JP2013118029A - 光記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】青色レーザを用いて記録再生を行い、記録層材料として色素材料を用いた光記録媒体において、記録特性に優れた光記録媒体を提供する。
【解決手段】案内溝を有する基板11上に、少なくとも色素材料を含有する色素記録層13、樹脂材料からなるカバー層15をこの順に有し、前記カバー層15の側から記録再生光17を入射して記録再生を行う光記録媒体10であって、前記色素記録層13が、最大吸収波長が450nm以下の主成分色素を含有し、かつ、最大吸収波長が460nm以上530nm以下の添加色素を更に含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、色素記録層を有する光記録媒体に関する。
近年、超高密度の記録が可能となる青色レーザの開発は急速に進んでおり、それに対応した追記型の光記録媒体の開発が行なわれている。中でも、比較的安価なコストで効率的な生産が可能となる色素塗布型の追記型媒体の開発が強く望まれている。これに対し、405nm前後の波長を用いたいわゆるブルーレイディスクとして、記録層に色素材料を用いた光記録媒体が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
また、特許文献3では、最大吸収波長を特定の領域にもつ有機色素化合物と金属錯体化合物とを含有する、耐光性を向上させた光記録材料が開示されており、記録層にこの光記録材料を用いた光記録媒体が記載されている。
特開2008−262661 特開2008−262671 特開2005−271587
しかしながら、安価なコストで効率的な生産が可能となる色素材料を記録層に用いたブルーレイディスクでは、無機記録層を有するブルーレイディスクに比べ、記録再生特性、特にパワーマージンが劣化する傾向にある。
このため、記録層に色素材料を用いた光記録媒体において、反射率や保存安定性を保ったまま、パワーマージンを改善する光記録媒体が求められていた。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、青色レーザを用いて記録再生を行い、記録層材料として色素材料を用いた光記録媒体において、記録特性に優れた光記録媒体を得ることにある。
本発明の発明者等は、光記録媒体において、色素材料を含有する色素記録層が、最大吸収波長が特定の波長以下の主成分色素材料を含有し、かつ、最大吸収波長が特定の範囲内の添加色素材料を更に含有することで、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の要旨は、案内溝を有する基板上に、少なくとも色素材料を含有する色素記録層、樹脂材料からなるカバー層をこの順に有し、前記カバー層の側から記録再生光を入射して記録再生を行う光記録媒体であって、前記色素記録層が、最大吸収波長が450nm以下の主成分色素を含有し、かつ、最大吸収波長が460nm以上530nm以下の添加色素を更に含有することを特徴とする光記録媒体に存する。
ここで、前記光記録媒体において、前記色素記録層が、最大吸収波長が460nm以上520nm以下の添加色素を含有することが好ましい。
また、前記色素記録層において、前記主成分色素と前記添加色素との合計含有量に対して、前記添加色素の含有率が5〜50重量%であることが好ましい。
また、前記色素記録層において、前記主成分色素と前記添加色素との合計含有量に対して、前記添加色素の含有率が20〜30重量%であることが好ましい。
また、前記主成分色素が、含金属アゾ化合物又は含金属ヒドラジド化合物であることが好ましい。
また、前記添加色素が、含金属アゾ化合物又は含金属ヒドラジド化合物であることが好ましい。
本発明によれば、色素記録層を有する光記録媒体において、保存安定性と反射率を維持したまま、良好なパワーマージン特性を得ることができる。
本発明の光記録媒体の層構成を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態につき、大容量の光記録媒体である追記型のブルーレイディスクを想定して詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に制限されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
[1.光記録媒体の構成]
図1は、本実施の形態が適用される色素材料を含有する記録層(以下、色素記録層ともいう)を有する膜面入射構成の追記型光記録媒体を説明する図である。
本発明の光記録媒体10は、案内溝を有する基板11上に、少なくとも色素材料を含有する色素記録層13、樹脂からなるカバー層15をこの順に有するが、基板11と色素記録層13の間に、記録再生光の反射率を高めるための反射層12を有することが好ましい。また。色素記録層13とカバー層15の間には、記録時における色素記録層13の変形度合を制御するための界面層14を設けることが好ましい。
ここで、記録再生光17はカバー層15の側から入射させて情報の記録再生を行うが、記録再生光17がカバー層15に入射する面から遠い側の案内溝部を記録溝部とし(以下、in−groove記録と記載することがある)、前記記録溝部に形成された記録ピット部の反射光強度が、当該記録溝部における未記録時の反射光強度より高くなるように記録すること(以下、LtoH記録と記載することがある)が好ましい。
以下、本発明の光記録媒体の各構成を詳述する。
[1−1.基板]
