JP2013120727A - アルカリ電解質および該電解質を備えた燃料電池 - Google Patents

アルカリ電解質および該電解質を備えた燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】従来に比べ、湿度依存性の少ないアルカリ電解質を提供する。また、他の側面として上記電解質を備えた燃料電池(ACF)を提供する。
【解決手段】
本発明によって、直接形燃料電池等に好適に用いることができるアルカリ電解質20が提供される。ここで上記アルカリ電解質20は、層状複水酸化物を形成する組成物によって構成されており、上記組成物は、二価の陽イオンと、三価の陽イオンと、少なくとも水酸化物イオンを含む陰イオンと、両性イオンになり得る有機化合物23とを包含する。ここで開示されるアルカリ電解質は、従来に比べ強固なイオン伝導パス(経路)を形成し得るため、湿度依存性が少なく、低湿度条件においても高いイオン伝導性を発揮することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、アルカリ電解質、および該アルカリ電解質を備える燃料電池に関する。
アルカリ電解質形燃料電池(AFC:Alkaline Fuel Cell;以下、単に「AFC」と言うこともある。)は、水酸化物イオン伝導体を電解質として用いた燃料電池であり、発電効率が高く、100℃以下(例えば20℃〜100℃)で使用可能なため、宇宙用途(スペースシャトルへの搭載用)等に用いられている。また、白金(Pt)等高価な触媒材料が不要なため、次世代の発電装置としても研究が進められている。
AFCの構造は、電解質としての水酸化物イオン伝導体(典型的には、アルカリ性の水溶液をセパレータに含浸させた形態)を介して、カソード(空気極)とアノード(燃料極)とが対向して構成されている。そしてかかるAFCに電流を印加すると、カソードにおいて、酸素含有ガス(典型的には空気)中の酸素と、水(HO)とが反応し、水酸化物イオン(OH)となる。該水酸化物イオンは、カソードから電解質を介してアノードに供給される。そして該アノードにおいて、燃料ガス(典型的には水素)と反応して水を生成し、電子を放出することにより、発電が行われる。なお、AFCの発電効率は、一般的には、作動温度に依存し、温度が高くなるほど発電効率も高い傾向にある。
ところで近年、AFCの電解質として、無機固体電解質が注目されている。該固体電解質は固体(典型的には膜状)であるため、作動温度を水の沸点以上(例えば100℃〜200℃。)に設定することができ、該電解質を用いた燃料電池では発電効率の更なる向上が期待できる。また、かかる固体電解質は液体を使用しないため、液漏れの心配がなく安全性の面でも優れている。無機固体電解質に関する従来技術としては、特許文献1および非特許文献1〜3が挙げられる。例えば、特許文献1には、粘土鉱物からなるアルカリ電解質が開示されている。即ち、該電解質は、陽イオン(典型的には、金属イオン)の水酸化物からなる層(以下、単に水酸化物層と言うこともある。)が積層され、その層間に陰イオンと水分子とを含む、層状複水酸化物(ハイドロタルサイトとも言う。)で構成されており、層間の陰イオンが移動することによってイオン伝導性を示す。
国際公開第2010/109670号
Solid State Ionics,Vol.181(2010)pp.883−888 Advanced Materials,Vol.22(2010)pp.4401−4404 Solid State Ionics,Vol.192(2011)pp.185−187
しかし、上記特許文献に記載されるような層状複水酸化物は湿度依存性が極めて大きく、湿度の低下に伴って層間に含まれる水分子が流失するとイオン伝導性が著しく減少する。このため、該層状複水酸化物を燃料電池の電解質として用いる際には、常に湿度の高い状態(例えば80%RH以上の状態)を保持する必要があるが、かかる加湿状態を保持することは電池構造の複雑化や製造コストの増加につながるため、好ましくない。また、上述のような湿度依存性は発電性能を不安定化させる虞もあるため、より湿度依存性の低い電解質が望まれている。
本発明は、かかる課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、従来に比べ湿度依存性の少ないアルカリ電解質を提供することである。また、本発明は、他の側面として、上記アルカリ電解質を備えた燃料電池を提供する。
上記目的を実現するべく、本発明によって、アルカリ電解質が提供される。ここで、上記アルカリ電解質は、層状複水酸化物を形成する組成物によって構成されており、上記組成物は二価および三価の陽イオンと、少なくとも水酸化物イオンを含む陰イオンと、両性イオンになり得る有機化合物と、を包含している。
ここで開示されるアルカリ電解質は、二価および三価の陽イオンの水酸化物からなる層(水酸化物層)と、該水酸化物層の層間に入った物質(即ち、陰イオンと、水分子と、両性イオンになり得る有機化合物)とからなる、層状複水酸化物により構成される。ここで上記水酸化物層は正に帯電しているため、該水酸化物層の表面には、陰イオンや分極を生じた有機化合物(の負電荷を有する元素部位)が結合している。そして、該有機化合物の正電荷を有する元素部位には、陰イオンや分極した水分子(Hδ+−OHδ−)が結合し、これにより強固なイオン伝導パス(経路)を形成し得る。さらに、水酸化物層の層間に該有機化合物が入っているため、水酸化物層間の距離(以下、層間距離と言う。)が広がり、より多くの水分子を構造中に包含することができる。よって、ここで開示されるアルカリ電解質は従来に比べて湿度依存性が小さく、低湿度条件においても高いイオン伝導性を発揮することができる。
