JP2013124526A - グレーチング製造法 - Google Patents

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Tetsuo Harada
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Abstract

【課題】コーティングしているため塩水プールに浸漬した際に金属組織内に塩素が侵入しないので応力腐食割れを発生しないグレーチングの製造方法を提供する。
【解決手段】炭素量0.20%以下の軟鋼製グレーチングやオーステナイト系SUS製グレーチングを溶接組み立て後、液体フラックスを塗布して加熱炉で均一に加熱して、液体フラックスの網目状(琺瑯状)の膜を生成した後、塩水中で急冷することにより耐力アップを図り強度を向上するとともに重量を軽減する。
【選択図】図1

Description

本発明は炭素量0.20%以下の軟鋼製グレーチングやオーステナイト系SUS(SUS304、SUS316など)製グレーチングを昇温し、塩水中で急冷することにより耐力アップする方法に関する。
化学プラントや鉄鋼プラントのような高層の鋼構造物は臨海設置が多く、海水や雨水による腐食対策や強風による強度対策が必要である。とりわけ点検作業や整備作業に必要な足場となるグレーチングは上層に行くほど軽量化するほうが構造物全体の強度設計する上でコスト面から有利となる。そのためには、グレーチングの素材となる鋼材の耐力をアップしてその分鋼材の使用量を低減するのが最良の方法である。その方法の一つとして、高層部に使用するグレーチングは強度の高い機械構造用炭素鋼(S35C〜S45Cなど)で製作し重量を低減していたが、溶接組み立て完了後は650〜700℃にて応力除去焼鈍して溶接残留応力を除去する必要があった。しかも機械構造用炭素鋼の場合フラットバーの規格材がないためまずフラットバーを特注して製造する必要があった。このような複雑な工程を経てグレーチングを製造することは、軽量化にはつながってもコストアップになっていた。
アルミニウム、銅、オーステナイト系ステンレス(SUS)などの溶体化処理合金においては一般に温度が高くなるほど基本金属に加える合金元素は溶け込みやすくなる。従って、合金固有の温度に加熱した後急冷すると、低温では析出するはずのない合金元素が固溶したままとなる。これを固溶化処理といい、オーステナイト系SUSではJISでも固溶化処理したもので機械的性質を決めている。また非鉄金属のアルミニウム合金では溶体化処理もしくは焼き入れ処理ともいう。因みにSUSは900〜1050℃前後、アルミニウム合金では450〜550℃前後である。溶体化処理することにより、JIS指定材では圧延材に比較して確実に15〜25%耐力アップしている。このように溶体化処理や焼き入れ・焼き戻しなどの熱処理をすることにより圧延材を急冷すれば圧縮応力により耐力アップすることは冶金的には常識である。
本発明者は、特開2009−090368号広報「ガス切断用気化フラックス」で、ロウ付けなどに使用するフラックスを適宜混合して前処理した混合フラックスを、アルコールやアセトンなどの溶媒に8〜25重量%混合して、超臨界装置内において温度300〜400℃、圧力34.3〜44.1MPaで溶解し液体フラックスとし、該液体フラックスに気体を吹き込んで気化させるガス切断用気化フラックスを発明した。特開2009−233741号広報「液体フラックス気化装置」で、ロウ付け及びガス切断などに使用するフラックスをアルコールやアセトンあるいはこれらを混合した液体に溶解した液体フラックス中に、アセチレンやプロパンなどの燃焼ガスを吹き込んで、前記液体フラックスを気化せしめて気化フラックスを生成する液体フラックス気化装置において、周りに複数の回転筒用ネオジ磁石が配設してある回転筒を設け、該回転筒を毎分60〜200回、回転させながら前記気化フラックスを通過せしめて、該気化フラックスを取り出す液体フラックス気化装置を発明した。特開2009−297782号広報「液体フラックスの製造方法及びその装置」で、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン、B、C、N、O、Si、P、S、Cl、Zn、Seなどの原子の内、少なくとも2種類以上の原子が結合してできている電解質をアルコールやアセトンなどの溶媒中で磁場をかけるとともに、該溶媒を攪拌しながら溶解する液体フラックスの製造方法を発明した。特開2010−100441号広報「液体フラックスの製造方法と製造装置及び液体フラックス」で、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン、B、C、N、O、Si、P、S、Znなどの原子の内、少なくとも2種類以上の原子が結合してできている電解質をアルコールなどの溶媒を入れた容器中で、磁場をかけるとともに該溶媒を回転しながら溶解する液体フラックスの製造方法において、溶媒中に電極を挿入し電圧を付加するとともにパルス電圧を付加する液体フラックス製造方法を発明した。特願2010−165565号広報「液体フラックス」(特許第4736105号)を発明した。
