JP2015050021A - 有機無機ハイブリッド多孔質膜およびその製造方法 - Google Patents

有機無機ハイブリッド多孔質膜およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的高いイオン伝導性および強度を有する電解質膜を製造するために用いられる有機無機ハイブリッド多孔質膜およびその製造方法を提供する。【解決手段】実施例品1乃至4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10によれば、それら有機無機ハイブリッド多孔質膜10自体にイオン伝導性があることから、それら有機無機ハイブリッド多孔質膜10を電解質膜12の基材として用いた場合には、イオン伝導性のないポリマー多孔質膜24を電解質膜12の基材として用いた場合に比べて、電解質膜12のイオン伝導性が高くなる。また、実施例品1乃至4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10を電解質膜12の基材として用いることによって、電解質膜12の強度を向上させることができる。すなわち、実施例品1乃至4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10を用いることにより比較的高いイオン伝導性および強度を有する電解質膜12を製造することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、有機質のポリマー多孔質膜の表面が、価数の異なる2種類以上の金属イオンから成る無機質の層状複水酸化物の粒子でコーティングされたイオン伝導性を有する有機無機ハイブリッド多孔質膜およびその製造方法に関する。
例えば特許文献1および特許文献2に示すように、燃料電池用の電解質膜では、たとえばその電解質膜を取り扱う際に必要な強度を持たせるために、有機質のポリマー多孔質膜を基材(フレーム)として使用し、プロトンのイオン伝導性高分子であるイオン交換ポリマーがそのポリマー多孔質膜の細孔の中に充填されることによって燃料電池用の電解質膜が作製される。
特開2007−165204号公報 特開2006−63095号公報 国際公開第2010/109670号
ところで、上記のようなポリマー多孔質膜を基材として用いる電解質膜では、ポリマー多孔質膜自体にはイオン伝導性がないため、それを用いて作製した電解質膜のイオン伝導性が比較的低くなるという問題があった。
これに対して、例えば特許文献3では、上記ポリマー多孔質膜を使用せずに無機質の層状複水酸化物(Layered Double Hydroxide)を用いて燃料電池の電解質膜を作製することが提案されている。このような電解質膜は、電解質膜がイオン伝導材料である層状複水酸化物から構成されているので、その電解質膜のイオン伝導性が、ポリマー多孔質膜を電解質膜の基材として用いるものに比べて高くなる。しかしながら、上記のような層状複水酸化物から構成される電解質膜は、柔軟性がないため、たとえば電解質膜を製造する際などにおいて機械的強度が不足するという問題があった。なお、上記層状複水酸化物は、例えば、基本層[M2+ 1−x3+ (OH)]x+と中間層[An− x/n・yHO]x−とが層状に積み重ねられたものであり、共通化学式[M2+ 1−x3+ (OH)]x+[An− x/n・yHO]x−にて表される。ここで、M2+は2価の金属イオンを示し、M3+は3価の金属イオンを示し、An−は1価又は2価の陰イオンを示し、xは0.1〜0.8の範囲内にある数を示し、yは実数である。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、比較的高いイオン伝導性および機械的強度を有する電解質膜を製造するために用いられる有機無機ハイブリッド多孔質膜およびその製造方法を提供することにある。
本発明者は種々の解析や検討を重ねた結果、以下に示す事実に到達した。すなわち、有機質のポリマー多孔質膜の表面にアニオン伝導性がある層状複水酸化物をコーティングすると、その層状複水酸化物が表面にコーティングされたポリマー多孔質膜すなわち有機無機ハイブリッド多孔質膜自体に陰イオン伝導性が実質的に生じるという意外な事実を見いだした。本発明はこのような知見に基づいて為されたものである。
前記目的を達成するための本発明の有機無機ハイブリッド多孔質膜の要旨とするところは、有機質のポリマー多孔質膜の表面が、価数の異なる2種類以上の金属イオンから成る無機質の層状複水酸化物の粒子でコーティングされたイオン伝導性を有する有機無機ハイブリッド多孔質膜であることにある。
本発明の有機無機ハイブリッド多孔質膜によれば、前記有機無機ハイブリッド多孔質膜自体にイオン伝導性があることから、例えばその有機無機ハイブリッド多孔質膜を電解質膜の基材として用いた場合には、イオン伝導性のないポリマー多孔質膜を用いた場合に比べて、電解質膜のイオン伝導性が高くなる。また、前記有機無機ハイブリッド多孔質膜を電解質膜の基材として用いることによって、電解質膜の強度を向上させることができる。すなわち、前記有機無機ハイブリッド多孔質膜を用いることにより比較的高いイオン伝導性および機械的強度を有する電解質膜を製造することができる。
ここで、好適には、前記有機無機ハイブリッド多孔質膜を用いて、イオン伝導ポリマーをその有機無機ハイブリッド多孔質膜の細孔に充填することによってアニオン交換膜型燃料電池用の電解質膜が作製される。このため、前記アニオン交換膜型燃料電池用の電解質膜のイオン伝導性および機械的強度が好適に向上する。
また、好適には、(a) 複数の金属塩が溶解された溶液を作製する溶液作製工程と、(b) 前記溶液中において前記ポリマー多孔質膜を入れそのポリマー多孔質膜の表面に小片状の層状複水酸化物を析出させる析出工程とを、含む製造方法により、前記有機無機ハイブリッド多孔質膜が製造される。
