JP2013123938A - 車両用アームレスト - Google Patents

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Abstract

【課題】腕などが載置された場合において、表皮材にしわが生じる事態を抑制することが可能な車両用アームレストを提供する。
【解決手段】乗員の腕が載置可能な上面部32を備えたアームレスト30であって、上面部32は、アームレスト基材41と、アームレスト基材41の上面を覆う軟質材52と、軟質材52の上面を覆う表皮材61と、を備え、表皮材61における軟質材52側の面61Aは、相対的に車室外側に配され、軟質材52と接着されている接着領域S2と、相対的に車室内側に配され、軟質材52と接着されていない非接着領域S1とから構成され、接着領域S2と非接着領域S1との境界線L1は、車両前後方向に沿って延びる波形状をなしていることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両用アームレストに関する。
従来、車両に設けられる車両用アームレストとしては、下記特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載の車両用アームレストは、基材(芯材)と、芯材を覆う軟質材(発泡ウレタン)と、軟質材を覆う表皮材(表皮層)を備えており、表皮材が軟質材に対して一体的に接着(接合)されている。
特開2006−264398号公報
上記構成のアームレストに対して、乗員が腕など載せることで軟質材が押圧されると軟質材の表面が凹む。このとき、表皮材が軟質材の全面に対して接着されていると、軟質材の表面の凹みに完全に追従する形で表皮材も変形する。このため、表皮材にしわが生じやすくなり、アームレストから腕を離した後であっても、そのしわが残ってしまう事態が懸念される。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、腕などが載置された場合において、表皮材にしわが生じる事態を抑制することが可能な車両用アームレストを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の車両用アームレストは、乗員の腕が載置可能な上面部を備えた車両用アームレストであって、前記上面部は、アームレスト基材と、前記アームレスト基材の上面を覆う軟質材と、前記軟質材の上面を覆う表皮材と、を備え、前記表皮材における前記軟質材側の面は、相対的に車室外側に配され、前記軟質材と接着されている接着領域と、相対的に車室内側に配され、前記軟質材と接着されていない非接着領域とから構成され、前記接着領域と前記非接着領域との境界線は、車両前後方向に沿って延びる波形状をなしていることに特徴を有する。
アームレストの上面部に腕が載置されると、押圧された軟質材が凹む形で変形する。本発明では、表皮材における軟質材側の面のうち、車室内側に配される領域を、軟質材と表皮材とが接着されていない非接着領域とした。これにより、腕が載置されやすい表皮材(上面部)の車室内側寄りの部分においては、表皮材が軟質材の表面に接着されていないため、表皮材が軟質材の変形に追従して変形することがない。その結果、アームレストの上面部に腕が載置された場合において、表皮材にしわが生じる事態を抑制でき、ひいては、表皮材にしわが残る事態を抑制できる。
また、表皮材において接着されている箇所と接着されていない箇所が存在する場合、両箇所において、表皮材表面の光沢や腕を載置した場合の感触(使用感)などに差異が生じる場合がある。特に、両箇所の境界部分では、この差異が認識されやすくなる。そこで、本発明では、接着領域と非接着領域との境界線を波形とした。これによって、境界線が例えば、直線状をなす構成と比較して、接着領域と非接着領域との境界が、乗員に認識されにくくなる。この結果、上述した光沢や使用感などの差異が乗員に認識されにくくなり、アームレストの品質をより高くすることができる。
上記構成において、前記表皮材における前記軟質材側の面を、車室外側の端部と車室内側の端部との間の中心を通る中心線にて、2つの領域に区画した場合において、前記中心線によって区画された前記2つの領域のうち、相対的に車室内側に位置する領域では、前記非接着領域の面積が前記接着領域の面積に比して大きいものとすることができる。
本発明では、軟質材側の面を中心線にて2つの領域に区画した場合において、車室内側に位置する領域、すなわち、乗員の腕がより載置されやすい領域において、非接着領域(表皮材におけるしわの発生を抑制しやすい領域)の面積が接着領域の面積に比して大きいものとした。これにより、アームレストの上面部に腕が載置された場合において表皮材にしわが生じる事態をより効果的に抑制することができる。
また、前記境界線は、正弦波形状をなし、前記境界線における車室外側の突出端の各々が、前記中心線よりも車室外側に配され、前記境界線における車室内側の突出端の各々が、前記中心線よりも車室内側に配されているものとすることができる。