特開2009−090368号広報「ガス切断用気化フラックス」 特開2009−233741号広報「液体フラックス気化装置」 特開2009−297782号広報「液体フラックスの製造方法及びその装置」 特開2010−100441号広報「液体フラックスの製造方法と製造装置及び液体フラックス」 特願2010−165565号広報「液体フラックス」(特許第4736105号)
日本規格協会「熱処理のおはなし」 オーム社出版局、汚水・排水処理の知識と技術 北隆館、塩その化学 社団法人日本塑性加工学会編、塑性加工におけるトライボロジ 産業図書、塑性加工の基礎 コロナ社、塑性加工技術シリーズ9ロール成形 コロナ社、塑性加工技術シリーズ10チューブフォーミング ジャパンマシニスト社、知りたい熱処理基礎編
高層鋼構造物の運転作業、点検作業、整備作業に必要なグレーチングはできるだけ軽量化して構造物の建設コストを低減したいところであるが、安全基準を満足するにはある程度の肉厚を確保して所定の設計強度を確保する必要がある。グレーチングの肉厚を低減して軽量化するには材料の耐力アップが必要である。グレーチング材として大量に採用されている軟鋼製亜鉛ドブ漬けメッキグレーチングやアルミニウムドブ漬けメッキグレーチングやオーステナイト系SUS製グレーチングの耐力アップによりグレーチングの軽量化を図ることである。グレーチングの耐力アップを図るには、材料を加熱後急冷することにより圧縮応力を残留させることであるが単なる水冷では十分な効果が得られなかった。そのため、塩水に浸漬することにより冷却速度を上げて大きな残留圧縮応力を形成する方法を具現化する必要がある。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、溶接組み立て後のグレーチングに液体フラックスを塗布した後、加熱炉にて均一加熱して前記液体フラックスを乾燥させ、塩水中にて急冷するグレーチングの製造方法である。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記グレーチングが軟鋼製グレーチングであり、前記液体フラックスを塗布した後、加熱炉にて400±10℃に均一加熱し前記液体フラックスを乾燥せしめて、亜鉛釜もしくはアルミニウム釜に浸漬し、亜鉛もしくはアルミニウムを含侵させた後、前記塩水中にて150℃まで急冷し、その後空冷するグレーチング製造方法である。
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、前記グレーチングがオーステナイト系SUS製グレーチングであり、前記液体フラックスを塗布した後、加熱炉にて850〜950℃に均一加熱後、前記塩水中にて急冷するグレーチング製造方法である。
第4の解決手段は特許請求項4に示すように、前記塩水は塩水プールに充填してあり、該塩水プールには配管とポンプで連結した熱交換器を配設し、前記配管には磁気装置が組み込んであり、該磁気装置は短管と回転羽根を有する回転体とネオジ磁石からなり、前記回転体は前記短管に支持されたサポートに固定された軸受により回転自在に支持され、該回転体と前記短管の管壁には前記ネオジ磁石が取り付けられているグレーチング製造方法である。
第5の解決手段は特許請求項5に示すように、請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4記載の前記グレーチング製造方法で製造したグレーチングである。
第1の解決手段による効果は以下である。(1)耐力アップにより重量軽減ができる。(2)液体フラックスがグレーチングに加熱温度領域でホウ酸ガラス状に張り付くので加熱中に酸化されずスケールが発生しない。(3)グレーチング表面に液体フラックスがホウ酸ガラス状に張り付いて網目状や琺瑯状になってコーティングしているため塩水プールに浸漬した際に金属組織内に塩素が侵入しないので応力腐食割れを発生しない。
第2の解決手段による効果は以下である。(1)液体フラックスを塗布後400±10℃で加熱炉にて均一に加熱することにより、液体フラックスが軟鋼の上に琺瑯状態に張り付く。(2)亜鉛やアルミニウムのドブ付メッキでは、450±5℃の亜鉛釜や650±10℃のアルミニウム釜に常温状態からいきなり浸漬するので熱歪が大きく、0.3mm程度浸漬するには60分程度要していた。液体フラックスの琺瑯膜ができているため拡散接合で亜鉛やアルミニウムが浸漬するので40分程度で浸漬可能となる。また加熱炉で均一に400±10℃まで加熱しているので高温の亜鉛釜やアルミニウム釜に入れても歪が小さくなる。(3)塩水で急冷するため圧縮応力が残留し耐力アップとなる。塩水冷却ではNaCLがNaCL・2H2O(2水化塩化ナトリウム)となるとき潜熱を奪うために水冷却と比較すると4倍の冷却能力となり急冷が可能である。
