JP2013123132A - 通信装置、通信システム及び通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】配線数を増加させることなく、同一のプロトコルに基づく通信データの通信容量を容易に増加させることのできる通信装置、及び、該通信装置を用いた通信システム、及び前記通信装置に用いられる通信方法を提供する。
【解決手段】通信装置は、通信用バス21に接続され、通信用バス21を介して通信データを送信受信する。通信装置は、通信データS1を変調した通信信号TS1を通信用バス21へ送信する送信モジュール60と、通信用バス21から受信した通信信号TR1を復調して通信データR1を得る受信モジュール50とを備え、送信モジュール60は、所定の送信周波数帯域F1内で動的に変化する周波数に基づいて通信データS1を変調し、受信モジュール50は、変調されて受信される周波数帯域F1に対応する通信信号を復調して通信データS1を得る。
【選択図】図8

Description

本発明は、通信ネットワーク、特に車両に搭載される通信ネットワークに接続され、当該ネットワークを介して通信を行う通信装置、及び該通信装置を用いた通信システム、及び前記通信装置に用いられる通信方法に関する。
周知のように、車両に搭載された複数の電子制御装置(ECU)にあっては、それぞれがネットワーク接続されることによってそれら電子制御装置の有する情報(車両情報)を相互に送受信可能とする車両ネットワークシステムを構成していることが多い。そして、このような車両ネットワークシステムを構成する通信システムの一つにコントロールエリアネットワーク(CAN)がある。CANは、一つのバスに複数のノードが接続されるバス型のネットワークであって、例えば、高速CANの仕様は、伝送レートが500kbps、最大バス長が40m、最大接続ノード数が16個と規定されている。ところが近年、車両に搭載されるECUの増加に伴って、CANに対しても通信容量の増加や接続ノード数の増加などの要望が高まりつつある。そこで、CANを利用して通信容量を増加させる通信システムの一例が特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載の通信システムは、CANの差動信号を伝達する通信線としてのツイストペアケーブルの端部にそれぞれカップリングコンデンサを接続する。そして、一方のカップリングコンデンサを介してCANの通信線で通信されているCANプロトコルのデータに高い周波数のデータを重畳させるとともに、他方のカップリングコンデンサを介してCANの通信線に重畳された高い周波数のデータを取得するようにしている。このとき、CANの通信線には、例えば、CANプロトコルの信号が500kbpsで伝送されるとともに、高い周波数のデータの信号が100Mbpsで伝送される。これによりCANを利用してのCANプロトコルの通信に加えて、高い周波数でのデータ通信が併せて行われることとなり、通信容量を増加させることが可能となる。
特開2008−193606号公報
上述の特許文献1に記載の通信システムによれば、確かにCANを介して伝送されるデータ量が増加するようにはなるものの、高い周波数によるデータ通信はCANでの伝送には適していない映像データの通信であるため、同通信システムではCANプロトコルの通信容量を増加させることはできない。
また、図26に示すように、複数のCANバス121,122,123を、それらCANバス121,122,123間で通信データの相互転送を行うゲートウェイ(GW)120を介して接続することで、各CANバス121〜123に接続された第1〜第12ECU101〜112の相互間で通信データを伝達可能にする構成も知られている。しかしこの場合、通信システムに接続できるノード数を増加させることはできるものの、各CANバス121〜123の通信容量を増加させるものではないとともに、相互転送されるデータが増えると、逆に通信データの輻輳を招いてしまうおそれもある。
さらに、図27に示すように、第1のECU101に、CANトランシーバ144と、コモンモードチョークコイル143と、終端回路142と、コネクタ141とを1組としてなる通信部を2つ設け、各通信部にCANバス121,122のいずれかをそれぞれ接続する方法もある。これにより、第1のECU101は、データ通信に2つのCANバス121,122を利用することができるようになることで通信容量が増加されるようになる。しかしながら、一方のバスのみに伝送する通信データを選択することは容易でないとともに、その実現にはCANバスと該CANバスに接続される回路をさらに1組追加しなければならないなどコストアップや配線の複雑化が無視できなくなる。
本発明は、上述のような実情に鑑みなされたものであって、その目的は、配線数を増加させることなく、同一のプロトコルに基づく通信データの通信容量を容易に増加させることのできる通信装置、及び、該通信装置を用いた通信システム、及び前記通信装置に用いられる通信方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、通信線に接続され、当該通信線を介して通信データを送信受信する通信装置であって、通信データを変調した通信信号を前記通信線へ送信する送信部と、前記通信線から受信した通信信号を復調して通信データを得る受信部とを備え、前記送信部は、所定の送信周波数帯内で動的に変化する周波数に基づいて通信データを変調し、前記受信部は、前記変調されて受信される周波数帯に対応する通信信号を復調して通信データを得ることを要旨とする。
上記課題を解決するため、請求項6に記載の発明は、複数の通信装置がネットワークに通信可能に接続される通信システムであって、前記複数の通信装置のうち、少なくとも2つの通信装置が、所定の送信周波数帯内で動的に変化する周波数に基づいて通信データを変調した通信信号を前記ネットワークに送信する送信部を備え、少なくとも1つの通信装置が、前記ネットワークから取得した変調された通信信号を前記送信周波数帯に基づいて復調して通信データを得る受信部を備え、前記送信部が、該送信部から送信した通信信号と、前記ネットワークに伝達されている信号との比較に基づいて当該送信部からの通信信号の送信を制御することを要旨とする。
上記課題を解決するため、請求項7に記載の発明は、コントロールエリアネットワークを介して通信される通信データを送信する通信方法であって、コントロールエリアネットワークを介する通信を制御するコントローラから出力された通信データを、所定の送信周波数帯内で動的に変化する周波数に基づいて変調してコントロールエリアネットワークに送信することを要旨とする。
上記課題を解決するため、請求項8に記載の発明は、コントロールエリアネットワークを介して通信される通信データを受信する通信方法であって、コントロールエリアネットワークから所定の周波数帯内で動的に変化する周波数に基づき変調された通信信号を受信するとともに、これを前記所定の周波数帯で復調し、コントロールエリアネットワークを介する通信を制御するコントローラに通信データとして出力することを要旨とする。
上記課題を解決するため、請求項9に記載の発明は、コントロールエリアネットワークに通信可能に接続される通信装置であって、コントロールエリアネットワークを介する通信を制御するコントローラから出力された通信データを、所定の送信周波数帯内で動的に変化する周波数に基づいて変調してコントロールエリアネットワークに送信することを要旨とする。
上記課題を解決するため、請求項11に記載の発明は、コントロールエリアネットワークに通信可能に接続される通信装置であって、コントロールエリアネットワークから所定の周波数帯内で動的に変化する周波数に基づき変調された通信信号を受信するとともに、これを前記所定の周波数帯で復調して得た通信データをコントロールエリアネットワークを介する通信を制御するコントローラに出力することを要旨とする。
このような構成もしくは方法によれば、通信信号が所定の周波数範囲で変動する周波数により変調される。これにより、たとえ複数の通信装置が同一の送信周波数帯の通信信号を通信線に送信したとしても、通信信号が干渉し、例えば、逆位相の通信信号が重なって通信信号が検出されないレベルになってしまうおそれがない。具体的には、変調用の信号、いわゆる、搬送波の位相が180°ずれている2つの通信装置が同時に論理「0」を変調した通信信号を出力した場合、通信線では位相の180°相違する2つの通信信号が重ね合わさり、通信信号が打ち消されてしまうようになる。すなわち2つの通信装置はいずれも論理「0」を出力しているにもかかわらず、信号線の通信信号からは論理「1」が検出されることとなってしまう。そこで、変調に用いる周波数を送信周波数帯に含まれる範囲で動的に変化させることで、2つの通信装置の搬送波が180°の位相で重なり続けることを防止し、例えば、論理「0」が出力されている場合、短時間であれ、論理「0」が出力されていることを検出可能な通信信号が信号線に伝送されるようにしている。
また、変調する周波数を動的に変更することで、通信信号を送信部から送信中の通信装置は、受信部を介して通信信号を監視することで、通信線に他の通信信号が重畳されていることを検出することができるようになる。つまり、通信装置は、他の通信信号の有無を監視して、自身の通信部からの通信信号の送信を制御するようにすることができるようになる。
さらに、所定の送信周波数帯を変更すれば、通信線で周波数多重通信を行うことができるようにもなる。
これにより、この通信装置によれば、配線数を増加させることなく、同一のプロトコルに基づく通信データの通信容量を増加させることができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の通信装置において、前記動的に変化する周波数が、疑似雑音符号に基づいて決定されることを要旨とする。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の通信装置において、前記動的に変化する周波数が、疑似雑音符号に基づいて決定されることを要旨とする。
