JP2013124269A - ポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法およびポリエチレン系樹脂発泡シート - Google Patents
ポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法およびポリエチレン系樹脂発泡シート Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】本発明は、ポリエチレン系樹脂(A)と、高分子型帯電防止剤(B)と、アニオン系界面活性剤とベース樹脂とを含むマスターバッチ(C)とを押出機で溶融混合し、該押出機から押出発泡させるポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法であって、
前記ベース樹脂のメルトマスフローレート(MFRm)と、前記ポリエチレン系樹脂のメルトマスフローレート(MFRb)とが0.2≦(MFRb/MFRm)≦2.5を満たし、且つ前記ポリエチレン系樹脂のメルトマスフローレート(MFRb)が2.0g/10min以上6.0g/10min以下であることを特徴とするポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法を提供する。
【選択図】 なし
Description
前記ガラス基板は、その表面に異物が付着したままフラットパネルディスプレイの製造に用いられると、フラットパネルディスプレイの故障の原因になるおそれがある。そのため、前記ガラス基板は使用前に表面を水などで洗浄されるなどして汚染の無い状態で使用される必要がある。
従って、合紙として用いられるポリオレフィン系樹脂発泡シートにも、ガラス基板の表面を汚染させるおそれが低いことが要求されている。
しかし、かかる帯電防止剤には界面活性剤を含む場合が多く、かかる界面活性剤は、ポリオレフィン系樹脂発泡シートの製造後、比較的早期に帯電防止効果を発現させる効果を有する一方で、ポリオレフィン系樹脂発泡シート表面に界面活性剤成分がブリードアウトしてガラス基板に付着するおそれがある。
例えば、下記特許文献1においては、前記界面活性剤とポリオレフィン系樹脂との相溶化剤としての機能が期待できる高分子型帯電防止剤をポリオレフィン系樹脂発泡シートに含有させることで前記界面活性剤のブリードアウトの抑制が図られている。
従って、界面活性剤がブリードアウトしていない状態で合紙として用いると、ポリエチレン系樹脂に含有されている低分子量成分や、押出し時における分解残渣などをガラス基板の表面に付着させてしまうおそれがある。
このような成分は、通常、疎水性のものであるから洗浄によっても除去され難く、むしろ、界面活性剤の付着よりも大きな問題になるおそれがある。
また、特許文献2には、水による洗浄が容易であるアニオン系界面活性剤を発泡シート表面に存在させることによって、かかる発泡シート表面に接触したガラス基板の洗浄性が良好になることが記載されている。
界面活性剤が不均一に樹脂中に存在していると、発泡シート表面のブリードアウトにもムラが生じて、その結果、発泡シートに接触するガラス基板等の表面の洗浄性にムラが生じるおそれがある。
従来の発泡シートにおいては、かかるブリードアウトの均一性を高めることに着目されておらず、ブリードアウトの均一性は十分ではなかった。
よって、アニオン系界面活性剤が発泡シート表面に均一にブリードアウトし、かかる発泡シート表面に接触した相手材の洗浄性にムラが生じることを抑制しうる。
また、本発明でいう「平均厚み」とは、下記の測定方法によって特定される数値である。
すなわち、定圧厚さ測定器(Teclock Co.製 型式PG−12)を使用して、直径4.4cmの円筒体(ポリエチレン系樹脂発泡シートとの当接する面の面積60.8cm2)を介して95gの荷重(自重を含む)をポリエチレン系樹脂発泡シートにかけたときの厚みを、200点測定した場合の平均値を前記平均厚みとした。
尚、厚みを測定する200点は、ポリエチレン系樹脂発泡シートの表面において、幅方向には250mm毎に一点、流れ方向には50m毎にそれぞれ1点ずつ計200点の箇所を選択した。
本実施形態のポリエチレン系樹脂発泡シート(本実施形態において、以下、単に「発泡シート」ともいう)の製造方法は、ポリエチレン系樹脂(A)と、高分子型帯電防止剤(B)と、アニオン系界面活性剤とベース樹脂とを含むマスターバッチ(C)とを溶融混合し、該溶融混合物を押出発泡させるポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法であって、前記ベース樹脂のメルトマスフローレート(MFRm)と、前記ポリエチレン系樹脂のメルトマスフローレート(MFRb)とが0.2≦(MFRb/MFRm)≦2.5を満たし、且つ前記ポリエチレン系樹脂のメルトマスフローレート(MFRb)が2.0g/10min以上6.0g/10min以下であるような製造方法である。