第3の解決手段による効果は以下である。(1)オーステナイト系SUS製グレーチングを溶接組立後、液体フラックスを全面に塗布して加熱炉で850〜900℃に均一加熱すると、液体フラックスが琺瑯状に張り付く。その状態で塩水にて急冷すると液体フラックスは亀の甲羅状にひび割れることでオーステナイト系SUS製グレーチングが急激に縮む速度を調整するため冷却歪が小さくなる。(2)加熱工程での酸化膜ができないので、次工程の強酸浸漬による不動態膜作りの浸漬時間が短縮でき美しい表面を得ることができる。
第4の解決手段による効果は以下である。(1)熱交換器により塩水プールの塩水温度を常時40℃以下に保持できる。(2)短管に内蔵した回転体とネオジ磁石により起電力が生まれ、電気分解の原理でNaCL・2H2Oを再びNaCLと2H2Oに分解するので、塩水プールの冷却効果が復元される。(3)塩水により冷却速度が上がるために残留圧縮応力が大きくなり耐力アップできる。
第5の解決手段による効果は以下である。(1)グレーチングの耐力アップできた分、グレーチングを軽量化できる。(2)熱歪が小さいので熱歪修正に要する時間短縮ができる。(3)オーステナイト系SUS製グレーチングは均一な美しい不動態膜を形成できるので商品価値が向上する。
は塩水プールの平面図である。 は磁気装置である。 は図2のA-A断面図である。
本発明の実施形態を請求項項及び図1、図2に基づいて説明する。
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、溶接組み立て後のグレーチングに液体フラックスを塗布した後、加熱炉にて均一加熱して前記液体フラックスを乾燥させ、塩水中にて急冷するグレーチングの製造方法である。
塩水の温度は40℃以下である。塩水濃度は10〜15%である。塩水は40℃以下に保持する。液体フラックスは本発明者が発明した方法で作成する。溶接組み立て完了した軟鋼製グレーチングやオーステナイト系SUSグレーチング酸洗や洗浄などの前処理後、液体フラックスを全面に塗布して加熱炉にて乾燥せしめて液体フラックスのホウ素を主成分とするガラス膜を形成する。このガラス膜は網目状、琺瑯状となってグレーチング表面に硬く張り付く。その状態で塩水に浸漬して急冷する。塩水中で常温まで冷却すれば最大の耐力アップが得られるが、組織を調整して靱性をアップする必要があれば150℃程度まで冷却したら塩水から取り出し常温まで空冷する。軟鋼製グレーチングは液体フラックスを塗布後少なくとも450℃〜A3変態点以上に加熱して塩水に浸漬する。オーステナイト系SUS製グレーチングは液体フラックス塗布後850〜950℃に加熱して塩水に浸漬する。軟鋼製グレーチングは加熱温度によって耐力の違いがあるが、最低450℃まで加熱することによって耐力アップする。
鋼の焼き入れにはある程度の炭素量やその他の焼き入れ性を高める合金元素が必要であり、これらの元素が多いほど焼き入れ性が向上する。一般の市場で販売されている電炉メーカーのSS400のフラットバーについてミルシートデータを分析した結果、Cの他にSi、Mnなどの元素も多めに含まれており炭素当量は一般的に0.05%〜0.20%%程度でばらついている。このように市販の軟鋼は成分のバラツキがありその結果硬度や引っ張り強さもそれに対応して異なるため軟鋼製グレーチングといっても一概に一様の品質とは言い難いものである。しかしながら、炭素当量が0.05〜0.2%となるような成分が含有されていることから、市販のSS400は急冷を行うことにより焼き入れが可能であり、一旦焼き入れすることにより耐力アップと品質の一様化が可能である。例えば一般的なミルシートによれば、C:0.07%、Si:0.15%、Mn:0.52%、P:0.026%、S:0.022%のような元素を含むSS400の材料があるが、この材料の炭素当量はCeq=0.07+0.52/6+0.15/24=0.163%である。炭素量による硬度(Hs)=10+50×C=10+50×0.07=13.500(Hs)、炭素当量による硬度(Hs)=10+50×C=10+50×0.1633=18.165(Hs)である。耐力は炭素量による硬度と炭素当量による硬度の比に比例することから、耐力アップ率=炭素当量による硬度(Hs)/炭素量による硬度(Hs)=18.165/13.500=1.345である。SS400の実引っ張り強度は400〜510N/mm2であることから、450〜650℃加熱後急冷した場合は、耐力アップ率は実績値から18〜20%なので、(400〜510)×1.345×(1.18〜1.20)=634〜823N/mm2となる。