ここで開示される材料の好ましい一態様では、上記二価の陽イオンはマグネシウムイオンであり、上記三価の陽イオンはアルミニウムイオンである。
上記元素はイオン化傾向が比較的大きいため、かかる元素を備えた該層状複水酸化物は、高いイオン伝導性を示す。また該層状複水酸化物は化学的安定性にも優れているため、アルカリ電解質として好適である。
ここで開示される材料の好ましい一態様では、上記二価の陽イオン(MII)と上記三価の陽イオン(MIII)とのモル比(MII/MIII)は、2以上4以下である。
水酸化物層中の陽イオンの比率が上記範囲にある場合、結晶構造の安定性に優れ、且つイオン伝導体として優れた性能を発揮し得る。このため、アルカリ電解質として好適である。
ここで開示される材料の好ましい一態様では、上記二価の陽イオン(MII)と上記三価の陽イオン(MIII)とのモル比(MII/MIII)は2.5以上3.5以下である。
水酸化物層中の陽イオンの比率が上記を満たす場合、より結晶構造の安定性に優れ、イオン伝導体としても一層優れた性能を発揮することができる。
ここで開示される材料の好ましい一態様では、上記有機化合物として、少なくとも1種のアミノ酸および/またはアミノ酸誘導体を含む。
上記有機化合物として含まれるアミノ酸(若しくはアミノ酸誘導体)は分子構造中に、アミノ基(−NH等)とカルボキシル基(−COOH)とを有しているため、分子内で分極が生じやすい。よって、該有機化合物を有するアルカリ電解質では、より強固なイオン伝導パスを形成することができる。
ここで開示される材料の好ましい一態様では、上記有機化合物として、少なくとも一般式:RCOO(ここで、R、R、R、Rは、それぞれ水素原子または炭素数1〜5の直鎖、分岐、または環状のアルキル基である。)で示されるアミノ酸および/またはアミノ酸誘導体を含む。
上記有機化合物は水との親和性(即ち、水溶性)が高いため、該有機化合物を有するアルカリ電解質は、高いイオン伝導性を発揮することができる。
ここで開示される材料の好ましい一態様では、上記有機化合物として、少なくとも一般式:RCHCOO(ここで、R、R、Rは、それぞれ水素原子または炭素数1〜5の直鎖、分岐、または環状のアルキル基である。)で示されるアルキルグリシンを含む。
上記有機化合物として含まれるアルキルグリシンは、アルキル鎖が比較的短いため上記水酸化物層の層間に入り込みやすく、また該層間を好適な距離に保ち得るため、好ましく用いることができる。
ここで開示される材料の好ましい一態様では、上記有機化合物として、少なくともトリメチルグリシン((CHCHCOO;グリシンベタインとも言う。)を含む。
トリメチルグリシンは、上記アルキルグリシンの中でも化学的安定性に優れている。また天然に広く存在していることから、環境面からも好適である。
また本発明により、層状複水酸化物からなるアルカリ電解質の製造方法であって、二価の陽イオン源および三価の陽イオン源を含有する水性溶液を用意すること、上記用意した水性溶液に、両性イオンになり得る有機化合物を添加すること、上記有機化合物を添加した水性溶液をアルカリ性に調整し、析出物を得ること、上記アルカリ性の水性溶液から析出物を回収すること、および上記回収した析出物を成形すること、を包含する。
かかる製造方法によれば、ここで開示される湿度依存性の小さいアルカリ電解質を、好適に合成することができる。
さらに本発明により、ここで開示されるいずれかのアルカリ電解質を備えた燃料電池が提供される。
ここで開示されるアルカリ電解質は、湿度依存性が小さく、低湿領域(例えば、20%RH〜60%RH)においても、高いイオン伝導性を示す。よって該電解質を用いた燃料電池では、従来に比べ低湿領域における発電性能が向上し、発電安定性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るアルカリ電解質形燃料電池(単セル)の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るアルカリ電解質を構成する、層状複水酸化物の構造を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施例に係る層状複水酸化物(Mg2+/Al3+=3)のX線回折パターンを測定したチャートである。 本発明の一実施例に係る層状複水酸化物(Mg2+/Al3+=2)のX線回折パターンを測定したチャートである。 本発明の一実施例に係る層状複水酸化物の交流インピーダンスを測定したCole−Cole Plotである。 本発明の一実施例に係る層状複水酸化物(Mg2+/Al3+=3)のイオン伝導性を比較したグラフである。 本発明の一実施例に係る層状複水酸化物(Mg2+/Al3+=2)のイオン伝導性を比較したグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここで開示されるアルカリ電解質は、層状複水酸化物を形成する組成物によって構成されていることにより特徴付けられる。よって、他の構成成分の内容や組成等については、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の基準に照らして決定することができる。
なお、本明細書において特に断りがない場合、「湿度」は飽和水蒸気圧に対する水蒸気圧の分圧(即ち、相対湿度(RH:Relative Humidity))のことを指し、便宜上「%RH」という単位で表記する。