このような構成とすれば、例えば、境界線が車室内側(又は車室外側)寄りの位置に形成される構成と比較して、接着領域(軟質材と表皮材との接着を担う領域)と非接着領域(表皮材におけるしわの発生を抑制しやすい領域)とをバランスよく形成することができる。
また、前記境界線は、前記中心線よりも車室内側に配されているものとすることができる。
接着領域と非接着領域との境界線を中心線よりも車室内側に配することで、表皮材における軟質材側の面において、接着領域の面積をより大きくすることができる。これにより、軟質材に対する表皮材の接着力をより高くすることができる。
また、前記境界線は、前記中心線よりも車室外側に配されているものとすることができる。
接着領域と非接着領域との境界線を中心線よりも車室外側に配することで、表皮材における軟質材側の面において、非接着領域の面積をより大きくすることができる。これにより、アームレストの上面部に腕が載置された場合において、表皮材にしわが生じる事態をより確実に抑制することができる。
また、前記アームレスト基材における車室内側の端部は、前記軟質材が嵌合されるとともに、車室内側に比して車室外側が低い段差部とされ、前記表皮材は、前記軟質材の前記上面及び前記段差部における高い側の上面の双方を覆う形で配され、前記表皮材における前記高い側の上面との接触面は、接着されていない構成とすることができる。
本発明においては、表皮材が、軟質材の上面及び段差部における高い側の上面の双方を覆う形で配されている。このような構成において、仮に段差部における高い側の上面と軟質材の上面の双方に表皮材を接着する構成とした場合は、表皮材が両面(段差部における高い側の上面と軟質材の上面)の段差形状に追従して変形する事態が懸念される。本発明では、表皮材と段差部における高い側の上面とが接着されていない構成とされる。つまり、表皮材は、軟質材の車室内側の部分(非接着領域に対応)と段差部の上面に亘って接着されていない構成となっている。このような構成とすれば、表皮材が両面(段差部における高い側の上面と軟質材の上面)の段差形状に追従して変形する事態を抑制できる。これにより、表皮材の表面に段差が生じる事態を抑制でき、意匠性や使用感をより良好なものとすることができる。
本発明によれば、腕などが載置された場合において、表皮材にしわが生じる事態を抑制することが可能な車両用アームレストを提供することができる。
本発明の実施形態1に係るアームレストを備えるドアトリムを示す正面図 図1のアームレストを示す断面図(図1のA−A線で切断した図に対応) 図1のアームレストを示す分解斜視図 図1のアームレストの上面部を示す平面図 実施形態2に係るアームレストの上面部を示す平面図 実施形態3に係るアームレストの上面部を示す平面図 実施形態4に係るアームレストを示す断面図
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図4によって説明する。図1は、本実施形態のアームレスト30が設けられたドアトリム10(車両用ドアトリム)を示す正面図である。ドアトリム10は、ドアパネルを構成するドアインナパネル(図示せず)に取り付けられることで車両ドアを構成するものである。
ドアトリム10は、図1に示すように、トリムボード12と、トリムボード12に取り付けられるオーナメント15とを主体に構成されている。また、トリムボード12には、インサイドハンドル17などが設けられている。トリムボード12は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂材料などによって構成されている。なお、トリムボード12の材質は、合成樹脂材料に限定されず、例えば、木質系材料と合成樹脂を混合したものなどを用いてもよい。
トリムボード12は、正面視略方形状をなし、アッパーボード13とロアボード20とを備えている。ロアボード20には、図1に示すように、スピーカグリル16やドアポケット18などが設けられている。オーナメント15は、アッパーボード13とロアボード20との間に介在される形で取り付けられている。
ドアトリム10は、アームレスト30(車両用アームレスト)を備えている。アームレスト30は、図2及び図3に示すように、アームレスト基材41と、軟質材51,52と、表皮材61とから構成されている。
アームレスト基材41(アームレスト芯材)は、トリムボード12に取り付けられ、例えば、ポリプロピレンなどの合成樹脂材料によって形成され、車両前後方向に延びる板状をなしている。軟質材51,52は、車両前後方向に配列され、接着剤などでアームレスト基材41に接着される。
軟質材51,52は例えば、ウレタンを発泡させた発泡材(ウレタンパッド)とされ、復元性を有するものとされる。表皮材61は、アームレスト基材41のほぼ全面を覆う形状をなしており、例えば、ポリウレタン系のシート材やスラブウレタンの発泡体からなるシート材などを積層して構成されている。