基板11は、適度な加工性と剛性を有するプラスチック、金属、ガラス等を用いることができる。従来の基板面入射構成と異なり、透明性や複屈折に対する制限はない。基板11上には案内溝を形成するのであるが、金属、ガラスでは、表面に光や熱硬化性の薄い樹脂層を設け、そこに、溝を形成する必要がある。この点、プラスチック材料を用い、射出成型によって、基板表面形状、特に好ましくは円盤状、と表面の案内溝を一挙に形成するほうが製造上は好ましい。
射出成型できるプラスチック材料としては、従来のCDやDVDで用いられたポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。基板11の厚みとしては0.5mm〜1.2mmとするのが好ましいが、基板11の厚みとカバー層15の厚みを合わせて、従来のCDやDVDと同じ1.2mmとすることが好ましい。従来のCDやDVDで使われるケース等をそのまま用いることができるからである。基板の厚みを1.1mm、カバー層の厚みを0.1mmとすることが、ブルーレイディスクでは規定されている。
基板11にはトラッキング用の案内溝が形成されている。本実施の形態では、記録再生光はカバー層15側から入射させる膜面入射構造を有するが、記録再生光の入射面から遠い側、すなわち入射面から見て凹部を記録溝部として記録ピット部の形成を行うことが好ましい。この際のトラックピッチは、CD−R、DVD−Rより高密度記録を達成するために、好ましくは0.1μm以上、さらに好ましくは0.2μm以上、また、好ましくは0.6μm以下、さらに好ましくは0.4μm以下とする。溝深さは、前記範囲内で、未記録状態の記録溝部反射率、記録信号の信号特性、プッシュプル信号特性、色素記録層13の光学特性等を考慮して適宜最適化されるが、20nm以上が好ましく、30nm以上がさらに好ましく、また70nm以下が好ましく、60nm以下がさらに好ましい。
案内溝の形状は、通常、矩形となる。特に、後述の塗布による色素記録層形成時に、色素を含む溶液の溶剤がほとんど蒸発するまでの数十秒間に、基板溝部上に、色素が選択的に溜まることが望ましい。このため、矩形溝の基板溝間の肩を丸くして、色素溶液が基板溝部に落下して溜まりやすくすることも好ましい。このような丸い肩を有する溝形状は、プラスチック基板もしくは、スタンパの表面を、プラズマやUVオゾン等に数秒から数分さらしてエッチングすることで得られる。プラズマによるエッチングでは、基板の溝部の肩(溝間部のエッジ)のようなとがった部分が選択的に削られる性質があるので、丸まった溝部の肩の形状を得るのに適している。
案内溝は、通常は、アドレスや同期信号等の付加情報を付与するために、溝蛇行、溝深さ変調等の溝形状の変調、記録溝部あるいは記録溝間部の断続による凹凸ピット等による付加信号を有する。例えば、ブルーレイディスクでは、MSK(minimum−shift−keying)とSTW(saw−tooth−wobbles)という2変調方式を用いたウォブル・アドレス方式が用いられている。
[1−2.反射層]
反射層12には、記録再生光の波長(以下、λと記載することがある)に対する反射率が高く、記録再生光の波長に対して70%以上の反射率を有するものが好ましい。一般に、記録再生光として用いられる可視光の波長範囲で高反射率を示すものとして、Au、Ag、Al及びこれらを主成分とする合金が挙げられる。本発明においては、この中でも、波長λ=350〜450nmでの反射率が高く、吸収が小さいAgを主成分とする合金が好ましい。ここで、「Agを主成分とする」とは、反射層12におけるAgの含有量が50原子%以上であることを意味し、好ましくは80原子%以上、より好ましくは90原子%以上、特に好ましくは95原子%以上である。Agを主成分として、Au、Cu、希土類元素(特に、Nd、Eu)、Nb、Ta、V、Mo、Mn、Mg、Cr、Bi、Al、Si、Ge等を0.01原子%〜10原子%加えることで、水分、酸素、硫黄等に対する耐食性が高めることができ好ましい。この他に、誘電体層を複数積層した誘電体ミラーを用いることも可能である。
反射層12の膜厚は、好ましくは40nm以上、さらに好ましくは60nm以上、また好ましくは120nm以下、さらに好ましくは100nm以下である。膜厚が厚いほど高い反射率が得られるが、厚くしすぎると案内溝が埋まってしまい、満足な信号特性が得にくくなる。一方、膜厚が薄すぎると高い反射率を得にくくなる。
反射層12は、スパッタリング法、イオンプレーティング法や、電子ビーム蒸着法など公知の方法で形成することができる。
[1−3.色素記録層]
本実施の形態において色素記録層13に使用する色素材料は、記録再生光として青色領域である波長405nm前後の記録再生光を用いることを想定しているため、450nm以下の波長領域に、その構造に起因した顕著な光吸収帯を有する有機化合物が必須である。このような色素材料を色素記録層13に含有させて形成した場合に、未記録(記録前)の状態において記録再生光の波長λに対してある程度の吸収を有し、記録により変質して色素記録層13に再生光の反射光強度の変化として検出されうる光学的変化を起こす色素材料を、「主成分色素」と呼ぶ。主成分色素は、具体的には最大吸収波長(以下、λmaxと記載することがある)が、350nm以上450nm以下である色素材料を指す。なお、最大吸収波長とは、色素材料の吸収スペクトルを測定した場合に、吸光度が最も大きくなる波長の値をいう。主成分色素のλmaxは、好ましくは380nm以上420nm以下である。色素材料のλmaxの測定は、分光光度計(例えば、日立製作所製U−3300)を用いて、透明基板上に色素材料のみを膜厚約40nm塗布して行った。
本実施の形態において、色素記録層13は、少なくとも1種の主成分色素を含有することが必要であるが、2種以上の主成分色素を含有していても構わない。
また、本発明の色素記録層13は主成分色素のみで形成される訳ではなく、主成分色素とは異なる光吸収特性を有する他の色素材料を含有させることが必須である。このような、主成分色素と共に含有させる、主成分色素とは異なる光吸収特性を有する他の色素材料を「添加色素」と呼ぶ。