ここで開示されるアルカリ電解質は、層状複水酸化物を形成する組成物によって構成されている。本明細書において、「複水酸化物」とは二種以上の水酸化物のコンポジット状態(複合状態)からなる化合物を示し、「層状複水酸化物」とは上記複水酸化物によって形成されたシート状の複水酸化物が規則的に積層された層状構造を言う。
図2は、ここで開示される層状複水酸化物20の典型的な構造を示した模式図である。層状複水酸化物20は、大まかには、複水酸化物からなる層22と、該層間24に存在する物質とから構成され、これらがファンデルワールス力の相互作用によって交互に積層された構造を有する。上記水酸化物層22は、ランダムに存在する二価および三価の陽イオンが水酸化物イオン(OH)に囲まれた正八面体構造を有しており、全体として正に帯電している。また、層間24には、両性イオンになり得る有機化合物23と、陰イオン25と、水分子(層間水)26とが包含され、全体として負に帯電することで電気的中性が保たれている。
ここで、正に帯電した水酸化物層22の表面22aには、陰イオン25や分極した有機化合物(即ち、両性イオン)23がクーロン力(静電引力)により結合している。このため、水酸化物層22と該層間24との抵抗が低減されている。また、両性イオンの正電荷を有する元素部位と、水分子(典型的には分極した状態)26とが結合し、より強固なイオン伝導パス(経路)を形成し得る。さらに、水酸化物層の間に有機化合物23が入ることで層間24の距離が広がり、より多くの水分子26を構造中に包含することができる。このため、ここで開示されるアルカリ電解質は従来に比べて湿度依存性が少なく、低湿度条件においても高いイオン伝導性を発揮することができる。
なお、上記層間距離は、例えば一般的なX線回折装置(XRD:X−ray diffraction)により測定することができる。具体的には、試料に対する入射角度をステップ的または連続的に変化させながらX線(CuKα線)を照射し、試料によって回折されたX線を検査器で捉える。そして、X線の回折方向と入射方向の角度差(回折角2θ)と、回折X線強度を測定する。かかる測定は、例えば、株式会社リガク製のX線回折装置、型式「RINT−TTRIII」を用いて、後述する実施例のような条件で測定することができる。なお、測定に用いる試料は、測定対象たる層状複水酸化物(典型的には粉末状)を試料ボードに詰めたものであってもよく、該層状複水酸化物を用いて形成されたペレット(板状)であってもよい。
ここで、水酸化物層22を構成する陽イオンとしては、特に限定されないが、比較的イオン化傾向の大きいものを好ましく用いることができる。より具体的には、二価の陽イオンとしては、例えば、マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)、バリウムイオン(Ba2+)、マンガンイオン(Mn2+)、鉄イオン(Fe2+)、コバルトイオン(Co2+)、ニッケルイオン(Ni2+)、銅イオン(Cu2+)、亜鉛イオン(Zn2+)等から選択される1種または2種以上の元素が挙げられ、なかでもイオン化傾向の大きいアルカリ土類金属イオン(Mg2+、Ca2+)を好ましく用いることができる。また、三価の陽イオンとしては、例えば、アルミニウムイオン(Al3+)、クロムイオン(Cr3+)、鉄イオン(Fe3+)、ガリウム(Ga3+)等から選択される1種または2種以上の元素を用いることができ、なかでもアルミニウムイオンを好ましく用いることができる。例えば、マグネシウムイオンとアルミニウムイオンとを含む水酸化物層は、イオン伝導性が高く、化学的安定性(例えば耐酸性や耐アルカリ性)にも優れているため、アルカリ電解質として好適に用いることができる。なお、二価の陽イオンと三価の陽イオンとは、価数が異なっていれば同種の元素(例えば、Fe2+とFe3+)を選択することもできる。
特に限定するものではないが、上記二価の陽イオン(MII)と上記三価の陽イオン(MIII)とのモル比(MII/MIII)は、2以上4以下(より好ましくは、2.5以上3.5以下)であることが好ましい。水酸化物層中の陽イオンの比率が上記範囲にある場合、結晶構造の安定性に優れ、且つイオン伝導体としても一層優れた性能を発揮し得る。このため、アルカリ電解質として好適に用いることができる。
ここで用いられる陰イオンは、少なくとも水酸化物層22を構成する水酸化物イオン(OH)を含む、1種または2種以上の元素である。水酸化物イオン以外の陰イオンとしては、特に限定されないが、比較的イオン化傾向の大きいものを好ましく用いることができる。より具体的には、炭酸イオン(CO 2−)、硝酸イオン(NO )、亜硝酸イオン(NO )、硫酸イオン(SO 2−)、フッ化物イオン(F)、塩化物イオン(Cl)、臭化物イオン(Br)、ヨウ化物イオン(I)等が挙げられる。上記水酸化物層22を構成する以外の陰イオン25は、典型的には該水酸化物層の層間24に存在し、電気的中性を保っている。なお、上記陰イオン25は全ての層間に存在する必要はなく、例えば、1つおきの層間に存在する場合もあり得る。
ここで用いられる、両性イオンになり得る有機化合物23は、分子内に分極を生じて正電荷と負電荷とを持ち得る有機化合物のことを言い、常に分極状態にあることは要しない。また、該化合物中に含まれる正電荷および/または負電荷の数は一つであっても、二つ以上であってもよい。