本実施形態の製造方法で使用するポリエチレン系樹脂発泡シートの基材樹脂としてのポリエチレン系樹脂としては、特に限定されるものではないが、エチレンモノマーの単独重合品や、エチレンモノマーとエチレンよりも炭素数の多いα―オレフィン(プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン、4−メチルペンテンなど)とを共重合させたポリマーなどを用いることができる。
前記ポリエチレン系樹脂のメルトマスフローレートが2.0g/10min未満では、押出機中で高分子型帯電防止剤との混練性が悪く、帯電防止性能が低下したり、押出発泡時に破泡などを生じ良好な発泡シートを得ることができない場合がある。MFRが6.0g/10minを超えると溶融張力が低くなりすぎ低密度の発泡体を得にくくなったり、ダイス先端にメヤニ状の堆積物が発生しやすくなる。
前記高分子型帯電防止剤としては、結晶化温度が90℃未満で且つMFRが10〜40g/10minの高分子型帯電防止剤が好ましい。
高分子型帯電防止剤の結晶化温度が90℃未満である場合には、押出機中での結晶化を抑制することができるため分散性を低下させるおそれがないと同時に、帯電防止剤の分散粒子間距離を適切な範囲にできるため帯電防止機能を発現させうるためである。
具体的には、示差走査熱量計(例えば、エス・アイ・アイナノテクノロジー社製「DSC6220」)を用い、測定容器に試料を約6.5mg充てんして、窒素ガス流量30ml/minのもと10℃/minの昇温冷却速度で30℃〜200℃の間で昇温・冷却し、冷却時の発熱ピーク温度を結晶化温度として測定することができる。
尚、発熱ピークが2つ以上現れる場合、全ピーク面積の5%以上を有する面積ピークの内、最も高温側のピークの頂点の温度を結晶化温度とする。
前記ポリエーテル系ブロックとポリオレフィン系ブロックのブロック共重合体としては、プロピレンを70モル%以上含むオレフィン系ブロックとポリエーテル系ブロックとの共重合体を主成分とするものがより好ましい。
ここで「主成分」とは、含有する全ての高分子型帯電防止剤中に占めるポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体の割合が50質量%以上であることをいう。
尚、前記ポリエーテル−ポリオレフィンブロック共重合体を用いる場合には、高分子型帯電防止剤に占める割合を70質量%以上とすることが好ましく、80質量%以上とすることがさらに好ましい。
ポリエチレン系樹脂と高分子型帯電防止剤との配合割合が前記範囲内である場合には、発泡シートの帯電防止性能が十分であり、またポリエチレン系樹脂の発泡性が低下することを抑制しうる。
次に、前記ポリエチレン系樹脂と前記高分子型帯電防止剤とに混合されるマスターバッチについて説明する。
前記マスターバッチは、アニオン系界面活性剤とベース樹脂とを混合して、界面活性剤を高濃度にベース樹脂中に分散させた混合物であり、その形状としては、混合する際の前記ベース樹脂の形状に合わせた任意の形状であることが好ましい。
前記スルホン酸塩系界面活性剤としては、ジアルキルスルホコハク酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩などが挙げられる。
尚、前記アニオン系界面活性剤は、2種類以上を混合して用いてもよい。
前記ポリエチエレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、直鎖低密度ポリエチレン樹脂、高圧法によって得られる低密度ポリエチレン樹脂などが挙げられる。
マスターバッチのベース樹脂としては、前記発泡シート用の基材樹脂であるポリエチレン系樹脂と混合しやすい樹脂を用いることが好ましい。従って、前記発泡シート用の基材樹脂と同種のポリエチレン系樹脂を用いることが好ましい。
前記ベース樹脂のメルトマスレート(MFRm)が1.5g/10minより以上であれば、発泡性及び基材樹脂への分散性を良好に保つことができる。
また、前記メルトマスフローレート(MFRm)が20g/10min以下であれば、発泡性を良好に保つことができる。
ベース樹脂とアニオン系界面活性剤との配合割合が前記範囲内である場合には、ペレットのベタツキが小さく、非常に生産しやすく、さらに、且つ添加した場合に、ベースレジンに分散しやすくなるため好ましい。
まず、前記ベース樹脂を200℃〜230℃において溶融混練し、かかる溶融混練されたベース樹脂中に、前記アニオン系界面活性剤を投入し、さらに200℃〜230℃で溶融混練した後に、押出して、ペレット形状などに成形する。
前記範囲であれば、発泡シート中に均一に界面活性剤を分散させることができる。