本発明においては、色素記録層13に特定の物性を有する添加色素を含有させることを特徴とする。すなわち、色素記録層13に含有される添加色素は、460nm以上、530nm以下、好ましくは520nm以下、更に好ましくは480nm以下のλmaxを有する。このような添加色素を主成分色素に混合することで、優れた記録再生特性を得ることができる。具体的には、反射率や保存安定性を良好に保ったまま、パワーマージンを改善することが可能となる。
添加色素のλmaxが、上述の範囲より高すぎても低すぎても、優れたパワーマージンを得にくくなる。この理由は明らかではないが、λmaxが高すぎると405nm波長の吸収が小さくなり、主成分色素の分解が十分に進まない傾向があると考えられる。一方、λmaxが低すぎると405nmでの吸収が大きくなるため、反射率が下がる傾向にある。また、λmaxを405nmよりも更に小さくすると、405nmの吸収は小さくなるが紫外領域に吸収を持つため耐光性が悪くなると考えられる。
主成分色素の含有率は、色素記録層13の全重量に対して50重量%以上が好ましく、60重量%以上がより好ましく、70重量%以上がさらに好ましい。
色素記録層13における、添加色素の含有率は、主成分色素と添加色素の合計含有量に対し、5重量%以上が好ましく、更に好ましくは15重量%以上、特に好ましくは20重量%以上である。この範囲とすることで、保存安定性が高くなる傾向にある。また、50重量%以下が好ましく、更に好ましくは40重量%以下、特に好ましくは30重量%以下である。この範囲とすることで、良好な記録再生特性が得やすい傾向にある。
主成分色素及び添加色素以外の色素記録層13の含有物として、低・高分子材料からなる結合剤(バインダー)、誘電体を含んでいても良い。
<主成分色素>
主成分色素は、特に、構造によって限定されるものではない。本実施の形態においては、記録により、色素記録層13内の屈折率が変化を生じるものであり、未記録(記録前)状態での吸収係数が0より大きい値である限り、原則として光学的特性に対する強い制約はない。主成分色素が記録再生光の波長λに対してある程度の吸収を有し、且つ、自らの吸光、発熱によって、変質を起こし、屈折率の変化を生じればよい。ここで、変質とは、具体的には、主成分色素の吸収・発熱による膨張、分解、昇華、溶融等の現象をいう。主成分色素そのものが変質して、なんらかの構造変化を伴い、屈折率が変化してもよい。また、屈折率の変化は色素記録層13内及び/または界面に空洞が形成されてもよいし、色素記録層13の熱膨張による屈折率変化であってもよい。
ここで、前述のLtoH記録を実現するためには、記録により色素記録層13の屈折率が低下することが好ましい。
このような変質を示す温度としては、100℃以上が好ましく、また、500℃以下が好ましく、400℃以下が更に好ましい。保存安定性、耐再生光劣化の観点からは、150℃以上であることがさらに好ましい。また、変質を示す温度が300℃以下であれば、特に10m/s以上の高線速度での記録感度が良好になる傾向があり好ましい。変質を示す温度が280℃以下であることが、さらに高速記録での記録感度を良好にする可能性があるので、好ましい。通常は、以上で述べた、変質挙動は主成分色素の熱特性として測定され、熱重量分析−示差熱分析(TG−DTA)法によって、重量減少開始温度として大まかな挙動を測定できる。
上記のような特性を有する色素材料としては、メチン系、(含金属)アゾ系、ヒドラジド系、ピロン系、ポルフィリン系化合物等及びこれらの混合物が挙げられる。より具体的には、含金属アゾ系色素、含金属ヒドラジド系色素、ピロン系色素は、本来、耐光性に優れ、かつ、TG−DTAでの重量減少開始温度Tdが、150℃〜400℃にあり、急峻な減量特性(分解物の揮発性が高く、空洞を形成しやすい)を有する点で好ましい。特に好ましいのは、含金属アゾ系色素や含金属ヒドラジド系色素である。
《アゾ系色素》
アゾ系色素としては、下記式[I]で示されるアゾ化合物と金属イオンからなる含金属アゾ化合物が好ましい。
Figure 2013118029
式[I]中、環Aは、5または6員環の飽和または不飽和の、含窒素複素環であり、環Bは、5または6員環の飽和または不飽和の、炭化水素環または複素環であり、環A、Bはそれぞれ独立に5または6員環の飽和または不飽和の、炭化水素環または複素環が縮合してもよい。Xは活性水素を有する基であり、Xから水素が脱離して金属イオンと錯体を形成する。
環Aとしてはピロール、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、インドール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、イソインドール、インダゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾイソチアゾール、プリン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン及びこれらの飽和環などが挙げられ、ピラゾール、イミダゾール、イソオキサゾール、トリアゾール、ピリジン、ピリミジンなどが好ましい。特に好ましくはイソオキサゾール、ピラゾール、トリアゾールである。
環Bとしてはシクロペンタノン、ピロリジノン、チオフェノン、ピラゾリジノン、チアゾリジノン、シクロペンタジオン、ピロリジンジオン、チオフェンジオン、ピラゾリジンジオン、インダンジオン、シクロヘキサノン、ピラノン、ピペリジノン、チオピラノン、シクロヘキサジオン、ピランジオン、ピペリジンジオン、チオピランジオン、メルドラム酸、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ピリドン、ベンゼン、ピリジン、ジケトピリミジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、などの飽和もしくは不飽和の環構造が挙げられ、チアゾリジノン、インダンジオン、メルドラム酸、バルビツール酸、ピリドン、ピリミジン、ジケトピリミジンなどが好ましい。特に好ましくはインダンジオン、ジケトピリミジン、メルドラム酸である。