該有機化合物としては、分極の生じやすい化合物、典型的には酸性と塩基性の官能基を有する化合物が挙げられる。例えば、分子中に、アミノ基(−NH等)とカルボキシル基(−COOH)とを有する、アミノ酸やその誘導体(塩)はその典型例である。アミノ酸の具体例としては、例えば、アルギニン、ヒスチジン、リシン、アスパラギン酸、グルタミン酸等の帯電した側鎖を有するものや、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン等の非帯電性の側鎖を有するもの、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン等の疎水性の側鎖を有するもの、グリシン、システイン、セレノシステイン、プロリン等が挙げられる。例えば、一般式:RCOO(ただし、R、R、R、Rは、それぞれ水素原子または炭素数1〜5の直鎖、分岐、または環状のアルキル基である。)で示されるアミノ酸やその誘導体(塩)有機化合物は水との親和性(即ち、水溶性)が高いため、該有機化合物を有するアルカリ電解質は高いイオン伝導性を発揮することができる。なかでも上記一般式中のRがCHである一般式:RCHCOOで表記されるアルキルグリシンとその誘導体は、アルキル鎖が比較的短いため上記水酸化物層の層間に入り込みやすく、また該層間を好適な距離に保ち得るため、好ましく用いることができる。アルキルグリシンの具体的例としては、例えばトリメチルグリシン(グリシンベタインとも言う。単に、ベタインと言う場合もある。)、ジメチルグリシン、メチルグリシン、エチルグリシン、プロピルグリシン等が挙げられ、例えば、陰イオンを吸着しやすく且つ化学的安定性に優れるトリメチルグリシンを好ましく用いることができる。またトリメチルグリシンは天然に広く存在していることから、環境面からも好適である。また、上記アミノ酸の誘導体であり、一般に工業等の分野で用いられている、各種の両性界面活性剤等も用いることができる。
また、ここで開示されるアルカリ電解質を好適に製造する方法を提供する。ここで提供される製造方法では、(1)二価の陽イオン源および三価の陽イオン源を含有する水性溶液を用意すること、(2)上記用意した水性溶液に両性イオンになり得る有機化合物を添加すること、(3)上記有機化合物を添加した水性溶液をアルカリ性に調製し析出物を得ること、(4)上記アルカリ性の水性溶液から析出物を回収すること、および(5)上記析出物を成形すること、を包含する。かかる製造方法によれば、ここで開示される湿度依存性の小さいアルカリ電解質を、より簡便に合成することができるため好適である。以下、かかる製造方法について詳細に説明する。
<(1)水性溶液の用意>
ここで開示される製造方法では、先ず、出発原料たる化合物(即ち、「二価の陽イオン」源、「三価の陽イオン」源)および必要に応じてそれ以外の添加物を用意する。そして、これらを所望の組成比率となるよう秤量し、水性溶液中に溶解させる。
ここで用いられる二価の陽イオン源は、既に上述した二価の陽イオン(例えば、Mg2+、Ca2+、Ba2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+等)のうち少なくとも一つを含む化合物であれば特に限定されず、製造目的たるアルカリ電解質を構成する層状複水酸化物の組成に応じて、適宜選択することができる。例えば、該金属イオンの硝酸塩、硫酸塩、塩化物等を用いることができる。より具体的には、硝酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、水酸化マグネシウム等を用いることができ、なかでもイオン化傾向の大きな硝酸塩(例えば硝酸マグネシウム(Mg(NO:水和物の状態であり得る。)を好ましく用いることができる。同様に、ここで用いられる三価の陽イオン源も、既に上述した三価の陽イオン(Al3+、Cr3+、Fe3+、Ga3+等)のうち少なくとも一つを含む化合物であれば特に限定されず、製造目的たるアルカリ電解質を構成する層状複水酸化物の組成に応じて、適宜選択することができる。例えば、該金属イオンの硝酸塩、硫酸塩、塩化物等を用いることができる。より具体的には、例えばアルミニウムイオン(Al3+)を使用する場合は、硝酸アルミニウム、シュウ酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム等を用いることができ、なかでも硝酸アルミニウム(Al(NO:水和物の状態であり得る。)を好ましく用いることができる。
また、ここで用いられる水性溶液を構成する溶媒は、典型的には水(純水)であるが、水を主成分とする混合溶媒であってもよい。該混合溶媒を構成する水以外の溶媒としては、水と均一に混合し得る有機溶媒(低級アルコール、低級ケトン等)を好適に用いることができる。使用する溶媒の種類は、製造に用いる化合物(例えば、後述する有機化合物等)の性質等によって適宜選択することができ、例えば水への溶解性が乏しい化合物(典型的には長鎖状の有機化合物)を使用する際には、有機溶剤を併用してもよい。典型的には、該水性溶媒の50質量%以上(典型的には60質量%以上、例えば80質量%以上)が水である水性溶媒を用いることができ、実質的に水からなる水性溶媒が好適例として挙げられる。
上記水性溶液の調製時には、従来公知の種々の攪拌・混合操作を採用することができる。かかる操作としては、例えば、超音波の照射や、マグネチックスターラーによる撹拌等が挙げられる。また、溶解させる順序も特に限定されず、二価の陽イオン源と三価の陽イオン源とを同時に水性溶液中に添加してもよく、先ずどちらか一方を水性溶液中に添加して溶解させた後にもう一方の陽イオン源を添加し溶解させてもよい。なお、ここで用いられる水性溶液中には、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上記陽イオン源以外に各種添加剤(例えば、分散剤、pH調整剤、防腐剤、着色剤等)を適宜添加してもよい。
