以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図18にしたがって説明する。
図1には、パチンコ遊技機10と該パチンコ遊技機10が遊技場の遊技機設置設備(遊技島)に設置された際に並設される遊技媒体貸出用ユニットとしてのカードユニット装置11が略示されている。カードユニット装置11には、遊技者に貸し出される貸出用遊技媒体としての遊技球(貸し球)と交換可能な交換媒体としてのプリペイドカードを投入するための投入口11aが設けられている。カードユニット装置11は、投入されたプリペイドカードの価値を読み書き可能な構成となっている。具体的に言えば、カードユニット装置11は、投入時にプリペイドカードの残金(価値)を読込むとともに、貸し球の払出しに伴ってプリペイドカードの残金(価値)を書き替える。
パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠12の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠13が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠13の前面側には前枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠14は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠13に重なるように組み付けられている。このため、中枠13は、前枠14の後側に配置されており、機正面側からは視認し得ないようになっている。前枠14は、中央部に窓口15を有するとともに、該窓口15の下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な第1貯留皿としての上皿(貯留皿)16を一体成形した構成とされている。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口15を覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤YBは、中枠13に装着される。また、前枠14には、窓口15のほぼ全周を囲むように、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)の発光(点灯や点滅)により発光演出を行う電飾表示部を構成する上側枠用ランプ部17と、左側枠用ランプ部18と、右側枠用ランプ部19とが配置されている。各枠用ランプ部17,18,19は、前枠14の前面に装着される複数の発光体を、該各発光体の発する光を透過可能に成形したランプレンズ17a,18a,19aで覆って構成されている。
前枠14には、窓口15の左右上部に、各種音声を出力して音声演出を行う左スピーカ20と、右スピーカ21とが配置されている。左スピーカ20と右スピーカ21は、前枠14の裏面に装着されており、該前枠14の前面であって左スピーカ20及び右スピーカ21の装着部位に対応する部位には図示しない放音孔が複数形成されている。
中枠13の前面側であって前枠14の下部には、上皿16から溢れ出た遊技球を貯留する第2貯留皿としての下皿(貯留皿)23が装着されている。また、中枠13の前面側であって下皿23の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル24が装着されている。また、前枠14には、下皿23の左方に、各種音声を出力して音声演出を行う下スピーカ25が配置されている。下スピーカ25は、中枠13に装着されている。
上皿16には、その左方側に機内部から払出される遊技球の払出口16aが設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の貯留通路16bが連設されており、さらに右方側に貯留通路16b内の遊技球を機内部に取り込む図示しない上皿取込口が設けられている。上皿16に貯留された遊技球は、貯留通路16bにより前記上皿取込口へ案内されるとともに該上皿取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、遊技盤YBに向けて発射される。遊技盤YBに向けて発射される遊技球は、発射ハンドル24の回動量に応じて発射の強弱が設定される。また、下皿23には、上皿16から溢れ出て流下した遊技球の出口23aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部23bが遊技球の出口23aに連設されている。
次に、遊技盤YBの構成について図2にしたがって詳しく説明する。
遊技盤YBの前面には、発射ハンドル24の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域H1を形成する誘導レール26が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール26によって遊技盤YBには、該遊技盤YBの左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路26aが形成されるとともに、誘導レール26の内側に遊技領域H1が形成される。また、遊技盤YBの前面であって誘導レール26の外側となる遊技領域H1外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域H2とされている。
遊技盤YBの遊技領域H1のほぼ中央(センター)には、各種の表示器や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)27が装着されている。表示枠体27の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口27aが形成されており、当該セット口27aに整合して表示枠体27には液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出用図柄表示部としての演出表示装置28が装着されている。演出表示装置28には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲーム(第2図柄変動ゲーム)を含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置28の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置28の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出用図柄)を用いて行われる。また、表示枠体27には、発光により発光演出を行う盤用ランプ部27bが装着されている。
また、表示枠体27の右下方には、特別図柄を変動させて行う図柄変動ゲーム(第1図柄変動ゲーム)を表示する特別図柄表示部としての特別図柄表示装置30が設けられている。特別図柄表示装置30は、例えば7セグメントLED型の発光装置から構成されている。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
演出表示装置28と特別図柄表示装置30では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動が開始される。具体的には、図柄変動ゲームの開始に伴って、特別図柄表示装置30では特別図柄の変動が開始する一方で、演出表示装置28では各列の飾り図柄の変動が開始する。そして、演出表示装置28と特別図柄表示装置30には、大当り抽選の抽選結果に基づき、図柄変動ゲームの終了によって同時に大当り図柄(大当り表示結果)又ははずれ図柄(はずれ表示結果)が確定的に停止表示される。このとき、特別図柄表示装置30と演出表示装置28では、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合には何れの表示装置にも大当り図柄が確定的に停止表示(確定停止表示)され、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合には何れの表示装置にもはずれ図柄が確定停止表示される。すなわち、演出表示装置28の図柄変動ゲームは、特別図柄表示装置30の図柄変動ゲームの変動表示結果に対応付けて行われ、特別図柄の変動表示結果に対応する飾り図柄の変動表示結果を導出する。大当り図柄は、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものであり、はずれ図柄は、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合に図柄変動ゲームで確定停止表示されるものである。
本実施形態において演出表示装置28の図柄変動ゲームで導出される大当り図柄とはずれ図柄は、各列に導出された飾り図柄の組み合わせによって構成されるとともに、例えば、大当り図柄は全列が同一の飾り図柄からなる組み合わせで構成される一方で、はずれ図柄は全列が同一の飾り図柄にならない組み合わせで構成される。本実施形態において演出表示装置28には、各列毎に、[1]〜[8]までの数字が飾り図柄として表示されるようになっている。また、本実施形態において特別図柄表示装置30には、[1]〜[8]までの数字と[−(バー)]が特別図柄として表示されるようになっている。そして、9種類の特別図柄のうち、特別図柄[1]〜[8]が大当り図柄となり、特別図柄[−]がはずれ図柄となる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置28の表示領域(画像表示面)を特別図柄表示装置30の表示領域よりも大きく形成し、演出表示装置28を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示装置30よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出(例えば、リーチ演出や予告演出)が行われる演出表示装置28の表示内容に注目し、該演出表示装置28の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識することになる。
また、表示枠体27の右下方には、普通図柄表示装置31が設けられている。普通図柄表示装置31は、例えば7セグメントLED型の発光装置から構成されている。普通図柄表示装置31では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う当りか否か(開閉羽根35の開動作により下始動入賞口34を開放するか否か)の内部抽選(当り抽選)の抽選結果を表示する。そして、本実施形態の普通図柄表示装置31では、当り抽選で当りを決定している場合には普通図柄変動ゲームで当り図柄が確定停止表示される一方で、当り抽選ではずれを決定している場合には普通図柄変動ゲームではずれ図柄が確定停止表示される。
また、表示枠体27の下方の遊技領域H1には、遊技球の入球口33aを有する上始動入賞口33と遊技球の入球口34aを有する下始動入賞口34が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口33は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口33aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口34は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根35を備えており、開閉羽根35が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口34aを開放させる構成とされている。換言すれば、下始動入賞口34は、開閉羽根35が開動作して入球口34aが開放されない限り、遊技球の入球を不能とする構成とされている。
上始動入賞口33の奥方には、入球した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1(図4に示す)が配設されているとともに、下始動入賞口34の奥方には、入球した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2(図4に示す)が配設されている。上始動入賞口33と下始動入賞口34は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。下始動入賞口34は開閉羽根35が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入球し易い状態とされる一方で、開閉羽根35が閉動作すると、入口が拡大されずに遊技球の入球が不能となる状態とされる。本実施形態では、上始動入賞口33と下始動入賞口34により、始動入賞装置が構成される。
また、表示枠体27であって、下始動入賞口34の下方の遊技領域H1には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉40を備えた大入賞口装置としての大入賞口(特別電動役物)41が配設されている。大入賞口41の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図4に示す)が配設されている。大入賞口41は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。本実施形態のパチンコ遊技機10は、遊技盤YBの下側に1つの大入賞口が配設されている。