アームレスト30における車両後部は、車室内側に張り出す形状をなしており、図2に示すように、乗員の腕が載置可能な上面部32と、上面部32における車室外側(図2の右側)の端部から上方に延びる車室外側壁部33と、上面部32における車室内側(図2の左側)の端部から下方に延びる車室内側壁部34から構成されている。
上面部32及び車室内側壁部34は、アームレスト基材41、軟質材52、表皮材61が層状に積層されることで構成されている。つまり、アームレスト30の上面部32においては、軟質材52がアームレスト基材41の上面を覆う形で配されており、表皮材61が軟質材52の上面を覆う形で配されている。
また、車室外側壁部33は、アームレスト基材41、表皮材61が積層されることで構成されている。なお、車室外側壁部33は、図1に示すように、オーナメント15の車両後側に配されており、ドアトリム10におけるオーナメントの機能を担っている。
アームレスト30の車室内側壁部34においては、表皮材61が軟質材52の表面(車室内側面)を覆う形で配されている。また、表皮材61の下端部がアームレスト基材41の下端部の車室外側を覆う形で折り返されている。アームレスト30の車室内側壁部34においては、表皮材61が軟質材52の表面と接着されておらず、表皮材61の下端部が、アームレスト基材41の下端部に対して接着剤71を介して接着されている。
アームレスト30の上面部32において、表皮材61における相対的に車室内側に配される部分は、軟質材52と接着されていない。これに対して、表皮材61における相対的に車室外側に配される部分が、接着剤72によって軟質材52と接着されている。つまり、表皮材61における軟質材52側の面61Aは、相対的に車室内側に配され、軟質材52と接着されていない非接着領域S1と、相対的に車室外側に配され、軟質材52と接着されている接着領域S2とから構成されている。
また、アームレスト30の車室外側壁部33においては、表皮材61がアームレスト基材41の表面に対して接着剤73によって接着されている。
つまり、アームレスト30において、車室内側壁部34と上面部32とが交わる部分の付近(凸R部)においては、表皮材61と軟質材52とが接着されていない。これに対して、上面部32と車室外側壁部33とが交わる部分の付近(凹R部)においては、表皮材61が軟質材52及びアームレスト基材41の双方に接着されている。
アームレスト30の上面部32における非接着領域S1及び接着領域S2の境界線L1は、図4に示すように、平面視において、車両前後方向に沿って延びる正弦波形状をなしている。なお、図2及び図4においては、境界線L1を破線で示してある。
図3及び図4に示すように、上面部32は、平面視(上方から視た状態)において、車両前後方向(図4の左右方向)に長い略方形状をなしている。なお、図4は、上面部32(表皮材61)を上方から視た状態を模式的に示す図であって、図4の上側が車室外側(車室外側壁部33側)に、下側が車室内側(車室内側壁部34側)に対応している。
そして、図2及び図4に示すように、表皮材61における軟質材52側の面61Aを、面61Aにおける車室外側の端部と車室内側の端部との間の中心を通る中心線LCにて、2つの領域T1,T2に区画した場合において、相対的に車室内側に位置する領域T1では、非接着領域S1の面積が接着領域S2の面積に比して大きいものとされる。なお、図4では、上面部32における表皮材61の上面(軟質材52側の面61Aとは反対側の面であって軟質材52側の面61Aと同形状の面)を図示してある。
正弦波形状をなす境界線L1は、その振幅がゼロになる箇所が、中心線LCと概ね一致するものとされる。なお、境界線L1において振幅がゼロになる箇所が中心線LCと一致していなくてもよい。また、境界線L1における車室外側の突出端L2の各々が、中心線LCよりも車室外側に配され、境界線L1における車室内側の突出端L3の各々が、中心線LCよりも車室内側に配されている。
具体的には、境界線L1の最大振幅A1(突出端L2,L3における振幅)は、上面部32の車室内外方向の長さBの半分の長さB/2をさらに半分にした値よりも大きいものとされる。つまり、境界線L1における車室外側の突出端L2の各々は、上面部32における車室外側の端部寄りの位置(中心線LCよりも車室外側の端部に近い位置)に配されている。一方、境界線L1における車室内側の突出端L3の各々は、上面部32における車室内側の端部寄りの位置(中心線LCよりも車室内側の端部に近い位置)に配されている。
なお、境界線L1が正弦波形状をなすように接着領域S2に接着剤72を塗布する手段としては、次のような方法を例示することができる。まず、非接着領域S1の形状に対応した形状をなす(つまり、側面が境界線L1に対応した正弦波形状をなす)マスキング部材で、例えば、表皮材61における軟質材52側の面61Aのうち非接着領域S1に対応する部分を覆う。その後、接着剤を軟質材52側の面61Aに塗布する。これにより、軟質材52側の面61Aにおいて、マスキング部材に覆われた箇所が、非接着領域S1となり、それ以外の領域を接着領域S2とすることができる。