上記有機無機ハイブリッド多孔質膜の製造方法によれば、前記溶液作製工程において複数の金属塩が溶解された溶液が作製され、前記析出工程において前記溶液中において前記ポリマー多孔質膜を入れそのポリマー多孔質膜の表面に小片状の層状複水酸化物が析出されることで、ポリマー多孔質膜の表面が層状複水酸化物の粒子でコーティングされたイオン伝導性を有する有機無機ハイブリッド多孔質膜が得られ、その有機無機ハイブリッド多孔質膜を例えば電解質膜の基材として用いることによって、比較的高いイオン伝導性および強度を有する電解質膜を製造することができる。
また、好適には、前記ポリマー多孔質膜は、平均細孔径が2μm、気孔率が86%程度のポリフッ化ビニリデン膜である。
本発明の一実施例の有機無機ハイブリッド多孔質膜が基材として用いられた電解質膜を備える燃料電池の構成を模式的に示す断面図である。 図1の電解質膜に使用された有機無機ハイブリッド多孔質膜の表面を示す図である。 図2の有機無機ハイブリッド多孔質膜においてポリマー多孔質膜の表面にコーティングされた層状複水酸化物の構造を模式的に示す断面図である。 図2の有機無機ハイブリッド多孔質膜の製造工程を説明する工程図である。 図4に示す製造工程によって製造された実施例品1乃至実施例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜等の製造条件を示す図である。 図5に示す比較例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜においてその表面のFESEM写真を示す図である。 図6のFESEM写真を拡大したFESEM写真を示す図である。 図5に示す比較例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜においてその表面のFESEM写真を示す図である。 図8のFESEM写真を拡大したFESEM写真を示す図である。 図5に示す比較例品3の有機無機ハイブリッド多孔質膜においてその表面のFESEM写真を示す図である。 図10のFESEM写真を拡大したFESEM写真を示す図である。 図5に示す比較例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜においてその表面のFESEM写真を示す図である。 図12のFESEM写真を拡大したFESEM写真を示す図である。 図5に示す実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜においてその表面のFESEM写真を示す図である。 図14のFESEM写真を拡大したFESEM写真を示す図である。 図5に示す実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜においてその表面のFESEM写真を示す図である。 図16のFESEM写真を拡大したFESEM写真を示す図である。 図5に示す実施例品3の有機無機ハイブリッド多孔質膜においてその表面のFESEM写真を示す図である。 図18のFESEM写真を拡大したFESEM写真を示す図である。 図5に示す実施例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜においてその表面のFESEM写真を示す図である。 図20のFESEM写真を拡大したFESEM写真を示す図である。 図5に示す実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜においてその表面のFESEM写真を示す図である。 図22に示す実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜に含まれる元素Mg、Alの原子比(At.%)を示す図である。 図22に示す実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜に存在するMg元素の分布を示す図である。 図22に示す実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜に存在するAl元素の分布を示す図である。 図22に示す実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜に存在する複数の元素の強度(カウント数)を示す図である。 図5に示す実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜においてその表面のFESEM写真を示す図である。 図27に示す実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜に含まれる元素Mg、Alの原子比(At.%)を示す図である。 図27に示す実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜に存在するMg元素の分布を示す図である。 図27に示す実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜に存在するAl元素の分布を示す図である。 図27に示す実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜に存在する複数の元素の強度(カウント数)を示す図である。 図5に示す実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜、実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜、比較例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜、層状複水酸化物において、それらのX線回折パターンを示す図である。 