化学プラントでは腐食防止のためにオーステナイト系SUS製グレーチングを使用することが多い。オーステナイト系SUSは固溶化処理するとSUSスケールが生じ洗浄高千恵や歪取りによる曲がり修正に手間がかかるため650℃での低温焼鈍後空冷してから歪取りしてさらに酸洗により不動態膜を形成していた。高価なSUS系のグレーチングは防錆目的で採用されるので不動態膜の形成を最優先の管理項目として製造しているのが実情である。しかしながら、オーステナイト系ステンレス鋼は450〜850℃の温度範囲に加熱すると、固溶限を越えた炭素が粒界に析出して周囲の地よりクロムを引きつけてクロム炭化物が結晶粒界に連続して形成される。それにより、炭素の約10倍のクロムが炭化物となり粒界付近のクロムが極端に不足し、不動態膜の電位差によるバラツキのため応力腐食割れなどを起こす問題があった。これを鋭敏化といい溶接による熱影響部(HAZ部、2番)でみられる組織変化と同じである。
このような鋭敏化を改善するためにはオーステナイト系SUS製のグレーチングは溶接組み立て終了後、固溶化処理として一旦850℃以上で均一加熱し炭素をオーステナイトに固溶させた後に塩水で急冷する必要がある。また、軟鋼は450℃〜A3変態点以上に加熱すればよく炭素含有量から850℃に加熱すれば問題ない。加熱温度の上限は950℃である。軟鋼は950℃以上に加熱してもオーステナイト化が飽和する。オーステナイト系SUSは950℃以上に加熱しても固溶化処理による耐力の向上は飽和する。従って、軟鋼製グレーチングもオーステナイト系SUS製グレーチングでも加熱温度は850〜950℃が最適である。オーステナイト系SUS製グレーチングは固溶化処理の点から加熱温度は850〜950℃に限定されるが、軟鋼製グレーチングは目的とする耐力のレベルに応じて450〜950℃の範囲で選択すればよい。
軟鋼製グレーチングの加熱急冷は焼き入れ処理であり、オーステナイト系SUS製グレーチングの加熱急冷は固溶化処理でありいずれも従来取り入れられている工程である。しかしながら、従来、軟鋼製グレーチングは炭素量含有量が小さいことから従来焼き入れができない、また、スケールの発生が多大であり歩留まり低下すると考えられていたため軟鋼製グレーチングの製造工程では採用されていなかった。また、オーステナイト系SUS製グレーチングは850℃以上の加熱領域では強力なSUSスケール発生を避けるためにグレーチングの製造過程では採用されていなかった。即ち、オーステナイト系SUS製グレーチングは従来850〜950℃まで加熱して急冷する工程をとっていなかった。しかしながら、本発明者が発明した特開2009−297782号広報「液体フラックスの製造方法及びその装置」や特開2010−100441号広報「液体フラックスの製造方法と製造装置及び液体フラックス」や特願2010−165565号広報「液体フラックス」(特許第4736105号)で発明した液体フラックスを塗布することにより、高温加熱でのスケール発生が防止でき、塩水プールでの急冷における塩素侵入を防止できるようになったことから高温加熱と塩水プールでの急冷が可能となった。
一般に軟鋼はA1変態点(723℃)以上にならないと組織が変化しない。従ってA1変態点以下では熱処理しても意味がないと考えられている。変態とは性質が変わることである。鉄の最大の焼き入れ性を左右するのは炭素である。熱処理とは高温加熱や冷却速度の違いにより金属の組織を変化させることであり、フェライト、オーステナイト、パーライト、ソルバイト、トルースタイト、マルテンサイト、セメンタイトの順にて硬度が硬くなる。これは含有炭素(その他の元素の挙動などを含める)により焼き入れ温度と焼き戻し温度で作られる組織である。軟鋼製グレーチングは理想的にはA3変態点以上に加熱して塩水で冷却することにより大きな耐力アップが得られるが、必要な耐力レベルに応じて450〜950℃の範囲で加熱して塩水冷却することで多様な強度のグレーチングを製造できる。
一般に鋼を焼き入れする時は3つのエフェクト(効果)を考えなければならない。(1)マスエフェクト(質量効果)、(2)シェーブエフェクト(形状効果)、(3)コーナーエフェクト(すみ肉効果)である。軟鋼のように焼きの入らないものでも熱処理的考えで650℃より急冷却、150℃より空冷による圧縮応力による耐力アップを図るためにはこの3つの効果に共通している。
マスエフェクトは同じ材質ならば直径の大きいほど焼きが入りにくいということである。太くても細くても均一に焼きの入る形状に設計の必要がある。軟鋼は炭素当量が小さいことから焼きが入りにくいため冷却効果を上げるには肉厚を一定にする必要がある。グレーチングは基本的にフラットバーを使用しているので肉厚の均一化については問題ない。また、塩水の対流効果により噴流に近い状態で塩水の自由流れを作るためには開口率を60%程度以上は確保する必要があるが、グレーチングの構造はまさにこの要件を満たしている。