なお、上述のようなマスキング部材を用いる場合、境界線L1の波長を小さくしすぎると、これに対応するマスキング部材の側面部分(境界線L1に対応した正弦波形状をなす部分の凹部)に接着剤が溜まりやすくなり、表皮材61表面の意匠性を低下させる事態が懸念される。このような事態を防ぐには、境界線L1の波長LAをある程度大きく設定することが好ましく、例えば、約70mmとすることが好ましい。なお、境界線L1の波長LAは、上述した値に限定されず適宜変更可能である。
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態のアームレスト30は、乗員の腕が載置可能な上面部32を備え、上面部32は、アームレスト基材41と、アームレスト基材41の上面を覆う軟質材52と、軟質材52の上面を覆う表皮材61と、を備え、表皮材61における軟質材52側の面61Aは、相対的に車室外側に配され、軟質材52と接着されている接着領域S2と、相対的に車室内側に配され、軟質材52と接着されていない非接着領域S1とから構成され、接着領域S2と非接着領域S1との境界線L1は、車両前後方向に沿って延びる波形状をなしている。
アームレスト30の上面部32に腕が載置されると、押圧された軟質材52が凹む形で変形する。本実施形態では、表皮材61における軟質材52側の面61Aのうち、車室内側に配される領域を、軟質材52と表皮材61とが接着されていない非接着領域S1とした。これにより、腕が載置されやすい表皮材61(上面部32)の車室内側寄りの部分においては、表皮材61が軟質材52の表面に接着されていないため、表皮材61が軟質材52の変形に追従して変形することがない。言い換えると、非接着領域S1においては、表皮材61は、軟質材52とは独立して動くことができる。その結果、アームレスト30の上面部32に腕などが載置された場合において、表皮材61にしわが生じる事態を抑制でき、ひいては、表皮材61にしわが残る事態を抑制できる。
また、表皮材61において接着されている箇所(接着領域S2)と接着されていない箇所(非接着領域S1)が存在する場合、非接着領域S1では、接着領域S2に比べて、軟質材52と表皮材61との密着性が低くなりやすい。このため、表皮材61の表面において、非接着領域S1と接着領域S2との間には、わずかに段差などが生じる。このため、両箇所(非接着領域S1及び接着領域S2)において、表皮材61表面の光沢に差異が生じる場合がある。また、表皮材61において、接着されている箇所と、接着されていない箇所とでは、乗員が腕を載置した場合の感触(使用感)などに差異が生じる場合がある。
特に、両箇所の境界部分では、上記のような差異(光沢や使用感)が認識されやすくなる。そこで、本実施形態では、接着領域S2と非接着領域S1との境界線L1を波形とした。これによって、境界線L1が例えば、直線状をなす構成と比較して、接着領域S2と非接着領域S1との境界が、乗員に認識されにくくなる。この結果、上述した光沢や使用感などの差異が乗員に認識されにくくなり、アームレスト30の品質をより高くすることができる。
また、境界線L1を波形状とすれば、図4に示すように、接着領域S2における突部S21は、その周囲3方(図4では、下方及び左右両方)から非接着領域S1によって囲まれることとなる。これにより、仮に、接着領域S2にしわが生じた場合であっても、その周囲3方の非接着領域S1には、しわが伝播しにくく、しわの発生を効果的に抑えることができる。
また、本実施形態では、車室内側壁部34と上面部32とが交わる部分の付近(凸R部)においては、表皮材61と軟質材52とが接着されていない。これに対して、上面部32と車室外側壁部33とが交わる部分の付近(凹R部)においては、表皮材61が軟質材52及びアームレスト基材41の双方に接着されている。
車室内側壁部34と上面部32とが交わる部分の付近(凸R部)においては、表皮材61がある程度張った状態となるため、表皮材61は接着されていなくても浮くことはない。これに対して、上面部32と車室外側壁部33とが交わる部分(凹R部)において、表皮材61を軟質材52に対して接着しないと、表皮材61が浮いてしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、上面部32と車室外側壁部33とが交わる部分の付近(凹R部)においては、表皮材61を軟質材52及びアームレスト基材41の双方に接着する構成とした。
また、表皮材61における軟質材52側の面61Aを、車室外側の端部と車室内側の端部との間の中心を通る中心線LCにて、2つの領域T1,T2に区画した場合において、2つの領域T1,T2のうち、相対的に車室内側に位置する領域T1では、非接着領域S1の面積が接着領域S2の面積に比して大きいものとされる。
本実施形態では、軟質材52側の面61Aを中心線LCにて2つの領域T1,T2に区画した場合において、車室内側に位置する領域T1、すなわち、乗員の腕がより載置されやすい領域において、非接着領域S1(表皮材61におけるしわの発生を抑制しやすい領域)の面積が接着領域S2の面積に比して大きいものとした。これにより、アームレスト30の上面部32に腕などが載置された場合において、表皮材61にしわが生じる事態をより効果的に抑制することができる。