発泡のための成分とは、発泡剤、気泡調整剤などを挙げることができる。
なかでも、前記発泡剤としては、イソブタンとノルマルブタンとの混合ブタンが好ましい。
イソブタン/ノルマルブタンの混合ブタンを用いると、イソブタンによって、押出発泡工程における発泡剤の急激な逸散が抑制される一方、ポリエチレン系樹脂との相溶性が優れるノルマルブタンが、連続気泡率の増大を抑制するので、収縮が少なく、かつ連続気泡率の少ないクッション性に優れた発泡シートを得ることができる。
発泡剤の添加量を前記範囲とすると、十分な発泡が得られ、且つ気泡膜が破れるなどの発泡不良を抑制しうるためである。
これらは単独で用いても、複数のものを併用してもよい。この気泡調整剤の添加量は、ポリエチレン樹脂100質量部に対して0.5質量部以下程度とすることが好ましい。
見掛け密度が、前記範囲であれば、発泡シートに十分な柔軟性を付与することで緩衝性を確保でき、且つ、気泡膜の厚みが薄くなりすぎて、収縮が大きくなり、長尺な発泡シートを作製した際に、これを一つのロールとして巻き取ることが困難になることを抑制しうる。
尚、本実施形態でいう平均厚みとは、定圧厚さ測定器(Teclock Co.製 型式PG−12)を使用して、直径4.4cmの円筒体(発泡シートとの当接する面の面積60.8cm2)を介して95gの荷重(自重を含む)を発泡シートにかけたときの厚みを、200点測定した場合の平均値を前記平均厚みとした。
また、厚みを測定する200点は、発泡シートの表面において、幅方向には250mm毎に一点、流れ方向には50m毎にそれぞれ1点ずつ計200点の箇所を選択した。
本実施形態において前記各成分を混合方法としては一般的な押出発泡シートの製造方法における方法と同様に行うことができる。
前記ポリエチレン系樹脂と、高分子型帯電防止剤と、アニオン系界面活性剤とベース樹脂とを含むマスターバッチとを混合した原料を、先端部にサーキュラーダイを接続した押出機に供給して200℃〜230℃に加熱しながら溶融混練する。
この混練物に発泡剤(発泡ガス)を圧入してさらに混練する。
その後、温度を100℃〜120℃まで冷却して、サーキュラーダイの円環状の開口から発泡状態で押し出させて円筒状の発泡体を得る。
該円筒形の発泡体を前記サーキュラーダイの前方に設けた前記開口よりも径大な冷却マンドレルの外周面に摺接させて周方向に延伸しつつ冷却し、該冷却後の発泡体に押出し方向に沿って切断したものを開いて平坦なシートにさせる。
この押出し発泡を連続的に実施することで長尺な帯状の発泡シートを作製することができる。
次に、前記押出発泡工程において得られた長尺状の発泡シートを巻取り機によってロール状に巻き取る。
巻き取り時には、できるだけ小さい張力で緩く巻き取ることが好ましい。
これは、小さい張力で緩く巻き取ることにより、収縮した厚みが回復するスペースをシートどうしの間に確保することができ、一旦収縮した発泡シートが回復する時に、元の厚み近くになりやすいためである。
前記巻き取り工程で巻き取った原反ロールを、一定の雰囲気状態で一定期間放置して熟成させる。
この熟成によって、発泡シートの寸法回復及び余分な発泡剤の発散・除去を行う。
熟成工程においては、巻き取った発泡シート内で均一に厚みを回復しやすくするために、巻き芯が水平になるようにし、かつ、空中に浮かした吊り状態でロール状の発泡シートを放置して行うことが好ましい。
また、好ましい熟成温度は15〜55℃、好ましくは20〜50℃である。
この範囲であれば、寸法回復や発泡剤の空気との置換などが短時間で行え且つ発泡シートが熱収縮することを抑制しうるためである。
前記熟成工程で熟成された原反ロールから発泡シートを繰り出し製品ロールを作製する。
該製品ロールを作製する方法としては、原反ロールから繰り出された発泡シートを別の巻き芯に巻き取って原反ロールと同じ長さの製品ロールを作製する方法、途中で切断して原反ロールよりも短い製品ロールを作製する方法、または一つの原反ロールの末端に別の原反ロールの先端部を接合して複数の発泡シートが連結された製品ロールを作製する方法などを採用することができる。
一般的には、製造後に時間が経過するに従いブリードアウトも進むため、発泡シート表面に存在する界面活性剤の量は増えるが、所定時間、例えば2〜5日程度経過すると、シート表面に存在する界面活性剤量は安定する。
この界面活性剤量は、液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析計(LC/MS/MS)を用いて測定する量である。
測定する条件としては、例えば、液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析計(型番「UHLC ACCELA」、Thermo SCIENTIFIC社製)を用い、カラムとして、Thermo製 Hypersil GOLD C18 1.9μm(2.1mmI.D.*100mmL)を用い、カラム温度40℃、移動相(A:10mM酢酸アンモニウム/B:アセトニトリル=10/90)で測定することが好ましい。