そして、大当り遊技が付与されると、付与された大当り遊技の種類に応じて大入賞口扉(大入賞口扉40)が開動作して大入賞口(大入賞口41)が開放され、その開放により遊技球の入球が許容される。このため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示されることを契機に付与される。
大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉の開動作により大入賞口が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数(ラウンド遊技の上限回数)を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技が開始してから予め定めたラウンド遊技時間が経過する、又は予め定めた入球上限個数の遊技球が入球するの何れか一方の条件を満たすことにより終了する。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
また、表示枠体27の左方の遊技領域H1には、普通図柄作動ゲート42が配設されている。普通図柄作動ゲート42の奥方には、該普通図柄作動ゲート42へ入球し通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4(図4に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート42は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件のみを付与し得る。
また、遊技盤YBの遊技領域H1の最下方(大入賞口41よりも下方)には、遊技領域H1に発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト球口43が形成されている。アウト球口43を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体27の下方に配置される始動入賞口(上始動入賞口33と下始動入賞口34)へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球の個数を記憶し、始動保留球の記憶数として機内部(主制御基板45の主制御用RAM45c)で記憶するようになっている。始動保留球の記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。そして、始動保留球の記憶数は、始動入賞口に遊技球が入球することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、始動保留球の記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。この始動保留球の記憶数は、保留記憶表示装置32(図4に示す)によって遊技者に報知される。保留記憶表示装置32は、遊技盤YBに配設されているとともに例えば複数のランプから構成され、始動保留球の記憶数に対応する個数のランプを点灯させることによって始動保留球の記憶数を遊技者に報知する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)が低確率(通常状態)である通常確率から高確率に変動する確変状態を付与する機能である。また、確変状態が付与されると、普通図柄変動ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普通図柄作動ゲート42の通過に基づく普通図柄変動ゲームの抽選確率(当り当選確率)が低確率である通常確率から高確率に変動する入球率向上状態が特典として付与されるようなっている。入球率向上状態において、下始動入賞口34の開閉羽根35は、確変状態が付与されている場合と、入球率向上状態が付与されていない通常状態の場合とでは、普通図柄変動ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。通常状態時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根35が1回開放し、開放してから100ms経過するまで開放状態を維持するようになっている。また、確変状態時に普通図柄変動ゲームに当選する場合には、開閉羽根35が開放する回数が増加(例えば、3回)するとともに、1回の開放において開放してから1400ms(通常状態に比較して長い時間)が経過するまで開放状態を維持するようになっている。すなわち、開閉羽根35は、確変状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
また、確変状態は、予め定めた回数(本実施形態では10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、確変状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。本実施形態では、確変状態を予め定めた回数として10000回を定めているため、実質的に次回の大当りが生起される迄の間付与されることと同等となっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、変動時間短縮(以下、「時短」と示す)機能を備えている。時短機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)を低確率(通常状態)として、入球率向上状態を特典として付与する機能である。また、時短状態が付与されると、大当りの抽選確率は低確率であるが、入球率向上状態が特典として付与されるようになっている。すなわち、開閉羽根35は、時短状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。そして、時短状態は、予め定めた回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、時短状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。
本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与する(抽選確率が高確率である状態が付与される)大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(抽選確率が低確率である非確変状態が付与される)大当りが非確変大当りとなる。本実施形態のパチンコ遊技機10では、8種類の特別図柄[1]〜[8]のうち、4種類の特別図柄[1]、[3]、[5]及び[7]が確変大当りとなる特別図柄に設定されているとともに、4種類の特別図柄[2]、[4]、[6]及び[8]が非確変大当りとなる特別図柄に設定されている。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、確変大当りとなる特別図柄[1]、[3]、[5]及び[7]の何れかが特別図柄表示装置30に導出される場合、演出表示装置28には確変大当りを認識し得る飾り図柄の大当り図柄[111]、[333]、[555]及び[777]の何れかが導出される。一方、本実施形態のパチンコ遊技機10では、非確変大当りとなる特別図柄[2]、[4]、[6]及び[8]の何れかが特別図柄表示装置30に導出される場合、演出表示装置28には非確変大当りを認識し得る飾り図柄の大当り図柄[222]、[444]、[666]及び[888]の何れかが導出される。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10で行われる演出について図3にしたがって説明する。本実施形態のパチンコ遊技機10は、演出モードとして「通常演出モード」と「分割演出モード」を備えている。通常演出モードの場合には、図3(a)に示すように、図柄変動ゲームを画像表示するための表示領域として単一の表示領域Dが形成され、その表示領域Dにおいて1つの図柄変動ゲームが画像表示される。通常演出モード時の表示領域Dには、当該表示領域Dの左右方向に延びる1本の組み合わせ有効ラインL(二点鎖線で示す)が形成されている。そして、表示領域Dでは、組み合わせ有効ラインL上に各列の飾り図柄が停止表示され、その有効ラインLに形成された1つの図柄組み合わせが有効な図柄組み合わせとして認識されるようになっている。
一方、分割演出モードの場合には、図3(b)に示すように、図柄変動ゲームを画像表示するための表示領域として複数(本実施形態では4つ)の表示領域D1,D2,D3,D4が形成され、各表示領域D1〜D4において各1つの図柄変動ゲームが画像表示される。すなわち、分割演出モード時には、画像表示部GHの表示領域が4つの表示領域D1〜D4に等分割され、かつ各表示領域D1〜D4において独立した4つの図柄変動ゲームが行われる。また、分割演出モード時の表示領域D1〜D4には、各表示領域D1〜D4の左右方向に延びる1本の組み合わせ有効ラインL(二点鎖線で示す)が形成されている。そして、各表示領域D1〜D4では、それぞれの組み合わせ有効ラインL上に各列の飾り図柄が停止表示され、その有効ラインLに形成された1つの図柄組み合わせが有効な図柄組み合わせとして認識されるようになっている。
通常演出モード時と分割演出モード時は、大当り抽選の当選確率を同一確率に設定し、その抽選結果を、通常演出モードでは1つの図柄変動ゲームの画像表示によって導出し、分割演出モードでは4つの図柄変動ゲームの画像表示によって導出している。すなわち、分割演出モードでは、4つの独立した図柄変動ゲームが行われることにより、通常演出モード時に比して、見かけ上の大当り確率が4倍に増加する。なお、通常演出モード時に行われる1つの図柄変動ゲームと分割演出モード時に行われる4つの図柄変動ゲームは、何れも1球の始動保留球に対して行われる1回の図柄変動ゲームであり、表示演出として画像表示部GHに同時に画像表示されるゲームの数が相違している。
そして、本実施形態においては、この分割演出モードへの切り替えの契機として、後述する複数種類の変動パターンのうち、特定の変動パターンに基づく図柄変動ゲームが行われ、当該ゲームの終了後の次回の図柄変動ゲームから分割演出モードへ切り替わるようになっている。また、本実施形態において、分割演出モードは、予め定めた回数の図柄変動ゲームが終了すること、及び前記回数の図柄変動ゲームが終了するまでの間に大当りが生起されることを契機として終了し、次回の図柄変動ゲームから通常演出モードへ切り替わるようになっている。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について図4にしたがって説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御部としての主制御基板45が装着されている。主制御基板45は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、副制御部としてのサブ統括制御基板46と、表示制御部としての演出表示制御基板47と、音声・ランプ制御基板48が装着されている。
サブ統括制御基板46は、主制御基板45が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48を統括的に制御する。演出表示制御基板47は、主制御基板45とサブ統括制御基板46が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置28の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板48は、主制御基板45とサブ統括制御基板46が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種ランプ部17〜19,27bの発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)及びスピーカ20,21,25の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板45、サブ統括制御基板46及び演出表示制御基板47について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板45には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU45aと、主制御用CPU45aの制御プログラムを格納する主制御用ROM45bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM45cが設けられている。主制御用CPU45aには、主制御用ROM45bと主制御用RAM45cが接続されている。また、主制御用CPU45aには、上始動入賞口33に入球した遊技球を検知する上始動口スイッチSW1と、下始動入賞口34に入球した遊技球を検知する下始動口スイッチSW2が接続されている。また、主制御用CPU45aには、大入賞口41に入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3と、普通図柄作動ゲート42を通過した遊技球を検知する普通図柄変動スイッチSW4が接続されている。また、主制御用CPU45aには、図柄表示基板49を介して、特別図柄表示装置30と、普通図柄表示装置31と、保留記憶表示装置32が接続されている。図柄表示基板49は、特別図柄表示装置30、普通図柄表示装置31及び保留記憶表示装置32と対応する位置にそれぞれ装着されている。そして、図柄表示基板49は、主制御基板45が出力する制御信号を入力し、特別図柄表示装置30、普通図柄表示装置31及び保留記憶表示装置32の表示内容を制御する。