Xとしては水酸基、アミノ基、スルホンアミド基などが挙げられ、水酸基が好ましい。
金属イオンとしては、Ni、Co、Cu、Zn、Fe、Mnの2価の金属イオンが挙げられるが、特に、Ni、Coを含有する場合が、耐光性、耐高温高湿環境性に優れており、好ましい。
主成分色素材料として、好ましい含金属アゾ化合物の構造を下記式に示す。
Figure 2013118029
Figure 2013118029
《ヒドラジド系色素》
ヒドラジド系色素としては、下記式[II]で示されるヒドラジド化合物と金属イオンからなる含金属ヒドラジド化合物が好ましい。
Figure 2013118029
式[II]中、Rは、5または6員環の飽和または不飽和の、炭化水素環または複素環、5または6員環の飽和または不飽和の、炭化水素環または複素環が2価の連結基を介した構造、であり、上記の環構造にさらに5または6員環の飽和または不飽和の、炭化水素環または複素環が縮合してもよい。さらにRは、置換基を有してもよい鎖状アルキル基でも良い。
環Bは、5または6員環の飽和または不飽和の、炭化水素環または複素環であり、環Bには5または6員環の飽和または不飽和の、炭化水素環または複素環が縮合してもよい。Xは活性水素を有する基であり、Xから水素原子が脱離して金属イオンと錯体を形成する。さらにヒドラジド部位の水素原子が脱離して金属イオンと錯体を形成してもよい。
Rとしてはピロール、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、インドール、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、イソインドール、インダゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾイソチアゾール、プリン、ベンゼン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン及びこれらの飽和環などが挙げられ、ベンゼン、ピリジン、イミダゾールなどが好ましい。
また上記の構造がメチレン、エチレン、ビニレン、フェニレンと結合してRを形成してもよい。また、ピリジニウム、イミダゾリウムなど、アンモニウム塩をR内で形成することも好ましい。この場合、対アニオンを含金属ヒドラジド化合物に配位させてもよいし、分子内アニオン部位を形成してもよい。
環Bとしてはシクロペンタノン、ピロリジノン、チオフェノン、ピラゾリジノン、チアゾリジノン、シクロペンタジオン、ピロジンジオン、チオフェンジオン、ピラゾリジンジオン、インダンジオン、シクロヘキサノン、ピラノン、ピペリジノン、チオピラノン、シクロヘキサジオン、ピランジオン、ピペリジンジオン、チオピランジオン、メルドラム酸、バルビツール酸、チオバルビツール酸、ピリドン、ベンゼン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、などの飽和もしくは不飽和の環構造が挙げられ、チアゾリジノン、インダンジオン、メルドラム酸、バルビツール酸、ピリドン、ピリミジンなどが好ましい。
Xとしては水酸基、アミノ基、スルホンアミド基などが挙げられ、水酸基が好ましい。
金属イオンとしては、Ni、Co、Cu、Zn、Fe、Mnの2価の金属イオンが挙げられるが、特に、Ni、Coを含有する場合が、耐光性、耐高温高湿環境性に優れており、好ましい。
<添加色素>
本発明の特定のλmaxを有する添加色素については、上述の主成分色素と同様な基本骨格を有する色素材料において、例えば、一般式[I]のアゾ色素であれば環Aと環Bの、一般式[II]のヒドラジド色素であればRと環Bの、適当な組合せの配位子を有する化合物を用いることができ、これら化合物と金属イオンからなる含金属アゾ系色素や含金属ヒドラジド系色素が好ましい。例えば、λmaxが長波長になりやすい環Aの骨格と環Bの骨格を組み合わせて主成分色素より長波長のλmaxを有する色素を得る、または環A、Bにさら環を縮合させることでλmaxを長波長化させる、などの手法が挙げられる。
添加色素として、好ましい化合物の構造を下記式に示す。
Figure 2013118029
Figure 2013118029
Figure 2013118029
本実施の形態においては、色素記録層13は塗布法、真空蒸着法等で形成するが、特に、塗布法で形成することが好ましい。即ち、主成分色素と添加色素を、クエンチャー、結合剤等とともに適当な溶剤に溶解して色素記録層塗布液を調整し、前述の反射層12上に塗布する。溶解液中の色素材料の濃度は、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.2重量%以上、また、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下である。これにより、通常、1nm〜100nm程度の厚みに色素記録層13が形成される。その厚みを50nm未満とするために、上記色素濃度を1重量%未満とするのが好ましく、0.8重量%未満とするのがより好ましい。また、塗布の回転数をさらに調整することも好ましい。