前記ガラス基板用の合紙は、搬送時や保管時に、傷や、塵埃あるいは有機物汚染から表面を保護する目的で基板間に挟み込んで使用されるものである。
本実施形態のポリエチレン系発泡樹脂シートは、前記のようにアニオン系界面活性剤が、発泡シート中に極めて均一に分散されているため、シート表面にブリードアウトも均一に生じうる。よって、かかる発泡シート表面に相手材として接触するガラス基板にもブリードアウトしたアニオン系界面活性剤がムラなく付着することになる。
ガラス基板は、製品製造のために使用する際に、水などで表面を洗浄するが、前記アニオン系界面活性剤は水で容易に洗浄できると同時に、該アニオン系界面活性剤を洗浄する際に、ガラス基板表面の清浄性も向上するという作用が生じる。
また、高分子型帯電防止剤の作用によって、シート表面に塵埃が付着しにくいため、ガラス基板用の合紙として用いた場合でもガラス基板に塵埃が付着しにくいという作用も生じる。
(1)界面活性剤マスターバッチの調整
ベース樹脂として、低密度ポリエチレン樹脂(商品名:「LC600A」、MFR=7.0g/10min、日本ポリエチレン株式会社製)100質量部をφ57mmの二軸押出機(装置名:「OTE-57-II型」、大阪精機工作社製)に供給し、210℃で溶融混練し後、押出機途中のサイドフィーダーから界面活性剤としてスルホン酸塩系界面活性剤(アルキルスルホン酸塩、商品名「ケミスタット3033」、三洋化成社製)を11質量部投入してさらに溶融混練した。
この溶融混練物を、押出機先端のダイス(1mm角の正方形ノズルが20個)からストランド状に押出し、30℃の水で冷却後、ペレタイザーでペレット状に切断し、マスターバッチを得た。
このマスターバッチ中の界面活性剤の含有量は10wt%であった。
尚、マスターバッチを後述の発泡シートの製造に使用する前に60℃で乾燥処理を行った。
(実施例1)
低密度ポリエチレン樹脂(商品名:「LF−580」、MFR=4.0g/10min、日本ポリエチレン株式会社製)100質量部、高分子型帯電防止剤(商品名:「ペレスタット300」、MI=30、三洋化成社製)を6.0質量部、発泡助剤(アゾジカルボンアミドマスターバッチ、商品名:「セルマイクMB1023」、三協化成品社製)を0.05質量部と、前記界面活性剤マスターバッチ5.0質量%を混合した原料を、φ90mm−φ150mmのタンデム押出機のφ90mmの第一押出機に供給し、押出機内で210℃で溶融した後、押出機途中から発泡剤(発泡ガス)としてブタン(イソブタン/ノルマルブタン=90/10(モル比))を6.2質量部圧入し、混練した。
続いて、φ150mmの第二押出機で111℃まで冷却し、出口直径が222mm(スリットクリアランス0.31mm)のサーキュラーダイより押出発泡して発泡体を得た。
かかる発泡体に冷却エアーを吹き付けながら、直径770mm、長さ650mmの冷却マンドレル上に沿わせて冷却し、切り開いてロール状の発泡シートを得た。
そのロール状の発泡シートを35℃に温調された部屋に、巻き芯が水平になるように、かつ、空中に浮かした状態に吊るして24時間放置し熟成させた。
得られた、発泡シートの厚みは0.51mm、密度は0.052g/cm3であった。
前記マスターバッチのベース樹脂および界面活性剤、基材樹脂としてのポリエチレン系樹脂を表1に記載のものに変更した以外は前記実施例1と同様に製造して実施例2〜6、および比較例1〜4の各発泡シートを得た。
尚、MFRの測定は以下の方法に従って測定した。
JIS K 7210:1999「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレート(MFR)及びメルトボリュームフローレート(MVR)の試験方法」B法記載の方法(但し、試験温度190℃、荷重21.18N)に従い測定した。
測定装置はセミオートメルトインデクサー(東洋精機製作所社製)を用い、試験温度190℃で5分間予備加熱後、荷重21.18Nで測定した。N=3の測定結果の平均を表1に示す。
(a)洗浄前接触角
前記各実施例、比較例の発泡シートを5×10cmに切り出し、ガラス板(5×6cm、厚み0.5mm)上に載せ、荷重1kgの重しを載せた状態で、60℃、80%RHに設定された恒温恒湿槽(装置名:「HPAV−120−40」、ISUZU社製)に24時間保管し、取り出し後、ガラス板から発泡シートをはがして、直ちに30℃、0%RHの条件下で24時間乾燥させた。
その後、該ガラス板の発泡シートが接触していた面の接触角を固液界面解析装置(装置名「DROP MASTER300」、協和界面化学社製)で精製水を用いて測定した。
結果を表1に示す。
