配置される上述の締結具用スペーサ26とを備えているので、低コストで、抜け止め可能な締結具用スペーサ26を備えたLEDユニット10を提供することができる。