主制御用CPU45aは、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数や変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAM45cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。大当り図柄用乱数は、大当りとする場合に特別図柄表示装置30に確定停止表示させる特別図柄としての大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、図柄変動ゲームの変動時間と演出内容(大当り演出、はずれ演出など)を決定する際に用いる乱数である。また、本実施形態の主制御用CPU45aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
主制御用ROM45bには、前記制御プログラムに加え、複数種類の変動パターンと各種判定値(大当り判定値など)が記憶されている。変動パターンは、演出表示装置28及び特別図柄表示装置30において図柄の変動開始による図柄変動ゲームが開始してから、演出表示装置28及び特別図柄表示装置30において図柄が確定停止表示されて図柄変動ゲームが終了するまでの変動時間と演出内容を特定するためのパターンである。すなわち、変動パターンの決定により、演出表示装置28及び特別図柄表示装置30で行われる図柄変動ゲームの演出態様が決定される。
そして、変動パターンに基づき特別図柄表示装置30では、特別図柄の変動が開始してから、変動パターンに定める変動時間の経過時に変動が停止し、大当り図柄又ははずれ図柄が確定停止表示される図柄変動ゲームが実行される。一方、変動パターンに基づき演出表示装置28では、飾り図柄の変動が開始してから、変動パターンで特定される演出内容で各種遊技演出が行われるとともに変動パターンに定める変動時間の経過時に変動が停止し、大当り図柄又ははずれ図柄を確定停止表示させる図柄変動ゲームが実行される。そして、変動パターンは、大当り演出用、はずれリーチ演出用及びはずれ演出用からなる演出内容毎に分類されている。
大当り演出では、演出表示装置28において図柄変動ゲームがリーチ演出を経て最終的に大当り図柄(飾り図柄)を確定停止表示させるように展開されるとともに、特別図柄表示装置30において図柄変動ゲームが大当り図柄(特別図柄)を確定停止表示させるように展開される。はずれリーチ演出は、演出表示装置28において図柄変動ゲームがリーチ演出を経て最終的にはずれ図柄(飾り図柄)を確定停止表示させるように展開されるとともに、特別図柄表示装置30において図柄変動ゲームがはずれ図柄(特別図柄)を確定停止表示させるように展開される。はずれ演出は、演出表示装置28において図柄変動ゲームがリーチ演出を経ることなく最終的にはずれ図柄(飾り図柄)を確定停止表示させるように展開されるとともに、特別図柄表示装置30において図柄変動ゲームがはずれ図柄(特別図柄)を確定停止表示させるように展開される。なお、特別図柄表示装置30では、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。
大当り判定値は、大当り判定で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。例えば、大当り判定用乱数の取り得る数値を「0(零)」〜「599」までの全600通りの整数に設定し、その値の中から大当り判定値として2つの値を設定した場合、大当り判定が肯定判定される割合、すなわち大当りの当選確率は600分の2(300分の1)となる。
次に、変動パターンについて図5を用いて説明する。
図5には、本実施形態のパチンコ遊技機10において主制御用ROM45bに記憶されている複数の変動パターンのうち、一部の変動パターンを示している。
変動パターンP1は、はずれ演出用の変動パターンであり、「通常変動」による図柄変動ゲームが変動時間T1で行われるパターンである。「通常変動」は、演出表示装置28の図柄変動ゲームにおいて、飾り図柄による図柄組み合わせを構成する複数の図柄列(本実施形態では、左列、中列、右列の3列)の変動が予め定めた順番で停止する変動内容である。
変動パターンP2aは、大当り演出用の変動パターンであるとともに、「ノーマルリーチ」を伴う図柄変動ゲームが変動時間T2aで行われるパターンである。また、変動パターンP2bは、はずれリーチ演出用の変動パターンであり、「ノーマルリーチ」を伴う図柄変動ゲームが変動時間T2bで行われるパターンである。「ノーマルリーチ」は、演出表示装置28の図柄変動ゲームにおいて、予め定めた複数の図柄列(本実施形態では、左列と右列の2列)に同一の飾り図柄を導出させてリーチを形成し、残り1列(本実施形態では、中列)を変動させて飾り図柄を導出する変動内容のリーチ演出である。本実施形態では、ノーマルリーチの演出が、特定表示態様の演出となる。
変動パターンP3a〜P10aは、大当り演出用の変動パターンであるとともに、「スーパーリーチ」を伴う図柄変動ゲームがそれぞれ変動時間T3a〜T10aで行われるパターンである。また、変動パターンP3b〜P10bは、はずれリーチ演出用の変動パターンであるとともに、「スーパーリーチ」を伴う図柄変動ゲームがそれぞれ変動時間T3b〜T10bで行われるパターンである。「スーパーリーチ」は、演出表示装置28の図柄変動ゲームにおいて、ノーマルリーチの演出で残り1列の変動中又は変動が停止した後、例えば、特定のキャラクタが登場し、その登場キャラクタの名称で呼ばれる「○○リーチ」へ移行(発展)して飾り図柄を導出する変動内容のリーチ演出である。本実施形態においてスーパーリーチの演出はノーマルリーチを経由して行われることから、変動パターンP3a〜P10a,P3b〜P10bに基づく図柄変動ゲームは、特定表示態様の演出を伴って行われる図柄変動ゲームとなる。
そして、変動パターンP3a〜P10a,P3b〜P10bは、同じ符号「PX(X:3〜10)」を付した変動パターンにおいて同一内容のスーパーリーチの演出が行われ、異なる符号「PX(X:3〜10)を付した変動パターンにおいて異なる内容のスーパーリーチの演出が行われるようになっている。具体的に言えば、図5に示すように、変動パターンP3a〜P10a,P3b〜P10bは、スーパーリーチA〜Hの8種類の内容で区別されており、本実施形態においては演出中に登場するキャラクタの種類に応じてスーパーリーチA〜Hの内容が区別されている。そして、同じ符号「PX(X:3〜10)」に「a」と「b」を付した変動パターン(例えば変動パターンP3aと変動パターンP3b)は、大当り演出用とはずれリーチ演出用の変動パターンで区別されているが、これらの変動パターンに基づき行われるスーパーリーチの演出は同一内容(この例ではスーパーリーチA)とされている。
また、本実施形態では、リーチ演出の種類に応じて、大当り遊技が付与される割合(大当り信頼度又は大当り期待度と呼ばれる)を異ならせている。より詳しく言えば、ノーマルリーチよりスーパーリーチA、スーパーリーチAよりスーパーリーチBというように、図5に示すように下部に記載のリーチ演出(変動内容)の方が、大当り遊技が付与される割合が高くなるように設定されている。これは、ノーマルリーチよりもスーパーリーチAが、スーパーリーチAよりスーパーリーチBの方が、大当り遊技が付与される期待度(可能性)が高まることを示している。大当り遊技が付与される割合は、各リーチ演出が行われる変動パターンを大当り演出用とはずれリーチ演出用に振り分ける際の振り分け態様に応じて決定される。即ち、リーチ演出の大当りが付与される割合を高くするためには、当該リーチ演出が図柄組み合わせゲームにおいて出現する全体の割合に対して、大当りの場合に当該リーチ演出が出現する割合を高めると共にはずれリーチの場合に当該リーチ演出が出現する割合を低める(又はいずれか一方を行う)ように変動パターンを振り分ければよい。このように大当り遊技が付与される割合を異ならせることにより、リーチの図柄組み合わせが表示され、リーチ演出が行われた場合には、当該リーチ演出の種類に応じて遊技者が抱く大当りへの期待感を変化させることができる。
そして、大当り演出用の変動パターンP2a〜P10aのいずれかに基づき図柄変動ゲームが行われると、演出表示装置28にリーチ演出が画像表示され、特別図柄表示装置30及び演出表示装置28の夫々に大当りを認識できる特別図柄の大当り図柄(例えば[1])及び飾り図柄の大当り図柄(例えば[111]など)が最終的に停止表示される。また、はずれリーチ演出用の変動パターンP2b〜P10bのいずれかに基づき図柄変動ゲームが行われると、演出表示装置28にリーチ演出が画像表示され、特別図柄表示装置30及び演出表示装置28の夫々にはずれを認識できる特別図柄のはずれ図柄(本実施形態では[−])及び飾り図柄のはずれ図柄(例えば[121])が最終的に停止表示される。また、はずれ演出用の変動パターンP1に基づき図柄変動ゲームが行われると、演出表示装置28にリーチ演出が画像表示されることなく、特別図柄表示装置30及び演出表示装置28の夫々にはずれを認識できる特別図柄のはずれ図柄(本実施形態では[−])及び飾り図柄のはずれ図柄(例えば[123])が最終的に停止表示される。
次に、サブ統括制御基板46について説明する。
サブ統括制御基板46には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU46aと、統括制御用CPU46aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM46bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM46cが設けられている。統括制御用CPU46aには、統括制御用ROM46bと統括制御用RAM46cが接続されている。そして、統括制御用CPU46aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
次に、演出表示制御基板47について説明する。
演出表示制御基板47には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU47aと、表示制御用CPU47aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM47bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM47cが設けられている。表示制御用CPU47aには、演出表示装置28(画像表示部GH)が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU47aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。表示制御用ROM47bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
以下、主制御基板45、サブ統括制御基板46及び演出表示制御基板47が実行する制御内容を説明する。
主制御基板45の主制御用CPU45aは、上始動入賞口33又は下始動入賞口34へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口スイッチSW1,SW2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM45cに記憶されている始動保留球の記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(始動保留球の記憶数<4)の場合、主制御用CPU45aは、始動保留球の記憶数を1加算(+1)し、前記記憶数を書き換える。また、主制御用CPU45aは、保留判定を肯定判定している場合、大当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、その取得した大当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を始動保留球の記憶数に対応付けて主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU45aは、保留判定の判定結果が否定(始動保留球の記憶数=4)の場合、上限数を超える始動保留球の記憶数の書き換えを行わないとともに、大当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を取得しない。
そして、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM45cの所定の記憶領域に格納した大当り判定用乱数の値を読み出し、その読み出した大当り判定用乱数の値と主制御用ROM45bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りか否かの大当り判定を行う。本実施形態においては、主制御用CPU45aが制御プログラムにしたがって大当り判定を行う処理が抽選処理となる。
大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU45aは、大当りを決定する。大当りを決定した主制御用CPU45aは、大当り図柄用乱数の値をもとに、特別図柄表示装置30で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる大当り図柄(特別図柄)を決定する。特別図柄の大当り図柄は、前述したように確変大当りとなる特別図柄と非確変大当りとなる特別図柄に分類されていることから、特別図柄を決定することによって確変大当りとするか、又は非確変大当りとするかを決定したことになる。また、大当りを決定した主制御用CPU45aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、該値に対応する変動パターンを大当り演出用の変動パターンの中から選択して決定する。
