JP2013117948A - スケジューリング方法およびスケジューリングシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】製造などの処理工程ごとに処理開始時点を設定でき、処理開始時点の遅れを解消して作業能率や処理能率を向上させること。
【解決手段】厚鋼板のオーダー情報を受け付けて納期を設定する。厚鋼板の製造の種々の処理からオーダー情報に応じて必要とされる一連の処理を選択する。予め設定した各処理の工期に基づき一連の処理の各処理の工期を抽出する。納期と抽出した各処理の工期とから、各処理の処理予定日を設定する。突発的な処理や工期以上の処理に要する時間の発生によって、ある処理の処理開始日が処理予定日よりずれ込むと、納期を維持しつつ処理予定日がずれた処理以降の処理のうちで処理予定日を変更可能な処理の工期を、予め設定した工期に基づき按分して、各処理の工期を再設定して処理予定日を変更する。突発的な処理が発生する確率が高い製造プロセスには予め一連の処理に突発的な処理を追加しておく。
【選択図】図3

Description

本発明は、厚鋼板の製造指示を行う際の製造プロセスをスケジューリングするスケジューリング方法およびスケジューリングシステムに関する。
従来、厚鋼板の製造工場において製造指示を出す際に、オペレータが納期や残り処理工程などを考慮して鋼板ごとに指示を行っている。すなわち、受注リストを受け取ったオペレータは、指示対象を選定して工場に製造指示を行っている。
この場合に用いられる、製造指示を行う際の製造プロセスのスケジュールテーブルを図12に示す。図12に示すように、オペレータが指示をする場合にあらかじめ決定されているのは、出鋼処理の開始日、圧延処理の開始日、山付処理の開始日、および納期などである。そして、圧延処理の開始日以降山付けの開始日以前の処理工程については、オペレータにより、対象にすべき鋼板ごとに納期や残りの処理工程などが考慮されて、工場に製造指示が出される。
また、特許文献1には、リードタイムの長さが異なる複数の製造ロットを少なくとも1つの処理設備で製造し、予め設定した製造順に係る制約条件を満たした製造ロットを抽出して、抽出された製造ロットにリードタイムの長さが所定時間より長い製造ロットが含まれている場合には、リードタイムの長い製造ロットが選択される確率を相対的に低くし、抽出された製造ロットから、任意の製造ロットを選択して製造順序を決め、予め設定されている時間に係る制約条件に基づいて製造ロットの製造工程の時刻情報を決定して製造スケジュールを作成する生産計画作成方法が記載されています。
また、特許文献2には、注文情報と進捗情報と作業スケジュールとから制約条件およびスケジューリングパラメータを用いて工程ごとの作業スケジュールを作成する管理システムと、注文情報と進捗情報と工程それぞれについての作業スケジュールとに基づいて制約条件およびスケジューリングパラメータの少なくとも一方を更新するスケジューリングパラメータ更新システムと、を備えたスケジューリングシステムが記載されている。
特開2007−179519号公報 特開2010−097506号公報
しかしながら、従来の方法においては、オペレータが受注リストや鋼板リストから対象を判断して、処理を開始する処理予定日を指示している。これにより、製造指示を行う内容によっては、指示が必要な対象であるはずの鋼板が製造指示から漏れたり、先納期の鋼板を不必要に指示して必要以上に早い製造予定日を指示したりすることがあった。このような場合、製造指示を行った後に抜き出しなどの突発的な緊急処理(割り込み処理)を行う必要が生じて処理が遅延することがあり、作業能率や処理能率を低下させる原因になる。
また、特許文献1,2に記載された技術においても、製造指示を行った後に突発的な処理工程や、処理工程の遅延が発生すると、これらの処理工程に対応することが困難になり、製造プロセスの円滑な工程の進捗が阻害されていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、製造プロセスにおける処理工程ごとに処理開始時点を設定することができ、突発的で緊急の処理工程の発生や処理工程の遅延が生じても処理工程の遅れを解消して、作業能率や処理能率を向上させることができるスケジューリング方法およびスケジューリングシステムを提供することにある。
上述した課題を解決し、上記目的を達成するために、本発明に係るスケジューリング方法は、被処理物に対して行う一連の処理の終了時点を設定する終了時点設定ステップと、あらかじめ設定された複数の処理から、一連の処理を構成する処理を複数選択する選択ステップと、複数の処理に対してあらかじめ設定されたそれぞれの処理の工期に基づいて、複数選択された処理におけるそれぞれの処理の工期を抽出する工期抽出ステップと、一連の処理の終了時点と、抽出された複数の処理の工期とに基づいて、複数選択された処理における各処理ごとに、処理を開始する処理開始時点を設定する設定ステップと、複数選択された処理のうちの少なくとも1つの処理の処理開始時点の変更に伴って、終了時点を固定しつつ、処理開始時点が変更された処理以降の処理のうちで処理開始時点を変更可能なそれぞれの処理における処理開始時点を再設定する再設定ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係るスケジューリング方法は、上記の発明において、再設定ステップが、少なくとも1つの処理の処理開始時点の変更に伴って、処理開始時点を変更可能なそれぞれの処理の工期に基づいて、処理開始時点を変更可能なそれぞれの処理に対して工期を按分して設定し、処理開始時点を変更可能なそれぞれの処理の処理開始時点を、それぞれ按分した工期に基づいて再設定することを特徴とする。
本発明に係るスケジューリング方法は、上記の発明において、あらかじめ設定された複数の処理には、突発的に発生する処理が含まれ、選択ステップが、被処理物に対して行う一連の処理の情報に基づいて、一連の処理を構成する処理に突発的に発生する処理を追加するか否かを判断し、追加すると判断した場合に一連の処理を構成する処理に、突発的に発生する処理を追加する追加ステップを含むことを特徴とする。
本発明に係るスケジューリング方法は、上記の発明において、複数の処理が、厚鋼板の製造プロセスにおいて実行される複数の処理であることを特徴とする。