色素材料等を溶解する溶剤としては、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール等のアルコール;テトラフルオロプロパノール(TFP)、オクタフルオロペンタノール(OFP)等のフッ素化炭化水素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;ジクロルメタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン等を挙げることができる。これらの溶剤を溶解すべき主成分色素材料等の溶解性を考慮して適宜選択し、また、2種以上を混合して用いることができる。
結合剤としては、セルロース誘導体、天然高分子物質、炭化水素系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル樹脂、ポリビニールアルコール、エポキシ樹脂等の有機高分子等を使うことができる。さらに、色素記録層13には、耐光性を向上させるために、種々の色素又は色素以外の褪色防止剤を含有させることができる。褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、前記色素材料に対して、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは5重量%以上、また、好ましくは50重量%以下、好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは25重量%以下である。
本発明においては、2種以上の主成分色素を混合することで、色素記録層13の記録特性を改善することが好ましい。例えば、後述する2層の色素記録層を設けた光記録媒体の場合、第1色素記録層は入射する記録再生光が手前の層で吸収されてしまうため、第2色素記録層の記録感度よりも高くする必要がある。そのため、例えば、イソオキサゾールをジアゾ成分として含む耐光性が低く光感応性が高い(記録感度が高い)含金属アゾ色素AAと、ピラゾールをジアゾ成分として含む耐光性が高く記録感度の悪い含金属アゾ色素BBとを混合することで、感度が高く、かつ耐光性に優れた色素記録層を形成することが好ましい。
このように、本発明においては、特性の異なる2種類以上の主成分色素を適宜混合することにより色素記録層13の記録特性を補うことが可能である。
[1−4.界面層]
本実施の形態においては、色素記録層13とカバー層15との間に界面層14を設けることで、光学的に好ましい特性を得ることができる。
界面層14は、金属、半導体等の酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)等のフッ化物等の誘電体化合物やその混合物が好ましい。界面層14の硬度や厚みにより、色素記録層13の変形、特に、カバー層15側へのふくらみ変形を促進したり、抑制したりすることができる。ふくらみ変形を有効に活用するためには、比較的、硬度の低い誘電体材料が好ましく、特に、ZnO、In、Ga、ZnSや希土類金属の硫化物に、他の金属、半導体の酸化物、窒化物、炭化物を混合した材料が好ましい。これらは反応性スパッタ等、従来公知の方法で形成することができる。
界面層14として特に好ましいのは、ITO(In−SnO)を含有する材料である。ITOにおけるSnの含有量は、好ましくは0原子%以上、さらに好ましくは5原子%以上、また、好ましくは50原子%以下、さらに好ましくは20原子%以下である。界面層14の膜厚は、膜として形成されれば効果が現れるので、通常1nm以上、好ましくは3nm以上、より好ましくは5nm以上、また、通常50nm以下、好ましくは40nm以下、より好ましくは30nm以下の範囲とする。界面層14の膜厚をこの範囲内に制御すれば、カバー層15側へのふくらみ変形を良好に制御することができるようになる。また、界面層14の厚みが厚すぎると界面層の反射、吸収が大きくなり記録感度が悪化するため好ましくない。
界面層14における反射は、できるだけ小さいことが望ましい。主反射面である反射層12からの反射光の位相変化を選択的に利用するためである。界面層14に主反射面があることは、本実施の形態においては好ましいことではない。このため、界面層14と色素記録層13、或いは界面層14とカバー層15の屈折率の差が小さいことが望ましい。その差は、何れも1以下であることが好ましく、より好ましくは0.7以下、更に好ましくは0.5以下である。
[1−5.カバー層]
本実施の形態における、記録再生光の入射側の光記録媒体表面にはカバー層15が形成される。カバー層15は、記録再生光に対して透明で複屈折の少ない材料が選ばれ、通常は、プラスチック板(シートと呼ぶ)を接着剤で貼り合せるか、塗布後、光、放射線、または熱等で硬化して形成する。カバー層15は、記録再生光の波長λに対して透過率70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
シート材として用いられるプラスチックは、ポリカーボネート、ポリオレフィン、アクリル、三酢酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート等である。接着には、光、放射線硬化、熱硬化樹脂や、感圧性の接着剤が用いられる。感圧性接着剤としては、また、アクリル系、メタクリレート系、ゴム系、シリコン系、ウレタン系の各ポリマーからなる粘着剤を使用できる。
例えば、色素記録層13または界面層14とカバー層15との間に設けられる、図示しない接着層を構成する光硬化性樹脂を適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後、この塗布液を色素記録層13または界面層14上に塗布して塗布膜を形成し、塗布膜上にポリカーボネートシートを重ね合わせる。その後、必要に応じて重ね合わせた状態で、媒体を回転させるなどして塗布液をさらに延伸展開した後、UVランプで紫外線を照射して硬化させる。あるいは、感圧性接着剤をあらかじめシートに塗布しておき、シートを色素記録層13あるいは界面層14上に重ね合わせた後、適度な圧力で押さえつけて圧着する。