一方、主制御用CPU45aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、はずれを決定した主制御用CPU45aは、はずれリーチ演出を実行するか否かを乱数抽選で決定する。はずれリーチ演出の実行を決定した場合、主制御用CPU45aは、特別図柄表示装置30に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、該値に対応する変動パターンをはずれリーチ演出用の変動パターンの中から選択して決定する。また、はずれリーチ演出の非実行を決定した場合、主制御用CPU45aは、前述同様にはずれ図柄を決定するとともに、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM45cから取得し、該値に対応する変動パターンをはずれ演出用の変動パターンの中から選択して決定する。
本実施形態においては、主制御用CPU45aが制御プログラムにしたがって、大当り判定の判定結果をもとに変動パターンを決定する処理が演出態様決定処理となり、同じく大当り判定の判定結果をもとに特別図柄を決定する処理が特別図柄決定処理となる。
特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU45aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板46(統括制御用CPU46a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU45aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。次に、主制御用CPU45aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU45aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを出力する。本実施形態では、変動パターン指定コマンドが演出態様指示コマンドとなり、停止図柄指定コマンドが特別図柄指示コマンドとなる。また、本実施形態において、主制御用CPU45aが制御プログラムにしたがって、これらの各コマンドを出力する処理が第1コマンド出力処理となる。
また、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始時に始動保留球の記憶数を1減算(−1)し、始動保留球の記憶数を書き換える。そして、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示装置30の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU45aは、図柄変動ゲームの開始により特別図柄の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
次に、サブ統括制御基板46について説明する。
最初に、サブ統括制御基板46が実行する制御内容として、「通常演出モード」時の制御内容を説明する。
サブ統括制御基板46の統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力する。また、統括制御用CPU46aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、その停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板47に出力する。
そして、統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンの種類と停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)の種類から、演出表示装置28で実行される図柄変動ゲームにおいて導出する飾り図柄の図柄組み合わせを構成する各列の図柄を決定する。具体的に言えば、統括制御用CPU46aは、大当り演出用の変動パターンが指定され、かつ特別図柄の停止図柄指定が大当り図柄の場合には、最終的に確定停止表示させる前記図柄組み合わせを構成する飾り図柄として大当り図柄を決定する。このとき、統括制御用CPU46aは、特別図柄の停止図柄指定が確変大当りとなる特別図柄の場合には確変大当りを認識し得る飾り図柄の大当り図柄を決定し、特別図柄の停止図柄指定が非確変大当りとなる特別図柄の場合には非確変大当りを認識し得る飾り図柄の大当り図柄を決定する。
また、統括制御用CPU46aは、はずれ演出用の変動パターンが指定され、特別図柄の停止図柄指定がはずれ図柄の場合には、最終的に確定停止表示させる前記図柄組み合わせを構成する飾り図柄としてはずれ図柄を決定する。このとき、統括制御用CPU46aは、飾り図柄のはずれ図柄として左右列の図柄が同一図柄となるリーチ図柄を含めずに決定する。一方、統括制御用CPU46aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指定され、特別図柄の停止図柄指定がはずれ図柄の場合には、最終的に確定停止表示させる前記図柄組み合わせを構成する飾り図柄としてはずれ図柄を決定する。このとき、統括制御用CPU46aは、飾り図柄のはずれ図柄として左右列の図柄が同一図柄となるリーチ図柄を含めて決定する。そして、飾り図柄を決定した統括制御用CPU46aは、飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンド(演出用図柄指示コマンド)を統括制御用RAM46cに一時記憶し、所定のタイミングで演出表示制御基板47に出力する。
次に、サブ統括制御基板46が実行する制御内容として、「分割演出モード」時の制御内容を説明する。
サブ統括制御基板46の統括制御用CPU46aは、前述した通常演出モード時と同様に、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドを演出表示制御基板47、及び音声・ランプ制御基板48に出力する。また、統括制御用CPU46aは、前述した通常演出モード時と同様に、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、その停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板47に出力する。
そして、分割演出モードにおいて統括制御用CPU46aは、図6に示す分割演出処理にしたがって分割演出に係る各種の制御情報を決定する。この分割演出処理にて決定した各種の制御情報は、制御コマンドとして演出表示制御基板47に順次出力される。具体的には、統括制御用ROM46bに記憶されている統括制御用CPU46aの制御プログラムに示されているコマンド出力処理にて、次周期以降の制御周期で出力される。本実施形態では、統括制御用CPU46aが制御プログラムにしたがって、各コマンドを出力する処理が第2コマンド出力処理となる。
分割演出処理にて統括制御用CPU46aは、分割演出モード時に画像表示部GHに分割形成される4つの表示領域D1〜D4のうち、第1表示領域としての特定の表示領域(後述するステップS11で決定する表示領域)の図柄変動ゲームで導出する第1図柄を作成する(ステップS10)。この第1図柄は、飾り図柄の図柄組み合わせからなる。
ステップS10において統括制御用CPU46aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドで指定された特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)に対応する飾り図柄の図柄組み合わせを第1図柄として決定する。すなわち、ステップS10において統括制御用CPU46aは、前述した「通常演出モード」時と同様の手法で第1図柄を決定する。具体的に言えば、統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンの種類と停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特別図柄)の種類から、特定の表示領域(第1表示領域)で実行される図柄変動ゲームにおいて導出する飾り図柄の図柄組み合わせを構成する各列の図柄を決定する。そして、統括制御用CPU46aは、大当り演出用の変動パターンが指定され、かつ特別図柄の停止図柄指定が大当り図柄の場合には、最終的に確定停止表示させる前記図柄組み合わせを構成する飾り図柄として大当り図柄を決定する。このとき、統括制御用CPU46aは、特別図柄の停止図柄指定が確変大当りとなる特別図柄の場合には確変大当りを認識し得る飾り図柄の大当り図柄を決定し、特別図柄の停止図柄指定が非確変大当りとなる特別図柄の場合には非確変大当りを認識し得る飾り図柄の大当り図柄を決定する。
また、統括制御用CPU46aは、はずれ演出用の変動パターンが指定され、特別図柄の停止図柄指定がはずれ図柄の場合には、最終的に確定停止表示させる前記図柄組み合わせを構成する飾り図柄としてはずれ図柄を決定する。このとき、統括制御用CPU46aは、飾り図柄のはずれ図柄として左右列の図柄が同一図柄となるリーチ図柄を含めずに決定する。一方、統括制御用CPU46aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指定され、特別図柄の停止図柄指定がはずれ図柄の場合には、最終的に確定停止表示させる前記図柄組み合わせを構成する飾り図柄としてはずれ図柄を決定する。このとき、統括制御用CPU46aは、飾り図柄のはずれ図柄として左右列の図柄が同一図柄となるリーチ図柄を含めて決定する。そして、飾り図柄を決定した統括制御用CPU46aは、飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを統括制御用RAM46cに一時記憶し、所定のタイミングで演出表示制御基板47に出力する。
本実施形態では、ステップS10で決定した第1図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドが演出用図柄指示コマンドとなる。また、本実施形態において、統括制御用CPU46aが制御プログラムにしたがって、第1図柄を決定する処理(ステップS10の処理)が、第1表示領域図柄決定処理となる。
続いて、統括制御用CPU46aは、4つに分割形成された画像表示部GHの表示領域D1〜D4のうち、ステップS10で決定した第1図柄を導出する図柄変動ゲームの表示位置を決定する(ステップS11)。なお、以下の説明では、ステップS11で決定する図柄変動ゲームの表示位置(表示領域)を「第1図柄位置」と示す。
ここで、分割演出モード時に、画像表示部GHに分割形成される4つの表示領域D1〜D4について図7(a)を用いてさらに詳しく説明する。
分割演出モード時に画像表示部GHには、遊技者から見て、画面左上に表示領域D1が形成され、画面右上に表示領域D2が形成され、画面左下に表示領域D3が形成され、画面右下に表示領域D4が形成される。そして、分割演出では、全ての表示領域D1〜D4の図柄変動ゲームが通常変動による変動内容で、はずれ演出となる場合、図7(a)中に示す(1)〜(4)の順序で飾り図柄のはずれ図柄が導出される。具体的には、表示領域D1→表示領域D2→表示領域D3→表示領域D4の順に飾り図柄のはずれ図柄が導出される。
また、分割演出では、各表示領域D1〜D4の図柄変動ゲームにおいて、これらのゲームが開始してからリーチを形成し得る図柄列の変動が停止するまでの順序も、図7(a)中に示す(1)〜(4)の順序となる。例えば、全ての表示領域D1〜D4でリーチが形成される場合は、各表示領域D1〜D4で図柄変動ゲームが開始した後、最初に表示領域D1で左列と右列の変動が停止してリーチが形成され、表示領域D1の中列の変動を継続したまま、次に表示領域D2で左列と右列の変動が停止してリーチが形成される。そして、表示領域D1,D2の各中列の変動を継続したまま、次に表示領域D3で左列と右列の変動が停止してリーチが形成され、表示領域D1〜D3の各中列の変動を継続したまま、最後に表示領域D4で左列と右列の変動が停止してリーチが形成される。
なお、リーチを形成しない領域が存在する場合、そのリーチを形成しない表示領域では全ての図柄列の変動が停止してはずれ図柄が導出され、その後に次の順序の表示領域で図柄列の変動が停止する。例えば、表示領域D1でリーチが形成されず、他の表示領域D2〜D4でリーチが形成される場合には、最初に表示領域D1で全ての図柄列の変動が停止し、その後は前述したように表示領域D2→表示領域D3→表示領域D4の順序でリーチが形成されていく。
図6の分割演出処理のステップS11の説明に戻り、ステップS11にて統括制御用CPU46aは、図7(b)に示す第1図柄位置決定テーブルにしたがって第1図柄位置を決定する。第1図柄位置決定テーブルには、4個の第1図柄位置指定パターンI1〜I4が規定されており、各第1図柄位置指定パターンI1〜I4には当該パターンから特定される1つの第1図柄位置とその第1図柄位置を指示するための1つの位置指定コマンドが対応付けられている。例えば、第1図柄位置指定パターンI1には、第1図柄位置「左上(表示領域D1)」と位置指定コマンド「BAH00H」が対応付けられている。そして、ステップS11にて統括制御用CPU46aは、第1図柄位置決定テーブルに規定される4個の第1図柄位置指定パターンI1〜I4の中から1つの第1図柄位置指定パターンを乱数抽選により決定する。本実施形態では、各第1図柄位置指定パターンI1〜I4の選択割合が、4分の1に設定されている。