本発明に係るスケジューリングシステムは、被処理物に対して行う一連の処理の終了時点を設定する終了時点設定手段と、あらかじめ設定された複数の処理から、一連の処理を構成する処理を複数選択する選択手段と、複数の処理においてあらかじめ設定されたそれぞれの処理の工期に基づいて、複数選択された処理におけるそれぞれの処理の工期を抽出する工期抽出手段と、一連の処理の終了時点と、抽出された複数の処理の工期とに基づいて、複数選択された処理における各処理ごとに、処理を開始する処理開始時点を設定する設定手段と、複数選択された処理のうちの少なくとも1つの処理の処理開始時点の変更に伴って、終了時点を固定しつつ、処理開始時点が変更された処理以降の処理のうちで処理開始時点を変更可能なそれぞれの処理における処理開始時点を再設定する再設定手段と、を備えることを特徴とする。
本発明に係るスケジューリング方法およびスケジューリングシステムによれば、製造プロセスにおける処理工程ごとに処理開始時点を設定でき、突発的な処理工程の発生時や処理工程の遅延時においては処理開始時点を再設定することができるので、突発的で緊急の処理工程の発生や処理工程の遅延が生じても処理工程の遅れを解消して、製造スケジュールの最適化を図ることができ、作業能率や処理能率を向上させることが可能となる。
図1は、本発明の第1の実施形態によるスケジューリングシステムを示す構成図である。 図2は、本発明の第1の実施形態による厚鋼板製造プロセスを示すブロック図である。 図3は、本発明の第1の実施形態によるスケジューリング方法を説明するためのフローチャートである。 図4は、本発明の第1の実施形態によるスケジューリング方法による処理の設定に用いられる製造に必要な処理のデータテーブルである。 図5は、本発明の第1の実施形態によるスケジューリング方法による処理予定日の設定が行われたスケジュールテーブルである。 図6は、本発明の第1の実施形態によるスケジューリング方法における工期マスターを示すテーブルである。 図7は、本発明の第1の実施形態によるスケジューリング方法における処理の製造予定日の再設定方法を説明するためのスケジュールテーブルである。 図8は、本発明の第2の実施形態によるスケジューリング方法における発生工程工期マスターを示すテーブルである。 図9は、本発明の第2の実施形態によるスケジューリング方法を説明するためのフローチャートである。 図10は、本発明の第2の実施形態によるスケジューリング方法における処理の設定に用いられる製造に必要な処理のデータテーブルである。 図11は、本発明の第2の実施形態によるスケジューリング方法による処理予定日の設定が行われたスケジュールテーブルである。 図12は、従来のスケジューリング方法における処理予定日の設定方法を示すスケジュールテーブルである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する実施形態によって限定されるものではない。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態によるオーダーシステムについて説明する。図1は、この第1の実施形態によるオーダーシステムの全体構成を示す。
(オーダーシステム)
図1に示すように、この第1の実施形態によるオーダーシステムにおいては、オーダデータベース2aを有するオーダー供給装置2と、オーダー情報に従って厚鋼板の製造を行う工場である、第1工場におけるプロセスコンピュータ(プロコン)3、第2工場におけるプロセスコンピュータ4、および第3工場におけるプロセスコンピュータ5などとが、ネットワーク網1を介して互いに通信可能に接続されている。なお、ネットワーク網1としては、インターネットやイーサネット(登録商標)、イントラネット、電話回線、または光ファイバー回線などを採用することができる。
オーダー供給装置2においては、第1工場、第2工場、および第3工場において行われる製造に関する注文の情報(オーダー情報)がオーダデータベース2aに格納されている。そして、オーダー供給装置2から、第1工場のプロセスコンピュータ3、第2工場のプロセスコンピュータ4、および第3工場のプロセスコンピュータ5などに、オーダー情報が情報データとして供給される。それぞれの工場においては、各プロセスコンピュータ3,4,5に供給されたオーダー情報に基づいてそれぞれ必要な製造工程が実行されて、オーダー情報に応じた製品が製造される。
(鋼板の製造プロセス)
次に、本発明の第1の実施形態による製造プロセスについて説明する。この第1の実施形態においては、厚鋼板の製造プロセスを例として説明する。図2は、第1工場、第2工場、および第3の工場などにおいて、厚鋼板などの鋼板の製造プロセスを実行する際の処理を示す。
図2に示すように、この第1の実施形態においては、まず、スラブが出鋼処理設備11から搬出され、圧延処理設備12において圧延される。その後、スラブは剪断処理設備13において剪断処理が行われるか、またはガス切断処理設備14においてガス切断処理が行われる。これらの剪断処理設備13における剪断処理またはガス切断処理設備14におけるガス切断処理が行われたスラブは、必要に応じて熱処理設備15に供給される。
スラブが剪断処理設備13、ガス切断処理設備14、または熱処理設備15を通過した後、このスラブに対して、突発的にプレスや手入れなどの所定の処理が必要になる場合がある。この突発的に発生する処理工程を、本明細書においては発生工程と称する。この発生工程が生じると、スラブは発生工程処理設備16に供給される。発生工程処理設備16においては、スラブに対して所定の処理が行われる。
続いて、スラブは、剪断処理設備13、ガス切断処理設備14、熱処理設備15、または発生工程処理設備16を通過した後、検査設備17に供給される。検査設備17においては、スラブに対して探傷処理を実行して欠陥検出を行った後、検出された欠陥をショットブラスト処理によって除去する。
検査設備17において、スラブの欠陥が除去されて成品となった後、この成品は出荷設備18に供給される。出荷設備18においては、成品が倉庫などの所定の場所に山付けされた後、客先に出荷される。
以上の厚鋼板の製造プロセスのスケジュールは、それぞれの工場のプロセスコンピュータ10によって管理される。プロセスコンピュータ10は、入力された情報を処理するCPUなどからなる情報処理部10aと、情報処理部10aにより処理された情報を表示や信号などによって出力する出力表示部10bと、データを格納するデータ格納部10cとを備える。