図5に示す実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜および実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜において、それら有機無機ハイブリッド多孔質膜のイオン伝導率を測定する測定方法を概略的に示す図である。 図5に示す実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜および実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜において、それら有機無機ハイブリッド多孔質膜のイオン伝導率を示す図である。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確には描かれていない。
図1は、本発明の一実施例の有機無機ハイブリッド多孔質膜10(図2参照)が基材として用いられた電解質膜12を備える燃料電池14の構成を模式的に示す断面図である。図1に示すように、燃料電池14は、例えば白金や遷移金属等を担持する触媒担持カーボンを電解質膜12側の一面全体に支持したカーボンクロスから成り、導電性およびガス透過性を有するアノード(燃料極)16およびカソード(空気極)18が、電解質膜12を介して対向した構造を有している。また、燃料電池14には、アノード16の電解質膜12と接していない側に燃料室20と、カソード18の電解質膜12と接していない側に酸化剤ガス室22とが配置させられており、燃料室20には例えば水素ガス(H)等が供給され、酸化剤ガス室22には例えば酸素(O)を含む気体(空気)等が供給されている。
以上のように構成された燃料電池14では、燃料電池14に電流を印加すると、カソード18において酸素含有ガス中の酸素と水(HO)とが還元反応して水酸化物イオン(OH)が生成され、その生成された水酸化物イオンがカソード18から電解質膜12を介してアノード16に供給される。そして、アノード14において、水酸化物イオン(OH)が燃料と反応して水を生成し電子(e)を放出することにより発電が行われる。なお、燃料電池14は、カソード18での還元反応により生成された水酸化物イオン(OH)が電解質膜12であるアニオン交換膜(アルカリ電解質膜)を介してアノード16へ移動し、燃料との酸化還元反応により発電するアニオン交換膜型燃料電池である。
図2は、電解質膜12にその基材(骨材)として含まれる有機無機ハイブリッド多孔質膜10の表面を示す概念図である。図2に示すように、有機無機ハイブリッド多孔質膜10は、繊維状のポリマーが絡み合うことで連通細気孔が形成されることにより例えばPVDF(ポリフッ化ビニリデン、Poly Vinylidene DiFluoride)膜等の比較的高いガス透過性を有する有機質のポリマー多孔質膜24の表面に、例えばマグネシウムイオン(Mg2+)等の2価の金属イオンと例えばアルミニウムイオン(Al3+)等の3価の金属イオンとから成る無機質の層状複水酸化物LDHの粒子がコーティングされている。なお、PVDF膜は、50nm〜5μm程度の平均細孔径と、30〜90%程度の気孔率とを有する。また、燃料電池14の電解質膜12は、有機無機ハイブリッド多孔質膜10の細孔10a内に陰イオン伝導ポリマー例えばクロロメチル(CM)基と4級アンモニウム基(QA)とを連鎖上に有する芳香族系アニオン交換ポリマーや、芳香族環を持つ非架橋のブロック共重合体等が充填されることにより作製されたものである。また、有機無機ハイブリッド多孔質膜10の細孔10aに上記陰イオン伝導ポリマーを充填させる方法としては、例えば、有機無機ハイブリッド多孔質膜10を電解質モノマー溶液に浸漬し真空引きをして細孔10a内にその電解質モノマー溶液を含浸させ、その後、その電解質モノマー溶液のモノマーを重合させる等の方法がある。
図3は、有機無機ハイブリッド多孔質膜10においてポリマー多孔質膜24の表面にコーティングされた層状複水酸化物LDHの構造を模式的に示す図である。その図3に示すように、層状複水酸化物LDHは、ランダムに存在する二価または三価の金属イオン例えばマグネシウムイオン(Mg2+)、アルミニウムイオン(Al3+)等が水酸化物イオン(OH)に囲まれた複数層の基本層26と、それら複数層の基本層26との間の層間に存在する例えば炭酸イオン(CO 2−)等の陰イオン28および図示しない水分子から成る中間層30とから構成されている。なお、本実施例の無機質の層状複水酸化物LDHは、上記基本層26と中間層30との層状構造が規則的に積み重ねられており、例えば、基本層26が[Mg2+ 1−xAl3+ (OH)]x+で表され、中間層30が[CO 2− ・yHO]x−で表される。
図4は、前述した有機無機ハイブリッド多孔質膜10の製造工程SA1乃至SA4を説明する工程図である。図4に示すように、先ず、溶液作製工程SA1において、硝酸マグネシウム6水和物(Mg(NO)・6HO)を例えば0.030molと、硝酸アルミニウム9水和物(Al(NO)・9HO)を例えば0.015molと、尿素(Urea、CO(NH))を例えば0.420molとを精製水に溶かして、複数の金属塩例えば硝酸マグネシウムおよび硝酸アルミニウムが溶解された溶液が作製される。なお、上記溶液において、尿素と硝酸とのモル比すなわちUrea/[NO]は、4.0である。