このような構成によれば、通信装置毎に周波数が動的かつランダムに変化するようになるため、複数の通信装置間ではそれぞれの周波数の位相差が逐次変化するようになる。これにより、たとえ複数の通信装置が同時に送信信号を送信したとしても、送信中の通信装置は他の通信信号が送信されていることを検出できるようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の通信装置において、前記通信線がコントロールエリアネットワークの規格に基づく通信線であり、前記通信データが、コントロールエリアネットワークのプロトコルに基づく通信データであることを要旨とする。
このような構成によれば、コントロールネットワーク、いわゆるCANを適用した通信装置は、CANにおける配線数を増加させることなく、CANプロトコルに基づく通信データの通信量を増加させることができるようになる。ところで、通常、CANプロトコルでは、通信データが論理「0」(ドミナント)又は論理「1」(リセッシブ)の2つのレベルで伝送され、論理「0」の優先度が論理「1」よりも高い。そして、複数の通信装置が送信信号を同時送信したとき、各通信装置は自身が送信した信号レベルと、通信線、いわゆるバスの信号レベルとが等しいか否かを監視し、送信制御、いわゆるアビトレーションを行う。アビトレーションでは、送信している信号レベルと、バスの信号レベルとを比較し、それらが等しいと判断された場合、送信を継続し、それらが等しくない判断された場合、送信を中止する。
また、このような構成によれば、通信信号を復調した時点、すなわち通信データを取得できるようになった時点で、上述のアビトレーションが可能になるため、CANプロトコルによる通信制御を実時間で処理することができるようになる。
これにより、CANの規格に基づく通信線、つまりCANバスを増加させることなく、CANプロトコルに基づく通信データの通信容量を増加させることができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の通信装置において、前記受信部は、前記コントロールエリアネットワークのプロトコルの1ビットの信号の長さの期間内に検出された通信信号に基づいて当該プロトコルの1ビットに対応する信号レベルを決定することを要旨とする。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の通信装置において、前記通信データが、コントロールネットワークのプロトコルに基づく通信データであり、前記通信データの信号レベルが、前記プロトコルの1ビットの信号の長さの期間内に検出された通信信号に基づいて当該プロトコルの1ビットに対応する信号レベルに決定されることを要旨とする。
このような構成によれば、受信部が通信信号に基づいて決定した信号レベルが、CANのプロトコルに適合した通信データに復元される。これにより、この復元された通信データをそのままCANプロトコルを解析するCANコントローラに入力することができるようになる。このため、バス上に周波数変調された通信信号を伝送したとしても、通信装置では、CANプロトコルに適合した処理を従来のCANコントローラに行わせることができるようになる。これにより、こうした通信装置の利用可能性が向上するようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の通信装置において、前記信号レベルが、前記1ビットの信号の長さの期間内に所定の閾値を超えた通信信号が検出されたことを条件にドミナントであると決定される一方、前記ドミナントであると決定されなかったことを条件にリセッシブであると決定されることを要旨とする。
このような構成によれば、通信データの「ドミナント」(論理「0」)又は「リセッシブ」(「論理「1」)を1ビット長程度の期間内で決定することが可能になるため、例えば、CANコントローラによるCANプロトコルに関する各種を実時間で処理させることができるようになる。
本発明にかかる通信装置を備える通信システムを具体化した第1の実施形態について、そのシステム構成を示すブロック図。 同実施形態の通信システムにて行われる周波数多重通信を模式的に示す模式図。 同実施形態の通信装置の1例目の構成を示すブロック図。 同実施形態の通信装置の2例目の構成を示すブロック図。 同実施形態の通信装置の3例目の構成を示すブロック図。 同実施形態の通信装置の4例目の構成を示すブロック図。 同実施形態の通信装置の5例目の構成を示すブロック図。 同実施形態の通信装置のASKモジュールの構成を示すブロック図。 同実施形態の通信装置で搬送波を変化させた場合の例を示すグラフであって、(a)は第1ECUの送信波を示すグラフ、(b)は第3ECUの送信波を示すグラフ、(c)は(a)及び(b)の2つ送信波が送信されたバスの信号レベルを示すグラフ。 同実施形態の通信装置で搬送波が変化しない場合の例を示すグラフであって、(a)は第1ECUの送信波を示すグラフ、(b)は第3ECUの送信波を示すグラフ、(c)は(a)及び(b)の2つ送信波が送信されたバスの信号レベルを示すグラフ。 本発明にかかる通信装置を備える通信システムを具体化した第2の実施形態について、そのシステム構成を示すブロック図。 本発明にかかる通信装置を備える通信システムを具体化した第3の実施形態について、そのシステム構成を示すブロック図。 同実施形態の通信システムにて行われる周波数多重通信を模式的に示す模式図。 同実施形態の通信装置の1例目の構成を示すブロック図。 同実施形態の通信装置の2例目の構成を示すブロック図。 同実施形態の通信装置の3例目の構成を示すブロック図。 本発明にかかる通信装置を備える通信システムを具体化した第4の実施形態について、そのシステム構成を示すブロック図。 同実施形態の通信システムにより置き換えられることのできる通信システムの構成例を示すブロック図。 同実施形態の通信装置の1例目の構成を示すブロック図。 同実施形態の通信装置の2例目の構成を示すブロック図。 本発明にかかる通信装置を備える通信システムを具体化した第5の実施形態について、そのシステム構成を示すブロック図。 従来の通信システムのバス上の信号の歪みを示すグラフ。 同実施形態の通信装置の構成の一例を示すブロック図。 同実施形態の通信装置の1例目の構成を示すブロック図。 同実施形態の通信装置の2例目の構成を示すブロック図。 従来の通信システムの一例について、その構成を示すブロック図。 従来の通信装置の一例について、その構成を示すブロック図。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる通信装置を備える通信システムを具体化した第1の実施形態について、図に従って説明する。
本実施形態の通信システムは、基本的には、CAN(Control Area Network)の通信ネットワークとして構成されている。一方、この通信システムは、通信容量を大きくするため、CANの通信仕様を生かしつつ、通信線としての通信用バス21にCANプロトコルに基づく複数の通信信号をそれぞれ同時に異なる周波数帯で伝送する、いわゆる周波数分割多重による通信をさせる通信システムである。
まず、本実施形態の通信システムの概略について、図1及び図2を参照して説明する。
図1に示すように、車両90は、車両用のネットワークシステムとして通信システムを備えている。通信システムは、通信装置としての第1〜第12電子制御装置(ECU)1〜12と、各第1〜第12ECU1〜12が通信信号を送信受信可能に接続される通信用バス21とを備えている。
通信用バス21は、CANプロトコルの伝送に適合する電気的特性を有しているツイストペアケーブルを用いたバスであるとともに、CANプロトコルが専有する周波数帯域よりも高い周波数帯域の信号の伝送も可能な特性を有している。図2に示すように、通信用バス21には、相互に異なる周波数からなる第1〜第3中心周波数B1〜B3を中心周波数として含み所定の周波数幅を有する第1〜第3周波数帯域F1〜F3に対応する通信信号が同時送信可能になっている。
第1〜第12ECU1〜12は、CANプロトコルに基づく通信データの入出力が可能になっている。第1〜第9ECU1〜9は、CANプロトコルに基づく通信データを第1周波数帯域F1で変調して通信信号とし、通信用バス21に送信する一方、通信用バス21から受信した第1周波数帯域F1の通信信号を復調して通信データとして入力する。第1,2,12ECU1,2,12は、CANプロトコルに基づく通信データを第2周波数帯域F2で変調して通信信号とし、通信用バス21に送信する一方、通信用バス21から受信した第2周波数帯域F2の通信信号を復調して通信データとして入力する。第10及び第11ECU10,11は、CANプロトコルに基づく通信データを第3周波数帯域F3で変調して通信信号とし、通信用バス21に送信する一方、通信用バス21から受信した第3周波数帯域F3の通信信号を復調して通信データとして入力する。つまり、通信システムには、通信データの送信受信に用いる周波数帯域の別に、第1〜第9ECU1〜9を相互通信可能にする第1仮想バスVB1と、第1,2,12ECU1,2,12を相互通信可能にする第2仮想バスVB2と、第10及び第11ECU10,11を相互通信可能にする第3仮想バスVB3とが構成されている。
また、通信システムは、通信用バス21に接続され、受信した通信信号の電気的特性、具体的には受信した周波数帯域を他の周波数帯域に変更して再送信するゲートウェイ(GW)20を備えている。GW20は、CANプロトコルに基づく通信データの入出力が可能になっている。GW20は、第1〜第3周波数帯域F1〜F3のいずれに対しても通信信号を送信受信可能になっており、いずれかの周波数帯域で受信した通信信号を復調して通信データとして入力するとともに、当該入力した通信データをその他の周波数帯域に変調して通信信号として通信用バス21に送信する。つまり、GW20は、第1〜第3仮想バスVB1〜VB3で伝達される通信信号の周波数帯域の変換を行い、他の周波数帯域の仮想バスに転送するようにしている。GW20は、例えば、第1周波数帯域F1から受信した通信信号を第2及び第3周波数帯域F2,F3の通信信号に変換して送信したり、第3周波数帯域F3から受信した通信信号を第1及び第2周波数帯域F1,F2の通信信号に変換して送信したりする。これにより、異なる仮想バスに属するECU間にも通信信号を伝達することができるようにしている。