シェープエフェクト(形状効果)は同じ材質でも品物の形によって焼きの入り方が違うことを意味している。一例として同じ重さならば球(4)、丸棒(3)、板(2)の順で冷却される。グレーチングはフラットバー(板材)の多重集合体のため、焼き入れ速度は板(2)の部類に属するが、全部同厚のフラットバーを組み合わせた骨組み構造であり、開口率も60%以上をキープしているため、塩水の対流が阻害されることはないので冷却能の低下は小さく殆ど球(4)に近い冷却効果が得られる。しかも塩水濃度10〜25%と塩水温度40℃以下を確保して急速冷却条件を保持して、より大きな圧縮応力を残留させて耐力アップが図れるようにしている。
すみ肉効果は同じ品物でも場所によって冷える割合つまり焼きの入り方が違うことを意味している。肉厚の大小の形状では大と小の境目に応力集中が発生するため焼き入れすると割れる危険性がある。グレーチングでは基本的に圧縮応力を残留させて耐力アップを図るがコーナー部などに局部的に引張り応力が生じて割れに繋がる恐れがある。さらに、4隅構造を避けられない長方形形状のものは90度の角のコーナー部に肉厚の変化があったり、コーナー部を溶接組み立て構造にしたりすると局部的に大きな引張り応力が生じ割れに繋がる場合がある。同厚板のフラットバーの組み合わせであることからして、極力溶接ポイント数を減らし切り込や挿入方式の組み立て方式とし、コーナー部はR曲げ方式とするなどの構造を設計に取り入れて、急冷効果による圧縮応力が平均化されるようにして割れ防止を図り耐力アップする。
グレーチングを脱脂し洗浄後PH7の中性液体フラックス(30〜40%程度)に浸しグレーチング全面にフラックスを塗布し、高周波焼き入れにて加熱しそのまま塩水に浸すことで残留圧縮応力を発生させることが可能である。フラックス効果にて、フラックスは薄くホウ酸ガラス(B2O3)として軟鋼製グレーチングやオーステナイト系SUS製グレーチングの全面に張り付いているため、グレーチング表面は全く酸化膜もなく清浄な地肌である。オーステナイト系SUS製グレーチングは850〜950℃に加熱され塩水で急冷されるため一種の溶体化処理に近い。フラックス膜はホウ酸ガラスとしてグレーチング表面をコーティングするので塩水に浸漬しても表層部にNaCLが侵入することがなく応力腐食割れの原因を排除できる。そのためSUSグレーチングの最大の特長である不動態膜の均一化に繋がる。このような工程を得て製造したオーステナイト系SUS製グレーチングは20〜30%の耐力アップとなっておりその分鋼材を削減することが可能となり大幅なコスト削減が実現できた。
軟鋼製グレーチングやオーステナイト系SUS製グレーチングに塗布する液体フラックスの成分は、ホウ砂(Na2B4O7)、ホウ酸(H3BO3)、酸化ホウ素(B2O3)などの電解質を強磁場中でアルコール溶媒に溶解したものである。
例として、エタノール溶媒中にホウ砂(Na2B4O7)、ホウ酸(H3BO3)、酸化ホウ素(B2O3)を磁場中で溶解し、元素重量%で、Bが26.0〜27.0%、Naが8.0〜9.0%、Hが1.0〜2.0%、Oが63.0〜64.0%となるように配合し、その合計を100%とした液体フラックスを生成し、軟鋼製グレーチングやオーステナイト系SUS製グレーチングに塗布して850〜950℃に加熱し塩水プールで急冷した。このようなホウ化物リッチの液体フラックスをオーステナイト系SUS製グレーチングに塗布して、950℃に加熱し塩水プールに浸漬し急冷した。SUSの表面の応力腐食割れをPT検査した。その結果、フラックス有には100%クラックは発生しなかった。液体フラックス塗布効果が非常に大きいことが判明した。通常は微細なクラックが発生していた。塩水プール急冷後の軟鋼製グレーチングやオーステナイト系SUS製グレーチングはその後酸洗、洗浄、中和、洗浄などの工程を経て出荷される。ホウ酸ガラスの網目状膜は酸洗工程や洗浄工程で完全に除去されるので特に新たな除去工程は不要である。
グレーチングの素材であるSS400(一般構造用圧延鋼材)はパーライト組織(α固溶体とセメンタイト(Fe3C)の混合物)でありA3変態点以上に加熱しないとオーステナイト組織の変化は見られないが、850℃以上に加熱して一定時間保持すると結晶粒が大きくなり粒界に炭化物が析出してくる。850℃以上に保持した後急冷することにより粗大化した結晶は一気に収縮し、析出した炭化物は結晶の収縮を阻害しようとするので圧縮応力が残留する。冷却水中に食塩(NaCL)を10〜25%いれて高濃度食塩水中での焼き入れをすると、食塩と水が結合する際に急激な吸熱反応が生じるので通常の水冷却よりも大きな圧縮応力が残留する。この時の食塩と水の反応は次のようになる。NaCL+2H2O→NaCL・2H2O(2水化物塩化ナトリウム)。