次に、析出工程SA2において、溶液作製工程SA1で得られた溶液をポリ−テトラ−フルオロ−エチレンの容器に移し、その容器内の溶液中において比較的高い疎水性があるポリマー多孔質膜24例えばPVDF膜等を入れて、上記容器を密封してオーブンに入れて例えば95℃で12時間保持させる。これにより、上記溶液中のポリマー多孔質膜24の表面に小片状の層状複水酸化物LDHが析出させられる。なお、析出工程SA2で使用されるポリマー多孔質膜24であるPVDF膜は比較的高い疎水性があるため、例えば上記溶液がPVDF膜に浸透しない場合には、そのPVDF膜を例えばエタノールで濡らしてから上記溶液に入れる。なお、上記PVDF膜は、例えば以下の表1に示す条件で作製されたものであり、高分子(PVDF)が溶媒に溶解された高分子溶液に高電圧を印加することで紡糸するエレクトロスピニング法により得られた繊維を例えば図2に示すように膜状に積層したものである。
[表1]
・高分子溶液
ポリマー: PVDF(株式会社クレハ、KFポリマー W♯1100)
溶媒: Acetone(アセトン)/DMF(N,N−ジメチルホルムアミド) 重量比3:7
濃度: 20wt.%

・エレクトロスピニング条件
装置: NANON(株式会社メック)
電圧: 20kV
流量: 1ml/hr
ノズル: 27G(テルモ注射針)
距離(ノズルからコレクター):15cm
膜厚み: 5〜20μm
次に、洗浄工程SA3において、析出工程SA2によって表面に層状複水酸化物LDHの粒子がコーティングされたポリマー多孔質膜24すなわち有機無機ハイブリッド多孔質膜10が精製水で洗浄される。次に、乾燥工程SA4において、洗浄工程SA3で洗浄された有機無機ハイブリッド多孔質膜10が例えば80度で乾燥される。これにより、有機無機ハイブリッド多孔質膜10が得られる。
[実験I]
ここで、本発明者等が行った実験Iを説明する。なお、この実験Iは、前述した析出工程SA2によって、ポリマー多孔質膜24の表面に層状複水酸化物LDHの粒子がコーティングされることを検証するための実験である。
この実験Iでは、先ず、溶液作製工程SA1乃至乾燥工程SA4を経て図5に示す実施例品1乃至実施例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10を製造した。そして、製造された実施例品1乃至実施例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10において、ポリマー多孔質膜24であるPVDF膜の表面に粒子が析出されたかを、FE−SEM(電界放射型走査型電子顕微鏡、Field Emission Scanning Electron Microscope)によるFESEM写真を用いて判定した。更に、PVDF膜の表面に析出された粒子が、層状複水酸化物LDHであるか否かをEDX(エネルギー分散型X線分光法)およびX線回折(X-ray diffraction)により判定した。なお、図5に示すように、実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10は、前述した溶液作製工程SA1乃至乾燥工程SA4を経て製造されたものである。また、実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10は、上記実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10に対して析出工程SA2で保温時間が12時間から24時間に変更された点で異なりそれ以外は実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10と同様に製造されたものである。また、実施例品3の有機無機ハイブリッド多孔質膜10は、上記実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10に対して析出工程SA2で保温時間が12時間から48時間に変更された点で異なりそれ以外は実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10と同様に製造されたものである。また、実施例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10は、上記実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10に対して析出工程SA2で保温温度が95℃から120℃に変更された点で異なりそれ以外は実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10と同様に製造されたものである。
更に、上記実験Iでは、図5に示す比較例品1乃至比較例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10を製造し、上記と同様に、製造された比較例品1乃至比較例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10において、ポリマー多孔質膜24であるPVDF膜の表面に粒子が析出されたかを、FE−SEMによるFESEM写真を用いて判定した。なお、図5に示すように、比較例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10は、前述した析出工程SA2で処理される前のポリマー多孔質膜24すなわちPVDF膜である。また、比較例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10は、上記実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10に対して溶液作製工程SA1で作製された溶液において溶かされた尿素(Urea)が0.420molから0.210molに変更すなわち上記溶液中のUrea/[NO]のモル比が4.0から2.0に変更された点で異なりそれ以外は実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10と同様に製造されたものである。