これにより通信システムは、通信用バス21を介して第1〜第12ECU1〜12相互間で制御に用いられる各種情報が相互通信(送信受信)できるようになっている。
こうして構成される通信システムは、前述した図26の通信システムと同様の機能を有している。すなわち、前述した図26の通信システムは、第1のCANバス121に第1〜9ECU101〜109が接続され、第2のCANバス122に第1,2,12ECU101,102,112が接続され、第3のCANバス123に第10,11ECU110,111が接続されている。また、GW120は、一のCANバスの通信データを他のCANバスに転送させるシステムである。一方、本実施形態の通信システムには、従来の通信システムの第1のCANバス121に対応する第1仮想バスVB1と、同第2のCANバス122に対応する第2仮想バスVB2と、同第3のCANバス123に対応する第3仮想バスVB3と、同GW120に対応するGW20とが設けられている。つまり、従来の通信システムでは3つ必要であったCANバス121〜123を、本実施形態では1つの通信用バス21だけにしている。
次に、本実施形態の通信システムの詳細について、図3〜図10を参照して説明する。
第1〜第12ECU1〜12はそれぞれ、車両90の各種制御に用いられる制御装置であって、例えば、駆動系や、走行系や、車体系や、情報機器系等を制御対象としているECUである。例えば、駆動系を制御対象とするECUとしては、エンジン用ECUが挙げられ、走行系を制御対象とするECUとしては、ステアリング用ECUやブレーキ用ECUが挙げられ、車体系を制御するECUとしては、ライト用ECUやウィンドウ用ECUが挙げられ、情報機器系を制御対象とするECUとしては、カーナビゲーション用ECUが挙げられる。
なお、第1及び第2ECU1,2は同様の構成であり、第3〜第9ECU3〜9は同様の構成であり、第10及び第11ECU10,11は同様の構成である。このことから、同様の構成を有する複数のECUに対して1つのECU、つまり、第1ECU1、第3ECU3及び第10ECU10の構成ついてそれぞれ説明し、その他のECU、つまり、第2ECU2、第4〜第9ECU4〜9及び第11ECU11の構成については、その詳細な説明を割愛する。また、第1ECU1、第3ECU3、第10ECU10及び第12ECU12の構成の説明についても、同様の構成については同様の符号を付し、その詳細な説明を割愛する。
図3〜図6に示すように、第1,3,10,12ECU1,3,10,12には、各種制御に必要とされる処理を行う処理装置30と、CANプロトコルに基づく通信データを送信及び受信することができる1つ、もしくは複数のCANコントローラ(31,32)が設けられている。処理装置30は、マイクロコンピュータを含み構成されており、各種処理を行う演算装置や、演算結果や各種制御機能を提供するプログラムなどを保持する記憶装置を有している。そして、処理装置30では、所定の制御機能を提供するプログラムが演算装置で実行処理されることによって当該所定の制御機能が提供される。
図3に示すように、第1ECU1は、処理装置30に第1及び第2CANコントローラ31,32を備えていることから、第1ECU1は、第1及び第2CANコントローラ31,32のそれぞれを介してCANプロトコルに基づく通信データをそれぞれ送信受信できるようになっている。第1ECU1は、第1CANコントローラ31に接続される第1ASKモジュール43aと、第2CANコントローラ32に接続される第2ASKモジュール43bと、第1及び第2ASKモジュール43a,43bに接続されるとともに、コネクタ41を介して通信用バス21に接続されるカップリング回路42とを備えている。なお、ASKとは、振幅偏移変調(Amplitude shift keying)のことである。
第1及び第2CANコントローラ31,32は、入力されたCANプロトコルに基づく通信データを解析して、同通信データに含まれる制御情報などの情報を処理装置30に提供するとともに、処理装置30から受信した制御情報などの情報をCANプロトコルに基づく通信データに変換して出力する。
第1ASKモジュール43aは、第1CANコントローラ31から入力された通信データを所定の送信周波数帯としての第1周波数帯域F1(f:F1)に基づき変調した通信信号を送信してカップリング回路42に入力させる。また、第1ASKモジュール43aは、カップリング回路42から出力された通信信号を受信して所定の受信周波数帯としての第1周波数帯域F1に基づき復調して第1CANコントローラ31に出力する。このように、送信周波数帯と受信周波数帯とに同じ第1周波数帯域F1が設定されていることで、第1ASKモジュール43aは、自ら送信した信号を受信することができるようにもなっている。
また、第2ASKモジュール43bは、第2CANコントローラ32から入力された通信データを所定の送信周波数帯として第2周波数帯域F2(f:F2)に基づき変調した通信信号を送信してカップリング回路42に入力させる。また、第2ASKモジュール43bは、カップリング回路42から出力された通信信号を受信して所定の受信周波数帯としての第2周波数帯域F2に基づき復調して第2CANコントローラ32に出力する。このように、送信周波数帯と受信周波数帯とに同じ第2周波数帯域F2が設定されていることで、第2ASKモジュール43bは、自ら送信した信号を受信することができるようになっている。
カップリング回路42は、コネクタ41に接続される通信用バス21に対して入出力される通信信号の電気的特性と、第1及び第2ASKモジュール43a,43bに対して入出力される通信信号の電気的特性とを整合させるための回路である。例えば、通信用バス21から入力される直流成分と交流成分とを含む通信信号を、交流成分のみを含む通信信号に変換して第1又は第2ASKモジュール43a,43bに出力する。また例えば、第1又は第2ASKモジュール43a,43bから入力される交流成分のみを含む通信信号を、直流成分と交流成分とを含む通信信号に変換して通信用バス21に出力する。
つまり、第1ECU1は、通信データの送信受信に、第1及び第2周波数帯域F1,F2を利用することができる。
図4に示すように、第3ECU3は、処理装置30に第1CANコントローラ31を備えていることから、第3ECU3は、第1CANコントローラ31を介してCANプロトコルに基づく通信データを送信受信できるようになっている。第3ECU3は、第1CANコントローラ31に接続される第1ASKモジュール43aと、第1ASKモジュール43aに接続されるとともに、コネクタ41を介して通信用バス21に接続されるカップリング回路42とを備えている。つまり、第3ECU3は、通信データの送信受信に、第1周波数帯域F1を利用することができる。
図5に示すように、第12ECU12は、第3ECU3の第1ASKモジュール43aが、第2ASKモジュール43bに変更された点を除いて第3ECU3と同様の構成をしている。つまり、第12ECU12は、通信データの送信受信に、第2周波数帯域F2を利用することができる。
図6に示すように、第10ECU10は、第3ECU3の第1ASKモジュール43aが、第3ASKモジュール43cに変更された点を除いて第3ECU3と同様の構成をしている。第3ASKモジュール43cは、第1ASKモジュール43aの構成に対し、所定の送信周波数帯及び所定の受信周波数帯にそれぞれ第3周波数帯域F3(f:F3)が設定されている点が相違する以外、第1ASKモジュール43aと同様の構成をしている。つまり、第10ECU10は、通信データの送信受信に、第3周波数帯域F3を利用することができる。
図7に示すように、GW20は、第1ECU1の構成に対し、第1及び第2ASKモジュール43a,43bに並列させて第3ASKモジュール43cが追加された点と、処理装置30に第3ASKモジュール43cに対応する第3CANコントローラ33が追加された点とが相違するものの、その他の構成については同様である。つまり、GW20は、通信データの送信受信に、第1〜第3周波数帯域F1〜F3の通信信号を利用することができる。なお、GW20の処理装置30には制御情報などの情報を転送するための転送処理用のプログラムが格納されており、当該処理装置30は該転送処理用のプログラムの実行に基づいて制御情報などの情報の転送処理を行う。つまり、処理装置30は、第1〜第3CANコントローラ31〜33のいずれかを通じて取得した情報を、当該情報を取得しなかったCANコントローラから出力するようにする。
続いて、第1ASKモジュール43aの詳細について、図8〜図10を参照して説明する。なお、第2及び第3ASKモジュール43b,43cは、第1ASKモジュール43aでは第1周波数帯域F1に設定されている所定の送信周波数帯及び所定の受信周波数帯が、それぞれ第2周波数帯域F2又は第3周波数帯域F3に設定されている点が相違するものの、その他の構成については同様である。このことから、以下では、第1ASKモジュール43aの構成について説明し、第2及び第3ASKモジュール43b,43cの構成についての説明は割愛する。
図8に示すように、第1ASKモジュール43aには、受信部としての受信モジュール50と、送信部としての送信モジュール60とが設けられている。
送信モジュール60は、CANプロトコルに基づく通信データS1を第1CANコントローラ31から入力されるとともに、入力された通信データS1を振幅変調した通信信号TS1をカップリング回路42に出力する。
送信モジュール60には、変調波発生モジュール63と、アナログスイッチ(SW)62と、バッファアンプ61とが設けられている。