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、前記グレーチングが軟鋼製グレーチングであり、前記液体フラックスを塗布した後、加熱炉にて450±10℃に均一加熱し前記液体フラックスを乾燥せしめて、亜鉛釜もしくはアルミニウム釜に浸漬し、亜鉛もしくはアルミニウムを含侵させた後、前記塩水中にて150℃まで急冷し、その後空冷することを特徴とする請求項1記載のグレーチング製造方法である。
耐食性アップを主たる目的として亜鉛釜450±5℃、アルミ釜650±10℃に、軟鋼製グレーチングを浸し鋼材の表面にドブ付メッキしている。金属のイオン化傾向は、K、Ca、Na、Mg、Zn、AL、Fe、Ni、Sn、Pb、Cu、(Hg)、Ag、Pt、Auの順になっている。鉄に対するイオン化傾向は、亜鉛は(−2)、アルミニウムは(−1)であることから、亜鉛やアルミニウムは犠牲防食金属として鉄を腐食から守るので、グレーチングにはアルミニウムや亜鉛がドブ付メッキされている。ドブ付メッキ厚みは0.3mm程度である。亜鉛メッキの場合は、100%亜鉛メッキにすると鉄との電位差が大きく亜鉛の消費量が多くなるため最大5%程度のアルミニウムを入れることで亜鉛の消費を抑えている。かつ亜鉛の溶解釜を特殊鋼(Fe+5〜8%Mn鋼)とすることで亜鉛鉄の生成を抑制している。亜鉛鉄の比重は7.4〜7.5であり鉄の比重7.86に近いため殆ど鉄分であることからグレーチングに溶着すると耐食性を悪くする恐れがあるため最大浸漬時間は1時間以内としている。このように点腐食の最大の原因となる亜鉛鉄の浮上作業も考慮する必要がある。亜鉛釜の底には純鉛が10〜15cm入ることで鉛に溶着させるか比重の差で浮上している亜鉛鉄の主体はこの鉛の表面に集まるが浮上する非常に小さいものはフラックスによる除去を必要とする。このようにして生まれた溶解金属中より引き上げて急冷化することで耐力向上させることは初めての技術である。
軟鋼製グレーチングは一般に炭素当量0.05〜0.20%以下の軟鋼(SS400などの一般構造用圧延鋼材)のフラットバー(FB)の組み合わせにて組み立てられ、交差点をスポットアーク溶接止めにて作られている。SS400は引っ張り強さが400〜510N/mm2と規定されているが炭素量の含有量は軟鋼のメーカーやロットごとにバラツキがある。電炉メーカーのSS400ではマンガンやシリコンも含有成分として若干高めであることから炭素当量を高める効果があり、実際にグレーチングに用いる鋼材は電炉メーカー製のものが大部分である。グレーチングの大きさによっては、溶接点(交差点)は400〜500か所にも及ぶため残留応力が発生し、この残留応力の数値は炭素当量が大きいほど大きくなる。さらに、軟鋼製グレーチングの耐力アップのために焼き入れ処理をすると残留応力はさらに大きくなる。
この残留応力を除くには軟鋼の再結晶温度以上に加熱する必要がある。軟鋼の再結晶温度は溶融温度と関係があり次の公式で求める。再結晶温度(°K)=0.4×溶融温度(°K)(°K=℃+273℃)。SS400の溶融温度は約1540℃であるから、再結晶温度=0.4×(1540℃+273℃)=0.4×1813=725.2(°K)(725.2−273=452.2℃)である。つまり、約450±5℃となる。これは溶接組み立て後の軟鋼製グレーチングを450℃前後に加熱すると残留応力が除去されることを意味している。従って、溶接組み立て後の軟鋼製グレーチングを450〜950℃に加熱して塩水プールにて急冷すると耐力アップとなる。軟鋼製グレーチングは通常耐食性をアップする目的で亜鉛メッキやアルミニウムメッキを施す。従って、亜鉛メッキの場合はフラックスを塗布した後、加熱炉で450℃に加熱後450の溶融亜鉛釜に浸漬するのがよい。アルミニウムメッキの場合は、加熱炉で650に加熱後650℃の溶融アルミニウム釜に浸漬するのがよい。軟鋼製グレーチングに塗布した液体フラックスは450℃や650℃の加熱炉で加熱されてホウ酸ガラスが生成し網目状や琺瑯状になってグレーチング表面に硬く張り付く。この状態で亜鉛やアルミニウムの溶融釜に浸漬することにより、亜鉛やアルミニウムが拡散接合し強固な防錆皮膜を形成する。加熱炉で一旦450℃や650℃に均一加熱後溶融メッキ釜に浸漬するので軟鋼製グレーチングの変形を極限まで抑えることができる。溶融釜に浸漬した後塩水に浸漬することにより焼き入れされ適度な硬さと残留応力よる耐力をえることができる。