プロセスコンピュータ10は、出鋼処理設備11によるスラブの出鋼から出荷設備18による成品の出荷までの間、情報処理部10aが、それぞれの処理設備から供給される処理情報に基づいて、それぞれの処理設備の製造処理日数をカウントする。また、プロセスコンピュータ10は、上述したオーダー供給装置2から供給されたオーダー情報に基づいて厚鋼板の製造プロセスのスケジューリングを行う。さらに、プロセスコンピュータ10においては、出力表示部10bが、得られたスケジュールの製造予定日のデータを処理設備ごとに出力する。これにより、それぞれの処理設備のオペレータは、出力表示部10bから出力されたスケジュールの製造予定日を確認でき、厚鋼板の製造プロセスのスケジュールを認識できる。
(スケジューリング方法)
次に、このプロセスコンピュータ10が行う、第1の実施形態によるスケジューリング方法について説明する。図3は、この第1の実施形態によるスケジューリング方法を示すフローチャートである。
図3に示すように、まずステップST1において、オーダー供給装置2が所定の工場のプロセスコンピュータ10にオーダー情報を供給する。これにより、プロセスコンピュータ10において、オーダー受付処理を行う。プロセスコンピュータ10には、製品としての厚鋼板の製造に関するオーダー情報が供給される。このオーダー情報は、それぞれ契約番号に関連づけされてプロセスコンピュータ10の情報処理部10aによりデータ格納部10cに格納される。なお、オーダー情報は、例えば、契約番号や板番号などにひも付けされた厚鋼板における、納期の情報を含むデータ、具体的には、規格、寸法(サイズ)、製品の単体重量などの製造情報や、納期などの日付情報のデータを含んで構成される。その後、ステップST2に移行する。
ステップST2においては、プロセスコンピュータ10における、終了時点設定手段および選択手段としての情報処理部10aにより、オーダー供給装置2から供給されたオーダー情報に基づいて、厚鋼板の製造における個々のオーダーごとに処理が設定される。
すなわち、それぞれの契約番号に関連づけされたそれぞれのオーダー情報に基づいて、情報処理部10aが、厚鋼板の製造を終了する納期を設定した後、それぞれのオーダー情報に応じて厚鋼板の製造に必要とされる処理を複数選択する。なお、この製造に必要な処理は、オペレータが決定してもよい。図4は、プロセスコンピュータ10の情報処理部10aによりオーダー情報ごとに設定された、製造に必要な処理のデータテーブルの一例を示す。
図4に示すように、この第1の実施形態において、必要な処理とは、例えば契約番号「A□□□□」に関連づけされたオーダー情報に基づくと、出鋼処理、圧延処理、剪断処理、探傷処理、山付処理、および出荷処理である。同様に、例えば契約番号「R□□□□」のオーダー情報に基づくと、必要な処理は、出鋼処理、圧延処理、ガス切断処理、熱処理、探傷処理、ショットブラスト処理、山付処理、および出荷処理となる。
このように、プロセスコンピュータ10において、契約番号ごとに関連づけされたオーダー情報に基づき、それぞれのオーダー情報に対応した必要な処理が適宜選択され、図4に示すような、必要な処理が選択されたデータテーブルが生成される。この必要な処理のデータテーブルは、データ格納部10cに格納される。その後、図3に示すステップST3に移行する。
ステップST3においては、プロセスコンピュータ10における、工期抽出手段および設定手段としての情報処理部10aが、オーダー情報に含まれる納期(出荷)などの日付情報に基づいて、処理予定日を設定する。すなわち、プロセスコンピュータ10において、オーダー情報ごとに設定された個々の処理に対し、それぞれの処理の工期に基づき、それらの処理を開始する処理開始時点を、処理予定日としてそれぞれ設定する。
ここで、ステップST3における処理予定日の設定について具体的に説明する。図5は、プロセスコンピュータ10において、契約番号に関連づけされたオーダー情報ごとの、個々の処理に対して処理予定日が設定されたスケジュールテーブルの具体例である。図6は、製造に必要な処理ごとの工期が記録された工期マスターテーブルの具体例である。なお、処理予定日が設定されたデータテーブルや工期マスターテーブルは、プロセスコンピュータ10のデータ格納部10cに格納されており、必要に応じて、情報処理部10aによって情報が抽出されて読み出される。
図5に示すように、例えば、契約番号「A□□□□」の処理においては、オーダー情報に含まれる納期の日付情報として、出荷処理の処理予定日が「1月30日」に決定されている。また、図6(a)に示す工期マスターテーブルのように、山付処理の工期は「5日間」に設定されている。情報処理部10aは、工期マスターテーブルの山付処理の工期データを読み出し、契約番号「A□□□□」における出荷処理の処理予定日(1月30日)から山付処理の処理予定日を逆算する。これにより、図5に示すように、情報処理部10aによって、山付処理の処理予定日が「1月25日」に設定される。なお、このとき、山付処理を実行するためには、工期マスターテーブルに設定されている工期以上の日数を確保すればよいことから、処理能率は若干低下するが、山付処理の処理予定日として1月24日以前の日付を設定することも可能であり、これは山付処理以外の各処理についても同様である。
また、図4に示すように、契約番号「A□□□□」に関連づけされたオーダー情報に基づく厚鋼板の製造に必要な処理は、山付処理および出荷処理以外にも、例えば、出鋼処理、圧延処理、剪断処理、および探傷処理などがある。そのため、図5に示すように、山付処理の処理予定日が設定されると、続いて、1つ前の処理である探傷処理の処理予定日が設定される。すなわち、図6(a)に示す工期マスターテーブルの探傷処理の工期が読み出され、その工期が「2日間」であることから、山付処理の処理予定日(1月25日)から逆算されて、探傷処理の処理予定日が「1月23日」に設定される。情報処理部10aは、このような処理予定日の演算を、順次処理をさかのぼって実行し、工期が「5日間」の剪断処理を「1月18日」、工期が「5日間」の圧延処理を「1月13日」、および工期が「5日間」の出鋼処理を「1月8日」にそれぞれ設定する。
同様にして、例えば契約番号「R□□□□」の処理においては、情報処理部10aが、オーダー情報から出荷処理の処理予定日(納期)が「2月10日」であることに基づいて、図6(a)に示す工期マスターテーブルを読み出して、個々の処理の処理予定日を順次逆算して設定する。