前記と同様に処理して恒温恒湿槽から取り出した各実施例、比較例の発泡シートを接触させたガラス板を、該ガラス板から発泡シートをはがし、該ガラス板の発泡シートが接触していた面を、精製水に洗剤(商品名「アタック」、花王社製)を0.4%の濃度で溶解させた洗浄液で洗浄し、水ですすいだ後、30℃、0%RHの条件で乾燥させた後、前記と同様に接触角を測定した値を洗浄後接触角とした。
尚、洗浄前、洗浄後ともN=200の測定結果の算術平均値をそれぞれの接触角とした。また、標準偏差を算出した結果を表1に示す。
各実施例、比較例の発泡シートの外観を目視にて観察して、以下の基準で評価した。
良好:発泡シートの表面が平滑で凹凸、しわが見られない。
不良:発泡シートの表面が凹凸を有しており、毛羽立っている。
各結果を表1に示す。
各実施例、比較例の発泡シートの厚みおよび密度を測定した。
厚みは、定圧厚み測定機(型式「SCM−627」、Teclock社製)を用いて、シートの200箇所(幅方向に250mm毎、流れ方向に50m毎)を測定し平均値を求めた。
密度(見掛け密度)は、JIS K 7222:2005「発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の求め方」に基づいて測定した。
各結果を表1に示す。
各実施例、比較例の発泡シート表面のアニオン系界面活性剤量を、液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析計(LC/MS/MS)(型番「UHLC ACCELA」Thermo SCIENTIFIC社製)を用いて測定した。
測定条件は以下の通り。
測定条件
・カラム:Thermo製 Hypersil GOLD C18 1.9μm(2.1mmI.D.*100mmL)
測定条件:カラム温度(40℃),移動相(A:10mM酢酸アンモニウム/B:アセトニトリル=10/90)
検出する界面活性剤の標準液を濃度0.01ppm〜10ppmの間で数点作製し、同条件でLC/MS/MSにて測定し、検出されるピーク面積と標準液の濃度における検量線を作成する。次に、前処理として各実施例、比較例の発泡シートをそれぞれ10cmに切り取り、50mlの蒸留水に漬けて、23℃の室温下に40分間保管し、界面活性剤を溶出する。得られた溶出液を前記LC/MS/MSで測定し、標準液から得られた検量線をもとに、溶出液の濃度を算出し、サンプルの表面積で除することで、単位面積当たりの量(μg/cm2)を算出した。
結果を表1に示す。
このことからも、本発明の発泡シートが、接する相手材の汚れ成分の除去に有用なものであることがわかり、ガラス基板の合紙などに有用なものであることがわかる。
また、各実施例の発泡シートは密度および厚みから十分に発泡されていることがあきらかで、外観上も平滑で凹凸がないことがわかる。
Claims (6)
- ポリエチレン系樹脂(A)と、高分子型帯電防止剤(B)と、アニオン系界面活性剤とベース樹脂とを含むマスターバッチ(C)とを溶融混合し、該溶融混合物を押出発泡させるポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法であって、
前記ベース樹脂のメルトマスフローレート(MFRm)と、前記ポリエチレン系樹脂のメルトマスフローレート(MFRb)とが0.2≦(MFRb/MFRm)≦2.5を満たし、且つ前記ポリエチレン系樹脂のメルトマスフローレート(MFRb)が2.0g/10min以上6.0g/10min以下であることを特徴とするポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法。 - 前記ポリエチレン系樹脂100質量部に対して、前記高分子型帯電防止剤を3〜20質量部となる割合で混合する請求項1に記載のポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法。
- 前記アニオン系界面活性剤が、スルホン酸塩系界面活性剤である請求項1または2に記載のポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法。
- 前記マスターバッチのベース樹脂がポリエチレン系樹脂である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法。
- 前記請求項1乃至4のいずれか一項に記載のポリエチレン系樹脂発泡シートの製造方法で製造されたポリエチレン系樹脂発泡シートであって、平均厚みが0.1mm以上1.0mm以下、見掛け密度が0.01g/cm3以上0.2g/cm3以下であることを特徴とするポリエチレン系樹脂発泡シート。
- ディスプレイ用ガラス基板の合紙として用いられる請求項5に記載のポリエチレン系樹脂発泡シート。
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