変調波発生モジュール63は、通信データS1を振幅変調させるための搬送波を生成するモジュールである。変調波発生モジュール63は、いわゆる電圧制御発振器(VCO)であって、中心周波数B1を中心周波数として第1周波数帯域F1内に含まれる範囲でランダムに変化する周波数からなる搬送波CWを生成する。つまり、搬送波CWは、中心周波数B1を中心にランダムに微小変化するとともに、その変化範囲が第1周波数帯域F1内である周波数からなる。変調波発生モジュール63には、コルピッツ発信回路64aと、電圧変換回路66と、疑似ランダム雑音(Pseudorandom Noise:PN)符号発生回路67とが設けられている。
疑似ランダム雑音符号発生回路67は、2値により示される擬似的な雑音符号、いわゆる疑似雑音符号であって、例えば、従来から知られているように、予め決められたランダムなビット列を繰り返すことにより得られる信号に基づいてランダムなビット列を発生させる回路である。なお、疑似ランダム雑音符号発生回路67により生成される雑音符号は、他のECUと一致することがないように設定されている。
電圧変換回路66は、疑似ランダム雑音符号発生回路67により発生された雑音符号をコルピッツ発信回路64aに入力可能な電気信号に変換させる回路である。
コルピッツ発信回路64aは、送信周波数帯に対応する搬送波を生成する公知の発信回路であって、コイル1個とコンデンサ2個により発振する周波数が定められる。コルピッツ発信回路64aには、上述した2個のコンデンサの静電容量を、電圧変換回路66から入力される雑音符号に応じて変化する電圧に基づいて変化させるバリキャップ部65が設けられている。つまり、コルピッツ発信回路64aは、疑似ランダム雑音符号発生回路67により発生される雑音符合に基づいて中心周波数B1を中心周波数として第1周波数帯域F1内でランダムに変化する周波数からなる搬送波を生成させる。
アナログスイッチ62は、通信データS1を振幅変調した通信信号TS1を出力するスイッチである。アナログスイッチ62には、通信データS1を入力させる第1CANコントローラ31と、搬送波を入力させる変調波発生モジュール63と、グランドとが接続されている。また、アナログスイッチ62は、通信データS1を振幅変調した通信信号TS1を出力する出力先としてバッファアンプ61が接続されている。また、アナログスイッチ62には、出力を、搬送波とグランドとの間で切り換える内部スイッチが設けられている。つまり、アナログスイッチ62は、通信データS1の信号レベルに応じた内部スイッチの切り換えにより、出力への接続先を、搬送波とグランドとの間で切り替えることで、通信データS1の論理「0」又は「1」に応じた振幅の搬送波からなる通信信号を生成し出力して、バッファアンプ61に入力させる。詳述すると、アナログスイッチ62は、通信データS1が論理「0」(ドミナント)であることを条件に出力を搬送波に接続させることで、通信データS1の論理「0」に対応する通信信号(送信波)を出力する。一方、アナログスイッチ62は、通信データS1が論理「1」(リセッシブ)であることを条件に出力をグランドに接続させることで、通信データS1の論理「1」に対応する通信信号(送信波)を出力する。つまり、本実施形態では、通信データS1の振幅が、論理「0」及び「1」の2値のみからなることに基づいて、搬送波を、論理「0」が振幅変調された通信信号とし、グランドレベルを、論理「1」が振幅変調された通信信号とする。これにより、通信データS1に対応する通信信号TS1が、送信周波数帯としての第1周波数帯域F1で変調された信号として出力されるようになる。
バッファアンプ61は、アナログスイッチ62から入力された信号レベルなどを通信用バス21に送信可能な電気的特性を有する通信信号TS1に調整して出力する。
これにより、CANプロトコルに基づく通信データS1が第1周波数帯域F1の搬送波により振幅変調された通信信号TS1として、第1ECU1からカップリング回路42に出力される。
受信モジュール50は、カップリング回路42を介して振幅変調された通信信号TR1を受信するとともに、受信した通信信号TR1を復調して得られたCANプロトコルに基づく通信データR1を第1CANコントローラ31に出力する。受信モジュール50には、通信信号TR1が入力されるバンドパスフィルタ51aと、バンドパスフィルタ51aを通過した通信信号が入力されるバッファアンプ52と、バッファアンプ52から通信信号が入力される包絡線検波回路53と、包絡線検波回路53が検出した通信データが入力される電圧変換回路54とが設けられている。
バンドパスフィルタ51aは、入力された通信信号TR1に含まれている周波数帯域から第1周波数帯域F1のみを通過させて出力する回路、いわゆるバンドパスフィルタであって、例えば、コイルとコンデンサを含み構成されているLCバンドパスフィルタであってよい。バンドパスフィルタ51aは、中心周波数B1を中心周波数とする第1周波数帯域F1内に含まれる周波数範囲の信号を通過させるように構成されている。なお、バンドパスフィルタ51aは、公知のバンドパスフィルタであるとともに、必要な周波数帯域のみを通過させることができるバンドパスフィルタであれよいため、従来から知られている各種のバンドパスフィルタ、例えば、受動素子により構成されたものや、能動素子を含み構成されたものを採用することができる。
バッファアンプ52は、バンドパスフィルタ51aを通過した通信信号を包絡線検波回路53が復調することに適した信号レベルに変換する、例えば、信号増幅する。これにより、バンドパスフィルタ51aを通過した通信信号を包絡線検波回路53にて復調させることに適した信号にすることができるようになる。
包絡線検波回路53は、振幅変調された搬送波から信号を復調させる回路である。包絡線検波回路53は、CANプロトコルの論理「0」と論理「1」とを振幅とする通信データを振幅変調させた通信信号を、CANプロトコルの論理「0」と論理「1」とからなる通信データに復調させる。これにより、第1周波数帯域F1の搬送波により振幅変調された通信信号から、CANプロトコルに適合する通信データが得られる。なお、第1周波数帯域F1に複数のECUが送信する通信信号が重畳されて相互干渉することによって、復調された論理「0」を示す信号の長さがCANプロトコルにおける1ビットの期間よりも短くなる場合もある。このことから、包絡線検波回路53は、通信信号に論理「0」が含まれている場合、論理「0」の検出結果を、少なくとも第1CANコントローラ31が検出可能な長さ(時間)まで延ばすようにしてもよい。
電圧変換回路54は、包絡線検波回路53が復調した通信データを第1CANコントローラ31に入力可能な電圧レベルの通信データR1に変換する回路である。これにより、包絡線検波回路53により復調された通信データが第1CANコントローラ31に入力できるようになる。なお、上述のように、包絡線検波回路53は、CANプロトコルにおける1ビットの長さよりも短い長さの論理「0」を通信データとして出力する場合もある。この場合、電圧変換回路54は、通信データR1における論理「0」の長さを、少なくとも第1CANコントローラ31が検出可能な長さまで延ばすようにしてもよい。
また第1CANコントローラ31を、CANプロトコルにおける1ビットの期間よりも短い論理「0」を検出できるように調整してもよい。
これにより、第1〜第3周波数帯域F1〜F3の信号を含む通信信号TR1から所定の受信周波数帯である第1周波数帯域F1の通信信号のみが選択され、これが第1CANコントローラ31がCANプロトコルとして検出可能な状態の通信データR1として復調される。
続いて、CANプロトコルにおけるアビトレーションを実時間で処理可能とすることについて図9を参照して説明する。図9には、第1ECU1と第3ECU3とが第1周波数帯域F1に各通信信号TS1,TS3を同時に出力した場合について示されている。なお、第1ECU1と第3ECU3との搬送波の周波数はランダムに変化することでそれら搬送波の位相差もランダムに変化する。
図9(a)に示すように、第1ECU1は、論理「1」→論理「0」→論理「1」と変化する通信データを、CANプロトコルの1ビットのビット長に対応する時間中に周波数がランダムに動的に変化するとともに、±Va[V]の振幅を有する搬送波CWにより振幅変調する。この変調により、通信データが論理「1」のときには搬送波CWが重畳されず、通信データが論理「0」のときには搬送波が重畳されてなる通信信号TS1(送信波)が第1ECU1から通信用バス21に出力される。
また、図9(b)に示すように、第3ECU3は、第1ECU1の通信データと同じタイミングで経時的に論理「1」→論理「0」→論理「1」と変化する通信データを、CANプロトコルの1ビットのビット長に対応する時間中に周波数がランダムに動的に変化するとともに、±Vb[V]の振幅を有する搬送波CW1により振幅変調する。この変調により、通信データが論理「1」のときには搬送波が重畳されず、通信データが論理「0」のときには搬送波CW1が重畳されてなる通信信号TS3(送信波)が第3ECU3から通信用バス21に出力される。
すなわち、通信用バス21には、第1ECU1から出力された通信信号TS1と、第3ECU3から出力された通信信号TS3とが重畳される。ところで通信信号TS1の搬送波の周波数と通信信号TS3の搬送波の周波数とは、相互に無関係にランダムかつ動的に変化する。このため、通信データが論理「0」のとき、通信用バス21に重畳された通信信号TS1の振幅と通信信号TS3の振幅とは、相互に打ち消しあい「0」を検出できない大きさになる場合も生じるものの、逆に、互いに相乗して大きくなる場合も生じる。つまり、図9(c)に示すように、通信用バス21上の通信信号の振幅は、通信データが論理「0」であると判定するための閾値±Vtよりも大きな振幅が含まれるようになる。これにより、第1又は第3ECU1,3から論理「0」に対応する通信信号TS1,TS3が出力されたとき、通信用バス21の通信信号を監視することで、第1又は第3ECU1,3は通信用バス21に論理「0」の通信データが出力されていることを検出できるようになる。これにより、CANプロトコルの1ビットの期間中、例えば、図における論理「0」の期間中、論理「0」が検出されることによって、CANコントローラは、当該1ビットは論理「0」であると決定することができるようになる。一方、CANコントローラは、当該1ビット期間中に論理「0」であると決定できないとき、当該1ビットを論理「1」である決定することができる。なお、通常、論理「0」は1ビット期間中に複数回検出されると考えられることから、1ビット期間を半分の期間や3/1の期間を残して当該1ビットを論理「1」と決定するようにしてもよい。