すなわち、図5に示すように、情報処理部10aは、契約番号「R□□□□」の処理において、出荷処理の処理予定日(2月10日)から逆算して、それぞれの処理における処理予定日にする。すなわち、情報処理部10aはそれぞれの処理予定日を、工期が5日間の山付処理を「2月5日」、工期が3日間のショットブラスト処理を「2月2日」、工期が2日間の探傷処理を「1月31日」、工期が10日間の熱処理を「1月21日」、工期が5日間のガス切断処理を「1月16日」、工期が5日間の圧延処理を「1月11日」、および工期が5日間の出鋼処理を「1月6日」に設定する。
以上のような演算は、プロセスコンピュータ10において、それぞれの契約番号に関連づけされたオーダー情報ごとに、出荷処理の処理予定日から順次さかのぼって実行される。これにより、契約番号に関連づけされたオーダー情報ごとに個々の処理の処理予定日が設定され、厚鋼板の製造プロセスのスケジュールテーブルが生成される。このスケジュールテーブルは、プロセスコンピュータ10のデータ格納部10cに格納される。その後、図3に示すステップST4に移行する。
ステップST4においては、オーダー情報が供給された工場において、上述したように設定された図5に示すスケジュールテーブルに従って、実際の厚鋼板の製造を開始する。製造が開始されると、厚鋼板の製造を継続しつつステップST5に移行する。
ステップST5においては、突発的な工程(発生工程)が生じるか否かが判定される。突発的な発生工程が生じた場合(ステップST5:Yes)、ステップST8に移行して、プロセスコンピュータ10の再設定手段としての情報処理部10aにより、厚鋼板の製造に要する一連の処理について再設定が行われる。ここで、このステップST8で行う必要な処理の再設定処理について、図7に示すスケジュールを参照しつつ具体的に説明する。図7は、処理の再設定を説明するための、スケジュールテーブルにおけるオーダー情報の一例である。
図7(a)に示すように、例えば契約番号「Y□□□□」に関連づけされたオーダー情報に基づき、上述したステップST1〜ST4に従って、厚鋼板の製造における処理のスケジュールが決定されている。ここで、契約番号「Y□□□□」における処理は、出鋼処理、圧延処理、剪断処理、熱処理、探傷処理、ショットブラスト処理、山付処理、および出荷処理である。
そして、契約番号「Y□□□□」の厚鋼板の製造のスケジュールにおける処理に従って、工場において厚鋼板が製造されている最中に、例えば剪断処理の終了後などに、突発的にガス切断処理を実行する必要が生じる場合がある。この場合、契約番号「Y□□□□」のスケジュールに「ガス切断処理」を追加する必要がある。そこで、情報処理部10aは、契約番号「Y□□□□」の処理に「ガス切断処理」を追加して処理を再設定する。なお、この処理の追加は、オペレータが手動で入力することも可能である。その後、ステップST9に移行する。
ステップST9においては、処理の工期の按分計算処理が行われる。すなわち、契約番号「Y□□□□」において「ガス切断処理」が追加されて新たな処理が再設定された場合であっても、オーダー情報に基づき出荷処理の処理予定日(納期)は決定されているため、出荷処理および山付処理の処理予定日は原則的に変更できない。一方、剪断処理の終了時にガス切断処理が突発的に必要になったため、図6(a)に示す工期マスターテーブルに従って、ガス切断処理の工期(例えば5日間)を確保する必要がある。これらの条件に基づくと、出荷処理および山付処理の処理予定日を変更することなく、ガス切断処理より後の処理を順次実行する必要がある。
まず、プロセスコンピュータ10において、熱処理の開始から山付処理の開始までの許容される日数と、図7(a)に示す熱処理、探傷処理、およびショットブラスト処理に要する日数とを計算する。この第1の実施形態においては、ガス切断処理に要する日数が5日間なので、熱処理の開始から山付処理の開始までの許容される日数は、1月15日〜1月24日の10日間である。一方、図6(a)に示す工期マスターテーブルから、熱処理、探傷処理およびショットブラスト処理に要する日数は、(10+2+3=)15日間である。そのため、熱処理、探傷処理、およびショットブラスト処理の処理を10日間で実行するために、図6(a)に示す工期マスターテーブルに基づき、許容される日数の10日間をそれぞれの処理で按分する。
すなわち、上述したように、熱処理の工期は10日間、探傷処理の工期は2日間、およびショットブラスト処理の工期は3日間に設定されている。そのため、プロセスコンピュータ10は、工期マスターテーブルに基づき、許容される10日間を、熱処理の処理日数:探傷処理の処理日数:ショットブラスト処理の処理日数=10:2:3に近くなるように按分する。その結果、情報処理部10aは、熱処理の按分工期を7日間、探傷処理の按分工期を1日間、ショットブラスト処理の按分工期を2日間として割り当てる。これにより、図6(a)に示す工期マスターテーブルから、図6(b)に示す契約番号「Y□□□□」に関連づけされた処理に限定された按分工期マスターテーブルが生成されて、データ格納部10cに格納される。その後、図3に示すステップST10に移行する。
ステップST10においては、プロセスコンピュータ10において、処理予定日の再設定を実行する。すなわち、図7(b)に示すように、剪断処理の終了後にガス切断処理が開始されることから、情報処理部10aは新たに、ガス切断処理の処理予定日を「1月10日」に設定するとともに、熱処理の処理予定日をガス切断処理の工期である5日間経過後の「1月15日」に再設定する。さらに、情報処理部10aは、ステップST9において再設定された図6(b)に示す按分工期マスターテーブルから、按分工期が7日間の熱処理の後の探傷処理の処理予定日を「1月22日」に再設定し、按分工期が1日間の探傷処理の後のショットブラスト処理の処理予定日を「1月23日」に再設定する。
以上のようにして、契約番号「Y□□□□」に関連づけされた処理のスケジュールが再設定される。データ格納部10cに格納されている図7(a)に示す処理の再設定前のスケジュールテーブルは、図7(b)に示す再設定後のスケジュールテーブルに置換される。なお、再設定前のスケジュールテーブルをデータ格納部10cに格納したままで、再設定後のスケジュールテーブルを追加して格納しても良い。その後、図3に示すステップST4に移行して、図7(b)に示すスケジュールテーブルに従って、工場において厚鋼板の製造が継続して実行される。