また、境界線L1は、正弦波形状をなし、境界線L1における車室外側の突出端L2が、中心線LCよりも車室外側に配され、境界線L1における車室内側の突出端L3が、中心線LCよりも車室内側に配されている。
このような構成とすれば、例えば、境界線L1が車室内側(又は車室外側)寄りの位置に形成される構成と比較して、接着領域S2(軟質材52と表皮材61との接着を担う領域)と非接着領域S1(表皮材61におけるしわの発生を抑制しやすい領域)とをバランスよく形成することができる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図5によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態のアームレスト130においては、上面部32における非接着領域S1と接着領域S2との境界線L11の配置が上記実施形態と相違する。
本実施形態では、境界線L11が、図5に示すように、中心線LCよりも車室内側(図5の下側)に配されている。つまり、境界線L11の全体が領域T1に配されている。このような構成とすれば、境界線L21が中心線LCよりも車室外側に配されている構成と比較して、表皮材61における軟質材52側の面61Aにおいて、接着領域S2の面積をより大きくすることができる。これにより、軟質材52に対する表皮材61の接着力をより高くすることができる。
なお、本実施形態においても、中心線LCによって区画された2つの領域T1,T2のうち、相対的に車室内側に位置する領域T1においては、非接着領域S1の面積が接着領域S2の面積に比して大きい構成となっている。
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図6によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態のアームレスト230においては、上面部32における非接着領域S1と接着領域S2との境界線L21の配置が上記実施形態と相違する。
本実施形態では、境界線L21が、図6に示すように、中心線LCよりも車室外側(図6の上側)に配されている。つまり、境界線L21の全体が領域T2に配されている。このような構成とすれば、境界線L21が中心線LCよりも車室内側に配されている構成と比較して、表皮材61における軟質材52側の面61Aにおいて、非接着領域S1の面積をより大きくすることができる。これにより、アームレスト230の上面部32に腕などが載置された場合において、表皮材61にしわが生じる事態をより確実に抑制することができる。
なお、本実施形態においては、中心線LCによって区画された2つの領域T1,T2のうち、相対的に車室内側に位置する領域T1においては、接着領域S2が存在しない構成となっている。つまり、領域T1においては、非接着領域S1の面積が接着領域S2の面積(接着領域S2の面積がゼロ)に比して大きい構成となっている。
<実施形態4>
次に、本発明の実施形態4を図7によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態のアームレスト330においては、上面部332の構成が上記実施形態と相違する。図7は、上面部332における車室内側の端部付近を拡大して示す拡大図である。
本実施形態の上面部332において、アームレスト基材341における車室内側の端部は、車室内側に比して車室外側(図7の右側)が低い段差部342とされる。軟質材352は、段差部342に嵌合されており、軟質材352の上面352Aが、段差部342における高い側の上面342Aとほぼ同じ高さ(略面一)となるように配されている。
表皮材361は、軟質材352の上面352A及び段差部342における高い側の上面342Aの双方を覆う形で配されている。また、表皮材361の車室内側(図7の左側)の端部は、アームレスト基材341の下面を覆う形で折り返されており、接着剤371によってアームレスト基材341に対して接着されている。
そして、表皮材361における高い側の上面342Aとの接触面361Aは、上面342Aに対して接着されていない構成とされる。また、表皮材361は、軟質材352の車室内側の端部と接着されていない。
本実施形態においては、表皮材361が、軟質材352の上面352A及び段差部342における高い側の上面342Aの双方を覆う形で配されている。このような構成において、仮に段差部342における高い側の上面342Aと軟質材352の上面352Aの双方に表皮材361を接着する構成とした場合は、表皮材361が両面(段差部342における高い側の上面342Aと軟質材352の上面352A)の段差形状に追従して変形する事態が懸念される。なお、段差部342における高い側の上面342Aと軟質材352の上面352Aとは、基本的には、面一となるように設計するものの、完全に面一にすることは困難であり、図7に示すようにわずかに段差が生じる場合がある。