また、該水性溶媒の量は、特に限定されるものではないが、上記陽イオン源を完全に溶解し得る量(即ち、飽和溶液よりも低濃度となり得る量)が好ましい。例えば、上記陽イオン源100質量部に対し凡そ150質量部〜3000質量部とすることができ、好ましくは凡そ200質量部〜1600質量部である。上記溶媒量であれば上記陽イオン源を均一に溶解させることができ、より均質に目的物を製造し得る。また、水性溶液に含まれる二価の陽イオン、三価の陽イオン、水酸化物イオンの合計モル数(合計イオン濃度)は、例えば凡そ0.2〜2.4モル/Lとすることができ、凡そ0.6〜2.0モル/Lとすることが好ましい。上記範囲の濃度とすることで、後述するpH調整において目的物たる層状複水酸化物を好適に析出させることができる。水性溶液の濃度は、所望の組成比率(即ち、層状複水酸化物を構成する、二価の陽イオン、三価の陽イオン、両性イオンの比)を保持し得る範囲で、溶媒による希釈やイオン源の添加等により適宜調整し得る。
<(2)有機化合物の添加>
ここで開示される製造方法では、次に、上記用意した水性溶液に両性イオンになり得る有機化合物を、所望の組成比率となるよう秤量し添加する。
ここで用いられる両性イオンになり得る有機化合物は、既に上述した有機化合物のうち1種または2種以上を特に限定することなく用いることができる。該有機化合物の添加量は、特に限定されないが、例えば上記水性溶液に含まれる三価の陽イオンのモル数に対し、例えば凡そ0.5〜20.0モルとすることができ、凡そ0.8〜10.0モルとすることが好ましい。また、添加の方法は特に限定されず、例えば該有機化合物が粉末状(粉状、粒状等を含む)である場合は、そのまま上記水性溶媒に添加してもよく、先ず任意の溶媒(以下、第2の溶媒と呼ぶ。)に溶解させて溶液状にした後に、上記水性溶媒に添加してもよい。なお、ここで用いられる第2の溶媒としては、上記水性溶媒と均一に混合し得るものが好ましく、例えば上述した水性溶媒と同種の溶媒を用いることができる。また、撹拌・混合操作に関してはすでに上述した手法を適宜用いることができる。撹拌・混合に要する時間は特に限定されないが、例えば数分〜数十分(典型的には1分〜60分、例えば5分〜40分)とすることができる。
<(3)水性溶液のpH調整>
ここで開示される製造方法では、次に、上記有機化合物を添加した水性溶液をアルカリ性に調整し、該水性溶液から層状複水酸化物の粒子を析出させる(共沈法とも言う。)。
ここでアルカリ性に調整する方法としては、特に限定されないが、例えば上記水性溶液中に、アルカリ剤(即ち、液性をアルカリ性に傾ける作用のある化合物)を添加することが挙げられる。かかるアルカリ剤としては、例えば水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)等を、典型的には水溶液の形態で用いることができる。好ましい一態様では水酸化ナトリウム水溶液を使用する。
水性溶液のpHは、使用する陽イオン種や溶液の濃度によっても異なるため、特に限定されないが、極端に高いpHでは析出した水酸化物が再溶解する虞がある。また、均質な(例えば、粒径や粒子構造等が平均から大きく外れた粒子の個数割合が少ない)粒子が得られやすいという観点からは、上記水性溶液から短時間のうちに多数の核を析出させ得ることが好ましい。かかる析出態様を好適に実現するには、典型的にはpH8以上、例えば8以上12以下、好ましくは9以上11以下に調整することが好ましい。なお、本明細書中において、pHの値は、市販のpHメーターを用いて室温(液温25℃)において測定された値を指す。
また、ここで開示される好ましい一態様では、上記層状複水酸化物を析出させる過程において、上記水性溶液から層状複水酸化物粒子の核を析出させる段階(核生成段階)と、その核を成長させる段階(粒子成長段階)とを含む。該粒子成長段階では、粒子が均一に成長するような環境で一定時間保持することが好ましい。好ましい一態様としては、例えば、上記水性溶媒の沸点以下の温度を保ったまま(例えば、所定の温度±1℃)、一定時間保持(放置)する。上記保持する温度は溶媒の沸点以下の温度(典型的には100℃以下)であって、例えば30℃〜95℃、好ましくは50℃〜90℃とすることができる。加温の方法は特に限定されず、公知の手法(例えば、電気炉)を適宜用いることができる。また保持時間は、粒子の成長に合わせて変更することができ、層状複水酸化物の種類や環境条件(例えば温度)等にもよるが、典型的には0.5時間以上100時間以下、例えば1時間以上48時間以下、好ましくは2時間以上36時間以下とすることができる。かかる加温状態での保持により、粒子の成長を一層促進することができる。なお、空気中のCOはアルカリ性の水溶液に少なからず吸収され、炭酸イオンとして溶液中に存在することになる。このため、該イオンの混入を最小限にしたい場合には、反応液および反応槽内の雰囲気は、上記核生成段階および粒子成長段階を通じて不活性雰囲気(例えば窒素雰囲気)に維持することが好ましい。
<(4)析出物の回収>
ここで開示される製造方法では、次に、上記析出させた層状複水酸化物粒子(即ち、二価および三価の陽イオンと両性イオンと少なくとも水酸化物イオンを含む陰イオンとを含む複水酸化物粒子)を水性溶液から分離し、洗浄して乾燥させる。分離方法としては、従来公知の方法(遠心分離、濾過、デカンテーション等)を一種または二種以上組み合わせて用いることができる。そして、上記得られた粒子を適宜、粉砕および/または分級処理する。かかる粉砕処理では、従来用いられる装置のうち一種または二種以上を特に限定なく用いることができる。例えば、ジェットミル、プラネタリーミキサー等の非媒体型分散機や、ボールミル等の媒体型分散機を用いることができる。また、粉砕処理の条件(例えば、粉砕速度や粉砕時間)は、所望の粒径が得られるよう、適宜を調節するとよい。