さて、図3に示すステップST5において、突発的な発生工程が生じなかった場合(ステップST5:No)、ステップST6に移行する。ステップST6において、情報処理部10aは、状況変化に応じて所定頻度、具体的には例えば1日1回程度の頻度で、製造スケジュールを再設定する必要があるか否かを判定する。そして、情報処理部10aが、製造スケジュールの再設定が必要であると判定した場合(ステップST6:Yes)、製造スケジュールの再設定を行う。以下に、この製造スケジュールの再設定方法について具体例に即して説明する。
すなわち、図7(c)に示すように、剪断処理に要した日数が、例えば図6(a)に示す工期マスターテーブルで設定された工期である5日間より長い、例えば7日間になった場合、熱処理の開始日は当初の処理予定日より後の日付にずれ込む。この場合、情報処理部10aは、スケジュールの再設定が必要と判定し(ステップST6:Yes)、図3に示すステップST9に移行する。
ステップST9においては、上述した按分工期の再設定と同様にして、状況変化が生じた処理以降の、処理予定日の変更が許容される個々の処理の工期を、変更が許されない処理の処理開始日までに処理が完了できるように按分する。ここでは、図7(c)に示すように、熱処理、探傷処理およびショットブラスト処理の工期を、熱処理の開始日から山付け処理の開始までの日数内で処理できるように按分する。具体的には、剪断処理が1月11日まで長引くと、熱処理の開始日は1月12日となる。この場合、熱処理の開始日である1月12日から山付処理の処理予定日である1月25日までの許容される13日間で、工期が10日間の熱処理、工期が2日間の探傷処理、および工期が3日間のショットブラスト処理を行う必要がある。そこで、プロセスコンピュータ10が、許容される13日間を、熱処理の工期:探傷処理の工期:ショットブラスト処理の工期=10:2:3に近くなるように按分する。これにより、プロセスコンピュータ10は、熱処理の按分工期を9日間、探傷処理の按分工期を2日間、ショットブラスト処理の按分工期を2日間に再設定する。そして、図6(a)に示す工期マスターテーブルから、契約番号「Y□□□□」に関連づけされた処理に限定された、図6(c)に示す按分工期マスターテーブルが生成されて、データ格納部10cに格納される。その後、図3に示すステップST10に移行する。
ステップST10においては、上述した処理予定日の再設定と同様にして、ステップST9において算出された個々の処理の按分工期に基づいて処理予定日が再設定される。これにより、図7(c)に示すように、プロセスコンピュータ10の情報処理部10aが、熱処理の処理予定日を1月12日、探傷処理の処理予定日を1月21日、ショットブラスト処理の処理予定日を1月23日に再設定して、厚鋼板の製造プロセスにおけるスケジュールを再設定する。その後、図3に示すステップST4に移行して、工場において、再設定されたスケジュールに従った厚鋼板の製造が継続される。
一方、ステップST6において、プロセスコンピュータ10の情報処理部10aが、スケジュールの再設定が不要であると判定した場合(ステップST6:No)、ステップST7に移行する。ステップST7においては、工場において、情報処理部10aが、所定の契約番号(例えば契約番号「Y□□□□」)に関連づけされたオーダー情報に基づく厚鋼板の製造が終了したか否かを判定する。
情報処理部10aが、所定の工場において製造が終了していない、すなわち処理が終了していないと判定した場合(ステップST7:No)、ステップST4に移行して、ステップST4〜ST7、および必要に応じてステップST8〜ST10を順次繰り返して実行する。これらのステップST4〜ST7、および必要に応じて実行されるステップST8〜ST10は、工場において製造プロセスが終了するまで(ステップST7:Yes)繰り返し実行される。
以上のようにして、プロセスコンピュータ10において、オーダー情報に関連づけされた製品の製造スケジュールを設定し、それぞれの工場において製造が終了するまで、突発的な処理の発生時や所定頻度で、必要なスケジューリングを実行する。
以上説明した本発明の第1の実施形態によれば、プロセスコンピュータ10において、オーダー情報に基づく出荷処理の処理予定日(納期)からさかのぼって、それぞれの処理ごとの工期から処理予定日を算出し、その情報に基づいて、製造プロセスのスケジュールを設定していることにより、これらのスケジュールを各処理における処理設備に伝送して、処理設備のオペレータに認識させることが可能になるので、指示漏れなどの問題の発生を抑制することができる。また、プロセスコンピュータ10において、突発的な発生工程が生じた時点や所定頻度で、スケジュールの再設定を行っていることにより、オペレータによって処理される、例えば抜き出しなどの緊急処理を減少させることができるので、製造スケジュールの最適化を図ることができるとともに、製造能率を向上させて納期達成率を向上させることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態によるスケジューリング方法について説明する前に、上述の第1の実施形態によるスケジューリング方法に対して行った本発明者の鋭意検討について説明する。
すなわち、本発明者が上述の第1の実施形態によるスケジューリング方法を実行したところ、多くの場合で、製造プロセスを適切に効率良く実行できることを確認した。ところが、まれに、長い工期の発生工程や複数回の発生工程が生じると、発生工程以降の処理の工期を調整しても、変更が許容されない処理における処理予定日を遵守できない場合があることが判明した。
そこで、本発明者はさらに検討を行い、発生工程として、発生率が高い発生工程および長い工期の発生工程を、図4に示す処理プロセスにあらかじめ追加して組み込む方法を想起した。これにより、発生工程が突発的に生じた場合でも、発生工程以降の処理を円滑に実行することが可能になる。
ところが、発生工程においても所定の工期を確保する必要があることから、図4に示す処理プロセスに発生工程を一律に追加すると、製造プロセスの全工期が一律に延長され、各工場内において仕掛在庫の増加を招いてしまう。これにより、製造プロセスにおける円滑な工程進捗を阻害することが想定される。