位置指定コマンドは、2バイトの制御データから構成され、1バイト目が各コマンドで共通な「BAH」で構成されるとともに、2バイト目が「00H」〜「03H」の範囲で異なる4種類で構成される。そして、第1図柄位置を決定した統括制御用CPU46aは、第1図柄位置を指示する位置指定コマンドを統括制御用RAM46cに一時記憶し、所定のタイミングで演出表示制御基板47に出力する。
本実施形態では、位置指定コマンドが第1表示領域指示コマンドとなる。また、本実施形態において、統括制御用CPU46aが制御プログラムにしたがって、第1表示領域としての第1図柄位置を決定する処理(ステップS11の処理)が、表示領域決定処理となる。そして、本実施形態においては、ステップS11で決定した第1図柄位置に、ステップS10で決定した第1図柄、すなわち特別図柄表示装置30に導出される特別図柄に対応する飾り図柄が導出されることになる。
続いて、統括制御用CPU46aは、4つに分割形成された画像表示部GHの表示領域D1〜D4のうち、ステップS12で決定した第1図柄位置となる表示領域以外の他の3つの表示領域でノーマルリーチの演出を行うか否かを決定する(ステップS12)。なお、以下の説明では、第1図柄位置となる表示領域以外の他の3つの表示領域で行われる図柄変動ゲームの表示位置を「第2図柄位置」と示す。そして、3つの第2図柄位置については、これらの位置を区別するために「Z1」、「Z2」、「Z3」の符号を付す。また、第2図柄位置Z1〜Z3の図柄変動ゲームで導出される図柄を「第2図柄」と示す。この第2図柄は、飾り図柄の図柄組み合わせからなる。
ここで、ステップS11で決定した第1図柄位置と、その第1図柄位置以外の3つの第2図柄位置Z1〜Z3の関係を図8にしたがって説明する。
図8(a)に示すように、第1図柄位置を画面左上の表示領域D1とした場合、画面右上の表示領域D2を第2図柄位置Z1とし、画面左下の表示領域D3を第2図柄位置Z2とし、画面右下の表示領域D4を第2図柄位置Z3とする。また、図8(b)に示すように、第1図柄位置を画面右上の表示領域D2とした場合、画面左上の表示領域D1を第2図柄位置Z1とし、画面左下の表示領域D3を第2図柄位置Z2とし、画面右下の表示領域D4を第2図柄位置Z3とする。また、図8(c)に示すように、第1図柄位置を画面左下の表示領域D3とした場合、画面左上の表示領域D1を第2図柄位置Z1とし、画面右上の表示領域D2を第2図柄位置Z2とし、画面右下の表示領域D4を第2図柄位置Z3とする。また、図8(d)に示すように、第1図柄位置を画面右下の表示領域D4とした場合、画面左上の表示領域D1を第2図柄位置Z1とし、画面右上の表示領域D2を第2図柄位置Z2とし、画面左下の表示領域D3を第2図柄位置Z3とする。
図6の分割演出処理のステップS12の説明に戻り、ステップS12にて統括制御用CPU46aは、図9に示す第2図柄のノーマルリーチ有り無し決定テーブルにしたがって3つの第2図柄位置Z1〜Z3の図柄変動ゲームでノーマルリーチの演出を行うか否かを決定する。なお、本実施形態では、3つの第2図柄位置Z1〜Z3の図柄変動ゲームでノーマルリーチの演出を行う条件として、第1図柄位置の図柄変動ゲームでノーマルリーチの演出を伴う図柄変動ゲームが行われることとしている。すなわち、主制御用CPU45aが、変動パターンとして大当り演出用の変動パターンP2a〜P10a及びはずれリーチ演出用の変動パターンP2b〜P10bの中から1つの変動パターンを決定している場合としている。このため、ステップS12にて統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドで指定される変動パターンが、変動パターンP2a〜P10a,P2b〜P10bの何れかであるか否かを判定する。そして、この判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU46aは、ノーマルリーチ有り無し決定テーブルにしたがって3つの第2図柄位置Z1〜Z3の図柄変動ゲームでノーマルリーチの演出を行うか否かを決定する。一方、統括制御用CPU46aは、前記判定結果が否定の場合、ステップS12にてノーマルリーチの演出を行うか否かを決定せずに、次のステップS13に移行する。
第2図柄のノーマルリーチ有り無し決定テーブルには、8個のリーチ指定パターンR1〜R8が規定されており、各リーチ指定パターンR1〜R8には3つの第2図柄位置Z1〜Z3におけるノーマルリーチの演出の有無とその有無を指示するための1つのノーマルリーチ指定コマンドが対応付けられている。例えば、リーチ指定パターンR1には、全ての第2図柄位置Z1〜Z3において「ノーマルリーチの演出無し」とノーマルリーチ指定コマンド「BBH00H」が対応付けられている。そして、ステップS12にて統括制御用CPU46aは、第2図柄のノーマルリーチ有り無し決定テーブルに規定される8個のリーチ指定パターンR1〜R8の中から1つのリーチ指定パターンを乱数抽選により決定する。本実施形態では、各リーチ指定パターンR1〜R8の選択割合が、8分の1に設定されている。
ノーマルリーチ指定コマンドは、2バイトの制御データから構成され、1バイト目が各コマンドで共通な「BBH」で構成されるとともに、2バイト目が「00H」〜「07H」の範囲で異なる8種類で構成される。そして、ノーマルリーチの演出の有無を決定した統括制御用CPU46aは、ノーマルリーチの演出の有無を指示するノーマルリーチ指定コマンドを統括制御用RAM46cに一時記憶し、所定のタイミングで演出表示制御基板47に出力する。
本実施形態では、ノーマルリーチ指定コマンドが特定表示態様指示コマンドとなる。また、本実施形態において、統括制御用CPU46aが制御プログラムにしたがって、特定表示態様の演出としてのノーマルリーチの演出の有無を決定する処理(ステップS12の処理)が、特定表示態様決定処理となる。そして、本実施形態においては、第2図柄位置Z1〜Z3の図柄変動ゲームの演出態様が統括制御用CPU46aにより決定され、その一方で、第1図柄位置の図柄変動ゲームの演出態様が「通常演出モード」時と同様に主制御用CPU45aにより決定されることになる。
続いて、統括制御用CPU46aは、第1図柄位置及び第2図柄位置Z1〜Z3の各図柄位置(表示領域D1〜D4)の各図柄変動ゲームで第1特定演出としてのリーチ前予告の演出を行うか否かを決定する(ステップS13)。リーチ前予告は、大当りとなるか否かを示唆する演出であり、リーチが形成される前に行われる。本実施形態のリーチ前予告の演出は、特定のキャラクタを画像表示する形態で行われる。
そして、ステップS13にて統括制御用CPU46aは、図10に示すリーチ前予告有り無し決定テーブルにしたがって第1図柄位置及び第2図柄位置Z1〜Z3の図柄変動ゲームでリーチ前予告の演出を行うか否かを決定する。なお、ステップS13にて統括制御用CPU46aは、変動パターン指定コマンドで指定される変動パターンの種類に関係なく、リーチ前予告の演出を行うか否かを決定する。
リーチ前予告有り無し決定テーブルには、16個のリーチ前予告指定パターンY1〜Y16が規定されている。そして、各リーチ前予告指定パターンY1〜Y16には、第1図柄位置と3つの第2図柄位置Z1〜Z3におけるリーチ前予告の演出の有無とその有無を指示するための1つのリーチ前予告指定コマンドが対応付けられている。例えば、リーチ前予告指定パターンY1には、第1図柄位置と第2図柄位置Z1〜Z3の全てにおいて「リーチ前予告の演出無し」とリーチ前予告指定コマンド「BCH00H」が対応付けられている。そして、ステップS13にて統括制御用CPU46aは、リーチ前予告有り無し決定テーブルに規定される16個のリーチ前予告指定パターンY1〜Y16の中から1つのリーチ前予告指定パターンを乱数抽選により決定する。本実施形態では、各リーチ前予告指定パターンY1〜Y16の選択割合が、16分の1に設定されている。
リーチ前予告指定コマンドは、2バイトの制御データから構成され、1バイト目が各コマンドで共通な「BCH」で構成されるとともに、2バイト目が「00H」〜「0FH」の範囲で異なる16種類で構成される。そして、リーチ前予告の演出の有無を決定した統括制御用CPU46aは、リーチ前予告の演出の有無を指示するリーチ前予告指定コマンドを統括制御用RAM46cに一時記憶し、所定のタイミングで演出表示制御基板47に出力する。
続いて、統括制御用CPU46aは、リーチ前予告の演出の内容を決定する(ステップS14)。本実施形態では、リーチ前予告の演出の内容として、リーチ前予告の出現時に、当該リーチ前予告が出現する図柄位置(表示領域)に画像表示する背景色を決定する。本実施形態では、背景色として、「白」、「赤」、「銀」及び「金」の4色が設定されている。
そして、ステップS14にて統括制御用CPU46aは、図11に示すリーチ前予告色決定テーブルにしたがって背景色を決定する。なお、ステップS14にて統括制御用CPU46aは、ステップS13にて第1図柄位置及び第2図柄位置Z1〜Z3のうち、リーチ前予告を出現させる図柄位置(表示領域)を決定している場合に、4色の背景色の中から何れか1つの背景色を決定する。
リーチ前予告色決定テーブルには、4個の色指定パターンC1〜C4が規定されている。そして、各色指定パターンC1〜C16には、色種類とその色種類を指示するための1つの色指定コマンドが対応付けられている。例えば、色指定パターンC1には、色種類として「白」と色指定コマンド「BDH00H」が対応付けられている。そして、ステップS14にて統括制御用CPU46aは、リーチ前予告色決定テーブルに規定される4個の色指定パターンC1〜C4の中から1つの色指定パターンを乱数抽選により決定する。
本実施形態では、変動パターン指定コマンドで指示された変動パターンに応じてリーチ前予告色決定テーブルから色指定パターンを選択する割合が異なるように設定されている。具体的に言えば、大当り演出用の変動パターンP2a〜P10aが指定されている場合には、色指定パターンC1(「白」)の選択割合が最も低くい一方で、色指定パターンC4(「金」)の選択割合が最も高く、「白」→「赤」→「銀」→「金」の順に選択割合を高く設定している。その一方で、はずれリーチ演出用及びはずれ演出用の変動パターンP1,P2a〜P10aが指定されている場合には、色指定パターンC4(「金」)の選択割合が最も低くい一方で、色指定パターンC1(「白」)の選択割合が最も高く、「金」→「銀」→「赤」→「白」の順に選択割合を高く設定している。これにより、リーチ前予告の演出の内容、すなわち背景色により大当りへの期待度を変化させることができる。
色指定コマンドは、2バイトの制御データから構成され、1バイト目が各コマンドで共通な「BDH」で構成されるとともに、2バイト目が「00H」〜「03H」の範囲で異なる4種類で構成される。そして、リーチ前予告の演出の内容(背景色)を決定した統括制御用CPU46aは、リーチ前予告の演出の内容を指示する色指定コマンドを統括制御用RAM46cに一時記憶し、所定のタイミングで演出表示制御基板47に出力する。
本実施形態では、リーチ前予告指定コマンド及び色指定コマンドにより第1特定演出コマンドが構成される。また、本実施形態において、統括制御用CPU46aが制御プログラムにしたがって、第1特定演出としてのリーチ前予告の演出の有無を決定する処理(ステップS13の処理)と、リーチ前予告の内容(背景色)を決定する処理(ステップS14の処理)が、第1特定演出決定処理となる。
続いて、統括制御用CPU46aは、第1図柄位置及び第2図柄位置Z1〜Z3の各図柄位置(表示領域D1〜D4)の各図柄変動ゲームで第2特定演出としてのリーチ後予告の演出を行うか否かを決定するとともに、そのリーチ後予告の演出の内容を決定する(ステップS15)。リーチ後予告は、大当りとなるか否かを示唆する演出であり、リーチが形成された後に行われる。本実施形態のリーチ後予告の演出は、ノーマルリーチから発展する可能性があるスーパーリーチの演出の種類を示唆するように、当該スーパーリーチの演出に登場するキャラクタを示すロゴを画像表示する形態で行われる。
そして、ステップS15にて統括制御用CPU46aは、図12及び図13(a)〜(c)に示す各リーチ後予告種類決定テーブルにしたがって第1図柄位置及び第2図柄位置Z1〜Z3の図柄変動ゲームでリーチ後予告の演出を行うか否かを決定する。本実施形態では、第1図柄位置及び第2図柄位置Z1〜Z3の図柄位置毎のリーチ後予告種類決定テーブルが設定されており、図柄位置毎に対応するリーチ後予告種類決定テーブルにしたがってリーチ後予告の演出を行うか否か、及びリーチ後予告の演出の内容を決定する。また、ステップS15にて統括制御用CPU46aは、ノーマルリーチの演出を伴う図柄変動ゲームが行われる図柄位置を対象にして、リーチ後予告の実行の可否、及びリーチ後予告の演出の内容を決定する。すなわち、ステップS15にて統括制御用CPU46aは、通常変動の図柄変動ゲームが行われる図柄位置については、リーチ後予告の実行の可否、及びリーチ後予告の演出の内容を決定しない。
図12は、第1図柄位置に対応するリーチ後予告種類決定テーブルである。このテーブルには、18個のリーチ後予告種類指定パターンE1〜E18が規定されている。そして、各リーチ後予告種類指定パターンE1〜E18には、リーチ後予告の実行の可否と実行可の場合におけるリーチ後予告の種類からなる予告内容と、その予告内容を指示するための1つのリーチ後予告指定コマンドが対応付けられている。