また、比較例品3の有機無機ハイブリッド多孔質膜10は、上記実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10に対して溶液作製工程SA1で作製された溶液において溶かされた尿素(Urea)が0.420molから0.315molに変更すなわち上記溶液中のUrea/[NO]のモル比が4.0から3.0に変更された点で異なりそれ以外は実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10と同様に製造されたものである。また、比較例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10は、上記実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10に対して析出工程SA2で保温時間が12時間から6時間に変更された点で異なりそれ以外は実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10と同様に製造されたものである。
以下、図6乃至図32を用いて上記実験Iの結果を示す。図6および図7の比較例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10すなわちポリマー多孔質膜24のFESEM写真に示すように、析出工程SA2の処理前のPVDF膜においてファイバーの表面は滑らかであった。また、図8および図9の比較例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10のFESEM写真に示すように、比較例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10の表面は、図6および図7に示す処理前のPVDF膜と略同じであり、比較例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10では、ポリマー多孔質膜24の表面に層状複水酸化物LDHの粒子が析出しなかった。また、図10および図11の比較例品3の有機無機ハイブリッド多孔質膜10のFESEM写真に示すように、比較例品3の有機無機ハイブリッド多孔質膜10の表面は、図6および図7に示す処理前のPVDF膜と略同じであり、比較例品3の有機無機ハイブリッド多孔質膜10では、ポリマー多孔質膜24の表面に層状複水酸化物LDHの粒子が析出しなかった。また、図12および図13の比較例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10のFESEM写真に示すように、比較例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10の表面は、図6および図7に示す処理前のPVDF膜と略同じであり、比較例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10では、ポリマー多孔質膜24の表面に層状複水酸化物LDHの粒子が析出しなかった。
また、図14および図15の実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10のFESEM写真に示すように、実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10の表面には、図6および図7に示す析出工程SA2処理前のPVDF膜に比べると、鱗片状(小片状)の粒子が略均一に析出されていた。また、図16および図17の実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10のFESEM写真に示すように、実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10の表面には、図6および図7に示す析出工程SA2処理前のPVDF膜に比べると、鱗片状の粒子が略均一に析出されていた。なお、実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10に析出された鱗片状の粒子は、実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10に析出された鱗片状の粒子より小さい。また、図18および図19の実施例品3の有機無機ハイブリッド多孔質膜10のFESEM写真に示すように、実施例品3の有機無機ハイブリッド多孔質膜10の表面には、図6および図7に示す析出工程SA2処理前のPVDF膜に比べると、鱗片状の粒子が略均一に析出されていた。また、図20および図21の実施例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10のFESEM写真に示すように、実施例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10の表面には、図6および図7に示す析出工程SA2処理前のPVDF膜に比べると、鱗片状の粒子が略均一に析出されていた。