そのため、本発明者は、発生工程の追加を可能な限り最小限にする必要があることから、さらに検討を行い、発生工程として実行される各種処理が所定の発生確率で生じるとの知見から、製造プロセスに追加する発生工程を最小限にする方法を想起するに至った。
すなわち、本発明者の知見によれば、発生工程の発生確率は、例えば規格や板厚などのオーダーの種類、および巾出比などの圧延条件などによって、整理することができる。図8は、このようなオーダーの種類や圧延条件などによって、比較的高い確率で発生する発生工程における工期マスターテーブルの一例である。図8に示すように、発生工程の工期については、オーダーの種類ごとや、圧延条件ごとに細分化することができる。そこで、本発明者は、発生工程となる実際の処理プロセスに応じて、それぞれ工期を設定し、発生工程が比較的高い確率で発生するオーダーの処理プロセスに、あらかじめ発生工程の工期を追加して組み込めば、製造プロセスにおける工程進捗が阻害されるのを防止できると考えた。
この第2の実施形態によるスケジューリング方法は、以上の検討に基づいて案出されたものである。以下に、この第2の実施形態によるスケジューリング方法について具体的に説明する。図9は、第2の実施形態によるスケジューリング方法を示すフローチャートである。
図9に示すように、まず、ステップST11において、第1の実施形態と同様にしてオーダー供給装置2が所定の工場のプロセスコンピュータ10にオーダー情報を供給し、所定の工場のプロセスコンピュータ10においてオーダー受付処理を行う。その後、ステップST12に移行すると、所定の工場のプロセスコンピュータ10の情報処理部10aが、契約番号に関連づけされたオーダー情報から、契約番号ごとに製造情報を抽出する。その後、ステップST13に移行する。
ステップST13においては、情報処理部10aが、契約番号に関連づけされたオーダー情報の製造情報に含まれる規格や板厚などのオーダーの種類の情報、および巾出比等の圧延条件などの情報に基づいて、図8に示す発生工程の工期マスターテーブルにこれらの情報に合致する条件が含まれるか否かを判定する。情報処理部10aは、この判定に基づいて、必要に応じて、図8に示す発生工程の工期マスターテーブルから合致する条件を含む発生工程を抽出する。そして、判断手段としての情報処理部10aは、製造に必要な処理のデータテーブルにおける契約番号ごとに、発生工程を追加するか否かを判断する。その後、ステップST14に移行する。
ステップST14においては、終了時点設定手段および選択手段としての情報処理部10aが、オーダー供給装置2から供給されたオーダー情報と、ステップST13において抽出した発生工程の情報とに基づいて、厚鋼板の製造における個々のオーダー(契約番号)ごとの処理を設定する。
すなわち、それぞれの契約番号に関連づけされたそれぞれのオーダー情報に基づいて、情報処理部10aが、厚鋼板の製造を終了する納期を設定する。その後、情報処理部10aは、それぞれのオーダー情報に応じて厚鋼板の製造に必要とされる処理を複数選択する。このとき、ステップST13において抽出された契約番号においては、必要とされる処理として、発生工程も選択される。なお、この製造に必要な処理はオペレータが決定してもよい。図10は、プロセスコンピュータ10の情報処理部10aがオーダー情報ごとに設定した、製造に必要な処理のデータテーブルの一例を示す。
図10に示すように、この第2の実施形態において必要な処理とは、具体的には、例えば、ステップST13において抽出された契約番号「B□□□□」に関連づけされたオーダー情報に基づくと、出鋼処理、圧延処理、剪断処理、熱処理、…、探傷処理、山付処理、および出荷処理である。さらに、契約番号「B□□□□」に関連づけされたオーダー情報から抽出した製造情報に含まれる条件が、例えば規格がC規格で、設定された板厚が33.0mm程度の条件である場合、この条件は図8に示す発生工程工期マスターテーブルに含まれる。そのため、図10に示すように、契約番号「B□□□□」における必要な処理として、発生工程が追加して選択される。
同様に、例えば、ステップST13において抽出された契約番号「S□□□□」のオーダー情報、および抽出された製造情報に含まれる条件が、例えば規格がB規格で、設定された板厚が7.0mm程度、巾出比が2.4であるような場合には、必要な処理は次のようになる。すなわち、契約番号「S□□□□」における必要な処理は、出鋼処理、圧延処理、ガス切断処理、熱処理、ショットブラスト処理、山付処理、および出荷処理に、発生工程工期マスターテーブルから選択された発生工程を追加したものになる。
このようにして、プロセスコンピュータ10において、契約番号ごとに関連づけされたオーダー情報および製造情報に基づいて、それぞれのオーダー情報に対応した必要な処理が適宜選択され、必要な処理のデータテーブルを生成する。この必要な処理のデータテーブルは、データ格納部10cに格納される。その後、図9に示すステップST15に移行する。
ステップST15においては、工期抽出手段および設定手段としての情報処理部10aが、オーダー情報に含まれる納期(出荷)などの日付情報に基づいて、それぞれの処理の処理予定日を設定する。すなわち、情報処理部10aは、オーダー情報ごとに設定した個々の処理および必要に応じて追加した発生工程に対し、それぞれの処理の工期に基づいて、それらの処理を開始する処理開始時点を処理予定日としてそれぞれ設定する。
ここで、ステップST15における発生工程を含む処理予定日の設定について具体的に説明する。図11は、プロセスコンピュータ10において、契約番号に関連づけされたオーダー情報ごとの、個々の処理に対して処理予定日が設定されたデータテーブルの具体例である。なお、製造に必要な処理ごとの工期が記録された工期マスターテーブルの具体例については第1の実施形態の図6に示すテーブルと同様である。また、処理予定日が設定されたデータテーブル、工期マスターテーブル、および発生工程工期マスターテーブルは、プロセスコンピュータ10のデータ格納部10cに格納されており、必要に応じて、情報処理部10aが情報を抽出して読み出す。