なお、通信用バス21では、論理「1」を出力しているECUがある場合であれ、少なくとも1つのECUが論理「0」を出力しているとき、通信用バス21の信号レベルには論理「0」の信号が重畳されるため、論理「0」は正しく検出されるようになっている。つまり、通信用バス21では、論理「0」の優先順位が論理「1」の優先順位よりも高くなる。
ところで、複数のECUが論理「0」を同時送信したとき、通信用バス21から検出される論理「0」を示す通信信号の振幅は、上述のように、相互にランダムに変化する搬送波の重畳する態様によって変動するため、検出できる期間が、CANプロトコルの1ビット長の長さよりもかなり短い期間となるおそれがある。そのため、アビトレーションを行う場合、1ビット長よりも短い期間に検出された論理「0」を示すデータについては、第1CANコントローラ31が検出可能な長さの信号に変換することで、従来のCANコントローラが、周波数多重通信で送信された通信信号であれ、CANプロトコルに基づくアビトレーションを実時間で行うことができる。
なお従来のCANコントローラがアビトレーションを好適に行えるように、短期間しか検出されない論理「0」の信号は、CANコントローラにはある程度の期間、通信データとして入力されるようにしている。例えば、論理「0」の検出後、それが検出された1ビット長が終わるまでの間論理「0」が出力されるようにしてもよいし、CANコントローラが検出可能な所定の期間だけ論理「0」が出力されるようにしてもよい。または、CANコントローラが論理「0」を検出するために要する時間を短くするようにしてもよい。
参考として、搬送波の周波数が変化しない場合について、図10を参照して説明する。図10には、第1ECU1の搬送波CWaと第3ECU3の搬送波CWbとが180°の位相差を維持している場合が模式的に示されている。
図10(a)に示すように、第1ECU1は、経時的に論理「1」→論理「0」→論理「1」と変化する通信データを±Va[V]の振幅を有する搬送波CWaにより振幅変調する。この変調により、通信データが論理「1」のときには搬送波CWaが重畳されず、同論理「0」のときには搬送波CWaが重畳されてなる通信信号TS1(送信波)が第1ECU1から通信用バス21に出力される。
また、図10(b)に示すように、第3ECU3は、経時的に論理「1」→論理「0」→論理「1」と変化する通信データを±Va[V]の振幅を有する搬送波CWbにより振幅変調する。この変調により、通信データが論理「1」のときには搬送波CWbが重畳されず、同論理「0」のときには搬送波CWbが重畳されてなる通信信号TS3(送信波)が第3ECU3から通信用バス21に出力される。
なお、第3ECU3の搬送波は、第1ECU1の搬送波に対して180°の位相差を通している。すなわち、通信用バス21には、通信信号TS1と通信信号TS3の搬送波が180°であるため、論理「0」に対応して通信用バス21に出力される通信信号TS1の振幅(搬送波)と通信信号TS3の振幅(搬送波)とが相互に干渉して振幅を打ち消しあってしまう。つまり、図10(c)に示すように、論理「0」に対応する期間の通信用バス21上の通信信号の振幅は、論理「0」であることを判定するための閾値±Vtよりも小さい振幅になってしまう。このように、第1及び第3ECU1,3から論理「0」に対応する通信信号TS1,TS3が出力されたとき、通信用バス21の通信信号を監視しても、第1又は第3ECU1,3は通信用バス21に論理「0」の通信データが出力されていることを検出することができないこととなっていた。
以上説明したように、本実施形態の通信装置及び通信システムによれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)通信信号が所定の周波数帯域(F1,F2,F3)で変動する周波数により変調される。これにより、たとえ複数のECUが同一の送信周波数帯(送信用周波数帯)の通信信号を通信用バス21に送信したとしても、通信信号が干渉し、例えば、逆位相の通信信号(TS1,TS3)が重なって通信信号が検出されないレベルになってしまうおそれがない。具体的には、変調用の信号、いわゆる、搬送波CWの位相が180°ずれている2つのECU(1,3)が同時に論理「0」を変調した通信信号(TS1,TS3)を出力した場合、通信用バス21では位相の180°相違する2つの通信信号(TS1,TS3)が重ね合わさり、通信信号が打ち消されてしまうようになる。すなわち2つのECU(1,3)はいずれも論理「0」を出力しているにもかかわらず、通信用バス21の通信信号からは論理「1」が検出されることとなってしまう。そこで、変調に用いる周波数を送信周波数帯、例えば周波数帯域F1に含まれる範囲で動的に変化させることで、2つのECU(1,3)の搬送波CWが180°の位相で重なり続けることを防止する。これにより、例えば、論理「0」が出力されている場合、短時間であれ、論理「0」が出力されていることを検出可能な通信信号が通信用バス21に伝送されるようにしている。
また、変調する周波数(搬送波CW)を動的に変更することで、通信信号を送信モジュール60から送信中のECUは、受信モジュール50を介して通信信号を監視することで、通信用バス21に他の通信信号が重畳されていることを検出することができるようになる。つまり、ECUは、他の通信信号の有無を監視して、自身の送信モジュール60からの通信信号の送信を制御するようにすることができるようになる。
さらに、所定の周波数帯域(F1,F2,F3)を変更すれば、通信用バス21で周波数多重通信を行うことができるようにもなる。
これにより、この通信装置によれば、通信用バス21を増加させることなく、CANプロトコルに基づく通信データの通信容量を増加させることができるようになる。
(2)ECU毎に搬送波CWの周波数が動的かつランダムに変化するようになるため、複数のECU間ではそれぞれの周波数の位相差が逐次変化するようになる。これにより、たとえ複数のECUが同時に送信信号を送信したとしても、送信中のECUは他の通信信号が送信されていることを検出できるようになる。
(3)コントロールネットワーク、いわゆるCANを適用したECUは、CANにおける通信用バス21の数を増加させることなく、CANプロトコルに基づく通信データの通信量を増加させることができるようになる。ところで、通常、CANプロトコルでは、通信データが論理「0」(ドミナント)又は論理「1」(リセッシブ)の2つのレベルで伝送され、論理「0」の優先度が論理「1」よりも高い。そして、複数のECUが送信信号を同時送信したとき、各ECUは自身が送信した信号レベルと、通信用バス21の信号レベルとが等しいか否かを監視し、送信制御、いわゆるアビトレーションを行う。アビトレーションでは、送信している信号レベルと、通信用バス21の信号レベルとを比較し、それらが等しいと判断された場合、送信を継続し、それらが等しくない判断された場合、送信を中止する。
また、通信信号TR1を復調した時点、すなわち通信データR1を取得できるようになった時点で、上述のアビトレーションが可能になるため、CANプロトコルによる通信制御を実時間で処理することができるようになる。
これにより、CANにおいてCANバス、つまり通信用バス21を増加させることなく、CANプロトコルに基づく通信データの通信容量を増加させることができるようになる。
(4)受信モジュール50において通信信号に基づいて決定した信号レベルが、CANのプロトコルに適合した通信データに復元される。これにより、この復元された通信データをそのままCANプロトコルを解析するCANコントローラ(31など)に入力することができるようになる。このため、通信用バス21上に周波数変調された通信信号を伝送したとしても、ECUでは、CANプロトコルに適合した処理を従来のCANコントローラ(31など)に行わせることができるようになる。これにより、こうしたECUの利用可能性が向上するようになる。
(5)通信データの「ドミナント」(論理「0」)又は「リセッシブ」(「論理「1」)を1ビット長程度の期間内で決定することが可能になるため、例えば、CANコントローラ(31など)によるCANプロトコルに関する各種を実時間で処理させることができるようになる。
(第2の実施形態)
以下、本発明にかかる通信装置を備える通信システムを具体化した第2の実施形態について、図11に従って説明する。
本実施形態の通信システムは、第1の実施形態の通信システムに対して、第1〜第12ECU1〜12のすべてが第1〜第3周波数帯域F1〜F3において通信可能に構成されている一方、GWが設けられていない点が相違し、それ以外の構成については同様であるので、同様の構成には同一の符号を付し、その詳細な説明は割愛する。
第1〜第12ECU1〜12の構成は、第1の実施形態のGW20と同様の構成をしている。なお、第1〜第12ECU1〜12の処理装置30には、第1の実施形態のGW20の処理装置30に設けられていた転送処理用のプログラムは設けられていない一方、所定の制御機能を提供するプログラムが設けられている。このように、第1〜第12ECU1〜12は、周波数帯域F1〜F3を通信に利用できるようになることから、それぞれが、第1周波数帯域F1が構成する仮想バスVB1、第2周波数帯域F2が構成する仮想バスVB2、及び第3周波数帯域F3が構成する仮想バスVB3に含まれる態様となる。これにより、第1〜第12ECU1〜12は、周波数帯域F1〜F3を利用して相互に情報を送信受信できるようになる。
以上説明したように、本実施形態の通信装置及び通信システムによれば、上述の第1の実施形態の(1)〜(5)に記載した効果に加えて、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(6)全てのECUが周波数帯域F1〜F3を利用して相互に情報を送信受信できるようになることから、通信システムを簡単に構成することができるようになる。