このようにして、例えば、平均粒径が凡そ1000nm以下(典型的には1nm以上1000nm以下、好ましくは1nm以上500nm以下、より好ましくは1nm以上250nm以下)程度の層状複水酸化物粒子を得ることができる。なお、本明細書において「平均粒径」とは、動的光散乱法に基づく粒度分布測定により、キュムラント解析法から算出した平均粒子径を指す。具体的には、例えば、型式「Zetasizer Nano ZS ZEN3600」(Malvern Instruments社製)等の動的光散乱法を用いた粒度分布測定装置により測定することができる。
なお、ここで得られた層状複水酸化物は、水酸化物層が積層された構造であり、該層間には陰イオンがインターカレートされて(取り込まれて)いる。上記陰イオン種を他の陰イオン種とで交換したい場合は、例えば以下のようにして行うことができる。まず、上記得られた層状複水酸化物を高温(例えば300℃〜1000℃)で焼成することにより、水酸化物層を構成する水を脱水して、複酸化物を得る。次に、交換したい陰イオン種を水性溶媒に溶解させた水溶液を用意する。そして、用意した水溶液中に上記酸化物を浸漬することで、目的の陰イオンがインターカレートされた層状複水酸化物を得ることができる。なお、上記イオン交換は電荷密度の高いイオン(即ち、価数が大きく、イオン半径の小さいイオン)ほど、インターカレーションされやすい。
<(5)アルカリ電解質の成形>
そして、上記得られた層状複水酸化物粒子を、所望の形状に成形する。成形の手法については特に限定されず、従来行われている公知の成形技法(金型成形、冷間静水圧成形、押出し成形、射出成形、鋳込み成形、プレス成形等)等を用いて製造することができる。
具体的には、例えば、先ず粉末状の層状複水酸化物と、バインダ(例えば、セルロース系ポリマー)とを分散溶媒(水や有機溶剤)中に分散させることによって、スラリー状(ペースト状、インク状を含む。)の分散液を調製する。なお、該スラリー状の分散液には、必要に応じて分散剤や界面活性剤等の添加剤を含み得る。次に、上述した公知の成形技法を用いてスラリー状の分散液を所望の形状に成形する。そして、該成形体を乾燥(例えば加熱)することにより、アルカリ電解質を製造することができる。
ここで開示される製造方法により得られるアルカリ電解質は、用途に応じた種々の形状をとり得る。例えば、膜状、平板(薄板)状、円柱状(ペレット状)などが挙げられるが、形状やサイズ等は特に限定されない。また、かかるアルカリ電解質の厚み(典型的には膜厚)は、典型的には10μm〜500μm程度であり、好ましくは20μm〜300μm程度であるが、かかる膜厚に限定されるものではない。
<燃料電池>
また、本発明により、ここで開示されるいずれかのアルカリ電解質を備えた燃料電池が提供される。ここで開示されるアルカリ電解質は、湿度依存性が小さく、低湿領域(例えば、20%RH〜60%RH)においても、高いイオン伝導性を示す。よって該電解質を用いた燃料電池では、従来に比べ低湿領域における発電性能が向上し、発電安定性をも向上させることができる。
ここで開示されるアルカリ電解質は、水酸化物イオンをイオン伝導体として用いる燃料電池であれば、特に制限なく用いることができる。かかる燃料電池としては、例えば、固体高分子形燃料電池(PEFC:Polymer electrolyte fuel cell)や、直接形メタノール燃料電池(DMFC:Direct methanol fuel cell)、直接形エタノール形燃料電池(DEFC:Direct ethanol fuel cell)等の直接形燃料電池(DFC:Direct Fuel Cell)等と総称される燃料電池が挙げられる。
また、かかる形状も特に限定されず、例えば、従来公知の平板型(Planar)、縦縞円筒型(Tubular)、円筒の周側面を垂直に押し潰した扁平円筒型(Flat tubular)、一体積層型等の燃料電池に用いることができる。なお、該燃料電池に用いる材料(例えば、該電極を構成する材料や該電池セルを構成する部材等)および該電池の構築方法は従来と同様のものを用いることができ、特別な操作を必要としない。
一例として、図1を参照しながら説明する。図1は、ここで開示されるアルカリ電解質を備えたAFC1を模式的に示した断面構成図である。ここに示す典型的なAFC1は、アノード(燃料極)10と、カソード(空気極)30とが、ここで開示されるアルカリ電解質(典型的には膜状)20を介して対向した構造を有している。そして該アノード10の電解質20と接していない側には燃料室11が、該カソード30の電解質20と接していない側には酸化剤ガス室31が、それぞれ配置されている。そして、燃料室11は、燃料(典型的には気体(ガス)状)を供給する管等に接合され、気体(燃料もしくは空気)が流出(流入)しないように封止されている。なお、ここで用いられる燃料としては、典型的には水素ガス(H)だが、燃焼するものであれば特に限定することなく用いることができる。例えば炭化水素(メタン(CH))等の気体であってもよく、メタノールやエタノールなどの液体アルコールを用いることもできる。また、酸化剤ガス室31は酸素(O)を含む気体(典型的には空気)に曝される構造を有している。
かかるAFCに電流を印加すると、カソード30において、酸素含有ガス中の酸素と、水(HO)とが反応し、水酸化物イオン(OH)を生成する。該水酸化物イオンは、カソード30からアルカリ電解質20を介してアノード10に供給される。そして該アノード10において、燃料と反応して水を生成し、電子を放出することにより、発電が行われる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。本実施例では、層状複水酸化物を構成する元素の比率を変えたものを作製し、その性能を評価した。