そして、図11に示すように、例えば、契約番号「B□□□□」の処理においては、オーダー情報に含まれる納期の日付情報として、出荷処理の処理予定日が「1月30日」に決定されている。また、図6(a)に示す工期マスターテーブルのように、山付処理の工期は「5日間」に設定されている。情報処理部10aは、工期マスターテーブルの山付処理の工期データを読み出し、契約番号「B□□□□」における出荷処理の処理予定日(1月30日)から山付処理の処理予定日を逆算する。これにより、図11に示すように、山付処理の処理予定日が「1月25日」に設定される。なお、山付処理の処理予定日として、処理能率は若干低下するが、1月24日以前の日付を設定することも可能であり、他の処理についても同様である。
また、図10に示すように、契約番号「B□□□□」に関連づけされたオーダー情報に基づく厚鋼板の製造に必要な処理は、山付処理および出荷処理以外にも、例えば、出鋼処理、圧延処理、剪断処理、および探傷処理などがあり、製造情報に基づいて発生工程が生じる可能性もあることから、発生工程も予定工程化されている。
そのため、図11に示すように、山付処理の処理予定日が設定されると、1つ前の処理として発生工程が仮に設定される。すなわち、契約番号「B□□□□」の製造情報に含まれる条件が、C規格で板厚が33.0mm程度であることから、情報処理部10aは、図8に示す発生工程工期マスターテーブルから、該当するデータを抽出し、発生工程の処理として「ガス切断処理」、工期として「3日間」のデータを読み出す。そして、情報処理部10aは、読み出したデータに基づいて、図11に示す契約番号「B□□□□」における発生工程の仮の処理予定日を「1月22日」に設定する。
続いて、情報処理部10aが、さらに1つ前の処理である探傷処理の処理予定日を設定する。すなわち、図6(a)に示す工期マスターテーブルの探傷処理の工期が読み出され、その工期が「2日間」であることから、発生工程の仮の処理予定日(1月22日)から逆算されて、探傷処理の処理予定日が「1月20日」に設定される。情報処理部10aは、このような処理予定日の演算を順次、それぞれの処理をさかのぼって実行し、工期が「5日間」の剪断処理を「1月18日」、工期が「5日間」の圧延処理を「1月13日」、および工期が「5日間」の出鋼処理を「1月8日」にそれぞれ設定する。
同様にして、例えば契約番号「S□□□□」の処理においても、情報処理部10aは、出荷処理の処理予定日(納期)が「1月30日」であることに基づいて、図6(a)の工期マスターテーブルを参照して、個々の処理の処理予定日を設定する。
すなわち、図11に示すように、情報処理部10aは、契約番号「S□□□□」の処理において、出荷処理の処理予定日(1月30日)から逆算して、工期が5日間の山付処理を「1月25日」に設定する。また、契約番号「S□□□□」におけるオーダー情報から抽出された製造情報に含まれる条件は、規格がB規格で、設定された板厚が7.0mm程度、巾出比が2.4である。そのため、図10に示すように、契約番号「S□□□□」の製造プロセスにおいては発生工程が生じる可能性があるので、情報処理部10aは、図8に示す発生工程工期テーブルから、発生工程として、工期が「2日間」、処理が「歪矯正処理」を抽出して、仮の処理予定日を設定する。
具体的には、図11に示すように、情報処理部10aは、契約番号「S□□□□」の処理において、山付処理の処理予定日(1月25日)からさらに逆算して、工期が2日間の発生工程の仮の処理予定日を「1月23日」に設定する。そして、情報処理部10aは処理予定日として、工期が「10日間」の熱処理を「1月13日」、工期が「5日間」のガス切断処理を「1月8日」、工期が「5日間」の圧延処理を「1月3日」、および工期が「5日間」の出鋼処理を「12月23日」にそれぞれ設定する。
以上のような演算は、プロセスコンピュータ10において、それぞれの契約番号に関連づけされたオーダー情報ごとに、出荷処理の処理予定日から順次さかのぼって実行される。これにより、契約番号に関連づけされたオーダー情報ごとに個々の処理の処理予定日が設定され、厚鋼板の製造プロセスのスケジュールテーブルが生成される。このスケジュールテーブルは、プロセスコンピュータ10のデータ格納部10cに格納される。その後、図9に示すステップST16に移行する。
この第2の実施形態によるスケジューリング方法におけるステップST16〜ST22の処理はそれぞれ、第1の実施形態によるステップST4〜ST10の処理と同様なので、それらの説明を省略する。なお、このステップST16〜ST22においては、発生工程が設定された契約番号における製造プロセスにおいて、あらかじめ設定された発生工程が実際に発生した場合には、この発生工程として設定された処理を、仮の処理予定日を処理開始日として、工期にしたがって実行する。
また、発生工程が設定された契約番号における製造プロセスにおいて、結果的に発生工程が発生しなかった場合には、ステップST18における情報変化に応じた再設定が必要であると判断して、ステップST21,ST22において、完了していない工程の処理におけるそれぞれの処理予定日を前倒して再設定しても良い。また、発生工程が、あらかじめ設定した処理ではなかった場合には、必要に応じて、あらかじめ設定した発生工程の工期を、実際に発生した発生工程の処理に分配させて、工期の按分および処理予定日の再設定を行っても良い。
以上説明した以外の、第2の実施形態によるスケジューリング方法を行うオーダーシステムや厚鋼板の製造プロセスを実行する際の処理については、第1の実施形態と同様であるので、それらの説明を省略する。
以上説明した第2の実施形態によるスケジューリング方法によれば、図9に示すステップST16〜ST22において、処理予定日の再設定を実行することにより、第1の実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、従来突発的であった発生工程を、発生確率の高い契約番号の製造プロセスに対して、あらかじめ最小限追加していることにより、長い工期の発生工程や複数回の発生工程が生じても、第1の実施形態に比して、変更が許容されない処理予定日を遵守しつつ、円滑に製造プロセスを実行することが可能になる。これによって、発生工程が生じた場合でも、納期を遵守することが可能になるので、納期の達成率を向上させることができる。ここで、本発明者が、この第2の実施形態によるスケジューリング方法に基づいて、厚鋼板の製造プロセスのスケジュールを設定したところ、納期の達成率が、約3%以上向上したことが確認された。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の実施形態において挙げた数値、処理予定日はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値、処理予定日であってもよい。