(第3の実施形態)
以下、本発明にかかる通信装置を備える通信システムを具体化した第3の実施形態について、図12〜図16に従って説明する。
本実施形態の通信システムは、第1の実施形態の第1周波数帯域F1に代わり、CANプロトコルの信号変化に基づく標準周波数帯域F10を用いる点が第1の実施形態の通信システムとの相違点であり、それ以外の構成については同様であるので、同様の構成には同一の符号を付し、その詳細な説明は割愛する。
先ず、図12及び図13を参照して、通信システムの概要を説明する。
図12に示すように、通信システムの通信用バス21には、第1〜第9ECU1a〜9aと、第10〜第12ECU10〜12と、GW20AとがCANプロトコルに基づく通信信号の送信受信を可能に接続されている。そして、第1〜第9ECU1a〜9aは、標準のCANプロトコルの通信信号、つまり、最大500kbpsで変化する信号に対応する周波数である標準周波数帯域F10により相互通信を行う。第1,2,12ECU1a,2a,12は、第2周波数帯域F2に基づいて相互通信を行い、第10及び第11ECU10,11は第3周波数帯域F3に基づいて相互通信を行う。このように、通信システムには、通信データの送信受信に用いる周波数帯域の別に、第1〜第9ECU1a〜9aを相互通信可能にする標準バスSBと、第1,2,12ECU1,2,12を相互通信可能にする第2仮想バスVB2と、第10及び第11ECU10,11を相互通信可能にする第3仮想バスVB3とが構成されている。また、GW20Aは、標準バスSB、及び、第2及び第3仮想バスVB2,VB3間の相互間に通信信号を転送処理させる。
次に、図14〜図16を参照して、通信システムの詳細について説明する。なお、第1及び第2ECU1a,2aの構成はいずれも同様であることから以下では第1ECU1aについて説明をし、第2ECU2aの説明については割愛する。また、第3〜第9ECU3a〜9aの構成はいずれも同様であることから以下では第3ECU3aについて説明をし、第4〜第9ECU4a〜9aの説明については割愛する。
図14に示すように、第1ECU1aは、処理装置30に備えている第1及び第2CANコントローラ31,32のそれぞれを介してCANプロトコルに基づく通信データを送信受信できるようになっている。第1ECU1aは、第1CANコントローラ31に接続されるCANトランシーバ44と、CANトランシーバ44に接続されるローパスフィルタ45(LPF)と、第2CANコントローラ32に接続される第2ASKモジュール43bとを備えている。また、第1ECU1aは、ローパスフィルタ45及び第2ASKモジュール43bに接続されるとともに、コネクタ41を介して通信用バス21に接続されるカップリング回路42とを備えている。
CANトランシーバ44は、公知のCANトランシーバであって、通信用バス21から受信した通信信号を第1CANコントローラ31に入力可能な通信データに変換して出力したり、第1CANコントローラ31から出力された通信データを通信用バス21に送信可能な通信信号に変換して送信したりする。
ローパスフィルタ45は、カップリング回路42を介して入力される通信信号から、CANプロトコルの信号に用いられる標準周波数帯域F10のみを選択する、つまり標準周波数帯域F10よりも高い周波数帯域、例えば第2及び第3周波数帯域F2,F3の信号を除去するものである。これにより、受信した通信信号からCANプロトコルの通信に用いられる信号周波数に対応する、例えば500kbpsの信号変化に対応する周波数帯域以下の標準周波数帯域F10の信号を選択してCANトランシーバ44に伝達する。なお、CANトランシーバ44から出力されるCANプロトコルに基づく信号は、例えば500kbpsに対応する周波数帯域以下の周波数領域であることから、ローパスフィルタ45により除去されずに通信用バス21に伝送されるようになる。
なお、第2ASKモジュール43bは第1ECU1aを第2周波数帯域F2による通信信号の送信受信を可能にさせる。
これにより、第1ECU1aは、通信データの送信受信に標準周波数帯域F10と第2周波数帯域F2とを用いることができるようになっている。
図15に示すように、第3ECU3aは、処理装置30に第1CANコントローラ31を備えていることから、第1CANコントローラ31を介してCANプロトコルに基づく通信データを送信受信できるようになっている。第3ECU3aは、第1CANコントローラ31に接続されるCANトランシーバ44と、CANトランシーバ44に接続されるローパスフィルタ45と、ローパスフィルタ45に接続されるとともに、コネクタ41を介して通信用バス21に接続されるカップリング回路42とを備えている。つまり、第3ECU3は、通信データの送信受信にCANプロトコルの通信に用いられる標準周波数帯域F10を利用することができる。
図16に示すように、GW20Aは、第1ECU1aに対して、第2ASKモジュール43bに並列するように第3ASKモジュール43cを追加した点と、処理装置30に第3ASKモジュール43cに対応する第3CANコントローラ33を追加した点とが相違するものの、その他の構成については同様である。つまり、GW20Aは、通信データの送信受信に、標準周波数帯域F10、周波数帯域F2及び周波数帯域F3を利用することができる。
なお、GW20Aの処理装置30には、第1の実施形態のGW20と同様に、通信情報の転送処理を行う転送処理用のプログラムが格納されており、当該処理装置30は該転送処理用のプログラムの実行に基づいて通信情報の転送処理を行う。つまり、処理装置30は、第1〜第3CANコントローラ31〜33のいずれかを通じて受信した通信内容を、第1〜第3CANコントローラ31〜33のうち同通信内容を受信しなかったCANコントローラに設定して送信させるようにする。
以上説明したように、本実施形態の通信装置及び通信システムによれば、上述の第1の実施形態の(1)〜(5)に記載した効果に加えて、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(7)通信用バス21に通常のCANプロトコルの通信信号と、周波数帯域F2及び周波数帯域F3に基づく通信信号とを重畳させることができるようになる。このことから、通信システムを、既存のCANシステムを含み構成することができるようになるため、通信システムの適用可能性などが向上するようになる。
(第4の実施形態)
以下、本発明にかかる通信装置を備える通信システムを具体化した第4の実施形態について、図17及び図18に従って説明する。
本実施形態の通信システムは、第1の実施形態の通信システムに対し、第3周波数帯域F3がCANプロトコルの代わりに、LIN(Local interconnect network)プロトコルに用いられる点が相違点であり、それ以外の構成については同様であるので、同様の構成には同一の符号を付し、その詳細な説明は割愛する。
先ず、通信システムの概要を説明する。
図17に示すように、通信システムの通信用バス21には、CANプロトコルで通信する第1〜第9,第12ECU1〜9,12と、LINプロトコルで通信する第10及び第11ECU10a,11aと、CANプロトコル及びLINプロトコルで通信するGW20Bとが通信信号の送信受信を可能に接続されている。つまり、通信システムには、通信データの送信受信に用いる周波数帯域の別に、第1〜第9ECU1〜9を相互通信可能にする第1仮想バスVB1と、第1,2,12ECU1,2,12を相互通信可能にする第2仮想バスVB2と、第10及び第11ECU10a,11aを相互通信可能にする仮想LINバスVBLとが構成されている。また、GW20Bは、第1及び第2仮想バスVB1,VB2間、及び、仮想LINバスVBLの相互間に通信信号を転送処理させる。
ところで、図18には、従来の通信システムであって、CANバス121と、CANバス122と、LINバス124とから構成されているとともに、各バス間の通信信号をGW120aを介して相互に転送するシステムが示されている。つまり、本実施形態の通信システムは、例えば、上述した従来の通信システムを周波数分割多重によって構成しうるシステムである。
次に、図19〜図20を参照して、通信システムの詳細について説明する。なお、第10及び第11ECU10a,11aの構成はいずれも同様であることから以下では第10ECU10aについて説明をし、第11ECU11aの説明については割愛する。
図19に示すように、第10ECU10aは、第1の実施形態の第10ECU10に対し、第3CANコントローラ33がLINコントローラ34に変更された点が相違点であり、当該相違点を除き第1の実施形態の第10ECU10と同様の構成をしている。つまり、第10ECU10aは、LINプロトコルに基づく通信データの送信受信に、第3周波数帯域F3の通信信号を利用することができる。
LINコントローラ34は、LINプロトコルに基づく通信を行うことのできる公知のコントローラであり、第10ECU10aはマスタ・ノードとされている。すなわち、このLINコントローラ34と通信する他のLINコントローラは、具体的には第11ECU11aに設けられているLINコントローラはスレーブ・ノードに設定されている。
図20に示すように、GW20Bは、第1の実施形態のGW20に対し、第3CANコントローラ33がLINコントローラ34に変更された点が相違点であり、当該相違点を除いて第1の実施形態のGW20と同様の構成をしている。つまり、GW20Bは、CANプロトコルの通信データの送信受信に第1及び第2周波数帯域F1,F2を利用するとともに、LINプロトコルの通信データの送信受信に第3周波数帯域F3を利用することができる。なお、仮想LINバスVBLには、第10ECU10aがマスタ・ノードとして設けられていることから、GW20BのLINコントローラ34はスレーブ・ノードとして設けられている。LINは、マスタ・ノードからの信号に反応して、スレーブ・ノードが応答を返すように規定されているプロトコルであるため、つまり、CANプロトコルのような同時送信が生じることがないため、周波数分割多重通信の適用が容易である。