本実施形態においてリーチ後予告種類指定パターンE1は、リーチ後予告が実行否の予告内容とされており、リーチ後予告指定コマンド「BEH00H」が対応付けられている。また、本実施形態においてリーチ後予告種類指定パターンE2は、リーチ後予告が実行可であって、発展する可能性があるスーパーリーチの種類を秘匿する「?」を画像表示する予告内容とされており、リーチ後予告指定コマンド「BEH01H」が対応付けられている。
また、本実施形態においてリーチ後予告種類指定パターンE3〜E10は、リーチ後予告が実行可であって、発展する可能性があるスーパーリーチの種類を報知する「ロゴA」〜「ロゴH」を画像表示する予告内容とされており、リーチ後予告指定コマンド「BEH02H」〜「BEH09H」が対応付けられている。なお、「ロゴA」は「スーパーリーチA」に、「ロゴB」は「スーパーリーチB」に、「ロゴC」は「スーパーリーチC」に、「ロゴD」は「スーパーリーチD」に、それぞれ対応する。また、「ロゴE」は「スーパーリーチE」に、「ロゴF」は「スーパーリーチF」に、「ロゴG」は「スーパーリーチG」に、「ロゴH」は「スーパーリーチH」に、それぞれ対応する。
また、本実施形態においてリーチ後予告種類指定パターンE11〜E18は、リーチ後予告が実行可であって、発展する可能性があるスーパーリーチの種類を報知する「ロゴA」〜「ロゴH」を画像表示する予告内容とされており、リーチ後予告指定コマンド「BEH0AH」〜「BEH11H」が対応付けられている。このリーチ後予告種類指定パターンE11〜E18は、前述したリーチ後予告種類指定パターンE3〜E10とは異なり、リーチ後予告の開始タイミングで「?」を一旦画像表示し、その後に発展する可能性があるスーパーリーチの種類を報知する「ロゴA」〜「ロゴH」を画像表示する予告内容とされている。
そして、ステップS15にて統括制御用CPU46aは、第1図柄位置でノーマルリーチの演出を伴う図柄変動ゲームが行われる場合、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンの種類をもとに1つのリーチ後予告種類指定パターンを決定する。
具体的に言えば、統括制御用CPU46aは、変動内容がノーマルリーチとなる変動パターンP2a,P2bの場合、リーチ後予告種類指定パターンE1,E2の何れかを乱数抽選(選択割合は2分の1)により決定する。また、統括制御用CPU46aは、変動内容がスーパーリーチAとなる変動パターンP3a,P3bの場合、リーチ後予告種類指定パターンE3,E11の何れかを乱数抽選(選択割合は2分の1)により決定する。また、統括制御用CPU46aは、変動内容がスーパーリーチBとなる変動パターンP4a,P4bの場合、リーチ後予告種類指定パターンE4,E12の何れかを乱数抽選(選択割合は2分の1)により決定する。同様に、統括制御用CPU46aは、変動パターンP5a,P5bの場合にはリーチ後予告種類指定パターンE5,E13の何れかを、変動パターンP6a,P6bの場合にはリーチ後予告種類指定パターンE6,E14の何れかを、それぞれ決定する。また、同様に、統括制御用CPU46aは、変動パターンP7a,P7bの場合にはリーチ後予告種類指定パターンE7,E15の何れかを、変動パターンP8a,P8bの場合にはリーチ後予告種類指定パターンE8,E16の何れかを、それぞれ決定する。また、同様に、統括制御用CPU46aは、変動パターンP9a,P9bの場合にはリーチ後予告種類指定パターンE9,E17の何れかを、変動パターンP10a,P10bの場合にはリーチ後予告種類指定パターンE10,E18の何れかを、それぞれ決定する。この決定により、変動パターンの変動内容にしたがって図柄変動ゲームが行われる第1図柄位置では、発展するリーチの演出の種類に対応したリーチ後予告の演出が行われることになる。
第1図柄位置のリーチ後予告種類決定テーブルのリーチ後予告指定コマンドは、2バイトの制御データから構成され、1バイト目が各コマンドで共通な「BEH」で構成されるとともに、2バイト目が「00H」〜「11H」の範囲で異なる18種類で構成される。そして、第1図柄位置におけるリーチ後予告の演出の実行可否を決定した統括制御用CPU46aは、リーチ後予告指定コマンドを統括制御用RAM46cに一時記憶し、所定のタイミングで演出表示制御基板47に出力する。
図13(a)は、第2図柄位置Z1に対応するリーチ後予告種類決定テーブルである。このテーブルには、10個のリーチ後予告種類指定パターンF1〜F10が規定されている。そして、各リーチ後予告種類指定パターンF1〜F10には、リーチ後予告の実行の可否と実行可の場合におけるリーチ後予告の種類からなる予告内容と、その予告内容を指示するための1つのリーチ後予告指定コマンドが対応付けられている。本実施形態においてリーチ後予告種類指定パターンF1は、リーチ後予告が実行否の予告内容とされており、リーチ後予告指定コマンド「BFH00H」が対応付けられている。また、本実施形態においてリーチ後予告種類指定パターンFは、リーチ後予告が実行可であって、発展する可能性があるスーパーリーチの種類を秘匿する「?」を画像表示する予告内容とされており、リーチ後予告指定コマンド「BFH01H」が対応付けられている。また、本実施形態においてリーチ後予告種類指定パターンF3〜E10は、リーチ後予告が実行可であって、発展する可能性があるスーパーリーチの種類を報知する「ロゴA」〜「ロゴH」を画像表示する予告内容とされており、リーチ後予告指定コマンド「BEH01H」〜「BEH09H」が対応付けられている。
そして、ステップS15にて統括制御用CPU46aは、第2図柄位置Z1でノーマルリーチの演出を伴う図柄変動ゲームが行われる場合、第2図柄位置Z1のリーチ後予告種類決定テーブルに規定される10個のリーチ後予告種類指定パターンF1〜F10の中から1つのリーチ後予告種類指定パターンを乱数抽選により決定する。本実施形態では、各リーチ後予告種類指定パターンF1〜F10の選択割合が、10分の1に設定されている。
第2図柄位置Z1のリーチ後予告種類決定テーブルのリーチ後予告指定コマンドは、2バイトの制御データから構成され、1バイト目が各コマンドで共通な「BFH」で構成されるとともに、2バイト目が「00H」〜「09H」の範囲で異なる10種類で構成される。そして、第2図柄位置Z1におけるリーチ後予告の演出の実行可否を決定した統括制御用CPU46aは、リーチ後予告指定コマンドを統括制御用RAM46cに一時記憶し、所定のタイミングで演出表示制御基板47に出力する。
図13(b)は、第2図柄位置Z2に対応するリーチ後予告種類決定テーブルである。このテーブルには、10個のリーチ後予告種類指定パターンG1〜G10が規定されている。そして、各リーチ後予告種類指定パターンG1〜G10には、リーチ後予告の実行の可否と実行可の場合におけるリーチ後予告の種類からなる予告内容と、その予告内容を指示するための1つのリーチ後予告指定コマンドが対応付けられている。なお、リーチ後予告種類指定パターンG1〜G10の予告内容は、第2図柄位置Z1に対応するリーチ後予告種類決定テーブルのリーチ後予告種類指定パターンF1〜F10と同一内容に設定されている。
そして、ステップS15にて統括制御用CPU46aは、第2図柄位置Z2でノーマルリーチの演出を伴う図柄変動ゲームが行われる場合、第2図柄位置Z2のリーチ後予告種類決定テーブルに規定される10個のリーチ後予告種類指定パターンG1〜G10の中から1つのリーチ後予告種類指定パターンを乱数抽選により決定する。本実施形態では、各リーチ後予告種類指定パターンG1〜G10の選択割合が、10分の1に設定されている。
第2図柄位置Z2のリーチ後予告種類決定テーブルのリーチ後予告指定コマンドは、2バイトの制御データから構成され、1バイト目が各コマンドで共通な「C8H」で構成されるとともに、2バイト目が「00H」〜「09H」の範囲で異なる10種類で構成される。そして、第2図柄位置Z2におけるリーチ後予告の演出の実行可否を決定した統括制御用CPU46aは、リーチ後予告指定コマンドを統括制御用RAM46cに一時記憶し、所定のタイミングで演出表示制御基板47に出力する。
図13(c)は、第2図柄位置Z3に対応するリーチ後予告種類決定テーブルである。このテーブルには、10個のリーチ後予告種類指定パターンH1〜H10が規定されている。そして、各リーチ後予告種類指定パターンH1〜H10には、リーチ後予告の実行の可否と実行可の場合におけるリーチ後予告の種類からなる予告内容と、その予告内容を指示するための1つのリーチ後予告指定コマンドが対応付けられている。なお、リーチ後予告種類指定パターンH1〜H10の予告内容は、第2図柄位置Z1に対応するリーチ後予告種類決定テーブルのリーチ後予告種類指定パターンF1〜F10と同一内容に設定されている。
そして、ステップS15にて統括制御用CPU46aは、第2図柄位置Z3でノーマルリーチの演出を伴う図柄変動ゲームが行われる場合、第2図柄位置Z3のリーチ後予告種類決定テーブルに規定される10個のリーチ後予告種類指定パターンH1〜H10の中から1つのリーチ後予告種類指定パターンを乱数抽選により決定する。本実施形態では、各リーチ後予告種類指定パターンH1〜H10の選択割合が、10分の1に設定されている。
第2図柄位置Z3のリーチ後予告種類決定テーブルのリーチ後予告指定コマンドは、2バイトの制御データから構成され、1バイト目が各コマンドで共通な「C9H」で構成されるとともに、2バイト目が「00H」〜「09H」の範囲で異なる10種類で構成される。そして、第2図柄位置Z3におけるリーチ後予告の演出の実行可否を決定した統括制御用CPU46aは、リーチ後予告指定コマンドを統括制御用RAM46cに一時記憶し、所定のタイミングで演出表示制御基板47に出力する。
本実施形態では、リーチ後予告指定コマンドが第2特定演出コマンドとなる。また、本実施形態において、統括制御用CPU46aが制御プログラムにしたがって、第2特定演出としてのリーチ後予告の演出の実行の可否を決定する処理(ステップS15の処理)が、第2特定演出決定処理となる。
次に、演出表示制御基板47について説明する。
最初に、演出表示制御基板47が実行する制御内容として、「通常演出モード」時の制御内容を説明する。
演出表示制御基板47の表示制御用CPU47aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように画像表示部GHの表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU47aは、選択した演出内容をもとに表示制御用ROM47bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。表示制御用CPU47aは、「通常演出モード」時には画像表示部GHに表示領域Dのみを形成し、その表示領域Dで図柄変動ゲームを画像表示するための表示用データを生成する。
そして、表示制御用CPU47aは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに画像表示部GHの表示領域Dに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、2ms毎)に切り替える。そして、表示制御用CPU47aは、図柄変動ゲーム中に特別図柄用の図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された図柄を画像表示部GHに確定停止表示させるように画像表示部GHの表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。
次に、演出表示制御基板47が実行する制御内容として、「分割演出モード」時の制御内容を説明する
演出表示制御基板47の表示制御用CPU47aは、「通常演出モード」から「分割演出モード」に切り替わると、画像表示部GHに4つの表示領域D1〜D4を形成し、その各表示領域D1〜D4で図柄変動ゲームを画像表示するための表示用データを生成する。
そして、表示制御用CPU47aは、入力した位置指定コマンドから第1図柄位置となる表示領域を表示領域D1〜D4の中から特定し、その第1図柄位置となる表示領域については「通常演出モード」時と同様に制御を行う。すなわち、変動パターンに対応する演出内容をもとに表示用データを生成し、その表示用データをもとに第1図柄位置の表示領域Dに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、2ms毎)に切り替える。また、表示制御用CPU47aは、入力した飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された図柄を、第1図柄位置の図柄変動ゲームで導出する図柄として制御を行う。
一方、表示制御用CPU47aは、第2図柄位置Z1〜Z3については入力したノーマルリーチ指定コマンドから、第2図柄位置Z1〜Z3においてノーマルリーチの演出を行うか否かを特定し、その特定した結果をもとに第2図柄位置Z1〜Z3の図柄変動ゲームで導出する第2図柄を作成する。なお、表示制御用CPU47aは、図8に示す第1図柄位置と、その第1図柄位置以外の第2図柄位置Z1〜Z3の関係をもとに、今回の変動における第2図柄位置Z1〜Z3が表示領域D1〜D4のどこに該当するかを特定する。
第2図柄の作成に際して表示制御用CPU47aは、ノーマルリーチの演出を行う第2図柄位置で導出する第2図柄については左右列の図柄が同一となるリーチ図柄を含めたはずれ図柄を作成する。その一方で、表示制御用CPU47aは、ノーマルリーチの演出を行わない第2図柄位置で導出する第2図柄については左右列の図柄が同一となるリーチ図柄を含まないはずれ図柄を作成する。