前記粘着剤としては、透明性、耐久性の観点から、アクリル系、メタクリレート系のポリマー粘着剤が好ましい。より具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−オクチルアクリレートなどを主成分モノマーとし、これらの主成分モノマーを、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド誘導体、マレイン酸、ヒドロキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレート等の極性モノマーを共重合させる。主成分モノマーの分子量調整、その短鎖成分の混合、アクリル酸による架橋点密度の調整により、ガラス転移温度Tg、タック性能(低い圧力で接触させたときに直ちに形成される接着力)、剥離強度、せん断保持力等の物性を制御することができる。アクリル系ポリマーの溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン等が用いられる。上記粘着剤は、さらに、ポリイソシアネート系架橋剤を含有することが好ましい。
また、粘着剤は、前述のような材料を用いるが、カバー層シート材の色素記録層側に接する表面に所定量を均一に塗布し、溶剤を乾燥させた後、色素記録層側表面(界面層を有する場合はその表面)に貼り合わせローラー等により圧力をかけて硬化させる。該粘着剤を塗布されたカバー層シート材を、色素記録層が形成された記録媒体表面に接着する際には、空気を巻き込んで泡を形成しないように、真空中で貼り合せるのが好ましい。
また、離型フィルム上に上記粘着剤を塗布して溶剤を乾燥した後、カバー層シートを貼り合わせ、さらに離型フィルムを剥離してカバー層シートと粘着剤層を一体化した後、記録媒体と貼りあわせても良い。
塗布法によってカバー層15を形成する場合には、スピンコート法、ディップ法等が用いられるが、特に、ディスク上媒体に対してはスピンコート法を用いることが多い。塗布によるカバー層材料としては、同様に、ウレタン、エポキシ、アクリル系の樹脂等を用い、塗布後、紫外線、電子線、放射線を照射し、ラジカル重合もしくは、カチオン重合を促進して硬化する。
前記カバー層材料としては、透明性、耐久性の観点から、アクリル系、メタクリレート系のオリゴマーおよび/またはモノマーからなる組成物が好ましい。より具体的には、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートオリゴマー、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、iso−オクチルアクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレートモノマーの1種または2種以上が均一に混合された組成物が好ましい。オリゴマーの分子量調整、モノマーの種類および混合量の調整により、ガラス転移温度Tg、タック性能(低い圧力で接触させたときに直ちに形成される接着力)、剥離強度、せん断保持力等の物性を制御することができる。
本発明における光記録媒体においては、色素記録層13がカバー層15側へふくらむように変形することが好ましい。そのために、カバー層15は適度なやわらかさ、即ち、一定以下の貯蔵弾性率を有することが好ましい。貯蔵弾性率が高すぎると、色素記録層13のふくらみ変形が抑制されるために、記録マークの形成が困難になるからである。
具体的には、カバー層15の貯蔵弾性率の値は、25℃の場合(以下、E25b’と記載することがある)1500MPa以下であることが好ましい。より好ましくは500MPa以下であり、更に好ましくは300MPa以下、特に好ましくは100MPa以下である。
色素記録層13のふくらみ変形量(カバー層側へのふくらみ高さ)は通常200nm以下であることから、色素記録層13に一番近い側に配置されるカバー層材料の厚みがおよそ5μm以上であれば、ふくらみ変形量は色素記録層13に一番近いカバー層15に十分に吸収されて、その上に配置されるカバー層材料の弾性率特性によって、記録の際のふくらみ変形に影響が及ぶことはない。従って、カバー層が組成の異なる2層以上の構成を有する場合は、色素記録層に最も近い側に配置されるカバー層が上記特性を有していれば、それ以外のカバー層の貯蔵弾性率は上記範囲から外れていても構わない。
また、カバー層15に用いる材料の記録再生光の波長における透過率は通常90%以上、好ましくは95%以上であることが好ましい。
また、カバー層15には、さらにその入射光側表面に耐擦傷性、耐指紋付着性といった機能を付与するために、表面に厚さ0.1μm〜50μm程度のハードコート層を別途設けることもある。カバー層15の厚みは、記録再生光ビームの波長λや対物レンズ28のNA(開口数)にもよるが、0.01mm以上が好ましく、0.05mm以上がさらに好ましく、また、0.3mm以下が好ましく、0.15mm以下がより好ましい。接着層やハードコート層等の厚みを含む全体の厚みが、光学的に許容される厚み範囲となるようにするのが好ましい。たとえば、いわゆるブルーレイディスクでは、75μm±3μm程度以下に制御するのが好ましい。
[1−6.その他の構成]
なお、本実施形態の光記録媒体は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の各層の他に任意の層を有していてもよい。
例えば、上述の各層の界面に、相互の層の接触・拡散防止や、位相差及び反射率の調整のために、更に適当な機能を持った層を挿入することができる。