<例1>
先ず、二価の陽イオン源たる硝酸マグネシウム六水和物(Mg(NO・6HO)と、三価の陽イオン源たる硝酸アルミニウム九水和物(Al(NO・9HO)とを、陽イオン(即ち、Mg2+とAl3+)のモル比が3:1になるよう秤量し、精製水(75ml)に溶解させて水性溶液を調製した。次に、炭酸ナトリウム(NaCO)を秤量し、精製水(300ml)に溶解させて水性溶液を調製した。そして、陽イオン源の溶解した水性溶液に溶液状態の両性イオン源を添加し、20分間スターラーで攪拌した。
上記調製した水性溶液に、2MのNaOH溶液を添加し、該水性溶液のpHを9.5に調整した。該水性溶液をスターラーでさらに30分間攪拌した後、電気炉に入れ80℃で4時間保持(放置)し析出物を得た。かかる析出物を遠心分離した後にろ過し、精製水で3回洗浄してから乾燥(80℃、24時間)することにより、平均粒径120nmの層状複水酸化物(例1)を得た。
<例2>
上記炭酸ナトリウムに替えて、両性イオンになり得るトリメチルグリシン((CHCHCOO)を用いたことと、80℃での保持時間を24時間としたこと以外は、上記<例1>と同様の方法で層状複水酸化物(例2)を得た。
<例3>
上記硝酸マグネシウム六水和物と硝酸アルミニウム九水和物と含む水性溶液に、陰イオン系界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウム(CH(CH11OSONa)を添加したこと以外は、上記<例1>と同様の方法で層状複水酸化物(例3)を得た。
<例4>
上記硝酸マグネシウム六水和物と硝酸アルミニウム九水和物と含む水性溶液に、陰イオン系界面活性剤であるストアリン酸ナトリウム(CH(CH16COONa)を添加し、溶媒として精製水とエタノールの混合溶媒(配合比は、1:1)を用いたこと以外は、上記<例1>と同様の方法で層状複水酸化物(例4)を得た。
<例5>
上記二価の陽イオン源たる硝酸マグネシウム六水和物と、三価の陽イオン源たる硝酸アルミニウム九水和物とを、陽イオンのモル比が2:1になるよう秤量したこと以外は、上記<例1>と同様の方法で層状複水酸化物(例5)を得た。
<例6>
上記炭酸ナトリウムに替えて、両性イオンになり得るトリメチルグリシン((CHCHCOO)を用いたことと、80℃での保持時間を24時間としたこと以外は、上記<例5>と同様の方法で層状複水酸化物(例6)を得た。
上述した各サンプルの構成について下表1に纏める。
Figure 2013120727
[X線回折測定]
ここで、上記得られた層状複水酸化物(例1〜6)について、下記の条件でX線回折(XRD:X−Ray Diffraction)測定を行った。二価の陽イオン(Mg2+)と、三価の陽イオン(Al3+)との比を3:1とした層状複水酸化物(例1〜4)のXRDチャートを図3に、上記陽イオンの比を2:1とした層状複水酸化物(例5、6)のXRDチャートを図4に、それぞれ示す。またXRDチャートのピーク位置と、Braggの式(2dsinθ=nλ)から得られた層間距離d(nm)について纏めた結果を表2の該当箇所に示す。
測定装置:RINT−TTRIII(株式会社リガク製)
ターゲット:Cu(Kα線)
スリット:発散スリット=1°、受光スリット=0.1mm、散乱スリット=1°
測定範囲:3°≦2θ≦80°
測定温度:室温(25℃)
図3および表1に示すように、例1のXRDチャートでは2θ=10°および20°付近に顕著なピークが現れ、かかるXRDパターンより目的物が合成できていることを確認した。また、例3および4のXRDチャートでは、例1のXRDチャートで2θ=10°付近に観測されたピークが低角度側にシフトし、即ち層間距離が広がっていることが確認された。この理由としては、比較的嵩高い構造の陰イオン系界面活性剤が、水酸化物層の層間に入ったためと考えられる。一方、例2のXRDチャートではピークのシフトは見られなかったが、2θ=10°付近のピーク幅が、例1に比べやや広がったことが確認された。このため結晶構造に何らかの変化が生じていると考えられる。
また、図4に示すように、例5のXRDパターンより目的物が合成できていることを確認した。例6では2θ=10°付近に二つピークが重なって観察され、トリメチルグリシンが層間に入ったことで層間距離が広がったものと考えられた。
[イオン伝導性の測定]
上記得られた層状複水酸化物(例1〜6)について、イオン伝導率σ(S/cm)を測定した。具体的には、まず測定用サンプル(ペレット)を作製した。即ち、上記得られた層状複水酸化物(0.2g)をペレット成形用の金型(直径10mm)に入れ、所定の条件で加圧成形(例えば、ここでは6kNで30秒間加圧した後、より強い圧力(12kN)で5分間加圧)した。そして、得られたペレットの表裏に導電性ペースト(ドータイトD−500、藤倉化成株式会社製)を塗布し、80℃で10分間乾燥させた。かかるペレットに電極用金板(厚み0.1mm)を設置し、測定用サンプル(例1〜6)とした。
次に、周波数応答アナライザを用いて、下記測定条件でイオン伝導率σ(S/cm)を測定した。本測定では、先ず相対湿度80%で測定を行い、その後、イオン伝導率の高かったサンプルについては、低湿度条件(60%RHおよび20%RH)においても測定を行った。一例として、80℃、20%RHの条件で測定したインピーダンススペクトルのチャート(Cole−Coleプロット)を図5に示す。また、得られたCole−Coleプロットからバルク抵抗の値を求め、イオン伝導度を算出した。結果について纏めたものを図5、6および表1に示す。なお、下表2中の「−」は、未測定であることを表す。