そして、表示制御用CPU47aは、ノーマルリーチの演出を行う第2図柄表示位置についてはノーマルリーチの演出を経てはずれ図柄を導出する演出内容を含む表示用データを生成し、その表示用データをもとに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、2ms毎)に切り替える。また、表示制御用CPU47aは、作成した第2図柄を第2図柄位置の図柄変動ゲームで導出する図柄として制御を行う。
一方、表示制御用CPU47aは、ノーマルリーチの演出を行わない第2図柄表示位置については通常変動を経てはずれ図柄を導出する演出内容を含む表示用データを生成し、その表示用データをもとに映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、2ms毎)に切り替える。また、表示制御用CPU47aは、作成した第2図柄を第2図柄位置の図柄変動ゲームで導出する図柄として制御を行う。
また、表示制御用CPU47aは、入力したリーチ前予告指定コマンドから、第1図柄位置の図柄変動ゲームでリーチ前予告を行うか否か、及び第2図柄位置Z1〜Z3の図柄変動ゲームでリーチ前予告を行うか否かを特定する。また、表示制御用CPU47aは、リーチ前予告を行う図柄位置が存在する場合、入力した色指定コマンドからリーチ前予告の背景色を特定する。そして、表示制御用CPU47aは、特定した図柄位置に特定した背景色でリーチ前予告を行うための表示用データを生成し、その表示用データをもとに所定のタイミングでリーチ前予告を画像表示する。本実施形態においてリーチ前予告は、第1図柄位置及び第2図柄位置Z1〜Z3において図柄変動ゲームが開始してから、全ての図柄位置の図柄変動ゲームで最初の図柄列(全て左列)の変動が停止するまでの間に行われる。
また、表示制御用CPU47aは、入力したリーチ後予告指定コマンドから、第1図柄位置の図柄変動ゲームにおけるリーチ後予告の種類、及び第2図柄位置Z1〜Z3の図柄変動ゲームにおけるリーチ後予告の種類を特定する。そして、表示制御用CPU47aは、リーチ後予告を行う図柄位置が存在する場合、その図柄位置で特定した種類のリーチ後予告を行うための表示用データを生成し、その表示用データをもとに所定のタイミングでリーチ後予告を画像表示する。本実施形態においてリーチ後予告は、ノーマルリーチの演出を行う図柄位置でリーチが形成され、かつ通常変動の図柄位置ではずれ図柄が導出された後に行われる。
本実施形態では、表示制御用CPU47aが制御プログラムにしたがって、第2図柄としてのはずれを認識し得る飾り図柄を作成する処理が、第2表示領域図柄決定処理となる。また、本実施形態では、制御プログラムにしたがって表示制御用CPU47aが、画像表示部GHに分割形成された4つの表示領域D1〜D4に飾り図柄の変動表示結果を導出する表示制御処理を実行する。
以下、分割演出モード時に表示制御用CPU47aが実行する表示制御処理により、画像表示部GHに画像表示される分割演出の態様を図14〜図18にしたがって説明する。
図14は、主制御用CPU45aがはずれ演出用の変動パターンP1(通常変動)と特別図柄としてはずれ図柄[−]を決定した場合の分割演出の態様を示す。なお、図14に示す分割演出の態様の説明では、統括制御用CPU46aが第1図柄位置として表示領域D2を決定した場合を例にする。
この例では、全ての表示領域D1〜D4において図柄変動ゲームが開始された後(図14(a))、最初に画面左上の表示領域D1の図柄変動ゲームにおいて左列→中列→右列の順序で各図柄列の変動が停止し、はずれを認識し得る飾り図柄のはずれ図柄(この例では[762])が導出される(図14(b))。次に、画面右上の表示領域D2の図柄変動ゲームにおいて、同様に左列→中列→右列の順序で各図柄列の変動が停止し、はずれを認識し得る飾り図柄のはずれ図柄(この例では[614])が導出される(図14(c))。次に、画面左下の表示領域D3の図柄変動ゲームにおいて、同様に左列→中列→右列の順序で各図柄列の変動が停止し、はずれを認識し得る飾り図柄のはずれ図柄(この例では[532])が導出される(図14(d))。そして、最後に画面右下の表示領域D4の図柄変動ゲームにおいて左列→中列→右列の順序で各図柄列の変動が停止し、はずれを認識し得る飾り図柄のはずれ図柄(この例では[256])が導出される(図14(e))。その後、変動パターンP1に定める変動時間T1の経過時に、特別図柄表示装置30にはずれ図柄[−]が確定停止表示されるとともに、演出表示装置28の各表示領域D1〜D4の飾り図柄のはずれ図柄が確定停止表示され、はずれが確定する。
図15及び図16は、主制御用CPU45aが大当り演出用の変動パターンP4a(スーパーリーチB)と確変大当りとなる大当り図柄を決定した場合の分割演出の態様を示す。また、図15及び図16に示す分割演出の態様の説明では、統括制御用CPU46aが第1図柄位置として表示領域D2を決定した場合を例にする。また、図15及び図16に示す分割演出の態様の説明では、統括制御用CPU46aが第2図柄位置Z1(表示領域D1),Z3(表示領域D4)でノーマルリーチの演出を行うことを決定した場合(リーチ指定パターンR6)を例にする。また、図15及び図16に示す分割演出の態様の説明では、統括制御用CPU46aが第1図柄位置(表示領域D2)、第2図柄位置Z1(表示領域D1),Z3(表示領域D4)で、背景色「銀(色指定パターンC3)」のリーチ前予告を行うことを決定した場合(リーチ前予告指定パターンY13)を例にする。また、図15及び図16に示す分割演出の態様の説明では、統括制御用CPU46aが第1図柄位置(表示領域D2)のリーチ後予告として「ロゴB(リーチ後予告種類指定パターンE4)」を決定した場合を例にする。また、図15及び図16に示す分割演出の態様の説明では、統括制御用CPU46aが第2図柄位置Z1(表示領域D1),Z2(表示領域D3),Z3(表示領域D4)の各リーチ後予告として「ロゴA(リーチ後予告種類指定パターンF3)」、「なし(リーチ後予告種類指定パターンG1)」、「ロゴC(リーチ後予告種類指定パターンH5)」をそれぞれ決定した場合を例にする。
この例では、全ての表示領域D1〜D4において図柄変動ゲームが開始された後(図15(a))、背景色が銀色のリーチ前予告の演出が表示領域D1,D2,D4で表示される(図15(b))。そして、リーチ前予告の演出が画面から消えた後、最初に画面左上の表示領域D1の図柄変動ゲームにおいて左列→右列の順序で図柄列の変動が停止し、同一図柄(この例では[6↓6]」)が導出されることによりリーチが形成され、ノーマルリーチの演出が行われる(図15(c))。次に、ノーマルリーチ中の表示領域D1の中列が変動を続行したまま、続いて画面右上の表示領域D2の図柄変動ゲームにおいて左列→右列の順序で図柄列の変動が停止し、同一図柄(この例では[7↓7])が導出されることによりリーチが形成され、ノーマルリーチの演出が行われる(図15(d))。
次に、ノーマルリーチ中の表示領域D1,D2の中列が変動を続行したまま、続いて画面左下の表示領域D3の図柄変動ゲームにおいて左列→右列→中列の順序で各図柄列の変動が停止する。そして、表示領域D3には、はずれを認識し得る飾り図柄のはずれ図柄(この例では[624])が導出される(図15(e))。次に、ノーマルリーチ中の表示領域D1,D2の中列が変動を続行したまま、続いて画面右下の表示領域D4の図柄変動ゲームにおいて左列→右列の順序で図柄列の変動が停止し、同一図柄(この例では[5↓5])が導出されることによりリーチが形成され、ノーマルリーチの演出が行われる(図15(f))。
そして、リーチを形成した表示領域D1,D2,D4を対象として、リーチ後予告の演出が表示される(図16(a))。この例では、表示領域D1にスーパーリーチAを示唆する「ロゴA」が、表示領域D2にスーパーリーチBを示唆する「ロゴB」が、表示領域D4にスーパーリーチCを示唆する「ロゴC」がリーチ後予告の演出として表示される。そして、リーチ後予告の演出が表示された後、画像表示部GHでは、リーチ後予告の対象となった表示領域D1,D2,D4を対象とし、これから発展すべきスーパーリーチの種類を選択する選択演出が行われる(図16(a))。この選択演出は、ルーレットで1つの情報を選び出すような演出に見立て、3つの表示領域D1,D2,D4に選択バー36(図16(a)に斜線で示す)が順番に移動し、1つの表示領域で選択バー36が停止する。
この例では、選択演出において選択バー36が第1図柄位置である表示領域D2に停止し、その表示領域D2に表示された「ロゴB」が選出されるとともに、他の表示領域D1,D4では中列の変動が停止し、ノーマルリーチの演出によってはずれを認識し得る飾り図柄のはずれ図柄が導出される。その後、画像表示部GHでは、選択演出で選択された表示領域D2が拡大表示され(図16(b))、スーパーリーチの演出(この例ではスーパーリーチB)が行われる。そして、表示領域D2には、スーパーリーチの演出によって中列の変動が停止し、リーチを形成する左右2列の飾り図柄(この例では図柄[7])と同一図柄(この例では図柄[7])が導出される。その後、変動パターンP4aに定める変動時間T4aの経過時に、特別図柄表示装置30に大当り図柄(例えば[1])が確定停止表示されるとともに、表示領域D2に導出された飾り図柄の大当り図柄が確定停止表示され、大当りが確定する。
因みに、主制御用CPU45aがはずれリーチ演出用の変動パターンP4b(スーパーリーチB)とはずれ図柄を決定し、その他を図15(a)〜(f)及び図16(a),(b)の態様と同一条件に決定した場合は、図16(b)から図16(d)の結果が導出され、はずれが確定する。すなわち、この場合は、スーパーリーチに発展したが、大当りとはならず、表示領域D2にはずれを認識し得るはずれ図柄(この例では[757]が導出される)。
図17及び図18は、主制御用CPU45aが大当り演出用の変動パターンP2a(ノーマルリーチ)と確変大当りとなる大当り図柄を決定した場合の分割演出の態様を示す。また、図17及び図18に示す分割演出の態様の説明では、統括制御用CPU46aが第1図柄位置(表示領域D2)のリーチ後予告として、「?(リーチ後予告種類指定パターンE2)」を決定した場合を例にする。なお、その他、統括制御用CPU46aが決定する条件については、図15及び図16に示す分割演出の態様と同じ条件である。このため、図17及び図18に示す分割演出の態様である図17(a)〜(f)までの流れは、図15及び図16に示す分割演出の態様である図15(a)〜(f)と同一であり、その重複する説明は省略する。
図17及び図18に示す分割演出の態様では、図17(f)の後に、リーチを形成した表示領域D1,D2,D4を対象として、リーチ後予告の演出が表示される(図18(a))。この例では、表示領域D1にスーパーリーチAを示唆する「ロゴA」が、表示領域D2に発展先を秘匿する「?」が、表示領域D4にスーパーリーチCを示唆する「ロゴC」がリーチ後予告の演出として表示される。そして、リーチ後予告の演出が表示された後、画像表示部GHでは、リーチ後予告の対象となった表示領域D1,D2,D4を対象とし、前述同様に、これから発展すべきスーパーリーチの種類を選択する選択演出が行われる(図18(a))。
この例では、選択演出において選択バー36が第1図柄位置である表示領域D2に停止し、その表示領域D2に表示された「?」が選出されるとともに、他の表示領域D1,D4では中列の変動が停止し、ノーマルリーチの演出によってはずれを認識し得る飾り図柄のはずれ図柄が導出される。また、この例では、変動パターンP2a(ノーマルリーチ)が決定されているため、選択演出後に表示領域D2のリーチ後予告の演出が消えると、ノーマルリーチの演出によって中列の変動が停止し、リーチを形成する左右2列の飾り図柄(この例では図柄[7])と同一図柄(この例では図柄[7])が導出される。その後、変動パターンP2aに定める変動時間T2aの経過時に、特別図柄表示装置30に大当り図柄(例えば[1])が確定停止表示されるとともに、表示領域D2に導出された飾り図柄の大当り図柄が確定停止表示され、大当りが確定する。
因みに、主制御用CPU45aがはずれリーチ演出用の変動パターンP2b(ノーマルリーチ)とはずれ図柄を決定し、その他を図17(a)〜(f)及び図18(a),(b)の態様と同一条件に決定した場合は、図18(a)から図18(c)の結果が導出され、はずれが確定する。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)演出表示装置28(画像表示部GH)の表示領域を複数の表示領域D1〜D4に分割し、その分割後の各表示領域D1〜D4で図柄変動ゲームを行わせる分割演出を行う場合、その分割演出の制御を主制御基板45に代えて、サブ統括制御基板46及び演出表示制御基板47で実行させるようにした。そして、主制御基板45は、特別図柄表示装置30に表示させる特別図柄の決定と第1図柄位置に表示させる図柄変動ゲームの演出態様のみを決定しており、この決定する情報は分割演出が行われない場合に決定すべき情報と等しい。このため、主制御基板45が図柄変動ゲームに関して決定すべき情報は、分割演出を実行しない場合及び実行する場合の何れの場合であっても変わらない。したがって、演出表示装置28に複数の表示領域D1〜D4を分割形成し、各表示領域D1〜D4にて図柄変動ゲームを行わせる場合において、主制御基板45に負担を強いることなく、各表示領域D1〜D4で興趣のある演出を行わせることができる。
(2)分割演出を行う場合において、サブ統括制御基板46は第1図柄位置に導出する飾り図柄を決定し、演出表示制御基板47は各第2図柄位置Z1〜Z3に導出する飾り図柄を決定する。したがって、分割演出を行う場合の図柄変動ゲームに係る情報の決定をサブ統括制御基板46と演出表示制御基板47で分担することから、何れか一方の制御基板に過度の負担を強いることがない。