また、2層以上の色素記録層を設けた多層型の光記録媒体においても、本発明を適用することが可能である。例えば、2層の色素記録層を設けた光記録媒体は、少なくとも、案内溝を有する基板上に、第1反射層、色素材料を含有する第1色素記録層、硬化性樹脂からなる中間層、半透明の第2反射層、色素材料を含有する第2色素記録層、樹脂からなるカバー層をこの順に有し、記録再生光がカバー層の側から入射して記録再生を行う。この場合、記録再生光の入射側から最も遠い記録層以外の記録層については、単層の記録層媒体に比べ高い透過率を要求されることとなる。従って、記録再生光の入射側から最も遠い記録層以外の記録層に対応する反射層は、単層型の光記録媒体の場合に比べ膜厚が薄いことが好ましい。具体的には、50nm以下、好ましくは30nm以下、更に好ましくは20nm以下である。上記範囲とすることにより、適度な光透過率を確保しやすくなる。但し、当然ながら対応する記録層への記録再生のためには適度な反射率を有することも必要であるため、通常3nm以上、好ましくは5nm以上、さらに好ましくは10nm以上である。
以下、実施例に基づき本実施の形態をさらに詳細に説明する。尚、本実施の形態は実施例に限定されない。
(実施例1)
トラックピッチ0.32μmで溝幅約0.19μm、溝深さ約40nmの案内溝を形成したポリカーボネート樹脂基板上に、Ag99Bi合金ターゲット(組成はいずれも原子%)をスパッタして、厚さ約17nmの第1反射層を形成した。更にその上に、主成分色素として含金属アゾ色素AXと、含金属アゾ色素BX、および添加色素として色素CWを重量%でAX:BX:CW=45:30:25%の比率で混合し、テトラフルオロプロパノール(TFP)で0.67重量%の濃度に希釈した混合溶液をスピンコートで成膜し色素記録層を形成した。
含金属アゾ色素AXの構造式を下記式(1)に、含金属アゾ色素BXの構造式を下記式(2)に、色素CWの構造式を下記式(3)に示す。含金属アゾ色素AXの最大吸収波長は443nm、含金属アゾ色素BX最大吸収波長は412nmである。
色素記録層のスピンコート法の条件は、以下のとおりである。すなわち、前記混合溶液をディスク中央付近に0.6g環状に塗布し、ディスクを250rpmで3秒間回転させ混合溶液を延伸し、その後、7000rpmで2秒回転させ混合溶液を振り切ることによる塗布を行った。尚、塗布後にはディスクを40℃の環境下に20分保持することで溶媒であるTFPを蒸発除去した。その後、ITO(In−SnO(90:10重量%))ターゲットをスパッタして約16nmの厚みの第1界面層を形成した。その後、カバー層として粘着剤のついた厚みが75μmのシート(リンテック社:OPTERIA(商標))を貼り合わせ、光記録媒体を作製した。
Figure 2013118029
Figure 2013118029
Figure 2013118029
(実施例2)
添加色素を下記構造式(4)で示す添加色素DWとしたこと以外は、実施例1と同様に光記録媒体を作製した。
Figure 2013118029
(実施例3)
添加色素を下記構造式(5)で示す色素EWとしたこと以外は、実施例1と同様に光記録媒体を作製した。
Figure 2013118029
(比較例1)
実施例1において、添加色素CWを添加せず、AX:BX=60:40重量%の割合で、TFPにより0.5重量%に希釈した混合溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様に光記録媒体を作製した。
(比較例2)
比較例1において、主成分色素AXとBXの混合比率を保ったまま増量し、混合溶液の濃度を0.7重量%としたこと以外は、比較例1と同様に光記録媒体を作製した。
(比較例3)
添加色素を下記構造式(6)で示す色素FWとしたこと以外は、実施例1と同様に光記録媒体を作製した。
Figure 2013118029
(比較例4)
添加色素を下記構造式(7)で示す色素GWとしたこと以外は、実施例1と同様に光記録媒体を作製した。
Figure 2013118029
(比較例5)
添加色素を下記構造式(8)で示す色素HWとしたこと以外は、実施例1と同様に光記録媒体を作製した。
Figure 2013118029
[光記録媒体の評価法]
光記録媒体の記録再生評価は、記録再生光波長λ=406nm、NA(開口数)=0.85、集束ビームスポット径約0.42μm(1/e強度となる点)の光学系を有するパルステック社製ODU1000テスターを用いて行った。
光記録媒体は、19.67m/s(以下、4xと記載)で回転させ、記録光のパワーを5〜30mWの範囲で変化させて記録を行った。再生は線速度を4.92m/sとし、再生光のパワーは0.70mWとした。反射率は上記再生条件にて未記録部の反射率を測定した。記録には、マーク変調信号(1−7PP)を用いた。基準クロック周期Tは15.15ns(チャンネルクロック周波数66MHz)とした。
(ジッタ)
ジッタ測定は、記録信号をリミット・イコライザーにより波形等化した後、2値化を行い、2値化した信号の立ち上がりエッジ及び立下りエッジと、チャンネルクロック信号に立ち上がりエッジとの時間差の分布σをタイムインターバルアナライザにより測定し、チャンネルクロック周期をTとして、σ/Tにより測定した(データ・トゥー・クロック・ジッタ Data to Clock Jitter)。
(パワーマージン)
パワーマージンは、ジッタ値が最適、即ち最小となる記録パワーをPwo、ジッタの絶対値が10%となる記録パワー値における、Pwoより高パワー側の記録パワーをPwh、低パワー側の記録パワーをPwlとした場合に、((Pwh−Pwl)/Pwo)×100(%)と定義して求めた。パワーマージンの値が大きいほど、記録再生時における記録パワーの変動に対するジッタのマージンが大きく、優れた光記録媒体であるといえる。実用に際しては、パワーマージンが25%以上あることが好ましい。
(記録層透過率)