亜鉛のドブ付けメッキは亜鉛釜の温度が450±5℃であり、亜鉛釜にグレーチングを浸漬することにより表面に0.3mm程度の亜鉛を付着できる。アルミニウムのドブ付メッキは650±10℃であり、アルミニウム釜にグレーチングを浸漬することにより表面に0.2mm程度のアルミニウムを付着できる。従って、グレーチングを亜鉛やアルミニウムの釜に浸漬してドブ付け温度に加熱した後塩水冷却することで、焼き入れで生じた大きな圧縮応力が軽減され耐力アップとなる。グレーチングを塩水中に常温になるまで放置するのは生産面からみて効率的ではなく、150℃まで急冷したら引き上げて空冷した方が望ましい。即ち、再結晶温度(450〜650℃)以上に加熱→150℃まえ塩水冷却→常温まで空冷することにより耐力が20〜30%アップする。このように従来はグレーチングに亜鉛やアルミニウムを含浸するだけのドブ漬けメッキであったが、焼き入れ処理した軟鋼製グレーチングをドブ漬けメッキして塩水冷却することにより焼き入れ効果が生れるのである。引っ張り応力が残留すると疲労強度低下や経時的変形などの悪影響を及ぼすために応力除去焼鈍を実施するのであるが、本発明ではグレーチングにある程度の圧縮応力を残留せしめて耐力アップを図るものである。グレーチングに圧縮応力を残留させるためには再結晶温度以上に加熱して、常温もしくは150℃程度まで一気に急冷することが重要であることから、10〜15%の食塩水にて急冷する必要がある。グレーチングの耐力アップがグレーチングの減肉化に繋がり高所グレーチングの重量低減が可能となる。
第3の解決手段は特許請求項3に示すように、前記グレーチングがオーステナイト系SUS製グレーチングであり、前記液体フラックスを塗布した後、加熱炉にて850〜950℃に均一加熱後、前記塩水中にて急冷するグレーチング製造方法である。
オーステナイト系SUS製のグレーチングを通常の酸洗、洗浄、中和、洗浄の工程により表面を清浄化する。その上に液体フラックスを塗布する。液体フラックスを塗布したグレーチングを加熱炉に入れると、液体フラックスのアルコールなどの溶媒は蒸発し、ホウ酸ガラスの網目状や琺瑯状の膜が形成される。グレーチングが均一に850〜950℃に加熱されたらそのまま塩水プールに浸漬する。このような固溶化処理によりオーステナイト系SUS系グレーチングのもつ耐力が十分に発揮でき、その分強度が向上するので材料の肉厚を低減できる。
オーステナイト系SUS製グレーチングを塩水プールで急冷すると粒界に塩素が侵入し応力腐食割れの原因となる危険性がある。しかしながら、グレーチング表面に液体フラックスを塗布して加熱炉で均一に加熱すると、液体フラックスが乾燥してホウ酸の網目状や琺瑯状の膜にコーティングされている。その状態で塩水にて急冷すると液体フラックスは亀の甲羅状にひび割れることでオーステナイト系SUS製グレーチングが急激に縮む速度を調整するため冷却歪が非常に小さくなる。またフラックス膜は塩素の侵入を防ぐ効果もあり応力腐食割れの問題も解消できる。液体フラックスの琺瑯状の保護膜により加熱工程での酸化膜ができないので、次工程の強酸浸漬による不動態膜作りの浸漬時間が短縮でき美しい表面を得ることができる。塩水プールから引き上げた後は通常の酸洗、洗浄、中和、洗浄処理に従って不動態膜を形成する。液体フラックスは塩水を洗浄する工程で容易に剥離するので後処理も容易である。
第4の解決手段は特許請求項4に示すように、前記塩水は塩水プール10に充填してあり、該塩水プール10には配管40とポンプ30で連結した熱交換器20を配設し、前記配管40には磁気装置50が組み込んであり、該磁気装置50は短管51と回転羽根53を有する回転体54とネオジ磁石55からなり、前記回転体54は前記短管51に支持されたサポート56に固定された軸受52により回転自在に支持され、該回転体54と前記短管51の管壁51aには前記ネオジ磁石55が取り付けられているグレーチング製造方法である。
熱処理で大切なことは冷やし方である。冷やし方の遅い、速いで軟らかくなったり硬くなったりする。冷やす冷媒を冷却剤というが一般に空気、油、水である。冷却速度を水1とした場合は、空気0.02、油0.2である。水は40℃以上では焼きが入らない。逆に油は60〜80℃が適温である。昔から水は人肌といわれる理由はここにある。水に食塩水を入れると水の2倍以上の冷却効果が出る。食塩水中で急冷することで8倍の冷却効果がある。塩水が急激に熱を吸収するためNaCL・2H2Oが生まれる。即ち、NaCL+2H2O→NaCL・2H2Oのように変化する。塩水に高温加熱物を浸漬して急冷すると、NaCLが次々に2H2Oを吸収し、NaCL・2H2Oとなるため塩がある限り連続的に冷却する。塩水プール10は40℃以下で保持するため、塩水プール10内の塩水はポンプ30にて交換器20との間で強制的に循環する。