(3)図柄変動ゲームにリーチ前予告を付加することで、各表示領域D1〜D4で行われる図柄変動ゲームをより興趣のある演出とすることができる。そして、リーチ前予告に係る決定をサブ統括制御基板46が行うことにより、興趣ある演出の実現に際して主制御基板45に負担を強いることがない。また、リーチ前予告により、大当りへの期待感に加えて、表示領域D1〜D4の何れが第1図柄位置であるかを推測させることもできる。
(4)図柄変動ゲームにリーチ後予告を付加することで、各表示領域D1〜D4で行われる図柄変動ゲームをより興趣のある演出とすることができる。このとき、リーチ後予告については、特定表示態様の演出(ノーマルリーチの演出)を伴う図柄変動ゲームが行われる表示領域を対象として実行の可否、及び実行可の場合にリーチ後予告の内容を決定することから、特定表示態様の演出が表示された表示領域について遊技者は大当りへの期待感を高め、興趣のある演出とすることができる。そして、リーチ後予告に係る決定をサブ統括制御基板46が行うことにより、興趣ある演出の実現に際して主制御基板45に負担を強いることがない。また、リーチ後予告により、大当りへの期待感に加えて、表示領域D1〜D4の何れが第1図柄位置であるかを推測させることもできる。
(5)第1図柄位置に特定表示態様の演出(ノーマルリーチの演出)が実行される場合を条件として第2図柄位置Z1〜Z3に特定表示態様の演出を実行するか否かを決定するため、主制御基板45の決定事項に基づき、第1図柄位置の図柄変動ゲームの表示内容に合わせて第2図柄位置Z1〜Z3の図柄変動ゲームの演出内容を決定することができる。すなわち、第2図柄位置Z1〜Z3の図柄変動ゲームの演出内容を、主制御基板45の決定事項に応じて制御することができる。
(6)特定表示態様の演出(ノーマルリーチの演出)を実行する場合と実行しない場合は、図柄変動ゲームの変動時間が相違し、一般的には特定表示態様の演出を実行する場合の方が特定表示態様の演出を実行しない場合よりも変動時間が長くなる。このため、主制御基板45の決定事項(変動時間)に基づき、第1図柄位置の図柄変動ゲームの演出内容と第2図柄位置Z1〜Z3の図柄変動ゲームの演出内容を制御することができる。
(7)第2図柄位置Z1〜Z3のリーチ後予告で大当り信頼度の高いスーパーリーチが示唆された状態で、第1図柄位置において大当り信頼度の低いスーパーリーチが行われても、内部的に大当りが決定されていれば第1図柄位置に大当り図柄が導出されることになる。したがって、大当り信頼度の高いスーパーリーチへの発展を期待しつつ、如何なる種類のスーパーリーチに発展しても大当りとなる期待感を得られることができる。
(8)分割演出モード時では、1球の始動保留球に対して表示領域D1〜D4の4つの領域で4つの図柄変動ゲームが行われる。また、分割演出モード時には、見かけ上のゲーム数が増加するので、第1図柄位置での図柄変動ゲームにおけるリーチ前予告及びリーチ後予告といった演出が行われることに加え、第2図柄位置Z1〜Z3でも第1図柄位置同様、リーチ前予告やリーチ後予告が行われることになる。すなわち、これら予告の演出の出現率も高くなる。したがって遊技者が演出等を見る機会、または予測する機会が分割演出モードに突入することによって増大するため、遊技に係る興趣を向上させることが可能となる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態において、分割演出モード時の演出表示装置28の分割数は、2つでもよいし、または3つ、5つ以上でもよい。そして、演出表示装置28の表示領域を分割する際には、その時点の始動保留球に対応する数だけ表示領域を分割させてもよい。
○ 実施形態において、サブ統括制御基板46と演出表示制御基板47を単一の基板構成にしても良い。また、サブ統括制御基板46と音声・ランプ制御基板48を単一の基板構成にしても良い。
○ 実施形態では、演出表示装置28を液晶式としたが、ドットマトリクス式や7セグメントLED式の演出表示装置としても良いし、ドラム式などの機械式の演出表示装置としても良い。
○ 実施形態は、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機10に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
○ 実施形態において、特別図柄と飾り図柄を単一の表示装置に表示しても良い。この場合、単一の表示装置が、特別図柄表示部及び演出用図柄表示部となる。
○ 実施形態において、リーチ前予告やリーチ後予告の種類を変更しても良い。
○ 実施形態において、第1図柄位置、第2図柄位置のノーマルリーチの有無、リーチ前予告の有無と背景色、及びリーチ後予告の種類について、これらの選択割合を変更しても良い。
○ 実施形態において、分割演出モードへの切り替わり契機、及び分割演出モードの終了契機を変更しても良い。
○ 実施形態において、第1図柄位置及び第2図柄位置Z1〜Z3に導出する飾り図柄の全てをサブ統括制御基板46が決定しても良い。また、実施形態において、第1図柄位置及び第2図柄位置Z1〜Z3に導出する飾り図柄の全てを演出表示制御基板47が決定しても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追加する。
(イ)前記演出制御部は、前記特別図柄指示コマンドで指示された前記特別図柄をもとに前記第1表示領域の第2図柄変動ゲームで導出する演出用図柄を決定する第1表示領域図柄決定処理と、各第2表示領域の第2図柄変動ゲームの変動表示結果として導出する演出用図柄であって、はずれを認識し得る演出用図柄を決定する第2表示領域図柄決定処理を実行し、前記第1表示領域には前記第2図柄変動ゲームの変動表示結果として、前記第1表示領域図柄決定処理で決定した演出用図柄を導出する一方で、各第2表示領域には前記第2図柄変動ゲームの変動表示結果として、前記第2表示領域図柄決定処理で決定した演出用図柄を導出する。
(ロ)前記第2図柄変動ゲームで導出される前記演出用図柄は複数列の図柄組み合わせからなり、前記第2図柄変動ゲームでは予め定めた順番にしたがって図柄列の変動が停止し、前記演出制御部は、各表示領域において大当りとなるか否かを示唆する第1特定演出の実行の可否を決定するとともに、前記第1特定演出を実行させる場合には前記第1特定演出の内容を決定する第1特定演出決定処理を実行し、前記第1特定演出を実行させる場合、各表示領域において前記第2図柄変動ゲームを開始させるために図柄列の変動を開始させてから、各表示領域の前記第2図柄変動ゲームにおいて最初の図柄列の変動が停止するまでの間に前記第1特定演出決定処理で決定した前記第1特定演出の内容にしたがって前記第1特定演出を表示させる。
(ハ)前記演出制御部は、前記演出態様指示コマンド及び前記特定表示態様決定処理の決定結果をもとに前記特定表示態様の演出を伴う第2図柄変動ゲームが行われる表示領域を対象として、大当りとなるか否かを示唆する第2特定演出の実行の可否を決定するとともに、前記第2特定演出を実行させる場合には前記第2特定演出の内容を決定する第2特定演出決定処理を実行し、前記第2特定演出を実行させる場合、前記特定表示態様の演出を伴う第2図柄変動ゲームが行われる表示領域を対象として、前記特定表示態様の演出の表示後に前記第2特定演出を表示させる。
(ニ)始動入賞装置への遊技球の入球を契機に特別図柄を変動させて行う第1図柄変動ゲームを表示する特別図柄表示部と、前記特別図柄表示部における前記特別図柄の変動表示結果に対応付けて演出用図柄を変動させて行う第2図柄変動ゲームを表示する演出用図柄表示部と、を備え、大当りか否かの大当り抽選に当選した場合には、前記特別図柄表示部に前記変動表示結果として予め定めた大当り図柄が停止表示され、その後に大当り遊技が付与される遊技機において、遊技機全体を制御する主制御部と、前記主制御部からの指示に基づき、前記第2図柄変動ゲームに係る各種制御を実行する副制御部と、前記副制御部からの指示に基づき、前記演出用図柄表示部に前記第2図柄変動ゲームを表示させる表示制御を実行する表示制御部と、を備え、前記主制御部は、前記大当り抽選を行う抽選処理と、前記抽選処理の結果をもとに大当りの場合には前記第1図柄変動ゲームの変動表示結果として停止表示させる特別図柄を大当り図柄に決定するとともに、はずれの場合には前記第1図柄変動ゲームの変動表示結果として停止表示させる特別図柄をはずれ図柄に決定する特別図柄決定処理と、前記抽選処理の結果をもとに各図柄変動ゲームの演出態様を決定する演出態様決定処理と、前記特別図柄決定処理で決定した特別図柄を指示する特別図柄指示コマンド及び前記演出態様決定処理で決定した演出態様を指示する演出態様指示コマンドを出力する第1コマンド出力処理を実行し、前記副制御部は、前記演出用図柄表示部の表示領域を複数の表示領域に分割し、その分割後の各表示領域で第2図柄変動ゲームを行わせる分割演出を行う場合、前記特別図柄指示コマンドで指示された前記特別図柄に対応する前記演出用図柄の変動表示結果を導出する第1表示領域を複数の表示領域の中から1つ決定する表示領域決定処理と、前記表示領域決定処理で決定した第1表示領域以外の第2表示領域において予め定めた特定表示態様の演出を実行するか否かを第2表示領域毎に決定する特定表示態様決定処理と、前記表示領域決定処理で決定した第1表示領域を指示する第1表示領域指示コマンド及び前記特定表示態様決定処理の決定内容を指示する特定表示態様指示コマンドを出力する第2コマンド出力処理を実行し、前記表示制御部は、前記演出用図柄表示部に前記第2図柄変動ゲームを表示させ、当該第2図柄変動ゲームにて前記演出用図柄の変動表示結果を導出する表示制御処理を実行し、前記分割演出を行う場合には、前記表示制御処理により、前記第1表示領域指示コマンドで指示された前記第1表示領域に前記演出態様指示コマンドで指示された演出態様の第2図柄変動ゲームを表示させるとともに当該第2図柄変動ゲームの変動表示結果として前記特別図柄指示コマンドで指示された前記特別図柄に対応する前記演出用図柄を導出する一方で、前記特定表示態様指示コマンドの指示内容をもとに前記第2表示領域の表示内容を制御し、前記特定表示態様の演出を実行させる第2表示領域については前記特定表示態様の演出を伴う前記第2図柄変動ゲームを表示させるとともに当該第2図柄変動ゲームの変動表示結果としてはずれを認識し得る演出用図柄を導出し、前記特定表示態様の演出を実行させない第2表示領域については前記特定表示態様の演出を伴わない前記第2図柄変動ゲームを表示させるとともに当該第2図柄変動ゲームの変動表示結果としてはずれを認識し得る演出用図柄を導出することを特徴とする遊技機。
(ホ)前記副制御部は、前記特別図柄指示コマンドで指示された前記特別図柄をもとに前記第1表示領域の第2図柄変動ゲームで導出する演出用図柄を決定する第1表示領域図柄決定処理を実行し、前記第2コマンド出力処理にて前記第1表示領域図柄決定処理で決定した演出用図柄を指示する演出用図柄指示コマンドを出力し、前記表示制御部は、各第2表示領域の第2図柄変動ゲームの変動表示結果として導出する演出用図柄であって、はずれを認識し得る演出用図柄を決定する第2表示領域図柄決定処理を実行し、前記表示制御処理において、前記第1表示領域には前記第2図柄変動ゲームの変動表示結果として前記演出用図柄指示コマンドで指示された前記演出用図柄を導出し、各第2表示領域には前記第2図柄変動ゲームの変動表示結果として前記第2表示領域図柄決定処理で決定した演出用図柄を導出することを特徴とする前記技術的思想(ニ)に記載の遊技機。
(ヘ)前記第2図柄変動ゲームで導出される前記演出用図柄は複数列の図柄組み合わせからなり、前記第2図柄変動ゲームでは予め定めた順番にしたがって図柄列の変動が停止し、前記副制御部は、各表示領域において大当りとなるか否かを示唆する第1特定演出の実行の可否を決定するとともに、前記第1特定演出を実行させる場合には前記第1特定演出の内容を決定する第1特定演出決定処理を実行し、前記第2コマンド出力処理にて前記第1特定演出決定処理の決定内容を指示する第1特定演出コマンドを出力し、前記表示制御部は、前記第1特定演出を実行させる場合、前記表示制御処理により各表示領域において前記第2図柄変動ゲームを開始させるために図柄列の変動を開始させてから、各表示領域の前記第2図柄変動ゲームにおいて最初の図柄列の変動が停止するまでの間に前記第1特定演出コマンドで指示された前記第1特定演出の内容にしたがって前記第1特定演出を表示させることを特徴とする前記技術的思想(ニ),(ホ)に記載の遊技機。
(ト)前記副制御部は、前記演出態様指示コマンド及び前記特定表示態様指示コマンドをもとに前記特定表示態様の演出を伴う第2図柄変動ゲームが行われる表示領域を対象として、大当りとなるか否かを示唆する第2特定演出の実行の可否を決定するとともに、前記第2特定演出を実行させる場合には前記第2特定演出の内容を決定する第2特定演出決定処理を実行し、前記第2コマンド出力処理にて前記第2特定演出決定処理の決定内容を指示する第2特定演出コマンドを出力し、前記表示制御部は、前記第2特定演出を実行させる場合、前記表示制御処理により前記特定表示態様の演出を伴う第2図柄変動ゲームが行われる表示領域を対象として、前記特定表示態様の演出の表示後に前記第2特定演出を表示させることを特徴とする前記技術的思想(ニ)〜(ヘ)のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(チ)前記副制御部は、前記演出態様決定処理において前記特定表示態様の演出を実行することが決定されている場合に、前記特定表示態様決定処理において前記特定表示態様の演出を実行させるか否かを決定することを特徴とする請求項1、請求項2、及び前記技術的思想(イ)〜(ト)のうちいずれか一項に記載の遊技機。