図22および図27は、実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10、実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10のFESEM写真を示す図である。また、図23および図28は、図22、図27で示された実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10、実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10に含まれる元素Mg、Alの原子比(At.%)を示す図である。図24および図29は、図22、図27で示された実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10、実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10に存在するMg元素の分布を示す図である。図25および図30は、図22、図27で示された実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10、実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10に存在するAl元素の分布を示す図である。図26および図31は、図22、図27で示された実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10、実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10に存在する複数の元素の強度(カウント数)を示す図である。なお、図23乃至図26、図28乃至図31は、図22、図27に示す実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10、実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10を、EDX(エネルギー分散型X線分光法)によって元素分析や組成分析したものである。
図22乃至図26に示すように、実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10において、PVDF膜であるポリマー多孔質膜24の表面に析出された鱗片状の粒子の主な成分は、層状複水酸化物LDHに含まれるMgおよびAlであることが分かった。また、図24および図25に示すように、実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10において、MgとAlとの二種類の元素がPVDF膜のファイバー全体に均一に分散していることが観察された。また、図27乃至図31に示すように、実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10において、PVDF膜であるポリマー多孔質膜24の表面に析出された鱗片状の粒子の主な成分は、層状複水酸化物LDHに含まれるMgおよびAlであることが分かった。また、図29および図30に示すように、実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10において、MgとAlとの二種類の元素がPVDF膜のファイバー全体に均一に分散していることが観察された。
図32に示すように、比較例品1の析出工程SA2が行われていないPVDF膜のXRDパターンは、20度付近に2箇所回折ピークが観測されており、層状複水酸化物LDHのXRDパターンは、10度付近、24度付近、35度付近、40度付近、48度付近に回折ピークが観測されている。また、実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10のXRDパターンは、10度付近、20度付近に2箇所、24度付近、35度付近、40度付近、48度付近に回折ピークが観測されており、PVDF膜由来の回折ピーク以外に、層状複水酸化物LDHに帰属する回折ピークが観測された。このため、実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10において、ポリマー多孔質膜24であるPVDF膜のファイバーの表面に均一に成長した鱗片状の粒子は、層状複水酸化物LDHから成る粒子であることが分かった。また、実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10のXRDパターンは、実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10と同様に、10度付近、20度付近に2箇所、24度付近、35度付近、40度付近、48度付近に回折ピークが観測されており、PVDF膜由来の回折ピーク以外に、層状複水酸化物LDHに帰属する回折ピークが観測された。このため、実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10において、ポリマー多孔質膜24であるPVDF膜のファイバーの表面に均一に成長した鱗片状の粒子は、層状複水酸化物LDHから成る粒子であることが分かった。なお、図示していないが、実施例品1、実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10と同様に、前述したEDX(エネルギー分散型X線分光法)およびX線回折(X-ray diffraction)から、実施例品3および実施例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10において、ポリマー多孔質膜24であるPVDF膜のファイバーの表面に均一に成長した鱗片状の粒子は、層状複水酸化物LDHから成る粒子であった。
図6乃至図32の上記実験Iの結果によれば、比較例品1乃至比較例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10では、そのPVDF膜であるポリマー多孔質膜24の表面に層状複水酸化物LDHの粒子がコーティングされなかったが、実施例品1乃至実施例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10では、そのPVDF膜であるポリマー多孔質膜24の表面に層状複水酸化物LDHの粒子がコーティングされた。このため、析出工程SA2によって、ポリマー多孔質膜24の表面に鱗片状の層状複水酸化物LDHが析出されたと考えられる。