熱交換器20の出側には磁気装置50が組み込んであり、磁気装置50は短管51、回転羽根53を付けた回転体54、軸受52、サポート56、ネオジ磁石55からなっている。回転体54と回転羽根53は塩水の循環により動圧を受けて回転する。回転体54は中空のシール構造として、回転体54の重量と回転体54に作用する浮力ができるだけ釣り合うようにして軸受52の負荷を小さくする。軸受52はOリング57によってシールする。羽根53が小さな力で円滑に回転するように調整する。ネオジ磁石55は羽根53と短管側壁51aに取り付ける。羽根53と短管側壁51aのネオジ磁石55は羽根53が回転すると、フレミングの法則により起電力が生じる。回転羽根53や回転体54は回転することにより塩水中に放電する。この放電により塩水中に電流が流れ、NaCL・2H2O+e→NaCL+2H2O+e→2H2O+e→H2O+2H+eとなる。一旦NaCL・2H2Oとなった塩水は放電作用で再びNaCLとH2Oに分離し塩水の冷却能力が回復する。塩水中に発生した水素は微量であり大気に自然放散されるので爆発の危険はない。このように塩水は磁気装置50によって再生されるが、効率は100%ではないため比重計で食塩濃度を測定し、10%濃度以下になるようであれば食塩を補充する。
第4の解決手段は特許請求項4に示すように、前記請求項1又は請求項2又は請求項3記載の製造方法で製造したグレーチングである。
本発明で製造した軟鋼製グレーチングの強度は表1のようになる。
Figure 2013124526
軟鋼製グレーチングの引張り強さ比較 (単位:N/mm2)

本発明1は、液体フラックス塗布後、400±10℃の加熱炉で均一加熱して液体フラックスをガラス状に張り付けて、450±5℃の亜鉛メッキ釜に浸漬して亜鉛メッキ後、塩水中で150℃まで冷却し、その後空冷したものである。(2)本発明2は、フラックス塗布後、600±10℃の加熱炉で均一に加熱して液体フラックスをガラス状に張り付けて、650±10℃のアルミニウム釜に浸漬してアルミニウムメッキ後、塩水中で150℃まで冷却し、その後空冷したものである。
亜鉛メッキ釜とアルミニウムメッキ釜は温度差200℃であるが4%の耐力アップの差が生じている。これは加熱温度が高いほど塩水による急冷効果が大きいことを意味している。従来のメッキグレーチングは亜鉛釜やアルミニウム釜にドブ付した後水冷していたが、あくまでも表面の酸化防止が目的であり耐力アップ効果は考慮されていなかった。そのため焼き入れに使用する水については水温管理されずほとんど100℃近い温度で放置されていた。焼き入れ用の水温は40℃以下に管理する必要がある。本発明では焼き入れ処理として40℃以下に管理された塩水を使用することで焼き入れ効果を向上させることができるので最低30%の耐力アップが実現できた。その結果グレーチングの重量を30%程度低減できるのでグレーチングのコスト低減、構造物の強度低減が可能となった。
本発明で製造したオーステナイト系SUS製グレーチングの強度は次のようになる。
Figure 2013124526
オーステナイト系SUS製グレーチングの引張り強さ(単位:N/mm2)

1000℃で均一加熱し塩水に浸漬することで約25%引張り強さがアップできた。本発明により従来のグレーチングの重量を大幅に減じることが可能となり、グレーチングを大量に使用する屋外高層鋼構造物のコスト削減が可能となった。
10:塩水プール
20:熱交換器
30:ポンプ
40:配管
50:磁気装置
51:短管
51a:管壁
52:軸受
53:回転羽根
54:回転体
55:ネオジ磁石
56:サポート
57:Oリング

Claims (5)

  1. 溶接組み立て後のグレーチングに液体フラックスを塗布した後、加熱炉にて均一加熱して前記液体フラックスを乾燥させ、塩水中にて急冷することを特徴とするグレーチングの製造方法。
  2. 前記グレーチングが軟鋼製グレーチングであり、前記液体フラックスを塗布した後、加熱炉にて400±10℃に均一加熱し前記液体フラックスを乾燥せしめて、亜鉛釜もしくはアルミニウム釜に浸漬し、亜鉛もしくはアルミニウムを含侵させた後、前記塩水中にて150℃まで急冷し、その後空冷することを特徴とする請求項1記載のグレーチング製造方法。
  3. 前記グレーチングがオーステナイト系SUS製グレーチングであり、前記液体フラックスを塗布した後、加熱炉にて850〜950℃に均一加熱後、前記塩水中にて急冷することを特徴とする請求項1記載のグレーチング製造方法。
  4. 前記塩水は塩水プールに充填してあり、前記塩水は塩水プールに充填してあり、該塩水プールには配管とポンプで連結した熱交換器を配設し、前記配管には磁気装置が組み込んであり、該磁気装置は短管と回転羽根を有する回転体とネオジ磁石からなり、前記回転体は前記短管に支持されたサポートに固定された軸受により回転自在に支持され、該回転体と前記短管の管壁には前記ネオジ磁石が取り付けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載のグレーチング製造方法。
  5. 請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4記載の前記グレーチング製造方法で製造したことを特徴とするグレーチング。
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