本実施形態では、表皮材361と段差部342における高い側の上面342Aとが接着されていない構成とされる。つまり、表皮材361は、軟質材352の車室内側の部分(非接着領域S1に対応)と段差部342の上面342Aに亘って接着されていない構成となっている。このような構成とすれば、表皮材361が両面(段差部342における高い側の上面342Aと軟質材352の上面352A)の段差形状に追従して変形する事態を抑制できる。これにより、表皮材361の表面に段差が生じる事態を抑制でき、意匠性や使用感をより良好なものとすることができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば、次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、アームレスト基材41がトリムボード12に取り付けられる構成を例示したが、これに限定されない。例えば、トリムボード12とアームレスト基材41とが一体的に形成されていてもよい。
(2)アームレスト基材、軟質材、表皮材の材質及び構成は上記実施形態で例示したものに限定されず適宜変更可能である。例えば、表皮材としては、織布、不織布、皮革等を使用することが可能である。
(3)上記実施形態では、境界線L1,L11,L21が正弦波形状をなす構成を例示したが、境界線の形状は、これに限定されない。境界線の形状は、波形状をなしていればよく、例えば、矩形波形状、三角波形状、のこぎり波形状などを例示することもできる。また、アームレストにおける上面部32の形状は、平面視方形状に限定されず適宜変更可能である。
30,130,230…アームレスト(車両用アームレスト)、32,332…上面部、41,341…アームレスト基材、52,352…軟質材、61,361…表皮材、61A…表皮材における軟質材側の面、342…段差部、342A…段差部における高い側の上面、352A…軟質材の上面、361A…表皮材における高い側の上面との接触面、L1,L11,L21…接着領域と非接着領域との境界線、L2…境界線における車室外側の突出端、L3…境界線における車室内側の突出端、LC…中心線、S1…非接着領域、S2…接着領域、T1…領域(中心線によって区画された2つの領域のうち、相対的に車室内側に位置する領域)、T2…領域(中心線によって区画された領域)

Claims (6)

  1. 乗員の腕が載置可能な上面部を備えた車両用アームレストであって、
    前記上面部は、アームレスト基材と、前記アームレスト基材の上面を覆う軟質材と、前記軟質材の上面を覆う表皮材と、を備え、
    前記表皮材における前記軟質材側の面は、
    相対的に車室外側に配され、前記軟質材と接着されている接着領域と、
    相対的に車室内側に配され、前記軟質材と接着されていない非接着領域と、から構成され、
    前記接着領域と前記非接着領域との境界線は、車両前後方向に沿って延びる波形状をなしていることを特徴とする車両用アームレスト。
  2. 前記表皮材における前記軟質材側の面を、車室外側の端部と車室内側の端部との間の中心を通る仮想的な中心線にて、2つの領域に区画した場合において、
    前記中心線によって区画された前記2つの領域のうち、相対的に車室内側に位置する領域では、
    前記非接着領域の面積が前記接着領域の面積に比して大きいことを特徴とする請求項1に記載の車両用アームレスト。
  3. 前記境界線は、正弦波形状をなし、
    前記境界線における車室外側の突出端の各々が、前記中心線よりも車室外側に配され、
    前記境界線における車室内側の突出端の各々が、前記中心線よりも車室内側に配されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用アームレスト。
  4. 前記境界線は、前記中心線よりも車室内側に配されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用アームレスト。
  5. 前記境界線は、前記中心線よりも車室外側に配されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用アームレスト。
  6. 前記アームレスト基材における車室内側の端部は、前記軟質材が嵌合されるとともに、車室内側に比して車室外側が低い段差部とされ、
    前記表皮材は、前記軟質材の前記上面及び前記段差部における高い側の上面の双方を覆う形で配され、
    前記表皮材における前記高い側の上面との接触面は、接着されていない構成とされることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の車両用アームレスト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018090041A (ja) * 2016-12-01 2018-06-14 トヨタ紡織株式会社 乗物用アームレスト

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