また、GW20Bの処理装置30には通信情報の転送処理を行う転送処理用のプログラムが格納されており、当該処理装置30は該転送処理用のプログラムの実行に基づいて通信情報の転送処理を行う。つまり、処理装置30は、第1及び第2CANコントローラ31,32及びLINコントローラ34のいずれかを通じて受信した通信情報を、第1又は第2CANコントローラ31,32又はLINコントローラ34のうち同通信情報を受信しなかったコントローラに設定して送信させるようにする。
これにより通信システムは、通信用バス21を介して第1〜第9及び第12ECU1〜9,12、及び、第10及び第11ECU10a,11a相互間で制御に用いられる各種情報が相互通信(送信受信)できるようになっている。
以上説明したように、本実施形態の通信装置及び通信システムによれば、上述の第1の実施形態の(1)〜(5)に記載した効果に加えて、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(8)通信用バス21を利用してCANプロトコルに基づく第1及び第2仮想バスVB1,VB2のみならずLINプロトコルに基づく仮想LINバスVBLを設けることができる。このことから、複数のプロトコルを利用する通信システムであっても、配線数を減少させることができるようになる。
(第5の実施形態)
以下、本発明にかかる通信装置を備える通信システムを具体化した第5の実施形態について、図21〜図25に従って説明する。なお、本実施形態の通信システムは、基本的には、CANネットワークとして構成されている。一方、この通信システムは、通信容量を大きくするため、CANネットワークの通信仕様を生かしつつ、第1及び第2通信用バス22,23にCANプロトコルに基づく複数の通信信号をそれぞれ同時に異なる周波数帯で伝送する、いわゆる周波数分割多重による通信をさせるようになっている通信システムである。また、本実施形態のECUやGWに設けられている送信モジュールや受信モジュールは、第1の実施形態のECUやGWに設けられている送信モジュール60や受信モジュール50と同様の構成をしていることから、同様の構成には同様の符号を付し、その詳細な説明については割愛する。
まず、本実施形態の通信システムの概略について、図21及び図22を参照して説明する。
図21に示すように、通信システムは、第1通信用バス22に接続される通信装置としての第1〜第9ECU71〜79と、第2通信用バス23に接続される通信装置としての第10〜第14ECU80〜84と、第1及び第2通信用バス22,23とに接続されるGW20Cとを備えている。
各第1及び第2通信用バス22,23は、CANプロトコルの伝送に適合する電気的特性を有しているツイストペアケーブルを用いたバスであるとともに、CANプロトコルが専有する周波数帯域よりも高い周波数帯域の信号の伝送も可能な特性を有している。
図21に示すように、第1〜第9ECU71〜79は、第1通信用バス22において、第1周波数帯域F1を送信受信周波数帯としているとともに、第2周波数帯域F2を受信専用周波数帯としている。また、第10〜第14ECU80〜84は、第2通信用バス23において、第2周波数帯域F2を送信受信周波数帯としているとともに、第1周波数帯域F1を受信専用周波数帯としている。ところで、第1〜第9ECU71〜79が通信信号の送信受信に利用する第1周波数帯域F1と、第10〜第14ECU80〜84が通信信号の送信受信に利用する第2周波数帯域F2とは相互に異なる周波数帯域であるため、それらECUを単一の通信用バスに接続させて周波数分割多重通信させることも可能である。
ところで、通信用バスに伝達される通信信号は、本来ならば、図22の「送信波形(理想)」に示されるように、論理「0」又は「1」に対応する期間に応じて、同期間だけ対応する信号(搬送波)が伝達されることが理想である。しかしながら、CANプロトコルに対応するツイストペアケーブルからなるバスは、多数のECUが接続されると、バスの性能が劣化して伝送信号の品質劣化を招く。このため、例えば、振幅変調された信号の波形に歪みが生じるようになると、図22の「CANバス上の波形(実際)」に示されるように、論理「0」に対応するビット長の期間の終了に遅れて信号が消滅するようなことが生じるようになる。特に本実施形態のように、短い長さの論理「0」を検出できるようにした通信システムの場合、通信用バスで伝達される通信信号に上述のような遅れが大きく生じると、CANコントローラが、理論「1」の期間に理論「0」を検出してしまうなど、通信精度が低下することが懸念される。
そこで、本実施形態では、第1及び第2通信用バス22,23の性能(信号伝達特性)が大きく劣化しないように、第1及び第2通信用バス22,23に接続させるECUの数を制限した。その一方、多数のECUを相互通信可能に接続させる必要があるため、それらECUを第1及び第2通信用バス22,23に分散接続させるとともに、第1及び第2通信用バス22,23を通信用バス間で通信信号を相互転送させるGW20Cに接続させるようにしている。
次に、本実施形態の通信システムの詳細について、図23〜図25を参照して説明する。なお、第1〜第9ECU71〜79は、送信受信周波数帯が第1周波数帯域F1であるとともに、受信専用周波数が第2周波数帯域F2である。すなわち、第1〜第9ECU71〜79は、第1の実施形態の第1ECU1に対して、第2ASKモジュール43bが受信専用である点が相違し、それ以外は同様の構成をしていることから詳細な説明については割愛する。つまり、第1〜第9ECU71〜79は、図示しない第2周波数帯域F2に対応するASKモジュールには受信モジュールのみが設けられており、送信モジュールは設けられていない。これにより、第1〜第9ECU71〜79は、第1通信用バス22を介して通信データの送信受信に第1周波数帯域F1を利用するとともに、通信データの受信に第2周波数帯域F2を利用することができる。
第10〜第14ECU80〜84は、いずれも同様の構成をしていることから、以下では、第14ECU84について詳細に説明し、その他の第10〜第13ECU80〜83についての説明は割愛する。
図23及び図24に示すように、第14ECU84は、処理装置30に設けられた第1CANコントローラ31を介してCANプロトコルに基づく通信データを送信受信できるようになっているとともに、同じく設けられた第2CANコントローラ32を介してCANプロトコルに基づく通信データを受信できるようになっている。
第14ECU84は、第1CANコントローラ31に接続される第2ASKモジュール43bと、第2CANコントローラ32に接続される第4ASKモジュール47aと、第2及び第4ASKモジュール43b,47aに接続されるとともに、コネクタ41を介して第2通信用バス23に接続されるカップリング回路42とを備えている。第2ASKモジュール43bには、第2周波数帯域F2にそれぞれ対応する受信モジュール50と送信モジュール60とが設けられている。第4ASKモジュール47aには、第1周波数帯域F1に対応する受信モジュール50のみが設けられている。これにより、第14ECU84は、第2通信用バス23を介して通信データの送信受信に第2周波数帯域F2を利用するとともに、通信データの受信に第1周波数帯域F1を利用することができる。
図23及び図25に示すように、GW20Cには、第1通信用バス22にコネクタ41を介して接続される1つ目のカップリング回路42と、第2通信用バス23にコネクタ41を介して接続される2つ目のカップリング回路42と、第1ASKモジュール43aと、第2ASKモジュール43bとが設けられている。第1及び第2ASKモジュール43a,43bには、それらの受信モジュール50の通信データ出力と送信モジュール60の通信データ入力との間に、それぞれ波形整形部46が接続されている。波形整形部46は、受信した通信信号を復調した通信データが入力され、通信により生じた波形の歪みを、CANプロトコルの電圧、切換タイミングに適合するように整形するためのものであり、整形後の通信データを出力する。つまり、GW20Cは、復調した通信データを再送信するとき、波形整形部46にて通信データに生じた信号の歪みを矯正してから送信する。
GW20Cは、1つめのカップリング回路42の出力が第1ASKモジュール43aの受信モジュール50に接続され、当該受信モジュール50の出力が波形整形部46を介して同第1ASKモジュール43aの送信モジュール60の入力に接続され、当該送信モジュール60の出力が2つ目のカップリング回路42に接続されている。またGW20Cは、2つめのカップリング回路42の出力が第2ASKモジュール43bの受信モジュール50に接続され、当該受信モジュール50の出力が波形整形部46を介して同第2ASKモジュール43bの送信モジュール60の入力に接続され、当該送信モジュール60の出力が1つ目のカップリング回路42に接続されている。
つまり、第1周波数帯域F1で振幅変調された通信信号が第1通信用バス22を介してGW20Cに入力されると、GW20Cは、当該通信信号を受信・復調してCANプロトコルに対応する通信データを得るとともに、当該通信データの波形を整形してから第1周波数帯域F1の周波数で振幅変調して第2通信用バス23に再送信する。すなわち、第1通信用バス22に伝送された第1周波数帯域F1の通信信号が第2通信用バス23に転送される。
同様に、第2周波数帯域F2の周波数で振幅変調された通信信号が第2通信用バス23を介してGW20Cに入力されると、GW20Cは、当該通信信号を受信・復調してCANプロトコルに対応する通信データを得るとともに、当該通信データの波形を整形してから第2周波数帯域F2の周波数で振幅変調して第1通信用バス22に再送信する。すなわち、第2通信用バス23に伝送された第2周波数帯域F2の通信信号が第2通信用バス23に転送される。