上述の実施形態においては、第1工場から第3工場のプロセスコンピュータにオーダー情報を送信するようにしているが、工場の数に関してはあくまでも一例であり、必ずしも3工場に限定されるものではない。
また、上述の実施形態においては、処理として、出鋼処理、圧延処理、剪断処理、ガス切断処理、熱処理、探傷処理、ショットブラスト処理、山付処理および出荷処理の場合を例に説明しているが、これらの処理に限定されるものではなく、スラブやストリップに対する複数の処理を有する鋼板の処理に適用することが可能である。
また、上述の実施形態においては、突発的な処理として、工期マスターテーブルにすでに設定されているガス切断処理を行う例を示したが、工期マスターテーブルに設定されていない処理を突発的な処理として実行することも可能である。この場合、突発的な処理に要する日数や時間については、オペレータがプロセスコンピュータ10に入力する必要がある。さらに、工期マスターテーブルに、通常の処理としては実行されないが、突発的な処理として実行が想定されるすべての処理の所要日数や所要時間を設定しておくのが好ましい。
さらに、上述の第1の実施形態においては、ステップST9における工期の按分処理を日単位で行ったが、必要に応じて、時間単位や分単位で行うことも可能である。
また、上述の第2の実施形態においては、製造に必要な処理に発生工程を追加するデータテーブルに対する処理を、各工場のプロセスコンピュータ10において行う例について説明したが、必ずしも各工場のプロセスコンピュータ10が行う場合に限定されるものではなく、オーダー供給装置2が行うことも可能である。この場合、あらかじめ発生工程が追加されたオーダー情報が各工場のプロセスコンピュータ3,4,5に供給される。
また、上述の第2の実施形態においては、発生工程の仮の処理予定日を山付処理の直前に設定するようにしているが、プロセスコンピュータ10の情報処理部10aによって、発生工程を要する契約番号ごとに、発生工程の処理に応じて、発生工程を、例えば剪断処理の直後、ガス切断処理の直後、熱処理の直後などの適切な段階に挿入して、仮の処理予定日を設定することも可能である。
また、上述の第2の実施形態においては、発生工程の処理として1つの処理の場合について説明したが、発生工程の処理としては、必ずしも1つの処理に限定されるものではなく、製造情報に基づいて、発生工程として複数の処理が必要になる場合には、それぞれの処理を発生工程に含めて設定することが可能である。この場合、複数の処理の工期の合計を発生工程の工期として設定し、仮の処理開始日をまとめて設定しても、処理ごとに適切な段階に分散させて設定させてもよい。
1 ネットワーク網
2 オーダー供給装置
2a オーダデータベース
3,4,5,10 プロセスコンピュータ
10a 情報処理部
10b 出力表示部
10c データ格納部
11 出鋼処理設備
12 圧延処理設備
13 剪断処理設備
14 ガス切断処理設備
15 熱処理設備
16 発生工程処理設備
17 検査設備
18 出荷設備

Claims (5)

  1. 被処理物に対して行う一連の処理の終了時点を設定する終了時点設定ステップと、
    あらかじめ設定された複数の処理から、前記一連の処理を構成する処理を複数選択する選択ステップと、
    前記複数の処理に対してあらかじめ設定されたそれぞれの処理の工期に基づいて、前記複数選択された処理におけるそれぞれの処理の工期を抽出する工期抽出ステップと、
    前記一連の処理の終了時点と、前記抽出された複数の処理の工期とに基づいて、前記複数選択された処理における各処理ごとに、処理を開始する処理開始時点を設定する設定ステップと、
    前記複数選択された処理のうちの少なくとも1つの処理の処理開始時点の変更に伴って、前記終了時点を固定しつつ、前記処理開始時点が変更された処理以降の処理のうちで処理開始時点を変更可能なそれぞれの処理における処理開始時点を再設定する再設定ステップと、
    を含むことを特徴とするスケジューリング方法。
  2. 前記再設定ステップが、前記少なくとも1つの処理の処理開始時点の変更に伴って、前記処理開始時点を変更可能なそれぞれの処理の工期に基づいて、前記処理開始時点を変更可能なそれぞれの処理に対して工期を按分して設定し、前記処理開始時点を変更可能なそれぞれの処理の処理開始時点を、それぞれ前記按分した工期に基づいて再設定することを特徴とする請求項1に記載のスケジューリング方法。
  3. 前記あらかじめ設定された複数の処理には、突発的に発生する処理が含まれ、前記選択ステップが、前記被処理物に対して行う一連の処理の情報に基づいて、前記一連の処理を構成する処理に前記突発的に発生する処理を追加するか否かを判断し、追加すると判断した場合に前記一連の処理を構成する処理に、前記突発的に発生する処理を追加する追加ステップを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のスケジューリング方法。
  4. 前記複数の処理が、厚鋼板の製造プロセスにおいて実行される複数の処理であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスケジューリング方法。
  5. 被処理物に対して行う一連の処理の終了時点を設定する終了時点設定手段と、
    あらかじめ設定された複数の処理から、前記一連の処理を構成する処理を複数選択する選択手段と、
    前記複数の処理においてあらかじめ設定されたそれぞれの処理の工期に基づいて、前記複数選択された処理におけるそれぞれの処理の工期を抽出する工期抽出手段と、
    前記一連の処理の終了時点と、前記抽出された複数の処理の工期とに基づいて、前記複数選択された処理における各処理ごとに、処理を開始する処理開始時点を設定する設定手段と、
    前記複数選択された処理のうちの少なくとも1つの処理の処理開始時点の変更に伴って、前記終了時点を固定しつつ、前記処理開始時点が変更された処理以降の処理のうちで処理開始時点を変更可能なそれぞれの処理における処理開始時点を再設定する再設定手段と、
    を備えることを特徴とするスケジューリングシステム。
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