色素記録層の透過率は島津製作所社製UVmini-1240を用いて透明基板上に色素材料のみを上記条件で塗布し、測定を行った。
(保存安定性)
保存安定性試験は、最適パワーで記録した前記光ディスクを80℃で相対湿度80%の環境下125時間保存し、環境試験前後でのジッタ値の変化の度合いを評価した。保存安定性の数値が+3.1%とは、環境試験前の最小ジッタ値に比べ、環境試験後の最小ジッタ値が3.1%大きくなったことを示す。保存安定性は実用上±0.5%以下であることが望ましい。
[評価結果]
表1に、実施例1〜3、比較例1〜5の、添加色素、添加色素の色素材料全体における含有率、添加色素単独のλmax、混合溶液の色素材料の濃度、記録層透過率、反射率、光記録媒体としてのパワーマージン、保存安定性の評価結果をまとめたものを示す。ここで、混合溶液濃度は、おおむね色素記録層の膜厚に対応しており、混合溶液濃度が大きいほど色素記録層の膜厚が大きくなっているものと考えられる。
比較例1は、主成分色素のみで色素記録層を構成した場合であるが、パワーマージンの数値は24%である。また、保存安定性の値が+3.1%と実用上問題となる数値となっている。
比較例1に対し、λmaxが465nmである添加色素CWを25重量%添加した場合が実施例1である。実施例1においては、パワーマージンが29%となっており、添加色素の無い比較例1に対し、パワーマージンが大幅に改善されていることが判る。また、添加色素の影響により、保存安定性も−0.2%と大幅に改善されており、良好な保存安定性とパワーマージンを両立できていることが判る。
比較例1では、添加色素が無い分、混合溶液濃度が実施例1より低いため、記録層膜厚が実施例1に比べて低いものと推定されるが、記録層膜厚が低いことによる影響で保存安定性及び記録特性が劣化している可能性がある。そこで、添加色素を加えない状態で、記録層膜厚、すなわち混合溶液濃度を実施例1と同等以上に調整した比較例2を作製し、パワーマージン等を評価した。比較例2のパワーマージンは26%であり、記録層膜厚の影響を除いても、実施例1の方が高いパワーマージンを実現しており、本発明の添加色素の効果が明確に表れていると言える。また、反射率においては、比較例1が4.4%であるのに対し、比較例2は3.4%と大幅に低下してしまっている。実施例1の反射率は3.9%であり、比較例1よりは低いものの比較例2よりは大きな値が得られており、添加色素の効果により、保存安定性と反射率をある程度維持したまま、高いパワーマージンが得られていることが判る。反射率の値は、色素記録層の透過率が高いほど高くなるものと考えられるので、比較例1から記録層膜厚を大きくした比較例2では、色素記録層の透過率が80%から70%と大幅に下がるため、反射率も低下したものと考えられる。比較例1に対し、記録再生光における吸収が小さい添加色素を加えて記録層膜厚を大きくした実施例1においては、透過率が比較例2ほど低下しないため、比較的高い反射率を維持できているものと考えられる。
添加色素のλmaxを478nm、472nmと変更した実施例2、3においても実施例1とほぼ同様、良好なパワーマージン、保存安定性及び反射率が実現出来ている。
これに対し、添加色素のλmaxが530nmを超える比較例3,4においては、混合溶液濃度を実施例1と同等にした場合でも、パワーマージンがそれぞれ22%、24%と、実施例1〜3に対し明らかに劣る結果となっている。また、添加色素のλmaxが460nm未満の比較例5においても、パワーマージンが22%と低い値に留まっている。
以上の結果より、本発明の光記録媒体が、一定以上の保存安定性と反射率を維持したまま、良好なパワーマージン特性を実現できることが明らかである。
Figure 2013118029
10・・・光記録媒体
11・・・基板
12・・・反射層
13・・・色素記録層
14・・・界面層
15・・・カバー層
16・・・記録再生光が入射する面
17・・・記録再生光
18・・・対物レンズ
19・・・カバー層溝間部
20・・・カバー層溝部

Claims (6)

  1. 案内溝を有する基板上に、少なくとも色素材料を含有する色素記録層、樹脂材料からなるカバー層をこの順に有し、前記カバー層の側から記録再生光を入射して記録再生を行う光記録媒体であって、
    前記色素記録層が、最大吸収波長が450nm以下の主成分色素を含有し、かつ、最大吸収波長が460nm以上530nm以下の添加色素を更に含有することを特徴とする光記録媒体。
  2. 前記色素記録層が、最大吸収波長が460nm以上520nm以下の添加色素を含有することを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
  3. 前記色素記録層において、前記添加色素の含有率が、前記主成分色素と前記添加色素との合計含有量に対して、5〜50重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光記録媒体。
  4. 前記色素記録層において、前記添加色素の含有率が、前記主成分色素と前記添加色素との合計含有量に対して、20〜30重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光記録媒体。
  5. 前記主成分色素が、含金属アゾ化合物又は含金属ヒドラジド化合物であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の光記録媒体。
  6. 前記添加色素が、含金属アゾ化合物又は含金属ヒドラジド化合物であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光記録媒体。
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