測定装置:1260型(Solartron社製)
測定電圧:10mV
測定周波数:10MHz〜0.1Hz
測定方法:2端子法
測定温度:80℃
Figure 2013120727
図5に示すように、80℃、20%RHの高温低湿条件において、トリメチルグリシンを含む例2では、トリメチルグリシンを含まない例1に比べ、顕著に抵抗が低かった。この理由として、正に帯電した水酸化物層の表面に、分極を生じたトリメチルグリシン((CHCHCOO)の負電荷を有する元素部位が結合することで、水酸化物層と該層間との界面抵抗が低減されたことが考えられる。また、上記に加え、トリメチルグリシンの正電荷を有する元素部位と、水分子(典型的には分極した状態)とが結合することで、従来に比べ強固なイオン伝導パス(経路)が形成されたことが考えられる。
図6および図7に示すように、単純な層状複水酸化物である例1および例5のイオン伝導率は80%RHから20%RHの間で湿度依存性が非常に高く、湿度の低下に伴ってイオン伝導率が大幅に減少した。一方、両性イオンを添加した層状複水酸化物(例2および例6)では、湿度依存性(即ち、湿度の低下に伴うイオン伝導率の減少)が大幅に抑制された。特に、二価の陽イオンと三価の陽イオンの比率が3:1の場合は、20%RHの環境下において、トリメチルグリシンを含む例2は、トリメチルグリシンを含まない例1に比べ10倍以上のイオン伝導率を示した。この理由としては、上記強固な伝導パスが形成されたことに加え、水酸化物層の層間に該両性有機化合物が入ることで層間距離が広がり、より多くの水を包含することができたためと考えられる。
なお、陰イオン系界面活性剤を添加した例3および例4では、80%RHにおいても他の例に比べ小さなイオン伝導率を示した。この理由としては、水酸化物層の層間に分子量の大きな該界面活性剤が大量に存在することで、イオンの可動性(移動性)が著しく低下した(即ち、電荷移動抵抗が著しく増大した)ことが考えられる。
上記の結果より、高いイオン伝導率が求められるアルカリ電解質の材料として、結晶構造中に両性イオンになり得る有機化合物を有している層状複水酸化物を用いることの意義が示された。
1 燃料電池
10 アノード(燃料極)
11 燃料室
20 アルカリ電解質
22 水酸化物層
23 両性イオン(分極を生じた有機化合物)
24 層間
25 陰イオン
26 水分子(層間水)
30 カソード(空気極)
31 酸化剤ガス室

Claims (10)

  1. アルカリ電解質であって:
    前記アルカリ電解質は、層状複水酸化物を形成する組成物によって構成されており、
    前記組成物は、二価の陽イオンと、三価の陽イオンと、少なくとも水酸化物イオンを含む陰イオンと、両性イオンになり得る有機化合物と、
    を包含する、アルカリ電解質。
  2. 前記二価の陽イオンはマグネシウムイオンであり、前記三価の陽イオンはアルミニウムイオンである、請求項1に記載のアルカリ電解質。
  3. 前記二価の陽イオン(MII)と前記三価の陽イオン(MIII)とのモル比(MII/MIII)は、2以上4以下である、請求項1または2に記載のアルカリ電解質。
  4. 前記二価の陽イオン(MII)と前記三価の陽イオン(MIII)とのモル比(MII/MIII)は、2.5以上3.5以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載のアルカリ電解質。
  5. 前記有機化合物として、少なくとも1種のアミノ酸および/またはアミノ酸誘導体を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のアルカリ電解質。
  6. 前記有機化合物として、少なくとも以下の一般式(1):
    COO (1)
    (ここで、R、R、R、Rは、それぞれ水素原子または炭素数1〜5の直鎖、分岐、または環状のアルキル基である。)
    で示されるアミノ酸および/またはアミノ酸誘導体を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のアルカリ電解質。
  7. 前記有機化合物として、少なくとも以下の一般式(2):
    CHCOO (2)
    (ここで、R、R、Rは、それぞれ水素原子または炭素数1〜5の直鎖、分岐、または環状のアルキル基である。)
    で示されるアルキルグリシンを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のアルカリ電解質。
  8. 前記有機化合物として、少なくともトリメチルグリシンを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のアルカリ電解質。
  9. 層状複水酸化物からなるアルカリ電解質の製造方法であって:
    二価の陽イオン源および三価の陽イオン源を含有する水性溶液を用意すること;
    前記用意した水性溶液に、両性イオンになり得る有機化合物を添加すること;
    前記有機化合物を添加した水性溶液をアルカリ性に調整し、析出物を得ること;
    前記アルカリ性の水性溶液から析出物を回収すること;および
    前記回収した析出物を成形すること;
    を包含する、アルカリ電解質の製造方法。
  10. 請求項1から8のいずれか一項に記載のアルカリ電解質、または請求項9に記載の製造方法により得られたアルカリ電解質、を備えた燃料電池。

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