また、図6乃至図32の上記実験Iの結果によれば、比較例品2、比較例品3の有機無機ハイブリッド多孔質膜10では、PVDF膜の表面に層状複水酸化物LDHの粒子がコーティングされなかったが、実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10では、PVDF膜の表面に層状複水酸化物LDHの粒子がコーティングされた。このため、析出工程SA2において、PVDF膜を入れる溶液に溶かされた尿素を0.420mol以上またはその溶液中のUrea/[NO]のモル比を4.0以上にすることによって、好適にPVDF膜の表面に層状複水酸化物LDHをコーティングさせることができると考えられる。
また、図6乃至図32の上記実験Iの結果によれば、比較例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10では、PVDF膜の表面に層状複水酸化物LDHの粒子がコーティングされなかったが、実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10では、PVDF膜の表面に層状複水酸化物LDHの粒子がコーティングされた。このため、析出工程SA2において、保持時間を12時間以上にすることによって、好適にPVDF膜の表面に層状複水酸化物LDHをコーティングさせることができると考えられる。
[実験II]
ここで、本発明者等が行った実験IIを説明する。なお、この実験IIは、PVDF膜であるポリマー多孔質膜24の表面に層状複水酸化物LDHの粒子がコーティングされた有機無機ハイブリッド多孔質膜10が、イオン伝導性を有することを検証するための実験である。
この実験IIでは、先ず、前述した実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10、実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10をそれぞれ用いて、図33に示すように、一対の金電極32および34をその有機無機ハイブリッド多孔質膜10の両面に取り付けた。そして、交流インピーダンスアナライザー法で、環境温度80℃における相対湿度80%の時の上記実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10および実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10のイオン伝導率をそれぞれ測定した。なお、上記実験IIにおいて、上記有機無機ハイブリッド多孔質膜10の環境制御は、ESPEC社製(Japan)SH−221の小型環境試験器を使用し、上記有機無機ハイブリッド多孔質膜10のイオン伝導率の測定は、Solartron Analytical社製(UK)Solartron 1260 lmpedance/gain-phase analyzerの電気特性評価装置を使用した。
以下、図34を用いて上記実験IIの結果を示す。図34に示すように、実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10のイオン伝導率は、1.2×10−6[S/cm]であり、実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10自体にイオン伝導性を有していることが分かった。また、実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10のイオン伝導率は、1.1×10−8[S/cm]であり、実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10自体にイオン伝導性を有していることが分かった。なお、図示していないが、実施例品3の有機無機ハイブリッド多孔質膜10および実施例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10自体にも、実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10および実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10と同様に、イオン伝導性を有していた。
図34の上記実験IIの結果によれば、実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10および実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10は、イオン伝導性を有していた。このため、PVDF膜であるポリマー多孔質膜24の表面が、層状複水酸化物LDHの粒子でコーティングされることによって、そのポリマー多孔質膜24の表面が層状複水酸化物LDHの粒子でコーティングされた有機無機ハイブリッド多孔質膜10は、イオン伝導性を有すると考えられる。
図34の上記実験IIの結果によれば、実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10のイオン伝導率は、実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜のイオン伝導率より高かった。また、前述したように図14乃至図17から実施例品1の有機無機ハイブリッド多孔質膜10においてPVDF膜の表面にコーティングされた層状複水酸化物LDHの粒子の大きさは、実施例品2の有機無機ハイブリッド多孔質膜10における層状複水酸化物LDHの粒子に比べて小さかった。このため、PVDF膜の表面にコーティングされた層状複水酸化物LDHの粒子の大きさが小さい程、有機無機ハイブリッド多孔質膜10のイオン伝導率が高くなると考えられる。