これにより、GW20Cに設ける送信モジュール60や受信モジュール50の数を、通信信号を受信するバスから送信させるバスへ信号を伝達させるために必要な最少数にすることができるため、GW20Cの構成を簡単にすることができるようになる。つまり、第1通信用バス22には、受信モジュールとして第1周波数帯域F1に対応する受信モジュール50のみが接続され、送信モジュールとして第2周波数帯域F2に対応する送信モジュール60のみが接続される。また、第2通信用バス23には、受信モジュールとして第2周波数帯域F2に対応する受信モジュール50のみが接続され、送信モジュールとして第1周波数帯域F1に対応する送信モジュール60のみが接続される。
以上説明したように、本実施形態の通信装置及び通信システムによれば、上述の第1の実施形態の(1)〜(5)に記載した効果に加えて、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(9)第1及び第2通信用バス22,23に接続させるECUの数を制限することにより、通信用バスの性能劣化を小さくして、通信用バス上の通信信号の歪みを抑制することができるようになる。
(10)GW20Cを、周波数帯域F1の通信信号を第1通信用バス22から第2通信用バス23へ転送する構造、及び、周波数帯域F2の通信信号を第2通信用バス23から第1通信用バス22へ転送する構造とした。つまり、GW20Cは、通信信号を一方の通信用バスから他方の通信用バスへ、その通信信号の周波数帯域を変更させることなく通過させる簡単な構造とすることができるようになった。また、構造が簡単であるため、通信信号の遅延を少なくするとともに、構造の簡易化、コストを低く抑えることができるようになる。
(11)第1〜第9ECU71〜79は、送信は周波数帯域F1のみで行い、受信は2つの周波数帯域F1,F2で行う構成とした。第10〜第14ECU80〜84は、送信は周波数帯域F2のみで行い、受信は2つの周波数帯域F1,F2で行う構成とした。これにより、各ECUに複数の周波数帯域への送信モジュールを設ける場合に比較して、ECUの構成を簡単にするとともに、コストを低く抑えることができるようになる。
また、通信用バスに、通信信号の周波数帯域を変更して転送するゲートウェイを設ける必要がなるため、通信用バスを簡単にすることができる。また、ECUは、どの周波数帯域で送信された通信信号であれ受信できるようになることから、GWなどが一つの通信信号を複数の周波数帯域に重複送信する必要がなく、通信用バスにおける通信信号の輻輳を防ぐことができるようにもなる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、例えば以下のような態様にて実施することもできる。
・上記第4の実施形態では、第10ECU10aのLINコントローラ34がにマスタ・ノードである場合について例示した。しかしこれに限らず、1つのLINバスに1台のマスタ・ノードを設けることができるのであれば、マスタ・ノードは他のECUやGWに設けられていてもよい。これにより、通信システムの構成自由度が向上するようになる。
・上記第1,2,4,5の実施形態では、論理「0」に対応する通信信号を搬送波とし、論理「1」に対応する通信信号をグランドレベルとする場合について例示した。しかしこれに限らず、通信信号の伝達やアビトレーションを適正に行うことができるのであれば、論理「0」に対応する通信信号をグランドレベルとし、論理「1」に対応する通信信号を搬送波としてもよい。これにより、こうした通信システムの設計自由度が向上するようになる。
・上記各実施形態では、最大で第1〜第3周波数帯域F1〜F3の3つの周波数帯が設けられる場合について例示した。しかしこれに限らず、周波数帯は3つの帯域より多くても、また、1つの帯域であってもよい。これにより、通信用バスの通信容量を調整することができるようになる。
・上記各実施形態では、通信用バスにCANプロトコルに適合したツイストペアケーブルを用いる場合について例示した。しかしこれに限らず、振幅変調しないCANプロトコルの通信信号を伝送しない場合、つまり、振幅変調した通信信号のみを伝送する場合、通信用バスに用いる通信線は、CANプロトコルに適合していなかったり、ツイストペアケーブルでなかったりしてもよい。この場合、そうした通信線に適合する、バッファアンプやカップリング回路などを用いれば、当該通信線を用いた場合であれ、振幅変調された通信信号を好適に送受信できるようになる。これにより、通信システムの設計自由度が向上するようになる。
1〜12…第1〜第12電子制御装置(ECU)、10a…第10ECU、11a…第11ECU、20,20A,20B,20C…ゲートウェイ(GW)、21…通信用バス、22…第1通信用バス、23…第2通信用バス、30…処理装置、31〜33…第1〜第3CANコントローラ、34…LINコントローラ、41…コネクタ、42…カップリング回路、43a…第1ASKモジュール、43b…第2ASKモジュール、43c…第3ASKモジュール、44…CANトランシーバ、45…ローパスフィルタ、46…波形整形部、47a…第4ASKモジュール、50…受信モジュール、51a…バンドパスフィルタ、52…バッファアンプ、53…包絡線検波回路、54…電圧変換回路、60…送信モジュール、61…バッファアンプ、62…アナログスイッチ、63…変調波発生モジュール、64a…コルピッツ発信回路、65…バリキャップ部、66…電圧変換回路、67…疑似ランダム雑音符号発生回路、71〜79…第1〜第9ECU、80〜84…第10〜第14ECU、90…車両、VB1…第1仮想バス、VB2…第2仮想バス、VB3…第3仮想バス、VBL…仮想LINバス。

Claims (12)

  1. 通信線に接続され、当該通信線を介して通信データを送信受信する通信装置であって、
    通信データを変調した通信信号を前記通信線へ送信する送信部と、
    前記通信線から受信した通信信号を復調して通信データを得る受信部とを備え、
    前記送信部は、所定の送信周波数帯内で動的に変化する周波数に基づいて通信データを変調し、
    前記受信部は、前記変調されて受信される周波数帯に対応する通信信号を復調して通信データを得る
    ことを特徴とする通信装置。
  2. 前記動的に変化する周波数が、疑似雑音符号に基づいて決定される
    請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記通信線がコントロールエリアネットワークの規格に基づく通信線であり、
    前記通信データが、コントロールエリアネットワークのプロトコルに基づく通信データである
    請求項1又は2に記載の通信装置。
  4. 前記受信部は、前記コントロールエリアネットワークのプロトコルの1ビットの信号の長さの期間内に検出された通信信号に基づいて当該プロトコルの1ビットに対応する信号レベルを決定する
    請求項3に記載の通信装置。
  5. 前記信号レベルが、前記1ビットの信号の長さの期間内に所定の閾値を超えた通信信号が検出されたことを条件にドミナントであると決定される一方、前記ドミナントであると決定されなかったことを条件にリセッシブであると決定される
    請求項4に記載の通信装置。
  6. 複数の通信装置がネットワークに通信可能に接続される通信システムであって、
    前記複数の通信装置のうち、
    少なくとも2つの通信装置が、所定の送信周波数帯内で動的に変化する周波数に基づいて通信データを変調した通信信号を前記ネットワークに送信する送信部を備え、
    少なくとも1つの通信装置が、前記ネットワークから取得した変調された通信信号を前記送信周波数帯に基づいて復調して通信データを得る受信部を備え、
    前記送信部が、該送信部から送信した通信信号と、前記ネットワークに伝達されている信号との比較に基づいて当該送信部からの通信信号の送信を制御する
    ことを特徴とする通信システム。
  7. コントロールエリアネットワークを介して通信される通信データを送信する通信方法であって、
    コントロールエリアネットワークを介する通信を制御するコントローラから出力された通信データを、所定の送信周波数帯内で動的に変化する周波数に基づいて変調してコントロールエリアネットワークに送信する
    ことを特徴とする通信方法。
  8. コントロールエリアネットワークを介して通信される通信データを受信する通信方法であって、
    コントロールエリアネットワークから所定の周波数帯内で動的に変化する周波数に基づき変調された通信信号を受信するとともに、これを前記所定の周波数帯で復調し、コントロールエリアネットワークを介する通信を制御するコントローラに通信データとして出力する
    ことを特徴とする通信方法。
  9. コントロールエリアネットワークに通信可能に接続される通信装置であって、
    コントロールエリアネットワークを介する通信を制御するコントローラから出力された通信データを、所定の送信周波数帯内で動的に変化する周波数に基づいて変調してコントロールエリアネットワークに送信する
    ことを特徴とする通信装置。
  10. 前記動的に変化する周波数が、疑似雑音符号に基づいて決定される
    請求項9に記載の通信装置。
  11. コントロールエリアネットワークに通信可能に接続される通信装置であって、
    コントロールエリアネットワークから所定の周波数帯内で動的に変化する周波数に基づき変調された通信信号を受信するとともに、これを前記所定の周波数帯で復調して得た通信データをコントロールエリアネットワークを介する通信を制御するコントローラに出力する
    ことを特徴とする通信装置。
  12. 前記通信データが、コントロールネットワークのプロトコルに基づく通信データであり、
    前記通信データの信号レベルが、前記プロトコルの1ビットの信号の長さの期間内に検出された通信信号に基づいて当該プロトコルの1ビットに対応する信号レベルに決定される
    請求項11に記載の通信装置。
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