本実施例の実施例品1乃至実施例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10によれば、それら実施例品1乃至実施例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10自体にイオン伝導性があることから、それら実施例品1乃至実施例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10を電解質膜12の基材として用いた場合には、イオン伝導性のないポリマー多孔質膜24を電解質膜12の基材として用いた場合に比べて、その電解質膜12のイオン伝導性が高くなる。また、実施例品1乃至実施例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10を電解質膜12の基材として用いることによって、電解質膜12の強度を向上させることができる。すなわち、実施例品1乃至実施例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10を用いることにより比較的高いイオン伝導性および強度を有する電解質膜12を製造することができる。
また、本実施例の実施例品1乃至実施例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10によれば、それら実施例品1乃至実施例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10を用いて、イオン伝導ポリマーをその有機無機ハイブリッド多孔質膜10の細孔10aに充填することによってアニオン交換膜型燃料電池14用の電解質膜12が作製される。このため、アニオン交換膜型燃料電池14用の電解質膜12のイオン伝導性および強度が好適に向上する。
本実施例の実施例品1乃至実施例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10の製造方法によれば、溶液作製工程SA1において複数の金属塩例えば硝酸マグネシウムおよび硝酸アルミニウムが溶解された溶液が作製され、析出工程SA2において前記溶液中においてPVDF膜であるポリマー多孔質膜24を入れそのポリマー多孔質膜24の表面に小片状の層状複水酸化物LDHが析出されることで、ポリマー多孔質膜24の表面が層状複水酸化物LDHの粒子でコーティングされたイオン伝導性を有する有機無機ハイブリッド多孔質膜10が得られ、その有機無機ハイブリッド多孔質膜10を例えば電解質膜12の基材として用いることによって、比較的高いイオン伝導性および強度を有する電解質膜12を製造することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
本実施例の実施例品1乃至実施例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10において、ポリマー多孔質膜24の表面にコーティングされた無機質の層状複水酸化物LDHの基本層26は、マグネシウムイオン(Mg2+)およびアルミニウムイオン(Al3+)を有していたが、そのマグネシウムイオンに代えてマグネシウムイオン以外の2価の金属イオン例えば鉄イオン(Fe2+)、亜鉛イオン(Zn2+)、カルシウムイオン(Ca2+)、リチウムイオン(Li2+)、ニッケルイオン(Ni2+)、コバルトイオン(Co2+)、銅イオン(Cu2+)等や、そのアルミニウムイオンに代えてアルミニウムイオン以外の3価の金属イオン例えば鉄イオン(Fe3+)、マンガンイオン(Mn3+)、コバルトイオン(Co3+)等が用いられても良い。更に、層状複水酸化物LDHの基本層26は、2価の金属イオンおよび3価の金属イオンを1種類ずつ有するものだけに限定されるものではない。例えば、1価の金属イオンおよび2価の金属イオンを1種類ずつ有するものであってもよいし、2価の金属イオンを1種類および4価の金属イオンを2種類有するものであってもよい。すなわち、互いに価数の異なる金属イオンを1種類以上ずつ有していればよい。なお、価数が互いに異なれば、同じ元素の金属イオンを含んでいてもよい。すなわち、本実施例の層状複水酸化物LDHは、価数の異なる2種類以上の金属イオンから成るものであれば良い。また、本実施例の実施例品1乃至実施例品4の有機無機ハイブリッド多孔質膜10では、層状複水酸化物LDHの中間層30に炭酸イオン(CO 2−)を有していたが、炭酸イオン以外の陰イオン例えば硝酸イオン(NO )、水酸化物イオン(OH)、塩化物イオン(Cl)、臭化物イオン(Br)等が用いられても良い。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:有機無機ハイブリッド多孔質膜
10a:細孔
12:電解質膜
14:燃料電池
24:ポリマー多孔質膜
LDH:層状複水酸化物
SA1:溶液作製工程
SA2:析出工程

Claims (3)

  1. 有機質のポリマー多孔質膜の表面が、価数の異なる2種類以上の金属イオンから成る無機質の層状複水酸化物の粒子でコーティングされたイオン伝導性を有する有機無機ハイブリッド多孔質膜。
  2. 請求項1の有機無機ハイブリッド多孔質膜を用いて、イオン伝導ポリマーを該有機無機ハイブリッド多孔質膜の細孔に充填することによって作製されたアニオン交換膜型燃料電池用の電解質膜。
  3. 請求項1に記載の有機無機ハイブリッド多孔質膜の製造方法であって、
    複数の金属塩が溶解された溶液を作製する溶液作製工程と、
    前記溶液中において前記ポリマー多孔質膜を入れそのポリマー多孔質膜の表面に小片状の層状複水酸化物を析出させる析出工程と
    を含む有機無機ハイブリッド多孔質膜の製造方法。
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